JP3922767B2 - 硬質ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は難燃性、耐熱性に優れた硬質ポリウレタンフォームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
硬質ポリウレタンフォームは断熱材、構造材として建築用途、冷蔵庫等の家電製品、自動車等に広く使用されており、建築現場においていわゆる現場発泡法による方法、また生産工場においてライン発泡装置等による方法などによって製造される。硬質ポリウレタンフォームには上述の用途、製造方法等に基づき次のような特性が要求される。
(1)製品たる硬質ポリウレタンフォームは難燃性、耐熱性を有すること。
(2)硬質ポリウレタンフォームの原料は製造設備の能力に応じた液粘度等の特性を有したものであること。
【0003】
硬質ポリウレタンフォームに難燃性、耐熱性を付与する方法としては、有機リン酸エステル、ハロゲン化合物、酸化アンチモン等の難燃剤と称される化合物の添加等が周知であり、原料のポリイソシアネート化合物に有機金属錯体の水和物を添加する方法も提案されている(特開平7−165871号公報)。
【0004】
ところが上記の難燃剤の添加によるのみでは、製造時の発泡特性や得られる硬質フォームの特性への影響、製造設備の能力等によりその添加量には限度がある。一方、ポリウレタン骨格自体に耐熱性、難燃性を付与する方法として芳香族系のポリオールを使用し、ポリウレタン樹脂に芳香環を導入する方法が知られており、難燃剤と併用することも検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の芳香族系ポリオール化合物は、これを使用して製造した硬質ポリウレタンフォーム中の芳香環濃度を高くして建材用途に要求されるレベルの難燃性を達成することはできない。また従来の芳香族ポリオール化合物の製造方法を利用してさらに芳香環濃度を高くしようとすると得られるポリオール化合物の粘度が高くなりすぎて上述の要求特性の(2)に反する結果となって従来の生産設備ではフォームを製造することができなくなる。
【0006】
本発明の目的は、従来の芳香族系ポリオール化合物を使用する場合よりもポリオール成分中の、ひいては硬質ポリウレタンフォーム中の芳香環の濃度を原料ポリオールの液粘度を上昇させることなく高くすることが可能であり、その結果、従来の生産設備を使用して可能であって、かつ難燃性、耐熱性が改良され、建築用途に要求されるレベルの難燃性を達成することが可能な硬質ポリウレタンフォームを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、芳香族系ポリカルボン酸、フェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコール及び多価アルコール化合物が縮合した構造を有する芳香族多官能ポリオール化合物をポリオール成分の少なくとも1成分として使用した硬質ポリウレタンフォームに関するものである。
【0008】
本発明の最も大きな特徴は、原料のポリオール成分の少なくとも一部として芳香族系ポリカルボン酸、フェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコール及び多価アルコール化合物が縮合した構造を有する芳香族多官能ポリオール化合物を使用する点に有り、かかる芳香族多官能ポリオール化合物は芳香環の濃度を高くすることが可能である。その結果、従来の製造設備を使用して建築分野において要求される難燃性を満足する硬質ポリウレタンフォームが得られる。
【0009】
フェノキシアルコール類を使用することにより得られる芳香族多官能ポリオール化合物が高い芳香環濃度を有し、高い難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームが得られ、かつ液粘度を従来のポリウレタン製造装置が使用可能なレベルの低粘度に抑制することができるのは、水酸基の一部を芳香環を有するモノアルコールであるフェノキシアルコール化合物を使用してキャップされる構造となり、分子中の芳香環濃度が高くできると同時に水酸基に基づく水素結合を減少させることが重要な要因であると考えられる。
【0010】
芳香族系ポリカルボン酸、フェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコール及び多価アルコール化合物が縮合した構造とは、フェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコールと多価アルコールの有する水酸基がカルボキシル基と縮合してエステル結合により結合され、分子全体としては多価アルコールの他の末端の水酸基に由来する水酸基を備えた化学構造であることを意味するものである。
【0011】
なおポリウレタンフォームは狭義にはポリウレタン分子がウレタン結合のみで形成されているものであるが、本発明にいうポリウレタンフォームはウレタン結合の他にウレア結合、イソシアヌレート結合、ビュレット結合等も含めた2種以上の結合により高分子骨格が形成されている広義のポリウレタンフォームを意味するものである。
【0012】
本発明の硬質ポリウレタンフォームは、さらに有機金属錯体をポリオール成分100重量部に対して0.1〜20重量部添加されたものであることが好ましい。
【0013】
本発明の硬質ポリウレタンフォームはポリウレタン樹脂骨格だけでも、高い芳香環濃度を実現することができ、この高い芳香環濃度とイソシアヌレート骨格の導入よって従来にない難燃性を付与することができるが、有機金属錯体は難燃性をより一層向上する作用を有する。0.1重量部未満では難燃性が十分発揮されない場合が有り、20重量部を越えた添加量では液粘度が上昇してフォームの製造が困難になる場合が生じる。
【0014】
本発明における前記芳香族多官能ポリオール化合物は、前記フェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコールを反応混合物中に1〜60重量%使用して縮合させて得られたものであることが好ましい。
【0015】
1重量%未満では水酸基のキャップの程度が低く、また芳香環濃度がそれほど高くならないため、目的とする効果が十分得られない。また60重量%を越えると難燃性の改善効果が頭打ちとなる一方でキャップの程度が高くなる結果、得られる硬質ポリウレタンフォームの物理的特性に悪影響が認められる場合が生じる。原料の種類によらずバランスがよく、安定したフォームが得られるのは10〜30重量%の範囲である。
【0016】
本発明の硬質ポリウレタンフォームにおいては、前記芳香族多官能ポリオール化合物がポリオール成分中40〜95重量%含まれていることが好適である。
【0017】
40重量%未満では難燃性が十分改善されず、95重量%を越えると難燃性の改善効果が頭打ちとなる一方で得られる硬質ポリウレタンフォームの物理的特性に悪影響が認められる場合がある。
【0018】
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造に際しては、発泡剤として水を使用したものであることが好ましい。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの発泡剤としては、従来から知られているフロン系発泡剤やハロゲン化炭化水素系の発泡剤を使用することは可能であるが、環境への影響を考慮すると水発泡が最も好ましく、本発明の特徴である芳香族多官能ポリオール化合物を使用すると水発泡の場合でも優れた難燃性、耐熱性を有する硬質ポリウレタンフォームが得られる。
特に従来の芳香族ポリオールを使用した場合、水発泡により製造した硬質ポリウレタンフォームは難燃性が満足できるものでないが、本発明により得られるフォームは難燃性並びに物理特性が優れたものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する芳香族多官能ポリオール化合物は上述のように芳香族系ポリカルボン酸、フェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコール及び多価アルコール化合物を縮合させる反応、または芳香族ポリカルボン酸エステルとフェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコール及び多価アルコール化合物のエステル交換反応等により合成される。
【0020】
本発明において使用する芳香族ポリカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレン1,4−ジカルボン酸等が例示できる。これらの芳香族ポリカルボン酸は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお上記の芳香族ポリカルボン酸に加えて脂肪族ポリカルボン酸を一部併用することも可能である。
【0021】
本発明において使用するフェノキシアルコール化合物とはフェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコールの総称であり、フェノキシ基を有するモノアルコールとしてはエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコールモノフェニルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールモノフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレングリコールモノフェニルエーテル等が例示できる。
【0022】
また、置換フェノキシ基としては芳香環にアルキル置換基を有するフェノキシ基が好適であり、かかる置換基としては具体的にメチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、オクチル基、ノニル基等が例示でき、置換フェノキシ基を有するモノアルコールとしてはエチレングリコールノニルフェニルエーテル、プロピレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレングリコールノニルフェニルエーテル等が例示できる。以上の置換フェノキシ基を有するモノアルコールは単独で使用され或いは2種以上が併用される。
【0023】
上記フェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコールと共に芳香族ポリカルボン酸と反応させる多価アルコール化合物としてはポリウレタンの合成において一般的に使用される2官能以上の多価アルコール化合物を使用することができ、具体的な化合物の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールやテトラエチレングリコール等の分子量が1000程度までのポリエチレングリコール類、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等が例示でき、これらは単独で使用され或いは2種以上が併用される。
【0024】
本発明の芳香族多官能ポリオール化合物はこれらの酸をフェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコール及び多価アルコールと脱水縮合することにより製造する。また、上記の芳香族ポリカルボン酸のエタノール等の低級アルコールエステルを使用して脱アルコール縮合によることも可能であり、上記の芳香族ポリカルボン酸の酸無水物を原料として使用してエステル結合を形成する反応を併用することも可能である。
【0025】
また芳香族多官能ポリオール化合物は上記の芳香族ポリカルボン酸を成分とするポリエステル化合物を原料として使用し、エステル交換反応を利用して合成することも可能である。具体的にはポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル繊維やフィルム、PETボトル等を好ましくは粉砕し、上述のフェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコール及び多価アルコール化合物と混合してエステル交換反応させる方法等が例示できる。
【0026】
本発明の芳香族多官能ポリオール化合物の製造に際しては、周知のエステル化反応促進触媒、例えばナトリウムアルコラート等の塩基性化合物、アルキルチタネート類や有機錫化合物のような金属系触媒、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸のようなプロトン酸触媒、塩化アルミニウムや三フッ化ホウ素のようなルイス酸触媒、その他活性白土、酸性イオン交換樹脂等が使用可能である。
【0027】
本発明の芳香族多官能ポリオール化合物は水酸基価は、使用する芳香族ポリカルボン酸の種類、多価アルコールの種類、カルボキシル基と水酸基の当量比等を選択することによって任意に設定可能であるが、硬質ポリウレタンフォームの特性を考慮すると50〜500(mgKOH/g)であることが好ましい。なお、酸価、水分率はいずれも低い方が好ましく、酸価は4(mgKOH/g)以下、水分率は0.1重量%以下であることが好ましい。
【0028】
本発明の硬質ポリウレタンフォームは上述の芳香族多官能ポリオール化合物をポリオール成分の必須成分とし、必要に応じて他のポリオール化合物を混合し、ポリイソシアネート化合物と反応させることにより製造される。
【0029】
ポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において周知のポリイソシアネート化合物は全て使用可能であり、芳香族ポリイソシアネート化合物、脂肪族並びに脂環族ポリイソシアネートに分類されるものが例示できるが、コスト的要請、硬質ポリウレタンフォームの物理的特性、難燃性の観点より芳香族ポリイソシアネート化合物の使用が好適である。
【0030】
芳香族ポリイソシアネート化合物としては具体的に以下のものが例示され、単独で使用され、或いは2種以上が併用される。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、クルードMDI(c−MDI)(44V−10,44V−20等(バイエル社製)等)、ウレトンイミン含有MDI(液状MDI)(アイソネート143L)(ダウケミカル社製)、カルボジイミド含有MDI(ミリオネートMTL;日本ポリウレタン工業製)等。
【0031】
芳香族多官能ポリオール化合物と併用されるポリオール化合物としては従来の硬質ポリウレタンフォームの原料として使用されるものは特に限定されることなく使用可能であり、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等に分類されるものがある。
【0032】
ポリエステルポリオールとしては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族もしくは脂環族ポリカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や本発明の芳香族多官能ポリオール化合物の原料として例示したポリカルボン酸の1種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコールの1種以上を縮重合させて得られるもの、ラクトン類の開環重合により得られるものが例示できる。
【0033】
上記のポリエステルポリオールの中で芳香族ポリカルボン酸を使用したものは従来技術による芳香族ポリオールであるが、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で使用することができる。
【0034】
ポリエーテルポリオールとしては、水や上記のポリエステルポリオールの合成に使用する多価アルコールに加えてシュークロース、ペンタエリスルトール等の4官能以上の多価アルコール類の他、ビスフェノール−A等のフェノール類、又は第1級、第2級アミン類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加重合させて得られるものが使用でき、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシテトラメチレンポリオール、ビスフェノールAにプロピレンオキサイド又はエチレンオキサイドの少なくとも一方を開環付加重合させたもの(共重合体の場合は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでもよい。)等が例示できる。
【0035】
ポリオールとしては、これ以外にも、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリル酸エステル系ポリオール等も使用可能である。
【0036】
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造に際しては、当業者に周知の触媒、難燃剤、発泡剤、着色剤、酸化防止剤等が使用可能である。
【0037】
触媒としては、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−ヘキサメチルエチレンジアミン、DBU等の第3級アミン類、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫等の金属系触媒がウレタン化反応触媒として例示され、特に第3級アミン触媒と錫系触媒の組み合わせが好適である。
【0038】
特にポリウレタン分子の構造において難燃性向上に寄与するイソシアヌレート結合を形成する触媒としては酢酸カリウム、オクチル酸カリウムが例示でき、上述の第3級アミン触媒の中にもイソシアヌレート環形成反応をも促進するものがある。イソシアヌレート結合生成を促進する触媒とウレタン結合生成を促進する触媒を併用してもかまわない。
【0039】
本発明において好適な難燃剤である有機金属錯体としてはフェロセン、ニッケロセン等のメタロセン類、鉄アセチルアセトネート等の金属アセチルアセトネート類、ビス(8−オキシキノリン)銅等の8−オキシキノリン金属錯体類、ビス(ジメチルグリオキシモ)銅等のジメチルグリオキシム金属錯体類等が好適な化合物として例示でき、単独でまたは2種以上を併用することが可能である。
【0040】
上述の有機金属錯体の他に、ポリウレタンに使用される周知の難燃剤を添加して使用することが可能であり、ハロゲン含有化合物、有機リン酸エステル類、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の金属化合物が例示される。ただし、これらの化合物は、例えば有機リン酸エステルは過剰に添加すると得られる硬質ポリウレタンフォームの物理的特性が低下することが有り、また三酸化アンチモン等の金属化合物粉末を過剰に添加するとフォームの発泡挙動に影響が表れるなどの問題を生じる場合が有り、その添加量はかかる問題を生じない範囲に制限される。
【0041】
本発明の硬質ポリウレタンフォームの発泡剤としてはポリウレタン用の発泡剤として周知の発泡剤はいずれも使用可能であり、CFC−141b等のフロン系発泡剤、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素、水等が例示されいずれも単独で使用することができる。前述のように水が最も好ましい発泡剤であるが、他の発泡剤を併用することも可能である。
【0042】
本発明の硬質ポリウレタンフォームには、必要に応じて可塑剤を使用することが好適である。かかる可塑剤も難燃性に寄与するものであることが好ましく、リン酸のハロゲン化アルキルエステル、アルキルリン酸エステルやアリールリン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用可能であり、具体的にはトリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート等が例示でき、これらの1種以上が使用可能である。可塑剤の添加量はポリオール成分100重量部に対して5〜30重量部であることが好ましい。この範囲を越えると可塑化効果が十分に得られなかったり、フォームの物理特性が低下するなどの問題が生じる場合が発生する。
【0043】
本発明の硬質ポリウレタンフォームは一般的に周知のポリウレタン発泡成形装置により用途に応じた形状に成形される。例えば、製造工場においては混合発泡装置を使用したスラブフォーム製造装置や各種の面材を供給しつつ発泡するラミネートボード製造装置により製造され、建築現場等においてはスプレー発泡装置により製造され、電気冷蔵庫の断熱材としての硬質ポリウレタンフォームについては射出成形装置等により製造される。
【0044】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
〔芳香族多官能ポリオール化合物の合成例〕
(合成例1)
ジムロート冷却器を備えた1リットル容量の4つ口フラスコにジエチレングリコールモノフェニルエーテル212g、ジエチレングリコール344g、及びイソフタル酸360gと触媒1.1gを充填し、混合物を攪拌しながら窒素気流下で220〜230℃にて3〜4時間加熱脱水縮合反応を行い、芳香族多官能ポリオール化合物を得た。
このポリオール化合物は水酸基価245(mgKOH/g)、粘度2900cps(25℃)であった。このポリオール化合物を芳香族ポリオールAとする。
【0045】
(合成例2)
合成例1に記載したのと同様の方法により、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル212g、ジエチレングリコール344g、及びテレフタル酸360g、触媒1.1gを混合して脱水縮合反応を行い、芳香族多官能ポリオール化合物を得た。
このポリオール化合物は水酸基価242(mgKOH/g)、粘度2350cps(25℃)であった。このポリオール化合物を芳香族ポリオールBとする。
【0046】
上記2つの合成例において、初期反応混合物中のジエチレングリコールモノフェニルエーテルの濃度はいずれも23.1重量%であった。
【0047】
〔硬質ポリウレタンフォーム製造例〕
実施例1〜17の硬質ポリウレタンフォームは表1及び表2の上段に記載の配合に基づき、また比較例1〜6については表3の上段に記載した配合に基づき、それぞれサンプルを作成した。反応におけるイソシアネート基(NCO)/水酸基(OH)の当量比は実施例6、7については8.0、その他の実施例については4.0に設定され、イソシアヌレート結合が生成するような条件である。また、NCO/H2 O比はすべて1.0に設定されている。
使用した原料は以下の通りである。
ポリオールC:テレフタル酸系ポリオール、芳香環濃度29wt%、水酸基価240(mgKOH/g)、粘度4000(cps)
ポリオールD:フタル酸系ポリオール、芳香環濃度19wt%、水酸基価210、粘度1200
ポリオールE:シュークロス系ポリオール、水酸基価450、粘度6000
ポリオールF:フタル酸系ポリオール、芳香環濃度25wt%、水酸基価260、粘度6000
可塑剤A:トリブチルホスフェート(大八化学工業(株)製)
可塑剤B:トリエチルホスフェート(大八化学工業(株)製)
難燃剤A:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(大八化学工業(株)製)
難燃剤B:トリス(クロロエチル)ホスフェート(大八化学工業(株)製)
整泡剤:L−5340(ユニオンカーバイド社製)
触媒:オクチル酸カリウム
イソシアネート成分(P成分):
クルードMDI(c−MDI)、イソシアネート基濃度31.3wt%
【0048】
R成分として記載の成分を秤量・急速混合し、この混合液にさらにP成分として記載のc−MDIを投入して急速混合し、直ちに縦200mm、横200mm、深さ150mmのモールドに注入し、自由発泡させて硬質ポリウレタンフォームサンプルを作成した。
【0049】
〔評価〕
(密度)
上記の〔硬質ポリウレタンフォーム製造例〕において得られた硬質ポリウレタンフォームサンプルより表皮部分を除いて10cm×10cm×10cmの立方体カットサンプルを切り出し、その重量を測定し、カットサンプルの寸法をノギスにより正確に測定して体積を求め、重量と体積より密度を算出した。
【0050】
(発煙量)
難燃性の評価の基準である発煙量の測定は、ASTM−E662 に準拠して行った。
【0051】
(加熱減量)
上記の発煙量測定のサンプルについて、以下の式により加熱減量(wt%)を求めた。
【0052】
【数1】
Figure 0003922767
【0053】
〔評価結果〕
評価結果は表1〜表3の下段にまとめて示した。
これらの表から、本発明の硬質ポリウレタンフォームは発煙量は15以下であって、8程度を示すものがあるのに対し、比較例のフォームサンプルは18以下になるものはない。また加熱減量に関しては比較例では40以下になるものがないのに対し、実施例のサンプルはいずれも40以下である。このように本発明の硬質ポリウレタンフォームは従来の芳香族ポリオールを使用したものよりも優れた耐熱性を示すことが明らかである。
【0054】
【表1】
Figure 0003922767
【0055】
【表2】
Figure 0003922767
【0056】
【表3】
Figure 0003922767

Claims (4)

  1. 芳香族系ポリカルボン酸、フェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコール及び多価アルコール化合物が縮合した構造を有する芳香族多官能ポリオール化合物をポリオール成分の少なくとも1成分として使用した硬質ポリウレタンフォーム。
  2. さらに有機金属錯体をポリオール成分100重量部に対して0.1〜20重量部添加したことを特徴とする請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
  3. 前記芳香族多官能ポリオール化合物は、前記フェノキシ基もしくは置換フェノキシ基を有するモノアルコールを反応混合物中に1〜60重量%使用して縮合させて得られたものである請求項1又は2に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
  4. 発泡剤として水を使用したものである請求項1〜3のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォーム。
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