JPH1158179A - 工作機械の熱変位補正方法および装置 - Google Patents

工作機械の熱変位補正方法および装置

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JPH1158179A
JPH1158179A JP16114998A JP16114998A JPH1158179A JP H1158179 A JPH1158179 A JP H1158179A JP 16114998 A JP16114998 A JP 16114998A JP 16114998 A JP16114998 A JP 16114998A JP H1158179 A JPH1158179 A JP H1158179A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工作機械の構造物の熱変位を補正して高精度
でワークを加工し得るようにする。 【解決手段】 工作機械を構成する構造物であるベース
11やコラム12の複数の個所の温度を構造物温度検出
器としての温度センサ31〜34により検出し、この検
出と同時に、ベース11やコラム12に対して熱的に絶
縁された基準ブロック17の温度を基準温度検出器とし
ての温度センサ35により検出し、それぞれの温度セン
サ31〜35に検出された温度データに基づいて工具1
5のワーク16に対する相対移動を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工作機械の熱変位を
補正して高精度でワークを加工するようにした工作機械
の熱変位補正技術に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械は主に金属製の被加工物つまり
ワークの不要部分を切削、研削その他の方法によって除
去してワークを所要の寸法に加工する機械であって、旋
盤、ボール盤、中ぐり盤、研削盤そしてマシニングセン
タなどの種々のものがある。
【0003】旋盤はワークを主軸により回転させた状態
で工具を送り運動させて、ワークを丸削りしたり、突切
りしたり、正面削りする工作機械であり、ボール盤は主
としてドリルを使用してワークに穴あけ加工する工作機
械であり、ドリルは主軸とともに回転して軸方向に送ら
れる。中ぐり盤は工具を主軸とともに回転させてワーク
または工具に送り運動を与えて、既に加工された穴を所
定の寸法までくり広げる際に使用される工作機械であ
り、この中ぐり盤には面削りやフライス削りなどを行う
ものもある。
【0004】研削盤は砥石を高速回転させてワークを研
削加工する工作機械である。そして、マシニングセンタ
は、ワークの複数個所に、たとえばフライス削り、穴あ
け、中ぐり、ねじ切りおよび旋盤などの種々の作業をワ
ークを取り外すことなく行うようにした工作機械であ
り、自動工具交換装置を備えたものが多い。
【0005】さらに、工作機械には、平削り盤、フライ
ス盤、形削り盤、ブローチ盤、トランスファーマシンな
どのように種々のものがある。
【0006】これらの工作機械は、基本的に、工作機械
本体を構成するベッドなどの構造物と、工具あるいはワ
ークを駆動させるための主運動機構と、工具とワークと
を相対移動させる位置調整機構と、この位置調整機構の
作動を制御して工具とワークとの相対移動を制御するた
めの制御機構とを有しており、ワークを高精度で加工す
るためには、主運動機構や位置調整機構を所定の精度で
作動させることが必要となる。
【0007】加工精度を低下させる要因としては、工作
機械本体を構成するベッドなどの構造物の熱変位が考え
られており、熱によって機械本体に変形ないし変位が生
ずると、工具とワークとの相対位置が設定位置よりもず
れることになり、加工精度に悪影響を及ぼすことになる
ので、機械本体であるベッドの形状によって熱変位を少
なくするような試みがなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、工作機械に
は、主軸を駆動したりワークを移動するための主軸モー
タやサーボモータあるいは油圧モータが組み込まれ、摺
動面に潤滑油を供給するために油圧ポンプが組み込ま
れ、さらに、ワークの加工部分に切削液を供給するため
の切削液供給ポンプなどが組み込まれている。このた
め、これらの部分から発生する熱により構造物が熱変位
して、加工精度に悪影響を与えることになり、構造物の
形状などを改良して熱変位を抑制することには限度があ
る。
【0009】そこで、モータなどの熱源に起因した構造
物の熱変位による加工精度の悪影響を防止するために、
工作機械の複数の部位の温度と熱変位との関係を実験に
より求めて、その補正値を制御機構であるNC制御部に
入力して、熱変位補正を行うようにした試みが、たとえ
ば、特開平5−2414号公報に記載されるように、な
されている。
【0010】工作機械の構造物は複雑な形状となってお
り、構造物の各部位は種々の異なった温度分布となるの
で、構造物に取り付ける温度センサの位置や数を特定す
ることは困難であり、これまでの補正方向は一次元的で
あり、工作機械の使用範囲の全てを満たす補正は従来の
熱変位補正では不可能と考えられていた。
【0011】そこで、熱変位補正を行う場合に、工作機
械本体の一部に基準温度検出用の温度センサを取り付
け、この温度センサにより検出された温度値をもとに熱
変位補正値を算出するようにしており、一般的には大気
などの温度を検出してそれを基準温度とし、それと工作
機械本体の温度との温度差を係数として、熱変位補正を
行うようにしている。
【0012】ところで、本発明者は、工作機械の熱変位
補正について検討した。以下は、本発明者によって検討
された技術であり、その概要は次のとおりである。
【0013】すなわち、大気温度を検出することによ
り、その温度を基準として補正値を算出すると、大気温
度つまり工作機械が据え付けられている周囲環境の温度
は頻繁に変動することになり、温度変化が不安定であ
り、かえって高精度な温度補正が困難であると判明し
た。
【0014】そこで、機械本体の一部に取り付けられた
温度センサを基準温度として、熱変位補正を行うように
すると、工作機械の構造物の内部温度がその温度センサ
に影響を与えることになり、その温度の影響を分離除去
することができず、高精度の熱変位補正を行うことがで
きないということが判明した。
【0015】本発明の目的は、工作機械の構造物の熱変
位を補正して高精度でワークを加工し得るようにするこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の工作機械の熱変
位補正方法は、工具とワークとを相対移動させて前記ワ
ークを前記工具により加工する工作機械の熱変位補正方
法であって、前記工作機械を構成する構造物の複数の個
所の温度を構造物温度検出器により検出し、この検出と
同時に、前記構造物に対して熱的に絶縁された基準ブロ
ックの温度を基準温度検出器により検出し、前記構造物
温度検出器により検出された温度データと、前記基準温
度検出器により検出された前記基準ブロックの温度デー
タとに基づいて前記工具と前記ワークとの相対移動を補
正することを特徴とする。
【0017】また、本発明の工作機械の熱変位補正装置
は、工具とワークとを相対移動させて前記ワークを前記
工具により加工する工作機械の熱変位補正装置であっ
て、前記工作機械を構成する構造物と、前記工具あるい
は前記ワークを駆動させる主運動機構と、前記構造物の
複数個所の温度を検出する構造物温度検出器と、前記構
造物に対して熱的に絶縁された基準ブロックの温度を検
出する基準温度検出器と、前記構造物温度検出器により
検出された温度データと、前記基準温度検出器により検
出された温度データとに基づいて、前記工具と前記ワー
クとの相対移動を制御する制御手段とを有することを特
徴とする。
【0018】本発明にあっては、工作機械の周囲の温度
つまり大気温度の影響を受けて大気温度よりも緩慢に変
化する一方、工作機械の構造物からは熱的影響を受けな
い基準ブロックの温度を検出して、それを基準温度とし
て工作機械の熱変位補正を行うようにしたので、工作機
械の熱変位補正を安定して高い精度で行うことができ
る。
【0019】さらに、本発明の工作機械の熱変位補正装
置は、工具とワークとを相対移動させて前記ワークを前
記工具により加工する工作機械の熱変位補正装置であっ
て、前記工作機械を構成する構造物と、前記工具あるい
は前記ワークを駆動させる主運動機構と、前記構造物の
複数個所の温度を検出する構造物温度検出器と、前記構
造物に対して熱的に絶縁された基準ブロックの温度を検
出する基準温度検出器と、前記工具の変位量を測定する
変位計からの信号を送るケーブルが接続される接続端
子、前記構造物温度検出器と前記基準温度検出器とから
の温度データと前記変位計からの変位データとに基づい
て熱変位補正式を演算する演算部、および演算された前
記熱変位補正式を格納するメモリを有する熱変位補正制
御部と、前記ワークを加工する際に、前記それぞれの温
度検出器により検出された温度データに基づいて前記熱
変位補正式により算出された補正値が前記熱変位補正制
御部から入力され、この補正値に基づいて前記工具と前
記ワークとの相対位置移動を制御する工作機械作動制御
部とを有することを特徴とする。
【0020】本発明にあっては、工作機械が実際に作動
している現場において、工具の変位量を測定するための
変位計を配置してその信号出力端子を熱変位補正制御部
の接続端子に接続し、変位計により得られた熱変位デー
タと温度検出器からの温度データを読み込むことによ
り、熱補正制御部により熱変位補正式を再計算すること
ができ、求められた熱変位補正式に基づいてワークと工
具との相対位置を補正して工作機械を作動させることが
できる。
【0021】また、本発明の工作機械の熱変位補正装置
は、工具とワークとを相対移動させて前記ワークを前記
工具により加工する工作機械の熱変位補正装置であっ
て、工作機械を構成する構造物の複数の部位の温度を検
出する複数の構造物温度検出器と、加工具の変位量を測
定する変位計と、前記加工具の変位に対する前記各構造
物検出器から得られた温度との相関関係を求める相関関
係演算手段とを有し、求められた相関関係に基づいて、
熱変位補正を行うために測定する構造物を判定するよう
にしたことを特徴とする。
【0022】本発明にあっては、熱変位補正を行うため
に、工作機械のどの部分の温度を検出するか否かを容易
に求めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0024】図1は本発明の一実施の形態である工作機
械の熱変位補正装置を示す正面図であり、図示された工
作機械はマシニングセンタを示す。
【0025】このマシニングセンタは工作機械本体を構
成しベッドとも言われるベース11を有し、このベース
11にはコラム12が図1において左右方向つまりZ軸
方向に移動自在に装着されるとともに、ワークテーブル
13が図1において紙面に垂直な前後方向つまりX軸方
向に摺動自在に装着されている。コラム12には上下方
向つまりY軸方向に摺動自在に主軸台14が取り付けら
れ、この主軸台14に装着された工具15によって加工
される被加工物つまりワーク16は、ワークテーブル1
3の上に着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0026】このベース11に隣接させて図示しない自
動工具交換装置が配置されており、この装置からは主軸
台14に対して任意の工具15が自動的に装着されるよ
うになっている。
【0027】ワークテーブル13をX軸方向に移動する
ためにX軸サーボモータ21がベース11に取り付けら
れ、このサーボモータ21により駆動されるボールねじ
などに噛み合う摺動ブロックがワークテーブル13に取
り付けられており、X軸サーボモータ21によってワー
クテーブル13は前後方向に移動するようになってい
る。主軸台14をY軸方向に移動ために、コラム12に
はY軸サーボモータ22が取り付けられ、このサーボモ
ータ22により駆動されるボールねじなどを介して主軸
台14がコラム12に沿って上下方向に移動するように
なっている。さらに、ワークテーブル13をZ軸方向に
移動させるために、Z軸サーボモータ23がベース11
に取り付けられ、このサーボモータ23により駆動され
るボールねじなどを介してワークテーブル13が左右方
向に移動するようになっている。
【0028】ベース11、コラム12およびワークテー
ブル13はそれぞれ工作機械を構成する構造物となって
おり、構造物であるコラム12には図示する場合には2
つの温度センサ31,32がそれぞれ構造物温度検出器
として組み込まれ、構造物であるベース11には2つの
温度センサ33,34がそれぞれ構造物温度検出器とし
て組み込まれている。温度センサ31はコラム12の温
度を検出するコラム温度センサであり、温度センサ32
は主軸台14の温度を検出する主軸台温度センサであ
り、温度センサ33,34はそれぞれベース11の温度
を検出するベース温度センサである。
【0029】構造物であるベース11から分離させて、
基準ブロック17が工作機械の近傍に配置されており、
この基準ブロック17はベース11を構成する鋳鉄や鋳
鋼などと同種の金属により所定の容量で形成されてい
る。この基準ブロック17にはこの温度を検出するため
の温度センサ35が基準温度検出器として組み込まれて
いる。
【0030】この基準ブロック17は工作機械の構造物
から分離されているので、工作機械の構造物からの熱的
影響を受けることなく、熱的に絶縁されている。しか
も、基準ブロック17は工作機械を構成する鋳鉄や鋳鋼
などと同種の金属により形成されており、直接大気温度
を測定した場合よりも、緩慢に温度が変化するので、大
気温度の変動の影響を直接受けることがなくなる。ただ
し、基準ブロック17を断熱材を介して構造物から熱的
影響を受けないようにしてベース11やコラム12など
の構造物に取り付けるようにしても良い。また、基準ブ
ロック17は図示する場合には、マシニングセンタが据
え付けられる床面に配置されているが、床面から所定の
高さの位置に配置するようにしても良い。
【0031】図2は主軸台14に装着された工具15
と、ワークテーブル13に取り付けられたワーク16と
の相対移動を制御するための制御機構を示すブロック図
であり、前述した構造物温度検出器としての温度センサ
31〜34と、基準温度検出器としての温度センサ35
からの検出温度に対応した電気信号は、A/D変換器が
内蔵された図示しないアンプを介して、CPUなどを有
する制御部36に送られるようになっている。制御部3
6にはさらにNC(数値制御)装置が組み込まれてお
り、その装置からは前述したそれぞれのサーボモータ2
1〜23に作動信号が送られるようになっている。
【0032】制御部36に設けられたメモリー37に
は、それぞれの温度センサ31〜35の温度に応じた工
作機械の各部位の熱変位を補正する熱変位補正式や温度
補正テーブルなどが格納されており、それぞれの検出値
に基づいてサーボモータ21〜23の駆動が制御される
ようになっている。
【0033】図3は工作機械が稼働し初めた初期段階か
らある程度の安定状態となるまで、または一旦工作機械
を停止した後に再び稼働させてある程度の安定状態とな
るまでにおいて、構造物温度検出器により得られた温度
から基準温度検出器35により得られた温度を引いた場
合の温度差を示すグラフである。
【0034】工作機械の種類、ワークや工具の種類など
の種々の要因によって、工作機械を構成する構造物の各
部位によって大きく温度変化が相違することになり、図
3において温度差T1 で示すように、基準ブロック17
の温度と大きな温度差を有しない部分もあれば、温度差
2 で示すように、急速に温度が高くなった後に他の部
位に温度が伝達されて温度が低下する部位もあれば、温
度差T3 で示すように、内部発熱の影響を大きく受ける
部位もあり、各部位によって温度の変化は大きく相違し
ていることが分かる。熱変位はこの温度の不平衡によっ
て生じることになる。
【0035】図4は工作機械が稼働してから所定の時間
が経過した後において、大気温度つまり工作機械が据え
付けられた工場内の温度Ta と、基準ブロック17の温
度To と、工作機械の特定の部位の温度Tb とについ
て、それぞれの変化を検出したデータを示すグラフであ
る。この図に示されるように、工作機械内部と大気の温
度が同調して平衡状態となった後には、工作機械の特定
部位の温度Tb は、機械外部の大気の温度に同調して温
度変化していることが分かる。
【0036】しかしながら、大気温度Ta を基準温度と
して温度補正を行うと、長時間の間では熱変位と同調し
ていることになるが、短時間では補正値に誤差が発生し
て、安定した熱変位補正を行うことができない。
【0037】そこで、機械の容量に応じて選定した容量
を持つ基準ブロック17の温度を基準温度の計測に用い
ると、実際の機械に与える影響を正確に捕らえた大気温
度であって、かつ対流や人、物の移動の影響を最小限に
抑制した温度を計測することができる。基準ブロック1
7の容量があまり小さいと、基準ブロック17も迅速に
大気温度に対応して温度が変化することになるので、工
作機械を構成する構造物の容量などに対応させて、大気
温度により緩慢に温度変化する容量を選択することにな
る。一方、基準ブロック17の容量をあまり大きくし過
ぎると、その設置スペースが大きくなってしまうだけで
なく、大気温度以外の温度変動の影響を受けることが考
えられる。図示する場合には、工作機械全体の重量に対
して数%程度の重量を有し、工作機械を構成する構造物
と同様の熱伝導係数を有する素材により基準ブロック1
7を製造した。
【0038】本発明にあっては、この検出値To を熱変
位補正のための基準値として使用して、この温度データ
と工作機械を構成する構造物の複数の部位の温度とに基
づいて工具15とワーク16との相対移動を制御するこ
とによって、高精度でワーク16の加工を行うことがで
きる。補正値の算出にあっては、たとえば、最小二乗法
(多変量解析)が適用される。
【0039】図5は図2に示す制御機構によって工具1
5とワーク16との相対移動を補正して制御する場合の
一例を示すフローチャートであり、ステップS1におい
て工作機械の作動開始が指令されると、まず、ステップ
S2においてそれぞれの温度センサ31〜35により検
出された温度データを読み込んで、ステップS3でその
温度データをメモリー37に格納する。次いで、ステッ
プS4では、メモリー37に格納された熱変位補正式
に、格納された温度データを入力して、ワーク16の加
工のために予め設定されたワークテーブル13の移動軌
跡や主軸台14の移動軌跡に対する補正量を算出する。
【0040】この算出結果に応じて、ステップS5では
それぞれのサーボモータ21〜23の駆動が制御される
ことになる。所定のストロークだけ移動した後にステッ
プS2〜S5を1つのワーク16に対する加工が終了す
るまで繰り返すことにより、高精度でワークを加工する
ことが可能となる。
【0041】前述した各温度センサにより検出されたコ
ラム12などの各構造物の温度および基準ブロック17
の温度に基づいて、工具15とワーク16との相対位置
を補正するための熱変位補正式は、温度センサにより得
られた各部位の温度と、工具15の変位量との相関を実
験で求めることにより得られ、その熱変位補正式に基づ
いて各軸のサーボモータの駆動が制御される。
【0042】図6は同時2軸で熱変位補正を行う方法を
示す概略図であり、予め実験などにより求められたY軸
のa〜b間での熱補正量を計測する。a点での熱変位補
正式をYaとし、b点での熱変位補正式をYbとする
と、Y軸のa、b間の距離と、Z軸のYaとYbの差か
らその瞬間の三角形ができる。すると、Yaから位置補
正値と、三角形から角度補正値が算出される。決められ
たa、bの位置をNCに予め記憶入力しておき、a点で
Z軸方向の位置補正を行い、a、b間の距離と、a、b
位置でのZ軸での差異から角度補正を行うことにより、
それぞれの位置での補正が同時2軸で行われ、角度およ
び位置の補正を行うことができる。
【0043】熱変位補正を算出する方式としては、上述
した方式以外に、メモリー37にはそれぞれ構造物検出
器である温度センサ31〜34の検出値に基づいてそれ
ぞれのサーボモータ21〜23の駆動を制御する制御式
を格納しておき、基準温度検出器である温度センサ35
の検出値を制御式の補正係数に置き換えて熱変位補正値
を算出するようにしても良い。
【0044】さらには、温度センサ31により検出され
る基準ブロック17の温度を基準として、他の温度セン
サ31〜34により検出される工作機械各部位の温度
と、XYZ各軸の熱変位との関係を実験的に予め求め
て、そのデータをメモリー37内のデーターテーブル内
に格納しておき、ワーク16の加工を行う際にはそのデ
ーターテーブルを読み出してワーク16と工具15との
相対位置を補正して制御するようにしても良い。
【0045】図7は熱変位補正式を求めるために、図1
に示したものと同様のマシニングセンタにおけるコラム
12などの各構造物の温度に応じて、これらの熱変形が
組み合わされて最終的に工具15がどのように変位する
かを測定している状態を示す図である。工作機械を構成
する各構造物が温度の変化によって変形すると、加工具
15によってワークを高精度で加工することができなく
なり、加工具の変位は工作機械の熱変位、あるいは主軸
の熱変位とも言われる。この図にあっては、図1に示さ
れたサーボモータ21〜23は省略されている。
【0046】図7にあってはワークテーブル13にワー
クに換えて非接触変位計41が配置されており、工具1
5のX方向の変位を測定するX方向変位計41X と、Y
方向の変位を測定するY方向変位計41Y と、Z方向の
変位を測定するZ方向変位計41Z とを有している。こ
の非接触変位計41は、工作機械により実際にワークを
加工して工作機械を構成する各構造物であるコラム12
などが実際の加工状態における温度にまで達した状態の
もとで、ワークテーブル13に配置される。それぞれの
変位計41X 〜41Z からのアナログ信号は、アンプ4
2で増幅された後にA/D変換器43においてデジタル
信号に変換され、熱変位補正式演算部44に送られるよ
うになっている。
【0047】一方、コラム12の温度を検出する温度セ
ンサ31と、主軸台14の温度を検出する温度センサ3
2と、ベース11の温度を検出する温度センサ33と、
ワークテーブル13の温度を検出する温度センサ38
と、基準ブロック17の温度を検出する温度センサ35
とからのアナログ信号は、それぞれアンプ45で増幅さ
れた後に、A/D変換器46によりデジタル信号に変換
され、熱変位補正式演算部44に送られる。
【0048】工作機械の熱変位つまり主軸の熱変位は、
たとえば、主軸の軸受け部、主軸モータ、油圧モータ、
切り粉の熱を吸収する切削水、およびボールねじ部など
により加熱されることによって工作機械を構成する各構
造物が変形することによって発生する。このような熱変
形は、1、2個所の熱源部の温度と金属の線膨張係数と
による比例式では精密に求めることができない。たとえ
ば、主軸部の温度と主軸の延びを実験で求めて、熱変位
補正を行おうとすると、主たる延びは比例するが、コラ
ム12の変形やベース11の変形は無視されるために、
工作機械が稼働したときの実際の熱変位を補正すること
にはならない。
【0049】このような熱変形を精密に予測補正するに
は主な発熱源の影響を受ける機械内部の複数個所の温度
と、工作機械の熱変位つまり主軸の熱変位との相関関係
を演算する必要がある。
【0050】そこで、複数個所の温度と熱変位との相関
関係を重回帰分析とも言われる多変量解析(multiple re
gression analysis)により演算するようにしている。
【0051】ある変数y(目的変数 criterion variabl
e)と、これに影響すると考えられる変数X1 ,X2 ,X
3 ,・・・XP (説明変数 explanatoty variable)の関
係式を求め、それぞれに基づいてX1 ,X2 ,X3 ,・
・・XP の値からYの値を予測する分析を回帰分析(reg
ression analysis) と言い、特に説明変数が1つの場合
を単回帰分析と言い、2つ以上の場合を多変量解析と言
う。
【0052】多変量解析により本発明の熱変位補正を行
う場合の線形重回帰モデルを示すと以下の通りである。
【0053】 Y X1 2 ・・・・XP 1 Y1 1121 ・・・・XP1 2 Y2 1222 ・・・・XP2 ・・・・ N YN 1N2N ・・・・XPN これを式に表すと、Yi =β0 +β1 1 +・・・βP
Piとなる。
【0054】熱変位補正式演算部44では、メモリ内に
格納されたこの演算式に基づいて、温度センサ31、3
2、33、35および38のそれぞれからの検出温度の
値を説明変数とし、3軸方向の変位計からの変位値を目
的変数として、統計処理計算として行列式を解くと、β
0 〜βPNの係数が定まった熱変位補正式を算出すること
ができる。
【0055】このようにして得られた熱変位補正式を記
憶媒体に格納して、実際に加工を行う工作機械の熱変位
補正制御部にその熱変位補正式をインストールする。こ
れにより、実際に加工を行う工作機械のNC制御装置に
熱変位補正制御部から、各部位の温度に応じて、加工具
とワークとの相対位置を制御するNC制御装置に対して
補正制御信号を送ることにより高精度の加工を行うこと
が可能となる。
【0056】図8は図7に示した工作機械の熱変位補正
装置の変形例であって、図8にあっては、図7における
部材と共通する部材には同一の符号が付されている。
【0057】この場合には、工作機械におけるサーボモ
ータなどの駆動を制御するためのNC制御装置などから
なる制御部36に対して熱変位補正信号を送る熱変位補
正制御部47は、熱変位補正式を演算する機能を有して
いる。
【0058】すなわち、熱変位補正制御部47は、非接
触変位計41の各変位計41X 〜41Z からの信号を送
るケーブルが接続される接続端子48を有しており、実
際にワークを加工していた工作機械の加工を停止して、
非接触変位計41をワークテーブル13の上に配置す
る。この状態のもとでそれぞれの変位計41X 〜41Z
からの変位信号と、各温度センサからの温度信号とを、
ROMなどのメモリに格納された前記演算式に基づい
て、CPU49により前述した熱変位補正式を算出する
ことができる。算出された熱変位補正式をメモリに格納
することにより、非接触変位計41をワークテーブル1
3から取り外して、ワークの加工を行う際には、各温度
センサからの検出値に応じて、制御部36に熱変位補正
信号が熱変位補正制御部47から補正信号を送ることに
より、高精度でワークを加工することができる。
【0059】図7に示す場合では、工作機械の熱変位補
正制御部に熱変位補正式をインストールした後には、使
用者のニーズに合わせて、この熱変位補正式を再計算し
たり、複数の機種の実験を行うためには、その都度、熱
変位補正式の算出のために技術者と装置を用意する必要
があるが、図7に示す場合には、工作機械の作動を制御
する熱変位補正制御部47自体が熱変位補正式を演算す
る機能を有するので、工作機械が作動している現場で熱
変位補正式を求めることができ、直ちに、工作機械を作
動させることができる。
【0060】前述した場合には、それぞれ図示する部位
の温度を検出するようにしているが、基準ブロック17
の温度以外に工作機械のどの部位の温度を検出するか
は、補正精度に大きな影響を与えることになり、工作機
械のどの部位の温度を検出するかについては、多くの経
験と勘が必要であった。
【0061】そこで、工作機械の多数の部位の温度デー
タとその時の変位とを測定することによって、補正に用
いるために温度を測定する部位を特定する手法について
説明する。その手法は、工作機械を構成する各部位の変
形による工作機械の全体の熱変形による加工具の熱変
位、つまり加工具とワークとの接触する部分の熱変位
と、工作機械を構成する複数の部位の温度データとを時
系列で並べ、加工具の熱変位と各個所の温度データの2
変数相関を単相関分析して比較を行って、それぞれの相
関関係を求める。この相関性は1または−1に近いもの
を優先し、相関性の高い各部位を熱変位補正を行うため
の温度検出部位として特定する。
【0062】表1は図8に示した工作機械について、基
準ブロック17の温度と、主軸台14の温度と、コラム
12の温度と、ワークテーブル13の温度と、工作機械
の周囲の大気温度とをそれぞれ温度センサにより計測
し、加工具15の変位量を非接触変位計41により計測
し、加工具15の変位量の変化と、各部位の温度変化と
の単相関を求めたデータの一例である。
【0063】非接触変位計41により求められる加工具
の変位量を1として、各部位の温度との相関関係が高い
値が1に近い値となる。この場合には、主軸台が最も相
関性が高く、テーブルと大気温度は相関性が低いため
に、熱温度データとしては、基準ブロック、ヘッド、コ
ラムの温度センサを用いて熱変位補正することにより、
高精度の熱変位補正を行えることが判定できる。このよ
うにして、工作機械の各部位の熱変形の影響によって変
位する加工具15の各軸方向の変位を計測し、そのとき
の工作機械の多数の部位の温度を計測して、加工具の変
位の変化と各部の温度変化との単相関を求めることによ
って、相関性の高い部位を特定することができ、熱変位
補正の温度データを検出する部位、つまり温度センサを
取り付ける部位を簡単に判定することができる。
【0064】そのように相関関係を求めるには、図8に
示す熱変位補正制御部47に非接触変位計41からX,
YおよびZの3軸方向の加工具15の変位量を求め、そ
のときの各温度センサからの測定温度の値を求めて、そ
れぞれの値をRAMに格納する。そして、ROMに格納
された相関関係式に基づいて、CPU49によって表1
に示すような、相関関係を演算することにより、熱変位
補正を行うために、工作機械の各構造物のうち、どの部
位の温度を検出することが高精度の温度補正を行うため
に最適であるかを判定することができる。
【0065】
【表1】
【0066】図9は工作機械の他の具体例である旋盤を
示す平面図であり、ベッド51には刃物台52が図9に
おいて左右方向つまりZ軸方向に往復動自在に装着さ
れ、さらに、主軸台53がベッド51に固定されてお
り、主軸台53の主軸にチャック54を介して取り付け
られたワーク55が刃物台52に固定された工具56に
よって切削加工されるようになっている。
【0067】刃物台52は図9においてX軸方向に移動
するX軸サーボモータ21により前後方向に駆動され、
Z方向に移動するZ軸サーボモータ23により左右方向
に駆動されるようになっている。このような工作機械に
あっても、ベッド51、主軸台53、潤滑油、油圧ユニ
ットおよび切削液などの温度を温度センサにより検知す
るとともに、基準ブロック17の温度をこれに設けられ
た温度センサ35により検出する。
【0068】この場合にも、それぞれの温度センサから
のデータに基づいて、各部位の熱変位による工具56と
ワーク55との相対位置を補正し、主軸台53と刃物台
52との相対熱変位に対して、刃物台52のXZの2軸
方向の移動を補正制御することにより、熱変位の影響を
除去して高精度でワーク55の加工を行うことが可能と
なる。
【0069】図10(A)は工作機械の他の具体例であ
る平面研削盤を示す正面図であり、図(B)は同図
(A)の右側面図である。
【0070】この平面研削盤はベース61に図10
(A)において左右方向つまりZ軸方向に往復動自在に
ワークテーブル62が装着されており、ベース61には
コラム63が前後方向つまりX方向に往復動自在に装着
されている。このコラム63には工具としての研削砥石
64を有する主軸台つまり砥石台65が装着されてお
り、ワークテーブル62に固定されたワーク66が研削
砥石64によって研削されるようになっている。ワーク
テーブル62をX方向に移動するためにX軸サーボモー
タ21がベース61に取り付けられ、コラム63をZ軸
方向に移動するためにZ軸サーボモータ23がベース6
1に取り付けられ、砥石台65を上下方向つまりY軸方
向に移動するためにY軸サーボモータ22がコラム63
に取り付けられている。
【0071】この場合にも、ベース61や油圧ユニット
などの構造物の複数の部位に温度センサが設けられ、さ
らにベース61から離して配置された基準ブロック17
には温度センサ35が設けられている。
【0072】図10に示すように、この研削盤には基準
ブロック17の温度を検出する温度センサ35に加え
て、コラム63の温度を検出する温度センサ31aと、
砥石台つまり主軸台65の温度を検出する温度センサ3
2aと、ベース61の温度を検出する温度センサ33a
と、ワークテーブル62の温度を検出する温度センサ3
8aとが設けられている。
【0073】図11は図10に示す研削盤を用いて、前
述したそれぞれの温度センサによって得られた工作機械
の各部位の48分間の温度測定値を示すグラフであり、
これらの測定値を熱変位補正制御部47に入力すること
によって、前述した熱変位補正式に基づいて加工具の駆
動を補正すると、ワーク66と工具である研削砥石64
との相対位置が補正され、ワークを高精度で加工するこ
とができる。
【0074】図12は、図11に示すように、工作機械
を構成する各構造物の温度と基準ブロックの温度が変化
した場合に、熱変位補正しなかったときの加工精度を符
号Bで示し、熱変位補正式に基づいて工作機械の作動を
制御したときの加工精度を符号Aで示すグラフである。
このように、前記式により熱変位補正することによっ
て、高い精度でワークを加工することができる。
【0075】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることはいうまでもない。
【0076】たとえば、図示した熱変位補正装置はマシ
ニングセンタ、旋盤および研削盤に適用した場合を示す
が、その他の種々のタイプの工作機械に対しても本発明
を適用することができることは言うまでもない。
【0077】
【発明の効果】本発明にあっては、工作機械の構造物か
ら熱的に分離されており、工作機械の周囲環境の大気温
度により緩慢に温度変化する基準ブロックの温度を、基
準基準温度検出器により検出し、この検出された温度を
基準として制御機構に補正信号を送って工具とワークと
の相対移動を制御するようにしたので、ワークを高い精
度で加工することができる。
【0078】また、それぞれの温度検出器からの温度デ
ータに基づく熱変位補正式を、工作機械が用いられてい
る現場において、変位計を使用して熱変位補正制御部に
温度データと変位データとを取り込むことにより、再計
算することができる。
【0079】さらに、熱変位補正式を求めるために工作
機械のどの部位に温度検出器を取り付けるかは、工作機
械の多数の部位の温度と、各部位の温度変形に起因する
加工具の熱変位との相関関係を求めることによって、相
関性が高い部位に基づいて、容易に判定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である工作機械の熱変位
補正装置を示す正面図である。
【図2】図1に示した工作機械の作動を制御する制御機
構を示すブロック図である。
【図3】工作機械が稼働し初めた初期の段階あるいは一
旦停止した後に工作機械を再び稼働させたときにおける
機械各部位と基準ブロックとの温度差を示すグラフであ
る。
【図4】基準ブロックに組み込まれた温度センサと、大
気温度と、工作機械に組み込まれた温度センサとについ
て得れた温度検出値の変化を示すグラフである。
【図5】熱変位補正を行うためのアルゴリズムを示すフ
ローチャートである。
【図6】本発明の熱変位補正装置により角度補正を行う
手順を示す概略図である。
【図7】熱変位補正式を算出する機能を有する熱変位補
正装置を示す工作機械の熱変位補正装置を示す概略図で
ある。
【図8】工作機械を使用している現場において、熱変位
補正式を再計算する機能を有する工作機械の熱変位補正
装置を示す概略図である。
【図9】他のタイプの工作機械としての旋盤を示す平面
図である。
【図10】(A)は他のタイプの工作機械としての平面
研削盤を示す正面図であり、(B)は同図(B)の右側
面図である。
【図11】図10に示す工作機械を作動させてこれを構
成する各部位の温度の変化を示すグラフである。
【図12】図10に示す工作機械を作動させてこれに設
けられた温度検出器から得られた温度データにより加工
具の移動を補正した場合と補正しない場合との加工精度
を比較して示すグラフである。
【符号の説明】
11 ベース 12 コラム 13 ワークテーブル 14 主軸台 15 工具 16 ワーク 17 基準ブロック 21 X軸サーボモータ 22 Y軸サーボモータ 23 Z軸サーボモータ 31〜34 温度センサ(構造物温度検出器) 35 温度センサ(基準温度検出器) 36 制御部(NC制御部) 37 メモリー 41 非接触変位計 41x X方向変位計 41Y Y方向変位計 41Z Z方向変位計 47 熱変位補正制御部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具とワークとを相対移動させて前記ワ
    ークを前記工具により加工する工作機械の熱変位補正方
    法であって、 前記工作機械を構成する構造物の複数の個所の温度を構
    造物温度検出器により検出し、 この検出と同時に、前記構造物に対して熱的に絶縁され
    た基準ブロックの温度を基準温度検出器により検出し、 前記構造物温度検出器により検出された温度データと、
    前記基準温度検出器により検出された前記基準ブロック
    の温度データとに基づいて前記工具と前記ワークとの相
    対移動を補正することを特徴とする工作機械の熱変位補
    正方法。
  2. 【請求項2】 工具とワークとを相対移動させて前記ワ
    ークを前記工具により加工する工作機械の熱変位補正装
    置であって、 前記工作機械を構成する構造物と、 前記工具あるいは前記ワークを駆動させる主運動機構
    と、 前記構造物の複数個所の温度を検出する構造物温度検出
    器と、 前記構造物に対して熱的に絶縁された基準ブロックの温
    度を検出する基準温度検出器と、 前記構造物温度検出器により検出された温度データと、
    前記基準温度検出器により検出された温度データとに基
    づいて、前記工具と前記ワークとの相対移動を制御する
    制御手段とを有することを特徴とする工作機械の熱変位
    補正装置。
  3. 【請求項3】 工具とワークとを相対移動させて前記ワ
    ークを前記工具により加工する工作機械の熱変位補正装
    置であって、 前記工作機械を構成する構造物と、 前記工具あるいは前記ワークを駆動させる主運動機構
    と、 前記構造物の複数個所の温度を検出する構造物温度検出
    器と、 前記構造物に対して熱的に絶縁された基準ブロックの温
    度を検出する基準温度検出器と、 前記工具の変位量を測定する変位計からの信号を送るケ
    ーブルが接続される接続端子、前記構造物温度検出器と
    前記基準温度検出器とからの温度データと前記変位計か
    らの変位データとに基づいて熱変位補正式を演算する演
    算部、および演算された前記熱変位補正式を格納するメ
    モリを有する熱変位補正制御部と、 前記ワークを加工する際に、前記それぞれの温度検出器
    により検出された温度データに基づいて前記熱変位補正
    式により算出された補正値が前記熱変位補正制御部から
    入力され、この補正値に基づいて前記工具と前記ワーク
    との相対位置移動を制御する工作機械作動制御部とを有
    することを特徴とする工作機械の熱変位補正装置。
  4. 【請求項4】 工具とワークとを相対移動させて前記ワ
    ークを前記工具により加工する工作機械の熱変位補正装
    置であって、 前記工作機械を構成する構造物の複数の部位の温度を検
    出する複数の構造物温度検出器と、 加工具の変位量を測定する変位計と、 前記加工具の変位に対する前記各構造物検出器から得ら
    れた温度との相関関係を求める相関関係演算手段とを有
    し、 求められた相関関係に基づいて、熱変位補正を行うため
    に測定する構造物を判定するようにしたことを特徴とす
    る工作機械の熱変位補正装置。
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