JPH1160973A - 分岐状ポリマーを含有する光学用樹脂組成物 - Google Patents
分岐状ポリマーを含有する光学用樹脂組成物Info
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- JPH1160973A JPH1160973A JP9224846A JP22484697A JPH1160973A JP H1160973 A JPH1160973 A JP H1160973A JP 9224846 A JP9224846 A JP 9224846A JP 22484697 A JP22484697 A JP 22484697A JP H1160973 A JPH1160973 A JP H1160973A
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- polymer
- resin composition
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- linear
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Abstract
(57)【要約】
【課題】光学的異方性が小さい光学用樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】(A)コアとそれから伸びる直鎖状ポリマ
ーから構成され、かつ該直鎖状ポリマーの分子量が50
0〜100万である星型または櫛形の分岐状ポリマー
と、(B)直鎖状ポリマーとからなり、かつ(A)/
[(A)+(B)]の比が1〜99重量%である光学用
樹脂組成物。(A)における直鎖状ポリマーと(B)の
直鎖状ポリマーはともにポリスチレンであることが好ま
しい。
する。 【解決手段】(A)コアとそれから伸びる直鎖状ポリマ
ーから構成され、かつ該直鎖状ポリマーの分子量が50
0〜100万である星型または櫛形の分岐状ポリマー
と、(B)直鎖状ポリマーとからなり、かつ(A)/
[(A)+(B)]の比が1〜99重量%である光学用
樹脂組成物。(A)における直鎖状ポリマーと(B)の
直鎖状ポリマーはともにポリスチレンであることが好ま
しい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学用樹脂組成物に
関し、更に詳しくは、コアとそれから伸びる直鎖状ポリ
マーとからなる分岐状ポリマーを含有する、光学材料に
有用な樹脂組成物に関する。
関し、更に詳しくは、コアとそれから伸びる直鎖状ポリ
マーとからなる分岐状ポリマーを含有する、光学材料に
有用な樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】コアと、コアから外側に放射状もしくは
櫛状に伸びる直鎖状ポリマーアームとからなる熱可塑性
分岐状ポリマーは、直鎖状ポリマーと比較して溶融状態
および溶液状態の著しく異なるため注目されている。
櫛状に伸びる直鎖状ポリマーアームとからなる熱可塑性
分岐状ポリマーは、直鎖状ポリマーと比較して溶融状態
および溶液状態の著しく異なるため注目されている。
【0003】例えば高分子論文集, Vol.53,
No.2, p85 (1996)や高分子論文集,
Vol.53, No.2, p91 (1996)に
おいてはハイソリッド塗料の減粘成分として検討がなさ
れている。また特開平7−261457号公報、特開平
7−219272号公報、特開平6−019196号公
報、特開平5−150466号公報、特開平2−189
307号公報においては分岐状ポリマーをトナーのバイ
ンダー成分として用いることが開示されている。
No.2, p85 (1996)や高分子論文集,
Vol.53, No.2, p91 (1996)に
おいてはハイソリッド塗料の減粘成分として検討がなさ
れている。また特開平7−261457号公報、特開平
7−219272号公報、特開平6−019196号公
報、特開平5−150466号公報、特開平2−189
307号公報においては分岐状ポリマーをトナーのバイ
ンダー成分として用いることが開示されている。
【0004】また特開平8−169920号公報等に
は、分岐状ポリマーを樹脂の改質剤とすることが開示さ
れている。
は、分岐状ポリマーを樹脂の改質剤とすることが開示さ
れている。
【0005】これらはいずれも分岐ポリマーを添加剤あ
るいは改質剤として用いており、そのため比較的低分子
量の分岐ポリマーを用いている。
るいは改質剤として用いており、そのため比較的低分子
量の分岐ポリマーを用いている。
【0006】一方分岐状ポリマーをバルク体として用い
る報告もなされている。例えばポリスチレンに関しては
J. Am. Chem. Soc. 116, 11
85(1994)に、ポリ(ε−カプロラクトン)に関
してJ. Appl. Polym. Sci. 5
0, 1977 (1993)に報告されている。また
ナイロン−6に関してはChem. Mater.
4, 1000 (1992)に詳しく報告されてい
る。
る報告もなされている。例えばポリスチレンに関しては
J. Am. Chem. Soc. 116, 11
85(1994)に、ポリ(ε−カプロラクトン)に関
してJ. Appl. Polym. Sci. 5
0, 1977 (1993)に報告されている。また
ナイロン−6に関してはChem. Mater.
4, 1000 (1992)に詳しく報告されてい
る。
【0007】特にナイロン−6に関しては破断点伸びお
よび衝撃強度を除く機械的特性は直鎖状ポリマーと同等
であり、更にはガラス転移温度、融点に関しては直鎖状
ポリマーと全く同一であると報告されており、その他の
ポリマーに関しても同様の報告がなされている。
よび衝撃強度を除く機械的特性は直鎖状ポリマーと同等
であり、更にはガラス転移温度、融点に関しては直鎖状
ポリマーと全く同一であると報告されており、その他の
ポリマーに関しても同様の報告がなされている。
【0008】つまりこれまでの報告は直鎖状ポリマーと
同等の物性を保ちつつ、溶融粘度を低下させることによ
る成形性の向上を目的としたものであり、分岐させるこ
とにより直鎖状ポリマーに見られなかった新たな特性を
報告したものはこれまでになかった。
同等の物性を保ちつつ、溶融粘度を低下させることによ
る成形性の向上を目的としたものであり、分岐させるこ
とにより直鎖状ポリマーに見られなかった新たな特性を
報告したものはこれまでになかった。
【0009】一方光学ポリマーについてもより高い耐熱
性と光学等方性を有する材料が求められている。しかし
ながら直鎖状ポリマーは成形時の流動配向や延伸時の延
伸配向による複屈折等を生じやすいといった問題があ
る。
性と光学等方性を有する材料が求められている。しかし
ながら直鎖状ポリマーは成形時の流動配向や延伸時の延
伸配向による複屈折等を生じやすいといった問題があ
る。
【0010】したがってこれまでは特開昭61−120
816号公報、特開昭60−26024号公報、特開平
1−132625号公報、特開平1−132626号公
報等に開示されているように、光学的等方性の高い特殊
な繰り返し単位によるポリマーが光学用として検討され
ている。これらの樹脂は配向時にも複屈折が生じ難いと
いう優れた光学特性を有するが、嵩だかい繰り返し単位
のため力学物性の面で問題が大きい。
816号公報、特開昭60−26024号公報、特開平
1−132625号公報、特開平1−132626号公
報等に開示されているように、光学的等方性の高い特殊
な繰り返し単位によるポリマーが光学用として検討され
ている。これらの樹脂は配向時にも複屈折が生じ難いと
いう優れた光学特性を有するが、嵩だかい繰り返し単位
のため力学物性の面で問題が大きい。
【0011】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的は、
光学的異方性が小さい光学材料を提供することにある。
光学的異方性が小さい光学材料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、多数の直鎖状ポリ
マーの片末端がコアと一点で結合した特定の分岐状ポリ
マーを一般的な直鎖状ポリマーにブレンドした樹脂組成
物が、光学的異方性が極めて小さく、光学用途に最適で
あることを見出した。
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、多数の直鎖状ポリ
マーの片末端がコアと一点で結合した特定の分岐状ポリ
マーを一般的な直鎖状ポリマーにブレンドした樹脂組成
物が、光学的異方性が極めて小さく、光学用途に最適で
あることを見出した。
【0013】即ち本発明は、(A)コアとそれから伸び
る直鎖状ポリマーとからなり、かつ該直鎖状ポリマーの
分子量が500〜100万である星型または櫛形の分岐
状ポリマーと、(B)直鎖状ポリマーとからなり、かつ
(A)/[(A)+(B)]の比が1〜99重量%であ
る光学用樹脂組成物である。また前記直鎖状ポリマーが
ポリスチレンからなる分岐状光学ポリマーである。更に
は本発明は、上記状光学用樹脂組成物からなるフィルム
もしくはシート状成形物を包含する。
る直鎖状ポリマーとからなり、かつ該直鎖状ポリマーの
分子量が500〜100万である星型または櫛形の分岐
状ポリマーと、(B)直鎖状ポリマーとからなり、かつ
(A)/[(A)+(B)]の比が1〜99重量%であ
る光学用樹脂組成物である。また前記直鎖状ポリマーが
ポリスチレンからなる分岐状光学ポリマーである。更に
は本発明は、上記状光学用樹脂組成物からなるフィルム
もしくはシート状成形物を包含する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明における分岐状ポリマーは、(A)コアとそ
れから伸びる直鎖状ポリマーから構成され、かつ該直鎖
状ポリマーの分子量が500〜100万である星型また
は櫛形の分岐状ポリマーである。
る。本発明における分岐状ポリマーは、(A)コアとそ
れから伸びる直鎖状ポリマーから構成され、かつ該直鎖
状ポリマーの分子量が500〜100万である星型また
は櫛形の分岐状ポリマーである。
【0015】ここで星型分岐状ポリマーとは、少なくと
も3つの直鎖状ポリマーがコア分子により一点で結合し
たポリマーを指す。すなわち、コア部分と、それから伸
びる直鎖状のポリマー(ポリマーアーム)とから構成さ
れ、該ポリマーアームの一端はフリーであり、他の一方
の末端は全てコアで束縛されているという特徴を有す
る。また櫛形分岐状ポリマーとは、一本のポリマー主鎖
であるコアから多数のポリマーアームが分岐して伸びて
いるポリマーをいう。従って、いわゆるデンドリマーや
ランダム多分岐ポリマーとは厳密に区別される。
も3つの直鎖状ポリマーがコア分子により一点で結合し
たポリマーを指す。すなわち、コア部分と、それから伸
びる直鎖状のポリマー(ポリマーアーム)とから構成さ
れ、該ポリマーアームの一端はフリーであり、他の一方
の末端は全てコアで束縛されているという特徴を有す
る。また櫛形分岐状ポリマーとは、一本のポリマー主鎖
であるコアから多数のポリマーアームが分岐して伸びて
いるポリマーをいう。従って、いわゆるデンドリマーや
ランダム多分岐ポリマーとは厳密に区別される。
【0016】コアに結合している直鎖状ポリマー(ポリ
マーアーム)としては、例えばポリスチレン、ポリ(α
−メチルスチレン)等のビニル系樹脂、ポリメタクリル
酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリノルボルネン等のポリオレフィン系樹脂、
ポリ(1,3−シクロペンタジイル)等の開環メタセシ
ス水添樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリカーボネイト系樹脂、もしくはそれらの共重合体を
挙げることができる。
マーアーム)としては、例えばポリスチレン、ポリ(α
−メチルスチレン)等のビニル系樹脂、ポリメタクリル
酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリノルボルネン等のポリオレフィン系樹脂、
ポリ(1,3−シクロペンタジイル)等の開環メタセシ
ス水添樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリカーボネイト系樹脂、もしくはそれらの共重合体を
挙げることができる。
【0017】本発明におけるコアには、3つ以上の上記
直鎖状ポリマーのそれぞれの一端が結合している。この
ようなコアとしては、星型分岐状ポリマーの場合、例え
ば官能基を3つ以上持つ多官能性コア形成性化合物(を
誘導する化合物)を挙げることができ、櫛形分岐状ポリ
マーの場合には、例えば官能基を3つ以上持つ多官能性
コア形成性の直鎖状ポリマーを挙げることができる。こ
れらはポリマーアームを構成するポリマーの種類、分岐
状ポリマーの製造方法等によって適宜選ぶことができ
る。
直鎖状ポリマーのそれぞれの一端が結合している。この
ようなコアとしては、星型分岐状ポリマーの場合、例え
ば官能基を3つ以上持つ多官能性コア形成性化合物(を
誘導する化合物)を挙げることができ、櫛形分岐状ポリ
マーの場合には、例えば官能基を3つ以上持つ多官能性
コア形成性の直鎖状ポリマーを挙げることができる。こ
れらはポリマーアームを構成するポリマーの種類、分岐
状ポリマーの製造方法等によって適宜選ぶことができ
る。
【0018】例えば、星型分岐状ポリマーの場合、ポリ
マーアームとしてポリスチレンを用いる場合は、例えば
(1)通常のポリスチレンを重合するときに用いるイオ
ン重合、ラジカル重合等の開始剤、(2)直鎖状ポリス
チレンの片末端に官能基を結合し変性ポリスチレンと
し、該変性ポリスチレンと反応して結合することができ
る化合物、等をコア形成性化合物として用いることがで
きる。具体的には、例えば下記式
マーアームとしてポリスチレンを用いる場合は、例えば
(1)通常のポリスチレンを重合するときに用いるイオ
ン重合、ラジカル重合等の開始剤、(2)直鎖状ポリス
チレンの片末端に官能基を結合し変性ポリスチレンと
し、該変性ポリスチレンと反応して結合することができ
る化合物、等をコア形成性化合物として用いることがで
きる。具体的には、例えば下記式
【0019】
【化1】
【0020】で表される化合物を挙げることができる。
【0021】また、かかる多官能性コア形成性化合物と
しては、いわゆる多官能性モノマーや多官能性オリゴマ
ー(マクロモノマー)であってもよく、いわゆるデンド
リマーも含まれる。
しては、いわゆる多官能性モノマーや多官能性オリゴマ
ー(マクロモノマー)であってもよく、いわゆるデンド
リマーも含まれる。
【0022】本発明において、コアの大きさは、分子量
12〜5000程度である。
12〜5000程度である。
【0023】上記分岐状ポリマーの重合法としては一般
的な方法を用いることができるが、交換反応によるゲル
化を防止する意味から、リビング重合が好ましい。例え
ばリビングラジカル重合法、リビングアニオン重合法、
リビングカチオン重合法、リビングメタセシス重合法等
を例示することができる。
的な方法を用いることができるが、交換反応によるゲル
化を防止する意味から、リビング重合が好ましい。例え
ばリビングラジカル重合法、リビングアニオン重合法、
リビングカチオン重合法、リビングメタセシス重合法等
を例示することができる。
【0024】したがって、リビング重合が可能であると
いう見地から前記ポリマーアームとしては、好ましくは
ポリスチレン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチ
ル等のアクリル系樹脂、ポリプロピレン、ポリノルボル
ネン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(1,3−シクロ
ペンタジイル)等の開環メタセシス水添樹脂である。よ
り好ましくはビニル系樹脂およびポリオレフィン系樹脂
である。
いう見地から前記ポリマーアームとしては、好ましくは
ポリスチレン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチ
ル等のアクリル系樹脂、ポリプロピレン、ポリノルボル
ネン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(1,3−シクロ
ペンタジイル)等の開環メタセシス水添樹脂である。よ
り好ましくはビニル系樹脂およびポリオレフィン系樹脂
である。
【0025】例えばポリマーアームがポリスチレンから
なる分岐状ポリマーの場合には、開始剤として多官能性
コア形成性化合物を用い、これとスチレンモノマーとを
リビング重合反応させることにより得ることができる。
あるいは直鎖状ポリスチレンの片末端に官能基を結合し
た変性ポリスチレンを、該官能基と反応する多官能性コ
ア形成性化合物と反応させることにより得ることもでき
る。
なる分岐状ポリマーの場合には、開始剤として多官能性
コア形成性化合物を用い、これとスチレンモノマーとを
リビング重合反応させることにより得ることができる。
あるいは直鎖状ポリスチレンの片末端に官能基を結合し
た変性ポリスチレンを、該官能基と反応する多官能性コ
ア形成性化合物と反応させることにより得ることもでき
る。
【0026】上記ポリマーアームの重量平均分子量は5
00〜100万である。500より小さい場合は(A)
成分の含有量を増やした場合力学物性が不十分になる場
合があり、100万より大きい場合は溶融粘度等が増大
し成形性等に問題が生じることがある。好ましくは1万
〜100万である。
00〜100万である。500より小さい場合は(A)
成分の含有量を増やした場合力学物性が不十分になる場
合があり、100万より大きい場合は溶融粘度等が増大
し成形性等に問題が生じることがある。好ましくは1万
〜100万である。
【0027】本発明における分岐状ポリマー(A)は、
重量平均分子量が通常1500〜300万程度である。
重量平均分子量が通常1500〜300万程度である。
【0028】本発明において(B)成分は、片末端がコ
アと一点で結合した直鎖状ポリマーであり、分岐状ポリ
マー(A)のポリマーアームを構成する直鎖状ポリマー
と同一の組成からなるポリマーであることが好ましい。
(A)成分のポリマーアームと(B)成分の組成が異な
る場合、その屈折率差、相溶性からヘイズ等を生じやす
く、光学用途として好ましくない。
アと一点で結合した直鎖状ポリマーであり、分岐状ポリ
マー(A)のポリマーアームを構成する直鎖状ポリマー
と同一の組成からなるポリマーであることが好ましい。
(A)成分のポリマーアームと(B)成分の組成が異な
る場合、その屈折率差、相溶性からヘイズ等を生じやす
く、光学用途として好ましくない。
【0029】本発明の分岐状ポリマーを含有する樹脂組
成物の製造方法としては、特に制限はないが、例えば分
岐状ポリマー(A)と直鎖状ポリマー(B)とをそれぞ
れ準備しておき、それらの所定量を溶融混合または湿式
で混合する方法を挙げることができる。
成物の製造方法としては、特に制限はないが、例えば分
岐状ポリマー(A)と直鎖状ポリマー(B)とをそれぞ
れ準備しておき、それらの所定量を溶融混合または湿式
で混合する方法を挙げることができる。
【0030】本発明の樹脂組成物において、分岐状ポリ
マー(A)と直鎖状ポリマー(B)の割合は、樹脂組成
物全体における(A)が重量比で1〜99%の範囲内、
すなわち(A)/[(A)+(B)]が1〜99重量%で
あり、好ましくは10〜99重量%の範囲内である。
(A)が重量比で1%未満では、(A)の含有による樹
脂組成物の光学的等方性の効果が発現しにくい。
マー(A)と直鎖状ポリマー(B)の割合は、樹脂組成
物全体における(A)が重量比で1〜99%の範囲内、
すなわち(A)/[(A)+(B)]が1〜99重量%で
あり、好ましくは10〜99重量%の範囲内である。
(A)が重量比で1%未満では、(A)の含有による樹
脂組成物の光学的等方性の効果が発現しにくい。
【0031】本発明の分岐状ポリマー(A)を含有する
樹脂組成物は、その光学的等方性により光学用途に好ま
しく用いることができる。光学用途としては光ディスク
用基板、液晶表示用基板、タッチパネル等の光学フィル
ムもしくはシート、プラスチックレンズ、プラスチック
光ファイバー等を例示することができる。
樹脂組成物は、その光学的等方性により光学用途に好ま
しく用いることができる。光学用途としては光ディスク
用基板、液晶表示用基板、タッチパネル等の光学フィル
ムもしくはシート、プラスチックレンズ、プラスチック
光ファイバー等を例示することができる。
【0032】かかる樹脂組成物からなる成形物は延伸処
理を行った場合の位相差が小さい。これは分子配向によ
る光学的異方性の誘起が小さいことを示しており、射出
成形、押し出し成形等の流動配向が生じ易い成形法によ
る光学部品の製造に極めて有利である。この様な光学部
品としてはCD基板等の光ディスク基板等を例示するこ
とができる。
理を行った場合の位相差が小さい。これは分子配向によ
る光学的異方性の誘起が小さいことを示しており、射出
成形、押し出し成形等の流動配向が生じ易い成形法によ
る光学部品の製造に極めて有利である。この様な光学部
品としてはCD基板等の光ディスク基板等を例示するこ
とができる。
【0033】また応力歪み等による配向の影響も少ない
ため、液晶表示素子用基板材料、タッチパネル用フィル
ム等にも好ましく用いることができる。
ため、液晶表示素子用基板材料、タッチパネル用フィル
ム等にも好ましく用いることができる。
【0034】フィルム状もしくはシート状に成型する方
法としては溶融押し出し法、溶媒キャスト法により成形
できる。さらにはそれらのフィルムもしくはシートを延
伸することにより成形することができる。得られたフィ
ルム状もしくはシート状成形体の厚さとしては通常0.
001〜10mmである。
法としては溶融押し出し法、溶媒キャスト法により成形
できる。さらにはそれらのフィルムもしくはシートを延
伸することにより成形することができる。得られたフィ
ルム状もしくはシート状成形体の厚さとしては通常0.
001〜10mmである。
【0035】
【発明の効果】本発明の光学用樹脂組成物は、分岐状ポ
リマー成分である(A)成分を含有しない直鎖状ポリマ
ーのみからなる場合と比較して、極めて優れた光学的等
方性を有するため、光学用途に有効に用いることができ
る。
リマー成分である(A)成分を含有しない直鎖状ポリマ
ーのみからなる場合と比較して、極めて優れた光学的等
方性を有するため、光学用途に有効に用いることができ
る。
【0036】特に延伸フィルム、流延フィルム等のフィ
ルムやシート状成形体としたときにその効果が大きい。
ルムやシート状成形体としたときにその効果が大きい。
【0037】また本発明の分岐状光学用ポリマーは分子
配向が光学特性に与える影響が極めて小さいため、光学
等方性が極めて高く、光ディスク基板等射出成形による
光学材料として好ましく使用することができる。
配向が光学特性に与える影響が極めて小さいため、光学
等方性が極めて高く、光ディスク基板等射出成形による
光学材料として好ましく使用することができる。
【0038】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。分子量測
定、熱分析、光学的当方性の評価は以下の方法で行っ
た。
が、本発明はこれに限定されるものではない。分子量測
定、熱分析、光学的当方性の評価は以下の方法で行っ
た。
【0039】(1)重量平均分子量(Mw)測定 分子量測定は、ワイアットテクノロジー製 DAWN
DSP−Fを用いて光散乱法で測定した。
DSP−Fを用いて光散乱法で測定した。
【0040】(2)ポリマーアームの重量平均分子量
(Mw)測定 分岐状ポリマー2重量部を水10重量部、テトラヒドロ
フラン(THF)40重量部に溶解し、水酸化カリウム
2重量部を加えて10時間還流した後、水で再沈殿し洗
浄後乾燥した。重量平均分子量測定は(1)と同様に、
ワイアットテクノロジー製 DAWNDSP−Fを用い
て光散乱法で測定した。
(Mw)測定 分岐状ポリマー2重量部を水10重量部、テトラヒドロ
フラン(THF)40重量部に溶解し、水酸化カリウム
2重量部を加えて10時間還流した後、水で再沈殿し洗
浄後乾燥した。重量平均分子量測定は(1)と同様に、
ワイアットテクノロジー製 DAWNDSP−Fを用い
て光散乱法で測定した。
【0041】(3)光学異方性の評価 各サンプルを日本分光(株)製M−150型エリプソメ
ータを用いて400nmの波長(wavelengt
h)範囲で位相差(retardation)測定を行
い、フィルムの厚さを100μmに換算した値で比較し
た。
ータを用いて400nmの波長(wavelengt
h)範囲で位相差(retardation)測定を行
い、フィルムの厚さを100μmに換算した値で比較し
た。
【0042】[合成例]Angew. Chem. I
nt. Ed. Engl. 34 (13/14)
1456 (1995) の方法に従い、多官能性コア
形成性化合物として下記式
nt. Ed. Engl. 34 (13/14)
1456 (1995) の方法に従い、多官能性コア
形成性化合物として下記式
【0043】
【化2】
【0044】で表される開始剤0.3重量部、およびス
チレンモノマー220重量部を窒素ガス気流下、130
℃で100時間重合した。反応液をTHFで希釈した
後、メタノールで再沈殿して目的の3分岐ポリスチレン
を得た。このポリマーの分子量測定およびポリマーアー
ム部の分子量測定を行ない3分岐ポリマーであることを
確認した。その結果を表1に示す。
チレンモノマー220重量部を窒素ガス気流下、130
℃で100時間重合した。反応液をTHFで希釈した
後、メタノールで再沈殿して目的の3分岐ポリスチレン
を得た。このポリマーの分子量測定およびポリマーアー
ム部の分子量測定を行ない3分岐ポリマーであることを
確認した。その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】[実施例1]上記合成例で得られた3分岐
ポリスチレン1部と市販の直鎖状ポリスチレン(電気化
学工業(株)製 デンカスチロール)9部をTHF45
部に溶解し、ドクターブレードを用いて厚さ110μm
のキャストフィルムを作成した。このフィルムを103
℃で1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定
を行った。結果を表2に示す。
ポリスチレン1部と市販の直鎖状ポリスチレン(電気化
学工業(株)製 デンカスチロール)9部をTHF45
部に溶解し、ドクターブレードを用いて厚さ110μm
のキャストフィルムを作成した。このフィルムを103
℃で1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定
を行った。結果を表2に示す。
【0047】[実施例2]上記合成例で得られた3分岐
ポリスチレン3部と市販の直鎖状ポリスチレン(電気化
学工業(株)製 デンカスチロール)7部をTHF45
部に溶解し、ドクターブレードを用いて厚さ94μmの
キャストフィルムを作成した。このフィルムを105℃
で1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定を
行った。結果を表2に示す。
ポリスチレン3部と市販の直鎖状ポリスチレン(電気化
学工業(株)製 デンカスチロール)7部をTHF45
部に溶解し、ドクターブレードを用いて厚さ94μmの
キャストフィルムを作成した。このフィルムを105℃
で1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定を
行った。結果を表2に示す。
【0048】[実施例3]上記合成例で得られた3分岐
ポリスチレン5部と市販の直鎖状ポリスチレン(電気化
学工業(株)製 デンカスチロール)5部をTHF45
部に溶解し、ドクターブレードを用いて厚さ78μmの
キャストフィルムを作成した。このフィルムを107℃
で1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定を
行った。結果を表2に示す。
ポリスチレン5部と市販の直鎖状ポリスチレン(電気化
学工業(株)製 デンカスチロール)5部をTHF45
部に溶解し、ドクターブレードを用いて厚さ78μmの
キャストフィルムを作成した。このフィルムを107℃
で1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定を
行った。結果を表2に示す。
【0049】[実施例4]上記合成例で得られた3分岐
ポリスチレン7部と市販の直鎖状ポリスチレン(電気化
学工業(株)製 デンカスチロール)3部をTHF45
部に溶解し、ドクターブレードを用いて厚さ77μmの
キャストフィルムを作成した。このフィルムを109℃
で1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定を
行った。結果を表2に示す。
ポリスチレン7部と市販の直鎖状ポリスチレン(電気化
学工業(株)製 デンカスチロール)3部をTHF45
部に溶解し、ドクターブレードを用いて厚さ77μmの
キャストフィルムを作成した。このフィルムを109℃
で1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定を
行った。結果を表2に示す。
【0050】[実施例5]上記合成例で得られた3分岐
ポリスチレン9部と市販の直鎖状ポリスチレン(電気化
学工業(株)製 デンカスチロール)1部をTHF45
部に溶解し、ドクターブレードを用いて厚さ73μmの
キャストフィルムを作成した。このフィルムを111℃
で1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定を
行った。結果を表2に示す。
ポリスチレン9部と市販の直鎖状ポリスチレン(電気化
学工業(株)製 デンカスチロール)1部をTHF45
部に溶解し、ドクターブレードを用いて厚さ73μmの
キャストフィルムを作成した。このフィルムを111℃
で1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定を
行った。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】[比較例]市販の直鎖状ポリスチレン(電
気化学工業(株)製 デンカスチロール)を比較例とし
た。このポリマーを塩化メチレンに溶解して20重量%
溶液とし、ドクターブレードを用いて厚さ67μmのキ
ャストフィルムを作成した。このフィルムを102℃で
1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定を行
った。結果を表2に併記した。以上のように、本発明の
分岐状ポリマーを含む樹脂組成物は、該分岐状ポリマー
のポリマーアームを構成する直鎖状のポリマーに比べて
光弾性定数が小さく(好ましくは150以下)、光学等
方性の要求される光学用途に特に有用である。
気化学工業(株)製 デンカスチロール)を比較例とし
た。このポリマーを塩化メチレンに溶解して20重量%
溶液とし、ドクターブレードを用いて厚さ67μmのキ
ャストフィルムを作成した。このフィルムを102℃で
1.7倍に一軸延伸し、このフィルムの位相差測定を行
った。結果を表2に併記した。以上のように、本発明の
分岐状ポリマーを含む樹脂組成物は、該分岐状ポリマー
のポリマーアームを構成する直鎖状のポリマーに比べて
光弾性定数が小さく(好ましくは150以下)、光学等
方性の要求される光学用途に特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 7/24 526 G11B 7/24 526N
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)コアとそれから伸びる直鎖状ポリ
マーから構成され、かつ該直鎖状ポリマーの分子量が5
00〜100万である星型または櫛形の分岐状ポリマー
と、(B)直鎖状ポリマーとからなり、かつ(A)/
[(A)+(B)]の比が1〜99重量%である光学用
樹脂組成物。 - 【請求項2】 (B)が、(A)における直鎖状ポリマ
ーと同一のポリマーからなる請求項1記載の光学用樹脂
組成物。 - 【請求項3】 直鎖状ポリマーがポリスチレンである請
求項2記載の光学用樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の光学用
樹脂組成物からなるフィルムまたはシート状成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9224846A JPH1160973A (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 分岐状ポリマーを含有する光学用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9224846A JPH1160973A (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 分岐状ポリマーを含有する光学用樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1160973A true JPH1160973A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16820091
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9224846A Pending JPH1160973A (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 分岐状ポリマーを含有する光学用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1160973A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003529658A (ja) * | 2000-03-30 | 2003-10-07 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 熱可塑性樹脂用の加工助剤及び表面改質剤としてのデンドリマーの使用 |
US20150118624A1 (en) * | 2013-10-24 | 2015-04-30 | Az Electronic Materials (Luxembourg) S.A.R.L. | Composition for forming resist underlayer |
-
1997
- 1997-08-21 JP JP9224846A patent/JPH1160973A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003529658A (ja) * | 2000-03-30 | 2003-10-07 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 熱可塑性樹脂用の加工助剤及び表面改質剤としてのデンドリマーの使用 |
US20150118624A1 (en) * | 2013-10-24 | 2015-04-30 | Az Electronic Materials (Luxembourg) S.A.R.L. | Composition for forming resist underlayer |
US9328198B2 (en) * | 2013-10-24 | 2016-05-03 | Az Electronic Materials (Luxembourg) S.A.R.L. | Composition for forming resist underlayer |
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