JPH09230298A - 光デバイス - Google Patents

光デバイス

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JPH09230298A
JPH09230298A JP8353080A JP35308096A JPH09230298A JP H09230298 A JPH09230298 A JP H09230298A JP 8353080 A JP8353080 A JP 8353080A JP 35308096 A JP35308096 A JP 35308096A JP H09230298 A JPH09230298 A JP H09230298A
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JP
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layer
magnetic
optical device
light
magnetic layer
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JP8353080A
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English (en)
Inventor
Tadao Katsuragawa
忠雄 桂川
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム等のように可撓性の高い安価な光デ
バイスを提供する。 【解決手段】 基板1上に可視光反射層2と磁性微粒子
を含む透明な磁性層3と偏光子層4とを順次積層してな
り、磁性層3の磁化の向きを変更することにより、可視
光を反射層2で反射させたりさせなかったりすることに
より表示を行う。また基板1を透明基板とし、反射層2
を設けない構成とし、磁性層3の磁化の向きを変更する
ことにより、可視光を透過させたりさせなかったりする
ことにより表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光シャッターや表示
素子として使用できる光デバイスに関し、特に磁化の向
きに対して偏光の回転角が異なることを利用し、光が透
過する部分や反射する部分などを任意に設定でき、且つ
該設定を繰り返し行うことが可能な光デバイスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】光を透過し或いは遮断することを利用し
て、表示装置等に用いられる光デバイスとしては、従来
より液晶が一般によく知られている。液晶は光学的に結
晶のような異方性を有する液体のセルを一対のガラス等
の透明部材に挟み、該透明部材の内面に設けた電極に電
圧を加えることにより透過光或いは反射光を制御するも
のであり、近年は可撓性の透明な薄膜部材間に液晶セル
を挟み、フィルム状のフレキシブルなものも利用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶を
用いて所望の文字や図形を表示しようとするためには、
所定のセグメント毎に電極を設ける必要があり、構造が
複雑且つ高価とならざるを得ないという問題点がある。
また、2枚の偏光板の間に磁性体を挟み、光を透過させ
たり或いは反射させたりするものとしては、従来より光
アイソレーターが知られている。光アイソレーターはフ
ァラデー効果を利用したものであり、出入射面に備えた
各偏光板の偏波面を例えば45゜異ならしめると共に、
45゜ファラデーローテーターを上記偏光板間に位置さ
せることによって、入射光を偏光板を介して直線偏光と
し、更にファラデーローテーターに磁界を加えることに
より上記偏光板を透過した光の光軸を45゜回転させて
出射面側に設けた偏光板の光軸と一致せしめ、光を透過
させる。また、ファラデーローテーターに磁界を印加し
ない場合には、ファラデーローテーターにおいて、透過
光の偏波面が回転せず、ファラデーローテーターを出射
する光の偏波面と出射面側の偏光板の光軸とが一致せ
ず、出射面側の偏光子を透過する成分がなくなるもので
あり、このような光アイソレーターは、例えば光通信に
おける雑音除去等に用いられている。しかしながら、上
述したような光アイソレーターに用いられる磁性体、す
なわち、ファラデーローテーターは短波長帯ではTb3+
を添加した常磁性ガラスを用い、また長波長帯ではYI
G(Y3 Fe512)の単結晶を用いており、透明性に
は優れるが可撓性に乏しく、フィルムのように変形して
用いることができず、さらに波長依存性が高く、200
nm〜500nmの波長を有す可視光を透過させたり、
遮断するものに用いることは困難であるという問題点が
あった。
【0004】そこで本発明の目的は、上記従来の技術の
課題を解決し、フィルム等のように可撓性の高い安価な
光デバイスを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明に係る光デバイスは、基板上
に磁性微粒子を含む透明な磁性層と偏光子層とを順次積
層してなり、前記磁性層の磁化の向きを変更することに
より、可視光を透過させたり遮断したりする機能を有す
るものである。また、請求項2に記載の発明に係る光デ
バイスは、基板上に可視光反射層と磁性微粒子を含む透
明な磁性層と偏光子層とを順次積層してなり、前記磁性
層の磁化の向きを変更することにより、可視光を前記可
視光反射層で反射させたり或は反射させない機能を有す
るものである。また、請求項3に記載の発明に係る光デ
バイスは、透明な基板上に第1の偏光子層と磁性微粒子
を含む透明な磁性層と第2の偏光子層とを順次積層して
なり、前記磁性層の磁化の向きを変更することにより、
可視光を透過させたり遮断したりする機能を有するもの
である。また、請求項4に記載の発明に係る光デバイス
は、透明な基板上に磁性微粒子を含む透明な磁性層と偏
光子層と可視光反射層とを順次積層してなり、前記磁性
層の磁化の向きを変更することにより、可視光を前記可
視光反射層で反射させたりさせなかったりする機能を有
するものである。また、請求項5に記載の発明に係る光
デバイスは、請求項1〜4のいずれかに記載の光デバイ
スを前提にして、前記磁性層が垂直磁気異方性を有する
ものである。また、請求項6に記載の発明に係る光デバ
イスは、請求項1〜4のいずれかに記載の光デバイスを
前提にして、前記磁性微粒子の材料に複屈折を示す磁性
材料を使用し且つ平均粒径を1μm以下としたものであ
る。また、請求項7に記載の発明に係る光デバイスは、
請求項1〜4のいずれかに記載の光デバイスを前提にし
て、前記偏光子層を波長特性の各々異なる複数のカラー
偏光フィルムを積層して構成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態例
に基づいて、本発明を詳細に説明する。 [ 第1の実施の形態]図1は、本発明に係る光デバイス
の第1の実施の形態を示す断面図であり、1は変形が容
易で且つ紙と同等かそれ以上の平滑性を有す基板、2は
可視光反射層、3は磁性層、4は偏光子層である。この
実施の形態の光デバイスは、基板1上に、可視光反射層
2、磁性層3、偏光子層4を順次積層してなる。磁性層
2を構成する磁性微粒子には例えばFe、Co、Niな
どの微粒子やこれらの混合微粒子が使用され、中でもF
eの使用が望ましい。ファラデー回転角(deg/c
m)はYIGが250であるのに対し、Feは2.82
5×105、Coは1.88×105 、Niは1.3×
105 である。これらFe、Co、Niの微粒子膜又は
これらの混合微粒子は特に波長依存性が小さく、多少の
波長が変化しても回転角差が生じない。また、可視光域
での使用も可能である。このように構成した光デバイス
の機能は以下の通りである。先ず、光源からの円偏光が
偏光子層4に入射すると、偏光子層4の偏光面と一致し
た偏光成分のみ透過し、その後、磁性層3に入射する。
磁性層3では該磁性層に含まれる磁性微粒子が磁化され
ている所ではスピンが上向き(又は下向き)に揃えられ
ており、入射した直線偏光とスピンとが平行の際に透過
光の偏光面が回転する。一方、磁性微粒子が磁化されて
いない所ではスピンの向きがランダムであるため、入射
直線偏光の偏波面は回転しない。したがって、磁性層3
の内、磁化されている部分に入射した直線偏光のみその
偏波面が回転し、磁化されていない部分に入射した直線
偏光は偏波面が回転せずに可視光反射層2に入射する。
【0007】該可視光反射層2より反射した直線偏光は
再び磁性層3に入射し、磁性層の磁性微粒子が磁化され
ている部分を透過する光は更に回転し、偏光板4に入射
するが、磁性層の磁性微粒子が磁化されていない部分を
透過する光は、その偏波面が回転せずに偏光板4に入射
する。したがって、磁性微粒子が磁化された部分を透過
した直線偏光の偏波面と偏光板4の偏波面とは一致せ
ず、光は光源側に戻らない。一方、磁性微粒子が磁化さ
れていない部分を透過した直線偏光は、その偏波面が回
転していないため、偏光板4の偏波面と直線偏光の光軸
とが一致し、偏光板4を透過して光源側に戻り、光源側
からこの光デバイスを見ると明るく見ることができる。
すなわち、上述したような構成とすることにより、磁性
層の磁化の状態に応じて明暗をつくることができ、且
つ、この明暗は磁気記録によるものであるため、繰り返
し記録し、また保存することもでき、反射型の光シャッ
タや表示デバイスとして利用することが可能である。
【0008】上述した磁性層の記録、すなわち、磁性微
粒子の磁化にはレーザー光と磁界が用いられる。以下、
磁性微粒子の磁化について簡単に説明する。磁性層3の
磁性微粒子は光(レーザー光)を吸収し、これにより該
微粒子の温度が上昇する。加熱により微粒子がキュリー
温度以上となると、一旦磁化が消失し、この状態で磁界
を印加すると、昇温したところのみ磁化が残る。したが
って、磁界を印加する面積は多少広くてもかまわない。
これは光磁気記録材料(TeFeCo等)の磁気記録と
同じ原理である。本発明に係る光シャッターに用いられ
る磁性層は透明マトリックス(SiO2 、Al23
又は強磁性金属の酸化物及びアモルファス酸化物等)中
に強磁性金属(Fe、Co、Ni又は2つ以上の合金)
微粒子が分散されており、粒径は100Å以下で、好ま
しくは記録時に用いるレーザー光を吸収しやすい粒径と
する。上述したように粒径が波長(300nm〜800
nm)より小さく、また磁性層の薄膜が3000Å以
下、好ましくは2000Å〜200Å以下と薄いことか
ら、光の透過率は50%以上と高く、入射光は充分透過
することが可能である。また、直線偏光のファラデー回
転角は、物質の持つ回転能力及び光が透過する物質の光
路長に依存するが、強磁性金属微粒子は偏光面の回転能
力、すなわち、ファラデー角は上述したように特別大き
いことから、超薄膜として透明化しても十分に大きな回
転角を得ることができる。
【0009】[ 第2の実施の形態]図2は、本発明に係
る光デバイスの第2の実施の形態を示す断面図であり、
1は変形が容易で且つ紙と同等かそれ以上の平滑性を有
す基板、2は可視光反射層、5は磁性層、4は偏光子層
である。この実施の形態の光デバイスは、基板1上に、
可視光反射層2、磁性層5、偏光子層4を順次積層して
なる。この実施の形態の光デバイスは、磁性層5を構成
する磁性微粒子が第1の実施の形態と異なり、磁性微粒
子の材料として、複屈折を示し且つ性能指数(ファラデ
ー回転角Fθ/吸収係数α)の大きい磁性材料を使用
し、平均粒径を1μm以下としている。このような材料
には、FeF3 、FeBO3 、LuFeO3 、YFeO
3 、等がある。磁性層5の磁性微粒子に上記のような材
料を使用する理由は、第1の実施の形態の光デバイスに
おいて不十分となるS/N比を改善するためである。S
は直線偏光の回転角及び透過率に依存し、Nは光の散乱
等に依存する。すなわち、この種の光デバイスは、レー
ザー光を用いて記録・再生することも可能であるが、主
に太陽光のような自然光の可視光域を用いて表示等を行
うものであるため、380nm〜800nmの可視光に
対する光透過率と大きなファラデー回転角が重要であ
る。第1の実施の形態で使用した材料(Fe、Co、N
i等)では、特に500nm以下の波長で吸収が大き
く、そのためファラデー回転角は大きくても、性能指数
(Fθ/α)が小さく、十分なコントラストを得るには
S/N比が不十分であった。第1の実施の形態では記録
時にレーザー光を使用することを前提にしており、その
場合には複屈折を示す材料はS/N比を低下させる原因
になるため使用されない(ただし、500nm以下の波
長領域で性能指数が劣るような波長のレーザー光を使用
しなければ問題ない)。
【0010】この第2の実施の形態は、複屈折を示す材
料でも、粒径が1μm以下の微粒子を使用すれば大きな
ファラデー回転角が得られると同時に、磁性層5中では
粒子のランダムな結晶方位のために複屈折がキャンセル
されるという知見に基づくものである。波長500nm
の場合の性能指数を比較すると、例えば、YIG(イッ
トリウム鉄ガーネット)は0.4(deg/db)、F
eは0.03(deg/db)であったが、FeF3
(菱面体晶)では9.8(deg/db)、FeBO3
(菱面体晶)では11.0であり、10倍以上大きい。
すなわち、磁性層の厚さを同じとすれば、第1の実施の
形態よりも第2の実施の形態の方が大きなファラデー回
転角が得られ、吸収が少なく、コントラストが良好にな
る。したがって、この第2の実施の形態の光デバイス
は、レーザー光を使用して記録・再生を行う高密度の記
憶媒体としては不向きであるが、コントラストが高いた
め表示デバイスには適している。なお、磁性層5の磁性
微粒子の平均粒径が1μmより大きいと、可視光の波長
よりも粒径が大きいため光の散乱が大きくなり過ぎ透過
率が悪くなる。また、平均粒径が50Å未満では、超常
磁性になりファラデー回転を示さなくなる。
【0011】本発明の光デバイスの磁性層3には垂直磁
化膜といわれる磁気異方性が基板1面に対して垂直な磁
気特性を有するものが好ましい。その理由は光の進行方
向とスピンの向きとが平行なとき光の回転角が大きく、
入射光及び反射層2からの反射光である直線偏光の偏光
面を著しく回転させると共に、一般に垂直磁化膜のスピ
ンは上向き又は下向きのものが多いからである。偏光子
層4としては各種偏光フィルムが用いられ、市販のもの
も用いることができる。偏光フィルムには大別して多ハ
ロゲン偏光フィルム、染料偏光フィルム、金属偏光フィ
ルムなどがあり、多ハロゲン偏光フィルムは2色性物質
にヨウ素を用いているため、可視領域全般についてフラ
ットな特性を示すが、湿度、高温等に弱いという特徴を
有す。また染料偏光フィルムは偏光性能はヨウ素より劣
るものの、熱・光・湿度に対し耐性が大きいという特徴
を有している。更に近年、蒸着技術の進歩により誘電体
多層膜を用いた薄膜偏光フィルムも用いられている。
【0012】また、偏光子層4として、Al、Au等の
金属や半導体をワイヤー状にして透明基板上に多数平行
に並べて固定してなるワイヤグリッド偏光子を使用して
もよい。反射層2はTiO2 、MgO等の白色微粒子を
一般的な蒸着法やスパッタのPVD法で設けても良い
し、或いは上記白色微粒子を接着剤と混合し、基板上に
塗布して用いても良い。上述したPVD法により形成さ
れる代表的な反射膜はアルミニウム(Al)、シリカ
(SiO)、銀(Ag)、酸化アルミニウム(Al23
)等が一般によく知られている。なお、上記第1及び
第2の実施の形態では、反射型の光デバイスを例にとり
説明したが、基板1を透明基板とし、反射層2を設けな
い構成とすれば、透過型の光デバイスを得ることがで
き、透過光用の表示素子として用いることができる。ま
た、図3に示すように、透明な基板1上に偏光子層4、
磁性層3(5)及び反射層2を順次積層すれば、基板1
側から光が入射するタイプの反射型の光デバイスが得ら
れる。反射型の光デバイスの場合、図4に示すように光
が入射する側の面に反射防止膜6を形成しておくことが
望ましい。また、図5に示すように、透明な基板1上に
第1の偏光子層4−1、磁性層3(5)、及び第2の偏
光子層4−2を順次積層すれば、基板1側と第2の偏光
子層4−2側の両方から表示内容を見ることができる透
過型の光デバイスが得られる。
【0013】次に実施例をあげて本発明をより具体的に
説明する。 実施例1 100μm厚のポリエステルフィルム基板状にアルミニ
ウムを3000Åの厚さで真空蒸着法を用いて作製し
た。この実施例の場合の可視光反射率は85%以上であ
った。次に、イオンビームスパッタ法を用いて下記の条
件で約800Å厚の透明薄膜を製膜した。 ターゲット Fe(99.99%) 基板温度 室温 イオン化ガス Ar(25%)+N2 (75%) イオン入射角 30゜ ベースプレッシャー 1×10-6Torr ターゲット基板間距離 15mm この製膜した膜をX線解析法で調べると、α−Feのブ
ロードで微小な回折ピークが観察された。この回折ピー
クの半値幅とTEM法を用いてFe微粒子の平均半径を
調べると、40Åであった。磁性特性は保持力が500
Oe、垂直磁気異方性磁界が4kOeであり、断面TE
M像で調べた膜の構造は約300Åの柱状構造を有する
ことがわかった。
【0014】光磁気特性はファラデー回転角が1.1d
eg/μm、角型比が0.5であり、可視光部の光透過
率は約60%であった。この磁性膜の上面にTiO2
SiO2 を交互に20層蒸着し、各層の膜圧は約120
0Åとした。以上のようにして作製した試料に波長78
0nmのレーザー光を用いて磁性層に吸収させ、加熱
し、磁界(約1kG)を基板面に垂直に印加し、直線状
に磁化させた。この磁化した部分は自然光の下で見る
と、黒い線として観察され、これは上述したように各波
長の自然光がTiO2 /SiO2 の偏光フィルムを通過
し、直線偏光となり、ついで、磁性膜を透過して偏光面
が回転し、更にAl膜で反射された後、再び磁性膜で回
転するため、その後、この直線偏光の偏波面と偏光フィ
ルムの偏波面とが一致せず、偏光フィルムを透過できな
いためである。
【0015】実施例2 上述した実施例1と同様にし、Al膜付きPET基板上
に透明磁性膜を作製した。またPVA染色系カラー偏光
フィルムを2枚重ねて設けた。この実施例の構成を図6
に示す。PVA染色系カラー偏光フィルムはヨウ素系と
同じく、薄いPVAフィルムに二色性比の高い直接染料
水溶液中で拡散吸着させ、ホウ酸水溶液中で4倍程度一
軸延伸する湿式延伸方法が一般的である。このように形
成したPVA染色系カラー偏光フィルム上に直線状に磁
性膜を磁化した。図6の構成では、光源から出射した赤
色の光は偏光フィルムを透過した後、磁性膜で偏光面が
回転した直線偏光成分はもとの光源側へ戻ることがなく
黒く見え、磁化されていない部分へ入射した赤色光はそ
のまま光源側に戻って赤色に見える。同様に緑色光も磁
化された部分に入射した緑色光は光源側に戻らず、した
がって黒く見え、磁化されていない部分に入射した緑色
光は反射膜により反射し、光源側に戻り、緑色に見え
る。
【0016】実施例3 複屈折材料として平均粒子径0.5μmのFeF3 粉末
を用いた。これはうす緑色の粉末であり、菱面体晶であ
るため、大きな複屈折を示す。また可視光域のファラデ
ー効果も大きい。基板には片面にだけITO膜(透明導
電膜、30Ω/m2 )を形成してなる1mm厚、面積5
0×10mmのガラス基板を用いた、FeF3 粉末は分
散剤及び結合剤としてアニオン型アクリル樹脂を使用
し、ボールミルを用いて3時間分散処理した。FeF3
粉末のアクリル樹脂に対する割合(粉末/アクリル樹
脂)は30重量%とした。このFeF3 分散液をITO
膜面にメッキ法により塗布し、厚み5μmの磁性層を作
成した。この磁性層の色は白色であった。得られた磁性
層のファラデー特性を測定すると430mm付近にピー
クを有し、他の可視光域ではほぼフラットなスペクトル
が得られた。磁気特性測定から得たヒステリシスから、
保磁力は640Oeで等方的特性を示した。また、偏光
特性を調べたところ、600mmの波長の光に対して、
3°の偏光面の回転が得られた。上記磁性層を形成した
ガラス基板の両側に偏光シートをはりつけた。その際、
磁性層と接する偏光膜の偏光面に対し、磁性層のないガ
ラス面と接する偏光膜の偏光面を3°傾けた。各偏光シ
ートのベースには30μm厚のポリカーボネート膜を用
い、この上に電子線フォトリソグラフィー技術を用いて
巾300Å、高さ2000ÅのGeの線を設けた。線は
0.5mm毎に不連続であった。また、線間はSiO2
をスパッタリングすることによって埋めた。偏光子とし
ての性能は、挿入損失0.4db、消光比40dbと良
好であった。上記方法で作製した光学デバイス上に永久
磁石を配置して、偏光膜上から磁性層を1部分磁化させ
た。磁化された部分では、偏光面の回転が生じ、両方の
偏光膜を通過したため、透過しなかった所に比べて明る
く、高いコントラストが得られた。
【0017】実施例4 実施例3におけるITO膜の代わりにAl膜(1000
Å厚み)をガラス基板上に形成した。また、磁性層側の
みに偏光シートを設け、ガラス基板の反対側には設けな
かった。このようにして作成した光デバイス上に永久磁
石を配置して、偏光膜上から磁性層を1部分磁化させ
た。磁化された部分では、磁性膜内で偏光面の回転が生
じ、アルミニウムで反射され、更に同方向に回転して偏
光膜を通過できないために、ガラス基板側から見るとそ
の部分は暗く見えた。他の箇所では偏光面の回転が生ぜ
ず、反射されてくるので明るく見え、高いコントラスト
が得られた。
【0018】実施例5 実施例3、4の方法で作成し光デバイスの光入射面に反
射防止層としてMgF2 (n=1.38)の層を真空蒸
着法によって1000Åの厚さに設けた。この反射防止
層以外は全く実施例3、4と同様にして磁化によるコン
トラストを観察したところ、反射防止層によって入射光
の反射が抑えられ、実施例3、4の場合よりもコントラ
ストは明らかに向上していた。 比較例1 実施例4の磁性層に磁気複屈折を示さないBi1.0 Dy
2.0 Fe512の微粒子を用いた他は実施例4と全く同
様にして表示デバイスを作製した。磁性層のファラデー
効果は1.8度と小さく、又地肌の色も茶色で、コント
ラストがわるく、磁化部が実施例4に比較して見にくか
った。 比較例2 実施例4における偏光層の代わりに、市販の多ハロゲン
偏光フィルム(2色性物質としてヨウ素を用いている)
を用いた他は実施例4と全く同様にして表示デバイスを
作製した。多ハロゲン偏光フィルムの光透過率は34%
と低く、偏光性能も低いため、この表示デバイスはコン
トラストがわるく、ほとんど表示内容を判読できなかっ
た。なお、上記の例では透明基板としてガラス基板を用
いているが、ポリカーボネート系樹脂を使用することも
できる。また、磁性層は、磁性微粒子と結合剤の分散液
をスピンコーティングする方法、メッキ法、スクリーン
印刷法等によっても形成することが可能である。また、
複屈折の大きな磁性材料に、Bi置換ガーネット等透明
性が良好でファラデー効果の大きな材料を粉末状にして
混合して用いれば、磁性層の磁気特性や磁気光学特性の
波長依存性等を修正することができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光デバイ
スは、基板上に反射層と磁性層と偏光層とを連続して作
成した構造としたため、磁性層を磁化した部分は光が反
射されて戻らず黒く見え、また磁性層を磁化しない部分
に入射した光は光源側に戻るか若しくは透過するので、
磁化した部分とそれ以外の部分とでコントラストが形成
され、表示デバイスとして用いることが可能である。ま
た、本発明の光デバイスは、薄膜の構成要素を用いて形
成することができるため、可撓性が高く且つ安価な表示
デバイスあるいは光シャッタを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光デバイスの第1の実施の形態を
示す断面図である。
【図2】本発明に係る光デバイスの第2の実施の形態を
示す断面図である。
【図3】本発明に係る光デバイスを反射光タイプの表示
デバイスに用いた場合の構成例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る光デバイスを反射光タイプの表示
デバイスに用いた場合の別の構造例を示す断面図であ
る。
【図5】本発明に係る光デバイスを反射光タイプの表示
デバイスに用いた場合の構成例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る光デバイスを多色表示用の表示デ
バイスに用いた場合の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・反射層、3・・・磁性層、4・
・・偏光子層、4・・・偏光板(偏光フィルム)、4−
1・・・第1の偏光子層、4−2・・・第2の偏光子
層。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に磁性微粒子を含む透明な磁性層
    と偏光子層とを順次積層してなり、前記磁性層の磁化の
    向きを変更することにより、可視光を透過させたり遮断
    したりする機能を有することを特徴とする光デバイス。
  2. 【請求項2】 透明な基板上に第1の偏光子層と磁性微
    粒子を含む透明な磁性層と第2の偏光子層とを順次積層
    してなり、前記磁性層の磁化の向きを変更することによ
    り、可視光を透過させたり遮断したりする機能を有する
    ことを特徴とする光デバイス。
  3. 【請求項3】 基板上に可視光反射層と磁性微粒子を含
    む透明な磁性層と偏光子層とを順次積層してなり、前記
    磁性層の磁化の向きを変更することにより、可視光を前
    記可視光反射層で反射させたりさせなかったりする機能
    を有することを特徴とする光デバイス。
  4. 【請求項4】 透明な基板上に磁性微粒子を含む透明な
    磁性層と偏光子層と可視光反射層とを順次積層してな
    り、前記磁性層の磁化の向きを変更することにより、可
    視光を前記可視光反射層で反射させたりさせなかったり
    する機能を有することを特徴とする光デバイス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の光デバ
    イスにおいて、前記磁性層が垂直磁気異方性を有するこ
    とを特徴とする光デバイス。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の光デバ
    イスにおいて、前記磁性微粒子は複屈折を示す材料から
    なり且つ平均粒径が1μm以下であることを特徴とする
    光デバイス。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の光デバ
    イスにおいて、前記偏光子層は複数のカラー偏光フィル
    ムを積層してなることを特徴とする光デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102789013A (zh) * 2012-08-10 2012-11-21 京东方科技集团股份有限公司 光学膜片、导光板及其组合方法和背光模组
CN108572480A (zh) * 2018-04-25 2018-09-25 京东方科技集团股份有限公司 一种反射式显示面板及反射式显示装置
CN114815397A (zh) * 2022-06-20 2022-07-29 惠科股份有限公司 光学膜片及其制备方法、显示装置

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