JPH1157996A - こて先部材および半田ごて - Google Patents

こて先部材および半田ごて

Info

Publication number
JPH1157996A
JPH1157996A JP9224967A JP22496797A JPH1157996A JP H1157996 A JPH1157996 A JP H1157996A JP 9224967 A JP9224967 A JP 9224967A JP 22496797 A JP22496797 A JP 22496797A JP H1157996 A JPH1157996 A JP H1157996A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tip member
material portion
tip
carbon material
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9224967A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Kawashima
川島  勉
Naomi Nishiki
直巳 西木
Yukio Maeda
幸男 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP9224967A priority Critical patent/JPH1157996A/ja
Publication of JPH1157996A publication Critical patent/JPH1157996A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間の使用による劣化がなく、半田付け量
のばらつきが少ないこて先部材で、かつ、こて先部材加
熱装置への取り付け部を自由な形状に加工でき、こて先
部材の取り付け時にこて先部材の破損がなく、取り扱い
の容易なこて先部材を提供する。 【解決手段】 こて先部材(20)は、柱状炭素材料部
分(1)およびそれに接合された金属材料部分(10)
により構成され、柱状炭素材料部分は、加熱対象に熱を
供給する一方の端部(5)および金属材料部分に接合さ
れる他方の端部(6)を有して成り、柱状炭素材料部分
と金属材料部分との接合は、柱状炭素材料部分の該他方
の端部における端面(7)を介して行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品等の半田
付け、プラスチック成形品の熱かしめ、または封止など
に使用する半田ごて、およびそのような半田ごてのこて
先部材に関する。尚、本明細書において、「半田ごて」
なる用語は、半田の加熱溶融にのみ使用されるものに限
定されるものではなく、対象物を加熱するために使用す
る、いわゆる半田ごてを意味するものであり、例えば半
田を含む種々の金属または合金、プラスチック等の加熱
溶融に使用される一般的な「加熱用こて」を広く意味す
るものとして使用している。
【0002】
【従来の技術】近年、電子回路の高密度実装化が進み、
フローソルダリング、リフローソルダリングなど多点の
半田付けを一括に高品質に行う技術が進歩してきてい
る。しかしながら、フローソルダリング、リフローソル
ダリング等で処理できない半田付けには、半田ごてが多
く使用されている。半田ごては、半田付け時には、半田
付け対象物と半田との間に合金層を形成するため、半田
付け対象物を所定の温度まで加熱するために使用され、
半田ごてのこて先部材には、熱伝導性の良い銅が多く用
いられている。
【0003】銅製こて先部材は、溶融した半田による溶
食、半田付け時のフラックスによる腐食などによって消
耗していく。この溶食や腐食を防ぐため、銅製こて先に
は、鉄またはニッケルなどの金属または合金の耐食性メ
ッキ層が形成されている。そして、このこて先部材の濡
れ面では、半田濡れ性を向上させるために、耐食性メッ
キ層の上にさらに半田メッキ層が形成されている。ま
た、こて先の非濡れ面では、耐食性メッキ層の上にさら
にクロムなどの金属または合金により半田濡れ性の低い
メッキ層を形成して半田の不必要な付着を防いでいる。
【0004】しかしながら、こて先部材を長期間使用す
れば、耐食性メッキ層でも摩耗が起きて銅素地が露出す
るので、溶融した半田により溶食される。また、メッキ
層形成時に、あるいは、こて先部材を使用する間に、メ
ッキ層に欠陥部または亀裂部が生じる場合があり、この
欠陥部や亀裂部から侵入した溶融半田により銅素地が溶
食されてメッキ層が崩れてくることがある。このため、
こて先部材の半田濡れ面の形状が変化してしまい、半田
付け対象物間で半田が連なるいわゆるブリッジ不良が発
生しやすくなる。高密度実装に用いられる半田ごてで
は、こて先の濡れ部が微小間隔での半田付けに適応でき
るように尖端部となっているが、この尖端部が溶食や腐
食によりわずかに変形しても微小間隔での半田付けでブ
リッジ不良が発生する。このブリッジ不良は、半田付け
間隔が更に微小化すると一層著しくなる。またに、尖端
部にメッキ層が形成されているため、熱伝導性が悪く、
半田付け対象物の加熱不足による半田不足が発生し易
い。
【0005】そこで、溶融半田による溶食を防ぐために
炭素体からなるこて先部材が、特公平2−50827号
公報に記載されている。炭素体は、元々半田濡れ性が低
いので、このこて先部材では、半田濡れ性を向上させる
ために、その炭素体の表面全体に鉄メッキ層が形成され
ている。即ち、尖端部の半田濡れ面は鉄メッキ層で覆わ
れている。
【0006】そのため、半田濡れ面では、鉄メッキ層の
半田濡れ性によって供給した半田が付着し、半田の一部
が濡れ面上に残る。その結果、半田付け量にばらつきを
生じ、高精度の半田付けができない場合がある。この半
田付け量のばらつきを抑えるために、半田付けを一定回
数行うごとに、こて先部材の濡れ面に残留した半田の除
去、あるいはその濡れ面に付着したフラックスの除去の
ため、その濡れ面をクリーニングする必要がある。
【0007】一方、銅製こて先の絶縁性および耐久性向
上のため、上述のような耐食性メッキ層よりも一層耐食
性に優れた、高硬度のセラミックスまたはアモルファス
等のコーティング膜を形成したこて先部材も半田付けに
使用されている。しかし、このようなコーティング膜に
は半田濡れ性がほとんどないため、半田の溶け込みが非
常に悪く、溶融した半田がボール状になって濡れ面上を
急速度で転がるため、半田付け精度が非常に悪い。半田
ボールを発生させないようにするため、このこて先部材
は、半田付け対象物に予め塗布しておいた半田を加熱溶
融する方法にしか使えない。
【0008】このような問題点を解決するために、炭素
系材料で形成されたこて先部材が、特願平08−236
355にて出願されている。このこて先部材は炭素系材
料で形成されており、半田濡れ面では炭素系材料が露出
している。炭素系材料は金属と比べると、半田濡れ性は
低いが、セラミックスやアモルファスのように半田ボー
ルの発生がない。また、炭素系材料で形成された半田濡
れ面は、溶融半田の残留が起きないので、常にほぼ所定
量の溶融半田を対象物に流せる。そのため、炭素系材料
で形成されたこて先部材は溶融半田による劣化がなく、
半田付け量のばらつきも少ない。
【0009】また、炭素系材料がグラファイトであり、
このグラファイトが熱伝導異方性を有し、グラファイト
の高熱伝導方向がこて先部材の後端部から先端部への方
向と平行となるようになっているときには、後端部で受
容した熱が銅製こて先部材よりも非常に速く先端部に伝
わるため、こて先部材の先端部が尖端状となるなど細寸
化しても、高熱伝導性により対象物を所定の温度に加熱
することができるので、必要な熱量を供給することがで
きる。そのため、高密度実装において半田付け間隔が微
小化しても半田付け対象物の加熱不足による半田不足が
発生することがない。また、尖端部が溶食されないた
め、変形することがなく、ブリッジ不良が発生しにく
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにこて先部材を炭素系材料だけで形成する場合、特
に高配向性グラファイトをこて先部材に使用する場合、
炭素系材料の不十分な強度のためにこて先部材を自由な
形状に、精度良く加工することが難しい。そのため、こ
て先部材の形状を従来の銅製こて先部材と同じ形状にす
ることは必ずしも容易ではなく、たとえ同じ形状にでき
ても従来と同じ方式でこて先部材加熱装置(即ち、半田
ごてのこて先部材以外の部材であって、こて先部材を加
熱するための装置)に取り付けることができない。その
ため、炭素系材料のこて先部材を使用するためには、こ
て先部材加熱装置やこて先部材取り付け方式を新たに設
計する必要がある。
【0011】また、上述のように金属系材料と比較して
炭素系材料は強度が弱いため、こて先部材をヒータに取
り付ける時にこて先部材が破損しやすく、取り扱いが難
しい。更に、炭素系材料は、金属系材料と比較して熱容
量が小さいため、特に高密度実装用にこて先部材の先端
部が尖端状となったとき、半田付け対象物に熱を供給す
ることによってこて先部材の先端部の温度が大きく下が
り、加熱温度のコントロールが難しい。
【0012】本発明は、上記問題点を解決するもので、
長期間の使用による劣化がなく、半田付け量のばらつき
が少ないこて先部材で、かつ、こて先部材加熱装置への
取り付け部を自由な形状に加工でき、こて先部材の取り
付け時にこて先部材の破損がなく、取り扱いの容易なこ
て先部材を提供することを目的とする。本発明は、更
に、半田付け時のこて先部材の先端部の温度コントロー
ルが容易なこて先部材を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに種々検討した結果、こて先部材およびこて先部材加
熱装置から構成される半田ごてに用いるこて先部材を、
柱状炭素材料部分およびそれに接合された金属材料部分
により構成し、炭素材料部分は、加熱対象に熱を供給す
る一方の端部および金属材料部分に接合される他方の端
部を有して成り、炭素材料部分の該他方の端部における
面の少なくとも一部分が金属材料部分に接合されている
ことを特徴とするこて先部材により解決されることを見
いだした。
【0014】即ち、本発明は、柱状炭素材料部分および
それに接合された金属材料部分により構成されたこて先
部材であって、柱状炭素材料部分は、加熱対象に熱を供
給する一方の端部および金属材料部分に接合される他方
の端部を有して成り、炭素材料部分と金属材料部分との
接合は、柱状炭素材料部分の該他方の端部における端面
の少なくとも一部分を介して行われることを特徴とする
こて先部材を提供する。
【0015】本発明のこて先部材において、金属材料部
分は、こて先部材加熱装置に配置された加熱要素により
(例えばヒーターからの熱を受容することにより、ある
いはこて先部材加熱装置に配置された高周波誘導要素に
より加熱されることにより)熱量を有し、この熱量は、
金属材料部分から柱状炭素材料部分の該他方の端部の端
面を介して柱状炭素材料部分に伝達され、最終的には柱
状炭素材料部分の端部から加熱対象に伝達される。好ま
しい態様では、金属材料部分の熱容量が柱状炭素材料部
分の熱容量より大きい。
【0016】本発明のこて先部材において、炭素材料と
は、実質的に炭素から構成される材料であり、例えば、
グラファイト、ダイヤモンド、不定系炭素、ガラス状炭
素、カルビン、フラーレンなどが挙げられるが、炭素材
料部分は、炭素以外の材料を含まないのが最も好ましい
が、それを形成するために必要な材料に由来する不可避
的な炭素以外の成分を含んでもよい。例えば、炭素材料
部分の形成に使用されることがある接着剤またはバイン
ダー(例えば不定系炭素、ガラス状炭素)に由来する不
純物が存在してもよく、あるいは炭素材料部分のコア部
分が炭素以外の材料を含んでもよい。本発明のこて先部
材の炭素材料部分において、例えば接着剤またはバイン
ダーとして、炭素以外の材料が含まれることを完全に排
除するものではなく、このように炭素以外の材料を多少
含んでもよい。炭素以外の材料を含んでもよい程度の尺
度は、含むことにより生じる不利益のために、上述の本
発明が解決すべき課題のいずれか1つに関して、本発明
のこて先部材が、従来のこて先部材と実質的に同等であ
るか否かで判断できる。即ち、同等となる程度まで炭素
以外の材料を含むことは本発明の範囲に含まれない。
【0017】金属材料部分の金属材料としては、こて先
部材本体の加熱方式により異なった材質を用いることが
できる。こて先部材をセラミックヒータなどの別のヒー
タからの伝熱によって加熱する方式では、熱伝導性のよ
い金属、より具体的には、例えば銅を基体として、酸
化、腐食防止のため、耐食性のよい金属や合金、例え
ば、鉄、ニッケル等でメッキしたものが挙げられる。他
方、こて先部材を高周波誘導で加熱する方式(従って、
金属材料部分自体が発熱する方式)では、比透磁率の大
きな金属、例えば、鉄、SUS430等が挙げられる。
【0018】金属材料部分の形状は特に限定されるもの
ではないが、一般的に柱状(例えば円柱、角柱、円錐、
角錐、もしくはこれらの一部分、またはこれらのいずれ
かの組み合わせの形状)であるのが好ましく、炭素材料
部分の端面を含む一部分を受容できるように形成された
凹部を有してもよい。
【0019】また、炭素系材料で形成された柱状体と金
属材料で形成された柱状体の接合は、例えば、炭素系材
料で形成された柱状体の後端面と金属材料で形成された
柱状体の先端面の突き合わせ、あるいは、金属材料で形
成された柱状体の先端面に炭素系材料で形成された柱状
体の後端部を収容する凹部を設け、その凹部に炭素系材
料で形成された柱状体の後端部を挿入する構造が挙げら
れる。
【0020】好ましい態様では、柱状炭素材料部分は、
中実の円柱、角柱、円錐、角錐、もしくはこれらの一部
分、またはこれらのいずれかの組み合わせの形状を有す
る。場合により、中実ではなく、筒状であってもよい。
また、そのような柱状部分は、その一部分が切除されて
いてもよい。特に好ましい態様では、柱状炭素材料部分
は、円柱または角柱状である。加熱対象に熱を供給する
端部は、シャープな形状、例えばエッジ状または尖端状
部分を有するのが好ましく、そのような部分がいわゆる
濡れ面を形成する。また、従来からの半田ごてのよう
に、端部がテーパー形状であってもよい。
【0021】柱状炭素材料部分と金属材料部分との接合
は、柱状炭素材料の該他方の端部における面(即ち、端
面)全体で行われるのが特に好ましいが、必ずしも全体
である必要はなく、端面の一部分であってもよい。この
端面は、柱状材料の軸方向(即ち、長手方向)に対し
て、垂直であっても、あるいはそうでなくてもよい。ま
た、別の態様では、端面に加えて、それに隣接する柱状
炭素材料部分の側面を介して柱状炭素材料部分と金属材
料部分との接合が達成されてよい。双方の材料部分の間
の接合は、材料部分の直接的な物理的接触のみであって
もよい。しかしながら、こて先部材の一体性を確保する
ために、適当な接着剤を用いて接合部を形成するのが好
ましい。この適当な接着剤は、いわゆる金属鑞であって
よく、例えば、ボロン、ゲルマニウム、リチウム、チタ
ン、シリコン、タングステンおよびジルコニウムの少な
くとも1種類および母材、例えば金、白金、銅および銀
の少なくとも1種類を含んで成る組成物を金属鑞として
使用することができる。
【0022】本発明の好ましい態様では、柱状炭素材料
部分は、熱伝導異方性を有するグラファイトで構成さ
れ、熱伝導率の高い方向が柱状炭素材料部分の軸方向に
平行となるように、即ち、金属材料と接合する端面から
加熱対象を加熱する端部に向かう方向の熱伝導が相対的
に大きくなるように、金属材料部分と接合されている。
【0023】本発明は、更に、上述および/または後述
のようなこて先部材を有する半田ごて、即ち、こて先部
材およびこて先部材加熱装置により構成される半田ごて
を提供する。
【0024】
【作用】本発明のこて先部材では、炭素材料が加熱対象
への熱供給端であるため、銅製こて先部材のように溶融
半田に溶食されることがなく、長期間の使用による濡れ
面の劣化がない。更に、炭素材料は、半田またはプラス
チックなどの溶融物に対する濡れ性が低いので、そのよ
うな溶融物が濡れ面に付着しない。そのため、供給した
量の半田またはプラスチックをすべて対象物に流すこと
ができるため、半田付け量のばらつきが少なくなる。
【0025】また、こて先部材加熱装置への取り付け部
として作用する金属材料部分が、金属材料で形成される
ため、この部分を自由な形状に精度良く加工でき、金属
材料部分を、それを取り付ける、こて先部材加熱装置の
こて先部材取付部分の形状と相補的な形状にすることに
より、従来の半田ごてのこて先部材加熱装置に容易に装
着することができ、取り付け時にこて先部材が破損する
こともない。
【0026】更に、金属材料部分は炭素材料部分と比較
して熱容量が大きいため、金属材料部分がこて先部材加
熱装置から炭素材料部分より多くの熱を受容して蓄積す
る、あるいはこて先部材加熱装置によってよりおおくの
熱を発生して蓄積することができる。そのため、半田付
け時にこて先部材の先端部の温度が降下しても、金属材
料部分から多くの熱を炭素材料部分の先端部へ直ちに供
給できるので、全体が炭素材料で形成されたこて先部材
と比べて、こて先部材の先端部の温度降下が小さくな
り、加熱温度のコントロールが容易になる。
【0027】また、こて先部材の先端部が尖端状となる
など細寸化しても、先端部の尖端状となる部分のみを炭
素系材料で形成し、それ以外の部分を金属材料で形成す
ることにより、炭素材料部分の高熱伝導性により必要な
熱量を供給することができるため、加熱対象を所定の温
度に加熱することができる。そのため、先端部を尖端状
とした銅製のこて先部材と比較して、半田付け対象の加
熱不足による半田付け不良が少なくなる。
【0028】更に、炭素材料部分と金属材料部分が鑞付
けにより接続されている場合、金属鑞の層により双方の
部分が接続されるので、接続部での熱抵抗が小さくな
り、金属材料部分の熱を効率よく炭素材料部分に伝える
ことができる。
【0029】炭素材料部分が上述のように熱伝導異方性
材料により構成される場合には、その材料の特定の方向
の熱伝導に優れる性質を効率的に利用でき、全体が金属
材料でできている従来のこて先部材よりも優れたこて先
部材を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明のこて先部材は、柱状炭素
材料部分と金属材料部分により形成され、柱状炭素材料
部分の一端が、こて先部材から加熱対象への熱供給端で
ある。熱は、こて先部材加熱装置により加熱された金属
材料部分から炭素材料部分を介して加熱対象に伝えられ
る。
【0031】炭素材料部分は、好ましい態様では、例え
ば炭素系材料の長尺のシートを密に巻き上げた積層体、
または短尺のシートをそのまま積層した積層体もしくは
ブロック、あるいは炭素系材料の繊維を多数本を一体に
束ねた形態であってよい。このような形態において、炭
素系材料の層または繊維同士を固定または結合したり、
ブロックまたは積層体の重ね合わせ方向に沿った側面部
を固定したりするのに、例えば、接着剤を使用すること
ができる。繊維の束において繊維同士を固定したり、成
形体において粒子同士を固定したりするのに、例えば結
合剤(バインダー)を使用することができる。この接着
剤または結合剤としては、こて先部材の使用時の加熱に
よっても変質しにくく、しかも比較的熱伝導性が良いと
いう要件を考慮すると、例えば、不定系炭素、ガラス状
炭素などの炭素系の耐熱性接着剤または結合剤が挙げら
れる。また、炭素系のものに代えてまたはそれに加え
て、それ以外のもの、例えばセラミック系の接着剤また
は結合剤を使用してもよく、例えば窒化ホウ素、ジルコ
ニア、炭化ケイ素を例示できる。
【0032】炭素材料としては、上述のように、例え
ば、グラファイト、ダイヤモンド、不定系炭素、ガラス
状炭素、カルビン、フラーレンなどが挙げられ、安価で
熱伝導性がよいという点からはグラファイトが好まし
い。また、グラファイトが、例えば空気中において60
0℃の温度に対する耐熱性を有しているため、熱伝導性
低下の原因となる、酸化による表面層の劣化が起こりに
くいという利点を有する。
【0033】グラファイトとしては、熱伝導異方性を有
するものでも、熱伝導等方性を有するものでも使用する
ことができる。普通のグラファイトは、不規則に配列し
た多数のグラファイト結晶粒からなっているため熱伝導
等方性を有する。他方、熱伝導異方性を有するグラファ
イトは、c軸方向にグラファイト結晶粒が多数配列して
いて、c軸と直行する方向に高熱伝導であり、c軸と平
行な方向に低熱伝導である。熱伝導異方性を有するグラ
ファイトは、銅に比べて、特定方向の熱伝導性が極めて
高いので、この高熱伝導方向を柱状炭素材料部分の後端
部から先端部への方向(柱状体の軸方向)に沿うように
配することにより、金属材料部分から受容された熱が速
やかに炭素材料部分の先端部へ伝わるようになるので好
ましい。このような高熱伝導方向の熱伝導は、例えば、
400W/(mK)〜2000W/(mK)であり、低
熱伝導方向の熱伝導は5W/(mK)程度である。この
ように、熱伝導異方性を有するグラファイトは、高熱伝
導性方向については、銅の熱伝導率400W/(mK)
の1〜5倍の熱伝導を有する。
【0034】熱伝導異方性を有するグラファイトとして
は、例えば、熱分解グラファイトのうちの配向性を有す
るものが挙げられ、高熱伝導方向の熱伝導率がより高い
という点を考慮すると、高配向性グラファイトが好まし
い。ここで、「配向」とは、多数のグラファイト結晶粒
のc軸がある一定方向に配列している割合が高いことを
いう。高配列性グラファイトは、多数のグラファイト結
晶粒のc軸がある一定方向に配列している割合が特に高
く、好ましくはロッキング特性が20度以下であり、高
熱伝導方向の熱伝導が特に高い。ここで測定したロッキ
ング特性は、X線回折装置を用いて測定した、グラファ
イト(0002)線の半価幅である。
【0035】高配向性グラファイトとしては、例えば、
炭化水素系ガスを用い、CVD法によって炭素原子を基
板上に積層させてからアニーリングして得られるもの、
高分子化合物のシート(フィルムと称されているものを
含む)をグラファイト化したものを挙げることができ
る。例えば、芳香族ポリイミドのシートを焼成して得ら
れた高配向性グラファイトのシートは、グラファイト結
晶のAB面方向の熱伝導率が600W/(mK)であ
る。
【0036】そのような高分子化合物として各種ポリオ
キサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビ
スチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビ
スオキサゾール、各種ポリイミド、各種ポリアミド、ポ
リフェニレンベンゾイミダゾール、ポリフェニレンベン
ゾビスイミダゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニ
レンビニレンからなる群の中から選ばれる少なくとも1
つを使用することができる。
【0037】前記高分子化合物のシートをグラファイト
化する焼成条件は、特に限定されないが、2000℃以
上、好ましくは3000℃近辺の温度域に達するように
焼成すると、より高配向性の優れたグラファイトができ
るため好ましい。焼成は、普通、不活性ガス中で行われ
る。最高温度が2000℃未満で焼成すると、得られた
グラファイトは硬くて脆くなる傾向がある。焼成後、さ
らに必要に応じて圧延処理するようにしてもよい。この
高分子化合物のシートは適当な大きさに切断してからグ
ラファイト化することができる。
【0038】このようにして得られる高配向性グラファ
イトは、たとえば、シート(プレートまたはフィルムと
称される形態を含む)状またはブロック状の形状を有す
る。高熱伝導方向の熱伝導率が、シート状グラファイト
で400〜800W/(mK)、ブロック状グラファイ
トで600〜2000W/(mK)であり、低熱伝導方
向の熱伝導率はいずれも5W/(mK)程度である。こ
のような高配向性グラファイトの製造は、特開平3−7
5211号公報に開示されており、本発明においてもこ
れを参照できる。こて先部材の先端部は、炭素系材料が
露出していて濡れ面となっていて、この濡れ面が被加熱
対象物への熱供給源となり、半田やプラスチックなどの
溶融可能な材料、加熱対象物などを加熱するようになっ
ている。
【0039】また、こて先部材の先端部は、半田付けの
微細化に対応するように、尖端部とすることができる。
たとえば、先端部は柱状体の軸方向と斜めに交差するテ
ーパ面を有することができる。この場合、このテーパ面
では、炭素系材料が露出しているので、テーパ面が濡れ
面となることができる。このテーパ面が先端部を先細り
にするとともに半田やプラスチックの溶融物の流れの方
向をある程度制御することができる。このため、加熱接
続対象物が、電子回路基板のランドとこのランドから直
角にまたは鋭角に立ち上がった電子部品のピンとの間の
角部のごとき角部を有する場合には、テーパ面を設ける
ことにより、先細りとなった先端部がその角部の角まで
達しやすくなり、半田やプラスチックの溶融物を角部の
角まで十分供給できるようになる。
【0040】上述のような本発明のこて先部材の具体的
な例として以下の2つの形態を例示できる。 (実施の形態1)図1に、本発明の1つの形態のこて先
部材20を、図1(a)および図1(b)にそれぞれ斜
視図および断面図にて示す。こて先部材20は、柱状炭
素材料部分1および金属材料部分10を有して成る。図
示した態様では、金属材料部分10には、柱状炭素材料
部分1を緊密に収容できる凹部11が形成され、その凹
部11に柱状炭素材料部分1の一部分が挿入されてい
る。柱状炭素材料部分1は、一端5において加熱対象に
対して熱を供給し、他方の端部6を有し、端部6におけ
る端面7は金属材料部分10に柱状炭素材料部分1を接
合している。図1の態様では、端面7に加えて、柱状炭
素材料部分1の側面の一部分8においても柱状炭素材料
部分1と金属材料部分10が接合されている。柱状炭素
材料部分1は、その端部5において濡れ面9を有し、半
田はこの濡れ面および端部5の先端面にて溶融されて流
れる。
【0041】図示した態様では、柱状炭素材料部分1
は、一方の端部5が尖端である角柱状の単結晶ライクグ
ラファイトにより形成されている。また、金属材料部分
10はテーパ面12を有する。これは、こて先部材20
をこて先部材加熱装置(図示せず)に取り付ける際に、
加熱装置内にこて先部材20を挿入してテーパ面12を
露出させ、そのテーパ面12に部分的に係合する内側テ
ーパ形状を有するキャップをテーパ面に被せて加熱装置
に設けたネジ部分にねじ込むことによって、こて先部材
20を加熱装置に取り付けるためのものである。こて先
部材の加熱装置への取付方法が異なる場合には、その取
付方法に応じて、金属材料部分10を適当な形状および
ディメンジョンに加工することにより、いずれかの適当
な取付方法でこて先部材を加熱装置に取り付けることが
できる。
【0042】角柱状のグラファイト1と柱状金属材料部
分10の接合は、ろう付け等により双方の材料部分の端
面同士を突き合わせてそのまま接続してもよいが、接合
強度を上げるため、炭素材料部分1の柱状体の後端部6
を収容する凹部11を金属材料部分10に設けておき、
この凹部11に柱状炭素材料部分1の後端部6を挿入
し、その挿入部を接合面全体(即ち、炭素材料部分の端
面7および側面8)にわたって鑞付けするのが好まし
い。
【0043】角柱状の単結晶ライクグラファイト1は、
図示するように、高熱伝導方向と柱状炭素材料部分の軸
の方向とが一致する(または平行となる)ように配置さ
れている低熱伝導方向、即ち、軸に垂直な方向には剥離
しやすいため、剥離可能面に金属板13を貼りつける
か、コーティング膜を形成することにより、その剥離面
を固め、グラファイトの層間剥離を防止するとともにこ
て先部材の先端部の強度を上げることができる。金属板
13としては、たとえば、耐食性の鉄、ニッケル板など
が挙げられる。コーティング膜としては、たとえば、ガ
ラス状カーボン等の耐熱性接着剤またはコーティング剤
から形成される。金属板13の貼り付けは、例えば上述
の耐熱性接着剤で行うことができる。
【0044】尚、柱状炭素材料部分1の端部5には、軸
方向に対して斜めに交差するテーパ面14を濡れ面とし
て研磨加工により形成してある。図1に示したこて先部
材20では、このテーパ面と先端部における軸に対して
垂直な面が濡れ面となる。
【0045】(実施の形態2)図2に、本発明の別の形
態のこて先部材20を、図2(a)および図2(b)に
それぞれ斜視図および断面図にて示す。こて先部材20
は、柱状炭素材料部分1および金属材料部分10を有し
て成る。図示した態様では、金属材料部分10には、柱
状炭素材料部分1を緊密に収容できる凹部11が形成さ
れ、その凹部11に円柱状炭素材料部分1の一部分が挿
入されている。図2に示した態様では、柱状炭素材料部
分が図1の場合と異なる以外は、図1に示した態様と同
じである。従って、図1の場合と異なる特徴のみ説明す
る。
【0046】柱状炭素材料部分1は、芯材4を中心とし
てこの芯材4の外周面に熱伝導異方性を有するグラファ
イトシート3を巻き重ね合わせて積層して、接着するこ
とにより一体に円柱状としたものである。高配向性グラ
ファイトシート3は高結晶グラファイトで形成されてい
て熱伝導異方性を有しており、グラファイト結晶の配向
方向がグラファイトシートの面に沿う方向に揃ってい
る。このため、グラファイト結晶の配向方向が、巻き重
ね合わせの周方向に揃っているとともに、後端部から先
端部への方向(即ち、軸方向)に平行になっている。こ
のグラファイトシート3の面方向の熱伝導率は600W
/(mK)と銅の熱伝導率の約1.5倍である。グラフ
ァイトシート3同士、またはグラファイトシート3と芯
材4とは、たとえば耐熱性接着剤で接着されている。耐
熱性接着剤としては400℃以上の耐熱性をもち、グラ
ファイトの接着強度が強いものを用いることができ、た
とえばガラス状カーボン、あるいはセラミックス(例え
ば窒化ホウ素)等が使用できる。
【0047】芯材4は、柱状炭素材料部分1の軸線方向
の中心部に配されていて、強度保持材として、またはグ
ラファイトシート3を巻き付ける巻芯として使用され
る。芯材4として、たとえば半田濡れ性の低い金属(例
えばクロム)、セラミックス(例えばジルコニア)、炭
素系材料(例えば不定形炭素)等が使用される。芯材4
としてグラファイトシートと同じ化学的性質をもち、引
っ張り強度が大きい炭素系材料が特に好ましい。
【0048】
【実施例】次に、本発明の具体例を説明する。 (実施例1)上述の形態1のこて先部材の実施例を以下
に示す。角柱状炭素材料部分1のグラファイトとして3
mm(高熱伝導方向)×2mm(低熱伝導方向)×20
mmの寸法のブロック状の単結晶ライクグラファイトを
使用した(一方の端部5にてテーパ面を形成)。柱状の
金属材料部分10として、表面に金属メッキ層として鉄
をメッキ層を有する無酸素銅を用いた。
【0049】角柱状炭素材料部分1と円柱状の金属10
の接続は、金属材料部分の端部に3.3×2.3×深さ
10mmの凹部11を設け、角柱状のグラファイト1の
後端部6を挿入し、チタン、銀、銅の合金でろう付けし
た。
【0050】このこて先部材を従来技術の半田ごてのこ
て先部材として使用して、ピン半田と落とし込み半田を
行った。その結果、ピン半田では、35000ポイン
ト、落とし込み半田では、50000ポイントの半田付
け後、こて先部材を確認したところ、こて先部材の劣化
は認められなかった。また、グラファイトには半田が付
着せず、熱伝導性がよいため、こて先部材は銅製こて先
部材のように1次半田を供給する必要がなく、こて先部
材のクリーニングの必要もなかった。また、半田の溶け
込みがよく、半田ボールの発生もなかった。
【0051】更に、半田付け時のこて先部材先端部の温
度降下をこて先部材の濡れ面に熱電対を設けて、濡れ面
を回路基板に接触させることにより測定した。その結
果、温度降下は、炭素系材料のみで形成したこて先部材
と比較して15%改善した。具体的な温度降下は、40
℃であった。
【0052】また、従来の銅製こて先部材と同じこて先
加熱装置、および同じこて先部材取付方式のため、こて
先部材をこて先加熱装置に容易に取り付けることがで
き、取り付け時にこて先部材を破損することもなかっ
た。
【0053】(実施例2)図2に示した2のこて先部材
の具体例を実施例2として以下に示す。円柱状炭素材料
部分1は、芯材4としてφ2.0mm、長さ30mmの
等方性カーボンを使用し、膜厚0.1mmの高配向性グ
ラファイトシート3の一端を芯材4に接着剤で固定し
た。次に、芯材4にグラファイトシート3をφ5.0m
mになるまで固く巻き付け、巻き終わり部は接着剤(具
体的にはカーボン接着剤)で固定した。また、グラファ
イトシート3同士間の接着剤として、例えば空気中での
耐熱性800℃を有するガラス状カーボンを使用した。
それには、グラファイトシート3の巻き付け後に、熱処
理によってガラス状カーボンとなる液状物(例えば、タ
ール、ピッチ、または液状樹脂)中に巻き付けたグラフ
ァイトを浸し、真空にすることによってシート間の隙間
にその液を浸透させ、最後に、熱処理することにより、
その液を炭化または硬化させた。その後、研磨加工によ
り、一端5の先端部にテーパ面14を形成し、他端の後
端部6は円柱状とした。
【0054】柱状の金属10として基体に無酸素銅を用
い、表面に金属メッキ層12として鉄をメッキした。炭
素系材料で形成した柱状体1と柱状の金属10の接合
は、金属10の端部にφ5.3mm、深さ15mmの凹
部11を設け、炭素材料で形成した柱状体1の後端部6
を挿入し、実施例1と同じ合金でろう付けした。
【0055】実施例1と同様にこのこて先部材を使用
し、ピン半田を行ったところ、10000ポイントの半
田付け後もこて先部材の劣化は認められなかった。ま
た、先端部のグラファイトには半田が付着せず、熱伝導
がよいため、従来のこて先部材のように1次半田を送る
必要もなく、こて先部材のクリーニングの必要もなかっ
た。また、半田の溶け込みがよく、半田ボールの発生も
なかった。
【0056】更に、半田付け時のこて先部材先端部の温
度降下をこて先部材の濡れ面に熱電対をつけ、濡れ面を
回路基板に接触させることにより測定した。その結果、
温度降下は、炭素系材料のみで形成したこて先部材と比
較して15%改善した。具体的な温度降下は、40℃で
あった。
【0057】また、従来の銅製こて先部材と同じこて先
加熱装置、および同じこて先部材取付方式のため、こて
先部材をこて先加熱装置に容易に取り付けることがで
き、取り付け時にこて先部材を破損することもなかっ
た。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、こて先部材が柱状炭素
材料部分と金属材料部分により形成され、柱状炭素材料
部分の一端がこて先部材から加熱対象物への熱供給端で
あり、他端の柱状材料部分の端面にて金属材料部分と接
合されており、金属材料部分を介して、こて先部材加熱
装置による熱が炭素材料部分に伝えられる。
【0059】そのため、炭素材料は、半田やプラスチッ
クなどの溶融物に対する濡れ性という点では不十分では
あるが、フラックスとなじみがよいために半田溶融物が
濡れ面に残留せず、半田溶融物がボールを形成すること
が実質的に無い、または殆どないので、濡れ面では供給
した量の半田溶融物を正確に接合対象物に供給すること
ができ、半田付け量、あるいは熱かしめや封止でのプラ
スチック量の精度を大幅に改善することができると共
に、こて先部材の先端部のクリーニングの必要がなくな
る。
【0060】また、濡れ面が半田溶融物に溶食されず、
フラックスによって腐食されず、更に、空気中の酸素に
よって酸化されないため、濡れ面形状がほとんど変化せ
ず、長期間の使用によるこて先部材の劣化がおきにく
い。このため、半田付け対象物間で半田が連なるいわゆ
るブリッジ不良が発生しにくく、半田付けや熱かしめや
封止などの接合に用いたときでも長寿命であり、長期間
安定した半田付け・熱かしめ・封止部などの接合が可能
となる。
【0061】こて先部材加熱装置への取り付けが金属材
料部分で行われるため、金属材料部分を必要な形状に高
精度に加工でき、強度も強いため、こて先部材加熱装置
への取り付けが容易になる。また、通常の銅製こて先部
材と同じ形状の金属材料部分とすることにより、通常の
銅製こて先部材を使用するこて先部材加熱装置に容易に
装着することができ、取り付け時にこて先部材が破損す
ることもない。
【0062】更に、金属材料は炭素系材料と比較して熱
容量が大きいため、金属材料部分がこて先部材加熱装置
の加熱手段から炭素材料部分より多くの熱を受容して蓄
積することができるため、半田付け時に炭素材料部分で
生じたこて先部材先端部の温度降下に応じて、即座に金
属材料部分から多くの熱が先端部へ供給されるため、熱
を対象物に供給する先端部の温度降下が小さく、温度コ
ントロールが容易になる。
【0063】また、こて先部材の先端部が尖端状となる
など細寸化しても、先端部の尖端状となる部分のみを炭
素材料で形成し、それ以外の部分を金属材料で形成する
ことにより、炭素材料の高熱伝導性により必要な熱量を
供給することができるため、対象物を所定の温度に加熱
することができる。その結果、銅製こて先部材で先端部
を尖端状とした従来のこて先部材と比較して、半田付け
対象物の加熱不足による半田付け不良が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のこて先部材の第1の形態を模式的に
示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図であ
る。
【図2】 本発明のこて先部材の第2の形態を模式的に
示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図であ
る。
【符号の説明】
1 柱状炭素材料部分、3 高配向性グラファイトシー
ト、4 芯材、5,6 端部、7 端面、8 柱状炭素
材料部分の側面の一部分、9 濡れ面、 10 金属材
料部分、11 凹部、12 テーパ面、13 金属板、
14 濡れ面、20 こて先部材。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱状炭素材料部分およびそれに接合され
    た金属材料部分により構成されたこて先部材であって、
    柱状炭素材料部分は、加熱対象に熱を供給する一方の端
    部および金属材料部分に接合される他方の端部を有して
    成り、柱状炭素材料部分と金属材料部分との接合は、柱
    状炭素材料部分の該他方の端部における端面の少なくと
    も一部分を介して行われることを特徴とするこて先部
    材。
  2. 【請求項2】 柱状炭素材料部分は、熱伝導異方性の高
    配向性グラファイトにより形成され、グラファイトの高
    熱伝導方向と柱状炭素材料部分の軸方向とが平行となる
    ように金属材料部分に接合されていることを特徴とする
    請求項1記載のこて先部材。
  3. 【請求項3】 柱状炭素材料部分の熱容量より金属材料
    部分の熱容量が大きいことを特徴とする請求項1または
    2記載のこて先部材。
  4. 【請求項4】 端面における柱状炭素材料部分と金属材
    料部分との間の接合は、ボロン、ゲルマニウム、リチウ
    ム、チタン、シリコン、タングステンおよびジルコニウ
    ムから選ばれる少なくとも1種類および金、白金、銅お
    よび銀から選ばれる少なくとも1種類の母材成分を含ん
    で成る金属鑞付け部により達成されていることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかのこて先部材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のこて先
    部材およびこて先部材加熱装置により構成される半田ご
    て。
JP9224967A 1997-08-21 1997-08-21 こて先部材および半田ごて Pending JPH1157996A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9224967A JPH1157996A (ja) 1997-08-21 1997-08-21 こて先部材および半田ごて

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9224967A JPH1157996A (ja) 1997-08-21 1997-08-21 こて先部材および半田ごて

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1157996A true JPH1157996A (ja) 1999-03-02

Family

ID=16822022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9224967A Pending JPH1157996A (ja) 1997-08-21 1997-08-21 こて先部材および半田ごて

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1157996A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008095171A (ja) * 2006-10-08 2008-04-24 Momentive Performance Materials Inc 伝熱複合材、関連するデバイス及び方法
JP4958131B2 (ja) * 1999-04-20 2012-06-20 坂本 篤信 半田鏝等の熱鏝及びその制御方法
WO2014061158A1 (ja) * 2012-10-19 2014-04-24 株式会社島津製作所 フローセルユニット
CN114406389A (zh) * 2022-02-25 2022-04-29 中航电测仪器股份有限公司 一种电阻应变计小尺寸焊盘挂锡方法
CN116352210A (zh) * 2023-04-28 2023-06-30 哈尔滨工业大学 一种金刚石电烙铁及其制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4958131B2 (ja) * 1999-04-20 2012-06-20 坂本 篤信 半田鏝等の熱鏝及びその制御方法
JP2008095171A (ja) * 2006-10-08 2008-04-24 Momentive Performance Materials Inc 伝熱複合材、関連するデバイス及び方法
WO2014061158A1 (ja) * 2012-10-19 2014-04-24 株式会社島津製作所 フローセルユニット
CN114406389A (zh) * 2022-02-25 2022-04-29 中航电测仪器股份有限公司 一种电阻应变计小尺寸焊盘挂锡方法
CN116352210A (zh) * 2023-04-28 2023-06-30 哈尔滨工业大学 一种金刚石电烙铁及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7699208B2 (en) Soldering tip, soldering iron, and soldering system
CA2302490C (en) Process of using an active solder alloy
CA1188160A (en) Carbon-based soldering and de-soldering tip and method of manufacturing same
KR20030074836A (ko) 브레이징 플럭스로서의 환원 금속
JP2011527979A (ja) SiC−ダイヤモンドを接合する方法
HU190872B (en) Replaceable bit for soldering and melting down tools
JPH1157996A (ja) こて先部材および半田ごて
CN112338389B (zh) 一种铝铜钎焊用层叠带状自钎钎料及其制备方法
JPH07218670A (ja) 冷却装置の製造方法
US4000026A (en) Method and cement for bonding carbon articles
JPH1024362A (ja) こて先および接合方法
JPH1024361A (ja) こて装置および接合方法
JP3392594B2 (ja) アルミニウム−セラミックス複合基板のエッチング処理方法およびエッチング液
JP4736097B2 (ja) スタッド溶接ピン
JPH06212Y2 (ja) 半田鏝用鏝先
KR100325355B1 (ko) WC-Co계 초경합금과 공구강의 접합방법
TWM449059U (zh) 單晶鑽石工具
JP3415414B2 (ja) 熱圧着ツール
US20060169744A1 (en) Soldering tip with wear-and corrosion resistant coating
JPH05228624A (ja) ダイヤモンド多結晶体半田付け工具
JPS59156976A (ja) 金属部材とセラミツク部材との結合体及びその結合方法
JP2004281369A (ja) セラミックヒータおよびそれを用いた流体加熱装置
JP2004184796A (ja) 光ファイバアレイの製造方法
JP2004154801A (ja) はんだ吸取装置のノズル
JPH0679773B2 (ja) 半田コテ先