JPH1160510A - ジイソブチレンの精製方法 - Google Patents

ジイソブチレンの精製方法

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JPH1160510A
JPH1160510A JP23329097A JP23329097A JPH1160510A JP H1160510 A JPH1160510 A JP H1160510A JP 23329097 A JP23329097 A JP 23329097A JP 23329097 A JP23329097 A JP 23329097A JP H1160510 A JPH1160510 A JP H1160510A
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JP
Japan
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butyl alcohol
tertiary
diisobutylene
water
mixture
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Application number
JP23329097A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Kuraki
伴弘 椋木
Toshiya Hamazaki
俊哉 浜崎
Sadakatsu Suzuki
貞勝 鈴木
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジイソブチレン及びターシャリー‐ブチルア
ルコールを含む混合物からターシャリー‐ブチルアルコ
ールを簡便、迅速、かつ経済的に除去することにより、
ジイソブチレンを精製する方法を提供する。 【解決手段】 ジイソブチレン及びターシャリー‐ブチ
ルアルコールを含む混合物からターシャリー‐ブチルア
ルコールを除去してジイソブチレンを精製する方法にお
いて、該混合物の全量に対して重量比で0.5〜1.1
の水を添加することにより、該混合物中に存在するター
シャリー‐ブチルアルコールを水により抽出除去する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジイソブチレン及
びターシャリー‐ブチルアルコールを含む混合物からタ
ーシャリー‐ブチルアルコールを除去してジイソブチレ
ンを精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ナフサのスチームクラッキングあ
るいは流動接触分解により生ずるC4留分は、まず、ブ
タジエンの回収に付された後、次いでイソブチレンの回
収に供されている。イソブチレンを回収する方法として
は、例えば直接水和法、硫酸抽出法、オキシラン法等の
ようにイソブチレンを水と反応させて中間体としてター
シャリー‐ブチルアルコール(以下ではTBAと略すこ
とがある)を生成する方法、あるいはメタノールと反応
させて中間体としてメチルターシャリー‐ブチルエーテ
ルを生成する方法等が知られている。上記のTBAを中
間体とする方法においては、イソブチレンはTBAを熱
分解することにより回収されるが、この際、同時にイソ
ブチレンの二量体であるジイソブチレン(以下ではDI
Bと略すことがある)が副生する。DIBはp‐ターシ
ャリー‐オクチルフェノール等のアルキルフェノール合
成の原料として有用であるが、前記行程で副生したDI
Bには熱分解原料であるTBAを10〜40重量%含む
ため、使用に際してはこれを除去する必要がある。しか
しながら、蒸留では、TBAを除去するために多段数の
蒸留塔を必要とし、かつ、多量の熱エネルギーをも必要
とするため経済的ではない。従って、上記のDIB及び
TBAを含有する混合物(以下では粗DIBと略すこと
がある)は、例えば自家燃焼用の燃料等に使用されてい
るに過ぎなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ジイソブチ
レン及びターシャリー‐ブチルアルコールを含む混合物
からターシャリー‐ブチルアルコールを簡便、迅速、か
つ経済的に除去することにより、ジイソブチレンを精製
する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々の検討を行った。その結果、ジイソブ
チレン及びターシャリー‐ブチルアルコールを含む混合
物に下記所定量の水を添加すれば、エマルジョンの生成
がなく、かつターシャリー‐ブチルアルコールを効率的
に抽出し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】即ち、本発明は、(1)ジイソブチレン及
びターシャリー‐ブチルアルコールを含む混合物からタ
ーシャリー‐ブチルアルコールを除去してジイソブチレ
ンを精製する方法において、該混合物の全量に対して重
量比で0.5〜1.1の水を添加することにより、該混
合物中に存在するターシャリー‐ブチルアルコールを水
により抽出除去する方法である。
【0006】好ましい態様として、(2)ジイソブチレ
ン及びターシャリー‐ブチルアルコールを含む混合物
が、10〜40重量%のターシャリー‐ブチルアルコー
ルを含み、抽出操作後に得たジイソブチレンが1重量%
以下のターシャリー‐ブチルアルコールを含む上記
(1)記載の方法、(3)ジイソブチレン及びターシャ
リー‐ブチルアルコールを含む混合物の全量に対して重
量比で0.8〜1.0の水を添加する上記(1)又は
(2)記載の方法を挙げることができる。
【0007】本発明者らは更に検討を行った。その結
果、ジイソブチレン及びターシャリー‐ブチルアルコー
ルを含む混合物をジイソブチレンで希釈して、ターシャ
リー‐ブチルアルコール含有量を低下せしめれば、ター
シャリー‐ブチルアルコール含有量の低下に伴って、水
によるターシャリー‐ブチルアルコールの抽出率を著し
く高め得ることを見出した。図1は、水抽出前後でのジ
イソブチレン及びターシャリー‐ブチルアルコールを含
む混合物中のターシャリー‐ブチルアルコール濃度を示
したものであり、水の添加量は、ジイソブチレンとター
シャリー‐ブチルアルコールの混合物に対して重量比で
0.8である。ここで、水抽出によるターシャリー‐ブ
チルアルコールの除去率{ここで、除去率=[1−(水
抽出後のTBA濃度/水抽出前のTBA濃度)]×10
0(%)である。}を算出すれば、水抽出前のターシャ
リー‐ブチルアルコールの濃度が40重量%のとき約3
2%、30重量%のとき約40%、20重量%のとき約
55%、15重量%のとき約63%、そして10重量%
のとき約80%となり、混合物中のターシャリー‐ブチ
ルアルコールの濃度が低くなる程、除去率は著しく増加
することが分かる。該関係に基いて、本発明者らは下記
の発明を完成するに至った。即ち、(4)抽出操作後に
得たジイソブチレンの一部を水抽出工程に還流する上記
(1)〜(3)のいずれか一つに記載の方法である。
【0008】好ましい態様として、(5)ジイソブチレ
ン及びターシャリー‐ブチルアルコールを含む混合物と
還流されたジイソブチレンとの混合物が、17重量%以
下のターシャリー‐ブチルアルコールを含み、かつ抽出
操作を1〜2回行う上記(4)記載の方法、(6)ジイ
ソブチレン及びターシャリー‐ブチルアルコールを含む
混合物と還流されたジイソブチレンを含む混合物が、1
0〜17重量%のターシャリー‐ブチルアルコールを含
む上記(5)記載の方法を挙げることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、「エマルジョン
の生成」とは、ジイソブチレン及びターシャリー‐ブチ
ルアルコールを含む混合物に水を加えて約1分間攪拌混
合し、次いで10分間静置した後に油相と水相との界面
に少しでもエマルジョン層が残存することを意味する。
【0010】本発明の方法において、水の添加量は、ジ
イソブチレン及びターシャリー‐ブチルアルコールを含
む混合物中に実質的にエマルジョンを生成しない量であ
り、ジイソブチレン及びターシャリー‐ブチルアルコー
ルを含む混合物の全量に対して重量比で上限が好ましく
は1.1、より好ましくは1.0であり、下限が好まし
くは0.5、より好ましくは0.8である。実器での操
作においては、0.8が特に好ましく用いられる。上記
上限を超えるとエマルジョンが生成し、上記下限未満で
は1回の抽出操作での抽出効率(体積当り)が悪い。
【0011】本発明において処理されるジイソブチレン
及びターシャリー‐ブチルアルコールを含む混合物には
特に制限はない。好ましくは、イソブチレンを含む混合
物から直接水和法、硫酸抽出法、オキシラン法等により
中間体としてターシャリー‐ブチルアルコールを生成せ
しめた後にイソブチレンを回収する操作で生ずるもので
ある。例えば、ナフサのスチームクラッキング又は流動
接触分解から生成されるブタン‐ブテン留分から、ブタ
ジエンを除去した後に蒸留操作によりイソブタン、イソ
ブチレン及び1‐ブテンを含む混合物を回収し、次い
で、上記回収された混合物から例えば硫酸抽出によりイ
ソブチレンを回収する工程で生ずる留分である。より詳
細に説明すれば以下の通りである。まず上記ブタン‐ブ
テン留分からブタジエンを除去する。ブタジエンが大量
に含まれる場合には硫酸銅アンモニア水溶液等による溶
剤抽出により、少量の場合には選択的水素化等により除
去する。次いで、ブタジエン除去後の留分は、通常の蒸
留操作により二つの留分に分離される。塔頂からはイソ
ブタン、イソブチレン及び1‐ブテンの混合物が、そし
て塔底からはブタン及び2‐ブテンの混合物が得られ
る。塔頂留分からのイソブチレンの除去は例えば硫酸に
よる抽出を用いて行われ、イソブタン及び1‐ブテンと
分離される。抽出液中には、イソブチレンの硫酸塩、そ
の他ターシャリー‐ブチルアルコールが含まれる。これ
を再生塔に送り、塔底から硫酸を回収し、塔頂からはイ
ソブチレンモノマーを主成分とする留分を回収する。該
塔頂留分を更に精製してイソブチレンを得る。この際、
蒸留残液としてジイソブチレン及びターシャリー‐ブチ
ルアルコールを含む混合物が得られる。このようにして
得られたジイソブチレン及びターシャリー‐ブチルアル
コールを含む混合物は、好ましくは10〜40重量%の
ターシャリー‐ブチルアルコールを含む。
【0012】ジイソブチレン及びターシャリー‐ブチル
アルコールを含む混合物から水抽出によりターシャリー
‐ブチルアルコールを除去する方法には特に制限はな
く、バッチ式、連続式のいずれを使用することもでき
る。水による抽出時間は短く、十分な攪拌を伴えば極め
て迅速に完了することができる。好ましくは30秒間〜
1分間である。攪拌の方法にも制限はなく、例えば、通
常の攪拌機を使用してもよいし、あるいは連続式におい
てはオリフィス等のラインミキサーを使用することもで
きる。更に、抽出後の油水分離も極めて迅速に完了す
る。油水分離時間は好ましくは5〜15分程度であり、
温度による油水分離時間の変化も殆どない。油水分離
は、好ましくは常温、より好ましくは0〜50℃で行わ
れ、かつ好ましくは液の気化が著しくない程度の圧力例
えば1.0〜6.0 kg/cm2 で行われる。更に本発明に
おいては、抽出操作後に得たジイソブチレンの一部を水
抽出工程に還流することが好ましい。これによりジイソ
ブチレン及びターシャリー‐ブチルアルコールを含む混
合物中のターシャリー‐ブチルアルコール含有量を低下
せしめて、ターシャリー‐ブチルアルコールの水による
抽出率を著しく高めることができる。また、この効果を
用いれば、少ない抽出回数でターシャリー‐ブチルアル
コール含有量が1重量%以下の高純度ジイソブチレンを
回収することができる。該還流量は、3回以下、好まし
くは2回以下の抽出回数、供給混合物中のターシャリー
‐ブチルアルコール濃度10〜40重量%の場合に、ジ
イソブチレン及びターシャリー‐ブチルアルコールを含
む混合物の量に対して、好ましくは1〜5倍、特に好ま
しくは2〜3倍である。また、還流後のジイソブチレン
及びターシャリー‐ブチルアルコールを含む混合物中の
ターシャリー‐ブチルアルコール濃度を好ましくは17
重量%以下、特に好ましくは10〜17重量%にすれ
ば、2回以下の水抽出で、ターシャリー‐ブチルアルコ
ール含有量が1重量%以下の高純度ジイソブチレンを回
収することができる。
【0013】次に、本発明を図2に示したフローに従っ
て説明する。該フローは抽出操作後に得たジイソブチレ
ンの還流を伴う2回抽出の例である。ジイソブチレン及
びターシャリー‐ブチルアルコールを含む供給混合物、
水及び還流ジイソブチレンは、夫々配管1、3及び2を
通って所定の混合比で供給され、次いで、第一ラインミ
キサーa及び続く配管4により十分攪拌混合されて水に
よるターシャリー‐ブチルアルコールの抽出を完了す
る。抽出完了後、第一分離槽Aに供給されて、該分離槽
底部から配管5を経てターシャリー‐ブチルアルコール
と水の混合物が除去される。第一分離槽Aを出たターシ
ャリー‐ブチルアルコール含有量が低下されたジイソブ
チレン混合物は更に、配管6を通して水と混合され、次
いで、第二ラインミキサーb及び続く配管7により十分
攪拌混合されて水によるターシャリー‐ブチルアルコー
ルの第二回目の抽出を完了する。抽出完了後、第二分離
槽Bに供給されて、該分離槽底部から配管8を経てター
シャリー‐ブチルアルコールと水の混合物が除去され、
配管9からは高純度ジイソブチレンが回収される。
【0014】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0015】
【実施例】
<水添加量とエマルジョン生成との関係>試料として、
ターシャリー‐ブチルアルコールを20重量%含む、ジ
イソブチレンとターシャリー‐ブチルアルコールの混合
物(粗DIB)を使用した。
【0016】水の添加量を粗DIBに対して重量比で
0.50から3.00まで変化させてエマルジョンの生
成の有無を調査した。
【0017】実験は、2.0リットルの容器に粗DIB
0.4リットルを入れ、次いで所定量の水を入れた後、
約1分間激しく攪拌し、次いで10分間静置してエマル
ジョン生成の有無を目視で調査した。結果を表1に示
す。
【0018】
【表1】 表1 水/粗DIB重量比 エマルジョンの生成の有無 0.5 〜0.9 無(エマルジョンの生成は全くない) 0.9 〜1.1 無(エマルジョンが一旦生成するが数分で消失) 1.1 〜1.5 有(少量ではあるがエマルジョンが器壁に生成) 1.5 〜3.0 有(エマルジョンが生成) 表1に示すように、ジイソブチレン及びターシャリー‐
ブチルアルコールの全量に対する水の重量比が、0.5
〜1.1の間では、エマルジョンの生成は認められない
ことが分かった。
【0019】次に、試料として、ターシャリー‐ブチル
アルコールを28重量%及び39重量%含む、ジイソブ
チレンとターシャリー‐ブチルアルコールの混合物(粗
DIB)を使用した。水と粗DIBの重量比が夫々0.
9、1.5及び2.0となる量の水を加え、エマルジョ
ンの生成の有無を調査した。
【0020】いずれの場合にも、重量比0.9ではエマ
ルジョンの生成は全くなく、容易に油水分離を達成する
ことができた。重量比1.5では壁面に僅かに付着する
程度ではあるがエマルジョンが確実に生成し、油水分離
は可能であったものの0.9の場合に比べて遅かった。
重量比2.0では多量のエマルジョンが生成し、丸一日
経過してもエマルジョンは消滅せず、油水分離はできな
かった。
【0021】このようにターシャリー‐ブチルアルコー
ルの含有量が異なっても、ジイソブチレン及びターシャ
リー‐ブチルアルコールの全量に対する水の重量比を
0.50〜1.10とすれば、エマルジョンは生成しな
いことが分かった。
【0022】
【実施例1】試料として、ターシャリー‐ブチルアルコ
ールを夫々40、30、25、20、17、15及び1
0重量%含む、ジイソブチレンとターシャリー‐ブチル
アルコールの混合物(粗DIB)を使用した。
【0023】水の添加量は、粗DIBに対する重量比
で、いずれも0.8とした。
【0024】2.0リットルのフラスコに粗DIB1.
0リットルを入れ、次いで所定量の水を入れた後、約1
分間激しく攪拌し、次いで10分間静置した後、水層を
分離して油層を得る。該油層について、ターシャリー‐
ブチルアルコールの含有量が1.0重量%以下になるま
で、同一の操作を繰り返して水抽出を完了した。
【0025】抽出後のDIB中のターシャリー‐ブチル
アルコールの含有量は、ガスクロマトグラフィーにより
測定した。
【0026】結果を表2に示す。
【0027】
【表2】 表2 粗DIB 中のTBA 各回抽出後のTBA 含有量(wt%) 必要抽出回数 含有量(wt%) 1回 2回 3回 4回 (回) 40 27.0 15.5 5.9 1.0 以下 4 (32.5) (43.6) (61.7) (83.1以上) 30 18.0 8.0 1.2 1.0 以下 4 (40.0) (55.8) (85.0) (-) 25 13.9 4.8 1.0以下 - 3 (44.4) (65.5) (79.2 以上) 20 9.8 1.8 1.0以下 - 3 (51.0) (81.6) (-) 17 7.0 1.0 - - 2 (58.8) (85.7) 15 5.6 1.0以下 - - 2 (62.7) (82.1 以上) 10 1.9 1.0以下 - - 2 (81.0) (-) *:括弧内はターシャリー‐ブチルアルコールの除去率(%) いずれのターシャリー‐ブチルアルコール濃度の場合に
おいても、ターシャリー‐ブチルアルコール含有量が1
重量%以下の高純度のDIBを得ることができた。
【0028】また、粗DIB中のターシャリー‐ブチル
アルコールの含有量が低い程、水による抽出率(TBA
除去率)が増加し、粗DIB中のターシャリー‐ブチル
アルコールの含有量が17%以下では2回の抽出操作で
ターシャリー‐ブチルアルコール含有量が1重量%以下
の高純度のDIBを得ることができることが分かった。
【0029】
【実施例2】本実施例は、ターシャリー‐ブチルアルコ
ールの含有量が低い程、水による抽出率が増加するとい
う上記知見に基き、抽出操作後に得た高純度ジイソブチ
レンの還流の効果を連続装置により試験したものであ
る。
【0030】試料として、ターシャリー‐ブチルアルコ
ールを40重量%含む、ジイソブチレンとターシャリー
‐ブチルアルコールの混合物(粗DIB)を使用した。
【0031】実験は、図2のフローシートに示す連続装
置を使用し、配管1における粗DIBの供給量を約45
0kg/時間に設定した。
【0032】水の添加量は、各分離槽に供給するジイソ
ブチレン及びターシャリー‐ブチルアルコールの全量に
対する重量比で0.8とした。
【0033】また、ターシャリー‐ブチルアルコールを
抽出除去した後の高純度ジイソブチレンを、粗DIBに
対して夫々重量比で1倍、2倍又は3倍量還流して水に
よるターシャリー‐ブチルアルコールの抽出を実施し
た。
【0034】ターシャリー‐ブチルアルコールの含有量
は、実施例1と同じくガスクロマトグラフィーにより測
定した。
【0035】結果を表3に示す。
【0036】
【表3】 表3 粗DIB 中の 還流量 還流後の粗DIB 中 各回抽出後のTBA 濃度(wt%) TBA 濃度(wt%) のTBA 濃度(wt%) 1回 2回 40 0 40.0 27.1 15.4 (32.3) (43.2) 40 1 21.0 10.2 2.0 (51.4) (80.4) 40 2 13.7 4.3 0.5 (68.6) (88.4) 40 3 10.2 2.0 0.3 (80.4) (85.0) *:括弧内はターシャリー‐ブチルアルコールの除去率(%) このように、抽出操作後に得た高純度のジイソブチレン
を適当量還流して粗DIB中のターシャリー‐ブチルア
ルコールの含有量を低減すれば、ターシャリー‐ブチル
アルコールの除去効率を高めることができることが示さ
れた。また、ターシャリー‐ブチルアルコールの含有量
を還流により17重量%以下に低下させれば、僅か2回
の水抽出によりターシャリー‐ブチルアルコール含有量
が1重量%以下の高純度のジイソブチレンを回収するこ
とができた。
【0037】
【発明の効果】本発明は、ジイソブチレン及びターシャ
リー‐ブチルアルコールを含む混合物からターシャリー
‐ブチルアルコールを簡便、迅速、かつ経済的に除去す
ることにより、ジイソブチレンを精製する方法を提供す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】水抽出前後でのジイソブチレン及びターシャリ
ー‐ブチルアルコールを含む混合物中のターシャリー‐
ブチルアルコールの濃度を示した図である。
【図2】本発明の一実施態様のフローを示す図である。
【符号の説明】
A:第一分離槽 B:第二分離槽 a:第一ラインミキサー b:第二ラインミキサー 1:ターシャリー‐ブチルアルコール及びジイソブチレ
ンを含む供給混合物の供給配管 2:ジイソブチレン還流配管 3:水供給配管 4〜9:配管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジイソブチレン及びターシャリー‐ブチ
    ルアルコールを含む混合物からターシャリー‐ブチルア
    ルコールを除去してジイソブチレンを精製する方法にお
    いて、該混合物の全量に対して重量比で0.5〜1.1
    の水を添加することにより、該混合物中に存在するター
    シャリー‐ブチルアルコールを水により抽出除去する方
    法。
  2. 【請求項2】 ジイソブチレン及びターシャリー‐ブチ
    ルアルコールを含む混合物が、10〜40重量%のター
    シャリー‐ブチルアルコールを含み、抽出操作後に得た
    ジイソブチレンが1重量%以下のターシャリー‐ブチル
    アルコールを含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ジイソブチレン及びターシャリー‐ブチ
    ルアルコールを含む混合物の全量に対して重量比で0.
    8〜1.0の水を添加する請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 抽出操作後に得たジイソブチレンの一部
    を水抽出工程に還流する請求項1〜3のいずれか一つに
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 ジイソブチレン及びターシャリー‐ブチ
    ルアルコールを含む混合物と還流されたジイソブチレン
    との混合物が、17重量%以下のターシャリー‐ブチル
    アルコールを含み、かつ抽出操作を1〜2回行う請求項
    4記載の方法。
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