JPH115845A - ヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサンおよびシリコーン変性有機樹脂 - Google Patents
ヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサンおよびシリコーン変性有機樹脂Info
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- JPH115845A JPH115845A JP9282692A JP28269297A JPH115845A JP H115845 A JPH115845 A JP H115845A JP 9282692 A JP9282692 A JP 9282692A JP 28269297 A JP28269297 A JP 28269297A JP H115845 A JPH115845 A JP H115845A
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- hydroxyphenyl
- carbon atoms
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- silicone
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規なヒドロキシフェニル基含有オルガノポ
リシロキサンおよび該オルガノポリシロキサンにより改
質されたシリコーン変性有機樹脂を提供する。 【解決手段】 分子鎖末端にシクロシロキサン単位を有
する新規なヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロ
キサン、該オルガノポリシロキサンと有機樹脂モノマー
を共重合反応させてなるシリコーン変性有機樹脂、特
に、該オルガノポリシロキサンを共重合反応させてなる
シリコーン変性ポリカーボネート樹脂とその成形品およ
び、該オルガノポリシロキサンを共重合反応させてなる
シリコーン変性ポリアリレート樹脂とその成形品を提供
する。
リシロキサンおよび該オルガノポリシロキサンにより改
質されたシリコーン変性有機樹脂を提供する。 【解決手段】 分子鎖末端にシクロシロキサン単位を有
する新規なヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロ
キサン、該オルガノポリシロキサンと有機樹脂モノマー
を共重合反応させてなるシリコーン変性有機樹脂、特
に、該オルガノポリシロキサンを共重合反応させてなる
シリコーン変性ポリカーボネート樹脂とその成形品およ
び、該オルガノポリシロキサンを共重合反応させてなる
シリコーン変性ポリアリレート樹脂とその成形品を提供
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なヒドロキシフ
ェニル基含有オルガノポリシロキサンおよび該オルガノ
ポリシロキサンにより改質されたシリコーン変性有機樹
脂に関する。
ェニル基含有オルガノポリシロキサンおよび該オルガノ
ポリシロキサンにより改質されたシリコーン変性有機樹
脂に関する。
【0002】
【従来の技術】分子鎖中に、式:
【化9】 で表されるようなシクロシロキサン単位を有するオルガ
ノポリシロキサンとしては、例えば、式:
ノポリシロキサンとしては、例えば、式:
【化10】 で表される繰り返し単位から構成されるオルガノポリシ
ロキサン(特開平7−268100号公報参照)、式:
ロキサン(特開平7−268100号公報参照)、式:
【化11】 で表されるエポキシ基含有オルガノポリシロキサン(特
公昭61−1471号公報参照)が知られている。
公昭61−1471号公報参照)が知られている。
【0003】一方、有機官能性基を有するオルガノポリ
シロキサンは、有機樹脂の改質剤,界面活性剤,繊維処
理剤等として広い分野で使用されている。特に、有機樹
脂の改質剤として使用される場合において、有機樹脂分
子中にオルガノポリシロキサンが組み込まれるようない
わゆる共重合体の一原料として使用される際には、その
有機樹脂と共重合可能な有機官能性基を選択する必要が
ある。例えば、有機樹脂がポリカーボネート樹脂のよう
な主に縮重合反応により得られるものである場合には、
その改質剤として一般に、ヒドロキシフェニル基を含有
する直鎖状のオルガノポリシロキサンが使用されてい
る。そしてこのようなオルガノポリシロキサンにより改
質されたポリカーボネート樹脂として、主鎖中にシロキ
サン単位を組み込んだポリカーボネート樹脂(特開平3
−79626号公報参照)や、オルガノポリシロキサン
鎖の運動の自由度をより一層高めるためにシロキサン鎖
をグラフト結合させてなるポリカーボネート樹脂(特開
平5−155999号公報および特開平7−16589
7号公報参照)が提案されている。しかし、これらのシ
リコーン変性ポリカーボネート樹脂は、分子中のオルガ
ノポリシロキサン鎖が柔軟性に富む高分子であることか
らガラス転移点が低く、このため成形品のガラス転移点
や硬さが低下するという問題点があった。また、その離
型性や撥水性が不十分であるという欠点があった。
シロキサンは、有機樹脂の改質剤,界面活性剤,繊維処
理剤等として広い分野で使用されている。特に、有機樹
脂の改質剤として使用される場合において、有機樹脂分
子中にオルガノポリシロキサンが組み込まれるようない
わゆる共重合体の一原料として使用される際には、その
有機樹脂と共重合可能な有機官能性基を選択する必要が
ある。例えば、有機樹脂がポリカーボネート樹脂のよう
な主に縮重合反応により得られるものである場合には、
その改質剤として一般に、ヒドロキシフェニル基を含有
する直鎖状のオルガノポリシロキサンが使用されてい
る。そしてこのようなオルガノポリシロキサンにより改
質されたポリカーボネート樹脂として、主鎖中にシロキ
サン単位を組み込んだポリカーボネート樹脂(特開平3
−79626号公報参照)や、オルガノポリシロキサン
鎖の運動の自由度をより一層高めるためにシロキサン鎖
をグラフト結合させてなるポリカーボネート樹脂(特開
平5−155999号公報および特開平7−16589
7号公報参照)が提案されている。しかし、これらのシ
リコーン変性ポリカーボネート樹脂は、分子中のオルガ
ノポリシロキサン鎖が柔軟性に富む高分子であることか
らガラス転移点が低く、このため成形品のガラス転移点
や硬さが低下するという問題点があった。また、その離
型性や撥水性が不十分であるという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明の目的は、分子鎖末端にシクロシロキ
サン単位を有する新規なヒドロキシフェニル基含有オル
ガノポリシロキサンおよび該オルガノポリシロキサンを
共重合反応させてなるシリコーン変性有機樹脂を提供す
ることにある。
点を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明の目的は、分子鎖末端にシクロシロキ
サン単位を有する新規なヒドロキシフェニル基含有オル
ガノポリシロキサンおよび該オルガノポリシロキサンを
共重合反応させてなるシリコーン変性有機樹脂を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明
は、一般式:
は、一般式:
【化12】 (式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない同種または異
種の一価炭化水素基であり、Aは置換もしくは非置換の
ヒドロキシフェニル基であり、Bは炭素原子数が2以上
のアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基で
あり、R1は炭素原子数2〜10のアルキレン基であ
り、nは1以上13以下の整数であり、xは0以上n以
下の整数であり、yは0〜40の整数である。)で表さ
れるヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサ
ン、該ヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサ
ンを有機樹脂モノマーと共重合反応させてなるシリコー
ン変性有機樹脂、特に、下記構造式(A)で表される構
成単位:0.1〜100モル%と構造式(B)で表され
る構成単位:99.9〜0モル%からなるシリコーン変
性ポリカーボネート樹脂とその成形品および、下記構造
式(C)で表される構成単位:0.1〜100モル%と
構造式(D)で表される構成単位:99.9〜0モル%
からなるシリコーン変性ポリアリレート樹脂とその成形
品に関する。 構造式(A):
種の一価炭化水素基であり、Aは置換もしくは非置換の
ヒドロキシフェニル基であり、Bは炭素原子数が2以上
のアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基で
あり、R1は炭素原子数2〜10のアルキレン基であ
り、nは1以上13以下の整数であり、xは0以上n以
下の整数であり、yは0〜40の整数である。)で表さ
れるヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサ
ン、該ヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサ
ンを有機樹脂モノマーと共重合反応させてなるシリコー
ン変性有機樹脂、特に、下記構造式(A)で表される構
成単位:0.1〜100モル%と構造式(B)で表され
る構成単位:99.9〜0モル%からなるシリコーン変
性ポリカーボネート樹脂とその成形品および、下記構造
式(C)で表される構成単位:0.1〜100モル%と
構造式(D)で表される構成単位:99.9〜0モル%
からなるシリコーン変性ポリアリレート樹脂とその成形
品に関する。 構造式(A):
【化13】 [式中、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基もしくは
アルコキシ基またはハロゲン原子であり、R4は炭素原
子数が2以上のアルキレン基またはアルキレンオキシア
ルキレン基であり、bは0〜4の整数である。Dは、
式:
アルコキシ基またはハロゲン原子であり、R4は炭素原
子数が2以上のアルキレン基またはアルキレンオキシア
ルキレン基であり、bは0〜4の整数である。Dは、
式:
【化14】 (式中、R,R1,n,xおよびyは前記と同じであ
る。)で表されるシロキサン単位である。] 構造式(B):
る。)で表されるシロキサン単位である。] 構造式(B):
【化15】 (式中、R5はハロゲン原子または炭素原子数1〜4の
一価炭化水素基であり、Eは炭素原子数1〜20の二価
炭化水素基,−O−,−S−,−CO−,−SO2−か
らなる群から選択される基であり、cは0〜4の整数で
ある。) 構造式(C):
一価炭化水素基であり、Eは炭素原子数1〜20の二価
炭化水素基,−O−,−S−,−CO−,−SO2−か
らなる群から選択される基であり、cは0〜4の整数で
ある。) 構造式(C):
【化16】 [式中、R3,R4,Dおよびbは前記と同じであり、G
は炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換の二価炭化
水素基である(但し、このGの内、少なくとも50%は
芳香族である。)。] 構造式(D):
は炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換の二価炭化
水素基である(但し、このGの内、少なくとも50%は
芳香族である。)。] 構造式(D):
【化17】 (式中、R5,E,Gおよびcは前記と同じである。)
【0006】
【発明の実施の形態】最初に本発明のヒドロキシフェニ
ル基含有オルガノポリシロキサンについて詳細に説明す
る。本発明のオルガノポリシロキサンは、一般式:
ル基含有オルガノポリシロキサンについて詳細に説明す
る。本発明のオルガノポリシロキサンは、一般式:
【化18】 で表される。上式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない
同種または異種の一価炭化水素基であり、具体的には、
メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル
基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,
デシル基等のアルキル基;フェニル基,トリル基,キシ
リル基等のアリール基;ベンジル基,フェネチル基等の
アラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基,1
H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシル基,1H,1
H,2H,2H−パーフルオロデシル基等のハロゲン化ア
ルキル基が例示される。これらの中でもメチル基もしく
はフェニル基が好ましい。またこのRは同一のものでも
異なるものでもよい。Aは置換もしくは非置換のヒドロ
キシフェニル基であり、好ましくは、式:
同種または異種の一価炭化水素基であり、具体的には、
メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル
基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,
デシル基等のアルキル基;フェニル基,トリル基,キシ
リル基等のアリール基;ベンジル基,フェネチル基等の
アラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基,1
H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシル基,1H,1
H,2H,2H−パーフルオロデシル基等のハロゲン化ア
ルキル基が例示される。これらの中でもメチル基もしく
はフェニル基が好ましい。またこのRは同一のものでも
異なるものでもよい。Aは置換もしくは非置換のヒドロ
キシフェニル基であり、好ましくは、式:
【化19】 で表される基である。式中、R2は炭素原子数1〜4の
アルキル基もしくはアルコキシ基またはハロゲン原子で
あり、aは0〜4の整数である。このようなヒドロキシ
フェニル基として具体的には、2−ヒドロキシフェニル
基,3−ヒドロキシフェニル基,4−ヒドロキシフェニ
ル基,4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル基,4−
ヒドロキシ−2−メトキシフェニル基,3−ヒドロキシ
−4−メトキシフェニル基, 3−ヒドロキシ−2−メ
トキシフェニル基,2−ヒドロキシ−4−メトキシフェ
ニル基, 2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル基が
例示される。Bは炭素原子数が2以上のアルキレン基ま
たはアルキレンオキシアルキレン基であり、アルキレン
基として具体的には、エチレン基,プロピレン基,ブチ
レン基,ペンチレン基,ヘキシレン基が例示され、アル
キレンオキシアルキレン基としては、エチレンオキシプ
ロピレン基,エチレンオキシブチレン基が例示される。
R1は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、直鎖
状もしくは分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。具体
的には、エチレン基,メチルエチレン基,エチルエチレ
ン基,プロピルエチレン基,ブチルエチレン基,プロピ
レン基,ブチレン基,1−メチルプロピレン基,ペンチ
レン基,ヘキシレン基,ヘプチレン基,オクチレン基,
ノニレン基,デシレン基が例示される。これらの中でも
エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ヘキシレン基
が好ましい。このR1は同一のものでも異なるものでも
よい。nは1以上13以下の整数であり、特に、2また
は3であることが好ましい。また、上記一般式におい
て、(n+2)はシクロシロキサン単位中のシロキサン
の重合度を示す数である。xは0以上n以下の整数であ
り、このnやxは同一のものでも異なるものでもよい。
yは0〜40の整数であり、好ましくは2〜30の範囲
である。
アルキル基もしくはアルコキシ基またはハロゲン原子で
あり、aは0〜4の整数である。このようなヒドロキシ
フェニル基として具体的には、2−ヒドロキシフェニル
基,3−ヒドロキシフェニル基,4−ヒドロキシフェニ
ル基,4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル基,4−
ヒドロキシ−2−メトキシフェニル基,3−ヒドロキシ
−4−メトキシフェニル基, 3−ヒドロキシ−2−メ
トキシフェニル基,2−ヒドロキシ−4−メトキシフェ
ニル基, 2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル基が
例示される。Bは炭素原子数が2以上のアルキレン基ま
たはアルキレンオキシアルキレン基であり、アルキレン
基として具体的には、エチレン基,プロピレン基,ブチ
レン基,ペンチレン基,ヘキシレン基が例示され、アル
キレンオキシアルキレン基としては、エチレンオキシプ
ロピレン基,エチレンオキシブチレン基が例示される。
R1は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、直鎖
状もしくは分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。具体
的には、エチレン基,メチルエチレン基,エチルエチレ
ン基,プロピルエチレン基,ブチルエチレン基,プロピ
レン基,ブチレン基,1−メチルプロピレン基,ペンチ
レン基,ヘキシレン基,ヘプチレン基,オクチレン基,
ノニレン基,デシレン基が例示される。これらの中でも
エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ヘキシレン基
が好ましい。このR1は同一のものでも異なるものでも
よい。nは1以上13以下の整数であり、特に、2また
は3であることが好ましい。また、上記一般式におい
て、(n+2)はシクロシロキサン単位中のシロキサン
の重合度を示す数である。xは0以上n以下の整数であ
り、このnやxは同一のものでも異なるものでもよい。
yは0〜40の整数であり、好ましくは2〜30の範囲
である。
【0007】このような本発明のヒドロキシフェニル基
含有オルガノポリシロキサンとしては、下記式で示され
る化合物が挙げられる。
含有オルガノポリシロキサンとしては、下記式で示され
る化合物が挙げられる。
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【0008】このような本発明のヒドロキシフェニル基
含有オルガノポリシロキサンは、例えば、式:
含有オルガノポリシロキサンは、例えば、式:
【化27】 (式中、R,nおよびxは前記と同じである。)で表さ
れる1分子中にケイ素原子結合水素原子を2個有するシ
クロシロキサンに、ヒドロシリル化反応用触媒の存在
下、式:R6(R2SiO)ySiR2R6(式中、Rおよ
びyは前記と同じであり、R6はビニル末端を有する炭
素原子数2〜10のアルケニル基である。)で表される
有機ケイ素化合物と、脂肪族不飽和結合含有フェノール
化合物とを付加反応させることによって製造することが
できる。この反応方法は特に限定されないが、例えば、
ヒドロシリル化反応用触媒の存在下、過剰量の上記シク
ロシロキサン中に上記アルケニル基含有有機ケイ素化合
物を滴下して反応させた後、過剰のシクロシロキサンを
除去する。次いで、アルケニル基含有有機ケイ素化合物
の2倍モル量の脂肪族不飽和結合含有フェノール化合物
を滴下してさらに反応させる方法が挙げられる。また、
ヒドロシリル化反応用触媒の存在下、過剰量のシクロシ
ロキサンと脂肪族不飽和結合含有フェノール化合物とを
反応させて過剰のシクロシロキサンを除去した後、脂肪
族不飽和結合含有フェノール化合物の1/2モル量のア
ルケニル基含有有機ケイ素化合物を滴下してさらに反応
させる方法も挙げられる。ここで使用される脂肪族不飽
和結合含有フェノール化合物としては、フェノール基中
の水酸基がトリオルガノシリル基等で保護されているも
のが好ましい。そしてそのようなフェノール化合物を使
用した場合には、付加反応終了後、酸触媒の存在下にメ
タノール等を加えて加熱することにより該保護基を脱離
すればよい。一方、上式で表される有機ケイ素化合物中
のR6として具体的には、ビニル基,アリル基,ブテニ
ル基,ペンテニル基,5−ヘキセニル基,ヘプテニル
基,オクテニル基,ノネニル基,デセニル基が例示さ
れ、好ましくはビニル基,アリル基,5−ヘキセニル基
である。ヒドロシリル化反応用触媒としては、例えば、
白金系触媒,ロジウム系触媒,パラジウム系触媒,有機
過酸化物が挙げられる。これらの中でも特に白金系触媒
が好ましく、具体的には、白金黒,白金担持のシリカ微
粉末,白金担持のカーボン粉末,塩化白金酸,塩化白金
酸のアルコール溶液,白金とビニルシロキサンとの錯
体,白金とオレフィンとの錯体が例示される。またこの
付加反応は、加熱下でも有機溶媒存在下でも行うことが
できる。有機溶媒として具体的には、トルエン,キシレ
ン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン,ヘプタン,オ
クタン,ノナン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキ
サン,シクロヘプタン,シクロオクタン等の脂環式炭化
水素系溶媒;トリフルオロメチルベンゼン,1,3−ビ
ス(トリフルオロメチル)ベンゼン等の含フッ素原子芳
香族炭化水素系溶媒が使用できる。
れる1分子中にケイ素原子結合水素原子を2個有するシ
クロシロキサンに、ヒドロシリル化反応用触媒の存在
下、式:R6(R2SiO)ySiR2R6(式中、Rおよ
びyは前記と同じであり、R6はビニル末端を有する炭
素原子数2〜10のアルケニル基である。)で表される
有機ケイ素化合物と、脂肪族不飽和結合含有フェノール
化合物とを付加反応させることによって製造することが
できる。この反応方法は特に限定されないが、例えば、
ヒドロシリル化反応用触媒の存在下、過剰量の上記シク
ロシロキサン中に上記アルケニル基含有有機ケイ素化合
物を滴下して反応させた後、過剰のシクロシロキサンを
除去する。次いで、アルケニル基含有有機ケイ素化合物
の2倍モル量の脂肪族不飽和結合含有フェノール化合物
を滴下してさらに反応させる方法が挙げられる。また、
ヒドロシリル化反応用触媒の存在下、過剰量のシクロシ
ロキサンと脂肪族不飽和結合含有フェノール化合物とを
反応させて過剰のシクロシロキサンを除去した後、脂肪
族不飽和結合含有フェノール化合物の1/2モル量のア
ルケニル基含有有機ケイ素化合物を滴下してさらに反応
させる方法も挙げられる。ここで使用される脂肪族不飽
和結合含有フェノール化合物としては、フェノール基中
の水酸基がトリオルガノシリル基等で保護されているも
のが好ましい。そしてそのようなフェノール化合物を使
用した場合には、付加反応終了後、酸触媒の存在下にメ
タノール等を加えて加熱することにより該保護基を脱離
すればよい。一方、上式で表される有機ケイ素化合物中
のR6として具体的には、ビニル基,アリル基,ブテニ
ル基,ペンテニル基,5−ヘキセニル基,ヘプテニル
基,オクテニル基,ノネニル基,デセニル基が例示さ
れ、好ましくはビニル基,アリル基,5−ヘキセニル基
である。ヒドロシリル化反応用触媒としては、例えば、
白金系触媒,ロジウム系触媒,パラジウム系触媒,有機
過酸化物が挙げられる。これらの中でも特に白金系触媒
が好ましく、具体的には、白金黒,白金担持のシリカ微
粉末,白金担持のカーボン粉末,塩化白金酸,塩化白金
酸のアルコール溶液,白金とビニルシロキサンとの錯
体,白金とオレフィンとの錯体が例示される。またこの
付加反応は、加熱下でも有機溶媒存在下でも行うことが
できる。有機溶媒として具体的には、トルエン,キシレ
ン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン,ヘプタン,オ
クタン,ノナン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキ
サン,シクロヘプタン,シクロオクタン等の脂環式炭化
水素系溶媒;トリフルオロメチルベンゼン,1,3−ビ
ス(トリフルオロメチル)ベンゼン等の含フッ素原子芳
香族炭化水素系溶媒が使用できる。
【0009】以上のような本発明のヒドロキシフェニル
基含有オルガノポリシロキサンは室温で粘性のある液体
であり、またその表面張力がポリジメチルシロキサンと
有機材料の中間(20〜30mN/m)であるという特
性を有する。加えて、酸やアルカリ等のイオン性物質に
よる分子鎖の切断が生じ難く耐加水分解性に優れ、ま
た、直鎖状のジオルガノポリシロキサンのように屈曲性
が高すぎないので、このような特性を活かした工業用材
料として有用である。
基含有オルガノポリシロキサンは室温で粘性のある液体
であり、またその表面張力がポリジメチルシロキサンと
有機材料の中間(20〜30mN/m)であるという特
性を有する。加えて、酸やアルカリ等のイオン性物質に
よる分子鎖の切断が生じ難く耐加水分解性に優れ、ま
た、直鎖状のジオルガノポリシロキサンのように屈曲性
が高すぎないので、このような特性を活かした工業用材
料として有用である。
【0010】また、本発明のオルガノポリシロキサンは
分子鎖両末端にヒドロキシフェニル基を有することか
ら、各種有機樹脂の改質剤として利用される。即ち、該
オルガノポリシロキサンを各種有機樹脂モノマーと共重
合反応させると、シクロシロキサン単位がブロック共重
合してなるシリコーン変性有機樹脂が得られる。該オル
ガノポリシロキサンと有機樹脂モノマーとの共重合反応
比率は、1:99〜70:30の範囲であることが好ま
しく、より好ましくは1:99〜50:50の範囲であ
る。本発明のオルガノポリシロキサンにより改質される
有機樹脂としては、ポリカーボネート樹脂,ポリアリレ
ート樹脂,ポリスルホン樹脂,フェノール樹脂,エポキ
シ樹脂などが挙げられる。これらの中でも本発明のヒド
ロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサンは、ポリ
カーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂の共重合反
応成分として好適に使用される。
分子鎖両末端にヒドロキシフェニル基を有することか
ら、各種有機樹脂の改質剤として利用される。即ち、該
オルガノポリシロキサンを各種有機樹脂モノマーと共重
合反応させると、シクロシロキサン単位がブロック共重
合してなるシリコーン変性有機樹脂が得られる。該オル
ガノポリシロキサンと有機樹脂モノマーとの共重合反応
比率は、1:99〜70:30の範囲であることが好ま
しく、より好ましくは1:99〜50:50の範囲であ
る。本発明のオルガノポリシロキサンにより改質される
有機樹脂としては、ポリカーボネート樹脂,ポリアリレ
ート樹脂,ポリスルホン樹脂,フェノール樹脂,エポキ
シ樹脂などが挙げられる。これらの中でも本発明のヒド
ロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサンは、ポリ
カーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂の共重合反
応成分として好適に使用される。
【0011】次に、本発明のシリコーン変性ポリカーボ
ネート樹脂について詳細に説明する。本発明のシリコー
ン変性ポリカーボネート樹脂は、下記構造式(A)で表
される構成単位と構造式(B)で表される構成単位から
なる化合物である。 構造式(A):
ネート樹脂について詳細に説明する。本発明のシリコー
ン変性ポリカーボネート樹脂は、下記構造式(A)で表
される構成単位と構造式(B)で表される構成単位から
なる化合物である。 構造式(A):
【化28】 上式中、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基もしくは
アルコキシ基またはハロゲン原子である。R4は炭素原
子数が2以上のアルキレン基またはアルキレンオキシア
ルキレン基である。アルキレン基として具体的には、エ
チレン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,
ヘキシレン基が例示され、アルキレンオキシアルキレン
基としては、エチレンオキシプロピレン基,エチレンオ
キシブチレン基が例示される。bは0〜4の整数であ
る。Dは、式:
アルコキシ基またはハロゲン原子である。R4は炭素原
子数が2以上のアルキレン基またはアルキレンオキシア
ルキレン基である。アルキレン基として具体的には、エ
チレン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,
ヘキシレン基が例示され、アルキレンオキシアルキレン
基としては、エチレンオキシプロピレン基,エチレンオ
キシブチレン基が例示される。bは0〜4の整数であ
る。Dは、式:
【化29】 (式中、R,R1,n,xおよびyは前記と同じであ
る。)で表されるシロキサン単位である。 構造式(B):
る。)で表されるシロキサン単位である。 構造式(B):
【化30】 上式中、R5はハロゲン原子または炭素原子数1〜4の
一価炭化水素基であり、一価炭化水素基として具体的に
は、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基等のア
ルキル基;ビニル基,アリル基等のアルケニル基が例示
される。Eは炭素原子数1〜20の二価炭化水素基,−
O−,−S−,−CO−,−SO2−からなる群から選
択される基である。二価炭化水素基として具体的には、
アルキリデン基,アリール置換アルキリデン基,アルキ
レン基,シクロアルキレン基,アリーレン基およびこれ
らの基を結合させた基が挙げられる。アルキリデン基の
構造は直鎖状,分岐状,環状のいずれでもよく、具体的
には次式で示される基が例示される。
一価炭化水素基であり、一価炭化水素基として具体的に
は、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基等のア
ルキル基;ビニル基,アリル基等のアルケニル基が例示
される。Eは炭素原子数1〜20の二価炭化水素基,−
O−,−S−,−CO−,−SO2−からなる群から選
択される基である。二価炭化水素基として具体的には、
アルキリデン基,アリール置換アルキリデン基,アルキ
レン基,シクロアルキレン基,アリーレン基およびこれ
らの基を結合させた基が挙げられる。アルキリデン基の
構造は直鎖状,分岐状,環状のいずれでもよく、具体的
には次式で示される基が例示される。
【化31】
【化32】 アリール置換アルキリデン基としては、次式で示される
基が例示される。
基が例示される。
【化33】 アルキレン基としては、メチレン基,エチレン基,イソ
プロピレン基が例示され、アリーレン基としてはフェニ
レン基が例示される。これらの他にも、次式で示される
基が例示される。
プロピレン基が例示され、アリーレン基としてはフェニ
レン基が例示される。これらの他にも、次式で示される
基が例示される。
【化34】 また、cは0〜4の整数である。
【0012】本発明のシリコーン変性ポリカーボネート
樹脂中、上記構造式(A)で表される構成単位と構造式
(B)で表される構成単位の共重合比は、0.1〜10
0モル%:99.9〜0モル%であり、好ましくは1〜
70モル%:99〜30モル%であり、より好ましくは
1〜50モル%:99〜50モル%である。またその分
子量は特に限定されないが、重量平均分子量が5,00
0〜300,000の範囲であることが好ましい。
樹脂中、上記構造式(A)で表される構成単位と構造式
(B)で表される構成単位の共重合比は、0.1〜10
0モル%:99.9〜0モル%であり、好ましくは1〜
70モル%:99〜30モル%であり、より好ましくは
1〜50モル%:99〜50モル%である。またその分
子量は特に限定されないが、重量平均分子量が5,00
0〜300,000の範囲であることが好ましい。
【0013】本発明のシリコーン変性ポリカーボネート
樹脂は前記した構成単位からなるものであるが、使用目
的に応じて、テフロン粉末や他の有機樹脂,亜硫酸ナト
リウムやハイドロサルファイト等の酸化防止剤,光安定
剤や酸化チタン等の光触媒,着色剤,無機系もしくは有
機系の充填剤,炭素繊維,ガラス繊維などの補強剤,滑
剤,帯電防止剤などを添加配合することができる。
樹脂は前記した構成単位からなるものであるが、使用目
的に応じて、テフロン粉末や他の有機樹脂,亜硫酸ナト
リウムやハイドロサルファイト等の酸化防止剤,光安定
剤や酸化チタン等の光触媒,着色剤,無機系もしくは有
機系の充填剤,炭素繊維,ガラス繊維などの補強剤,滑
剤,帯電防止剤などを添加配合することができる。
【0014】このような本発明のシリコーン変性ポリカ
ーボネート樹脂は、例えば、本発明のヒドロキシフェニ
ル基含有オルガノポリシロキサンと、一般式:
ーボネート樹脂は、例えば、本発明のヒドロキシフェニ
ル基含有オルガノポリシロキサンと、一般式:
【化35】 (式中、R5,Eおよびcは前記と同じである。)で示
される二価フェノール化合物に、ホスゲン,炭酸ジエス
テルまたはポリカーボネートオリゴマーを反応させるこ
とにより製造することができる。通常、芳香族ポリカー
ボネート樹脂の一般的な製造方法が使用され、例えば、
炭酸ジエステルとの反応によるエステル交換法や、ホス
ゲンとの反応によるホスゲン法が挙げられる。ホスゲン
法の中では、界面重合法,ピリジン法が例示される。
される二価フェノール化合物に、ホスゲン,炭酸ジエス
テルまたはポリカーボネートオリゴマーを反応させるこ
とにより製造することができる。通常、芳香族ポリカー
ボネート樹脂の一般的な製造方法が使用され、例えば、
炭酸ジエステルとの反応によるエステル交換法や、ホス
ゲンとの反応によるホスゲン法が挙げられる。ホスゲン
法の中では、界面重合法,ピリジン法が例示される。
【0015】上記一般式で示される二価フェノール化合
物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン,
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル,ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホン,ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシド,ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド,ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン,1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン,
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,2,
2−ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン,2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン,2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン,2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン,1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン,2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン,2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プ
ロパン,2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフ
ェニル)プロパン,2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−クロロフェニル)プロパン,2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン,1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタ
ン,ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン
が例示される。これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン,1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサンが好ましい。
物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン,
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル,ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホン,ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシド,ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド,ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン,1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン,
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,2,
2−ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン,2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン,2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン,2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン,1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン,2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン,2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プ
ロパン,2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフ
ェニル)プロパン,2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−クロロフェニル)プロパン,2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン,1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタ
ン,ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン
が例示される。これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン,1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサンが好ましい。
【0016】本発明のシリコーン変性ポリカーボネート
樹脂をエステル交換法により製造する場合には、例え
ば、本発明のオルガノポリシロキサン、前記した二価フ
ェノール化合物およびジフェニルカーボネートを溶融重
縮合する方法が挙げられる。このとき、エステル交換法
は平衡反応であるので、真空下で温度を150〜300
℃に上げて、副生するフェノールを系外に除去する必要
がある。ここで使用される触媒としては、アルカリ金
属,アルカリ土類金属の水素化物,水酸化物,酸化物,
アルコレート,フェノラート,有機無機の弱酸塩が例示
される。これ以外にも、エステル交換触媒として一般に
使用されているものを使用してもよい。また必要に応じ
て、分子量調節剤(末端停止剤)を使用することができ
る。この分子量調節剤(末端停止剤)としては、一価の
フェノール性水酸基を有する有機化合物が挙げられ、具
体的には、フェノール,p−第三ブチルフェノール,ト
リブロモフェノール,長鎖アルキルフェノール,脂肪族
カルボン酸クロライド,脂肪族カルボン酸,ヒドロキシ
安息香酸アルキルエステル,ヒドロキシ・フェニル酸ア
ルキルエステル,アルキルエーテルフェノールが例示さ
れる。これらの化合物を2種類以上混合して使用しても
よい。この分子量調節剤の添加量は、上記オルガノポリ
シロキサンと二価フェノール化合物の合計100モルに
対して100〜0.5モルの範囲であるのが好ましく、
特に50〜1モルの範囲であるのがより好ましい。尚、
この分子量調節剤の添加時期は重合反応開始から終了ま
での間であればよく、特に限定されない。さらに分岐化
剤を添加配合することにより、分岐化したシリコーン変
性ポリカーボネート樹脂を製造することもできる。分岐
化剤としては、フロログリシン,2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−
3,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキ
シフェニル)へプテン−2,1,3,5−トリ(2−ヒド
ロキシフェニル)ベンゾール,1,1,1−トリ(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン,2,6−ビス(2−ヒドロ
キシ−5−メチルベンジル)− メチルフェノール,α,
α',α'−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5
−トリイソプロピルベンゼンなどのポリヒドロキシ化合
物;3,3−ビス(1−ヒドロキシアリール)オキシイ
ンドール(=イサチンビスフェノール),5−クロルイ
サチン,5,7−ジクロルイサチン,5−ブロムイサチ
ンが例示される。この分岐化剤の添加量は、上記オルガ
ノポリシロキサンと二価フェノール化合物の合計量に対
して0.01〜3.0モル%となるような量、特に0.1
〜1.0モル%となるような量であることが好ましい。
またこの反応は、重合反応に対して不活性である有機溶
媒の存在下で行うことができる。このような有機溶媒と
しては、ジクロロメタン,1,2−ジクロロエタン,1,
1,2,2−テトラクロロエタン,クロロホルム,1,1,
1−トリクロロエタン,四塩化炭素,モノクロロベンセ
ン,ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素類;ベンゼ
ン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン等の芳香族炭
化水素類;ジエチルエーテル等のエーテル系化合物が例
示される。これらの有機溶媒を2種類以上混合して使用
してもよい。さらに、上記以外のエーテル類,ケトン
類,エステル類,ニトリル類などの水に対して親和性を
有する有機溶媒を、これを添加した後の混合溶媒系が水
と完全に相溶しない限度内であれば使用することができ
る。
樹脂をエステル交換法により製造する場合には、例え
ば、本発明のオルガノポリシロキサン、前記した二価フ
ェノール化合物およびジフェニルカーボネートを溶融重
縮合する方法が挙げられる。このとき、エステル交換法
は平衡反応であるので、真空下で温度を150〜300
℃に上げて、副生するフェノールを系外に除去する必要
がある。ここで使用される触媒としては、アルカリ金
属,アルカリ土類金属の水素化物,水酸化物,酸化物,
アルコレート,フェノラート,有機無機の弱酸塩が例示
される。これ以外にも、エステル交換触媒として一般に
使用されているものを使用してもよい。また必要に応じ
て、分子量調節剤(末端停止剤)を使用することができ
る。この分子量調節剤(末端停止剤)としては、一価の
フェノール性水酸基を有する有機化合物が挙げられ、具
体的には、フェノール,p−第三ブチルフェノール,ト
リブロモフェノール,長鎖アルキルフェノール,脂肪族
カルボン酸クロライド,脂肪族カルボン酸,ヒドロキシ
安息香酸アルキルエステル,ヒドロキシ・フェニル酸ア
ルキルエステル,アルキルエーテルフェノールが例示さ
れる。これらの化合物を2種類以上混合して使用しても
よい。この分子量調節剤の添加量は、上記オルガノポリ
シロキサンと二価フェノール化合物の合計100モルに
対して100〜0.5モルの範囲であるのが好ましく、
特に50〜1モルの範囲であるのがより好ましい。尚、
この分子量調節剤の添加時期は重合反応開始から終了ま
での間であればよく、特に限定されない。さらに分岐化
剤を添加配合することにより、分岐化したシリコーン変
性ポリカーボネート樹脂を製造することもできる。分岐
化剤としては、フロログリシン,2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−
3,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキ
シフェニル)へプテン−2,1,3,5−トリ(2−ヒド
ロキシフェニル)ベンゾール,1,1,1−トリ(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン,2,6−ビス(2−ヒドロ
キシ−5−メチルベンジル)− メチルフェノール,α,
α',α'−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5
−トリイソプロピルベンゼンなどのポリヒドロキシ化合
物;3,3−ビス(1−ヒドロキシアリール)オキシイ
ンドール(=イサチンビスフェノール),5−クロルイ
サチン,5,7−ジクロルイサチン,5−ブロムイサチ
ンが例示される。この分岐化剤の添加量は、上記オルガ
ノポリシロキサンと二価フェノール化合物の合計量に対
して0.01〜3.0モル%となるような量、特に0.1
〜1.0モル%となるような量であることが好ましい。
またこの反応は、重合反応に対して不活性である有機溶
媒の存在下で行うことができる。このような有機溶媒と
しては、ジクロロメタン,1,2−ジクロロエタン,1,
1,2,2−テトラクロロエタン,クロロホルム,1,1,
1−トリクロロエタン,四塩化炭素,モノクロロベンセ
ン,ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素類;ベンゼ
ン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン等の芳香族炭
化水素類;ジエチルエーテル等のエーテル系化合物が例
示される。これらの有機溶媒を2種類以上混合して使用
してもよい。さらに、上記以外のエーテル類,ケトン
類,エステル類,ニトリル類などの水に対して親和性を
有する有機溶媒を、これを添加した後の混合溶媒系が水
と完全に相溶しない限度内であれば使用することができ
る。
【0017】また、本発明のシリコーン変性ポリカーボ
ネート樹脂を界面重合法により製造する場合には、例え
ば、重合反応に対して不活性である有機溶媒およびアル
カリ水溶液の存在下に、本発明のオルガノポリシロキサ
ンと前記したような二価フェノール化合物、分子量調節
剤(末端停止剤)、分岐化剤を加えてこれらとホスゲン
とを反応させた後、第三級アミンもしくは第四級アンモ
ニウム塩などの重合触媒を用いて界面重合を行う方法が
挙げられる。このとき上記オルガノポリシロキサンと二
価フェノール化合物の配合順序は特に限定されない。例
えば、両者を同時に反応させたり、オルガノポリシロキ
サンもしくは二価フェノール化合物の一部をホスゲンと
反応させた後、これにオルガノポリシロキサンもしくは
二価フェノール化合物を反応させたりすることができ
る。重合触媒としては、例えば、トリメチルアミン,ト
リエチルアミン,トリブチルアミン,トリプロピルアミ
ン,トリヘキシルアミン,トリデシルアミン,N,N−
ジメチルシクロヘキシルアミン,ピリジン,キノリン,
ジメチルアニリンなどの第三級アミン類;トリメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド,テトラメチルアンモニ
ウムクロライド,トリエチルベンジルアンモニウムクロ
ライドなどの第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
ネート樹脂を界面重合法により製造する場合には、例え
ば、重合反応に対して不活性である有機溶媒およびアル
カリ水溶液の存在下に、本発明のオルガノポリシロキサ
ンと前記したような二価フェノール化合物、分子量調節
剤(末端停止剤)、分岐化剤を加えてこれらとホスゲン
とを反応させた後、第三級アミンもしくは第四級アンモ
ニウム塩などの重合触媒を用いて界面重合を行う方法が
挙げられる。このとき上記オルガノポリシロキサンと二
価フェノール化合物の配合順序は特に限定されない。例
えば、両者を同時に反応させたり、オルガノポリシロキ
サンもしくは二価フェノール化合物の一部をホスゲンと
反応させた後、これにオルガノポリシロキサンもしくは
二価フェノール化合物を反応させたりすることができ
る。重合触媒としては、例えば、トリメチルアミン,ト
リエチルアミン,トリブチルアミン,トリプロピルアミ
ン,トリヘキシルアミン,トリデシルアミン,N,N−
ジメチルシクロヘキシルアミン,ピリジン,キノリン,
ジメチルアニリンなどの第三級アミン類;トリメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド,テトラメチルアンモニ
ウムクロライド,トリエチルベンジルアンモニウムクロ
ライドなどの第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0018】次に、本発明のポリカーボネート樹脂成形
品について説明する。本発明の成形品は、本発明のシリ
コーン変性ポリカーボネート樹脂を加熱溶融した後、成
形、冷却固化することにより得られる。成形方法として
は、通常、芳香族ポリカーボネート樹脂の成形方法に適
用されている方法が使用でき、特に射出成形法が好適に
用いられる。即ち、シリコーン変性ポリカーボネート樹
脂ペレットを十分乾燥させた後、これを射出成形機のホ
ッパー中に吸湿しないように投入、保持し、次いで温度
250〜320℃のシリンダ中で成形することによって
ポリカーボネート成形品として得ることができる。
品について説明する。本発明の成形品は、本発明のシリ
コーン変性ポリカーボネート樹脂を加熱溶融した後、成
形、冷却固化することにより得られる。成形方法として
は、通常、芳香族ポリカーボネート樹脂の成形方法に適
用されている方法が使用でき、特に射出成形法が好適に
用いられる。即ち、シリコーン変性ポリカーボネート樹
脂ペレットを十分乾燥させた後、これを射出成形機のホ
ッパー中に吸湿しないように投入、保持し、次いで温度
250〜320℃のシリンダ中で成形することによって
ポリカーボネート成形品として得ることができる。
【0019】以上のような本発明のシリコーン変性ポリ
カーボネート樹脂は成形加工性に優れるという利点を有
する。また、このシリコーン変性ポリカーボネート樹脂
を例えばジクロロメタンのような有機溶媒に溶解した
後、これを各種基材表面にキャストすればコーティング
薄膜を得ることができる。さらに、該ポリカーボネート
樹脂を硬化させてなる本発明の成形品は、離型性,撥水
性,撥油性,機械的特性に優れるという利点を有する。
カーボネート樹脂は成形加工性に優れるという利点を有
する。また、このシリコーン変性ポリカーボネート樹脂
を例えばジクロロメタンのような有機溶媒に溶解した
後、これを各種基材表面にキャストすればコーティング
薄膜を得ることができる。さらに、該ポリカーボネート
樹脂を硬化させてなる本発明の成形品は、離型性,撥水
性,撥油性,機械的特性に優れるという利点を有する。
【0020】次に、本発明のシリコーン変性ポリアリレ
ート樹脂について詳細に説明する。本発明のシリコーン
変性ポリアリレート樹脂は、下記構造式(C)で表され
る構成単位と構造式(D)で表される構成単位からなる
化合物である。 構造式(C):
ート樹脂について詳細に説明する。本発明のシリコーン
変性ポリアリレート樹脂は、下記構造式(C)で表され
る構成単位と構造式(D)で表される構成単位からなる
化合物である。 構造式(C):
【化36】 上式中、R3,R4,Dおよびbは前記と同じである。G
は炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換の二価炭化
水素基であるが、この内少なくとも50%は芳香族であ
る。芳香族としては、オルトフェニレン基,メタフェニ
レン基,パラフェニレン基,ナフチレン基,ジフェニレ
ンアルカン基が挙げられる。また芳香族以外の二価炭化
水素基としては、アルキレン基,シクロアルキレン基お
よびこれらのハロゲン置換基が挙げられる。 構造式(D):
は炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換の二価炭化
水素基であるが、この内少なくとも50%は芳香族であ
る。芳香族としては、オルトフェニレン基,メタフェニ
レン基,パラフェニレン基,ナフチレン基,ジフェニレ
ンアルカン基が挙げられる。また芳香族以外の二価炭化
水素基としては、アルキレン基,シクロアルキレン基お
よびこれらのハロゲン置換基が挙げられる。 構造式(D):
【化37】 上式中、R5,E,Gおよびcは前記と同じである。
【0021】本発明のシリコーン変性ポリアリレート樹
脂中、上記構造式(C)で表される構成単位と構造式
(D)で表される構成単位の共重合比は、0.1〜10
0モル%:99.9〜0モル%であり、好ましくは1〜
70モル%:99〜30モル%であり、より好ましくは
1〜50モル%:99〜50モル%である。またその分
子量は特に限定されないが、重量平均分子量が5,00
0〜300,000の範囲であることが好ましい。
脂中、上記構造式(C)で表される構成単位と構造式
(D)で表される構成単位の共重合比は、0.1〜10
0モル%:99.9〜0モル%であり、好ましくは1〜
70モル%:99〜30モル%であり、より好ましくは
1〜50モル%:99〜50モル%である。またその分
子量は特に限定されないが、重量平均分子量が5,00
0〜300,000の範囲であることが好ましい。
【0022】本発明のシリコーン変性ポリアリレート樹
脂は前記した構成単位からなるものであるが、使用目的
に応じて、テフロン粉末や他の有機樹脂,亜硫酸ナトリ
ウムやハイドロサルファイト等の酸化防止剤,光安定剤
や酸化チタン等の光触媒,着色剤,無機系もしくは有機
系の充填剤,炭素繊維,ガラス繊維などの補強剤,滑
剤,帯電防止剤などを添加配合することができる。
脂は前記した構成単位からなるものであるが、使用目的
に応じて、テフロン粉末や他の有機樹脂,亜硫酸ナトリ
ウムやハイドロサルファイト等の酸化防止剤,光安定剤
や酸化チタン等の光触媒,着色剤,無機系もしくは有機
系の充填剤,炭素繊維,ガラス繊維などの補強剤,滑
剤,帯電防止剤などを添加配合することができる。
【0023】このような本発明のシリコーン変性ポリア
リレート樹脂は、例えば、本発明のヒドロキシフェニル
基含有オルガノポリシロキサンと、前記した一般式:
リレート樹脂は、例えば、本発明のヒドロキシフェニル
基含有オルガノポリシロキサンと、前記した一般式:
【化38】 (式中、R5,Eおよびcは前記と同じである。)で示
される二価フェノール化合物と芳香族ジカルボン酸とを
重縮合反応させることにより製造することができる。反
応方法としては、通常の溶融重合法,界面重合法,溶液
重合法などが使用される。
される二価フェノール化合物と芳香族ジカルボン酸とを
重縮合反応させることにより製造することができる。反
応方法としては、通常の溶融重合法,界面重合法,溶液
重合法などが使用される。
【0024】上記一般式で示される二価フェノール化合
物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン,1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)1
−フェニルエタン,ハイドロキノン,レゾルシノール,
4,4'−ジヒドロキシビフェニル,1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン,1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン,ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン,ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン,ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン,ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン,1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン,1,1−ビス(3,5−ジエチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)エタン,1,1−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン,2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン,1,1−ビス(3,5−ジエチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3,5
−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロ
パン,2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェ
ニル)プロパン,2,2−ビス(2−アリル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3−アリル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス
(4−ヒドロキシ)ヘキサフルオロプロパン,1,1−
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン,2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン,1,1−ビス(3,5−ジエチル−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン,2,2−ビス(3,5−
ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン,1,1−
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン,1,1−ビス(3,5−ジエチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン,ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン,ビ
ス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)フェ
ニルメタン,1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン,1,1−ビス
(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−
フェニルエタン,ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)ジフェニルメタン,ビス(3,5−ジエ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン,ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル,ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル,ビス
(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル,ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド,ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)サル
ファイド,ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)サルファイド,ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン,ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホン,ビス(3,5−ジエチル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホン,ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ケトン,ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)ケトン,ビス(3,5−ジエチル−4
−ヒドロキシフェニル)ケトン,4,4'−ジヒドロキシ
ジフェニルが挙げられる。これらの中でも、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン,
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンが好ましい。この二価フェノール化合物は
単独で使用してもよく、また2種類以上を混合して使用
してもよい。
物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン,1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)1
−フェニルエタン,ハイドロキノン,レゾルシノール,
4,4'−ジヒドロキシビフェニル,1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン,1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン,ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン,ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン,ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン,ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン,1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン,1,1−ビス(3,5−ジエチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)エタン,1,1−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン,2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン,1,1−ビス(3,5−ジエチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3,5
−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロ
パン,2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェ
ニル)プロパン,2,2−ビス(2−アリル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3−アリル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス
(4−ヒドロキシ)ヘキサフルオロプロパン,1,1−
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン,2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン,1,1−ビス(3,5−ジエチル−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン,2,2−ビス(3,5−
ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン,1,1−
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン,1,1−ビス(3,5−ジエチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン,ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン,ビ
ス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)フェ
ニルメタン,1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン,1,1−ビス
(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−
フェニルエタン,ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)ジフェニルメタン,ビス(3,5−ジエ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン,ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル,ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル,ビス
(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル,ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド,ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)サル
ファイド,ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)サルファイド,ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン,ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホン,ビス(3,5−ジエチル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホン,ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ケトン,ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)ケトン,ビス(3,5−ジエチル−4
−ヒドロキシフェニル)ケトン,4,4'−ジヒドロキシ
ジフェニルが挙げられる。これらの中でも、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン,
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンが好ましい。この二価フェノール化合物は
単独で使用してもよく、また2種類以上を混合して使用
してもよい。
【0025】芳香族ジカルボン酸としては、オルトフタ
ル酸,テレフタル酸,イソフタル酸,ナフタレンジカル
ボン酸,4,4'−ジカルボキシジフェニル,ビス(p−
カルボキシフェニル)アルカンが挙げられる。これらの
中でも、オルトフタル酸,テレフタル酸,イソフタル酸
が好ましい。これらのオルトフタル酸,テレフタル酸,
イソフタル酸はそれぞれ単独で使用してもよく、また混
合して使用してもよく、その混合比率に特に制限はな
い。
ル酸,テレフタル酸,イソフタル酸,ナフタレンジカル
ボン酸,4,4'−ジカルボキシジフェニル,ビス(p−
カルボキシフェニル)アルカンが挙げられる。これらの
中でも、オルトフタル酸,テレフタル酸,イソフタル酸
が好ましい。これらのオルトフタル酸,テレフタル酸,
イソフタル酸はそれぞれ単独で使用してもよく、また混
合して使用してもよく、その混合比率に特に制限はな
い。
【0026】本発明のシリコーン変性ポリアリレート樹
脂では、その特性を実用的に損なわない範囲であれば、
芳香族ジカルボン酸の一部をその他のジカルボン酸に置
き換えてもよい。このようなジカルボン酸としては、シ
クロヘキサンジカルボン酸,アジピン酸,セバシン酸,
グルタル酸などの脂環式あるいは脂肪族ジカルボン酸お
よびこれらのハロゲン化物などが挙げられる。またこの
種のジカルボン酸は、全てのジカルボン酸に対して50
モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であ
ることがより好ましい。
脂では、その特性を実用的に損なわない範囲であれば、
芳香族ジカルボン酸の一部をその他のジカルボン酸に置
き換えてもよい。このようなジカルボン酸としては、シ
クロヘキサンジカルボン酸,アジピン酸,セバシン酸,
グルタル酸などの脂環式あるいは脂肪族ジカルボン酸お
よびこれらのハロゲン化物などが挙げられる。またこの
種のジカルボン酸は、全てのジカルボン酸に対して50
モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であ
ることがより好ましい。
【0027】本発明のシリコーン変性ポリアリレート樹
脂を溶融重合法で製造する場合には、例えば、アセチル
化された二価フェノール化合物と芳香族ジカルボン酸と
本発明のヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキ
サンとを、必要に応じてルイス酸などの触媒を用いて、
高温,減圧下で重合すればよい。また、本発明のシリコ
ーン変性ポリアリレート樹脂を界面重合法で製造する場
合には、テレフタル酸,イソフタル酸を酸ハロゲン化物
としたものを水に対して非相溶性の有機溶剤に溶解した
溶液と、二価フェノール化合物をアルカリ水溶液に溶解
した溶液と、本発明のヒドロキシフェニル基含有オルガ
ノポリシロキサンをアルカリ水溶液に懸濁した溶液とを
混合攪袢すればよい。
脂を溶融重合法で製造する場合には、例えば、アセチル
化された二価フェノール化合物と芳香族ジカルボン酸と
本発明のヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキ
サンとを、必要に応じてルイス酸などの触媒を用いて、
高温,減圧下で重合すればよい。また、本発明のシリコ
ーン変性ポリアリレート樹脂を界面重合法で製造する場
合には、テレフタル酸,イソフタル酸を酸ハロゲン化物
としたものを水に対して非相溶性の有機溶剤に溶解した
溶液と、二価フェノール化合物をアルカリ水溶液に溶解
した溶液と、本発明のヒドロキシフェニル基含有オルガ
ノポリシロキサンをアルカリ水溶液に懸濁した溶液とを
混合攪袢すればよい。
【0028】次に、本発明のポリアリレート樹脂成形品
について説明する。本発明の成形品は、本発明のシリコ
ーン変性ポリアリレート樹脂を加熱溶融した後、成形、
冷却固化することにより得られる。成形方法としては、
通常、ポリアリレート樹脂の成形方法に適用されている
方法が使用でき、特に射出成形法が好適に用いられる。
即ち、シリコーン変性ポリアリレート樹脂ペレットを十
分乾燥させた後、これを射出成形機のホッパー中に吸湿
しないように投入、保持し、次いで温度250〜320
℃のシリンダ中で成形することによってポリアリレート
成形品として得ることができる。
について説明する。本発明の成形品は、本発明のシリコ
ーン変性ポリアリレート樹脂を加熱溶融した後、成形、
冷却固化することにより得られる。成形方法としては、
通常、ポリアリレート樹脂の成形方法に適用されている
方法が使用でき、特に射出成形法が好適に用いられる。
即ち、シリコーン変性ポリアリレート樹脂ペレットを十
分乾燥させた後、これを射出成形機のホッパー中に吸湿
しないように投入、保持し、次いで温度250〜320
℃のシリンダ中で成形することによってポリアリレート
成形品として得ることができる。
【0029】以上のような本発明のシリコーン変性ポリ
アリレート樹脂は成形加工性に優れるという利点を有す
る。また、このシリコーン変性ポリアリレート樹脂を例
えばジクロロメタンのような有機溶媒に溶解した後、こ
れを各種基材表面にキャストすればコーティング薄膜を
得ることができる。さらに、該ポリアリレート樹脂を硬
化させてなる本発明の成形品は、離型性,撥水性,撥油
性,機械的特性に優れるという利点を有する。
アリレート樹脂は成形加工性に優れるという利点を有す
る。また、このシリコーン変性ポリアリレート樹脂を例
えばジクロロメタンのような有機溶媒に溶解した後、こ
れを各種基材表面にキャストすればコーティング薄膜を
得ることができる。さらに、該ポリアリレート樹脂を硬
化させてなる本発明の成形品は、離型性,撥水性,撥油
性,機械的特性に優れるという利点を有する。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、実施例中、粘度の値は25℃において測定し
た値である。
る。なお、実施例中、粘度の値は25℃において測定し
た値である。
【0031】
【実施例1】反応容器に、式:
【化39】 で表されるジエチルテトラメチルシクロテトラシロキサ
ン296g(1モル),トルエン100gおよび白金と
ジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体溶液を系中
の白金金属自体の含有量が20ppmとなるような量投
入して、これらを均一に攪拌しながら70℃に加熱し
た。攪拌下、この反応系に18.6g(0.1モル)の
1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンと20gの
トルエンの混合物を滴下した。滴下終了後、2時間加熱
還流した。次いで減圧下にて揮発分を留去し、冷却後ト
ルエン80gを加えて70℃に加熱した。さらにこの反
応系に26.8g(0.2モル)の2−アリルフェノール
と30gのトルエンの混合物を滴下した。これを2時間
加熱還流した後、冷却、ろ過を行い、さらに減圧下にて
揮発分を留去して粘稠な液体88.9gを得た。収率は
85%であった。この粘稠な液体を、フーリエ変換赤外
線分光分析(以下、FT−IR)、13C−核磁気共鳴ス
ペクトル分析(以下、13C−NMR)および29Si−核
磁気共鳴スペクトル分析(以下、29Si−NMR)によ
り分析したところ、次式で表されるヒドロキシフェニル
基含有オルガノポリシロキサンであることが確認され
た。
ン296g(1モル),トルエン100gおよび白金と
ジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体溶液を系中
の白金金属自体の含有量が20ppmとなるような量投
入して、これらを均一に攪拌しながら70℃に加熱し
た。攪拌下、この反応系に18.6g(0.1モル)の
1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンと20gの
トルエンの混合物を滴下した。滴下終了後、2時間加熱
還流した。次いで減圧下にて揮発分を留去し、冷却後ト
ルエン80gを加えて70℃に加熱した。さらにこの反
応系に26.8g(0.2モル)の2−アリルフェノール
と30gのトルエンの混合物を滴下した。これを2時間
加熱還流した後、冷却、ろ過を行い、さらに減圧下にて
揮発分を留去して粘稠な液体88.9gを得た。収率は
85%であった。この粘稠な液体を、フーリエ変換赤外
線分光分析(以下、FT−IR)、13C−核磁気共鳴ス
ペクトル分析(以下、13C−NMR)および29Si−核
磁気共鳴スペクトル分析(以下、29Si−NMR)によ
り分析したところ、次式で表されるヒドロキシフェニル
基含有オルガノポリシロキサンであることが確認され
た。
【化40】 (式中、xは0または1である。)
【0032】
【実施例2】反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン114g,実施例1で得たヒドロ
キシフェニル基含有オルガノポリシロキサン15g,ジ
フェニルカーボネート121.2g,トルエン100g
および水素リチウム0.02gを投入して、これらを窒
素雰囲気下で加熱攪拌して溶媒を30分間還流させた。
次いでこれを徐々に減圧して緩やかな真空下(100〜
50mmHg)にして、温度を次第に上げたところ、1
60〜180℃の条件下でフェノールの留出が認められ
た。さらにゆっくりと温度を250℃まで上げて、フェ
ノールの留出がほぼ終了するまでこの温度を維持した。
その後、徐々に真空度を上げて1mmHg以下とすると
ともに温度を290℃にして、2時間反応させた。冷却
後、塩化メチレン−イソプロパノールを用いて反応重合
物を再沈させた。この沈殿物を濾過した後乾燥して、白
色粉末状の樹脂を得た。得られた樹脂をNMRにより分
析したところ、下記構造式(A−1)と構造式(B−
1)で表される構成単位からなるシリコーン変性ポリカ
ーボネート樹脂であることが判明した。これらの構成単
位の共重合比(A−1):(B−1)は、モル%でおよ
そ3:97であった。また得られた樹脂の重量平均分子
量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)を用いて測定したところ、21,000であった。 構造式(A−1):
シフェニル)プロパン114g,実施例1で得たヒドロ
キシフェニル基含有オルガノポリシロキサン15g,ジ
フェニルカーボネート121.2g,トルエン100g
および水素リチウム0.02gを投入して、これらを窒
素雰囲気下で加熱攪拌して溶媒を30分間還流させた。
次いでこれを徐々に減圧して緩やかな真空下(100〜
50mmHg)にして、温度を次第に上げたところ、1
60〜180℃の条件下でフェノールの留出が認められ
た。さらにゆっくりと温度を250℃まで上げて、フェ
ノールの留出がほぼ終了するまでこの温度を維持した。
その後、徐々に真空度を上げて1mmHg以下とすると
ともに温度を290℃にして、2時間反応させた。冷却
後、塩化メチレン−イソプロパノールを用いて反応重合
物を再沈させた。この沈殿物を濾過した後乾燥して、白
色粉末状の樹脂を得た。得られた樹脂をNMRにより分
析したところ、下記構造式(A−1)と構造式(B−
1)で表される構成単位からなるシリコーン変性ポリカ
ーボネート樹脂であることが判明した。これらの構成単
位の共重合比(A−1):(B−1)は、モル%でおよ
そ3:97であった。また得られた樹脂の重量平均分子
量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)を用いて測定したところ、21,000であった。 構造式(A−1):
【化41】 式中、x=1であるものと、x=0であるものとの比
は、1:1であった。) 構造式(B−1):
は、1:1であった。) 構造式(B−1):
【化42】 得られたシリコーン変性ポリカーボネート樹脂を、ベン
ト付きの押し出し機を用いて280℃の温度で押出して
ペレット状とした。そしてこのペレットを120℃の熱
風乾燥機中で8時間以上乾燥した後、射出成形機により
成形温度280℃,金型温度100℃の条件下で、肉厚
2mmの板状成形品を成形した。成形品の離型性を、射
出成形機から抜き出す時の触感から測定した。さらに成
形品表面の水に対する接触角を接触角度計にて測定し
た。またその鉛筆硬度を、JISK 5400に規定さ
れる方法に従って測定した。これらの結果を表1に示し
た。
ト付きの押し出し機を用いて280℃の温度で押出して
ペレット状とした。そしてこのペレットを120℃の熱
風乾燥機中で8時間以上乾燥した後、射出成形機により
成形温度280℃,金型温度100℃の条件下で、肉厚
2mmの板状成形品を成形した。成形品の離型性を、射
出成形機から抜き出す時の触感から測定した。さらに成
形品表面の水に対する接触角を接触角度計にて測定し
た。またその鉛筆硬度を、JISK 5400に規定さ
れる方法に従って測定した。これらの結果を表1に示し
た。
【0033】
【比較例1】実施例2において、実施例1で得たヒドロ
キシフェニル基含有オルガノポリシロキサンを使用せ
ず、ジフェニルカーボネートの配合量(121.2g)
を118gとした以外は実施例2と同様にして、白色粉
末状のポリカーボネート樹脂を得た。得られた樹脂の重
量平均分子量は22,000であった。得られたポリカ
ーボネート樹脂を実施例2と同様にしてペレットとし、
さらにこのペレットから板状成形品を成形した。成形品
の離型性、水に対する接触角および鉛筆硬度を実施例2
と同様にして測定した。これらの結果を表1に示した。
キシフェニル基含有オルガノポリシロキサンを使用せ
ず、ジフェニルカーボネートの配合量(121.2g)
を118gとした以外は実施例2と同様にして、白色粉
末状のポリカーボネート樹脂を得た。得られた樹脂の重
量平均分子量は22,000であった。得られたポリカ
ーボネート樹脂を実施例2と同様にしてペレットとし、
さらにこのペレットから板状成形品を成形した。成形品
の離型性、水に対する接触角および鉛筆硬度を実施例2
と同様にして測定した。これらの結果を表1に示した。
【0034】
【比較例2】実施例2において、実施例1で得たヒドロ
キシフェニル基含有オルガノポリシロキサンの代わり
に、式:
キシフェニル基含有オルガノポリシロキサンの代わり
に、式:
【化43】 で表されるヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロ
キサンを使用し、ジフェニルカーボネートの配合量(1
21.2g)を118gとした以外は実施例2と同様に
して、白色粉末状の樹脂を得た。得られた樹脂をNMR
により分析したところ、下記構造式(A−2)と構造式
(B−2)で表される構成単位からなるシリコーン変性
ポリカーボネート樹脂であることが判明した。またその
重量平均分子量は19,000であった。 構造式(A−2):
キサンを使用し、ジフェニルカーボネートの配合量(1
21.2g)を118gとした以外は実施例2と同様に
して、白色粉末状の樹脂を得た。得られた樹脂をNMR
により分析したところ、下記構造式(A−2)と構造式
(B−2)で表される構成単位からなるシリコーン変性
ポリカーボネート樹脂であることが判明した。またその
重量平均分子量は19,000であった。 構造式(A−2):
【化44】 構造式(B−2):
【化45】 得られたシリコーン変性ポリカーボネート樹脂を実施例
2と同様にしてペレットとし、さらにこのペレットから
板状成形品を成形した。成形品の離型性、水に対する接
触角および鉛筆硬度を実施例2と同様にして測定した。
これらの結果を表1に示した。
2と同様にしてペレットとし、さらにこのペレットから
板状成形品を成形した。成形品の離型性、水に対する接
触角および鉛筆硬度を実施例2と同様にして測定した。
これらの結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【実施例3】反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン5.14g(0.0225モル),
実施例1で得られたヒドロキシフェニル基含有オルガノ
ポリシロキサン2.62g(0.0025モル)および水
酸化ナトリウム2.0gを投入し、これらを150ml
の水に溶解した。この溶液をホモミキサーで激しく混合
しながら、二塩化テレフタロイル2.54g(0.012
5モル)と二塩化イソフタロイル2.54g(0.012
5モル)を75mlのクロロホルムに溶解した溶液を滴
下した。滴下終了後、1時間攪拌した。次いで、多量の
アセトンを加えてポリマーを濾別し、水およびアセトン
で洗浄した後乾燥して、白色粉末状の樹脂を得た。得ら
れた樹脂をFT−IRおよびNMRにより分析したとこ
ろ、下記構造式(C−1)と構造式(D−1)で表され
る構成単位からなるシリコーン変性ポリアリレート樹脂
であることが判明した。これらの構成単位の共重合比
(C−1):(D−1)は、モル%でおよそ10:90
であった。また得られた樹脂の重量平均分子量をGPC
により測定したところ、27,000であった。 構造式(C−1):
シフェニル)プロパン5.14g(0.0225モル),
実施例1で得られたヒドロキシフェニル基含有オルガノ
ポリシロキサン2.62g(0.0025モル)および水
酸化ナトリウム2.0gを投入し、これらを150ml
の水に溶解した。この溶液をホモミキサーで激しく混合
しながら、二塩化テレフタロイル2.54g(0.012
5モル)と二塩化イソフタロイル2.54g(0.012
5モル)を75mlのクロロホルムに溶解した溶液を滴
下した。滴下終了後、1時間攪拌した。次いで、多量の
アセトンを加えてポリマーを濾別し、水およびアセトン
で洗浄した後乾燥して、白色粉末状の樹脂を得た。得ら
れた樹脂をFT−IRおよびNMRにより分析したとこ
ろ、下記構造式(C−1)と構造式(D−1)で表され
る構成単位からなるシリコーン変性ポリアリレート樹脂
であることが判明した。これらの構成単位の共重合比
(C−1):(D−1)は、モル%でおよそ10:90
であった。また得られた樹脂の重量平均分子量をGPC
により測定したところ、27,000であった。 構造式(C−1):
【化46】 (式中、x=1であるものとx=0であるものとの比は
1:1であり、フタル酸エステル部分がm位であるもの
とp位であるものとの比は1:1であった。) 構造式(D−1):
1:1であり、フタル酸エステル部分がm位であるもの
とp位であるものとの比は1:1であった。) 構造式(D−1):
【化47】 (フタル酸エステル部分がm位であるものとp位である
ものとの比は1:1であった。) 得られたシリコーン変性ポリアリレート樹脂をクロロホ
ルムに溶解して10重量%溶液を調製した。これをガラ
ス板にキャストした後、100℃の温度条件下で10分
間乾燥して、無色透明の皮膜を形成した。得られた皮膜
の鉛筆硬度は2Hであり、水に対する接触角は100度
であった。
ものとの比は1:1であった。) 得られたシリコーン変性ポリアリレート樹脂をクロロホ
ルムに溶解して10重量%溶液を調製した。これをガラ
ス板にキャストした後、100℃の温度条件下で10分
間乾燥して、無色透明の皮膜を形成した。得られた皮膜
の鉛筆硬度は2Hであり、水に対する接触角は100度
であった。
【0037】
【発明の効果】本発明のヒドロキシフェニル基含有オル
ガノポリシロキサンは、分子鎖両末端にシクロシロキサ
ン単位を有する新規な化合物である。そしてこのオルガ
ノポリシロキサンは有機樹脂用改質剤、特にポリカーボ
ネート樹脂用改質剤やポリアリレート樹脂用改質剤とし
て有用であるという利点を有する。また該オルガノポリ
シロキサンにより改質されたシリコーン変性有機樹脂は
成形加工性に優れるという利点を有する。
ガノポリシロキサンは、分子鎖両末端にシクロシロキサ
ン単位を有する新規な化合物である。そしてこのオルガ
ノポリシロキサンは有機樹脂用改質剤、特にポリカーボ
ネート樹脂用改質剤やポリアリレート樹脂用改質剤とし
て有用であるという利点を有する。また該オルガノポリ
シロキサンにより改質されたシリコーン変性有機樹脂は
成形加工性に優れるという利点を有する。
【図1】 図1は実施例1で得られたヒドロキシフェニ
ル基含有オルガノポリシロキサンのFT−IRスペクト
ルチャートである。
ル基含有オルガノポリシロキサンのFT−IRスペクト
ルチャートである。
【図2】 図2は実施例1で得られたヒドロキシフェニ
ル基含有オルガノポリシロキサンの29Si−NMRスペ
クトルチャートである。
ル基含有オルガノポリシロキサンの29Si−NMRスペ
クトルチャートである。
【図3】 図3は実施例1で得られたヒドロキシフェニ
ル基含有オルガノポリシロキサンの13C−NMRスペク
トルチャートである。
ル基含有オルガノポリシロキサンの13C−NMRスペク
トルチャートである。
【図4】 図4は実施例3で得られたシリコーン変性ポ
リアリレート樹脂のFT−IRスペクトルチャートであ
る。
リアリレート樹脂のFT−IRスペクトルチャートであ
る。
【図5】 図5は実施例3で得られたシリコーン変性ポ
リアリレート樹脂の29Si−NMRスペクトルチャート
である。
リアリレート樹脂の29Si−NMRスペクトルチャート
である。
【図6】 図6は実施例3で得られたシリコーン変性ポ
リアリレート樹脂の13C−NMRスペクトルチャートで
ある。
リアリレート樹脂の13C−NMRスペクトルチャートで
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】 一般式: 【化1】 (式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない同種または異
種の一価炭化水素基であり、Aは置換もしくは非置換の
ヒドロキシフェニル基であり、Bは炭素原子数が2以上
のアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基で
あり、R1は炭素原子数2〜10のアルキレン基であ
り、nは1以上13以下の整数であり、xは0以上n以
下の整数であり、yは0〜40の整数である。)で表さ
れるヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサ
ン。 - 【請求項2】 Aの置換もしくは非置換のヒドロキシフ
ェニル基が、式: 【化2】 (式中、R2は炭素原子数1〜4のアルキル基もしくは
アルコキシ基またはハロゲン原子であり、aは0〜4の
整数である。)で表される請求項1に記載のヒドロキシ
フェニル基含有オルガノポリシロキサン。 - 【請求項3】 有機樹脂用改質剤である請求項1または
請求項2に記載のヒドロキシフェニル基含有オルガノポ
リシロキサン。 - 【請求項4】 請求項3に記載のヒドロキシフェニル基
含有オルガノポリロキサンを有機樹脂モノマーと共重合
反応させてなるシリコーン変性有機樹脂。 - 【請求項5】 下記構造式(A)で表される構成単位:
0.1〜100モル%と構造式(B)で表される構成単
位:99.9〜0モル%からなる、請求項4に記載のシ
リコーン変性ポリカーボネート樹脂。 構造式(A): 【化3】 [式中、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基もしくは
アルコキシ基またはハロゲン原子であり、R4は炭素原
子数が2以上のアルキレン基またはアルキレンオキシア
ルキレン基であり、bは0〜4の整数である。Dは、
式: 【化4】 (式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない同種または異
種の一価炭化水素基であり、R1は炭素原子数2〜10
のアルキレン基であり、nは1以上13以下の整数であ
り、xは0以上n以下の整数であり、yは0〜40の整
数である。)で表されるシロキサン単位である。] 構造式(B): 【化5】 (式中、R5はハロゲン原子または炭素原子数1〜4の
一価炭化水素基であり、Eは炭素原子数1〜20の二価
炭化水素基,−O−,−S−,−CO−,−SO2−か
らなる群から選択される基であり、cは0〜4の整数で
ある。) - 【請求項6】 請求項5記載のシリコーン変性ポリカー
ボネート樹脂を成形してなるポリカーボネート樹脂成形
品。 - 【請求項7】 下記構造式(C)で表される構成単位:
0.1〜100モル%と構造式(D)で表される構成単
位:99.9〜0モル%からなる、請求項4に記載のシ
リコーン変性ポリアリレート樹脂。 構造式(C): 【化6】 [式中、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基もしくは
アルコキシ基またはハロゲン原子であり、R4は炭素原
子数が2以上のアルキレン基またはアルキレンオキシア
ルキレン基であり、bは0〜4の整数である。Dは、
式: 【化7】 (式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない同種または異
種の一価炭化水素基であり、R1は炭素原子数2〜10
のアルキレン基であり、nは1以上13以下の整数であ
り、xは0以上n以下の整数であり、yは0〜40の整
数である。)で表されるシロキサン単位であり、Gは炭
素原子数1〜20の置換もしくは非置換の二価炭化水素
基である(但し、このGの内、少なくとも50%は芳香
族である。)。] 構造式(D): 【化8】 [式中、R5はハロゲン原子または炭素原子数1〜4の
一価炭化水素基であり、Eは炭素原子数1〜20の二価
炭化水素基,−O−,−S−,−CO−,−SO2−か
らなる群から選択される基であり、Gは炭素原子数1〜
20の置換もしくは非置換の二価炭化水素基であり(但
し、このGの内、少なくとも50%は芳香族であ
る。)、cは0〜4の整数である。] - 【請求項8】 請求項7記載のシリコーン変性ポリアリ
レート樹脂を成形してなるポリアリレート樹脂成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9282692A JPH115845A (ja) | 1997-04-25 | 1997-09-30 | ヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサンおよびシリコーン変性有機樹脂 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-123286 | 1997-04-25 | ||
JP12328697 | 1997-04-25 | ||
JP9282692A JPH115845A (ja) | 1997-04-25 | 1997-09-30 | ヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサンおよびシリコーン変性有機樹脂 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH115845A true JPH115845A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=26460260
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9282692A Pending JPH115845A (ja) | 1997-04-25 | 1997-09-30 | ヒドロキシフェニル基含有オルガノポリシロキサンおよびシリコーン変性有機樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH115845A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003524031A (ja) * | 2000-01-18 | 2003-08-12 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | シロキサンコポリカーボネートの製造方法 |
-
1997
- 1997-09-30 JP JP9282692A patent/JPH115845A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003524031A (ja) * | 2000-01-18 | 2003-08-12 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | シロキサンコポリカーボネートの製造方法 |
JP4824892B2 (ja) * | 2000-01-18 | 2011-11-30 | モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク | シロキサンコポリカーボネートの製造方法 |
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