JP2010090008A - 表面改質された無機化合物微粒子及びその製法並びに該微粒子を含む分散体 - Google Patents

表面改質された無機化合物微粒子及びその製法並びに該微粒子を含む分散体 Download PDF

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Takayuki Matsuda
隆之 松田
Yasuhide Isobe
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Abstract

【課題】粒子表面での改質反応が制御されており、有機媒体への分散性に優れ、長期に分散安定性を保持できる表面改質された無機化合物微粒子及びその製法並びに該微粒子を含む分散体の提供。
【解決手段】下記一般式(1)又は下記一般式(2):
Figure 2010090008

4SiH一般式(2)で表される化合物を、無機化合物微粒子と、反応させ、次いで、そのときに残留するSiH基に、該SiH基と反応することのできる化合物を、さらに反応させることにより得られうる表面改質された無機化合物微粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面改質された無機化合物微粒子及びその製法並びに該微子を含む分散体に関する。
無機化合物粒子は、その特徴的な化学的、物理的特性から、顔料、紫外線吸収剤、触媒、光触媒、触媒担体、吸着剤、脱臭剤、バイオリアクター、充填剤、化粧品、コート剤、帯電防止剤、防菌剤、防汚剤、光学材料、電子・電気材料、光電変換材料等の多種多様な材料に用いられている。こうした中、無機化合物粒子を分散した複合材料への関心が集まっている。例えば、高分子材料に無機化合物粒子を分散することにより、高分子材料の電磁気的、光学的、機械的、熱的機能の飛躍的向上が期待できる点、金属やガラスをマトリックスにする場合に比べ、複合材料の製造、加工が容易である点等が注目されている。
ところが、一般的な無機化合物粒子は、粒子表面の水酸基の存在により親水性を有しており、有機媒体中では粒子同士が凝集し易く、分散安定性が極めて悪い。そこで、有機媒体中での分散安定性を改善するため、シランカップリング剤を無機化合物粒子の表面の水酸基等と反応させて、該無機化合物粒子の表面を改質する方法が提案されている(以下、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、シランカップリング剤同士が重縮合してしまうといった問題があり、粒子表面との改質反応を制御することが難しい。
また、無機化合物の粒子表面をカルボン酸により改質する方法も提案されているが(以下、特許文献1参照)、粒子表面との結合安定性が低いという問題があり、経時的に分散性が悪くなってしまう。また、粉体表面を、SiH部分をもつシリコーンポリマーで被覆し、SiH部分にペンダント基を導入する方法も提案されている(以下、特許文献2参照)。しかしながら、シリコーンポリマーで被覆する反応を制御できておらず、また、ペンダント基を導入する反応も制御できていないため、長期に分散安定性を保持できるような無機化合物微粒子を再現性よく得ることは困難である。かかる状況の下、粒子表面での改質反応が制御されており、有機媒体への分散性に優れ、長期に分散安定性を保持できるような無機化合物微粒子の開発が強く望まれている。
特開2007−70603号公報 特公平1−54380号公報 「有機、無機材料における表面処理・改質の上手な方法とその評価」、技術情報協会社、2004年11月、p.18
本発明が解決しようとする課題は、粒子表面での改質反応が制御されており、有機媒体への分散性に優れ、長期に分散安定性を保持できるような無機化合物微粒子を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定の表面改質を行うことによって、上記課題を解決できることを、予想外に発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、具体的には、以下の[1]〜[13]の通りである:
[1]下記一般式(1):
Figure 2010090008
{式中、R1、R2、及びR3は、互いに独立して、水素、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基、又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、a≧3であり、そしてb≧0である。}で表される化合物又は下記一般式(2):
Figure 2010090008
{式中、R4は、炭素数1〜30の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜30の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜30の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜30の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜30の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基、又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基である。}で表される化合物(A)を、無機化合物微粒子と、反応させ、次いで、そのときに残留するSiH基に、該SiH基と反応することのできるC=C基、C≡C基、C=O基、NH基、SH基、COOH基、OH基、及びCLi基から成る群から選ばれる基を有する化合物(B)を、さらに反応させるか、又は該化合物(A)と該化合物(B)を反応させ、次いで該無機化合物微粒子をさらに反応させるかのいずれかにより得られうる表面改質された無機化合物微粒子。
[2]前記化合物(B)が、下記一般式(3):
Figure 2010090008
で表される構成単位を有する、前記[1]に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
[3]前記一般式(3)で表される構成単位を有する化合物(B)が、下記一般式(4):
Figure 2010090008
{式中、R5〜R7は、互いに独立して、置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、有機シリル基又は有機シロキシ基である。}、下記一般式(5):
Figure 2010090008
{式中、R8〜R12は、互いに独立して、置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、有機シリル基又は有機シロキシ基であり、そしてc≧1である。}、下記一般式(6):
Figure 2010090008
{式中、R13〜R16は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、そしてd≧0である。}、下記一般式(7):
Figure 2010090008
{式中、R17〜R26は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、e≧0であり、そしてf≧1である。}、下記一般式(8):
Figure 2010090008
{式中、R26〜R40は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、g≧0であり、h≧0であり、そしてi≧0である。}、又は下記一般式(9):
Figure 2010090008
{式中、R41〜R53は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、j≧0であり、k≧0であり、そしてl≧0である。}である、前記[2]に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
[4]無機化合物微粒子の表面への化合物(A)の導入量Pを、『化合物(A)の導入mol数(mol)×106/[無機化合物微粒子の比表面積(m2/g)×無機化合物微粒子の重量(g)]』と定義したとき、Pの値が0.01〜30である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の表面改質された無機化合物微粒子。
[5]無機化合物微粒子に化合物(A)を反応させた後での、無機化合物微粒子の表面におけるSiH基の残留量Qを、『無機化合物微粒子の表面におけるSiH基の残留mol数(mol)×106/[無機化合物微粒子の比表面積(m2/g)×無機化合物微粒子の重量(g)]』と定義したとき、Qの値が0.01〜50である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面改質された無機化合物微粒子。
[6]化合物(A)が、一般式(1)においてa≧4で表される化合物である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の表面改質された無機化合物微粒子。
[7]化合物(A)が1分子中に有する複数個のSiH基のうち、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rの値が、0.5〜a−0.5である、前記[6]に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
[8]前記無機化合物微粒子が無機酸化物微粒子である、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の表面改質された無機化合物微粒子。
[9]前記無機酸化物微粒子が酸化チタン微粒子である、前記[8]に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
[10]前記[1]〜[9]のいずれかに記載の表面改質された無機化合物微粒子を含有することを特徴とする無機化合物分散体。
[11]前記無機化合物分散体の分散媒体が有機物及び/又はSi含有有機物である、前記[10]に記載の無機化合物分散体。
[12]無機化合物微粒子と化合物(A)の反応を液相中で行い、次いで、その液相中でさらに化合物(B)を反応させることを特徴とする、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の表面改質された無機化合物微粒子の製造方法。
[13]前記化合物(A)と前記化合物(B)を反応させ、次いで前記無機化合物微粒子をさらに反応させることを特徴とする、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の表面改質された無機化合物微粒子の製造方法。
本発明に係る表面改質された無機化合物微粒子は、無機化合物微粒子表面での改質反応が制御されているため、有機媒体への分散性に優れ、長期に分散安定性を保持できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の無機化合物微粒子は、下記一般式(1):
Figure 2010090008
{式中、R1、R2、及びR3は、互いに独立して、水素、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、a≧3であり、そしてb≧0である。}で表される化合物又は下記一般式(2):
Figure 2010090008
{式中、R4は、炭素数1〜30の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜30の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜30の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜30の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜30の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基である。}で表される化合物(A)により表面が改質され、そのときに残留するSiH基に、SiH基と反応することのできるC=C基、C≡C基、C=O基、NH基、SH基、COOH基、OH基、及びCLi基から成る群から選ばれる基を有する化合物(B)を、さらに反応させるか又は該化合物(A)と該化合物(B)を反応させ、次いで該無機化合物粒子をさらに反応させるかのいずれかにより得られることを特徴としている。
無機化合物としては、ケイ素、2族のマグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、3族のアルミニウム、ガリウム、希土類等、4族のチタン、ジルコニウム等、5族のリン、バナジウム等、6族のクロム、モリブデン等、7族のマンガン等、8族の鉄、コバルト等の無機酸化物、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの窒化物、硫化亜鉛や硫化鉛などの硫化物、粘土等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
無機化合物としては、微粒子表面に水酸基が存在し、改質し易い点で無機酸化物が好ましい。なお、無機酸化物は無機複合酸化物であってもよい。無機酸化物としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化セリウム、シリカ、アルミナ、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化スズ、ITO、酸化亜鉛等が挙げられ、非常に大きな屈折率を有しており、さらに可視光領域での吸収も小さいことから、無色の透明性が要求される光学材料への利用に適している点で、酸化チタンや酸化ジルコニウムがより好ましい。更に、屈折率が特に大きく、粒子表面の水酸基が無触媒においても改質剤と速やかに反応することから、無機酸化物としては、酸化チタンが特に好ましい。
無機化合物微粒子の大きさは、平均一次粒子径として、無機化合物微粒子本来の特性を発現できる点で0.1nm以上が好ましく、分散体としたときの透明性が上がる点で10mm以下が好ましい。同様の観点で、1nm〜1μmがより好ましく、1nm〜100nmが更に好ましく、2nm〜50nmが特に好ましく、2nm〜20nmが最も好ましい。用いる無機化合物微粒子としては、凝集体であってもよい。無機化合物微粒子の形状は、特に限定されるものではないが、球状粒子、針状粒子、鱗片状粒子、板状粒子、不定形粒子、中空状粒子等が挙げられる。
一般式(1)におけるR1、R2、及びR3は、互いに独立して、水素、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基、又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基である。
直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル(n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル)、ペンチル(n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル等)、ヘキシル(n−ヘキシル、i−ヘキシル等)、ヘプチル(n−ヘプチル、i−ヘプチル等)、オクチル(n−オクチル、i−オクチル、t−オクチル等)、ノニル(n−ノニル、i−ノニル等)、デシル(n−デシル、i−デシル等)、ドデシル(n−ドデシル、i−ドデシル等)等が挙げられ、また、これらの水素原子又は主鎖骨格の一部又は全部が、エーテル基、エステル基、カルボニル基、シリル基、シロキサン基、フッ素等のハロゲン原子、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基、ヒドロキシル基からなる群から選ばれた少なくとも1種で置換されていてもよい。
シクロアルキル基としてはシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられ、アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、また、これらの水素原子又は主鎖骨格の一部又は全部が、エーテル基、エステル基、カルボニル基、シリル基、シロキサン基、フッ素等のハロゲン原子、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基、ヒドロキシル基からなる群から選ばれた少なくとも1種で置換されていてもよい。これらの置換基としては、耐熱性や耐光性が要求される用途においてはメチル基、エチル基が好ましく、高屈折率が要求される用途においてはフェニル基が好ましい。更には、入手性等も考慮すると、メチル基が特に好ましい。
一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物(A)はSiH基を有する化合物であるが、SiH基を有する化合物を無機化合物微粒子と反応させると、無機化合物微粒子の表面に水酸基(M−OH)が存在する場合、水酸基とSiH基が脱水素反応を起こして、M−O−Si結合を形成する。この結合により、無機化合物微粒子の表面を、SiH基を有する化合物によって改質することができる。なお、SiH基の反応率は、発生する水素量を定量することにより求めることができる。
化合物(A)が一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物であると、改質反応を制御し易い点で優れており、また、無機化合物微粒子の表面の改質後における、M−O−Si結合の加水分解に対する結合安定性が優れている。また、入手性や、改質反応を制御し易い点、残留するSiH基に対するヒドロシリル化反応性の点で一般式(1)が好ましく、一般式(1)においてa≧4であるとより好ましい。更に、入手性や、改質基濃度を低減できる点、改質反応を制御し易い点で1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが特に好ましい。なお、M−O−Si結合の加水分解に対する結合安定性については、M−O−Si結合の数や、置換基の種類等も影響していると考えられる。置換基の種類については、疎水性の置換基や、立体障害の大きな置換基の場合に、結合安定性が向上する傾向がある。
化合物(A)により無機化合物微粒子の表面を改質する方法としては、特に限定されるものではないが、液状媒体中での反応が好ましく、該液状媒体が有機物及び/又はSi含有有機物であることがより好ましい。これにより、改質反応を制御よく、再現性よく行うことができる。
液状媒体となる有機物やSi含有有機物としては、化合物(A)自身を液状媒体としてもよいが、改質反応を制御よく、再現性よく行うことができるという点では、新たに溶媒を添加することが好ましい。新たに添加する溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール系溶媒、反応性又は未反応性のシリコーン等が挙げられる。これらの溶媒は、1種又は2種以上の混合物として用いることが可能である。これらの溶媒の中では、無機化合物微粒子に吸着せず、化合物(A)の導入を阻害しない点で、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒又はシリコーンが好ましく、脂肪族炭化水素系溶媒又は芳香族炭化水素系溶媒がより好ましい。
化合物(A)により無機化合物微粒子の表面を改質する際、使用する無機化合物微粒子は、粉体の状態であっても分散液の状態であってもよい。分散液の状態の場合、そのときの分散媒体をそのまま反応溶媒として用いてもよく、該分散液に新たな溶媒を添加してもよく、該分散液の分散媒体を新たな溶媒に置換してもよい。
また、反応系内における水分量としては、SiH基が加水分解されるのを抑制する点、無機化合物微粒子の表面の反応性を上げる点で、無機化合物微粒子の質量に対する反応系内の水分量が、約0〜50質量%であると好ましく、約0〜10質量%であるとより好ましく、約0〜2質量%であると更に好ましく、約0〜0.5質量%であると特に好ましい。水分量を低減する方法としては、原材料を蒸留、脱水剤の添加、加熱乾燥、真空乾燥、加熱真空乾燥等が挙げられる。
同様の観点で、化合物(A)により無機化合物微粒子の表面を改質する際の雰囲気は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、炭酸ガス等の不活性ガス、又は乾燥空気等の雰囲気下、流通下、減圧下、又は加圧下で行うことが好ましい。より好ましいガスは不活性ガスであり、更に好ましくは窒素である。
無機化合物微粒子の表面への、SiH基を少なくとも2個有する化合物(A)の導入量Pは、『化合物(A)の導入mol数(mol)×106/[無機化合物微粒子の比表面積(m2/g)×無機化合物微粒子の重量(g)]』で定義する。なお、化合物(A)の導入mol数の求め方としては、液状媒体中で反応させた場合においては、濾過や遠心分離等により固体と液体を分離し、液体をガスクロマトグラフィーで分析して化合物(A)の未反応mol数を求め、化合物(A)の仕込み量から引き算することによって定量することができる。また、用いる無機化合物微粒子の比表面積は、粉体の窒素吸着量を分析し、BET式により求めることができる。
化合物(A)の導入量Pの値としては、化合物(A)の種類によっても異なるが、該無機化合物微粒子を含有する無機化合物分散体としたときの分散性に優れる点、粒子表面と化合物(A)の反応を制御できる点で0.01以上、改質基濃度を低減できる点で30以下が好ましい。同様の観点で、0.1〜15がより好ましく、0.2〜8が更に好ましく、0.5〜5が特に好ましく、1〜3が最も好ましい。なお、粒子表面と化合物(A)の反応の制御については、上記のように導入量Pが大きい方が制御し易くなる。これは、導入量Pが少ないと残留するべきSiH基も反応してしまうことに起因している。よって、化合物(A)の導入量Pとしては、粒子表面と化合物(A)の反応を制御し易い点においては、化合物(A)の飽和導入量(化合物(A)をそれ以上導入できない導入量)により近い値であることが理想的である。一方、改質基濃度を低減する利点としては、無機化合物微粒子自体の濃度を上げることができるので、無機化合物微粒子本来の性能を発現し易くなる点である。
SiH基の反応率は、前記のように、発生する水素量を定量することにより求めることができる。よって、化合物(A)の導入量とSiH基の反応率から、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qを求めることができる。なお、このSiH基の残留量Qには、無機化合物微粒子の表面に導入されていない未反応化合物(A)のSiH基を含めない。SiH基の残留量Qは、『無機化合物微粒子の表面におけるSiH基の残留mol数(mol)×106/[無機化合物微粒子の比表面積(m2/g)×無機化合物微粒子の重量(g)]』で定義することとする。SiH基の残留量Qの値としては、化合物(A)の種類や導入量によっても異なるが、次段階で化合物(B)を導入できる点で0.01以上、SiH基の最終的な残留量を抑える点で50以下が好ましい。同様の観点で、0.1〜20がより好ましく、0.5〜10が更に好ましく、1〜6が特に好ましく、2〜4が最も好ましい。また、前記のように、導入量Pを飽和導入量よりも小さくすると、SiH基の残留量Qは小さくなる傾向にあり、導入量Pが飽和導入量のときの、SiH基の残留量Qの値が理想的な値である。
化合物(A)が1分子中に有する複数個のSiH基のうち、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rを求めることができる。化合物(A)が1分子中に有するSiH基の個数をSとすると、R=S−Q/Pである。Rの値としては、無機化合物微粒子の表面との結合安定性の点で0より大きいことが好ましく、次段階で化合物(B)を導入できる点でSより小さいことが好ましい。同様の観点で、S=3の場合におけるRの値としては、0.5〜2.7がより好ましく、1〜2.5が更に好ましく、1.5〜2.5が特に好ましく、1.7〜2.3が最も好ましい。また、S≧4の場合、つまりは一般式(1)においてa≧4の場合におけるRの値としては、0.5〜a−0.5がより好ましく、1〜a−1が更に好ましく、1.5〜2.5が特に好ましく、1.7〜2.3が最も好ましい。前記のように、導入量Pを飽和導入量よりも小さくすると、反応したSiH基の平均個数Rは大きくなる傾向にあり、導入量Pが飽和導入量のときの、反応したSiH基の平均個数Rの値が理想的な値である。
無機化合物微粒子の表面に化合物(A)を反応させるときの添加量としては、前記導入量P以上の化合物(A)を添加すればよい。具体的な添加量としては、化合物(A)の種類や無機化合物微粒子の種類、反応条件等によっても異なるが、飽和改質量の0.5倍以上添加することが好ましい。ここでの飽和改質量とは、化合物(A)をそれ以上添加しても導入量Pがそれ以上増えない量のことを示す。これにより、粒子間架橋を抑制する等、化合物(A)を制御よく導入することが可能である。添加量の上限としては、特に限定されるものではないが、飽和改質量の10倍以内が好ましい。これにより、化合物(B)が未反応の化合物(A)と反応してしまうことを抑制することができ、また、未反応分を除去する手間も省くことができる。同様の観点で、添加量としては、飽和改質量の0.7〜5倍がより好ましく、0.8〜2倍が更に好ましく、0.9〜1.5倍が特に好ましく、0.9〜1.2倍が最も好ましい。
無機化合物微粒子の表面に化合物(A)を反応させるとき、無機化合物表面の水酸基と化合物(A)のSiH基を反応させる訳であるが、その際に脱水素縮合反応触媒を用いてもよい。この場合、脱水素縮合反応触媒を無機化合物微粒子に固定させておいてもよく、脱水素縮合触媒を添加するだけでもよい。該脱水素縮合触媒としては、錫、亜鉛、鉄、銀、銅、コバルト、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、チタン、アルミニウム等の単体及びその化合物が挙げられ、反応性や可使時間等の点で有機錫化合物が好ましい。なお、無機化合物微粒子が酸化チタン等の場合には該脱水素縮合触媒を用いなくてもよく、無機化合物微粒子がシリカ等の場合には該脱水素縮合触媒を用いることが好ましい。
無機化合物微粒子の表面に化合物(A)を反応させるときの温度としては、冷却下であってもよく、室温(例えば10〜30℃)であってもよく、加熱下であってもよい。無機化合物微粒子の種類、化合物(A)の種類、反応条件等によっても異なるが、−20℃〜180℃が好ましく、10℃〜150℃がより好ましく、30℃〜100℃が特に好ましい。
無機化合物微粒子の表面に化合物(A)を反応させるときの攪拌方法としては、特に限定されるものではないが、通常の攪拌方法以外に、ボールミル、振動ミル、アトライター、ニーダー、超音波分散機、超音波ホモジナイザー、高圧分散機、ビーズミル等を用いてもよい。反応性を高める観点においては、特に原料として使用している無機化合物微粒子が凝集粉体の場合、より高い攪拌エネルギーをかけることが好ましい。
化合物(A)により無機化合物微粒子の表面を改質する方法としては、前記のように液状媒体中での反応が好ましい。このときの化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子は、分散液或いは懸濁液の状態である。続いて、残留しているSiH基に、SiH基と反応することのできる化合物(B)を更に反応させるにあたり、この分散液或いは懸濁液をそのまま使用してもよく、液状媒体を留去した粉体を使用してもよく、濾過や遠心分離等により分離した粉体を使用してもよく、濾過や遠心分離等により分離し乾燥した粉体を使用してもよい。これらの中では、この分散液或いは懸濁液をそのまま使用することが好ましい。このことにより、SiH基が加水分解や縮合により消失することを防ぐことができる。
本発明の無機化合物微粒子は、化合物(A)により表面が改質され、そのときに残留するSiH基に、SiH基と反応することのできる化合物(B)を更に反応させるか、又は化合物(A)と化合物(B)を反応させ、次いで無機化合物粒子を更に反応させるかのいずれかにより得られうる表面改質された無機化合物微粒子である。SiH基と反応することのできる化合物(B)としては、例えば、C=C基、C≡C基、C=O基、NH基、SH基、COOH基、OH基、CLi基等を有している化合物を挙げることができる。これらの中では、反応性、生成する結合の安定性、生成物が着色し難いといった点で、C=C基やC≡C基の不飽和結合を有する化合物が好ましく、C=C基を有する化合物がより好ましい。なお、このときの付加反応はヒドロシリル化反応と呼ばれている。また、更には反応性が高く副反応が起き難いという点も含めて、ビニル化合物又はビニルエーテル化合物が更に好ましく、ビニル化合物が特に好ましく、下記一般式(3):
Figure 2010090008
で表される構成単位を少なくとも有する化合物が最も好ましい。
一般式(3)で表される構成単位を少なくとも有する化合物(B)としては、例えば、下記一般式(4):
Figure 2010090008
{式中、R5〜R7は、互いに独立して、置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、有機シリル基又は有機シロキシ基である。}、下記一般式(5):
Figure 2010090008
{式中、R8〜R12は、互いに独立して、置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、有機シリル基又は有機シロキシ基であり、そしてc≧1である。}、下記一般式(6):
Figure 2010090008
{式中、R13〜R16は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、そしてd≧0である。}、下記一般式(7):
Figure 2010090008
{式中、R17〜R26は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、e≧0であり、そしてf≧1である。}、下記一般式(8):
Figure 2010090008
{式中、R26〜R40は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、g≧0であり、h≧0であり、そしてi≧0である。}、又は下記一般式(9):
Figure 2010090008
{式中、R41〜R53は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、j≧0であり、k≧0であり、そしてl≧0である。}が挙げられる。
これらの中では、化合物(B)が無機化合物微粒子間の架橋因子になり得ず、結果的に、本発明の無機化合物微粒子を有機物及び/又はSi含有有機物の分散媒体へ分散させ無機化合物分散体としたときの分散性が優れる点で、前記一般式(3)で表される構成単位を1個有する化合物であることが好ましく、一般式(4)、一般式(5)、一般式(7)においてf=1の場合、一般式(8)等が挙げられる。更にこれらの化合物の中では、本発明の無機化合物微粒子を有機物及び/又はSi含有有機物の分散媒体へ分散させ無機化合物分散体としたときの分散性が非常に優れる点、該分散媒体が特には低極性媒体の場合に分散性が非常に優れる点、該分散体の流動性に優れる点、該分散体が膜や成形体のときの成形性に優れる点、該分散体の透明性、耐光性、耐熱性に優れる点、また、該無機化合物微粒子単独においても流動性や成形性を発現し得る点で、前記一般式(5)が特に好ましい。
一般式(5)において、R8は置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、有機シリル基又は有機シロキシ基を示すが、具体的には、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、又は一般式(10)で表されるトリアルキルシロキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基又は下記一般式(10):
Figure 2010090008
{式中、R54〜R56は、互いに独立に、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基である。}で表されるトリアルキルシロキシ基がより好ましく、n−ブチル基が特に好ましい。また、R8が反応性基を有していてもよい。
また、一般式(5)において、R9〜R12は置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、有機シリル基又は有機シロキシ基を示すが、具体的には、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基が好ましい。これらの置換基としては、耐熱性や耐光性が要求される用途においてはメチル基、エチル基がより好ましく、高屈折率が要求される用途においてはフェニル基がより好ましい。更には、入手性等も考慮すると、メチル基が特に好ましい。また、R9〜R12が反応性基を有していてもよい。cは、c≧1であるが、本発明の無機化合物微粒子を含有する無機化合物分散体としたときの分散性に優れる点でc≧3、改質基濃度を低減できる点でc≦1000が好ましい。同様の観点で、3〜500がより好ましく、6〜200が更に好ましく、8〜50が特に好ましく、10〜20が最も好ましい。分子量は、cの値に連動しており、300〜80000が好ましく、300〜40000がより好ましく、600〜15000が更に好ましく、700〜4000が特に好ましく、900〜2500が最も好ましい。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定から求められる重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比である分子量分布(Mw/Mnの値)は、無機化合物微粒子を含有する無機化合物分散体における分散性等の特性を再現性よく得られる点で、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下が更に好ましく、1.5以下が特に好ましく、1.3以下が最も好ましい。
一般式(5)で表される化合物としては、市販品を用いてもよいし、合成してもよい。市販品としては、MCR−V21、MCR−V31、MCR−V41(Gelest社製)等が挙げられる。一般式(5)で表される化合物の合成法としては、例えば、下記一般式(11):
Figure 2010090008
{式中、R57は置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、有機シリル基又は有機シロキシ基である。}で表される化合物を開始剤として、下記一般式(12):
Figure 2010090008
{式中、R58、及びR59は、互いに、独立に、置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、有機シリル基又は有機シロキシ基であり、そしてmは3又は4である。}で表される環状シロキサン化合物を、アニオンリビング重合して、下記一般式(13):
Figure 2010090008
{式中、R60、及びR61は、互いに独立に、置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、有機シリル基又は有機シロキシ基である。}で表されるクロロシラン誘導体によりアニオンリビング重合反応を停止する方法が、挙げられる。
本発明におけるアニオンリビング重合反応の開始剤としては、一般式(11)で表されるアルキルリチウム又はリチウムトリアルキルシラノレートが用いられ、具体的には、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルキルリチウム、或いはリチウムのトリメチルシラノレート、トリエチルシラノレート、トリプロピルシラノレート、トリブチルシラノレート等が挙げられ、n−ブチルリチウム又はリチウムトリメチルシラノレートが好ましい。
また、一般式(12)で表される環状シロキサン化合物としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、オクタエチルシクロテトラシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられ、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンが好ましく、ヘキサメチルシクロトリシロキサンがより好ましい。
このアニオンリビング重合反応により得られる一般式(5)で表される化合物の重合度は、一般式(11)で表される開始剤と一般式(12)で表される環状シロキサン化合物のmol比によって決まる。該mol比としては、[一般式(12)で表される環状シロキサン化合物のmol数/一般式(11)で表される開始剤のmol数]の値において、0より大きく、1〜500であることが好ましく、1.5〜100であることがより好ましく、2〜30であることが更に好ましく、2.5〜12であることが特に好ましく、3〜6であることが最も好ましい。
アニオンリビング重合反応に用いられる溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール系溶媒等が挙げられ、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール等のエーテル系溶媒が好ましく、テトラヒドロフランが特に好ましい。
アニオンリビング重合反応時の雰囲気は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、炭酸ガス等の不活性ガス、又は乾燥空気等の雰囲気下、流通下、減圧下、又は加圧下で行うことが好ましい。より好ましいガスは不活性ガスであり、更に好ましくは窒素である。
反応温度は、反応速度の観点、及び分子量分布を狭くできる点で、約−80〜60℃が好ましく、約−10〜30℃が好ましい。
一般式(13)におけるR60、及びR61としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。また、一般式(13)で表されるクロロシラン誘導体によりアニオンリビング重合反応を停止する際、一般式(13)で表されるクロロシラン誘導体の使用量としては、一般式(11)で表される開始剤に対して1〜10倍molが好ましく、1.1〜6倍molがより好ましく、1.2〜3倍molが更に好ましい。
化合物(A)により無機化合物微粒子の表面を改質し、そのときに残留するSiH基に化合物(B)を、例えばヒドロシリル化反応により導入する訳であるが、そのときの化合物(B)の使用量としては、残留するSiH基のmol数に対して、0.01倍mol以上であると無機化合物微粒子を含有する無機化合物分散体としたときの分散性に優れる点で好ましく、100倍mol以下であると未反応の化合物(B)の量を少なくできる点で好ましい。同様の観点で、0.1〜10倍molであるとより好ましく、0.2〜2倍molであると更に好ましく、0.4〜1.1倍molであると特に好ましい。
ヒドロシリル化反応を実施する場合の触媒としては、従来公知のものが使用可能である。例えば、周期表第8族の金属の単体、該金属固体をアルミナ、シリカ、酸化チタン、カーボンブラック等の担体に担持させたもの、該金属の塩、或いは該金属の錯体等が例示される。周期表第8族の金属としては、白金、ロジウム、ルテニウムが好ましく、特に白金が好ましい。白金を用いた触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンとの錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯体、ジカルボニルジクロロ白金、ジシクロペンタジエニルジクロロ白金等が挙げられる。
ヒドロシリル化反応の際に用いる触媒の量は、用いる無機化合物微粒子、用いる化合物(A)、化合物(A)の導入量、化合物(A)導入後のSiH基の残留量、用いる化合物(B)、用いる溶媒等により大きく異なるが、無機化合物微粒子と化合物(A)と化合物(B)の総質量に対し、周期表第8族の金属原子として、0.1ppm以上であると反応性の点で、2000ppm以下であると着色の少ない無機化合物微粒子又はその分散体を得られる点で好ましい。同様の観点で、1〜1000ppmであるとより好ましく、2〜500ppmであると更に好ましい。なお、ヒドロシリル化反応の際に用いる触媒の量は、反応途中において変化させてもよい。
ヒドロシリル化反応の際、溶媒を用いても用いなくてもよいが、溶媒を使用する場合には、溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、1種又は2種以上の混合物として用いることが可能である。
これらの中では、反応速度が比較的大きく、原料の溶解性及び/又は溶媒回収性の観点から、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が好ましい。更に、無機化合物微粒子に吸着しない点においては、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が好ましい。
ヒドロシリル化反応の際の反応温度は、用いる無機化合物微粒子、用いる化合物(A)、化合物(A)の導入量、化合物(A)導入後のSiH基の残留量、用いる化合物(B)、用いる溶媒、その他反応条件によっても異なるが、反応速度を高め、効率的に反応を進行させる観点において、約0〜250℃が好ましく、約10〜200℃がより好ましく、約20〜150℃が更に好ましく、約30〜120℃が特に好ましい。なお、反応温度は反応途中において変化させてもよい。また、好ましくは、反応途中において加熱攪拌しながら溶媒留去させることができる。この操作により反応性を上げることができ、無機化合物分散体としたときの分散性を向上させることができる。
ヒドロシリル化反応の際の雰囲気は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、炭酸ガス等の不活性ガス、又は乾燥空気等の雰囲気下、流通下、減圧下、又は加圧下で行うことが好ましい。より好ましいガスは不活性ガスであり、更に好ましくは窒素である。
ヒドロシリル化反応の際の攪拌方法としては、特に限定されるものではないが、通常の攪拌方法以外に、ボールミル、振動ミル、アトライター、ニーダー、超音波分散機、超音波ホモジナイザー、高圧分散機、ビーズミル等を用いてもよい。反応性を高める観点においては、特に原料として使用している無機化合物微粒子が凝集粉体の場合、より高い攪拌エネルギーを注入することが好ましい。
本発明の表面改質された無機化合物微粒子の製造においては、化合物(A)を無機化合物微粒子と反応させ、そのときに残留するSiH基に化合物(B)を更に反応させてもよいし、先に化合物(A)と化合物(B)をヒドロシリル化反応により反応させ、そのときに余っているSiH基を無機化合物微粒子と反応させてもよい。なお、先に化合物(A)と化合物(B)を反応させる場合における化合物(A)と化合物(B)の仕込み比としては、化合物(A)や化合物(B)の種類によって異なるが、「化合物(A)が有するSiH基のmol数」>「化合物(B)が有する反応性基、例えばビニル基のmol数」である必要がある。以上の2つの方法では、無機化合物微粒子の表面に、制御よく改質基を導入できる点で、化合物(A)を無機化合物微粒子と反応させ、そのときに残留するSiH基に化合物(B)を更に反応させる方が好ましい。
本発明の無機化合物微粒子は、化合物(A)を無機化合物微粒子と反応させ、そのときに残留するSiH基に化合物(B)を更に反応させるか、又は化合物(A)と化合物(B)を反応させ、次いで無機化合物微粒子を更に反応させるかのいずれかにより得られうる表面改質された無機化合物微粒子であるが、その他の表面改質剤を無機化合物微粒子の表面に導入していてもよい。その他の表面改質剤を併用することにより、改質基濃度を低減することができ、場合によっては分散性を向上させることもできる。その他の表面改質剤としては例えば、シランカップリング剤、SiH基を有する化合物、カルボン酸化合物、アルコール化合物、リン酸化合物、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、スルホン酸化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物等が挙げられる。これらの中では、加水分解に対する安定性、着色のし難さ、反応制御のし易さ等の観点から、シランカップリング剤、SiH基を有する化合物、リン酸化合物、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物が好ましい。その他の表面改質剤を併用する場合には、化合物(A)や化合物(B)の飽和導入量は当然ながら減ることになる。
本発明の、化合物(A)を無機化合物微粒子と反応させ、そのときに残留するSiH基に化合物(B)を更に反応させるか、又は化合物(A)と化合物(B)を反応させ、次いで無機化合物微粒子を更に反応させるかのいずれかにより得られうる表面改質された無機化合物微粒子の形態としては、溶媒を用いた場合においては、該溶媒中に分散した分散液の形態でよく、該溶媒を留去させた後の固体又は液体の形態でもよく、濾過により液相を除去した後の固体の形態でもよく、遠心分離により液相を除去した後の固体の形態でもよい。また、溶媒を用いない場合においては、固体又は液体の形態でもよい。なお、溶媒のない状態においては、通常は固体となるが、反応時に化合物(B)を過剰に使用した場合には、化合物(B)に該無機化合物微粒子が分散した液体として得ることもでき、また、化合物(B)の種類や導入量によっては該無機化合物微粒子自身が流動性を持ち、液体として得ることもできる。
本発明の無機化合物微粒子においては、該無機化合物微粒子を分散媒体中に分散させ、無機化合物分散体を得ることが好ましい。無機化合物分散体の分散媒体としては、有機物及び/又はSi含有有機物が好ましく、得られる無機化合物分散体は液体であっても固体であってもよい。該無機化合物分散体を得る方法としては、該無機化合物微粒子を製造する過程で用いた媒体をそのまま分散媒体とする方法(方法1)、方法1の分散体に新たな分散媒体を添加する方法(方法2)、方法1の分散体に新たな分散媒体を添加した後に元の媒体を留去する方法(方法3)、方法1の媒体を留去又は遠心分離により除いた後に新たな分散媒体を添加する方法(方法4)、無機化合物微粒子の表面に導入した置換基が分散媒体の役割を演じ、分散媒体を含有させない方法(方法5)、方法1〜方法5における分散媒体又は無機化合物微粒子の表面に導入した置換基が反応性基を有しており、該反応性基を反応させてなるオリゴマー、ポリマー等を分散媒体とする方法(方法6)等を挙げることができる。なお、どの方法についても、分散させる過程において各種攪拌処理を行ってもよい。
無機化合物分散体の分散媒体としては、有機物及び/又はSi含有有機物が好ましく、例として、水、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。
成形性、接着性、可撓性等を付与する目的で有機樹脂を分散媒体として用いることができ、有機樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。また、これら有機樹脂のモノマー化合物を分散媒体として用いてもよい。分散媒体に用いられるSi含有有機物としては、シランカップリング剤、反応性又は未反応性のシリコーン等が挙げられる。これらの分散媒体は、1種又は2種以上の混合物として用いることが可能である。用いる分散媒体は、用途に応じて使い分ければよいが、本発明の無機化合物微粒子は低極性媒体中への分散性が特に優れていることから、分散媒体としては低極性媒体が好ましい。その中でも、無機化合物分散体としたときの流動性、成形性、耐熱性、耐光性等に優れていることから、分散媒体としてはシリコーンが特に好ましい。
本発明の無機化合物微粒子及び/又は無機化合物分散体には、本発明の範囲を逸脱しない量的及び質的範囲内で、染料、色素、劣化防止剤、離型剤、希釈剤、粘度調整剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤、帯電防止剤、消泡剤、レベリング剤、触媒、重合開始剤、重合禁止剤、ワックス類、スリップ剤、腐食防止剤、防錆剤、難燃剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を配合することができる。
本発明の無機化合物微粒子及び/又は無機化合物分散体は、顔料、紫外線吸収剤、触媒、光触媒、触媒担体、吸着剤、脱臭剤、バイオリアクター、充填剤、研磨剤、接着剤、インキ、塗料、樹脂のフィラー、化粧品、コート剤、帯電防止剤、防菌剤、防汚剤、機械部品材料、自動車部品材料、土木建築材料、成型材料の成分として、また、光学部品用又は電子部品用の、接着剤、コート材、フォトレジスト、シール材、封止材、絶縁材、レンズ材、基板材、太陽電池等の成分として有用である。光学部品又は電子部品としては、具体的には、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、CDやDVDのピックアップ用レンズ、自動車ヘッドランプ用レンズ、プロジェクター用レンズ等のレンズ材料、光ファイバー、光導波路、カラーフィルター等の光フィルター、光学用接着剤、光ディスク基板、光ディスクの光透過層、色素増感太陽電池、CMP用スラリー、層間絶縁層、プリント配線板、銅張積層板等の積層板、ディスプレイ基板、導光板、拡散板、反射防止膜等、また、半導体、光半導体、液晶、有機EL等の封止材等が挙げられる。
本発明について、以下具体的に説明する。
本実施例において、1H−NMR測定及び29Si−NMR測定には、JEOL GSX−400を用いた。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定には、カラムとしてShodex KF−804L(昭和電工社製)、ポンプとしてLC−10AT(島津製作所社製)、検出器としてRID−6A(RI:示差屈折計、島津製作所社製)、移動相としてトルエンを用いた。ガスクロマトグラフィー測定には、GC−1700(島津製作所社製)、カラムとしてはDB−1(J&W Scientific社製)を用いた。FT−IR測定には、Spectrum One(PERKIN ELMER社製)を用いた。
また、本実施例における物性評価は次の方法で実施した:
(1)加水分解に対する結合安定性
無機化合物微粒子の表面の改質後における、M−O−Si結合の加水分解に対する結合安定性を調べる。表面改質された無機化合物微粒子100質量部に、トルエン10000質量部及び水20質量部を加えた後、60℃で30分攪拌した。この処理液を濾過洗浄することにより処理後粉体を得た。処理前と処理後の表面改質剤の導入量を比較し、処理後における導入量の保持率が、100〜80%のとき◎、80〜50%のとき○、50〜10%のとき△、10〜0%のとき×とした。なお、処理前と処理後の粉体における表面改質剤の導入量は、EMIA−920V(堀場製作所社製)を用いて炭素分析を行うことにより求めた。
(2)分散性
表面改質された無機化合物微粒子の懸濁液(又は分散液)の分散性を目視で経時的に評価し、1ヶ月後においても上澄み液に微粒子が多量に分散して濁りが大きいとき「5」、1ヶ月後においても上澄み液に微粒子が分散しており半透明のとき「4」、1ヶ月後には上澄み液が無色透明になるとき「3」、1日後には上澄み液が無色透明になるとき「2」、反応の2時間後には上澄み液が無色透明になるとき「1」とした。
[化合物(B)の合成例1]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコ内に、n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液(1.6mol/l)22mlを入れ、滴下ロート内にヘキサメチルシクロトリシロキサン15.7gと脱水テトラヒドロフラン65mlの溶液を入れた。氷浴下、フラスコ内に脱水テトラヒドロフラン22mlを入れ、30分攪拌した後、徐々に滴下を行った。滴下終了後、室温にて4時間攪拌した後、ジメチルビニルクロロシラン9.65gを入れ、室温で15分攪拌した。ここに、水52.4g、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液43.1gを入れて中和した。この反応液中のテトラヒドロフラン及びヘキサンを減圧留去した後、分液ロートを用いて水/ヘキサンでの洗浄を行い、無水硫酸マグネシウムを添加して1晩静置した。得られた処理液を減圧濾過し、濾液を加熱減圧処理により溶媒留去してから、更に120℃で2時間真空乾燥を行い、ほぼ無色透明の液体化合物を得た。得られた化合物は、1H−NMR測定より、一般式(5)においてR8=n−ブチル基、R9=R10=R11=R12=メチル基、c=7.3で表される化合物であることが分かった。また、GPC測定より、Mn=1210、Mw/Mn=1.16であった。
[化合物(B)の合成例2]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコ内に、n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液(1.6mol/l)25mlを入れ、滴下ロート内にヘキサメチルシクロトリシロキサン35.5gと脱水テトラヒドロフラン150mlの溶液を入れた。氷浴下、フラスコ内に脱水テトラヒドロフラン25mlを入れ、30分攪拌した後、徐々に滴下を行った。滴下終了後、室温にて4時間攪拌した後、ジメチルビニルクロロシラン9.62gを入れ、室温で1時間攪拌した。ここに、水72g、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液50.3gを入れて中和した。この反応液中のテトラヒドロフラン及びヘキサンを減圧留去した後、分液ロートを用いて水/ヘキサンでの洗浄を行い、無水硫酸マグネシウムを添加して1晩静置した。得られた処理液を減圧濾過し、濾液を加熱減圧処理により溶媒留去してから、更に150℃で4時間真空乾燥を行い、ほぼ無色透明の液体化合物を得た。得られた化合物は、1H−NMR測定より、一般式(5)においてR8=n−ブチル基、R9=R10=R11=R12=メチル基、c=15.0で表される化合物であることが分かった。また、GPC測定より、Mn=1892、Mw/Mn=1.17であった。
[化合物(A)と化合物(B)の反応例]
窒素雰囲気下、還流管及びスターラーバーを備えた3口フラスコ内に、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.508g、[化合物(B)の合成例2]で得られた化合物2.65g、脱水トルエン28.5g、白金元素換算で100ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液0.66gを添加し、80℃で7時間攪拌することにより、化合物(A)と化合物(B)の反応液を得た。反応液から一部小分けし、29Si−NMR測定を行ったところ、Si−ビニル基が消失しており、反応の進行を確認できた。また、GPC測定を行ったところ、仕込んだ1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの16%が残留していた。よって、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと[化合物(B)の合成例2]で得られた化合物を等mol仕込んでいたことを考慮すると、本反応により複数の生成物ができていることが分かる。
[参考例1]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.79g、脱水ヘキサン32.3gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.25g、脱水ヘキサン6.1gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で4時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は42mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は40%であった。懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.51、また、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは3.02であることが分かった。よって、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは2.0である。更に、懸濁液を濾過洗浄することにより採取した粉体について、加水分解に対する結合安定性の評価を実施したところ、◎の結果であった。
[参考例2]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.94g、脱水トルエン40.9gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.776g、脱水トルエン6.5gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で6時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は44mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は14%であった。懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.58、また、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは3.30であることが分かった。よって、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは1.9である。
[参考例3]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.94g、脱水トルエン34.6gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.081g、脱水トルエン6.5gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で6時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は24mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は71%であった。懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは0.58、また、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは0.67であることが分かった。よって、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは2.8である。
[参考例4]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.91g、脱水ヘキサン34.6gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.185g、脱水ヘキサン6.5gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で3時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は42mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は54%であった。懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.35、また、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは2.46であることが分かった。よって、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは2.2である。更に、懸濁液を濾過洗浄することにより採取した粉体について、加水分解に対する結合安定性の評価を実施したところ、◎の結果であった。
[参考例5]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.89g、脱水ヘキサン33.9gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)としてヘキシルシラン0.368g、脱水ヘキサン6.4gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で4時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は105mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は45%であった。懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは4.10、また、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは4.88であることが分かった。よって、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは1.8である。更に、懸濁液を濾過洗浄することにより採取した粉体について、加水分解に対する結合安定性の評価を実施したところ、◎の結果であった。
[参考例6]
参考例1で得られた、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を濾過することにより粉体を採取した後、105℃真空乾燥を2時間行った。この粉体をKBrと混合してFT−IR測定を行ったところ、<2170cm-1(SiH基)ピークの面積/1270cm-1(SiMe基)ピークの面積>の値は、0.15であった。なお、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのFT−IR測定を行うと、<2170cm−1(SiH基)ピークの面積/1270cm−1(SiMe基)ピークの面積>の値は、3.83であった。参考例1においては、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rが2.0であったことを考慮すると、本参考例での後処理により、SiH基量が減少したことが分かる。
[比較例1]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.91g、脱水ヘキサン33.9gを入れ、滴下ロート内に1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3−ジメチルジシロキサン0.906g、脱水ヘキサン6.4gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で6時間攪拌し、表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は29mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は18%であった。懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3−ジメチルジシロキサンの導入量Pは1.08、また、1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3−ジメチルジシロキサンで改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは0.15であることが分かった。よって、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは1.9である。更に、懸濁液を濾過洗浄することにより採取した粉体について、加水分解に対する結合安定性の評価を実施したところ、△の結果であった。
[比較例2]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.90g、脱水ヘキサン33.8gを入れ、滴下ロート内にメチルフェニルシラン0.390g、脱水ヘキサン6.4gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で4時間攪拌し、表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は71mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は44%であった。懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、メチルフェニルシランの導入量Pは3.55、また、メチルフェニルシランで改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは2.16であることが分かった。よって、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは1.4である。更に、懸濁液を濾過洗浄することにより採取した粉体について、加水分解に対する結合安定性の評価を実施したところ、△の結果であった。
[比較例3]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.88g、脱水ヘキサン33.5gを入れ、滴下ロート内にジフェニルシラン0.584g、脱水ヘキサン6.3gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で4時間攪拌し、表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は49mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は31%であった。懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析することにより、ジフェニルシランの導入量Pは2.58、また、ジフェニルシランで改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは1.72であることが分かった。よって、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは1.3である。更に、懸濁液を濾過洗浄することにより採取した粉体について、加水分解に対する結合安定性の評価を実施したところ、△の結果であった。
[比較例4]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.84g、脱水ヘキサン32.8gを入れ、滴下ロート内に1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン0.413g、脱水ヘキサン6.2gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で4時間攪拌し、表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は54mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は35%であった。懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析すると、副生成物が生成していた。また、懸濁液を濾過洗浄することにより採取した粉体について、炭素分析を行うことにより、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの導入量Pは2.09であることが分かった。更に、懸濁液を濾過洗浄することにより採取した粉体について、加水分解に対する結合安定性の評価を実施したところ、「△」の結果であった。
[実施例1]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)2.68g、脱水ヘキサン48.9gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.261g、脱水ヘキサン9.2gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で4時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は60mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は54%であった。また、該懸濁液を1晩静置後の上澄み液を少量抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.35、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは2.47、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは2.2であることが分かった。ここでの化合物(A)で改質された無機化合物微粒子は[参考例1]や[参考例4]のときと類似のものであり、加水分解に対する結合安定性の評価は◎である。
続いて、窒素雰囲気下、該懸濁液に、化合物(B)として[合成例1]で得られた化合物1.10g、脱水ヘキサン9.2gの溶液を添加し、攪拌しながら60℃に昇温した。このときの化合物(B)の添加量は、残留するSiH基のmol数に対して0.8倍molに相当する。これに、白金元素換算で1000ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のヘキサン溶液<白金溶液A>0.42gを添加した。60℃で2時間攪拌した後、<白金溶液A>0.44gを追添し、更に60℃で2時間攪拌した後、<白金溶液A>0.42gを追添し、更に60℃で2時間攪拌した後、<白金溶液A>0.43gを追添し、更に60℃で3時間攪拌した。得られた懸濁液の分散性評価は「2」であった。
[実施例2]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)2.70g、脱水トルエン48.7gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.262g、脱水トルエン9.2gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で6時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は66mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は60%であった。また、該懸濁液を1晩静置後の上澄み液を少量抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.35、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは2.18、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは2.4であることが分かった。ここでの化合物(A)で改質された無機化合物微粒子は[参考例1]や[参考例4]のときと類似のものであり、加水分解に対する結合安定性の評価は◎である。
続いて、窒素雰囲気下、該懸濁液に、化合物(B)として[合成例2]で得られた化合物2.20g、脱水トルエン9.2gの溶液を添加し、攪拌しながら80℃に昇温した。このときの化合物(B)の添加量は、残留するSiH基のmol数に対して1.0倍molに相当する。これに、白金元素換算で0.55%の白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のヘキサン溶液[白金溶液B]0.92gを添加した。80℃で2時間攪拌、100℃で2時間攪拌した後、[白金溶液B]0.48gを追添し、更に100℃で5時間攪拌した。得られた懸濁液の分散性評価は「4」であった。
[実施例3]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)2.73g、脱水ヘキサン49.1gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.262g、脱水ヘキサン9.2gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で5時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は60mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は55%であった。また、該懸濁液を1晩静置後の上澄み液を少量抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.33、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは2.41、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは2.2であることが分かった。ここでの化合物(A)で改質された無機化合物微粒子は[参考例1]や[参考例4]のときと類似のものであり、加水分解に対する結合安定性の評価は◎である。
続いて、窒素雰囲気下、該懸濁液に、化合物(B)として[合成例2]で得られた化合物1.86g、脱水ヘキサン9.2gの溶液を添加し、攪拌しながら60℃に昇温した。このときの化合物(B)の添加量は、残留するSiH基のmol数に対して0.8倍molに相当する。これに、白金元素換算で1000ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のヘキサン溶液<白金溶液A>0.48gを添加した。60℃で2時間攪拌した後、<白金溶液A>0.49gを追添し、更に60℃で2時間攪拌した後、<白金溶液A>0.49gを追添し、更に60℃で2時間攪拌した後、<白金溶液A>0.51gを追添し、更に60℃で3時間攪拌した。得られた懸濁液の分散性評価は「4」であった。
[実施例4]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.81g、脱水トルエン32.2gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.242g、脱水ヘキサン6.1gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で6時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は46mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は45%であった。また、該懸濁液を1晩静置後の上澄み液を少量抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.46、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは2.55、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは2.3であることが分かった。ここでの化合物(A)で改質された無機化合物微粒子は[参考例1]や[参考例4]のときと類似のものであり、加水分解に対する結合安定性の評価は◎である。
続いて、窒素雰囲気下、該懸濁液に、化合物(B)としてDMS−V05(一般式(6)で表される両末端ビニルポリジメチルシロキサン、Gelest社製)3.57g、脱水トルエン6.1gの溶液を添加し、攪拌しながら80℃に昇温した。このときの化合物(B)の添加量は、残留するSiH基のmol数に対して1.4倍molに相当する。これに、白金元素換算で1000ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のヘキサン溶液<白金溶液A>0.27gを添加した。80℃で3時間攪拌した後、<白金溶液A>0.59gを追添し、更に80℃で4時間攪拌した後、<白金溶液A>0.30gを追添し、更に80℃で3時間攪拌した。得られた懸濁液の分散性評価は「3」であった。
[実施例5]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.74g、脱水ヘキサン32.1gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.172g、脱水ヘキサン6.0gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で7時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は39mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は54%であった。また、該懸濁液を1晩静置後の上澄み液を少量抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.36、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは2.52、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは2.2であることが分かった。ここでの化合物(A)で改質された無機化合物微粒子は[参考例1]や[参考例4]のときと類似のものであり、加水分解に対する結合安定性の評価は◎である。
続いて、窒素雰囲気下、該懸濁液に、化合物(B)としてビニルペンタメチルジシロキサン0.275g、脱水ヘキサン6.0gの溶液を添加し、攪拌しながら60℃に昇温した。このときの化合物(B)の添加量は、残留するSiH基のmol数に対して1.2倍molに相当する。これに、白金元素換算で1000ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のヘキサン溶液<白金溶液A>0.25gを添加した。60℃で2時間攪拌した後、<白金溶液A>0.25gを追添し、更に60℃で2時間攪拌した後、<白金溶液A>0.25gを追添し、更に60℃で2時間攪拌した後、<白金溶液A>0.25gを追添し、更に60℃で2時間攪拌した。得られた懸濁液の分散性評価は「2」であった。また、懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、ビニルペンタメチルジシロキサンの未反応分が検出されるのみで、副生成物は生成していなかった。
[実施例6]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.85g、脱水ヘキサン12.4gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.182g、脱水ヘキサン6.2gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で6時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は43mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は56%であった。また、該懸濁液を1晩静置後の上澄み液を少量抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.37、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは2.40、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは2.2であることが分かった。ここでの化合物(A)で改質された無機化合物微粒子は[参考例1]や[参考例4]のときと類似のものであり、加水分解に対する結合安定性の評価は◎である。
続いて、窒素雰囲気下、該懸濁液に、化合物(B)として[合成例2]で得られた化合物1.68gと脱水ヘキサン26.9gの溶液を添加し、攪拌しながら60℃に昇温した。このときの化合物(B)の添加量は、残留するSiH基のmol数に対して1.0倍molに相当する。これに、白金元素換算で1000ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のヘキサン溶液<白金溶液A>0.73gを添加した。60℃で6時間攪拌した後、<白金溶液A>0.74gを追添し、更に60℃で1時間攪拌した。そして、67℃で攪拌しながら、窒素気流下において3時間かけて溶媒を留去した。更に、80℃で2時間加熱した後、80℃での真空乾燥を2時間行った。これに、脱水ヘキサン50gを添加し、室温で2時間攪拌した。得られた懸濁液の分散性評価は「5」であった。また、この懸濁液の上澄み分散液100質量部とDMS−V05(両末端ビニルシリコーン、Gelest社製)100質量部を混合した後、ヘキサンを減圧留去することにより、分散媒体をシリコーンに置換した。この液の分散性評価は「5」であった。
[実施例7]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)2.05g、脱水ヘキサン36.8gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.197g、脱水ヘキサン6.9gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で4時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は48mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は58%であった。また、該懸濁液を1晩静置後の上澄み液を少量抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.33、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは2.26、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは2.3であることが分かった。ここでの化合物(A)で改質された無機化合物微粒子は[参考例1]や[参考例4]のときと類似のものであり、加水分解に対する結合安定性の評価は◎である。
続いて、窒素雰囲気下、該懸濁液に、化合物(B)としてMCR−V41(一般式(5)で表される片末端ビニルポリジメチルシロキサン、Gelest社製)3.95gと脱水ヘキサン8.9gの溶液を添加し、攪拌しながら60℃に昇温した。このときの化合物(B)の添加量は、残留するSiH基のmol数に対して0.1倍molに相当する。これに、白金元素換算で1000ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のヘキサン溶液<白金溶液A>0.61gを添加した。60℃で2時間攪拌した後、<白金溶液A>0.62gを追添し、更に60℃で3時間攪拌した後、<白金溶液A>0.61gを追添し、更に60℃で2時間攪拌した後、<白金溶液A>0.62gを追添し、更に60℃で2時間攪拌した。得られた懸濁液の分散性評価は「5」であった。
[実施例8]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.84g、脱水ヘキサン32.7gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.255g、脱水ヘキサン6.1gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で3時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は38mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は36%であった。また、該懸濁液を1晩静置後の上澄み液を少量抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.52、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは3.34、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは1.8であることが分かった。ここでの化合物(A)で改質された無機化合物微粒子は[参考例1]や[参考例4]のときと類似のものであり、加水分解に対する結合安定性の評価は◎である。
続いて、窒素雰囲気下、該懸濁液に、化合物(B)として1−オクタデセン0.837gと脱水ヘキサン6.1gの溶液を添加し、攪拌しながら60℃に昇温した。このときの化合物(B)の添加量は、残留するSiH基のmol数に対して1.2倍molに相当する。これに、白金元素換算で1000ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のヘキサン溶液<白金溶液A>1.03gを添加した。60℃で8時間攪拌した後、<白金溶液A>0.62gを追添し、更に60℃で2時間攪拌した。得られた懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、副生成物が生成していた。得られた懸濁液の分散性評価は「4」であった。
[実施例9]
窒素雰囲気下、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコに、水素発生量を測定するための水素捕集管を連結した。フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.79g、脱水ヘキサン32.2gを入れ、滴下ロート内に化合物(A)として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.249g、脱水ヘキサン6.1gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で3時間攪拌し、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
反応終了時における水素発生量は38mlであり、仕込んだ全SiH基に対するSiH基の反応率は37%であった。また、該懸濁液を1晩静置後の上澄み液を少量抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析することにより、化合物(A)の導入量Pは1.52、化合物(A)で改質された無機化合物微粒子の表面における、SiH基の残留量Qは3.24、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rは1.9であることが分かった。ここでの化合物(A)で改質された無機化合物微粒子は[参考例1]や[参考例4]のときと類似のものであり、加水分解に対する結合安定性の評価は◎である。
続いて、窒素雰囲気下、該懸濁液に、化合物(B)として1−オクテン0.361gと脱水ヘキサン6.0gの溶液を添加し、攪拌しながら40℃に昇温した。このときの化合物(B)の添加量は、残留するSiH基のmol数に対して1.2倍molに相当する。これに、白金元素換算で200ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のヘキサン溶液<白金溶液C>0.48gを添加した。40℃で1時間攪拌した後、<白金溶液C>0.84gを追添し、更に60℃で3時間攪拌した後、<白金溶液C>5.2gを追添し、更に60℃で6時間攪拌した。得られた懸濁液から濾過により採取した濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、副生成物が生成していた。得られた懸濁液の分散性評価は「2」であった。
[実施例10]
窒素雰囲気下、還流管、滴下ロート及びスターラーバーを備えた3口フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.89g、脱水トルエン34.2gを入れ、滴下ロート内に[化合物(A)と化合物(B)の反応例]で得られた化合物(A)と化合物(B)の反応液13.6g、脱水トルエン3.2gを入れた。40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で4時間攪拌した。更に、滴下ロート内に[化合物(A)と化合物(B)の反応例]で得られた化合物(A)と化合物(B)の反応液6.7g、脱水トルエン1.7gを入れてから、40℃で攪拌しながら滴下を実施した後、40℃で2時間攪拌することにより、化合物(A)と化合物(B)の反応物により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を得た。
得られた懸濁液の分散性評価は「5」であった。また、この懸濁液の上澄み分散液100質量部とDMS−V05(両末端ビニルシリコーン、Gelest社製)100質量部を混合した後、トルエンを減圧留去することにより、分散媒体をシリコーンに置換した。この液の分散性評価は「4」であった。更に、懸濁液を濾過洗浄することにより採取した粉体について、加水分解に対する結合安定性の評価を実施したところ、○の結果であった。
[比較例5]
窒素雰囲気下、還流管及びスターラーバーを備えた3口フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)2g、脱水ヘキサン38gを入れた後、60℃で2時間攪拌した。得られた懸濁液の分散性評価は「1」であった。
[比較例6]
窒素雰囲気下、還流管及びスターラーバーを備えた3口フラスコ内に、120℃で2時間真空乾燥させた酸化チタン粉体ST−01(一次粒子径7nm、石原産業社製)1.64g、ステアリン酸0.78g、脱水ヘキサン34.6gを入れた後、60℃で2時間攪拌した。
得られた懸濁液を濾過洗浄することにより採取した粉体について、TGA分析を行うことにより、ステアリン酸の導入量Pは3.33であることが分かった。また、得られた懸濁液の分散性評価は「2」であり、懸濁液を濾過洗浄することにより採取した粉体について、加水分解に対する結合安定性の評価を実施したところ、×の結果であった。
以上の結果から、参考例1〜参考例5において化合物(A)を無機化合物微粒子の表面に導入できており、SiH基が残留しているので、続いて化合物(B)を導入できることが分かる。そして、参考例1〜参考例5において得られた無機化合物微粒子は、比較例1〜比較例4の場合と比べ、SiH基の残留量、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数、加水分解に対する結合安定性、副生成物の生成有無の観点で優れていることが分かる。参考例1〜参考例5において得られた無機化合物微粒子は、比較例6と比べても、結合安定性に優れている。
また、参考例1と参考例2においては、該参考例での化合物(A)の導入量Pは、該参考例の反応条件での飽和導入量に達しており、よって、ここでのSiH基の残留量Qの値、反応したSiH基の平均個数Rの値は、該参考例の系においては理想的な値であることが分かる。このことから、参考例3でのP、Q、Rの値よりも、参考例4でのP、Q、Rの値の方が好ましく、参考例1や参考例2でのP、Q、Rの値の方がより好ましい。
また、参考例6のように、化合物(A)を液中にて反応させた後に、濾過や乾燥等により粉体化処理を行うと、SiH基量が減少した。よって、化合物(B)を続いて反応させるときには、化合物(A)により表面が改質された無機化合物微粒子の懸濁液を、粉体化処理せずに、そのまま反応に用いた方が好ましい。実施例5のように、一般式(3)で表される構成単位を少なくとも有する化合物(B)を用いると、一般式(3)で表される構成単位を有さない化合物(B)を用いている実施例8や実施例9に比べ、ヒドロシリル化反応を副反応なく進行させることが可能であり好ましい。
本発明によれば、実施例1〜実施例10から分かるように、加水分解に対する結合安定性が優れているだけでなく、ヘキサン、トルエン、シリコーンといった、無機化合物が分散し難い低極性媒体においても、優れた分散性を示す無機化合物微粒子を得ることができる。実施例2及び実施例3と、実施例4を比べると、本発明に用いる化合物(B)としては、一般式(3)で表される構成単位を1個有する化合物であることが、分散性に優れる点で好ましいことが分かる。実施例1、実施例2、実施例3、実施例7の結果から、一般式(5)で表される化合物(B)において、cの値は大きい方が、分散性に優れる点で好ましい。実施例2及び実施例3に対し、実施例6のように、ヒドロシリル化反応途中において加熱攪拌しながら溶媒留去することにより、分散性を更に向上させることができる。
実施例10のように、化合物(A)と化合物(B)を反応させ、次いで無機化合物微粒子を更に反応させた場合も、優れた分散性を示す無機化合物微粒子を得ることができる。ただし、化合物(A)と化合物(B)の反応時において複数の生成物ができているため、無機化合物微粒子の表面に制御よく改質基を導入できる点では、化合物(A)を無機化合物微粒子と反応させ、そのときに残留するSiH基に化合物(B)を更に反応させる方がより好ましい。
以上のことから、本発明によれば、粒子表面での改質反応が制御されており、有機媒体への分散性に優れ、長期に分散安定性を保持できるような無機化合物微粒子を得ることができる。
本発明に係る表面改質された無機化合物微粒子は、粒子表面での改質反応が制御されており、有機媒体への分散性に優れ、長期に分散安定性を保持できることから、電子材料用途や光学材料用途等に有用である。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 2010090008
    {式中、R1、R2、及びR3は、互いに独立して、水素、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基、又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、a≧3であり、そしてb≧0である。}で表される化合物又は下記一般式(2):
    Figure 2010090008
    {式中、R4は、炭素数1〜30の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜30の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜30の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜30の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜30の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基、又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基である。}で表される化合物(A)を、無機化合物微粒子と、反応させ、次いで、そのときに残留するSiH基に、該SiH基と反応することのできるC=C基、C≡C基、C=O基、NH基、SH基、COOH基、OH基、及びCLi基から成る群から選ばれる基を有する化合物(B)を、さらに反応させるか、又は該化合物(A)と該化合物(B)を反応させ、次いで該無機化合物微粒子をさらに反応させるかのいずれかにより得られうる表面改質された無機化合物微粒子。
  2. 前記化合物(B)が、下記一般式(3):
    Figure 2010090008
    で表される構成単位を有する、請求項1に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
  3. 前記一般式(3)で表される構成単位を有する化合物(B)が、下記一般式(4):
    Figure 2010090008
    {式中、R5〜R7は、互いに独立して、置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、有機シリル基又は有機シロキシ基である。}、下記一般式(5):
    Figure 2010090008
    {式中、R8〜R12は、互いに独立して、置換若しくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、有機シリル基又は有機シロキシ基であり、そしてc≧1である。}、下記一般式(6):
    Figure 2010090008
    {式中、R13〜R16は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基、又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、そしてd≧0である。}、下記一般式(7):
    Figure 2010090008
    {式中、R17〜R26は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基、又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、e≧0であり、そしてf≧1である。}、下記一般式(8):
    Figure 2010090008
    {式中、R26〜R40は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基、又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、g≧0であり、h≧0であり、そしてi≧0である。}、又は下記一般式(9):
    Figure 2010090008
    {式中、R41〜R53は、互いに独立して、炭素数1〜20の置換若しくは非置換の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の分岐鎖状アルキル基、炭素数4〜20の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、炭素数6〜20の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換の有機シリル基、又は置換若しくは非置換の有機シロキシ基であり、j≧0であり、k≧0であり、そしてl≧0である。}である、請求項2に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
  4. 無機化合物微粒子の表面への化合物(A)の導入量Pを、『化合物(A)の導入mol数(mol)×106/[無機化合物微粒子の比表面積(m2/g)×無機化合物微粒子の重量(g)]』と定義したとき、Pの値が0.01〜30である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
  5. 無機化合物微粒子に化合物(A)を反応させた後での、無機化合物微粒子の表面におけるSiH基の残留量Qを、『無機化合物微粒子の表面におけるSiH基の残留mol数(mol)×106/[無機化合物微粒子の比表面積(m2/g)×無機化合物微粒子の重量(g)]』と定義したとき、Qの値が0.01〜50である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
  6. 化合物(A)が、一般式(1)においてa≧4で表される化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
  7. 化合物(A)が1分子中に有する複数個のSiH基のうち、無機化合物微粒子の表面と反応したSiH基の平均個数Rの値が、0.5〜a−0.5である、請求項6に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
  8. 前記無機化合物微粒子が無機酸化物微粒子である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
  9. 前記無機酸化物微粒子が酸化チタン微粒子である、請求項8に記載の表面改質された無機化合物微粒子。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面改質された無機化合物微粒子を含有することを特徴とする無機化合物分散体。
  11. 前記無機化合物分散体の分散媒体が有機物及び/又はSi含有有機物である、請求項10に記載の無機化合物分散体。
  12. 無機化合物微粒子と化合物(A)の反応を液相中で行い、次いで、その液相中でさらに化合物(B)を反応させることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面改質された無機化合物微粒子の製造方法。
  13. 前記化合物(A)と前記化合物(B)を反応させ、次いで前記無機化合物微粒子をさらに反応させることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面改質された無機化合物微粒子の製造方法。
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