JPH1151407A - 建物の温調構造 - Google Patents
建物の温調構造Info
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- JPH1151407A JPH1151407A JP20684197A JP20684197A JPH1151407A JP H1151407 A JPH1151407 A JP H1151407A JP 20684197 A JP20684197 A JP 20684197A JP 20684197 A JP20684197 A JP 20684197A JP H1151407 A JPH1151407 A JP H1151407A
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- heat
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02B—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
- Y02B10/00—Integration of renewable energy sources in buildings
- Y02B10/40—Geothermal heat-pumps
Landscapes
- Central Air Conditioning (AREA)
- Other Air-Conditioning Systems (AREA)
- Central Heating Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 安価な温調施工費用並びに年間を通じて安価
な冷暖房の運転費用にて建物の全体または建物内の温調
所望個所の全体を温調し得る建物の温調構造を提供する
ことにある。 【解決手段】 建物の温調所望個所に配置された温調媒
体循環通路を介して屋根裏空間と床下空間とが連通して
おり、床下空間の上に位置する床内に蓄熱・蓄冷材と蓄
熱・蓄冷材を加熱および/または冷却する手段を設けて
蓄熱・蓄冷材により床下空間が加熱または冷却されるよ
うにしてなることを特徴とする建物の温調構造。 【効果】 安価な運転経費で建物内を均一に且つ快適に
温調でき、且つ構造が単純であるので建設費用が少なく
て済むので、一般住宅、老人ホーム、病院などの温調に
好適である。
な冷暖房の運転費用にて建物の全体または建物内の温調
所望個所の全体を温調し得る建物の温調構造を提供する
ことにある。 【解決手段】 建物の温調所望個所に配置された温調媒
体循環通路を介して屋根裏空間と床下空間とが連通して
おり、床下空間の上に位置する床内に蓄熱・蓄冷材と蓄
熱・蓄冷材を加熱および/または冷却する手段を設けて
蓄熱・蓄冷材により床下空間が加熱または冷却されるよ
うにしてなることを特徴とする建物の温調構造。 【効果】 安価な運転経費で建物内を均一に且つ快適に
温調でき、且つ構造が単純であるので建設費用が少なく
て済むので、一般住宅、老人ホーム、病院などの温調に
好適である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般住宅、老人ホ
ーム、病院、事務所などの各種建物についての蓄熱・蓄
冷材を使用した温調構造に関する。
ーム、病院、事務所などの各種建物についての蓄熱・蓄
冷材を使用した温調構造に関する。
【0002】
【従来の技術】暖房技術が発達している現今において
も、未だ石油ストーブや電気炬燵などの簡易暖房手段に
よる特定の部屋や場所のみのスポット的な暖房が一般住
宅や老人ホームなどにおいて広く行われている。スポッ
ト的暖房は、建物の断熱性が不十分であると押入れなど
の非暖房個所に結露現象を惹起する、暖房室から非暖房
室に移ると両室の温度差がたとえ僅かであっても大きな
体感温度差によりかなりの寒さを感じる、などの問題が
ある。逆に夏季においては、冷房室から非冷房室に移る
と両室の温度差がたとえ僅かであっても大きな体感温度
差を感じる。
も、未だ石油ストーブや電気炬燵などの簡易暖房手段に
よる特定の部屋や場所のみのスポット的な暖房が一般住
宅や老人ホームなどにおいて広く行われている。スポッ
ト的暖房は、建物の断熱性が不十分であると押入れなど
の非暖房個所に結露現象を惹起する、暖房室から非暖房
室に移ると両室の温度差がたとえ僅かであっても大きな
体感温度差によりかなりの寒さを感じる、などの問題が
ある。逆に夏季においては、冷房室から非冷房室に移る
と両室の温度差がたとえ僅かであっても大きな体感温度
差を感じる。
【0003】中央温調システムや床冷暖房システムは、
上記したスポット的暖房の問題点を克服し得るものの、
現在普及しているそれらの構造は一般的に施工費用がす
こぶる高額であって、しかも年間を通じた運転経費が高
くなる欠点がある。
上記したスポット的暖房の問題点を克服し得るものの、
現在普及しているそれらの構造は一般的に施工費用がす
こぶる高額であって、しかも年間を通じた運転経費が高
くなる欠点がある。
【0004】図7は、蓄熱材を使用した従来の一般的な
床暖房構造の一部断面図であって、HIは断熱材層、F
は床である。断熱材層HIは地面上に張設されており、
断熱材層HIの直上の床Fは、下から順次、受板F1、
根太F2、下地張りF3、および床仕上げF4とからな
り、受板F1と下地張りF3との間の空間に蓄熱材HR
とヒーターユニットEHとを有する。この床暖房構造の
長所は、安価な夜間電力を利用して夜間に蓄熱材に蓄熱
して昼間にその蓄熱を放出して部屋を暖房し得る点であ
る。この蓄熱材を使用した床暖房構造は、建物内の温調
所望個所の全域にそれを施すと上記したスポット的な冷
暖房に基づく問題は解消する。しかしその場合には、断
熱材層HIと蓄熱材HRとを温調所望個所の全域に設け
る必要があって施工の手間と材料費用が大きくなるのみ
ならず、年間を通じた暖房の運転費用も大きくなる問題
がある。
床暖房構造の一部断面図であって、HIは断熱材層、F
は床である。断熱材層HIは地面上に張設されており、
断熱材層HIの直上の床Fは、下から順次、受板F1、
根太F2、下地張りF3、および床仕上げF4とからな
り、受板F1と下地張りF3との間の空間に蓄熱材HR
とヒーターユニットEHとを有する。この床暖房構造の
長所は、安価な夜間電力を利用して夜間に蓄熱材に蓄熱
して昼間にその蓄熱を放出して部屋を暖房し得る点であ
る。この蓄熱材を使用した床暖房構造は、建物内の温調
所望個所の全域にそれを施すと上記したスポット的な冷
暖房に基づく問題は解消する。しかしその場合には、断
熱材層HIと蓄熱材HRとを温調所望個所の全域に設け
る必要があって施工の手間と材料費用が大きくなるのみ
ならず、年間を通じた暖房の運転費用も大きくなる問題
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑み本発明の課
題は、スポット的な冷暖房に基づく問題を解消し、しか
も安価な温調施工費用並びに年間を通じて安価な冷暖房
の運転費用にて建物の全体または建物内の温調所望個所
の全体を温調し得る建物の温調構造を提供することにあ
る。
題は、スポット的な冷暖房に基づく問題を解消し、しか
も安価な温調施工費用並びに年間を通じて安価な冷暖房
の運転費用にて建物の全体または建物内の温調所望個所
の全体を温調し得る建物の温調構造を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、つぎの特徴を
有する。 (1) 建物内の少なくとも温調所望個所を温調し得るよう
に配置された温調媒体循環通路を介して屋根裏空間と床
下空間とが連通しており、床下空間の上に位置する床の
少なくとも一部が蓄熱・蓄冷材と蓄熱・蓄冷材を加熱お
よび/または冷却するための熱−冷手段とを有し、且つ
蓄熱・蓄冷材により床下空間が加熱または冷却されるよ
うにしてなることを特徴とする建物の温調構造。 (2) 温調所望個所が基底部を有し、該基底部が地温に対
する断熱材層を有する周縁部と該周縁部に囲繞された地
温利用部とを有する上記(1) 記載の建物の温調構造。 (3) 蓄熱・蓄冷材が二層積層されており、積層された二
層の蓄熱・蓄冷材の層間に熱−冷手段が配設されてなる
上記(1) 記載の建物の温調構造。
有する。 (1) 建物内の少なくとも温調所望個所を温調し得るよう
に配置された温調媒体循環通路を介して屋根裏空間と床
下空間とが連通しており、床下空間の上に位置する床の
少なくとも一部が蓄熱・蓄冷材と蓄熱・蓄冷材を加熱お
よび/または冷却するための熱−冷手段とを有し、且つ
蓄熱・蓄冷材により床下空間が加熱または冷却されるよ
うにしてなることを特徴とする建物の温調構造。 (2) 温調所望個所が基底部を有し、該基底部が地温に対
する断熱材層を有する周縁部と該周縁部に囲繞された地
温利用部とを有する上記(1) 記載の建物の温調構造。 (3) 蓄熱・蓄冷材が二層積層されており、積層された二
層の蓄熱・蓄冷材の層間に熱−冷手段が配設されてなる
上記(1) 記載の建物の温調構造。
【0007】
【作用】安価な夜間電力を利用して、熱−冷手段により
床内に設置した蓄熱・蓄冷材を一般に冬季には加熱し夏
季には冷却しておき、昼間には蓄熱・蓄冷材の保有熱に
より床下空間内の温調媒体(通常は空気)を加熱または
冷却する。建物の温調所望個所は、温調媒体循環通路を
介して屋根裏空間と床下空間とが連通しているので、床
下空間の内の高温度または低温度の温調媒体は、温調媒
体循環通路を介して屋根裏空間と床下空間の間を循環
し、この循環により温調所望個所の全体を冬季には暖房
し夏季には冷房することができる。その際、図7に示す
従来の床暖房構造のように床下の全域に断熱材層を張設
する必要がなく、また床内の一部に蓄熱・蓄冷材の欠落
があっても前記した温調媒体の循環にてスポット的な冷
暖房に基づく問題は解消する。本発明の好ましい態様に
おいては、温調所望個所の基底部の少なくとも一部は地
面と直接接触する地温利用部を有する。該地温利用部
は、後記する理由にて冬季は外気温より高温度であるの
で床下空間を暖房し得、一方、夏季は外気温より低温度
であるので床下空間を冷却し得る。したがって蓄熱・蓄
冷材と地温利用部との両方にて、四季を通じて一層効果
的な冷暖房が可能となる。
床内に設置した蓄熱・蓄冷材を一般に冬季には加熱し夏
季には冷却しておき、昼間には蓄熱・蓄冷材の保有熱に
より床下空間内の温調媒体(通常は空気)を加熱または
冷却する。建物の温調所望個所は、温調媒体循環通路を
介して屋根裏空間と床下空間とが連通しているので、床
下空間の内の高温度または低温度の温調媒体は、温調媒
体循環通路を介して屋根裏空間と床下空間の間を循環
し、この循環により温調所望個所の全体を冬季には暖房
し夏季には冷房することができる。その際、図7に示す
従来の床暖房構造のように床下の全域に断熱材層を張設
する必要がなく、また床内の一部に蓄熱・蓄冷材の欠落
があっても前記した温調媒体の循環にてスポット的な冷
暖房に基づく問題は解消する。本発明の好ましい態様に
おいては、温調所望個所の基底部の少なくとも一部は地
面と直接接触する地温利用部を有する。該地温利用部
は、後記する理由にて冬季は外気温より高温度であるの
で床下空間を暖房し得、一方、夏季は外気温より低温度
であるので床下空間を冷却し得る。したがって蓄熱・蓄
冷材と地温利用部との両方にて、四季を通じて一層効果
的な冷暖房が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明を一層詳
細に説明する。図1は本発明の実施例の断面図、図2は
図1における基底部の平面図、図3は図1における周縁
部の部分拡大断面図、図4は図1の点線で囲った部分の
拡大断面図、図5は本発明の他の実施例の断面図、図6
は図5における周縁部の部分拡大断面図である。
細に説明する。図1は本発明の実施例の断面図、図2は
図1における基底部の平面図、図3は図1における周縁
部の部分拡大断面図、図4は図1の点線で囲った部分の
拡大断面図、図5は本発明の他の実施例の断面図、図6
は図5における周縁部の部分拡大断面図である。
【0009】図1〜図4の実施例において、Hは温調対
象の建物、1は屋根裏空間、2は床下空間、3は温調媒
体循環通路、4は建物Hの基底部、5は基底部4の各端
に形成された立ち上がり部、R1およびR2は部屋、F
は床である。本実施例では、建物の全体が温調所望個所
に該当している。基底部4は、コンクリート打ちにて形
成されており、その上面Sは地表Gより上位に、一方、
その下面は地表Gより下位にそれぞれ位置する。
象の建物、1は屋根裏空間、2は床下空間、3は温調媒
体循環通路、4は建物Hの基底部、5は基底部4の各端
に形成された立ち上がり部、R1およびR2は部屋、F
は床である。本実施例では、建物の全体が温調所望個所
に該当している。基底部4は、コンクリート打ちにて形
成されており、その上面Sは地表Gより上位に、一方、
その下面は地表Gより下位にそれぞれ位置する。
【0010】図2に示す通り、建物Hは上から見るとそ
の基底部4はL字形であって、基底部4の端に設けた立
ち上がり部5の上側に上記した1〜3、R1、R2、F
などの符号で示される各部分が形成されている。立ち上
がり部5の外壁は、外気と直接接することになる。なお
本発明で対象とする建物の形状は、上記のL字形に限定
されないことは勿論である。
の基底部4はL字形であって、基底部4の端に設けた立
ち上がり部5の上側に上記した1〜3、R1、R2、F
などの符号で示される各部分が形成されている。立ち上
がり部5の外壁は、外気と直接接することになる。なお
本発明で対象とする建物の形状は、上記のL字形に限定
されないことは勿論である。
【0011】建物Hの床下ダンパーW2より上の部分
は、部屋R2の窓W1および棟ダンパーW3以外の側壁
や屋根の全部は図示する通りに二重壁構造となってお
り、温調媒体循環通路3は、部屋R1の外壁と建物Hの
二重側壁との間の通路31、部屋R2の窓W1以外の外
壁と建物Hの二重側壁との間の通路32、および部屋R
1と部屋R2との各外壁間の通路33とからなってお
り、屋根裏空間1と床下空間2とはこれら三通路31〜
33を介して連通している。
は、部屋R2の窓W1および棟ダンパーW3以外の側壁
や屋根の全部は図示する通りに二重壁構造となってお
り、温調媒体循環通路3は、部屋R1の外壁と建物Hの
二重側壁との間の通路31、部屋R2の窓W1以外の外
壁と建物Hの二重側壁との間の通路32、および部屋R
1と部屋R2との各外壁間の通路33とからなってお
り、屋根裏空間1と床下空間2とはこれら三通路31〜
33を介して連通している。
【0012】図3において、411は砕石層、412は
ポリエチレンシート、アスファルトなどの防水性材料か
らなる防水層、HIは断熱材層、415はコンクリート
である。砕石層411を形成するための砕石としては、
コンクリート打ちする際に通常使用される種類並びにサ
イズのものであってよい。断熱材層HIの構成材料とし
ては、ロックウール、ガラスウール、バーミキュライ
ト、シラスバルーンのような多孔質の無機材料、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリウレタンなどの有機高分子
の発泡体、あるいはオガ屑、紙などの断熱材を使用し、
必要に応じて防水処理された非透水性シートが例示され
る。
ポリエチレンシート、アスファルトなどの防水性材料か
らなる防水層、HIは断熱材層、415はコンクリート
である。砕石層411を形成するための砕石としては、
コンクリート打ちする際に通常使用される種類並びにサ
イズのものであってよい。断熱材層HIの構成材料とし
ては、ロックウール、ガラスウール、バーミキュライ
ト、シラスバルーンのような多孔質の無機材料、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリウレタンなどの有機高分子
の発泡体、あるいはオガ屑、紙などの断熱材を使用し、
必要に応じて防水処理された非透水性シートが例示され
る。
【0013】図4に示す通り床Fは、図7の従来例と同
様に、下から順次、受板F1、根太F2、下地張りF
3、および床仕上げF4とからなり、受板F1と下地張
りF3との間の空間に二層の蓄熱・蓄冷材HRとその層
間に配設されたヒーターユニットEH1とからなる。ヒ
ーターユニットEH1と蓄熱・蓄冷材HRとの布設の態
様は種々考えられるが、部屋R1内や部屋R2内および
床下空間2内へ放熱させる関係上、ヒーターユニットE
H1が蓄熱・蓄冷材HRにてサンドイッチされた構造が
好ましい。ヒーターユニットEH1により加熱されて蓄
熱した蓄熱・蓄冷材HRは、周囲に放熱するが、本発明
においてはこの放熱により床下空間2内の温調媒体が加
熱される。したがって受板F1は、蓄熱・蓄冷材HRの
設置と熱の透過とを許容する材料、例えば木板、ベニヤ
板などにて形成される。受板F1の熱の透過性について
は、蓄熱・蓄冷材HRの放熱開始から1時間以内に少な
くとも受板F1の裏面即ち床下空間2の天井面の温度が
放熱開始時の蓄熱・蓄冷材HR自体の温度の少なくとも
90%値に達する程度であればよい。木板やベニヤ板に
代わって、金属や有機高分子の平板や波板などの無孔
体、さらに金網、エキスパンドメタル、竹や木材の簀の
子、孔有ベニヤ板などの孔有体などであってもよい。
様に、下から順次、受板F1、根太F2、下地張りF
3、および床仕上げF4とからなり、受板F1と下地張
りF3との間の空間に二層の蓄熱・蓄冷材HRとその層
間に配設されたヒーターユニットEH1とからなる。ヒ
ーターユニットEH1と蓄熱・蓄冷材HRとの布設の態
様は種々考えられるが、部屋R1内や部屋R2内および
床下空間2内へ放熱させる関係上、ヒーターユニットE
H1が蓄熱・蓄冷材HRにてサンドイッチされた構造が
好ましい。ヒーターユニットEH1により加熱されて蓄
熱した蓄熱・蓄冷材HRは、周囲に放熱するが、本発明
においてはこの放熱により床下空間2内の温調媒体が加
熱される。したがって受板F1は、蓄熱・蓄冷材HRの
設置と熱の透過とを許容する材料、例えば木板、ベニヤ
板などにて形成される。受板F1の熱の透過性について
は、蓄熱・蓄冷材HRの放熱開始から1時間以内に少な
くとも受板F1の裏面即ち床下空間2の天井面の温度が
放熱開始時の蓄熱・蓄冷材HR自体の温度の少なくとも
90%値に達する程度であればよい。木板やベニヤ板に
代わって、金属や有機高分子の平板や波板などの無孔
体、さらに金網、エキスパンドメタル、竹や木材の簀の
子、孔有ベニヤ板などの孔有体などであってもよい。
【0014】蓄熱・蓄冷材HRとしては、従来周知ある
いは実用されている各種の蓄熱・蓄冷材を使用すること
ができる。例えばノルマルパラフィンのようなパラフィ
ンワックス、高級アルコールなどのワックス類100重
量部あたり、スチレン−エチレン−プロピレンスチレン
−ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン
−ブロック共重合体などのスチレン系熱可塑性エラスト
マー、各種のオレフィン系熱可塑性エラストマー、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体などの有機高分子1〜30重
量部を混合した組成物、あるいは特開平4−85387
号公報に記載のもの、などが挙げられる。それら蓄熱・
蓄冷材は、必要に応じて金属ラミネートやプラスチック
シートなどにて封入して、あるいは金属ケースやプラス
チックケースに収容して用いられる。
いは実用されている各種の蓄熱・蓄冷材を使用すること
ができる。例えばノルマルパラフィンのようなパラフィ
ンワックス、高級アルコールなどのワックス類100重
量部あたり、スチレン−エチレン−プロピレンスチレン
−ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン
−ブロック共重合体などのスチレン系熱可塑性エラスト
マー、各種のオレフィン系熱可塑性エラストマー、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体などの有機高分子1〜30重
量部を混合した組成物、あるいは特開平4−85387
号公報に記載のもの、などが挙げられる。それら蓄熱・
蓄冷材は、必要に応じて金属ラミネートやプラスチック
シートなどにて封入して、あるいは金属ケースやプラス
チックケースに収容して用いられる。
【0015】下地張りF3と床仕上げF4とは、その形
成材料、構造あるいはその他の面において従来通りであ
ってよい。したがって本実施例による暖房時における部
屋R1、R2の温度上昇の一部は、蓄熱・蓄冷材HRの
放熱による直接的な暖房であってもよい。
成材料、構造あるいはその他の面において従来通りであ
ってよい。したがって本実施例による暖房時における部
屋R1、R2の温度上昇の一部は、蓄熱・蓄冷材HRの
放熱による直接的な暖房であってもよい。
【0016】本発明において蓄熱・蓄冷材HRからの放
熱は、温調媒体循環通路3を介して建物Hの全体に行き
わたるので、蓄熱・蓄冷材HRとヒーターユニットEH
1とは温調対象たる建物Hの床Fの全面に設置する必要
は必ずしもなく、要は建物Hの全体を所望暖房度とする
に必要な熱量を放出し得る量を適当に分散設置してもよ
い。例えば、温調所望個所の床Fの総表面積に対して、
その20〜80%に該当する床部分に蓄熱・蓄冷材HR
とヒーターユニットEH1とを均一に分散設置する態様
が例示される。
熱は、温調媒体循環通路3を介して建物Hの全体に行き
わたるので、蓄熱・蓄冷材HRとヒーターユニットEH
1とは温調対象たる建物Hの床Fの全面に設置する必要
は必ずしもなく、要は建物Hの全体を所望暖房度とする
に必要な熱量を放出し得る量を適当に分散設置してもよ
い。例えば、温調所望個所の床Fの総表面積に対して、
その20〜80%に該当する床部分に蓄熱・蓄冷材HR
とヒーターユニットEH1とを均一に分散設置する態様
が例示される。
【0017】図1〜図4において、41は基底部4の周
縁部であり、42は基底部4の地温利用部である。地温
利用部42は、その周囲を周縁部41にて囲繞された状
態となっている。周縁部41では、コンクリート打ちの
最下面に断熱材層HIが敷かれている。地中の湿気や水
分が断熱材層HI内に浸透してその断熱効果を阻害する
ことがないように、断熱材層HIの先端部は、図1に示
すように、地温利用部42のコンクリート中に食い込ん
でいる。一方、地温利用部42は、断熱材層HIなどを
有せずにその下面は直接地面と接して地温の影響を受け
るようになっている。
縁部であり、42は基底部4の地温利用部である。地温
利用部42は、その周囲を周縁部41にて囲繞された状
態となっている。周縁部41では、コンクリート打ちの
最下面に断熱材層HIが敷かれている。地中の湿気や水
分が断熱材層HI内に浸透してその断熱効果を阻害する
ことがないように、断熱材層HIの先端部は、図1に示
すように、地温利用部42のコンクリート中に食い込ん
でいる。一方、地温利用部42は、断熱材層HIなどを
有せずにその下面は直接地面と接して地温の影響を受け
るようになっている。
【0018】一般的に建物の直下の地表、特にその下の
地中は、四季を通じて年間平均気温に近い安定した温度
を保持している。以下において、その地表温度とその下
の地中温度とを纏めて地温と称する。基底部4の周縁部
41は、コンクリート打ちの最下面に断熱材層HIを有
するので地温から絶縁されている。これに対して地温利
用部42は、地面と連通しているので、地温またはそれ
に近い温度を保持する。よって基底部4の直上に位置す
る床下空間2内の温調媒体の温度は、蓄熱・蓄冷材HR
からの放熱がなく且つ床下ダンパーW2からの外気の強
制流入などの特別な手段を講じない場合には、地温利用
部42の温度によって実質的に決定される。
地中は、四季を通じて年間平均気温に近い安定した温度
を保持している。以下において、その地表温度とその下
の地中温度とを纏めて地温と称する。基底部4の周縁部
41は、コンクリート打ちの最下面に断熱材層HIを有
するので地温から絶縁されている。これに対して地温利
用部42は、地面と連通しているので、地温またはそれ
に近い温度を保持する。よって基底部4の直上に位置す
る床下空間2内の温調媒体の温度は、蓄熱・蓄冷材HR
からの放熱がなく且つ床下ダンパーW2からの外気の強
制流入などの特別な手段を講じない場合には、地温利用
部42の温度によって実質的に決定される。
【0019】今仮に地温利用部42のみによる自然温調
を考えると、地温利用部42は年間平均気温に近い温度
を常に維持するので、床下空間2内は地温利用部42に
より年間平均気温に近づく方向に温調される。よって床
下空間2内の温調媒体は、一般的に暖房が行われる晩秋
から冬季を経て初春に到る期間においては外気温度より
高く、一方、冷房の必要な夏季にあっては外気温度より
低くなり、温調媒体循環通路3を介して建物Hの全体に
循環してそれを自然温調する方向に機能する。なお、地
温利用部42によるかかる温調の間、地温利用部42の
上面(床下空間2の底面)およびその近傍部は、床下空
間2内の温調媒体への熱伝達により低下(冬季)または
上昇(夏季)しようとするが、地温利用部42の下面が
巨大な熱容量を有する地面と断熱材層を介することなく
接しているので絶えず地面からの熱供給があり、このた
めに上記の低下または上昇の程度は予想外に少ない。こ
の結果、地温利用部42に外部から加熱や冷却を施さず
とも建物Hの全体は、前記の通り自然温調されることに
なる。
を考えると、地温利用部42は年間平均気温に近い温度
を常に維持するので、床下空間2内は地温利用部42に
より年間平均気温に近づく方向に温調される。よって床
下空間2内の温調媒体は、一般的に暖房が行われる晩秋
から冬季を経て初春に到る期間においては外気温度より
高く、一方、冷房の必要な夏季にあっては外気温度より
低くなり、温調媒体循環通路3を介して建物Hの全体に
循環してそれを自然温調する方向に機能する。なお、地
温利用部42によるかかる温調の間、地温利用部42の
上面(床下空間2の底面)およびその近傍部は、床下空
間2内の温調媒体への熱伝達により低下(冬季)または
上昇(夏季)しようとするが、地温利用部42の下面が
巨大な熱容量を有する地面と断熱材層を介することなく
接しているので絶えず地面からの熱供給があり、このた
めに上記の低下または上昇の程度は予想外に少ない。こ
の結果、地温利用部42に外部から加熱や冷却を施さず
とも建物Hの全体は、前記の通り自然温調されることに
なる。
【0020】ところで一般的に、ヒトは晩秋や冬季にお
いては4〜5月頃の温暖な室温を強く望むので上記の自
然温調のみでは未だ寒気を覚え、逆に夏季にあっては外
気温度より僅かに低い温度にても涼感を覚える。しかし
本実施例では、冬季対策として地温利用部42による自
然温調に加えて蓄熱・蓄冷材HRによる暖房をも行える
ので、ヒトの晩秋や冬季における要求に応えることがで
きる。蓄熱・蓄冷材HRを加熱するためのヒーターユニ
ットEH1などの加熱手段に代えて冷水を流す冷水管な
どの冷却手段を設置すると、上記の原理と同じ原理で夏
季に効果的な冷房を行うことができる。
いては4〜5月頃の温暖な室温を強く望むので上記の自
然温調のみでは未だ寒気を覚え、逆に夏季にあっては外
気温度より僅かに低い温度にても涼感を覚える。しかし
本実施例では、冬季対策として地温利用部42による自
然温調に加えて蓄熱・蓄冷材HRによる暖房をも行える
ので、ヒトの晩秋や冬季における要求に応えることがで
きる。蓄熱・蓄冷材HRを加熱するためのヒーターユニ
ットEH1などの加熱手段に代えて冷水を流す冷水管な
どの冷却手段を設置すると、上記の原理と同じ原理で夏
季に効果的な冷房を行うことができる。
【0021】建物Hの基底部4のうち、四季を通じて外
気温の影響を受け易い個所は周縁部41であるが、本実
施例ではその部分は断熱材層HIを有するので、地温利
用部42を外気温から保護する機能をなす。周縁部41
の幅Wは、基底部4の端から断熱材層HIの先端までの
間であって、通常10〜150cm程度、特に30〜1
00cm程度である。但し断熱材層HIの先端およびそ
の近傍部が破壊されて断熱材層としての本来の機能を奏
し得ないときは、正常部分の最先端をもって断熱材層H
Iの先端とすればよい。
気温の影響を受け易い個所は周縁部41であるが、本実
施例ではその部分は断熱材層HIを有するので、地温利
用部42を外気温から保護する機能をなす。周縁部41
の幅Wは、基底部4の端から断熱材層HIの先端までの
間であって、通常10〜150cm程度、特に30〜1
00cm程度である。但し断熱材層HIの先端およびそ
の近傍部が破壊されて断熱材層としての本来の機能を奏
し得ないときは、正常部分の最先端をもって断熱材層H
Iの先端とすればよい。
【0022】基底部4の上面Sの面積(上面積)は、図
2の平面図例で説明すると線6で囲まれたL字形図形の
面積(表面に凹凸がある場合は、平面投影面積とする。
以下同じ)であって、周縁部41の上面積(図2では幅
Wを有する図形の面積)と地温利用部42との和であ
り、且つ温調所望個所即ち本実施例では建物Hの敷地面
積に等しい。しかし場合によっては、基底部4の上面積
内に周縁部41や地温利用部42でない部分が存在する
こともある。ところで基底部4の上面積中に占める周縁
部41の上面積が過大であると、地温利用部42の占め
る面積が減少して地温の有効利用が実質的に不可とな
る。一方、その逆に周縁部41の上面積が過少であると
前記した周縁部41の機能が乏しくなる。よって基底部
4の上面積中に占める周縁部41の上面積は、30〜6
5%、特に40〜60%程度であり、一方、地温利用部
の上面積は基底部の上面積の少なくとも30%、特に少
なくとも35%であることが好ましい。
2の平面図例で説明すると線6で囲まれたL字形図形の
面積(表面に凹凸がある場合は、平面投影面積とする。
以下同じ)であって、周縁部41の上面積(図2では幅
Wを有する図形の面積)と地温利用部42との和であ
り、且つ温調所望個所即ち本実施例では建物Hの敷地面
積に等しい。しかし場合によっては、基底部4の上面積
内に周縁部41や地温利用部42でない部分が存在する
こともある。ところで基底部4の上面積中に占める周縁
部41の上面積が過大であると、地温利用部42の占め
る面積が減少して地温の有効利用が実質的に不可とな
る。一方、その逆に周縁部41の上面積が過少であると
前記した周縁部41の機能が乏しくなる。よって基底部
4の上面積中に占める周縁部41の上面積は、30〜6
5%、特に40〜60%程度であり、一方、地温利用部
の上面積は基底部の上面積の少なくとも30%、特に少
なくとも35%であることが好ましい。
【0023】地温利用部42は、上記した地温を利用す
る機能を奏し得る限りその形成材料に特に制限はない。
図1のようにコンクリート製であってもよく、あるいは
土壌そのままであってもよい。また地表から少なくとも
50cm、特に少なくとも1mの深層土壌の一層安定し
ている地温を効率よく利用するために、地温利用部42
は、かかる深層に達する金属棒や金属管などの伝熱性体
を多数有することも好ましい。
る機能を奏し得る限りその形成材料に特に制限はない。
図1のようにコンクリート製であってもよく、あるいは
土壌そのままであってもよい。また地表から少なくとも
50cm、特に少なくとも1mの深層土壌の一層安定し
ている地温を効率よく利用するために、地温利用部42
は、かかる深層に達する金属棒や金属管などの伝熱性体
を多数有することも好ましい。
【0024】立ち上がり部5は、その内側壁は床下空間
2と、一方その外側壁は外気とそれぞれ直接接してい
る。したがって立ち上がり部5の断熱材層HIは、床下
空間2内への外気温の影響を遮断する上で効果がある。
2と、一方その外側壁は外気とそれぞれ直接接してい
る。したがって立ち上がり部5の断熱材層HIは、床下
空間2内への外気温の影響を遮断する上で効果がある。
【0025】建物Hの外壁の大部分、特にその少なくと
も80%、さらにはその全部を二重壁構造とすること
は、本発明の前記した作用を一層高める上ですこぶる効
果がある。さらに窓も二重硝子構造とすることが好まし
い。建物Hの外壁を二重壁構造とする代わりに外壁の内
側および/または外側に前記した断熱材層HIの構成材
料と同様の断熱材の層を設けてもよい。
も80%、さらにはその全部を二重壁構造とすること
は、本発明の前記した作用を一層高める上ですこぶる効
果がある。さらに窓も二重硝子構造とすることが好まし
い。建物Hの外壁を二重壁構造とする代わりに外壁の内
側および/または外側に前記した断熱材層HIの構成材
料と同様の断熱材の層を設けてもよい。
【0026】温調媒体循環通路3の変形例として、温調
媒体循環通路の一部は、建物内の温調の対象となる一部
の部屋であってもよい。かかる部屋は、その天井、側
壁、床などに温調媒体循環通路に開口する通気孔が設け
られる。なおその場合、温調媒体たる循環空気流により
部屋が汚染される可能性があるので、そのような場合に
は図1に示す床下ダンパーW2や棟ダンパーW3などが
換気の役に立つ。
媒体循環通路の一部は、建物内の温調の対象となる一部
の部屋であってもよい。かかる部屋は、その天井、側
壁、床などに温調媒体循環通路に開口する通気孔が設け
られる。なおその場合、温調媒体たる循環空気流により
部屋が汚染される可能性があるので、そのような場合に
は図1に示す床下ダンパーW2や棟ダンパーW3などが
換気の役に立つ。
【0027】図5〜図6に示す実施例は、図1〜図4の
実施例とは、立ち上がり部5、周縁部41、および地温
利用部42にそれぞれヒーターユニットEH2、ヒータ
ーユニットEH3、およびヒーターユニットEH4を有
し、且つ温調媒体循環通路3の通路33内に送風機33
2と管部333とからなる温調媒体循環強制手段331
を有する点において異なり、他は同じである。図6にお
いて、EH3はヒーターユニット、413はヒーターユ
ニットEH3を支持するサポータ、414はヒーターユ
ニットEH3を固定するワイヤーメッシュである。
実施例とは、立ち上がり部5、周縁部41、および地温
利用部42にそれぞれヒーターユニットEH2、ヒータ
ーユニットEH3、およびヒーターユニットEH4を有
し、且つ温調媒体循環通路3の通路33内に送風機33
2と管部333とからなる温調媒体循環強制手段331
を有する点において異なり、他は同じである。図6にお
いて、EH3はヒーターユニット、413はヒーターユ
ニットEH3を支持するサポータ、414はヒーターユ
ニットEH3を固定するワイヤーメッシュである。
【0028】ヒーターユニットEH2、EH3、および
EH4は、冬季などにおいて蓄熱・蓄冷材HRによる加
熱が不足する場合に、その不足分を補足するのに有用で
ある。なお本発明において、ヒーターユニットEH2〜
EH4のうち地温利用部42のヒーターユニットEH4
のみを省略する実施態様も好ましい。ヒーターユニット
EH2〜EH4に代えて、冷水管などの冷却手段とする
と、夏季などにおいて蓄熱・蓄冷材HR(この場合、蓄
冷の機能をなす。)による冷房が不足する場合に、その
不足分を補足するのに有用である。なおこの場合におい
ても、地温利用部42には冷却手段を設置しない実施態
様も好ましい。
EH4は、冬季などにおいて蓄熱・蓄冷材HRによる加
熱が不足する場合に、その不足分を補足するのに有用で
ある。なお本発明において、ヒーターユニットEH2〜
EH4のうち地温利用部42のヒーターユニットEH4
のみを省略する実施態様も好ましい。ヒーターユニット
EH2〜EH4に代えて、冷水管などの冷却手段とする
と、夏季などにおいて蓄熱・蓄冷材HR(この場合、蓄
冷の機能をなす。)による冷房が不足する場合に、その
不足分を補足するのに有用である。なおこの場合におい
ても、地温利用部42には冷却手段を設置しない実施態
様も好ましい。
【0029】温調媒体循環強制手段331は、図5〜図
6の実施例に限らず、建物H内の温調媒体を屋根裏空間
1から床下空間2に、あるいはその逆に床下空間2から
屋根裏空間1に強制移送することができるので、必要に
応じて設置することが好ましい。
6の実施例に限らず、建物H内の温調媒体を屋根裏空間
1から床下空間2に、あるいはその逆に床下空間2から
屋根裏空間1に強制移送することができるので、必要に
応じて設置することが好ましい。
【0030】立ち上がり部5や周縁部41に外部加熱が
施せるように断熱材層HIと共にヒーターユニットEH
2、EH3を設けると、断熱材層HIはそれらヒーター
ユニットからの熱を地中や外気中に逃がさずに効率よく
立ち上がり部5自体や周縁部41自体を加熱する機能を
なす。またそれらの加熱は、床下空間2を冷たい外気温
から保護すると共に暖房する作用をなし、さらに周縁部
41は地温利用部42を囲繞してその部分をもやはり外
気温から保護して、地温を一層有効に利用し得るように
も作用する。
施せるように断熱材層HIと共にヒーターユニットEH
2、EH3を設けると、断熱材層HIはそれらヒーター
ユニットからの熱を地中や外気中に逃がさずに効率よく
立ち上がり部5自体や周縁部41自体を加熱する機能を
なす。またそれらの加熱は、床下空間2を冷たい外気温
から保護すると共に暖房する作用をなし、さらに周縁部
41は地温利用部42を囲繞してその部分をもやはり外
気温から保護して、地温を一層有効に利用し得るように
も作用する。
【0031】図1〜図4、あるいは図5〜図6の各実施
例における基底部4および立ち上がり部5の施工に際し
ては、基底部4を形成する予定の地面を適当な深さに堀
り、また周縁部41に該当する部分にさらに深さ10〜
50cm程度で予定幅の溝を堀る。ついで基底部4の形
成予定地面の全面に砕石を一面に敷き、周縁部41に該
当する部分の溝底の砕石層上に防水シートおよび断熱材
層用のシートを敷く。なお、該防水シートおよび該断熱
材層用シートとしては、その一端が前記したように地温
利用部42内に食い込めるように1〜10cm程度の余
幅を有し、他端は立ち上がり部5の外壁面上の断熱材層
HIと連通する余幅を有するものを用いるとよい。発泡
ポリエチレンシートのように耐水、不透水性の断熱材層
用シートを使用するとき、あるいは断熱材層用シートの
端面が防水シートなどで防水状態とされているときは、
地温利用部42内への食い込み施工の必要はない。断熱
材層用シートを敷いた後、図5〜図6の実施例ではさら
にその上にヒーターユニットまたは冷水管などの冷却手
段を置き、ついで基底部4の形成予定地面の全面にコン
クリートを打ち、周縁部41と地温利用部42とを同時
に形成する。その際、該コンクリート打ちに先立って、
立ち上がり部5にあたる個所にヒーターユニットなどと
断熱材層用シートを所定の位置に設置固定しておき、周
縁部41と地温利用部42の形成と同時に立ち上がり部
5をもコンクリートにより形成するとよい。
例における基底部4および立ち上がり部5の施工に際し
ては、基底部4を形成する予定の地面を適当な深さに堀
り、また周縁部41に該当する部分にさらに深さ10〜
50cm程度で予定幅の溝を堀る。ついで基底部4の形
成予定地面の全面に砕石を一面に敷き、周縁部41に該
当する部分の溝底の砕石層上に防水シートおよび断熱材
層用のシートを敷く。なお、該防水シートおよび該断熱
材層用シートとしては、その一端が前記したように地温
利用部42内に食い込めるように1〜10cm程度の余
幅を有し、他端は立ち上がり部5の外壁面上の断熱材層
HIと連通する余幅を有するものを用いるとよい。発泡
ポリエチレンシートのように耐水、不透水性の断熱材層
用シートを使用するとき、あるいは断熱材層用シートの
端面が防水シートなどで防水状態とされているときは、
地温利用部42内への食い込み施工の必要はない。断熱
材層用シートを敷いた後、図5〜図6の実施例ではさら
にその上にヒーターユニットまたは冷水管などの冷却手
段を置き、ついで基底部4の形成予定地面の全面にコン
クリートを打ち、周縁部41と地温利用部42とを同時
に形成する。その際、該コンクリート打ちに先立って、
立ち上がり部5にあたる個所にヒーターユニットなどと
断熱材層用シートを所定の位置に設置固定しておき、周
縁部41と地温利用部42の形成と同時に立ち上がり部
5をもコンクリートにより形成するとよい。
【0032】一戸建の個人住宅の場合には、通常、その
フロア数に無関係にその建物全体が温調対象とされる場
合が多いが、大きな集合住宅や病院などでは種々の事情
にて建物の一部分、例えば建物の半分だけが温調対象と
される場合もある。本発明は、建物全体やその一部のい
ずれに対しても適用し得る。したがって温調媒体循環通
路は、建物内の少なくとも所望の個所が温調し得るよう
に且つ屋根裏空間と床下空間とを連通するように配置さ
れる。なお温調媒体循環通路の配置位置や通路の数は、
本発明の目的が達成される限り任意であるが、通路数に
関しては、一通路以上、特に二通路以上とすることが好
ましい。さらに該通路は、二通路以上として建物の外壁
の直ぐ内側に設けることが好ましい。例えば外壁の内側
面と被温調室の外壁との間に空間が設けられている場合
には該空間が、また被温調室の一面が建物の外壁を兼ね
るガラス窓である場合には該被温調室自体が、それぞれ
温調媒体循環通路として利用される。なお建物の外壁が
二重壁や二重ガラス窓である場合には、該二重壁やガラ
ス窓の内側壁の内側に温調媒体循環通路を設けることが
好ましい。
フロア数に無関係にその建物全体が温調対象とされる場
合が多いが、大きな集合住宅や病院などでは種々の事情
にて建物の一部分、例えば建物の半分だけが温調対象と
される場合もある。本発明は、建物全体やその一部のい
ずれに対しても適用し得る。したがって温調媒体循環通
路は、建物内の少なくとも所望の個所が温調し得るよう
に且つ屋根裏空間と床下空間とを連通するように配置さ
れる。なお温調媒体循環通路の配置位置や通路の数は、
本発明の目的が達成される限り任意であるが、通路数に
関しては、一通路以上、特に二通路以上とすることが好
ましい。さらに該通路は、二通路以上として建物の外壁
の直ぐ内側に設けることが好ましい。例えば外壁の内側
面と被温調室の外壁との間に空間が設けられている場合
には該空間が、また被温調室の一面が建物の外壁を兼ね
るガラス窓である場合には該被温調室自体が、それぞれ
温調媒体循環通路として利用される。なお建物の外壁が
二重壁や二重ガラス窓である場合には、該二重壁やガラ
ス窓の内側壁の内側に温調媒体循環通路を設けることが
好ましい。
【0033】
【発明の効果】本発明は、四季を通じて年間平均気温に
近い安定した温度を保持する地温と安価な夜間電力にて
蓄熱し得る蓄熱・蓄冷材とにより温調することができる
ので、従来の中央温調システムや床冷暖房システムと比
較して四季を通じた運転経費が安価である、構造が単純
であるので建設費用が少なくて済む、しかも四季を通じ
て建物内を均一に且つ快適に温調できる、などの優れた
効果を有する。よって本発明は、一般住宅、老人ホー
ム、病院などの温調に好適である。
近い安定した温度を保持する地温と安価な夜間電力にて
蓄熱し得る蓄熱・蓄冷材とにより温調することができる
ので、従来の中央温調システムや床冷暖房システムと比
較して四季を通じた運転経費が安価である、構造が単純
であるので建設費用が少なくて済む、しかも四季を通じ
て建物内を均一に且つ快適に温調できる、などの優れた
効果を有する。よって本発明は、一般住宅、老人ホー
ム、病院などの温調に好適である。
【図1】本発明の実施例の断面図である。
【図2】図1における基底部の平面図である。
【図3】図1における周縁部の部分拡大断面図である。
【図4】図1の点線で囲った部分の拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施例の断面図である。
【図6】図5における周縁部の部分拡大断面図である。
【図7】蓄熱材を使用した従来の一般的な床暖房構造の
一部断面図である。
一部断面図である。
H 温調対象の建物 1 屋根裏空間 2 床下空間 3 温調媒体循環通路 F 床 HR 蓄熱・蓄冷材 EH1 ヒーターユニット 4 建物Hの基底部 41 基底部4の周縁部 42 基底部4の地温利用部 5 立ち上がり部 HI 断熱材層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐 純一 東京都千代田区丸の内3丁目4番1号新国 際ビル 三菱電線工業株式会社東京事務所 内 (72)発明者 木下 和夫 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内
Claims (3)
- 【請求項1】 建物内の少なくとも温調所望個所を温調
し得るように配置された温調媒体循環通路を介して屋根
裏空間と床下空間とが連通しており、床下空間の上に位
置する床の少なくとも一部が蓄熱・蓄冷材と蓄熱・蓄冷
材を加熱および/または冷却するための熱−冷手段とを
有し、且つ蓄熱・蓄冷材により床下空間が加熱または冷
却されるようにしてなることを特徴とする建物の温調構
造。 - 【請求項2】 温調所望個所が基底部を有し、該基底部
が地温に対する断熱材層を有する周縁部と該周縁部に囲
繞された地温利用部とを有する請求項1記載の建物の温
調構造。 - 【請求項3】 蓄熱・蓄冷材が二層積層されており、積
層された二層の蓄熱・蓄冷材の層間に熱−冷手段が配設
されてなる請求項1記載の建物の温調構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20684197A JPH1151407A (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 建物の温調構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20684197A JPH1151407A (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 建物の温調構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1151407A true JPH1151407A (ja) | 1999-02-26 |
Family
ID=16529954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20684197A Pending JPH1151407A (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 建物の温調構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1151407A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003322351A (ja) * | 2002-05-02 | 2003-11-14 | Enaatekku Kk | 高断熱・高気密住宅における深夜電力利用蓄熱式床下暖房システム |
JP2011007446A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Ohbayashi Corp | 地中熱交換器 |
JP2011007395A (ja) * | 2009-06-24 | 2011-01-13 | Ohbayashi Corp | 地中熱交換器、及び充填材 |
JP2014020643A (ja) * | 2012-07-17 | 2014-02-03 | Mitsubishi Plastics Inc | 蓄熱ボックス |
CN115341798A (zh) * | 2022-08-18 | 2022-11-15 | 金华市戈壁鹰户外用品有限公司 | 高舒适低温帐篷的使用工艺 |
-
1997
- 1997-07-31 JP JP20684197A patent/JPH1151407A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003322351A (ja) * | 2002-05-02 | 2003-11-14 | Enaatekku Kk | 高断熱・高気密住宅における深夜電力利用蓄熱式床下暖房システム |
JP3552217B2 (ja) * | 2002-05-02 | 2004-08-11 | エナーテック株式会社 | 高断熱・高気密住宅における深夜電力利用蓄熱式床下暖房システム |
JP2011007395A (ja) * | 2009-06-24 | 2011-01-13 | Ohbayashi Corp | 地中熱交換器、及び充填材 |
JP2011007446A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Ohbayashi Corp | 地中熱交換器 |
JP2014020643A (ja) * | 2012-07-17 | 2014-02-03 | Mitsubishi Plastics Inc | 蓄熱ボックス |
CN115341798A (zh) * | 2022-08-18 | 2022-11-15 | 金华市戈壁鹰户外用品有限公司 | 高舒适低温帐篷的使用工艺 |
CN115341798B (zh) * | 2022-08-18 | 2024-08-06 | 金华市戈壁鹰户外用品有限公司 | 高舒适低温帐篷的使用工艺 |
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