JP3392664B2 - 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法Info
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のSiを含み、結晶粒の{110}<001>方位の集
積度、すなわち磁束密度が高く、かつ結晶粒径が従来に
なく微細なことにより、極めて低い鉄損をもつ一方向性
電磁鋼板の製造方法に関するものである。
鉄損特性と励磁特性の両方で評価される。励磁特性を高
めることは設計磁束密度を高める機器の小型化に有効で
ある。一方、鉄損特性を少なくすることは、電気機器と
して使用する際、熱エネルギーとして失われるものを少
なくし、消費電力を節約できる点で有効である。さら
に、製品の結晶粒の<100>軸を圧延方向に揃えるこ
とは、磁化特性を高め、鉄損特性も低くすることがで
き、近年特にこの面で多くの研究が重ねられ、様々な製
造技術が開発された。
な一方向性電磁鋼板の製造技術として、次のような3つ
の代表的な技術を挙げることができる。第一の技術とし
て、特公昭30−3651号公報に開示された、MnS
をインヒビターとして機能させる、2回冷延工程による
製造技術がある。この製造方法は、二次再結晶の粒径が
小さいので、比較的鉄損は良好であるが、高い磁束密度
が得られないという問題があった。
に、第二の技術として、特公昭40−15644号公報
が開示された技術がある。これは、AlN+MnSをイ
ンヒビターとして機能させ、最終冷延工程における圧延
率が80%を超える強圧下とする製造技術である。この
方法により二次再結晶粒の{110}<001>方位の
集積度が高く、B8が1.870(T)以上の高磁束密
度を有する方向性電磁鋼板が得られる。
3469号公報に開示された、MnSまたはMnSe+
Sbをインヒビターとして機能させる、2回冷延工程に
よる製造技術が開発された。
渦電流損の二つからなる。履歴損に影響を与える物理的
な要因として、上述の結晶方位の他に材料の純度や内部
歪みがある。また渦電流損に影響を与える物理的な要因
として、鋼板の電気抵抗(Si等の成分量)、板厚、磁
区の大きさ(結晶粒度)や鋼板に及ぼす張力などがあ
る。通常の方向性電磁鋼板では渦電流損が全鉄損の3/
4以上を占めるため履歴損より渦電流損を下げる方が全
鉄損を下げる上でより効果的である。
では、二次結晶粒の{110}<001>方位の集積度
が高く、B8が1.870(T)以上の高磁束密度を有
する方向性電磁鋼板が得られたとしても、二次再結晶粒
径が10mmオーダと大きくなるため、渦電流損に影響す
る磁区幅が大きかった。これを改善するために、特公昭
57−2252号公報に開示されている鋼板にレーザー
処理を施す方法、さらに特公昭58−2569号公報に
開示されている鋼板に機械的な歪みを加える方法など、
磁区を細分化する様々な方法が開示されている。
により、従来よりも低い鉄損を有する一方向性電磁鋼板
の製造方法を提供するものが開示されている。例えば、
特公平6−51887号には、冷間圧延された鋼板に1
00℃/秒以上の加熱速度で675℃以上の温度へ超急
速焼きなまし処理を施し、該ストリップを脱炭素処理
し、最終高温焼きなまし処理を施して二次成長を行い、
それによって前記ストリップが低減した寸法の二次粒子
および応力除去焼きなまし処理後も有意の変化なしに持
続する改善された鉄損をもつことを特徴とする方法が開
示されている。
粒は得られるのではあるが、二次再結晶が非常に不安定
になり、細粒が混入することにより二次再結晶率が低下
し、その結果磁束密度の減少、鉄損の劣化が起こりうる
場合があることが判明した。
なかで本発明は、微細な粒径を有する二次再結晶が不安
定となる点を解消し、その二次再結晶率を高めることに
より、高磁束密度でかつ低鉄損を得るための一方向性電
磁鋼板の製造方法を提供すること目的とする。
を達成すべく検討を重ねた結果、 (1)重量で、C:0.10%以下、Si:2.5〜
4.0%、Mn:0.02〜0.30%、SおよびSe
のうちの1種又は2種の合計:0.001〜0.040
%、酸可溶性Al:0.010〜0.065%、N:
0.0030〜0.0200%を基本成分とし、残余は
Feおよび不可避的不純物よりなるホットストリップに
ホットストリップ焼鈍を施し、最終冷延の圧下率を80
〜90%とする1回乃至中間焼鈍を含む2回以上の冷間
圧延、脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍を含む工程によって一方
向性電磁鋼板を製造する方法において、熱間圧延により
得られた上記ホットストリップ中のAlN量をN as
AlNにして25ppm 以下に制御するとともに、ホッ
トストリップ焼鈍の冷却過程で600〜200℃の間を
100℃/秒以下で冷却し、上記最終冷延後のストリッ
プを700℃以上の温度域へ80℃/秒以上の加熱速度
で急速加熱する急速加熱処理を施すことにより、微細な
結晶粒径をもつ二次再結晶を安定化させ、極めて低い鉄
損を持つ一方向性電磁鋼板が得られることを見い出し
た。さらに、以下の処理を施すことにより、より改善さ
れた鉄損を持つ一方向性電磁鋼板が得られることを見い
出した。すなわち、 (2)上記の冷間圧延する工程で、少なくとも一回以上
の途中板厚段階においてストリップに100℃以上の温
度範囲で1分以上の時間保持する熱処理を与えること。 (3)上記の急速加熱処理が脱炭焼鈍の昇温過程として
行われること.これにより、工程数を少なくすることが
でき、より安価に一方向性電磁鋼板を製造することが可
能となる。さらに、 (4)上記夫々の、或いは組み合わせた方法により得ら
れた一方向性電磁鋼板、或いはさらに絶縁皮膜を塗布し
た一方向性電磁鋼板に、磁区を細分化するための処理を
施すことにより、さらに改善された極めて低い鉄損を持
つ一方向性電磁鋼板が得られる。
する。一方向性電磁鋼板は、その製造工程の最終焼鈍中
に二次再結晶を充分に起こさせ、所謂ゴス集合組織を得
ることにより製造できる。このゴス集合組織を得るため
には、一次再結晶粒の成長粗大化を抑制し、{110}
<001>方位の再結晶粒のみを或る温度範囲で選択的
に成長させる。すなわち、二次再結晶させる様な素地を
作ってやる事が必要である。
{110}<001>方位以外の0.1mmオーダの細粒
が成長し、二次再結晶の選択的な粒成長を妨げる。この
細粒の混入している面積部分を除いた率を二次再結晶率
として定義する。本発明では、この二次再結晶率を二次
再結晶の安定性の指標として用いる。つまり、二次再結
晶率が100%のときには、非常に二次再結晶が安定で
あることを示す。
887号公報に述べられているように、急速加熱により
後の集合組織が、通常加熱と比較して一次再結晶後の
{110}<001>方位粒が増加し、これが二次再結
晶の核となり、ある程度小さな二次再結晶粒が得られ
る。さらに、上記公報には、該公報記載の製造方法にお
いて達成させるメカニズムとして、最終脱炭素焼きなま
し工程前の一次再結晶組成に変化と高温焼きなまし処理
工程前の一次再結晶組織の変化との二つの変化を包含す
る、と述べられている。しかし、この製造方法のみでは
一次再結晶組織の制御が不十分であり、特に二次再結晶
において必要なインヒビターを最適な分散状態(数10
0オングストロームの粒径)にする必要があることが判
った。
者らはホットストリップでのAlNの析出状態に着眼し
た。ホットストリップで析出するAlNは非常に粗大な
もので、後の二次再結晶に必要とする最適な分散状態の
インヒビターがホットストリップ焼鈍後に得られない。
そこで、ホットストリップでのAlN量を規制すること
により、最適なAlNの分散状態が後の工程(ホットス
トリップ焼鈍)で得られ、急速加熱による{110}<
001>方位粒の増加などの集合組織変化と旨くバラン
スが取れることを考えた。ホットストリップでのAlN
析出を抑制する方法としては熱延巻取り温度を下げるこ
と、成分中のAl量を下げることなどが挙げられる。
一次再結晶の昇温速度による二次再結晶率の関係を示
す。急速加熱になるとホットストリップのAlNが従来
加熱に比べて低くする必要があることが判る。
AlNと一次再結晶の昇温速度による磁気特性の関係を
示す。急速加熱になるとホットストリップのAlNが従
来加熱に比べて低くする必要があることが伺える。
C,N量を減少させることにより、圧延中の転位運動の
変形機構を変化させ{111}方位粒を増加させること
を考えた。そこで、冷間圧延前の工程であるホットスト
リップ焼鈍の冷却に着眼して、その条件の最適化を行う
ため、種々の検討を行った。その結果、ホットストリッ
プ焼鈍の冷却過程で600〜200℃の問を100℃/
秒以下で冷却すれば、10mm以下の結晶粒径を持った微
細な二次再結晶が安定化することがわかった。
特性を改善させる場合には、冷間圧延条件も重要である
ことを見出した。すなわち、冷間圧延工程の途中板厚段
階で所定の温度で熱処理することにより、侵入型固溶元
素が冷延により形成された転位に固着され、変形機構に
変化を及ぼし冷延集合組織を変え、{110}<001
>方位が板面内方向に2゜に近づいた数mm以下の微細な
二次再結晶粒が得られることを見いだした。これにより
後の鋼板表面に皮膜を付与した際の鉄損値の向上代が大
きく、低鉄損を得ることが可能となる。Nozawaらによる
と(IEEE.Trans-Mag.Vol.Mag-14,No.4(1978)PP.25
2)、二次再結晶方位が板面内方向に2゜のときに鉄損
低減効果が一番大きいとしている。本発明においても同
様な効果が得られているものと考える。
ォルステライトや、絶縁皮膜などにより皮膜張力を付与
することにより、大きな鉄損の向上率があり、最終的に
改善された極めて低い鉄損値を得ることができる。
件を前記のように限定した理由を、詳細に説明する。ま
ず本発明鋼成分の限定理由は下記の通りである。
多くなると脱炭所要時間が長くなり、経済的に不利とな
るので限定した。Siは鉄損を良くするために下限を
2.5%とするが、多すぎると冷間圧延の際に割れ易く
加工が困難となるので上限を4.0%とする。
に、通常のインヒビター成分として以下の成分元素を添
加する。Mn,SおよびSeは、インヒビターとして硫
化マンガンおよびMnSe形成により補助的インヒビタ
ーとして作用させるために、Mn:0.02〜0.30
%、SおよびSeのうちから選んだ1種又は2種の合
計:0.001〜0.040%が必要である。Mnは硫
化マンガン、MnSeの適正な分散状態を得るため、
0.02〜0.30%に限定した。SおよびSeのうち
から選んだ1種又は2種の合計は、硫化マンガン、Mn
Seの適正な分散状態を得るため、0.001〜0.0
40%に限定した。
ウムを利用するため、酸可溶性AlとNを添加する。酸
可溶性Alは窒化アルミニウムの適正な分散状態を得る
ため0.010〜0.065%に限定した。Nも、窒化
アルミニウムの適正な分散状態を得るため0.0030
〜0.0200%に限定した。
窒化アルミニウム等のインヒビターをさらに微細分散に
析出させるため、重量でSb,Sn,Cu,Biおよび
Moから選ばれる1種又は2種以上を0.003〜0.
50%添加しても良い。上記範囲外では、適正な析出物
の分散状態が得られない。
は連続鋳造法、熱間圧延によりホットストリップを得
る。なお、このホットストリップを得る際、ストリップ
鋳造法も本発明に適用することが可能である。このホッ
トストリップを得る際、AlN量を抑制し、のちのホッ
トストリップ焼鈍において有効なインヒビターを得る必
要がある。この時、NasAlNにして25ppm 以下に
抑える必要がある。上限値を25ppm としたのは、これ
超えると熱延で析出するAlNは粗大に成りやすいの
で、有効なインヒビターが得られないからである。この
AlNを抑制する方策としては、熱延での巻取り温度を
低めに狙って制御する方法や、仕上圧延終了から巻取に
かけての冷却速度を出来るだけ速く制御する方法などが
ある。また、この時の硫化物系についてはSasMn
S,Cu2Sにして100ppm 以上の析出量を得ること
が望ましい。
化物を析出するために950〜1200℃で30秒〜3
0分のホットストリップ焼鈍を行う。本焼鈍の冷却過程
では600〜200℃の間を100℃/秒以下の冷却速
度で冷却することが必要である。冷却温度範囲の上限6
00℃、下限200℃は、これ以外の温度域では炭化物
の生成が起こらないので限定した。また冷却速度の上限
100℃/秒は、これ以上では固溶C,N量が過剰にな
り、のちの二次再結晶が不安定になるのでこのように限
定した。
冷間圧延により最終製品厚のストリップを得る。このと
きの最終圧下率は高いゴス集積度をもつ製品を得るた
め、圧下率80〜95%が必要となる。下限を80%と
したのは、これ未満では必要なゴス核が得られないため
であり、また、上限95%はこれ超えると二次再結晶が
不安定になるからである。
一層向上させるため熱処理を与えることも可能である。
冷間圧延中に複数回のパスにより各板厚段階を経て最終
板厚となるが、その少なくとも、一回以上の途中板厚段
階においてストリップに100℃以上の温度範囲で1分
以上の時間保持する熱効果を与えることが必要である。
温度の下限100℃、保持時間の下限1分はこれ未満で
は固溶C等が転位に固着されず、後の一次再結晶集合組
織を変化させ、{110}<001>が圧延方向に揃っ
た微細な二次再結晶が十分に発達されにくいので限定し
た。なお、これらの冷間圧延は従来のリバース圧延(例
えばゼンジミアー圧延機による圧延)の他に、一方向圧
延(タンデム圧延)による方法でも良い。
700℃以上の温度域へ80℃/秒以上の加熱速度で急
速加熱する急速加熱処理を実施する。この際の加熱速度
の下限を80℃/秒以上としたのは、これ未満では二次
再結晶の核となる一次再結晶後での{110}<001
>方位粒が減少し、微細な二次再結晶粒が得られないの
で限定した。また、急速加熱する下限温度700℃は、
これ未満では再結晶が開始されないので限定した。さら
に、加熱された到達温度域で、微細な析出物の粗大化を
防止するため、最高温度に到達後0.1秒以内に50℃
/秒以上の冷却速度で800℃未満の温度域へ冷却を施
すことが好ましい。なお、以上の処理は、皮膜形成等の
問題から、出来るだけ還元雰囲気中で実施することが望
ましい。また、上記の急速加熱処理の一つとして、ロー
ル間に通電する通電ロール方法が挙げられる。ここで、
加熱された側のロールで上記冷却処理が施されることも
可能である。その他の加熱処理方法として誘導加熱方法
なども考えられる。
焼鈍前に行われても、或いは脱炭焼鈍の加熱段階として
脱炭焼鈍工程に組み込むことも可能であるが、後者の方
が工程数を少なくするので好ましい。
う、このとき製品での磁気特性を劣化させないため炭素
は0.005%以下に低減されなければならない。ここ
で、熱延でのスラブ加熱温度が低く、AlNのみをイン
ヒビターとして利用する場合は、アンモニア雰囲気中で
窒化処理を施すこともある。さらに、MgO等の焼鈍分
離剤を塗布して、二次再結晶と純化のため1100℃以
上の仕上げ焼鈍を行うことで、極めて低い鉄損特性を有
する一方向性電磁鋼板が製造される。
鋼板のフォルステライトなどの皮膜の上に、さらに絶縁
皮膜を塗布することにより極めて低い鉄損特性を有する
一方向性電磁鋼板が製造することも可能である。この磁
気特性は、後の歪み取り焼鈍を施しても、変化しない低
鉄損を保持している。
は、結晶粒径が10mm以下で高い二次再結晶率を有する
ため、磁束密度が高く且つ極めて低い鉄損を有してい
る。なお、得られた製品にさらに鉄損を良好にするた
め、上記一方向性電磁鋼板、或いは絶縁皮膜処理が施さ
れた一方向性電磁鋼板に、磁区を細分化するための処理
を施すことも可能である。次に本発明の実施例を挙げて
説明する。
スラブ加熱後、熱間圧延を行い、2.3mmの熱延鋼板を
得た。この熱延時の仕上圧延終了1050℃から巻取ま
での温度を500℃に制御することにより、NasAl
Nを11ppm とした。これを1100℃で5分間焼鈍を
行い、冷却過程で600〜200℃の間を1℃/秒で冷
却した。また、同じ熱延板を150℃/秒で冷却した。
さらに酸洗したのち、冷間圧延により板厚0.27mmに
した。圧延された鋼板を二対の直接通電加熱ロールによ
り250℃/秒の加熱速度で851℃まで加熱し、直
接、湿潤水素中で脱炭焼鈍した。以上二通りの脱炭焼鈍
板にMgO粉を塗布した後、1200℃に10時間、水
素ガス雰囲気中で高温焼鈍を行った。
結晶率と平均二次再結晶粒径を示す。製品の磁気特性
は、ホットストリップ焼鈍の冷却過程での600〜20
0℃の冷却速度が100℃/秒以下で、二次再結晶率が
良好な、極めて低い鉄損を有する一方向性電磁鋼板が得
られている。
スラブ加熱後、2.4mm厚にまで熱間圧延した。このと
きの熱延板中のNasAlNは15ppm であった。熱延
板に1100℃で1分間焼鈍を施し、1.60mm厚まで
冷延した。さらに1100℃で1分間焼鈍を施した。冷
却過程で600〜200℃の問を4℃/秒で冷却した。
この後、圧延中に鋼板温度を200℃で2分の処理を施
して圧延した場合と、30℃の常温で圧延した場合の2
種の冷間圧延方法により最終板厚0.23mmにまで圧延
した。
ルにより290℃/秒の加熱速度で845℃まで加熱し
た。この直後、同じ845℃の均一温度、湿潤水素中で
脱炭焼鈍した。次にMgO粉を塗布した後、1200℃
に10時間、水素ガス雰囲気中で高温焼鈍を行った。
本発明により、改善された鉄損特性に優れた一方向性電
磁鋼板が得られている。さらに得られた鋼板に片面4g
/m2の絶縁皮膜を塗布し、4mmの照射間隔で磁区制御
を施した。その結果も表4に示す。本発明により、さら
に改善された極めて鉄損特性に優れた一方向性電磁鋼板
が得られている。
AlNを抑制し、ストリップを急速加熱処理することに
より、微細な結晶粒径を有する二次再結晶が安定化し、
二次再結晶率が高まる。これにより磁束密度の高く、極
めて低い鉄損特性を有する一方向性電磁鋼板を製造する
ことができるので、産業上に貢献するところが極めて大
である。
の関係を、最終冷間圧延後の加熱処理における加熱速度
をパラメータとして示す図。
性の関係を、最終冷間圧延後の加熱処理における加熱速
度をパラメータとして示す図。
Claims (5)
- 【請求項1】 重量で、 C :0.10%以下、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 SおよびSeのうちの1種又は2種の合計:0.001
〜0.040%、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0200% を基本成分とし、残余はFeおよび不可避的不純物より
なるホットストリップにホットストリップ焼鈍を施し、
最終冷延の圧下率を80〜90%とする1回乃至中間焼
鈍を含む2回以上の冷間圧延、脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍
を含む工程によって一方向性電磁鋼板を製造する方法に
おいて、熱間圧延により得られた上記ホットストリップ
中のAlN量をN as AlNにして25ppm 以下に
制御するとともに、ホットストリップ焼鈍の冷却過程で
600〜200℃の間を100℃/秒以下で冷却し、上
記最終冷延後のストリップを700℃以上の温度域へ8
0℃/秒以上の加熱速度で急速加熱する急速加熱処理を
施すことを特徴とする極めて低い鉄損をもつ一方向性電
磁鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 重量で、 C :0.10%以下、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 SおよびSeのうちの1種又は2種の合計:0.001
〜0.040%、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0200% を基本成分とし、残余はFeおよび不可避的不純物より
なるホットストリップにホットストリップ焼鈍を施し、
最終冷延の圧下率を80〜90%とする1回乃至中間焼
鈍を含む2回以上の冷間圧延、脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍
を含む工程によって一方向性電磁鋼板を製造する方法に
おいて、熱間圧延により得られた上記ホットストリップ
中のAlN量をN as AlNにして25ppm 以下に
制御するとともに、冷間圧延の工程で、少なくとも一回
以上の途中板厚段階においてストリップに100℃以上
の温度範囲で1分以上の時間保持する熱処理を与え、上
記最終冷延後のストリップを700℃以上の温度域へ8
0℃/秒以上の加熱速度で急速加熱する急速加熱処理を
施すことを特徴とする極めて低い鉄損をもつ一方向性電
磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 急速加熱処理が脱炭焼鈍の昇温過程とし
て行われる請求項1または2記載の極めて低い鉄損をも
つ一方向性電磁鋼板製造方法。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の製造
方法で得た一方向性電磁鋼板に、磁区を細分化するため
の処理を施すことを特徴とする極めて低い鉄損をもつ一
方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の製造
方法で得た一方向性電磁鋼板に、絶縁皮膜を施し、さら
に磁区を細分化するための処理をすることを特徴とする
極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法。
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