JPH1164857A - 液晶表示板用着色スペーサー、その製造方法及び液晶表示板 - Google Patents
液晶表示板用着色スペーサー、その製造方法及び液晶表示板Info
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- JPH1164857A JPH1164857A JP28894597A JP28894597A JPH1164857A JP H1164857 A JPH1164857 A JP H1164857A JP 28894597 A JP28894597 A JP 28894597A JP 28894597 A JP28894597 A JP 28894597A JP H1164857 A JPH1164857 A JP H1164857A
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Abstract
造方法および液晶表示板を提供する。 【解決手段】 重合体で表面処理して得られるカーボン
ブラックを含有してなる樹脂着色粒子を含む液晶表示板
用着色スペーサーにより達成される。
Description
スペーサー、その製造方法及び液晶表示板に関する。
板間の隙間距離(セルギャップ)を均一にし、保持する
ためのスペーサーと液晶(LC)とが含まれる。この場
合に、かかる表示板にバックライトを当てると、スペー
サーが存在する部分には液晶が存在しないため、バック
ライトからの光が抜けてきて、画像のコントラストが低
下し、表示品位が悪くなるという問題があった。特に、
STN−LCDにおいては、その表示がノーマリーブラ
ックモードであるため、スペーサーが存在する部分から
の光抜けの抑制が求められている。
方法としては、スペーサー粒子を着色する方法が試みら
れている。従来から知られている着色法には、染料や顔
料などの着色剤を用いる方法がある。
た粒子を染料で後染着する方法(特開平3−3316
5、特開平4−103633および特開平4−3516
39など)およびモノマーと染料とを懸濁重合する方
法(特開平5−301909など)が挙げられる。
構造が切断されるため、粒子の強度が小さくなり、かか
る粒子をスペーサーとして液晶表示板を作成する場合
に、2枚の電極基板を組み合わせる際に、該電極基板の
間に存在するスペーサーが容易に変形し、場合によって
は破壊するためセルギャップの均一が困難で、ギャップ
ムラが生じ、そのギャップムラに起因する画像の色ムラ
の発生原因となる場合がある。
用を有するものが含まれている場合があり、得られる重
合体の重合度が低かったり、十分な強度を有する粒子が
得られなかったり、または柔らかかったりする場合があ
る。かかる粒子をスペーサーとして液晶表示板を組み立
てると、スペーサーの強度が十分でないため、ギャップ
コントロールがしづらくてギャップムラ発生し、その結
果、画像の色ムラが生じる場合がある。
料を用いた場合に、粒子マトリックス中に染料を固定化
することが困難なため、染料や染料中の不純物が液晶中
へ溶出し、液晶の電気特性などの信頼性に問題がある場
合がある。
ーと顔料とを懸濁重合させる方法(特開平7−291
3、特開平9−25309など)などがあるが、顔料が
凝集し易いためモノマーへの均一分散が困難であり、さ
らに重合しても着色されていない粒子が得られる場合が
ある。特に、カーボンブラックは得られる粒子を黒色に
することができるため有利であるが、カーボンブラック
表面の水酸基やカルボキシル基が重合禁止又は抑制の維
持効果があるため、重合の際のモノマーの重合度が低く
て、得られる粒子の強度が十分でなかったり、又は柔ら
かすぎたりする場合がある。かかる粒子をスペーサーと
して液晶表示板を組み立てると、染料法の場合と同様
に、ギャップコントロールがしづらく、ギャップムラが
発生して画像の色ムラが生じやすい問題がある。そのう
え、カーボンブラックの場合には、カーボンブラックの
導電性に起因してスペーサーの絶縁性が低下し、スペー
サー周囲の光抜けが大きい問題があるため、液晶表示板
に使用することが困難な場合がある。
が進んでおりLCDパネルの大型化(13インチ以
上)、高表示品位化(コントラスト、色ムラ)や信頼性
の向上がますます望まれており、したがってスペーサー
の品質の向上も望まれている。
る問題点を改良すべくなされたもので、液晶表示板に組
み立てた場合に、ギャップムラが発生せず、ギャップコ
ントロールがしやすい強度と硬さとを有し、着色剤やそ
れに由来する不純物のブリードがなく、スペーサーおよ
びその周囲の光抜けの少ない液晶表示板用着色スペーサ
ーを提供することにある。
着色スペーサーの製造方法を提供することにある。
用着色スペーサーを用いる液晶表示板を提供することに
ある。
(P)で表面処理されたカーボンブラックを含有してな
る樹脂着色粒子を含むことを特徴とする液晶表示坂着色
スペーサーに係るものである。
有する官能基と反応し得る反応性基(X)を有する重合
体(P)で表面処理して得られるカーボンブラックと、
二重結合基を2個以上有するビニル系単量体(B)とを
配合し、かかる配合物を重合することを特徴とする液晶
表示板用着色スペーサーの製造方法に係る。
の存在下で二重結合基1個を有するビニル系単量体
(A)を重合することにより表面処理して得られるカー
ボンブラックと、二重結合基を2個以上有するビニル系
単量体(B)とを配合し、かかる配合物を重合すること
を特徴とする液晶表示板用着色スペーサーの製造方法に
係る。
スペーサーが用いられてなる液晶表示板に係るものであ
る。
する。
サーについて説明する。
クとしては、特に限定されないが、カルボキシル基、ヒ
ドロキシル基などの官能基を有するものである方が、重
合体(P)と反応し易いため好ましく、例えばファーネ
スブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラッ
ク、ランプブラックなどのいずれの種類のものも用いる
ことができ、なかでもカルボキシル基を有するものが好
ましい。官能基は、その他の化合物との反応性の点から
カーボンブラックの表面または表面近傍にあることが望
ましい。さらに、カーボンブラックとしてはpH6未
満、特にpH1〜5のカーボンブラックを用いることが
好ましい。カルボキシル基を有するカーボンブラック
は、酸性カーボンブラックとして容易に入手できるが、
中性あるいは塩基性のカーボンブラックを酸性化処理す
ることにより得られるものも使用できる。カーボンブラ
ックがカルボキシル基などの官能基を有していない場
合、あるいはpHが6を越える場合には、カーボンブラ
ックがグラフト化などの反応が有効に行われない場合が
あるので好ましくない。なお、カーボンブラックのpH
の試験法は、JIS K 6211による。
通常、0.0005〜0.5μm,特に0.001〜
0.2μmの範囲内にあることが好ましい。0.000
5μm未満のカーボンブラックは容易に得られないた
め、産業上その意義が少なく、一方、0.5μmを越え
る場合には、重合体で表面処理されたカーボンブラック
に二重結合基を2個以上有するビニル系単量体(B)で
の分散性が十分に付与できないことがある。
れたカーボンブラックを得る方法は、特に限定されない
が、目的の表面処理されたカーボンブラックが容易に得
られる点で次の2種の方法が好ましい: (イ)カーボンブラックの有する官能基と反応し得る反
応性基(X)を有する重合体(P)で、カーボンブラッ
クを表面処理する方法、および (ロ)カーボンブラックの存在下で二重結合基1個を有
するビニル系単量体(A)を重合してカーボンブラック
を表面処理する方法。
ックの有する官能基と反応し得る反応性基(X)として
は、カーボンブラックの官能基と反応し得るものであれ
ば、特に限定はされないが、エポキシ基、チオエポキシ
基、アジリジン基およびオキサゾリン基などの複素環
基;イソシアネート基、N−ヒドロキシアルキルアミド
基およびアミノ基などが例示できる。中でも、複素環基
が好ましく、特に、カーボンブラックの有する官能基と
の反応性を考慮すると、エポキシ基、アジリジン基およ
びオキサゾリン基が好ましい。反応性基(X)の数は、
カーボンブラックの有する官能基の数との関係にもよる
が、重合体1分子当り平均して50〜1、好ましくは2
0〜1程度であることが望ましい。
(X)を有する重合体(P)としては、カーボンブラッ
クの有する官能基と反応し得る反応性基(X)を備える
ものであれば特に限定はされない。重合体(P)として
は、例えば、ポリシロキサン系構造、ポリ(メタ)アク
リル系構造、ポリエーテル系構造、ポリエステル系構
造、ポリアルキレン構造、ポリアミド系構造、ポリイミ
ド系構造、ポリウレタン系構造およびポリスチレン系構
造あるいはこれらの共重合体などが挙げられ、直鎖状、
分岐状の構造であってもよい。
系単量体(B)への分散性を高くできる点で重合体
(P)は、ビニル系重合体、ビニル系重合体とブロック
またはグラフト型の重合体を形成する共重合体などが好
ましい。ビニル系重合体としては、特に限定されない
が、好ましくはカーボンブラックの有する官能基と反応
し得る反応性基(X)を有するビニル系モノマー単独ま
たは該モノマーと共重合可能なその他のビニル系モノマ
ー(例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸
エステル類、(メタ)アクリルアミド、スチレン類な
ど)とを(共)重合することによって得られるビニル系
重合体(ポリ(メタ)アクリル系、ポリスチレン系)が
挙げられる。
以上有するビニル系単量体(B)と反応し得る反応性基
(Y)を有していると、ビニル系単量体(B)と反応性
基(Y)が反応する結果、得られる粒子中にカーボンブ
ラックが固定化されるため、粒子の強度や硬度がギャッ
プコントロールし易いものになり、顔料やそれに由来す
る不純物のブリードが少なくなって高信頼性の着色スペ
ーサーが得られるため好ましい。
はされないが、カーボンブラックに対する顕著な処理効
果やカーボンブラックの作業性の面からMn=200〜
1x106 とするのが好ましく、より好ましくは300
〜1x105 、さらに好ましくは1000〜5×104
である。
体(B)と反応し得る反応性基(Y)は、特に限定され
ないが、二重結合基、水酸基、アミノ基、カルボキシル
基およびアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少
なくとも1種または2種以上のものであることが好まし
く、特に、ビニル系単量体(B)との反応性の点から、
二重結合基が好ましい。また、反応性基(Y)の数は、
特に限定されるものではないが、重合体1分子当り平均
して20〜1が好ましく、さらに10〜1程度有するこ
とが好ましい。
(P)は、対応する単量体から従来公知の方法、例えば
塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、沈殿重合法、溶
液重合法などにより重合できる。また、予め、重合体を
形成したのち反応性基をかかる重合体に導入してもよ
い。
する官能基と反応し得る反応性基(X)を有する重合体
(P)との処理は、種々の方法で行うことができ、例え
ば、カーボンブラックと重合体(P)とを常温〜350
℃の温度条件下で撹拌混合することにより反応させるこ
とができる。この方法によれば、原料に用いた二次凝集
状態にあるカーボンブラックが撹拌混合して反応する際
に、効率よく解砕されて微細かつ均一な粒子径となり、
しかも反応効率も向上する。
液の存在下に行うこともできる。使用される分散媒とし
ては、沸点が150℃以下の非極性溶媒が反応性基
(X)と反応しないために好ましい。
ンブラックと重合体(P)との反応は、例えば、50〜
150℃、好ましくは70〜140℃の温度下に、0.
5〜10時間、好ましくは1〜5時間撹拌混合すること
により行われる。
は、特に限定されないが、カーボンブラック100重量
部に対して重合体(P)を1〜5000,好ましくは1
〜1000、さらに好ましくは2〜250重量部とする
ことが望ましい。すなわち、重合体(P)の割合が1重
量部未満であると、カーボンブラックの性状、特に表面
性状を十分に改質することが困難となるおそれがあり、
一方、5000重量部を越えると、カーボンブラックに
結合する重合体の割合が多くなり、経済的でないのみな
らず、要求されるカーボンブラックの特性を損なうおそ
れがある。
を有するビニル系単量体(A)としては、特に限定され
ないが、好ましくは(メタ)アクリル酸、(メタ)アク
リル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレ
ン類、ビニルエステル類などが挙げられる。これらビニ
ル系単量体(A)が重合する際に、重合中の成長末端の
ラジカルがカーボンブラックのベンゼン環にトラップさ
れて、カーボンブラック表面にビニル系単量体(A)の
重合物がグラフトされる。ビニル系単量体(A)には、
上記のような反応性基(X)がなくても前述の機構によ
りカーボンブラック表面がビニル系単量体(A)の重合
物で処理される。
体(A)を重合する方法としては、対応する単量体から
従来公知の方法、例えば塊状重合法、溶液重合法などが
挙げられるが、ビニル系単量体(A)の重合物がカーボ
ンブラック表面に効率よくグラフトされる点で、塊状重
合法、溶液重合法が好ましく、塊状重合法が最も好まし
い。水を用いる懸濁重合法や乳化重合法ではカーボンブ
ラックが水中に存在するためグラフト効率が悪くなる。
例えば、重合は、カーボンブラックとビニル系単量体
(A)とをそのままあるいは溶媒の存在下、重合開始剤
とともに、常温〜350℃、好ましくは50〜200℃
の温度条件下で撹拌、混合することにより行われる。
態にあるカーボンブラックが撹拌混合して反応する際
に、効率よく解砕されて微細かつ均一な粒子径となる。
との割合は、特に限定されないが、カーボンブラック1
00重量部に対してビニル系単量体(A)を1〜500
0、好ましくは10〜5000,さらに好ましくは20
〜5000重量部とすることが望ましい。ビニル系単量
体(A)の割合が1重量部未満であると、カーボンブラ
ックの性状、特に表面性状を十分に改質することが困難
となるおそれがあり、一方、5000重量部を越える
と、重合の発熱を抑制できなくなるとともに、カーボン
ブラックに結合する重合体の割合が多くなり、経済的で
ないのみならず、要求されるカーボンブラックの特性を
損なうおそれがある。
より得られる、重合体(P)で表面処理されたカーボン
ブラックはそのまま使用してよいが、カーボンブラック
表面に反応していない重合物を除去する方が望ましい。
サーの製造方法について説明する。本発明のかかる着色
スペーサーの製造方法は、(i)予めカーボンブラック
の有する官能基と反応し得る反応性基(X)を有する重
合体(P)で表面処理して得られるカーボンブラック
と、二重結合基を2個以上有するビニル系単量体(B)
とを配合し、かかる配合物を重合すること、(ii)予
めカーボンブラックの存在下二重結合基1個を有するビ
ニル系単量体(A)を重合することにより表面処理して
得られるカーボンブラックと、二重結合基を2個以上有
するビニル系単量体(B)とを配合し、かかる配合物を
重合すること、により達成される。
れたカーボンブラックとビニル系単量体(B)との重合
は、公知の重合方法、例えば塊状重合法、懸濁重合法、
乳化重合法、沈殿重合法、溶液重合法などにより行うこ
とができるが、懸濁重合法が好ましい。以下、懸濁重合
法に基づいて説明するが、この重合方法に限定されるも
のではない。懸濁重合法においては、上記の処理カーボ
ンブラックとビニル系単量体(B)と重合開始剤とを含
有する組成物を、水系媒体中で懸濁させてかかる組成物
の油滴を形成させ、得られる懸濁液を昇温して重合さ
せ、その後必要により分級する工程からなる。
で表面処理して得られるカーボンブラックは、上記
(イ)、(ロ)の方法で得られたものを用いることがで
きる。
2個以上有するビニル系単量体(B)としては、特に限
定はされないが、次の単量体を例示できる:ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリオキシア
ルキレングリコールジメ(タア)クリレート;ジビニル
ベンゼン、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、グリセロールトリ(ジ)(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
など。二重結合基を2個以上有するビニル系単量体
(B)は、一種または二種以上を用いることができる。
なかでも好ましいのは、処理カーボンブラックとの反応
性の点から、ジビニルベンゼン、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレートである。
れたカーボンブラックの割合は、ビニル系単量体(B)
100重量部に対して前記処理されたカーボンブラック
が0.1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、
最も好ましくは1.5〜40重量部の範囲内である。こ
の範囲より少ないと、得られるスペーサーの着色度が小
さくなるおそれがあり、一方、この範囲より大きいと、
得られるスペーサーの硬度が大きくなりすぎ、強度が小
さくなるおそれがある。
ては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパー
オキサイド、t−ブチルパーオクトエート、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸
化物;2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2
´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)など
のアゾ化合物などが挙げられる。これらの重合開始剤
は、通常、使用される単量体100重量部当り0.1〜
10重量部、好ましくは0.2〜7重量部、最も好まし
くは0.3〜6重量部の範囲内で使用されることが好ま
しい。重合開始剤は、一種または二種以上を用いること
ができる。
は、用いられる処理カーボンブラック、ビニル系単量体
(B)、重合開始剤の種類によって適宜選択されるが、
水、アルコール、ジオキサン、テトラヒドロフランおよ
びそれらの混合物が例示できる。
せるため、界面活性剤を予め水系媒体に適宜加えてもよ
い。
体(B)と重合開始剤などとを含む組成物を、界面活性
剤などを分散させた水系媒体中に加えて懸濁させ、撹拌
することにより組成物の油滴を形成する。この段階で
は、組成物の油滴を形成することが目的であり、通常、
重合開始剤の分解温度以下で実施する。撹拌手段として
は、ホモジナイザー、ホモミキサー等の公知の機械的な
手段を用いることができる。
活性ガスの存在下で昇温し、重合させる。
れないが、通常、重合開始剤の存在下で上記組成物が重
合を開始する温度以上であって水系媒体の沸点以下であ
り、50〜100℃の温度範囲が好ましい。また、その
重合時間は、特に限定されないが、通常、10分〜8時
間であることが好ましい。なお、重合時には、上記処理
カーボンブラックが凝集しないように、重合温度、重合
時間、撹拌の程度などの反応条件に十分に注意する必要
がある。
布の広い粒子が得られるが、膜乳化法を用いると、粒度
分布が比較的シャープになるために好ましい。ここで、
膜乳化法とは、多孔質膜を通して水系媒体中へ単量体を
油滴として供給する方法であって多孔質膜の孔径を変え
るで目的の粒子径を有する粒子が容易に得られ、しかも
粒度分布が比較的シャープであるという特徴を有する。
膜乳化法としては、例えば宮崎県工業試験場が開発した
多孔質ガラス(SPG)を膜として用いる方法などが挙
げられる。
ブラックは単量体(B)への均一分散が容易であるた
め、膜乳化法を容易に適用できる点で好ましく、他方、
重合体で表面処理されていないカーボンブラックは単量
体(B)への分散性が悪いため、膜乳化法を適用するこ
とが困難であり、例え膜乳化法を適用してもカーボンブ
ラックが凝集しているため膜の孔に引っ掛かり、単量体
の油滴にはカーボンブラックが存在しなかったり、存在
しても極微量であるため、得られるスペーサーは着色ス
ペーサーというには程遠いものでスペーサー自身の光抜
けを抑制することはできない。
冷却し、濾過と洗浄の操作を繰り返し、その後、乾燥し
て黒色のビニル系樹脂架橋の着色粒子を得る。
粒子径となるように、自然沈降法(デカント法)やメッ
シュ法を使用して精密に分級する。
ペーサーは、カーボンブラック表面が上記のように処理
されるので、二重結合基を2個以上有するビニル系単量
体(B)の重合遅延が防止され、信頼性や硬度や強度の
高いものが得られる。また、カーボンブラックを重合体
で処理することにより、処理カーボンブラックの絶縁性
を向上させることができ、得られる液晶表示板の電気特
性が改良され、その駆動性や信頼性を向上させることが
できる。さらに、上記のように処理されたカーボンブラ
ックはビニル系単量体(B)やその重合物の粒子中に均
一に分散できるために、少量で得られる着色スペーサー
の着色度を増加させることができ、さらに液晶表示板用
に着色スペーサーを組み込んだ際に着色スペーサー自身
の光抜けを防止できる。
ックを含有してなる樹脂着色粒子が、特にビニル系樹脂
架橋着色粒子の場合には、かかる着色粒子は、適度な弾
力性に富んでおり、それを一対の電極基板の間に挟んで
力を加えたとしても、かかる樹脂粒子は簡単には潰れる
ことなく、またそれに接している液晶表示板を傷付ける
おそれも少なくて液晶表示板用のスペーサーに適してい
る。かかる樹脂粒子は、その直径がほぼ均一であり、液
晶表示板用のスペーサーとして使用した場合に、液晶層
の厚みをほぼ一定に保持することも可能である。さら
に、得られる着色スペーサー中の不純物の漏出も少な
く、液晶に及ぼす影響も少ないため、スペーサー周囲の
光抜けも小さい。
に次のような特性に関する要件を満たす:すなわち、そ
の平均粒子径は、使用する液晶の大きさやタイプによる
が、通常、1〜20μm、好ましくは1〜15μm、特
に好ましくは1.5〜12μmの球状である。この範囲
を外れると、液晶表示用スペーサーとして用いることが
できなくなる領域である。また、スペーサーの変動係数
(CV)は、10%以下、好ましくは8%以下、より好
ましくは6%以下である。すなわち、10%を越える
と、液晶表示板に用いた際に、液晶層の厚みを均一かつ
一定に保持することが困難となり、画像ムラを起こしや
すくなる。ここで、平均粒子径、変動係数は、後述の実
施例の中で説明する方法にしたがって定義される。
は、好ましくは250〜3000kgf/mm2 、さら
に好ましくは250〜2500kgf/mm2 、最も好
ましくは300〜2000kgf/mm2 の範囲であ
る。250kgf/mm2 未満の場合には、スペーサー
の散布個数の増加による製造コストの上昇、スペーサー
周囲の光抜けの増加によるコントラストの低下の問題が
あり好ましくなく、一方、3000kgf/mm2 超の
場合には、電極基板上の透明電極、配向膜あるいはカラ
ーフィルターへの物理的損傷や低温発泡のおそれがあり
好ましくない。
1gf以上、さらに好ましくは2.2gf以上、最も好
ましくは2.3gf以上である。2.1gf未満の場合
には、セルギャップがしづらく、セルギャップムラが発
現しやすくなって好ましくない。ここで、スペーサーの
硬度(10%圧縮弾性率)および破壊強度は、後述の実
施例の中で説明する方法にしたがって定義される。
ば、スペーサーの移動防止効果があり、液晶表示板を構
成したときに、色ムラが発生せず、表面積が大きなパネ
ルや自動車などに搭載する振動などの負荷がかかる用途
には、スペーサーが振動などにより移動することなく、
特に有用である。接着性スペーサーとしては、スペーサ
ー表面が(メタ)アクリル酸系樹脂、スチレン系樹脂な
どの熱可塑性樹脂で被覆またはグラフトされたものが挙
げられる。
すれば、セル組立て時などにスペーサーの移動防止効果
があり、セルギャップのコントロールがし易くなってギ
ャップムラが生じにくいという利点がある。
る。
において、従来のスペーサーの代わりに、上述したよう
な本発明の液晶表示板用スペーサーを電極基板間に介在
させたものであり、同スペーサーの粒子径と同じかまた
はほぼ同じ隙間距離を有する。使用されるスペーサーの
量は、通常、30〜1000個/mm2 、好ましくは4
0〜500個/mm2 、さらに好ましくは50〜400
個/mm2 、最も好ましくは60〜300個/mm2 で
ある。
基板と第2電極基板と液晶表示板用スペーサーとシール
材と液晶とを備えている。ここで、第1電極基板は、第
1透明基板と第1透明基板の一方の表面に形成された第
1透明電極とからなる。第2電極基板は、第2透明基板
と第2透明基板の一方の表面に形成された第2透明電極
とからなり、さらに第2電極基板は、第2透明電極のあ
る面が、第1透明電極基板のある面において第1電極基
板と相対している。液晶表示板用スペーサーは、本発明
の液晶表示板用スペーサーであって、第1電極基板と第
2電極基板との間に介在している。シール剤は、第1電
極基板と第2電極基板とを周辺部において接着するもの
である。液晶は、第1電極基板と第2電極基板とシール
剤とで囲まれた空間に充填されている。
ル剤、液晶など、スペーサー以外のものは従来と同様の
ものが同様の手段で使用できる。電極基板は、ガラス基
板、フィルム基板などの透明基板と、透明基板の一方の
表面に形成された透明電極とを有しており、必要に応じ
て、透明基板の表面に透明電極を覆うように形成された
配向膜をさらに有する。シール剤として、エポキシ樹脂
接着シール剤などが使用される。液晶として、従来より
用いられているものでよく、例えばビフェニル系、フェ
ニルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキ
シ系、安息香酸エステル系、ターフェニル系、シクロヘ
キシカルボン酸エステル系、ビフェニルシクロヘキサン
系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシク
ロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シク
ロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使用できる。
は、例えば、次のように実施することができるが本発明
はこの方法に限定されるものではない。本発明のスペー
サーを、面内スペーサーとして、2枚の電極基板のうち
の一方の電極基板の電極のある面に、湿式法または乾式
法により均一に散布したものに、これとは別に、本発明
のスペーサーを、シール部スペーサーとして、エポキシ
樹脂などの接着シール剤に分散させた後、もう一方の電
極基板の接着シール部分にスクリーン印刷などの手段に
より塗布したものを載せた。これに、適度の圧力を加
え、100〜180℃の温度で1〜60分の加熱硬化さ
せる。次いで、液晶を注入し、注入部を封止して、液晶
表示板を得る。
と同じ用途、例えばテレビ、パーソナルコンピュータ
ー、ワードプロセッサーなどの画像表示素子または部品
として使用できる。なかでも、スペーサーが着色されて
いるため、ノーマリーブラックモードのLCDには好適
であり、特にSTN−LCDには有用である。
詳細に説明する。特に断らない限り、部は重量部を表
す。
係数は、電子顕微鏡撮影像の任意の粒子200個の粒子
径を実測して次式から求めた。
壊強度 硬度を示す尺度は10%圧縮弾性率であり、ここで、1
0%圧縮弾性率とは、下記測定方法により測定した値で
ある。島津微小圧縮試験機(株式会社島津制作所製MC
TM−200)により、室温(25℃)において、試料
台(材質:SKS平板)上に散布した試料粒子1個につ
いて、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイアモン
ド)を用いて、粒子の中心方向へ一定負荷速度(0.2
7gf/sec)で荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の1
0%となるまで粒子を変形させ、10%変形時の荷重と
圧縮変位のミリメートル数を求める。求められた圧縮加
重、粒子の圧縮変位、粒子の半径を次式:
圧縮弾性率である。
機を用いて調べることができる。前述したように試料台
上に散布した試料粒子1個について、円形平板圧子を用
いて、粒子の中心方向へ一定速度(0.27gf/se
c)で荷重をかけ、粒子が破壊する圧縮加重を求めるこ
とができる。
い、その平均値を粒子の10%圧縮弾性率、破壊強度の
値とし、それぞれ、粒子の硬度、破壊強度の尺度とす
る。
えたフラスコにポリビニルアルコール0.2部を溶解し
た脱イオン水400部を仕込んだ。そこへ、予め調整し
ておいたスチレン194.9部およびグリシジルメタク
リレート5.1部からなる重合性単量体にベンゾイルパ
ーオキサイド16部を溶解した混合物を仕込み、高速で
撹拌して均一な懸濁液とした。ついで窒素ガスを吹き込
みながら80℃に加熱し、この温度で5時間撹拌を続け
て重合反応を行った後に冷却して重合体懸濁液を得た。
この重合体懸濁液を濾過、洗浄した後に乾燥して反応性
基としてエポキシ基を平均して1分子中に1個有する重
合体を得た。この重合体の分子量はGPC測定により数
平均分子量Mn=5,500であった。
子中に1個有する重合体40部とカーボンブラックMA
−100R(三菱化学(株)製)20部とをラボプラス
トミル(東洋精機(株)製)を用いて160℃、100
rpmの条件下に混練して反応した後に冷却、粉砕して
処理カーボンブラック(1)を得た。
らなる重合性単量体の代わりに、メチルメタクリレート
100部、ブチルアクリレート94.3部および2,3
−エビチオプロピルメタクリレート5.7部からなる重
合性単量体を用いた以外は合成例1と同じ方法により、
反応性基としてチオエポキシ基を平均して1分子中に1
個有する重合体を得た。この重合体の分子量はGPC測
定によりMn=5,800であった。
1分子中に1個有する重合体20部とカーボンブラック
MA−100R20部とを、合成例1と同様に反応して
処理カーボンブラック(2)を得た。
らなる重合性単量体の代わりに、スチレン196部およ
びイソプロペニルオキサゾリン4部からなる重合性単量
体を用いた以外は合成例1と同じ方法により、反応性基
としてオキソザリン基を有する重合体を得た。この重合
体の分子量はGPC測定によりMn=5,800であっ
た。
合体40部とカーボンブラックMA−100R20部と
を、合成例1と同様に反応して処理カーボンブラック
(3)を得た。
部およびメチルイソブチルケトン200部を仕込み、窒
素ガスを吹き込みながら80℃に加熱した。そこへ、予
め調製したスチレン190部および2−(1−アジリジ
ニル)エチルメタクリレート10部からなる重合性単量
体にベンゾイルパーオキサイド4部を溶解した混合物を
2時間にわたって滴下ロートから滴下した。滴下後、さ
らに5時間撹拌を続けて重合反応を行い、その後冷却し
て重合体溶液を得た。この重合体溶液100部にメタノ
ール2000部を加えて再沈降させ、得られた沈降物を
乾燥して反応性基としてアジリジン基を有する重合体を
得た。この重合体の分子量はGPC測定によりMn=3
000であった。
体40部とカーボンブラックMA−100R20部と
を、合成例1と同様に反応して処理カーボンブラック
(4)を得た。
亜合成化学(株)製、Mn=6200)78.17部を
エチルセロソルブアセテート200重量部に溶解させた
後、スチレン10.92部、グリシジルメタクリレート
10.91部を加え、さらに開始剤としてアゾビスイソ
ブチロニトリル10部を溶解した。
管、温度計および滴下ロートを備えたセパラブルフラス
コに、上記溶解物の25%を仕込み、N2 気流下85℃
で30分間重合させた。さらに、残りの75%を3時間
にわたり滴下しながら同温度で重合を行った。滴下終了
後、さらに85℃で30分間保持し、エチルセロソルブ
アセテート50部にアゾビスイソブチロニトリル1部を
溶解させたものを添加した。添加後、85℃で1時間保
持し、その後さらに95℃に昇温し1時間保持した後に
冷却した。得られた重合体溶液は、Mn=7500、不
揮発分は28.57重量%であった。
セパラブルフラスコに、上記重合体溶液23.35部、
カーボンブラックMA−100R 20部、エチルセロ
ソルブアセテート56.65部をそれぞれ仕込んで分散
させ、さらにステンレス製ビーズ1000部を仕込ん
だ。撹拌(300rpm)しながら、160℃で2時間
グラフト化を行った。さらに、エチルセロソルブアセテ
ート100部を加えて均一に分散させた。その後、ステ
ンレス製ビーズを分離し、さらに溶媒を除去して処理カ
ーボンブラック(5)を得た。
根、不活性ガス導入管、温度計および滴下ロートを備え
たセパラブルフラスコに、溶剤としてトルエン250
部、メチルエチルケトン50部を仕込み、N2 ガス導入
下85℃において、メチルメタクリレート(MMA)3
44部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
56部、チオグリコール酸8.5部(9.2271x1
0-2モル)およびアゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)0.1部からなる混合溶液を4時間にわたり連続的
に滴下して重合を行った。さらに、AIBN 0.1部
を加え、同温度で2時間加熱した。その後、95℃で1
時間加熱して重合を終了した。この反応液に、グリシジ
ルメタクリレート17.0部(1.3倍当量/COO
H)、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド
2.5部および重合禁止剤としてハイドロキノンモノメ
チルエーテル0.08部を加え、反応温度95℃で8時
間反応させた後、冷却して重合体生成物を得た。この重
合体生成物をn−ヘキサンを用い再沈を行った後、減圧
乾燥を2日行い、Mn=7000の片末端メタクリレー
ト型のポリ(メチルメタクリレート/ヒドロキシエチル
メタクリレート)マクロマーを得た。
ドロキシエチルメタクリレート)マクロマー75部、ス
チレンモノマー15.2部、重合開始剤としてのアゾイ
ソブチロニトリル3部を、エチルセロソルブアセテート
100部に溶解させ、単量体組成物を得た。
チルセロソルブアセテート50部を導入した後に昇温し
た。80℃に達した後、同温度で上記単量体組成物を2
時間にわたり滴下し、引続き80℃で2時間重合を行っ
た後95℃に昇温し、2時間熟成を行い、不揮発分4
0.0%の重合体溶液を得た。
たのと同じフラスコに、上記重合体溶液22.5部、カ
ーボンブラックMA−8(三菱化学(株)製)30部、
エチルセロソルブアセテート97.5部を仕込んで分散
させ、さらにジルコニア製ビーズ1000部を仕込ん
だ。撹拌(300rpm)しながら、100℃で2時間
グラフト化を行った。さらに、エチルセロソルブアセテ
ート50部を加えて均一に分散させた。その後、ジルコ
ニア製ビーズを分離し、さらに溶媒を除去して処理カー
ボンブラック(6)を得た。
イルイソシアネート(分子量:111.1)8.9部を
30分にわたり室温(25±5℃)で滴下し、3時間撹
拌を行って二重結合を導入した重合体溶液(不揮発分:
43.6%)を得た。
て、重合体溶液の代わりに上記重合体溶液20.6部、
エチルセロソルブアセテートの使用量を108.4部と
した以外は、合成例6と同様に反応して処理カーボンブ
ラック(7)を得た。
64.5部、スチレンモノマー15.2部、イソプロペ
ニルオキサゾリン9.8部、ヒドロキシエチルメタクリ
レート10.5部、重合開始剤としてアゾビスイソブチ
ロニトリル3部を、エチルセロソルブアセテート100
部に溶解させ、単量体組成物を得た。
セロソルブアセテート50部を導入した後80℃に昇温
させた。80℃に保持したまま上記単量体組成物を2時
間にわたり滴下した。その後、同温度で2時間、95℃
で2時間反応を行い、冷却して不揮発分40%の反応液
を得た。この反応液250部にメタクリロイルイソシア
ネート8.9部を30分にわたり室温で滴下し、二重結
合を導入した重合体溶液を得た。
ンブラックの反応と同様に反応して処理カーボンブラッ
ク(8)を得た。
備えたフラスコに、予め調整しておいたスチレン100
部およびメチルメタクリレート100部からなる重合性
単量体に、ベンゾイルパーオキサイド1部を溶解した混
合物を仕込み、さらにカーボンブラックMA−100R
(三菱化学(株)製)20部を高速で分散させた。つい
で、窒素ガスを吹込ながら、80℃に加熱して重合反応
を行って、処理カーボンブラック(9)を得た。
タエリスリトールヘキサアクリレート500部、合成例
1で得られた処理カーボンブラック(1)200部およ
びベンゾイルパーオキサイド15部を混合してモノマー
の均一分散液とした。
よび温度計を備えたフラスコに、5重量%のポリビニル
アルコール溶液2500部と上記分散液を仕込み、高速
で撹拌して均一な懸濁液とした。ついで、窒素ガスを吹
き込みながら加熱して80℃とし、撹拌を10時間継続
して重合反応を行い、さらに95℃に昇温し1時間撹拌
を続けた。なお、重合時には凝集もなく均一に重合がで
きた。次に、冷却して重合体懸濁液を得た。
返し、残留物を乾燥して黒色のビニル系樹脂架橋着色粒
子を得た。得られたビニル系樹脂架橋着色粒子を、所望
の粒子径となるように精密に分級することにより、黒色
の液晶表示板用の着色スペーサー(1)を得た。着色ス
ペーサー(1)は、平均粒子径が6.02μm、粒子径
の変動係数が3.1%、粒子の破壊強度が4.2gf、
粒子の硬度(10%圧縮弾性率)480kgf/m
m2 )であった。
下の方法により、液晶表示板を作成した。図1にみるよ
うに、最初に、下側のガラス基板111上に、電極(例
えば、透明電極)5およびポリイミド配向膜4を形成し
た後、ラビングを行って下側電極板110を得た。この
下側電極基板110に、本発明の液晶表示板用の着色ス
ペーサー(1)(この場合、面内スペーサー)8を湿式
散布法により、200個/mm2 の散布密度で凝集塊も
なく均一に散布した。なお、湿式散布液としては、溶媒
に水/イソプロピルアルコール(IPA)(体積比:7
/3)を用い、水/IPAが100部に対して着色スペ
ーサー(1)2.5部の割合で混合し、超音波分散させ
て用いた。この際、湿式散布溶媒が着色することはなく
透明であった(着色スペーサーからの色落ちはなかっ
た)。
(例えば、透明電極)5およびポリイミド配向膜4を形
成した後、ラビングを行って上側電極板120を得た。
次に、エポキシ樹脂接着シール材2中にシリカスペーサ
ー(この場合、シール部スペーサー)3が30容量%と
なるように分散させたものを、上側電極基板120の接
着シール部分にスクリーン印刷した。
を、電極5や配向膜4がそれぞれ対抗するように、本発
明のスペーサー(1)8を介して貼り合わせ、1kg/
cm2の圧力を加え、150℃の温度で30分間加熱
し、接着シール材2を加熱硬化させた。その後、2枚の
電極基板110、120の隙間を真空とし、さらに大気
圧に戻すことにより、STN型液晶7を注入し、注入部
を封止した。そして、上下ガラス基板12、111の外
側にPVA(ポリビニルアルコール)系偏光膜6を貼り
つけて13インチの液晶表示板(1)とした。
は、上下の基板の隙間距離が均一化されており、スペー
サー自身の光抜けもなくなるとともにスペーサー周囲の
光抜けも抑制されており、良好な表示品位であった。
動できた。
類を下記の表1の記載のように変更した以外は、実施例
1の方法を繰り返して黒色のビニル系樹脂架橋着色粒子
をそれぞれ得た。
ビニル系樹脂架橋着色粒子(10)を得た。
ビニルベンゼン、DPはジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、TMはテトラメチロールメタントリアク
リレート、TEはテトラエチレングリコールジメタアク
リレートを示す。
れぞれ、所望の粒子径となるように精密に分級すること
により、黒色の液晶表示板用の着色スペーサー(2)〜
(10)を得た。得られた各着色スペーサーの物性、色
(目視観察)、平均粒子径、変動係数、破壊強度、硬度
(10%圧縮弾性率)を表2に示す。
硬度は10%圧縮弾性率(kgf/mm2 )示す。
(2)〜(10)を用いて液晶表示板(2)〜(10)
をそれぞれ作製した。得られた各液晶表示板の特性とと
もに湿式散布溶媒への色落ちの有無などの製造の際の因
子についても表3に示す。
りに市販のカーボンブラックMA−100R 66.7
部をそのまま用いた以外は、実施例1と同様に懸濁重合
を行ったところ、凝集が起こり、均一に重合できなかっ
た。
どを表4に示す。
ーボンブラック、DPはジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、ANはアクリロニトリルを示す。
脂架橋着色粒子を所望の粒子となるように精密に分級す
ることにより、比較用の着色スペーサー(11)を得
た。得られた着色スペーサー(11)の物性、色(目視
観察)、平均粒子径、変動係数、破壊強度、硬度(10
%圧縮弾性率)を表5に示す。
硬度は10%圧縮弾性率(kgf/mm2 )示す。
(11)を用いて液晶表示板(11)を作製した。得ら
れた液晶表示板の表示品位である隙間距離の均一性、ス
ペーサー自身の光抜け程度、所定電圧印加時の長期間駆
動性とともに湿式散布溶媒への色落ちの有無などの製造
の際の因子についても表6に示す。
着色スペーサー(11)は、未処理のカーボンブラック
に起因したモノマーの重合遅延が生ずる結果、得られた
粒子の破壊強度や硬度が小さく、隙間距離の均一性が悪
くなり、色ムラが発生した。また、カーボンブラックを
含有していない粒子が多数存在するためスペーサー自身
の光抜けが多く、さらにカーボンブラックが得られた粒
子中に均一に分散されていないためにスペーサー周囲の
光抜けの程度も大きく、また、カーボンブラックの導電
性に起因してスペーサーの絶縁性が低下するために所定
電圧を印加しても初期駆動しない場合があり、結果とし
て液晶表示板の表示品位は極めて低いものであった。
スタロン−666、Mn=4000)40部とカーボン
ブラックMA−100R 20部とを合成例1と同様に
混練、冷却、粉砕してポリスチレンとカーボンブラック
とのPC混合物を得た。
ラック(1)の代わりに上記PC混合物を用いた以外
は、実施例1と同様に懸濁重合を行い(凝集が発生)、
比較用のビニル系樹脂架橋着色粒子を得た。かかる粒子
を、さらに、所望の粒子系となるように精密に分級して
比較用の着色スペーサー(12)を得た。得られた着色
スペーサー(12)の物性を上記の表5に示す。
(12)を用いて液晶表示板(12)を作製した。得ら
れた液晶表示板の表示品位とともに製造の際の因子につ
いても上記の表6に示す。
着色スペーサー(12)は、未処理のカーボンブラック
に起因するモノマーの重合遅延が生じる結果得られる粒
子の破壊強度や硬度の値が低くなるため、隙間距離の均
一性が悪くなり色ムラが発生する。また、カーボンブラ
ックが含有されていない粒子が多く存在するため、スペ
ーサー自身の光抜けが生ずる。さらに、カーボンブラッ
クが粒子中に均一に分散されていないため、スペーサー
周囲の光抜けの程度も大きく、また、長期間所定電圧を
印加した場合、カーボンブラックの導電性に起因するス
ペーサーの絶縁性が低下するため、点灯ムラが発生す
る。
た:イオン交換水2リットルにノニオン系界面活性剤
(花王製エマルゲン985)1部とポリビニルアルコー
ル60部とを溶解させ、アンスラキノン系青色分散染料
(C.I.Disperse Blue56)50部を
加え、超音波分散によりこの染料を十分に分散させた。
その後、得られた分散液を10μmの直径を有するメン
ブランフィルターで濾過し、染料の共存する水系媒体を
得た。
スリトールヘキサアクリレート100部、ベンゾイルパ
ーオキサイド6部を均一に溶解した後に、上記水系媒体
を高速攪拌しながら添加して懸濁液とした。この懸濁液
を撹拌機、還流冷却管、不活性ガス導入管を備えたフラ
スコに仕込み、窒素ガスを導入しながら撹拌下80℃で
10分間、95℃で1時間加熱して重合を行った。
と洗浄を繰り返し、残留物を乾燥して濃青色の比較用の
ビニル系樹脂架橋着色粒子を得た。さらに、所望の粒子
径となるように精密に分級して比較用の着色スペーサー
(13)を得た。
上記の表5に示す。
(13)を用いて液晶表示板(13)を作製した。得ら
れた液晶表示板の表示品位とともに製造の際の因子につ
いても上記の表6に示す。
着色スペーサー(13)は、染料に起因したモノマーの
重合遅延が生じる結果、得られる粒子の破壊強度と硬度
が低くなって隙間距離の均一性が悪くなり、色ムラが発
生する。また、湿式散布溶媒への色落ちがあることによ
り、かかる媒体中に染料が混入し、長時間所定電圧を印
加した場合に、点灯ムラの発生が生じるとともにスペー
サー自身の光り抜けとスペーサー周囲の光抜けがあるた
めに表示品位は悪かった。
ラスコに、5重量%のポリビニルアルコール溶液2.5
リットルを準備し、これにジビニルベンゼン300部、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート700部お
よびベンゾイルパーオキサイド15部を均一に溶解混合
したモノマー溶液を仕込んだ。ついで、撹拌下で80℃
に昇温して10時間懸濁させ、さらに95℃に昇温して
1時間重合させた。次に、濾過と洗浄とを繰り返して架
橋微粒子を得た。この微粒子を所望の微粒子となるよう
に精密に分級することにより、高分子微粒子を得た。
リエステルブラックG−SP(日本化薬(株)製)5
部、界面活性剤エマルゲンA−50(花王(株)製)
0.3部を加え、十分に撹拌し混合した。このビーカー
の中に、上記高分子微粒子10部を撹拌しながら加え、
染浴中によく分散をさせた。次に、この高分離子粒子を
含む染浴を0.5リットルのオートクレーブに移し、1
30℃で3時間染色を行った。その後、余剰の染浴の濾
別とアセトンでの洗浄を繰り返すことにより黒色の比較
用のビニル系樹脂架橋着色微粒子を得て、比較用の着色
スペーサー(14)とした。
の物性を上記の表5に示す。
(14)を用いて液晶表示板(14)を作製した。得ら
れた液晶表示板の表示品位とともに製造の際の因子につ
いても上記の表6に示す。
着色スペーサー(14)は染料による後染着を行う結
果、得られる粒子の破壊強度が低くなって隙間距離の均
一製が悪くなり、色ムラが発生する。また、湿式散布溶
媒への色落ちがあることにより、液晶中に染料が混入
し、長期間の所定電圧を印加した場合に、点灯ムラが発
生するとともにスペーサー周囲の光抜けもあるために表
示品位が悪かった。
表4に示す以外は、比較例1と同様にして行い、比較用
の着色スペーサー(15)を得た。
の物性を上記の表5に示す。
(15)を用いて液晶表示板(15)を作製した。得ら
れた液晶表示板の表示品位とともに製造の際の因子につ
いても上記の表6に示す。
ブラックの導電性に起因して長期間所定電圧を印加した
場合、点灯ムラが発生するとともにスペーサー周囲の光
抜けもあるため表示品位は悪かった。
は、同様に行い、比較用白色スペーサー(16)を得
た。その物性を表5に示す。膜乳化法では、油滴中にカ
ーボンブラックが入らないため、白色スペーサーしか得
られなかった。
6)を用いて、液晶表示板(16)を作製した。得られ
た液晶表示板の表示品位とともに製造の際の因子につい
ても上記の表6に示す。
ーサーが黒色化されないため、スペーサー自身の光抜け
が大きく、液晶表示板にしたときにコントラストが低下
して表示品位は悪かった。
ブラックを用いることにより、樹脂架橋性の着色粒子が
得られ、これを用いることにより、液晶表示板の隙間距
離を一定に保持できるスペーサーが提供できる。また、
かかる処理カーボンブラックは、スペーサー粒子中の均
一分散性に優れるため、得られる粒子の着色度を増加さ
せスペーサー周囲の光抜けも小さくすることできるの
で、スペーサー自身の光抜け防止が改良される。
量体との重合ではビニル系単量体への処理カーボンブラ
ックの分散性が優れており、また、重合遅延がなく、膜
乳化法などの簡便な方法で実施することができ、従来の
着色スペーサーに比較し、強度や硬度に優れた着色スペ
ーサーとなる。
サーは、絶縁性に優れるため、液晶表示板に使用したと
きに、電気特性が損なわれず、駆動性や長時間の使用に
おける信頼性の向上した液晶表示板が提供できる。
面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 予め重合体(P)で表面処理されたカー
ボンブラックを含有してなる樹脂着色粒子を含むことを
特徴とする液晶表示板用着色スペーサー。 - 【請求項2】 前記樹脂着色粒子はビニル系樹脂着色粒
子である請求項1に記載の着色スペーサー。 - 【請求項3】 前記表面処理が、カーボンブラックの有
する官能基と反応し得る反応性基(X)を有する重合体
(P)をカーボンブラックと接触させることにより行わ
れる請求項1又は請求項2に記載の着色スペーサー。 - 【請求項4】 前記反応性基(X)は複素環基である請
求項3に記載の着色スペーサー。 - 【請求項5】 前記表面処理が、カーボンブラックの存
在下で、二重結合基1個を有するビニル系単量体(A)
を重合することにより行われる請求項1又は請求項2に
記載の着色スペーサー。 - 【請求項6】 予めカーボンブラックの有する官能基と
反応し得る反応性基(X)を有する重合体(P)で表面
処理して得られるカーボンブラックと、二重結合基を2
個以上有するビニル系単量体(B)とを配合し、かかる
配合物を重合することを特徴とする液晶表示板用着色ス
ペーサーの製造方法。 - 【請求項7】 前記重合体(P)が、さらにビニル系単
量体(B)と反応し得る反応性基(Y)を有する請求項
6に記載の方法。 - 【請求項8】 予めカーボンブラックの存在下で二重結
合基1個を有するビニル系単量体(A)を重合すること
により表面処理して得られるカーボンブラックと、二重
結合基を2個以上有するビニル系単量体(B)とを配合
し、かかる配合物を重合することを特徴とする液晶表示
板用着色スペーサーの製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の液
晶表示板用着色スペーサーが用いられてなる液晶表示
板。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002249678A (ja) * | 2001-02-23 | 2002-09-06 | Mikuni Color Ltd | 樹脂被覆カーボンブラック及びカラーフィルター |
JP2004307618A (ja) * | 2003-04-04 | 2004-11-04 | Soken Chem & Eng Co Ltd | 接着性樹脂粒子 |
JP2007004142A (ja) * | 2005-05-25 | 2007-01-11 | Sanyo Chem Ind Ltd | 液晶表示板スペーサ用樹脂粒子 |
JP2010128177A (ja) * | 2008-11-27 | 2010-06-10 | Stanley Electric Co Ltd | 液晶表示素子 |
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1997
- 1997-10-21 JP JP28894597A patent/JP4041193B2/ja not_active Expired - Fee Related
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