JP3283995B2 - 液晶表示用スペーサの製造方法 - Google Patents

液晶表示用スペーサの製造方法

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JP3283995B2
JP3283995B2 JP12723894A JP12723894A JP3283995B2 JP 3283995 B2 JP3283995 B2 JP 3283995B2 JP 12723894 A JP12723894 A JP 12723894A JP 12723894 A JP12723894 A JP 12723894A JP 3283995 B2 JP3283995 B2 JP 3283995B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な液晶表示用スペ
ーサの製造方法に関するものであり、特に通電時におけ
るスペーサまわり又はスペーサ間での液晶の配向異常を
防止し、均質な表示を可能とする液晶表示用スペーサの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】液晶表
示装置は、図1に示されるような構造を持っている。上
下のガラス基板2の表面には、所定の形状にパターン化
された透明電極3とそれを覆う配向膜4があり、2枚の
ガラス基板2の間には液晶材料5が注入されており、ガ
ラス基板の周辺部はシール剤6で封止されている。液晶
セルの間隔を一定に保つため、液晶表示用スペーサ7
が、均一に分散配置されており、液晶セルの間隔は一般
に1〜30μm である。最後にガラス基板2の両外側に偏
光板1を配設して、液晶表示セルが完成する。
【0003】ところで、TN(ツイステッドネマティッ
ク)、STN(スーパーツイステッドネマティック)液
晶パネルでは、通電中に、スペーサまわり又はスペーサ
間での液晶の配向異常が起こり、その領域が通電時間と
ともに拡大するという問題があり、この原因は明らかに
はなっていないが、液晶分子と液晶スペーサの表面の相
互作用に起因するものと推測される。更に、保護フィル
ムを除去する際に静電気が発生しやすく、これによりス
ペーサ周囲の部分で液晶分子の異常配向が発生するとい
う問題もしばしば発生した。これらを防止する目的で、
液晶パネル製造においては液晶パネルのいわゆるエージ
ング操作(アニール工程)が行われているが、生産効率
が低下するなどの問題があった。
【0004】さらに、臨界表面エネルギーが30 dyn/cm
以下のスペーサを用いる方法(特開平2−297523号)、
スペーサ表面を長鎖アルキルシラン等で処理する方法
(特開平4−177324号、特開平5−232478号)等が提案
されている。これらの方法は、スペーサ表面に配向強制
力をもたせて液晶分子をスペーサ表面に垂直配向させる
試みである。しかしながら、これらの方法によると配向
強制力が強すぎるために光透過時にも液晶分子の配向が
スペーサ表面に対して垂直、すなわち基板に対して水平
のままとなり易く、その結果、光透過度低下によるスペ
ーサ周囲のコントラストの低下をしばしば誘発するもの
であった。又、静電気からのスペーサの帯電によるスペ
ーサ周囲の液晶分子の配向異常に対して何ら効果をもた
らすものではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな従来技術の欠点を解決し、液晶スペーサ間で液晶の
配向異常の起こらない液晶表示用スペーサ及び液晶表示
装置を得るべく鋭意検討を重ねた結果、少なくとも表面
に下記の式(1)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R は炭素数1〜18のアルキル基、
アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アシ
ル基、アルキルカルバモイル基、アシルカルバモイル基
又はアリールカルバモイル基を示す。R1は炭素数2〜4
の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、ヒドロキシ基が
置換していても良い。m は1以上100 以下、好ましくは
1以上50以下の整数を示し、m 個のR1は同一でも異なっ
ていても良い。)で表される非イオン性親水性ユニット
を有する微粒子からなる液晶表示用スペーサ、及びこの
スペーサを用いる液晶表示装置が、上記従来の欠点を解
決できることを見いだし既に特許出願した(特開平6−
118421号公報参照)。
【0008】本発明者らは更に鋭意研究の結果、前記式
(1) で表される非イオン性親水性ユニットをスペーサ表
面に効率的に、かつ簡便に導入することができる液晶表
示用スペーサの製造方法を見出し、本発明を完成するに
到った。即ち、本発明は、油溶性重合開始剤を溶解した
重合性単量体を水系懸濁重合もしくはシード重合して得
られる重合体微粒子からなる液晶表示用スペーサの製造
方法において、重合分散剤として、前記式(1) で表され
る非イオン性親水性ユニットを側鎖に有する水溶性高分
子を用いて、重合体微粒子表面に該重合分散剤をグラフ
トさせることを特徴とする液晶表示用スペーサの製造方
法を提供するものである。
【0009】本発明において用いられる重合性単量体と
しては、架橋性単量体と非架橋性単量体が挙げられる。
架橋性単量体としては、ラジカル重合可能な不飽和二重
結合を2個以上有する架橋性単量体であれば特に限定さ
れるものではなく、例えば、ジビニルベンゼン、1,4 −
ジビニロキシブタン、ジビニルスルホン等のビニル化合
物;ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ト
リアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテ
ート等のアリル化合物;(ポリ)エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート及びグリセロールトリ(メタ)アクリ
レート、グリセロールジ(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。これらの架橋性単量体は単独又は2種以上混合
して用いることができる。
【0010】又、非架橋性単量体としては、ラジカル重
合可能な架橋性単量体以外の全てのビニル単量体を用い
ることができるが、例えばスチレン、p−(m−)メチ
ルスチレン、p−(m−)エチルスチレン、p−(m
−)クロロスチレン、p−(m−)クロロメチルスチレ
ン、スチレンスルホン酸、p−(m−)t−ブトキシス
チレン、α−メチル−p−t−アミロキシスチレン、p
−t−アミロキシスチレン等のスチレン系モノマー;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ラウリル、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アク
リル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸系モノマー;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアル
キルビニルエーテル;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニ
ルエステル系モノマー;N−メチル(メタ)アクリルア
ミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド等のN−アル
キル置換(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロニ
トリル等のニトリル系モノマー等が挙げられる。これら
の非架橋性単量体は単独又は2種以上混合して用いるこ
とができる。
【0011】本発明における前記架橋性単量体と非架橋
性単量体の混合割合は、架橋性単量体の割合が全単量体
の30重量%以上、より好ましくは50重量%以上である。
架橋性単量体の割合が30重量%よりも少ない場合には、
得られる重合体微粒子の強度が充分でなく、液晶表示パ
ネルに組み込んで使用する際に色むらの発生原因とな
る。更により確実に十分な強度を得るためには架橋性単
量体を50重量%以上使用することが好ましい。
【0012】本発明において、重合に用いられる油溶性
重合開始剤としては、一般に用いられる油溶性重合開始
剤が使用できる。例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイル、o−クロロ過酸化ベンゾイル、o−メトキシ過
酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤、2,2 −アゾビス
イソブチロニトリル、2,2 −アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)等のアゾ系開始剤が使用できる。さら
に、本発明においては、アゾ系重合開始剤に比べて、重
合分散剤のグラフト率が高くなる点から、過酸化物系重
合開始剤を好適に用いることができる。なお、重合開始
剤の使用量は通常、重合性単量体100 重量部に対して0.
1 〜10重量部が好ましい。
【0013】本発明において、水系懸濁重合は、常法に
従い予め重合性単量体に重合開始剤を溶解したものを重
合分散剤の存在下で攪拌しつつ、窒素雰囲気下、重合温
度50〜100 ℃の範囲で行なわれる。またシード重合は、
例えば特開平1−81810 号公報に開示されているような
方法で行なうことができる。即ち、水系分散媒に分散さ
れた種ポリマー粒子に、重合性単量体を吸収させ、油溶
性重合開始剤の存在下、重合分散剤として前記式(1) で
表される非イオン性親水性ユニットを側鎖に有する水溶
性高分子を用いて重合体微粒子を製造する。
【0014】本発明において用いることのできる重合分
散剤は、側鎖に前記式(1) で表される非イオン性親水性
ユニットを有する水溶性高分子であれば何ら限定される
ものではなく、例えば、下記式(2)
【0015】
【化3】
【0016】(式中、R, R1 及びm は前記の意味を示
し、X は水素原子又はメチル基を示す。)で表される化
合物と、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリ
ル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸等の酸
類;水酸基を含有するアクリル系単量体、例えばアクリ
ル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタク
リル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロ
キシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、
アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチ
レングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレング
リコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノア
クリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステ
ル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド等;ビニルアルコール又はビニルアルコ
ールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等;ビニ
ルアルコールとカルボキシ基を含有する化合物のエステ
ル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル等;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物;
アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸
クロライド類;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビ
ニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子又はそ
の複素環を有するものなどとの共重合体が挙げられる。
【0017】また前記式(2) で表される化合物として
は、例えば水またはアルコール系有機溶剤に可溶な、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン
モノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオール
モノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体の末端水酸基の水素原子を、メチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、ステアリル等の炭素数1
〜18のアルキル基、プロペニル基等の炭素数2〜18のア
ルケニル基、フェニル、ビフェニル等の炭素数6〜18の
アリール基、ノニルフェニル、トリル、キシリル等の炭
素数7〜18のアルキルアリール基、ホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、ステアロイル、ベンゾイ
ル等の炭素数1〜18のアシル基、メチルカルバモイル、
プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル等の炭素数
2〜18のアルキルカルバモイル基、プロピオニルカルバ
モイル、ベンゾイルカルバモイル等の炭素数2〜18のア
シルカルバモイル基、又はフェニルカルバモイル等の炭
素数7〜18のアリールカルバモイル基で置換した多価ア
ルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体等
が挙げられる。
【0018】これらの共重合体は公知の方法により合成
することができ、例えば、化学同人発行の「高分子合成
の実験法」p139,9行目以降に記載されている方法、実
験例507,“酢酸ビニルのメタノール溶液重合”等の方法
で合成することができる。本発明の重合分散剤として用
いることができる前記共重合体中の前記式(2) で表され
る化合物の割合は、共重合させるその他の化合物にもよ
るが、得られる共重合体の水溶性の点などから、5〜70
モル%が好ましく、5〜60モル%がより好ましく、10〜
50モル%がさらに好ましい。前記式(2) で表される化合
物が70モル%を超えると得られる共重合体の水溶性が著
しく低下し、また、5モル%未満では十分な液晶異常配
向防止効果を有する重合体微粒子を得ることができず好
ましくない。本発明に係る重合分散剤としては、重合前
油滴及び生長粒子表面への親和性、吸着性が高く、かつ
水溶性の高いものを適宜選択することができる。また、
重合分散剤の分子量は1万以上 100万以下、好ましくは
2万以上70万以下である。分子量が低すぎる場合には油
滴及び生長粒子の立体的合一により重合安定性が低下
し、高すぎる場合には水溶性の低下等を招くため好まし
くない。
【0019】重合分散剤の使用量は、通常、水などの分
散媒に対して 0.1〜5重量%であるが、本発明において
は粒子表面へのグラフト量を高める目的で10重量%まで
用いてもよい。通常、この場合のモノマー濃度は水に対
して5〜20重量%、好ましくは7〜15重量%である。重
合分散剤が 0.1重量%より少ない場合には十分な分散安
定性と液晶配向異常防止効果を得ることができず、又、
10重量%より多くしてもグラフト量は多くならず、むし
ろ、液粘度の上昇により操作性等が悪くなるため好まし
くない。重合分散剤の重合体微粒子表面へのグラフト量
は、例えばビニルピロリドン等の窒素原子を有する化合
物との共重合体の場合には、窒素分析計により重合体粒
子の単位重量当たりの窒素量を定量することによって概
算することができる。
【0020】更に、本発明において重合安定性を高める
目的で、これらの重合分散剤と併用して、アルキル硫酸
エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
リン酸塩等の陰イオン性界面活性剤、アルキルアミン
塩、第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン性界面
活性剤、アルキルベタイン等の両性界面活性剤を重合分
散剤に対して0.01〜5重量%添加することができる。
【0021】本発明の製造方法によって製造される重合
体微粒子からなる液晶表示用スペーサの平均粒子径は、
目的、液晶表示パネルの種類によって異なるが、通常2
〜10μm 程度である。なお、粒子径分布が広い微粒子を
液晶表示パネルに組み込んだ場合には、パネル内の2枚
の透明電極の間隔を一定に保つことができず表示の際に
色むらの発生原因となるため、粒径分布の標準偏差がそ
の粒子径の20%以下、より好適には10%以下であること
が好ましい。従って、得られる架橋重合体微粒子の粒子
径分布が広い場合には水簸法又は風力法等により分級す
るのが好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を合成例及び実施例により詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、合成例及び実施例中、部は重量部を
示す。
【0023】合成例1 ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂
(株)製、ブレンマーPE350,平均EO付加モル数 m=8)4
38部をクロロホルム 500部に分散させ、ピリジン 158部
を加えて攪拌した。氷冷下、塩化n−ブチリル 213部を
滴下し、さらに室温で5時間反応させエステル化反応を
完結させた。反応混合物にメタノール50部を加え過剰の
塩化n−ブチリルを分解した後、イオン交換水を加えて
分液操作を行い水相を分離した。さらに塩化アンモニウ
ム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、ポリエチレング
リコールモノメタクリレートブタン酸エステルを単離し
た。得られたポリエチレングリコールモノメタクリレー
トブタン酸エステルとヒドロキシエチルメタクリレート
とから、化学同人発行「高分子合成の実験法」p139,
実験例507 “酢酸ビニルのメタノール溶液重合”に従っ
て、ポリエチレングリコールモノメタクリレートブタン
酸エステル/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体
(モル比1:3、重量平均分子量25万)を得た。
【0024】合成例2 ポリエチレングリコールモノメタクリレート及び塩化n
−ブチリルの代わりに、ポリエチレングリコールポリテ
トラメチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂
(株)製、ブレンマー55PET-800,平均EO付加モル数8,
平均BO付加モル数5)と塩化ラウロイルを用いた以外は
合成例1と同様な方法でポリエチレングリコールポリテ
トラメチレングリコールモノメタクリレートラウリン酸
エステルを単離した。また、この後、合成例1と同様な
方法でポリエチレングリコールポリテトラメチレングリ
コールモノメタクリレートラウリン酸エステル/ヒドロ
キシエチルメタクリレート共重合体(モル比1:2、重
量平均分子量22万)を得た。
【0025】合成例3 ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂
(株)製、ブレンマーPE350,平均EO付加モル数 m=8)4
38部をクロロホルム 500部に分散させ、ピリジン 0.1部
を加えて攪拌した。氷冷下、イソブチルイソシアネート
99部を滴下し、さらに室温で12時間反応させ反応を完結
させた。反応終了後、クロロホルムをトッピング除去し
て、ポリエチレングリコールモノメタクリレートイソブ
チルカルバミド酸エステルを得た。また、この後、合成
例1と同様な方法でポリエチレングリコールモノメタク
リレートイソブチルカルバミド酸エステル/ヒドロキシ
エチルメタクリレート共重合体(モル比1:2、重量平
均分子量30万)を得た。
【0026】合成例4 n−ブトキシエチルメタクリレート(共栄社油脂(株)
製、ライトエステルBO) とヒドロキシエチルメタクリレ
ートとから、合成例1の共重合体の合成と同様な方法で
n−ブトキシエチルメタクリレート/ヒドロキシエチル
メタクリレート共重合体(モル比2:3、重量平均分子
量14万)を得た。
【0027】合成例5 フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中
村化学工業(株)製、NKエステル AMP-60G、平均EO付加
モル数 m=6)とN−ビニル−2−ピロリドンとから、
合成例1の共重合体の合成と同様な方法でフェノキシポ
リエチレングリコールアクリレート/N−ビニル−2−
ピロリドン共重合体(モル比1:4、重量平均分子量10
万)を得た。
【0028】合成例6 ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート
(東亜合成化学工業(株)製、アロニックス M-114、平
均EO付加モル数 m=8)とN−ビニル−2−ピロリドン
とから、合成例1の共重合体の合成と同様な方法でノニ
ルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート/N
−ビニル−2−ピロリドン共重合体(モル比1:4、重
量平均分子量23万)を得た。
【0029】実施例1 スチレン30部、ジビニルベンゼン(純度81%, 新日鐡化
学(株)製 DVB-810)70部及び過酸化ベンゾイル4部の
混合液に、重合分散剤として合成例1で得られたポリエ
チレングリコールモノメタクリレートブタン酸エステル
/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体の5%水溶
液800 部を加えて微分散させ、攪拌しながら窒素気流下
80℃で15時間懸濁重合を行い、分級操作を施し平均粒径
6.3 μm、標準偏差が0.5 μm である架橋重合体微粒子
を得た。得られた架橋重合体微粒子をイオン交換水及び
溶剤で洗浄後、単離乾燥して液晶表示用スペーサを得
た。以上の方法により得られたスペーサを用いて、セル
サイズ対角約10インチ、ドット数 640×480 、セルギャ
ップ 6.0μm のスーパーツイスト型液晶表示装置を作成
した。この表示装置に走査電圧を印加してその表示特性
を観察したところ、全面に亘って表示むらのない高品位
の表示が得られており、また、スペーサまわりやスペー
サ間での液晶の配向異常は認められなかった。
【0030】実施例2 実施例1において、重合分散剤として合成例2で得られ
たポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコー
ルモノメタクリレートラウリン酸エステル/ヒドロキシ
エチルメタクリレート共重合体を用いた以外は実施例1
と同様な方法で、平均粒径 6.1μm 、標準偏差が 0.4μ
m である液晶表示用スペーサを得た。以上の方法により
得られたスペーサを用いて、セルサイズ対角約10イン
チ、ドット数 640×480 、セルギャップ 6.0μm のスー
パーツイスト型液晶表示装置を作成した。この表示装置
に走査電圧を印加してその表示特性を観察したところ、
全面に亘って表示むらのない高品位の表示が得られてお
り、また、スペーサまわりやスペーサ間での液晶の配向
異常は認められなかった。
【0031】実施例3 ジビニルベンゼン(純度81%, 新日鐡化学(株)製 DVB
-810)65部、エチレングリコールジメタクリレート(新
中村化学工業(株)製、NKエステル 1G )35部、及び過
酸化ベンゾイル5部の混合液に、重合分散剤として合成
例3で得られたポリエチレングリコールモノメタクリレ
ートイソブチルカルバミド酸エステル/ヒドロキシエチ
ルメタクリレート共重合体の5%水溶液800 部を加えて
微分散させ、攪拌しながら窒素気流下80℃で15時間懸濁
重合を行い、分級操作を施し平均粒径6.1 μm 、標準偏
差が0.4 μm である架橋重合体微粒子を得た。得られた
架橋重合体微粒子をイオン交換水で洗浄後、単離乾燥し
て液晶表示用スペーサを得た。以上の方法により得られ
たスペーサを用いて、セルサイズ対角約10インチ、ドッ
ト数 640×480 、セルギャップ 6.0μm のスーパーツイ
スト型液晶表示装置を作成した。この表示装置に走査電
圧を印加してその表示特性を観察したところ、全面に亘
って表示むらのない高品位の表示が得られており、ま
た、スペーサまわりやスペーサ間での液晶の配向異常は
認められなかった。
【0032】実施例4 実施例3において、重合分散剤として合成例4で得られ
たn−ブトキシエチルメタクリレート/ヒドロキシエチ
ルメタクリレート共重合体を用いた以外は実施例3と同
様な方法で、平均粒径 6.2μm 、標準偏差が 0.5μm で
ある液晶表示用スペーサを得た。以上の方法により得ら
れたスペーサを用いて、セルサイズ対角約10インチ、ド
ット数 640×480 、セルギャップ 6.0μm のスーパーツ
イスト型液晶表示装置を作成した。この表示装置に走査
電圧を印加してその表示特性を観察したところ、全面に
亘って表示むらのない高品位の表示が得られており、ま
た、スペーサまわりやスペーサ間での液晶の配向異常は
認められなかった。
【0033】実施例5 実施例1において、重合分散剤として合成例5で得られ
たフェノキシポリエチレングリコールアクリレート/N
−ビニル−2−ピロリドン共重合体を用いた以外は実施
例1と同様な方法で、平均粒径 6.1μm 、標準偏差が
0.4μm である液晶表示用スペーサを得た。以上の方法
により得られたスペーサを用いて、セルサイズ対角約10
インチ、ドット数 640×480 、セルギャップ 6.0μm の
スーパーツイスト型液晶表示装置を作成した。この表示
装置に走査電圧を印加してその表示特性を観察したとこ
ろ、全面に亘って表示むらのない高品位の表示が得られ
ており、また、スペーサまわりやスペーサ間での液晶の
配向異常は認められなかった。
【0034】実施例6 実施例3において、重合分散剤として合成例6で得られ
たノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレー
ト/N−ビニル−2−ピロリドン共重合体を用いた以外
は実施例3と同様な方法で、平均粒径 6.2μm 、標準偏
差が 0.4μm である液晶表示用スペーサを得た。以上の
方法により得られたスペーサを用いて、セルサイズ対角
約10インチ、ドット数 640×480 、セルギャップ 6.0μ
m のスーパーツイスト型液晶表示装置を作成した。この
表示装置に走査電圧を印加してその表示特性を観察した
ところ、全面に亘って表示むらのない高品位の表示が得
られており、また、スペーサまわりやスペーサ間での液
晶の配向異常は認められなかった。
【0035】実施例7 ポリビニルピロリドン(GAF 社製,PVP K-30, 分子量4
万)7.2 部、エアロゾールOT(和光純薬(株)製、アニ
オン性界面活性剤)2部、アゾビスイソブチロニトリル
1部をエタノール340 部に溶解させた溶液を攪拌しなが
ら窒素気流下70℃に昇温させ、次いでスチレン50部を加
え、同温度にて24時間反応を行い重合体粒子分散液を得
た。これを遠心分離法により単離し精製を行なった。こ
の粒子の平均粒径は1.83μm 、標準偏差は0.05μm であ
った。このポリマー粒子の分子量をGPC 測定により求め
たところ、数平均分子量は2.7 万、重量平均分子量と数
平均分子量の比は2.14であった。上記で得られた乾燥粒
子2.0 部に、イオン交換水200 部とラウリル硫酸ナトリ
ウム0.13部を加え、均一に分散させて種ポリマー粒子の
分散液を得た。スチレン30部、ジビニルベンゼン(純度
81%, 新日鐡化学(株)製 DVB-810)70部からなる単量
体混合物100 部にエタノール40部及び過酸化ベンゾイル
4部を溶解させたものと、イオン交換水400 部及びラウ
リル硫酸ナトリウム0.6 部からなる溶液とを混合し、こ
の混合液を超音波処理した。得られた乳化液を、前記種
ポリマー粒子の分散液に加え、30℃にて6時間攪拌する
と単量体は完全に種ポリマー粒子に吸収された。この分
散液に合成例1で得られたポリエチレングリコールモノ
メタクリレートブタン酸エステル/ヒドロキシエチルメ
タクリレート共重合体の10%水溶液300部を加えた後、
攪拌しながら窒素気流下80℃で15時間重合を行い、架橋
均一重合体微粒子の分散液を得た。この分散液を濾過
し、イオン交換水及び溶剤で洗浄後、単離乾燥して、平
均粒径6.1 μm 、標準偏差が0.18μm である液晶表示用
スペーサを得た。以上の方法により得られたスペーサを
用いて、セルサイズ対角約10インチ、ドット数 640×48
0 、セルギャップ 6.0μm のスーパーツイスト型液晶表
示装置を作成した。この表示装置に走査電圧を印加して
その表示特性を観察したところ、全面に亘って表示むら
のない高品位の表示が得られており、また、スペーサま
わりやスペーサ間での液晶の配向異常は認められなかっ
た。
【0036】比較例1 実施例1において、重合分散剤としてポリビニルアルコ
ール(日本合成化学工業(株)製 GH-17、ケン化度86.5
〜89モル%)を用いた以外は実施例1と同様な方法で、
平均粒径 6.1μm 、標準偏差が 0.4μm である液晶表示
用スペーサを得た。得られたスペーサを用いた液晶表示
装置の場合について、実施例1と同様の方法で、液晶表
示装置を作製しその表示特性を観察したところ、スペー
サまわりやスペーサ間での配向異常が発生し表示品位の
低下が認められた。
【0037】
【発明の効果】上記実施例の結果からも明らかなよう
に、本発明で得られる液晶表示用スペーサは、スペーサ
まわりやスペーサ間での液晶の配向異常の防止効果に優
れており、液晶表示用スペーサとして好適であり、本発
明において、簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 偏光板 2 ガラス基板 3 透明電極 4 配向膜 5 液晶材料 6 シール剤 7 スペーサ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油溶性重合開始剤を溶解した重合性単量
    体を水系懸濁重合もしくはシード重合して得られる重合
    体微粒子からなる液晶表示用スペーサの製造方法におい
    て、重合分散剤として、下記式(1) 【化1】 (式中、R は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル
    基、アリール基、アルキルアリール基、アシル基、アル
    キルカルバモイル基、アシルカルバモイル基又はアリー
    ルカルバモイル基を示す。R1は炭素数2〜4の直鎖又は
    分岐のアルキレン基を示し、ヒドロキシ基が置換してい
    ても良い。m は1以上100 以下の整数を示し、m 個のR1
    は同一でも異なっていても良い。)で表される非イオン
    性親水性ユニットを側鎖に有する水溶性高分子を用い
    て、重合体微粒子表面に該重合分散剤をグラフトさせる
    ことを特徴とする液晶表示用スペーサの製造方法。
  2. 【請求項2】 油溶性重合開始剤が過酸化物系重合開始
    剤である請求項1記載の液晶表示用スペーサの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 重合性単量体が架橋性単量体と非架橋性
    単量体からなり、架橋性単量体の割合が全単量体中30重
    量%以上である請求項1記載の液晶表示用スペーサの製
    造方法。
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