JP4512491B2 - ポリエステルポリオール、それを用いたポリウレタン及び硬質ポリウレタンフォーム - Google Patents
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Description
従って、発泡剤とB液との相溶性の低さを解決するためには、相溶性の向上と共に分子内に水酸基を有したポリオールとしても機能する化合物であることが、実用上極めて重要と考えられる。
(1)多価カルボン酸及びアルコールをエステル化反応させて得られ、かつ粘度(25℃)が1600〜27300mPa・sであるポリエステルポリオールであって、前記アルコールが、1−ヒドロキシ−2−アセトキシブタン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシブタン及び1,2−ジアセトキシブタンからなる群から選ばれる少なくとも1種を2〜40重量%含有することを特徴とするポリエステルポリオール。
(2)前記アルコールが、1,2−ブタンジオールと、1−ヒドロキシ−2−アセトキシブタン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシブタン及び1,2−ジアセトキシブタンからなる群から選ばれる少なくとも1種と、を含有する混合物であって、該混合物の1,2−ブタンジオールの含有量が60〜98重量%である、上記(1)に記載のポリエステルポリオール。
(3)前記混合物が、1,3−ブタジエンと酢酸とを分子状酸素の存在下にアセトキシ化反応させ、得られたジアセトキシブテン類及びモノアセトキシブテン類等の反応生成物を貴金属触媒の存在下水素添加して、次いで、得られたジアセトキシブタン類及びモノアセトキシブタン類等の反応生成物を固体酸触媒の存在下に加水分解し、酢酸と水を留去した後に蒸留により分離して得られるものである、上記(2)に記載のポリエステルポリオール。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエステルポリオールを含むポリオールとイソシアネート化合物とを反応させてなることを特徴とするポリウレタン。
(5)上記(4)に記載のポリウレタンを用いてなる硬質ポリウレタンフォーム。
(6)更に、オゾン破壊係数が0.8以下の発泡剤を含有してなる上記(5)に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
(7)発泡剤がHFC−245fa及び/またはHFC−365mfcである上記(6)に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
本発明に於けるポリエステルポリオールは、好適には、ポリウレタン、特に、硬質ポリウレタンフォームに使用されるポリエステルポリオールであって、多価カルボン酸とアルコールから得られるポリエステルポリオールである。
本発明における多価カルボン酸としては、ジまたはトリカルボン酸が挙げられる。好ましくは、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の芳香族ジまたはトリカルボン酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。これらのうち、特に好ましくは、フタル酸、無水フタル酸またはテレフタル酸が挙げられる。
また、これらの芳香族カルボン酸類は、メタノール、エタノール、2−エチルヘキサノール等の炭素数が1〜8のモノアルコールでエステル化されたもの、例えばジメチルテレフタル酸等を用いても構わない。
更には、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸をこれら芳香族カルボン酸類に混合したり、場合によっては単独で用いても構わない。
本発明において出発原料として用いるアルコールは1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABからなる群から選ばれる少なくとも1種を2〜40重量%含有するものである。
1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABからなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、好ましくは、5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上であり、好ましくは35重量%以下、更に好ましくは30重量%以下である。この量が少なすぎると、ポリエステルポリオールの粘度を低下させる効果がほとんど認められない。一方、この量が多すぎると、ポリエステルポリオールを合成する際に、出来上がったポリエステルポリオール中の水酸基が著しく減少し、更に用いる多価カルボン酸との使用比率によっては、水酸基の全く存在しない化合物、すなわちポリオールではないものしか得られない場合がある。この様な傾向を示す範囲において得られたポリエステルポリオールを用いると、それから更にポリイソシアネートとウレタン化反応して得られる硬質ポリウレタンフォームの強度や耐熱性等の性能に著しい悪影響を及ぼす恐れがある。
また、1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABのうち、1,2−DABの量は、この3種の合計量に対し、通常、1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上で、通常、50重量%以下、好ましくは33重量%以下、更に好ましくは25重量%以下である。
混合物には、1,2−BGと、1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABからなる群から選ばれる少なくとも1種以外に、酢酸、水、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールの酢酸エステル等が微量含まれていても構わない。
従って、1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABからなる群から選ばれる少なくとも1種の含量は、混合物の総重量に対して、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上であり、好ましくは35重量%以下、更に好ましくは30重量%以下の範囲である。
本発明におけるアルコールとしては、上記の混合物以外に、他のアルコールも併用することができる。通常、併用される他のアルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール及びグリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール等が挙げられる。
更に、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン/オキシプロピレン共重合グリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等の長鎖ポリエーテルポリオールを用いても構わない。
また、ポリエステルポリオールの粘度を下げる方法として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−エチルヘキサノール等のモノオールを用いることも出来るが、ポリエステルポリオールの合成において反応系外に留出して収率を悪化させたり、ポリウレタンの強度や耐熱性に悪影響を及ぼしたりする場合がある。
本発明におけるエステル化反応においては、通常、エステル化触媒が用いられる。
触媒としては、一般に酸触媒が用いられることが多い。ルイス酸としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のオルトチタン酸エステルや、ジエチル錫オキシド、ジブチル錫オキシド等の錫系化合物や、酸化亜鉛等の金属化合物が用いられる。
また、ルイス酸の他には、パラトルエンスルホン酸等のブレンステッド酸を用いても構わない。
一方、得られたポリエステルポリオールは、ポリイソシアネートとウレタン化反応してポリウレタンとなるが、この際、ポリエステルポリオールの合成に用いた触媒が、ウレタン化反応の反応挙動に影響を及ぼさない方が望ましい。上記のエステル化触媒の中では、オルトチタン酸エステルが好ましく、使用量についても、原料に用いる多価カルボン酸とアルコールの合計に対して、通常、1.0重量%以下、好ましく0.2重量%以下で、通常、0.01重量%以上、好ましくは0.03重量%以上である。
ポリウレタンの用途によっては、これらのエステル化触媒を用いないで反応しても構わない。
本発明のポリエステルポリオールは、多価カルボン酸とアルコールに通常上記のエステル化触媒を添加して、エステル化反応させて得られる。
多価カルボン酸とアルコールの用いる割合については、目標とするポリエステルポリオールの水酸基価や粘度などによっても異なるが、多価カルボン酸のカルボキシル基1当量に対するアルコールの水酸基の当量として、通常、1.1当量以上、好ましくは1.3当量以上、更に好ましくは1.5当量以上で、通常、4.0当量以下、好ましくは3.0当量以下、更に好ましくは2.7当量以下である。特に、本発明の混合物をアルコールに対して40重量%以上用いる場合には、この値が小さすぎると、出来上がったポリエステルポリオール中の水酸基が著しく減少し、混合物中の1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABの含有量によっては、水酸基の全く存在しない化合物、すなわちポリオールではないものしか得られない場合がある。この様な傾向を示す範囲において得られたポリエステルポリオールを用いると、それから更にポリイソシアネートとウレタン化反応して得られる硬質ポリウレタンフォームの強度や耐熱性等の性能に著しい悪影響を及ぼす恐れがある。一方、この値が大きすぎると、ポリエステルポリオール中にエステル化反応に供されなかった、フリーのアルコールが多量に残ってしまう。この様にして得られたポリエステルポリオールを用いると、それから更にポリイソシアネートとウレタン化反応して得られる硬質ポリウレタンフォームの強度や耐熱性等の性能に、やはり著しい悪影響を及ぼす恐れがある。なお、アルコールとして、本発明の混合物を用いる場合には、1,2−HAB等のモノエステル類は水酸基として1当量、1,2−DABは水酸基として0当量に各々換算し、混合物の水酸基当量を推算した。
また、減圧する代わりに、トルエン、キシレン等の有機溶媒を少量併用して、副生する水及び微量の酢酸を系外に共沸させて除去しても構わない。
なお、反応開始時には、生成するポリエステルポリオールの着色を防ぐために反応容器の空間部を窒素置換し、さらに反応液中の溶存酸素も除去することが好ましい。
また、反応終了の後に、適当な減圧条件下に、未反応のフリーのアルコールを系外に留去させて、ポリエステルポリオールの物性や性能を調節しても構わない。
本発明におけるポリエステルポリオールの反応形式は、通常のバッチ設備あるいは連続設備で適用できるが、反応時間が長時間に渡ること、及び得られるポリエステルポリオールの粘度が原料に用いられたアルコールに比べてかなり高くなること等から、バッチ反応の方が好ましい。
本発明により得られるポリエステルポリオールは、好適には、ポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリウレタン、特に、硬質ポリウレタンフォームに使用され、低粘度で取扱いが容易であることに加えて、オゾン破壊係数が0.8以下の発泡剤、特に今後用いられるHFC−245fa及び/またはHFC−365mfc等の発泡剤との相溶性が高いポリエステルポリオールとして有用である。
また、これらのポリイソシアネートの他に、用途に応じて、添加剤、助剤をポリイソシアネート成分に混合して用いる場合がある。
例えば、B液との混合性を向上させる目的で、B液でも用いられる整泡剤を相溶化剤として併用する場合がある。その際には、通常、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤がよく用いられる。
また、難燃性の向上及び粘度の調整を目的として、難燃剤を併用する場合がある。硬質ポリウレタンフォームの用途においては、通常、クロロアルキルホスフェート類、例えば、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェートやトリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等がよく用いられる。
また、本発明のポリエステルポリオール以外に、よく用いられるポリエステルポリオールとしては、多価カルボン酸として無水フタル酸、テレフタル酸及びトリメリット酸等の芳香族ジまたはトリカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等及びグリセリン、トリメチロールプロパン等の2〜3価のグリコールを単独または混合しエステル化反応により得られる、水酸基価が通常、200〜400、平均官能基数が通常、2〜3程度のポリエステルポリオールが挙げられる。
発泡剤としては、オゾン破壊係数が通常、0.8以下の発泡剤、例えば、HCFC−141b、シクロペンタン及びn−ペンタン等の他に、特に今後用いられるHFC−245fa、HFC−365mfc等の発泡剤との相溶性が向上しているため好適に使用できる。また、これらの発泡剤を単独で使用しても、混合使用しても構わない。
整泡剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系界面活性剤を用いることができるが、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤がよく用いられる。
その他、用途に応じて、様々な化合物が、添加剤、助剤として併せて用いられる場合がある。
例えば、代表的な添加剤として難燃剤が挙げられる。硬質ポリウレタンフォームの用途においては、通常、クロロアルキルホスフェート類、例えば、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェートやトリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等がよく用いられる。
上記以外の添加剤、助剤については、特に限定されるものではなく、通常の樹脂において物性向上や操作性向上等の目的で用いられるもので、ウレタン化反応に著しい悪影響を及ぼすものでなければ何を用いても構わない。
1,2−BG並びに1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABから選ばれる少なくとも1種を含有する混合物としては、下記の組成を有する3種のクルードの1,2−ブタンジオール(三菱化学株式会社製、以下、クルード1,2−BGと略記)を用いた。
3種のクルード1,2−BGの含有成分は次の通りである。
クルード1,2−BG(1)
1,2−BG 91.0重量%
1,2HAB及び1,2−AHB 2.4重量%
1,2−DAB 0.3重量%
その他 6.3重量%
クルード1,2−BG(2)
1,2−BG 75.0重量%
1,2−HAB及び1,2−AHB 19.8重量%
1,2−DAB 4.5重量%
その他 0.7重量%
クルード1,2−BG(3)
1,2−BG 76.0重量%
1,2−HAB及び1,2−AHB 18.7重量%
1,2−DAB 3.9重量%
その他 1.4重量%
和光純薬工業株式会社製、試薬特級1,2−BGを用いた。試薬ラベルに記載された純度は98%以上であったが、自社にてガスクロマトグラフ法で分析した純度は99.5%以上であった。
(1)酸価
JIS K15571970に準拠して測定した。
(2)水酸基価
JIS K15571970に準拠して測定した。
(3)粘度
JIS K15571970に準拠して回転粘度計(B型粘度計)を使用し、25℃で測定した。
(4)ポリエステルポリオールへの発泡剤の溶解度
300mlのビーカーにポリエステルポリオール100gを採り、室温・大気圧下の解放系において、30φの三方後退翼(実施例1〜4及び比較例1〜3においては30φ平羽根)で400rpmで攪拌しながら発泡剤を徐々に添加し、目視で30秒以内に透明な均一相を形成しうる最大添加量を測定して求めた溶解度をポリエステルポリオールと発泡剤の相溶性の指標とした。
攪拌機、還流冷却器、温度計、圧力計、加熱装置などを装備した、容積が1リットルのガラス製反応器に、無水フタル酸222g、クルード1,2−BG(2)299gを仕込み(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.81)、反応器の空間部を窒素ガス置換した後、反応器内用物の加熱を開始した。反応器内温が180℃に達した時点で、触媒としてテトライソプロピルチタネート0.3gを反応器内に添加し、反応を開始した。その後、3時間かけて内温を200℃に昇温し、反応終了時までこの温度を保持した。一方、反応器内の圧力は、内温が180℃の時点から内温が200℃に達するまでは、97.3kPaに維持した。その後、2時間かけて徐々に減圧して、37.3kPaとし、反応が終了するまでこの圧力を保持した。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき酸価を測定して、反応の進行状況を確認する指標とした。
反応の終了は、酸価が3以下となった時点とし、反応容器に触媒を添加した時点から反応終了までの所用時間を反応時間とした(以下の実施例及び比較例において同じ)。このときの反応時間は7.5時間であった。反応終了後、加熱を停止して100℃付近まで冷却し、反応生成物を抜き出し、抜き出した試料につき粘度、酸価及び水酸基価を測定した。また、得られたポリエステルポリオールに対する発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc)の溶解度を測定した。
実施例1に記載の例において、仕込み成分のクルード1,2−BG(2)299gの代わりに、クルード1,2−BG(1)275gを用いた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.87)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は7.5時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc)溶解度の測定結果を、それぞれ表1に示した。
実施例1に記載の例において、仕込み成分のクルード1,2−BG(2)299gの代わりに、試薬1,2−BG270gを用いた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=2.00)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は7.5時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc)溶解度の測定結果を、それぞれ表1に示した。
攪拌機、還流冷却器、温度計、圧力計、加熱装置などを装備した、容積が1リットルのガラス製反応器に、無水フタル酸222g、クルード1,2−BG(2)150g及びジエチレングリコール159gを仕込み(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.91)、反応器の空間部を窒素ガス置換した後、反応器内用物の加熱を開始した。反応器内温が180℃に達した時点で、触媒としてテトライソプロピルチタネート0.3gを反応器内に添加し、反応を開始した。その後、3時間かけて内温を200℃に昇温し、反応終了時までこの温度を保持した。一方、反応器内の圧力は、内温が180℃の時点から内温が200℃に達するまでは、97.3kPaに維持した。その後、3時間かけて徐々に減圧して、25.3kPaとし、反応が終了するまでこの圧力を保持した。このときの反応時間は7.5時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc)溶解度の測定結果を、それぞれ表1に示した。
実施例3に記載の例において、仕込み成分のクルード1,2−BG(2)150gの代わりに、試薬1,2−BG135gを用いた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=2.00)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は7.5時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc)溶解度の測定結果を、それぞれ表1に示した。
攪拌機、還流冷却器、温度計、圧力計、加熱装置などを装備した、容積が1リットルのガラス製反応器に、テレフタル酸249g、クルード1,2−BG(2)299gを仕込み(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.81)、反応器の空間部を窒素ガス置換した後、反応器内用物の加熱を開始した。反応器内温が180℃に達した時点で、触媒としてテトライソプロピルチタネート0.3gを反応器内に添加し、反応を開始した。その後、8時間かけて内温を200℃に昇温し、反応終了時までこの温度を保持した。一方、反応器内の圧力は、内温が180℃の時点から内温が200℃に達するまでは、97.3kPaに維持した。その後、2時間かけて徐々に減圧して、37.3kPaとし、反応が終了するまでこの圧力を保持した。このときの反応時間は17.5時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc)溶解度の測定結果を、それぞれ表1に示した。
実施例4に記載の例において、仕込み成分のクルード1,2−BG(2)299gの代わりに、試薬1,2−BG270gを用いた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=2.00)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は7.5時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc)溶解度の測定結果を、それぞれ表1に示した。
攪拌機、還流冷却器、温度計、圧力計、加熱装置などを装備した、容積が2リットルのガラス製反応器に、無水フタル酸458g、クルード1,2−BG(3)598gを仕込み(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.77)、反応器の空間部を窒素ガス置換した後、反応器内用物の加熱を開始した。反応器内温が180℃に達した時点で、触媒としてテトライソプロピルチタネート0.5gを反応器内に添加し、反応を開始した。その後、3時間かけて内温を200℃に昇温し、反応終了時までこの温度を保持した。一方、反応器内の圧力は、内温が180℃の時点から内温が200℃に達するまでは、93.3kPaに維持した。その後、2.5時間かけて徐々に減圧して、33.3kPaとし、反応が終了するまでこの圧力を保持した。反応終了の判定及び反応終了後の操作は、実施例1と同様に行い、このときの反応時間は8時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc、HCFC141b及びシクロペンタン)溶解度の測定結果を、それぞれ表2に示した。
実施例5に記載の例において、仕込み成分を、無水フタル酸429g、クルード1,2−BG(3)623g及び最終到達圧力を44.0kPaと変えた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.97)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は8時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc、HCFC141b及びシクロペンタン)溶解度の測定結果を、それぞれ表2に示した。
実施例5に記載の例において、仕込み成分を、無水フタル酸439g、クルード1,2−BG(1)164g、クルード1,2−BG(3)450g及び最終到達圧力を38.7kPaと変えた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.95)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は8時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc、HCFC141b及びシクロペンタン)溶解度の測定結果を、それぞれ表2に示した。
実施例5に記載の例において、仕込み成分を、無水フタル酸459g、クルード1,2−BG(1)358g、クルード1,2−BG(3)239g及び最終到達圧力を42.7kPaと変えた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.88)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は8時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc及びHCFC141b)溶解度の測定結果を、それぞれ表2に示した。
実施例5に記載の例において、仕込み成分を、無水フタル酸428g、クルード1,2−BG(1)375g、クルード1,2−BG(3)250g及び最終到達圧力を44.0kPaと変えた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=2.11)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は8時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc、HCFC141b及びシクロペンタン)溶解度の測定結果を、それぞれ表2に示した。
実施例5に記載の例において、仕込み成分を、無水フタル酸397g、クルード1,2−BG(1)391g、クルード1,2−BG(3)261g及び最終到達圧力を48.0kPaと変えた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=2.38)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は8時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc、HCFC141b及びシクロペンタン)溶解度の測定結果を、それぞれ表2に示した。
実施例5に記載の例において、仕込み成分を、無水フタル酸482g、クルード1,2−BG(1)577g及び最終到達圧力を34.7kPaと変えた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.81)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は8時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc及びHCFC141b)溶解度の測定結果を、それぞれ表2に示した。
実施例5に記載の例において、仕込み成分を、無水フタル酸423g、クルード1,2−BG(1)628g及び最終到達圧力を44.9kPaと変えた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=2.24)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は8時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc、HCFC141b及びシクロペンタン)溶解度の測定結果を、それぞれ表−2に示した。
実施例5に記載の例において、仕込み成分を、無水フタル酸489g、クルード1,2−BG(1)342g、クルード1,2−BG(3)228g及び最終到達圧力を33.3kPaと変えた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.69)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は8時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc、HCFC141b及びシクロペンタン)溶解度の測定結果を、それぞれ表2に示した。
実施例5に記載の例において、仕込み成分を、無水フタル酸559g、試薬1,2−BG509gと変えた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.50)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は8時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc、HCFC141b及びシクロペンタン)溶解度の測定結果を、それぞれ表2に示した。
実施例5に記載の例において、仕込み成分を、無水フタル酸528g、試薬1,2−BG523g及び最終到達圧力を37.3kPaと変えた外は、同例におけると同様の手順で反応させた(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.63)。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定することによって反応完結を確認し、反応を終了した。このときの反応時間は8時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc、HCFC141b及びシクロペンタン)溶解度の測定結果を、それぞれ表−2に示した。
攪拌機、還流冷却器、温度計、圧力計、加熱装置などを装備した、容積が2リットルのガラス製反応器に、コハク酸201g、テレフタル酸281g及びクルード1,2−BG(3)641gを仕込み(仕込み当量比:水酸基/カルボキシル基=1.73)、反応器の空間部を窒素ガス置換した後、反応器内用物の加熱を開始した。反応器内温が150℃に達した時点で、触媒としてテトライソプロピルチタネート0.5gを反応器内に添加し、反応を開始した。その後、8時間かけて内温を210℃に昇温し、反応終了時までこの温度を保持した。一方、反応器内の圧力は、内温が180℃の時点から内温が210℃に達するまでは、80.0kPaに維持した。その後、4時間かけて徐々に減圧して、40.0kPaとし、反応が終了するまでこの圧力を保持した。反応終了の判定及び反応終了後の操作は、実施例1と同様に行い、このときの反応時間は14時間であった。反応生成物についての粘度、酸価、水酸基価及び発泡剤(HFC−245fa、HFC−365mfc及びHCFC141b)溶解度の測定結果を、それぞれ表2に示した。
仕込み当量比(水酸基/カルボキシル基)または水酸基価が同レベルで比較すると、クルード1,2−BGに含まれる1,2−BGの含有量(純度)が、70重量%以上、95重量%以下の場合には純度99.5重量%以上の試薬特級の1,2−BGを原料にした場合と比べて、粘度が低く、かつ発泡剤の溶解度が高いポリエステルポリオールが得られる。
原料アルコールの一部にクルード1,2−BG以外のアルコール(この場合は、ジエチレングリコール)を用いても、粘度が低く、かつ発泡剤の溶解度が高いポリエステルポリオールが得られる。
実施例4と比較例3の比較結果及び実施例14
原料芳香族カルボン酸としてフタル酸または無水フタル酸ではなく、テレフタル酸を用いても、同様に粘度が低く、かつ発泡剤の溶解度が高いポリエステルポリオールが得られる。
Claims (7)
- 多価カルボン酸及びアルコールをエステル化反応させて得られ、かつ粘度(25℃)が1600〜27300mPa・sであるポリエステルポリオールであって、前記アルコールが、1−ヒドロキシ−2−アセトキシブタン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシブタン及び1,2−ジアセトキシブタンからなる群から選ばれる少なくとも1種を2〜40重量%含有することを特徴とするポリエステルポリオール。
- 前記アルコールが、1,2−ブタンジオールと、1−ヒドロキシ−2−アセトキシブタン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシブタン及び1,2−ジアセトキシブタンからなる群から選ばれる少なくとも1種と、を含有する混合物であって、該混合物の1,2−ブタンジオールの含有量が60〜98重量%である、請求項1に記載のポリエステルポリオール。
- 前記混合物が、1,3−ブタジエンと酢酸とを分子状酸素の存在下にアセトキシ化反応させ、次いで得られたジアセトキシブテン類及びモノアセトキシブテン類等の反応生成物を貴金属触媒の存在下水素添加して、次いで、得られたジアセトキシブタン類及びモノアセトキシブタン類等の反応生成物を固体酸触媒の存在下に加水分解し、酢酸と水を留去した後に蒸留により分離して得られるものである、請求項2に記載のポリエステルポリオール。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルポリオールを含むポリオールとイソシアネート化合物とを反応させてなることを特徴とするポリウレタン。
- 請求項4に記載のポリウレタンを用いてなる硬質ポリウレタンフォーム。
- 更に、オゾン破壊係数が0.8以下の発泡剤を含有してなる請求項5に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
- 発泡剤がHFC−245fa及び/またはHFC−365mfcである請求項6に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
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