JP4938240B2 - 組部材と、組部材の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、その問題を解決するためになされたものであり、孔を持つ部材と柱状部を持つ部材を強固に締結可能な技術を提供することを課題とする。
この組部材は、硬度の低い部材を構成する材料が軸方向と周方向に塑性流動して硬度の高い部材の突起間のスペースに流入した塑性流動部を有している。第1部材と第2部材が広い面積で当接しあって強固に締結されている。
突起の峰の高さが連続しているとは、峰の高さが軸直角方向に向かって変化していないことを意味する。
硬度の高い部材の突起間のスペースに流入した塑性流動部の少なくとも一部に、硬度の低い部材の残部よりも硬度が高い部分が形成されていると、第1部材と第2部材がより強固に締結される。塑性変形(流動)によって加工硬化する材料で硬度の低い部材を形成しておくことによって、塑性流動部の少なくとも一部が、硬度の低い部材の残部よりも硬度が高い状態を簡単に実現することができる。
ここで、回転対称とは、周方向に部分的に延びる壁が、円周の3箇所以上に等間隔に形成されており、中心から部分壁に向かうベクトルをベクトル加算するとゼロベクトルとなる状態を意味する。
円周に沿って壁が、回転対称をなす複数個所に形成されていると、第1部材の軸と第2部材の同軸度を確保することができる。
この場合、同一仕様の複数の組部材において、締結力のばらつきを小さく抑えやすい。締結力が安定する。
硬度の高い部材の突起間のスペースに塑性流動部が効率的に形成されており、締結力が高い。
軸方向に延びる突起の峰から周方向両側に延びる2つの傾斜面が、軸心と峰を通過する半径に対して非対称になっていると、第1部材と第2部材の軸廻りの締結強度が、トルクをかける方向によって違ってくる。一方の方向にトルクをかけた場合の締結強度よりも、他方の方向にトルクをかけた場合の締結強度の方が強くなる。トルクをかける方向によって締結強度が違う状態を実現することができる。
締結面の硬度が低い部材に締結面の硬度が高い部材を圧入するという場合、硬度の低い部材を固定しておいて硬度の高い部材を圧入する場合と、硬度の高い部材を固定しておいて硬度の低い部材を圧入する場合の両者を含む。
峰の高さが低い側とは、相手側部材からの距離が大きい側をいい、柱状部に突起が形成されている場合には突起の外径が小さい側をいい、孔の内面に突起が形成されている場合には突起の内径が大きい側をいう。
この組部材の製造方法によれば、突起の峰の高さが低い側の端部から圧入することによって、硬度の低い部材の材料が軸方向に押し退けられるように塑性流動するのが抑制される。このため、塑性流動した部分の多くが突起間のスペースに流入する。第1部材と第2部材を強固に締結することが可能になる。
この製造方法によれば、塑性流動した部分の多くが突起間のスペースに効率的に流入する。筒状の第1部材に柱状部を持つ第2部材をより確実に締結することができる。
端面の一部を拘束して残部が塑性流動可能な状態で圧入すると、締結力を安定化することができる。
(1)柱状部材12の下端側には、軸18方向に延びるとともに周方向に繰り返す突起16群が形成されている。突起16には、峰の高さが一定の高さ一定部位19と、峰の高さが上方に向かって一様に変化する高さ変化部20が設けられている。
突起16の下方には、横断面が円形状であるとともに、半径が上方に向かって一様に増加する下端面41が設けられている。
(2)柱状部材12には、軸方向と周方向に延びる一対の第1当接面25が形成されている。一方の第1当接面25と他方の第1当接面25は、柱状部材12の軸18を挟んで対称な位置に配されている。さらに柱状部材12には、軸方向と周方向に延びるとともに、第1当接面25と位相が90度ずれた一対の第2当接面26が形成されている。
(3)柱状部材12は、筒状部材14よりも高い硬度の素材から製造されている。
(4)筒状部材は、型治具の円形状凹部にセットされる。
(5)柱状部材12と筒状部材14を締結するときには、柱状部材12を筒状部材14に向けて降下させる。筒状部材14の塑性変形された部分は、柱状部材12に突起16の高さ変化部20と、下端面41が設けられているので、下方にはそれほど流動せず、流動しながら突起16と突起16との間の溝17内に入り込んでゆく。筒状部材14と柱状部材12の突起16が塑性変形することによって、双方の変形部分に加工硬化が生じる。筒状部材14の塑性変形部分が柱状部材12の溝17内に十分に入り込むことと、塑性変形にともなう加工硬化によって、柱状部材12と筒状部材14は強固に締結される。
図1、図3に示すように、柱状部材12の下端側には、軸18方向に延びるとともに周方向に繰り返す突起16群が形成されている(セレーションが形成されている)。図3に良く示すように、突起16と突起16の間には、溝17が形成されている。図5に示すように、突起16には、峰の高さが一定の部位19(以下、「高さ一定部19」と言う)と、峰の高さが上方に向かって一様に増加(変化)する部分20(以下、「高さ変化部20」と言う)が設けられている。高さ変化部20の上端部22、すなわち高さ変化部20が高さ一定部19に連続する部位には、アール(丸み)が付けられている。
突起16の下方には、横断面が円形状であるとともに、半径が上方に向かって一様に増加する部分41(以下、「下端面41」と言う)が設けられている。突起16の高さ変化部20は、その終端29で高さがゼロになることによって、下端面41に連続している。下端面41は、先端に形成されている先端面24に連続している。
突起16の高さ変化部20と、下端面41の側面形状は、図5では直線状になっているが、それに限られるものではない。例えば、高さ変化部20と下端面41の側面形状が曲面状であってもよい。突起16の高さ変化部20の上端部22は、高さ一定部19に滑らかに連続していればよく、必ずしもアール状でなくてもよい。
図4に示すように、突起16の一方の側面27は、直径方向と一致している。突起16の他方の側面28は、一方の側面27に対して傾斜している。
柱状部材12の外径D1は、筒状部材14の内径D2(図2参照)よりも大きい寸法に設定されている。柱状部材12の先端面24の直径D3は、筒状部材14の内径D2よりも小さい寸法に設定されている。柱状部材12の溝17の各底面23を含む円の直径(以下「底面径D4」と言う)は、筒状部材14の内径D2よりも大きい寸法に設定されている。
柱状部材12は、鍛造品であり、筒状部材14よりも高い硬度の素材から製造されている。柱状部材12の突起16と突起16の根本部分に、例えば高周波焼き入れ等を施し、突起16とその根本部分の硬度を筒状部材14よりも高くすることもできる。柱状部材12と筒状部材は、例えば、スチール製や、アルミニウム製や、銅製とすることができる。
図6に示すように、柱状部材12は、型治具30にセットされた筒状部材14の上方に、昇降機構(図示省略)が支持した状態で配置されている。柱状部材12と筒状部材14を締結するときには、柱状部材12を降下させる。既に説明したように、先端面24の直径D3は、筒状部材14の内径D2よりも小さい寸法に設定されている。このため、柱状部材12が降下すると、図8に示すように、柱状部材12の下端面41と筒状部材14の内周上縁36が接触する。また、溝17の底面径D4は、筒状部材14の内径D2よりも大きい寸法に設定されている。このため、柱状部材12が降下して下端面41が筒状部材30の内周上縁36に接触したときには、水平方向の位置関係において、筒状部材14の内周面35は、溝17の底面23よりも内側(軸側)に配置される。
図10は、柱状部材12が最下方位置に達して停止した状態を図示している。柱状部材12の突起16が筒状部材14を塑性変形させ、筒状部材14が型治具30にセットされていて外方側に変形できないことから、筒状部材14の上面33は変形前よりも高く配置される。また、筒状部材14の内周面35も、変形前よりも内方側に配置される。図11に示すように、筒状部材14の塑性変形部分は、柱状部材12の溝17内に、十分に入り込む。また、筒状部材14の突起16が食い込んだ部分近傍と、柱状部材12の突起16が塑性変形することによって、双方の変形部分に加工硬化が生じる。このため、塑性変形部分の硬度が高くなる。従って、筒状部材14の塑性変形部分が柱状部材12の溝17内に十分に入り込むことと、塑性変形にともなう加工硬化によって、柱状部材12と筒状部材14は強固に締結される。
これに対して、柱状部材12に高さ変化部20と下端面41が設けられていないと、設けられている場合よりも筒状部材14の内周部分が真下に多く押し退けられてしまう。このため、筒状部材14の塑性変形部分の溝17内に入り込む量が少なくなる。もちろん、下端面41が設けられていなくても、筒状部材14の塑性変形部分が溝17内に入り込むので、柱状部材12と筒状部材14は確実に締結される。
既に説明したように、柱状部材12が降下してその下端面41が筒状部材14の内周上縁36に接触したときに、筒状部材14の内周面35は、溝17の底面23よりも内側に配置される。このような関係が筒状部材12の内径D2がばらついても保証されるように、柱状部材12の先端面24の直径D3と、底面23の底面径D4が設定されている。従って、筒状部材12の内径D2がばらついても、柱状部材12が筒状部材14の内周上縁36に接触したときに、水平方向の位置関係において、筒状部材14の内周面35と溝17の底面23との間に隙間が生じない。筒状部材14の内周面35と溝17の底面23との間に隙間が生じないと、柱状部材12がさらに降下して筒状部材14が変形したときに、溝17内に塑性変形部分が十分に入り込む。
上述したように、突起16の高さ変化部20の上端部22にはアールが付けられている。このため、柱状部材12が降下して突起16の高さ変化部20が筒状部材14に接触している状態から、それに加えて突起16の高さ一定部19も筒状部材14に接触する状態に移行したときに、柱状部材12を降下させる力が急に低下するのが抑制される。従って、柱状部材12の降下速度を制御するのが容易になる。柱状部材12を降下させる力の変化を検出し、その変化から柱状部材12の降下位置を推定することもできる。このようにすると、柱状部材12の移動距離のみに基づいて圧入制御するよりも、正確な締結が可能になる。
一対の第1当接面25と、一対の第2当接面26との位相のずれは90度に限られない。それらの位相のずれが90度以外の角度であっても、それら当接面25、26は、柱状部材12の軸と筒状部材14の軸を精度良く一致させることができる。第1当接面25や、第2当接面26のような面は、5箇所以上設けることもできる。当接面を複数配置し、その配置を圧入時に当接面に作用する力のベクトル加算がゼロになるようにすることにより、柱状部材12の軸と筒状部材14の軸を精度良く一致させることができる。
図14に示すように、型治具30を用いずに柱状部材12と筒状部材14を締結することもできる。この場合には、支持台40上で筒状部材14を位置決めしておく。型治具30を用いなくても、筒状部材14の肉厚(外周面31と内周面35との距離)が大きい場合や、筒状部材14の硬度が柱状部材12の硬度よりも大幅に小さい場合には、柱状部材12の溝17に筒状部材14の塑性変形部分を十分に入り込ませることができる。
柱状部材12は、円柱状であることに限られず、角柱状であってもよい。筒状部材14は、円筒状でなくてもよい。例えば、筒状部材14の内周面が多角形状であってもよい。
図15の上半分には、柱状部材12の溝17に筒状部材14の塑性変形部分が入り込んだ状態の断面図が示されている。柱状部材12は点線で示されており、筒状部材14は実線で示されている。筒状部材14は、深さにして約「2/3」溝17に入り込んでいる。締結条件は、「δ/h=0.5」であり、高さ変化部20と下端面41を側面視したときの傾斜角度(軸18方向に対する角度)は、30度である。ここで、「δ」は、柱状部材12の外径D1から、筒状部材14の内径D2を差し引いた値の「1/2」である。すなわち、締結前の状態において、柱状部材12と筒状部材14を軸方向に重ね合わせた場合に、突起16と筒状部材14が重複している部分の直径方向の距離である。「h」は、突起16の峰の高さ(溝17の深さ)である。従って、「δ/h」が大きいほど、柱状部材12と筒状部材14の圧入代が大きいことになる。筒状部材12の硬度測定は、(a)〜(f)の6列について、各列の各ポイント(菱形で示されている)毎に行った。
図15の下半分は、硬度測定結果をグラフにまとめている。グラフの横軸は、所定位置を基準に、(a)〜(f)の各列に沿った距離に対応している。縦軸は、測定した硬度(ビッカース硬さHv)に対応している。グラフ中の(m)は、筒状部材14の素材硬度(圧入前の硬度)を示している。グラフから明らかなように、締結後には(a)列〜(f)列の全てについて硬度が高くなっている。全体的な傾向として、溝17に深く入り込んだ部分の方が、より硬度が高くなる傾向を示している。
図17は、締結条件「δ/h=0.75」、傾斜角度30度で締結した場合の硬度測定結果を示している。図17の上半分に示したように、筒状部材14は、深く溝17に入り込んでいる。(a)列〜(f)列の全てについて硬度が高くなっている。筒状部材14が深く溝17に入り込み、硬度が高くなっていることによって、柱状部材12と筒状部材14の軸廻りの締結強度は、本締結条件で締結した場合が最も大きくなる。
図18は、締結条件が「δ/h=0.5」、傾斜角度が30度の場合(図15の場合と同条件)における、締結後の突起16の硬度をまとめたグラフである。グラフの横軸は、突起16の頂面から柱状部材12の軸18方向に向かう距離に対応している。グラフの縦軸は、測定した硬度(ビッカース硬さHv)に対応している。グラフ中の実線は測定した硬度を示しており、点線は柱状部材14の素材硬度を示している。突起16の硬度は、距離が約2(mm)まではほぼ一定を維持し、さらに距離が大きくなると素材硬度まで急減している。
図19は、子部品43〜48を持つクランクシャフト42を示している。子部品43には、凹部50が形成されている。子部品44〜47には、それぞれ凹部50と複数の突起を持つセレーション51が形成されている。子部品48には、セレーション51が形成されている。図20は、セレーション51が凹部50に圧入されて子部品43〜48が締結され、クランクシャフト42が完成した状態を示している。
従来、クランクシャフトは一体で製作されている。その場合に、図20に示す隙間52は、熱間鍛造加工されている。隙間52を鍛造する型の幅は、薄くしようとしても限界がある。このため、クランクシャフトの軸方向長さを小さくすることができなかった。本発明の締結技術によれば、子部品43〜48を締結してクランクシャフト42を完成させるので、隙間52を熱間鍛造加工する必要がない。従って、クランクシャフト42の軸方向長さを、従来よりも小さくすることができる。
また、V型エンジンのクランクシャフトでは、一体で製作した場合にツイスト工程が必要である。本発明の締結技術によれば、締結時に凹部とセレーションの軸廻りの位置関係を調整することができるので、ツイスト工程を省略することができる。
小部品44〜48をさらに複数の孫部品で構成し、それらの締結に本発明の技術を適用することもできる。
図23は、等速ジョイントのアウターレース56とチューリップ57を示している。アウターレース56には、内周面にセレーション58が形成されている。アウターレース56のセレーションの内径は、その端部72が開口に向かって徐々に拡経している。チューリップ57の一端部74は、徐々に縮径している。図24に示すように、アウターレース56とチューリップ57は、本発明の締結技術によって締結されている。
図25は、シャフト60とリングギヤ61が本発明の締結技術によって締結された状態を示している。シャフト60の外周部には、セレーション62が形成されている。これに対して、本発明の締結技術を採用しないと、図26に示すようにボルト65でシャフト63とリングギヤ61を締結しなければならず、部品点数が増加してしまう。
(1)リヤアクスルシャフトの軸とフランジの締結(従来は、一体成形)。製造設備の小型化が可能になる。
(2)エンジンマニホールドとフランジの締結(従来は、溶接結合)。結合信頼性が向上する。
(3)ステアリング構成部品同士の締結(従来は、スプラインによる軽圧入締結)。締結強度が向上する。
(4)プロペラシャフトのジョイントヨークとシャフトの締結、あるいはトランスミッション構成部品同士の締結(従来は、電子ビーム溶接によって結合)。コストダウンが可能になるとともに、締結強度が向上する。
(5)軸部品と、底とフランジが付いた形状の部品の締結(例えば、車両のリアシャフト)。
筒状部材の内側に突起を形成し、その突起の峰の高さが低い側から圧入することによって柱状部材を塑性変形させ、筒状部材と柱状部材を締結することもできる。
本発明の締結技術によれば、突起の峰の高さが低い側から圧入するので、塑性変形が効率的に行われる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
14:筒状部材
16:突起
17:溝
18:軸
19:突起の高さ一定部
20:高さ変化部
21:傾斜面の下端
22:傾斜面の上端部
23:底面
24:先端面
25:第1当接面
26:第2当接面
27:突起の一方の側面
28:突起の他方の側面
29:突起の終端
30:型治具
31:筒状部材の外周面
32:型治具の内周面
33:筒状部材の上面
34:型治具の上面
35:筒状部材の内周面
36:筒状部材の内周上縁
37:型治具の底部
38:底部溝
39:円形状凹部
40:支持台
41:下端面
42:クランクシャフト
43〜48:子部品
50:凹部
51:セレーション
52:隙間
53:シャフト部
54:フランジ部
55:セレーション
56:アウターレース
57:チューリップ
58:セレーション
60:シャフト
61:リングギヤ
62:セレーション
65:ボルト
Claims (8)
- 孔を持つ第1部材に柱状部を持つ第2部材が締結されている組部材であり、
第1部材と第2部材のいずれか一方の部材の締結面の硬度が他方の部材の締結面の硬度よりも高く、
硬度が高い側の部材の締結面に、軸方向に延びる突起が周方向に繰返して形成されており、
軸心を基準とする突起の峰の高さが、締結面の軸方向の一方側の端部において低く、締結面の軸方向の他方側の端部において高く、前記一方側の端部から前記他方側の端部まで連続しており、
各々の突起には、前記一方側の端部から前記他方側の端部に向けて、前記軸心を基準とする峰の高さが軸方向に一様に増加する部分と、前記軸心を基準とする峰の高さが軸方向に一定に維持されている部分が、連続して設けられており、
硬度の低い部材の側に、硬度の高い部材の突起によって押し退けられた材料が、軸方向と周方向に塑性流動しながら硬度の高い部材の突起間のスペースに流入し、当該スペースの底部に向けて変位した塑性流動部を形成しているとともに、その塑性流動部の少なくとも一部に加工硬化が生じていることを特徴とする組部材。 - 突起の峰の高さが軸方向に一定に維持されている部分では、柱状部の外径から孔の内径を差し引いた値の1/2をδ、突起間の溝の深さをhとしたときに、δ/hが0.5以上であることを特徴とする請求項1の組部材。
- 硬度の高い部材の側に、突起の峰と谷の中間高さを通過する円周に沿って部分的に延びる壁が、回転対称をなす複数個所に形成されていることを特徴とする請求項1又は2の組部材。
- 硬度の高い部材は、軸方向に延びる突起が存在しないで半径が軸方向に一様に増加する部分と、軸方向に延びる突起の峰の高さが軸方向に一様に増加している部分がなめらかに連続していることを特徴とする請求項1から3のいずれかの組部材。
- 軸方向に延びる突起の峰から周方向両側に延びる2つの傾斜面が、軸心と峰を通過する半径に対して非対称であることを特徴とする請求項1から4のいずれかの組部材。
- 孔を持つ第1部材に柱状部を持つ第2部材が締結されている組部材の製造方法であり、
いずれか一方の部材の締結面の硬度が他方の部材の締結面の硬度よりも高いという関係を満たして第1部材と第2部材を製造する際に、
(1)軸方向に延びており、周方向に繰返されており、
(2)軸心を基準とする突起の峰の高さが、締結面の軸方向の一方側の端部において低く、締結面の軸方向の他方側の端部において高く、前記一方側の端部から前記他方側の端部まで連続しており、
(3)各々の突起には、前記一方側の端部から前記他方側の端部に向けて、前記軸心を基準とする峰の高さが軸方向に一様に増加する部分と、前記軸心を基準とする峰の高さが軸方向に一定に維持されている部分が、連続して設けられているという条件を満たす、
突起群を硬度が高い側の部材の締結面に形成する工程と、
硬度の低い部材に、軸方向に延びている突起の峰の高さが低い側の端部から、硬度の高い部材を圧入する工程を備え、
硬度の低い部材の側に、硬度の高い部材の突起によって押し退けられた材料が、軸方向と周方向に塑性流動しながら硬度の高い部材の突起間のスペースに流入し、当該スペースの底部に向けて変位した塑性流動部を形成するとともに、その塑性流動部の少なくとも一部に加工硬化が生じることを特徴とする組部材の製造方法。 - 柱状部を持つ第2部材の締結面の硬度が孔を持つ筒状の第1部材の締結面の硬度よりも高く、
第1部材の外周を金型で拘束した状態で第2部材を圧入することを特徴とする請求項6の製造方法。 - 柱状部を持つ第2部材の締結面の硬度が孔を持つ筒状の第1部材の締結面の硬度よりも高く、
第1部材の端面の一部と外周を金型で拘束し、前記端面の残部が塑性流動可能な状態で第2部材を圧入することを特徴とする請求項6の製造方法。
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