JP5007567B2 - ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタンフォームに関する。
ポリウレタンフォームは優れた断熱特性を有することから、冷蔵室、冷蔵庫、冷凍室、冷凍庫、一般建造物の断熱材等に広く用いられている。ポリウレタンフォームは、一般にポリイソシアネート成分液(以下、A液と略記)と、ポリエーテルポリオール及び/またはポリエステルポリオール、発泡剤、さらに必要に応じて触媒や整泡剤等を混合した混合液(以下、B液と略記)を用意し、A液とB液を混合して、短時間で発泡、硬化させる方法で製造される。このため、ポリエステルポリオールには発泡剤との相溶性が高いことに加えて、低粘度で取り扱いが容易であることが求められる。
発泡剤としては、一般的に低沸点無極性有機溶媒が用いられ、具体的には、HCFC系発泡剤の他、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤が用いられている。また、用途やポリウレタンフォームの製造条件によっては、引火点が低く爆発性を有するHC系発泡剤では実用上問題があり、HCFC系発泡剤が多用されている。
一方、オゾン層破壊が問題となって以来、それまで汎用的に用いられてきたCFC系発泡剤、特にCFC−11E等からオゾン破壊係数の小さいHCFC系発泡剤、特にHCFC−141bが現在は代替使用されている。しかしこのHCFC−141bもオゾン破壊係数がゼロではなく、2003年末以降使用が制限されており、その代替品としては、HFC系発泡剤、特にHFC−245faが想定されているほか、HC系発泡剤及び水も有望な発泡剤となっている。
現在及び将来使用が想定されるこれらの発泡剤を用いた場合の共通の問題点として、B液の主成分であるポリエーテルポリオール及び/またはポリエステルポリオールからなるポリオール成分とこれらの発泡剤との相溶性が悪いことが挙げられる。特に、HCFC系発泡剤の代替品として想定されている、HFC−245fa等のHFC系発泡剤、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤及び水との相溶性の悪さが、B液組成の設定の制約となっている。
さらに、HFC系発泡剤、HC系発泡剤、水等の発泡剤を用いた発泡処方は、従来のHCFC系発泡剤を用いた発泡処方と比較して、発泡剤とウレタン原料との相溶性・分散性が低いために、反応性や発泡効率の低下(高密度化)、成形体の表面の仕上がり不良、得られるフォームの強度低下、寸法安定性の低下、特に被着部材との接着強度の低下を生じやすい。また、断熱性能が必要な分野では、セル荒れによる熱伝導率の悪化を生じやすく、低温吹き付け工事においては、相溶性低下のために接着強度の低下、層間剥離、ヘタリ等が発生しやすい。特に、発泡剤として水だけを用いた場合に、この傾向が顕著に現れる。
一方で、HFC系発泡剤、HC系発泡剤を用いる処方においても、環境への配慮、コスト削減の面からも水を多く配合する処方が検討されており、水とポリイソシアネート成分との反応によって生成するウレア基の増加により、ポリウレタンフォームのフライアビリティが大きくなり、さらに接着強度の低下を引き起こすことで問題となる。
これらの問題点、特に発泡剤との相溶性の悪さ及び被着部材との接着強度の低下を解決するため、これまでにも種々の検討がなされてきた。例えば、相溶性を向上させるある種の界面活性効果を有する相溶化剤(特許文献1)が近年種々提案されている。しかしながら、これらの相溶化剤は、通常水酸基を持たない化合物が殆どのため、たとえB液の補助成分として、上記の発泡剤との相溶性向上に寄与したとしても、ウレタン化反応には供しないため、ポリウレタンフォーム中にそのまま存在し、その物性、特に強度や耐熱性、接着強度などを著しく悪化させる場合がある。従って、発泡剤とB液との相溶性の低さを解決するためには、相溶性の向上と共に分子内に水酸基を有したポリオールとしても機能する化合物であることが実用上極めて重要と考えられる。
また、被着部材との接着強度や寸法安定性の改良方法も検討されており、例えば、トリレンジアミン、トリエタノールアミン、グリセリン、エチレンジアミンを開始剤にエチレンオキシド・プロピレンオキシドを付加したポリエーテルポリオールを使用した方法(特許文献2)、あるいは、オキシエチレン及び/またはオキシプロピレングリコールのジアルキルエーテルのような水酸基を持たない助剤を使用する方法(特許文献3)が挙げられる。
特開2004−107439 特開平6−316621 特開2002−363241
しかしながら、これらの方法では、添加量が少量では接着強度を改善させる効果が小さく、また添加量を多くするとコスト面で不利になるほか、ポリウレタンフォームの難燃性の低下等の悪影響が生じる。
そこで、これら添加剤の使用に代えて、水酸基を有し、ポリエーテルポリオールに比べて分子間の凝集力が強く、難燃性の低下を招かないポリエステルポリオールであって、発泡剤との相溶性が良く、かつポリウレタンフォームと被着部材との接着強度を改善させるようなポリエステルポリオールを提供できれば、ポリオール成分の一部として適量用いることにより、均一安定性の良いB液が得られ、さらには優れた物性を有するポリウレタンフォームを得ることができると期待される。
これらの課題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討した結果、ポリエステルポリオールの製造原料であるカルボン酸成分の少なくとも一部としてコハク酸を、アルコール成 分の少なくとも一部としてトリエチレングリコールをそれぞれ特定量用いることによって、発泡剤との相溶性が良いポリエステルポリオールが得られ、そのポリエステルポリオールを用いて、被着部材との接着強度が改善したポリウレタンフォームが得られることを見いだし、本発明に至った。
本発明により得られたポリウレタンフォームを製造するためのポリエステルポリオールは、従来汎用的に用いられているポリエステルポリオールと同様に、ポリウレタンの一構成成分としてポリウレタンの分子内に組み込まれるため、ポリウレタンの物性を損なうことなく、上記の特性を発揮することができる。
即ち、本発明は、以下を特徴とする要旨を有するものである。
(1)ポリエステルポリオールを含むポリオール成分と、ポリイソシアネート成分とを発泡剤の存在下反応させてなるポリウレタンフォームであって、
(A)上記ポリエステルポリオールが、コハク酸を、全カルボン酸成分中の30重量%以上用い、且つ、トリエチレングリコールを、全アルコール成分中の30重量%以上用いて得られるポリエステルポリオールであり、
(B)上記ポリエステルポリオールの使用量が全ポリオール成分中の1重量%以上50重量%以下であり、且つ、
(C)上記発泡剤が、オゾン破壊係数が0.8以下である、
ポリウレタンフォーム。
(2)発泡剤が、HFC系発泡剤、HC系発泡剤及び水からなる群より選ばれた1種以上の発泡剤であることを特徴とする上記(1)に記載のポリウレタンフォーム。
(3)ポリエステルポリオールの粘度が30000mPa・s以下であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポリウレタンフォーム。
(4)ポリエステルポリオールの酸価が10mgKOH/g以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリウレタンフォーム。
本発明によれば、ポリウレタン、特に、ポリウレタンフォームの原料ポリオールとして、低粘度で取り扱いが容易であることに加えて、発泡剤、特にHFC−245fa等のHFC系発泡剤、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤及び水との相溶性が高いポリエステルポリオールを用いることにより、被着部材との接着強度が向上したポリウレタンフォームを提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明におけるポリエステルポリオールは、好適には、ポリウレタン、特にポリウレタンフォームに使用されるポリエステルポリオールであって、カルボン酸成分とアルコール成分から得られるポリエステルポリオールである。
本発明において、ポリエステルポリオールの原料であるカルボン酸成分の少なくとも一部として、コハク酸を用いることを必須とする。コハク酸の使用量は、通常、全カルボン酸成分の30重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上であり、カルボン酸成分の全量をコハク酸としても良い。コハク酸の使用量が全カルボン酸成分の30重量%未満では、発泡剤との相溶性向上や被着部材との接着強度の向上といった効果が小さいため好ましくない。なお、本発明のコハク酸には、無水コハク酸をも含めるものとし、また、コハク酸のかわりに、メタノール、エタノール、2−エチルヘキサノール等の炭素数が1〜8のモノアルコールでエステル化されたもの、例えばジメチルコハク酸等を用いてもよい。これらの場合の使用量は、コハク酸に換算した重量で計算するものとする。
カルボン酸成分の全量をコハク酸としない場合に用いるカルボン酸としては、コハク酸以外の脂肪族ジカルボン酸、または、脂肪族トリカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸が挙げられる。好適な脂肪族ポリカルボン酸成分としては、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、及びこれらの酸無水物が挙げられる。これら脂肪族ポリカルボン酸以外のカルボン酸として、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸を用いてもよい。これらコハク酸以外に用いるカルボン酸成分のうち、特に好ましいのは、フタル酸、アジピン酸である。なお、これらのカルボン酸類は、メタノール、エタノール、2−エチルヘキサノール等の炭素数が1〜8のモノアルコールでエステル化されたもの、例えばジメチルテレフタル酸等を用いても構わない。コハク酸以外に用いるこれらのカルボン酸成分は、それぞれ単独で或いは2種以上を混合して用いることができる。
本発明において、ポリエステルポリオールの原料であるアルコール成分の少なくとも一部として、トリエチレングリコールを用いることを必須とする。トリエチレングリコールの使用量は、通常、全アルコール成分の30重量%以上、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上であり、アルコール成分の全量をトリエチレングリコールとしても良い。トリエチレングリコールの使用量が全アルコール成分の30重量%未満では、発泡剤との相溶性向上や被着部材との接着強度の向上といった効果が小さく、また粘度が著しく増加する等の悪影響を生じる場合があるため好ましくない。
アルコール成分の全量をトリエチレングリコールとしない場合に用いるアルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオールが挙げられる。その他使用可能なアルコール成分として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン/オキシプロピレン共重合グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の長鎖ポリエーテルポリオール類も挙げられる。トリエチレングリコール以外に用いるこれらのアルコール成分は、それぞれ単独で或いは2種以上を混合して用いることができる。
また、ポリエステルポリオールの粘度は、好ましくは30000mPa・s以下、特に25000mPa・s以下であることが好ましい。ポリエステルポリオールの粘度を30000mPa・s以下に下げる方法として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−エチルヘキサノール等のモノオールを用いることもできる。但し、これらのモノオールを用いた場合、ポリエステルポリオールの合成において反応系外に留出して収率を悪化させたり、ポリウレタンの強度や耐熱性に悪影響を及ぼしたりする場合があるので、実用上問題とならない範囲で使用することが好ましい。
本発明におけるエステル化反応においては、通常、エステル化触媒が用いられる。触媒としては、一般に酸触媒が用いられることが多い。ルイス酸としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のオルトチタン酸エステルや、ジエチル錫オキシド、ジブチル錫オキシド等の錫系化合物や、酸化亜鉛等の金属化合物が用いられる。また、ルイス酸の他には、パラトルエンスルホン酸等のブレンステッド酸を用いても構わない。
一方、得られたポリエステルポリオールは、ポリイソシアネート成分とウレタン化反応してポリウレタンとなるが、この際、ポリエステルポリオールの合成に用いた触媒が、ウレタン化反応の反応挙動に影響を及ぼさない方が望ましい。そのため、上記のエステル化触媒の中では、オルトチタン酸エステルが好ましく、使用量についても、原料に用いるカルボン酸成分とアルコール成分の合計に対して、通常、1.0重量%以下、好ましくは0.2重量%以下で、通常、0.01重量%以上、好ましくは0.03重量%以上である。ポリウレタンの用途によっては、これらのエステル化触媒を用いないで反応しても構わない。
本発明のポリエステルポリオールの製造において、カルボン酸成分とアルコール成分を使用する割合は、目標とするポリエステルポリオールの水酸基価や粘度、数平均分子量などによっても異なるが、カルボン酸成分のカルボキシル基1当量に対するアルコール成分の水酸基の当量として、通常、1.05当量以上、好ましくは1.1当量以上、さらに好ましくは1.2当量以上で、通常、4.0当量以下、好ましくは3.0当量以下、さらに好ましくは2.5当量以下である。この値が小さすぎると、ポリエステルポリオール中の水酸基が著しく減少し、さらにポリイソシアネート成分とウレタン化反応して得られるポリウレタンフォームの強度や耐熱性等の性能に著しい悪影響を及ぼす恐れがある。一方、この値が大きすぎると、ポリエステルポリオール中にエステル化反応に供されなかった、フリーのアルコール成分が多量に残ってしまう。この様にして得られたポリエステルポリオールを用いると、さらにポリイソシアネート成分とウレタン化反応して得られる硬質ポリウレタンフォームの強度や耐熱性等の性能に、やはり著しい悪影響を及ぼす恐れがある。
本発明のポリエステルポリオールの製造における反応温度は、通常、150℃以上、好ましくは180℃以上で、通常、250℃以下、好ましくは230℃以下の範囲で行われる。例えば、150℃で反応を開始し、反応の進行に伴って230℃まで徐々に昇温するような条件であれば、反応を制御し易い。一方、反応圧力は常圧でも構わないが、副生する水を系外に除去し、反応を速やかに完結させるために反応の進行に伴って、徐々に減圧すると良い。ただし、反応時の減圧度が不足するとエステル化反応の完結度が低くなり、酸価の高いポリエステルポリオールが生成してしまう。一方、反応時に過度に減圧してしまうと、アルコール成分が系外に留去され収率を損なうばかりか、高分子量のポリエステルポリオールを形成し、得られたポリエステルポリオールの粘度を著しく上昇させると共に、発泡剤に対する相溶性を低下させる傾向を示す場合もある。従って、適切な到達反応圧力は、反応温度によっても異なるが、例えば、反応温度が200℃の場合においては、圧力は、通常、2kPa以上、好ましくは5kPa以上で、通常、50kPa以下、好ましくは30kPa以下であるが、目標とするポリエステルポリオールの粘度や水酸基価、用いるアルコールの種類、使用量によっては、上記の圧力範囲以外の条件で反応を行っても構わない。また、減圧する代わりに、トルエン、キシレン等の有機溶媒を少量併用して、副生する水を系外に共沸させて除去しても構わない。
本発明のポリエステルポリオールの製造における反応の終点は、ポリエステルポリオールの場合には、通常、用いた多価カルボン酸の未反応カルボキシル基の量で決定する。一方、ポリウレタンの用途においては、ポリイソシアネート成分とのウレタン化反応に対して、酸の存在は反応性を低下させる等好ましくない場合が多い。従って、ポリエステルポリオールについても、未反応のカルボン酸の量、すなわち酸価は出来るだけ低い方が好ましい。硬質ポリウレタンフォームの用途において、酸価は、通常、10mgKOH/g以下、好ましくは5mgKOH/g以下、さらに好ましくは3mgKOH/g以下である。また、さらに厳しいウレタン化反応条件下では、1mgKOH/g以下が望まれる場合がある。
上記の様にして得られたポリエステルポリオールは、通常、用いたカルボン酸成分とアルコール成分からなる構造を有するエステル化合物と未反応のアルコール成分とからなる。本発明において得られるポリエステルポリオールでは、上記のエステル化合物の平均官能基数は、通常、1.0以上、好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上である。エステル化合物の平均官能基数が小さすぎると、それからさらにポリイソシアネート成分とウレタン化反応して得られるポリウレタンの重合度を低下させ、例えば、ポリウレタンフォームの場合には、特に強度や耐熱性などを著しく悪化させる場合がある。
また、エステル化合物の平均官能基数を一定の目標値に保ち、及び/または平均分子量を一定に保つには、エステル化反応中にエステル交換反応に伴って平衡状態にあるアルコール成分を極力反応系外に留出させないことが重要である。アルコール成分の留出が多すぎると、エステル化合物の平均官能基数が当初の製品設計に対して異なったものになったり、平均分子量が大きくなり、その結果得られるポリエステルポリオールの粘度が著しく大きくなったりして好ましくない。従って、エステル化反応中に系外に留出するアルコール成分の量は、全アルコール成分に対して、通常、5%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。但し、目標とするポリエステルポリオールの粘度や水酸基価、用いるアルコール成分の使用量によっては、上記の範囲を超えてアルコール成分を留去しても構わない。なお、本発明のポリエステルポリオールの望ましい数平均分子量としては、目的とする用途にもよるが、概ね300〜3000の範囲、さらに好ましくは500〜2000の範囲である。
なお、反応開始時には、生成するポリエステルポリオールの着色を防ぐために反応容器の空間部を窒素置換し、さらに反応液中の溶存酸素も除去することが好ましい。また、反応終了の後に、適当な減圧条件下に、未反応のフリーのアルコール成分を系外に留去させて、ポリエステルポリオールの物性や性能を調節しても構わない。
本発明におけるポリエステルポリオールの反応形式は、通常のバッチ設備あるいは連続設備に適用できるが、反応時間が長時間に渡ること、及び得られるポリエステルポリオールの粘度が原料に用いられたアルコール成分に比べてかなり高くなること等から、バッチ設備による反応の方が好ましい。
本発明により得られるポリエステルポリオールは、好適には、ポリオールとポリイソシアネート成分とを反応させて得られるポリウレタン、特に、ポリウレタンフォームに使用され、低粘度で取り扱いが容易であることに加えて、オゾン破壊係数が0.8以下の発泡剤、特に今後用いられるHFC−245fa等のHFC系発泡剤、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤及び水等の発泡剤との相溶性が高いポリエステルポリオールとして有用である。
ポリウレタンフォームは、ポリイソシアネート成分からなるA液と、ポリエーテルポリオール及び/またはポリエステルポリオール等からなるポリオール成分、発泡剤、触媒や整泡剤、さらに必要に応じてその他の添加剤や助剤を混合してなるB液とを、短時間で混合、発泡、硬化させる方法で製造される。
ポリイソシアネート成分としては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する有機化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、脂肪族系、脂環族系又は芳香族系のポリイソシアネート並びにこれらの変性物が挙げられる。具体的には、脂肪族系又は脂環族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。芳香族系ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート及びポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート等が挙げられ、さらにこれらのカルボジイミド変性物やプレポリマー等の変性物も包含される。
本発明における好ましいポリイソシアネート成分は、芳香族ポリイソシアネートまたはその変性物であり、特に好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、及びこれらの変性物が挙げられ、単独でもそれらを混合して用いてもよい。ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートとしては、イソシアネート基含有率が通常、29〜32重量%、粘度が通常、250mPa・s(25℃)以下のものが使用される。また、これらの変性物のうち、カルボジイミド変性物は、公知のリン系触媒等を用いてカルボジイミド結合を導入したものである。プレポリマーは、上記のポリイソシアネートとポリオールとを反応させ、末端にイソシアネート基を残したものである。その際用いるポリオールは、ポリウレタンを製造する際に使用するポリオールが通常使用できる。
さらに、これらのポリイソシアネートの他に、用途に応じて、添加剤、助剤をポリイソシアネート成分に混合して用いてもよい。例えば、B液との混合性を向上させる目的で、B液でも用いられる整泡剤を相溶化剤として併用する場合がある。その際には、通常、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤がよく用いられる。また、難燃性の向上及び粘度の調整を目的として、難燃剤を併用する場合がある。ポリウレタンフォームの用途においては、通常、クロロアルキルホスフェート類、例えば、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェートやトリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等がよく用いられる。上記以外の添加剤、助剤については、特に限定されるものではなく、通常の樹脂において物性向上や操作性向上等の目的で用いられるもので、ウレタン化反応に著しい悪影響を及ぼすものでなければ何を用いても構わない。
一方、ポリオール成分としては、一般に、水酸基価が、通常、50〜800、官能基数が、通常、2〜8のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等を用いることができ、また、これらを2種類以上混合して用いても構わない。
ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の単独または併用によるアルキレンオキシドの重合物、ショ糖、ソルビトール、グリセリン等の3官能以上の多価アルコール類と上記アルキレンオキシドの付加物、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン類と上記アルキレンオキシドの付加物等が挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとしては、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のグリコールを、それぞれ単独または混合使用して、エステル化反応により得られる、水酸基価が、通常、200〜400、平均官能基数が、通常、2〜3程度のポリエステルポリオールが挙げられる。
本発明においては、これらのポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールと組み合わせて、前記した本発明のコハク酸とトリエチレングリコールから得られたポリエステルポリオールを用いることが重要である。本発明のコハク酸とトリエチレングリコールから得られたポリエステルポリオールの使用量としては全ポリオール成分中、通常、1重量%以上、好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上、通常、50重量%以下、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下の範囲である。
また、この他に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコールやジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等の活性水素を1分子中に2個以上有する化合物も併用することができる。
本発明のポリウレタンフォームに用いる発泡剤としては、オゾン破壊係数が通常、0.8以下の発泡剤、例えば、HCFC−141bの他に、HFC−245fa等のHFC系発泡剤、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤及び水等の今後用いられる発泡剤が、本発明のポリエステルポリオールのこれらの発泡剤との相溶性が向上しているため、好適に使用できる。また、これらの発泡剤を単独で使用しても、混合使用しても構わない。
本発明のポリウレタンフォームに用いる触媒としては、通常のウレタンフォームの製造に使用される公知の触媒が使用できる。例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン等のアミン系触媒の他に、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等の錫系及びオクチル酸鉛等の鉛系等の金属系触媒等が挙げられる。
本発明のポリウレタンフォームに用いる整泡剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系界面活性剤を用いることができるが、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤がよく用いられる。その他、用途に応じて、様々な化合物が、添加剤、助剤として併せて用いられる場合がある。例えば、代表的な添加剤として難燃剤が挙げられる。ポリウレタンフォームの用途においては、通常、クロロアルキルホスフェート類、例えば、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェートやトリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等がよく用いられる。上記以外の添加剤、助剤については、特に限定されるものではなく、通常の樹脂において物性向上や操作性向上等の目的で用いられるもので、ウレタン化反応に著しい悪影響を及ぼすものでない限りにおいて使用することができる。
本発明におけるポリウレタンフォームの製造方法の具体的な手順は、前述のポリイソシアネート成分をA液、前述のポリオール成分をB液として、発泡剤、触媒、整泡剤及びその他の添加剤等をあらかじめA液及び/またはB液に適宜混合させ、後述する装置を用いて2液を混合し、発泡、硬化させるという方法である。なお、発泡剤、触媒、整泡剤はB液に混合しておくほうが好ましい。
本発明によって得られたポリウレタンフォームは、ウレタン結合やウレア結合といった化学結合を有するものである。また、製造条件によっては、発泡時にイソシアヌレート基を生成させることができる。イソシアヌレート基は、イソシアネート基を触媒により三量化させて生成され、機械的強度や耐熱性を向上させることができる。
本発明において、好ましいイソシアネートインデックス(ポリイソシアネート成分中の全イソシアネート基のモル数/ポリオール中の全活性水素基のモル数×100)は、いわゆるウレタンフォームの場合で、通常70以上、好ましくは80以上、さらに好ましくは90以上で、通常、150以下、好ましくは140以下、さらに好ましくは130以下であり、三量化触媒を用いてのいわゆるイソシアヌレートフォームの場合で、通常150以上、好ましくは160以上、さらに好ましくは170以上で、通常、800以下、好ましくは700以下、さらに好ましくは600以下である。イソシアネートインデックスがウレタンフォームの場合で70未満、イソシアヌレートフォームの場合で150未満になると、得られたフォームが十分な強度を有しないことがあり、収縮し易くなる、また、ウレタンフォームの場合で150を超え、イソシアヌレートフォームの場合で800を超えると、得られるフォームの脆性が高くなり、接着強度が低下する傾向にあるので好ましくない。
ウレタンフォームを製造するにあたっては、A液とB液を均一に混合可能であればいかなる装置でも使用することができる。例えば、小型ミキサーや、一般のウレタンフォームを製造する際に使用する、注入発泡用の低圧、または高圧発泡機、スラブ発泡用の低圧、または高圧発泡機、連続ライン用の低圧、または高圧発泡機、吹き付け工事用のスプレー発泡機等を使用することができる。なお、ウレタンフォームを製造するに際し、A液、B液それぞれの液温は20〜60℃に調節しておくことが好ましい。
以下に、調製例及び実施例により本発明の具体的態様をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの調製例及び実施例によって限定されるものではない。なお、特に断りのないかぎり、調製例及び実施例中の「部」、及び「%」はそれぞれ「重量部」、及び「重量%」を意味する。
[ポリウレタンフォーム用ポリエステルポリオールの合成]
以下に示す方法で、ポリエステルポリオールの合成、及び評価を行い、評価結果を表−1に示す。(調製例1〜5及び比較例1)
調製例1」
攪拌機、還流冷却機、温度計、圧力計、加熱装置などを装備した、容積が2リットルのガラス製反応器に、コハク酸500g、ジエチレングリコール320g、トリエチレングリコール320gを仕込み、反応器の空間部を窒素ガス置換した後、反応器内用物の加熱を開始した。反応器内温が150℃に達した時点で、触媒としてテトライソプロピルチタネート0.5gを反応器内に添加し、反応を開始した。
その後、3時間かけて内温を210℃に昇温し、反応終了時までこの温度を保持した。一方、反応器内の圧力は、内温が150℃の時点から内温が210℃に達するまでは、88.0kPaに維持した。その後、3時間かけて徐々に減圧して、5.3kPaとし、反応が終了するまでこの圧力を保持した。反応の進行に伴い、反応混合物は均一な溶液になることが、目視観察された。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定して反応の進行状況確認の指標とした。反応の終了は、酸価が1.0以下となり、かつ、反応混合物が均一な溶液となった時点とした。反応終了後、加熱を停止して100℃付近まで冷却し、反応生成物を抜き出し、抜き出した試料につき酸価、水酸基価、及び粘度を測定した。
また、得られたポリエステルポリオールに対する発泡剤(HFC−245fa、シクロペンタン、水)の溶解度を測定した。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−1」とした。
調製例2」
調製例1の仕込み原料において、コハク酸を260g、ジエチレングリコール300g、トリエチレングリコール300gとし、さらに無水フタル酸を260g用いた以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−2」とした。
調製例3」
調製例1の仕込み原料において、ジエチレングリコールを使用せず、コハク酸を440g、トリエチレングリコール690gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−3」とした。
調製例4」
調製例1の仕込み原料において、ジエチレングリコールを使用せず、コハク酸を404g、トリエチレングリコール719gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−4」とした。
調製例5」
調製例1の仕込み原料において、ジエチレングリコールを使用せず、コハク酸を412g、トリエチレングリコール640g、グリセリンを74gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−5」とした。
「比較例1」
調製例1の仕込み原料において、コハク酸及びトリエチレングリコールを使用せず、無水フタル酸を570g、ジエチレングリコール500gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−6」とした。
得られたポリエステルポリオールの評価は、下記の方法で行い、結果を「表1」に示した。
<評価方法>
(1)酸価
JIS K15571970に準拠して測定した。
(2)水酸基価
JIS K15571970に準拠して測定した。
(3)粘度
JIS K15571970に準拠して回転粘度計(B型粘度計)を使用し、25℃で測定した。
(4)ポリエステルポリオールへの発泡剤の溶解度
200mlのビーカーにポリエステルポリオール30〜50gを採り、室温・大気圧下の解放系において、30φの三方後退翼を用いて、400rpmで攪拌しながら発泡剤を徐々に添加し、目視で30秒以内に透明な均一相を形成しうる最大添加量を測定して求めた溶解度をポリエステルポリオールと発泡剤の相溶性の指標とした。
Figure 0005007567
「実施例6〜13及び比較例2〜7」
[ポリウレタンフォーム用ポリオールプレミックス液の調製]
表2及び表3に示す原料、配合でポリウレタンフォーム用ポリオールプレミックス、「プレミックス−1〜14」を調製した。
Figure 0005007567
Figure 0005007567
なお、「表−2」及び「表−3」の配合例において、原料は以下のものを用いた。
ポリオール−1〜6 : 前述のポリエステルポリオール
ポリオール−7 : 「MAXIMOL RFK−504」 テレフタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業株式会社製)
ポリオール−8 : 「MAXIMOL RFK−556」 テレフタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業株式会社製)
ポリオール−9 : 「GR−04」 エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール(三井武田ケミカル株式会社製)
ポリオール−10 : 「GR−07」 エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール(三井武田ケミカル株式会社製)
ポリオール−11 : 「MN−3050」 グリセリン系ポリエーテルポリオール(三井武田ケミカル株式会社製)
発泡剤−1 : HCFC−141b(ダイキン工業株式会社製)
発泡剤−2 : HFC−245fa(セントラル硝子株式会社製)
触媒−1 : 「KAOライザーNo1」 アミン系触媒(花王株式会社製)
触媒−2 : 「DABCO K−15」 脂肪酸カリウム系触媒(エアープロダクツジャパン株式会社製)
整泡剤 : 「SZ−1717」 シリコーン系整泡剤(東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社製)
難燃剤 : トリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート リン系難燃剤(大八化学株式会社製)
[ポリウレタンフォームの製造]
以下に示す方法で、ポリウレタンフォームの製造、評価を行った。
<製造方法>
A液(ポリイソシアネート液)と表−2及び表−3に記載のB液(ポリオールプレミックス液)を混合した後、注入ボックスに流し込んでフリー発泡させ、ウレタンフォームを製造した。(実施例6〜13、比較例2〜7) 反応性及び評価結果を表−4及び表−5に示す。なお、ポリイソシアネート液は下記のものを用いた。また、発泡条件及び反応性は以下の通りとした。
ポリイソシアネート液 : 「ミリオネート MR−200」 ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業株式会社製)
<発泡条件>
実施例6〜10、比較例2〜4
イソシアネートインデックス : 110
室温 : 24℃±1℃
液温 : 20℃±1℃
攪拌 : 3000rpm×7秒間
注入ボックス : 木製 200mm×200mm×200mm 上部開放
脱型時間 : 1時間

実施例11〜13、比較例5〜7
イソシアネートインデックス : 170
室温 : 24℃±1℃
液温 : 15℃±1℃
攪拌 : 3000rpm×5秒間
注入ボックス : 木製 200mm×200mm×200mm 上部開放
脱型時間 : 1時間

<反応性>
プレミックス液とイソシアネートを混合し始めた時をスタートとして以下に定義される時間を測定した。
クリームタイム: 発泡高さ1%になるまでの時間。
ゲルタイム: フォーム表面に針を刺し、引き抜いた時に糸を引くようになるまでの時間。
ライズタイム:発泡高さ95%になるまでの時間。
得られたポリウレタンフォームの評価は、下記の方法で行い、結果を「表4」「表5」に示した。
<評価方法>
(1)コア密度
JIS A95112003に準拠して測定した。
(2)圧縮強度
JIS A95112003に準拠して測定した。
(3)接着強さ
A液(ポリイソシアネート液)とB液(ポリオールプレミックス液)を混合した後、10℃に温度調節したアルミ板上でフリー発泡させ、10℃の恒温槽に1日静置後、ウレタンフォームを引き剥がす際の力を相対的に評価した。
◎:しっかりと接着している
○:強い力をかけるとウレタンフォームが剥がれる
△:弱い力でウレタンフォームが剥がれる
(4)脆さ
ウレタンフォームを定性観察して評価した。
◎:ほとんど脆さがない。
○:若干の脆さがある。
△:脆い
(5)難燃性
切り出したウレタンフォームを燃焼させて、元のウレタンフォームの重量に対して残ったチャー(炭化物)の重量を測定することで評価した。
◎:30重量%以上のチャーが残っている
○:20重量%以上のチャーが残っている。
△:チャーがほとんど残っていない。
(6)自己消火性
JIS A95112003に準拠して測定した。
Figure 0005007567
Figure 0005007567
表1〜表5より次のことが明らかである。
(1)調製例1〜5と比較例1の比較結果
全カルボン酸成分中のコハク酸の使用量が50〜100重量%、かつ全アルコール成分中のトリエチレングリコールの使用量が50〜100重量%である調製例1〜5の場合、比較例1のコハク酸が0重量%、かつトリエチレングリコールが0重量%の場合に比べ、粘度が低く、さらに発泡剤の溶解度が高いポリエステルポリオールが得られる。
(2)実施例6〜10及び実施例11〜13と比較例2、3及び比較例5、6の比較結果
全カルボン酸成分中のコハク酸の使用量が50〜100重量%、かつ全アルコール成分中のトリエチレングリコールの使用量が50〜100重量%であるポリエステルポリオールを用いた実施例6〜10及び実施例11〜13の場合、コハク酸が0重量%、かつトリエチレングリコールが0重量%のポリエステルポリオールを用いた比較例2及び比較例5、並びにテレフタル酸系ポリエステルポリオールだけを用いた比較例3及び比較例6の場合に比べ、接着強度、及びウレタンフォームの脆さが改善される。また、圧縮強度、難燃性、自己消火性の低下は少ない。
(3)実施例6〜10及び実施例11〜13と比較例4及び比較例7の比較結果
全カルボン酸成分中のコハク酸の使用量が50〜100重量%、かつ全アルコール成分中のトリエチレングリコールの使用量が50〜100重量%であるポリエステルポリオールを用いた実施例6〜10及び実施例11〜13の場合、グリセリン系のポリエーテルポリオールを用いた比較例4及び比較例7の場合に比べ、接着強度、脆さの改善は同等以上であり、さらに、圧縮強度、難燃性及び自己消火性が改善された。
本発明のポリウレタンフォームは、低粘度で取り扱いが容易であることに加えて、発泡剤、特にHFC−245fa等のHFC系発泡剤、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤、及び水との相溶性が高く、さらに被着部材との接着強度を向上させるポリエステルポリオールによって製造される

Claims (4)

  1. ポリエステルポリオールを含むポリオール成分と、ポリイソシアネート成分とを発泡剤の存在下反応させてなるポリウレタンフォームであって、
    (A)上記ポリエステルポリオールが、コハク酸を、全カルボン酸成分中の30重量%以上用い、且つ、トリエチレングリコールを、全アルコール成分中の30重量%以上用いて得られるポリエステルポリオールであり、
    (B)上記ポリエステルポリオールの使用量が全ポリオール成分中の1重量%以上50重量%以下であり、且つ、
    (C)上記発泡剤が、オゾン破壊係数が0.8以下である、
    ポリウレタンフォーム。
  2. 発泡剤が、HFC系発泡剤、HC系発泡剤及び水からなる群より選ばれた1種以上の発泡剤であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム。
  3. ポリエステルポリオールの粘度が30000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリウレタンフォーム。
  4. ポリエステルポリオールの酸価が10mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタンフォーム。
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