JPH116043A - ガラス成形金型用鋼 - Google Patents
ガラス成形金型用鋼Info
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- JPH116043A JPH116043A JP15936397A JP15936397A JPH116043A JP H116043 A JPH116043 A JP H116043A JP 15936397 A JP15936397 A JP 15936397A JP 15936397 A JP15936397 A JP 15936397A JP H116043 A JPH116043 A JP H116043A
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- forming die
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Abstract
しかも比較的安価なガラス成形金型用鋼の提供。 【解決手段】重量%で、C:0.1〜0.4%、Si:0.1〜0.7
%、Mn:0.1〜1.5%、Cr:8.0〜13.0%、Mo:0.01〜1.2
%、W:0.8〜3.5%、V:0.1から0.3%、Nb:0.01〜0.2
%、Al:0.01〜3.0%、B:0.0001〜0.02%、N:0.1%以
下、残部Feおよび不可避的不純物からなるガラス成形金
型用鋼。
Description
用する金型の素材となる鋼であって、特に、比較的安価
でありながら耐ヒートチェック性に優れた鋼に関する。
高温強度、耐ヒートチェック性、耐焼付性、ミガキ性、
および高い熱伝導率など様々な性質が必要とされるが、
なかでも耐ヒートチェック性に優れることが強く要求さ
れる。ヒートチェックとは、熱疲労によって金型の表面
に発生する微細な亀裂(熱亀裂)である。これが発生す
ると金型は使用に耐えない。なお、ミガキ性とは研磨面
が均一に磨けるかどうかという性質で、ミガキ性が悪い
と研磨紙やバフで磨いたときにキズが生じたり、ガラス
を成形したときにガラスの表面に金型鋼の組織模様が転
写されたりする。キズや組織模様転写の原因になるのは
金型鋼の組織(δフェライト)や介在物である。
用鋼は、例えば特公昭51-31087号公報、同52-25808号公
報、同57-36972号公報に開示されている。これらの鋼
は、NiまたはNiとCoを含有するため高価であるのみなら
ず、耐ヒートチェック性においても未だ不十分である。
も高温強度が高く、耐ヒートチェック性にも優れた鋼が
提案されているが、その鋼はCuを含有する。この鋼をガ
ラス成形金型用として用いると、Cuがガラス中に混入し
てその品質を悪化させる。従ってこの鋼はガラス成型用
金型には使用できない。
耐ヒートチェック性を備え、かつ比較的安価な鋼であっ
てガラス成形金型用としてふさわしい鋼は、未だ提案さ
れていない。
性や高温強度等の基本的な性能においては従来の鋼に劣
らず、耐ヒートチェック性においてはそれらに優るガラ
ス成形金型用鋼を提供することを目的とする。
形金型用鋼を要旨とする。
%、Mn:0.1〜1.5%、Cr:8.0〜13.0%、Mo:0.01〜1.2
%、W:0.8〜3.5%、V:0.1から0.3%、Nb:0.01〜0.2
%、Al:0.01〜3.0%、B:0.0001〜0.02%、N:0.1%以
下、残部Feおよび不可避的不純物からなるガラス成形金
型用鋼。
5808号公報、同57-36972号公報等に開示されている鋼
は、JISのSUS420J2鋼をベースにして、Mo、V、W、Co、N
bを複合添加し、炭化物の析出と固溶強化により高温強
度を上げ、耐ヒートチェック性を改善したものである。
特に、Co、Mo、Wの多量添加は、その固溶強化作用によ
って鋼の高温強度と耐ヒートチェック性を向上させる
が、一方では鋼材の価格を高騰させる。しかも、上記の
ような対策を採ってもその耐ヒートチェック性は十分で
はない。
に分散させるとともに炭化物の高温での安定性を高める
作用を持つことに着目し、固溶強化と炭化物析出強化に
寄与するMoおよびWの含有量の最適範囲を確認して、上
記の組成の鋼を開発した。この鋼はNiおよびCoという高
価な元素を含有しないにもかかわらず、高い高温強度と
優れた耐ヒートチェック性を具備する。
前記の各合金成分の複合的な作用によって種々の優れた
特性を有するのであるが、それぞれの成分の作用効果と
含有量の限定理由は、次のとおりである。なお、合金成
分含有量に関する%は、重量%を意味する。
成し、鋼の高温強度および耐摩耗性を向上させる。Cは
またオーステナイト安定化元素であり、δフェライトの
析出を抑制する。これらの作用効果を確保するためには
0.1%以上のCが必要である。しかし、Cが0.4%を超える
と炭化物が過剰に析出して、鋼の靱性が低下し耐ヒート
チェック性が損なわれる。
分でもある。これらの効果を得るには0.1%以上の含有
が必要である。しかし、Siの含有量が0.7%を超えると
鋼の靱性が低下する。
0.1%の含有が必要である。しかし、Mnが1.5%を超える
と、鋼の耐酸化性および耐ヒートチェック性が低下す
る。
強度および耐摩耗性を確保するのに必須の成分である。
その効果を得るには8.0%以上が必要である。しかし、C
rが13.0%を超えると、多量のδフェライトの生成によ
り高温強度、靱性およびミガキ性が悪化する。
強度および耐摩耗性を向上させる。これらの効果を得る
には少なくとも0.01%が必要である。一方、Moが1.2%
を超えるとδフェライトの生成を招き、鋼の靱性を低下
させる。
高温強度および耐摩耗性を向上させる。その効果は、Mo
と複合添加した場合に一層大きくなる。このような効果
を確実にするためには、0.8%以上が必要であるが、3.5
%を超えるとδフェライトの生成を招き、延性および高
温強度を低下させる。
せ、鋼の高温強度および耐摩耗性を向上させる。この微
細な炭窒化物は、結晶粒の微細化にも寄与し、耐ヒート
チェック性をも向上させる。このような効果を得るに
は、0.1%以上のVが必要である。しかし、Vが0.3%を超
えると、炭窒化物が過剰に析出し、鋼の延性、靱性およ
び耐ヒートチェック性が低下する。
%) Nbは、Vと同様にC、Nと結合して炭窒化物、Nb(C,N)を
微細に析出させ、さらに一部は固溶して鋼の高温強度お
よび耐摩耗性を向上させる。結晶粒の微細化にもにも寄
与し、耐ヒートチェック性をも向上させる。このような
効果は、0.01%以上で得られるが、十分な効果を得るに
は、0.04%以上含有させるのが望ましい。しかし、0.2
%を超えるNbは、炭窒化物の過剰な析出を招き、かえっ
て鋼の高温強度および耐ヒートチェック性を低下させ
る。Nbの上限は0.08%とするのが一層望ましい。
上にも寄与する。これらの効果を得るには0.01%以上の
含有が必要である。しかし、Alが3.0%を超えるとかえ
って耐酸化性が低下する。
008%) Bは、微量の添加で炭化物を微細に分散させ、かつ、そ
の高温安定性を高める。0.0001%以上のBを含む本発明
鋼は、上記のBの作用により高温強度が高く、また結晶
粒が微細なので耐ヒートチェック性にも優れる。なお、
Bは0.0001%以上のppmオーダーでも効果があるが、十分
な効果を得るには0.001%以上の含有が望ましい。ただ
し、Bの過剰添加は熱間加工性を悪化させるから、上限
は0.02%、好ましくは0.008%までにとどめるのがよ
い。
強度を向上させる。ただし、Nの含有量が0.1%を超える
と、鋼の加工性が低下する。なお、Nの下限は、不純物
レベルでもよいが、上記の効果を十分に得るには0.0010
%以上の含有が望ましい。
不純物である。不純物のうちS、Pは、それぞれ0.005%
以下、0.020%以下とするのが望ましい。
様にして製造することができる。ただし、δフェライト
が析出するとミガキ性が悪くなること、および一旦析出
したδフェライトを熱処理で再固溶させることが難しい
ことを考慮すれば、鍛造温度はδフェライトが析出しな
い1200℃以下とするのがよい。望ましい鍛造温度は1000
〜1150℃である。
温度は1000〜1080℃が望ましい。1080℃を超える温度で
は結晶粒が粗大化し、延性の低下および耐熱亀裂性の低
下のおそれがある。一方、焼入れ温度が1000℃よりも低
いと、粗大な炭化物が固溶せず、従って、微細炭化物に
なるための固溶炭素が不足し、B添加の効果が小さくな
る。
い。700℃を超えると炭化物が粗大化して高温強度が低
下する。500℃未満では炭化物の析出が不足してやはり
高温強度が不足することになる。
極となし、これをエレクトロスラグ溶解法で再溶解し
た。得られた鋳塊を鍛造(据込みおよび鍛伸)して所定
の寸法の試験材とした。この試験材に1050℃から油冷す
る焼入れと、685℃から空冷する焼戻しの熱処理を施し
た。なお、表1の鋼種1から4までは本発明の鋼であ
り、鋼種5(比較鋼)は先に掲げた特公昭51-3180号公
報に記載の鋼、鋼種6(従来鋼)は従来広く使われてい
るガラス成形金型用鋼である。
での引張り試験と耐ヒートチェック性の試験を実施し
た。耐ヒートチェック性の試験は、直径が35mmの試験片
の表層部を誘導加熱で600℃に加熱した後、常温まで水
冷する操作を2000回繰り返す方法によって行い、試験片
の外周部に発生した亀裂の個数および長さを測定して評
価した。さらに、実際に金型にしてガラス成形用として
使用し、その寿命を従来鋼(表1の鋼種6)と比較し
た。これらの試験結果を表2、3に示す。なお、表3に
示す亀裂の個数とは、試験片の外周(約110mm)当たり
の個数である。
室温強度では従来鋼と同等であるが、高温強度において
は従来鋼をはるかに凌ぎ、NiおよびCoを多量に含む比較
鋼(鋼種5)に匹敵する。また、表3の結果から、耐ヒ
ートチェック性においては、本発明鋼は従来鋼よりも著
しく優れているだけでなく、比較鋼にも優ることが明ら
かである。このような特性を持つ本発明鋼は、実際に金
型としてガラス成型用に使用した場合に、従来鋼および
比較鋼よりも長期間の使用に耐える。
素を含まず、しかも高い高温強度と優れた耐ヒートチェ
ック性を備える。従って、この鋼はガラス成形金型用素
材としてきわめて有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%で、C:0.1〜0.4%、Si:0.1〜0.7
%、Mn:0.1〜1.5%、Cr:8.0〜13.0%、Mo:0.01〜1.2
%、W:0.8〜3.5%、V:0.1から0.3%、Nb:0.01〜0.2
%、Al:0.01〜3.0%、B:0.0001〜0.02%、N:0.1%以
下、残部Feおよび不可避的不純物からなるガラス成形金
型用鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15936397A JPH116043A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | ガラス成形金型用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15936397A JPH116043A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | ガラス成形金型用鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH116043A true JPH116043A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=15692212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15936397A Pending JPH116043A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | ガラス成形金型用鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH116043A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104480400A (zh) * | 2014-12-18 | 2015-04-01 | 钢铁研究总院 | 一种c-n-b复合硬化高耐磨冷作模具钢 |
CN110760760A (zh) * | 2019-12-05 | 2020-02-07 | 中国核动力研究设计院 | 一种核反应堆结构材料用FeCrAl基合金的制备方法 |
CN112899559A (zh) * | 2019-12-03 | 2021-06-04 | 大同特殊钢株式会社 | 模具用钢以及模具 |
-
1997
- 1997-06-17 JP JP15936397A patent/JPH116043A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104480400A (zh) * | 2014-12-18 | 2015-04-01 | 钢铁研究总院 | 一种c-n-b复合硬化高耐磨冷作模具钢 |
CN112899559A (zh) * | 2019-12-03 | 2021-06-04 | 大同特殊钢株式会社 | 模具用钢以及模具 |
CN110760760A (zh) * | 2019-12-05 | 2020-02-07 | 中国核动力研究设计院 | 一种核反应堆结构材料用FeCrAl基合金的制备方法 |
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