JPH1161356A - 皮膜特性と磁気特性に優れた一方向性電磁鋼板及びその製造方法並びにその製造法に用いる脱炭焼鈍設備 - Google Patents
皮膜特性と磁気特性に優れた一方向性電磁鋼板及びその製造方法並びにその製造法に用いる脱炭焼鈍設備Info
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- JPH1161356A JPH1161356A JP9221826A JP22182697A JPH1161356A JP H1161356 A JPH1161356 A JP H1161356A JP 9221826 A JP9221826 A JP 9221826A JP 22182697 A JP22182697 A JP 22182697A JP H1161356 A JPH1161356 A JP H1161356A
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Abstract
性電磁鋼板及びその製造方法並びにその製造方法で用い
る脱炭焼鈍設備を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.005%以下、Si:2.0〜7.0%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、表面に
フォルステライトを主体とする酸化皮膜と、更にその表
面に絶縁皮膜が形成された一方向性電磁鋼板であって、
前記酸化皮膜の皮膜量が片面当り1〜4g/m2 であり、
かつ前記酸化皮膜表面から行うグロー放電発光分析によ
って得られるSiのピーク強度がAlのピーク強度の 1/2以
上であるとともに、前記酸化皮膜表面からSiのピーク位
置までの深さが酸化膜表面からAlのピーク位置までの深
さの1/10以内であって、20mm径曲げにより皮膜剥離が発
生しない率y(%)及び鉄損特性W(W/kg)が下記式を
満たすことを特徴とする。 y(%)≧−122.45t+112.55(但し、
t:板厚mm) W(W/kg)≦2.37t+0.280(但し、t:板厚
mm)
Description
のSiを含み、皮膜特性が優れかつ鉄損特性が優れた一
方向性電磁鋼板を提供する。また、上記の鋼板が脱炭焼
鈍の昇温過程で急速加熱されたストリップが脱炭焼鈍炉
に導入される前に、脱炭焼鈍の昇温過程で急速加熱され
たストリップの初期酸化膜を制御することによって、極
めて皮膜特性が優れかつ鉄損特性が優れた一方向性電磁
鋼板を製造する方法を提供し、さらには、上記製造方法
に用いる脱炭焼鈍設備を提供する。これら製品、製造方
法および設備に関するものである。
鉄損特性と励磁特性の両方で評価される。励磁特性を高
めることは設計磁束密度を高める機器の小型化に有効で
ある。一方鉄損特性を少なくすることは、電気機器とし
て使用する際、熱エネルギーとして失われるものを少な
くし、消費電力を節約できる点で有効である。さらに、
製品の結晶粒の<100>軸を圧延方向に揃えること
は、励磁特性を高め、鉄損特性も低くすることができ、
近年特にこの面で多くの研究が重ねられ、様々な製品、
および製造技術が開発された。
に高い磁束密度を得るために、方向性電磁鋼板の製造方
法が開示されている。これはAlN+MnSをインヒビ
ターとして機能させ、最終冷延工程における圧下率が8
0%を超える強圧下とする製造方法である。この方法に
よれば二次再結晶の{110}<001>方位の集積度
が高く、B8 が1.870T以上の高磁束密度を有する
方向性電磁鋼板が得られる。
減は図れるが、二次再結晶マクロの粒径が10mmオーダ
と大きく、鉄損に影響する因子である渦電流損を減らす
ことができず、良好な鉄損値が得られていなかった。
て磁気特性を向上する方法として特公平6−51187
号公報に記載の方法がある。この方法は、常温で圧延さ
れた鋼板(ストリップ)に140℃/s以上の加熱速度で
657℃以上の温度へ超急速焼きなまし処理を施し、鋼
板を脱炭素処理し、最終高温焼きなまし処理を施して二
次成長を行い、それによって鋼板が低減した寸法の二次
粒子および応力焼きなまし処理後も有意な変化なしに持
続する改善された鉄損を持つ製造方法であるる。
を微細化するだけでは、従来の磁区細分化なみの鉄損を
得ることは困難である。特に鋼板が急速加熱で、急激に
高温に曝されることにより、異なった組成の酸化皮膜が
形成されファイアライト(Fe2 SiO4 )が優先的に
形成されるようになる、最終焼鈍においてMgO塗布に
よりフォルステライト(2MgO・SiO2 )の形成が
必ずしも良好とならず、十分な皮膜張力により優れた磁
気特性が得られないという問題がある。
62436号公報では最終板厚まで圧延されたストリッ
プを焼鈍する直前、若しくは脱炭焼鈍の加熱段階とし
て、PH2 O/PH2 が0.2以下の非酸化性雰囲気中
で100℃/s以上の加熱速度で700℃以上の温度へ加
熱処理する方法を提案している。また、急速加熱の具体
例として2対の直接通電ロールを用いることも提示して
いる。
では、急速加熱中に鋼板表面に緻密な酸化層を形成する
場合があることがわかった。このような酸化層が形成さ
れると、これがバリヤーとなり、脱炭作用に影響する。
特に残留C:40ppm以下に脱炭させることは困難に
なり、その結果、製造直後の磁気特性は良好なものが得
られるのであるが、磁気時効により製品磁気特性の劣化
を生じてしまう。また、脱炭時間を長くしても20pp
m以下の十分な脱炭を行うことができない。
スに組み込むなどして、巻きコアにする際、鋼板に曲げ
加工を加えるので、特にコーナ部の曲率の高いところで
一次皮膜と二次皮膜(絶縁皮膜)からなる表面皮膜剥離
の発生がない優れた皮膜密着性を有することが要求され
るが、上記製造方法では、まだ皮膜密着性に改善の余地
があった。
み、皮膜特性(皮膜密着性)が優れかつ磁気特性(鉄損
特性)が優れた一方向性電磁鋼板、およびその製造方
法、並びにこの製造方法に用いる脱炭焼鈍設備を提供す
るものである。
(皮膜密着性)、磁気特性(鉄損特性)共に優れた一方
向性電磁鋼板を得るために、最終製品厚まで圧延された
ストリップを脱炭焼鈍工程の昇温段階で100℃/s以上
の加熱速度で800℃以上の温度に急速加熱する試験を
多数実施した。
を実施する際に用いられているストリップ入側部(通
常、ストリップ入口から5m以内)に雰囲気の排気口を
有する既設の脱炭焼鈍炉を改造した脱炭焼鈍設備を用い
て行なった。すなわち、既設の脱炭焼鈍炉の入側にスロ
ート部を設けるか設けることなく、上記急速加熱を行な
う装置を設けた急速加熱室を連結し、上記排気口から急
速加熱室の雰囲気および脱炭焼鈍炉の雰囲気を排気する
ようにした脱炭焼鈍設備を用いて行った。
鈍工程を行う際に、急速加熱室(スロート部を設置した
場合は、スロート部を含む)の雰囲気、脱炭焼鈍炉の雰
囲気、急速加熱室(スロート部を設置した場合は、スロ
ート部を含む)においてストリップが750℃以上の温
度に滞在する時間と、製品の皮膜密着性、磁気時効前後
の鉄損特性の関係を種々検討した結果、以下の知見が得
られた。
からのグロー放電発光分析法(GDS分析法)による分
析でのSiのAlに対するピーク強度比が1/2以上で
あると共に、酸化皮膜表面からのグロー放電発光分析法
(GDS分析法)による分析でのSiの酸化皮膜表面か
らのピーク位置が、Alの酸化皮膜表面からのピーク位
置に対して1/10以内の表層側に存在している。
析法(GDS分析法)による分析でのSiのAlに対す
るピーク強度比が1/2以上であると共に、酸化皮膜表
面からのグロー放電発光分析法(GDS分析法)による
分析でのSiの酸化皮膜表面からのピーク位置が、Al
の酸化被膜表面からのピーク位置に対して1/20以内
の表層側に存在しているものは、両特性がさらに優れて
いる。
炭焼鈍炉の入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉
の雰囲気を排気する排気口を設けた焼鈍設備を用い、急
速加熱室中のPH2 O/PH2 を0.65〜3.0と
し、脱炭焼鈍炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.
6とするとともに、急速加熱室においてストリップが7
50℃以上の温度に滞在する時間を5秒以内とすること
で得られること。
炭焼鈍炉の入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉
の雰囲気を排気する排気口を設けた焼鈍設備を用い、急
速加熱室中のPH2 O/PH2 を0.8〜1.8とし、
脱炭焼鈍炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.6と
するとともに、急速加熱室においてストリップが750
℃以上の温度に滞在する時間を5秒以内とすることで得
られること。
り、その要旨とするところは、以下の通りである。 (1) 重量%で、C :0.005%以下、Si:
2.0〜7.0%を含み、残部がFe及び不可避的不純
物からなり、表面にフォルステライトを主体とする酸化
皮膜が形成されていて、さらに前記酸化皮膜の表面には
絶縁皮膜が形成された一方向性電磁鋼板であって、前記
酸化皮膜の皮膜量が片面当り1〜4g/m2 であり、かつ
前記酸化皮膜表面から行うグロー放電発光分析(GDS
分析)によって得られるSiのピーク強度がAlのピー
ク強度の1/2以上であるとともに、前記酸化皮膜表面
からSiのピーク位置までの深さが酸化膜表面からAl
のピーク位置までの深さの1/10以内であって、20
mm径曲げにより皮膜剥離が発生しない率y(%)が下記
式を満たし、鉄損特性W(W/kg)が下記式を満たす
ことを特徴とする優れた皮膜特性と磁気特性を有する一
方向性電磁鋼板。 y(%)≧−122.45t+112.55(但し、t:板厚mm)・・・ W(W/kg)≦2.37t+0.280(但し、t:板厚mm)・・・・・・
置までの深さが酸化皮膜表面からAlのピーク位置まで
の深さの1/20以内であって、20mm径曲げにより皮
膜剥離が発生しない率y(%)が下記式を満たし、鉄
損特性W(W/kg)が下記式を満たすことを特徴とする
前記(1)記載の優れた皮膜特性と磁気特性を有する一
方向性電磁鋼板。 y(%)≧−122.45t+122.55(但し、t:板厚mm)・・・ W(W/kg)≦2.37t+0.260(但し、t:板厚mm)・・・・・・
下、Si:2.0〜7.0%、Al:400ppm以下
を含有し、さらに通常のインヒビター成分を含み、残部
がFe及び不可避的不純物よりなるスラブを通常の方法
で処理し、最終製品厚まで圧延してストリップとする工
程と、脱炭焼鈍する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、
絶縁皮膜処理を施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉
に連設した急速加熱室で行い、該急速加熱室のPH2 O
/PH2 を0.65〜3.0としてストリップを100
℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温度に急速加熱す
ると共に、該急速加熱室においてストリップが750℃
以上の温度に滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は
入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を
排気する排気口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭
焼鈍炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.6として
ストリップを処理することを特徴とする前記(1)記載
の優れた皮膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板
の製造方法。☆ (4) 重量%で、C :0.10%以下、Si:2.
0〜7.0%、Al:400ppm以下を含有し、さら
に通常のインヒビター成分を含み、残部がFe及び不可
避的不純物よりなるスラブを通常の方法で処理し、最終
製品厚まで圧延してストリップとする工程と、脱炭焼鈍
する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、絶縁皮膜処理を
施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製造方法におい
て、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉に連設した急
速加熱室で行い、該急速加熱室のPH2 O/PH2 を
0.8〜1.8としてストリップを100℃/s以上の加
熱速度で800℃以上の温度に急速加熱すると共に、該
急速加熱室においてストリップが750℃以上の温度に
滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は入側近傍に急
速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を排気する排気
口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭焼鈍炉中のP
H2 O/PH2 を0.25〜0.6としてストリップを
処理することを特徴とする(2)記載の優れた皮膜特性
と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の製造方法。
下、Si:2.0〜7.0%、Al:400ppm以下
を含有し、さらに通常のインヒビター成分を含み、残部
がFe及び不可避的不純物よりなるスラブを通常の方法
で処理し、最終製品厚まで圧延してストリップとする工
程と、脱炭焼鈍する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、
絶縁皮膜処理を施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉
にスロート部を介して連設した急速加熱室で行い、該急
速加熱室及びスロート部のPH2 O/PH2 を0.65
〜3.0としてストリップを100℃/s以上の加熱速度
で800℃以上の温度に急速加熱すると共に、該急速加
熱室及びスロート部においてストリップが750℃以上
の温度に滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は入側
近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を排気
する排気口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭焼鈍
炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.6としてスト
リップを処理することを特徴とする(1)記載の優れた
皮膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の製造方
法。
下、Si:2.0〜7.0%、Al:400ppm以下
を含有し、さらに通常のインヒビター成分を含み、残部
がFe及び不可避的不純物よりなるスラブを通常の方法
で処理し、最終製品厚まで圧延してストリップとする工
程と、脱炭焼鈍する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、
絶縁皮膜処理を施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉
にスロート部を介して連設した急速加熱室で行い、該急
速加熱室及びスロート部のPH2 O/PH2 を0.8〜
1.8としてストリップを100℃/s以上の加熱速度で
800℃以上の温度に急速加熱すると共に、該急速加熱
室及びスロート部においてストリップが750℃以上の
温度に滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は入側近
傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を排気す
る排気口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭焼鈍炉
中のPH2 O/PH2を0.25〜0.6としてストリ
ップを処理することを特徴とする(1)記載の優れた皮
膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の製造方
法。
接通電加熱で行なうことを特徴とする(3)〜(6)に
記載の優れた皮膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁
鋼板の製造方法。
を特徴とする(3)〜(7)に記載の優れた皮膜特性と
磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の製造方法。
ップを100℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温度
に急速加熱する装置を内設した急速加熱室と、脱炭焼鈍
を行う脱炭焼鈍炉とを連設し、脱炭焼鈍炉の入側近傍に
急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気とを排気する
排気口を設たことを特徴とする一方向性電磁鋼板の脱炭
焼鈍設備。
リップを100℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温
度に急速加熱する装置を内設した急速加熱室と、脱炭焼
鈍を行う脱炭焼鈍炉とをスロート部を介して連設し、脱
炭焼鈍炉の入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉
の雰囲気とを排気する排気口を設たことを特徴とする一
方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍設備。
に対して雰囲気ガスを吹き付けるノズルを設けたことを
特徴とする前記(9)又は(10)記載の一方向性電磁
鋼板の脱炭焼鈍設備。
リップの進行方向に距離を設けて配置した二対のストリ
ップを挟むロール対であり、前記ロール対が通電ロール
の対からなるか、或いは押さえロールと通電ロールとの
対からなることを特徴とする前記(9)、(10)又は
(11)記載の一方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍設備。
1に、0.23mm板厚の一方向性電磁鋼板の酸化皮膜表
面からのグロー放電発光分析法(GDS分析法)による
分析で得られたSiピーク強度のAlピーク強度に対す
る比率と、当該一方向性電磁鋼板の皮膜密着性との関係
を示す。なお、本GDS分析は、最終製品から絶縁皮膜
を除去して酸化皮膜を露出させ、酸化皮膜表面からGD
S分析法を適用した結果のことをいう。皮膜の密着性
は、20mm径の曲率曲げに対して皮膜剥離が発生する割
合(%)でを評価している。曲げ試験には、同一条件で
製造された130前後の製品コイルから各々6枚程度の
曲げ試験片を採取し、合計で800枚前後の試験片を供
した。
のGDS分析法によるSiピーク強度のAlピーク強度
に対する比率が大きい製品では、皮膜密着性が非常に良
好になる。
i、Alのピーク例を示したものである。図中のA,B
はそれぞれAlとSiのピーク強度を、CとDは酸化被
膜表面からAlとSiのピークが出現するまでの時間
を、それぞれ示している。そして、図2(a)は通常の
製品のGDS測定結果、図2(b),(c)は本発明鋼
板のGDS測定結果である。図2(b),(c)はどち
らもB/Aが0.5以上の場合であり、図1に示される
ように、さらにD/Cが0.1以下になると皮膜密着性
が非常に良好となる。また、(c)に示すようにD/C
が0.05以下の場合には、図1に示されるように、さ
らに皮膜密着性が向上する。
ついて、以下に説明する。これら酸化皮膜に含まれるS
iやAlは、最終仕上焼鈍によって、フォルステライト
(Mg2 SiO4 )、スピネル(MgAl2 O4 )やコ
−ジライト(Mg2 Al4 Si5 O16)などの酸化物を
なし、鋼板表面に形成される酸化皮膜の主要成分となっ
ている。ここで、酸化皮膜に含まれるSiのピーク強度
が強く、かつピーク位置が鋼板表面に近い場合には、最
終仕上焼鈍後の酸化皮膜において、上記主要成分がそれ
ぞれ分離した層状に析出する傾向がある。このように各
酸化物が層状に析出することで各酸化物の結晶化が進
み、皮膜の密着性の向上につながっているものと推測さ
れる。そして逆に、Siのピーク強度が弱い場合には、
上記酸化皮膜の主要成分が皮膜全体に混在するために各
酸化物の結晶化が進まず、皮膜密着性が向上しないもの
と推測される。
と皮膜密着性及び鉄損特性との相関を示したものであ
る。本発明いずれの板厚でも、皮膜密着性が良好でかつ
鉄損特性に優れている。図3において、は図2
(a)、は図2(b)、は図2(c)にそれぞれ記
載されたGDS分析パターンを示す鋼板について示した
ものである。本発明によりすべての板厚での皮膜密着性
が向上し、鉄損も良好になっている。さらに図2(c)
に示されているようにD/Cが0.05以下の鋼板で
は、さらに皮膜密着性、鉄損の向上がみられる。
れた皮膜が、脱炭焼鈍工程において形成される初期酸化
膜を制御すれば得られることを見出した。一般に脱炭焼
鈍工程では、一次再結晶組織の形成、酸化膜の形成、鋼
板からの脱炭を、主たるメタラジーとしているが、これ
らの処理は同一の炉内で同時処理されるのが従来の方法
であった。
まで圧延されたストリップを脱炭焼鈍する工程におい
て、ストリップを100℃/秒以上の加熱速度で800
℃以上の温度に急速加熱する装置を内設した急速加熱室
と、脱炭焼鈍を行う脱炭焼鈍炉とを連設し、脱炭焼鈍炉
の入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気
とを排気する排気口を設た脱炭焼鈍設備を用いることと
した。そして本発明は、初期酸化皮膜の他に、酸化膜成
長、再結晶、脱炭挙動についての制御を、急速加熱室と
脱炭焼鈍炉とで機能分離させて行うものであって、以下
にその作用効果を具体的に示す。
成、一次再結晶核発生を狙いとする。ここで初期酸化
膜の形成については、後の製品での皮膜密着性に非常に
寄与し、初期に適正なSiO2 を形成させることが重要
である。この初期酸化層とは、極表層の100オングス
トロームオーダーの厚みの酸化膜のことを言い、これが
後に述べる数μmオーダの内部酸化層形成、さらには製
品での皮膜特性(密着性)に大きく寄与する。このSi
O2 形成量が過度であると脱炭性を阻害することがある
ので、急速加熱室におけるPH2 O/PH2 の値及び急
速加熱室においてストリップが初期酸化膜生成温度であ
る750℃以上の温度に滞在する時間を制御する必要が
ある。
0)、(111)などの一次再結晶集合組織制御を、主
に加熱速度や加熱到達後の冷却速度によりコントロール
する。加熱速度が高くなると(110)は増加、(11
1)は減少し、加熱到達後の冷却速度を速めれば、(1
11)は増加、(100)は減少する傾向にある。急速
加熱装置として、たとえば、誘導加熱装置を用いる場
合、誘導加熱により100℃/s以上、好ましくは30
0℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温度域に急速
加熱させ、(110)を増加させることができる。この
ような、急速加熱により、良好な一次再結晶集合組織を
得ることができる。例えば、二対の通電ロールを用いる
場合、ロール間の加熱により100℃/s以上、好まし
くは300℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温度
域に急速加熱し、(110)を増加させる。さらに、加
熱温度到達後に高温側ロールの抜熱により2000〜3
0000℃/sの冷却速度で10〜40℃の冷却を施
し、(111)を増加させることができる。このような
急速加熱と急速冷却の組み合わせにより、最適な一次再
結晶集合組織を得ることができる。
一次再結晶粒径制御、内部酸化皮膜のコントロール、
を狙いとする。ここで内部酸化皮膜とは、前述した初期
酸化層とは異なり、鋼板表面から内部へ向けて数μmほ
どの厚みで形成される酸化層のことで、後に塗布される
MgOとフォルステライト等からなる酸化皮膜を形成す
るものである。
前述した初期酸化膜の形態により大きく変化することを
見出だした。具体的には、初期酸化層で極表層にオング
ストロームオーダのSiO2 を形成させることにより、
後の内部酸化層中のSiO2成分を多くし、フォルステ
ライト皮膜の構造に大きな影響を及ぼし、皮膜の密着性
を向上させる。また、一次再結晶粒径を制御することに
より、二次再結晶開始温度を制御し、これが二次再結晶
粒径をコントロール、しいては鉄損特性を良好なものに
する。
膜と内部酸化層をコントロールするべく、急速加熱室及
び脱炭焼鈍炉の雰囲気を制御するとともに、急速加熱室
におけるストリップの750℃以上の滞在時間を制御す
ることとした。
板を製造する際に、前述の脱炭焼鈍設備を用い、急速加
熱室中のPH2 O/PH2 及び脱炭焼鈍炉中のPH2 O
/PH2 を種々変化させ、その他の条件は本発明の製造
条件とした際の製品の皮膜特性と脱炭焼鈍設備の雰囲気
との関係を示す。
室中のPH2 O/PH2 が0.25〜3.00でなけれ
ばならない。急速加熱室中のPH2 O/PH2 が0.2
5未満では初期酸化膜の制御が困難で、表層に緻密なS
iO2 成分が過剰になり、後の脱炭焼鈍において脱炭不
良が発生するため0.25以上とした。また、急速加熱
室中のPH2 O/PH2 が3.00超では、初期酸化膜
中のFe成分系酸化物の比率が過剰になり、皮膜密着性
が劣り、皮膜特性を劣化させるため3.00以下とし
た。
急速加熱室のPH2 O/PH2 中の750℃以上の温度
のストリップの滞在時間が長すぎると、かえって脱炭性
などへの悪影響を及ぼすので、ある程度の時間範囲がよ
い。図5は、急速加熱室においてストリップの温度が7
50℃以上に滞在する時間と、形成される初期酸化膜の
厚みとの関係を示した図表である。図5より、ストリッ
プが750℃以上に滞在する時間が5秒を超えるとSi
O2 膜厚が150オングストローム超となり、脱炭が界
面律速となり、好ましくはないので5秒以下とした。
いても、良好な皮膜特性及び脱炭性能を得るため、0.
25〜0.6でなければならない。PH2 O/PH2 が
0.25未満では、鋼板の脱炭が起こらず、内部酸化層
の厚みが非常に少なくなり、後のフォルステライトの形
成が不適切になるので、0.25以上とした。また、脱
炭焼鈍炉中のPH2 O/PH2 が0.6超では、内部酸
化層中のFe系酸化物が過剰になり、初期酸化膜中に生
成されたSiO2 の効果がなくなり、皮膜欠陥などが生
じるので0.6以下とした。
中のPH2 O/PH2 と、急速加熱室においてストリッ
プの温度が750℃以上に滞在する時間とを一定範囲と
することで、優れた皮膜特性と磁気特性を有する一方向
性電磁鋼板を製造することができる。そして、このよう
にして製造された一方向性電磁鋼板の酸化皮膜は、酸化
皮膜表面からのGDS分析を行うと、Siのピーク強度
がAlのピーク強度の1/2以上であるとともに、Si
のピーク位置までの深さがAlのピーク位置までの深さ
の1/10以内である。
を0.8〜1.8のより狭い範囲に制限すると、より適
正なSiO2 主体の初期酸化膜を形成することができ、
さらに皮膜密着性を良好なものにできる。急速加熱室中
のPH2 O/PH2 を0.8〜1.8の範囲内とする
と、Fe系酸化物に対するSi系酸化物の割合が最適に
なり、後に形成される一次皮膜中のSiピーク位置を表
面層に制御し、皮膜特性をさらに良好なものとする。
板は、さらに優れた皮膜特性と磁気特性とを有してい
る。そして、その一方向性電磁鋼板に酸化皮膜表面から
のGDS分析を行うと、Siのピーク強度がAlのピー
ク強度の1/2以上であるとともに、Siのピーク位置
までの深さがAlのピーク位置までの深さの1/20以
内である。
酸化膜、内部酸化皮膜の形成、一次再結晶が略同時進行
した処理方法であったが、本発明では上述した急速加熱
室と脱炭焼鈍炉との機能分離により優れた皮膜特性と磁
気特性とを有する一方向性電磁鋼板を製造することがで
きる。
えば誘導加熱装置、2対の通電ロールよりなる直接通電
加熱装置等を用いることが出来るが、前述したように通
電加熱装置のほうが急速加熱による一次再結晶集合組織
改善効果に加えて、急速冷却による一次再結晶集合組織
改善効果が得られるので直接通電加熱装置を採用するこ
とが望ましい。
炉を連結する設備は、本発明の製造方法を使用する専用
設備として有用である。スロート部を用いて急速加熱室
と脱炭焼鈍炉を連結する設備は、スロート部を大気開放
可能に構成できるので、スロート部を大気開放すれば、
急速加熱装置が内設された急速加熱室に、脱炭焼鈍炉の
雰囲気の流入が完全に防止できるので、脱炭焼鈍設備を
従来のストリップの脱炭焼鈍炉として使用しつつ、急速
加熱室の急速加熱装置の保守点検整備することができ
る。
のストリップ表面に対して吹き付けることにより少量の
雰囲気ガスで前記初期酸化膜が効率的に形成されるの
で、上記ストリップ表面に向かって雰囲気ガス吹き付け
ノズルを設けるのがよく、雰囲気ガスの消費効率上スト
リップ表面に対して1m以内の位置から吹き付けるのが
好ましい。
について説明する。本発明の一方向性電磁鋼板は、重量
%でC:0.005%以下、Si:2.0〜7.0重量
%を含む。Cは、これ以上では磁気時効で特性が劣化す
るので0.005%以下とした。Siは、鉄損をよくす
るために2.0%以上とするが、多すぎると冷間圧延の
際に割れ易く加工が困難となるので7.0%以下とす
る。
にフォルステライトを主体とする酸化皮膜を有してお
り、その皮膜量は片面当たり1〜4g/m2 である。酸
化皮膜の皮膜量が4g/m2 を超えると占積率が悪化す
るので4g/m2 以下とした。一方、酸化皮膜量が1g
/m2 未満では、必要な皮膜張力が得られないため1g
/m2 以上とする。
放電発光分析(GDS分析)によって得られるSiのピ
ーク強度はAlのピーク強度の1/2以上である。強度
比がこれ未満では良好な皮膜の密着性及び鉄損値が得ら
れないためである。また、前記GDS分析法による酸化
皮膜表面からSiのピーク位置までの深さは、酸化膜表
面からAlのピーク位置までの深さの1/10以内とす
る。Siピーク位置の深さが、Alピーク位置の深さの
1/10を超えると必要な一次皮膜の密着性が得られな
いためである。
終製品から絶縁皮膜を除去して酸化皮膜を露出させ、酸
化皮膜表面からGDS分析法を適用した結果のことをい
う。また、GDS分析による酸化皮膜表面からSi(A
l)のピーク位置までの深さは、実質的には、酸化皮膜
表面より分析を始めてからピークが出現するまでに要す
る時間から判断する。
鋼板は、表面皮膜の20mm径曲げによる皮膜剥離なしの
発生率(密着性)が、密着性y(%)≧−122.45
t+112.55(t:板厚mm)で表現される領域を得
ることが可能となり、また、鉄損特性W(W/kg)≦
2.37t+0.280で表現される領域の良好な鉄損
特性を得ることが可能となる。
表面からSiのピーク位置までの深さが、酸化膜表面か
らAlのピーク位置までの深さの1/20以内である一
方向性電磁鋼板は、皮膜特性と磁気特性がさらに優れて
いる。すなわち、この構成による一方向性電磁鋼板で
は、表面皮膜の20mm径曲げによる皮膜剥離なしの発生
率(密着性)が、密着性y(%)≧−122.45t+
122.55(t:板厚mm)で表現される領域を得るこ
とが可能となり、また、鉄損特性(W/kg)≦2.3
7t+0.260で表現される領域の良好な鉄損特性を
得ることが可能となる。
法について説明する。本発明の一方向性電磁鋼板の製造
方法は、重量%で、C:0.10%以下、Si2.0〜
7.0%、Al400ppm以下ならびに通常のインヒ
ビター成分を含み、残余はFeおよび不可避的不純物よ
りなるスラブを出発材とする。
が長くなり、経済的に不利となるので0.10%以下と
した。Siは鉄損をよくするために2.0%以上とする
が、多すぎると冷間圧延の際に割れ易く加工が困難とな
るので7.0%以下とする。インヒビターとしてAlN
を利用するため、酸可溶性Alを添加する。酸可溶性A
lはAlNの適正な分散状態を得るために400ppm
以下とする。酸可溶性AlNが400ppm未満では必
要なAlNの分散状態が得られないためである。Nにつ
いては、本発明では特に限定しないが、適正なAlNを
得るためには0.003〜0.02%の添加が好まし
い。
たり、通常のインヒビター成分として以下の成分元素を
添加することが好ましい。インヒビターとしてMnSを
利用する場合は、MnとSを添加する。Mnは、Mn
S、(Mn・Fe)Sを形成するために必要な元素で、
適当な分散状態を得るためには、0.001〜0.05
%の添加が好ましい。なお、Sの代わりにSeを添加し
ても良く、また両方を添加することもできる。そのほ
か、Cu,Sn,Sb,Cr,Bi,Mo等のインヒビ
ター形成元素はインヒビターを強くする目的で1.0%
以下において少なくとも1種添加しても良い。
続鋳造で鋳片とし、これを熱間圧延して中間厚のストリ
ップを得る。このとき、ストリップキャスターなどによ
り熱延板を得てもよい。次いで、上記熱延ストリップに
は熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を含む2
回以上の冷間圧延により最終製品厚のストリップを得
る。または、熱延板焼鈍を施すことなく、1回または中
間焼鈍を含む2回以上の圧延により最終製品厚のストリ
ップを得る。
の、1回目の圧延は圧下率5〜60%、熱延板焼鈍およ
び中間焼鈍は950〜1200℃で30秒〜30分行う
ことが好ましい。次の最終圧下率は圧下率85%以上が
望ましい。85%は未満では{110}<001>方位
が圧延方向に高い集積度をもつゴス核が得られないから
である。
回のパスにより各板厚段階を経て最終板厚となるが、磁
気特性を向上させるため、その途中板厚段階において鋼
板に100℃以上の温度範囲で30秒以上の時間保持す
る熱効果を1回以上与えてもよい。
たストリップに、脱炭焼鈍を施す。本発明では、脱炭焼
鈍を、急速加熱する装置を内設した急速加熱室と、脱炭
焼鈍を行う脱炭焼鈍炉とを連設し、脱炭焼鈍炉の入側近
傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気とを排気
する排気口を設たことを特徴とする一方向性電磁鋼板の
脱炭焼鈍設備を用いて行う。前記脱炭焼鈍設備は、急速
加熱室と脱炭焼鈍炉とをスロート部を介して連設しても
よい。ここで、初期酸化膜と内部酸化層とをコントロー
ルするため、特に急速加熱室と脱炭焼鈍炉との両方にお
ける雰囲気制御が重要である。
ため急速加熱炉のPH2 O/PH2を規制し、後に生成
される内部酸化層を適正なものにするため脱炭焼鈍炉の
PH2 O/PH2 を規制する。まず、良好な皮膜密着性
を得るためには急速加熱室中のPH2 O/PH2 が0.
25〜3.00てなければならない。PH2 O/PH2
が0.25未満では初期酸化膜の制御が困難で、表層に
緻密なSiO2 成分が過剰になり、後の脱炭焼鈍におい
て脱炭不良が発生するので0.25以上とした。また、
急速加熱室中のPH2 O/PH2 が3.00超では、初
期酸化膜中のFe成分系酸化物の比率が過剰になり、皮
膜密着性が劣り、皮膜特性を劣化させるので3.00以
下とした。
ついても、良好な皮膜特性および脱炭性能を得るため、
0.25〜0.6てなければならない、PH2 O/PH
2 が0.25未満では、鋼板の脱炭が起こらず、内部酸
化層の厚みが非常に少なくなり、後のフォルステライト
の形成が不適切になるので0.25以上とした。また、
脱炭焼鈍炉中のPH2 O/PH2 が0.6超では、内部
酸化層中のFe系酸化物が過剰になり、初期酸化膜中に
生成されたSiO2 の効果が無くなり、皮膜欠陥などが
生じるので0.6以下とした。
ト部を介して連設した脱炭焼鈍設備を用いる場合には、
スロート部の雰囲気は急速加熱室の雰囲気と同じものと
し、同様の雰囲気制御を行うものとする。
中でストリップが750℃以上の温度に滞在する時間を
5秒以下の短時間とすることで、薄いSiO2 を初期に
形成することができる。ストリップが750℃以上に滞
在する時間が5秒を超えると、SiO2 層の厚みが15
0オングストロームを超えるので5秒以下とする。
中のPH2 O/PH2 を特定し、急速加熱室のPH2 O
/PH2 中でストリップが750℃以上の温度に滞在す
る時間を特定することにより、良好な皮膜特性と鉄損特
性を有する一方向性電磁鋼板を得ることができる。
板は、酸化皮膜表面から行うグロー放電発光分析(GD
S分析)によって得られるSiのピーク強度がAlのピ
ーク強度の1/2以上であるとともに、前記酸化皮膜表
面からSiのピーク位置までの深さが酸化膜表面からA
lのピーク位置までの深さの1/10以内であり、非常
に皮膜密着性に優れている(板厚0.23mmで85%以
上)。
%超)をより良好なものにするためには、急速加熱炉中
のPH2 O/PH2 を0.8〜1.8の範囲とすればよ
い。このように雰囲気制御することで、より適正なSi
O2 主体の初期酸化膜を形成することができる。すなわ
ち、PH2 O/PH2 が0.8〜1.8の範囲では、F
e系酸化物に対するSi系酸化物の割合が最適になり、
後に形成される一次皮膜中のSiピーク位置を表面層に
制御し、皮膜密着性をよりに良好なものとすることがで
きる。
板は、酸化皮膜表面から行うグロー放電発光分析(GD
S分析)によって得られるSiのピーク強度がAlのピ
ーク強度の1/2以上であるとともに、Siピーク位置
の深さがAlピーク位置の深さの1/20以内であり、
非常に密着性に優れている(板厚0.23mmで95%
超)。
対あるいはストリップを挟む押さえロールと通電ロール
からなるロール対をストリップの進行方向に距離を存し
て設け、800℃以上の温度へ通電加熱する方法を採用
することができる。勿論、ストリップと非接触の誘導加
熱方法を採用してもよい。ストリップの加熱速度は10
0℃/s以上とする。下限100℃/sは、これ以下では、
二次再結晶に必要な一次再結晶後での{110}<00
1>方位粒が減少するので100℃/sとした。加熱温度
は、800℃未満では一次再結晶の核発生が起こらない
での、800℃以上とした。
での急速加熱を行う急速加熱室2と脱炭焼鈍を行う脱炭
焼鈍炉1とが連続して配列され、脱炭焼鈍炉1の入側近
傍に急速加熱室2の雰囲気と脱炭焼鈍炉1の雰囲気を排
気する排気口7を設けたことを特徴とする脱炭焼鈍設備
で実施する。
熱室2と脱炭焼鈍を行う脱炭焼鈍炉1とがスロート部3
で連結して配列され、脱炭焼鈍炉1の入側近傍に急速加
熱室2の雰囲気と脱炭焼鈍炉1の雰囲気を排気する排気
口7を設けたことを特徴とする脱炭焼鈍設備で実施して
もよい。
6は通電ロール、8,9は通電ロール5,6と対となっ
てストリップ4を挟む押さえロール、10,10は通電
ロール5,6間の急速加熱中の750℃以上のストリッ
プ表面に対して雰囲気ガスを吹き付けるノズルであり、
ストリップ、ノズル間の間隙は1m以下となしている。
特性を劣化させないために、炭素は20ppm以下に低
減されなければならない。ここで、熱延でのスラブ加熱
温度を低温とし、AlNのみをインヒビターとして利用
するプロセスの場合は、アンモニア雰囲気中で窒化処理
を付与してもよい。
て、二次再結晶と純化のため1100℃以上の仕上げ焼
鈍を行うことで、フォルステライトなどの良好な皮膜を
鋼板表面に形成した微細な二次再結晶粒を得る。
に、さらに絶縁皮膜を塗布することにより極めて低い鉄
損御性を有する一方向性電磁鋼板が製造される。ここで
の絶縁皮膜は、燐酸塩とコロイダルシリカを主成分とす
る通常の一方向性電磁鋼板に使われる二次皮膜をいう。
以上の磁気特性は、後の歪み取り焼鈍を施しても、変化
しない低鉄損を保持している。
するため、上記一方向性電磁鋼板に、磁区を細分化する
ための処理をほどこすことも可能である。
0,078%C,0.08%Mn,0.01%P,0.
03%S,0.03%Al,0.09%N,0.08%
Cu,0.1%Snを含む溶鋼を鋳造し、スラブ加熱
後、熱間圧延を行い、2.3mm厚の熱延鋼板を得た、次
に、1100℃で3分間焼鈍を行い、さらに酸洗したの
ち、冷間圧延により0.22mm厚にした。圧延では、途
中、温度220℃で5minの焼鈍を施している。
焼鈍を施した(従来法)。また、圧延されたCからJに
ついては、図7に示したストリップ4を挟む通電ロール
5、および押さえロール8からなるロール対とストリッ
プ4を挟む通電ロール6および押さえロール9からなる
ロール対とをロール間隔1.7mで配置すると共に、上
記ロール対間のストリップ表面から0.5m位置でロー
ル6,9のストリップ挟持点から0.2mの位置に雰囲
気ガス吹付けノズル10,10を設けた急速加熱室2と
脱炭焼鈍炉1とを1.5mのスロート3で連結し、脱炭
焼鈍炉1の入口から1.6m位置に加熱室2、焼鈍炉1
の雰囲気を排気する排気口7を設けた脱炭焼鈍設備に6
0m/分で通板し、表1に示す条件下で処理を行った。
その後、MgOを塗布した後、1200℃に、24hr
間、水素ガス雰囲気中で高温焼鈍を行い、続く仕上げ焼
鈍ラインで絶縁皮膜を塗布して製品とした。
ては皮膜特性、鉄損特性とも優れた一方向性電磁鋼板が
得られている。特に、すべての条件を満足する、C〜E
コイルではより優れた皮膜特性、鉄損特性が得られた。
4コイルの製品については、更に磁区制御製造ラインを
通板し、通板方向の直角(C方向)方向とのなす角度1
2゜の方向に幅5mm間隔で溝(深さ15μm、幅90μ
m)を歯型ロールで掘り、その後1g/m2 の絶縁皮膜
を塗布し最終製品とした。各コイルの磁気特性値を表2
に示す。
鋳造し、実施例1と同じ工程により0.22mm厚のスト
リップを得た。このストリップに、スロート部を有さな
い点以外は実施例1の脱炭焼鈍設備と全く同じ構成の脱
炭焼鈍設備を用い、実施例1と同じ工程により製品とし
た。その結果、実施例と同じく皮膜特性、鉄損特性とも
優れた一方向性電磁鋼板が得られた。特に、すべての条
件を満足するコイルではより優れた皮膜特性、鉄損特性
を有する一方向性電磁鋼板が得られた。
特性が極めて良好な一方向性電磁鋼板を提供でき、かっ
上記一方向性電磁鋼板の製造方法および設備列を提供す
ることができる。
強度のAlピーク強度に対する比率と、一方向性電磁鋼
板の皮膜密着性との関係を示す図表である。
除去し、GDS分析を行って得られるSi、Alのピー
ク例を示す図表である。 (b)請求項1記載の一方向性電磁鋼板から絶縁皮膜を
除去し、GDS分析を行って得られるSi、Alのピー
ク例を示す図表である。 (c)請求項2記載の一方向性電磁鋼板から絶縁皮膜を
除去し、GDS分析を行って得られるSi、Alのピー
ク例を示す図表である。
である。 (b)板厚と鉄損との相関を示した図表である。
炉中PH2 O/PH2 と、皮膜密着性との相関を示す図
表である。
の温度に滞在する時間と、形成される初期酸化膜の厚み
との関係を示した図表である。
る。
る。
電磁鋼板及びその製造方法並びにその製造法に用いる脱
炭焼鈍設備
のSiを含み、皮膜特性が優れかつ鉄損特性が優れた一
方向性電磁鋼板を提供する。また、上記の鋼板が脱炭焼
鈍の昇温過程で急速加熱されたストリップが脱炭焼鈍炉
に導入される前に、脱炭焼鈍の昇温過程で急速加熱され
たストリップの初期酸化膜を制御することによって、極
めて皮膜特性が優れかつ鉄損特性が優れた一方向性電磁
鋼板を製造する方法を提供し、さらには、上記製造方法
に用いる脱炭焼鈍設備を提供する。これら製品、製造方
法および設備に関するものである。
鉄損特性と励磁特性の両方で評価される。励磁特性を高
めることは設計磁束密度を高める機器の小型化に有効で
ある。一方鉄損特性を少なくすることは、電気機器とし
て使用する際、熱エネルギーとして失われるものを少な
くし、消費電力を節約できる点で有効である。さらに、
製品の結晶粒の<100>軸を圧延方向に揃えること
は、励磁特性を高め、鉄損特性も低くすることができ、
近年特にこの面で多くの研究が重ねられ、様々な製品、
および製造技術が開発された。
に高い磁束密度を得るために、方向性電磁鋼板の製造方
法が開示されている。これはAlN+MnSをインヒビ
ターとして機能させ、最終冷延工程における圧下率が8
0%を超える強圧下とする製造方法である。この方法に
よれば二次再結晶の{110}<001>方位の集積度
が高く、B8 が1.870T以上の高磁束密度を有する
方向性電磁鋼板が得られる。
減は図れるが、二次再結晶マクロの粒径が10mmオーダ
と大きく、鉄損に影響する因子である渦電流損を減らす
ことができず、良好な鉄損値が得られていなかった。
て磁気特性を向上する方法として特公平6−51187
号公報に記載の方法がある。この方法は、常温で圧延さ
れた鋼板(ストリップ)に140℃/s以上の加熱速度で
657℃以上の温度へ超急速焼きなまし処理を施し、鋼
板を脱炭素処理し、最終高温焼きなまし処理を施して二
次成長を行い、それによって鋼板が低減した寸法の二次
粒子および応力焼きなまし処理後も有意な変化なしに持
続する改善された鉄損を持つ製造方法であるる。
を微細化するだけでは、従来の磁区細分化なみの鉄損を
得ることは困難である。特に鋼板が急速加熱で、急激に
高温に曝されることにより、異なった組成の酸化皮膜が
形成されファイアライト(Fe2 SiO4 )が優先的に
形成されるようになる、最終焼鈍においてMgO塗布に
よりフォルステライト(2MgO・SiO2 )の形成が
必ずしも良好とならず、十分な皮膜張力により優れた磁
気特性が得られないという問題がある。
62436号公報では最終板厚まで圧延されたストリッ
プを焼鈍する直前、若しくは脱炭焼鈍の加熱段階とし
て、PH2 O/PH2 が0.2以下の非酸化性雰囲気中
で100℃/s以上の加熱速度で700℃以上の温度へ加
熱処理する方法を提案している。また、急速加熱の具体
例として2対の直接通電ロールを用いることも提示して
いる。
では、急速加熱中に鋼板表面に緻密な酸化層を形成する
場合があることがわかった。このような酸化層が形成さ
れると、これがバリヤーとなり、脱炭作用に影響する。
特に残留C:40ppm以下に脱炭させることは困難に
なり、その結果、製造直後の磁気特性は良好なものが得
られるのであるが、磁気時効により製品磁気特性の劣化
を生じてしまう。また、脱炭時間を長くしても20pp
m以下の十分な脱炭を行うことができない。
スに組み込むなどして、巻きコアにする際、鋼板に曲げ
加工を加えるので、特にコーナ部の曲率の高いところで
一次皮膜と二次皮膜(絶縁皮膜)からなる表面皮膜剥離
の発生がない優れた皮膜密着性を有することが要求され
るが、上記製造方法では、まだ皮膜密着性に改善の余地
があった。
み、皮膜特性(皮膜密着性)が優れかつ磁気特性(鉄損
特性)が優れた一方向性電磁鋼板、およびその製造方
法、並びにこの製造方法に用いる脱炭焼鈍設備を提供す
るものである。
(皮膜密着性)、磁気特性(鉄損特性)共に優れた一方
向性電磁鋼板を得るために、最終製品厚まで圧延された
ストリップを脱炭焼鈍工程の昇温段階で100℃/s以上
の加熱速度で800℃以上の温度に急速加熱する試験を
多数実施した。
を実施する際に用いられているストリップ入側部(通
常、ストリップ入口から5m以内)に雰囲気の排気口を
有する既設の脱炭焼鈍炉を改造した脱炭焼鈍設備を用い
て行なった。すなわち、既設の脱炭焼鈍炉の入側にスロ
ート部を設けるか設けることなく、上記急速加熱を行な
う装置を設けた急速加熱室を連結し、上記排気口から急
速加熱室の雰囲気および脱炭焼鈍炉の雰囲気を排気する
ようにした脱炭焼鈍設備を用いて行った。
鈍工程を行う際に、急速加熱室(スロート部を設置した
場合は、スロート部を含む)の雰囲気、脱炭焼鈍炉の雰
囲気、急速加熱室(スロート部を設置した場合は、スロ
ート部を含む)においてストリップが750℃以上の温
度に滞在する時間と、製品の皮膜密着性、磁気時効前後
の鉄損特性の関係を種々検討した結果、以下の知見が得
られた。
からのグロー放電発光分析法(GDS分析法)による分
析でのSiのAlに対するピーク強度比が1/2以上で
あると共に、酸化皮膜表面からのグロー放電発光分析法
(GDS分析法)による分析でのSiの酸化皮膜表面か
らのピーク位置が、Alの酸化皮膜表面からのピーク位
置に対して1/10以内の表層側に存在している。
析法(GDS分析法)による分析でのSiのAlに対す
るピーク強度比が1/2以上であると共に、酸化皮膜表
面からのグロー放電発光分析法(GDS分析法)による
分析でのSiの酸化皮膜表面からのピーク位置が、Al
の酸化被膜表面からのピーク位置に対して1/20以内
の表層側に存在しているものは、両特性がさらに優れて
いる。
炭焼鈍炉の入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉
の雰囲気を排気する排気口を設けた焼鈍設備を用い、急
速加熱室中のPH2 O/PH2 を0.65〜3.0と
し、脱炭焼鈍炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.
6とするとともに、急速加熱室においてストリップが7
50℃以上の温度に滞在する時間を5秒以内とすること
で得られること。
炭焼鈍炉の入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉
の雰囲気を排気する排気口を設けた焼鈍設備を用い、急
速加熱室中のPH2 O/PH2 を0.8〜1.8とし、
脱炭焼鈍炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.6と
するとともに、急速加熱室においてストリップが750
℃以上の温度に滞在する時間を5秒以内とすることで得
られること。
り、その要旨とするところは、以下の通りである。 (1) 重量%で、C :0.005%以下、Si:
2.0〜7.0%を含み、残部がFe及び不可避的不純
物からなり、表面にフォルステライトを主体とする酸化
皮膜が形成されていて、さらに前記酸化皮膜の表面には
絶縁皮膜が形成された一方向性電磁鋼板であって、前記
酸化皮膜の皮膜量が片面当り1〜4g/m2 であり、かつ
前記酸化皮膜表面から行うグロー放電発光分析(GDS
分析)によって得られるSiのピーク強度がAlのピー
ク強度の1/2以上であるとともに、前記酸化皮膜表面
からSiのピーク位置までの深さが酸化膜表面からAl
のピーク位置までの深さの1/10以内であって、20
mm径曲げにより皮膜剥離が発生しない率y(%)が下記
式を満たし、鉄損特性W(W/kg)が下記式を満たす
ことを特徴とする優れた皮膜特性と磁気特性を有する一
方向性電磁鋼板。 y(%)≧−122.45t+112.55(但し、t:板厚mm)・・・ W(W/kg)≦2.37t+0.280(但し、t:板厚mm)・・・・・・
置までの深さが酸化皮膜表面からAlのピーク位置まで
の深さの1/20以内であって、20mm径曲げにより皮
膜剥離が発生しない率y(%)が下記式を満たし、鉄
損特性W(W/kg)が下記式を満たすことを特徴とする
前記(1)記載の優れた皮膜特性と磁気特性を有する一
方向性電磁鋼板。 y(%)≧−122.45t+122.55(但し、t:板厚mm)・・・ W(W/kg)≦2.37t+0.260(但し、t:板厚mm)・・・・・・
下、Si:2.0〜7.0%、Al:400ppm以下
を含有し、さらに通常のインヒビター成分を含み、残部
がFe及び不可避的不純物よりなるスラブを通常の方法
で処理し、最終製品厚まで圧延してストリップとする工
程と、脱炭焼鈍する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、
絶縁皮膜処理を施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉
に連設した急速加熱室で行い、該急速加熱室のPH2 O
/PH2 を0.65〜3.0としてストリップを100
℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温度に急速加熱す
ると共に、該急速加熱室においてストリップが750℃
以上の温度に滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は
入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を
排気する排気口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭
焼鈍炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.6として
ストリップを処理することを特徴とする前記(1)記載
の優れた皮膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板
の製造方法。
下、Si:2.0〜7.0%、Al:400ppm以下
を含有し、さらに通常のインヒビター成分を含み、残部
がFe及び不可避的不純物よりなるスラブを通常の方法
で処理し、最終製品厚まで圧延してストリップとする工
程と、脱炭焼鈍する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、
絶縁皮膜処理を施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉
に連設した急速加熱室で行い、該急速加熱室のPH2 O
/PH2 を0.8〜1.8としてストリップを100℃
/s以上の加熱速度で800℃以上の温度に急速加熱する
と共に、該急速加熱室においてストリップが750℃以
上の温度に滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は入
側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を排
気する排気口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭焼
鈍炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.6としてス
トリップを処理することを特徴とする前記(2)記載の
優れた皮膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の
製造方法。
下、Si:2.0〜7.0%、Al:400ppm以下
を含有し、さらに通常のインヒビター成分を含み、残部
がFe及び不可避的不純物よりなるスラブを通常の方法
で処理し、最終製品厚まで圧延してストリップとする工
程と、脱炭焼鈍する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、
絶縁皮膜処理を施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉
にスロート部を介して連設した急速加熱室で行い、該急
速加熱室及びスロート部のPH2 O/PH2 を0.65
〜3.0としてストリップを100℃/s以上の加熱速度
で800℃以上の温度に急速加熱すると共に、該急速加
熱室及びスロート部においてストリップが750℃以上
の温度に滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は入側
近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を排気
する排気口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭焼鈍
炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.6としてスト
リップを処理することを特徴とする前記(1)記載の優
れた皮膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の製
造方法。
下、Si:2.0〜7.0%、Al:400ppm以下
を含有し、さらに通常のインヒビター成分を含み、残部
がFe及び不可避的不純物よりなるスラブを通常の方法
で処理し、最終製品厚まで圧延してストリップとする工
程と、脱炭焼鈍する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、
絶縁皮膜処理を施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉
にスロート部を介して連設した急速加熱室で行い、該急
速加熱室及びスロート部のPH2 O/PH2 を0.8〜
1.8としてストリップを100℃/s以上の加熱速度で
800℃以上の温度に急速加熱すると共に、該急速加熱
室及びスロート部においてストリップが750℃以上の
温度に滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は入側近
傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を排気す
る排気口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭焼鈍炉
中のPH2 O/PH2を0.25〜0.6としてストリ
ップを処理することを特徴とする前記(2)記載の優れ
た皮膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の製造
方法。
接通電加熱で行なうことを特徴とする前記(3)〜
(6)に記載の優れた皮膜特性と磁気特性を有する一方
向性電磁鋼板の製造方法。
を特徴とする前記(3)〜(7)に記載の優れた皮膜特
性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の製造方法。
ップを100℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温度
に急速加熱する装置を内設した急速加熱室と、脱炭焼鈍
を行う脱炭焼鈍炉とを連設し、脱炭焼鈍炉の入側近傍に
急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気とを排気する
排気口を設たことを特徴とする一方向性電磁鋼板の脱炭
焼鈍設備。
リップを100℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温
度に急速加熱する装置を内設した急速加熱室と、脱炭焼
鈍を行う脱炭焼鈍炉とをスロート部を介して連設し、脱
炭焼鈍炉の入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉
の雰囲気とを排気する排気口を設たことを特徴とする一
方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍設備。
に対して雰囲気ガスを吹き付けるノズルを設けたことを
特徴とする前記(9)又は(10)記載の一方向性電磁
鋼板の脱炭焼鈍設備。
リップの進行方向に距離を設けて配置した二対のストリ
ップを挟むロール対であり、前記ロール対が通電ロール
の対からなるか、或いは押さえロールと通電ロールとの
対からなることを特徴とする前記(9)、(10)又は
(11)記載の一方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍設備。
1に、0.23mm板厚の一方向性電磁鋼板の酸化皮膜表
面からのグロー放電発光分析法(GDS分析法)による
分析で得られたSiピーク強度のAlピーク強度に対す
る比率と、当該一方向性電磁鋼板の皮膜密着性との関係
を示す。なお、本GDS分析は、最終製品から絶縁皮膜
を除去して酸化皮膜を露出させ、酸化皮膜表面からGD
S分析法を適用した結果のことをいう。皮膜の密着性
は、20mm径の曲率曲げに対して皮膜剥離が発生する割
合(%)でを評価している。曲げ試験には、同一条件で
製造された130前後の製品コイルから各々6枚程度の
曲げ試験片を採取し、合計で800枚前後の試験片を供
した。
のGDS分析法によるSiピーク強度のAlピーク強度
に対する比率が大きい製品では、皮膜密着性が非常に良
好になる。
i、Alのピーク例を示したものである。図中のA,B
はそれぞれAlとSiのピーク強度を、CとDは酸化被
膜表面からAlとSiのピークが出現するまでの時間
を、それぞれ示している。そして、図2(a)は通常の
製品のGDS測定結果、図2(b),(c)は本発明鋼
板のGDS測定結果である。図2(b),(c)はどち
らもB/Aが0.5以上の場合であり、図1に示される
ように、さらにD/Cが0.1以下になると皮膜密着性
が非常に良好となる。また、(c)に示すようにD/C
が0.05以下の場合には、図1に示されるように、さ
らに皮膜密着性が向上する。
ついて、以下に説明する。これら酸化皮膜に含まれるS
iやAlは、最終仕上焼鈍によって、フォルステライト
(Mg2 SiO4 )、スピネル(MgAl2 O4 )やコ
−ジライト(Mg2 Al4 Si5 O16)などの酸化物を
なし、鋼板表面に形成される酸化皮膜の主要成分となっ
ている。ここで、酸化皮膜に含まれるSiのピーク強度
が強く、かつピーク位置が鋼板表面に近い場合には、最
終仕上焼鈍後の酸化皮膜において、上記主要成分がそれ
ぞれ分離した層状に析出する傾向がある。このように各
酸化物が層状に析出することで各酸化物の結晶化が進
み、皮膜の密着性の向上につながっているものと推測さ
れる。そして逆に、Siのピーク強度が弱い場合には、
上記酸化皮膜の主要成分が皮膜全体に混在するために各
酸化物の結晶化が進まず、皮膜密着性が向上しないもの
と推測される。
と皮膜密着性及び鉄損特性との相関を示したものであ
る。本発明いずれの板厚でも、皮膜密着性が良好でかつ
鉄損特性に優れている。図3において、は図2
(a)、は図2(b)、は図2(c)にそれぞれ記
載されたGDS分析パターンを示す鋼板について示した
ものである。本発明によりすべての板厚での皮膜密着性
が向上し、鉄損も良好になっている。さらに図2(c)
に示されているようにD/Cが0.05以下の鋼板で
は、さらに皮膜密着性、鉄損の向上がみられる。
れた皮膜が、脱炭焼鈍工程において形成される初期酸化
膜を制御すれば得られることを見出した。一般に脱炭焼
鈍工程では、一次再結晶組織の形成、酸化膜の形成、鋼
板からの脱炭を、主たるメタラジーとしているが、これ
らの処理は同一の炉内で同時処理されるのが従来の方法
であった。
まで圧延されたストリップを脱炭焼鈍する工程におい
て、ストリップを100℃/秒以上の加熱速度で800
℃以上の温度に急速加熱する装置を内設した急速加熱室
と、脱炭焼鈍を行う脱炭焼鈍炉とを連設し、脱炭焼鈍炉
の入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気
とを排気する排気口を設た脱炭焼鈍設備を用いることと
した。そして本発明は、初期酸化皮膜の他に、酸化膜成
長、再結晶、脱炭挙動についての制御を、急速加熱室と
脱炭焼鈍炉とで機能分離させて行うものであって、以下
にその作用効果を具体的に示す。
成、一次再結晶核発生を狙いとする。ここで初期酸化
膜の形成については、後の製品での皮膜密着性に非常に
寄与し、初期に適正なSiO2 を形成させることが重要
である。この初期酸化層とは、極表層の100オングス
トロームオーダーの厚みの酸化膜のことを言い、これが
後に述べる数μmオーダの内部酸化層形成、さらには製
品での皮膜特性(密着性)に大きく寄与する。このSi
O2 形成量が過度であると脱炭性を阻害することがある
ので、急速加熱室におけるPH2 O/PH2 の値及び急
速加熱室においてストリップが初期酸化膜生成温度であ
る750℃以上の温度に滞在する時間を制御する必要が
ある。
0)、(111)などの一次再結晶集合組織制御を、主
に加熱速度や加熱到達後の冷却速度によりコントロール
する。加熱速度が高くなると(110)は増加、(11
1)は減少し、加熱到達後の冷却速度を速めれば、(1
11)は増加、(100)は減少する傾向にある。急速
加熱装置として、たとえば、誘導加熱装置を用いる場
合、誘導加熱により100℃/s以上、好ましくは30
0℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温度域に急速
加熱させ、(110)を増加させることができる。この
ような、急速加熱により、良好な一次再結晶集合組織を
得ることができる。例えば、二対の通電ロールを用いる
場合、ロール間の加熱により100℃/s以上、好まし
くは300℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温度
域に急速加熱し、(110)を増加させる。さらに、加
熱温度到達後に高温側ロールの抜熱により2000〜3
0000℃/sの冷却速度で10〜40℃の冷却を施
し、(111)を増加させることができる。このような
急速加熱と急速冷却の組み合わせにより、最適な一次再
結晶集合組織を得ることができる。
一次再結晶粒径制御、内部酸化皮膜のコントロール、
を狙いとする。ここで内部酸化皮膜とは、前述した初期
酸化層とは異なり、鋼板表面から内部へ向けて数μmほ
どの厚みで形成される酸化層のことで、後に塗布される
MgOとフォルステライト等からなる酸化皮膜を形成す
るものである。
前述した初期酸化膜の形態により大きく変化することを
見出だした。具体的には、初期酸化層で極表層にオング
ストロームオーダのSiO2 を形成させることにより、
後の内部酸化層中のSiO2成分を多くし、フォルステ
ライト皮膜の構造に大きな影響を及ぼし、皮膜の密着性
を向上させる。また、一次再結晶粒径を制御することに
より、二次再結晶開始温度を制御し、これが二次再結晶
粒径をコントロール、しいては鉄損特性を良好なものに
する。
膜と内部酸化層をコントロールするべく、急速加熱室及
び脱炭焼鈍炉の雰囲気を制御するとともに、急速加熱室
におけるストリップの750℃以上の滞在時間を制御す
ることとした。
板を製造する際に、前述の脱炭焼鈍設備を用い、急速加
熱室中のPH2 O/PH2 及び脱炭焼鈍炉中のPH2 O
/PH2 を種々変化させ、その他の条件は本発明の製造
条件とした際の製品の皮膜特性と脱炭焼鈍設備の雰囲気
との関係を示す。
室中のPH2 O/PH2 が0.25〜3.00でなけれ
ばならない。急速加熱室中のPH2 O/PH2 が0.2
5未満では初期酸化膜の制御が困難で、表層に緻密なS
iO2 成分が過剰になり、後の脱炭焼鈍において脱炭不
良が発生するため0.25以上とした。また、急速加熱
室中のPH2 O/PH2 が3.00超では、初期酸化膜
中のFe成分系酸化物の比率が過剰になり、皮膜密着性
が劣り、皮膜特性を劣化させるため3.00以下とし
た。
急速加熱室のPH2 O/PH2 中の750℃以上の温度
のストリップの滞在時間が長すぎると、かえって脱炭性
などへの悪影響を及ぼすので、ある程度の時間範囲がよ
い。図5は、急速加熱室においてストリップの温度が7
50℃以上に滞在する時間と、形成される初期酸化膜の
厚みとの関係を示した図表である。図5より、ストリッ
プが750℃以上に滞在する時間が5秒を超えるとSi
O2 膜厚が150オングストローム超となり、脱炭が界
面律速となり、好ましくはないので5秒以下とした。
いても、良好な皮膜特性及び脱炭性能を得るため、0.
25〜0.6でなければならない。PH2 O/PH2 が
0.25未満では、鋼板の脱炭が起こらず、内部酸化層
の厚みが非常に少なくなり、後のフォルステライトの形
成が不適切になるので、0.25以上とした。また、脱
炭焼鈍炉中のPH2 O/PH2 が0.6超では、内部酸
化層中のFe系酸化物が過剰になり、初期酸化膜中に生
成されたSiO2 の効果がなくなり、皮膜欠陥などが生
じるので0.6以下とした。
中のPH2 O/PH2 と、急速加熱室においてストリッ
プの温度が750℃以上に滞在する時間とを一定範囲と
することで、優れた皮膜特性と磁気特性を有する一方向
性電磁鋼板を製造することができる。そして、このよう
にして製造された一方向性電磁鋼板の酸化皮膜は、酸化
皮膜表面からのGDS分析を行うと、Siのピーク強度
がAlのピーク強度の1/2以上であるとともに、Si
のピーク位置までの深さがAlのピーク位置までの深さ
の1/10以内である。
を0.8〜1.8のより狭い範囲に制限すると、より適
正なSiO2 主体の初期酸化膜を形成することができ、
さらに皮膜密着性を良好なものにできる。急速加熱室中
のPH2 O/PH2 を0.8〜1.8の範囲内とする
と、Fe系酸化物に対するSi系酸化物の割合が最適に
なり、後に形成される一次皮膜中のSiピーク位置を表
面層に制御し、皮膜特性をさらに良好なものとする。
板は、さらに優れた皮膜特性と磁気特性とを有してい
る。そして、その一方向性電磁鋼板に酸化皮膜表面から
のGDS分析を行うと、Siのピーク強度がAlのピー
ク強度の1/2以上であるとともに、Siのピーク位置
までの深さがAlのピーク位置までの深さの1/20以
内である。
酸化膜、内部酸化皮膜の形成、一次再結晶が略同時進行
した処理方法であったが、本発明では上述した急速加熱
室と脱炭焼鈍炉との機能分離により優れた皮膜特性と磁
気特性とを有する一方向性電磁鋼板を製造することがで
きる。
えば誘導加熱装置、2対の通電ロールよりなる直接通電
加熱装置等を用いることが出来るが、前述したように通
電加熱装置のほうが急速加熱による一次再結晶集合組織
改善効果に加えて、急速冷却による一次再結晶集合組織
改善効果が得られるので直接通電加熱装置を採用するこ
とが望ましい。
炉を連結する設備は、本発明の製造方法を使用する専用
設備として有用である。スロート部を用いて急速加熱室
と脱炭焼鈍炉を連結する設備は、スロート部を大気開放
可能に構成できるので、スロート部を大気開放すれば、
急速加熱装置が内設された急速加熱室に、脱炭焼鈍炉の
雰囲気の流入が完全に防止できるので、脱炭焼鈍設備を
従来のストリップの脱炭焼鈍炉として使用しつつ、急速
加熱室の急速加熱装置の保守点検整備することができ
る。
のストリップ表面に対して吹き付けることにより少量の
雰囲気ガスで前記初期酸化膜が効率的に形成されるの
で、上記ストリップ表面に向かって雰囲気ガス吹き付け
ノズルを設けるのがよく、雰囲気ガスの消費効率上スト
リップ表面に対して1m以内の位置から吹き付けるのが
好ましい。
について説明する。本発明の一方向性電磁鋼板は、重量
%でC:0.005%以下、Si:2.0〜7.0重量
%を含む。Cは、これ以上では磁気時効で特性が劣化す
るので0.005%以下とした。Siは、鉄損をよくす
るために2.0%以上とするが、多すぎると冷間圧延の
際に割れ易く加工が困難となるので7.0%以下とす
る。
にフォルステライトを主体とする酸化皮膜を有してお
り、その皮膜量は片面当たり1〜4g/m2 である。酸
化皮膜の皮膜量が4g/m2 を超えると占積率が悪化す
るので4g/m2 以下とした。一方、酸化皮膜量が1g
/m2 未満では、必要な皮膜張力が得られないため1g
/m2 以上とする。
放電発光分析(GDS分析)によって得られるSiのピ
ーク強度はAlのピーク強度の1/2以上である。強度
比がこれ未満では良好な皮膜の密着性及び鉄損値が得ら
れないためである。また、前記GDS分析法による酸化
皮膜表面からSiのピーク位置までの深さは、酸化膜表
面からAlのピーク位置までの深さの1/10以内とす
る。Siピーク位置の深さが、Alピーク位置の深さの
1/10を超えると必要な一次皮膜の密着性が得られな
いためである。
終製品から絶縁皮膜を除去して酸化皮膜を露出させ、酸
化皮膜表面からGDS分析法を適用した結果のことをい
う。また、GDS分析による酸化皮膜表面からSi(A
l)のピーク位置までの深さは、実質的には、酸化皮膜
表面より分析を始めてからピークが出現するまでに要す
る時間から判断する。
鋼板は、表面皮膜の20mm径曲げによる皮膜剥離なしの
発生率(密着性)が、密着性y(%)≧−122.45
t+112.55(t:板厚mm)で表現される領域を得
ることが可能となり、また、鉄損特性W(W/kg)≦
2.37t+0.280で表現される領域の良好な鉄損
特性を得ることが可能となる。
表面からSiのピーク位置までの深さが、酸化膜表面か
らAlのピーク位置までの深さの1/20以内である一
方向性電磁鋼板は、皮膜特性と磁気特性がさらに優れて
いる。すなわち、この構成による一方向性電磁鋼板で
は、表面皮膜の20mm径曲げによる皮膜剥離なしの発生
率(密着性)が、密着性y(%)≧−122.45t+
122.55(t:板厚mm)で表現される領域を得るこ
とが可能となり、また、鉄損特性(W/kg)≦2.3
7t+0.260で表現される領域の良好な鉄損特性を
得ることが可能となる。
法について説明する。本発明の一方向性電磁鋼板の製造
方法は、重量%で、C:0.10%以下、Si2.0〜
7.0%、Al400ppm以下ならびに通常のインヒ
ビター成分を含み、残余はFeおよび不可避的不純物よ
りなるスラブを出発材とする。
が長くなり、経済的に不利となるので0.10%以下と
した。Siは鉄損をよくするために2.0%以上とする
が、多すぎると冷間圧延の際に割れ易く加工が困難とな
るので7.0%以下とする。インヒビターとしてAlN
を利用するため、酸可溶性Alを添加する。酸可溶性A
lはAlNの適正な分散状態を得るために400ppm
以下とする。酸可溶性AlNが400ppm未満では必
要なAlNの分散状態が得られないためである。Nにつ
いては、本発明では特に限定しないが、適正なAlNを
得るためには0.003〜0.02%の添加が好まし
い。
たり、通常のインヒビター成分として以下の成分元素を
添加することが好ましい。インヒビターとしてMnSを
利用する場合は、MnとSを添加する。Mnは、Mn
S、(Mn・Fe)Sを形成するために必要な元素で、
適当な分散状態を得るためには、0.001〜0.05
%の添加が好ましい。なお、Sの代わりにSeを添加し
ても良く、また両方を添加することもできる。そのほ
か、Cu,Sn,Sb,Cr,Bi,Mo等のインヒビ
ター形成元素はインヒビターを強くする目的で1.0%
以下において少なくとも1種添加しても良い。
続鋳造で鋳片とし、これを熱間圧延して中間厚のストリ
ップを得る。このとき、ストリップキャスターなどによ
り熱延板を得てもよい。次いで、上記熱延ストリップに
は熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を含む2
回以上の冷間圧延により最終製品厚のストリップを得
る。または、熱延板焼鈍を施すことなく、1回または中
間焼鈍を含む2回以上の圧延により最終製品厚のストリ
ップを得る。
の、1回目の圧延は圧下率5〜60%、熱延板焼鈍およ
び中間焼鈍は950〜1200℃で30秒〜30分行う
ことが好ましい。次の最終圧下率は圧下率85%以上が
望ましい。85%は未満では{110}<001>方位
が圧延方向に高い集積度をもつゴス核が得られないから
である。
回のパスにより各板厚段階を経て最終板厚となるが、磁
気特性を向上させるため、その途中板厚段階において鋼
板に100℃以上の温度範囲で30秒以上の時間保持す
る熱効果を1回以上与えてもよい。
たストリップに、脱炭焼鈍を施す。本発明では、脱炭焼
鈍を、急速加熱する装置を内設した急速加熱室と、脱炭
焼鈍を行う脱炭焼鈍炉とを連設し、脱炭焼鈍炉の入側近
傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気とを排気
する排気口を設たことを特徴とする一方向性電磁鋼板の
脱炭焼鈍設備を用いて行う。前記脱炭焼鈍設備は、急速
加熱室と脱炭焼鈍炉とをスロート部を介して連設しても
よい。ここで、初期酸化膜と内部酸化層とをコントロー
ルするため、特に急速加熱室と脱炭焼鈍炉との両方にお
ける雰囲気制御が重要である。
ため急速加熱炉のPH2 O/PH2を規制し、後に生成
される内部酸化層を適正なものにするため脱炭焼鈍炉の
PH2 O/PH2 を規制する。まず、良好な皮膜密着性
を得るためには急速加熱室中のPH2 O/PH2 が0.
25〜3.00てなければならない。PH2 O/PH2
が0.25未満では初期酸化膜の制御が困難で、表層に
緻密なSiO2 成分が過剰になり、後の脱炭焼鈍におい
て脱炭不良が発生するので0.25以上とした。また、
急速加熱室中のPH2 O/PH2 が3.00超では、初
期酸化膜中のFe成分系酸化物の比率が過剰になり、皮
膜密着性が劣り、皮膜特性を劣化させるので3.00以
下とした。
ついても、良好な皮膜特性および脱炭性能を得るため、
0.25〜0.6てなければならない、PH2 O/PH
2 が0.25未満では、鋼板の脱炭が起こらず、内部酸
化層の厚みが非常に少なくなり、後のフォルステライト
の形成が不適切になるので0.25以上とした。また、
脱炭焼鈍炉中のPH2 O/PH2 が0.6超では、内部
酸化層中のFe系酸化物が過剰になり、初期酸化膜中に
生成されたSiO2 の効果が無くなり、皮膜欠陥などが
生じるので0.6以下とした。
ト部を介して連設した脱炭焼鈍設備を用いる場合には、
スロート部の雰囲気は急速加熱室の雰囲気と同じものと
し、同様の雰囲気制御を行うものとする。
中でストリップが750℃以上の温度に滞在する時間を
5秒以下の短時間とすることで、薄いSiO2 を初期に
形成することができる。ストリップが750℃以上に滞
在する時間が5秒を超えると、SiO2 層の厚みが15
0オングストロームを超えるので5秒以下とする。
中のPH2 O/PH2 を特定し、急速加熱室のPH2 O
/PH2 中でストリップが750℃以上の温度に滞在す
る時間を特定することにより、良好な皮膜特性と鉄損特
性を有する一方向性電磁鋼板を得ることができる。
板は、酸化皮膜表面から行うグロー放電発光分析(GD
S分析)によって得られるSiのピーク強度がAlのピ
ーク強度の1/2以上であるとともに、前記酸化皮膜表
面からSiのピーク位置までの深さが酸化膜表面からA
lのピーク位置までの深さの1/10以内であり、非常
に皮膜密着性に優れている(板厚0.23mmで85%以
上)。
%超)をより良好なものにするためには、急速加熱炉中
のPH2 O/PH2 を0.8〜1.8の範囲とすればよ
い。このように雰囲気制御することで、より適正なSi
O2 主体の初期酸化膜を形成することができる。すなわ
ち、PH2 O/PH2 が0.8〜1.8の範囲では、F
e系酸化物に対するSi系酸化物の割合が最適になり、
後に形成される一次皮膜中のSiピーク位置を表面層に
制御し、皮膜密着性をよりに良好なものとすることがで
きる。
板は、酸化皮膜表面から行うグロー放電発光分析(GD
S分析)によって得られるSiのピーク強度がAlのピ
ーク強度の1/2以上であるとともに、Siピーク位置
の深さがAlピーク位置の深さの1/20以内であり、
非常に密着性に優れている(板厚0.23mmで95%
超)。
対あるいはストリップを挟む押さえロールと通電ロール
からなるロール対をストリップの進行方向に距離を存し
て設け、800℃以上の温度へ通電加熱する方法を採用
することができる。勿論、ストリップと非接触の誘導加
熱方法を採用してもよい。ストリップの加熱速度は10
0℃/s以上とする。下限100℃/sは、これ以下では、
二次再結晶に必要な一次再結晶後での{110}<00
1>方位粒が減少するので100℃/sとした。加熱温度
は、800℃未満では一次再結晶の核発生が起こらない
での、800℃以上とした。
での急速加熱を行う急速加熱室2と脱炭焼鈍を行う脱炭
焼鈍炉1とが連続して配列され、脱炭焼鈍炉1の入側近
傍に急速加熱室2の雰囲気と脱炭焼鈍炉1の雰囲気を排
気する排気口7を設けたことを特徴とする脱炭焼鈍設備
で実施する。
熱室2と脱炭焼鈍を行う脱炭焼鈍炉1とがスロート部3
で連結して配列され、脱炭焼鈍炉1の入側近傍に急速加
熱室2の雰囲気と脱炭焼鈍炉1の雰囲気を排気する排気
口7を設けたことを特徴とする脱炭焼鈍設備で実施して
もよい。
6は通電ロール、8,9は通電ロール5,6と対となっ
てストリップ4を挟む押さえロール、10,10は通電
ロール5,6間の急速加熱中の750℃以上のストリッ
プ表面に対して雰囲気ガスを吹き付けるノズルであり、
ストリップ、ノズル間の間隙は1m以下となしている。
特性を劣化させないために、炭素は20ppm以下に低
減されなければならない。ここで、熱延でのスラブ加熱
温度を低温とし、AlNのみをインヒビターとして利用
するプロセスの場合は、アンモニア雰囲気中で窒化処理
を付与してもよい。
て、二次再結晶と純化のため1100℃以上の仕上げ焼
鈍を行うことで、フォルステライトなどの良好な皮膜を
鋼板表面に形成した微細な二次再結晶粒を得る。
に、さらに絶縁皮膜を塗布することにより極めて低い鉄
損御性を有する一方向性電磁鋼板が製造される。ここで
の絶縁皮膜は、燐酸塩とコロイダルシリカを主成分とす
る通常の一方向性電磁鋼板に使われる二次皮膜をいう。
以上の磁気特性は、後の歪み取り焼鈍を施しても、変化
しない低鉄損を保持している。
するため、上記一方向性電磁鋼板に、磁区を細分化する
ための処理をほどこすことも可能である。
0,078%C,0.08%Mn,0.01%P,0.
03%S,0.03%Al,0.09%N,0.08%
Cu,0.1%Snを含む溶鋼を鋳造し、スラブ加熱
後、熱間圧延を行い、2.3mm厚の熱延鋼板を得た、次
に、1100℃で3分間焼鈍を行い、さらに酸洗したの
ち、冷間圧延により0.22mm厚にした。圧延では、途
中、温度220℃で5minの焼鈍を施している。
焼鈍を施した(従来法)。また、圧延されたCからJに
ついては、図7に示したストリップ4を挟む通電ロール
5、および押さえロール8からなるロール対とストリッ
プ4を挟む通電ロール6および押さえロール9からなる
ロール対とをロール間隔1.7mで配置すると共に、上
記ロール対間のストリップ表面から0.5m位置でロー
ル6,9のストリップ挟持点から0.2mの位置に雰囲
気ガス吹付けノズル10,10を設けた急速加熱室2と
脱炭焼鈍炉1とを1.5mのスロート3で連結し、脱炭
焼鈍炉1の入口から1.6m位置に加熱室2、焼鈍炉1
の雰囲気を排気する排気口7を設けた脱炭焼鈍設備に6
0m/分で通板し、表1に示す条件下で処理を行った。
その後、MgOを塗布した後、1200℃に、24hr
間、水素ガス雰囲気中で高温焼鈍を行い、続く仕上げ焼
鈍ラインで絶縁皮膜を塗布して製品とした。
ては皮膜特性、鉄損特性とも優れた一方向性電磁鋼板が
得られている。特に、すべての条件を満足する、C〜E
コイルではより優れた皮膜特性、鉄損特性が得られた。
4コイルの製品については、更に磁区制御製造ラインを
通板し、通板方向の直角(C方向)方向とのなす角度1
2゜の方向に幅5mm間隔で溝(深さ15μm、幅90μ
m)を歯型ロールで掘り、その後1g/m2 の絶縁皮膜
を塗布し最終製品とした。各コイルの磁気特性値を表2
に示す。
鋳造し、実施例1と同じ工程により0.22mm厚のスト
リップを得た。このストリップに、スロート部を有さな
い点以外は実施例1の脱炭焼鈍設備と全く同じ構成の脱
炭焼鈍設備を用い、実施例1と同じ工程により製品とし
た。その結果、実施例1と同じく皮膜特性、鉄損特性と
も優れた一方向性電磁鋼板が得られた。特に、すべての
条件を満足するコイルではより優れた皮膜特性、鉄損特
性を有する一方向性電磁鋼板が得られた。
特性が極めて良好な一方向性電磁鋼板を提供でき、かっ
上記一方向性電磁鋼板の製造方法および設備列を提供す
ることができる。
強度のAlピーク強度に対する比率と、一方向性電磁鋼
板の皮膜密着性との関係を示す図表である。
除去し、GDS分析を行って得られるSi、Alのピー
ク例を示す図表である。 (b)請求項1記載の一方向性電磁鋼板から絶縁皮膜を
除去し、GDS分析を行って得られるSi、Alのピー
ク例を示す図表である。 (c)請求項2記載の一方向性電磁鋼板から絶縁皮膜を
除去し、GDS分析を行って得られるSi、Alのピー
ク例を示す図表である。
である。 (b)板厚と鉄損との相関を示した図表である。
炉中PH2 O/PH2 と、皮膜密着性との相関を示す図
表である。
の温度に滞在する時間と、形成される初期酸化膜の厚み
との関係を示した図表である。
る。
る。
Claims (12)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.005%以下、 Si:2.0〜7.0% を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、表面
にフォルステライトを主体とする酸化皮膜が形成されて
いて、さらに前記酸化皮膜の表面には絶縁皮膜が形成さ
れた一方向性電磁鋼板であって、前記酸化皮膜の皮膜量
が片面当り1〜4g/m2 であり、かつ前記酸化皮膜表面
から行うグロー放電発光分析(GDS分析)によって得
られるSiのピーク強度がAlのピーク強度の1/2以
上であるとともに、前記酸化皮膜表面からSiのピーク
位置までの深さが酸化膜表面からAlのピーク位置まで
の深さの1/10以内であって、20mm径曲げにより皮
膜剥離が発生しない率y(%)が下記(1)式を満た
し、鉄損特性W(W/kg)が下記(2)式を満たすことを
特徴とする優れた皮膜特性と磁気特性を有する一方向性
電磁鋼板。 y(%)≧−122.45t+112.55(但し、t:板厚mm)・・(1) W(W/kg)≦2.37t+0.280(但し、t:板厚mm)・・・・・(2) - 【請求項2】 酸化皮膜表面からSiのピーク位置まで
の深さが酸化皮膜表面からAlのピーク位置までの深さ
の1/20以内であって、20mm径曲げにより皮膜剥離
が発生しない率y(%)が下記(3)式を満たし、鉄損
特性W(W/kg)が下記(4)式を満たすことを特徴とす
る請求項1記載の優れた皮膜特性と磁気特性を有する一
方向性電磁鋼板。y(%)≧−122.45t+12
2.55(但し、t:板厚mm)・・(3)W(W/kg)≦
2.37t+0.260(但し、t:板厚mm)・・・・
・(4) - 【請求項3】 重量%で、 C :0.10%以下、 Si:2.0〜7.0%、 Al:400ppm以下 を含有し、さらに通常のインヒビター成分を含み、残部
がFe及び不可避的不純物よりなるスラブを通常の方法
で処理し、最終製品厚まで圧延してストリップとする工
程と、脱炭焼鈍する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、
絶縁皮膜処理を施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉
に連設した急速加熱室で行い、該急速加熱室のPH2 O
/PH2 を0.65〜3.0としてストリップを100
℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温度に急速加熱す
ると共に、該急速加熱室においてストリップが750℃
以上の温度に滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は
入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を
排気する排気口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭
焼鈍炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.6として
ストリップを処理することを特徴とする請求項1記載の
優れた皮膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の
製造方法。 - 【請求項4】 重量%で、 C :0.10%以下、 Si:2.0〜7.0%、 Al:400ppm以下 を含有し、さらに通常のインヒビター成分を含み、残部
がFe及び不可避的不純物よりなるスラブを通常の方法
で処理し、最終製品厚まで圧延してストリップとする工
程と、脱炭焼鈍する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、
絶縁皮膜処理を施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉
に連設した急速加熱室で行い、該急速加熱室のPH2 O
/PH2 を0.8〜1.8としてストリップを100℃
/s以上の加熱速度で800℃以上の温度に急速加熱する
と共に、該急速加熱室においてストリップが750℃以
上の温度に滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は入
側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を排
気する排気口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭焼
鈍炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.6としてス
トリップを処理することを特徴とする請求項2記載の優
れた皮膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の製
造方法。 - 【請求項5】 重量%で、 C :0.10%以下、 Si:2.0〜7.0%、 Al:400ppm以下 を含有し、さらに通常のインヒビター成分を含み、残部
がFe及び不可避的不純物よりなるスラブを通常の方法
で処理し、最終製品厚まで圧延してストリップとする工
程と、脱炭焼鈍する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、
絶縁皮膜処理を施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉
にスロート部を介して連設した急速加熱室で行い、該急
速加熱室及びスロート部のPH2 O/PH2 を0.65
〜3.0としてストリップを100℃/s以上の加熱速度
で800℃以上の温度に急速加熱すると共に、該急速加
熱室及びスロート部においてストリップが750℃以上
の温度に滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は入側
近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を排気
する排気口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭焼鈍
炉中のPH2 O/PH2 を0.25〜0.6としてスト
リップを処理することを特徴とする請求項1記載の優れ
た皮膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の製造
方法。 - 【請求項6】 重量%で、 C :0.10%以下、 Si:2.0〜7.0%、 Al:400ppm以下 を含有し、さらに通常のインヒビター成分を含み、残部
がFe及び不可避的不純物よりなるスラブを通常の方法
で処理し、最終製品厚まで圧延してストリップとする工
程と、脱炭焼鈍する工程と、最終仕上焼鈍する工程と、
絶縁皮膜処理を施す工程とを含む一方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍工程の昇温段階を脱炭焼鈍炉
にスロート部を介して連設した急速加熱室で行い、該急
速加熱室及びスロート部のPH2 O/PH2 を0.8〜
1.8としてストリップを100℃/s以上の加熱速度で
800℃以上の温度に急速加熱すると共に、該急速加熱
室及びスロート部においてストリップが750℃以上の
温度に滞在する時間を5秒以内とし、脱炭焼鈍は入側近
傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気を排気す
る排気口を設けた脱炭焼鈍炉で行うと共に、脱炭焼鈍炉
中のPH2 O/PH2を0.25〜0.6としてストリ
ップを処理することを特徴とする請求項1記載の優れた
皮膜特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の製造方
法。 - 【請求項7】 急速加熱を通電ロールを用いた直接通電
加熱で行なうことを特徴とする請求項3〜6のいずれか
1項に記載の優れた皮膜特性と磁気特性を有する一方向
性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項8】 さらに磁区細分化処理を施すことを特徴
とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の優れた皮膜
特性と磁気特性を有する一方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項9】 最終製品厚まで圧延されたストリップを
100℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温度に急速
加熱する装置を内設した急速加熱室と、脱炭焼鈍を行う
脱炭焼鈍炉とを連設し、脱炭焼鈍炉の入側近傍に急速加
熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲気とを排気する排気口
を設たことを特徴とする一方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍設
備。 - 【請求項10】 最終製品厚まで圧延されたストリップ
を100℃/s以上の加熱速度で800℃以上の温度に急
速加熱する装置を内設した急速加熱室と、脱炭焼鈍を行
う脱炭焼鈍炉とをスロート部を介して連設し、脱炭焼鈍
炉の入側近傍に急速加熱室の雰囲気と脱炭焼鈍炉の雰囲
気とを排気する排気口を設たことを特徴とする一方向性
電磁鋼板の脱炭焼鈍設備。 - 【請求項11】 急速加熱室に、ストリップ表面に対し
て雰囲気ガスを吹き付けるノズルを設けたことを特徴と
する請求項9又は10記載の一方向性電磁鋼板の脱炭焼
鈍設備。 - 【請求項12】 急速加熱を行なう装置が、ストリップ
の進行方向に距離を設けて配置した二対のストリップを
挟むロール対であり、前記ロール対が通電ロールの対か
らなるか、或いは押さえロールと通電ロールとの対から
なることを特徴とする請求項9、10又は11記載の一
方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍設備。
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KR1019980710317A KR100293141B1 (ko) | 1997-04-16 | 1998-01-09 | 피막특성과 자기특성이 우수한 일방향성 전자강판과 그 제조방법및그제조방법에사용되는탈탄소둔설비 |
CN98800664A CN1088475C (zh) | 1997-04-16 | 1998-01-09 | 具有优异氧化膜特性和磁性能的晶粒取向电工钢板和其生产方法以及该方法中使用的脱碳退火设备 |
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EP98900194A EP0926250B1 (en) | 1997-04-16 | 1998-01-09 | Grain-oriented electromagnetic steel sheet having excellent film characteristics and magnetic characteristics, its production method and decarburization annealing setup therefor |
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- 1997-08-18 JP JP22182697A patent/JP3839924B2/ja not_active Expired - Fee Related
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