JP2004211761A - ボールねじのグリース給脂装置 - Google Patents
ボールねじのグリース給脂装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004211761A JP2004211761A JP2002380550A JP2002380550A JP2004211761A JP 2004211761 A JP2004211761 A JP 2004211761A JP 2002380550 A JP2002380550 A JP 2002380550A JP 2002380550 A JP2002380550 A JP 2002380550A JP 2004211761 A JP2004211761 A JP 2004211761A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- grease
- ball screw
- grease supply
- controller
- set value
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Transmission Devices (AREA)
Abstract
【解決手段】ボールねじ31にグリースを供給するグリース供給手段2と、その制御を行うコントローラ3とを設ける。ボールねじ31のナット33の温度およびボールねじ31の使用環境温度をそれぞれ検出する各温度検出手段4,5を設ける。上記コントローラ3は、上記各温度検出手段4,5から得たナット33の温度と使用環境温度との温度差の変化量が設定値を超えたか否かを判定する温度差の判別部9を有する。この温度差判別部9が上記設定値を超えたと判定したときに、コントローラ3は、上記グリース供給手段2にグリースの供給を行わせる。コントローラ3は、温度差の他に、グリースの鉄粉濃度や、ボールねじ31に作用する軸方向荷重、ボールの通過個数、ボールねじ31に作用する振動等を判定し、グリース供給を行うものとしても良い。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械のテーブル送りや一般産業機械等に用いられるボールねじのグリース給脂装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールねじは、回転運動を直線運動に高効率で変換できるとともに、直線運動において精密な位置決めを実現できる装置として、工作機械のテーブル送りや搬送装置、もしくは油圧,空圧アクチュエータの置き換え部品として使用されている。このボールねじでは、潤滑剤が不足することで、以下に挙げるような問題が発生する。
▲1▼ 運転中のボールねじが異常発熱し、その結果、ねじ軸が伸びることで、精密な位置決めが維持できなくなる。
▲2▼ ボールねじの駆動トルクが増大し、モータ過負荷により機械が停止する。
▲3▼ 潤滑不良によるボールねじの過昇温、早期剥離等で短寿命になる。
そこで、ボールねじにおける潤滑不良を防止するために、多くの工作機械では、油,グリースを定期的に供給する自動給油装置,自動給脂装置が取付けられている。
【0003】
近年、工作機械では、従来の水溶性クーラントに替えて、より洗浄性の高いケミカルクーラントが使われ始めている。このケミカルクーラントがボールねじに浸入すると、油が洗い流されてボールねじが潤滑不良になるという不具合が発生する。その対策として、ボールねじの潤滑は、油潤滑から、付着性の高い、つまり洗い流され難いグリース潤滑に移行してきている。
しかし、グリースの給脂は、タイマで一定時間(間隔)に一定量のグリースをポンプで自動的に押し出す方式がほとんどであるため、給脂間隔を長くすると、グリース不足や残存グリースの劣化による潤滑不良が発生し、上記▲1▼〜▲3▼に列挙した不具合が発生する恐れがある。逆に、給脂間隔を短くすると、無駄なグリースが消費されてしまうため、給脂間隔の設定は非常に困難なものとなる。一部では、グリースガンを用いた人手による給脂方法も採用されているが、最適量の給脂は困難である。
【0004】
このような課題を解決する手段の一つとして、ボールねじの温度を熱電対で測定し、その測定温度が設定温度を超えたときに、コントローラからグリースポンプに吐出信号を送り出して給脂する、という負荷状況に応じた適正なグリース給脂を行う方法が提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−28961号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方法では、ボールねじの温度が使用環境温度の上昇に伴って上昇し、設定温度を超えた場合に、不必要にグリースを吐出してしまい、グリースを無駄に使用してしまう恐れがある。また、ボールねじの運転条件の変化によっても、グリースの補給が不適切となる。
例えば、図14において、潤滑不良が原因となる温度上昇開始点が図中Dで発生したとする。この場合に設定温度がBであると、D点でグリースが給脂されるため、潤滑不良を回避することができる。しかし、図のように運転条件が1000r/min ,1500r/min ,2000r/min と変化する場合、運転条件が厳しいFの領域(図中ハッチングで示す領域)では、絶えず給脂されてしまい、無駄な給脂が行われることになる。これを回避して、設定温度をAに上げると、潤滑不良による温度上昇が発生しても、図中E点に達するまではグリース給脂されないため、潤滑不良を発生する恐れがある。
【0007】
この発明の目的は、実際の給脂必要状況を適切に検出して、適正な自動給脂が可能なボールねじのグリース給脂装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明における第1ないし第7の発明のボールねじのグリース給脂装置は、いずれもボールねじにグリースを供給するグリース供給手段と、このグリース供給手段のグリース供給の制御を行うコントローラと、ボールねじの潤滑に影響する現在状況の検出手段とを備え、上記コントローラに、上記状況検出手段の検出結果に応じて給脂の判定を行う判定部を設けたものである。
このうち、第1の発明のボールねじのグリース給脂装置は、ボールねじの現在状況検出手段として、ボールねじのナットの温度およびボールねじの使用環境温度をそれぞれ検出する各温度検出手段を設ける。上記コントローラは、上記各温度検出手段から得たナットの温度と使用環境温度との温度差の変化量が設定値を超えたか否かを判定する温度差の判別部を有し、この温度差判別部が上記設定値を超えたと判定したときに上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとする。
この構成によると、ナット温度と使用環境温度の温度差をボールねじの実質的な温度上昇量として検出する。その温度上昇量の変化量が所定の設定値を超えたか否かを判定部により判定し、設定値を超えたときを潤滑不良の兆候として捉えて、グリースの給脂を行う。そのため、使用環境温度の変化、および運転条件の変化による温度上昇に左右されることなく、実際の潤滑不良によるボールねじの異常温度上昇を検出することができ、グリースの自動給脂を的確に行うことができる。
【0009】
第2の発明のボールねじのグリース給脂装置は、ボールねじの現在状況検出手段として、ボールねじのグリースを採取して鉄粉濃度を検出するグリース濃度検出手段を設ける。上記コントローラは、上記グリース濃度検出手段で検出した鉄粉濃度が設定値を超えたか否かを判定する濃度の判定部を有し、この濃度判定部が上記設定値を超えたと判定したときに上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとする。
この構成によると、ボールねじ内のグリースをサンプリングして鉄粉濃度を計測し、計測した鉄粉濃度が設定値を超えたときに、グリースをボールねじに自動給脂する。そのため、潤滑不良により発生するボールねじの摩耗状態を、使用中のグリースに混入する鉄粉濃度から検出して、早期に適正な潤滑状態にすることができる。
【0010】
第3の発明のボールねじのグリース給脂装置は、ボールねじの現在状況検出手段として、ボールねじのねじ軸とナットの間に作用する軸方向荷重を検出する荷重検出手段を設ける。上記コントローラは、上記荷重検出手段で検出した軸方向荷重が設定値を超えたか否かを判定する荷重の判定部を有し、この荷重判定部が上記設定値を超えたと判定したときに上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとする。
この構成によると、ボールねじの軸方向荷重を例えば一定の時間間隔ごとに計測し、その計測値が設定値を超えたときに、グリースをボールねじに自動給脂する。そのため、ボールねじが潤滑不良になり易い高負荷運転下ではグリースの給脂間隔が密となり、自動的に負荷状態に応じた適正な潤滑状態を維持することができる。
【0011】
第4の発明のボールねじのグリース給脂装置は、ボールねじの現在状況検出手段として、ボールねじのボール周回経路に配置されてこの周回経路の所定位置を通過するボール個数をカウントする通過個数カウント手段を設ける。上記コントローラは、上記通過個数カウント手段のカウント値が設定値を超えたか否かを判定する通過個数の判定部を有し、この通過個数判定部が上記設定値を超えたと判定したときに上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとする。
この構成によると、ボールねじにおけるボールの通過個数をカウントし、そのカウント値が設定値を超えたときに、グリースをボールねじに自動給脂する。そのため、ボールねじの実際に稼働した距離、つまりボールの転走した距離が一定値となる毎にグリースが供給されることになり、ボールねじが潤滑不良になり易い連続高速運転時には、自動的にグリースの給脂間隔が密となり、適正な潤滑状態を維持することができる。
【0012】
第5の発明のボールねじのグリース給脂装置は、ボールねじの現在状況検出手段として、ボールねじのねじ軸の曲げ振動を検出する曲げ振動検出手段を設ける。上記コントローラは、上記曲げ振動検出手段で検出された曲げ振動の振幅値の、所定の過去の振幅値に対する変化量が設定値を超えたか否かを判定する振動の判定部を有し、この振動判定部が上記設定値を超えたと判定したときに上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとする。所定の過去の振幅値は、例えば前回検出時の振幅値とされる。
この構成によると、ボールねじの曲げ振動の振幅値を計測し、その振幅値の所定の過去の振幅値に対する変化量が所定の設定値を超えたか否かを判定し、超えたときを潤滑不良の兆候として捉えて、グリースの給脂を行う。そのため、ボールねじの回転速度が高くなって、ボールねじの曲げ振動で発生する振動の大きさ(振幅)が大きくなるといった厳しい運転条件の場合に、ボールねじに対して自動的にグリースを給脂することができる。また、潤滑不良になると、ボールの滑らかな公転が阻害されることで曲げ振動の振幅が大きくなるが、この場合にも、その状態を検出してグリースを自動給脂できるので、適正な潤滑状態に戻すことが可能となる。
【0013】
第6の発明のボールねじのグリース給脂装置は、第1ないし第5の発明のうちの任意の発明を組み合わせたものである。すなわち、上記コントローラは、第1〜第5の発明のボールねじのグリース給脂装置における上記温度差の判定部、濃度の判定部、荷重の判定部、通過個数の判定部、および振動の判定部のうち、複数の判定部を有し、これら複数の複数の判定部のうち、いずれかの判定部が設定値を超えたと判定したときに、上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとしている。なお、ボールねじの現在状況検出手段としては、上記温度検出手段、グリース濃度検出手段、荷重検出手段、通過個数カウント手段、および曲げ振動検出手段のうち、コントローラの有する上記判定部の種類に対応した手段を備えるものとする。
この構成によると、ボールねじの温度上昇,グリースの鉄粉濃度,ボールねじの軸方向荷重,通過ボール個数,ボールねじの曲げ振動、のうちの幾つかを、潤滑不良の兆候の目安として監視して、グリースの自動給脂が行われる。そのためより的確なグリース給脂が可能となる。
【0014】
第7の発明のボールねじのグリース給脂装置は、第1ないし第6の発明のいずれかにおいて、タイマを基本に制御するものである。すなわち、上記コントローラは、タイマで設定された時に上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものであって、このタイマによる設定時の他に、上記いずれかの判定部が設定値を超えたと判定したときに、上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとする。
この構成によると、タイマによる設定時間毎のグリース給脂を基本とし、上記した各発明における検出項目の監視結果によるグリース給脂を行うため、検出の誤差等にかかわらずに最低限の給脂は行われることになり、給脂の信頼性が向上する。タイマによる設定時間毎のグリース給脂は、上記判定部の判定結果による給脂に関係なく行うものとしても良く、また判定部の判定結果による給脂時にリセットして計時を再開するものとしても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1および図2と共に説明する。この実施形態は第1の発明に対応する。このグリース給脂装置1は、ボールねじ31にグリースを供給するグリース供給手段2と、このグリース供給手段2のグリース供給の制御を行うコントローラ3とを備える。ボールねじ31の現在状況検出手段としては、ボールねじ31のナット33の温度を検出するナット温度検出手段4と、ボールねじ31の使用環境温度を検出する環境温度検出手段5とを備える。
ボールねじ31は、ねじ軸32の外径面と、このねじ軸32の外周に遊嵌するナット33の内径面とに、互いに対向するねじ溝(図示せず)が形成され、上記ねじ軸32のねじ溝とナット33のねじ溝の間で形成される転走路に複数のボール(図示せず)が介在し、上記転走路と、この転走路の両端に連通して転走路のボールを循環させる循環部材(図示せず)とで周回経路が形成されたものである。循環部材には、ボールの循環方式によって、駒,リターンチューブ,エンドキャップ,ガイドプレート等が用いられる。
【0016】
グリース供給手段2は、グリースポンプ6と、このグリースポンプ6から吐出されたグリースをボールねじ31の上記転走路に給脂する給脂管7等で構成される。ナット温度検出手段4および環境温度検出手段5は、それぞれ熱電対からなる。これら温度検出手段4,5の検出信号は、温度計測部8において一定の時間間隔で計測されて、それぞれ上記コントローラ3に送られる。
【0017】
コントローラ3は温度差判定部9および記憶部10を有する。温度差判定部9は、各温度検出手段4,5から得たナット33の温度と使用環境温度との温度差の変化量が所定の設定値を超えたか否かを判定するものである。この温度差判定部9が上記設定値を超えたと判定したときに、コントローラ3はグリース供給手段2のグリースポンプ6に、グリースの供給を行わせるグリース給脂信号を送信する。上記設定値はコントローラ3で管理され、任意に変更可能とされる。コントローラ3は、例えばコンピュータ式のシーケンサ等により構成される。
【0018】
次に、このグリース給脂装置1の動作を説明する。ナット33の温度を検出するナット温度検出手段4の検出信号と、使用環境温度を検出する環境温度検出手段5の検出信号は、それぞれ温度計測部8において一定の時間間隔で同時に計測されてコントローラ3に送られる。コントローラ3では、温度差判定部9が、送られてきたナット温度と使用環境温度の差を演算し、その温度差は運転に伴うボールねじ31の実質的な温度上昇量として、記憶部10に一旦記憶される。次の計測タイミングでも、同様に温度差判定部9がこのときの温度差を温度上昇量として演算し、この温度上昇量から、記憶部10で記憶している先の計測タイミングでの温度上昇量を差し引いた値、つまり温度差の変化量を演算する。温度差判定部9は、この温度差の変化量が上記設定値を超えているか否かを判定する。この計測タイミングでの温度上昇量は、次の計測タイミングでの演算のためのデータとして記憶部9に更新して記憶される。
このため、例えば従来例の説明図を示す図14において、符号Dで示したような潤滑不良によるボールねじ31の異常温度上昇が生じた場合は、図2に同じ符号Dで示すように、上記温度差の変化量が設定値を超えるので、コントローラ3からグリースポンプ6にグリース給脂信号が送られ、これによりグリースポンプ6からグリースが吐出されてボールねじ31に自動給脂される。
【0019】
このように、このグリース給脂装置1では、ナット温度と使用環境温度の温度差をボールねじ31の実質的な温度上昇量として検出する。また、その温度上昇量の前後の計測タイミングでの変化量が所定の設定値を超えたか否かを判定し、超えたときを潤滑不良の兆候として捉えて、グリースの給脂を行うようにしている。このため、使用環境温度の変化だけでなく、運転条件の変化による温度上昇に左右されることなく、潤滑不良によるボールねじ31の異常温度上昇を検出することができ、グリースの自動給脂を図2のように的確に行うことができる。
【0020】
図3〜図5は、この発明の第2の実施形態を示し、第2の発明に対応する。図3に示すように、この実施形態のボールねじのグリース給脂装置1Aは、ボールねじ31にグリースを供給するグリース供給手段2と、このグリース供給手段2のグリース供給の制御を行うコントローラ3と、ボールねじ31のグリースを一定の時間間隔ごとに採取して鉄粉濃度を検出するグリース濃度検出手段11とを備える。グリース供給手段2は、図1に示した第1の実施形態の場合と同様に、グリースポンプ6や給脂管7等からなる。グリース濃度検出手段11は、図4に示すように、ボールねじ31のナット33から転走路36に伸びるグリース採取管12と、このグリース採取管12を経てボールねじ31内から採取したグリースを貯留するグリース溜まり13と、このグリース溜まり13のグリースの鉄粉濃度を検出する鉄粉濃度計14とでなる。この鉄粉濃度計14の検出値から計測部15が鉄粉濃度を計測し、その計測値が上記コントローラ3に送られる。上記グリース採取管12を、一定の時間間隔ごとにエアで吸引することにより、グリース採取管12を経てグリース溜まり13にグリースが間欠的に採取される。
この例で図示したボールねじ31は、循環部材としてリターンチューブ34を用いたリターンチューブ循環方式のものであり、グリース供給手段2の給脂管7から、ナット33のフランジ部33aに設けられた給脂路35を経て転走路36にグリースが給脂される。
【0021】
コントローラ3は、上記グリース濃度検出手段11で検出した鉄粉濃度が所定の設定値を超えたか否かを判定する濃度判定部16を有し、この濃度判定部16が上記設定値を超えたと判定したときに、コントローラ3から上記グリース供給手段2のグリースポンプ6にグリースの供給を行わせるグリース給脂信号が送られる。
【0022】
次に、このグリース給脂装置1Aの動作を説明する。グリース濃度検出手段11は、そのグリース採取管12を経て、ボールねじ31内から一定の時間間隔ごとにエアでグリースを吸引して停止することにより、グリース溜まり13にグリースを採取する。鉄粉濃度計14は、グリース溜まり13に採取されたグリースの鉄粉濃度を検出し、その検出信号から計測部15が鉄粉濃度を計測し、その計測値がコントローラ3に送られる。計測を終えたグリース溜まり13のグリースは、エアによる再度の吸引によって外部に吸い出され、排油受け等に回収される。
コントローラ3の濃度判定部16は、一定の時間間隔ごとに送られてくるグリースの鉄粉濃度値が設定値を超えたか否かを判定する。鉄粉濃度値が設定値を超えたと濃度判定部16が判定したときに、コントローラ3からグリースポンプ6にグリース給脂信号が送られ、これによりグリースポンプ6からグリースが吐出されてボールねじ31に自動給脂される。
【0023】
図5は、上記グリース給脂装置1Aのグリース濃度検出手段11で検出される鉄粉濃度の時間経過の一例を実線で示すグラフである。鉄粉濃度値が設定値を超えると、上記したようにボールねじ31にグリースが自動給脂されるので、以後は鉄粉濃度値が設定値以下に安定する。ちなみに、鉄粉濃度値が設定値を超えてもグリースを給脂しないと、同図に破線で示すように、以後の鉄粉濃度は次第に上昇する。
【0024】
このように、このグリース給脂装置1Aでは、ボールねじ31内のグリースを一定の時間間隔ごとに採取してその鉄粉濃度を計測し、計測した鉄粉濃度が設定値を超えたときに、グリースをボールねじ31に自動給脂するようにしている。
そのため、潤滑不良により発生するボールねじ31の摩耗状態を、使用中のグリースに混入する鉄粉濃度から検出して、早期に適正な潤滑状態にすることができる。
【0025】
図6および図7は、この発明の第3の実施形態を示し、第3の発明に対応する。図6に示すように、この実施形態のボールねじのグリース給脂装置1Bは、ボールねじ31にグリースを供給するグリース供給手段2と、このグリース供給手段2のグリース供給の制御を行うコントローラ3と、ボールねじ31のねじ軸32とナット33の間に作用する軸方向荷重を検出する荷重検出手段17とを備える。グリース供給手段2は、図1に示した第1の実施形態の場合と同様に、グリースポンプ6や給脂管7等からなる。荷重検出手段17は、例えばナット33に設けられたロードセル18と、このロードセル18の検出信号から軸方向荷重を一定の時間間隔ごとに計測する計測部19とでなる。ボールねじ31のナット33には、搬送テーブル37が取付けられ、ねじ軸32の回転によりナット33と共に搬送テーブル37が軸方向に直線移動するようにされている。なお、ナット33に設けられたロードセル18は、具体的にはナット33の互いに軸方向に並ぶ2つに分割されたナット分割体33A,33Bの間に介在し、ナット分割体33A,33B間の軸方向荷重を検出する。
【0026】
コントローラ3は、上記荷重検出手段17で検出した軸方向荷重が所定の設定値を超えたか否かを判定する荷重判定部20を有し、検出した軸方向荷重が上記設定値を超えたと荷重判定部20が判定したときに、コントローラ3から上記グリース供給手段2のグリースポンプ6にグリースの供給を行わせるグリース給脂信号を送る。
【0027】
次に、このグリース給脂装置1Bの動作を説明する。荷重検出手段17は、ナット33に設置されるロードセル18により、ボールねじ31にかかる軸方向荷重を検出し、計測部19は一定の時間間隔ごとに上記検出信号から荷重値を計測し、その計測値がコントローラ3に送られる。コントローラ3の荷重判定部20は、一定の時間間隔ごとに送られてくる荷重値が設定値を超えたか否かを判定する。荷重値が設定値を超えたと荷重判定部20が判定したときに、コントローラ3からグリースポンプ6にグリース給脂信号が送られ、これによりグリースポンプ6からグリースが吐出されてボールねじ31に自動給脂される。
【0028】
図7は、上記グリース給脂装置1Bの荷重検出手段17で検出される荷重の時間経過の一例を示すグラフである。荷重値が設定値を超えると、上記したようにボールねじ31にグリースが自動給脂される。
【0029】
このように、このグリース給脂装置1Bでは、ボールねじ31の軸方向荷重を一定の時間間隔ごとに計測し、その計測値が設定値を超えたときに、グリースをボールねじ31に自動給脂するようにしているので、ボールねじ31が潤滑不良になり易い高負荷運転下ではグリースの給脂間隔が密となり、自動的に負荷状態に応じた適正な潤滑状態を維持することができる。
【0030】
なお、上記グリース給脂装置1Bにおいて、設定値を段階的に複数設けて、計測される荷重値が各段階の設定値を超えるとき、設定値の段階に応じて各計測タイミングでのグリースの給脂回数を異ならせるようにしてもよい。すなわち、計測される荷重値が段階の高い設定値を超えるときは給脂回数を多くし、荷重値が段階の低い設定値を超えるときは給脂回数を少なくするようにしても良い。このようにすることで、より良好な潤滑状態とすることができる。
【0031】
図8〜図11は、この発明の第4の実施形態を示し、第4の発明に対応する。
図8に示すように、この実施形態のボールねじのグリース給脂装置1Cは、ボールねじ31にグリースを供給するグリース供給手段2と、このグリース供給手段2のグリース供給の制御を行うコントローラ3と、上記ボールねじ31のボール周回経路に設けられてこの周回経路の所定位置を通過するボール個数をカウントする通過個数カウント手段21とを備える。グリース供給手段2は、図1に示した第1の実施形態の場合と同様に、グリースポンプ6や給脂管7等からなる。通過個数カウント手段21は、図9に示すように、ボールねじ31のナット33に設けたギャップセンサ22と、このギャップセンサ22の検出波形から通過するボール個数をカウントする計測部23とでなる。ギャップセンサ22は、図10のように、ギャップセンサ22とボール38間の距離を電圧に変換するものであり、図10(A)のようにギャップセンサ22の設置部をボール38が通過するときに、その検出出力が図10(B)のようにハイレベルとなる。図10(C)のようにギャップセンサ22の設置部からボール38が離れるときは、図10(D)のようにローレベルとなる。そのため、転走路36を走行するボール38がギャップセンサ22の設置部を通過することで、ギャップセンサ22の検出出力は図11のような繰り返し波形の電圧曲線となる。計測部23は、この交番電圧のピーク値をボール38の通過個数としてカウントする。
ギャップセンサ22は、この実施形態では、図9のようにナット33の外周から内周のねじ溝に貫通する設置孔39に挿入して設置されているが、ボール38の循環を検出できる位置であればどこに設置しても良い。
【0032】
コントローラ3は、上記通過個数カウント手段21のカウント値が所定の設定値を超えたか否かを判定する通過個数判定部24を有し、この通過個数判定部24が上記設定値を超えたと判定したときに、コントローラ3から上記グリース供給手段2のグリースポンプ6にグリースの供給を行わせるグリース給脂信号が送られる。
【0033】
上記設定値は、設定走行距離に応じて、例えば次のように設定される。
L:設定走行距離(km)
l:ボールねじリード(mm)
D:ボール中心径(mm)
d:ボール径(mm)
X:設定値
とするとき、設定走行距離Lまでにボールねじ31が回転した総回数Rは、
R=L×106 /l
となる。ボールねじ31の1回転に介在するボール個数Nは、
N=√(D2 +l2 )/d
となる。したがって設定値Xは、
X=R×N
として設定される。
【0034】
次に、このグリース給脂装置1Cの動作を説明する。通過個数カウント手段21によるカウント値が設定値Xを超えると、これをコントローラ3の通過個数判定部24が判定し、コントローラ3からグリースポンプ6にグリース給脂信号が送られる。これにより、グリースポンプ6からグリースが吐出されてボールねじ31に自動給脂される。なお、コントローラ3からグリースポンプ6へのグリース給脂信号の送信により、通過個数カウント手段21のカウント値は0にリセットされる。
【0035】
このように、このグリース給脂装置1Cでは、ボールねじ31におけるボール38の通過個数をカウントし、そのカウント値が設定値を超えたときに、グリースをボールねじ31に自動給脂するようにしているので、ボールねじ31が潤滑不良になり易い連続高速運転時には、自動的にグリースの給脂間隔が密となり、適正な潤滑状態を維持することができる。
【0036】
図12および図13は、この発明の第5の実施形態を示し、第5の発明に対応する。図12に示すように、この実施形態のボールねじのグリース給脂装置1Dは、ボールねじ31にグリースを供給するグリース供給手段2と、このグリース供給手段2のグリース供給の制御を行うコントローラ3と、上記ボールねじ31のねじ軸32の曲げ振動を検出する曲げ振動検出手段25とを備える。グリース供給手段2は、図1に示した第1の実施形態の場合と同様に、グリースポンプ6や給脂管7等からなる。曲げ振動検出手段25は、曲げ振動をピックアップする振動ピックアップ26と、振動ピックアップ26の検出信号から曲げ振動の振幅値を計測する計測部27とでなる。計測部27は、振動ピップアップ26の検出信号を一定の時間間隔ごとに取り込み、上記振幅値を計測してコントローラ3に送る。
【0037】
上記コントローラ3は振動判定部28と記憶部29を有する。振動判定部28は、上記曲げ振動検出手段25で検出された曲げ振動の振幅値の、所定の過去の振幅値に対する変化量が所定の設定値を超えたか否かを判定するものである。この振動判定部28が上記設定値を超えたと判定したときに、コントローラ3から上記グリース供給手段2のグリースポンプ6にグリースの供給を行わせるグリース給脂信号が送られる。この場合の、所定の過去の振幅値は、1つ前の計測タイミングでの振幅値であっても、複数の計測タイミングでの各振幅値の平均値等の統計的処理を行った値であっても良い。
【0038】
次に、このグリース給脂装置1Dの動作を説明する。振動ピックアップ26の検出信号は計測部27で一定の時間間隔ごとに取り込まれ、その検出信号から曲げ振動の振幅値が計測されてからコントローラ3に送られる。コントローラ3では、振動判定部28が、記憶部29に記憶されている所定の過去の振幅値に対して、今回送られてきた振幅値がどれだけ変化したかを演算し、その変化量が設定値を超えるか否かを判定する。また、今回送られてきた振幅値は、次回の判定に用いられる過去の振幅値としてそのまま、あるいは所定の統計的処理を施されて記憶部29に更新して記憶される。振動判定部28が設定値を超えたと判定したときに、コントローラ3からグリースポンプ6にグリース給脂信号が送られ、これによりグリースポンプ6からグリースが吐出されてボールねじ31に自動給脂される。図13は、この場合のボールねじ31における曲げ振動の振幅の時間経過を示す。
【0039】
このように、このグリース給脂装置1Dでは、ボールねじ31の曲げ振動の振幅値を計測し、その振幅値の所定の過去の振幅値に対する変化量が所定の設定値を超えたか否かを判定し、超えたときを潤滑不良の兆候として捉えて、グリースの給脂を行うようにしているので、ボールねじ31の回転速度が高くなって、ボールねじ31の曲げ振動で発生する振動の大きさ(振幅)が大きくなるといった厳しい運転条件の場合に、ボールねじ31に対して自動的にグリースを給脂することができる。また、潤滑不良になると、ボールの滑らかな公転が阻害されることで曲げ振動の振幅が大きくなるが、この場合にも、その状態を検出してグリースを自動給脂できるので、適正な潤滑状態に戻すことが可能となる。
【0040】
なお、上記各実施形態において、コントローラ3は、タイマ(図示せず)による設定時にグリース供給手段2にグリースの供給を行わせることをものとし、この設定時以外のときに、温度差判定部9、濃度判定部16、荷重判定部20、通過個数判定部24、および振動判定部28等のいずれかの判定部が設定値を超えると判定したときにもグリース供給を行わせるものとしても良い。
【0041】
また、上記温度差判定部9、濃度判定部16、荷重判定部20、通過個数判定部24、および振動判定部28等の各判定部は、いずれか複数を互いに組み合わせて設け、いずれかの判定部9,16,20,24,28の少なくとも一つが設定値を超えると判定したときにグリース供給を行わせるものとしても良い。またいずれか複数の判定部9,16,20,24,28の判定結果を総合して所定の規則で判定する総合判定手段(図示せず)を設け、その総合判定手段の判定結果によってグリース供給を行わせるものとしても良い。このように複数の判定部9,16,20,24,28を組み合わせる場合にも、タイマによる制御を基本とし、タイマの設定時以外のときに、判定部9…の判定結果により給脂を行わせるものとしても良い。上記いずれかの判定部9,16,20,24,28を設ける場合は、その判定部に対する上記各検出手段4,5,11,17,21,25を設ける。
複数の判定部9,16,20,24,28を組み合わせる例としては、例えば2つの場合、温度差判定部9を設け、他の濃度判定部16、荷重判定部20、通過個数判定部24、および振動判定部28のいずれかを組合わるようにしても良く、また濃度判定部16を設け、この他に荷重判定部20、通過個数判定部24、および振動判定部28のいずれかを組合わるようにしても良い。さらに、荷重判定部20を設け、通過個数判定部24、および振動判定部28のいずれかを組合わるようにしても良く、また通過個数判定部24と振動判定部28の組合わせとしても良い。
【0042】
【発明の効果】
この発明の第1の発明のボールねじのグリース給脂装置は、ナットの温度と使用環境温度との温度差の変化量が設定値を超えたか否かを判定し、その変化量が設定値を超えたとときにグリース供給を行うものであるため、使用環境温度の変化、および運転条件の変化による温度上昇に左右されることなく、潤滑不良によるボールねじの異常温度上昇を検出することができ、これにより実際の給脂必要状況を適切に検出して、適正な自動給脂が可能となる。
第2の発明のボールねじのグリース給脂装置は、ボールねじのグリースを採取して鉄粉濃度を検出し、検出された鉄粉濃度が設定値を超えたときにグリース供給を行わせるものとしたため、潤滑不良により発生する摩耗状態を検出し、これにより実際の給脂必要状況を適切に検出して、適正な潤滑状態にすることができる。
第3の発明のボールねじのグリース給脂装置は、ねじ軸とナットの間に作用する軸方向荷重を検出し、検出された軸方向荷重が設定値を超えたときにグリースの供給を行わせるものとしたため、実際の給脂必要状況を適切に検出して適正な自動給脂が行える。例えば、ボールねじが潤滑不良になり易い高負荷運転下ではグリースの給脂間隔が密となり、自動的に負荷状態に応じた適正な潤滑状態を維持することができる。
第4の発明のボールねじのグリース給脂装置は、ボール周回経路の所定位置を通過するボール個数をカウントし、通過個数が設定値を超えたとときにグリース供給を行わせるものとしたため、ボールねじの稼働距離から実際の給脂必要状況を適切に検出して適正な自動給脂が行え、ボールねじが潤滑不良になり易い連続高速運転時には、自動的にグリースの給脂間隔が密となり、適正な潤滑状態を維持することができる。
第5の発明のボールねじのグリース給脂装置は、ボールねじのねじ軸の曲げ振動を検出し、その変化量に応じてグリース供給を行わせるものとしたため、曲げ振動から、ボールねじの実際の給脂必要状況を適切に検出して適正な自動給脂を行うことができる。
第6の発明のボールねじのグリース給脂装置は、第1ないし第5の発明における判定部を任意に複数組み合わせてグリース供給を行わせるものとしたため、より的確なグリース給脂が可能となる。
第7の発明のボールねじのグリース給脂装置は、タイマによるグリース給脂を基本として、第1ないし第6のいずれかの発明における判定結果に応じたグリース供給を併用するものとしたため、グリース供給の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態にかかるボールねじのグリース給脂装置を示す模式図である。
【図2】同グリース給脂装置を用いた給脂によるボールねじのナット温度と経過時間の関係を示す説明図である。
【図3】この発明の第2の実施形態にかかるボールねじのグリース給脂装置を示す模式図である。
【図4】同グリース給脂装置を設置したボールねじの断面図である。
【図5】同グリース給脂装置を用いた給脂によるボールねじのグリース鉄粉濃度と経過時間の関係を示す説明図である。
【図6】この発明の第3の実施形態にかかるボールねじのグリース給脂装置を示す模式図である。
【図7】同グリース給脂装置を用いた給脂によるボールねじにかかる荷重と経過時間の関係を示す説明図である。
【図8】この発明の第4の実施形態にかかるボールねじのグリース給脂装置を示す模式図である。
【図9】同グリース給脂装置を設置したボールねじの断面図である。
【図10】同グリース給脂装置による通過ボール個数のカウント動作説明図である。
【図11】同グリース給脂装置が電気的に検出する通過ボールの波形図である。
【図12】この発明の第5の実施形態にかかるボールねじのグリース給脂装置を示す模式図である。
【図13】同グリース給脂装置を用いた給脂によるボールねじにおけるねじ軸の曲げ振動と経過時間の関係を示す説明図である。
【図14】従来のグリース給脂装置を用いた給脂によるボールねじのナット温度と経過時間の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1〜1C…グリース給脂装置
2…グリース供給手段
3…コントローラ
4…ナット温度検出手段
5…環境温度検出手段
9…温度差判定部
11…グリース濃度検出手段
16…濃度判定部
17…荷重検出手段
20…荷重判定部
21…通過個数カウント手段
24…通過個数判定部
25…曲げ振動検出手段
28…振動判定部
31…ボールねじ
32…ねじ軸
33…ナット
38…ボール
Claims (7)
- ボールねじにグリースを供給するグリース供給手段と、このグリース供給手段のグリース供給の制御を行うコントローラと、上記ボールねじのナットの温度およびボールねじの使用環境温度をそれぞれ検出する各温度検出手段とを備え、上記コントローラは、上記各温度検出手段から得たナットの温度と使用環境温度との温度差の変化量が設定値を超えたか否かを判定する温度差の判別部を有し、この温度差判別部が上記設定値を超えたと判定したときに上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとしたボールねじのグリース給脂装置。
- ボールねじにグリースを供給するグリース供給手段と、このグリース供給手段のグリース供給の制御を行うコントローラと、ボールねじのグリースを採取して鉄粉濃度を検出するグリース濃度検出手段とを備え、このコントローラは、上記グリース濃度検出手段で検出した鉄粉濃度が設定値を超えたか否かを判定する濃度の判定部を有し、この濃度判定部が上記設定値を超えたと判定したときに上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとしたボールねじのグリース給脂装置。
- ボールねじにグリースを供給するグリース供給手段と、このグリース供給手段のグリース供給の制御を行うコントローラと、ボールねじのねじ軸とナットの間に作用する軸方向荷重を検出する荷重検出手段とを備え、上記コントローラは、上記荷重検出手段で検出した軸方向荷重が設定値を超えたか否かを判定する荷重の判定部を有し、この荷重判定部が上記設定値を超えたと判定したときに上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとしたボールねじのグリース給脂装置。
- ボールねじにグリースを供給するグリース供給手段と、このグリース供給手段のグリース供給の制御を行うコントローラと、上記ボールねじのボール周回経路に設けられてこの周回経路の所定位置を通過するボール個数をカウントする通過個数カウント手段とを備え、上記コントローラは、上記通過個数カウント手段のカウント値が設定値を超えたか否かを判定する通過個数の判定部を有し、この通過個数判定部が上記設定値を超えたと判定したときに上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとしたボールねじのグリース給脂装置。
- ボールねじにグリースを供給するグリース供給手段と、このグリース供給手段のグリース供給の制御を行うコントローラと、ボールねじのねじ軸の曲げ振動を検出する曲げ振動検出手段とを備え、上記コントローラは、上記曲げ振動検出手段で検出された曲げ振動の振幅値の、所定の過去の振幅値に対する変化量が設定値を超えたか否かを判定する振動の判定部を有し、この振動判定部が上記設定値を超えたと判定したときに上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとしたボールねじのグリース給脂装置。
- ボールねじにグリースを供給するグリース供給手段と、このグリース供給手段のグリース供給の制御を行うコントローラとを備え、このコントローラは、請求項1ないし請求項5に記載のボールねじのグリース給脂装置における上記温度差の判定部、濃度の判定部、荷重の判定部、通過個数の判定部、および振動の判定部のうち、複数の判定部を有し、これら複数の複数の判定部のうち、いずれかの判定部が設定値を超えたと判定したときに、上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとしたボールねじのグリース給脂装置。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかにおいて、上記コントローラは、タイマで設定された時に上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものであって、このタイマによる設定時の他に、上記いずれかの判定部が設定値を超えたと判定したときに、上記グリース供給手段にグリースの供給を行わせるものとしたボールねじのグリース給脂装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002380550A JP2004211761A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | ボールねじのグリース給脂装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002380550A JP2004211761A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | ボールねじのグリース給脂装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004211761A true JP2004211761A (ja) | 2004-07-29 |
Family
ID=32816736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002380550A Pending JP2004211761A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | ボールねじのグリース給脂装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004211761A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007091568A1 (ja) * | 2006-02-07 | 2007-08-16 | Nabtesco Corporation | 減速装置 |
JP2008180380A (ja) * | 2006-12-29 | 2008-08-07 | Nsk Ltd | ねじ装置 |
JP2009036240A (ja) * | 2007-07-31 | 2009-02-19 | Toyo Mach & Metal Co Ltd | ボールねじの駆動制御装置及びそのボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機 |
JP2009279891A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Fanuc Ltd | 射出成形機の異常検出装置 |
JP2010054199A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Japan Steel Works Ltd:The | ボールネジ機構の劣化検査方法 |
DE102009023984A1 (de) * | 2009-06-05 | 2010-12-16 | Deckel Maho Pfronten Gmbh | Schmiervorrichtung für einen Kugelgewindetrieb |
JP2011149558A (ja) * | 2011-05-13 | 2011-08-04 | Nsk Ltd | ボールねじ装置 |
JP2015210112A (ja) * | 2014-04-24 | 2015-11-24 | 東京エレクトロン株式会社 | 直動機構の診断装置、潤滑剤供給装置、直動機構の診断方法及び潤滑剤供給方法 |
KR102511367B1 (ko) * | 2021-11-09 | 2023-03-16 | 하이윈 테크놀로지스 코포레이션 | 윤활유의 양을 실시간으로 모니터링 할 수 있는 선형 동력 전달 장치 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1158179A (ja) * | 1997-06-10 | 1999-03-02 | Shinichi Nakahira | 工作機械の熱変位補正方法および装置 |
JP2001058342A (ja) * | 1999-08-20 | 2001-03-06 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 電動射出成形機の駆動用のボールねじの損傷検出方法およびその保全方法 |
JP2001349407A (ja) * | 2000-06-08 | 2001-12-21 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | ボールねじの異常検出装置 |
JP2002028961A (ja) * | 2000-07-14 | 2002-01-29 | Japan Steel Works Ltd:The | 電動射出成形機のグリース給脂方法およびその装置 |
JP2002070978A (ja) * | 2000-09-01 | 2002-03-08 | Nichigi Engineering Co Ltd | ねじ係合部における摩耗等検出装置 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002380550A patent/JP2004211761A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1158179A (ja) * | 1997-06-10 | 1999-03-02 | Shinichi Nakahira | 工作機械の熱変位補正方法および装置 |
JP2001058342A (ja) * | 1999-08-20 | 2001-03-06 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 電動射出成形機の駆動用のボールねじの損傷検出方法およびその保全方法 |
JP2001349407A (ja) * | 2000-06-08 | 2001-12-21 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | ボールねじの異常検出装置 |
JP2002028961A (ja) * | 2000-07-14 | 2002-01-29 | Japan Steel Works Ltd:The | 電動射出成形機のグリース給脂方法およびその装置 |
JP2002070978A (ja) * | 2000-09-01 | 2002-03-08 | Nichigi Engineering Co Ltd | ねじ係合部における摩耗等検出装置 |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5004811B2 (ja) * | 2006-02-07 | 2012-08-22 | ナブテスコ株式会社 | 減速装置 |
WO2007091568A1 (ja) * | 2006-02-07 | 2007-08-16 | Nabtesco Corporation | 減速装置 |
US8435149B2 (en) | 2006-02-07 | 2013-05-07 | Nabtesco Corporation | Reduction gear device |
JP2008180380A (ja) * | 2006-12-29 | 2008-08-07 | Nsk Ltd | ねじ装置 |
JP2009036240A (ja) * | 2007-07-31 | 2009-02-19 | Toyo Mach & Metal Co Ltd | ボールねじの駆動制御装置及びそのボールねじの駆動制御装置を備えた電動式射出成形機 |
JP2009279891A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Fanuc Ltd | 射出成形機の異常検出装置 |
JP4568350B2 (ja) * | 2008-05-26 | 2010-10-27 | ファナック株式会社 | 射出成形機の異常検出装置 |
JP2010054199A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Japan Steel Works Ltd:The | ボールネジ機構の劣化検査方法 |
DE102009023984A1 (de) * | 2009-06-05 | 2010-12-16 | Deckel Maho Pfronten Gmbh | Schmiervorrichtung für einen Kugelgewindetrieb |
DE102009023984B4 (de) * | 2009-06-05 | 2016-01-14 | Deckel Maho Pfronten Gmbh | Schmiervorrichtung für einen Kugelgewindetrieb |
JP2011149558A (ja) * | 2011-05-13 | 2011-08-04 | Nsk Ltd | ボールねじ装置 |
JP2015210112A (ja) * | 2014-04-24 | 2015-11-24 | 東京エレクトロン株式会社 | 直動機構の診断装置、潤滑剤供給装置、直動機構の診断方法及び潤滑剤供給方法 |
KR102511367B1 (ko) * | 2021-11-09 | 2023-03-16 | 하이윈 테크놀로지스 코포레이션 | 윤활유의 양을 실시간으로 모니터링 할 수 있는 선형 동력 전달 장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106168534B (zh) | 具备机床的异常检测功能的异常检测装置及异常检测方法 | |
KR100715252B1 (ko) | 구름 베어링의 잔여수명 진단방법 및 그 잔여수명 진단장치 | |
US9133827B2 (en) | Method for lubricating at least one blade pitch bearing of a wind turbine | |
JP2004211761A (ja) | ボールねじのグリース給脂装置 | |
JP4956261B2 (ja) | 潤滑状態検知装置、潤滑剤供給装置、射出成形機、および、潤滑状態検知方法 | |
JP3997528B2 (ja) | 転がり軸受の診断方法及び診断装置 | |
Kharche et al. | Review of fault detection in rolling element bearing | |
JP5192397B2 (ja) | 潤滑状態検出装置及び潤滑状態検出方法 | |
JP2008106900A (ja) | 転がり軸受装置 | |
CA2355503A1 (en) | Bearing vibration diagnostic apparatuses and methods of detecting vibration of bearings | |
JP2005351363A (ja) | 潤滑剤補給装置 | |
KR20170113181A (ko) | 베어링 장치 | |
JP7411347B2 (ja) | 潤滑油供給ユニットおよび軸受装置 | |
US7071834B2 (en) | Device for monitoring the operating conditions of rolling bearing | |
JP5064978B2 (ja) | 軸受潤滑装置の動作確認方法 | |
JP4917079B2 (ja) | ボールネジ機構の劣化検査方法 | |
JP5609134B2 (ja) | 荷重センサ付き軸受装置を具備した工作機械の主軸装置 | |
TWI815960B (zh) | 軸承裝置 | |
WO2020195563A1 (ja) | 軸受装置 | |
JP2010076057A (ja) | 主軸装置用異常検出装置、主軸装置用異常検出方法、及び主軸装置、並びに工作機械 | |
CN112771458A (zh) | 用于机电接合系统的状态分析的方法和执行该方法的机电接合系统 | |
JP2010025826A (ja) | 直動ねじ装置の異常判定方法 | |
EP3088790B1 (en) | Method of bearing re-lubrication | |
JP2003176830A (ja) | グリース補給装置及びスピンドル装置 | |
JP2016217726A (ja) | 転がり軸受の潤滑状態診断装置及び転がり軸受の潤滑状態診断方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051201 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20061213 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20061213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081028 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081118 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090317 |