JPH1160672A - 硬質ポリウレタンフォーム - Google Patents

硬質ポリウレタンフォーム

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JPH1160672A
JPH1160672A JP9217773A JP21777397A JPH1160672A JP H1160672 A JPH1160672 A JP H1160672A JP 9217773 A JP9217773 A JP 9217773A JP 21777397 A JP21777397 A JP 21777397A JP H1160672 A JPH1160672 A JP H1160672A
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polyol
aromatic
compound
polyurethane foam
rigid polyurethane
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Akira Koshiro
暁 小城
純司 ▲廣瀬▼
Junji Hirose
Tsugio Watanabe
二夫 渡邊
Atsushi Inoue
敦之 井上
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の芳香族系ポリオール化合物を使用する
場合よりもポリオール成分中の、ひいては硬質ポリウレ
タンフォーム中の芳香環の濃度を高くすることが可能で
あり、その結果、難燃性、耐熱性が改良された硬質ポリ
ウレタンフォームであって、建築用途に要求されるレベ
ルの難燃性を達成することが可能な硬質ポリウレタンフ
ォームを提供する。 【解決手段】 芳香族系ポリカルボン酸、フェノキシア
ルコール化合物及び多価アルコール化合物が縮合した構
造を有する芳香族多官能ポリオール化合物をポリオール
成分の少なくとも1成分として使用した硬質ポリウレタ
ンフォームとする。有機金属錯体を配合することも好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性、耐熱性に優
れた硬質ポリウレタンフォームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】硬質ポリウレタンフォームは断熱材、構
造材として建築用途、冷蔵庫等の家電製品、自動車等に
広く使用されており、建築現場においていわゆる現場発
泡法による方法、また生産工場においてライン発泡装置
等による方法などによって製造される。硬質ポリウレタ
ンフォームには上述の用途、製造方法等に基づき次のよ
うな特性が要求される。 (1)製品たる硬質ポリウレタンフォームは難燃性、耐
熱性を有すること。 (2)硬質ポリウレタンフォームの原料は製造設備の能
力に応じた液粘度等の特性を有したものであること。
【0003】硬質ポリウレタンフォームに難燃性、耐熱
性を付与する方法としては、有機リン酸エステル、ハロ
ゲン化合物、酸化アンチモン等の難燃剤と称される化合
物の添加等が周知であり、原料のポリイソシアネート化
合物に有機金属錯体の水和物を添加する方法も提案され
ている(特開平7−165871号公報)。
【0004】ところが上記の難燃剤の添加によるのみで
は、製造時の発泡特性や得られる硬質フォームの特性へ
の影響、製造設備の能力等によりその添加量には限度が
ある。一方、ポリウレタン骨格自体に耐熱性、難燃性を
付与する方法として芳香族系のポリオールを使用し、ポ
リウレタン樹脂に芳香環を導入する方法が知られてお
り、難燃剤と併用することも検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の芳香族
系ポリオール化合物は、これを使用して製造した硬質ポ
リウレタンフォーム中の芳香環濃度を高くして建材用途
に要求されるレベルの難燃性を達成することはできな
い。また従来の芳香族ポリオール化合物の製造方法を利
用してさらに芳香環濃度を高くしようとすると得られる
ポリオール化合物の粘度が高くなりすぎて上述の要求特
性の(2)に反する結果となって従来の生産設備ではフ
ォームを製造することができなくなる。
【0006】本発明の目的は、従来の芳香族系ポリオー
ル化合物を使用する場合よりもポリオール成分中の、ひ
いては硬質ポリウレタンフォーム中の芳香環の濃度を原
料ポリオールの液粘度を上昇させることなく高くするこ
とが可能であり、その結果、従来の生産設備を使用して
可能であって、かつ難燃性、耐熱性が改良され、建築用
途に要求されるレベルの難燃性を達成することが可能な
硬質ポリウレタンフォームを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族系ポリ
カルボン酸、フェノキシアルコール化合物及び多価アル
コール化合物が縮合した構造を有する芳香族多官能ポリ
オール化合物をポリオール成分の少なくとも1成分とし
て使用した硬質ポリウレタンフォームに関するものであ
る。
【0008】本発明の最も大きな特徴は、原料のポリオ
ール成分の少なくとも一部として芳香族系ポリカルボン
酸、フェノキシアルコール化合物及び多価アルコール化
合物が縮合した構造を有する芳香族多官能ポリオール化
合物を使用する点に有り、かかる芳香族多官能ポリオー
ル化合物は芳香環の濃度を高くすることが可能である。
その結果、従来の製造設備を使用して建築分野において
要求される難燃性を満足する硬質ポリウレタンフォーム
が得られる。
【0009】フェノキシアルコール類を使用することに
より得られる芳香族多官能ポリオール化合物が高い芳香
環濃度を有し、高い難燃性を有する硬質ポリウレタンフ
ォームが得られ、かつ液粘度を従来のポリウレタン製造
装置が使用可能なレベルの低粘度に抑制することができ
るのは、水酸基の一部を芳香環を有するモノアルコール
であるフェノキシアルコール化合物を使用してキャップ
される構造となり、分子中の芳香環濃度が高くできると
同時に水酸基に基づく水素結合を減少させることが重要
な要因であると考えられる。
【0010】芳香族系ポリカルボン酸、フェノキシアル
コール化合物及び多価アルコール化合物が縮合した構造
とは、フェノキシアルコール類と多価アルコールの有す
る水酸基がカルボキシル基と縮合してエステル結合によ
り結合され、分子全体としては多価アルコールの他の末
端の水酸基に由来する水酸基を備えた化学構造であるこ
とを意味するものである。
【0011】なおポリウレタンフォームは狭義にはポリ
ウレタン分子がウレタン結合のみで形成されているもの
であるが、本発明にいうポリウレタンフォームはウレタ
ン結合の他にウレア結合、イソシアヌレート結合、ビュ
レット結合等も含めた2種以上の結合により高分子骨格
が形成されている広義のポリウレタンフォームを意味す
るものである。
【0012】本発明の硬質ポリウレタンフォームは、さ
らに有機金属錯体をポリオール成分100重量部に対し
て0.1〜20重量部添加されたものであることが好ま
しい。
【0013】本発明の硬質ポリウレタンフォームはポリ
ウレタン樹脂骨格だけでも、高い芳香環濃度を実現する
ことができ、この高い芳香環濃度とイソシアヌレート骨
格の導入よって従来にない難燃性を付与することができ
るが、有機金属錯体は難燃性をより一層向上する作用を
有する。0.1重量部未満では難燃性が十分発揮されな
い場合が有り、20重量部を越えた添加量では液粘度が
上昇してフォームの製造が困難になる場合が生じる。
【0014】本発明における前記芳香族多官能ポリオー
ル化合物は、前記フェノキシアルコールを反応混合物中
に1〜60重量%使用して縮合させて得られたものであ
ることが好ましい。
【0015】1重量%未満では水酸基のキャップの程度
が低く、また芳香環濃度がそれほど高くならないため、
目的とする効果が十分得られない。また60重量%を越
えると難燃性の改善効果が頭打ちとなる一方でキャップ
の程度が高くなる結果、得られる硬質ポリウレタンフォ
ームの物理的特性に悪影響が認められる場合が生じる。
原料の種類によらずバランスがよく、安定したフォーム
が得られるのは10〜30重量%の範囲である。
【0016】本発明の硬質ポリウレタンフォームにおい
ては、前記芳香族多官能ポリオール化合物がポリオール
成分中40〜95重量%含まれていることが好適であ
る。
【0017】40重量%未満では難燃性が十分改善され
ず、95重量%を越えると難燃性の改善効果が頭打ちと
なる一方で得られる硬質ポリウレタンフォームの物理的
特性に悪影響が認められる場合がある。
【0018】本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造
に際しては、発泡剤として水を使用したものであること
が好ましい。本発明の硬質ポリウレタンフォームの発泡
剤としては、従来から知られているフロン系発泡剤やハ
ロゲン化炭化水素系の発泡剤を使用することは可能であ
るが、環境への影響を考慮すると水発泡が最も好まし
く、本発明の特徴である芳香族多官能ポリオール化合物
を使用すると水発泡の場合でも優れた難燃性、耐熱性を
有する硬質ポリウレタンフォームが得られる。特に従来
の芳香族ポリオールを使用した場合、水発泡により製造
した硬質ポリウレタンフォームは難燃性が満足できるも
のでないが、本発明により得られるフォームは難燃性並
びに物理特性が優れたものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に使用する芳香族多官能ポ
リオール化合物は上述のように芳香族系ポリカルボン
酸、フェノキシアルコール化合物及び多価アルコール化
合物を縮合させる反応、または芳香族ポリカルボン酸エ
ステルとフェノキシアルコール化合物及び多価アルコー
ル化合物のエステル交換反応等により合成される。
【0020】本発明において使用する芳香族ポリカルボ
ン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレン1,
4−ジカルボン酸等が例示できる。これらの芳香族ポリ
カルボン酸は単独で使用してもよく、2種以上を併用し
てもよい。なお上記の芳香族ポリカルボン酸に加えて脂
肪族ポリカルボン酸を一部併用することも可能である。
【0021】本発明において使用するフェノキシアルコ
ール化合物とはフェノキシ基もしくは置換フェノキシ基
を有するモノアルコールの総称であり、フェノキシ基を
有するモノアルコールとしてはエチレングリコールモノ
フェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニル
エーテル、ポリオキシエチレングリコールモノフェニル
エーテル、ポリオキシプロピレングリコールモノフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレングリコー
ルモノフェニルエーテル等が例示できる。
【0022】また、置換フェノキシ基としては芳香環に
アルキル置換基を有するフェノキシ基が好適であり、か
かる置換基としては具体的にメチル基、エチル基、n−
もしくはi−プロピル基、オクチル基、ノニル基等が例
示でき、置換フェノキシ基を有するモノアルコールとし
てはエチレングリコールノニルフェニルエーテル、プロ
ピレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリオキ
シプロピレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレン−プロピレングリコールノニルフェニル
エーテル等が例示できる。以上のフェノキシアルコール
化合物は単独で使用され或いは2種以上が併用される。
【0023】上記フェノキシアルコール化合物と共に芳
香族ポリカルボン酸と反応させる多価アルコール化合物
としてはポリウレタンの合成において一般的に使用され
る2官能以上の多価アルコール化合物を使用することが
でき、具体的な化合物の例としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、
1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコールやテトラエチレングリコール等の
分子量が1000程度までのポリエチレングリコール
類、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル等のポリプロピレングリコール類、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン等が例示でき、これらは単独で使用
され或いは2種以上が併用される。
【0024】本発明の芳香族多官能ポリオール化合物は
これらの酸をフェノキシアルコール化合物及び多価アル
コールと脱水縮合することにより製造する。また、上記
の芳香族ポリカルボン酸のエタノール等の低級アルコー
ルエステルを使用して脱アルコール縮合によることも可
能であり、上記の芳香族ポリカルボン酸の酸無水物を原
料として使用してエステル結合を形成する反応を併用す
ることも可能である。
【0025】また芳香族多官能ポリオール化合物は上記
の芳香族ポリカルボン酸を成分とするポリエステル化合
物を原料として使用し、エステル交換反応を利用して合
成することも可能である。具体的にはポリエチレンテレ
フタレートを主成分とするポリエステル繊維やフィル
ム、PETボトル等を好ましくは粉砕し、上述のフェノ
キシアルコール化合物及び多価アルコール化合物と混合
してエステル交換反応させる方法等が例示できる。
【0026】本発明の芳香族多官能ポリオール化合物の
製造に際しては、周知のエステル化反応促進触媒、例え
ばナトリウムアルコラート等の塩基性化合物、アルキル
チタネート類や有機錫化合物のような金属系触媒、p−
トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸のようなプロトン酸触
媒、塩化アルミニウムや三フッ化ホウ素のようなルイス
酸触媒、その他活性白土、酸性イオン交換樹脂等が使用
可能である。
【0027】本発明の芳香族多官能ポリオール化合物は
水酸基価は、使用する芳香族ポリカルボン酸の種類、多
価アルコールの種類、カルボキシル基と水酸基の当量比
等を選択することによって任意に設定可能であるが、硬
質ポリウレタンフォームの特性を考慮すると50〜50
0(mgKOH/g)であることが好ましい。なお、酸
価、水分率はいずれも低い方が好ましく、酸価は4(m
gKOH/g)以下、水分率は0.1重量%以下である
ことが好ましい。
【0028】本発明の硬質ポリウレタンフォームは上述
の芳香族多官能ポリオール化合物をポリオール成分の必
須成分とし、必要に応じて他のポリオール化合物を混合
し、ポリイソシアネート化合物と反応させることにより
製造される。
【0029】ポリイソシアネート化合物としては、ポリ
ウレタンの技術分野において周知のポリイソシアネート
化合物は全て使用可能であり、芳香族ポリイソシアネー
ト化合物、脂肪族並びに脂環族ポリイソシアネートに分
類されるものが例示できるが、コスト的要請、硬質ポリ
ウレタンフォームの物理的特性、難燃性の観点より芳香
族ポリイソシアネート化合物の使用が好適である。
【0030】芳香族ポリイソシアネート化合物としては
具体的に以下のものが例示され、単独で使用され、或い
は2種以上が併用される。4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネー
ト、2,6−トルエンジイソシアネート、ナフタレンジ
イソシアネート、クルードMDI(c−MDI)(44
V−10,44V−20等(バイエル社製)等)、ウレ
トンイミン含有MDI(液状MDI)(アイソネート1
43L)(ダウケミカル社製)、カルボジイミド含有M
DI(ミリオネートMTL;日本ポリウレタン工業製)
等。
【0031】芳香族多官能ポリオール化合物と併用され
るポリオール化合物としては従来の硬質ポリウレタンフ
ォームの原料として使用されるものは特に限定されるこ
となく使用可能であり、ポリエステルポリオール、ポリ
エーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等に
分類されるものがある。
【0032】ポリエステルポリオールとしては、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族もしくは脂環族ポ
リカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカ
ルボン酸や本発明の芳香族多官能ポリオール化合物の原
料として例示したポリカルボン酸の1種以上と、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタン
ジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリ
コール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価
アルコールの1種以上を縮重合させて得られるもの、ラ
クトン類の開環重合により得られるものが例示できる。
【0033】上記のポリエステルポリオールの中で芳香
族ポリカルボン酸を使用したものは従来技術による芳香
族ポリオールであるが、本発明の目的とする効果を損な
わない範囲で使用することができる。
【0034】ポリエーテルポリオールとしては、水や上
記のポリエステルポリオールの合成に使用する多価アル
コールに加えてシュークロース、ペンタエリスルトール
等の4官能以上の多価アルコール類の他、ビスフェノー
ル−A等のフェノール類、又は第1級、第2級アミン類
にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセ
タン、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加
重合させて得られるものが使用でき、ポリオキシエチレ
ンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリ
オキシテトラメチレンポリオール、ビスフェノールAに
プロピレンオキサイド又はエチレンオキサイドの少なく
とも一方を開環付加重合させたもの(共重合体の場合
は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでも
よい。)等が例示できる。
【0035】ポリオールとしては、これ以外にも、ポリ
ブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポ
リオレフィンポリオール、ポリアクリル酸エステル系ポ
リオール等も使用可能である。
【0036】本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造
に際しては、当業者に周知の触媒、難燃剤、発泡剤、着
色剤、酸化防止剤等が使用可能である。
【0037】触媒としては、トリエチレンジアミン、N
−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−ヘキサメチ
ルエチレンジアミン、DBU等の第3級アミン類、ジブ
チル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、オクチ
ル酸錫等の金属系触媒がウレタン化反応触媒として例示
され、特に第3級アミン触媒と錫系触媒の組み合わせが
好適である。
【0038】特にポリウレタン分子の構造において難燃
性向上に寄与するイソシアヌレート結合を形成する触媒
としては酢酸カリウム、オクチル酸カリウムが例示で
き、上述の第3級アミン触媒の中にもイソシアヌレート
環形成反応をも促進するものがある。イソシアヌレート
結合生成を促進する触媒とウレタン結合生成を促進する
触媒を併用してもかまわない。
【0039】本発明において好適な難燃剤である有機金
属錯体としてはフェロセン、ニッケロセン等のメタロセ
ン類、鉄アセチルアセトネート等の金属アセチルアセト
ネート類、ビス(8−オキシキノリン)銅等の8−オキ
シキノリン金属錯体類、ビス(ジメチルグリオキシモ)
銅等のジメチルグリオキシム金属錯体類等が好適な化合
物として例示でき、単独でまたは2種以上を併用するこ
とが可能である。
【0040】上述の有機金属錯体の他に、ポリウレタン
に使用される周知の難燃剤を添加して使用することが可
能であり、ハロゲン含有化合物、有機リン酸エステル
類、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の金属化
合物が例示される。ただし、これらの化合物は、例えば
有機リン酸エステルは過剰に添加すると得られる硬質ポ
リウレタンフォームの物理的特性が低下することが有
り、また三酸化アンチモン等の金属化合物粉末を過剰に
添加するとフォームの発泡挙動に影響が表れるなどの問
題を生じる場合が有り、その添加量はかかる問題を生じ
ない範囲に制限される。
【0041】本発明の硬質ポリウレタンフォームの発泡
剤としてはポリウレタン用の発泡剤として周知の発泡剤
はいずれも使用可能であり、CFC−141b等のフロ
ン系発泡剤、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素、水
等が例示されいずれも単独で使用することができる。前
述のように水が最も好ましい発泡剤であるが、他の発泡
剤を併用することも可能である。
【0042】本発明の硬質ポリウレタンフォームには、
必要に応じて可塑剤を使用することが好適である。かか
る可塑剤も難燃性に寄与するものであることが好まし
く、リン酸のハロゲン化アルキルエステル、アルキルリ
ン酸エステルやアリールリン酸エステル、ホスホン酸エ
ステル等が使用可能であり、具体的にはトリス(クロロ
エチル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)
ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリエチルホ
スフェート、クレジルフェニルホスフェート、ジメチル
メチルホスホネート等が例示でき、これらの1種以上が
使用可能である。可塑剤の添加量はポリオール成分10
0重量部に対して5〜30重量部であることが好まし
い。この範囲を越えると可塑化効果が十分に得られなか
ったり、フォームの物理特性が低下するなどの問題が生
じる場合が発生する。
【0043】本発明の硬質ポリウレタンフォームは一般
的に周知のポリウレタン発泡成形装置により用途に応じ
た形状に成形される。例えば、製造工場においては混合
発泡装置を使用したスラブフォーム製造装置や各種の面
材を供給しつつ発泡するラミネートボード製造装置によ
り製造され、建築現場等においてはスプレー発泡装置に
より製造され、電気冷蔵庫の断熱材としての硬質ポリウ
レタンフォームについては射出成形装置等により製造さ
れる。
【0044】
〔芳香族多官能ポリオール化合物の合成例〕
(合成例1)ジムロート冷却器を備えた1リットル容量
の4つ口フラスコにジエチレングリコールモノフェニル
エーテル212g、ジエチレングリコール344g、及
びイソフタル酸360gと触媒1.1gを充填し、混合
物を攪拌しながら窒素気流下で220〜230℃にて3
〜4時間加熱脱水縮合反応を行い、芳香族多官能ポリオ
ール化合物を得た。このポリオール化合物は水酸基価2
45(mgKOH/g)、粘度2900cps(25
℃)であった。このポリオール化合物を芳香族ポリオー
ルAとする。
【0045】(合成例2)合成例1に記載したのと同様
の方法により、ジエチレングリコールモノフェニルエー
テル212g、ジエチレングリコール344g、及びテ
レフタル酸360g、触媒1.1gを混合して脱水縮合
反応を行い、芳香族多官能ポリオール化合物を得た。こ
のポリオール化合物は水酸基価242(mgKOH/
g)、粘度2350cps(25℃)であった。このポ
リオール化合物を芳香族ポリオールBとする。
【0046】上記2つの合成例において、初期反応混合
物中のジエチレングリコールモノフェニルエーテルの濃
度はいずれも23.1重量%であった。
【0047】〔硬質ポリウレタンフォーム製造例〕実施
例1〜17の硬質ポリウレタンフォームは表1及び表2
の上段に記載の配合に基づき、また比較例1〜6につい
ては表3の上段に記載した配合に基づき、それぞれサン
プルを作成した。反応におけるイソシアネート基(NC
O)/水酸基(OH)の当量比は実施例6、7について
は8.0、その他の実施例については4.0に設定さ
れ、イソシアヌレート結合が生成するような条件であ
る。また、NCO/H2 O比はすべて1.0に設定され
ている。使用した原料は以下の通りである。 ポリオールC:テレフタル酸系ポリオール、芳香環濃度
29wt%、水酸基価240(mgKOH/g)、粘度
4000(cps) ポリオールD:フタル酸系ポリオール、芳香環濃度19
wt%、水酸基価210、粘度1200 ポリオールE:シュークロス系ポリオール、水酸基価4
50、粘度6000 ポリオールF:フタル酸系ポリオール、芳香環濃度25
wt%、水酸基価260、粘度6000 可塑剤A:トリブチルホスフェート(大八化学工業
(株)製) 可塑剤B:トリエチルホスフェート(大八化学工業
(株)製) 難燃剤A:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート
(大八化学工業(株)製) 難燃剤B:トリス(クロロエチル)ホスフェート(大八
化学工業(株)製) 整泡剤:L−5340(ユニオンカーバイド社製) 触媒:オクチル酸カリウム イソシアネート成分(P成分):クルードMDI(c−
MDI)、イソシアネート基濃度31.3wt%
【0048】R成分として記載の成分を秤量・急速混合
し、この混合液にさらにP成分として記載のc−MDI
を投入して急速混合し、直ちに縦200mm、横200
mm、深さ150mmのモールドに注入し、自由発泡さ
せて硬質ポリウレタンフォームサンプルを作成した。
【0049】〔評価〕 (密度)上記の〔硬質ポリウレタンフォーム製造例〕に
おいて得られた硬質ポリウレタンフォームサンプルより
表皮部分を除いて10cm×10cm×10cmの立方
体カットサンプルを切り出し、その重量を測定し、カッ
トサンプルの寸法をノギスにより正確に測定して体積を
求め、重量と体積より密度を算出した。
【0050】(発煙量)難燃性の評価の基準である発煙
量の測定は、ASTM−E662 に準拠して行った。
【0051】(加熱減量)上記の発煙量測定のサンプル
について、以下の式により加熱減量(wt%)を求め
た。
【0052】
【数1】
【0053】〔評価結果〕評価結果は表1〜表3の下段
にまとめて示した。これらの表から、本発明の硬質ポリ
ウレタンフォームは発煙量は15以下であって、8程度
を示すものがあるのに対し、比較例のフォームサンプル
は18以下になるものはない。また加熱減量に関しては
比較例では40以下になるものがないのに対し、実施例
のサンプルはいずれも40以下である。このように本発
明の硬質ポリウレタンフォームは従来の芳香族ポリオー
ルを使用したものよりも優れた耐熱性を示すことが明ら
かである。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 101:00) C08L 75:04 (72)発明者 井上 敦之 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族系ポリカルボン酸、フェノキシア
    ルコール化合物及び多価アルコール化合物が縮合した構
    造を有する芳香族多官能ポリオール化合物をポリオール
    成分の少なくとも1成分として使用した硬質ポリウレタ
    ンフォーム。
  2. 【請求項2】 さらに有機金属錯体をポリオール成分1
    00重量部に対して0.1〜20重量部添加したことを
    特徴とする請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォー
    ム。
  3. 【請求項3】 前記芳香族多官能ポリオール化合物は、
    前記フェノキシアルコール化合物を反応混合物中に1〜
    60重量%使用して縮合させて得られたものである請求
    項1又は2に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
  4. 【請求項4】 発泡剤として水を使用したものである請
    求項1〜3のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォー
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103214645A (zh) * 2013-04-25 2013-07-24 无锡市新鑫聚氨酯有限公司 一种聚氨酯泡沫的制备方法
JP2014532098A (ja) * 2011-09-29 2014-12-04 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリウレタンフォームにおける煙抑制剤としてのリン酸トリアルキルの使用

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CN103214645A (zh) * 2013-04-25 2013-07-24 无锡市新鑫聚氨酯有限公司 一种聚氨酯泡沫的制备方法
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