JPH1154827A - 低ノイズ化第二高調波発生装置およびレーザ応用装置 - Google Patents

低ノイズ化第二高調波発生装置およびレーザ応用装置

Info

Publication number
JPH1154827A
JPH1154827A JP10072240A JP7224098A JPH1154827A JP H1154827 A JPH1154827 A JP H1154827A JP 10072240 A JP10072240 A JP 10072240A JP 7224098 A JP7224098 A JP 7224098A JP H1154827 A JPH1154827 A JP H1154827A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
laser
shg
resonator
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10072240A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Makio
諭 牧尾
Masazumi Sato
正純 佐藤
Hidenobu Ishida
英伸 石田
Taisei Matsumoto
大成 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP10072240A priority Critical patent/JPH1154827A/ja
Publication of JPH1154827A publication Critical patent/JPH1154827A/ja
Priority to US09/271,245 priority patent/US6233260B1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Head (AREA)
  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部共振型の第二高調波発生装置の出力ノイ
ズを低減する。 【解決手段】 共振器の長さに依存する縦モード間隔
を、少なくとも非線形結晶もしくは波長制御素子の長さ
に対応する縦モード間隔と整数倍の関係にすることによ
って、出力の低ノイズ化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光エレクトロニクス
分野における固体レーザ光源とその固体レーザ光源を用
いたレーザ応用装置に係わるものであり、特に第二高調
波発生装置の出力のノイズ低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高度情報化時代の進展に伴い、光ディス
ク装置やレーザプリンタ装置などの光記録分野において
は記録密度の向上あるいは高速印刷の要求を満足するた
め、レーザ光源の短波長化への要求が高まっている。し
かし、製品化レベルでの要求の多い波長域の青領域(波
長400〜480nm)では、このような条件を満足する光源と
しては、He-Cd(ヘリウムーカドミウム)レーザ装置、A
r(アルゴン)レーザ装置等のガスレーザ装置が実用化
されているにすぎない。光ディスク装置等の光源に短波
長を使用すると記録密度を大幅に向上できるが、ガスレ
ーザ装置は搭載するには大型で消費電力が大きく不向き
であった。また、このようなガスレーザ装置はレーザプ
リンタ装置の一部に光源として実際に搭載されている
が、前述の理由から小型・低消費電力化の大きな障害と
なったため、その対策が迫られている。
【0003】このような従来技術の課題に対して、非線
形光学結晶を用いた光第二高調波発生(Second Harmon
ic Generation:以下、SHGと省略。)の手法による
短波長化技術が提案され、実用化に向けた開発が進めら
れている。このSHG光源の実用化は励起光源である半
導体レーザの高出力化と性能改善と進展してきた深い関
係がある。その背景は、励起用光源が従来のガスレーザ
のような放電を必要としないことによる小型および
低消費電力化を実現できる点であり、さらに固体化によ
るSHG光源の出力安定性および長寿命化が可能に
なる点である。
【0004】ガスレーザと同等の出力波長を有するSH
G光源として、例えば図13に示すような内部共振器型
SHG方式が挙げられる。まず、半導体レーザからの励
起光31によって固体レーザ結晶4が励起される。励起
された固体レーザ結晶4からの励起光が基本波となり、
非線形結晶6(SHG結晶)に入射させて第二高調波3
3を得るものである。この内部共振器型SHG方式にお
いて形成される共振器は、固体レーザ結晶4の発振波長
に対して高反射の第一および第二のレーザミラー3、7
を両端に配置することによって構成される。さらに、第
二のレーザミラー7はSHG出力33に対して透過特性
を持たせている。このため、共振器外部からの反射戻り
光等の外乱の混入がなく、その結果発振波長が受ける影
響が極めて小さいことが特長である。
【0005】近年、半導体レーザ励起方式の波長可変固
体レーザ装置に適用される固体レーザ結晶として、波長
750〜1000nmで発振するLiSAF(Cr:LiSrAlF6;クロ
ム添加のフッ化リチュウムストロンチュウムアルミニュ
ウム)結晶を用いたレーザ装置が提案され、注目を浴び
ている(米国特許番号4811349)。このLiSA
Fを上記した内部共振型の固体レーザ結晶に用いること
によって、375〜500nmの範囲にある短波長を選択的に得
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは半導体レ
ーザ励起方式に使用されるLiSAF結晶からのレーザ
光を第一の発振波(基本波)とし、非線形光学結晶によ
り得られる第二の発振波として青色領域のSHG光を発
生させる方法を長年研究開発している。図13等に示す
従来技術では、第二高調波出力に3MHz以下の周波数
領域のノイズの存在を無視できず、特に400〜480nmの短
波長を光源とした装置において重大な影響を持つことが
わかった。以下、従来技術の課題について述べることに
する。
【0007】図14はLiSAF結晶と非線形光学結晶
による第二高調波発生のための構成を示す。第一のレー
ザミラー3とSHG結晶6の出射側に配置された第二の
レーザミラー膜7との間で共振器を構成するもので、共
振器内に固体レーザ結晶4、非線形結晶(SHG結晶)
6および波長制御素子5を配置してある。半導体レーザ
11による励起光31は集光光学系12および第一のレ
ーザミラー3を透過した後、LiSAF結晶を適用した
固体レーザ結晶4内に集光し、固体レーザ結晶4を励起
する。第一のレーザミラー3および第二のレーザミラー
7には励起された基本波ビーム32を99%以上反射す
る誘電体多層膜のミラー膜が形成されるため、基本波ビ
ーム32は共振器内を往復することになる。
【0008】一方、基本波ビーム32が入射され励起さ
れたSHG結晶6は、その非線形光学特性によって第二
高調波を出射する。第二のレーザミラー7には基本波ビ
ーム32の基本波を遮断する特性を有するが、第二高調
波を通過させる波長選択性を持たせているため、本図の
右側からSHG出力33として得ることができる。さら
に、固体レーザ結晶4とSHG結晶6の間に複屈折フィ
ルタ5を配置することにより、位相整合する波長が任意
に選択できるため、LiSAF結晶による750〜1000nm
の励起光の内、第2高調波として375〜500nmの範囲の青
色光レーザが得られ、その応用範囲を格段に広げること
が可能となる。
【0009】以上述べた従来技術では、出力として得ら
れるSHG光に高周波成分のノイズが含まれることが欠
点である。装置の性能あるいは安定性に大きな影響を持
つため、その低減あるいは抑制には多大な関心が払われ
ているが、このノイズ発生は内部共振器型SHGレーザ
の共通の課題として以前から検討されている。しかし、
現在までのところ共振器内で発振する基本波ビームの縦
モードにおいて、マルチ発振することがノイズ発生の主
な原因とされていた。固体レーザによる内部共振型で
は、発振強度分布として複数の基本波縦モードが生じる
が、それらのモード間でその強度が相互に影響しながら
変動するため各基本波モードが強度競合を誘発し、その
結果SHG出力に3MHz以下の高周波ノイズを引き起こ
すものと考えられている。(T.Baer, Large-amplitude
fluctuations due to longitudal mode copling
in diode-pumped intracavity-doubled Nd:YAG l
asersJ.Opt.Soc.Am.B3,1175 1986)
【0010】本発明はノイズの発生メカニズムの解明と
対策を行い、今まで考えられた方法から全く異なる発想
のもとに従来技術の課題の解決をみたものである。本発
明は、共振器内の各部品の関係を規制したところに特長
があり、その技術思想は光学の基本原理を応用したもの
ということができる。以下、本発明の解決手段と実施例
についてについて詳しく説明する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した従来技術の問題
点を解決するためには、共振器内の基本波発振縦モード
をシングルモード化とすることが一般に知られている
が、本発明者らは必ずしもシングルモードとしなくても
SHG光のノイズを低減できることを見出した。SHG
光を発生するSHG結晶内においても端面で反射現象が
生じるため、SHG波を基本波とした共振器を形成する
ことになる。従って、両者のSHG結晶の端面における
共振器縦モードの節が同時に起こる条件に設定すること
にすれば、和周波が発生することによって、モード競合
が低減され出力不安定性が取り除かれることである。和
周波はSHG結晶の非線形特性に起因するもので、基本
波に隣接する周波数と基本波分との和の周波数成分がS
HG光として得られるものである。この物理現象を言い
換えると、SHG結晶の長さに対応する縦モード間隔(F
SR:Free Spectral Range)と共振器の縦モード間隔(F
SR)の位相を一致させることと等価である。本発明は、
この和周波の現象を誘起させ、SHG出力光を安定化さ
せて低ノイズ化を図るものである。
【0012】次に、本発明の原理について詳しく説明す
ることにする。図13に示すように、第一のレーザミラ
ー3と固体レーザ結晶4の間隔をL1、固体レーザ結晶
4とSHG結晶6の間隔をL2、SHG結晶6と第二の
レーザミラー7の間隔をL3とすると、共振器の全長Lc
avityは下式であらわされる。 Lcavity=L1+L2+L3+nLaser×LLaser+nSHG×LSHG (1) ここで、nLaserおよびLLaserは固体レーザ結晶の屈折
率とその長さを、またnSHGおよびLSHGはSHG結晶の
屈折率とその長さである。ここで、このレーザ共振器の
縦モード間隔FSRcavityは FSRcavity=N×λ2/(2Lcavity) (2) となり、一方SHG結晶のFSRSHGは下式のように表
せる。 FSRSHG=M×λ2/(2nSHG×LSHG) (3) ただし、MおよびNは正の整数であり、モードの次数を
示す。SHG出力のノイズを低減するには式(2)と
(3)の左辺が等しい場合である。即ち、FSRcavity
=FSRSHGが成り立つことである。この条件を考慮し
てSHG結晶の長さLSHGは次のようになる。 LSHG=M(L1+L2+L3+nLaser×LLaser)/(N−M)×nSHG (4)
【0013】式(4)の関係を実際に使用する範囲で示
すと図1のようになる。図1は固体レーザ結晶としてL
Laser=5mmのNd:YAGを用いた場合のKTP結晶長さと共振
器長の関係であり、M=1の場合、便宜上N=5までを
示す。例えば、N=2の時、KTP結晶長さ10mmに選べ
ば、共振器長を34.5mmとすることができ、この場合にS
HG出力を低ノイズ化できるものである。次に、複屈折
フィルタが共振器内に存在する図14に示す場合を検討
する。各部品の長さを図中に示すようにし、図13の場
合と同一の仮定をすると、 Lcavity=L4+L5+L6+nLaser×LLaser+nBF×LBF+nSHG×LSHG(5) LSHG=M(L4+L5+L6+nLaser×LLaser+nBF×LBF) /(N−M)×nSHG (6) の関係が得られる。上式のnBFは複屈折フィルタの屈折
率である。図2はLLaser=5mmのCr:LiSAFを使用した例
であり、LBO結晶長さと共振器長との関係を示す。N=
3の時、LBO結晶長さ5mmに対して、共振器長を24.2mmと
することができる。
【0014】前述した原理からわかるように本発明は、
第1の発振波を発生させる固体レーザ結晶と前記第1の
発振波を基本波として第2の発振波である第二高調波に
波長変換するための非線形光学結晶を有する共振器から
なる第二高調波発生装置において、前記非線形光学結晶
の端面が前記第1の発振波の共振器を形成し、前記非線
形光学結晶の長さに依存する縦モード間隔が前記第1の
発振波の共振器長に依存する縦モード間隔の整数倍の大
きさであることを特徴とする低ノイズ化第二高調波発生
装置である。
【0015】また、本発明は共振器の反射率の大きさに
依存するため、前記非線形光学結晶(SHG結晶)にお
ける端面の反射率が第1の発振波に対して99%以上であ
り、もう一方の端面の反射率が5%以下であることを特徴
とするものである。さらに付け加えるならば、これらの
手段を採用することによってSHG方式の特長である小
型で低消費電力、かつ低ノイズの第二高調波発生装置を
実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施例1) 本発明の一実施例を以下詳細に説明す
る。図14において、半導体レーザ11から出射された
励起ビーム31は集光光学系12により集光され、固体
レーザ結晶4を励起する。半導体レーザ11はSDL
(Spectra DiodeLab.)社製AlGaInP系半導体レーザを
用い、出力500mW、発振波長670nmである。ま
た、集光光学系12は2枚のシリンドリカルレンズと単
レンズ(f=30mm)を用いた。励起される固体レー
ザ結晶4は基本波である第1発振波を発生し、曲率ミラ
ーである入射側の第一のレーザミラー3とSHG結晶6
の出射端面に形成された第1の発振波を反射する第二の
レーザミラー7からなるレーザ共振器を形成し、第1の
発振波である基本波を発振する。
【0017】レーザ共振器中にはレーザ結晶4と波長制
御素子5とSHG結晶6が配置されている。第一のレー
ザミラー3は半導体レーザからの励起光波長に対しては
85%以上を透過し、基本波波長に対しては反射率99
%以上の全反射(以下単にHRという;High-Reflectio
n)コーティングを施してある。このとき共振器構造は
凹平式共振器であり、第一のレーザミラー3の曲率半径
は20mm、共振器長は18mmとした。固体レーザ結
晶4にはCr添加量1.5mol%のLiSAF結晶
(3×3×5mm)を用い、結晶端面には励起光波長と基
本波波長に対して反射率5%以下の無反射(以下単にA
Rという;Anti-Reflection)コーティングを施してあ
る。SHG結晶6は3×3×5mmのLBO結晶(LiB3
O5)である。
【0018】LBO結晶の出射側つまり後方端面には基
本波波長に対して反射率99%以上のHRコーティング
とSHG波長に対して反射率1%以下のARコーティン
グを施し、第二のレーザミラー7とした。また、LBO
結晶の入射側つまり前方端面には基本波波長に対して反
射率0.2%以下のARコーティングを施した。波長制
御素子5には厚さ1mmの1枚の水晶板からなる複屈折
フィルタを用い、光軸に対してブリュースター角に配置
して光軸の回りを回転させることで波長制御し、SHG
結晶6であるLBO結晶の変換効率が最大となる基本波
の波長に調整することによってSHG出力20mWが得
られる。
【0019】図15は波長制御素子によりSHG出力が
20mWと最大となるような波長に合わせた場合の(a)
基本波と(b)SHGの発振波長特性をマイケルソン干渉
計型の高分解能光スペクトラムアナライザ(アドバンテ
スト製:Q8347)で測定したスペクトラムである。
基本波(a)は約0.02nmの間隔で10本の縦モードが
発振しており、SHG(b)は基本波の半分に対応したS
HGの波長で発振していることがわかる。このときのS
HG出力光33を高速のSiフォトダイオードで受光
し、その出力をRFスペクトラムアナライザにて測定し
た。このときの高周波ノイズ特性を図16に示す。図1
6において(イ)は光を受光しない場合のいわゆるバッ
クグランドノイズを示すものであり、一方(ロ)はSH
G光を受光した場合の周波数特性である。図からわかる
ように2MHz以下の周波数領域でノイズ(斜線部分)
が発生していることがわかる。
【0020】図14の構成において、SHG結晶6の位
置を僅かながら動かした場合の(a)基本波と(b)SHGの
発振波長特性を図3に示す。基本波は約0.04nmの
間隔で4本の縦モードで発振しており、SHGは基本波
の半分に対応したSHGの波長とその和周波が発振して
いることがわかる。この時のノイズ特性を図4に示す。
図4において(イ)は光を受光しない場合のゼロレベル
であり、(ロ)はSHG光を受光した場合の周波数特性
であり、図4と図16を比較すると2MHz以下にあっ
たノイズが大幅に低減されていることがわかる。つま
り、共振器長をわずかにずらすことで高周波のノイズが
低減されていることがわかる。このことはSHG結晶の
端面が共振器縦モードの節となり、和周波が発生してモ
ード競合の度合い低くなりノイズが低減できる事を示し
ている。
【0021】図5に長さ5mmのLBO結晶における透過
波長特性(イ)、共振器長に対する透過波長特性(ロ)と(イ)
×(ロ)のトータルの透過波長特性を計算した結果を示
す。ここでLBO結晶および共振器の全反射率は0.2%で
計算した。図より、共振器長を変化させた場合にLBO
の位相と共振器の位相が一致した場合(1)に約0.04nmの
間隔で発振し、位相が半波長ずれた場合(2)には約0.02n
mの間隔で発振することがわかる。つまり、(1)が低ノイ
ズ状態の基本波の発振波長特性、(3)がノイズ状態の発
振特性と一致していることがわかる。
【0022】非線形光学結晶であるLBO結晶を基本波
λ=860nmで位相整合によってSHGに変換される
ように切り出した結晶の長さdに対するFSR=λ2/2n
dを計算した。nは屈折率である。その結果を図6に示
す。図6より、5mmの長さではFSR=0.04594971nmであ
る。図7に共振器長Lに対するFSRを計算した。基本と
なるFSRに対して整数倍の計算結果も同時に示す。LB
Oの長さが5mmにおけるFSR=0.04594971nmとの交点が共
振器長のFSRの整数倍において複数存在することがわか
る。この交点の共振器長において、LBO結晶の端面で
の共振器縦モードのモードが節となることを示してい
る。つまり、この状態の時に和周波が発生してトータル
の出力が安定となる。図14において共振器内の結晶等
の屈折率を考えた場合、実行共振器長は約24.2mmであ
り、共振器の基本FSRの整数倍である3倍の点と一致し
ていることがわかる。この点に正確に共振器長を合わせ
ることで、低ノイズ化された第二高調波発生光源とな
る。
【0023】図8に長さ5mmのLBO結晶における透過
波長特性(イ)、共振器長に対する透過波長特性(ロ)と(イ)
×(ロ)のトータルの透過波長特性をLBO結晶の反射率
を0.2%から4%とした場合の計算結果を示す。共振器の長
さは24.24378mmで全反射率は1%で計算した。図8よ
り、LBOの反射率を大きくすることで隣あった共振器
縦モードを抑制できることがわかる。LBOの反射率を
大きくすると共振器損失が大きくなるためにレーザ発振
に至らないことが容易に類推されるため、反射率として
は5%以下が最適と考えられる。
【0024】固体レーザ結晶にLiSAF(Cr:LiSrAlF
6;クロム添加のフッ化 リチュウムストロンチュウム
アルミニュウム)結晶を用いた場合には、第1の発振波
を波長800〜900nmの領域で発生することがで
き、青色領域(波長400〜450nm)の第2の発振
波を発生できる。また前記の固体レーザ結晶にLiSG
AF(Cr:LiSrGaF6;クロム添加のフッ化リチュウムス
トロンチュウムガリウム)結晶を用いた場合には、第1
の発振波を800〜1000nmの領域で発生すること
ができ、波長400〜500nmの第2の発振波を発生
できる。
【0025】非線形結晶としてLBO結晶以外にBBO
(β−BaB2O4)、CLBO(CsLiB6O10)、CBO(CsB
3O5)、KN(KNbO3)を用いても同様に低ノイズ化を実
現できる。また、グリーン領域のSHGを得るためには
Nd、Yb等の希土類を添加した固体レーザ結晶と上述の非
線形結晶に加えてKTP(KTiOPO4)を用いれば良い。
【0026】さらに、第一のレーザミラー3、レーザ結
晶4と波長制御素子5を同一の構造部材8に設置し、S
HG結晶6は構造部材9に設置し、それらを温度制御素
子であるペルチェ素子上に固定して、共振器全体を温度
制御を行っている。SHG出力が最大の状態で温度を僅
かにずらすことでも共振器長が変わるために低ノイズの
SHG出力が得られる。
【0027】(実施例2) 図9は本発明を用いたレー
ザプリンタ装置の応用例を説明するための図である。実
施例1で説明した第二高調波発生装置から出射されたS
HG出力33は音響光学(以下AO:Acoust−0
ptical)変調器401、折り返しミラー402、
ビームエキスパンダ403、回転多面鏡404、fθレ
ンズ405を通過して感光ドラム406に集光される。
AO変調器401は画像情報に応じてSHG出力33の
変調を行い、回転多面鏡404は水平(紙面内)方向に
走査する。この組み合わせで2次元情報は感光ドラム4
06に部分的な電位差として記録される。感光ドラム4
06は前記電位差に応じてトナーを付着して回転し、記
録用紙に情報を再生する。
【0028】(実施例3) 図10は本発明を用いた微
粒子検査装置に用いた応用例として、Siウエハー上の
微粒子を検出する装置を説明するための図である。実施
例1で説明した第二高調波発生装置から出射されたSH
G出力33は光学ヘッド500に入射され折り返しミラ
ー502、集光レンズ503で回折限界までに集光され
Siウエハー501に照射される。波長オーダー0.4
μmまでに集光された光から散乱される光505を光検
出器504でそれぞれの位置で受光し強度を記録し、光
学ヘッド500が回転するウエハー501の中心部分か
ら端部へ移動することでウエハー面上の微粒子の分布を
測定する。SHG波長の1/10以下程度までの微粒子
を検出することができる。
【0029】(実施例4) 図11は本発明の一実施例
を光造形装置に用いた応用例を説明するための図であ
る。光源には実施例1で説明した第二高調波発生装置を
用いた。青色硬化樹脂601を容器に満たし、実施例1
で説明した第二高調波発生装置から出射されたSHG出
力33はミラー602により液面上にレーザ光603と
して2次元的に走査する。このとき青色硬化樹脂601
は光が吸収された液面部のみ硬化する。一断層の形成が
終了するとエレベータ604は降下し、次の断層の造形
を連続的に行う。この作業により、所望の形状の立体モ
デル605が作製できた。
【0030】(実施例5) 図12は本発明の一実施例
を光記録装置に用いた応用例を説明するための図であ
る。光ディスク装置は光磁気記録方式を採用した。実施
例1で説明した第二高調波発生装置より出射されたSH
Gレーザ光33はビームエキスパンダ701で拡大され
た後、平行光となる。ビームスプリッタ702で一部は
ねられた光は前方モニター用の光検出器708に取り込
まれSHGレーザ光33をモニターして出力を制御す
る。ビームスプリッタ702を透過したビームは集光光
学系704で媒体705に集光され、反射した光はピー
ムスプリッタ702で一部反射された後ビームスプリッ
タ706で2つのビームに分離され2つの光検出器70
7に取り込まれ、各々オートフォーカスと信号検出を行
う。媒体705は一定の磁界が引加されており、SHG
レーザ光33を変調させ媒体705のキュリー温度まで
焦点の温度を上げて磁化を反転することにより記録す
る。レーザ光がON時には媒体の磁化が反転することで
記録される。なお、記録周波数は10MHzとした。ま
た、再生信号時にも同様のSHGレーザ光を用いて良好
な再生信号を得た。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように本発明を実施するこ
とによって、第1の発振波を発生させる固体レーザ結晶
からの第1の発振波を基本波とした第二高調波発生装置
の出力の低ノイズ化を図ることができる。共振器の構成
は従来と同一であるが、共振器内の各部品の関係を明確
にしたものであるため、容易に実施可能である。また、
出力に含まれる3MHz以下のノイズを大幅に低減した
光源が得られるため、従来性能の改善あるいは小型化に
障害であった印刷印字装置、検出装置あるいは光記録装
置等にも適用でき、その効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるKTP結晶と共振器長の関係であ
る。
【図2】本発明によるLBO結晶と共振器長の関係であ
る。
【図3】本発明による基本波とSHGの発振波長の関係
である。
【図4】本発明によるSHG出力の高周波ノイズ特性で
ある。
【図5】発振波長特性である。
【図6】LBO結晶のFRS特性である。
【図7】共振器長とFRSの関係である。
【図8】LBOの反射率と透過波長特性である。
【図9】本発明によるレーザプリンタ装置である。
【図10】本発明による微粒子検査装置である。
【図11】本発明による光造形装置である。
【図12】本発明による光記録装置である。
【図13】従来の内部共振器型SHGレーザ装置であ
る。
【図14】従来の他の実施例である。
【図15】従来の基本波とSHGの発振波長の関係であ
る。
【図16】SHG出力の高周波ノイズ特性である。
【符号の説明】
3 第一のレーザミラー、4 固体レーザ結晶、5 波
長制御素子、6 非線形結晶(SHG結晶)、7 第二
のレーザミラー、11 半導体レーザ、12 集光光学
系、31 励起ビーム、32 基本波ビーム、 33
SHG出力、401 AO変調器、402、502 折
り返しミラー、403、701 ビームエキスパンダ、
404 回転多面鏡、405 fθレンズ、 406
感光ドラム、500 光学ヘッド、501 ウエハー、
503 集光レンズ、504、707、708 光検出
器、505 散乱光、601 青色硬化樹脂、602、
703 ミラー、603 レーザ光、604 立体モデ
ル、702、706 ビームスプリッタ、704 集光
光学系、 705 光ディスク媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 大成 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地日立金属株式 会社磁性材料研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一および第二のレーザミラーの間に固
    体レーザ結晶および非線形光学結晶を配し、必要に応じ
    て波長制御素子を備えて共振器を構成し、共振器外部か
    ら導入される励起光によって前記固体レーザ結晶からの
    発振レーザ光を基本波として2倍周波のレーザ光が得れ
    る第二高調波発生装置において、前記固体レーザ結晶か
    らの発振波の前記共振器長に依存する縦モード間隔は、
    少なくとも前記非線形結晶もしくは波長制御素子の長さ
    に依存する縦モード間隔と整数倍の関係を有することを
    特徴とする低ノイズ化第二高調波発生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記共振器の縦モー
    ド間隔の位相は少なくとも前記非線形結晶もしくは波長
    制御素子の長さに対応する縦モード間隔の位相と一致す
    ることを特徴とする低ノイズ化第二高調波発生装置。
  3. 【請求項3】 第一のレーザミラーと固体レーザ結晶の
    間隔をL1、固体レーザ結晶と非線形結晶の間隔をL2、
    非線形結晶と第二のレーザミラーの間隔をL3とした内
    部共振型第二高調波発生装置において、前記非線形結晶
    は LSHG=M(L1+L2+L3+nLaSER×LLaSER)/(N−
    M)×nSHG (ただし、固体レーザ結晶と非線形結晶の長さと屈折率
    をそれぞれLLaSER、nLaSER、LSHG、nSHGとする。ま
    た、M、Nは正の整数である。)で示される関係を有す
    ることを特徴とする低ノイズ化第二高調波発生装置。
  4. 【請求項4】 第一のレーザミラーと固体レーザ結晶の
    間隔をL4、固体レーザ結晶と波長制御素子の間隔をL
    5、波長制御素子と非線形結晶の間隔をL6とし、前記第
    二のレーザミラーを非線形結晶に形成した内部共振型第
    二高調波発生装置において、前記非線形結晶は LSHG=M(L4+L5+L6+nLaSER×LLaSER+nBF×L
    BF)/(N−M)×nSHG (ただし、波長制御素子の長さと屈折率をそれぞれ
    BF、LBFとする。)で示される関係を有することを特
    徴とする低ノイズ化第二高調波発生装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記
    非線形光学結晶の出射側端面の反射率は前記固体レーザ
    結晶からの発振波に対して99%以上であり、入射側端面
    の第2高調波に対してはその反射率が5%以下であること
    を特徴とする低ノイズ化第二高調波発生装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記
    第2高調波出力の波長域は375〜500nmであると共に、出
    力に含まれる3MHz以上のノイズを抑制したことを特
    徴とする低ノイズ化第二高調波発生装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記
    共振器内にて発生する縦モードはシングルモード化され
    ていることを特徴とする低ノイズ化第二高調波発生装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項3または4のいずれかにおいて、
    前記共振器、固体レーザ結晶および非線形結晶の長さの
    関係が Lcavity−(nLaSER×LLaSER+nSHG×LSHG+nBF×L
    BF)<10mm であることを特徴とする低ノイズ化第二高調波発生装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4、8のいずれかにおいて、
    前記低ノイズ化第二高調波発生装置を高速、高精細の印
    刷印字装置、微粒子検出装置、光造形装置または光記録
    装置の光源に適用したことを特徴とするレーザ応用装
    置。
JP10072240A 1997-06-03 1998-03-20 低ノイズ化第二高調波発生装置およびレーザ応用装置 Pending JPH1154827A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10072240A JPH1154827A (ja) 1997-06-03 1998-03-20 低ノイズ化第二高調波発生装置およびレーザ応用装置
US09/271,245 US6233260B1 (en) 1998-03-20 1999-03-17 Reduced-noise second-harmonic generator and laser application device

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14557997 1997-06-03
JP9-145579 1997-06-03
JP10072240A JPH1154827A (ja) 1997-06-03 1998-03-20 低ノイズ化第二高調波発生装置およびレーザ応用装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1154827A true JPH1154827A (ja) 1999-02-26

Family

ID=26413379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10072240A Pending JPH1154827A (ja) 1997-06-03 1998-03-20 低ノイズ化第二高調波発生装置およびレーザ応用装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1154827A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008311601A (ja) * 2007-06-18 2008-12-25 Motohiko Inai 固体青色レーザー装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008311601A (ja) * 2007-06-18 2008-12-25 Motohiko Inai 固体青色レーザー装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1093182A (ja) 周波数変換型固体レーザ装置、周波数2倍型固体レーザ装置および周波数変換型結合型共振キャビティ
JP4967626B2 (ja) 波長変換素子とこれを用いたレーザ光源装置及び画像生成装置
JPH08334803A (ja) 紫外レーザー光源
EP0759574B1 (en) Second harmonic generator and laser application apparatus
US5757827A (en) Second harmonic generating apparatus and apparatus employing laser
US5825793A (en) Laser and laser applied units
JPH10239724A (ja) 第二高調波発生装置およびレーザ応用装置
JPH1154827A (ja) 低ノイズ化第二高調波発生装置およびレーザ応用装置
JPH1041573A (ja) レーザー発振装置
JP2820800B2 (ja) 第二高調波発生装置
US6233260B1 (en) Reduced-noise second-harmonic generator and laser application device
JP3182749B2 (ja) 固体レーザ装置
JP2000338530A (ja) レーザ光の波長変換装置とその変換方法
JPH10239723A (ja) 第二高調波発生装置およびレーザ応用装置
KR100246274B1 (ko) 레이저 공진기, 레이저 장치, 레이저 응용 장치 및 레이저 발진 방법
JPH09232665A (ja) 出力安定化第二高調波光源
JPH07131101A (ja) レーザ光発生装置
JP2000114634A (ja) 低ノイズ化全固体第二高調波レーザ発生装置
JP3398980B2 (ja) レーザ光発生装置
JPH05299751A (ja) レーザーダイオードポンピング固体レーザー
JPH09275236A (ja) レーザ装置およびレーザ応用装置
JPH0895105A (ja) 第二高調波発生装置およびレーザプリンタ装置
JPH09232664A (ja) 第二高調波発生装置およびレーザ応用装置
JPH09116219A (ja) レーザ光発生装置、およびレーザ応用装置
JPH08334802A (ja) レーザ装置およびレーザ応用装置