JPH1152393A - 液晶素子、その製造方法および液晶装置 - Google Patents

液晶素子、その製造方法および液晶装置

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JPH1152393A
JPH1152393A JP21696297A JP21696297A JPH1152393A JP H1152393 A JPH1152393 A JP H1152393A JP 21696297 A JP21696297 A JP 21696297A JP 21696297 A JP21696297 A JP 21696297A JP H1152393 A JPH1152393 A JP H1152393A
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liquid crystal
independently
substrate
substrates
thermosetting adhesive
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JP21696297A
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Takahiro Hachisu
高弘 蜂巣
Yasuhito Kodera
泰人 小寺
Hirohide Munakata
博英 棟方
Shinjiro Okada
伸二郎 岡田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱硬化型接着剤ビーズから析出してくる不純
物イオンなどの極性物質を極性物質吸着剤を用いて吸着
することで、上下基板間での電気的な非対称性を抑えた
液晶素子を提供する。 【解決手段】 互いに対向する一対の基板間を熱硬化性
接着剤ビーズで接着し、該基板間に液晶組成物を挟持し
てなる液晶素子であって、該一対の基板のうち熱硬化型
接着剤ビーズを散布した基板面上に極性物質吸着剤を散
布した一方の基板と他方の基板とを接着してなる液晶素
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶素子や液晶光
シャッター等で用いる液晶素子、その製造方法、および
液晶装置に関し、特に表示特性及び電気光学特性を改善
した強誘電液晶素子、その製造方法、および上記の液晶
素子と該液晶素子を駆動する手段とを少なくとも有する
液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用
して、偏向表示素子との組み合わせにより透過光線を制
御する型の表示素子がクラーク(Clark)およびラ
ガーウオル(Lagerwall)により提案されてい
る。(特開昭56−107216号公報、米国特許43
67924号明細書等)
【0003】この強誘電性液晶は、一般に特定の温度域
においてカイラルスメクチックC相(SmC* )または
H相(SmH* )を有し、この状態において加えられる
電界に応答して第1の光学安定状態と第2の光学安定状
態のいずれかを取り、かつ電界の印加のないときはその
状態を維持する性質、すなわち相安定性を有し、また電
界の変化に対する応答も速やかであり、高速ならびに記
憶型の表示素子としての広い利用が期待されている。
【0004】一般に強誘電液晶を配向させるには、基板
表面にポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)などの
水平配向性の高分子膜を形成し、ほぼ同方向にラビング
処理した一対の基板を用いる。
【0005】図14は従来の液晶の配向モデルを示す概
略断面図である。図中701、707はガラス基板、7
02、706はITOなどの透明電極、703はラビン
グ処理された水平配向処理能力を有する高分子膜、70
4は強誘電性液晶層、705は垂直配向処理能力を有す
る高分子膜、708は熱硬化型接着剤ビーズ、709は
シリカビーズである。カイラルスメクチック液晶を用い
る液晶素子は一般に衝撃に弱く、衝撃やたわみによって
液晶の層構層が破壊され正常な表示が出来なくなること
が知られており、その防止のため上下基板間に熱硬化型
接着剤ビーズを配置して上下基板を部分的に接着するこ
とで、衝撃が加わったときに上下基板が歪み難くする方
法が提案されている。この熱硬化型接着剤ビーズについ
ての詳細は、例えば、特開昭62−150224号公報
等に開示してある。
【0006】図15は、カイラルスメクッチックC相
(SmC* )での液晶分子の配向状態を表わした図であ
り、801、802はユニホーム配向における2つの安
定状態を示している。
【0007】ここで便宜上801の安定状態をUl、8
02の安定状態をU2と呼ぶ。基板を上から見ると図1
5のように2つの安定状態Ul、U2はラビング方向に
対して−θと+θの傾きを持っている。そして偏光子8
03の軸を+θ(または−θ)にあらかじめ配置してお
き、上下基板間に電圧を加えUl、U2のどちらかの状
態に配向させることで表示の明暗を決定する。つまり、
この強誘電性液晶素子が所望の電気光学特性を発揮する
ためには、基板間の液晶が2つの安定状態を安定で再現
良くスイッチングするような配向状態にあり、かつその
配向状態が画素ないしは表示画面全域で均一であること
が必要である。
【0008】この強誘電性液晶素子をマトリックス駆動
する際の駆動方法については、これまで多数提案されて
おり、例えば特開平2−281233号公報等に実用的
な駆動方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱硬化
型接着剤ビーズを用いると、上下2枚の基板の表面電位
の大きさに差が生じてしまう。これは熱硬化型接着剤ビ
ーズから析出した不純物イオンなどの極性物質が原因で
あることが、われわれ発明者の研究・実験等から明らか
になってきている。
【0010】つまり、熱硬化型接着剤ビーズを散布した
側の基板には析出した不純物イオンなどの極性物質が多
数存在してしまうため、上下2枚の基板の表面電位の大
ささが異なり、上下2枚の基板の間は電気的に非対称な
関係になってしまう。
【0011】通常、液晶を駆動させるために外部から上
下2枚の基板の間に駆動電圧波形を印加しているが、基
板間に非対称な関係があるため、駆動電圧波形に直流電
圧成分(DCオフセット成分)をのせないと、最適な駆
動条件の範囲(駆動マージン)をとることができないと
いう間題点があった。
【0012】また、直流電圧成分の大きさは、作製する
液晶素子によって変化してしまい、直流電圧成分量を素
子ごとに調整することは非常に困難であり、かつ歩留ま
りの点においても効率の悪いものであった。
【0013】本発明は、この様な従来技術の欠点を改善
するためになされたものであり、衝撃やたわみに対して
強くするために用いられる熱硬化型接着剤ビーズから析
出してくる不純物イオンなどの極性物質を極性物質吸着
剤を用いて吸着することで、上下基板間での電気的な非
対称性を抑えた液晶素子、その製造方法およびその液晶
素子を用いた液晶装置を提供することを目的とするもの
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、互いに
対向する一対の基板間を熱硬化性接着剤ビーズで接着
し、該基板間に液晶組成物を挟持してなる液晶素子であ
って、該一対の基板のうち熱硬化型接着剤ビーズを散布
した基板面上に極性物質吸着剤を散布した一方の基板
と、他方の基板とを接着してなることを特徴とする液晶
素子である。
【0015】また、本発明は、互いに対向する一対の基
板間を熱硬化性接着剤ビーズで接着し、該基板間に液晶
組成物を挟持してなる液晶素子の製造方法であって、該
一対の基板のうちの一方の基板面上に熱硬化型接着剤ビ
ーズおよび極性物質吸着剤を散布した後、該一方の基板
と他方の基板とを接着することを特徴とする液晶素子の
製造方法である。さらに、本発明は、上記の液晶素子と
該液晶素子を駆動する手段とを少なくとも有する液晶装
置である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、衝撃やたわみに対して
強くするために用いられる熱硬化型接着剤ビーズから析
出している不純物イオンなどの極性物質を極性物質吸着
剤を用いて吸着することで、上下基板間での電気的な非
対称性を抑えた液晶素子を提供することである。
【0017】本発明の液晶素子は、素子を構成する2枚
の基板のうち、少なくとも熱硬化型接着剤ビーズを散布
した基板側に極性物質吸着剤を散布することを特徴とす
る。具体的には、本発明の液晶素子は、互いに対向する
一対の基板間を熱硬化性接着剤ビーズで接着し、該基板
間に液晶組成物を挟持してなる液晶素子であって、該一
対の基板のうち一方の基板の熱硬化型接着剤ビーズを散
布した基板面上に極性物質吸着剤を散布した基板と、他
方の基板とを接着してなるものである。
【0018】図1は、本発明の液晶素子のパネル構成の
一例を示す概略図であり、パネルを基板法線方向から見
た図である。図2は、図1のa−a’線断面図である。
図1中、11、12は基板、13a、13bはITO
等を用いた透明電極、14はエポキシ樹脂などの接着
剤、15は液晶素子における表示部である。
【0019】図2中、16はポリイミド膜等の配向膜、
17は対向膜、18はシリカビーズ等のスペーサ、19
は熱硬化性接着剤ビーズ、20はシリカ微粒子等の極性
物質吸着剤である。
【0020】同図において、本発明の液晶素子は、一対
の基板11、12上にはそれぞれ透明電極13a、13
bが設けられており、一方の透明電極13a上には、例
えば一軸配向処理が施され配向制御膜からなる配向膜1
6が、他方の透明電極13b上には、例えば一軸配向処
理が施されていない配向制御膜からなる対向膜17がそ
れぞれ設けられている。一方の基板12の対向膜17上
には熱硬化型接着剤ビーズ19を散布し、さらに極性物
質吸着剤20を散布し、他方の基板11の配向膜16と
対向膜17を対面させるよう、スペーサー18を介在さ
せて基板11、12を配置して貼り合わせ、その基板間
に液晶材料を注入してなるものである。
【0021】液晶材料を注入口より空セル内に注入する
工程に於いては、まず液晶材料を加熱して等方相(Is
o相)又はコレステリック相(Ch相)に保持したもの
を注入口より空セル内に注入する。注入環境としての気
圧は常圧でもよいが工程を加速するために減圧注入をし
てもよい。その後、空セルを部分的に且つ徐々に降温さ
せてスメクチック相(Sm相)に転移させる。
【0022】一方の基板面上に熱硬化型接着剤ビーズお
よび極性物質吸着剤を散布する方法は、特に制限される
ことはなく、例えば先に熱硬化型接着剤ビーズを散布し
てその後で極性物質吸着剤を散布してもよく、先に極性
物質吸着剤を散布してその後で熱硬化型接着剤ビーズを
散布してもよく、或いは熱硬化型接着剤ビーズと極性物
質吸着剤を同時に散布してもよい。
【0023】上記の様に一対の基板のうちの一方の基板
面上に熱硬化型接着剤ビーズおよび極性物質吸着剤を散
布することにより、上下基板間での電気的な非対称性を
抑えることができるので、液晶を駆動させるための駆動
電圧波形にのせる直流電圧成分(DCオフセット成分)
を調整する必要なく最道な駆動条件の範囲(駆動マージ
ン)をとることができる。
【0024】上記の熱硬化型接着剤ビーズ19には、例
えば東レ社製、トレパールなどエポキシ系樹脂のものが
用いられる。熱硬化型接着剤ビーズの散布量は、例えば
70〜100個/mm2が好ましい。
【0025】上記極性物質吸着剤20は、熱硬化型接着
剤ビーズから析出している不純物イオンなどの極性物質
を吸着する物質であればよく、好ましくは無機酸化物微
粒子が用いられ、その好ましい具体例としてはシリカま
たはアルミナの微粒子が挙げられる。極性物質吸着剤の
粒径は、少なくとも互いに対向する一対の基板間の間隔
よりも小さいことが好ましく、例えば極性物質吸着剤の
粒径は2μm以下、さらに好ましくは1次粒子の平均粒
径で5〜100nmである。
【0026】極性物質吸着剤の散布量は、熱硬化型接着
剤ビーズから析出している不純物イオンなどの極性物質
を吸着し静電気の影響を除くことができる量であればよ
い。
【0027】また、配向膜16としては、ポリアニリ
ン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリイミド等
が好ましく用いられる。
【0028】また、対向膜17としては、金属酸化物、
金属のシリサイド、酸化シリコン等の無機化合物又は有
機化合物等が好ましく用いられる。
【0029】更に、一対の基板11,12としては、少
なくとも一方が透光性の基板を用いる。透光性の基板と
してはガラス、石英、樹脂等があり、不透光性の基板と
しては金属、シリコンウエハー、着色樹脂等がある。
【0030】透明電極13a,13bとしては、酸化
錫、酸化インジウム等の透明導電体が好ましく用いられ
るが、透光性が要求されないのであれば、Cr、Al、
Ta等の金属であってもよい。
【0031】液晶材料としては、カイラルスメクチック
相を呈するカイラルスメクチック液晶組成物、ネマチッ
ク液晶や強誘電性液晶が好ましく用いられる。前記カイ
ラルスメクチック相を呈する液晶組成物は、コレステリ
ック相を呈さない液晶組成物、および強誘電性を示す液
晶組成物が好ましい。とりわけ、ラビング処理を少なく
とも一方の基板の表面に施すことで、得られた液晶素子
の層傾斜角8°以下とし、スメクチック相が屈折しない
いわゆるブックシェルフ配向をもつ液晶素子に特に有効
である。
【0032】代表的液晶材料はフッ素系の液晶材料であ
り、後者の代表例はフェニルピリミジン(Phenyl
pyrimidine)骨格の液晶及びこれを主成分と
する混合液晶である。
【0033】本発明において用いられるカイラルスメク
ティック液晶組成物には、コレステリック相を持たず、
且つスメクティックA相からカイラルスメクティックC
相に移る温度近傍で層間隔が減少し始める第1の変移点
における層間隔(d)と、該第1の変移点からの温度
降下に伴って上記層間隔が減少し再び増加に転ずる第2
の変移点における層間隔の極小値(dmin)との関係
【0034】
【数1】0.990≦dmin /d を満たす液晶組成物が用いられ、該カイラルスメクティ
ック液晶組成物を用いることにより、ブックシェルフ或
いはそれに近い層傾き角の小さな構造を発現することが
できる。このカイラルスメクティック液晶組成物の具体
例としては、例えば、「次世代液晶ディスプレイと液晶
材料」((株)シーエムシー、福田敦夫編、1992
年)等に記載されているものが挙げられる。
【0035】また、本発明において用いられるカイラル
スメクティック液晶組成物としては、好ましくはフルオ
ロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分を有し、該両
末端部分が中心核によって結合され、スメクティック中
間相又は潜在的スメクティック中間相を持つフッ素含有
液晶化合物を含有するものが望ましい。
【0036】前記フッ素含有液晶化合物としては、フル
オロカーボン末端部分が、−D1−Cxa2xa−Xで表わ
される基、(但し、上記式中xaは1〜20であり、X
は−H又は−Fを表わし、D1は、−CO−O−(C
2ra−、−O−(CH2ra−、−(CH2ra−、
−O−SO2−、−SO2−、−SO2−(CH2ra−、
−O−(CH2ra−O−(CH2rb−、−(CH2
ra−N(Cpa2pa+1)−SO2−、又は−(CH2ra
−N(Cpa2pa+1)−CO−を表わす。raおよびr
bは、独立に1〜20であり、paは0〜4であ
る。)、或いは、−D2−(Cxb2xb−O)za−Cya
2ya+1で表わされる基、(但し、上記式中xbはそれぞ
れの(Cxb2xb−O)に独立に1〜10であり、ya
は1〜10であり、zaは1〜10であり、D2は、−
CO−O−Crc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc
2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−
O−SO2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−C
rc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc
N(Cpb2pb+1)−CO−、単結合から選ばれ、rc
及びrdは独立に1〜20であり、saはそれぞれの
(Csa2sa−O)に独立に1〜10であり、taは1
〜6であり、pbは0〜4である。)であるような化合
物を用いることができる。
【0037】特に好ましくは、下記の一般式(I)、或
いは(II)で表わされるフッ素含有液晶化合物を用い
ることができる。
【0038】
【化5】 式中、A1、A2、A3は、それぞれ独立に、
【0039】
【化6】 を表わす。
【0040】ga、ha、iaは独立に0〜3の整数
(但し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表
わす。夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO−O
−、−O−CO−、−COS−、−S−CO−、−CO
−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−Te−
CO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C
−、−CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、−
O−CH2−、−CO−又は−O−を表わす。
【0041】夫々のX1、Y1、Z1はA1、A2、A3の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CN、又は−NO
2を表わし、夫々のja、ma、naは独立に0〜4の
整数を表わす。J1は、−CO−O−(CH2ra−、−
O−(CH2ra−、−(CH2ra−、−O−SO
2−、−SO2−、−SO2−(CH2ra−、−O−(C
2ra−O−(CH2rb−、−(CH2ra−N(C
pa2pa+1)−SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa
2pa+1)−CO−を表わす。ra及びrbは、独立に
1〜20であり、paは0〜4である。
【0042】R1は、−O−Cqa2qa−O−Cqb
2qb+1、−Cqa2qa−O−Cqb2qb+1、−Cqa2qa
3、−O−Cqa2qa−R3、−CO−O−Cqa2qa
3、又は−O−CO−Cqa2qa−R3を表わし、直鎖
状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R3は、−
O−CO−Cqb2qb+1、−CO−O−Cqb2qb+1、−
H、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CNを表わ
し、qa及びqbは独立に1〜20である)。R2はC
xa2xa−Xを表わす(Xは−H又は−Fを表わし、x
aは1〜20の整数である)。
【0043】
【化7】 式中、A4、A5、A6は、それぞれ独立に、
【0044】
【化8】 を表わす。
【0045】gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3
の整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2であ
る)を表わす。夫々のL3、L4は独立に、単結合、−C
O−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO
−、−CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te
−、−Te−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1
〜4)、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、
−N=CH−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO
−又は−O−を表わす。
【0046】夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−OC
3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
b、nbは独立に0〜4の整数を表わす。
【0047】J2は、−CO−O−Crc2rc−、−O−
rc2rc−、−Crc2rc−、−O−(Csa2sa
O)ta−Crd2rd−、−O−SO2−、−SO2−、−
SO2−Crc2rc−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1
−SO2−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1)−CO−
であり、rc及びrdは独立に1〜20であり、saは
それぞれの(Csa2sa−O)に独立に1〜10であ
り、taは1〜6であり、pbは0〜4である。
【0048】R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa−Cqd
2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−Cqd2qd+1、−C
qc2qc−R6、−O−Cqc2qc−R6、−CO−O−C
qc2qc−R6、又は−O−CO−Cqc2qc−R6を表わ
し、直鎖状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R
6は−O−CO−Cqd2qd+1、−CO−O−Cqd
2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CN、又
は−Hを表わし、qc及びqdは独立に1〜20の整
数、waは1〜10の整数である)。R5は(Cxb2xb
−O)za−Cya2ya+1で表わされる(但し、上記式中
xbはそれぞれの(Cxb2xb−O)に独立に1〜10
であり、yaは1〜10であり、zaは1〜10であ
る)。
【0049】上記一般式(I)で表わされる化合物は、
特開平2−142753号公報、米国特許第5,08
2,587号に記載の方法によって得ることができる。
かかる化合物の具体例を以下に列挙する。
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】
【化15】
【0057】
【化16】
【0058】
【化17】
【0059】
【化18】
【0060】
【化19】
【0061】
【化20】
【0062】上記一般式(II)で表わされる化合物
は、国際公開WO93/22396、特表平7−506
368号公報に記載の方法によって得ることができる。
かかる化合物の具体例を以下に列挙する。
【0063】
【化21】
【0064】
【化22】
【0065】
【化23】
【0066】
【化24】
【0067】
【化25】
【0068】本発明においては、特にカイラルスメクテ
ィック液晶組成物はフルオロカーボン未端部分中に少な
くとも一つの連鎖中エーテル酸素を含むフッ素含有液晶
化合物を50重量%以上含有する液晶組成物が好まし
い。
【0069】さらに、その他の構成成分としての光学活
性の液晶性化合物の具体例として、以下の構造のものが
挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0070】○ 下記の一般式(III)で表される化
合物。
【0071】
【化26】
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】上述した一般式(III)の化合物の具体
例において用いた略号は以下の通りである。
【0078】
【化27】
【0079】
【化28】
【0080】○ 下記の一般式(IV)で表される化合
物。
【0081】
【化29】
【0082】
【表6】
【0083】
【表7】
【0084】
【表8】
【0085】
【表9】
【0086】
【表10】
【0087】上述した一般式(IV)の化合物の具体例
において用いた略号は以下の通りである。
【0088】
【化30】
【0089】
【化31】
【0090】
【化32】
【0091】
【化33】
【0092】
【化34】
【0093】
【化35】
【0094】n=6,2R,5R n=6,2S,5R n=4,2R,5R n=4,2S,5R n=3,2R,5R n=2,2R,5R n=2,2S,5R n=1,2R,5R n=1,2S,5R
【0095】
【化36】
【0096】n=1 n=2 n=3 n=4 n=6 n=10
【0097】
【化37】
【0098】n=8 n=10
【0099】
【化38】
【0100】
【化39】
【0101】
【化40】
【0102】
【化41】
【0103】
【化42】
【0104】
【化43】
【0105】本発明の液晶素子は種々の機能をもった液
晶装置を構成するが、そのもっとも適した例が該液晶素
子を表示パネル部に使用し、図3および図4に示した走
査線アドレス情報を持つ画像情報からなるデータフォー
マット及びSYN信号による通信同期手段をとることに
より、液晶表示装置を実現するものである。
【0106】図中の符号はそれぞれ以下の通りである。 101 カイラルスメクチック液晶表示装置 102 グラフィックコントローラー 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査線信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
【0107】画像情報の発生は本体装置のグラフィック
コントローラー102にて行われ、図3及び図4に示し
た信号伝達手段に従って表示パネル103へと転送され
る。グラフィックコントローラー102はCPU(中央
演算装置、GCPU 112と略す。)及びVRAM
(画像情報格納用メモリ)114を核にホストCPU1
13と液晶表示装置101間の画像情報の管理や通信を
司っている。なお、該表示パネルの裏面には、光源が配
置されている。
【0108】本発明における表示装置は表示媒体である
液晶素子が前述したように良好なスイッチング特性を有
するため、優れた駆動特性、信頼性を発揮し、高精細、
高速、大面積の表示画像を得ることができる。
【0109】本発明の液晶素子の一例であるカイラルス
メクティック液晶素子の駆動法としては、たとえば特開
昭59−193426号公報、特開昭59−19342
7号公報、特開昭60−156046号公報、特開昭6
0−156047号公報などに開示された駆動法を適用
することができる。
【0110】図7は、駆動法の波形図の1例を示す図で
ある。また、図6は、マトリクス電極を配置した強誘電
性液晶パネルの一例を示す平面図である。図6の液晶パ
ネル51には、走査電極群52の走査線と情報電極群5
3のデータ線とが互いに交差して配線され、その交差部
の走査線とデータ線との間には強誘電性液晶が配置され
ている。
【0111】図7(A)中のSは選択された走査線に
印加する選択走査波形を、Sは選択されていない非選
択走査波形を、Iは選択されたデータ線に印加する選
択情報波形(黒)を、Iは選択されていないデータ線
に印加する非選択情報信号(白)を表している。また、
図中(I−S)と(I−S)は選択された走査
線上の画素に印加する電圧波形で、電圧(I−S
が印加された画素は黒の表示状態をとり、電圧(I
)が印加された画素は白の表示状態となる。
【0112】図7(B)は図7(A)に示す駆動波形
で、図5に示す表示を行った時の時経列波形である。図
7に示す駆動例では、選択された走査線上の画素に印加
される単一極性電圧の最小印加時間Δtが書き込み位相
の時間に相当し、1ラインクリアt位相の時間2
Δtに設定されている。さて、図7に示した駆動波形の
各パラメータV、V、Δtの値は使用する液晶材料
のスイッチング特性によって決定される。
【0113】図8は後述するバイアス比を一定に保った
まま駆動電圧(V+V)を変化させた時の透過率T
の変化、すなわちV−T特性を示したものである。ここ
ではΔt=50μsec、バイアス比V/(V+V
)=1/3に固定されている。図8の正側は図7で示
した(I−S)、負側は(I−S)で示した波
形が印加された際の(V+V)と最終的な透過率の
関係を示す。
【0114】ここで、V、Vをそれぞれ実駆動閾値
電圧及びクロストーク電圧と呼ぶ。また、V<V
の時に、(V−V)/(V+V)を電圧可
変マージン(ΔV)と呼び、マトリックス駆動可能な電
圧幅の重要なパラメーターとなる。
【0115】Vは強誘電性液晶表示素子駆動上、一般
的に存在すると言ってよい。具体的には図7(A)(I
−S)の波形におけるVによるスイッチングを起
こす電圧値である。もちろん、バイアス比を大きくする
ことにより、Vの値を大きくすることは可能である
が、バイアス比を増すことは情報信号の振幅を大きくす
ることを意味し、画質的にはちらつきの増大、コントラ
ストの低下を招き好ましくない。
【0116】本発明者らの検討ではバイアス比1/3〜
1/4程度が適当であった。ところでバイアス比を固定
すれば、電圧マージンΔVは液晶材料のスイッチング特
性及び素子構成に強く依存し、ΔVの大きい素子がマト
リクス駆動上非常に有利であることは言うまでもない。
【0117】また同様に、駆動電圧を固定し、電圧印加
時間Δtを変化させていくときには、電圧印加時間閾値
をΔtとし、電圧印加時間クロストーク値をΔt2
して、(Δt−Δt)/(Δt+Δt)を電圧
印加時間マージンとする。
【0118】ある一定温度においては、このように情報
信号の2通りの向きによって選択画素に黒及び白の2状
態を書き込むことが可能であり、非選択画素はその黒ま
たは白の状態を保持することが可能である電圧マージン
または電圧印加時間マージンは液晶材料及び素子構成に
よって差があり、特有なものである。また、環境温度の
変化によってもそれら駆動マージンは異なるため、実際
の表示装置の場合、液晶材料、素子構成や環境温度に対
して最適な駆動条件を設定しておく必要がある。
【0119】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。
【0120】実施例1 図1および図2に示す構成の液晶素子を作製した。ガラ
ス基板からなる基板11と基板12の表面にそれぞれI
TOからなる透明電極13a、13bを100nmの厚
さにスパッタ法を用いて形成し、フォトリソ法によって
ストライプ状にパターンニングした。
【0121】基板11の上には、ポリアミック酸をスピ
ンナーで塗布し、加熱焼成処理を施すことにより約5n
mの厚さの下記の構造のポリイミド膜を形成した。
【0122】
【化43】
【0123】基板12には、アンチモンドープのSnO
2 超微粒子(粒径約10nm)を分散したシリカ溶液を
スピンナーで塗布し、加熱乾燥処理を施し、約150n
mの厚さの膜を形成した。次に、基板11のポリイミド
膜表面をナイロンパイルを有するラビング布でラビング
処理を施した。
【0124】次に基板12に平均粒径2.6μmのシリ
カビーズを散布し、さらに熱硬化性接着剤ビーズ(東レ
社製 トレパール)をIPA溶液中によく分散したもの
をスプレー散布法により散布した。基板上には約130
個/mm2 の熱硬化性接着剤ビーズが散布されている。
さらにシリカ微粒子などの極性物質吸着剤(日本アエロ
ジル社製 AEROSIL380)をIPA溶液に対し
て、0.04wt%でよく分散させたものをスプレー散
布法によって散布した。このシリカ微粒子の1次粒径
は、約70Åである。
【0125】基板12上には、熱硬化性接着剤ビーズ1
9と極性物質吸着剤20が同一基板面に配置されてい
る。基板11にエポキシ樹脂の接着剤14を図1に示す
ような形状で形成し、基板11、12それぞれをITO
ストライプが直交するようにはりあわせた。なお、図1
に示すように接着剤の一部は、液晶を注入するための注
入口21として開放されている。この注入口21より液
晶を注入した。本発明で用いた液晶化合物を以下に示
す。
【0126】
【化44】
【0127】上記の液晶化合物を用いて、A/B/C/
D/E=45/15/30/5/2の重量比で液晶組成
物とした。この液晶組成物の自発分極Psは、30℃で
−31.lnc/cm2 である。このような構成の液晶
素子パネルを偏光顕微鏡を用いて配向を観察したとこ
ろ、パネルは欠陥のない均一なユニフォーム配向をして
いた。
【0128】図9は、本発明における液晶素子の駆動特
性を評価するためのブロック図である。図10は、本発
明における液晶素子を駆動するための駆動波形を示し、
(A)は走査選択信号波形、(B)は走査非選択信号波
形、(C)は明表示するときの情報信号波形、(D)は
暗表示するときの情報信号波形である。
【0129】図9中207は、グラフィックコントロー
ラでありここから送出されるデータは駆動制御回路20
5を通して、走査信号制御回路204と情報制御回路2
06に入力され、それぞれアドレスデータと表示データ
に変換される。このアドレスデータに従って走査信号印
加回路202が図10(A)に示す走査選択信号波形お
よび(B)に示す走査非選択信号波形を発生し、102
4×768画素からなる表示部201の走査電極に印加
する。また表示データにしたがって情報信号印加回路2
03が図10(C)、(D)に示す情報信号波形を発生
し、情報電極に印加する。
【0130】図11は、表示部201のある一部を拡大
した図である。図中401は走査電極、402は情報電
極、403は走査電極と情報電極との交差部分により構
成されており、表示単位となる画素を示す。
【0131】図12は、図11で示した表示部のある一
部の断面図である。図中501はアナライザ、502は
ポーラライザであり、これらは表示部がU2状態の時に
暗表示となるように互いにクロスニコルの状態で配置さ
れている。また503は強誘電性液晶などの液晶層であ
る。
【0132】上記回路を用いて、温度30℃での駆動条
件をVl=+14.1[V],V2=−14.1
[V],V3=+5.9[V],V4=−5.9
[V],V5=+5.3[V]に設定し、図10中で示
したlHを可変することによって、液晶素子の表示部2
01が良好な表示をしうる範囲(駆動マージン)を測定
した。
【0133】このとき、液晶素子パネルに印加する駆動
電圧波形のうち、図10中の(C)又は(D)の情報信
号波形に直流電圧成分(DCオフセット成分)をのせ
て、最適な駆動条件の範囲(最適な駆動マージン)を示
すように直流電圧成分量を可変して測定した。
【0134】図13は、本発明における最適な駆動マー
ジンのピーク位置での直流電圧成分(DCオフセット成
分)の値をパネルごとに表わしたグラフである。(A)
は本発明のパネル構成である熱硬化性接着剤ビーズを散
布した基板上に極性物質吸着剤を散布したパネル。
(B)は従来のパネル構成である熱硬化性接着剤ビーズ
だけが散布されたパネル。(C)は比較例のため(A)
とは逆に熱硬化性接着剤ビーズが散布された基板とは逆
の基板上に極性物質吸着剤を散布したパネルである。
【0135】図13より最適な駆動マージンのピーク位
置での直流電圧成分(DCオフセット成分)の値は
(A)が小さく、次いで(B)、(C)の順で値が大き
くなっている。直流電圧成分が大きいということは、そ
れだけ駆動電圧波形に直流電圧成分をのせなければ最適
な駆動マージンが得られないということである。
【0136】熱硬化性接着剤ビーズから析出されている
極性物質(不純物イオン)を(A)では熱硬化性接着剤
ビーズと同一基板上に極性物質吸着剤(シリカ)が散布
されているために、不純物イオンが極性物質吸着剤に吸
着され、上下基板間での表面電位の電気的な非対称性が
抑えられた。その結果、最適な駆動マージンを得るため
に駆動電圧波形にのせるべき直流電圧成分を小さく抑え
ることがでさた。
【0137】これに対して、(B)では熱硬化性接着剤
ビーズから析出された極性物質が残ってしまっているた
め、上下基板間の表面電位の電気的な非対称性を生み、
最適な駆動マージンを得るための駆動電圧波形にのせる
ベき直流電圧成分が大きくなっている。
【0138】(C)では熱硬化性接着剤ビーズの散布さ
れている基板の対向面側に極性物質吸着剤が散布されて
いるために、(B)と比較してさらに、上下基板間の表
面電位の電気的な非対称性が大きくなっている。
【0139】以上のことから、熱硬化性接着剤ビーズが
散布されている基板面と同一面上に極性物質吸着剤を散
布することによって、熱硬化性接着剤ビーズから析出さ
れている極性物質(不純物イオン)が吸着され、上下基
板間での電気的な非対称を抑えることがでさる。さらに
吸着剤の量を調整することで、基板表面の表面電位を調
整することが可能となる。
【0140】また、液晶を駆動させるための駆動電圧波
形の情報信号にDCオフセットをのせて、最適な駆動条
件の範囲(最適な駆動マージン)を得るためにDCオフ
セット量を調整する必要がないため、液晶素子パネルを
作製するうえで歩留まりの点についても効果的がある。
【0141】また本実施例で用いた極性物質吸着剤であ
るシリカ微粒子は、この種類だけに限らず他の粒径をも
つシリカ微粒子であっても、極性物質を吸着する効果を
持つものであれば構わない。
【0142】実施例2 以下本発明の第2の実施例について脱明する。実施例1
と同様に、一対の基板のうち一方の基板面に形成された
ポリイミド膜表面をナイロンパイルを有するラビング布
でラビング処理を施し、次に平均粒径2.6μmのシリ
カビーズを散布し、さらに熱硬化性接着剤ビーズ(東レ
社製トレパール)をIPA溶液中に分散したものをスプ
レー散布法により散布する。基板上には約130個/m
2 の熱硬化性接着剤ビーズが散布されている。
【0143】加えて本実施例では、シリカ微粒子の代わ
りにアルミナ微粒子の極性物質吸着剤をIPA溶液に対
して、1.0wt%でよく分散させたものをスプレー散
布法によって散布する。このアルミナ微粒子の1次粒径
は、約200Åである。
【0144】本実施例で用いたアルミナ微粒子は、商品
名AKP−GOl5(住友化学工業(株)社製)で、主
なアルミナの結晶形がγ形である活性アルミナであり、
比表面積(BET法)が約150m2 /gの大きな表面
積を持つものである。よってこの基板上には、熱硬化性
接着剤ビーズと極性物質吸着剤が同一基板面に配置され
ている。
【0145】もう一方の基板上には、アンチモンドープ
のSnO2 超微粒子(粒径約10nm)を分散したシリ
カ溶液をスピンナーで塗布し、加熱乾燥処理を施し、約
150nmの厚さの膜を形成した。そして、基板上にエ
ポキシ樹脂の接着剤を形成し、2枚の基板をそれぞれを
ITOストライプが直交するようにはりあわせて液晶素
子パネルを作製し、さらにパネル上に設けた注入口から
実施例1で用いた液晶と同様の液晶を注入した。
【0146】このような構成の液晶素子パネルを偏光顕
微鏡を用いて配向を観察したところ、パネルは欠陥のな
い均一なユニフォーム配向をしていた。また実施例1と
同様の方法で、この構成のパネルに駆動電圧波形を印加
して液晶を駆動し、パネルの表示部が良好な表示をしう
る範囲(駆動マージン)を測定した。
【0147】このとき、駆動電圧波形のうち情報信号波
形に直流電圧成分(DCオフセット成分)をのせて、最
適な駆動マージンが得られるように直流電圧成分の値を
可変して測定したところ、従来例と比較してのせるべき
直流電圧成分量は小さくなった。
【0148】以上のことから、熱硬化性接着剤ビーズが
散布されている基板面と同一面上に極性物質吸着剤を散
布することによって、熱硬化性接着剤ビーズから析出さ
れている極性物質(不純物イオン)が吸着され、上下基
板間での電気的な非対称を抑えることができる。さらに
吸着剤の量を調整することで、基板表面の表面電位を調
整することが可能となる。
【0149】また、液晶を駆動させるための駆動電圧波
形の情報信号にDCオフセットをのせて、最適な駆動条
件の範囲(最適な駆動マージン)を得るためにDCオフ
セット量を調整する必要がないため、液晶素子パネルを
作製するうえで歩留まりの点についても効果的である。
【0150】また本実施例で用いた極性物質吸着剤であ
るアルミナ微粒子は、この種類だけに限らず他の粒径を
もつアルミナ微粒子であっても、極性物質を吸着する効
果を持つものであれば構わない。
【0151】上記の実施例1、2において、熱硬化性接
着剤ビーズと極性物質吸着剤とを別々に散布した例を示
したが、熱硬化性接着剤ビーズと極性物質吸着剤とを一
緒にIPA溶液中に分散させたものを散布しても良い。
また上記第1、2実施例で用いた強誘電性液晶材料は、
この種類だけに限らず他の強誘電性液晶材料を用いても
本実施例で示すのと同様の効果を示す。
【0152】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、熱硬
化性接着剤ビーズが散布されている基板面と同一面上に
極性物質吸着剤を散布することによって、熱硬化性接着
剤ビーズから析出されている極性物質(不純物イオン)
が吸着着され、上下基板間での電気的な非対称を抑える
ことができる。さらに吸着剤の量を調整することで、基
板表面の表面電位を調整することが可能となる。
【0153】また、液晶を駆動させるための駆動電圧波
形の情報信号にDCオフセットをのせて、最適な駆動条
件の範囲(最適な駆動マージン)を得るためにDCオフ
セット量を調整する必要がないため、液晶素子パネルを
作製するうえで歩留まりの点についても効果的がある。
【0154】また、本発明によれば、上記の液晶素子と
該液晶素子を駆動する手段とを少なくとも有する表示特
性及び電気光学特性を改善した液晶装置を得ることがで
きる効果がある。また、本発明の製造方法によれば、上
記の液晶素子を容易に得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子のパネル構成の一例を示す概
略図である。
【図2】図1のa−a’線断面図である。
【図3】本発明のカイラルスメクチック液晶組成物を用
いた液晶素子を備えた表示装置とグラフィックコントロ
ーラを示すブロック図である。
【図4】表示装置とグラフィックコントローラとの間の
画像情報通信タイミングチャートを示す図である。
【図5】図7に示す時系列駆動波形で実際の駆動を行っ
たときの表示パターンの模式図である。
【図6】マトリクス電極を配置した強誘電性液晶パネル
の一例の平面図である。
【図7】本発明で用いた駆動法の波形図の一例である。
【図8】本発明にかかる、駆動電圧を変化させたときの
透過率の変化を示すグラフ(V−T特性図)である。
【図9】本発明の液晶素子の駆動特性を評価するための
ブロック図である。
【図10】本発明における液晶素子を駆動するための駆
動波形図である。
【図11】図9の液晶表示部の一部を拡大した説明図で
ある。
【図12】図11で示した表示部の一部の断面図であ
る。
【図13】本発明における最適な駆動マージンのピーク
位置での直流電圧成分(DCオフセット成分)の値をパ
ネルごとに表わしたグラフである。
【図14】従来の液晶の配向モデルを示す概略断面図で
ある。
【図15】カイラルスメクッチックC相(SmC* )で
の液晶分子の配向状態を表わした図である。
【符号の説明】
11 ガラス基板 12 ガラス基板 13a、13b 透明電極 14 接着剤 15 表示部 16 配向膜 17 対向膜 18 スペーサ 19 熱硬化性接着剤ビーズ 20 極性物質吸着剤 21 注入口 51 液晶パネル 52 走査電極群 53 情報電極群 101 カイラルスメクチック液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM 201 液晶表示部 202 走査信号印加回路 203 情報信号印加回路 204 走査信号制御回路 205 駆動制御回路 206 情報信号制御回路 207 グラフィックコントローラ 401 走査電極 402 情報電極 403 画素 501 アナライザ 502 ポーラライザ 503 液晶層 701、707 ガラス基板 702、706 透明電極 703 高分子膜 704 強誘電液晶層 705 高分子膜 708 熱硬化性接着剤ビーズ 709 シリカビーズ 801、802 ユニホーム配向における2つの安定状
態 803 偏光子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 伸二郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する一対の基板間を熱硬化性
    接着剤ビーズで接着し、該基板間に液晶組成物を挟持し
    てなる液晶素子であって、該一対の基板のうち熱硬化型
    接着剤ビーズを散布した基板面上に極性物質吸着剤を散
    布した一方の基板と、他方の基板とを接着してなること
    を特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 上記極性物質吸着剤は無機酸化物微粒子
    であることを特徴とする請求項第1項記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 上記無機酸化物微粒子はシリカまたはア
    ルミナであることを特徴とする請求項第2項記載の液晶
    素子。
  4. 【請求項4】 上記極性物質吸着剤の粒径は、少なくと
    も互いに対向する一対の基板間の間隔よりも小さいこと
    を特徴とする請求項第1乃至3のいずれかの項に記載の
    液晶素子。
  5. 【請求項5】 上記極性物質吸着剤の粒径は2μm以下
    であることを特徴とする請求項第4項記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記液晶組成物が、フルオロカーボン末
    端部分および炭化水素末端部分を有し、該両末端部分が
    中心核によって結合され、スメクティック中間相又は潜
    在的スメクティック中間相を持つフッ素含有液晶化合物
    を含有する請求項1記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記フッ素含有液晶化合物におけるフル
    オロカーボン末端部分が、−D1−Cxa2xa−Xで表わ
    される基である請求項6記載の液晶素子。(但し、上記
    式中xaは1〜20であり、Xは−H又は−Fを表わ
    し、D1は、−CO−O−(CH2ra−、−O−(CH
    2ra−、−(CH2ra−、−O−SO2−、−SO
    2−、−SO2−(CH2ra−、−O−(CH2ra−O
    −(CH2rb−、−(CH2ra−N(Cpa2pa+1
    −SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−
    CO−を表わす。raおよびrbは、独立に1〜20で
    あり、paは0〜4である。)
  8. 【請求項8】 前記フッ素含有液晶化合物におけるフル
    オロカーボン末端部分が、−D2−(Cxb2xb−O)za
    −Cya2ya+1で表わされる基である請求項6記載の液
    晶素子。(但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb
    2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは1〜10で
    あり、zaは1〜10であり、D2は、−CO−O−C
    rc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc2rc−、−O
    −(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−O−SO
    2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−Crc2rc
    −N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc−N(C
    pb2pb+1)−CO−、単結合から選ばれ、rc及びr
    dは独立に1〜20であり、saはそれぞれの(Csa
    2sa−O)に独立に1〜10であり、taは1〜6であ
    り、pbは0〜4である。)
  9. 【請求項9】 前記フッ素含有液晶化合物が、下記の一
    般式(I)で表わされる請求項6記載の液晶素子。 【化1】 [式中、A1、A2、A3は、それぞれ独立に、 【化2】 を表わす。ga、ha、iaは独立に0〜3の整数(但
    し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表わ
    す。夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO−O−、
    −O−CO−、−COS−、−S−CO−、−CO−S
    e−、−Se−CO−、−CO−Te−、−Te−CO
    −、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−
    CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、−O−C
    2−、−CO−又は−O−を表わす。夫々のX1
    1、Z1はA1、A2、A3の置換基であり、独立に−
    H、−Cl、−F、−Br、−I、−OH、−OC
    3、−CH3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々の
    ja、ma、naは独立に0〜4の整数を表わす。J1
    は、−CO−O−(CH2ra−、−O−(CH2
    ra−、−(CH2ra−、−O−SO2−、−SO2−、
    −SO2−(CH2ra−、−O−(CH2ra−O−
    (CH2rb−、−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−
    SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−C
    O−を表わす。ra及びrbは、独立に1〜20であ
    り、paは0〜4である。R1は、−O−Cqa2qa−O
    −Cqb2qb+1、−Cqa2qa−O−Cqb2qb+1、−C
    qa2qa−R3、−O−Cqa2qa−R3、−CO−O−C
    qa2qa−R3、又は−O−CO−Cqa2qa−R3を表わ
    し、直鎖状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R
    3は、−O−CO−Cqb2qb+1、−CO−O−Cqb
    2qb+1、−H、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−C
    Nを表わし、qa及びqbは独立に1〜20である)。
    2はCxa2xa−Xを表わす(Xは−H又は−Fを表わ
    し、xaは1〜20の整数である)。]
  10. 【請求項10】 前記フッ素含有液晶化合物が、下記の
    一般式(II)で表わされる請求項6記載の液晶素子。 【化3】 [式中、A4、A5、A6は、それぞれ独立に、 【化4】 を表わす。gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3の
    整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2である)
    を表わす。夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO−
    O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−
    CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−T
    e−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1〜4)、
    −CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=C
    H−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−又は−
    O−を表わす。夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6
    置換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
    I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−OC
    3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
    b、nbは独立に0〜4の整数を表わす。J2は、−C
    O−O−Crc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc
    2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−
    O−SO2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−C
    rc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc
    N(Cpb2pb+1)−CO−であり、rc及びrdは独
    立に1〜20であり、saはそれぞれの(Csa2sa
    O)に独立に1〜10であり、taは1〜6であり、p
    bは0〜4である。R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa
    −Cqd2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−C
    qd2qd+1、−Cqc2qc−R6、−O−Cqc2qc
    6、−CO−O−Cqc2qc−R6、又は−O−CO−
    qc2qc−R6を表わし、直鎖状、分岐状のいずれであ
    っても良い(但し、R6は−O−CO−Cqd2qd+1、−
    CO−O−Cqd2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−N
    2、−CN、又は−Hを表わし、qc及びqdは独立
    に1〜20の整数、waは1〜10の整数である)。R
    5は、(Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1で表わされる
    (但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb2xb−O)
    に独立に1〜10であり、yaは1〜10であり、za
    は1〜10である)。]
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかの項に記
    載の液晶素子と該液晶素子を駆動する手段とを少なくと
    も有する液晶装置。
  12. 【請求項12】 互いに対向する一対の基板間を熱硬化
    性接着剤ビーズで接着し、該基板間に液晶組成物を挟持
    してなる液晶素子の製造方法であって、該一対の基板の
    うちの一方の基板面上に熱硬化型接着剤ビーズおよび極
    性物質吸着剤を散布した後、該一方の基板と他方の基板
    とを接着することを特徴とする液晶素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記一方の基板面上に熱硬化型接着剤
    ビーズを散布した後、極性物質吸着剤を散布する請求項
    12項記載の液晶素子の製造方法。
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