JP2976849B2 - 耐hic鋼の製造方法 - Google Patents

耐hic鋼の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属Caおよびその合金
を添加することなしに、ラインパイプに代表される耐H
IC性に優れた製品を製造する材料としての耐HIC鋼
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、あらゆる分野において鋼材の品質
向上の要求が厳しいものになっているが、特に上記のラ
インパイプ用鋼材では、その使用環境が過酷になるにつ
れて高級化の要求が一段と強くなり、これに対応して、
S≦0.0010wt%といった極低硫黄化と非金属介在物、特
に硫化物の形態制御の必要性が増してきている。
【0003】鋼材の高級化の一般的な手段として、まず
転炉から出鋼する際の転炉スラグの完全除去を心がけ、
さらに合成スラグを添加して取鍋内のスラグの性状を制
御して脱硫の促進を図り、非金属介在物の低減を図るの
が普通である。
【0004】特開昭56−9317号公報には、脱硫処理前に
[S](溶鋼中のS) の低下をはかるため、事前に取鍋内溶
鋼中にCaO 系フラックスを添加して脱硫処理を行い、そ
の後、上述のCaO 系フラックスの添加による脱硫処理に
よって生成した介在物をCa合金により球状化処理する方
法が示されている。
【0005】特開平4−99812 号公報には、優れた耐H
IC性を有する鋼の溶製方法として、取鍋内溶鋼に真空
下でCaO を1.5 〜4.5K/T吹き込むことにより、製品中[C
a]・[Al]2 ≦1.45×10-7、[Ca]3 ・[Al]2 ≧1.06×10
-11 を有する鋼の溶製方法が示されている。この場合に
も硫化物の形態制御にはCa合金が添加されている。
【0006】特開昭58−3913号公報には、CaO 吹き込み
後に真空脱ガス処理を実施し、その後、Ca合金を吹き込
むことにより硫化物形態を制御した低水素材の溶製方法
が示されている。
【0007】特開昭56−98415 号公報には、取鍋への出
鋼時にCaO を2〜8K/T 、Alを0.05〜0.4K/T添加し、脱
ガス処理後、Arガス吹き込みを0.006 〜0.009 Nm3/分
(1.5〜2Nm3/分) で10分間実施し、その後、Ca分を0.12
5 〜0.5K/T添加してからArバブリングを3分間継続する
鋼の溶製方法が示されている。
【0008】さらに、特開昭61−84315 号公報には、溶
鋼を転炉から取鍋へ出鋼し、溶鋼を脱硫処理し溶鋼中S
濃度を0.0005wt%以下にし、この脱硫処理した溶鋼にCa
を添加して溶鋼が凝固して得られる鋼材中の介在物をCa
S 系とする方法が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように耐HIC
性に優れた鋼板を溶製する方法については種々の方法が
開発されているが、これら従来の技術では、いずれも金
属Caを溶鋼に添加する必要があり、コスト的に問題があ
り、また近年一段と高まった鋼の高級化に対応するのが
未だ難しい。
【0010】一般にラインパイプに代表される高度の耐
HIC性を要求される鋼材では、MnS が生成しないよう
に制御する必要がある。そのため、従来にあっては溶鋼
中に金属Ca合金を添加し、CaS またはCaS を含有する非
金属介在物を生成させることにより、MnS の生成を防止
してきた。しかし、金属Caは非常に活性な元素であるた
め、取鍋内溶鋼への金属Ca添加によってスラグや取鍋耐
火物の一部が還元され、かえって溶鋼中総介在物量は増
加することになる。
【0011】ここに取鍋内溶鋼にCaを添加する場合、こ
のCa添加後、溶鋼中非金属介在物量を減少させるため、
またCa合金を溶鋼に均一に混合するため、Ar等の不活性
ガスを吹き込むガス攪拌処理 (バブリング法) を用い
る。しかし、このバブリング法では溶鋼中非金属介在物
総量の低減は十分ではない。
【0012】そこで、バブリング法より溶鋼中非金属介
在物総量物を低減できるRH法を用いる方法が考えられ
る。しかし、金属Ca添加後、RH等の真空処理を実施し
た場合、溶鋼中Ca濃度がすぐに減少し、凝固後MnS 晶出
防止に有効な溶鋼中Ca濃度を確保することができない。
【0013】よって、本発明の目的は、金属Caを添加し
ないで耐HIC性に優れ、かつ総非金属性介在物量の少
ない製品を製造するための溶鋼の処理方法を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の発明者
は、従来、金属Caを添加する目的が、連続鋳造時にスラ
ブ中心部にMnS が晶出することを防止することであるこ
とに着目した。スラブ中心部に晶出したこのMnS がHI
C試験時の欠陥となるため、このMnS 晶出防止を目的に
適量の金属Caを添加する必要があったのである。
【0015】本発明の発明者は、金属Caを使用せずに、
上述のMnS 晶出防止のため、予め取鍋内スラグ上置脱硫
フラックスによって溶鋼中〔S〕を0.0002wt%以下にま
で脱硫しておいて、さらにRH法 (RH処理) により介
在物低減を図り、その後連続鋳造法によって鋳造するこ
とにより、金属Ca合金を添加することなく、耐HIC性
に優れかつ非金属介在物総量の非常に少ない製品を作る
ことが可能であることを見出し、この発明を完成した。
【0016】よって、本発明の要旨とするところは、取
鍋に出鋼したMn:0.6〜2.0 wt%かつS:0.0008 〜0.0035
wt%を含有する溶鋼に脱硫可能な組成のスラグを上置き
し、ガス攪拌等により溶鋼を攪拌して溶鋼中〔S〕を0.
0002wt%以下にまで脱硫し、続いてRH処理にて溶鋼中
介在物を低減させ、その後連続鋳造法により鋳造するこ
とを特徴とする、耐HIC性に優れた鋼の製造方法であ
る。
【0017】
【作用】本発明は上述の如く構成されるが、そのような
限定について以下にその理由を作用とともに説明する。
【0018】まず、本発明が出発材料とするのは取鍋に
出鋼された溶鋼であるが、これは、例えば転炉や電気炉
等の製鋼炉からの溶鋼である。〔S〕を0.0002wt%以下
まで低減する理由を説明する。一般に連続鋳造法によっ
てスラブを製造する場合、鋳造前の溶鋼成分に比較し
て、スラブ中心付近において〔Mn〕や〔S〕が濃化す
る。
【0019】図1は、例えば、溶鋼中S濃度が0.0005wt
%で他成分が表1に示す通りである溶鋼を連続鋳造によ
ってスラブを製造し、そのスラブの幅方向中心部におけ
るスラブ厚み方向に10mm毎に成分分析した例を示すグラ
フである。このMnとSの濃化により中心部にMnS が晶出
するのである。
【0020】一方、図2は、表1の成分 (但し鋼中S濃
度=0.0005wt%) に金属Ca粉体をArガスとともに吹き込
んだ後、連続鋳造法によって鋳込んだスラブにおける成
分分析例を同じくグラフで示す。この場合にはS濃度の
ピークはみられない。このように、金属Ca粉体をArガス
吹き込みにより添加することにより、Sの濃化が抑制さ
れる。
【0021】これら両者のデータを比較すると分かるよ
うに、鋳造前溶鋼中S濃度が同一であっても金属Caを添
加することによって、中心部におけるS濃度を低くで
き、MnS が晶出しない。
【0022】図3は、例えば、鋼中S濃度が0.0001wt%
で他の成分が表1のとおりである溶鋼から同様に連続鋳
造によってスラブを製造したときのスラブの幅方向中心
部における厚み方向の成分分析例を示す。
【0023】鋳造前の溶鋼中S濃度を0.0002wt%以下に
制御することにより、〔S〕の濃化が起こっても、スラ
ブ厚み方向中心でのスラブ中最大S濃度を十分低く抑え
ることができ、MnS の晶出を防止することが可能となる
ことが分かる。ここで、「スラブ中最大S濃度」とは、
スラブの同じ厚み部分で5点以上の箇所でS濃度を分析
し、その最大値をいう。
【0024】そこで、本発明にあっては、鋳造前の溶鋼
中S濃度を0.0002wt%以下に制御することにより、前述
のように金属Caを添加することなく、中心部でのMnS の
晶出を防止しようとするものである。つまり、従来のよ
うに溶鋼中に金属Caを添加した場合、溶鋼中にCaが存在
するため、下記式が進行し、MnS の晶出が防止でき
る。
【0025】一方本発明では、Caを添加しなくても、溶
鋼中S濃度が低い場合、下記式が進行しにくくなり、
鋳造前の溶鋼中S濃度が0.0002wt%以下で式の反応は
みられなくなる。 Mn (鋼中) + S (鋼中) → MnS ・・・ Ca (鋼中) + S (鋼中) → CaS ・・・ 。
【0026】ここで、鋼中Mn濃度が高い方が式は進行
しやすいが、鋼中Mn濃度が0.6 〜2wt%の範囲の場合、
鋼中S濃度が0.0002wt%以下なら、MnS の晶出は観察さ
れなかった。つまり、本発明は鋼中Mn濃度を0.6 〜2wt
%の場合に適用できる。
【0027】本発明において脱硫のために溶鋼を攪拌す
るが、その他電磁攪拌によってもよい。本発明の場合、
好ましくはArガス等の不活性ガスを溶鋼内に吹き込むこ
とにより攪拌する。このときのガス量は0.002 〜0.05 m
3/分・ton の範囲で、10分程度ガス攪拌することが望ま
しい。ガス吹き込み時の処理雰囲気の圧力は大気圧 (10
1 KPa)でも真空下(0.1 KPa〜100 KPa)でもよい。このガ
ス量の範囲を限定する理由は、溶鋼中S濃度を従来以上
に低硫化する必要があるため、取鍋上置きスラグの量が
多くなり、その多いスラグを十分に攪拌でき、かつ溶鋼
およびスラグが取鍋からこぼれないようにするためであ
る。
【0028】溶鋼攪拌をガス吹込みによって行う場合、
この不活性ガスを吹き込む方法としては、ランスから不
活性ガスを吹き込む方法と取鍋底面に埋め込んだ多孔質
レンガから不活性ガスを吹き込む方法がある。ランスを
用いた場合、1〜4孔のランスを溶鋼内に浸漬し、不活
性ガスを吹き込む。また多孔質レンガを用いる場合、ポ
ーラスレンガや1〜50個の単管を取鍋底面のレンガに埋
め込み、このレンガから不活性ガスを吹き込んでもよ
い。また、このランスと多孔質レンガを併用してもよ
い。
【0029】本発明において〔S〕:0.0002 %以下にま
で脱硫可能であれば取鍋上置きスラグの組成は特に制限
されないが、一般にはCaO 40〜70wt%、Al2O3 20〜50wt
%、SiO2 0〜30wt%の範囲が望ましく、またCaF2を0〜
30wt%程度添加してもよい。また脱硫後取鍋上置きスラ
グ中のFeO やMnO 濃度はそれぞれ0.5 wt%以下に制御す
ることが望ましい。
【0030】ここに、製品〔S〕を0.0002wt%以下に制
御するために、現在の上置スラグ脱硫法による脱硫能力
を考えれば、製鋼炉から出鋼前〔S〕を0.0008〜0.0035
wt%にする。この出鋼前溶鋼中〔S〕濃度を限定する理
由を以下に述べる。
【0031】すなわち、前述の組成の取鍋上置きスラグ
を上置きして脱硫した場合、スラグ中 (S) 濃度と溶鋼
中〔S〕濃度の比は、300 以下である。そこで出鋼前溶
鋼中〔S〕濃度が0.0035wt%を越える場合、脱硫後
〔S〕を0.0002wt%に制御するためには、取鍋上置きス
ラグが少なくとも55Kg/溶鋼-ton以上必要になり、スラ
グ量が多くなりすぎるため実際的でなく、一方出鋼前溶
鋼中〔S〕濃度を0.0008wt%未満にするのは難しいため
である。
【0032】図4に出鋼前溶鋼中〔S〕濃度と〔S〕:
0.0002 wt%以下脱硫するのに必要となる脱硫用取鍋上
置きスラグ量の関係をグラフで示す。つまり、、取鍋上
置きスラグ量として、図4の斜線部の範囲の取鍋上置き
スラグ量が望ましい。次に、〔S〕を0.0002wt%以下ま
で低減後にRH処理を行う理由を述べる。
【0033】一般、溶鋼中非金属介在物を低減する方法
として、ガス吹き込みによる方法 (バブリング法) およ
びRH法等がある。バブリング法の場合、RH法に比
べ、溶鋼中非金属介在物総量が低減しにくいという問題
がある。
【0034】さらに、従来にあっては金属Ca合金添加に
より、溶鋼中非金属介在物総量が増加する。そこで、金
属Ca添加後にバブリングを実施し、溶鋼中非介在物総量
を低減する必要がある。しかし、前述のようにバブリン
グ法での溶鋼中非金属介在物総量を少なくすることがで
きない。
【0035】図5にRH法とバブリング法による溶鋼中
非金属介在物総量の推移の1例を示す。RH処理を実施
することにより溶鋼中非金属介在物総量指数はバブリン
グ法より低く制御できる。図5は、図3の場合のように
して脱硫処理した 250tの溶鋼にバブリング法は単孔ラ
ンスにて攪拌用Ar量が2.0 Nm3/分の条件下で、RH法は
浸漬管直径600 mm、環流用Ar量が2.0 Nm3/分の条件下で
それぞれ処理を行ったときの結果である。
【0036】ここで、本発明におけるRH処理の処理条
件を以下に述べる。RH処理では、環流用ガスとしてAr
ガス等の不活性ガスを使用しているが、このガス流量と
しては1.5 〜4m3/分 (0.006 〜0.025 Nm3/分・トン)
が望ましい。1.5 Nm3/分未満の場合、溶鋼環流量が少な
いため、RH処理中に溶鋼中非金属介在物総量の減少が
遅く、また4Nm3/分超の場合、RH真空槽内での溶鋼の
流動が大き過ぎるため、RH等の耐火物の溶損が大きく
なる。
【0037】このRH処理による鋼中非金属介在物総量
の低減速度を決定する要因として、環流用浸漬管直径が
ある。この浸漬管直径は400 mm以上が望ましい。400 mm
未満の場合、介在物低減速度が遅くなるためである。
【0038】このRH処理時間は8〜15分が望ましく、
15分を越えた場合、鋼中非金属介在物総量はこれ以上低
下しない。図5の結果参照。このRH処理によりCa処理
した場合に比べ、製品中非金属介在物総量が低減でき、
HIC試験による欠陥量も減少できた。
【0039】
【実施例】
(実施例1)転炉から取鍋に表2の「出鋼後」の段に示す
化学組成を有する溶鋼(250トン)を出鋼した。同時に、
表3の「出鋼後」の段にみられる成分を有する転炉スラ
グが1トン取鍋内に流入した。この出鋼後CaO を2ト
ン、Al2O3 1トン、溶鋼上面に添加した。その後、2孔
ランスを溶鋼に浸漬し、Arガスを3Nm3/分で12分間供給
した。表2、3に、10分間Arガス添加した後の溶鋼成分
およびスラグ組成分析例をそれぞれ「Arガス攪拌後」の
段に示す。この時点で溶鋼中〔S〕濃度は0.0001wt%に
まで低下した。
【0040】その後、環流用Arガスを2.5 Nm3/分で浸漬
管直径660 mmのRH処理を実施し、溶鋼環流を10分間実
施することにより、溶鋼中総酸素量指数が0.1 まで減少
した。溶鋼成分およびスラグ組成分析例を表2、3のそ
れぞれ「RH後」の段に示す。その後、連続鋳造によっ
て、厚さ250 mmのスラブを製造した。このスラブを厚さ
20mmまで圧延した。
【0041】比較例1として、〔S〕を0.0005wt%とし
た溶鋼を同様にRH処理し、連続鋳造によって厚さ250
mmのスラブを製造し、厚さ20mmまで圧延した。また比較
例2として、〔S〕を0.0005wt%とした溶鋼にArガス粉
体吹き込み法によって、Ca合金を添加し、その後バブリ
ング法によって溶鋼攪拌を実施し、同様に連続鋳造によ
ってスラブを製造し同様に厚さ20mmまで圧延した。表4
にこれらの製品 (実施例1、比較例1、2) における成
分分析例を示す。
【0042】図6に本例の各製品中非金属介在物総量指
数を、また図7にこれらの鋼板の耐HIC性を試験した
結果を示す。これらの結果からも分かるように、本発明
法が比較法に比べ、優れた耐HIC性を示し、さらに製
品中非金属介在物総量指数も最も低い濃度であった。
【0043】(実施例2)電気炉から表5の成分を有する
溶鋼(200トン) を取鍋に出鋼した。同時に、表6の成分
を有する電気炉スラグが4トン取鍋内に流入した。出鋼
後、取鍋上置きスラグ組成およびスラグ量を調整するた
め、表7に示す量のCaO 系フラックスを上置きスラグに
添加した。その後、Arガス雰囲気かつ大気圧下にて、取
鍋底面のポーラスレンガから、Arガスを4Nm3/分で10分
間供給した。〔S〕濃度は0.0001〜0.0002%にまで低下
した。
【0044】次いで環流用Arガスを2Nm3/分で浸漬管直
径660 mmのRH処理を実施し、その後、連続鋳造によっ
て、250 mm厚のスラブを製造した。このスラブを厚さ20
mmまで圧延した。表8にこれらの製品における成分分析
例および表9にAr攪拌後の取鍋上置きスラグ組成を示す
(実施例2-1 〜2-3)。
【0045】図8に本例の各製品中非金属介在物総量指
数を、また図9にこれらの鋼板をHIC試験した結果を
示す。実施例1の比較法に比べ、いずれも優れた耐HI
C性を示し、さらに製品中非金属介在物総量指数も低い
濃度であった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表4】
【0049】
【表6】
【0050】
【表8】
【0051】
【発明の効果】以上述べたごとく本発明方法によれば、
既述の工程に従って操業を行うことにより、Ca合金を用
いることなく、優れた耐HIC性をもちかつ製品中の非
金属介在物総量を減少することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属Ca粉体の吹込みを行わなかった場合のスラ
ブ厚み方向のS分析濃度を示すグラフである。
【図2】金属Ca粉体をArガス吹込みしたときのスラブ厚
み方向のS分析濃度を示すグラフである。
【図3】鋳造前にS濃度を0.0002wt% 以下に低減したと
きの図1に同じグラフである。
【図4】出鋼前溶鋼中〔S〕濃度と脱硫用取鍋上置スラ
グ量との関係を示すグラフである。
【図5】RH法とバブリング法による溶鋼中非金属介在
物総量の変化の比較を示すグラフである。
【図6】非金属介在物総量についての実施例1の結果を
示すグラフである。
【図7】耐HIC 性試験についての実施例1の結果を示す
グラフである。
【図8】非金属介在物総量についての実施例2の結果を
示すグラフである。
【図9】耐HIC 性試験についての実施例2の結果を示す
グラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取鍋に出鋼したMn:0.6〜2.0 wt%かつ
    S:0.0008 〜0.0035wt%を含有する溶鋼に脱硫可能な組
    成のスラグを上置きし、溶鋼を攪拌して溶鋼中〔S〕を
    0.0002wt%以下にまで脱硫し、続いてRH処理にて溶鋼
    中介在物を低減させ、その後連続鋳造法により鋳造する
    ことを特徴とする、耐HIC性に優れた鋼の製造方法。
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