JP3392579B2 - 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法Info
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iを含み、結晶粒の{110}<001>方位の集積度
すなわち磁束密度が高く、かつ結晶粒径が従来になく微
細なことにより、極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼
板の製造方法を提供するものである。
鉄損特性と励磁特性の両方で評価される。励磁特性を高
めることは設計磁束密度を高める機器の小型化に有効で
ある。一方鉄損特性を少なくすることは、電気機器とし
て使用する際、熱エネルギーとして失われるものを少な
くし、消費電力を節約できる点で有効である。さらに、
製品の結晶粒の<100>軸を圧延方向に揃えること
は、磁化特性を高め、鉄損特性も低くすることができ、
近年特にこの面で多くの研究が重ねられ、様々な製造技
術が開発された。
的な一方向性電磁鋼板の製造技術には、3つの代表的な
製造技術がある。第一の技術は、特公昭30−3651
号公報に開示された、MnSをインヒビターとして機能
させる、2回冷延工程による製造技術がある。この製造
方法は、二次再結晶の粒径が小さいので、比較的鉄損は
良好であるが、高い磁束密度が得られないという問題が
あった。
に、第二の技術として、特公昭40−15644号公報
が開示された。これは、AIN+MnSをインヒビター
として機能させ、最終冷延工程における圧延率が80%
を超える強圧下とする製造技術である。この方法により
二次再結晶粒の{110}<001>方位の集積度が高
く、B8 が1.870(T)以上の高磁束密度を有する
方向性電磁鋼板が得られる。さらに、第三の技術とし
て、特公昭51−13469号公報に開示された、Mn
SまたはMnSe+Sbをインヒビターとして機能させ
る、2回冷延工程による製造技術が開発された。
渦電流損の二つからなる。履歴損に影響を与える物理的
な要因として、上述の結晶方位の他に材料の純度や内部
歪みがある。また、渦電流損に影響を与える物理的な要
因として、鋼板の電気抵抗(Si等の成分量)、板厚、
磁区の大きさ(結晶粒度)や鋼板に及ぼす張力などがあ
る。通常の方向性電磁鋼板では渦電流損が全鉄損の3/
4以上を占めるため履歴損より渦電流損を下げる方が全
鉄損を下げる上でより効果的である。
では、二次結晶粒の{110}<001>方位の集積度
が高く、B8 が1.870(T)以上の高磁束密度を有
する方向性電磁鋼板が得られたとしても、二次再結晶粒
径が10mmオーダと大きくなるため、渦電流損に影響す
る磁区幅が大きかった。これを改善するために、特公昭
57−2252号公報に開示されている鋼板にレーザー
処理を施す方法、さらに特公昭58−2569号公報に
開示されている鋼板に機械的な歪みを加える方法など、
磁区を細分化する様々な方法が開示されている。
により、従来よりも低い鉄損を有する一方向性電磁鋼板
の製造方法を提供するものが開示されている。たとえ
ば、特公平6−51887号公報では、常温圧延された
鋼板に100℃/秒以上の加熱速度で675℃以上の温
度へ超急速焼きなまし処理を施し、該ストリップを脱炭
素処理し、最終高温焼きなまし処理を施して二次成長を
行い、それによって前記ストリップが低減した寸法の二
次粒子及び応力除去焼きなまし処理後も有意の変化なし
に持続する改善された鉄損をもつことを特徴とする方法
が開示されている。しかし、確かにある程度小さな二次
再結晶粒は得られるのではあるが、二次再結晶が非常に
不安定になり、細粒が混入することにより二次再結晶率
が低下し、その結果磁束密度の減少、鉄損の劣化が起こ
りうる場合があることが判明した。
を有する二次再結晶が不安定となる点を解消し、その二
次再結晶率を高めることにより、高磁束密度でかつ低鉄
損を得るための一方向性電磁鋼板の製造方法を提供する
ことにある。
解決すべく検討を重ねた結果、重量でC:0.10%以
下、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.3
0%、SおよびSeのうちから選んだ1種または2種の
合計:0.001〜0.040%、酸可溶性Al:0.
010〜0.065%、N:0.0030〜0.020
0%を基本成分とし、さらに好ましくは重量比でSb、
Sn、Cu、BiおよびMoから選ばれる1種または2
種以上を0.001〜0.50%含有させ、残余はFe
および不可避的不純物よりなるホットストリップにホッ
トストリップ焼鈍を施し、圧下率80〜95%の強圧下
最終冷延を含む2回以上の冷間圧延とその間に行う中間
焼鈍と最終冷延後の脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍を施して一
方向性電磁鋼板を製造する方法において、上記ホットス
トリップ焼鈍の冷却過程で600〜200℃の間を10
0℃/秒以下で冷却し、上記最終冷延後のストリップを
700℃以上の温度域へ80℃/秒以上の加熱速度で急
速加熱する急速加熱処理を施すことにより、微細な結晶
粒径をもつ二次再結晶を安定化させ、極めて低い鉄損を
もつ一方向性電磁鋼板が得られることを見い出した。さ
らには冷間圧延するに際し、少なくとも一回以上の途中
板厚段階においてストリップに100℃以上の温度範囲
で1分以上の時間保持する熱処理を与えることにより、
改善された極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板が得
られることを見い出した。加えて、上記の急速加熱処理
が脱炭焼鈍の昇温過程として行われることにより、工程
数を少なくすることができ、より安価に一方向性電磁鋼
板を製造することが可能である。また、上記方法により
得られた一方向性電磁鋼板あるいは更に絶縁皮膜が塗布
された一方向性電磁鋼板に、磁区を細分化するための処
理を施すことにより、さらに改善された極めて低い鉄損
をもつ一方向性電磁鋼板が得られることを見い出した。
電磁鋼板は、その製造工程の最終焼鈍中に二次再結晶を
充分に起こさせ、所謂ゴス集合組織を得ることにより製
造できる。このゴス集合組織を得るためには、一次再結
晶粒の成長粗大化を抑制し、{110}<001>方位
の再結晶粒のみを或る温度範囲で選択的に成長させる。
すなわち、二次再結晶させる様な素地を作ってやる事が
必要である。
{110}<001>方位以外の0.1mmオーダの細粒
が成長し、二次再結晶の選択的な粒成長を妨げる。この
細粒の混入している面積部分を除いた率を二次再結晶率
として定義する。本発明では、この二次再結晶率を二次
再結晶の安定性の指標として用いる。つまり、二次再結
晶率が100%のときには、非常に二次再結晶が安定で
あることを示す。
0716号公報に述べられているように、急速加熱によ
り後の集合組織が、通常加熱と比較して一次再結晶後の
{110}<001>方位粒が増加し、これが二次再結
晶の核となり、ある程度小さな二次再結晶粒が得られ
る。さらに、上記公報開示の製造方法において達成させ
るメカニズムは、最終脱炭素焼きなまし工程前の一次再
結晶組成に変化と高温焼きなまし処理工程前の一次再結
晶組織の変化との二つの変化を包含する、と述べられて
いる。しかし、この製造方法のみでは一次再結晶組織の
制御が不十分であり、とくに二次再結晶の核が粒成長す
る時に喰われる{111}方位粒が非常に少なくなり、
これが二次再結晶を不安定にしていることが判った。
者らは冷間圧延前の固溶C、N量を減少させることによ
り、圧延中の転位運動の変形機構を変化せせ{111}
方位粒を増加させることを考えた。そこで、冷間圧延前
の工程であるホットストリップ焼鈍の冷却に着眼して、
その条件の最適化を行うため、種々の検討をおこなっ
た。その結果、ホットストリップ焼鈍の冷却過程で60
0〜200℃の間を100℃/秒以下で冷却すれば、1
0mm以下の結晶粒径を持った微細な二次再結晶が安定化
することがわかった。図1にホットストリップ焼鈍の冷
却速度と製品の磁気特性、二次再結晶率を、最終冷間圧
延後の加熱温度をパラメータとして示す。最終冷間圧延
後の加熱速度を速めれば、ホットストリップ焼鈍の冷却
速度は遅いほうが磁気特性は良好になる。
開示されているように、熱延板焼鈍の冷却過程において
600〜200℃の間を5℃/sec以上で冷却し、1回目
の冷間圧延における複数パスのパス間の少なくとも1回
に鋼板を50〜500℃の温度で1分以上の時間保持す
ることを特徴とする磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板
の製造方法が開示されている。
示されているように、最終冷延段階前の中間焼鈍を該焼
鈍温度に保定後冷却するにあたり、600〜300℃の
間を少なくとも150deg/min 以上で行い、最終冷延段
階で時効処理を施すことを特徴とする一方向性電磁鋼板
の製造方法が開示されている。
の固溶C、N量を確保することに着眼しており、本発明
のように冷間圧延前の固溶C、N量を減少させる点で異
なっている。さらに、いずれの方法も脱炭焼鈍での昇温
段階について急速加熱処理が施されていないので、粒径
10mm以下の微細な二次再結晶粒を安定化させることに
よる高磁束密度でかつ低鉄損を得ることは困難である。
特性を改善させる場合には、冷間圧延条件も重要である
ことを見出した。すなわち、冷間圧延の途中板厚段階で
所定の温度で熱処理することにより、侵入型固溶元素が
冷延により形成された転位に固着され、変形機構に変化
を及ぼし冷延集合組織を変え、{110}<001>方
位が板面内方向に2゜に近づいた数mm以下の微細な二次
再結晶粒が得られることを見出した。これにより後の鋼
板表面に皮膜を付与した際の鉄損値の向上代が大きく、
低鉄損を得ることが可能となる。Nozawaらの(IE
EE.Trans-Mag.Mag-14,No.4(1978) 252)によると、二次
再結晶方位が板面内方向に2゜のときに鉄損低減効果が
一番大きいとしている。本発明においても同様な効果が
得られているものと考える。これにより、二次再結晶し
た鋼板表面のフォルステライトや、絶縁皮膜などにより
皮膜張力を付与することにより、大きな鉄損の向上率が
あり、最終的に改善された極めて低い鉄損値を得ること
ができる。
開示されているように、冷間圧延中の鋼板温度を50〜
350℃の温度範囲で1分以上の時間保持する熱効果を
与えることにより、磁気特性の非常に優れた一方向性電
磁鋼板が得られる。しかし、この製造方法はある程度の
鉄損の低減は狙えるのであるが、二次再結晶の粒径を減
少させるには限界があり、未だに二次再結晶マクロの粒
径が大きく、このままでは良好な鉄損値が得られない。
件を前記のように限定した理由を、詳細に説明する。こ
の鋼成分の限定理由は下記のとおりである。Cについて
の上限0.10%は、これ以上多くなると脱炭所要時間
が長くなり、経済的に不利となるので限定した。Siは
鉄損を良くするために下限を2.5%とするが、多すぎ
ると冷間圧延の際に割れ易く加工が困難となるので上限
を4.0%とする。
に、通常のインヒビター成分として以下の成分元素を添
加する。Mn、SおよびSeは、インヒビターとして硫
化マンガンおよびMnSe形成により補助的インヒビタ
ーとして作用させるために、Mn:0.02〜0.30
%、SおよびSeのうちから選んだ1種または2種の合
計:0.001〜0.040%が必要である。Mnは硫
化マンガン、MnSeの適正な分散状態を得るため、
0.02〜0.30%に限定した。SおよびSeのうち
から選んだ1種または2種の合計は、硫化マンガン、M
nSeの適正な分散状態を得るため、0.001〜0.
040%に限定した。
ウムを利用するため、酸可溶性AlとNを添加する。酸
可溶性Alは窒化アルミニウムの適正な分散状態を得る
ため0.010〜0.065%に限定した。Nも、窒化
アルミニウムの適正な分散状態を得るため0.030〜
0.0200%に限定した。
窒化アルミニウム等のインヒビターを更に微細分散に析
出させるため、重量でSb、Sn、Cu、BiおよびM
oから選ばれる1種または2種以上を0.003〜0.
50%添加しても良い。上記範囲以外では、適正な析出
物の分散状態が得られないため限定した。
は連続鋳造法により鋳造し、熱間圧延によりホットスト
リップを得る。なお、このホットストリップを得る際、
ストリップ鋳造法も本発明に適用することが可能であ
る。さらに、インヒビターとしてAIN等の窒化物を析
出するために950〜1200℃で30秒〜30分のホ
ットストリップ焼鈍をおこなう。本焼鈍の冷却過程では
600〜200℃の間を100℃/秒以下の冷却速度で
冷却することが必要である。冷却温度範囲の上限600
℃、下限200℃は、これ以外の温度域では炭化物の生
成が起こらないので限定した。また冷却速度の上限10
0℃/秒は、これ以上では固溶C、N量が過剰になり、
のちの二次再結晶が不安定になるので限定した。
の圧延により最終製品厚のストリップを得る。このとき
の最終圧下率は高いゴス集積度をもつ製品を得るため、
圧下率80〜95%が必要となる。下限80%はこれ以
下では必要なゴス核が得られないため限定した。また上
限95%はこれ以上では二次再結晶が不安定になるので
限定した。
一層向上させるため熱処理を与えることも可能である。
冷間圧延中に複数回のパスにより各板厚段階を経て最終
板厚となるが、その少なくとも、一回以上の途中板厚段
階においてストリップに100℃以上の温度範囲で1分
以上の時間保持する熱効果を与えることが望ましい。温
度の下限100℃、保持時間の下限1分はこれ以下では
固溶C等が転位に固着されず、後の一次再結晶集合組織
を変化させ、{110}<001>が圧延方向に揃った
微細な二次再結晶が十分に発達されにくいので限定し
た。なお、これらの冷間圧延は従来のリバース圧延(例
えばゼンジミアー圧延機による圧延)の他に、一方向圧
延(タンデム圧延)による方法も考えられる。
プを、700℃以上の温度域へ80℃/秒以上の加熱速
度で急速加熱する急速加熱処理を実施する。このときの
加熱速度の下限を80℃/秒にしたのは、これ以下では
二次再結晶の核となる一次再結晶後での{110}<0
01>方位粒が減少し、微細な二次再結晶粒が得られな
いからである。また加熱温度の下限を700℃としたの
は、これ以下では再結晶が開始されないためである。さ
らに、加熱された到達温度域で、微細な析出物の粗大化
を防止するため、最高温度に到達後0.1秒以内に、5
0℃/秒以上の冷却速度で800℃未満の温度域へ冷却
を施すことが好ましい。なお、以上の処理は、皮膜形成
等の問題から、出来るだけ還元雰囲気中で実施すること
が望ましい。また、上記の急速加熱処理の一つとして、
ロール間に通電する通電ロール方法が挙げられる。ここ
で、加熱された側のロールで上記冷却処理が施されるこ
とも可能である。その他の加熱処理方法として誘導加熱
方法なども考えられる。◎上記の急速加熱処理は、次に
施される脱炭焼鈍前に行われても、脱炭焼鈍の加熱段階
として脱炭焼鈍工程に組み込むことも可能であるが、後
者の方が工程数を少なくするので好ましい。
う、このとき製品での磁気特性を劣化させないため炭素
は0.005%以下に低減されなければならない。ここ
で、熱延でのスラブ加熱温度が低く、AINのみをイン
ヒビターとして利用する場合は、アンモニア雰囲気中で
窒化処理を施すこともある。さらに、MgO等の焼鈍分
離剤を塗布して、二次再結晶と純化のため1100℃以
上の仕上げ焼鈍を行うことで、極めて低い鉄損特性を有
する一方向性電磁鋼板が製造される。
鋼板のフォルステライトなどの皮膜の上に、さらに絶縁
皮膜を塗布することにより極めて低い鉄損特性を有する
一方向性電磁鋼板を製造することも可能である。この磁
気特性は、後の歪み取り焼鈍を施しても、変化しない低
鉄損を保持している。以上の本発明での製造方法による
一方向性電磁鋼板は、結晶粒径が10mm以下で高い二次
再結晶率を有するため、磁束密度が高く且つ極めて低い
鉄損を有している。なお得られた製品に、さらに鉄損を
良好にするため、上記一方向性電磁鋼板或いは絶縁皮膜
処理が施された一方向性電磁鋼板に、磁区を細分化する
ための処理を施すことも可能である。
1に示す成分組成を含む溶鋼を鋳造し、スラブ加熱後、
熱間圧延を行い、2.3mmの熱延鋼板を得た。次に11
00℃で5分間の熱延板焼鈍を行い、この時の冷却過程
で600〜200℃の間を表2に示す冷却速度で冷却し
た。さらに酸洗したのち、冷間圧延により、0.22mm
厚にした。圧延された鋼板を1組の加熱電極を有する直
接通電加熱装置により種々の条件で加熱した。その時の
加熱速度と到達温度を表2に示す。次に湿潤水素中で脱
炭焼鈍し、MgO粉を塗布した後、1200℃に10時
間、水素ガス雰囲気中で高温焼鈍をおこなった。
均二次再結晶粒径と磁気特性を示す。製品の磁気特性
は、ホットストリップ焼鈍の冷却過程での600〜20
0℃の冷却速度が100℃/秒以下の場合に、二次再結
晶率が良好で、極めて低い鉄損を有する一方向性電磁鋼
板が得られている。
鋼を鋳造し、スラブ加熱後、熱間圧延を行い、2.3mm
の熱延鋼板を得た。これを1100℃で5分間焼鈍を行
い、冷却過程で600〜200℃の間を1℃/秒で冷却
した。また、同じ熱延板を150℃/秒で冷却した。さ
らに酸洗したのち、冷間圧延により0.27mm厚にし
た。圧延された鋼板を二対の直接通電加熱ロールにより
250℃/sの加熱速度で851℃まで加熱し、直接、
湿潤水素中で脱炭焼鈍した。以上二通りの脱炭焼鈍板に
MgO粉を塗布した後、1200℃に10時間、水素ガ
ス雰囲気中で高温焼鈍をおこなった。
晶率と平均二次再結晶粒径を示す。製品の磁気特性は、
ホットストリップ焼鈍の冷却過程での600〜200℃
の冷却速度が100℃/秒以下で、二次再結晶率が良好
で、極めて低い鉄損を有する一方向性電磁鋼板が得られ
ている。
2.4mm厚にまで熱間圧延させた熱延板に1100℃で
1分間焼鈍を施した。冷却過程で600〜200℃の間
を4℃/秒で冷却した。この後、圧延中に鋼板温度を2
00℃で2分焼鈍を施して圧延した場合と、30℃の常
温で圧延した場合の2種の冷間圧延方法により最終板厚
0.23mmにまで圧延した。
ルにより290℃/秒の加熱速度で845℃まで加熱し
た。この直後、同じ845℃の均一温度、湿潤水素中で
脱炭焼鈍した。次にMgO粉を塗布した後、1200℃
に10時間、水素ガス雰囲気中で高温焼鈍をおこなっ
た。
発明により、改善された鉄損特性に優れた一方向性電磁
鋼板が得られている。さらに得られた鋼板に片面4g/m
2 の絶縁皮膜を塗布し、4mmの照射間隔で磁区制御を施
した。その結果も表6に示す。本発明により、さらに改
善された極めて鉄損特性に優れた一方向性電磁鋼板が得
られている。
において冷却を緩冷する方法と冷間圧延されたストリッ
プを急速加熱処理することにより、微細な結晶粒径を有
する二次再結晶が安定化し、二次再結晶率が高まる。こ
れにより磁束密度の高く、極めて低い鉄損特性を有する
一方向性電磁鋼板を製造することができるので、産業上
の貢献するところが極めて大である。
特性、二次再結晶率を、最終冷間圧延後の加熱速度をパ
ラメータとして示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 重量で C :0.10%以下、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30% SおよびSeのうちから選んだ1種または2種の合計:
0.001〜0.040%、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0200%、を基本成分と
し、残余はFeおよび不可避的不純物よりなるホットス
トリップにホットストリップ焼鈍を施し、圧下率80〜
95%の強圧下最終冷延を含む2回以上の冷間圧延とそ
の間に行う中間焼鈍と最終冷延後の脱炭焼鈍、最終仕上
焼鈍を施して一方向性電磁鋼板を製造する方法におい
て、上記ホットストリップ焼鈍の冷却過程で600〜2
00℃の間を100℃/秒以下で冷却し、上記最終冷延
後のストリップを700℃以上の温度域へ80℃/秒以
上の加熱速度で急速加熱する急速加熱処理を施すことを
特徴とする、極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の
製造方法。 - 【請求項2】 ホットストリップにおいて、重量比でS
b、Sn、Cu、BiおよびMoから選ばれる1種また
は2種以上を0.001〜0.50%含有することを特
徴とする請求項1記載の極めて低い鉄損をもつ一方向性
電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 冷間圧延の少なくとも一回以上の途中板
厚段階において、ストリップに100℃以上の温度範囲
で1分以上の時間保持する熱処理を与えることを特徴と
する、請求項1又は2記載の極めて低い鉄損をもつ一方
向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 急速加熱処理が脱炭焼鈍の昇温過程とし
て行われる請求項1又は2又は3記載の極めて低い鉄損
をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1又は2又は3又は4記載の製造
方法で得られた絶縁皮膜処理を施された鋼板に、磁区を
細分化するための処理を施すことを特徴とする極めて低
い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法。
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