JPH11343457A - コーティング剤の製造方法および光学用材料 - Google Patents

コーティング剤の製造方法および光学用材料

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JPH11343457A
JPH11343457A JP10229315A JP22931598A JPH11343457A JP H11343457 A JPH11343457 A JP H11343457A JP 10229315 A JP10229315 A JP 10229315A JP 22931598 A JP22931598 A JP 22931598A JP H11343457 A JPH11343457 A JP H11343457A
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JP
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group
coating agent
producing
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carbon
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JP10229315A
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Hideki Kobayashi
秀樹 小林
Toru Masatomi
亨 正富
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DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 着色が殆どなく、接着性,撥水性,耐溶剤
性,機械的特性に優れたコーティング膜を形成すること
のできるコーティング剤および光学用材料。 【解決手段】 下記2工程からなるコーティング剤の製
造方法。 (I)(A)主鎖が実質的にポリカーボネート、ポリア
リレート重合体の少なくとも一方からなり、側鎖または
末端に炭素炭素不飽和結合基を少なくとも2個有するM
n量500〜100,00の重合体と(B)式: H−SiR3-a(OR')a (RはC1〜10炭化水素基、R′はC1〜8炭化水素
基、aは1〜3)で表されるケイ素結合水素原子含有の
アルコキシシランまたはその部分加水分解物を(C)有
機溶剤中で、(D)ヒドロシリル化金属系触媒の存在下
に反応せしめてアルコキシシリル官能性重合体の溶剤溶
液を製造する工程、(II)重合体溶剤溶液を、活性炭等
の吸着剤により、白金系触媒の残存量が1ppm(重
量)以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコーティング剤の製
造方法に関し、詳しくは、アルコキシシリル官能性重合
体の有機溶剤溶液からなるコーティング剤であり、着色
が殆ど発生しないコーティング剤の製造方法および光学
用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート、ポリアリレートは、
コーティング剤として知られており、光学用途その他に
幅広く用いられている。また、架橋性シリル基を有する
ポリカーボネートを有効成分とした医療用材料が提案さ
れている(特開昭58−109062号公報参照)。し
かし、この架橋性シリル基を有するポリカーボネート
は、淡黄色に着色しているという欠点があり、光学用コ
ーティング剤としては不適であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明の目的は、着色がほとんど生じないア
ルコキシシリル官能性重合体溶液からなるコーティング
剤の製造方法および光学用材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記2工程か
らなることを特徴とするコーティング剤の製造方法およ
び光学用材料に関する。 (I)(A)主鎖が実質的にポリカーボネート、ポリア
リレート重合体の少なくとも一方からなり、側鎖または
末端に炭素炭素不飽和結合基を少なくとも2個有する数
平均分子量500〜100,00の重合体と(B)式: H−SiR3-a(OR')a (式中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換の一価
炭化水素基であり、Rは炭素数1〜8の置換または非置
換の一価炭化水素基であり、aは1〜3の整数であ
る。)で表されるケイ素結合水素原子含有アルコキシシ
ランまたはその部分加水分解物を、(C)有機溶剤中
で、(D)ヒドロシリル化反応用金属系触媒の存在下に
反応せしめてアルコキシシリル官能性重合体の溶剤溶液
を製造する工程、(II)前記(I)工程で得られたアル
コキシシリル官能性重合体溶剤溶液に、活性炭、シリ
カ、シリカゲル、ガラスビーズおよびそれらのシラン処
理物から選択される吸着剤を混合した後、該混合物から
前記吸着剤を分離することにより、ヒドロシリル化反応
用金属触媒の残存量が1ppm(重量)以下であるアル
コキシシリル官能性重合体溶液からなるコーティング剤
を製造する工程。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法に用いられる
(A)成分の重合体は、主鎖が実質的にポリカーボネー
ト、ポリアリレートの少なくとも一方からなり、かつ、
側鎖または末端に炭素炭素不飽和結合基を少なくとも2
個有し、数平均分子量500〜100,000のもので
ある。
【0006】ここで、ポリカーボネートの主鎖の構成単
位としては、構造式:
【化1】 で表されるものがある。上式中、R2は水素原子、ハロ
ゲン原子または炭素原子数1〜4の一価炭化水素基から
選択されるものであり、一価炭化水素基として具体的に
は、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基等のア
ルキル基;ビニル基,アリル基等のアルケニル基が例示
される。Dは炭素原子数1〜20の二価炭化水素基,−
O−,−S−,−CO−からなる群から選択される基で
ある。二価炭化水素基としては具体的には、アルキリデ
ン基,アリール置換アルキリデン基,アルキレン基,シ
クロアルキレン基,アリーレン基およびこれらの基を結
合させた基が挙げられる。アルキリデン基の構造は直鎖
状,分岐状,環状のいずれでもよい。このような主鎖構
造を有するポリカーボネートは、一般式
【化2】 (式中、R2,Dは前記と同じである。)で示される二
価フェノール化合物に、ホスゲン,炭酸ジエステルまた
はポリカーボネートオリゴマーを反応させることにより
製造することができる。
【0007】このような二価フェノール化合物の例とし
ては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン,ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテル,ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン,ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホキシド,ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルフィド,ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン,
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン,2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン,2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン,
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン,2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフ
ェニル)プロパン,2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)プロパン,2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン,2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパ
ン,2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフ
ェニル)プロパン,1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン,ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ジフェニルメタンが例示される。
【0008】また、ポリアリレートの主鎖の構成単位と
しては、構造式:
【化3】 で示されるものがある。上式中、 R2,DおよびEは前
記と同じであり、Eは炭素原子数1〜20の置換もしく
は非置換の二価炭化水素基であるが、この内少なくとも
50モル%は芳香族炭化水素基である。芳香族炭化水素
基としては、オルトフェニレン基,メタフェニレン基,
パラフェニレン基,ナフチレン基,ジフェニレンアルカ
ン基が挙げられる。また芳香族炭化水素基以外の二価炭
化水素基としては、アルキレン基,シクロアルキレン基
およびこれらのハロゲン置換基が挙げられる。このよう
な主鎖構造を有するポリアリレートは、例えば、前記し
た二価フェノール化合物と芳香族ジカルボン酸とを重縮
合反応させることにより製造することができる。反応方
法としては、通常の溶融重合法,界面重合法,溶液重合
法などが使用される。
【0009】本発明の製造方法に用いられる(A)成分
の重合体は、炭素炭素不飽和結合基を少なくとも2個有
するものである。ここで、炭素炭素不飽和結合基として
は、例えば、ビニル基、アリル基、5−ヘキセニル基等
のアルケニル基、あるいはそれらのアルケニルオキシ
基、エチニル基等のアルキニル基あるいはそれらのアル
キニルオキシ基が例示される。炭素炭素不飽和結合基は
側鎖でも末端でもよい。、主鎖に対する結合位置は制限
されないが、例えば、前記した重合体中のR2、Dない
しEの中に基として存在しているものが挙げられる。ま
た、これらの中でも、2,2−ビス(2−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを用いて重合
されたものが好適である。
【0010】本発明の製造方法に用いられる(B)成分
のケイ素結合水素原子含有アルコキシシランは、式: H−SiR3-a(OR')a で表される。上式中、Rは炭素数1〜10の置換または
非置換の一価炭化水素基であり、具体的には、メチル
基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘ
キシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル
基等のアルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル基
等のアリール基;ベンジル基,フェネチル基等のアラル
キル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基,1H,1
H,2H,2H−ノナフルオロヘキシル基,1H,1H,2
H,2H−パーフルオロデシル基等のハロゲン化アルキ
ル基が例示される。これらの中でもメチル基もしくはフ
ェニル基が好ましい。またこのRは同一のものでも異な
るものでもよい。R'は炭素数1〜8の置換または非置
換の一価炭化水素基であり、具体的には、メチル基,エ
チル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル
基,ヘプチル基,オクチル基等のアルキル基;フェニル
基,トリル基,キシリル基等のアリール基が例示され
る。これらの中でもメチル基もしくはエチル基が好まし
い。aは1〜3の整数である。このアルコキシシラン
は、ヒドロシリル化反応の前に、部分的に加水分解され
いてシロキサン結合を分子内に有する部分加水分解物で
あってもよい。このような(B)成分の配合量は前記
(A)成分の重合体が含有するアルケニル基の量に対し
て等モル量ないし過剰量が用いられる。過剰量の場合
は、2倍モル程度までの範囲が好ましい。
【0011】本発明の製造方法では、まず(I)工程で
上記のような(A)成分の重合体と(B)成分のアルコ
キシシランとを(C)成分の有機溶剤中で反応させるの
であるが、この(C)成分の有機溶剤は(A)成分と
(B)成分を溶解させ得るものであればよい。このよう
な有機溶剤としては、ジクロロメタン,1,2−ジクロ
ロエタン,1,1,2,2−テトラクロロエタン,クロロ
ホルム,1,1,1−トリクロロエタン,四塩化炭素,モ
ノクロロベンセン,ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水
素類;ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン
等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル等のエーテル
系化合物が挙げられる。これらの有機溶剤は2種類以上
混合して使用してもよい。このような(C)成分の使用
量は(A)成分の濃度が5重量%から80重量%の範囲
内が適当である。
【0012】本発明の製造方法に用いられる(D)成分
のヒドロシリル化反応用金属系触媒としては、例えば、
白金系触媒,ロジウム系触媒,パラジウム系触媒が挙げ
られる。これらの中でも特に白金系触媒が好ましく、具
体的には、塩化白金酸,塩化白金酸のアルコール溶液,
白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体,白
金とオレフィンとの錯体が例示される。本発明の製造方
法において、ヒドロシリル化反応用金属系触媒の添加量
は、触媒量であり特に制限されないが、通常、前記した
(A)成分の重合体100万重量部に対して金属量とし
て1〜500重量部の範囲である。尚、(D)成分の白
金系触媒中には、担持型白金系触媒も含まれる。このよ
うな担持型白金系触媒としては、白金担持のカーボン粉
末、白金担持のシリカ微粉末、白金担持のアルミナ微粉
末等が好適な例として挙げられる。白金の担持量は、通
常、0.1〜10重量%の範囲である。担持型白金系触
媒は、濾過ないしは遠心分離等の通常知られた方法によ
り分離される
【0013】本発明の製造方法において、(A)成分〜
(D)成分の投入順序は、(A)成分を(C)成分に溶
解させ、(D)成分を添加後、攪拌しながら(B)成分
を滴下していく方法が適当である。また、(A)成分を
(C)成分に溶解させ、(B)成分を添加し、続いて
(D)成分を添加する方法、(A)成分を(C)成分に
溶解させたものに、(D)成分と(B)成分を滴下して
いく方法などがある。この反応はヒドロシリル化反応で
あり、その温度は任意であり特に制限されないが、通常
は、室温から(C)成分の有機溶剤の沸点あるいは
(B)成分のアルコキシシランの沸点以下であることが
好ましい。ヒドロシリル化反応の後に、未反応の(B)
成分のアルコキシシランは、加熱下ストリッピングによ
り除去される。尚、ヒドロシリル化反応の後に、(A)
成分の重合体の分子内にアルコキシシリル基が導入され
るのであるが、この場合、少なくとも2個のアルコキシ
シリル基が導入されることが好ましい。
【0014】本発明の製造方法においては、前記したヒ
ドロシリル化反応によって、(A)成分の側鎖または末
端に存在する炭素炭素不飽和結合基に、(B)成分のア
ルコキシシランまたはその部分加水分解物のケイ素結合
水素原子が選択的に付加し、(A)成分の重合体にアル
コキシシリル基が導入される。ここで、本発明の製造方
法に従えば主鎖のポリカーボネート、ポリアリレート中
のカルボニル基へのヒドロシリル化は殆ど起こらずに、
本発明に言うアルコキシシリル官能性重合体溶液からな
るコーティング剤が得られる。
【0015】本発明の製造方法においては、(II)工程
で上記(I)工程で得られたアルコキシシリル官能性重
合体溶剤溶液に、活性炭、シリカ、シリカゲル、ガラス
ビーズおよびそれらのシラン処理物から選択される吸着
剤を混合した後、該混合物から前記吸着剤を分離するこ
とにより、白金系触媒の残存量が1ppm(重量)以下
であるアルコキシシリル官能性重合体溶液からなるコー
ティング剤を製造する。ここで、吸着剤としては、活性
炭、シリカ、シリカゲル、ガラスビーズから選択され
る。これらの吸着剤の比表面積は10〜1000m2
gのものが好ましい。また、これらの吸着剤は、シラン
処理されたものが好ましい。特には、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシ
ラン等のアミノシランカップリング、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメ
チルジメトキシシラン等のメルカプトシランカップリン
グ剤で処理されたものが好適である。このような吸着剤
は、ヒドロシリル化反応後の溶液に添加される。吸着剤
の添加量は、金属系触媒が十分に除去できればよく特に
制限されないが、通常、重合体100重量部に対して1
〜100重量部の範囲が好ましい。吸着剤はヒドロシリ
ル化反応後の溶液に添加され、数分間〜数日、好ましく
は数時間混合される。混合温度は、室温下で良いが、溶
剤の沸点までの範囲で加熱してもよい。混合後、吸着剤
は、濾過ないしは遠心分離等の通常知られた方法により
分離される。
【0016】以上のような本発明の製造方法によって得
られたアルコキシシリル官能性重合体溶液は、ヒドロシ
リル化反応用金属系触媒の溶存量が1ppm(重量)以
下となる。そして、淡黄色のような着色がないという特
性を有する。このため、特に光学用材料として有用であ
る。尚、ヒドロシリル化反応用金属系触媒の量は、原子
吸光分析などの方法により容易に測定される。
【0017】以上のような本発明のアルコキシシリル官
能性重合体コーティング剤は、これを各種基材表面にキ
ャストすれば均一かつ均質な被膜を形成する。さらに、
例えば、室温下で数日間放置するか、120℃以下の温
度条件下で数分間〜数時間加熱することにより、アルコ
キシシリル基が架橋した構造の被膜を形成する。そし
て、この被膜はアルコキシシリル基同志が架橋している
ので、接着性,撥水性,耐溶剤性,機械的特性に優れて
いるという特徴を有する。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0019】
【実施例1】反応容器に、数平均分子量10,000で
あり、ビスフェノールAと式:
【化4】 で表されるジアリルビスフェノールとのポリカーボネー
ト共重合体{共重合体比はモル比で10:2}を20g
を入れ、クロロベンゼン100gに溶解させた。このも
のに、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサン
からなる錯体を固形分当たり白金金属として30ppm
(重量)となる量を添加した。次いで、攪拌しながら、
メチルジメトキシシラン{MeSiH(OMe)2}を
3.0g滴下した。滴下終了後、60℃で1時間混合し
ヒドロシリル化反応を行った。さらに、100℃まで加
熱して過剰のメチルジメトキシシランを留去させ、メチ
ルジメトキシシリル基が導入されたポリカーボネート
{下記の単位B1とB2の比がモル比で10:2であ
る。}のクロロベンゼン溶液を得た。このクロルベンゼ
ン溶液中の白金金属含有量を原子吸光法により測定した
ところ、その値は28ppm(重量)であった。
【化5】
【化6】 この溶液と、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシランで表面処理された比表面積490m
2/gのγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ
メトキシシランとシリカゲルの重量比は、1:5であ
る。」10gをクロロベンゼン400gに分散させた吸
着剤を1Lフラスコに加えて、60℃で1時間混合し
た。冷却後、吸着剤を濾過し、次いで過剰の有機溶剤を
留去させて、メチルジメトキシシリル基が導入されたポ
リカーボネートの20重量%クロロベンゼン溶液100
gを得た。この溶液中に存在する白金金属量を原子吸光
法により測定したちころ、その値は0.5ppm(重
量)であった。この溶液を、スピンコーターを用いてガ
ラススライドに塗工し、120℃で10分間加熱して有
機溶剤を除去したところ、透明で均質な被膜が得られ
た。得られたコーティング被膜の水に対する接触角を接
触角度計にて測定したところ、その値は87°であっ
た。またその鉛筆硬度を、JIS K5400に規定さ
れる方法に従って測定したところ、その値はHであっ
た。尚、未処理のポリカーボネート共重合体の水に対す
るの接触角は80°であった。
【0020】
【比較例1】実施例1で得られた吸着剤を混合する前の
ポリカーボネートのクロロベンゼン溶液(白金金属量が
28ppm)を、ガラススライドにスピンコーターを用
いて塗工した後、120℃で10分間加熱して有機溶剤
を除去した。得られたコーティング被膜は淡黄色に着色
していた。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造方法は、下記2工程からな
るので、着色が殆どなく、接着性,撥水性,耐溶剤性,
機械的特性に優れた皮膜を形成するという特徴を有す
る。「(A)主鎖が実質的にポリカーボネート、ポリア
リレート重合体の少なくとも一方からなり、側鎖または
末端に炭素炭素不飽和結合基を少なくとも2個有する数
平均分子量500〜100,00の重合体と(B)式: H−SiR3-a(OR')a (式中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換の一価
炭化水素基であり、Rは炭素数1〜8の置換または非置
換の一価炭化水素基であり、aは1〜3の整数であ
る。)で表されるケイ素結合水素原子含有のアルコキシ
シランまたはその部分加水分解物を(C)有機溶剤中
で、(D)ヒドロシリル化金属系触媒の存在下に、反応
せしめてアルコキシシリル官能性重合体の溶剤溶液を製
造する工程、(II)前記工程で得られたアルコキシシリ
ル官能性重合体溶剤溶液に、活性炭、シリカ、シリカゲ
ル、ガラスビーズおよびそれらのシラン処理物から選択
される吸着剤を混合した後、該混合物から前記吸着剤を
分離することにより、白金系触媒の残存量が1ppm
(重量)以下であるアルコキシシリル官能性重合体溶液
からなるコーティング剤を製造する工程。」

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記2工程からなることを特徴とするコ
    ーティング剤の製造方法。 (I)(A)主鎖が実質的にポリカーボネート、ポリアリ
    レートの少なくとも一方からなり、側鎖または末端に炭
    素炭素不飽和結合基を少なくとも2個有する数平均分子
    量500〜100,00の重合体と(B)式: H−SiR3-a(OR')a (式中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換の一価
    炭化水素基であり、 Rは炭素数1〜8の置換または非
    置換の一価炭化水素基であり、aは1〜3の整数であ
    る。)で表されるケイ素結合水素原子含有アルコキシシ
    ランまたはその部分加水分解物を、(C)有機溶剤中
    で、(D)ヒドロシリル化反応用金属系触媒の存在下に
    反応せしめてアルコキシシリル官能性重合体の溶液を製
    造する工程、(II)前記(I)工程で得られたアルコキ
    シシリル官能性重合体溶液に、活性炭、シリカ、シリカ
    ゲル、ガラスビーズおよびそれらのシラン処理物から選
    択される吸着剤を混合した後、該混合物から前記吸着剤
    を分離することにより、ヒドロシリル化反応用金属系触
    媒の残存量が1ppm(重量)以下であるアルコキシシ
    リル官能性重合体溶液からなるコーティング剤を製造す
    る工程。
  2. 【請求項2】 (D)成分が、担持型白金系触媒であ
    る、請求項1記載のコーティング剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のコーティング剤を基材に
    塗工してなる光学用材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009503223A (ja) * 2005-09-13 2009-01-29 エルジー・ケム・リミテッド 新規のポリアリレートおよびその製造方法
JP2019031687A (ja) * 2013-03-29 2019-02-28 出光興産株式会社 ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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