JPH1159080A - 糊容器のスライダー - Google Patents

糊容器のスライダー

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JPH1159080A
JPH1159080A JP17384798A JP17384798A JPH1159080A JP H1159080 A JPH1159080 A JP H1159080A JP 17384798 A JP17384798 A JP 17384798A JP 17384798 A JP17384798 A JP 17384798A JP H1159080 A JPH1159080 A JP H1159080A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造により、固形糊のスライダーへの
嵌合固定を確実にするとともに、スライダー成形時にお
ける金型からのスライダーの離脱を容易にする。 【解決手段】 スライダー(6)の壁面に、横断面が内
側へV字形に突出するリブ(11)を上下軸方向に設け
るとともに、その背面に、筒体(3)内壁に設けられた
スリーブ(14)と係合するガイド溝(12)を設け、
固定突起(10)の各部分の形状で限定する。これらに
よりリブ(11)の高さを増大させ、固形糊(7)のス
ライダー(6)への嵌合固定を確実にすると同時に、こ
のリブ(11)のV字形によって、成形時における金型
からの離脱を容易にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、糊容器を構成す
る尾栓の回動によって、この糊容器を構成する筒体内に
収容された固形の糊を出没自在とする糊容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、糊容器を構成する尾栓の回動によ
って、この糊容器を構成する筒体内に収容された固形の
糊を出没自在とする糊容器は、尾栓と一体に成形される
ネジ杆を、固形の糊を嵌合・固持したスライダーに貫通
・螺合させ、尾栓の回動によりネジ杆を回転させること
によって、このネジ杆に貫通・螺合するスライダーを、
尾栓と一体となる筒体内壁に配設したスリーブに沿って
摺動させ、スライダーと一体となった固形の糊を筒体よ
り出没自在としてなるものが一般的である。
【0003】そしてその際、スライダーはプラスチック
あるいは樹脂製で、中心にネジ杆の貫通する貫通孔を有
する有底無蓋の略円筒形に形成されており、その内壁面
の両側には、ガイド溝の成形とともに内方に突出するリ
ブが上下軸方向に設けられて、糊がスライダー内より脱
落するのを防止するとともに、その背面すなわち外壁面
には、筒体内壁に設けられたスリーブと係合するガイド
溝が上下方向に設けられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の糊容器を構成するスライダーにおいては、糊容器使
用中にスライダーに嵌合された固形糊がスライダーから
脱落しないように保持するリブが、その横断面が略長方
形となるように形成されているため、その内側への突出
長の増大は、糊抜け防止の効果を増大するものの、スラ
イダーの成形時において、成形金型からの離脱が困難と
なって、製造コストの増大をもたらすという問題点があ
った。更には、糊のスライダーからの脱落を防止するた
め、別途対向して固定突起を設けるものもあるが、その
形状に糊を固定するに充分なものが得られなかった。
【0005】そこで、この発明は、上記従来のものの有
する問題点を改善するものであり、簡単な構造により、
スライダー内壁面に設けられるリブの突出長を増大させ
て、固形の糊のスライダーからの離脱を防止するととも
に、スライダー成形時の、金型からのスライダーの離脱
を容易にし、その上、スライダーと固形糊の固定を充分
なものとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために、スライダー
の壁面に、横断面が内側へV字形に突出するリブを上下
軸方向に設けてなるものであり、更には、スライダーの
壁面に設けられた、横断面が内側へV字形に突出するリ
ブの背面に、筒体内壁に設けられたスリーブと係合する
ガイド溝を設けてなるものであり、その上、そのガイド
溝を内側へV字形に突出する形状とするとともに、この
V字形部分を薄肉とし、また、スライダーの貫通孔の両
側に上方に向い拡開する固定突起を設け、この固定突起
のスライダー底辺との角度を70°〜80°,その水平
方向の幅をスライダー内径の0.2〜0.3(即ち20
%〜30%)とし、固定突起の高さをスライダーの深さ
の0.5〜0.8(即ち50%〜80%)としてなるも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】上記構成を具えるので、リブがV
字形状に形成されて、その内側への突出長を増大させ
て、固形糊のスライダーへの嵌合固定を確実にすること
ができると同時に、このスライダーの成形時において、
そのスライダーのリブ部分がV字形となることで金型と
の接触面を縮小するとともに、このリブとスライダーの
内壁面によって形成される角部が略鈍角となって、スラ
イダーの金型からの離脱を容易にすることができる。そ
して、このリブ部分の背面にガイド溝を設ければ、合わ
せる金型の位置決めが容易になる上、そのガイド溝をも
V字形にするとともに、薄肉状にすると、成形時にはそ
のV字形部分の有する弾性を利用して、より容易にスラ
イダーを金型から離脱させることができる。また、スラ
イダーに上方に向って拡開する固定突起を設ける場合、
その形状を各部特にスライダーの深さ内径に比例して、
一定限度内とし、その拡開角度をも一定限定内とするこ
とにより成形が容易でスライダーよりの糊の離脱防止を
良好にすることができる。
【0008】
【実施例】この発明を図に示す実施例により更に説明す
る。(1)はこの発明の実施例である糊容器であり、こ
の糊容器(1)は先端に脱着自在となるキャップ(2)
を装着した筒体(3)と、この筒体(3)に対して回動
自在に係合する尾栓(4)と、この尾栓(4)と一体に
成形されたネジ杆(5)に螺合するスライダー(6)
と、スライダー(6)に嵌合して固持される固形糊
(7)とからなる。そして、ネジ杆(5)と螺合するス
ライダー(6)は有底無蓋の略円筒形状であって、その
中心にネジ杆(5)の貫通する貫通孔(8)を有し、そ
の貫通孔(8)の内側には雌ネジ(9)が設けられてい
る。また、貫通孔(8)の両側には、固形糊(7)を固
定する固定突起(10)が設けられ、この固定突起(1
0)は貫通孔(8)を中心として1対が、スライダー
(6)の内底面と、その角度θを70°〜80°として
上方に拡開するように設ける(図4)。この固定突起
(10)と直交するスライダー(6)内壁面の各位置に
リブ(11)がスライダー(6)の上下軸方向に設けら
れる。このリブ(11)はV字形横断面を有して内側へ
突出し、その背面には同じくV字形横断面を有するガイ
ド溝(12)が形成される。また、スライダー(6)内
壁面の、前記リブ(11)の設けられた以外の壁面に
は、円周方向に2条の抜け止め突起(13)を設けるこ
ともできる。また、固定突起(10)の水平方向の幅
(C)をスライダー(6)の内径(E)の0.2〜0.
3(即ち20%〜30%)とし、固定突起(10)のス
ライダー(6)底面よりの高さをスライダー(6)の深
さ(F)の0.5〜0.8(即ち50%〜80%)とす
ると、糊とスライダーとの固定を最大として糊がスライ
ダーより離脱することを良好に防止できる(図4)。
【0009】一方、スライダー(6)はその貫通孔
(8)においてネジ杆(5)が貫通して螺合するととも
に、両外側面に設けられたガイド溝(12)には、筒体
(3)内壁面に上下方向に設けられた横断面V字形のス
リーブ(14)が係合しているため、尾栓(4)を回転
させると、尾栓(4)と一体となったネジ杆(5)が回
転する一方、そのネジ杆(5)と螺合しているスライダ
ー(6)は、筒体(3)のスリーブ(14)とガイド溝
(12)との係合によって、回転しないよう固定されて
いるため、ネジ杆(5)の回転にともなってスライダー
(6)はスリーブ(14)に沿って上下動し、このスラ
イダー(6)の上下動によって、スライダー(6)に固
持された固形糊(7)も筒体(3)の内外に出没自在と
なる。
【0010】この発明の実施例である糊容器(1)は以
上の構成を具えるので、固形糊(7)のスライダー
(6)への嵌合・固持をより確実にするために、リブ
(11)の高さ、すなわちスライダー(6)の内側へV
字形に突出するその突出長を増大させても、リブ(1
1)の横断面がV字形となっているために、成形時の金
型との接触面が少なく、また、リブ(11)とスライダ
ー(6)内壁面によって形成される角部(15)の横断
面における角度(α)が略鈍角となることから、成形時
にこの角部(15)においてスライダー(6)の金型が
そのスライダー(6)に食い込むことがなく、金型とス
ライダーとの離脱を容易に行うことができる。そして更
に、図2における実施例においては、リブ(11)の背
面にガイド溝(12)を設けるとともに、そのリブ(1
1)とガイド溝(12)を形成する部分の肉厚(T)を
薄くすることで、その部分に弾性を保有させ、スライダ
ー(6)成形時の金型からの分離時において、その弾性
を利用して、スライダーの金型からの分離をより容易に
行うことができる。
【0011】一方、図3は他の実施例におけるスライダ
ー(6’)であって、スライダー(6’)に設けられる
リブ(11’)は図2に記載した実施例と同様に横断面
がV字形であるが、その背面のガイド溝(12’)の横
断面は四角形に形成されている。この実施例において
は、リブ(11’)とガイド溝(12’)を形成する部
分に弾性を保有させることは困難となって、その弾性を
利用してスライダーの金型からの分離をより容易化する
ことはできないものの、スライダー(6’)を成形する
際に使用する金型の内、雌金型は従来の金型を使用する
ことができる上、筒体(3)も従来品を使用することが
できるという利点を有するものである。
【0012】その上、図4に示すように、スライダー
(6’)内に固定突起(10)を設け、この固定突起
(10)のスライダー(6’)底面との角度(θ)、水
平方向の幅(C)、高さ(D)を図5〜図6に示す条件
で試験したところ、θ=70°〜80°,C=0.2〜
0.3・E,D=0.5〜0.8・F,の状態が最適と
なったので、その各部分の値をもつように固定突起(1
0)を形成すれば、スライダー(6’)よりの固定糊
(7)の抜け出しを良好に防止することができる。
【0013】
【発明の効果】以上のとおり、糊容器のスライダーに設
けられるリブ及びその背面のガイド溝の横断面形状を薄
肉のV字形とすることによって、簡単な構造でリブの高
さを増大させる。また、スライダーに嵌合して固持され
る固形糊の保持をより確実にすると同時に、その横断面
が薄肉のV字形であることによって、成形時における金
型とスライダーとの離脱を容易化して、製造コストの増
大を防止することができるという優れた効果を有する。
更には、リブの横断面のみをV字形とする場合には、前
記実施例の場合に比して、成形時における金型とスライ
ダーとの離脱の容易化という面では劣ることがあるもの
の、スライダー成形のための雌金型や筒体自体は従来品
を使用することができ、併せて、固定突起の形状を限定
することにより、固形糊のスライダーよりの抜け出しを
最適に防止できるという優れた効果を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例である糊容器の縦断面図であ
る。
【図2】この発明の実施例である糊容器に使用されるス
ライダーの斜視図である。
【図3】他の実施例に使用されるスライダーの平面図で
ある。
【図4】他の実施例に使用されるスライダーの縦断側面
図である。
【図5】この発明のスライダーの固定突起の底面と、そ
の底面のなす角度θ゜における抜けトルクの大きさを示
すものである。
【図6】図5と同様の固定突起の水平方向の幅Cと抜け
トルクの大きさを示すものである。
【図7】図5と同様の固定突起の高さDと、その抜けト
ルクを示すものである。
【符号の説明】
1 糊容器 2 キャップ 3 筒体 4 尾栓 5 ネジ杆 6、6’ スライダー 7 固形糊 8 貫通孔 9 雌ネジ 10 固定突起 11、11’ リブ 12、12’ ガイド溝 13 抜け止め突起 14 スリーブ 15 角部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尾栓と一体に成形されるネジ杆に対し
    て、固形の糊を固持したスライダーを貫通、螺合させ、
    尾栓の回動によりネジ杆を回転させることによって、こ
    のネジ杆に貫通、螺合するスライダーを、尾栓と一体と
    なる筒体内壁に配設したスリーブに沿って摺動させ、ス
    ライダーと一体となった固形の糊を筒体より出没自在と
    してなる糊容器において、上記スライダーの壁面に、横
    断面が内側へV字形に突出するリブを上下軸方向に設け
    てなる糊容器のスライダー。
  2. 【請求項2】 スライダーの壁面に設けられた、横断面
    が内側へV字形に突出するリブの背面に、筒体内壁に設
    けられたスリーブと係合するガイド溝を設けてなる請求
    項1記載の糊容器のスライダー。
  3. 【請求項3】 ガイド溝を内側へV字形に突出する形状
    とするとともに、上記V字形部分を薄肉としてなる請求
    項2記載の糊容器のスライダー。
  4. 【請求項4】 尾栓と一体に成形されるネジ杆に対し
    て、固形の糊を固持したスライダーを貫通、螺合させ、
    尾栓の回動によりネジ杆を回転させることによって、こ
    のネジ杆に貫通、螺合するスライダーを、尾栓と一体と
    なる筒体内壁に配設したスリーブに沿って摺動させ、ス
    ライダーと一体となった固形の糊を筒体より出没自在と
    してなる糊容器において、スライダーに設ける貫通孔の
    両側に、固形糊を固定するために上方に向い拡開する固
    定突起を設け、そのスライダー底面との角度をθ、固定
    突起の水平方向の幅をC、固定突起のスライダー底面よ
    りの高さをD、スライダーの内径をE、スライダーの深
    さをFとする時、 θ=70°〜80° C=0.2〜0.3・E D=0.5〜0.8・F としてなる糊容器のスライダー。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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