JPH1157533A - 薄膜形成装置用塗布ノズルおよびこの塗布ノズルを用いた薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置用塗布ノズルおよびこの塗布ノズルを用いた薄膜形成装置

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JPH1157533A
JPH1157533A JP21942197A JP21942197A JPH1157533A JP H1157533 A JPH1157533 A JP H1157533A JP 21942197 A JP21942197 A JP 21942197A JP 21942197 A JP21942197 A JP 21942197A JP H1157533 A JPH1157533 A JP H1157533A
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JP
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coating
coating liquid
substrate
nozzle
thin film
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JP21942197A
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Yoichi Kojima
洋一 小嶋
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Original Assignee
Able Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】基板に塗布液をできるだけ少ない量でムラなく
塗布する。 【構成】塗布ノズル37は第1および第2ノズル部材4
3,44の2部材からなる。第1および第2ノズル部材
43,44が互いに接合された状態では、第1および第
2凹部45,45′により比較的大きな空所46が形成
されているとともに、この空所46に接続されかつ下端
で開口する多数の溝48,48,…が形成されている。更
に、多数の溝48,48,…との間に所定の小間隙αを形
成するようにしてワイヤー47が塗布ノズル37の長手
方向に沿って設けられている。送給配管38を通して送
られてくる塗布液は空所46に一旦貯えられ、この空所
46から更に多数の溝48,48,…を通って小間隙αに
溜まり、更にそこからワイヤー47の外周をその長手方
向に沿ってほぼ一様に覆うことにより、長手方向に沿っ
て一様に吐出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばカラー液晶
テレビに使用される薄い角形ガラス等の基板に、薄膜を
形成するために塗布液を塗布する塗布ノズルの技術分
野、およびこの塗布ノズルを用いて基板に薄膜を形成す
る薄膜形成装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】年々大型化しているカラー液晶テレビに
おいては、液晶のドライブ回路や赤、緑、青のカラーフ
ィルターを形成するために薄膜が多く使用されている。
この薄膜を形成する従来の方法の一つとしてスピンコー
ト法があり、このスピンコート法は基板をモータに直結
された回転テーブル上で塗布液を該基板中心部に吐出さ
せるとともに、回転テーブルを回転させることにより遠
心力を発生させ、塗布液を基板上に均一に拡げる方法で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
スピンコート法においては、基板が大型化しているとと
もに、その基板は形状が角形となっているものが多い。
このため、角形基板を回転させたときその基板の周辺付
近に風が発生する。そして、基板外周端部付近において
は、その風および回転時周速が中心部より大きいことに
より、塗布液が中心部より早く乾燥するようになるた
め、形成される薄膜が基板外周端部に近いほど厚くなっ
てしまうという問題がある。
【0004】また、塗布液の表面張力等によって、基板
角部付近に塗布液が集中し、この基板角部に形成される
薄膜が厚くなったり、更に塗布液がこの基板角部付近に
集中すると、表面張力が破壊され、基板裏面に塗布液が
回り込み、ごみの発生原因となるという問題があった。
【0005】更に、従来の方法では、基板の中央に吐出
する塗布液の量を、塗布液が基板の全面にムラなく行き
届くようにするために、基板に薄膜を形成するために必
要な量よりはるかに多くしなければならない。このた
め、かなり多くの量の高価な塗布液が無駄になってしま
い、コストがかなり高くなるという問題がある。
【0006】これらの問題を解決するために、従来から
研究開発が種々行われているが、これらの問題を十分満
足のいく程度には解決するに至っていない。このよう
に、スピンコート法では、均一な厚さの薄膜を基板上に
広く形成させることはきわめて困難であるばかりでな
く、コストの高いものとなっている。
【0007】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、基板に塗布液をできるだ
け少ない量でムラなく塗布することのできる塗布ノズ
ル、および基板に厚みのより一層均一な薄膜を高精度に
かつ容易に、しかも安価に形成することのできる薄膜形
成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、塗布液が給送される、長手方
向に延びた比較的大きな空所と、長手方向に沿って多数
設けられ、前記空所に連通するとともにノズル先端に開
口する小孔と、これら多数の小孔の開口端との間に所定
の小間隙が形成されるように設けられ、長手方向に沿っ
て延びるワイヤーとを備えていることを特徴としてい
る。
【0009】更に請求項2の発明は、前記小孔が、断面
が三角形状、円弧状、菱形、あるいはほぼ円形状に形成
されていることを特徴としている。更に請求項3の発明
は、前記ワイヤーが、複数本設けられていることを特徴
としている。
【0010】更に請求項4の発明は、基板に塗布液を塗
布する基板塗布装置と前記基板に塗布された前記塗布液
を均一厚さの薄膜にするスピンコーティング装置とを少
なくとも備え、前記基板塗布装置は塗布ノズルを有して
おり、該塗布ノズルは、請求項1ないし3のいずれか1
記載の塗布ノズルであることを特徴としている。
【0011】
【作用】このように構成された本発明の塗布ノズルにお
いては、塗布液を一旦、比較的大きな空所に貯え、この
空所から塗布液を吐出するようにしているので、塗布液
の塗布量を制御し易くなる。これにより、余分な塗布液
の吐出が抑制されるので、塗布液の使用量が低減する。
また、多数の小孔を通過してきた塗布液が、多数の小孔
の開口端とワイヤーとの間の小間隙に一旦貯えられるこ
とにより、ワイヤーの長手方向に沿って均一に分散する
ようになるので、これらの多数の小孔の影響(例えば、
多数の小孔による凹凸等)をほとんど受けることなく、
塗布液が長手方向に沿ってより一層均一に塗布されるよ
うになる。更に、塗布ノズルから吐出される塗布液が空
気にほとんど影響されないので、常に劣化の少ない良好
な塗布液が吐出されるようになる。
【0012】一方、本発明の薄膜形成装置においては、
基板の塗布面の所定範囲に塗布液を塗布した後、基板を
回転させて発生する遠心力により基板上の塗布液の塗布
ムラが消滅するようになる。これにより、従来のように
基板の中央部に塗布液を吐出し、この塗布液を遠心力に
より基板の全面に拡げることにより薄膜を形成する場合
に比べて、より一層均一な厚さの薄膜が、より簡単にか
つ高精度に形成されるようになる。
【0013】また、基板の塗布面の所定範囲に塗布液を
予め塗布することにより、基板に薄膜を形成するために
必要な量とほぼ同じ量の塗布液を基板に塗布すれば済む
ようになる。したがって、無駄になる塗布液の量が低減
し、その結果コストが大幅に削減されるようになる。
【0014】更に、本発明の塗布ノズルにより塗布液を
塗布しているので、塗布液の塗布量を制御し易くなる。
これにより、余分な塗布液が抑制されるので、塗布液の
使用量が低減する。特に、塗布液の吐出を基板における
塗布液の塗布領域の塗布終了位置より少し手前で停止す
るようにすれば、塗布液の使用量がより一層低減される
ようになる。これにより、基板に形成される薄膜の厚み
がより一層薄くなる。
【0015】しかも、塗布液が塗布ノズルのワイヤーの
長手方向に沿ってほぼ均一に吐出されるので、基板全体
にわたって均一な厚みの薄膜が形成されるようになる。
特に、多数の小孔を通過してきた塗布液が、これらの多
数の小孔の開口端とワイヤーとの間の小間隙に一旦貯え
られることにより、ワイヤーの長手方向に沿って均一に
分散するようになるので、これらの多数の小孔の影響を
ほとんど受けることなく、より一層効果的に均一な厚み
の薄膜が形成される。
【0016】更に基板に塗布される塗布液が空気にほと
んど影響されないので、劣化の少ない良好な塗布液が基
板に塗布されるようになる。こうして本発明において
は、薄膜がより一層薄くかつより一層均一な厚みの高品
質のものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1ないし図5は本発明の塗布ノズ
ルおよび薄膜形成装置の実施の形態の一例を示し、図1
は本発明の塗布ノズルを備えた基板塗布装置を示す平面
図、図2は図1に示す基板塗布装置を一部切り欠いて示
す正面図、図3は図1に示す基板塗布装置を示す右側面
図、図4は図1に示す基板塗布装置の制御回路図、図5
はこの例の薄膜形成装置におけるスピンコーティング装
置を概略的に示す図である。
【0018】本例の薄膜形成装置は、図1ないし図4に
示すように基板1に塗布液2を塗布する基板塗布装置3
と、図5に示すように基板1に塗布された塗布液2aを
均一厚さの薄膜にするスピンコーティング装置4とを備
えている。
【0019】基板塗布装置3は、基板1を載置する載置
テーブル31、この載置テーブル31を移動する移動台
32、この移動台32を移動可能に支持するフレーム3
3、この支持するフレーム33の設置されたモータ3
4、このモータ34の回転駆動力によりカップリング3
5を介して回動させられるねじ杆36、フレーム33の
上下動可能に取り付けられた塗布ノズル37、この塗布
ノズル37と塗布液貯溜槽6とを接続して塗布液貯溜槽
6の塗布液2を塗布ノズル37に送給する送給配管3
8、この送給配管38に配設されている遮断位置と連通
位置をとの二位置が設けられている常閉のソレノイドバ
ルブ39、フレーム33に設置されてテーブル31の初
期位置を検知する原点センサ40、フレーム33に設置
されてテーブル31の移動限界を検知する限界センサ4
1、および塗布液貯溜槽6内にエアを圧送する送気ポン
プ42を備えている。
【0020】図6(a)および(b)に示すように、塗
布ノズル37は第1および第2ノズル部材43,44の
2部材が互いに重ね合わされかつ接合されて形成されて
いる。図7(a)に示すように第1ノズル部材43の第
2ノズル部材44に対向する側には、比較的深く、長手
方向に所定の長さに形成された矩形状断面の第1凹部4
5が設けられている。更に、第1ノズル部材43には、
第1凹部45を第1ノズル部材43の下端に開口する多
数の溝48,48,…が形成されている。図7(b)に示
すように、これらの溝48はそれぞれ断面形状が三角形
状に形成されているとともに、第1ノズル部材43の長
手方向に沿って多数配設されている。
【0021】一方、図6(a)および(b)に示すよう
に第2ノズル部材44の第1ノズル部材43に対向する
側には、長手方向に所定の長さに形成された矩形状断面
の第2凹部45′が第1ノズル部材43の第1凹部45
と整合するようにして設けられている。更に、第2ノズ
ル部材44には、送給配管38が接続されて塗布液が送
給される塗布液導入孔49,49が第2凹部44に開口
するようにして、2個穿設されている。そして、第1お
よび第2ノズル部材43,44が互いに接合されたと
き、第1凹部45と第2凹部45′とが整合して1つの
比較的大きな空所46が形成されるとともに、塗布液導
入孔49,49は、ともにこの空所Aに開口するように
されている。また、第1および第2ノズル部材43,4
4の接合状態では、各溝48により、断面三角形状の小
孔が溝48と同数形成されるようになっている。これら
の多数の小孔によって、空所46が塗布ノズル37の下
端に開口するようになっている。
【0022】更に、図6(a)および(b)に示すよう
に多数の溝48,48,…によって形成される多数の小孔
の開口端に対向しかつ近接して1本のワイヤー47が、
第1および第2ノズル部材43,44のいずれか一方に
設けられている。その場合、ワイヤー47は各小孔の開
口端に対して所定の小隙間αを有して、塗布ノズル37
の長手方向に延びるようにして配設されている。したが
って、送給配管38を通して送られてくる塗布液Aは空
所46に一旦貯えられ、この空所46から更に多数の溝
48,48,…からなる多数の小孔を通ってこれらの小孔
の開口端に浸入し、この開口端から吐出される。そし
て、吐出された塗布液Aは、小孔の開口端とワイヤー4
7との小隙間に浸入するとともに、このワイヤー47の
外周面を、このワイヤー47の長手方向に沿ってほぼ一
様に覆うようになっている。
【0023】フーレム33には軸受50,51が固定さ
れており、これらの軸受50,51にねじ杆36の両端
が回動可能に支持されている。また図3に示すように、
フレーム33には、長手方向に一対のガイドレール5
2,53が固設されている。一方、移動台32には、ね
じ杆36に螺合するガイドねじ部材54が固設されてい
るとともに、一対のガイドレール52,53に沿って移
動可能にこれらのガイドレール52,53に係合支持さ
れるガイド部材54,56,57(図2および図3に図
示)が固設されている。
【0024】更に図4に示すように、本例においては電
子制御装置15には、ねじ杆36を送気ポンプ42を駆
動するモータ59、原点センサ40、および限界センサ
41がともに接続されている。なお、60は送給配管3
8に設けられたフィルタであり、このフィルタ60は塗
布液2の混在している異物を除去するためのものであ
る。
【0025】スピンコーティング装置4は、図5に示す
ように基板7を載置する回転テーブル4aとこの回転テ
ーブル4aを回転するモータ4bとを備えている。この
スピンコーティング装置4は、回転テーブル4aとモー
タ4bを少なくとも備えているものであれば、従来のス
ピンコート法に用いられているどのようなスピンコーテ
ィング装置も用いることができる。
【0026】次に、このように構成された本例の作用に
ついて説明する。基板1に塗布液2を塗布するにあたっ
ては、まず図1および図2に実線で示すようにテーブル
31を原点センサ40によって制御される原点位置に設
定するとともに、塗布ノズル37を高位置に設定する。
次に、基板1をその塗布面1aが上側となるようにして
テーブル31の所定位置にセットする。次に、図示しな
い操作ボタンを押すことにより、電子制御装置15が送
気ポンプ42のモータ59を回転駆動するとともに、モ
ータ34をゆっくりと回転駆動する。これにより、塗布
液貯溜装置6内の圧力が上昇するとともに、ねじ杆36
が回転してガイドねじ部材54が図2において左方へ移
動しようとする。したがって、図8(a)に示すよう
に、テーブル31が左方へゆっくりと移動する。
【0027】基板1の塗布面1aにおける塗布開始位置
1bが塗布ノズル37の直下位置、すなわち塗布ノズル
37のワイヤー47に対向する位置にくるに見合うだ
け、モータ34を回転駆動すると、電子制御装置15
は、モータ34を停止するとともに、ソレノイドバルブ
39を切り換えて連通位置に設定し、更に上下動作動手
段58を駆動する。これにより、塗布液貯溜装置6内の
塗布液2が塗布液貯溜装置6内の圧力により送給配管3
8および塗布液導入孔49を通って空所46内に流入
し、貯えられる。空所46内に貯えられた塗布液2は、
更に多数の溝48,48,…からなる多数の小孔を通って
これらの小孔の開口端とワイヤー47との間の隙間に浸
入するとともに、更にワイヤー47の外周を覆うように
なる。このとき、小孔の開口端とワイヤー47との間の
隙間によって、塗布液2はワイヤー47の長手方向に沿
ってほぼ一様にワイヤー47の外周を覆うようになる。
また、図8(b)に示すように上下動作動手段58の駆
動により、塗布ノズル37が、塗布ノズル37のワイヤ
47と塗布面1aとの間がきわめて微少な所定の小間隙
αに設定されるまで下動し、その後上下動作動手段58
が停止する。これにより、ワイヤ47と塗布面1aとの
間が所定の小間隙αに設定保持されるとともに、この小
間隙αに設定保持された状態では、ワイヤ47の外周面
を覆う塗布液2が基板1の塗布面1aに接触している。
【0028】電子制御装置15は、上下動作動手段58
を停止すると同時にモータ34を再び駆動し、テーブル
31が再び左方へゆっくりと移動する。これにより、塗
布ノズル37から吐出する塗布液2による塗布が、基板
1の塗布面1a上に塗布開始位置1bより図1に示す塗
布液2の塗布領域の幅にわたって開始される。このと
き、ワイヤー47の外周を覆う塗布液2は基板1の塗布
面1aに塗布されても、新しい塗布液が順次送り出され
てワイヤー47の外周を覆うので、塗布液2は基板1の
塗布面1aに途切れることなく、連続して塗布されるよ
うになる。
【0029】次に、図8(c)に示すように塗布終了位
置1cより所定の距離だけ前のソレノイドバルブオフ位
置1dが塗布ノズル37のワイヤー47に対向する位置
にくると、電子制御装置15はソレノイドバルブ39を
オフにして遮断位置に切り換える。これにより、塗布ノ
ズル37の空所46には塗布液2はもはや導入されな
い。一方、ソレノイドバルブ39が遮断しても、多数の
溝48からなる多数の小孔の開口端とワイヤー47との
間の隙間内には塗布液2が残存しているので、この小間
隙α内に残存する塗布液2がソレノイドバルブオフ位置
1dから塗布終了位置1cにかけて塗布されるようにな
る。このとき、ソレノイドバルブ39が閉じていて新し
い塗布液2は導入されないが、塗布液2の粘性等により
この小間隙α内に残存する塗布液2は基板1に引き出さ
れるようになるので、基板1に確実に塗布されるように
なる。
【0030】こうして、図8(d)に示すように基板1
の塗布面1aへの塗布液2aの塗布が完了する。基板1
のこの状態では、図9に示すように塗布開始位置1bか
ら塗布終了位置1cにわたる、基板1の塗布面1aの所
定範囲の塗布領域に、塗布液2bが塗布されている。そ
の場合、基板1の前後端の所定幅eの領域および左右端
の所定幅fの領域には、塗布液2bが塗布されなく、基
板1の塗布面1aに塗布液2bが塗布される所定範囲の
塗布領域の中心は、基板1の塗布面1aのほぼ中心に位
置している。塗布液2bが塗布される所定範囲の塗布領
域の面積は、基板1の塗布面1aの面積の約50〜60
%以上が望ましいが、これに限定されることはない。
【0031】このように塗布液2aが基板1の塗布領域
に塗布された時点では、多数の小孔とワイヤー47との
間の小間隙α内には塗布液2がほとんどなくなってい
る。しかも、前述のように塗布ノズル37には新しい塗
布液2が導入されないことから、塗布液2はこの小間隙
α内に浸入しない。これにより、塗布液2は空所46お
よび多数の小孔内にのみ残存するようになり、この小間
隙α内には残存しない。したがって、空気が塗布液2に
及ぼす影響はきわめて小さくなる。
【0032】次いで、塗布ノズル37が上昇位置に設定
される。移動台32は塗布ノズル37を通った後所定の
位置(図1および図2に二点鎖線で示す)にくると限界
センサ41により検知され、限界センサ41からの検知
信号により電子制御装置15がモータ34を停止する。
次に、こうして塗布液2aが塗布された基板1は移動台
32から取り上げられて、同図(e)に示すようにスピ
ンコーティング装置4の回転テーブル4aに載置された
後、回転テーブル4aとともに回転される。こうして、
図10に示すように塗布液2aが塗布面1aの全面にほ
ぼ均一に塗布された基板1が得られるようになる。
【0033】一方、基板2が移動台32から取り上げら
れると、図示しない基板検知センサがこれを検知し、基
板検知センサからの検知信号により電子制御装置15が
モータ34を逆方向に回転駆動する。これにより、移動
台32は原点位置の方へ移動して、移動台32が原点位
置(図1及び図2に実線で示す)にくると原点センサ4
0により検知され、原点センサ40からの検知信号によ
り電子制御装置15がモータ34を停止する。
【0034】次に、新しい基板1をその塗布面1aが上
側となるようにしてテーブル31の所定位置にセットす
る。以後、図8(a)に示す状態から前述と同様の作動
を繰り返す。その場合、基板1に塗布される塗布液2a
は空所46および多数の小孔から新たに小間隙α内に浸
入したものであり、空気の影響の少ない塗布液となって
いる。
【0035】このように構成された本例の薄膜形成方法
では、塗布液2を塗布ノズル37の空所46に一旦収容
した後、多数の細長い小孔を通して小間隙αに吐出する
とともに、更に小間隙αからワイヤー47の外周を覆う
ようにし、このワイヤー47の外周を覆う塗布液2を基
板1に塗布しているので、塗布液2の塗布量が制御し易
い。したがって、基板1に吐出される塗布液2の余分量
を抑制することができるので、塗布液2の使用量を大幅
に低減することができる。特に、塗布液2の吐出を基板
1における塗布液2の塗布領域の塗布終了位置1cより
少し手前で停止しているので、塗布液2の使用量をより
一層低減することができるようになる。これにより、基
板1に形成される薄膜の厚みをより一層薄くすることが
できる。
【0036】しかも、塗布液2は塗布ノズル37のワイ
ヤー47の長手方向に沿ってほぼ均一に吐出されるの
で、基板1の全体にわたって均一な厚みの薄膜を形成す
ることができる。特に本例においては、多数の溝48,
48,…からなる多数の小孔を通過してきた塗布液2を
小間隙αに一旦貯えた後ワイヤー47の外周を覆うよう
にしているので、多数の溝48,48,…からなる多数の
小孔の影響(多数の小孔が長手方向に多数配列されるこ
とにより形成される波状の凹凸等)をほとんど受けるこ
となく、より一層効果的に均一な厚みの薄膜を形成する
ことができる。
【0037】更に基板1の塗布される塗布液2が空気に
ほとんど影響されないので、劣化の少ない良好な塗布液
2を基板1に塗布することができる。こうして、本例に
より形成された薄膜は高品質のものとなる。
【0038】なお、前述の例においては、1本のワイヤ
ー47のみを設けるものとしているが、図11(a)に
示すように2本のワイヤー47を設けてもよいし、同図
(b)に示すようにこれらの2本のワイヤー47の下に
更に1本のワイヤー47を設けてもよく、更に同図
(c)に示すように同図(b)の3本のワイヤーを上下
逆に(すなわちし上に1本で下に2本)てもよい。この
ようにワイヤー47の数を2本あるいは3本にすると、
所定の小間隙αを確実に形成することができるととも
に、この小間隙に多数の小孔から浸入した塗布液2が効
果的に分散されるので、より一層塗布液のムラがなくな
る。
【0039】また、凹部45,45′は、第1および第
2ノズル部材43,44のいずれか一方に設けてもよ
い。更に、多数の溝48は第2ノズル部材44側に設け
てもよいし、第1および第2ノズル部材43,44の両
方に設けてもよい。更に、溝48の断面形状も三角形以
外の円弧、ほぼ円形、あるいは菱形等の他の形状でもよ
い。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の薄膜形成装置用塗布ノズルによれば、塗布液を一旦、
比較的大きな空所に貯え、この空所から塗布液を塗布す
るようにしているので、塗布液の塗布量を制御し易くで
きる。これにより、余分な塗布液の吐出を抑制できるの
で、塗布液の使用量を低減できる。また、多数の小孔を
通過してきた塗布液を、多数の小孔の開口端とワイヤー
との間の小間隙に一旦貯えることにより、ワイヤーの長
手方向に沿って均一に分散させるようにしているので、
これらの多数の小孔の影響(例えば、多数の小孔による
凹凸等)をほとんど受けることなく、塗布液を長手方向
に沿ってより一層均一に吐出することができるようにな
る。更に、塗布ノズルから吐出される塗布液が空気にほ
とんど影響されないので、常に劣化の少ない良好な塗布
液を吐出できるようになる。
【0041】一方、本発明の薄膜形成装置によれば、基
板の塗布面の所定範囲の塗布領域に塗布液を予め塗布し
た後、基板を回転させて発生する遠心力により基板上の
塗布液の塗布ムラを消滅するようにしているので、従来
に比べて、より一層均一な厚さの薄膜を、より簡単にか
つ高精度に形成することができる。
【0042】また、基板の塗布面の所定範囲の塗布領域
に塗布液を予め塗布することにより、基板に薄膜を形成
するために必要な量とほぼ同じ量の塗布液を基板の所定
の範囲に塗布すれば済むようにしているので、無駄にな
る塗布液の量を低減でき、その結果コストを大幅に削減
できるようになる。
【0043】更に、本発明によれば、本発明の塗布ノズ
ルにより基板に塗布しているので、塗布液の塗布量を制
御し易い。したがって、基板に吐出される塗布液の余分
量を抑制することができるので、塗布液の使用量を大幅
に低減することができる。特に、塗布液の吐出を基板に
おける塗布液の塗布領域の塗布終了位置より少し手前で
停止しているので、塗布液の使用量をより一層低減する
ことができるようになる。これにより、基板に形成され
る薄膜の厚みをより一層薄くすることができる。
【0044】しかも、塗布液を塗布ノズルのワイヤーの
長手方向に沿ってほぼ均一に吐出しているので、基板全
体にわたって均一な厚みの薄膜を形成することができ
る。特に、多数の小孔を通過してきた塗布液を、これら
の多数の小孔の開口端とワイヤーとの間の小間隙に一旦
貯えられることにより、ワイヤーの長手方向に沿って均
一に分散させるようにしているので、これらの多数の小
孔の影響をほとんど受けることなく、より一層効果的に
均一な厚みの薄膜を形成できる。
【0045】更に基板に塗布される塗布液が空気にほと
んど影響されないので、劣化の少ない良好な塗布液を基
板に塗布することができる。こうして本発明によれば、
薄膜をより一層薄くかつより一層均一な厚みの高品質の
ものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄膜形成装置の実施の形態の一例に
用いられる基板塗布装置を示す平面図である。
【図2】 図1に示す例の基板塗布装置を部分的に切り
欠いて示す正面図である。
【図3】 図1に示す例の基板塗布装置を示す右側面図
である。
【図4】 図1に示す例の塗布液の供給制御回路を示す
図である。
【図5】 薄膜形成装置におけるスピンコーティング装
置を概略的に示す図である。
【図6】 図1に示す例の塗布ノズルを示し、(a)は
正面図、(b)は(a)におけるVIB-VIB線に沿う断面
図である。
【図7】 図6に示す塗布ノズルの第1ノズル部材を示
し、(a)は正面図、(b)は(a)におけるVIIB-VII
B線に沿う断面図である。
【図8】 この例における薄膜形成装置により基板に薄
膜を形成する方法を説明する図である。
【図9】 この例により塗布液が所定の範囲に塗布され
た基板を示す図である。
【図10】この例により塗布液が塗布された基板を示す
図である。
【図11】(a)ないし(c)はそれぞれ本発明の実施
の形態の他の例のノズルを示す断面図である。
【符号の説明】
1…基板、1a…塗布面、1b…塗布面1aの塗布開始
位置、1c…塗布面1aの塗布終了位置、2…塗布液、
2a…基板1に塗布された塗布液、3…基板塗布装置、
4…スピンコーティング装置、4a…回転テーブル、4
b…モータ、15…電子制御装置、31…載置テーブ
ル、32…移動台、33…フレーム、34…モータ、3
6…ねじ杆、37…塗布ノズル、38…送給配管、39
…ソレノイドバルブ、40…原点センサ、41…限界セ
ンサ、42…送気ポンプ、43…第1ノズル部材、44
…第2ノズル部材、45…第1凹部、45′…第2凹
部、46…空所、47…ワイヤー、48…溝、49…塗
布液導入孔、50,51…軸受、52,53…ガイドレー
ル、54…ガイドねじ部材、55,56,57…ガイド部
材、58…上下動作動手段、α…小間隙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布液が給送される、長手方向に延びた
    比較的大きな空所と、長手方向に沿って多数設けられ、
    前記空所に連通するとともにノズル先端に開口する小孔
    と、これら多数の小孔の開口端との間に所定の小間隙が
    形成されるように設けられ、長手方向に沿って延びるワ
    イヤーとを備えていることを特徴とする薄膜形成装置用
    塗布ノズル。
  2. 【請求項2】 前記小孔は、断面が三角形状、円弧状、
    菱形、あるいはほぼ円形状に形成されていることを特徴
    とする請求項1記載の薄膜形成装置用塗布ノズル。
  3. 【請求項3】 前記ワイヤーは、複数本設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の薄膜形成装置
    用塗布ノズル。
  4. 【請求項4】 基板に塗布液を塗布する基板塗布装置と
    前記基板に塗布された前記塗布液を均一厚さの薄膜にす
    るスピンコーティング装置とを少なくとも備え、前記基
    板塗布装置は塗布ノズルを有しており、該塗布ノズル
    は、請求項1ないし3のいずれか1記載の塗布ノズルで
    あることを特徴とする薄膜形成装置。
JP21942197A 1997-08-14 1997-08-14 薄膜形成装置用塗布ノズルおよびこの塗布ノズルを用いた薄膜形成装置 Pending JPH1157533A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002177861A (ja) * 2000-12-18 2002-06-25 Toray Ind Inc 塗液の塗布装置および方法並びにプラズマディスプレイ用部材の製造装置および方法
CN100368901C (zh) * 2002-03-21 2008-02-13 Lg.菲利浦Lcd株式会社 液晶分配装置

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