JPH1162119A - 棟板取付金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻ハゼ部を備えた両流れ屋根の峰部分に金属
製薄板からなる棟板を取り付けるに際して、温度差によ
る伸縮による障害を防止する取付金具を提供する。 【解決手段】 屋根Ｂのハゼ部Ｃへの装着を可能とした
ハゼ装着体１と、棟板Ａを装着する棟板装着体２とを、
棟板面方向へ適宜な抵抗力を具備し且つ移動自在に連結
してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、長尺金属板を屋根の峰
から裾方向に葺いて、隣接する屋根板を巻ハゼ構造で連
結する例えばハゼ折版屋根に、棟板を取り付ける金具に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ハゼ折版屋根のように隣接する屋根板を
巻ハゼ構造で連結する屋根で、且つ両流れの屋根は、そ
の棟部を、山型状断面の長尺金属板で形成した棟板で覆
うようにしている。そして棟板の装着は、ハゼ部に装着
した金具にビス止めなどで止着しているものである。

【０００３】具体的には、下方開口のコの字状に折曲し
て、一方の側板部に挾圧ボルトを螺装し、他方側板部は
下方を対向側板部方に折曲して挾持受部を形成し、ハゼ
部分を挾圧ボルトと挾持受部とで挾圧して金具をハゼ部
分に固定し、金具の上面板部上に棟板を直接ビス止め等
の手段で連結しているものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで薄金属板で屋
根を形成した場合、真夏と真冬の温度差によって金属板
が伸縮するが、前記した従前の取付金具では、巻ハゼ部
分に確りと固定した金具に棟板を装着し、且つ屋根面部
分と棟板部分とは別部材で構成されているため、その伸
縮の歪みが金具の連結箇所に表れ、特に棟板が歪んでし
まい、その屋根機能（防水構造）を失う場合もある。そ
こで本発明は、屋根板と棟板との連結に、棟板の機能を
低下させることなく遊びを有するようにした新規な取付
金具を提案したものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る棟板取付金
具は、屋根のハゼ部への装着を可能としたハゼ装着体
と、棟板を装着する棟板装着体とを、棟板面方向へ適宜
な抵抗力を具備して移動自在に連結してなることを特徴
とするものである。

【０００６】従ってハゼ装着体を屋根面の巻ハゼ部分に
固定し、棟板を棟板装着体と連結すると、棟板は所定位
置に葺くことができて屋根機能を発揮すると共に、気温
の上下で屋根板並びに棟板が伸縮しても、伸縮による装
着箇所のずれは、ハゼ装着体と棟板装着体との連結部分
で吸収される。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について説
明する。実施形態に示した棟板取付金具は、ハゼ装着体
１と、棟板装着体２を備えてなり、ハゼ装着体１は、下
方開口のコの字状に折曲して、両側板部１１，１２と上
面板部１３を有し、一方の側板部１１に挾圧ボルト３を
他方側板部１２方向に向かって進出可能に螺装し、他方
側板部１２には、その下方を対向側板部１１方に折曲し
て挾持受部１４を形成したものである。

【０００８】棟板装着体２は、長方形の金属板を左右に
分け上下に段差を付けたもので、高い方を棟板Ａを装着
する棟板装着板部２１とし、棟板装着板部２１には棟板
止着用螺孔２２を設けてなる。また一方の低い方をハゼ
装着体１の上面板部１３に連結する移動連結板部２３と
し、適宜な大きさ並びに形状の透孔２４を穿設してな
る。

【０００９】そして棟板装着体２の移動連結板部２２
を、ハゼ装着体１の上面板部１３に積層し、更に移動連
結板部２２上に挾持板４を積層し、前記透孔２４を遊挿
する軸（ビス）５で上面板部１３と挾持板４とを連結
し、移動連結板部２３を適宜な力で挾圧して相応の抵抗
力を具備せしめて且つ所定以上の力が作用すると移動す
るように保持してなる。

【００１０】前記の金具の使用は、折版屋根Ｂの峰部近
傍の巻ハゼ部Ｃを挾圧ボルト３と挾持受部１４とで挾圧
して金具（ハゼ装着体１）をハゼ部Ｃに固定し、金具
（棟板装着体２）の棟板装着板部２１上に棟板Ａの裏面
を添わせ、螺孔２２に螺装されるビス６をもって棟板Ａ
を直接棟板装着部２１に止着するものである。

【００１１】従って棟板Ａは所定位置に装着され、ハゼ
装着体１と棟板装着体２との連結箇所の移動抵抗力によ
って棟板Ａは安定良く設けられ、そして気温の上下で屋
根板Ｂ並びに棟板Ａが伸縮しても、伸縮による装着箇所
のずれは、ハゼ装着体１と棟板装着体２との連結部分で
吸収されることになり、棟板の歪みの発生を防止してい
るものである。

【００１２】尚本発明の金具の使用対象は、折版屋根に
限定されるものではなく、巻ハゼを備え且つ棟板を使用
する屋根には総て適用できるものである。またハゼ装着
体と棟板装着体との連結構造は、移動可能で且つ適宜な
移動抵抗力を具備するものであれば、他の構造を採用し
ても良い。

【００１３】

【発明の効果】以上のように本発明は、屋根のハゼ部へ
の装着を可能としたハゼ装着体と、棟板を装着する棟板
装着体とを備え、両者を棟板面方向へ適宜な抵抗力を具
備して移動自在に連結してなる棟板取付金具で、屋根面
の巻ハゼ部分に固定して棟板を止着すると、棟板を所定
位置に葺くこができ、且つ気温の上下で屋根板並びに棟
板が伸縮しても、伸縮による装着箇所のずれをハゼ装着
体と棟板装着体との連結部分で吸収して雨漏りの原因と
なる棟板の歪みを生じさせないようにしたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施形態の全体斜視図。

【図２】同各部材の分解斜視図。

【図３】同使用状態の説明図（正面図）。

【図４】同使用状態の説明図（側面図）。

【符号の説明】

１ ハゼ装着体 １１，１２ 側板部 １３ 上面板部 １４ 挾持受部 ２ 棟板装着体 ２１ 棟板装着板部 ２２ 棟板止着用螺孔 ２３ 移動連結板部 ２４ 透孔 ３ 挾圧ボルト ４ 挾持板 ５ 軸（ビス） Ａ 棟板 Ｂ 折版屋根 Ｃ 巻ハゼ部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋根のハゼ部への装着を可能としたハゼ
   装着体と、棟板を装着する棟板装着体とを、棟板面方向
   へ適宜な抵抗力を具備し且つ移動自在に連結してなるこ
   とを特徴とする棟板取付金具。
2. 【請求項２】 下方開口のコの字状に折曲して、一方の
   側板部に挾圧ボルトを螺装し、他方側板部は下方を対向
   側板部方に折曲して挾持受部を形成したハゼ装着体と、
   棟板を装着する棟板装着板部並びにハゼ装着体の上面板
   部に連結する移動連結板部とを段差を有せしめて形成し
   た棟板装着体とを備え、移動連結板部に透孔を穿設して
   上面板部に積層し、且つ移動連結板部上に挾持板を積層
   し、透孔を遊挿する軸で上面板部と挾持板とを連結して
   移動連結板部を保持してなることを特徴とする棟板取付
   金具。