JPH11202343A - 着色スペーサーとこれを用いた液晶表示板 - Google Patents

着色スペーサーとこれを用いた液晶表示板

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JPH11202343A
JPH11202343A JP614998A JP614998A JPH11202343A JP H11202343 A JPH11202343 A JP H11202343A JP 614998 A JP614998 A JP 614998A JP 614998 A JP614998 A JP 614998A JP H11202343 A JPH11202343 A JP H11202343A
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dyes
colored
liquid crystal
dye
double bond
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JP614998A
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Shigefumi Kuramoto
成史 倉本
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギャップムラが発生せず、ギャップコントロ
ールがしやすく、着色剤の滲み出しがないスペーサーと
液晶表示板を提供する。 【解決手段】 液晶表示板用の着色スペーサーは、ビニ
ル系単量体と二重結合基を有する染料とを含む原料配合
物を重合させて得られる重合体粒子であることを特徴と
し、液晶表示板は、2枚の電極基板間に介在させるスペ
ーサーとして前記着色スペーサーが用いられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料が滲みだしに
くい着色スペーサーとこのスペーサーを用いた液晶表示
板に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示板は、2枚の電極基板と該基板
間の隙間距離(セルギャップ)を均一にし保持するため
のスペーサーと該基板間に充填された液晶(LC)とを
備えている。スペーサーが存在する部分には液晶が存在
しないため、液晶層にバックライトを当てたとき、バッ
クライトの一部が抜け出てきて、画像のコントラストが
低下し、表示品位が悪くなるという問題があり、その解
決が求められている。STN−LCDにおいては、その
表示がノーマリーブラックモードであるため、スペーサ
ーが存在する部分からの光抜けの抑制が特に求められて
いる。
【0003】スペーサー部分からの光抜けの抑制方法と
して、スペーサー粒子を着色する方法が試みられてい
る。従来から知られている着色法には、染料などの着色
剤を用いる方法があり、得られた粒子を染料で後染着
する方法(特開平3−33165号公報、特開平4−1
03633号公報、特開平4−351639号公報な
ど)、染料の存在下でモノマーを懸濁重合する方法
(特開平5−301909号公報など)に大別される。
【0004】ところが、およびのいずれの方法にお
いても、粒子マトリックス中に染料を固定化することが
困難なため、染料や染料中の不純物が液晶中に溶出し、
液晶の電気特性などの信頼性に問題が生じることがあ
る。の方法では、さらに、染着の際に粒子表面の粒子
構造が切断されるため、粒子の強度が小さくなり、液晶
表示板の製造工程において、2枚の電極基板を組み合わ
せる際に、電極基板間に介在させたスペーサーが容易に
変形し、場合によっては破壊されるため、セルギャップ
の均一化が困難で、ギャップムラが生じ、そのギャップ
ムラに起因する画像の色ムラが発生することがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、モニター用のL
CDの開発が進んでおり、LCDパネルの大型化(13
インチ以上)、高表示品位化(コントラスト、色ムラ)
や信頼性向上がますます望まれており、したがってスペ
ーサーの品質向上が大いに望まれている。そこで、本発
明の課題は、染料の存在下で重合体粒子を得る方法を基
本とし、この着色粒子における染料滲み出し(ブリー
ド)の問題を解消して、液晶表示板に組み立てる場合
に、ギャップムラが発生せず、ギャップコントロールが
しやすい強度と硬さとを有し、染料やそれに由来する不
純物の滲み出しがなく、スペーサーおよびその周囲の光
抜けの少ない着色スペーサーとこれを用いた液晶表示板
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる着色スペ
ーサーは、ビニル系単量体と二重結合基を有する染料と
を含む原料配合物を重合させて得られる重合体粒子であ
ることを特徴とする。本発明にかかる液晶表示板は、2
枚の電極基板間に介在させるスペーサーとして前記本発
明にかかる着色スペーサーが用いられている。
【0007】
【発明の実施の形態】〔着色スペーサー〕原料 原料の一つである、ビニル系単量体としては、例えばス
チレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル類、ピニルエステル類、(メタ)ア
クリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルア
ミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、加水分解性
シリル基含有ビニル系単量体(例えば3−(メタ)アク
リロキシプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリア
ルコキシシラン、ビニルフェニルトリアルコキシシラ
ン)等の単官能性ビニル系単量体、テトラメチロールメ
タンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメ
タントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタ
ンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、およびグリセロールトリ
(ジ)(メタ)アクリレート等のメチロールアルキル
(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート類;トリアリール(イソ)
シアヌレート、トリアリールトリメライト;ジビニルベ
ンゼン、ジアリールフタレート、ジアリールアクリルア
ミド等の多官能性ビニル系単量体を用いることが出来
る。
【0008】粒子の強度と硬度を大きくできる点で、二
重結合基を2個以上有する多官能性ビニル系単量体を必
須として使用することが好ましく、二重結合基を2個以
上有する多官能性ビニル系単量体は、ビニル系単量体全
体の少なくとも10重量%を占めることが好ましい。も
う一つの原料である、二重結合基を有する染料は、基本
染料の分子構造を化学的に変換して得られるものであ
り、染料の本質部分たる染料構造に加えて、二重結合基
を含む。染料構造とは、染料に由来した化学構造を意味
し、染料としての発色性を有する部分である。二重結合
基を有する染料は、該染料構造を有する以外に上記ビニ
ル系単量体と共重合可能な二重結合基を有する。
【0009】前記基本染料としては、その分子構造を化
学的に変換することが可能な染料であれば、特に限定は
ないが、たとえば、ピラゾロンアゾ染料、スチルベンア
ゾ染料、チアゾールアゾ染料等のアゾ系染料;アントラ
キノン誘導体、アントロン誘導体等のアントラキノン系
染料;インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体等のインジ
ゴイド系染料;フタロシアニン系染料;ジフェニルメタ
ン系染料、トリフェニルメタン系染料等のフェニルメタ
ン系染料;キサンテン系染料;アクリジン系染料;ニト
ロ系染料;ニトロソ系染料;アジン系染料;オキサジン
系染料;チアジン系染料;キノリン系染料;シアニン
(ポリメチン)系染料、アゾメチン系染料等のメチン系
染料;ベンゾキノン系染料;ナフトキノン系染料;ナフ
タルイミド系染料;ペリフン系染料;アゾール系染料等
を挙げることができる。これらのうち、アントラキノン
系染料、ベンゾキノン系染料およびナフトキノン系染料
は耐褪色性に優れる。
【0010】染料の色は、得ようとする着色粒子の色に
応じて適宜選択されるが、光を通過しにくい点で、黒
色、濃青色、紺色等が好ましい。基本染料に対する二重
結合基の付加方法としては、例えば、基本染料が持つ官
能基Xに対し反応性を有する官能基Yのほかに二重結合
基をも持つ化合物を用い、両官能基XとYの反応を利用
して、二重結合基を基本染料に導入する方法がある。官
能基Xとしては、−OH、−NH2 、−SH、−COO
H等が挙げられ、官能基Yとしては、NCO、エポキ
シ、オキサゾリン、アジソジン等が挙げられる。これら
のうち、官能基Xが−OH、−NH2 であり、官能基Y
がNCOである組み合わせが好ましい。これらの官能基
は、低温で反応するため、二重結合基導入の際に、二重
結合基の重合が生じない。
【0011】二重結合基を有する染料の量は特に限定さ
れないが、ビニル系単量体に対して、好ましくは、1〜
80wt%、より好ましくは、2〜70wt%、更に好
ましくは、3〜60wt%の範囲である。多いと粒子の
強度や硬度が小さくなる傾向があり、少ないと粒子の着
色度合が低下するおそれがある。重合開始剤としては、
有機過酸化物、アゾ化合物等のラジカル開始剤が好適に
使用される。具体的には、過酸化ベンゾイル、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイ
ド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノ
ンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサナート、t−ブチルパーオキシピバレ
ート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジイ
ソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイドおよぴジクミルパーオキサイド等の過酸
化物系重合開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2’−アゾビスメチルブチロニトロニトリ
ル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル、2,2’−アゾビス−2−シクロプロピルプロピ
オニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシク
ロヘキサン−1−カルボニトリル、2−フェニラゾ−4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,
2’−アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブチラミジ
ン等のアゾ系重合開始剤を使用することが出来る。重合
開始剤としては、これらを2種類以上使用しても良い。
【0012】開始剤の量は特に限定されないが、ビニル
系単量体に対して、好ましくは、0.1〜10wt%、
より好ましくは、0.2〜8wt%、更に好ましくは、
0.3〜6wt%の範囲である。重合方法 重合体粒子は、上記原料配合物を用いて、懸濁重合法や
析出重合法やシード重合法などで製造することができ
る。懸濁重合法とは、前記ビニル系単量体と染料を含む
原料配合物を水中で高分散させて懸濁体とし、重合して
重合体粒子を得る方法である。析出重合法とは、前記ビ
ニル系単量体と染料を含む原料配合物を、原料配合物は
溶解するが得られた重合体は溶解しない溶媒中で重合さ
せることにより、重合体を粒子状に析出させる方法であ
り、シード重合法とは、懸濁重合法や析出重合法で得た
重合体粒子をシード(種)として重合体粒子を得る方法
であって、シードを原料配合物で膨潤させ、シード中で
原料配合物を重合させて粒子を成長させるようにするの
である。いずれの方法においても原料配合物を重合する
際に、前記重合開始剤を用いることが好ましい。
【0013】重合条件は、いずれの方法においても従来
公知の条件で行うことができるが、50〜150℃の範
囲で10分〜8時間加熱することが好ましい。得られた
重合体粒子は、ろ過と洗浄とを繰り返し、分級後、乾燥
して単粒子に解砕する。重合体粒子の粒径、分布は、着
色スペーサーとして用いられる範囲である。重合体粒子
は、粒子の強度、硬度、耐熱性、耐溶剤性等を高めるた
めに架橋されていることが望ましい。架橋重合体粒子を
得るには、ビニル系単量体の一部として前記多官能性ビ
ニル系単量体や前記加水分解性シリル基含有ビニル系単
量体を用いる方法などがある。加水分解性シリル基含有
ビニル系単量体を用いた場合には、重合後、加水分解に
よってシロキサン結合による架橋を生成させる。着色スペーサー 本発明にかかる着色スペーサーは、上のようにして得ら
れた重合体粒子からなるため、正確な間隔で配置される
べき1対の電極基板間の隙間距離を一定に保持するため
に必要な強度、機械的復元性、硬度を有するとともに、
着色により、スペーサーによる光抜けを防止している。
しかも、基本染料が粒子を形成するビニル系樹脂と二重
結合を利用した化学的結合で結ばれているため、染料の
滲み出しが起きにくく、信頼性の高い液晶表示板用着色
スペーサーとなる。
【0014】本発明の着色スペーサーは、上記のように
重合体粒子のみからなっていても良いし、重合体粒子の
表面に熱可塑性樹脂がグラフトおよび/または被覆され
ていても良い。熱可塑性樹脂としては、たとえば、エチ
レン性不飽和単量体の単独重合体または共重合体を含む
樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂が、単量体
単位として(メタ)アクリレートを必須成分とする(メ
タ)アクリル系重合体を含む樹脂((メタ)アクリル系
樹脂)、単量体単位としてスチレン化合物を必須成分と
するスチレン系重合体を含む樹脂(スチレン系樹脂)、
および、単量体単位としてスチレン化合物および(メ
タ)アクリレートを必須成分とする(メタ)アクリル−
スチレン系重合体を含む樹脂((メタ)アクリル−スチ
レン系樹脂)からなる群の中から選ばれた少なくとも1
種であると、基板への接着力が大きいため好ましい。
【0015】熱可塑性樹脂としては、単量体単位として
炭素数6以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレー
トまたはスチレンを45wt%以上(好ましくは50w
t%以上、さらに好ましくは60wt%以上)含有する
樹脂が、基板の接着力が向上し、スペーサー周囲の光抜
けが抑制されるため好ましい。上記エチレン性不飽和単
量体としては、特に限定はされないが、たとえば、エチ
レン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)ア
クリル酸エステル(たとえば、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート等)等を挙
げることができる。 〔液晶表示板〕液晶表示板は、たとえば、第1電極基板
と第2電極基板と着色スペーサーとシール材と液晶とを
備えている。第1電極基板と第2電極基板は着色スペー
サーを介して対向しており、その間隙の周辺部がシール
材で封止され、この封止空間に液晶が充填されている。
電極基板は、ガラス基板、フィルム基板などの基板の表
面に電極が蒸着等により形成されてなるものであり、必
要に応じて、電極を覆う配向膜や表面保護のためのコー
ト層をも有する。シール材としてはエポキシ樹脂などが
使用される。液晶としては、たとえば、ビフェニル系、
フェニルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ系、ア
ゾキシ系、安息香酸エステル系、ターフェニル系、シク
ロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニルシクロヘ
キサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシ
ルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン
系、シクロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使用され
ている。
【0016】液晶表示板においては、電極基板間に電圧
を印加することにより、液晶が光学的変化を生じて画像
を形成する。しかし、スペーサーは電圧印加によって光
学的変化を示すことはないが、スペーサーが着色されて
いるため、画像を表示させた時に輝点として確認される
ことがなく、画質のコントラストが低下しない。液晶表
示板を作製する方法としては、たとえば、2枚の電極基
板のうちの一方の電極基板の内部に着色スペーサーを、
湿式法または乾式法で面内スペーサーとして均一に散布
するとともに、エポキシ樹脂等の接着シール材に分散さ
せたシリカスペーサーをシール部スペーサーとして、も
う一方の電極基板の周辺部にスクリーン印刷などの手段
で塗布し、これら2枚の電極基板を重ね合わせて適度な
圧力を加え、100〜180℃の温度で1〜60分間加
熱するか、照射量40〜300mJ/cm2 で紫外線照射
することにより、前記接着シール材を加熱硬化させた
後、電極基板間に液晶を注入し、注入部を封止する、と
言う方法を挙げることができるが、特にこれに限定され
ることはない。
【0017】本発明にかかる液晶表示板は、上の構造に
おいて、前記本発明にかかる着色スペーサーが用いられ
ている。本発明にかかる液晶表示板は、本発明にかかる
着色スペーサーを電極基板間に介在させたものであるた
め、電極基板間の距離が保たれ易く、スペーサー自身が
着色しているため、コントラストが向上すると共に、染
料の滲み出しがなくて液晶の電気特性が維持され信頼性
が高まる。その結果、表示品位の向上が著しい。
【0018】本発明にかかる液晶表示板は、着色スペー
サーを介在させているため、従来の液晶表示板と同じ用
途、たとえば、テレビ、パーソナルコンピューター、ワ
ードプロセッサーなどの画像表示素子として好適に使用
される。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例および比較
例を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。なお
「%」および「部」は各々指定しない限り「wt%」また
は「重量部」を示す。まず、以下の合成例により、二重
結合基を有する染料(1)〜(3)を合成した。
【0020】〔合成例1〕冷却管、温度計の付いた四つ
口フラスコ中に、メタクリルイソシアナート40gを入
れ、これを攪拌しながら、式1の構造式で示される、酸
性のアントラキノン系染料である日本化薬(株)製「カ
ヤシルスカイブルーR」(商品名)(ベンゼン環に直接
結合したアミノ基を1分子中に2個含有)20gを徐々
に添加した。50℃で10時間加熱することにより、濃
青色の、二重結合基を有する染料(1)を得た。
【0021】
【化1】
【0022】〔合成例2〕合成例1において、「カヤシ
ルスカイブルーR」の代わりに、式2の構造式で示され
る、油溶性のアントラキノン系染料である三井東圧
(株)製「ミケトンファーストターコイスブルーG」
(商品名)(ベンゼン環に直接結合したアミノ基および
水酸基を1分子中に2個ずつ含有し、ベンゼン環よりア
ルキル基を介して結合した水酸基を1分子中に2個含
有)を用いたこと以外は合成例1と同様の操作を行っ
て、濃青色の、二重結合基を有する染料(2)を得た。
【0023】
【化2】
【0024】〔合成例3〕合成例1において、「カヤシ
ルスカイブルーR」の代わりに、式3の構造式で示され
る、油溶性のアントラキノン系染料である三井東圧
(株)製「ミケトンファーストレッドバイオレットR」
(商品名)(ベンゼン環に直接結合したアミノ基を1分
子中に2個含有)を用いたこと以外は合成例1と同様の
操作を行って、赤紫色の、二重結合基を有する染料
(3)を得た。
【0025】
【化3】
【0026】つぎに、上記染料(1)〜(3)を用い
て、以下のようにして着色スペーサーを製造し、液晶表
示板を作製した。 〔実施例1〕単量体としてのジビニルベンゼン500部
およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50
0部に、染料(1)200部とベンゾイルパーオキサイ
ド15部を配合して、単量体の混合液とした。
【0027】攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管お
よび温度計を備えたフラスコに、5重量%のポリビニル
アルコール溶液2500部と上記混合液を仕込み、高速
で攪拌して均一な懸濁液とした。ついで、窒素ガスを吹
き込みながら加熱して80℃とし、攪拌を10時間継続
して重合反応を行い、さらに95℃に昇温し1時間攪拌
を続けた。なお、重合時には凝集もなく均一に重合がで
きた。次に、冷却して重合体懸濁液を得た。
【0028】この重合体懸濁液に濾過と洗浄を繰り返
し、残留物を乾燥して濃青色のビニル系樹脂架橋着色粒
子を得た。得られたビニル系樹脂架橋着色粒子を、所望
の粒子径となるように精密に分級することにより、濃青
色の着色スペーサー(1)を得た。着色スペーサー
(1)は、平均粒子径が6.00μm、粒子径の変動係
数が3.3%、粒子の破壊強度が4.0gf、粒子の硬
度(10%圧縮弾性率)470kgf/mm2 であっ
た。
【0029】次に、着色スペーサー(1)を用いて、以
下の方法により、図1にみるような液晶表示板を作製し
た。最初に、下側のガラス基板111上に、透明電極5
とポリイミド配向膜4を形成した後、ラビングを行って
下側電極基板110を得た。この下側電極基板110
に、着色スペーサー(1)を面内スペーサー8として湿
式散布法により、200個/mm2 の散布密度で凝集塊
もなく均一に散布した。なお、湿式散布液としては、溶
媒に水/イソプロピルアルコール(IPA)(体積比:
5/5)を用い、水/IPAが100部に対して着色ス
ペーサー(1)1.5部の割合で混合し、超音波分散さ
せて用いた。この際、湿式散布溶媒が着色することはな
く透明であった(着色スペーサーからの色落ちはなかっ
た)。
【0030】次に、上側のガラス基板12上に、透明電
極5とポリイミド配向膜4を形成した後、ラビングを行
って上側電極基板120を得た。次に、エポキシ樹脂接
着シール材2中にシリカスペーサーをシール部スペーサ
ー3として30容量%となるように分散させたものを、
上側電極基板120の接着シール部分にスクリーン印刷
した。
【0031】そして、二つの電極基板110、120
を、電極5と配向膜4がそれぞれ対向するように、面内
スペーサー8を介して貼り合わせ、1kg/cm2 の圧
力を加え、150℃の温度で30分間加熱し、接着シー
ル材2を加熱硬化させた。その後、2枚の電極基板11
0、120の隙間を真空とし、さらに大気圧に戻すこと
により、STN型液晶7を注入し、注入部を封止した。
そして、上下ガラス基板12、111の外側にPVA
(ポリビニルアルコール)系偏光膜6を貼りつけて13
インチの液晶表示板(1)とした。
【0032】このようにして得られた液晶表示板(1)
は、上下の基板の隙間距離が均一化されており、スペー
サー自身の光抜けもなくなるとともに、スペーサー周囲
の光抜けも抑制されており、良好な表示品位であった。
また、所定の電圧印加において、長時間駆動できた。 〔実施例2〜3〕二重結合基を有する染料やモノマーの
種類を下記の表1の記載のように変更した以外は、実施
例1の方法を繰り返して、着色ビニル系樹脂架橋着色粒
子をそれぞれ得た。
【0033】
【表1】
【0034】表中、DBはジビニルベンゼン、DPはジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、TMはテト
ラメチロールメタントリアクリレート、TEはテトラエ
チレングリコールジメタアクリレートを示す。得られた
ビニル系樹脂架橋着色粒子を、所望の粒子径となるよう
に精密に分級することにより、着色スペーサー(2)〜
(3)を得た。得られた各着色スペーサーの物性、色
(目視観察)、平均粒子径、変動係数、破壊強度、硬度
(10%圧縮弾性率)を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表中、着色スペーサーはその番号を示し、
硬度は10%圧縮弾性率(kgf/mm2 )を示す。次
に、着色スペーサー(2)〜(3)を用い、実施例1と
同様にして、液晶表示板(2)〜(3)を作製した。得
られた各液晶表示板の特性とともに湿式散布溶媒への色
落ちの有無などの製造の際の因子についても表3に示
す。
【0037】
【表3】
【0038】〔実施例4〕実施例1で得られた着色スペ
ーサー(1)35gと熱可塑性樹脂粉末としてメチルメ
タクリレート−スチレン−2−エチルヘキシルアクリレ
ートの共重合体(15/65/20重量比)の粉末7g
とを混合し、奈良機械製作所(株)製ハイブリダイゼー
ションシステムNHS−O型を使用し、高速気流中衝撃
法により、着色スペーサー(1)の表面をメチルメタク
リレート−スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート
の共重合体で被覆処理した接着性を有する着色スペーサ
ー(4)を得た。
【0039】その結果を表2、表3に示す。 〔実施例5〕単量体としてのスチレン400部、メチル
メタクリレート400部および3−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン200部に、染料(1)200
部と2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメ
チルバレロニトリル)5部を配合して、単量体の混合液
とした。
【0040】攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管お
よび温度計を備えたフラスコに、メタノール5000部
と上記混合液を仕込み、混合後、窒素ガスを吹き込みな
がら加熱して60℃とし、攪拌を2時間継続して重合反
応(析出重合)を行った。次に、冷却して重合体懸濁液
を得た。この重合体懸濁液に濾過と洗浄を繰り返し、残
留物を乾燥して濃青色のビニル系樹脂架橋着色粒子を得
た。得られたビニル系樹脂架橋着色粒子100gをトル
エン1000g中に分散させ、熱可塑性樹脂としてメチ
ルメタクリレート−ラウリルメタクリレート−3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシランの共重合体(4
5/50/5重量比)の50wt%のトルエン溶液5g
を混合した。次いで、エバポレーターを用いてトルエン
を減圧加熱留去後、更に150℃で2時間真空乾燥し
た。得られた粒子に洗浄と濾過を繰り返し、残留物を乾
燥・解砕して、濃青色の接着性を有する着色スペーサー
(5)を得た。
【0041】その結果を表2、表3に示す。 〔比較例1〜3〕染料を表4の記載のように変更した以
外は、実施例1〜3と同様の方法を繰り返して、比較用
のビニル系樹脂架橋着色粒子をそれぞれ得た。表4記載
の染料は二重結合基を有しない。
【0042】
【表4】
【0043】表中、DB、DP、TM、TEは表1と同
じである。得られた比較用のビニル系樹脂架橋着色粒子
を、所望の粒子径となるように精密に分級することによ
り、比較用の着色スペーサー(11)〜(13)を得
た。得られた着色スペーサー(11)〜(13)の物
性、色(目視観察)、平均粒子径、変動係数、破壊強
度、硬度(10%圧縮弾性率)を表5に示す。
【0044】
【表5】
【0045】表中、着色スペーサーはその番号を示し、
硬度は10%圧縮弾性率(kgf/mm2 )を示す。次
に、着色スペーサー(11)〜(13)を用い、実施例
1と同様にして、液晶表示板(11)〜(13)を作製
した。得られた液晶表示板の表示品位である隙間距離の
均一性、スペーサー自身の光抜け程度、所定電圧印加時
の長時間駆動性とともに湿式散布溶媒への色落ちの有無
などの製造の際の因子についても表6に示す。
【0046】
【表6】
【0047】〔比較例4〕実施例5において、染料
(1)の代わりに、カヤシルスカイブルーRを66.7
部用いた以外は、実施例5と同様にして行ったところ、
粒子は着色されず、白色の接着性を有するスペーサー
(14)を得た。その結果を表5、表6に示す。
【0048】表3、表6の比較から明らかなように、比
較用の着色スペーサー(11)〜(13)は、染料が粒
子マトリクスと結合していないため、得られた粒子の破
壊強度や硬度が小さく、隙間距離の均一性が悪くなり、
色ムラが発生した。また、散布溶媒への染料の溶出があ
るため、スペーサー周囲の光抜けの程度も大きく、ま
た、所定電圧を印加しても駆動しない場合があり、結果
として、液晶表示板の表示品位は極めて低いものだっ
た。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、粒子構造中に染料が固
定され、染料の液晶への溶出がなく、ギャップムラが発
生せず、ギャップコントロールがし易い強度と硬さを有
し、信頼性に優れたスペーサーとこれを用いた液晶表示
板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる液晶表示板の1実施例を表す部
分断面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル系単量体と二重結合基を有する染料
    とを含む原料配合物を重合させて得られる重合体粒子か
    らなることを特徴とする液晶表示板用着色スペーサー。
  2. 【請求項2】2枚の電極基板間に介在させるスペーサー
    として請求項1に記載の着色スペーサーが用いられてい
    る液晶表示板。
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