JPH1153683A - 車両用衛星通信装置 - Google Patents

車両用衛星通信装置

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JPH1153683A
JPH1153683A JP9205614A JP20561497A JPH1153683A JP H1153683 A JPH1153683 A JP H1153683A JP 9205614 A JP9205614 A JP 9205614A JP 20561497 A JP20561497 A JP 20561497A JP H1153683 A JPH1153683 A JP H1153683A
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JP
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communication
vehicle
data
satellite
good
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JP9205614A
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English (en)
Inventor
Tomoyasu Harada
友康 原田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 衛星通信の際、車両の移動に伴い通信中に衛
星が建物の陰に隠れ、通信エラーが生じる。地図などの
大量のデータを送る場合に顕著である。 【解決手段】 ナビゲーションECU3は衛星通信の通
信制御部として機能する。地図データの受信前に、地上
通信回路7を用いて、現在位置の周辺で通信状態の良好
な地域を示すデータが取得される。通信良好地域内にあ
って車両が停止するのに適した場所が、通信候補場所に
選ばれる。例えば、信号機設置場所が選ばれる。ディス
プレイ15やスピーカ17を用いて通信候補場所が乗員
に報知される。通信候補場所に乗員が車両をもってい
き、停止させると、データ通信が行われる。通信すべき
データ量が多いときでも、十分に長い時間、通信状態が
良好に維持される。通信候補場所への経路案内を行うこ
とも好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛星を使ってデー
タ通信を行う車両用衛星通信装置に関し、特に、データ
量が多くても確実に通信できる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両が外部とデータ通信を行い、
入手した情報を乗員に提示したり、車両の制御に利用し
たりする技術が各種提案され、一部に実用化されてい
る。また、車両から外部へデータを送り、このデータを
各種の用途、例えば交通システムの管理に役立てること
も提案されている。
【0003】車両のデータ通信に関する代表的な技術と
して、VICS(ビークル・インフォメーション・アン
ド・コミュニケーション・システム)が挙げられる。路
側に設置されたビーコン装置と車両との間でデータ通信
が行われる。VICSでは、ビーコン装置の前を車両が
走り過ぎるときにデータ通信を行うため、通信時間が極
短時間に設定されている。短時間で通信を終えられるよ
うに通信内容が決められ、通信データ量が少なく制限さ
れている。
【0004】一方、連続的に大量のデータを通信するこ
とに関しては、衛星通信が適していると考えられる。長
い通信時間を確保しやすいからである。連続的に通信さ
れる大量のデータは、例えば、地図データである。その
時々で有用な地図を外部から入手して車両側でナビゲー
ション等に用いることが提案されている。
【0005】また、衛星を使ったデータ通信を行う車両
用通信システムは、特開平7−225895号公報に開
示されている。同システムでは、車両が保有する情報が
センタ局に提供される。センタ局は、多数の車両から提
供された情報を処理し、衛星を使って処理結果を車両へ
送る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】地図のような大量のデ
ータを連続的に送ろうとすると、通信時間が長くなる。
1枚当たり数Mバイトの地図データを複数枚まとめて転
送するとして、衛星通信の通信能力が1Mbpsであれ
ば、数秒から数十秒の通信時間が必要である。この通信
時間の間に車両が移動して建物の陰などに入り通信不能
になることがありうる。建物の多い市街地を走行してい
るときには、このような事態が頻発すると考えられる。
また、車両の移動にともなって通信アンテナの向きが不
安定になり、通信装置が衛星を見失ってしまうこともあ
りうる。例えば、急旋回により車両が予想外に傾いた場
合である。このように、従来技術では、データ量が多い
場合に、データ通信が途中で中断して失敗に終わる可能
性がある。
【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、通信データ量が多い場合でも、通信
の途中中断を回避し、データ通信を確実に行える車両用
衛星通信装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の車両用衛星通信装置は、車両に搭載さ
れ、衛星を使ってデータ通信を行う車両用衛星通信装置
であって、衛星との通信状態が良好な通信良好地域を示
すデータを取得する通信地域データ取得手段と、通信良
好地域内にあって車両が停止するのに適した通信候補場
所を乗員に報知する候補場所報知手段とを含み、車両が
通信候補場所に停止したときにデータ通信を行う。
【0009】本発明によれば、衛星との通信状態が良好
な通信良好地域を示すデータが取得される。建物に遮ら
れて衛星通信が困難な場所や衛星通信アンテナの向きが
不安定になり衛星通信が困難な場所は、通信良好地域に
は含まれない。そして、通信良好地域内にあって車両が
停止するのに適した通信候補場所が乗員に報知される。
従来は市街地などで衛星通信を確実に行える場所を知る
術は乗員に与えられていなかったが、本発明によれば乗
員がそのような場所を容易に知ることができる。報知さ
れた通信候補場所に乗員が車両を停止させると、データ
通信が行われる。従って、通信すべきデータ量が多いと
きでも、データ通信を行うのに十分に長い時間、通信状
態が良好に保たれる。これにより、通信の途中中断がな
く、データ通信を確実に行うことができる。
【0010】ここで、上記の通信地域データ取得手段
は、好ましくは、外部との通信によって通信良好地域を
示すデータを車外から取得する。該データを衛星通信に
よって取得してもよいが、地上無線通信等の他の通信手
段により取得することが好ましい。衛星通信ができない
地域にいるときでも、必要なデータを取得するためであ
る。通信良好地域を示すデータの取得であれば、前述の
ビーコン装置との通信によっても実現可能と考えられ
る。
【0011】一方、通信地域データ取得手段が、車載さ
れた記憶媒体を用いて通信良好地域を示すデータを取得
することも好適である。記憶媒体はCD−ROM等であ
り、通信良好地域を示すデータを記憶媒体に格納してお
く。媒体内の記憶データが、上記の取得手段により読み
出される。
【0012】なお、通信良好地域を示すデータは、通信
良好地域そのものでもよいが、通信良好地域を算出する
ためのデータでもよい。算出用のデータは、例えば、衛
星の軌道や、建物による遮蔽状態を示すデータである。
この場合、取得された算出用のデータを用いて、通信装
置内で通信良好地域が求められる。
【0013】また、上記の候補場所報知手段は、例え
ば、ディスプレイに地図を表示するとともに、地図上に
通信候補場所を示す。地図を使わずに文字等で通信候補
場所が示されてもよい。また、候補場所報知手段は、ス
ピーカから音声案内や報知音で通信候補場所を報せても
よい。
【0014】通信候補場所は、上記の如く、通信良好地
域内にあって車両がデータ通信の間停止するのに適した
場所である。通信候補場所として適当な場所は、例え
ば、休憩所や、信号機の設置された場所である。例えば
通信装置が地図データを十秒程度かけて送信する場合で
あれば、信号待ちの停止時間が与えられれば十分と考え
られる。ただし、赤信号でなければ車両が停止しないの
で、複数の信号設置場所を通信候補場所として通知する
ことが好ましい。この例の他、どのような場所が通信候
補場所に適しているかは、データ量や通信時間に応じて
異なる。
【0015】なお、本発明は、車両が衛星からデータを
受信する装置にも、車両が衛星へデータを送信する装置
にも、送受信両方を行う装置にも適用できる。
【0016】(2)上記の衛星通信装置をナビゲーショ
ン装置と一体化することにより、さらに好適にデータ通
信を行うことができる。本発明の一態様において、車両
用衛星通信装置は、車両の移動経路を設定して経路案内
を行う経路案内手段を含み、この経路案内手段は、前記
通信候補場所を通る移動経路を設定する。乗員は、経路
案内に従って、容易に車両を通信候補場所にもっていく
ことができる。
【0017】(3)また、本発明の一態様において、車
両用衛星通信装置は、車両の移動経路を設定して経路案
内を行う経路案内手段を含み、前記候補場所報知手段
は、通信良好地域のデータの取得時にすでに移動経路が
設定されている場合に、設定済みの移動経路上に存在す
る場所を通信候補場所に選ぶ。この態様によれば、すで
に設定された移動経路に沿って車両が走行中のときに好
適な作用が得られる。設定済みの経路(例えば目的地ま
での経路)をデータ通信のために変更することは、原則
的には好ましくはない。本発明によれば、移動経路上に
存在する場所が通信候補場所に選ばれる。従って、走行
中の移動経路に沿った移動を継続しつつ、必要なデータ
通信を良好に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)について、図面を参照し説明
する。本実施形態では、車両用衛星通信装置がナビゲー
ション装置と一体に構成されている。また、衛星を使っ
て連続的に通信される大量のデータの例として、地図デ
ータを取り上げる。地図データの送信に必要な通信時間
としては、十秒程度を想定する。この程度の通信時間を
確保するために、本実施形態のナビゲーション装置(通
信装置)は、車両を通信良好地域内の信号機設置場所へ
導く。
【0019】図1は、衛星通信装置を含むナビゲーショ
ン装置1と、情報センタ20とによって構成される通信
システムを示すブロック図である。車載ナビゲーション
装置1にはナビゲーションECU3が設けられており、
ナビゲーションECU3は装置全体を制御している。ナ
ビゲーションECU3は、現在位置や地図データを用い
て経路案内を行う経路案内手段として機能する。
【0020】さらに、ナビゲーションECU3は、衛星
通信を制御する通信制御部として機能する。ナビゲーシ
ョンECU3には衛星通信回路5が接続されており、ナ
ビゲーションECU3は衛星通信回路5を制御して、通
信用の衛星24を使った衛星通信を行う。衛星通信の
際、ナビゲーションECU3は、本発明の通信地域デー
タ取得手段および候補場所報知手段として機能する。
【0021】また、ナビゲーションECU3には、地上
通信回路7が接続されている。ナビゲーションECU3
は、地上通信回路7を使い、道路沿いまたは道路上に設
けられた路側ビーコン装置26との間で通信を行う。
【0022】また、ナビゲーションECU3には、GP
S装置9が接続されている。GPS(グローバルポジシ
ョニングシステム)装置9は、人工衛星から送られる電
波を利用して現在位置を検出し、ナビゲーションECU
3へ送る。なお、本実施形態では、GPS装置以外の現
在位置検出装置を用いてもよい。衛星航法、自律航法や
電波航法に用いられる各種の現在位置検出装置を利用で
きる。
【0023】また、ナビゲーションECU3には、地図
記憶部11が接続されている。地図記憶部11は、全国
の道路情報を含む地図データを記憶している。この地図
データは信号機設置場所のデータを含む。地図データに
は、ディスプレイに地図表示を行うときに使用する表示
用データが含まれる。また、地図データには、出発点と
目的地との間の最適経路を探索、設定するための経路探
索用データが含まれる。さらに、地図データには、地図
上の2地点間を走行するのに要する時間(旅行時間)を
推定するために必要なデータ(旅行時間算出用データ)
が含まれる。さらに、地図データには、GPS装置9が
検出した現在位置を補正するためのマップマッチング用
データも含まれる。これらのデータは、いずれも周知の
ものでよい。地図データは、ナビゲーションECU3に
より読み出され、利用される。衛星通信によって地図デ
ータが取得されたとき、地図データは地図記憶部11に
書き込まれる。
【0024】また、ナビゲーションECU3には、入力
装置13が接続されている。入力装置13は、ジョイス
ティックやスイッチ類、音声認識装置を含む。乗員によ
るナビゲーション装置への各種の指示は、入力装置13
を介してナビゲーションECU3へ入力される。乗員の
指示には、車両の走行目的地が含まれる。目的地が入力
されると、ナビゲーションECU3は、地図記憶部11
の地図データを用いて、現在位置から目的地までの最適
経路を探索する。経路探索は、ダイクストラ法等の通常
の方法で行われる。
【0025】また、ナビゲーションECU3には、出力
手段としてのディスプレイ15およびスピーカ17が接
続されている。ディスプレイ15は、ナビゲーションE
CU3に制御され、経路案内のための地図を表示する。
現在位置や目的地を含む地図が表示され、地図上には現
在位置マークが重ねて表示される。目的地への経路は、
他の道路とは区別して表示される。また、ディスプレイ
15には、ユーザの操作を支援するための各種の画像
(目的地入力用の画像など)も表示される。さらに、デ
ィスプレイ15には、後述するように、本発明に特徴的
な通信候補場所の表示が行われる。また、スピーカ17
からは、ナビゲーションの経路案内や衛星通信に関する
案内が出力される。ナビゲーションECU3は、音声合
成装置を含み、音声信号を生成してスピーカ17に送
る。
【0026】次に、情報センタ20について説明する。
センタ制御部22はセンタ全体を制御している。センタ
制御部22は、衛星通信回路22aを有し、衛星24を
使って車両との間でデータ通信を行う。また、センタ制
御部22は、路側ビーコン装置26を使っても、車両と
の間でデータ通信を行う。路側ビーコン装置26は、道
路に沿って適当な間隔をおいて設置されている。センタ
制御部22には提供用地図データ記憶部28が接続され
ており、提供用地図データ記憶部28には、車両へ提供
するための地図データが記憶されている。センタ制御部
22は、車両からの要求に応え、要求に示される地図デ
ータを衛星通信によって車両へ送る。
【0027】また、センタ制御部22には通信状態予測
データ記憶部30が接続されている。通信状態予測デー
タ記憶部30には、3次元の地図データが記憶されてい
る。この地図データには、勾配などを含む詳細な道路形
状;道路周辺の地形;道路沿いの並木や建物の位置と形
状と高さ(遮蔽情報);立体交差やトンネルの場所と形
状;などの情報が含まれる。また、通信状態予測データ
記憶部30には、衛星24の軌道に関する情報、すなわ
ち、各時点の衛星の位置を示す情報が記憶されている。
【0028】センタ制御部22は、通信状態予測データ
記憶部30のデータを利用して、衛星24と車両が良好
に通信できる地域を予測する。データ通信の際、路側ビ
ーコン装置26を介して車両の現在位置が送られてく
る。上記の3次元の地図データと衛星24の軌道を用い
れば、現在位置の周辺の所定範囲(例えば半径Xkm)
で、どの場所では衛星24が見え、どの場所では衛星2
4が見えないかが分かる。また、地図データを基に、車
載の衛星通信アンテナの向きが不安定になりやすい場所
が分かる。例えば、車両の傾きが大きくなる場所であ
る。センタ制御部22は、車両の現在位置の周辺で衛星
通信の通信状態が良好な通信良好地域を示すデータを生
成し、路側ビーコン装置26を用いて車両に送る。
【0029】なお、予め上記の通信状態の予測を行い、
各時点の通信良好地域を表すデータベースを作成し、通
信状態予測データ記憶部30に記憶させておくことも好
適である。この場合、センタ制御部22は、車両の現在
位置の周辺の通信良好地域の予測結果を通信状態予測デ
ータ記憶部30から読み出せばよい。
【0030】また、センタ制御部22には通信状態収集
データ記憶部32が接続されている。センタ制御部22
は、通信状態収集データ記憶部32を利用することによ
っても、下記のようにして、通信良好地域を求められ
る。センタ制御部22は、多数の車両と路側ビーコン装
置26を介して接続されている。各車両は、現在位置と
ともに、衛星通信の通信状態が良好か否かを示す情報を
センタ制御部22へ送る。センタ制御部22は、多数の
車両から収集したデータを集計して、どの場所でどの時
間に通信状態が良好かを求める。集計結果は通信状態収
集データ記憶部32に記憶される。センタ制御部22
は、適宜、新たな収集結果が反映されるように、通信状
態収集データ記憶部32のデータを更新する。車両から
地図の要求とともに現在位置が送られたとき、センタ制
御部22は、現在位置周辺の通信良好地域を示すデータ
を通信状態収集データ記憶部32から読み出して、車両
に送る。
【0031】センタ制御部22は、適宜、通信状態予測
データ記憶部30と通信状態収集データ記憶部32を使
い分ける。本実施形態では、通信状態収集データ記憶部
32を優先して使用するものとする。車両から送られた
現在位置の周辺の通信状態が未収集の場合に、通信状態
予測データ記憶部30が使用される。その他、センタ制
御部22が両記憶部を併用してもよい。例えば、予測結
果と収集結果の両方で通信状態が良好な地域が、最終的
な通信良好地域とされる。これにより、さらに確実に通
信状態の良好な地域が求められる。
【0032】さらに、本実施形態のセンタ制御部22
は、下記のように、車両の移動時間を考慮して通信良好
地域を求める。通信良好地域は時間とともに変化する。
衛星24が移動すると、衛星24と建物等との位置関係
が変わるからである。一方、車両の現在位置と、現在の
通信良好地域との間がかなり離れている場合がある。こ
の場合、車両が通信良好地域に到達するまでに、通信良
好地域が変化してしまう。そこで、センタ制御部22
は、車両の現在位置と現在の通信良好地域が所定距離以
上離れているかを判定し、離れている場合には下記の処
理を行う。車両が通信良好地域へ向かって移動したとき
の、各時点の通信良好地域を求めるとともに、各時点の
車両位置を求める。これにより、車両が最初に通信良好
地域へ到達する時刻が分かる。この時刻の通信良好地域
を示すデータが車両へ送られる。車両の周辺の通信良好
地域が複数に分かれていれば、各地域について同様の処
理が行われる。また、車両の移動中に新たに出現する通
信良好地域についても同様の処理が行われる。
【0033】次に、本実施形態の車両用衛星通信装置の
動作を説明する。上記に説明したように車両用衛星通信
装置はナビゲーション装置に一体化されている。本実施
形態では、下記に例示するように、いろいろな機会に地
図データが取得される。
【0034】(1)「ある場所の地図の表示を乗員が指
示したとき」:乗員は、任意の場所の地図の表示を要求
できる。ナビゲーションECU3は、要求に応えるた
め、地図記憶部11のデータを検索する。表示すべき地
図データが記憶されていないとき、衛星通信回路5を使
って地図データが取得される。
【0035】(2)「経路設定のとき」:乗員が目的地
を入力すると、ナビゲーションECU3は、地図データ
を利用して現在位置から目的地までの最適経路を探索、
設定する。経路案内に必要な地図データが地図記憶部1
1に記憶されていないとき、衛星通信により地図データ
が取得される。
【0036】(3)「車両の進行方向の地図がないと
き」:通常、車両が移動するのにつれて、ディスプレイ
15上では地図がスクロールされる。ところが、地図記
憶部11に進行方向の地図が記憶されていないと、スク
ロールができなくなる。ナビゲーションECU3は、こ
のような事態を前もって検知して、必要な地図データを
衛星通信により取得する。
【0037】(4)「地図データのメンテナンス」:衛
星通信を利用することの利点として、最新の地図データ
をいつでも車両が取得できることが挙げられる。適宜、
最新の地図データを取得して、地図記憶部11内のデー
タをメンテナンスすることが好適である。メンテナンス
のとき、地図データが衛星通信により取得される。
【0038】このように、本実施形態のナビゲーション
ECU3は、乗員の指示をきっかけとして地図データを
取得し、あるいは、自らの判断により自動的に地図デー
タを取得する。
【0039】図2は、ナビゲーションECU3が、衛星
通信の際に行う処理を示している。ナビゲーションEC
U3は、まず、情報センタ20から通信良好地域を取得
する(S10)。このとき、ナビゲーションECU3
は、地上通信回路7を用いた路側ビーコン装置26との
通信により、地図要求をセンタ制御部22へ送る。地図
要求は、車両の現在位置と、必要な地図データ(場所、
縮尺、内容等)を示している。センタ制御部22は、前
述のように、通信状態予測データ記憶部30や通信状態
収集データ記憶部32の記憶データを基に、車両の現在
位置の周辺の通信良好地域を示すデータを求め、路側ビ
ーコン装置26を介して車両へ送る。
【0040】次に、ナビゲーションECU3は、車両の
運転が、現在まで長時間継続して行われているか否かを
判定する(S12)。ここでは、運転継続時間と所定の
しきい値の比較が行われる。しきい値は、走行中の道路
の種類(高速道路、市街地、郊外)等に応じて変更され
てもよい。
【0041】運転時間が長くなければ、ナビゲーション
ECU3は、地図記憶部11の地図データ内に存在する
信号機設置場所データを用いて、現在位置の周辺の所定
範囲内に存在する信号機設置場所を探索する(S1
4)。信号機の探索範囲は、情報センタ20で通信状態
を求めた範囲と同程度である。信号機設置場所と、情報
センタ20から取得した通信良好地域とが照合され、通
信良好地域内に信号機が存在するか否かが判定される
(S16)。存在する場合、通信良好地域内の信号機設
置場所が、通信候補場所に指定される(S18)。ナビ
ゲーションECU3は、現在位置の周辺の地図ととも
に、通信候補場所に指定された信号機をディスプレイ1
5に表示させる。図3は、ディスプレイ15の表示例を
示している。指定された信号機は大きく実線で示されて
いる。その他の信号機(通信良好地域にない信号機)
は、小さく点線で示されている。また、ナビゲーション
ECU3は、通信候補場所の信号機への移動を乗員に促
す音声案内をスピーカ17より発する。案内を聴いた乗
員は、ディスプレイ15を見て、通信候補場所へ車両を
移動させる。
【0042】ナビゲーションECU3は、さらに、通信
候補場所への経路案内を行う。現在位置を出発地点と
し、目的地を近くの信号機とする最適経路が探索、設定
される。経路探索は、地図記憶部11の地図データを用
いて行われる。設定された経路が、他の道路と区別して
ディスプレイ15に表示される。また、経路案内がスピ
ーカ17より発せられる。特に、このとき、複数の通信
候補場所の信号機を通る経路を設定することが好まし
い。車両が到達した信号機が青であれば、車両は止まら
ずにその信号機を通過してしまう。しかし、経路上に複
数の信号機があれば、いずれかの信号機が赤であり、車
両が停止すると考えられる。幾つかの経路が選択できる
場合、より多くの信号機が存在する経路が選択される。
【0043】乗員は、車両を通信候補場所の信号機へ向
けて移動させ、信号が赤であれば車両を停止させる。ナ
ビゲーションECU3は、信号機から所定距離以内の場
所に自車が止まったか否かを判断する(S20)。この
判断は、GPS装置9の検出した現在位置と、車速セン
サ(図示せず)の検出した車速データに基づいて行われ
る。上記の所定距離は、信号を待つ数台の車両の後ろに
自車が止まった場合を考慮して適当に設定されている。
【0044】S20にて、まだ車両が通信候補場所で停
止していなければ、すべての候補場所を車両が止まらず
に通過したか否かが判断される(S21)。S18で信
号機を通信候補場所に指定した場合には、ディスプレイ
表示された全信号機を車両が止まらずに通過してしまっ
たか否かが判断される。どの信号機に車両が到達したと
きも信号が青であると、S21の判断がYESになり、
この場合は、S10に戻る。S21の判断がNOであれ
ば、S20に戻り、S20およびS21の判断が繰り返
される。
【0045】S20で通信候補場所に車両が停止したと
判断されると、ナビゲーションECU3は、衛星通信回
路5を用いて、衛星24を介して情報センタ20との間
で地図データの通信を行う(S22)。センタ制御部2
2は、S10で受信した地図要求に示される地図データ
を提供用地図データ記憶部28から読み出して用意して
おく。そして、地図データが衛星24へ送信され、衛星
24から衛星通信回路5へ送信される。ナビゲーション
ECU3は、受信した地図データを地図記憶部11に書
き込む。
【0046】車両は、信号機に極短時間停止した後に走
行を再開することもある。例えば、信号機がすぐに赤か
ら青になったときである。しかし、本実施形態では、地
図データの受信に必要な時間が十秒程度に設定されてい
る。従って、車両が動き出したとしても、通信良好地域
から外れる前に、十分に通信を終了できる。
【0047】一方、S12で運転継続時間が長いと判断
されたとき、ナビゲーションECU3は、地図記憶部1
1の地図データを用いて、現在位置の周辺の休憩所を探
索する(S24)。そして、周辺の休憩所が通信良好地
域内に存在するか否かが判定され(S26)、存在しな
い場合には前述のS14へ進む。周辺に休憩所がある場
合、その休憩所が通信候補場所に指定される(S2
8)。ディスプレイ15にて、地図上に休憩所が表示さ
れる。ナビゲーションECU3は、地図データの通信が
必要なことを伝える音声案内とともに、休憩を勧める音
声案内をスピーカ17から出力する。ここでは休憩所へ
の経路案内が行われる。乗員は、車両を休憩場所に移動
させ、駐車する。ナビゲーションECU3は、前述の信
号機に関する処理と同様に、通信候補場所としての休憩
所に車両が停止したか否かを判定し(S20)、また、
車両が休憩所で止まらずに通過してしまったか否かを判
定する(S21)。S20で車両が休憩所に停止したと
判断されると、ナビゲーションECU3は、地図データ
を衛星24から受信して地図記憶部11に書き込む(S
22)。
【0048】また一方、S16で、周辺の信号機が通信
良好地域内に存在しないとき、ナビゲーションECU3
は、地図記憶部11内の地図データを用いて、最も現在
位置に近いサービスエリア(SA)を検索する。本実施
形態では、サービスエリアは、衛星通信以外の通信手段
でデータを提供する場所を意味する。ここでは、特に、
有線通信が利用されるものと仮定する。検索されたサー
ビスエリアが地図上に表示され、また、音声案内によ
り、サービスエリアへの移動が促される(S30)。サ
ービスエリアまでの経路案内も行われる。そして、ナビ
ゲーションECU3により、車両がサービスエリアで停
止し、有線通信の接続が行われたか否かが判断される
(S32)。まだ車両がサービスエリアで停止していな
いときは、車両がサービスエリアで止まらずに通過して
しまったか否かが判断され(S33)、通過してしまっ
た場合にはS10に戻る。車両がサービスエリアを通過
していなければ、S32およびS33の判断が繰り返さ
れる。S32で有線通信の接続が行われたと判断された
場合、ナビゲーションECU3により、地図データを取
得する有線通信が行われ(S34)、取得された地図デ
ータは地図記憶部11に書き込まれる。
【0049】「経路案内中の場合」経路案内中に地図デ
ータの通信を行う場合は、ナビゲーションECU3は下
記のように動作する。この場合、すでに設定された経路
に従って車両が走行しているので、車両を設定経路から
逸脱させるのは原則として好ましくない。そこで、図2
のS14では、設定経路上に存在する信号機が検索され
る。S18では、設定経路上の信号機設置場所が、通信
候補場所に指定され、他の信号機と区別してディスプレ
イ15に表示される。また、地図記憶部11に記憶され
た旅行時間算出用の地図データを用いて、現在位置から
通信候補場所までの旅行時間が算出される。そして、通
信候補場所に到達するまでの予定時間がディスプレイ1
5に表示され、スピーカ17より出力される。
【0050】設定経路上で現在位置の周辺には、通信良
好地域内の信号機が存在しない場合がある。この場合、
適当な信号機が設定経路上にない旨が乗員に通知される
とともに、設定経路から外れた場所の信号機(ただし、
設定経路の近傍)が通信候補場所に指定され、ディスプ
レイ表示される。さらに、上記の信号機への経路案内が
行われ、元の設定経路に復帰するための経路案内も行わ
れる。
【0051】また同様に、図2のS24では、設定経路
上に存在する休憩所が検索される。適当な休憩所が存在
しなければ、S14へ進む。設定経路上に適当な休憩所
がある場合、S28にて、その休憩所が通信候補場所に
指定され、ディスプレイ15に表示される。
【0052】また、経路案内中のデータ通信において、
S18やS28にて設定経路上の通信候補場所の表示を
見たときに、乗員は、より早く地図データが取得される
のを希望することがある。乗員は、早急に地図データを
取得することを、入力装置13を用いてナビゲーション
ECU3に指示できる。この指示を受けると、ナビゲー
ションECU3は、設定経路以外の場所にある信号機や
休憩所を通信候補場所に指定し、そして、新たに指定し
た候補場所をディスプレイ15に表示する。ここで指定
・表示される信号機や休憩所は、表示済みの通信候補場
所より現在位置に近く、かつ、通信良好地域内にあるも
のである。さらに、ナビゲーションECU3は、上記の
新たな通信候補場所に関する経路案内も行う。その他、
乗員の指示がなくとも、地図データが早急に必要となる
ことがある。この場合も同様に、設定経路以外の場所に
ある通信候補場所が、指定および表示される。
【0053】以上、本実施形態の車両用衛星通信装置に
ついて説明した。本実施形態では、路側ビーコン装置2
6を用いて通信良好地域を示すデータが取得される。前
述のように、ビーコン装置26との通信時間は短い。し
かし、この段階では実際に地図データを受信するわけで
はないので、短時間で十分に必要な情報が得られる。ま
た、衛星通信の通信状態が悪い場所に車両がいるときで
も、現在位置から離れた場所の通信良好地域が分かる。
また、ビーコン装置の前を通過するだけで、すなわち、
停車しなくとも、必要な情報が得られる。
【0054】ビーコン装置を用いて通信良好地域を取得
した後は、通信良好地域内で車両が停車、駐車するのに
適した場所が通信候補場所に指定される。本実施形態で
は、上記のように信号機設置場所が通信候補場所に選ば
れる。信号機設置場所では、車両が停止する確率が高
い。1度に数枚の地図データの通信であれば、信号機で
の停止時間で十分と考えられる。また、郊外と比較し
て、市街地では、通信良好地域が限られる反面、信号機
も多い。従って、通信良好地域が狭くても、多くの通信
候補場所を見つけられる可能性が高い。以上のように、
信号機は、通信候補場所として適している。もちろん、
変形例として、信号機以外の適当な場所が通信候補場所
に選ばれてもよい。
【0055】指定された通信候補場所は、ディスプレイ
15やスピーカ17を用いて乗員に提示される。従来は
このような情報が提示されなかったので、乗員にはどこ
が衛星通信に適した場所かを判別する術はなかった。特
に市街地走行中に、限られた通信良好地域を見つけるこ
とは困難であった。本実施形態では、乗員は、ディスプ
レイ15の表示やスピーカ17からの音声案内により、
衛星通信に適した場所を容易に知ることができる。通信
候補場所を知らされた乗員は、通信候補場所に車両をも
っていき停止させる。停止時にデータ通信が行われる。
従って、通信すべきデータ量が多いときでも、データ通
信を行うのに十分に長い時間、通信状態を良好に維持す
ることができる。これにより、通信の途中中断がなく、
データ通信を確実に行うことができる。
【0056】また、本実施形態によれば、停車、駐車に
適した通信候補場所である信号機を車両が通るように、
経路案内が行われる。乗員は、経路案内に従って、容易
に車両を通信候補場所にもっていくことができる。
【0057】また、本実施形態によれば、すでに経路案
内中であるときには、設定されている経路上にある信号
機が通信候補場所に選ばれる。従って、目的地への適切
な経路を移動しながら、必要な地図データが良好な通信
状態の下で取得される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の全体構成を示すブロック
図である。
【図2】 図1の車載ナビゲーション装置が通信装置と
して行う処理を示すフローチャートである。
【図3】 ディスプレイへの通信候補場所の表示例を示
す図である。
【符号の説明】
1 車載ナビゲーション装置、3 ナビゲーションEC
U、5 衛星通信回路、7 地上通信回路、9 GPS
装置、11 地図記憶部、15 ディスプレイ、17
スピーカ、20 情報センタ、22 センタ制御部、2
4 衛星、26路側ビーコン装置、28 提供用地図デ
ータ記憶部、30 通信状態予測データ記憶部、32
通信状態収集データ記憶部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04B 7/15 G01S 5/14 7/26 H04B 7/15 Z // G01S 5/14 7/26 H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載され、衛星を使ってデータ通
    信を行う車両用衛星通信装置であって、 衛星との通信状態が良好な通信良好地域を示すデータを
    取得する通信地域データ取得手段と、 通信良好地域内にあって車両が停止するのに適した通信
    候補場所を乗員に報知する候補場所報知手段と、 を含み、車両が通信候補場所に停止したときにデータ通
    信を行うことを特徴とする車両用衛星通信装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、 車両の移動経路を設定して経路案内を行う経路案内手段
    を含み、この経路案内手段は、前記通信候補場所を通る
    移動経路を設定することを特徴とする車両用衛星通信装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の装置において、 車両の移動経路を設定して経路案内を行う経路案内手段
    を含み、 前記候補場所報知手段は、通信良好地域のデータの取得
    時にすでに移動経路が設定されている場合に、設定済み
    の移動経路上に存在する場所を通信候補場所に選ぶこと
    を特徴とする車両用衛星通信装置。
JP9205614A 1997-07-31 1997-07-31 車両用衛星通信装置 Pending JPH1153683A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001147118A (ja) * 1999-11-18 2001-05-29 Equos Research Co Ltd 地図画像表示装置、及びナビゲーション装置
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CN112802329A (zh) * 2020-12-14 2021-05-14 国汽(北京)智能网联汽车研究院有限公司 一种数据展示方法、装置、设备及计算机存储介质

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