JP2011099068A - 硬質ポリウレタンフォーム用組成物及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォーム用組成物及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水を主たる発泡剤として使用し、難燃性と接着性に優れた硬質ポリウレタンフォームを製造するのに好適な硬質ポリウレタンフォーム用組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも、ポリオール、触媒、発泡剤としての水、界面活性剤を含み、以下に記載のポリオール及び触媒を使用して成る硬質ポリウレタンフォーム用組成物に存する。
(1)特定の芳香族カルボン酸成分、特定の脂肪族カルボン酸成分、特定のアルコール成分を使用してエステル化反応して得られるポリエステルポリオールを60重量%以上含むポリオール。
(2)アミン系触媒(a)、イミダゾール系触媒(b)、4級アンモニム系触媒(c)及びカリウム系触媒(d)の組合せから成り、触媒(a)〜(d)の各使用量がポリオール100重量部に対して0.01〜20重量部であり、〔(c)+(d)〕/(b)が2〜40重量比である。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬質ポリウレタンフォーム用組成物及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
硬質ポリウレタンフォームは、断熱特性や難燃性に優れていることから、冷蔵室、冷蔵庫、冷凍室、冷凍庫、一般建造物の断熱材、断熱パネル等に広く使用されている。硬質ポリウレタンフォームは、一般にポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオール、発泡剤、さらに必要に応じて触媒や界面活性剤などを混合した混合液(硬質ポリウレタンフォーム用組成物)を用意し、それらを混合して、短時間で発泡、硬化させる方法で製造される。
その際の発泡剤としては一般的に低沸点無極性有機溶媒が使用され、具体的には、CFC系発泡剤、HCFC系発泡剤やHFC系発泡剤のようなフロン、代替フロンの他、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤が使用されているが、オゾン層破壊が問題となって以来、それまで汎用的に使用されてきたCFC系発泡剤、特にCFC−11e等からオゾン破壊係数の小さいHCFC系発泡剤、特にHCFC−141bが代替使用されてきた。しかしながら、このHCFC−141bもオゾン破壊係数がゼロではなく、2003年末以降使用が制限されており、その代替品としては、HFC系発泡剤、特にHFC−245faやHFC−365mfcが使用されている他、HC系発泡剤なども有用な発泡剤として使用されている。
しかしながら、上記の発泡剤の多くは地球温暖化物質であり、また、非常に高価あるいは可燃性を有するものもあるため、環境保護および経済的観点、安全性の面から、その使用量の削減、ひいてはこれらの発泡剤を全く使用せず、水とポリイソシアネートとの反応で生成する炭酸ガスを発泡剤として使用する水発泡の技術の発展が求められる。
特に、工場内で生産される断熱パネル等においては、現在その多くでHFC系発泡剤が使用されており、可燃性を有するHC系発泡剤への移行については防爆設備への改造など、膨大な費用が必要となることから、水発泡への切替が徐々に進められている。
しかしながら、水発泡の技術を普及させるに当たっては次のような大きな問題点がある。すなわち、従来のHFC系発泡剤やHC系発泡剤を使用した発泡処方と比較し、発泡剤の減粘効果が得られないために混合液の粘度が高くなること、また、水とポリイソシアネートとの反応によって生成するウレア基の増加などの影響により、得られる硬質ウレタンフォームの表面や底部の脆性が悪化して被着部材との接着強度の低下を生じ易いこと、難燃性が悪化すること等が挙げられる。
上記のような混合液の粘度や硬質ウレタンフォームの脆性の増大による接着性低下の欠点を改良する方法としては、オキシエチレン及び/又はオキシプロピレングリコールのジアルキルエーテルのような水酸基を持たない助剤を使用する方法(特許文献1参照)や、リン酸エステル系化合物やアルキルフェノール系化合物のように、同じく水酸基が0又は1の助剤を配合する方法(特許文献2参照)が提案されている。また、プロピレンカーボネートのような汎用の減粘剤を配合することも一部実施されている。しかしながら、これらの方法では、添加量が少量では脆性や接着強度を改善させる効果が小さく、添加量を多くするとコスト面で不利になる他、硬質ポリウレタンフォームの強度、寸法安定性、難燃性の更なる低下などの悪影響が生じる可能性がある。
また、ポリオールを殆ど使用せずに水と大量の難燃剤によりイソシアネートインデックスが150以上の条件で発泡させることで、難燃性の高いポリイソシアヌレートフォームを製造する方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この方法で得られる硬質ポリウレタンフォームは非常に脆く、被着部材との接着性の面では実用的ではない。
特開2002−363241号公報 特開2000−281741号公報 特開2009−149760号公報
従って、本発明の目的は、水を主たる発泡剤として使用し、難燃性と接着性に優れた硬質ポリウレタンフォームを製造するのに好適な硬質ポリウレタンフォーム用組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、水を主たる発泡剤として使用した、難燃性と接着性に優れた硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、水を主たる発泡剤として使用し、特定のポリエステルポリオールと特定の触媒とを使用することにより、上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得て、本発明の完成に至った。
即ち、本発明の第1の要旨は、ポリイソシアネートと混合して硬質ポリウレタンフォームとするために使用される硬質ポリウレタンフォーム用組成物であって、少なくとも、ポリオール、触媒、発泡剤としての水、界面活性剤を含み、以下に記載のポリオール及び触媒を使用して成ることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用組成物に存する。
(1)芳香族カルボン酸成分としてフタル酸及び/又はテレフタル酸と、脂肪族カルボン酸成分としてコハク酸及び/又はアジピン酸を使用し、アルコール成分としてジエチレングリコール、トリエチレングリコール、数平均分子量が600以下のポリエチレングリコールの群から選ばれた少なくとも1種を使用してエステル化反応して得られるポリエステルポリオールを60重量%以上含むポリオール。
(2)アミン系触媒(a)、イミダゾール系触媒(b)、4級アンモニム系触媒(c)及びカリウム系触媒(d)の組合せから成り、触媒(a)〜(d)の各使用量がポリオール100重量部に対して0.01〜20重量部であり、〔(c)+(d)〕/(b)が2〜40重量比である。
そして、本発明の第2の要旨は、少なくとも、触媒、発泡剤としての水、界面活性剤の存在下、ポリイソシアネートとポリオールとを混合して硬質ポリウレタンフォームを製造するに当り、以下に記載のポリオール及び触媒を使用し、イソシアネートインデックスが200〜400の条件下にポリイソシアネートとポリオールを混合することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法に存する。
(1)芳香族カルボン酸成分としてフタル酸及び/又はテレフタル酸と、脂肪族カルボン酸成分としてコハク酸及び/又はアジピン酸を使用し、アルコール成分としてジエチレングリコール、トリエチレングリコール、数平均分子量が600以下のポリエチレングリコールの群から選ばれた少なくとも1種を使用してエステル化反応して得られるポリエステルポリオールを60重量%以上含むポリオール。
(2)アミン系触媒(a)、イミダゾール系触媒(b)、4級アンモニム系触媒(c)及びカリウム系触媒(d)の組合せから成り、触媒(a)〜(d)の各使用量がポリオール100重量部に対して0.01〜20重量部であり、〔(c)+(d)〕/(b)が2〜40重量比である。
本発明によれば、前記の課題を解決することが出来る。
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明の硬質ポリウレタンフォーム用組成物について説明する。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用組成物は、ポリイソシアネートと混合して硬質ポリウレタンフォームとするために使用され、そして、少なくとも、ポリオール、触媒、発泡剤としての水、界面活性剤を含み、特定のポリオール及び触媒を使用して成る。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用組成物におけるポリオールは、芳香族カルボン酸成分としてフタル酸及び/又はテレフタル酸と、脂肪族カルボン酸成分としてコハク酸及び/又はアジピン酸を使用し、アルコール成分としてジエチレングリコール、トリエチレングリコール、数平均分子量が600以下のポリエチレングリコールの群から選ばれた少なくとも1種を使用してエステル化反応して得られるポリエステルポリオールを60重量%以上含む。以下、上記のポリエステルポリオールを「特定ポリオール」と称する。
特定ポリオールにおいて、フタル酸及び/又はテレフタル酸を使用する際の両者の比率は、特に問わないが、テレフタル酸を単独又は多く使用すれば、硬質ポリウレタンフォームの難燃性をより高めることが出来る。その他の芳香族カルボン酸成分として、安息香酸のような炭素数7〜10の芳香族モノカルボン酸、イソフタル酸、トリメリット酸のような炭素数8〜12の芳香族多価カルボン酸(但しフタル酸とテレフタル酸を除く)等を併用することが出来るが、コストや粘度、硬質ポリウレタンフォームの物性などを考慮し、その使用量は全カルボン酸成分の10モル%以下に留めることが好ましい。これら芳香族カルボン酸成分の全カルボン酸成分に対する割合は、20〜90モル%、好ましくは25〜85モル%、更に好ましくは30〜80モル%である。
特定ポリオールにおいて、コハク酸及び/又はアジピン酸を使用する際の両者の比率は、特に問わないが、アジピン酸を単独又は多く使用すれば、粘度をより低下させることが出来、コハク酸を単独又は多く使用すれば、硬質ポリウレタンフォームの接着性をより高めることが出来る。その他の脂肪族カルボン酸成分として、酢酸や2−エチルヘキサン酸のような炭素数1〜18の脂肪族モノカルボン酸、グルタル酸やセバシン酸、マレイン酸のような炭素数2〜12の脂肪族多価カルボン酸(但しコハク酸とアジピン酸を除く)等を併用することが出来るが、コストや粘度、硬質ポリウレタンフォームの物性などを考慮し、その使用量は全カルボン酸成分の10モル%以下に留めることが好ましい。これら脂肪族カルボン酸成分の全カルボン酸成分に対する割合は、通常10〜80モル%、好ましくは15〜75モル%、更に好ましくは20〜70モル%である。
尚、前記の各カルボン酸成分は、それぞれ、無水フタル酸のような酸無水物や、テレフタル酸ジメチルのようなエステル化合などの誘導体を使用しても構わない。酸無水物やエステル化物を使用する場合の使用量は、それぞれ、元のカルボン酸に換算したモル%で計算するものとする。
特定ポリオールにおいて、アルコール成分としては、コストや粘度、硬質ポリウレタンフォームの物性などを考慮し、トリエチレングリコール又は数平均分子量が400以下のポリエチレングリコールが好ましい。また、ジエチレングリコールと数平均分子量400のポリエチレングリコールの混合物も好ましい。この場合の混合比は、ジエチレングリコール1モルに対するポリエチレングリコールのモル比として、通常0.05〜20、好ましくは0.1〜15、更に好ましくは0.15〜3である。前記以外のその他のアルコール成分として、2−エチルへキサノールやフェノールのような炭素数1〜18の脂肪族又は芳香族モノアルコールや、エチレングリコールや1,4−ブタンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトールのような炭素数2〜10の脂肪族又は芳香族多価アルコールを併用することが出来るが、コストや粘度、硬質ポリウレタンフォームの物性などを考慮し、その使用量は全アルコール成分の10モル%以下に留めることが好ましい。
特定ポリオールの水酸基価は、通常100〜400mgKOH/g、好ましくは110〜390mgKOH/g、更に好ましくは120〜380mgKOH/gの範囲である。水酸基価が100mgKOH/gより小さい場合は、得られる硬質ウレタンフォームの機械強度の低下を招く場合がある。一方、400mgKOH/gより大きいと未反応のアルコールが多い分子量分布となり、脆性の増大や接着性を改善させる効果が小さくなる他、ポリイソシアネートの使用量が増加してポリオール組成物とポリイソシアネートのいわゆる液比が適正範囲を超える場合がある。
特定ポリオールの25℃での粘度は、通常5000mPa・s以下、好ましくは4000mPa・s以下、更に好ましくは3000mPa・s以下である。5000mPa・sよりも高い場合は、取り扱いに支障が生じたり、硬質ウレタンフォーム製造時に例えばスプレー施工できなくなる等の問題が生じる可能性がある。
特定ポリオールの平均官能基数は、通常1.5〜3.0、好ましくは1.7〜2.5の範囲である。平均官能基数が1.5より小さい場合は、硬質ポリウレタンフォームの機械強度、寸法安定性の低下などの悪影響が生じる可能性がある。一方、3.0より大きい場合は、粘度が上昇し、不具合を生じる可能性がある。
また、特定ポリオールの粘度を下げる方法として、前述したようにメタノール、エタノール、イソプロパノール、2−エチルヘキサノール等の1価のアルコールを併用することも出来る。但し、これらの1価のアルコールを使用した場合は、水酸基価と官能基数が上記の範囲から外れないようにすることが重要である。すなわち、特定ポリオールの合成の際に反応系外に1価のアルコールが留出して特定ポリオールの収率を悪化させたり、ポリウレタンフォームの強度や耐熱性に悪影響を及ぼしたりする場合があるので、1価のアルコールは、実用上問題とならない範囲で使用することが好ましい。
特定ポリオールは、エステル化反応を利用した公知の方法に従って製造することが出来る。以下に一般的な製造条件を挙げる。
エステル化反応においては、通常、エステル化触媒が使用される。触媒としては、一般に酸触媒が使用されることが多い。ルイス酸としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のオルトチタン酸エステル、ジエチル錫オキシド、ジブチル錫オキシド等の錫系化合物、酸化亜鉛などの金属化合物が使用される。また、ルイス酸の他には、パラトルエンスルホン酸などのブレンステッド酸を使用しても構わない。
ポリオールはポリイソシアネートとのウレタン化反応によりポリウレタンとなるが、同時にポリイソシアネートと水の反応やポリイソシアネート同士の反応などが起きる。この際、ポリオールの合成に使用した触媒が、こういった反応の反応挙動に影響を及ぼさない方が好ましい。そのため、上記のエステル化触媒の中ではオルトチタン酸エステルが好ましい。また、エステル化触媒の使用量は、原料に使用するカルボン酸成分とアルコール成分の合計に対し、通常0.01〜1.0重量%、好ましくは0.03〜0.2重量%である。ポリウレタンの用途によっては、これらのエステル化触媒を使用しないで反応しても構わないし、反応後に失活処理を施したり、精製などで取り除いても構わない。
エステル化反応の反応温度は、通常150〜250℃、好ましくは180〜230℃である。例えば、150℃で反応を開始し、反応の進行に伴って230℃まで徐々に昇温するような条件であれば、反応を制御し易い。
一方、反応圧力は常圧でも構わないが、副生する水を系外に除去して反応を速やかに完結させるため、反応の進行に伴って、徐々に減圧するとよい。ただし、反応時の減圧度が不足するとエステル化反応の完結度が低くなり、酸価の高いポリエステルポリオールが得られる。一方、反応時に過度に減圧にすると、アルコール成分が系外に留去されて収率を損なうばかりか、高分子量のポリエステルポリオールを形成し、得られたポリエステルポリオールの粘度を著しく上昇させると共に、発泡剤に対する相溶性を低下させる傾向を示す場合もある。従って、適切な到達反応圧力は、反応温度によっても異なるが、例えば、反応温度が200℃の場合は、通常1〜50kPa、好ましくは3〜30kPaであるが、目標とするポリエステルポリオールの粘度や水酸基価、使用するアルコールの種類、使用量によっては、上記の圧力範囲以外の条件で反応を行っても構わない。また、減圧する代わりに、トルエン、キシレン等の有機溶媒を少量併用して、副生する水を系外に共沸させて除去しても構わない。
反応の終点は、通常、使用したカルボン酸の未反応カルボキシル基の量で決定する。一方、硬質ポリウレタンフォームの用途においては、酸の存在がポリイソシアネート成分とのウレタン化反応の反応性を低下させる等、好ましくない場合も多い他、ポリエステルポリオールの保存安定性にも影響を与える場合もある。従って、特定ポリオールについても、未反応のカルボン酸の量(すなわち酸価)は出来るだけ低い方が好ましい。酸価は、通常5mgKOH/g以下、好ましくは3mgKOH/g以下、更に好ましくは1mgKOH/g以下である。また、更に、厳しいウレタン化反応条件下では、0.5mgKOH/g以下の酸価が望まれる場合がある。
また、エステル化合物の平均官能基数や水酸基価を一定の目標値に保つには、エステル化反応中にエステル交換反応に伴って平衡状態にあるアルコール成分を極力反応系外に留出させないことが重要である。アルコール成分の留出が多すぎる場合は、エステル化合物の水酸基価が小さくなり、その結果、得られるポリエステルポリオールの粘度が著しく大きくなることがある。従って、エステル化反応中に系外に留出するアルコール成分の量は、全アルコール成分に対し、通常5%以下、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。但し、目標とするポリエステルポリオールの粘度や水酸基価、使用するアルコール成分の使用量によっては、上記の範囲を超えてアルコール成分を留去しても構わない。
尚、反応開始時には、得られるポリエステルポリオールの着色を防ぐために反応容器の空間部を窒素置換し、更に、反応液中の溶存酸素も除去することが好ましい。また、反応終了の後に、適当な減圧条件下に、未反応のアルコール成分を系外に留去させて、ポリエステルポリオールの物性や性能を調節しても構わない。
特定ポリオールを製造する際の反応形式としては、通常のバッチ設備または連続設備を適用できるが、反応時間が長時間に渡ること、得られるポリエステルポリオールの粘度が原料に使用されたアルコール成分に比べてかなり高くなること等から、バッチ反応の方が好ましい。
本発明においては、特定ポリオールの他に、水酸基価が通常50〜800、官能基数が通常2.0〜8.0のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等を併用することが出来る。これらを2種類以上混合して使用しても構わない。
上記のポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の1種以上から得られるアルキレンオキシドの重合物;ショ糖、ソルビトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、グリセリン等の3官能以上のアルコール類と上記アルキレンオキシドとの付加物;脂肪族アミン及び芳香族アミンと上記アルキレンオキシドとの付加物などが挙げられる。この他、マンニッヒ変性ポリオール、ポリマーポリオール等、公知のポリエーテルポリオールを使用することが出来る。
また、特定ポリオールと併用し得るポリエステルポリオールとしては、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、トリメリット酸などの芳香族または脂肪族カルボン酸の1種以上と、2−エチルヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の1〜4価のアルコールの1種以上とのエステル化反応により得られる、水酸基価が通常100〜500、官能基数が通常1.5〜3.0のポリエステルポリオールが挙げられる。
更に、上記の他に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等のアルコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等、活性水素を1分子中に2個以上有する化合物も併用することが出来る。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用組成物における、特定ポリオールの使用量は全ポリオール中の60重量%以上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%であり、ポリオールの全量を特定ポリオールとしてもよい。使用量が60重量%未満では硬質ウレタンフォームの難燃性や接着性を改善する効果が得られなくなる。ポリオールの全量を特定ポリオールとしない場合、残余のポリオールとして前述のポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオール等を使用する。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用組成物における触媒は、アミン系触媒(a)、イミダゾール系触媒(b)、4級アンモニム系触媒(c)及びカリウム系触媒(d)の組合せから成り、触媒(a)〜(d)の各使用量がポリオール100重量部に対して0.01〜20重量部であり、〔(c)+(d)〕/(b)が2〜40重量比である。
アミン系触媒(a)としては、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン等が挙げられる。アミン系触媒のうち、特に、ビスジメチルアミノエチルエーテルやペンタメチルジエチレントリアミンのような、主として、泡化触媒、すなわち、イソシアネートと水の反応(尿素化・CO発生)を促進する触媒として作用するものが好ましい。
イミダゾール系触媒(b)としては、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられ、市販品ではこれらが複合されているものや、エチレングリコール等の溶液となっているものがあり、何れも単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することが出来る。これらのイミダゾール系触媒(b)は樹脂化触媒として主に硬質ポリウレタンフォームの接着性の向上に寄与する。
4級アンモニウム系触媒(c)としては、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩などが挙げられ、市販品ではこれらが複合されているものや、ジエチレングリコール等の溶液となっているものがあり、何れも単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することが出来る。これらの4級アンモニウム系触媒(c)はイソシアネートの三量化触媒として主に硬質ポリウレタンフォームの難燃性の向上に寄与する。
カリウム系触媒(d)としては、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等が挙げられ、市販品ではこれらがジエチレングリコール等の溶液となっているものがあり、何れも単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することが出来る。これらのカリウム系触媒(d)は同様にイソシアネートの三量化触媒として主に硬質ポリウレタンフォームの難燃性の向上に寄与する。
触媒(a)〜(d)の各使用量がポリオール100重量部に対して通常0.01〜20重量部であり、その最適範囲は所望の反応速度により適宜決められる。
ところで、何れの触媒も硬質ポリウレタンフォームを製造する際の反応速度に寄与するため、例えば、イミダゾール系触媒(b)を増やせば逆に4級アンモニウム系触媒(c)を減らす等、所望の物性;接着性、難燃性や反応速度などに応じてバランスをとることが重要である。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用組成物において、イミダゾール系触媒(b)、4級アンモニム系触媒(c)、カリウム系触媒(d)の重量比は、〔(c)+(d)〕/(b)にて2〜40であり、好ましくは3〜37、更に好ましくは4〜35である。一方、4級アンモニム系触媒(c)、カリウム系触媒(d)の重量比は、(c)/(d)にて0.1〜20であり、好ましくは0.2〜18、更に好ましくは0.3〜15である。これらの触媒の他に、併用できる触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫などの錫系、オクチル酸鉛などの鉛系などの金属系触媒などが挙げられる。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用組成物において、水は、ポリイソシアネートとの反応で炭酸ガスを発生させることで発泡剤として作用する。なお、発泡作用のうち半分以上を添加した水が担う範囲において、すなわち、発泡作用を担うガスの発生量のうち過半数以上を添加した水が担う範囲において、水以外の発泡剤を併用することが出来る。併用できる発泡剤としては、通常オゾン破壊係数が0.8以下の発泡剤、例えば、HCFC−141b、HFC−245fa、HFC−365mfc等のHFC系発泡剤、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤などが挙げられるほか、液化炭酸ガスや超臨界二酸化炭素なども使用することが出来る。発泡剤の配合量は、目的とする硬質ウレタンフォームの密度により適宜選択されるが、本発明の硬質ポリウレタンフォームの密度は20〜50kg/mであり、発泡剤が水であればその際のおおよその使用量はポリオール100重量部に対して2〜15部程度である。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用組成物に使用する界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の何れであってもよいが、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤の使用量は、ポリオール100重量部に対して0.5〜10重量部であり、また、2種以上の界面活性剤を使用してもよい。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用組成物においては、その他の助剤として、用途に応じて様々な化合物を、添加剤、助剤として使用することが出来る。例えば、代表的な添加剤として難燃剤や減粘剤が挙げられる。例えば、難燃剤としては、通常、クロロアルキルホスフェート類、例えば、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェート、トリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等が使用され、減粘剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、テトラグライム等が使用される。上記以外の添加剤や助剤については、特に限定されるものではなく、通常の樹脂において物性向上や操作性向上などの目的で使用されるものであれば、ウレタン化反応に著しい悪影響を及ぼすものでない限りにおいて使用することが出来る。
次に、本発明に係る硬質ポリウレタンフォームの製造方法について説明する。
本発明に係る硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、少なくとも、触媒、発泡剤としての水、界面活性剤の存在下、ポリイソシアネートとポリオールを混合する方法である。そして、以下に記載のポリオール及び触媒を使用することを特徴とする。
(1)芳香族カルボン酸成分としてフタル酸及び/又はテレフタル酸と、脂肪族カルボン酸成分としてコハク酸及び/又はアジピン酸を使用し、アルコール成分としてジエチレングリコール、トリエチレングリコール、数平均分子量が600以下のポリエチレングリコールの群から選ばれた少なくとも1種を使用してエステル化反応して得られるポリエステルポリオールを60重量%以上含むポリオール。
(2)アミン系触媒(a)、イミダゾール系触媒(b)、4級アンモニム系触媒(c)及びカリウム系触媒(d)の組合せから成り、触媒(a)〜(d)の各使用量がポリオール100重量部に対して0.01〜20重量部であり、〔(c)+(d)〕/(b)が2〜40重量比である。
上記のポリオール及び触媒については前述の通りである。本発明に係る硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、触媒、発泡剤としての水、界面活性剤の使用形態は、前述の硬質ポリウレタンフォーム用組成物に限定されない。例えば、界面活性剤はポリイソシアネート液に混合させて使用することも出来る。また、ポリイソシアネート、ポリオール、触媒の各成分をウレタン化反応の直前まで混合せずに3種類以上の原料液として取り扱う場合もある。しかしながら、実用的には、ポリイソシアネートと本発明の硬質ポリウレタンフォーム用組成物とを混合する方法が採用されることが多い。すなわち、後述する装置を使用し、ポリイソシアネートと硬質ポリウレタンフォーム用組成物との2液を混合し、発泡、硬化させる方法が採用される。
ポリイソシアネートとしては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する有機化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、脂肪族系、脂環族系、芳香族系ポリイソシアネート又はこれらの変性物が挙げられる。具体的には、脂肪族系および脂環族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。芳香族系ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート等が挙げられ、更に、これらのカルボジイミド変性物やプレポリマー等の変性物も使用し得る。
本発明における好ましいポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネート又はその変性物であり、特に好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びこれらの変性物である。これらは、2種以上を併用してもよい。ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートとしては、イソシアネート基含有率が通常25〜35重量%、粘度が通常500mPa・s(25℃)以下のものが好適に使用される。また、これらの変性物のうち、カルボジイミド変性物は、公知のリン系触媒などを使用してカルボジイミド結合を導入したものである。プレポリマーは、上記のポリイソシアネートとポリオールとを反応させ、末端にイソシアネート基を残したものである。その際、使用するポリオール成分は、ポリウレタンを製造する際に使用するポリオール成分が使用できる。
実用的には、ポリイソシアネート液として、これらのポリイソシアネートの他に、用途に応じて、添加剤や助剤をポリイソシアネートに混合して使用してもよい。例えば、前述の硬質ポリウレタンフォーム用組成物との混合性を向上させる目的で、硬質ポリウレタンフォーム用組成物でも使用される界面活性剤を相溶化剤として併用する場合がある。この場合は、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。また、難燃性の向上や粘度の調整を目的として、難燃剤を併用する場合がある。通常、クロロアルキルホスフェート類、例えば、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェートやトリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等が使用される。上記以外の添加剤や助剤については、特に限定されるものではなく、通常の樹脂において物性向上や操作性向上などの目的で使用されるものであれば、ウレタン化反応に著しい悪影響を及ぼすものでなければ何を使用しても構わない。
本発明によって得られた硬質ポリウレタンフォームは、ウレタン結合やウレア結合とイソシアヌレート結合などを有するものである。イソシアヌレート結合は、イソシアネート基を触媒により三量化させて生成され、機械的強度や耐熱性を向上させることが出来る。
本発明においては、ポリイソシアネートとポリオールを混合する際のイソシアネートインデックスが重要である。本発明におけるイソシアネートインデックスは、水と反応して消費されるポリイソシアネートを除いた〔(イソシアネート基のモル数)/(水を除く全活性水素基のモル数)×100〕であり、200〜400、好ましくは210〜390、更に好ましくは220〜380である。イソシアネートインデックスが200未満の場合は、得られた硬質ポリウレタンフォームが十分な難燃性を有しないことがあり、400を超える場合は、得られる硬質ポリウレタンフォームの脆性が高くなり、接着強度が低下する傾向にある。
本発明で得られる硬質ポリウレタンフォームの独立気泡率は、通常80%以上、好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上である。独立気泡率が80%未満の場合、難燃性が低下する。独立気泡率の上限は100%である。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの密度は、公知の方法にてフリーフォームを作成した場合のコア密度で表し、通常20〜60kg/m、好ましくは23〜58kg/m、更に好ましくは25〜55kg/mである。密度が20kg/m未満の場合、得られる硬質ポリウレタンフォームが十分な難燃性や機械強度を持たず、60kg/mを超える場合はコスト高となる。
硬質ポリウレタンフォームを製造するにあたっては、ポリイソシアネート液と硬質ポリウレタンフォーム用組成物とを均一に混合可能であれば如何なる装置でも使用することが出来る。例えば、小型ミキサーの他、一般のウレタンフォームを製造する際に使用する注入発泡用の低圧又は高圧発泡機、スラブ発泡用の低圧又は高圧発泡機、連続ライン用の低圧又は高圧発泡機、吹き付け工事用のスプレー発泡機などを使用することが出来、用途や製品の形態によって適宜選択される。尚、硬質ポリウレタンフォームを製造するに際し、硬質ポリウレタンフォーム用組成物とポリイソシアネート液のそれぞれの液温は、通常20〜60℃に調節される。
本発明の硬質ポリウレタンフォームには、必要に応じてその片面もしくは両面に適当な面材を設けることが出来る。面材としては、例えば、紙、木材、石膏ボード、樹脂、アルミニウム箔、鋼板などが使用される。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。尚、特に断りのないかぎり、実施例中の「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
[ポリエステルポリオールの合成]
実施例及び比較例で使用したポリエステルポリオールを公知の方法により合成し、ポリオール1〜4として原料組成、酸価、水酸基価、粘度(25℃)を表1に示した。尚、各々の分析はJIS K1557(2007)に準拠して行った。
Figure 2011099068
実施例1〜4及び比較例1〜5:
[硬質ポリウレタンフォーム用組成物の調製]
表2−1及び表2−2に示す原料と配合で硬質ポリウレタンフォーム用組成物1〜9を調製した。表中の配合比率は重量部(pbw)で示した。
Figure 2011099068
Figure 2011099068
表2−1及び表2−2の配合例において、原料は以下の表3に記載のものを使用した。
Figure 2011099068
実施例5〜8及び比較例6〜10:
[硬質ポリウレタンフォームの製造]
表4−1及び表4−2に示す配合割合で以下に示す方法に従い、硬質ポリウレタンフォームの製造、評価を行った。表4−1及び表4−2に評価結果を示す。
<製造方法>
ポリイソシアネート液と表2−1及び表2−2に記載の硬質ポリウレタンフォーム用組成物を混合した後、注入ボックスに流し込んでフリー発泡させ、硬質ポリウレタンフォーム(フリーフォーム)を製造した。尚、ポリイソシアネート液はポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネート MR−200」)を使用し、混合の際のイソシアネートインデックスは表4−1及び表4−2に示した。
<発泡条件>
室温:23〜25℃
液温:25℃
攪拌:3000rpm×5〜7秒間
注入ボックス:木製(200mm×200mm×200mm)上部開放
脱型時間:混合後30分
得られた硬質ポリウレタンフォームの評価は下記の方法で行った。
<評価方法>
(1)コア密度:
JIS A9511(2003)に準拠して測定した。
(2)難燃性:
藤原産業株式会社製の「ガストーチ170」を使用し、以下のように貫炎試験で評価した。すなわち、作成したフリーフォームのコア部を200mm×200mm×25mmに切り出し、ガストーチの炎が筒先から10cmの距離でフォーム中心部に垂直に当たるようにセットした。ガストーチに点火後、炎がフォームを貫通するまでの時間を測定し、以下の基準で評価した。
○:3分以上貫通しなかった。
△:2分以上〜3分未満で貫通した。
×:2分未満で貫通した。
(3)圧縮強度:
JIS A9511(2003)に準拠して測定し、発泡に水平方向(//)、垂直方向(⊥)で示した。
(4)寸法安定性:
コア密度を測定したサンプルの常温における24時間後の寸法変化率(発泡に水平方向、垂直方向)を測定し、以下の基準で評価した。
○:水平、垂直ともに3%未満である。
△:水平、垂直ともに5%未満である。
×:水平、垂直いずれかが5%以上である。
(5)接着性:
クラフト紙面材を使用してフリーフォームを作成し、底面中央部を5×10×3cmに切り出して試験片を作成。クラフト紙面材の長さ方向端部を引き剥がした後に引張試験機で厚み方向に引っ張り、その剥離強度(N/5cm)を測定して、以下の基準で評価した。
○:12N/5cm以上である。
△:9N/5cm以上である。
×:9N/5cm未満である。
(6)脆性:
硬質ポリウレタンフォームの表面及び底部を触診、定性観察して、以下の基準で評価した。
○:殆ど脆さがない。
△:若干の脆さがある。
×:脆い。
Figure 2011099068
Figure 2011099068
以上の結果より、主に次のことが明らかである。
(1)実施例と比較例1及び2との比較結果:
芳香族カルボン酸と脂肪族カルボン酸を組み合わせたポリオール−1及び−2を使用した実施例に対し、芳香族カルボン酸のみのポリオール−3を使用した比較例1は接着性と脆性が悪く、脂肪族カルボン酸のみのポリオール−4を使用した比較例2は難燃性が悪い。
(2)実施例と比較例3及び4との比較結果:
イミダゾール系触媒(b)、4級アンモニム系触媒(c)、カリウム系触媒(d)の重量比が〔(c)+(d)〕/(b)で10、25、40の実施例に対し、〔(c)+(d)〕/(b)で1である比較例3は難燃性が悪く、〔(c)+(d)〕/(b)が50である比較例4は接着性が悪い。
(3)実施例と比較例5及び6との比較結果:
イソシアネートインデックスが300である本発明の実施例に対し、イソシアネートインデックスが170の比較例5は難燃性が悪く、イソシアネートインデックスが450である比較例6は接着性が悪い。
(4)実施例と比較例7との比較結果:
本発明で規定するポリエステルポリオールを70重量部以上使用した実施例に対し、40重量部しか使用しなかった比較例7は難燃性が悪い。

Claims (3)

  1. ポリイソシアネートと混合して硬質ポリウレタンフォームとするために使用される硬質ポリウレタンフォーム用組成物であって、少なくとも、ポリオール、触媒、発泡剤としての水、界面活性剤を含み、以下に記載のポリオール及び触媒を使用して成ることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用組成物。
    (1)芳香族カルボン酸成分としてフタル酸及び/又はテレフタル酸と、脂肪族カルボン酸成分としてコハク酸及び/又はアジピン酸を使用し、アルコール成分としてジエチレングリコール、トリエチレングリコール、数平均分子量が600以下のポリエチレングリコールの群から選ばれた少なくとも1種を使用してエステル化反応して得られるポリエステルポリオールを60重量%以上含むポリオール。
    (2)アミン系触媒(a)、イミダゾール系触媒(b)、4級アンモニム系触媒(c)及びカリウム系触媒(d)の組合せから成り、触媒(a)〜(d)の各使用量がポリオール100重量部に対して0.01〜20重量部であり、〔(c)+(d)〕/(b)が2〜40重量比である。
  2. ポリエステルポリオールにおいて、全カルボン酸成分におけるコハク酸及び/又はアジピン酸の割合が10〜80モル%であり、ポリエステルポリオールの水酸基価が100〜400(mgKOH/g)である、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム用組成物。
  3. 少なくとも、触媒、発泡剤としての水、界面活性剤の存在下、ポリイソシアネートとポリオールとを混合して硬質ポリウレタンフォームを製造するに当り、以下に記載のポリオール及び触媒を使用し、イソシアネートインデックスが200〜400の条件下にポリイソシアネートとポリオールを混合すること特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
    (1)芳香族カルボン酸成分としてフタル酸及び/又はテレフタル酸と、脂肪族カルボン酸成分としてコハク酸及び/又はアジピン酸を使用し、アルコール成分としてジエチレングリコール、トリエチレングリコール、数平均分子量が600以下のポリエチレングリコールの群から選ばれた少なくとも1種を使用してエステル化反応して得られるポリエステルポリオールを60重量%以上含むポリオール。
    (2)アミン系触媒(a)、イミダゾール系触媒(b)、4級アンモニム系触媒(c)及びカリウム系触媒(d)の組合せから成り、触媒(a)〜(d)の各使用量がポリオール100重量部に対して0.01〜20重量部であり、〔(c)+(d)〕/(b)が2〜40重量比である。
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