JPH1161134A - 防炎加工剤 - Google Patents

防炎加工剤

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JPH1161134A
JPH1161134A JP22884197A JP22884197A JPH1161134A JP H1161134 A JPH1161134 A JP H1161134A JP 22884197 A JP22884197 A JP 22884197A JP 22884197 A JP22884197 A JP 22884197A JP H1161134 A JPH1161134 A JP H1161134A
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Jiro Tabata
次郎 田畑
Toshiharu Kanetani
敏春 金谷
Koichi Saito
公一 齋藤
Terufumi Iwaki
輝文 岩城
Masanori Santo
正紀 山藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、他の機能薬剤、たとえば抗菌剤、防
黴剤、消臭剤、撥水剤などの機能を阻害することなく、
優れた防炎性能を発揮することができる上に、処理機器
を汚染することもない優れた防炎加工剤を提供せんとす
るものである。 【解決手段】本発明の防炎加工剤は、脂環族ハロゲン化
合物、下記一般式[1]で示される分散剤ならびに下記
一般式[2]で示される吸尽向上剤を含有することを特
徴とするものである。 H(AO)m OR …[1] H(AO)n OQ …[2] 式中、Rは、フェニル、ビフェニル、アリールフェニ
ル、アルコキシフェニル、フェノキシフェニル、フェノ
ールおよびそのアルキル化物であり、AOは、アルキレ
ンオキサイド、Qは、Rのハロゲン置換体であり、mお
よびnは、それぞれ1〜30の整数を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯耐久性に優れ
た防炎加工剤に関する。さらに詳しくは合成繊維、フィ
ルムおよびそれらの混合素材に対して優れた防炎性を発
揮するとともに、該防炎性は、さらに抗菌、防黴、消
臭、撥水などの各種機能を付与しても、劣化または消失
することなく、そのまま維持して、多機能素材を提供す
ることができる優れた防炎加工剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成繊維材料の防炎加工方法として、臭
素化シクロアルカンと分散剤を含む水分散液によりポリ
エステル繊維構造物を処理する方法が特公昭53−88
40号公報で提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる方法に
よる臭素化シクロアルカンの吸尽率は、極めて低く、防
炎機能を十分に発揮することができないのが実状であ
り、これにさらに他の機能、すなわち抗菌、防黴、消
臭、撥水などの各種機能を付与しようとすると、その防
炎機能を大きく損ない、再度防炎加工をする必要があっ
たものである。しかも、吸尽率が低いために、処理機器
を著しく汚染する問題も含むものであった。
【0004】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、
他の機能薬剤、たとえば抗菌剤、防黴剤、消臭剤、撥水
剤などの機能を阻害することなく、優れた防炎性能を発
揮することができる上に、処理機器を汚染することもな
い優れた防炎加工剤を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明の防炎加工剤は、脂環族ハロゲン化合
物、下記一般式[1]で示される分散剤ならびに下記一
般式[2]で示される吸尽向上剤を含有することを特徴
とするものである。 H(AO)m OR …[1] H(AO)n OQ …[2] 式中、Rは、フェニル、ビフェニル、アリールフェニ
ル、アルコキシフェニル、フェノキシフェニル、フェノ
ールおよびそのアルキル化物であり、AOは、アルキレ
ンオキサイド、Qは、Rのハロゲン置換体であり、mお
よびnは、それぞれ1〜30の整数を示す。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、上述の課題、つまり、
他の機能薬剤の機能を阻害することなく、防炎性能を発
揮することができる上に、処理機器を汚染しない優れた
防炎加工剤を提供するために、鋭意検討したところ、脂
環族ハロゲン化合物に加えて、特定な分散剤と特定な吸
尽向上剤とを同時に含有させてみたところ、意外にも、
前記課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0007】すなわち、本発明は、防炎剤である脂環族
ハロゲン化合物を、ポリエステル、カチオン可染ポリエ
ステル、ナイロンなどの合成繊維や各種合成樹脂フィル
ム、さらにそれら繊維、フィルムおよび合成樹脂の組合
わせからなる複合材料などの種々の素材に高度に吸尽さ
せることができる特殊な手段を採用する。すなわち、下
記一般式[1]の特定な分散剤と、一般式[2]の特定
な吸尽向上剤とを同時に含有させることによって、著し
くその吸尽機能を改善させることに成功したものであ
る。 H(AO)m OR …[1] H(AO)n OQ …[2] 式中、Rは、フェニル、ビフェニル、アリールフェニ
ル、アルコキシフェニル、フェノキシフェニル、フェノ
ールおよびそのアルキル化物であり、AOは、アルキレ
ンオキサイド、Qは、Rのハロゲン置換体であり、mお
よびnは、それぞれ1〜30の整数を示す。
【0008】かかる一般式[1]で示される分散剤は、
分散液の安定性を高めるものであり、その配合量は、脂
環族ハロゲン化合物の量に対して、好ましくは1〜60
重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。
【0009】また、かかる一般式[2]で示される吸尽
向上剤は、脂環族ハロゲン化合物の吸尽率を高めるもの
であり、その配合量は、脂環族ハロゲン化合物の量に対
して、好ましくは1〜60重量%、さらに好ましくは1
〜10重量%である。
【0010】かかる分散剤および吸尽性向上剤には、そ
の性能を阻害しない範囲内において、分散助剤として活
性剤や、貯蔵安定性を高める糊剤などを配合することが
できる。
【0011】本発明で使用する防炎性薬剤である脂環族
ハロゲン化合物は、かかる特定な分散剤および特定な吸
尽向上剤に対して、極めて特異な挙動を示す。すなわ
ち、、分散液での安定性に優れ、被処理物への吸尽性に
優れ、もって処理機器を汚染することがなく、かつ、他
の機能薬剤、たとえば抗菌剤、防黴剤、消臭剤、撥水剤
などの機能を阻害することなく、防炎性能を発揮すると
いう挙動を示すものである。かかる挙動は、構造の極め
て類似した化合物である一般式[1]と[2]で示され
る分散剤および吸尽向上剤の相乗効果によるものであ
り、本発明の特徴は、かかる特定薬剤の組合わせが、防
炎性薬剤である脂環族ハロゲン化合物の生地への吸尽性
を著しく高めることを見出だした点にある。
【0012】かかる脂環族ハロゲン化合物としては、た
とえば1,2,3,4,5,6−ヘキサブロモシクロヘ
キサン、1,2,3,4−テトラブロモシクロオクタン
(TBCO)、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロ
モシクロドデカン(HBCD)、1,2−ビス(3,4
−ジブロモシクロヘキシル)1,2−ジブロモエタンな
ど、または、これらの化合物の塩素置換化合物などを使
用することができる。かかる化合物のなかでもハロゲン
が臭素置換体であるものが、該分散剤と吸尽向上剤によ
る相乗効果を受けやすくて好ましい。
【0013】かかる脂環族ハロゲン化合物は、実用に際
して乾式粉砕機や湿式粉砕機によって、微粒子化され、
かつ、分散されるが、かかる微粒子の平均粒子径は、好
ましくは0.02〜10μm、さらに好ましくは0.2
〜1μmのものが、分散安定性の上から使用される。ま
た、かかる脂環族ハロゲン化合物の配合量は、好ましく
は5〜70重量%の範囲で使用される。かかる脂環族ハ
ロゲン化合物には、さらに三酸化アンチモンなどの防炎
助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを含有させること
ができる。
【0014】かくして得られる本発明の防炎加工剤は、
さらに着色剤、抗菌剤、防黴剤、消臭剤、難燃剤および
撥水剤などの各種機能付与剤を含有、配合させることが
できるし、さらに本発明の防炎加工剤を処理した後、こ
れらの機能付与剤を付与することもできる。ここで重要
なことは、本発明の防炎加工剤においては、かかるいず
れの処理方法を採用しても、つまり、該防炎加工剤内に
含有されていても、また、後処理で多機能を付与して
も、どちらの場合も防炎性を低下または劣化させること
なく、それぞれの機能を付与せしめ得るという効果を奏
するところにある。
【0015】かかる防炎加工剤は、合成繊維、フィルム
およびそれらの混合素材に対して優れた防炎性を発揮す
るものである。かかる合成繊維としては、ポリエステル
系繊維やポリアミド系繊維などの通常の合成樹脂からな
る繊維、中でもポリエステル系繊維に優れた効果を奏す
るものである。フィルムとしては、上述繊維と同様な合
成樹脂からなるフィルムに効果を発揮するが、この場合
も特にポリエステル系フィルムに優れた効果を奏する。
また、複合素材としては、かかる繊維と樹脂との一般的
な複合形態のものが全て含まれるものである。
【0016】以下、本発明の防炎加工剤を使用して繊維
を処理する方法の一例について説明する。この場合の付
与方法としては、浴中処理およびパディング処理が好ま
しく採用される。
【0017】たとえば、ポリエステル系繊維を防炎化処
理する場合、浴中処理では、好ましくは110〜150
℃、さらに好ましくは120〜140℃の浴中で、10
〜60分間処理する。かかる浴中処理は、染色同時処理
が好ましく採用される。特にポリエステル系繊維製品の
染色の際の、分散染料による着色では、本発明の防炎加
工剤との吸尽と相俟って、その着色機能を大幅に改善す
る効果を奏するので好ましい。次に、パッディング処理
の場合、該防炎加工座うをパッドした後、熱処理する。
かかる熱処理としては、乾熱処理および湿熱処理のいず
れでもよい。湿熱処理では、常圧飽和スチーム、過熱ス
チーム、高圧スチームなどの蒸熱処理が好ましく採用さ
れる。かかる熱処理は、好ましくは110〜210℃の
温度で行なわれるが、さらに好ましくは170〜210
℃の乾熱処理が採用される。ここで行なわれる熱処理の
温度は、高過ぎると繊維の黄化や脆化をもたらすので注
意を要する。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 実施例1 オクチルフェノールエチレンオキサイド9モル付加物を
分散剤として、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロ
モシクロドデカン(以下HBCDという)を湿式粉砕機
にかけて微粒化し分散した。この分散液のHBCDの平
均粒径は、0.58μmであった。この分散液に、クロ
ルフェニルエチレンオキサイド2モル付加物を均一混合
して、防炎加工剤Aを製造した。
【0019】実施例2 オクチルフェノールエチレンオキサイド9モル付加物を
分散剤として、実施例1と同じHBCDを湿式粉砕機に
かけて微粒化し分散した。この分散液のHBCDの平均
粒径は、0.46μmであった。この分散液に、クロル
フェニルエチレンオキサイド6モル付加物を均一混合し
て、防炎加工剤Bを製造した。
【0020】比較例1 実施例1において、クロルフェニルエチレンオキサイド
2モル付加物を混合しないで、オクチルフェノールエチ
レンオキサイド9モル付加物と、HBCDとを湿式粉砕
機にかけて微粒化し分散して防炎加工剤Cを製造した。
この分散液のHBCDの平均粒径は、0.67μmであ
った。
【0021】比較例2 実施例2において、クロルフェニルエチレンオキサイド
6モル付加物とHBCDとを湿式粉砕機にかけて微粒化
し分散して防炎加工剤Dを製造した。この分散液のHB
CDの平均粒径は、0.46μmであった。
【0022】比較例3 ポリオキシエチレン(9)ジスチレン化フェノールスル
ホコハク酸を分散剤として、HBCDを湿式粉砕機にか
けて微粒化し分散して防炎加工剤Dを製造した。この分
散液のHBCDの平均粒径は、0.72μmであった。
この分散液に、クロルフェニルエチレンオキサイド2モ
ル付加物を均一混合して、防炎加工剤Eを製造した。
【0023】実施例3 実施例1〜2、比較例1〜3で製造した防炎加工剤A〜
Eを用いて、下記被処理布帛を染色同浴処理法により、
それぞれ吸尽処理した。被処理布帛は、ポリエステルト
ロピカル(目付:140g/m2 )、染浴は、分散染料
3%owf、染料分散剤(アニオン性分散剤0.5g/
l)を配合し、酢酸でpH4.6〜4.8に調整し、浴
比1:30で、50℃から毎分2℃の昇温速度で130
℃まで昇温し、その温度で60分間保持して、浴中処理
した。その後、該染色浴は、60℃に降温し、洗浄、脱
水し、ハイドロサルファイトナトリウム2g/l、炭酸
ナトリウム2g/lの水溶液を用いて、浴比1:30、
80℃で10分間還元洗浄し、再度洗浄し、乾燥した。
以上の防炎加工剤の添加量、HBCDの吸尽率、防炎性
能評価結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】実施例4 実施例3で得た防炎加工布帛を、10%第4級アンモニ
ウム塩系抗菌剤を10g/l含む抗菌処理液に浸漬した
後、絞り率65%のマングルで絞り、120℃、3分間
乾燥後、ピンテンターで180℃で2分間、乾熱処理し
た。この加工布帛の防炎性能の結果を表2に示した。
【0026】
【表2】
【0027】実施例5 実施例3で得た防炎加工布帛を、20%金属酸化物系消
臭加工剤液を10g/l含む抗菌処理液に浸漬した後、
絞り率65%のマングルで絞り、120℃、3分間乾燥
後、ピンテンターで180℃で2分間、乾熱処理した。
この加工布帛の防炎性能の結果を表3に示した。
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、合成繊維および合成樹
脂製品に優れた防炎性能を付与することができる上に、
多機能性能を同時に、経済的に、かつ、効率的に付与す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 公一 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 岩城 輝文 京都市上京区新町通上立売上ル上立売町1 −10 ドルミ井上103号 (72)発明者 山藤 正紀 滋賀県大津市月輪4丁目3番7号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環族ハロゲン化合物、下記一般式
    [1]で示される分散剤ならびに下記一般式[2]で示
    される吸尽向上剤を含有することを特徴とする防炎加工
    剤。 H(AO)m OR …[1] H(AO)n OQ …[2] 式中、Rは、フェニル、ビフェニル、アリールフェニ
    ル、アルコキシフェニル、フェノキシフェニル、フェノ
    ールおよびそのアルキル化物であり、AOは、アルキレ
    ンオキサイド、Qは、Rのハロゲン置換体であり、mお
    よびnは、それぞれ1〜30の整数を示す。
  2. 【請求項2】 該脂環族ハロゲン化合物が、該防炎加工
    剤中に5〜70重量%含有されている請求項1記載の防
    炎加工剤。
  3. 【請求項3】 該一般式[1]で示される分散剤ならび
    に該一般式[2]で示される吸尽向上剤が、該脂環族ハ
    ロゲン化合物に対して、それぞれ1〜60重量%含有さ
    れている請求項1または2記載の防炎加工剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003087235A1 (fr) * 2002-04-15 2003-10-23 Zeon Corporation Vernis, article façonne, film isolant electrique, stratifie, suspension ignifuge et procede de production de particules ignifuges et de vernis

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WO2003087235A1 (fr) * 2002-04-15 2003-10-23 Zeon Corporation Vernis, article façonne, film isolant electrique, stratifie, suspension ignifuge et procede de production de particules ignifuges et de vernis
CN100339446C (zh) * 2002-04-15 2007-09-26 日本瑞翁株式会社 清漆、成型物、电绝缘膜、层压物、阻燃剂淤浆以及阻燃剂粒子和清漆的制造方法
US7332229B2 (en) 2002-04-15 2008-02-19 Zeon Corporation Varnish, shaped item, electrical insulating film, laminate, flame retardant slurry and process for producing flame retardant particles and varnish

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