JPH116008A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
鋼の連続鋳造方法Info
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Abstract
続鋳造するに際して、ノズルの溶損および閉塞を防止し
て安定して長時間連続鋳造する方法を提供する。 【解決手段】 取鍋スラグにAlを添加するとともに、
出鋼時の溶鋼中および/または2次精錬時の溶鋼中にA
lを添加して、溶鋼中のAlを10〜40ppm、溶存
酸素を30〜60ppmに調整した溶鋼を、鋳造するこ
とを特徴とする鋼の連続鋳造方法である。
Description
サイズの鋳片を製造する連続鋳造方法に関する。
キルド鋼の連続鋳造では、アルミナカーボン質またはジ
ルコニアカーボン質、マグネシアカーボン質の耐火物を
ストッパー、スライディングノズル、モールドへ溶鋼を
注入するためにタンディッシュの下に取り付けたノズル
(以下タンディッシュノズルと称する)等の溶鋼流量調
節部位に使用する場合、耐火物中のカーボンがシリコン
キルド溶鋼中の溶存酸素と反応して、溶鋼流による耐火
物の溶損が起こり易くなり、長時間の鋳造が困難であ
る。この溶損防止のためにAl等を添加して脱酸し、溶
存酸素を低減させることが必要である。
の小断面サイズのシリコンキルド鋼のビレットあるいは
ブルームを鋳造する場合には、ノズル閉塞防止のために
タンディッシュノズルやタンディッシュ底へ設置してそ
の下へタンディッシュノズルを取り付けるためのノズル
(以下上ノズルと称する)等より吹き込まれるArおよ
びN2ガス等が、オープン注入の場合には注入流のばら
つきを助長して安定した操業が困難となることや浸漬注
入の場合には湯面制御性を悪化させたり、モールド潤滑
材を溶鋼中に巻き込ませて鋳片欠陥を発生させたりする
ので、タンディッシュノズル等へのArやN2ガス等の
吹き込みは適用できず、Alを添加すると高融点のアル
ミナ系介在物がタンディッシュノズルや上ノズルに付
着、堆積してノズル閉塞を起こす場合があり、長時間の
鋳造が困難となる。
火物を使用することによってシリコンキルド溶鋼中の溶
存酸素との反応が起こらないので、Alを添加しなくて
も溶損を防止でき、長時間の鋳造が可能となる。しか
し、高アルミナ質の耐火物は耐スポーリング性が低く、
ストッパーやタンディッシュノズルの本体のように大
型、長尺物に使用した場合にはヒートクラックが発生し
やすく、鋳造ができなくなる場合が生じる。
体および浸漬ノズル本体はアルミナカーボン質耐火物と
し、ストッパー先端部と浸漬ノズルの上部はジルコニア
カーボン質またはマグネシアカーボン質を用い、鋳造直
前に溶鋼中にAlを添加して溶鋼中のアルミニウムを5
0ppm以下、溶存酸素量を20〜28ppmに調整し
た溶鋼を鋳造する方法が示されている。
5では鋳造直前に溶鋼中にAlを添加して溶鋼中のAl
を50ppm以下でかつ溶存酸素量を20〜28ppm
に調整することが提案されているが、通常成分調整のた
めに合金を添加する装置の他に連続鋳造機の近辺にAl
添加のための装置が必要となる。また、狙いとする溶存
酸素の範囲がきわめて狭いためにAl−O平衡から分か
るように溶存酸素をAlで制御するためにはAlを4〜
7ppmの範囲に制御することが必要となり実用上困難
である。また、鋳造直前にAlを添加するのでAl添加
によって生成したアルミナが十分に除去されずに溶鋼中
に残存し、ノズル詰まりの原因になる場合がある。さら
に、ジルコニアカーボン質やマグネシアカーボン質の耐
火物はアルミナカーボン質の耐火物に比べて価格が高
く、コストアップの原因となる。本発明は上記問題点を
解決するために提案されたものであって、小断面のシリ
コンキルド鋼の連続鋳造において、容易にかつ安価にノ
ズル閉塞と耐火物の溶損とを同時に防止する方法を提案
するものである。
ュノズルと、ストッパーまたはスライディングノズルを
用いて溶鋼流量調整を行うタンディッシュを使用して小
断面積のシリコンキルド鋼鋳片を連続鋳造するに際し
て、取鍋スラグにAlを添加するとともに、出鋼時の溶
鋼中および/または2次精錬中の溶鋼中にAlを添加し
て、溶鋼中のAlを10〜40ppm、溶存酸素を30
〜60ppmに調整した溶鋼を、鋳造することを特徴と
する鋼の連続鋳造方法である。
ド溶鋼にAlを添加して溶存酸素を変化させた溶鋼中に
アルミナカーボン質耐火物を浸漬するラボ実験を行った
結果、溶存酸素が60ppm以下であれば溶損速度が低
下すること、溶存酸素が60ppm超になると溶損が急
激に進行すること、30ppm未満になると耐火物に付
着物が堆積することを見出した。
1に示すようにAlが40ppm以下であれば、生成す
る介在物はSiO2やMnOとAl2O3が複合した低
融点の介在物となってノズル閉塞の原因とならないこ
と、Alが40ppm超になると介在物のAl2O3濃
度は100%近くなりノズル閉塞を起こしやすくなるこ
とが分かった。一方、Alが10ppm未満では溶存酸
素が60ppm超となるとともに、介在物がMnOやS
iO2濃度の高い組成の介在物となっており、この介在
物はアルミナカーボン質耐火物中のアルミナと反応する
とさらに低融点の物質を生成して溶損を助長することに
なる。
40ppm、溶存酸素を30〜60ppmに調整するこ
とでノズル閉塞および耐火物の溶損が防止できて、小断
面のシリコンキルド鋼鋳片の長時間の連続鋳造が可能と
なる。
鍋溶鋼上に存在する取鍋スラグ中にFeOやMnOとい
った低級酸化物が存在しており、これより溶鋼に酸素が
供給されて溶存酸素が上がるとともに、Alが酸化され
て低減し、上記条件範囲に制御できないことがある。そ
こで、取鍋スラグにAlを添加してスラグ中のFeOや
MnOといった酸素供給源を低減することでAlや溶存
酸素を安定して制御することが可能となる。スラグへの
Al添加はスラグとAlの反応を効率よく行うために、
スラグ表面近傍が凝固してしまう前の出鋼直後にスラグ
上方より投入することが望ましいが、スラグ表面近傍の
凝固が進んでしまった場合にはCaF2等のスラグ融点
を下げてスラグを溶かすフラックスを添加した後にAl
を添加してもよい。
によってアルミナカーボン質耐火物と反応して低融点物
質を生成するのを抑制することが可能のなでジルコニア
カーボン質やマグネシアカーボン質等の耐火物を使用す
る必要がなく、アルミナカーボン質の耐火物でよく、製
造コストを安く製造することが可能となる。
で、鋳造直前でなくRHやCAS等の2次精錬工程で溶
鋼中にAlを添加しても制御することが可能となり、新
たな設備の設置は必要なく、さらにAl添加によって生
成したAl2O3の浮上に十分の時間が確保できるの
で、Al添加によって生成したAl2O3によるノズル
閉塞も防止される。
必要はなく、転炉出鋼時に添加してもよいし、出航後に
通常行われるRHやCAS等の2次精錬処理時に添加し
てもよいし、ワイヤー添加装置があればそこで添加して
もよい。
態として3つの実施例を記す。 〔実施例1〕転炉で80tonの溶鋼を精錬・出鋼した
後、CAS処理を行って合金を添加しCを0.20〜
0.27%、Siを0.15〜0.35%、Mnを0.
80〜1.40%に調整した。その後、溶存酸素量を酸
素プローブで測定し、測定値に応じてAlが10〜40
ppmとなるようにAlを2〜10kg溶鋼中に添加し
た。その後、3分間処理し、溶存酸素を測定して30〜
60ppmとなっていることを確認した後、処理を終了
した。
mで2ストリームx3ストランドの連続鋳造装置に移送
し、20tonの容量のタンディッシュに注入しストッ
パーによって流量制御される内径20mmのタンディッ
シュノズルを介して131mm角断面のモールドにオー
プン注入して、鋳造速度2.5〜3.6m/分で15チ
ャージの予定で連続鋳造を行った。各チャージの鋳造時
間は35〜45分であった。ストッパーおよびタンディ
ッシュノズルはアルミナグラファイト質耐火物とした。
溶鋼温度は1530〜1570℃とした。
小さく、15チャージの鋳造が行えた。ここで、ストッ
パー開度指数は(ストッパー高さ位置−詰まりや溶損の
ない理想状態のストッパー高さ位置)÷詰まりや溶損の
ない理想状態のストッパー高さ位置×100であり、プ
ラスマイナス10以上になると鋳造不能となる。
錬・出鋼した後、RH処理を行って合金を添加しCを
0.20〜0.27%、Siを0.15〜0.35%、
Mnを0.80〜1.40%に調整した。その後、溶存
酸素量を酸素プローブで測定し、測定値に応じてAlが
10〜40ppmとなるようにAlを2〜10kg溶鋼
中に添加した。その後、3分間処理し、溶存酸素を測定
して30〜60ppmとなっていることを確認した後、
処理を終了した。
mで2ストリームx3ストランドの連続鋳造装置に移送
し、20tonの容量のタンディッシュに注入しストッ
パーによって流量制御される内径35mmのタンディッ
シュノズルを介して155mm角断面のモールドに浸漬
注入して、鋳造速度2.0〜2.5m/分で15チャー
ジの予定で連続鋳造を行った。各チャージの鋳造時間は
35〜45分であった。ストッパーおよびタンディッシ
ュノズルはアルミナグラファイト質耐火物とした。溶鋼
温度は1530〜1570℃とした。図2に示すように
ストッパーの開度の変化は小さく、15チャージの鋳造
が行えた。
錬・出鋼した。出鋼中にC、Si、Mnを添加するとと
もに転炉吹き止めCに応じてAlを1〜10kg添加し
た。出鋼後、CAS処理を行って合金を添加しCを0.
20〜0.27%、Siを0.15〜0.35%、Mn
を0.80〜1.40%に調整した。その後、溶存酸素
量を酸素プローブで測定し、溶存酸素を測定して30〜
60ppmとなっていることを確認した後、処理を終了
した。
mで2ストリームx2ストランドの連続鋳造装置に移送
し、20tonの容量のタンディッシュに注入しタンデ
ィッシュ底に埋め込まれた上ノズルの下に設けられたス
ライディングノズルによって流量制御される内径35m
mのタンディッシュノズルを介して250mm角断面の
モールドにオープン注入して、鋳造速度1.3〜1.8
m/分で15チャージの予定で連続鋳造を行った。各チ
ャージの鋳造時間は25〜35分であった。スライディ
ンノズルおよびタンディッシュノズルはアルミナグラフ
ァイト質耐火物とした。溶鋼温度は1530〜1570
℃とした。
度の変化は小さく、15チャージの鋳造が行えた。スラ
イディングノズル開度指数は(スライディングノズル開
度−詰まりや溶損のない理想状態のスライディングノズ
ル開度)÷詰まりや溶損のない理想状態のスライディン
グノズル開度×100であり、プラスマイナス10以上
になると鋳造不能となる。
錬・出鋼した後、CAS処理を行って合金を添加しCを
0.20〜0.27%、Siを0.15〜0.35%、
Mnを0.8〜1.40%に調整し、そのまま処理を終
了した。このとき溶存酸素は62〜82ppmであっ
た。
mで2ストリームx3ストランドの連続鋳造装置に移送
し、20tonの容量のタンディッシュに注入しストッ
パーによって流量制御される内径20mmのタンディッ
シュノズルを介して131mm角断面のモールドにオー
プン注入して、鋳造速度2.5〜3.6m/分で15チ
ャージの予定で連続鋳造を行った。各チャージの鋳造時
間は35〜45分であった。ストッパーおよびタンディ
ッシュノズルはアルミナグラファイト質耐火物とした。
溶鋼温度は1530〜1570℃とした。
かなければ溶鋼注入量が増加していき、モールドより溶
鋼がオーバーフローしてしまうので、図2に示すように
ストッパー開度が小さくなり5chで鋳造を中止した。
錬・出鋼した後、CAS処理を行って合金を添加しCを
0.20〜0.27%、Siを0.15〜0.35%、
Mnを0.80〜1.40%に調整し、その後Alを1
0〜30kg添加して処理を終了した。Alは44〜1
02ppmであった。
mで2ストリームx3ストランドの連続鋳造装置に移送
し、20tonの容量のタンディッシュに注入しストッ
パーによって流量制御される内径35mmのタンディッ
シュノズルを介して155mm角断面のモールドに注入
して、鋳造速度2.0〜2.5m/分で15チャージの
予定で連続鋳造を行った。各チャージの鋳造時間は35
〜45分であった。ストッパーおよびタンディッシュノ
ズルはアルミナグラファイト質耐火物とした。溶鋼温度
は1530〜1570℃とした。
2に示すようにストッパー開度を上昇させていかなけれ
ばならなくなり、鋳造速度を低下させねばならず、4c
hで鋳造を停止した。表1には実施例および比較例の各
チャージのAl添加量とAlおよび溶存酸素を示す。
する小断面連続鋳造法において、ノズル閉塞および耐火
物溶損とを同時に防止して、安定して長時間鋳造ができ
るようになり、生産性および低生産コストでの生産が可
能となる。
酸素、介在物組成の関係を示す説明図。
る。
明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 タンディッシュノズルと、ストッパーま
たはスライディングノズルを用いて溶鋼流量調整を行う
タンディッシュを使用して小断面のシリコンキルド鋼鋳
片を連続鋳造するに際して、取鍋スラグにAlを添加す
るとともに、出鋼時の溶鋼中および/または2次精錬時
の溶鋼中にAlを添加して、溶鋼中のAlを10〜40
ppm、溶存酸素を30〜60ppmに調整した溶鋼
を、鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15699497A JP3597971B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 鋼の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15699497A JP3597971B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 鋼の連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH116008A true JPH116008A (ja) | 1999-01-12 |
JP3597971B2 JP3597971B2 (ja) | 2004-12-08 |
Family
ID=15639864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15699497A Expired - Lifetime JP3597971B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 鋼の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3597971B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006515801A (ja) * | 2003-01-24 | 2006-06-08 | ニューコア・コーポレーション | 鋼ストリップ鋳造 |
JP2006515802A (ja) * | 2003-01-24 | 2006-06-08 | ニューコア・コーポレーション | 低表面粗度及び低多孔性を有する鋼ストリップの鋳造 |
JP2008133503A (ja) * | 2006-11-28 | 2008-06-12 | Nippon Steel Corp | Bを添加した低炭快削鋼の製造方法 |
-
1997
- 1997-06-13 JP JP15699497A patent/JP3597971B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006515801A (ja) * | 2003-01-24 | 2006-06-08 | ニューコア・コーポレーション | 鋼ストリップ鋳造 |
JP2006515802A (ja) * | 2003-01-24 | 2006-06-08 | ニューコア・コーポレーション | 低表面粗度及び低多孔性を有する鋼ストリップの鋳造 |
JP2008133503A (ja) * | 2006-11-28 | 2008-06-12 | Nippon Steel Corp | Bを添加した低炭快削鋼の製造方法 |
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---|---|
JP3597971B2 (ja) | 2004-12-08 |
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