JP2002277842A - 画像表示素子 - Google Patents

画像表示素子

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JP2002277842A
JP2002277842A JP2001078367A JP2001078367A JP2002277842A JP 2002277842 A JP2002277842 A JP 2002277842A JP 2001078367 A JP2001078367 A JP 2001078367A JP 2001078367 A JP2001078367 A JP 2001078367A JP 2002277842 A JP2002277842 A JP 2002277842A
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いコントラストを有するデジタル画像及び
フレキシビリティを合わせ持った、透過型及び反射型画
像表示素子を提供する。 【解決手段】 透明支持体上の透明なマイクロ磁気ヘッ
ドアレイと、磁気光学効果を有する層と、偏光子層とを
少なくとも設けたことを特徴とする画像表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像表示素子に関
し、さらに詳しくは可視光に透明なマイクロ磁気ヘッド
アレイによって磁気光学効果保有層を磁化し、偏光子を
用いて磁化部位と非磁化部位で光透過率を変化させ、コ
ントラストを発現させた、超薄型フレキシブル画像表示
素子に関する。画像はエネルギーフリーで長期保存が可
能であり、また書き換え自在であり、静止画や動画が可
能である。またカラー画像形成も容易であり、手書きに
よる画像をデジタル入力として読み出し・送信する事も
可能な画像表示素子に関する。また、液晶ディスプレイ
に代わる画像表示素子として用いることが出来る。画像
サイズは大小自在に製作可能であるので、ICカードや
携帯型電話器等の小型表示素子から、広告用大画面ディ
スプレイまで、各種の画像表示素子に用いることができ
る。
【0002】
【従来の技術】画像表示素子に関してはこれまでに、多
くの発明が提案されている。本発明者らも、特開200
0−047032「偏光変換素子及び該偏光変換素子を
使用した表示装置」、特開2000−171633「偏
光変換素子及び該偏光変換素子を利用した表示装置」、
特開2000−162988「イメージングデバイ
ス」、特開2000−162993「イメージングデバ
イス」、特開2000−173019「磁気光学素子及
び磁気ヘッドアレイ」、特開2000−163552
「カード」、特開平11−287974「磁気光学素
子」、特開平11−337727「光学素子」の他いく
つかの提案をしてきた。
【0003】これら画像表示素子の基本構成は、透明で
かつファラデー効果を有する磁性膜と、コントラストを
与えるための偏光子である。磁性膜によって発生した旋
光を、偏光子を用いて通過させるか、させないかでコン
トラストを与えるものである。
【0004】本発明のような磁気光学効果を用いた空間
変調素子は、古くから研究されており、多くの文献に発
表されている。例えば Litton Data Systems社のWillia
m E.Rose、Robert H.Andersonなどが書いた、OPTICAL EN
GINEERING (1983) Vol. 22 No.4 P485がある。いずれの
素子もかなり高い完成度であるものの、磁化するための
配線用電流の発熱による割れや、磁性ガーネット単結晶
を用いるための作製の困難さ、また大面積化の困難さ、
素子のフレキシビリティのないことによる取り扱いの不
便さ、基本的に大きな駆動電流が必要であり、小型化が
困難で実用化ができない等の問題点が指摘されていた。
【0005】その他、Bi−YIGを用いての画像も確
認されているが(Electrochimica Acta 44 1999, 3921-3
925他 山崎陽太郎)、磁気ヘッドを用いたデバイスと
しての技術は報告されていない。
【0006】また、Dy置換YIGを磁性層とし、アル
ミニウム反射板を用いて、レーザー加熱により画像を確
認したものも報告されているが(Trans. Mat. Res. So
c. Jpn.,Volume 15B, p1129 宇部興産(株))、これ
らもマイクロ磁気ヘッドアレイを内蔵させて、デジタル
画像を発現させるまでには至っていない。
【0007】画像表示素子として、磁気旋光の他に旋光
を用いたものとしては、液晶ディスプレイを挙げること
ができる。これら液晶ディスプレイを磁気旋光を比べる
と、旋光を用いる点では同様であるが、 (1)応答スピードが液晶の10ms程度に対して、数
ns以下と1000倍以上速い。 (2)画像分解能が100dpi以上と容易に高くでき
る。 (3)タッチパネルなどの他の手段を追加して用いなく
ても、磁気ペンで画像への追記が容易にできる。 (4)液体漏れ防止のための袋機能(ガラス板やプラス
チック板及び液の封止)が不要である。 (5)薄膜で形成ができるので薄く製作が可能である、
等多くの点で磁気旋光を用いる方が優れている。
【0008】Litton Data Systems社の磁気光学効果を
用いた空間変調素子は、画像出現原理は同じであるが、
磁性体として単結晶磁性ガーネットを用いる為、そのま
ま視認するような、大面積画像表示素子としては用いる
ことができない(大面積単結晶は作製が困難なため)。
本発明は透明磁性材料として、多結晶磁性体薄膜を用い
て、容易に大面積画像表示素子を作製できる。
【0009】上記した山崎陽太郎や宇部興産のデバイス
の場合は、内蔵マイクロ磁気ヘッドを用いて、デジタル
画像を瞬時に表示するデバイスとしては報告されていな
い。勿論カラー化やバックライトによる画像表示法、フ
レキシブル透明支持体を用いる方法、反射型偏光子を用
いる方法、ペーパー2次電池を用いる方法、誘電体薄膜
でコントラストを増大する方法、2次電池駆動などに関
しては全く述べられていない。
【0010】本発明者が以前に提案した従来技術に於い
ては、磁気記録層を支持体上に設ける為に、PVD法、
CVD法、メッキ法、塗布法などを用いた。これらの中
でスパッタ法(RFスパッタ、DCスパッタ、レーザー
ビームスパッタなど)で作製した磁性層は薄くて、透明
性が高く性能がよい。しかし膜作製時に支持体を高い温
度で加熱しなければ、結晶化した磁性体薄膜が得られな
い。膜作製時加熱しない場合は、膜作製後に膜の加熱処
理が一般的に必要であり、透明でフレキシブルな、使用
に便利なプラスチック支持体は用いることが困難であっ
た。
【0011】光エネルギーを磁性層のみで吸収させ、支
持体は透過させる、レーザーアニール法もあるが、膜作
製時にプラズマ(スパッタ法などの場合)温度や、電子
銃(真空蒸着法などの場合)によって加熱され、プラス
チックは熱収縮のためにペコペコに変形してしまう。耐
熱性の高いプラスチック支持体は、光透過性が一般的に
劣る場合が多く、従って従来は耐熱性ガラス基板などが
用いられた。しかし一般的なガラスでは、曲げたりする
ことができないし、割れやすいとか、厚いとかの欠点が
あった。高耐熱性の特殊な透明フレキシブル支持体を用
いることも提案したが、コスト的に高価であるという課
題を残していた。
【0012】更に磁性層書き換え用のマイクロ磁気ヘッ
ドアレイを用いた場合は、例えばフォトリソグラフィー
法で作製した銅線による、数ターンのコイルを用いた
(比較例2に例示)。このコイル作製の場合は、比較的
大きな磁界強度を得ることができるが、上層と下層のコ
イルパターンをつなぎ合わせることが必要で、微細であ
るだけに困難であり、作製上の課題を残していた。また
コイル形状を用いるマイクロ磁気ヘッドアレイの場合
は、各磁気ヘッド単体を小さくすることが困難で、高密
度化して高精細画像を得ることも比較的困難であった。
【0013】従来はマイクロ磁気ヘッドアレイの直上
に、透明磁性層を作製することは、比較的困難であっ
た。それは透明磁性層作製において、PVD法やゾルゲ
ル法の場合は加熱温度が高い(上記で説明した)が、予
め作製した磁気ヘッドに耐熱性を持たせることが比較的
困難であった。また塗布法やメッキ法の場合は、使用す
る絶縁体や結着剤に樹脂を使うために、作製した磁気ヘ
ッド(この場合支持体として利用)の破損の懸念があっ
たからである。反射型画像表示素子はバックライト不要
で、消費電力が少ない点で有利であるが、しかし画像の
明るさの点では不利であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の状況
を鑑みてなされたものであり、 1.可視光に透明なマイクロ磁気ヘッドアレイ作製を可
能として、透過型及び反射型画像表示素子共に得られる
ようにする、 2.透明なマイクロ磁気ヘッドアレイ直上に透明磁性層
を設けて、ヘッド磁界利用効率を向上させ、高精細画像
を得られるようにする、 3.耐熱性と光透過性及びフレキシビリティを合わせ持
った支持体を用いて、高精細で取り扱いやすく、透過型
及び反射型画像表示素子共に得られるようにする、 4.偏光子、透明磁性体薄膜、マイクロ磁気ヘッドアレ
イ、ペーパー2次電池を重ねて設けて、扱いやすい超薄
型モバイル画像表示素子を得られるようにする、 5.従来よりも簡便な構造、製造法として、大幅に低コ
ストな画像表示素子を得られるようにする、画像表示素
子を提供することをその課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、透明支持体上の透明
なマイクロ磁気ヘッドアレイと、磁気光学効果を有する
層と、偏光子層とを少なくとも設けたことを特徴とする
画像表示素子を提供することにより、前記課題を解決す
ることができた。
【0016】本発明の表示素子の代表的構成を2例示
す。第一は本発明の主目的である、バックライトを設け
て、磁性体の透過光(可視光)を用いてコントラストを
得る、透過型画像表示素子について示す。基本構成は、
偏光子(上)/透明磁性層/透明マイクロ磁気ヘッドア
レイ/透明支持体/偏光子(下)/バックライト/2次
電池である(図1、請求項1、2、3、4、7、8、1
1、12、13、14,15、16、17)。
【0017】この構成に対して偏光子(上)(画像を見
る側)の上面に、保護層を設ける構成もキズ防止などの
点で好ましい(請求項15)。マイクロ磁気ヘッドアレ
イの銅線層上下には、薄い透明電気的絶縁層が設けられ
る。偏光子(上)と(下)は画像コントラスト比が最大
になるように、各偏光軸を回転して設けられる。たとえ
ば透明磁性層の磁気光学効果(ファラデー効果)がある
特定波長域で10度の場合には、約10度偏光軸を回転
して設けられる。なおこの構成では、バックライト光が
磁性層を透過できるために、マイクロ磁気ヘッドアレイ
は透明体として透明支持体上に作製される。従来は支持
体の一面にマイクロ磁気ヘッドアレイを、もう一方の面
に磁性層を設けたために、(上記従来技術の欠点で、同
一面作製困難理由を述べた)磁性層と磁気ヘッド間の距
離が大きくなった。薄い支持体を用いたとしても、10
μm程度以上となり、大きな磁気的損失(スペーシング
ロス)が生じていた。
【0018】またカラー画像を得るために、カラーフィ
ルターを偏光子(上)とバックライトの間に設けること
ができる(請求項11)。さらには上記ファラデー回転
角を増加させるために、磁性層と誘電体層を積層したり
して、組み合わせ設けることができる(請求項6)。こ
の方法は誘電体層で光を多重反射させ、磁性層内に閉じ
込める目的でなされる。誘電体層の反射率を大きくする
と、回転角は増大するが、光透過率が減少するので、適
当な反射率が選択される。誘電体層は増大させたい波長
や、得たい増大率、及び透過率などを考慮して、層構成
(層厚、層数、層対象性、層繰り替えし数、層材料な
ど。詳細は再度以下で示す)が決められる。
【0019】他の1つの構成例は、バックライトを用い
ず、反射光によってコントラストを得る場合である(以
下反射型画像表示素子)。基本構成は、偏光子(上)/
透明磁性層/透明マイクロ磁気ヘッドアレイ/透明支持
体/偏光子(下)/反射層/2次電池である(図2、請
求項1、2、3、4、5,6、10、11、12、1
3、14,15、16、17)。
【0020】偏光子(下)は無くても良いし、反射型偏
光子を用いても良い(請求項5)。また反射層は透明磁
性層と2次電池の間(偏光子層が不要となる場合があ
る)に設けることもできる。従来はマイクロ磁気ヘッド
アレイが不透明であったために、マイクロ磁気ヘッドア
レイの磁性体層側しか配置できなかった。
【0021】本発明ではマイクロ磁気ヘッドアレイの構
造を、図3及び図4に示すように直線状配線層(請求項
2)としたので、構造が簡単であり、無機物のみでの製
作が可能となり、耐熱性を高めたり、破損に対する耐久
性を高める設計が、比較的容易となる。また高密度化し
て高精細画像を得ることも、構造が簡単であるため比較
的容易となる。
【0022】なお直線状配線とは、図3、図4に例を示
すが、いわゆる導線を直線的(折れ曲がりは許容され
る)に配列した配線層2枚以上を、直角に配置して積層
するもので、直線で囲われた部位に発生する磁界を利用
する。前記直線状配線はいくつかの変形が作製でき、図
4のようにコの字型でなく、Ωの文字のようにコの字一
部を直線で絞ったような形状も可能である。いわゆる何
ターンものコイルに比較して、最大でも2ターン(最小
単位2枚の場合、コの字型の場合)であり、発生磁界は
同一電流の場合には弱いので、本発明では磁性体層を磁
化しやすいように、磁性体の保磁力を低下させた(請求
項14)。更に磁性体との距離を縮めて、効率よく磁化
するために、該マイクロ磁気ヘッドアレイの直上(電気
絶縁層は設けるが)に、透明磁性層を配置するようにし
た(請求項10)。
【0023】マイクロ磁気ヘッド作製に於ける従来の最
大課題は、銅線(仏のNIPSON社では金線を用い
る)やポリイミド樹脂などを使用して、コイルを平面上
に作製するために、複雑な多層構造とするしかなく、ど
うしても不透明となっていた従ってマイクロ磁気ヘッド
直上面に反射膜を設けて、反射型画像表示素子とするし
かなかった点である。従来可視光に透明なマイクロ磁気
ヘッドはなく、本発明の最大の特徴は、透明なマイクロ
磁気ヘッドを始めて作製したことである。
【0024】本発明では偏光子を2枚利用できるため、
画像コントラストが向上する。この構成に対しても偏光
子の上(画像を見る側)に、保護層を設ける構成も好ま
しい(請求項14)。また磁性体と誘電体層を組み合わ
せて、磁気光学効果(ファラデー回転角、カー回転角)
を増加させるようにしても良い(請求項6)。
【0025】透明磁性体を透過後、反射させる場合はフ
ァラデー効果を利用する事になる。磁性体層でかなりの
比率の光を反射させるカー配置も可能である。またカラ
ー画像を得るために、カラーフィルターを偏光子(上)
と反射層間に設けることができる(請求項9)。このよ
うな反射型画像表示素子は透過型と異なり、照射用のバ
ックライトが不要となるために、エネルギー効率が向上
する点が特徴となる。
【0026】しかし画像の明るさや、鮮明さは透過型画
像表示素子の方が一般的には良好である。本発明では適
宜、使用目的により、(従来はできなかった)選択が可
能である。
【0027】他の構成例としては、偏光子/透明支持体
/透明磁性層/反射層/マイクロ磁気ヘッドアレイなど
の構成も可能である。
【0028】本発明の画像表示素子の特徴は以下の通り
である。 (1)以上のような透明型にも、反射型にも利用できる
基本構成を取れることである。しかも以下の理由によ
り、従来よりも大幅に高精細(高コントラスト、高分解
能)、低コストにできる。 (a)高コントラスト 磁気ヘッドと磁性体の距離を短縮したため(請求項1
1)、ヘッドの電流値が同じでも、より強い磁界を磁性
体に付与できて、強く磁化できる。回転角が増大して高
コントラストになる。 (b)低コスト・高分解能 従来のコイル型磁気ヘッドから、直線状配線を用いた磁
気ヘッドにしたので(請求項2)、製作が容易でコスト
が低下した。コイル型では必ず配線が上下層間で交差す
るため、製作が困難であったが、本発明の磁気ヘッドで
は、たとえば直線状配線/透明絶縁体層/直線状配線
(請求項2)の基本構成を取るので、配線の交叉は生じ
ない(電流は上下別回路で、タイミングをとって同時に
流す)。また従来のPVD法、CVD法、ゾルゲル法、
メッキ法、塗布法等に比較して、作製が容易な溶射法を
用いたので、作製コストが低下した。PVD法、ゾルゲ
ル法では、希土類鉄ガーネット利用の場合、600度近
い加熱が、結晶化の為に必要である。特に品質の高い磁
性層が得られるPVD法では、高価な高真空装置が必要
であり、ランニングコストも高い。結晶化済みの微粒子
を用いるメッキ法、塗布法では、膜中の微粒子による光
の散乱が避けがたく、透明度に僅かなくもりが生じて、
画像品質の低下が見られた。
【0029】(2)取り扱いやすい (a)画像表示素子全体の厚みが薄い。透過型、反射型
いずれの画像表示素子においても、各構成要素には超薄
型のものを使用した。偏光子には反射型偏光子が好まし
く、反射型偏光子は薄膜を複数層積層して作製するが、
全厚みはせいぜい100μm程度である。透明磁性層に
は誘電体層との積層構造も画像コントラスト増大のため
に選択可能で、利用できるが、せいぜい数μmの厚みで
ある。透明マイクロ磁気ヘッドアレイは、導電性配線層
(格子状配線の内の縦配線層)/絶縁体層/導電性配線
層(格子状配線の内の横配線層)の基本構成をとるが、
全厚みはせいぜい30〜100μmの厚みである。透明
支持体にはガラス成分(オルガノポリシロキサン)で処
理した透明紙を用いる為安く、また厚味もせいぜい10
0μmの厚みである。バックライトはプラスチックフィ
ルム製の導光板と、この導光板の端部から光を入射する
ための、LEDを用いたり、全体がEL(エレクトロ
ルミネッセンス)層からなるため、せいぜい0.5mm
程度の厚みである。2次電池はペーパー2次電池と言わ
れる、厚味05〜1.0mmのリチウム電池などを用い
る。従って全体として、総厚みが1.5mm程度と従来
(液晶ディスプレイなどに比較して)に無く薄い、画像
表示素子が作製できる。フレキシビリティがあり、割れ
にくい。上記で説明したように(アンダーラインを施し
た)各素材は、いずれもプラスチック製フィルムを用い
たりしているために、変形が容易であり、割れにくい。
従ってフレキシビリティの高い画像表示素子が作製でき
る。従って扱いやすい素子となる。
【0030】(3)高速画像生成ができる 本発明のマイクロ磁気ヘッドアレイは、二次元的に複数
のグループに分けて配置し、かつ各グループの各磁気ヘ
ッドには、同時に通電されるようにした(請求項1
6)。たとえば磁気ヘッドが配置されている、有効画像
素子サイズ(この範囲で画像が見られる)が200×1
00mmであれば、100×50mmの4つの面積に分
割して配線され、分割された部分の各磁気ヘッド単体に
は同時に通電される。従来は各磁気ヘッドには、数十m
Aの電流が必要であったため、4分割された部分の全磁
気ヘッドに同時には、電流を流すことは困難であった。
全電流値が1A以上になると、電池駆動が困難になるか
らである。本発明では軽いペーパー2次電池を用いてい
るが、同時に各分割部位に電流を流せる。電流値が小さ
くても十分な磁気記録ができるからであるが、その理由
は主に3つある。1つは上記したように、マイクロ磁気
ヘッドアレイと磁性層の間隔が小さくなり、発生磁界の
磁性層への伝達効率が向上して、電流値が小さくなった
からである。もう1つは磁性体の保磁力を従来より大幅
に減少させて(請求項14、300Oe以下)、磁気記
録しやすくしたために、小さい電流でも記録できるよう
にしたからである。更にもう1つは、反射型の場合は磁
気ヘッド部位に、高透磁率薄膜を積層する事により、大
幅に磁界発生効率を向上させたからである(請求項1
0)。従来のコイル型ヘッドには、高透磁率材料をコア
中心部に芯として設けて、磁界発生効率を向上させてい
た。これと同様の効果が、単なる薄膜を追加(磁界発生
部+薄膜)する事により達成できることを見出したので
ある。また従来のコイル型磁気ヘッドを用いないため、
インダクタンスによる問題が発生せず、従って高速画像
形成が可能になる。画像に対応するマイクロ磁気ヘッド
アレイの分割数は、搭載する電池の容量とのかねあいで
最適に選択される。分割数を多くすれば、画像形成速度
は速くなるが、必要電流値が大きくなる。以上の対策に
よりA4サイズという大画面においても、動画像を生成
する事が可能である。
【0031】以上(1)〜(3)の特徴をもたらした要
因の1つは、透明ガラス紙を支持体に用いたことであ
る。希土類鉄ガーネットは透明磁性層として好ましい材
料であるが、結晶化温度が高く(約600度、結晶化し
ないと磁性が現れない)、支持体材料の選択範囲が狭か
った。他にも透明、高磁気光学効果保有磁性体はある
が、いずれも同じ理由でこれに近い耐熱性が必要であっ
た。本発明の課題であるフレキシビリティと、基本的な
要件である透明性と、高耐熱性を備える材料が無かった
ために、画像表示素子としては作製することが困難であ
った。本発明はこの必要条件を同時に満足する素材を見
出して発明を完成させた。
【0032】透明ガラス紙とは、たとえば特許第253
8527号、特開平11−247093に示されてい
る。用いられるオルガノポリシロキサンは、アルコール
可溶性で加水分解可能な有機金属化合物であり、R
iO(RSiO)nSiR、(RSiO)nなど
によって示される化合物の内、特に分子量の高いものを
いう。しかし本発明では磁性材料の選択如何によらず、
膜作製法として溶射法(別途詳細を説明する、請求項1
7)を用いるので、以下の従来からある支持体をも利用
することも可能となった。MMA、PMMA、ABS樹
脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォ
ン、ポリエーテルサルフォン、エポキシ樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1、フッ素化ポリイミド、フッ素樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン
樹脂などが用いられる。10〜100μmの厚みが取り
扱い上、柔軟性があって好ましい。
【0033】本発明の透明マイクロ磁気ヘッドアレイ
は、磁気ヘッドを2次元的に複数個並べたものである
(図3、図4)。2次元に配列して用いるので、画像表
示部位と記録用磁気ヘッドアレイを相互に移動すること
なく(従来の1個のヘッドを用いる場合のように)、デ
ジタル画像を形成できる。磁気ヘッド1個の外形は、2
00μm以下が好ましい。本発明が高解像度画像形成用
であり、127DPI(画像のドットピッチは200μ
m)以上の画像分解能を得たいためである。磁気ヘッド
に発生する熱を少なくするためには、配線の形状は幅2
μm〜10μm程度が好ましい。
【0034】本発明の特徴が多くある中で、主要特徴点
はこのマイクロ磁気ヘッドが透明である点であるが、本
発明でこのマイクロ磁気ヘッドを透明化出来た主な理由
は以下のとおりである。 I)従来金属導電性材料、例えば不透明な金や銅などを
コイルに用いていた。更にコイルの中心には、コア材利
用として金属で不透明なの高透磁率材料を用いていた。
この導電性材料に、以下に示す透明なITO膜を用い
た。更に配線をコイル形状から、直線状に変更したの
で、コアを用いる必要が無くなった。 II)マククロ磁気ヘッドアレイの直上に磁性層を設けて
(磁性層/マイクロ磁気ヘッド/支持体の層構成とし
て)、磁性層とヘッド間距離を近接させ、ヘッドからの
磁界利用効率を向上させた。このため少ないヘッド駆動
電流で、画像形成が可能となり、ターン数の多い磁気コ
イルでなくても、直線上配線で十分に磁気記録できるよ
うにした。直線状配線は透明ITO膜で作製可能であ
る。 III)磁性層の記録が容易となるように、磁性層の保磁
力を低減した。即ち小電流で記録可能となり、ITO膜
の直線上配線が使用できるようになった。
【0035】透明マイクロ磁気ヘッドアレイに用いられ
る導電材料は、透明性の点から透明導電膜が好ましい。
透明導電膜とは可視光の透過率が高く、また導電性があ
る膜であり、酸化錫膜(SnO2)、酸化インジウム
(In23)膜の系統が代表的な材料である。酸化イン
ジウム膜には、比抵抗を下げるために微量添加元素(ド
ーパント)として、スズ(Tin)が用いられており、
Indium Tin Oxideの頭文字をとって、ITO膜とよばれ
る。以下本発明ではITO膜と記す。膜厚としては0.
1〜2.0μmとして用いられ、面抵抗(1cm角の抵
抗値)は10〜800Ω/□程度で用いられる。
【0036】マイクロ磁気ヘッドに用いられる透明絶縁
材料は、一般的なたとえば透明ポリイミド膜など広く用
いられるが、透明でかつ耐熱性が必要なことから、フッ
素化ポリイミド樹脂、オクタキス・ヒドリドシルセスキ
オキサン分子とビスフェニルエチニル・ベンゼン分子
を、触媒を使って共重合させた樹脂、珪素系液体、透明
フッ素樹脂、オレフィン・マレイミド共重合体、ポリエ
ステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルフ
ォン樹脂、ポリカーボネート樹脂などが任意に用いられ
る。無機材料としては、別途以下に示す誘電体膜が用い
られる。
【0037】透明ポリイミド樹脂にはたとえば「サンエ
バー」(日産化学工業商品名)がある。この中でも電圧
印加時の樹脂自身の分極をほとんど無くしたタイプ(サ
ンエバーRN812)は、可視光透明性が大幅に向上し
て93%以上(1μm厚み)と高いだけでなく、成膜し
たITO膜のフィルム基板への付着性も大きく向上して
おり、従来使用しずらかったが、耐溶剤性、電気絶縁
性、加工性、低通気性、低吸湿性、表面平滑性などの検
討に置いて、従来よりも表示素子に好ましく利用できる
ことがわかった。熱分解温度は450度以上であるの
で、本発明の目的にとって非常に好ましい。ただし、本
発明で使用できる透明ポリイミド樹脂としては、他の市
販品も使用可能であり、これらに限られるものではな
い。
【0038】フッ素化ポリイミド樹脂はNTTによって
開発され、光透過率は90%程度と高い。(従来のポリ
イミド樹脂は褐色に着色していたがこれとは異なる)。
現在、たとえば「OPI」の商品名(日立化成工業)で
市販されているものが挙げられ、該フッ素化ポリイミド
樹脂のフッ素含有率は20〜30%で、熱線膨張係数は
5×10-6/℃である。但し透明ポリイミド樹脂(フッ
素化ポリイミド樹脂も含む)はコストが高いため、オレ
フィン・マレイミド共重合体フィルムとの積層や、従来
使用されたポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテ
ルスルフォン、ポリカーボネートのフィルムとの積層と
しても用いることある。
【0039】マイクロ磁気ヘッドアレイの製造方法は大
別して、フォトリソグラフィー法、電気メッキ法が用い
られる。配線のパターン形成用マスクには、各種レーザ
ー光や軟X線、紫外線などが用いられる。配線の加工に
置いては、導線の断面積(線幅、線高さ)がより大きい
ことが、電気抵抗を低下させる点から重要であるが、前
述したように、解像度の点から磁気ヘッドピッチには制
限があるので、導線間の絶縁層体積がより少ない方法が
選ばれる。本発明では導線の高さは0.1μm以上とす
ることにより、電気抵抗を下げて発熱や断線を防止す
る。
【0040】本発明の直線状配線層上に、高透磁率層を
加えると、磁界発生効率が向上する。一般的なコイル形
状の場合に、コイル中心部にコアとして、磁束を収束さ
せる高透磁率材料を配置すると、磁束の発散を防いで磁
気ヘッドとしての効率が向上する。直線状配線による磁
界収束部(格子状配線間の中心部)でも、同様の効果が
得られることがわかった。高透磁率層の膜厚は100〜
5000nmが好ましい。
【0041】前記高透磁率薄膜に用いる軟磁性材料とし
ては、従来より多用される、純鉄、珪素鋼、鉄やニッケ
ル及びコバルトとの各種合金(Fe−Si−B系、Co
−Fe−Si−B系)などが用いられる。特に本発明の
目的には、これら鉄とニッケルで構成されるパーマロイ
が好適に用いられる。透磁率は1000以上もしくは1
0000以上が良い。ただし透明性に劣るために、透過
型画像表示素子の場合は使用困難で、反射型画像表示素
子の内、反射膜がマイクロ磁気ヘッドアレイの上(画像
表示側)に設けられる場合の利用が好ましい。
【0042】画像形成に於いては、本マイクロ磁気ヘッ
ドアレイを用いて上書き(オーバーライト)しても良い
し、永久磁石を用いるか、交流磁界消去法を用いて広い
範囲を一括して消去しても良い。またマイクロ磁気ヘッ
ドアレイの磁界センシング機能を用いて、磁気ペンで磁
性層上に画像記録した後、この記録をマイクロ磁気ヘッ
ドアレイなどで読み取り、デジタルデータとして送信な
どに利用することも可能である。
【0043】本マイクロ磁気ヘッドアレイの電気的な駆
動法は、FETなどを用いてスイッチングによって単独
又は複数個の磁気ヘッドに励磁電流を順次供給してなさ
れる方法が任意に用いられる。なお更に高速度に画像形
成したい場合は、数個ずつに同時に電流を流す方法も、
電源が大きくなるが可能である。
【0044】本マイクロ磁気ヘッドを用いて記録する磁
性体は制限されないが、適しているのは磁気光学効果の
特に大きな透明磁性体が好ましい。例えば本発明者が提
案している、複数の誘電体膜と透明磁性体とで構成され
る、磁気光学効果の大きな透明磁性層や、またいわゆる
一般的な透明磁気記録媒体を用いても良い。誘電体と磁
性体の多層膜によって、ファラデー効果が従来より大幅
に増大されることを利用した例を以下に2つ示す。1つ
は、多層膜は誘電体をG、磁性体をMとすると{(G
M)n(MG)nm/支持体の層構成を有する磁気記録
媒体である。誘電体Gと磁性体Mは、GMの次はMGの
ように積層順が逆になる。即ち磁性体Mに関して対称と
なることが必要である。n=1、M=1の場合を図5に
示す。光学膜厚(n・d)は1/4波長である。もう1
つは、上記Gの層を高屈折率層と低屈折率層の2層で構
成する方法である。
【0045】一般的な透明磁気記録媒体としては、コバ
ルトフェライト、Baフェライトなどの酸化物、FeB
3、FeF3、YFeO3、NdFeO3などの複屈折が
大きな材料、MnBi、MnCuBi、PtCoなどが
あり、透明性が得られる程度に薄くして(誘電体膜と組
み合わせても良い)使用することが可能である。本発明
に於ける反射型画像表示素子の場合に、光が磁性層を透
過しなくても構わない場合があるので、カー効果を有す
る一般的な磁気ディスク(MO)に用いられる磁性材料
も利用できる。
【0046】可視光全体にわたって均一な、かつ大きな
性能指数を有する透明磁性層としては、下記一般式
(1)で代表される、希土類鉄ガーネットである透明磁
性体が好ましい(請求項13)。 R3-XXFe5-yy12 (1) [但し0.2<x<3、0≦y<5、Rは希土類金属
で、該希土類金属は(Y)、(Sm)、(Eu)、(G
d)、(Tb)、(Dy)、(Ho)、(Er)、(T
m)、(Yb)及び(Lu)よりなる群から選ばれた少
なくとも一種、AはBi、Ce、(Pb)、(Ca)及
び(Pt)よりなる群から選ばれた少なくとも一種、B
は(Al)、(Ga)、(Cr)、(Mn)、(S
c)、(In)、(Ru)、(Rh)、(Co)、(F
e(II))、(Cu)、(Ni)、(Zn)、(L
i)、(Si)、(Ge)、(Zr)及び(Ti)より
なる群から選ばれた少なくとも一種である]
【0047】磁性材料の保磁力は組成を調整して、30
0Oe以下好ましくは、50〜300Oeにして用いら
れる。保磁力は一般的に小さいほど磁気的書き込みの為
のエネルギーは小さくて済み、従って磁気ヘッドの作製
が簡便となり好ましいが、あまり小さいとハンドバッグ
の永久磁石などに近づいた場合に消去されてしまうなど
の不具合が生ずる。この点50〜300Oeが好まし
い。300Oe以下の場合は、巻き数の多いコイル状磁
気ヘッドで無くても、直線状配線層によって形成され
た、格子形状にした矩形の磁気ヘッドでも、十分な磁界
強度が得られて、磁性体を磁化できる。磁性層厚みは5
0nm〜10μm、強磁性体単独では50nm〜2μm
の範囲で選択される。磁気光学効果は、光の進行方向と
スピンの方向とが平行の場合に、最も大きな効果が得ら
れるので、これらの材料は膜面に垂直に磁気異方性を有
する膜が好ましい。
【0048】これらの透明磁性材料は一般的なスパッ
タ、真空蒸着、MBE、イオンプレーティングなどのP
VD法やCVD法、メッキ法等によって形成される。共
沈法によって作製した超微粒子を、塗布法やメッキ法及
び溶射法によって支持体上に形成しても良い。溶射法と
は金属などの表面に膜作製して、固くするなど、表面改
質のために一般的に用いられている方法である。結晶化
している微粒子を、プラズマなどの高温中を通過せしめ
て、溶融させて支持体上に高速度で噴射させ、薄層を形
成する方法である。溶融させる方法によって、プラズマ
溶射法、ジェットコート溶射法、ローカイド/スフェコ
ード溶射法など多くの種類が開発されている。この方法
の特徴は、支持体温度が低温(100℃以下)で形成で
きる点である。微粒子は一度は数千度以上の高温で加熱
され、加圧によってマッハ2〜5に及ぶ超高速度で、収
束ジェット流としてノズル端から支持体上に供給され
る。支持体上では低温となり、たとえばプラスチック支
持体上にも膜を形成できることである。微粒子径を特に
小さくすれば、PVD法等で形成したと同様の性質(表
面平滑性、膜厚均一性など)を有する薄膜を得ることが
できる。特に空気中で形成可能なので、高真空が必要な
PVD法、CVD法などに比較して、低コスト化も可能
となる。
【0049】誘電体膜に用いられる材料は、透明でかつ
熱的に安定な物質が適し、例えば金属や半金属の酸化
物、窒化物、カルコゲン化物、フッカ物、炭化物、及び
これらの混合物であり、具体的にはSiO2、SiO、
Al23、GeO2、In23、Ta25、TeO2、T
iO2、MoO3、WO3、ZrO2、Si34、AlN、
BN、TiN、ZnS、CdS、CdSe、ZnSe、
ZnTe、AgF、PbF2、MnF2、NiF2、Si
Cなどの単体あるいはこれらの混合物である。これらの
材料の中から透明磁性体と屈折率を異にする種類を選択
すればよい。各膜厚は5〜200nm、好ましくは5〜
30nmの範囲にするのがよい。誘電体膜は複数の層構
成としても良い。膜は各種のPVD、CVD法を用いて
作製される。上記のような構造とすることによって、強
磁性体特有の波長依存性に応じた最大の磁気光学効果を
有する波長で(ピークを与える波長)、直線偏光の偏光
面回転角が増大するように設計できる。
【0050】反射層としては、PVD法で設けられたA
l、Cu、Ag、Au、Pt、Rh、Al23、SiO
2、TeC、SeAs、TiN、TaN、CrNなどの
薄膜が用いられる。また誘電体多層膜を用いた反射膜な
ども利用することが出来る。厚みは0.1〜1μmの範
囲で選択される。
【0051】偏光子層としては、各種の市販の偏光フィ
ルム等が用いることが出来る。偏光フィルムには大別し
て多ハロゲン偏光フィルム、染料偏光フィルム、金属偏
光フィルムなどがある。また次のような偏光子も利用で
き、これらに制限されるものではない。 1.特開平01−93702(トヨタ自動車(株)) 強磁性体微粒子からなる多数の棒状素子を含む偏光層基
板表面に、一定方向に配列して固着形成することによ
り、製造が容易でかつ光学的特性の優れた偏光板。 2.ワイヤグリッド偏光子 東京農工大学 佐藤勝昭著「現代人の物理−光と磁気」
(朝倉書店)1988年出版、103ページに記載。透
基板に微小な間隔で金やアルミニウムの線をひいたも
の。この場合線の間隔d、波長をλとすると、λ≫dの
波長の光に対して、透過光は線に垂直な振動面を持つほ
ぼ完全な直線偏光に成ることを利用している。偏光度は
97%程度と言われている。 3.コーニング社製「ポーラコア」 長く延伸させた金属銀をガラス自身の中に一方向に配列
させることにより、偏光特性を持たせたガラスで、従来
の有機物偏光素子と異なり耐熱性、耐湿性、耐化学薬品
性、レーザーに対する耐性に非常に優れている。赤外線
用が主であるが、特殊仕様として可視光用がある。 4.積層型偏光子 東北大学電気通信研究所の川上彰二郎教授が1991年
頃に発表したもので、可視光用にはRFスパッタリング
法で、6〜8nmの厚みのGe(ゲルマニウム)と、1
μm厚みのSiO2を交互に60μm厚みになるまで積
層して作製している。0.6μmの波長で測定した性能
指数αTE/αTM(TE波とTM波に対する消衰定数の
比)は400近く、0.8μmの波長で測定した消光比
は35dB、挿入損失は0.18dBであり、可視光に
対して十分なものである。 5.反射型偏光子 住友3M株式会社が販売している。屈折率の異なる薄膜
を、何百層も重ねて積層し、層間で反射・透過を繰り返
し、偏光を取り出す。SとP偏光の内一方を反射して、
一方を通過させるために、反射型という。全厚みは10
0μm程度である。吸収タイプに比較して、反射するの
で画像が明るく感じられる。特に前記5の反射型偏光子
が、光の吸収がなく明るく感じるので好ましい(請求項
5)。いずれの偏光子を用いた場合でも、厚みは50〜
150μmの中で選択される。
【0052】ペーパー2次電池 磁界を発生させるXY駆動線用の電源としては、ペーパ
ー電池と言われる厚みが1mm以下の2次電池が、本発
明の携帯用途にとって好ましい(請求項8)。ノートパ
ソコンなどに搭載されているフィルム状リチウムポリマ
ー2次電池や、フッ素系高分子樹脂を用いた「ポリマー
電解質」を、リチウム系の酸化物とグラファイトで表面
を覆った3層構造の2次電池などが用いられる。消費電
力は1時間当たり1000ミリアンペア以上、電圧は3
ボルト以上が好ましい。本発明では2次電池としたが、
ペーパータイプであれば、一次電池の使用も可能であ
る。
【0053】カラーフィルター 画像をカラー化するためには、液晶ディスプレイに使用
されているカラーフィルターを用いる。カラーフィルタ
ーはガラス基板にブラックマトリックスを形成し、その
間に光透過性のよいRGB(Red、Green、Bl
ue)の各色のフィルター層を作る。フィルター層の厚
味は1〜3μmである。そのフィルター層の上に、色層
の保護や平滑性を目的としたオーバーコート層を設ける
場合がある。染色法、顔料分散法、印刷法、電着法が一
般的な製造方法として用いられる。
【0054】バックライト バックライトは液晶ディスプレイで一般的に用いられる
もので良く、蛍光管等の光源から出射した可視光を導光
板で広げて、画像面に均一に照射するものである。この
種のバックライトには多くの改良が加えられていて、各
種の散乱板や反射板などを用いて、画面の輝度向上が図
られている。また光源を複数個のLEDとして、厚味を
低減し、かつ電池駆動可能としたものもある。更にはE
Lを光源として用いた、厚味0.1mm程度の極薄のも
のも利用されている。本発明では特に限定されないが、
全体を薄くフレキシブルに仕上げると言う点から、光源
をLEDやELとした、フレキシブルで極薄タイプのも
のが好ましい。
【0055】保護膜用材料には次のものが上げられる。
SnS、SiO2、Ta5、ITO、ZrC、Ti
C、MgF2、Al3、MgO、BeO、ZrO
2、 3 、Cなどの無機物やそれらの混合物が利
用できる。また、有機樹脂保護膜としては、重合性モノ
マー及びオリゴマーを主成分とする。光硬化性樹脂組成
物や、熱光硬化性樹脂組成物を用いることが出来る。
【0056】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳しく説明す
る。
【0057】実施例1(請求項1〜14に対する実施
例) (透過型画像表示素子)透明耐熱支持体として、主原料
オルガノポリシロキサンを処理剤として加工した、厚味
75μmの透明紙(石崎商事株式会社製)を用いた。該
支持体の表面粗さ(10点平均表面粗さ−JIS法)は
62nmであり、十分に平滑であった。また可視光の透
明性は、各波長で84%以上と高透過率を有していた。
更には紙に近いフレキシビリティを有していた。該支持
体の上に透明なマイクロ磁気ヘッドアレイを作製した。
まず支持体上に直接、ITO膜/絶縁膜/ITO膜の層
構成を作製した。各ITO膜はスパッタ法を用い、厚味
は0.5μmとなるように作製した。絶縁層としてはS
iO2膜を用い、厚味は0.2μmとした。この各IT
O膜にフォトリソグラフィー法を用いて、直線状配線
(図4)を作製した(請求項3)。線幅は7μm、線間
(A−B−CとG−H−I)は127μmとなるように
配列した。図4のコの字が重なった部分の辺の長さは、
約60μmとした。その後電池を用いて、縦(電極Aを
+、Bを−)と横(電極Dを+、Eを−)方向に電流を
流した場合に、コの字が重なった場所の磁界強度は、4
00mAの通電時で約340ガウスであった。各コイル
への導線端はINとOUTに分離して集中させ、FET
を用いたスイッチを端部に配設して、マイクロ磁気ヘッ
ドアレイとした。
【0058】ついで磁気光学効果の大きな透明磁性層
と、誘電体膜を積層して、上記マイクロ磁気ヘッドアレ
イの上に作製した(請求項6、12)。まずスパッタ法
を用いて、SiO2膜(屈折率n=1.47)を88n
m、ついでBi置換希土類鉄ガーネット膜(n=2.0
5)を252nm、更にその上にSiO2膜を88nm
の各厚みに作製した。以上の透明磁性層と誘電体膜の構
成を1ペアーとして、2ペアー合計6層積層(請求項
6)した。基板温度は加熱せず常温とした。投入電力2
00W、ガス圧力は共に7.0Pa(Ar:O2=9:
1)であった。製膜レイトはSiO2場合、2nm/
秒、Bi置換希土類鉄ガーネット膜の場合0.5nm/
秒であった。各膜の膜厚分布は、最も厚いところと薄い
ところの差異が、全膜厚の3%であった。Bi置換希土
類鉄ガーネット膜の成膜毎に、紫外線レーザーを用い
て、空気中で加熱してBi置換希土類鉄ガーネット膜を
結晶化した。支持体の変形は以上のプロセスでは発生し
なかった。膜の組成はBi2.2Dy0.8Fe3.5Al1.5
12であった。磁気光学効果測定装置(日本分光株製K2
50、ビーム径2mm角)で測定したファラデー回転角
の波長依存性から、ピーク(波長520nm)の半値幅
を求めると21nmであった。ピークのファラデー回転
角は19度であった。VSMで磁界を膜面に垂直に印加
して測定した保磁力は210 Oe(請求項14)であ
った。以上のようにして、磁気光学効果を有する層/透
明マイクロ磁気ヘッドアレイ/透明支持体の順に積層し
た構成(請求項12)を作製した。
【0059】ついでこの磁性層の上に市販の、顔料分散
法で作製したカラーフィルター(厚味2.1μm、解像
力15μm)を張り付けた(請求項11)。ついで前記
カラーフィルター上と、透明支持体の透明支持体上に、
反射型偏光子(住友3M社製)を設けた(請求項5)。
更に画像表示側偏光子上には塗布法によって、ポリカー
ボネートの保護層を5μmの厚みにして作製した。以上
のようにして保護層/反射型偏光子層/カラーフィルタ
ー/磁気光学効果を有する層/マイクロ磁気ヘッドアレ
イ/透明支持体/反射型偏光子層の構成を有する表示素
子を作製した。この表示素子のキズに対する耐久性は、
保護層を設けない場合に対して向上し、キズ発生頻度が
大幅に低減した。この透明支持体の反射型偏光子層側
に、市販の有機EL層を用いた照明用バックライトを設
けた(請求項7)。更にこのバックライトやマイクロ磁
気ヘッドアレイを駆動するために、市販のペーパー2次
電池〔(厚み0.7mm、フッ素系高分子樹脂を用いた
「ポリマー電解質」を、リチウム系の酸化物とグラファ
イトで表面を覆った3層構造)〕を設けた(請求項
8)。各構成要素には、いずれも柔軟性を有する材料を
用いたので、表示素子は変形が容易で、割れたりする事
が無く、且つ扱いが容易であった。マイクロ磁気ヘッド
の1個ずつに、スイッチを用いて通電し、第一列が終わ
ったところで、第二列に通電した。1コイル当たりの通
電時間は約5マイクロ秒であり、同時に多くのコイルに
電流を流す方法を取らなくても、高速度で各列の記録が
出来た。磁気光学効果を有する透明磁性層には約127
μm間隔でドット状磁気記録がなされ、偏光子を通して
コントラストの高いデジタルカラー画像を高密度に形成
できることが確認できた。画像コントラストは5.3で
あった。
【0060】実施例2(請求項9、10に対する実施
例) 実施例1の構成の内、バックライトを設ける代わりに、
保護層/反射型偏光子層/磁気光学効果を有する層/マ
イクロ磁気ヘッドアレイ/透明支持体の下に、200n
mの厚みの銀薄膜を反射膜として、真空蒸着法を用いて
設けた。実施例1と同様に画像を得る事ができたが、バ
ックライト駆動のための電力が不要となり、実施例1に
対して約1/4の電力に低下できた。画像の分解能は実
施例1と同様であったが、画像コントラストは2.7で
あった。
【0061】実施例3(請求項10に対する実施例) 実施例2において、マイクロ磁気ヘッドアレイ作製後絶
縁層上に、高透磁率を有するパーマロイ層(Fe:Ni
=80:20)を、膜厚230nmとなるようにスパッ
タ法を用いて作製した。この場合の透磁率は1400で
あった。これ以外は全く実施例2と同様にしてマイクロ
磁気ヘッドアレイを作製した。マイクロ磁気ヘッド直上
で測定した磁束密度は、高透磁率層がない場合に比較し
て、約1.8倍に増加していた。画像の分解能は実施例
2と同様であったが、画像コントラストは3.5であっ
た。
【0062】実施例4(請求項16に対する実施例) 実施例1のマイクロ磁気ヘッドアレイの電気配線では、
1つのグループとして駆動され、1つずつのヘッドがス
イッチングによって駆動されたが、4つのグループに分
離して、同時に4つずつの磁気ヘッドを駆動した。全画
像を表示する時間は実施例1の1/4であった。
【0063】実施例5(請求項17に対する実施例) 作製工程を実施例1と同様にして、マイクロ磁気ヘッド
アレイを作製した。ついで透明磁性層としてBi置換希
土類鉄ガーネット膜を、プラズマ溶射法を用いてこのマ
イクロ磁気ヘッドアレイ上に製膜した。プラズマ中の溶
射温度は約10,000℃で、溶融粒子がプラズマ溶射
ガンから噴射される速度は、マッハ2程度であった。B
i置換希土類鉄ガーネットとしては、Bi2.0Gd1.0
3.8Al1.212の組成で、平均粒子径0.2μmの微
粒子を用いた。作製したBi置換希土類鉄ガーネット膜
の厚みは、1.2μmとした。磁気光学効果測定装置で
測定したファラデー回転角の波長依存性から、ピーク
(波長520nm)の半値幅を求めると24nmであっ
た。ピークのファラデー回転角は7.7度であった。V
SMで磁界を膜面に垂直に印加して測定した保磁力は2
20 Oe(請求項14)であった。ついでこの磁性層
及び透明支持体の両面上に、市販の染料タイプ偏光子を
各1枚ずつ接着剤を用いて設けた。2枚の偏光子の偏光
軸は、上記磁性層の磁化部位と非磁化部位の透過光コン
トラストが最大となるように、角度を設けて固定した。
以上のようにして偏光子層/磁気光学効果を有する層/
透明マイクロ磁気ヘッドアレイ/透明支持体/偏光子層
の構成を有する表示素子を作製した。この偏光子層の透
明支持体反対側に、市販のLEDとフレキシブル導光板
から構成された、照明用バックライトを設けた。順電圧
3.7V、順電流20mAで用いると、輝度は平均で5
0nitであった。更にこのバックライトやマイクロ磁
気ヘッドアレイを駆動するために、実施例1で用いた、
市販のペーパー2次電池をバックライトの裏側に設け
た。各構成要素には、いずれも柔軟性を有する材料を用
いたので、表示素子は変形が容易で、割れたりする事が
無く、且つ扱いが容易であった。1個ずつコイルに通電
し、第一列が終わったところで、第二列に通電した。1
コイル当たりの通電時間は約5マイクロ秒であり、同時
に多くのコイルに電流を流す方法を取らなくても、高速
度で各列の記録が出来た。磁気光学効果を有する透明磁
性層には約127μm間隔でドット状磁気記録がなさ
れ、偏光子を通してコントラストの高い、デジタル白黒
画像を高密度に形成できることが確認できた。画像コン
トラストは4.3であった。
【0064】比較例1(請求項13、14に対する比較
例) 実施例5において、磁性層として希土類鉄ガーネットの
代わりに、スパッタ法を用いてバリウムフェライト(B
aO・6Fe23)薄膜を作製した。膜厚は希土類鉄ガ
ーネットと同じ1.2μmとした。VSMで磁界を膜面
に垂直に印加して測定した保磁力は1720 Oeであ
った。この磁性層以外は実施例5と全く同様にして、画
像表示素子を作製した。マイクロ磁気ヘッドに大小の電
流を流したが、磁性層を磁化することができず、画像は
得られなかった。
【0065】比較例2(請求項2、3に対する比較例) 実施例2における直線状配線層からなるマイクロ磁気ヘ
ッドアレイの代わりに、コイルタイプのマイクロ磁気ヘ
ッドアレイを作製した。50μm厚のポリイミド基板上
に、5nm厚のPt膜をスパッタ法により設けた。その
上に60μm厚のパーマロイ(Ni:Fe=80:2
0)膜をメッキ法で設けた。エッチング法により60μ
m径で高さ40μmの丸棒状のコアを、ピッチ180μ
mとして残した。上記パーマロイコア間にポリイミド層
を設けた。ついでこのポリイミド層をパターニングし
て、スパイラル状のポリイミドの壁を作製した。無電界
Cuメッキ法を用いてこのポリイミドの壁間に、高さ1
0μm、幅5μmのCu配線を設けた。このCu配線上
に更にポリイミド層を設けた後、上下Cu配線をつなぐ
ためのコンタクトホールを設けた。ついで同様にしても
う一層のCu配線をポリイミド上に設けた後、ポリイミ
ド樹脂を用いて表面層を平坦にした。このポリイミド表
面層の上に、銀膜を100nmの厚みで、反射層として
形成した。コア先端の磁界強度は、200mAの通電時
で約1000ガウスであった。各コイルへの導線端はI
NとOUTに分離して集中させ、FETを用いたスイッ
チを設けて、マイクロ磁気ヘッドアレイとした。マイク
ロ磁気ヘッドアレイの全厚みは約120μmで実施例1
に対して大幅に厚くなった。マイクロ磁気ヘッドアレイ
以外は実施例2と同様にして、画像表示素子を作製して
画像作製を試みたが、電池のパワー不足のため画像は得
られなかった。またマイクロ磁気ヘッドアレイ作製のた
めの時間は、実施例2の直線状配線の積層型よりも3倍
以上かかった。更に透過型画像表示素子の為に、銅線層
をITOで透明化することはこの方法ではできなかっ
た。
【0066】比較例3(請求項4に対する比較例) 実施例1において、紙をオルガノポリシロキサンで処理
した支持体を用いる代わりに、75μm厚のポリカーボ
ネートフィルムを用いて、スパッタ法で全く同様にして
Bi置換希土類鉄ガーネット膜を作製した。しかしポリ
カーボネートフィルムは、プラズマによる熱伸縮のため
に大きく不規則に変形して、画像表示素子としては利用
できなかった。
【0067】
【発明の効果】請求項1の発明の作用効果 高いコントラストを有するデジタル画像及びフレキシビ
リティを合わせ持った、透過型及び反射型画像表示素子
を得ることができた。 請求項2の発明の作用効果 作製が容易で、低コスト化が出来、かつ薄型化がはかれ
た画像表示素子とすることができた。 請求項3の発明の作用効果 マイクロ磁気ヘッドの下面側からの光照射が可能にな
り、従来は作製が困難であった透過型画像表示素子が可
能となった。このため従来の反射型画像表示素子より
も、大幅に画像の明るさが向上した。 請求項4の発明の作用効果 支持体として、紙をオルガノポリシロキ酸で処理した、
耐熱性及び透明性が高く、フレキシビリティが高い薄板
を用いたので、作製が容易となり、画像コントラストが
向上し、取り扱いやすい画像表示素子とすることができ
た。 請求項5の発明の作用効果 光を吸収する従来のものよりも、大幅に明るい画像表示
素子とすることができた。 請求項6の発明の作用効果 磁気光学効果を有する層を、透明磁性体と誘電体の組み
合わせて作製するようにしたので、磁気光学効果が増大
して、画像コントラストが大きな高精細画像表示素子を
得ることができた。 請求項7の発明の作用効果 透明なマイクロ磁気ヘッドアレイと、バックライトの利
用により、画像コントラストの大きな透過型画像表示素
子を得ることができた。 請求項8の発明の作用効果 軽薄でフレキシブルなペーパー2次電池を、表示部の反
対側に設けたので、従来より大幅に扱いやすい画像表示
素子とすることができた。 請求項9の発明の作用効果 カラーフィルターを磁性層と偏光子の間に設けたので、
カラー表示可能な画像表示素子を得ることができる。 請求項10の発明の作用効果 画像表示機能を有する構造(偏光子層/磁気光学効果を
有する層/マイクロ磁気ヘッドアレイ/透明支持体/偏
光子層)の下に、バックライトの代わりに反射膜を設け
たので、電力消費量を低減した画像表示素子を得ること
ができる。 請求項11の発明の作用効果 マイクロ磁気ヘッドアレイ直上に磁気光学効果を有する
層を設けたので、従来のような磁気光学効果を有する層
の支持体が不要となり、磁気ヘッドの磁界が効率よく磁
気光学効果を有する層に伝達できて、より少ない電流で
のヘッド駆動が可能な画像表示素子が得られる。 請求項12の発明の作用効果 磁気光学効果保有層として、希土類鉄ガーネットを用い
たので、透明性が高く、磁気光学効果が大きくてコント
ラストの高い画像表示素子を得ることができる。 請求項13の発明の作用効果 希土類鉄ガーネットの保磁力を300 Oe以下と小さ
くしたので、少ない磁界でも磁性層の磁化が可能とな
り、簡便な直線状電気配線利用可能な画像表示素子がで
きる。 請求項14の発明の作用効果 表示素子最表面の偏光子層上に保護層を設けたので、ひ
っかきキズなどに対する耐久性が向上した画像表示素子
を得ることができる。 請求項15の発明の作用効果 マイクロ磁気ヘットアレイの絶縁体層上に、高透磁率薄
膜層を設けたので、マイクロ磁気ヘッドアレイの磁界発
生効率が、コイルにコアを設けた場合と同様に向上し
て、より高精細な画像表示素子を得ることができる。 請求項16の発明の作用効果 マイクロ磁気ヘッドアレイを複数個にグループ分けし
て、かつ各グループの磁気ヘッドを同時に通電して駆動
したので、分割数に比例して全画像を得るスピードが向
上した画像表示素子を得ることができる。 請求項17の発明の作用効果 マイクロ磁気ヘッドアレイを複数個にグループ分けし
て、かつ各グループの磁気ヘッドを同時に通電して駆動
したので、分割数に比例して全画像を得るスピードが向
上した画像表示素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバックライトを設けて、磁性体の透過
光(可視光)を用いてコントラストを得る透過型画像表
示素子を説明した図である。
【図2】バックライトを用いず、反射光によってコント
ラストを得る透過型画像表示素子の構成例を説明した図
である。
【図3】本発明の画像表示素子のマイクロ磁気ヘッドア
レイのヘッド配線部分の概略図である。
【図4】本発明の画像表示素子のマイクロ磁気ヘッドア
レイのヘッド配線部分の別の態様(Ωの文字のようにコ
の字一部を直線で絞ったような形状)の概略図である。
【図5】誘電体Gと磁性体Mの積層構成〔{(GM)n
(MG)nmにおいてn=1、M=1の場合〕を説明し
た図である。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上の透明なマイクロ磁気ヘッ
    ドアレイと、磁気光学効果を有する層と、偏光子層とを
    少なくとも設けたことを特徴とする画像表示素子。
  2. 【請求項2】 前記マイクロ磁気ヘッドアレイが、直線
    状配線層を積層して設けられていることを特徴とする請
    求項1記載の画像表示素子。
  3. 【請求項3】 前記マイクロ磁気ヘッドアレイが、透明
    なITO膜で形成されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の画像表示素子。
  4. 【請求項4】 前記支持体として、変形可能なオルガノ
    ポリシロキサンで処理した透明薄紙を用いることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示素子。
  5. 【請求項5】 前記偏光子として、偏光軸に直角な偏光
    を反射する反射型偏光子を用いたものであることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示素子。
  6. 【請求項6】 前記磁気光学効果を有する層が、透明磁
    性層と誘電体の組み合わせからなることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の画像表示素子。
  7. 【請求項7】 画像表示素子の片面にバックライトが設
    けられ、該バックライトからの光で画像を形成すること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示
    素子。
  8. 【請求項8】 電気回路を駆動するためのペーパー2次
    電池を、バックライト側に設けたことを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載の画像表示素子。
  9. 【請求項9】 画像表示素子に反射膜を設けたことを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示素
    子。
  10. 【請求項10】 マイクロ磁気ヘッドアレイの画像表示
    面側の絶縁体層上に、高透磁率薄膜層を設けたことを特
    徴とする請求項1〜6及び9のいずれかに記載の画像表
    示素子。
  11. 【請求項11】 カラーフィルターにより、カラー画像
    が得られることを特徴とする請求項1〜10のいずれか
    に記載の画像表示素子。
  12. 【請求項12】 磁気光学効果を有する層/透明マイク
    ロ磁気ヘッドアレイ/透明支持体の順に積層して構成さ
    れたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載
    の画像表示素子。
  13. 【請求項13】 磁気光学効果を有する層として、下記
    一般式(1)で表される希土類鉄ガーネットを用いたこ
    とを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像
    表示素子。 R3-XXFe5-yy12 (1) (但し、Rは希土類金属であって、該希土類金属は
    (Y)、(Sm)、(Eu)、(Gd)、(Tb)、
    (Dy)、(Ho)、(Er)、(Tm)、(Yb)及
    び(Lu)のうちの少なくとも一種以上であり、AはB
    i、Ce、(Pb)、(Ca)、(Pt)などであり、
    Bは(Al)、(Ga)、(Cr)、(Mn)、(S
    c)、(In)、(Ru)、(Rh)、(Co)、(F
    e(II))、(Cu)、(Ni)、(Zn)、(L
    i)、(Si)、(Ge)、(Zr)、(Ti)の少な
    くとも一種以上であり、0.2<x<3、0≦y<5で
    ある)
  14. 【請求項14】 希土類鉄ガーネット層の保磁力を、3
    00Oe以下としたことを特徴とする請求項13記載の
    画像表示素子。
  15. 【請求項15】 画像表示素子表面に保護層を設けたこ
    とを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像
    表示素子。
  16. 【請求項16】 前記マイクロ磁気ヘッドアレイが、複
    数のグループに分割され、かつ、各グループの磁気ヘッ
    ド単体に同時に通電されることを特徴とする請求項1〜
    15のいずれかに記載の画像表示素子。
  17. 【請求項17】 前記透明磁性層が、溶射法によって形
    成されたものであることを特徴とする請求項1〜16の
    いずれかに記載の画像表示素子。
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