JP2002200501A - 流体軸受スリーブ加工用旋盤装置とその加工方法 - Google Patents
流体軸受スリーブ加工用旋盤装置とその加工方法Info
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Abstract
補正するための全ての補正量を求め、加工精度を向上さ
せることができる流体軸受スリーブ加工用旋盤装置を提
供する。 【解決手段】 ワーク6を保持し回転させる主軸スピン
ドルモータ1と、ワーク6の複数の加工部位をそれぞれ
切削加工するための複数のバイト7a,b,cと、複数
のバイト7a,b,cが取り付けられたバイト台2と、
バイト台2を複数のバイト7a,b,cが加工部位にそ
れぞれ位置するように移動制御するNC制御手段4(制
御手段)と、ワーク6の切削加工完了後に、複数の加工
部位のうちいずれか1つの加工部位における加工後寸法
を測定する内径測定器3(測定手段)と、1つの加工部
位における加工後寸法に基づいて複数の加工部位におけ
る全ての加工誤差量Da,Db,Dcを求め、この加工誤
差量Da,Db,Dcを加工寸法を補正するための補正量
としてNC制御手段4に出力する演算手段5とから構成
した。
Description
置に組み込まれる流体軸受のスリーブを加工する流体軸
受スリーブ加工用旋盤装置および方法に関するものであ
る。流体軸受のスリーブとシャフトとの隙間は、数ミク
ロンとなるように高精度加工される必要がある。
として、一般的に櫛歯型NC旋盤装置が用いられ、この
旋盤装置は、複数のバイトが1つのバイト台に一体に固
定されている。この旋盤装置は、モータによりワークを
回転駆動するとともに、バイト台をX,Z軸方向に移動
して、所望のバイトをワークの加工部位に順次当接させ
てワークを切削加工する。
受スリーブを取り出し、内径測定器により内径の加工後
寸法を測定してから、この加工後寸法とあらかじめ設定
された加工寸法とを比較して加工誤差量を求める。次
に、この加工誤差量を加工寸法を補正するための補正量
としてバイト台を移動する制御装置にフィードバックし
て内径の加工精度を向上させる。
クされ、例えば外径などの他の加工部位における補正量
は、制御装置にフィードバックされない。これにより、
残りの加工部位において加工精度が向上せず、加工寸法
がばらつくという問題があった。そこで、複数の測定器
を設けて他の加工部位においても加工後寸法を求めるよ
うにすることが考えられる。
が冷却される場合や、ワークの加工部位に供給される切
削油とバイト台との温度差が大きい場合などにおいて、
前切削加工時と次切削加工時との間でバイト台の温度に
温度差が生じることがある。
に複数の測定器を設けると製造コストが高くなるという
問題がある。また、それぞれの測定器において全ての加
工後寸法が得られるまで、次の切削加工を中断する必要
があるという問題があった。
切削加工時との間でバイト台の温度に温度差が生じると
バイト台が熱変形し、バイト台に取り付けられているバ
イトが前切削加工時と比べて次切削加工時に位置ずれを
起こす。このように加工精度が低下して加工部位におい
て加工寸法がばらつくという問題があった。
位における加工寸法を補正するための全ての補正量を求
め、加工精度を向上させることができる流体軸受スリー
ブ加工用旋盤装置および方法を提供することを課題とす
る。また、バイト台の温度に対応して補正量を求め、加
工精度を向上させることができる流体軸受スリーブ加工
用旋盤装置および方法を提供することを課題とする。
決するための手段として、ワークを保持し回転させる主
軸スピンドルモータと、前記ワークの複数の加工部位を
それぞれ切削加工するための複数のバイトと、前記複数
のバイトが取り付けられたバイト台と、該バイト台を前
記複数のバイトが前記加工部位にそれぞれ位置するよう
に移動制御する制御手段と、前記ワークの切削加工完了
後に、前記複数の加工部位のうちいずれか1つの加工部
位における加工後寸法を測定する測定手段と、前記1つ
の加工部位における加工後寸法に基づいて前記複数の加
工部位における全ての加工誤差量を求め、該加工誤差量
を加工寸法を補正するための補正量として前記制御手段
に出力する演算手段とからなるものである。
に、演算手段が、1つの加工部位における加工後寸法に
基づいて、複数の加工部位における全ての加工誤差量を
求め、これらの加工誤差量を制御手段に加工寸法を補正
するための補正量として出力することにより、ワークの
全ての加工部位において加工誤差をなくし、加工精度を
向上させることができる。
他の手段として、ワークを保持し回転させる主軸スピン
ドルモータと、前記ワークの複数の加工部位をそれぞれ
切削加工するための複数のバイトと、前記複数のバイト
が取り付けられたバイト台と、該バイト台を前記複数の
バイトが前記加工部位にそれぞれ位置するように移動制
御する制御手段と、前記ワークの切削加工完了後に、前
記複数の加工部位のうちいずれか1つの加工部位におけ
る加工後寸法を測定する測定手段と、前記バイト台の温
度を検出する温度検出手段と、前記1つの加工部位にお
ける加工後寸法に基づいて前記複数の加工部位における
全ての加工誤差量を求め、該加工誤差量と前記温度検出
手段で検出した温度値とに基づいて加工寸法を補正する
ための補正量を求めて前記制御手段に出力する演算手段
とからなるものである。
に、演算手段が、1つの加工部位における加工後寸法に
基づいて複数の加工部位における全ての加工誤差量を求
める。さらに、これらの加工誤差量と温度検出手段から
入力されたバイト台の温度値とに基づいて、加工寸法を
補正するための補正量を求め制御手段に出力する。これ
により、前切削加工時と次切削加工時との間でバイト台
が熱変形し、バイト台に取り付けられているバイトが、
前切削加工時と比べて次切削加工時に位置ずれを起こし
た場合でも、次切削加工時のバイト台の温度に対応して
ワークの全ての加工部位において加工誤差をなくし、加
工精度を向上させることができる。
他の手段として、ワークを回転し、制御手段により複数
のバイトが一体に取り付けられたバイト台を前記複数の
バイトが前記ワークの複数の加工部位にそれぞれ位置す
るように移動制御して、前記複数の加工部位を前記複数
のバイトによりそれぞれ切削加工する流体軸受スリーブ
加工方法において、ワークの切削加工完了後に、前記複
数の加工部位のうちいずれか1つの加工部位における加
工後寸法を測定し、演算手段により前記1つの加工部位
における加工後寸法に基づいて前記複数の加工部位にお
ける全ての加工誤差量を求め、該加工誤差量を加工寸法
を補正するための補正量として前記制御手段に出力する
ものである。
他の手段として、ワークを回転し、制御手段により複数
のバイトが一体に取り付けられたバイト台を前記複数の
バイトが前記ワークの複数の加工部位にそれぞれ位置す
るように移動制御して、前記複数の加工部位を前記複数
のバイトによりそれぞれ切削加工する流体軸受スリーブ
加工方法において、ワークの切削加工完了後に、前記複
数の加工部位のうちいずれか1つの加工部位における加
工後寸法を測定し、前記バイト台の温度を検出し、検出
した温度値を演算手段に出力し、該演算手段により前記
1つの加工部位における加工後寸法に基づいて前記複数
の加工部位における全ての加工誤差量を求め、該加工誤
差量と前記温度検出手段で検出した温度値とに基づいて
加工寸法を補正するための補正量を求めて前記制御手段
に出力するものである。
図面にしたがって説明する。
軸受スリーブ加工用旋盤装置を示す。この流体軸受スリ
ーブ加工用旋盤装置は、主軸スピンドルモータ1、バイ
ト台2、内径測定器3、NC制御手段4および演算手段
5を備えたものである。
示しないチャックを備え、このチャックにより主軸スピ
ンドルモータ1内部を貫通するワーク6を前記バイト台
2の近傍に位置するように保持している。また、主軸ス
ピンドルモータ1は、前記NC制御手段4により回転駆
動され、ワーク6を図中α方向へ回転させるものであ
る。
にバイト7a,b,cがそれぞれ一体に取り付けられて
いる。また、バイト台2は、前記NC制御手段4により
図示しない駆動手段を介して図中X,Z軸方向へ移動さ
れ、バイト7a,b,cをワーク6の加工部位にそれぞ
れ当接させるものである。バイト7a,bは、それぞれ
ワーク6の内面、外面を加工し、バイト7cは、ワーク
6を切り離すものである。ワーク6を切削加工完了した
後にワーク6から切り離される流体軸受スリーブ6a
は、図示しない搬送ロボットにより内径測定器3まで搬
送されるようになっている。
aの内径を測定するものである。また、内径測定器3
は、測定した内径値(加工後寸法)を前記演算手段5に
出力する。また、内径測定器3は、市販されている電気
マイクロメータもしくはエアーマイクロメータなどであ
ることが好ましい。
ンなどからなり、前記内径測定器3から入力された内径
値に基づいて、あらかじめ設定されたデータシートによ
り全てのバイト7a,b,cにおける加工誤差量を決定
する。また、加工寸法を補正するための補正量を加工誤
差量に基づいて求め、前記NC制御手段4に出力するも
のである。前記データシートは、図2に示すように、バ
イト台2の温度Tに対するバイト7a,b,cの加工誤
差量Dの関係を表わしたものである。このデータシート
は、温度が20℃の後述する切削油が供給されるバイト
台2の温度Tが20℃(T0)となるときに、それぞれ
のバイト7a,b,cにおける加工誤差量Dが0である
ようにバイト7a,b,cの取付位置を決定した後に、
切削油温度を調節してバイト台2の温度Tを変化させる
とともに、そのときの加工誤差量Dをそれぞれ測定し記
録したものである。これらの加工誤差量Dは、バイト台
2の温度Tに比例して、直線la,lb,lcで表わされ
る。
外部には、切削加工に用いられる切削油の温度を一定温
度(本実施形態では20℃)に保つように調節するため
の温度調節機8が設けられている。切削油は、ワーク6
の加工部位に供給するために供給手段8aによりバイト
台2の上面に供給されるものである。これにより、加工
により生じる切削屑をワーク6の加工部位の周囲から取
り除くことができる。
加工用旋盤装置の動作について説明する。
り矢印α方向へ回転されるとともに、バイト台2が、N
C制御手段4にあらかじめ設定された加工プログラムに
従って、図示しない駆動手段によりX,Z軸方向に移動
される。バイト台2のバイト7a,b,cが、ワーク6
のそれぞれの加工部位を順次加工する。本実施形態にお
いては、ワーク6の内面がバイト7aにより切削加工さ
れ、ワーク6の外面がバイト7bにより切削加工され、
流体軸受スリーブ6aがバイト7cによりワーク6から
切り離され、流体軸受スリーブ6aの切削加工が完了す
る。この流体軸受スリーブ6aが、図示しない搬送ロボ
ットにより内径測定器3へ搬送され、流体軸受スリーブ
6aの内径が測定される。
示すように、ステップ101において、内径測定器3に
より測定された流体軸受スリーブ6aの内径値d1が、
入力されたか否かを判断する。入力された場合、ステッ
プ102において、この入力された内径値d1を読み取
り、ステップ103において、あらかじめ設定されてい
る目標内径値d0よりバイト7aにおける加工誤差量Da
(Da=d1−d0)を求める。次に、図2に示すデータ
シートに従って、直線laより加工誤差量Daに対応する
バイト台2の温度T1を求め、ステップ104におい
て、直線lb,lcよりバイト台2の温度T1に対応する
バイト7b,cにおける加工誤差量Db,D cを求める。
これにより、内径以外の他の加工部位においても、加工
後寸法を測定する測定器を設けることなく加工誤差量D
b,Dcを求めることができる。
の加工誤差量Da,Db,Dcを加工寸法を補正するため
の補正量Ea,Eb,EcとしてNC制御手段4に出力す
る。これにより、NC制御手段4は、補正量Ea,Eb,
Ecを用いて加工寸法における加工誤差量Da,Db,Dc
をなくすように、バイト台2を加工寸法に応じて移動す
ることができるので、バイト7a,b,cによりワーク
6の全ての加工部位において加工精度の向上した切削加
工が行なわれる。
軸受スリーブ加工用旋盤装置を示す。この流体軸受スリ
ーブ加工用旋盤装置は、バイト台2の温度Tを直接測定
するための温度検出手段9がバイト台2に設けられ、前
記演算手段5における動作が異なる以外は、図1の装置
と同一であり、対応する部分には同一符号を付して説明
を省略する。
示すように、ステップ101−1において、流体軸受ス
リーブ6aを切削加工する直前のバイト台2の温度T1
を測定する。次に、前述した図3のフローチャートのス
テップ101からステップ104と同一の動作を行な
い、加工誤差量Da,Db,Dcを求める。続いて、ステ
ップ104−1において、次の流体軸受スリーブ6aを
切削加工する直前のバイト台2の温度T2を測定し、ス
テップ104−2において、以下に示す数1、数2およ
び数3より次切削加工時のバイト台2の温度T2に対応
して、加工寸法を補正するための補正量Ea,Eb,Ec
をそれぞれ求める。
御手段4に加工寸法を補正するための補正量Ea,Eb,
Ecを出力する。これにより、NC制御手段4は、補正
量Ea,Eb,Ecを用いて加工寸法における加工誤差量
Da,Db,Dcをなくすように、バイト台2を加工寸法
に応じて移動することができるので、バイト7a,b,
cによりワーク6の全ての加工部位において、バイト台
2の温度に対応した加工精度の向上した切削加工が行な
われる。
ト7a,b,cが摩耗する。例えばバイト7aが摩耗し
て、図2に示すように、温度検出手段9により検出され
るバイト台2の温度が20℃であっても、加工誤差量X
が生じる場合がある。このとき、演算手段5は、直線l
aのそれぞれの加工誤差量Dに加工誤差量Xを加算して
求められる直線la’を用いて、加工誤差量Daに対応す
る温度T1を求めるようにすることが好ましい。
によれば、ワークの切削加工完了後に、演算手段が、1
つの加工部位における加工後寸法に基づいて、複数の加
工部位における全ての加工誤差量を求め、これらの加工
誤差量を、制御手段に加工寸法を補正するための補正量
として出力しフィードバックするので、ワークの全ての
加工部位において加工誤差をなくし、加工精度を向上さ
せることができる。
完了後に、演算手段が、1つの加工部位における加工後
寸法に基づいて複数の加工部位における全ての加工誤差
量を求め、加工誤差量と温度検出手段で検出した温度値
とに基づいて加工寸法を補正するための補正量を求めて
制御手段に出力しフィードバックするので、切削加工時
のバイト台の温度に対応してワークの全ての加工部位に
おいて加工誤差をなくし、加工精度を向上させることが
できる。
ブ加工用旋盤装置の概略図。
タシート。
チャート。
ブ加工用旋盤装置の概略図。
チャート。
Claims (4)
- 【請求項1】 ワークを保持し回転させる主軸スピンド
ルモータと、 前記ワークの複数の加工部位をそれぞれ切削加工するた
めの複数のバイトと、 前記複数のバイトが取り付けられたバイト台と、 該バイト台を前記複数のバイトが前記加工部位にそれぞ
れ位置するように移動制御する制御手段と、 前記ワークの切削加工完了後に、前記複数の加工部位の
うちいずれか1つの加工部位における加工後寸法を測定
する測定手段と、 前記1つの加工部位における加工後寸法に基づいて前記
複数の加工部位における全ての加工誤差量を求め、該加
工誤差量を加工寸法を補正するための補正量として前記
制御手段に出力する演算手段とからなることを特徴とす
る流体軸受スリーブ加工用旋盤装置。 - 【請求項2】 ワークを保持し回転させる主軸スピンド
ルモータと、 前記ワークの複数の加工部位をそれぞれ切削加工するた
めの複数のバイトと、 前記複数のバイトが取り付けられたバイト台と、 該バイト台を前記複数のバイトが前記加工部位にそれぞ
れ位置するように移動制御する制御手段と、 前記ワークの切削加工完了後に、前記複数の加工部位の
うちいずれか1つの加工部位における加工後寸法を測定
する測定手段と、 前記バイト台の温度を検出する温度検出手段と、 前記1つの加工部位における加工後寸法に基づいて前記
複数の加工部位における全ての加工誤差量を求め、該加
工誤差量と前記温度検出手段で検出した温度値とに基づ
いて加工寸法を補正するための補正量を求めて前記制御
手段に出力する演算手段とからなることを特徴とする流
体軸受スリーブ加工用旋盤装置。 - 【請求項3】 ワークを回転し、制御手段により複数の
バイトが一体に取り付けられたバイト台を前記複数のバ
イトが前記ワークの複数の加工部位にそれぞれ位置する
ように移動制御して、前記複数の加工部位を前記複数の
バイトによりそれぞれ切削加工する流体軸受スリーブ加
工方法において、 ワークの切削加工完了後に、前記複数の加工部位のうち
いずれか1つの加工部位における加工後寸法を測定し、 演算手段により前記1つの加工部位における加工後寸法
に基づいて前記複数の加工部位における全ての加工誤差
量を求め、該加工誤差量を加工寸法を補正するための補
正量として前記制御手段に出力することを特徴とする流
体軸受スリーブ加工方法。 - 【請求項4】 ワークを回転し、制御手段により複数の
バイトが一体に取り付けられたバイト台を前記複数のバ
イトが前記ワークの複数の加工部位にそれぞれ位置する
ように移動制御して、前記複数の加工部位を前記複数の
バイトによりそれぞれ切削加工する流体軸受スリーブ加
工方法において、 ワークの切削加工完了後に、前記複数の加工部位のうち
いずれか1つの加工部位における加工後寸法を測定し、 前記バイト台の温度を検出し、検出した温度値を演算手
段に出力し、 該演算手段により前記1つの加工部位における加工後寸
法に基づいて前記複数の加工部位における全ての加工誤
差量を求め、該加工誤差量と前記温度検出手段で検出し
た温度値とに基づいて加工寸法を補正するための補正量
を求めて前記制御手段に出力することを特徴とする流体
軸受スリーブ加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000401862A JP4583593B2 (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 流体軸受スリーブ加工用旋盤装置とその加工方法 |
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