JPH11514079A - シャフト／ハブユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 トルクを伝達するための歯部組立体を有するシャフト／ハブユニットであって、シャフト歯部（５）を有するシャフト（１）と、ハブ歯部（７）を有するハブ（２）と、を備え、前記歯部の歯列が互いに係合し、トルクがシャフト歯部（５）を端部に備えたシャフトシャンク（４）により導入され、前記シャフトハブ（５）の歯の外郭が長手方向で可変の経路に従った、シャフト／ハブユニットにおいて、前記シャフト歯部（５）が、長手方向で一定の経路に従った外径を有し、前記ハブ歯部（７）が、長手方向で一定の経路に従った基部径を有し、前記歯部組立体が、シャフト歯部（５）の各基部径が一定の経路に従いハブ歯部（７）の各外径が一定の経路に従う少なくとも２つのシャフト線方向に延びる部分（９，１０）を備え、各２つの隣接部分のうち、前記シャフトシャンク（４）に対向する部分では、シャフト歯部（５）の基部径とハブ歯部（７）の外径が大きく、各２つの隣接した部分のうち、シャフトシャンク（４）に対向する部分は、シャフト歯部（５）の歯外郭を備え、当該歯外郭がその上部を形成する隣接部分の頭部に対応することを特徴とするシャフト／ハブユニット。

Description

【発明の詳細な説明】 シャフト／ハブユニット 技術分野 本発明は、トルクを伝達するための歯部組立体を有するシャフト／ハブユニッ トであって、シャフト歯部を有するシャフトとハブ歯部を有するハブとを備え、 これらの歯部の歯列がお互いに係合し、トルクがシャフト歯部を端部に備えたシ ャフトシャンクによって導入され、前記シャフト歯部の歯の外郭が長手方向に可 変である経路に従ったシャフト／ハブユニットに関する。 上述した型のシャフト／ハブユニットは、特に、車軸と自動車の動力伝達装置 内の自在継手の部品との間のしっかりとした回転接続のために使用される。 従来技術 独国特許第４４１５０３３号公報は、前記シャフト歯部の歯外郭が長手方向に 可変であり、前記シャフト歯部の歯高が心振れ部で連続的に減少するようなシャ フト／ハブユニットを記載している。前記シャフト歯部がインボリュート歯部と して構成され、前記ハブ歯部が直線状側面歯部として構成される場合、２つの歯 列の間には線接触部が存在する。その結果、前記線接触部の上下に歯面の遊びが 生じる。前記シャフト歯部の歯高が前記線接触部の高さより短い心振れ部では、 前記シャフト歯部の各歯と前記ハブ歯部の各歯とは互いに接触しない。トルクを 導入すると、前記心振れ部ではシャフト捩れが生じ、前記シャフト歯部の歯面が 前記ハブ歯部の歯面とシャフト線方向に増加しながら接触していく。これにより 、前記歯部組立体のシャフトシャンク端部で通常生じる応力ピークは減少し、高 応力値の部分が前記歯部組立体の長手方向に延伸する。前記シャフト／ハブユニ ットの欠点は、前記心振れ部が別途のチップ形成機械加工によってのみしか製造 できないことである。 仏国特許第１５８１６５８号公報は、基部径および外径が長手方向で円錐上に 位置決めされ、歯高が前記歯部組立体の全長にわたり一定であるシャフト／ハブ ユニット用の、一連のシャフト歯部を備えたシャフトを開示している。前記基部 径および前記外径は、前記トルクが導入される前記シャフト端部に向けて増加す る。しかしながら、前述の型の歯部は、ブローチ削りや絞り成形等の送り方向が シャフト線方向の既存の製造法によっても、あるいは、平行転造手段を用いた転 造によっても製造することができない。更に、前記シャフト上の前記ハブのシャ フト線方向位置は、円錐の許容誤差に応じて変化する。前記外側円錐面の開口角 度が平坦な場合、角度の僅かなずれでも前記ハブの前記シャフト線方向位置に大 きく作用する。多くの用途において、それを許容することはできない。 発明の開示 本発明の目的は、所与のトルクを与えた場合に前記歯部組立体の前記シャフト シャンク端部における応力ができるだけ小さくなるようにすると共に、単純な製 造法により製造可能なシャフト／ハブユニットを提供することである。 この目的は、前記シャフト歯部が長手方向で一定の経路に従った外径を有し、 前記ハブ歯部が長手方向で一定の経路に従った基部径を有し、前記歯部組立体が 、前記シャフト歯部の各基部径が一定の経路に従い前記ハブ歯部の各外径が一定 の経路に従う、少なくとも２つのシャフト線方向に延びる部分を備え、各２つの 隣接部分のうち前記シャフトシャンクに対向する部分では、前記シャフト歯部の 基部径および前記ハブ歯部の外径が大きく、各２つの隣接した部分のうち、前記 シャフトシャンクに対向する部分は前記シャフト歯部の歯外郭を備え、当該歯外 郭が、歯外郭の上部を形成する隣接部分の頭部に対応するようにしたことにより 達成される。 前記シャフトシャンクに向かう部分間の基部径を増加させることにより、前記 シャフトの抵抗モーメントは大きくなる。その結果、前記歯部組立体の前記シャ フトシャンク端部における応力は小さくなる。なぜならば、各２つの隣接した部 分のうち、前記シャフトシャンクに対向する部分は、隣接部分の歯外郭の上部を 形成する頭部に対応した前記シャフト歯部の歯外郭を含むと共に、歯列が前記歯 部組立体の全体にわたりいずれかの円直径上に位置して同じ歯深さを有するので 、前記シャフト歯部および前記ハブ歯部の両者とも送り方向がシャフト線方向で ある製造法により製造することが可能であるからである。 一実施形態において、部分の数は無限に展開していくので、実際上、前記シャ フト歯部の基部径及び前記ハブ歯部の外径は、長手方向で円錐上に位置決めされ る。 有利な一実施形態によれば、各２つの隣接部分の前記歯外郭のうち、前記シャ フトシャンクと反対側の部分の前記シャフト歯部の歯外郭が、前記隣接部分の歯 外郭に対応する歯外郭の上部を形成する頭部の下側で段差を成して拡がっており 、前記シャフト端部に位置決めされた部分の前記シャフト歯部の歯面が、前記歯 外郭の下部を形成するただ１つの歯基部でのみ前記ハブ歯部の歯面と接触するこ とが提案される。前記歯部組立体の前記シャフトシャンク端部に位置決めされた 部分を除けば、全ての部分が前記シャフト歯部の歯厚段差を備えている。歯外郭 の下部を形成する、前記シャフトシャンクから最も離れた部分の前記シャフト歯 部の基部のみが、遊び無しで前記ハブ歯部に係合する。残りの部分では全て、前 記シャフト歯部の歯面が、前記ハブ歯部の歯面に対して遊びを有する。その結果 、トルクが導入されると、前記シャフトは、前記シャフト歯部の歯面と前記ハブ 歯部の歯面とが互いに接触していない全部分で、歯面が互いに接触するまで捩れ ることができる。前記シャフト歯部の歯面が前記ハブ歯部の歯面とシャフト線方 向に増加して接触してくるので、トルク伝達に関与する部分は前記歯部組立体の 長手方向に延長される。前記シャフト歯部の基部径および前記ハブ歯部の外径が 、歯部組立体の全長にわたり一定な歯部組立体と比較すると、本実施形態は、低 い最大応力を特徴とする。 別の有利な実施形態によれば、一方の部分の基部径から他方の部分の基部径ま で、長手方向に前記シャフト歯部の基部径の値が連続関数に従うと共に、一方の 部分の外径から他方の部分の外径まで長手方向に前記ハブ歯部の外径の値が連続 関数に従う移行部分が設けられる。これにより、各部分間に鋭く尖った段差が生 じるのを避けることができる。これは、切欠き効果による不利な応力ピークを回 避すると共に、前記歯部の製造を容易にする。 一実施形態によれば、前記シャフト歯部の基部径および前記ハブ歯部の外径の 両方の前記移行部分が円錐上で延びることが可能である。 別の実施形態によれば、前記シャフト上に前記ハブをシャフト線方向に固定す る目的で、前記シャフト歯部内に環状溝を、前記ハブ歯部内に対向する環状溝を 設け、当該溝が共働して特に円形横断面を有する止め輪の形をしたシャフト線方 向固定手段を収容することが提案される。歯高が短すぎるために前記止め輪が不 意に脱落するのを防ぐべく、前記環状溝は、前記シャフト線方向シャンクから最 も離れた部分に配設されている。これにより、円形横断面を有する前記止め輪が 前記環状溝の歯面上に確実に支持される。前記シャフトに対する前記ハブのシャ フト線方向位置は、前記環状溝の許容差とシャフト線方向固定手段との許容差に のみ影響される。 図面の簡単な説明 好適な実施形態を以下の図面に基づき説明する。 図１は、本発明に係るシャフト／ハブユニットの縦断面図である。 図２は、図１に係る本発明のシャフト／ハブユニットの、シャフトシャンクと 反対側の部分の横断面図である。 図３は、図１に係る本発明のシャフト／ハブユニットの、シャフトシャンクと 対向する部分の横断面図である。 発明を実施するための最良の形態 図１には、シャフト１とハブ２と円形横断面を有する止め輪３とからなる本発 明のシャフト／ハブユニットの縦断面の一部を示す。シャフト１は、トルクをシ ャフト／ハブユニットに導入するためのシャフトシャンク４を備えている。更に 、シャフト１は、シャフトシャンク４と反対側のシャフト端部に、シャフト歯部 ５および環状溝６を備えている。ハブ２は、ハブ歯部７と環状溝８とを含んでい る。シャフト歯部５およびハブ歯部７からなる歯部組立体は、第１の部分９と第 ２の部分１０と移行部分１１とを備え、シャフト歯部５の外径は、３つの部分全 てにわたり一定値Ｄｗを有する。ハブ歯部７の基部径もまた、３つの部分全てで 一定であり、値ｄｎを有する。シャフトシャンク４と反対側の第１の部分９は、 長さＬ１を有し、そのシャフト歯部５が値ｄｗ１の基部径を有すると共にハブ歯 部７が値Ｄｎ１の外径を有する。 長さＬ２を有する第２の部分１０は、シャフトシャンク４に対向する。この部 分１０において、シャフト歯部５は、第１の部分９の基部径の値ｄｗ１より大き い値ｄｗ２の基部径を有する。第２の部分１０のハブ歯部７は、第１の部分９の 外径の値Ｄｎ１より大きい値Ｄｎ２の外径を有する。前記の部分９，１０の間に は、長さＬ３を有する移行部分１１が位置決めされており、この部分１１におい て、シャフト歯部５の基部径とハブ歯部７の外径は長手方向に第１の部分９から 第２の部分１０にかけて常に増加し、この基部径が長手方向に値ｄｗ１からｄｗ ２まで延び、ハブ歯部の外径が値Ｄｎ１から値Ｄｎ２まで延びている。第１の部 分９には、シャフト１に対してハブ２をシャフト線方向に固定するための円形の 止め輪３により係合される環状溝６，８が設けられている。 図２は、図１に係る第１の部分９における本発明のシャフト／ハブユニットの 横断面の一部を示す。シャフト歯部５の各歯１４は、凸状の歯面１２を備える一 方、ハブ歯部７の各歯１５は、直線状の歯面１３を備えている。歯面１２，１３ は、ピッチ円直径ＤＴの部分で互いに接触する。シャフト歯部５は、値ｄｗ１の 基部径および値Ｄｗの外径を有する。ハブ歯部７は、値ｄｎの基部径および値Ｄ ｎ１の外径を有する。 図３は、図１に係る部分１０における、本発明のシャフト／ハブユニットの横 断面の一部を示す。シャフト歯部５の歯面２３は、ピッチ円直径ＤＴの部分でハ ブ歯部７の歯面２４と接触する。各歯１６，１７の歯高は、図１に係る部分９よ り部分１０の方が小さい。シャフト歯部５の外径とハブ歯部７の基部径とがそれ ぞれ同じである場合、シャフト歯部５の基部径およびハブ歯部７の外径は、それ ぞれ図２に係る部分９における比較円直径より部分１０において大きい値を有す る。シャフト歯部５の各歯１６は、ピッチ円直径ＤＴと外径Ｄｗとの間で、図２ に係る各歯１４と同じ横断面を有する。ピッチ円直径ＤＴと基部径ｄｎの間で、 ハブ歯部７の各歯１７は、図２に係る各歯１５と同じ横断面を有する。 図４は、図１に係る部分９におけるシャフト／ハブユニットの横断面の一部を 示す。ハブ歯部７は、図２におけるハブ歯部と同一である。しかしながら、シャ フト歯部５の各歯１８は、外径から基部径に向かう途中の段差で拡大した横断面 を有し、当該段差２１はピッチ円直径ＤＴの部分に位置する。ピッチ円直径ＤＴ と基部径ｄｗ１との間の各歯１８の横断面は、図２の各歯１４の比較横断面に対 応する。これにより、シャフト歯部５の各歯１８の歯面２０は、ピッチ円直径Ｄ Ｔの部分で、ハブ歯部７の各歯１５の歯面１３と接触する。ピッチ円直径ＤＴと 外径Ｄｗとの間のシャフト歯部５の各歯１８の歯面１９は、各歯１５の歯面１３ と接触しない。 図５は、図１に係る部分１０におけるシャフト／ハブユニットの部分横断面を 示す。ハブ歯部７は、図３のハブ歯部と同一である。シャフト歯部５の各歯２２ は、ピッチ円直径ＤＴと外径Ｄｗとの間で図４の各歯１８と同じ横断面を有する 。従って、トルク負荷無しでは歯面１９及び歯面１３は互いに接触しないので、 一定のトルク値を超えて歯面１９，１３が互いに接触する程度にシャフト１が捩 じれるまでトルクを導入する。 図６は、歯部組立体の長さ方向の応力曲線を示す。曲線Ａは、図２及び図３に 係る本発明のシャフト／ハブユニットの応力曲線である。曲線Ｂは、ハブ歯部及 びシャフト歯部両者の外径と基部径が共に歯部組立体の全長にわたり一定である 、従来技術に係る歯部組立体の応力曲線である。 いずれの応力曲線も、シャフトシャンクと反対側の歯部組立体端部における低 い値から始まって最大値まで連続的に上昇した後で僅かに降下するということが 分かる。本発明による歯部組立体構成の結果、トルク導入部分での最大応力値は 、トルクの抵抗モーメントの増加のため、曲線Ｂの最大値より低くなる。 図７は、歯部組立体の長さ方向の２本の応力曲線を示す。曲線Ｃは、図４及び 図５に係るシャフト／ハブユニットの応力曲線である。曲線Ｂは、図６に係る 曲線Ｂと同じ、従来技術による歯部組立体の応力曲線である。曲線Ｃは、シャフ トシャンクと反対側の歯部組立体端部における低い値から始まって連続的に第１ の最大値まで上昇した後で僅かに降下し、その後再び第２の最大値まで上昇する 。２つの最大値は、図４及び図５に係る２つの部分における応力をそれぞれ表す 。トルクの導入が前記２つの部分に分配されるので、２つの最大応力値は、図６ の曲線Ａの最大応力値よりも小さくなる。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 することを特徴とするシャフト／ハブユニット。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．トルクを伝達するための歯部組立体を有するシャフト／ハブユニットであっ て、シャフト歯部（５）を有するシャフト（１）と、ハブ歯部（７）を有するハ ブ（２）と、を備え、前記歯部の歯列が互いに係合し、トルクがシャフト歯部（ ５）を端部に備えたシャフトシャンク（４）により導入され、前記シャフトハブ （５）の歯の外郭が長手方向で可変の経路に従った、シャフト／ハブユニットに おいて、 前記シャフト歯部（５）が、長手方向で一定の経路に従った外径を有し、 前記ハブ歯部（７）が、長手方向で一定の経路に従った基部径を有し、 前記歯部組立体が、シャフト歯部（５）の各基部径が一定の経路に従いハブ歯 部（７）の各外径が一定の経路に従う少なくとも２つのシャフト線方向に延びる 部分（９，１０）を備え、各２つの隣接部分のうち、前記シャフトシャンク（４ ）に対向する部分では、シャフト歯部（５）の基部径とハブ歯部（７）の外径が 大きく、 各２つの隣接した部分のうち、シャフトシャンク（４）に対向する部分は、シ ャフト歯部（５）の歯外郭を備え、当該歯外郭が歯外郭の上部を形成する隣接部 分の頭部に対応する、 ことを特徴とするシャフト／ハブユニット。 ２．各２つの隣接部分の歯外郭のうち、シャフトシャンク（４）と反対側の部分 のシャフト歯部（５）の歯外郭が、隣接部分の歯外郭に対応する歯外郭の上部を 形成する頭部の下側で段差を成して拡がっており、 シャフト端部に位置決めされた部分のシャフト歯部（５）の歯面が、歯外郭の 下部を形成するただ１つの歯基部でのみ、ハブ歯部（７）の歯面と接触する、 ことを特徴とする請求の範囲第１項に記載のシャフト／ハブユニット。 ３．各２つの隣接部分の間に、一方の部分の基部径から他方の部分の基部径まで 長手方向でシャフト歯部（５）の基部径の値が連続関数に従うと共に一方の部分 の外径から他方の部分の外径まで長手方向でハブ歯部（７）の外径の値が連続関 数に従う移行部分（１１）が、設けられている、 ことを特徴とする請求の範囲第１項又は第２項に記載のシャフト／ハブユニッ ト。 ４．シャフトシャンク（４）から一番離れた部分（９）に、ハブ歯部（７）とシ ャフト歯部（５）とが、それぞれ、シャフト線方向の固定要素特に円形横断面を 有する止め輪（３）を収容するための円周方向溝（６，８）を備えている、 ことを特徴とする請求の範囲第１項〜第３項のいずれか一項に記載のシャフト ／ハブユニット。