JPH1165480A - 表示デバイス - Google Patents

表示デバイス

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JPH1165480A
JPH1165480A JP23653697A JP23653697A JPH1165480A JP H1165480 A JPH1165480 A JP H1165480A JP 23653697 A JP23653697 A JP 23653697A JP 23653697 A JP23653697 A JP 23653697A JP H1165480 A JPH1165480 A JP H1165480A
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JP
Japan
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magnetic layer
display device
substrate
magnetic
film
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Application number
JP23653697A
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English (en)
Inventor
Tadao Katsuragawa
忠雄 桂川
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示面積の大面積化が容易であり、磁気ペン
などの簡便な記録装置で画像を記録することができ、明
暗のはっきりした鮮明な表示画像が得られる表示デバイ
スを提供する。 【解決手段】 光を透過する基板1の一方の面に希土類
鉄ガーネットの磁性層2を設け、磁性層2の表面及び基
板1の他方の面にそれぞれ偏光子層3、4を設けた。透
明性が高く且つファラデー回転角の大きい希土類鉄ガー
ネットを磁性層2として使用したので、磁性層2の各部
の磁化の向きを変更することにより明暗のはっきりした
鮮明な表示画像が得られる。また、希土類鉄ガーネット
の磁性層2は、磁気ペンなど簡便な記録装置で各部の磁
化の向きを変更することができるので取扱いやすい。ま
た、基板1にプラスチックフィルムやガラス板など安価
で大面積化が可能なものを使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示デバイスに関
し、特に、ファラデー効果を示す磁性層と偏光子層とを
有し、磁性層の各部の磁化状態の違いによって生じる明
暗により表示を行うとともに、磁気ヘッドによって書き
換えが繰り返し可能な表示デバイスに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、フラットパネルディスプレイに使
用される表示デバイスとして、光を部分的に透過あるい
は遮断することによって表示をおこなう液晶ディスプレ
イ(LCD)が知られている。液晶ディスプレイは光学
的に結晶のような異方性示す液体のセルを一対の透明部
材間に挟み、両透明部材に設けられた透明電極間に印加
する電圧を制御し、各セルごとに透過状態にしたり遮断
状態にしたりすることにより表示を行うものである。し
かし、液晶を用いて所望の文字や図形を表示するために
は、セグメントあるいはドット毎に電極を設ける必要が
あり、構造が複雑になり且つ高価にならざるを得ないと
いう欠点を有している。また、両透明電極間への電圧供
給を絶つと表示内容が消失してしまうため、表示内容を
保持するために常に電源をオンしておくなどの対策が必
要である。そこで、磁化の向きによって偏光の回転角が
異なる、いわゆるファラデー効果を示す透明な磁性層と
偏光子層とを積層し、磁性層の各部の磁化の向きを変更
することにより、光を透過する部分と遮断する部分とに
より明暗(コントラスト)を生じさせて表示を行う表示
デバイスが提案された。この種の従来の表示デバイスと
しては、GGG(ガドニウム・ガリウム・ガーネット)
の単結晶からなるほぼ透明な基板上にビスマス置換フェ
ライトガーネットのほぼ透明な磁性層を液層エピタキシ
ャル成長法により形成した後、両面に偏光子層を形成
し、背面にAlの反射膜を設けたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、GGGの単結
晶基板は高価であり、しかも大面積のものを作成するこ
とは現状ではできないため、上記従来の表示デバイスは
表示面積を大きくすることができない。そもそも、GG
Gの単結晶を基板材料に選んだ理由は、ビスマス置換フ
ェライトガーネットの磁性層を液層エピタキシャル成長
法により形成するために、これに近い格子定数の基板を
必要としたためである。また、上記従来の表示デバイス
は、ビスマス置換フェライトガーネットの磁性層に磁界
を印加することにより各部の磁化の向きを変更すること
はできるが、像を視認できるようにするには1T(テス
ラ)程度の強い磁界が必要である。また、ファラデー効
果を利用して表示を行う従来の表示デバイスのほとんど
は、背面に反射膜を設け、磁性層の各部の磁化の向きを
変更することにより、反射膜からの反射光を制御するこ
とによって画像を表示するものであったため、暗い場所
では画像を鮮明に表示できないという問題があった。そ
こで、本発明の解決しようとする課題は、表示面積の大
面積化が容易であり、磁気ペンなどの簡便な記録装置で
画像を記録することができ、明暗のはっきりした鮮明な
表示画像が得られる表示デバイスを提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明に係る表示デバイスは、光を
透過する基板の一方の面に希土類鉄ガーネットの磁性層
を設け、この磁性層の表面及び基板の他方の面に偏光子
層を設けてなる。上記磁性層として用いる希土類鉄ガー
ネット(RIG)は一般的にR3 Fe512と表示され
る(Rは希土類原子)。Rには例えばDy、Tb、G
d、Yb、Sm等が用いられる。このRをBiで置換す
るとファラデー効果が大きくなることが知られている。
このRIGという材料は透明性が高いという特性を持っ
ている。また、ファラデー回転角が大きく、且つ基板面
に垂直に磁気異方性をもたせることができるため、基板
面に垂直に入射する光との相互作用(ファラデー効果)
を大きくすることができる、透過状態と遮断状態の明暗
の差(光の透過率の差)を大きくできる。なお、Biの
置換量は2以上、すなわちBiX3-X Fe5-Y AlY
12のXは2≦X<3であることが好ましい。また、A
lの置換量は透明性や保磁力、飽和磁化に影響するが、
0.5≦Y≦1.5が好ましい。また、磁性層の保磁力
は300Oe〜2KOeが好ましく、平均粒子径は透明
性、磁気特性の点から500Å〜2000Åが好まし
い。
【0005】上記希土類鉄ガーネットの磁性層は、PV
D法により基板上に多結晶薄膜を堆積させることにより
形成してもよいし、また、粉末を結合剤と共に分散しこ
れを基板上に塗布することにより形成してもよい。膜厚
は多結晶薄膜の場合5000Å〜2μm、粒子の塗布膜
の場合は1μm〜10μmが好ましい。また、粒子と結
合剤の混合比は重量比で結合剤/粒子=1/5〜1/1
が好ましい。磁性層の材料として、一般にはMnBi
や、Baフェライト、Coフェライト等が用いられる
が、化学的安定性、ファラデー効果の大きさ、透明性等
の面から希土類鉄ガーネットが最も適している。また、
請求項2に記載の発明に係る表示デバイスは、請求項1
に記載の構成を前提にして、前記基板にプラスチックフ
ィルムを使用したものである。また、請求項3に記載の
発明に係る表示デバイスは、請求項1または2に記載の
表示デバイスにこれを背後から照らす照明手段を付加し
たものである。また、請求項4に記載の発明に係る表示
デバイスは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成を前
提にして、前記磁性層を基板面に沿って不連続に、例え
ばメッシュ状に形成したものである。
【0006】上記請求項1に記載の表示デバイスによれ
ば、透明性が高く、且つファラデー回転角の大きな希土
類鉄ガーネットを磁性層として使用したので、磁性層の
各部の磁化の向きを選択的に変更することにより明暗の
はっきりした鮮明な表示画像が得られる。また、希土類
鉄ガーネットの磁性層は、磁気ペンなどの簡便な記録装
置で各部の磁化の向きを変更することができるので取扱
いやすい。また、基板にプラスチックフィルムやガラス
板など安価で大面積化が可能なものを使用することがで
きるので、表示面積の大面積化が容易である。また、請
求項2に記載のように基板にプラスチックフィルムを用
いることで、高い可撓性を有する表示デバイスを実現で
き、書き換え可能なカード等にも用いることができる。
また、請求項3に記載のように表示デバイスを背後から
照らす照明手段を設けることで、暗い場所でも明暗のは
っきりした鮮明な画像を表示できる。また、請求項4に
記載のように磁性層を基板面に沿って不連続に形成する
ことで、更に透明性が向上するため、明るい表示画像を
得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態に
ついて説明する。図1は、本発明に係る表示デバイスの
実施の形態の一例を示した図であり、この表示デバイス
は、ガラス基板、プラスチックフィルムなどのほぼ透明
な基板1の一方の面に希土類鉄ガーネットのほぼ透明な
磁性層2を設け、この磁性層2の表面及び基板1の他方
の面にそれぞれ偏光子層3、4を設けてなる。基板1と
しては石英ガラス等無機材料がワイヤグリッド偏光子を
表面に加工しやすい(リソグラフィー法)。以下に述べ
る透明プラスチックスを用いると、軽い、薄い、曲げや
すい等の利点があるので利用しやすい。プラスチックス
の場合はSiO2 を数μm表面にスパッタ等で積層し、
この上にリソグラフィー法を用いて上記無機の石英ガラ
ス等と同様にワイヤグリッド偏光子を加工して用いるこ
とができる。基板用プラスチックとしては、MMA、P
MMA、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル
系樹脂、スチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリアリレー
ト、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、エポキ
シ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、フッ素化ポリ
イミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、ナイロン樹脂等が使用できる。
【0008】偏光子層3、4としては各種偏光フィルム
が用いられ、市販のものも用いることができる。偏光フ
ィルムには大別して多ハロゲン偏光フィルム、染料偏光
フィルム、金属偏光フィルムなどがあり、多ハロゲン偏
光フィルムは2色性物質にヨウ素を用いているため、可
視領域全般についてフラットな特性を示すが、湿度、高
温等に弱いという特徴を有す。また染料偏光フィルムは
偏光性能はヨウ素より劣るものの、熱・光・湿度に対し
耐性が大きいという特徴を有している。なお、偏光子層
3、4の露出面にはキズがつきやすいので保護層を設け
ることが望ましい。保護層の材料としては、石英ガラ
ス、サファイア、結晶化透明ガラス、パイレックスガラ
ス、Al23 、MgO、BeO、ZrO2 、Y2
3 、ThO2 ・CaO等が考えられるが、好ましくはア
クリル、ポリカーボネート等の透明樹脂が用いられる。
【0009】上記表示デバイスの偏光子層4に光が入射
すると、偏光子層4の偏光面と一致した偏光成分のみ偏
光子層4及び基板1を透過して、磁性層2に入射する。
磁性層2では、そこに含まれる磁性微粒子が磁化されて
いる部分ではスピンが上(又は下向き)に揃えられてお
り、入射した直線偏光とスピンとが平行の際に透過光の
偏光面が回転する。一方、磁性微粒子が磁化されていな
い部分ではスピンの向きがランダムであるため、入射直
線偏光の偏波面は回転しない。したがって、磁性層2の
内、磁化されている部分に入射した直線偏光のみその偏
波面が回転し、磁化されていない部分に入射した直線偏
光は偏波面が回転せずに偏光子層3に入射する。そし
て、磁性層2の磁化されている部分を通過した直線偏光
は偏光子層3の偏光面と一致した偏光成分を含まないた
め遮断され、磁性層2の磁化されていない部分を通過し
た直線偏光のみ透過する。その結果、磁性層2の磁化さ
れた部分は暗く見え、磁化されていない部分は明るく見
える。上記のような構成とすることにより、磁性層2の
磁化の状態に応じて明暗をつくることができ、且つ、こ
の明暗は磁気記録によるものであるため、繰り返し画像
を書込み、また保存することもできる。
【0010】図2は上記表示デバイスに画像を磁気的に
書き込む際に使用される磁気ペン20の先端部の構造を
例示したものであり、この磁気ペン20はその柄21の
先端部に永久磁石22を備えている。永久磁石22は、
直径が約1mm、長さが約10mm程度の円筒状磁石であ
り、この例ではS極側が柄21の先端部内に埋設されて
保持されている。また、永久磁石22の表面磁束密度は
2Kガウス程度である。上記表示デバイスは、この磁気
ペン20を偏光子層3に対して垂直に立て、軽くなぞる
だけで簡単に画像を書き込むことができる。
【0011】図3は、本発明に係る表示デバイスの別の
実施の形態を示した図であり、この表示デバイスは、図
1に示した表示デバイスの背面すなわち偏光子層4の表
面にバックライト5を設けたものである。このようにバ
ックライト5を設けて表示デバイスを背後から照らすこ
とにより、より明るくコントラストの高い像を表示する
ことができる。また、透明磁性層2の光透過率は良好で
あるが、これを一様な連続した層とせず、層の所々に小
さな孔を開けたり層を分散して設けるなどして不連続に
形成することにより、更に透明性を向上させることがで
きる。この場合、各不連続部の寸法が画素寸法の1/3
以下であれば、画像濃度への影響は小さく、且つ透明性
は不連続部の面積に応じて向上するので明るい像とな
り、画像のコントラストが向上する。画像濃度は主とし
て偏光面の回転(ファラデー回転角)に依存するからで
ある。なお、各画素寸法は直径30〜100μm程度で
ある。
【0012】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をより具体的に説
明する。 〈実施例1〉1mm厚の石英ガラス基板上にスパッタ法
を用いて、磁性層2となる希土類鉄ガーネットの薄膜
(0.9μm厚)を製膜した。製膜材料に用いたターゲ
ットの組成は、Bi2 Gd1 Fe3.8 Al1.219であ
った。製膜時基板温度は300度に保ち、製膜後650
度で3時間空気中で加熱処理した。得られた膜は保磁力
2.3KOeの垂直磁気異方性を示した。図4は、上記
希土類鉄ガーネット薄膜の分光透過率の測定結果であ
り、550nm以上の長波長領域では50%以上の高い
透過率を示すことが確認された。図5は上記希土類鉄ガ
ーネット薄膜の磁気光学効果を、最も大きな回転角を示
す波長520nmの光を用いて、最大印加磁界12Kガ
ウスとして測定した結果である。ついで一般に市販され
ているフィルム型偏光子(2色性物質にヨウ素を用いた
もの)を上記磁性層付き石英ガラス基板の両側に配置し
て表示デバイスを作成した。使用したフィルム型偏光子
の波長520nmにおける透過率は約40%ほどであっ
た。上記のようにして作成した表示デバイスのフィルム
型偏光子(偏光子膜3)に、図2に示した永久磁石22
の先端部を軽く押し当てて文字を書いた後、この文字の
コントラストが最も大きくなるように両フィルム型偏光
子の吸収軸を合わせて固定した。この場合の画像のコン
トラスト比は約1.4であった。また、磁気ペン20の
永久磁石22の先端を画像を書き込んだ部分に近づけ
て、ゆっくりと移動させることにより画像を消去するこ
とができ、その後同様にして繰り返し画像を書込み、表
示することができた。
【0013】〈実施例2〉実施例1と同様の組成の希土
類鉄ガーネット粉末(平均粒子径70nm)を、共沈法
を用いて作製した。この粉末とナフテン酸ビスマスを重
量で1対1の割合で混合し、トルエン溶液を追加した
後、ボールミルを用いて52時間混合分散した。この塗
料を85μm厚のPES(ポリエーテルサルホン)フィ
ルム上に乾燥後2μm厚となるように塗布した。乾燥後
得られた希土類鉄ガーネット膜はナフテン酸ビスマスの
収縮による逆磁歪効果により、膜面に垂直に磁気異方性
が生ずる。この希土類鉄ガーネット膜は保磁力600O
eの垂直磁気異方性を有する膜であり、光透過率は55
0nm以上の長波長側では40%以上であった。磁性層
の磁気光学効果を、最も大きな回転角を示す波長520
nmの光を用いて、最大印加磁界15Kガウスとして測
定した結果、磁界強度0でのファラデー回転角は6度で
あった。ついで実施例1と全く同様にして、フィルム型
偏光子を上記磁性層付きPESフィルムの両側に配置し
て表示デバイスを製作した。PESフィルムの波長52
0nmにおける光透過率は82%であった。上記のよう
にして作成した表示デバイスに、実施例1と同様に磁気
ペン20を用いて文字を書き込んだ後、この文字のコン
トラストが最も大きくなるように両フィルム型偏光子の
吸収軸を合わせて固定した。この場合も画像のコントラ
スト比は約1.4であった。ついで市販のLCD用バッ
クライトの上に、上記表示デバイスを配置し固定した。
この場合の画像のコントラスト比は1.8であった。繰
り返し画像を書込み、表示できる点は実施例1と同じで
あった。
【0014】〈実施例3〉実施例2と同様にしてガーネ
ット磁性塗料を作製し、粘度を調整した後スクリーン印
刷法を用いて、85μm厚のPESフィルム上に乾燥後
2μm厚となるように塗布した。このとき、希土類鉄ガ
ーネット膜が不連続となるように印刷に使用するメッシ
ュを大きくして、約100μm程度の島状に膜を印刷し
た。得られた希土類鉄ガーネット膜の光透過率は550
nm以上の長波長側では60%以上であった。また、希
土類鉄ガーネット膜の磁気光学効果を、波長520nm
の光を用いて測定した結果、磁界強度0でのファラデー
回転角は6.5度であった。ついで実施例1と全く同様
にして、フィルム型偏光子を上記磁性層付きPESフィ
ルムの両側に配置して表示デバイスを製作した。上記の
ようにして作成した表示デバイスに、実施例1と同様に
磁気ペン20を用いて文字を書き込んだ後、この文字の
コントラストが最も大きくなるように両フィルム型偏光
子の吸収軸を合わせて固定した。この場合も画像のコン
トラスト比は約2.0であった。繰り返し画像を書込
み、表示できる点は実施例1と同じであった。
【0015】〈比較例1〉1mm厚の石英ガラス基板上
にスパッタ法を用いて、磁性層となるBaフェライトの
薄膜(0.9μm厚)を製膜した。製膜材料ターゲット
組成は、BaCo0.5 Ti0.5 Fe1119であった。製
膜時基板温度は620度とした。得られた膜は保磁力
1.3KOeの垂直磁気異方性を有し、光透過率は可視
光域では30%程度であった。磁性層の磁気光学効果
を、最も大きな回転角を示す波長780nmの光を用い
て、最大印加磁界15Kガウスとして測定した結果、磁
界強度0でのファラデー回転角は0.5度であった。つ
いでフィルム型偏光子を上記磁性層付き石英ガラス基板
の両側に配置して表示デバイスを製作した。実施例1と
同様に磁気ペン20を用いて文字を書き込んだ後、この
文字のコントラストが最も大きくなるように、フィルム
型偏光子の吸収軸を合わせようとしたが画像は現れなか
った。
【0016】〈比較例2〉1mm厚の石英ガラス基板上
にガス中蒸着法を用いて、磁性層となる鉄超微粒子含有
膜(0.3μm厚)を作製した。蒸発源として用いた鉄
の純度は99.9%であった。使用したガスはArと空
気の混合ガスで、Arを50CCM、空気を20CCM
の流量で流し、全圧力で1.3Paとした。得られた膜
は平均粒子径7nmの鉄微粒子を含有していた。また、
膜の保磁力は500Oeで、膜面に垂直な方向に磁気異
方性を持った膜であった。製膜時に基板は加熱しなかっ
た。光透過率は波長に依存せずほぼ一定であり、可視光
域では30%程度であった。磁性層の磁気光学効果も、
波長依存性はほとんどなかった。磁界強度0でのファラ
デー回転角は1.9度であった。ついでフィルム型偏光
子を上記磁性層付き石英ガラス基板の両側に配置して表
示デバイスを製作した。実施例1と同様に磁気ペン20
を用いて文字を書き込んだ後、この文字のコントラスト
が最も大きくなるように、フィルム型偏光子の吸収軸を
合わせようとしたが画像は現れなかった。
【0017】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、以下のよ
うな優れた効果を発揮できる。請求項1に記載の発明に
よれば、透明性が高く、且つファラデー回転角の大きな
希土類鉄ガーネットを磁性層として使用したことによ
り、明暗のはっきりした鮮明な表示画像を得ることがで
き、磁気ペンなどの簡便な記録装置で各部の磁化の向き
を容易に変更することができ、しかも大面積化が可能な
表示デバイスを提供できる。また、請求項2に記載の発
明によれば、前記基板にプラスチックフィルムを使用し
たことにより、請求項1の表示デバイスに十分な可撓性
を付与することができる。また、請求項3に記載の発明
によれば、請求項1または2の表示デバイスにこれを背
後から照らす照明手段を付加したことにより、暗い場所
でも明暗のはっきりした鮮明な画像を表示できる。ま
た、請求項4に記載の発明によれば、前記磁性層を基板
面に沿って不連続に形成したことにより、磁性層の透明
性が更に向上するため、請求項1〜3の表示デバイスよ
りも明るい表示画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示デバイスの実施の形態の一例
を示した部分断面図である。
【図2】本発明に係る表示デバイスに画像を磁気的に書
き込む際に使用される磁気ペンの先端部の構造を例示し
た部分破断図である。
【図3】本発明に係る表示デバイスの別の実施の形態を
示した部分断面図である。
【図4】希土類鉄ガーネット薄膜の分光透過率の測定結
果を示す図である。
【図5】希土類鉄ガーネット薄膜の磁気光学効果の測定
結果を示す図である。
【符号の説明】
1 基板、2 磁性層、3 偏光子層、4 偏光子層、
5 バックライト(照明手段)20 磁気ペン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を透過する基板の一方の面に希土類鉄
    ガーネットの磁性層を設け、この磁性層の表面及び基板
    の他方の面に偏光子層を設けたことを特徴とする表示デ
    バイス。
  2. 【請求項2】 前記基板にプラスチックフィルムを使用
    したことを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の表示デバイス
    を背後から照らす照明手段を備えたことを特徴とする表
    示デバイス。
  4. 【請求項4】 前記磁性層を基板面に沿って不連続に形
    成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の表示デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007107941A3 (en) * 2006-03-17 2007-11-22 Panorama Labs Pty Ltd Magneto-opto photonic crystal multilayer structure having enhanced faraday rotation with visible light
CN110828436A (zh) * 2019-11-15 2020-02-21 江西维真显示科技有限公司 磁性3d-led模组及其制备方法

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