JPH11512072A - リラキシン様因子およびその方法と使用 - Google Patents

リラキシン様因子およびその方法と使用

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JPH11512072A JP9500648A JP50064897A JPH11512072A JP H11512072 A JPH11512072 A JP H11512072A JP 9500648 A JP9500648 A JP 9500648A JP 50064897 A JP50064897 A JP 50064897A JP H11512072 A JPH11512072 A JP H11512072A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、リラキシン様因子、その誘導体または類似体、並びにそれらの使用に関する。本発明はさらに、相加または相乗効果を示す、リラキシン様因子、その誘導体または類似体とリラキシンとを含有する組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 リラキシン様因子およびその方法と使用 ここに記載する発明の一部は、認可第 NIHGMS-48829 号および第NSF MCB-9406 656 号による援助、さらにサウスカロライナ医科大学による援助を受けて行われ たものである。 1. 本発明は、リラキシン様因子、その誘導体または類似体、並びにその使用に関 する。本発明はさらに、リラキシン様因子、その誘導体または類似体とリラキシ ンとを含有する組成物および製剤(このような組成物は相加または相乗効果を示 す)に関する。 2.発明の背景 インスリン、インスリン様増殖因子(IおよびII)、ボンビキシン(bombyxin) 、モルスカン(molluscan)インスリン関連ペプチドおよびリラキシンを含むホル モンのファミリーが同定され、「インスリン関連」と呼ばれている。Blundellお よびHumbel,1980,Nature 287:781-787; BullesbachおよびSchwabe,1991,J. Biol.Chem.266:10754-10761。このホルモンファミリーを構成するタンパク質 は、類似した一次および二次構造を有するが生物学的機能を異にするポリペプチ ド群に相当する。 リラキシンはブタ、マウス、ウマ、サメ、トラ、ラット、ツノザメおよびヒト を含めて、さまざまな種から精製されている。ヒトでは、リラキシンは妊娠時の 黄体(corpora lutea: CL)に最も豊富に存在する。成熟ヒト・リラキシンは約600 0ダルトンのホルモン性ペプチドで、出産前の生殖路を再改造することにより分 娩のプロセスを容易にする。より詳細には、リラキシンは妊娠および分娩の際の 器官構造の必要とされる変化を与えるために、標的器官の結合組織の再構造化を 仲介するようである。Hisaw,1926,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.23:661-663; Schwabe ら,1977,Biochem.Biophys.Res.Comm.75:503-570; Jamesら, 1977,Nature,267:544-546を参照のこと。リラキシンについては、The Physiol ogy of Reproduction ,第16章,「リラキシン」,Knobil,E.およびNeill,J. ら(編),(Raven Press Ltd.,New York),585-673頁(1988)に簡潔な記載があ る。 主に妊娠のホルモンであるが、リラキシンは妊娠してない雌のみならず雄でも 検出されている。Bryant-Greenwood,1982,Endocrine Reviews 3:62-90; Weiss ,1984,Ann.Rev.Physiol.46:43-52。 ヒト・リラキシンをコードする2つのヒト遺伝子型(H1)と(H2)が同定 されている。Hudsonら,1983,Nature 301,628-631; Hudson ら,1984,EMBO J .,3:2333-2339; および米国特許第4,758,516 号および第4,871,670 号を参照の こと。1つの遺伝子型(H2)だけがCLで転写されることが見いだされた。( H1)型が別の組織部位で発現されるのか、また、それが偽遺伝子を表すのかは 依然不明である。合成ヒト・リラキシン(H2)といくつかのヒト・リラキシン 類似体の生物活性を試験したところ、生物活性にとって必要なリラキシン・コア と、生物活性に影響を及ぼさないメチオニンのいくつかのアミノ酸による置換が 明らかになった。Johnstonら,in Peptides: Structure and Function,Proc.N inth American Peptide Symposium,Deber,C.M.ら(編)(Pierce Chem.Co.1 985)。 リラキシンの製造法は米国特許第4,835,251 号および係属中の米国特許出願第 07/908,766号(PCT US90/02085)および第08/080,354号(PCT US94/0699)に記載 されている。心臓血管療法および神経変性疾患の治療にリラキシンを用いる方法 は米国特許第5,166,191 号および米国特許出願第07/902,637号(PCT US92/06927 )に記載されている。ヒト・リラキシンのいくつかの製剤が米国特許出願第08/0 50,745号(許可された)に記載されている。 インスリン関連ファミリーの残りのメンバーの構造および生物学的機能・活性 については熱心に研究されてきている。例えば、RobinsonおよびFritz,1981,B iol.Reprod.24:1032-1041; Soderら,1992,Endocrinology 131:2344-2350;Lu thmanら,1989,Eur.J.Biochem 180(2):259-65; Jhotiら,1987,FEBS Lett. 219:419-425; Smitら,1988,Nature 331:535-538を参照のこと。リラキ シンとホルモンのインスリン関連ファミリーの残りのメンバーとの間で共有する 構造的特徴は、とりわけ、分子量、B鎖と連結CペプチドとA鎖からなる「二本 鎖」、およびジスルフィド結合の数と配置である。 これらの類似性にもかかわらず、インスリン関連ファミリーを構成するタンパ ク質はまったく異なる生物学的機能・活性をもつことが判明した。この相違は主 として数個のタイプ特異的アミノ酸残基の相違の結果であると報告されている。 例えば、ヒトII型リラキシンのA14位のグリシンと、インスリンの同様の位置( A10)のイソロイシンとの相違はこの2種類のタンパク質の生物活性を区別する 上で非常に重要であると考えられる。Schwabe およびBullesbach,1994,FASEB J.8:1-2。 インスリン、インスリン様増殖因子(IGF)およびリラキシンの構造的特徴 を有するタンパク質が最近精巣のライディヒ細胞から単離された。Burkhardt ら ,1993,Genomics 20:13-19。このタンパク質はライディヒ細胞特異的インスリ ン様ペプチド(Ley I-L)と称され、(リラキシンまたはIGFをコードする遺伝 子のゲノム位置と比較したとき)インスリンをコードする遺伝子と相対するLey I-L をコードする遺伝子のゲノム位置のため「インスリン様」であると特性づけ られた。Burkhardt ら,1993,Genomics 20:13-19。 Ley I-L タンパク質はまた、このタンパク質のCペプチド鎖の長さに基づいて 、IGF様やリラキシン様ではなく、インスリン様として特性づけられた。より 詳細には、プロインスリンのCペプチド鎖の長さが35アミノ酸であるのに対し て、Ley I-L タンパク質のCペプチドの長さは49アミノ酸である。既知のプロ IGFのCペプチド鎖の長さは12アミノ酸であり、そしてプロリラキシンのC ペプチドの長さは100アミノ酸以上である。最後に、Ley I-L タンパク質は、 出生前および出生後の精巣ライディヒ細胞でもっぱら発現されるという観察に基 づいてインスリン様と称された。Burkhardt ら,前掲。 インスリンに対するこのタンパク質の類似性とこのタンパク質の起源から、Le y I-L タンパク質は精巣機能に関与していると報告された。Adham ら,1993,J .Bio.Chem.268(35):26668-6672。 本発明の発明者らとの協議中に、Tashima ら(1995,J.Clin.Endocrinal. Metab.80:707-710)は、Ley I-L 遺伝子がライディヒ細胞でのみ発現されると する以前の報告が正しいかを検討した。具体的には、Tashima らは、Ley I-L 遺 伝子が雌の生殖組織、ヒト黄体、栄養芽細胞、胎膜および乳房組織に存在しかつ 発現されるか否かを検討した。H2リラキシンの場合と同様に、Tashima らはLe y I-L タンパク質がヒト黄体および栄養芽細胞に存在しうることを決定した。し かしながら、H2リラキシンと違って、Ley I-L は胎膜、脱落膜および乳房組織 で発現されないことが見いだされた。 Burkhardt/Adham グループもTashima グループも Ley I-Lタンパク質の生物学 的機能を報告していない。かくして、この推定上の Ley I-Lタンパク質の構造は 同定されていたが、このタンパク質に関しての正確な活性または使用は本発明( RLFの発見をその同定および有用性の証明により完成させた)まで何も知られ ていなかった。 3.発明の概要 本発明は、ヒト Ley I-Lの推定アミノ酸および核酸配列から誘導された合成ま たは組換え構成物に関する。本発明の一態様において、この構成物はリラキシン 様因子(relaxin-like factor: RLF)の全長アミノ酸配列を含んでなる。本発明の もう一つの態様において、この構成物はA鎖またはB鎖のいずれか一方または両 方の3'末端および5'末端のいずれか一方または両方で短縮されたRLFタンパク 質の誘導体を含んでなる。一態様では、A鎖が15アミノ酸ほどの長さで、B鎖 が13アミノ酸ほどの長さであってよい。さらに別の態様では、この構成物は放 射性標識されるか、リラキシン様活性を有するRLFの類似体でありうる。 本発明はさらに、さもなくばリラキシンで治療される疾病および障害を治療す るための、単独でのまたはリラキシンや他のリラキシン様薬剤と組み合わせた、 前記化合物の使用、並びにその製剤に関する。本発明の一態様において、こうし た疾病または障害はコラーゲンおよび/またはフィブロネクチンの異常な発現に 関係している。より特定的には、これらの疾病または障害には強皮症および慢性 関節リウマチが含まれる。本発明の別の態様において、これらの疾病および/ま たは障害は、より一般的に、リラキシン受容体またはRLF受容体との結合の結 果としての1以上の生物学的機能の活性化に関係している。この種の疾病および /または障害には心臓血管系の疾患、洞徐脈、神経変性または神経疾患、うつ病 および脱毛が含まれる。 本発明はまた、トレーサーとしての標識したまたは未標識のRLFの使用に関 する。その後このトレーサーを用いてHPLCでさまざまなRLF誘導体を分離 し、結合アッセイにおける又はRLF受容体マッピングのための担体フリーのト レーサーを得ることができる。 4.図面の説明 図1. 図1は、ヒト・リラキシンおよびインスリンの配列と比較したときの リラキシン様因子の一次構造を示し、リラキシンに対するB鎖アルギニンの相対 位置を強調してある。 図2. 図2は、特定部位での逐次ジスルフィド結合形成の模式図を示す。詳 細には、この模式図は、1)トリフルオロ酢酸(TFA)脱保護、2)DMSO/50m M NH4HCO3(1:2 v/v)を用いるチオールの酸化、3)Cys(4- メチルベンジル) のHF脱保護、4)8 M 塩化グアニジニウム中pH 4.5でのA鎖とB鎖の結合、5 )70% 酢酸中のヨウ素との反応による第3ジスルフィド結合の形成、6)10% ピ ペリジンによるトリプトファン側鎖の遊離、7)33倍過剰量の90%TFA 中のNH4Iに よるメチオニンスルホキシドの還元、に関する情報を提供する。 図3. 図3は、精製されたRLFのHPLC記録を示す。クロマトグラフィ ーは、Synchropak RP-P(4.1×250mm)にて、30分で20% から50% の直線勾配(A:0 .1% TFA水溶液、B:80% アセトニトリル中の0.1% TFA)を用いて1ml/分の流速 で行った。 図4. 図4は、ヒト・リラキシンとヒトRLFとブタ・リラキシンのCDス ペクトルの比較を示す。 図5. 図5は、RLFトレーサー調製物のHPLC分離の溶出記録を示す。 最大ピークは未修飾RLFであり、陰影をつけた領域はトレーサーとして用いら れる主要な放射性ピークである。クロマトグラフィーは、Aquapore 300(2.1mm ×30mm)にて、60分かけての23% B から34% B までの直線勾配(A: 0.1% TFA 水 溶液、B: 80%アセトニトリル中の0.1% TFA)を用いて0.1ml /分の流速で行った 。 図6. 図6は、受容体結合アッセイを用いてin vitroで測定した雌エストロ ゲン感作マウスにおけるRLF受容体の組織分布を示す。 図7. 図7は、動物あたり5μg のRLFの存在下および不在下での漸増量 のリラキシンの生物活性を示す。恥骨結合幅の増加が容易に認められた。 図8. 図8は、均一量のヒト・リラキシンの存在下での漸増量のRLFの生 物活性もリラキシンの増強を示すことを示す。 図9. 図9は、リラキシン、RLFおよび最適量の両者の比較バイオアッセ イを示す。RLF単独では恥骨結合幅の増加を引き起こさないが、高用量の混合 物は高用量のリラキシン単独をさらに向上させる。 5.発明の詳細な説明 5.1. 定義 本明細書中で用いるとき、次の用語および表現は、それらを用いる状況が他に 示されているときを除いて、一般的に下記の意味を有するものとする。 「任意の」または「任意に」は、その後記載される事象または状況が起こって も起こらなくてもよいことを意味し、この記載はこうした事象または状況が起こ る場合と起こらない場合を含む。 「有効量」という用語は、治療すべき疾病状態を治療するのに十分な投与量を 意味する。これは患者、疾病および行われる治療に応じて変化するだろう。 「リラキシン」という用語は、全長リラキシンまたは生物活性を保有するリラ キシン分子の一部〔米国特許第5,023,321 号に記載されるもの、好ましくは組換 えヒト・リラキシン(H2)〕およびリラキシン様活性を有する他の活性物質、 例えば結合したリラキシンを受容体から競合的に置換する物質を含めたヒト・リ ラキシンを意味する。リラキシンは当業者に公知の方法で、好ましくは米国特許 第4,835,251 号および係属中の米国特許出願第07/908,766号(PCT US90/02085) および同第08/080,354号(PCT US94/0699)に記載される方法で製造することが できる。 5.2. リラキシン様因子: 構造および活性 RLFは一次および二次構造においてリラキシン、インスリンおよびホルモン のインスリン関連ファミリーの他のメンバーと相同性がある。以前に報告された ように、RLFは構造的にはリラキシンよりインスリンの方に近い。RLFの推 定上の一次構造を図1に示す。 しかし、初期の報告とは対照的に、RLFの生物学的機能および活性はリラキ シンに類似していて、インスリンとは明確に区別される。例えば、RLFとリラ キシンとの受容体相互作用領域のアミノ酸配列にずれがあるにもかかわらず、R LFはリラキシンが結合するマウス脳受容体と相互作用する。 本発明は、以前に単離されたものの特性づけされていないRLFタンパク質が マウスの子宮および脳の粗製膜調製物と特異的に結合し、リラキシン受容体との 交差反応性を示すが、インスリン受容体とは示さないという本発明者らの予期せ ざる発見に基づいている。 RLFの推定アミノ酸配列からは、RLF中の重要なArg XXX Arg配列が二重 らせんのまさに1つのターンによってB鎖のC末端の方にずれているので、相反 する結果が予測されたであろう。すなわち、RLFはリラキシンのように分子表 面からほぼ直角にアルギニンを突き出しているが、全体的な受容体結合部位のず れにより、その受容体にまったく異なる結合環境が提示されることが予測される だろう。 注目すべきことには、RLFはリラキシン受容体と結合するが、より高濃度の ときを除いて、RLFはリラキシン受容体との結合に関してリラキシンと競合し ないようである。それどころか、RLFはリラキシン応答を刺激するように思わ れる。すなわち、RLFはヒトにおいてリラキシン効果を支援する重要な役割を 果たし得る。加えて、予備実験から、RLFは雄の生殖腺においてリラキシンと は無関係の役割を担っていることが示唆される。 さらに、リラキシン様活性は歴史的には出産の準備における恥骨および子宮頸 靭帯の軟化に関して考えられてきたが、それは生殖系の外の細胞にも直接影響を 及ぼすことがわかった。例えば、リラキシンと同様に、RLFもコラーゲンおよ び/またはフィブロネクチンの過剰発現を抑制しかつそれに関連した疾病(例: 強皮症)を軽減するのに役立つ可能性がある。 その上、RLFはここに記載するようなリラキシン増強特性を有するが、RL Fは独立した、もしかすると別の生物学的活性をもつかもしれない。 5.3. RLF誘導体および類似体 RLFが(インスリン様ではなく)リラキシン様の活性をもつタンパク質であ るとの本発明による同定に続いて、RLFがインスリンだけでなくリラキシンと も一次および二次相同性を共有するという程度に、リラキシンの生物活性誘導体 および類似体の同定により、生物活性RLF誘導体および類似体の正体が証明さ れる。例えば、活性リラキシン類似体はこのタンパク質の5'末端または3'末端ま たは両末端の短縮化を含むと確認された。例えば、米国特許第5,023,321 号を参 照のこと。それゆえ、本発明は、RLFタンパク質の5'末端および/または3'末 端が短縮された生物活性RLF誘導体に向けられる。上記の特許を参照のこと。 重要なこととして、ヒト・リラキシンでは、B13位とB17位のアルギニンおよび おそらくはB鎖の中間領域にある第1のヘリックスターンのアミノ酸(Arg-Glu-L eu-Val-Arg)がリラキシン活性にとって必要であるかまたは重要であることが観 察された。その他のRLF類似体および誘導体は、公知の技術およびリラキシン に関するこの構造情報を用いて得ることができる。 RLF誘導体または類似体がリラキシン様活性および/または有用性をもつか 否かは、リラキシン活性を検出するための当技術分野で知られたアッセイを用い て調べられる。例えば、Steinetzら,1960,Endocrinology 67:102-115およびSa rosiら,1983,American Journal of Obstetrics and Gynecology 145:402-405 に記載されるような、妊娠および非妊娠時の活性リラキシンの測定に用いられる バイオアッセイを用いることができる。 同様に、リラキシン様活性をもつタンパク質の存在を検出するための特異的な イムノアッセイも使用しうる。例えば、Sherwoodら,1975,Endocrinology 107: 691-696; O'BryneおよびSteinetz,1976,Proceedings of the Society for Exp erimental Biology and Medicine 152:272-276を参照のこと。1個以上のア クセス可能なチロシン(直接ヨウ素化を可能にする)を含むヒト・リラキシンの 合成類似体の存在および活性もラジオイムノアッセイ(RIA)を用いて試験す ることができる。Eddie ら,1986,Lancet 1:1344-1346。 しかしながら、上記のアッセイはいずれもその適用が制限される。かくして、 以下で説明するように、また、「リラキシン診断アッセイおよびキット」と題す る本出願と同日付けの係属中の特許出願に詳述されるように、このタンパク質の 活性および好適な用途を調べるためのRLFをアッセイする別のアッセイを使用 することもできる。 5.4. RLFの生産 リラキシンやインスリンを生産するのに有用であると以前に記載された技法を 用いてRLFを生産することができる。例えば、Burkhardt ら,1994,Genomics 20:13-19および Adhamら,1994,J.Biol.Chem.268:26668-26672に記載された RLFのcDNAを用いて、リラキシンを組換え的に生産するのに有用であると された方法に従ってRLFを組換え的に生産することができる(例えば、米国特 許第4,758,516 号、第4,871,670 号、第4,835,251 号および係属中の米国特許出 願第07/908,766号(PCT US90/02085)および第08/080,354号(PCT US94/0699)) 。同様に、このような配列情報を用いて、リラキシンを合成するためのBullesba chおよびSchwabe,1991,J.Biol.Chem.266:10754-10761に記載の方法に従っ てRLFを合成してもよい。 RLFの誘導体および類似体もBullesbachおよびSchwabe(前掲)の方法を用い て合成することができる。あるいはまた、このような誘導体および類似体を、例 えばTsurushitaら,1988,Gene 62:135-139 に記載されるような部位特異的突然 変異誘発法を用いて、組換え的に生産してもよい。 RLFを含有する組成物中で用いるリラキシンは、容易に利用できる多数の技 法のうちのいずれかを用いて得ることができる。 例えば、天然に存在するリラキシンは、ブタ、マウス、ウマ、サメ、トラ、ラ ット、ツノザメおよびヒトを含めて、さまざまな種から精製することができる。 ヒトでは、リラキシンは妊娠時の黄体(CL)中に最も豊富に見いだせる。 また、リラキシンはRLFに関して上述した技法により合成しても、開示され たリラキシンの核酸配列および推定アミノ酸配列に基づいて組換え的に生産して もよい。ヒトでは、ヒト・リラキシンをコードする2つのヒト遺伝子型(H1) と(H2)が同定されており、リラキシン好ましくはリラキシン(H2)を組換 え的に生産するためのそれらの使用が記載されている。Hudsonら,1983,Nature 301,628-631; Hudson ら,1984,EMBO J.,3:2333-2339; および米国特許第4,7 58,516 号および第4,871,670 号。リラキシンの製造法も米国特許第4,835,251 号および係属中の米国特許出願第07/908,766号(PCT US90/02085)および第08/0 80,354号(PCT US94/0699)に記載されている。 注目すべきことに、合成ヒト・リラキシン(H2)およびいくつかのヒト・リ ラキシン類似体の生物活性を試験したとき、生物活性にとって必要なリラキシン コア並びに生物活性に影響しないメチオニンのいくつかのアミノ酸による置換が 明らかになった。Johnstonら,in Peptides: Structure and Function,Proc.N inth American Peptide Symposium,Deber,C.M.ら(編)(Pierce Chem.Co.19 85)。 5.5. 適応症/使用法 in vitroにおいて、リラキシン様活性を有するタンパク質は、トランスフォー ミング成長因子−β(TGF−β)またはインターロイキン−1を用いてコラー ゲンを過剰発現するようにアップレギュレートされたヒト皮膚および滑膜繊維芽 細胞によるコラーゲン合成を低下させ、また、強皮症患者から得られた、構成的 にコラーゲンを過剰発現する繊維芽細胞によるコラーゲン合成を低下させる。例 えば、リラキシンは線維症の2つのげっ歯類モデルにおいてin vivo でコラーゲ ン蓄積を減少させる。また、リラキシンやリラキシン様タンパク質は膠原溶解性 メタロプロテイナーゼであるコラゲナーゼの分泌を増加させ、そしてまた、メタ ロプロテイナーゼ阻害剤であるメタロプロテイナーゼの組織阻害剤の発現をダウ ンレギュレートする。 リラキシンは、その結果として、各種疾病および障害の治療や診断に関与して きた。例えば、リラキシンは強皮症、洞徐脈、心臓血管系の疾患、神経変性また は神経疾患、うつ病および脱毛の治療に効果的であるという証拠が研究により得 られた。例えば、米国特許第5,166,191 号、米国特許出願第07/902,637号(PCT US92/069)、本出願と同日付けで出願された「脱毛の治療法」および「うつ病の 治療法」と題する米国特許出願を参照のこと。また、強皮症や慢性関節リウマチ のようなコラーゲンまたはフィブロネクチンの異常発現と関連した疾病および障 害におけるリラキシンの使用が証拠により示唆される。 ここに提示されるように、RLFはリラキシン様の生物学的活性を有し、それ ゆえ、リラキシンと同様に上記疾病に関与している。さらに、RLFがリラキシ ンの活性を高めることが示される程度に、RLFは、リラキシンや他の物質と組 み合わせて投与されるとき、上記疾病の治療にも適応される。 さらに、「リラキシン診断アッセイおよびキット」と題する本出願と同日付け の米国特許出願に詳述されるように、リラキシンの存在の検出に依存する前立腺 癌、乳癌、精巣癌、卵巣癌および通常の幹細胞遺伝物を有する他の癌の素因また は存在を判定するための診断アッセイを、RLFの検出を当てにするように調整 することもできる。癌切除後の腫瘍の転移を追跡するために、こうしたアッセイ を用いてもよい。 5.6. 薬学的投与量要件、製剤および投与経路 RLFの投与量要件、製剤および投与経路を以下に述べる。 5.6.1. 有効投与量 本発明において使用するのに適した医薬組成物には、活性成分をその意図した 目的を達成するのに有効な量で含有する組成物が含まれる。より具体的には、治 療上有効な量は、治療しようとする患者の既存の症状の進行を防止するか、また は既存の症状を軽減するのに有効な量を意味する。有効量の決定は、ここに提示 される詳細な開示を考慮して、当業者の技量の範囲内である。 本発明の方法で用いるどのような化合物についても、その治療上有効な量は、 最初に細胞培養アッセイから推量される。例えば、細胞培養で決定されたIC5 0を含む循環濃度範囲を達成するように動物モデルにおいて用量を決定する。こ のような情報を用いて、ヒトに有効な用量をより正確に決定することができる。 治療上有効な量とは、患者の症状の緩和または生存の延長をもたらす化合物の 量のことである。このような化合物の毒性および治療効力は、例えばLD50( 母集団の50%致死量)およびED50(母集団の50%有効量)を決定するた めの細胞培養または実験動物において、標準的な薬学的手法により測定すること ができる。毒性作用と治療効果との用量比が治療係数であり、これはLD50と ED50の比として表現される。高い治療係数を示す化合物が好適である。これ らの細胞培養アッセイおよび動物実験から得られたデータを用いて、ヒトに用い るための投与量範囲を正式に決定することができる。こうした化合物の投与量は 毒性がほとんどまたは全くないED50を含む循環濃度範囲内にあることが好ま しい。投与量はこの範囲内で、用いる剤形および投与経路に応じて変化しうる。 正確な処方、投与経路および投与量は患者の状態を考慮して医師により選択され る。(例えば、Fingl ら,1975,in“The Pharmacological Basis of Therapeut ics”,Ch.1,p.1 を参照のこと。) 投与量および投与間隔は、リラキシン様活性および効果を維持するのに十分な 活性成分の血漿レベルを与えるように、個々に調整することができる。 リラキシンまたは他の活性物質と組み合わせた、RLFの投与は、類似の有用 性をもつ薬剤の許容される投与様式のいずれによるものでもよく、全身投与によ ることが好ましい。 上記のリラキシン関連疾病または障害の多くを治療するためのヒト投与量レベ ルは、単独でまたはリラキシンとの組み合わせで投与されるRLFについて今後 最適化されねばならないが、一般的に、1日分の用量は、RLFが単独でまたは リラキシンとの組み合わせで投与されるかに応じて、約 0.1〜500.0 μg/kg(体 重)/日であり、好ましくは約 6.0〜200.0 μg/kg、最も好ましくは約12.0〜100. 0 μg/kgである。概して、妊娠中の正常な循環レベルに近いか、それより高いR LF(単独またはリラキシンとの組み合わせ)の血清濃度、すなわち、1.0ng/ml 、例えば1.0〜20 ng/ml、好ましくは1.0〜20 ng/mlを達成することが求められる 。 70 kgのヒトに投与する場合、投与量範囲は約 7.0μg〜3.5 mg/日、好ましく は約42.0μg〜2.1 mg/日、最も好ましくは約84.0〜700.0 μg/日であるだろ う。投与されるRLFの量は、もちろん、患者、苦痛の程度、投与方法および投 与計画、そして医師の判断に左右される。一つの治療レジメは、より高い初期投 与量レベル(例えば、100〜200 μg/kg/日)を採用し、その後は約1.0 ng/mlの 定常リラキシンまたはリラキシン様血清濃度を達成するように投与量を減らして いくものである。もう一つの治療レジメ(特に産後うつ病)は、正常な妊娠レベ ルのリラキシン(約 1.0 ng/ml)を得るのに十分な量のリラキシンを投与し、そ の後はリラキシン血清レベルがもはや検出できなくなる(例えば、約20ピコグラ ム/ml 以下)まで投与量を徐々に減らしていき、場合によっては、その投与量レ ベルに達したとき治療をやめることを伴う。 上記症状を治療するためにRLF(単独またはリラキシンとの組み合わせ)を 用いる場合、薬学的に許容されるどのような投与様式を採用してもよい。RLF は単独で投与することができ、また、他の製剤上許容される賦形剤とともに、例 えば錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、懸濁剤、座剤、エアゾル剤のような固体 、半固体、液体またはエアゾルの剤形で投与することができる。さらに、リラキ シンは所定の速度で長期間投与するための、好ましくは精確な投与量の単回投与 に適した1回量剤形で投与するための、デポー注射剤、浸透ポンプ(例えば、Al za製の Alzetインプラント)、丸剤、経皮(電気輸送を含む)パッチなどを含め て、持続性または制御放出剤形(例えば、徐放性の生物分解性デリバリーシステ ムを使用)で投与してもよい。この組成物は典型的には慣用の製剤上の担体また は賦形剤およびRLFを含有する。さらに、この組成物は他の活性物質、担体、 アジュバントなどを含んでいてもよい。 本発明の好適な態様において、持続/制御放出RLF製剤は、所定の速度で次 第に減少するRLFの投与量を送達するように設計された薬剤分配開口部を有す る選択透過性の外側バリアーと内側のRLF含有部分(例えば、初期に約500 μ g/日を送達し、10μg/日の速度で減少するようにマトリックス中に約30 mg のR LFを含有する)を有する。 本発明のもう一つの好適な態様において、持続/制御放出RLF製剤は、薬剤 分配開口部を有する選択透過性の外側バリアー、治療有効1日量のリラキシンを 定常状態で放出するように設計された第1内側リラキシン含有部分(例えば、約 500 μg/日の連続送達のためにマトリックス中に約50 mg のリラキシンを含有す る)、および第1内側部分からのリラキシンの完全放出後に開始する所定の速度 で次第に減少するRLFの投与量を送達するように設計された第2内側RLF含 有部分(例えば、初期に約500 μg/日を送達し、50μg/日の速度で減少するよう にマトリックス中に約3mgのリラキシンを含有する)を有する。 一般に、意図される投与様式に応じて、医薬として許容される組成物は重量基 準で約0.1%〜90%、好ましくは約0.5%〜50% のRLFを単独でまたはリラキシン との組み合わせで含有し、残部は適当な製剤上の賦形剤、担体などである。こう した剤形を調製するための実際的方法は知られており、当業者には自明である。 例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Ea ston,Pennsylvania,15th Edition,1975を参照のこと。米国特許出願第08/050 ,745号に記載されるヒト・リラキシンの製剤が特に好適である。 局所投与または選択的吸収の場合には、薬剤の有効局所濃度は血漿濃度と関係 がなくてもよい。 投与される組成物の量は、もちろん、治療すべき患者、患者の体重、苦痛の程 度、投与方法および医師の判断に左右される。 5.6.2. 投与経路 適当な投与経路としては、例えば、経口、直腸、経粘膜または腸投与を挙げる ことができる。非経口投与は一般に皮下、皮内、筋肉内または静脈内への注射に より特徴づけられ、皮下注射が好ましい。注射剤は通常の剤形に調製され、溶液 または懸濁液、注射前に液体中に溶解または懸濁するのに適した固体剤形、また はエマルジョンとして調製することができる。適当な賦形剤は、例えば、水、食 塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどである。さらに、所望に より、投与される医薬組成物は少量の無毒性の補助物質、例えば湿潤剤や乳化剤 、pH緩衝剤、溶解促進剤など、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレ ート、トリエタノールアミンオレエート、シクロデキストリンなどを含んでいて もよい。 このような非経口組成物中に含まれるRLFおよび/またはリラキシンの割合 はその特定の性質だけでなく患者のニーズにも大きく左右される。しかしながら 、溶液中の0.01% 〜10% の活性成分の割合が使用可能であり、その組成物が上記 の割合にその後希釈される固体であるときはもっと高いだろう。好ましくは、こ の組成物は0.2〜2%のRLFを単独でまたはリラキシンと組み合わせて含有する 溶液である。 比較的最近開発された非経口投与のためのアプローチは、一定レベルの投与量 が維持されるような徐放または持続放出システムの植込みを用いるものである。 例えば、米国特許第3,710,795号を参照のこと。 また、全身的方法ではなく局所的方法で、例えば、固形腫瘍に化合物を直接( しばしばデポーまたは持続放出製剤で)注入することにより化合物を投与しても よい。 さらに、標的化ドラッグデリバリーシステムで、例えば組織特異的抗体をコー ティングしたリポソームに薬剤を保持させて、投与することもできる。リポソー ムは組織へ向かうよう標的化され、その組織により選択的に取り込まれるだろう 。 5.6.3. 組成物/製剤 本発明の医薬組成物は、それ自体公知の方法で、例えば、通常の混合、溶解、 顆粒化、糖衣錠製造、研和、乳化、カプセル化、捕捉または凍結乾燥の諸工程を 経て製造することができる。 本発明に従って用いられる医薬組成物は、かくして、医薬として使用できる製 剤中の活性化合物のプロセシングを容易にする賦形剤および補助剤を含む1種以 上の生理的に許容される担体を用いて慣用の方法で製剤化される。適する製剤は どのような投与経路を選択するかに依存する。 注入、例えばボーラス注射または連続注入による非経口投与のために化合物を 製剤化しうる。注射(注入)用製剤は1回量剤形(例えばアンプル)でまたは防 腐剤を添加した複数回量容器で提供することができる。この組成物は油性または 水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンのような剤形をとってもよく 、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤などの処方剤を含むことができる。 非経口投与用の医薬組成物には水溶性の形の活性化合物を含有する水溶液があ る。さらに、適当な油性の注射用懸濁液として活性化合物の懸濁液を調製しても よい。適当な親油性の溶剤またはビヒクルとして、脂肪油(例:ゴマ油)、また は合成脂肪酸エステル(例:オレイン酸エチル、トリグリセリド)またはリポソ ームなどがある。水性注射用懸濁液はその懸濁液の粘度を高める物質、例えばナ トリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールまたはデキストランを含ん でいてもよい。任意に、この懸濁液は高濃度の溶液の調製を可能にするための化 合物の溶解性を高める物質または適当な安定剤を含むことができる。 あるいはまた、活性成分は使用前に適当なビヒクル(例えば、発熱物質を含ま ない水)により用時調製される粉剤であってもよい。 また、例えばカカオ脂や他のグリセリドのような通常の座薬用基剤を含有する 、座薬または保持浣腸といった直腸用組成物として化合物を製剤化することもで きる。 上記の製剤に加えて、この化合物はデポー製剤として製剤化してもよい。この ような長期作用性製剤は植込み(例えば、皮下または筋肉内に)により、または 筋肉内注射により投与できる。こうして、例えば、適当な高分子もしくは疎水性 物質(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂を 用いて、または難溶性の誘導体(例えば、難溶性の塩)として化合物を製剤化す ることができる。 本発明の疎水性化合物用の製剤上の担体は、ベンジルアルコール、無極性界面 活性剤、水混和性有機ポリマー、および水相を含有するコソルベント系である。 このコソルベント系はVPDコソルベント系でありうる。VPDは無水エタノー ルの容量に対して調製された、3% w/vのベンジルアルコール、8% w/vの無極性界 面活性剤ポリソルベート80、および65% w/v のポリエチレングリコール300 の溶 液である。VPDコソルベント系(VPD:5W)は5%デキストロース水溶液に より1:1に希釈されたVPDから成る。このコソルベント系は疎水性化合物を よく溶解し、それ自体は全身投与の際の毒性が低い。当然、コソルベント系の割 合はその溶解性および毒性に影響を及ぼすことなく相当に変化させることができ る。さらに、コソルベント系の成分を変えてもよい。例えば、ポリソルベート80 の代わりに他の低毒性の無極性界面活性剤を用いたり、ポリエチレングリコール の画分サイズを変えたり、ポリエチレングリコールを他の生物適合性のポリマー (例:ポリビニルピロリドン)と置き換えたり、デキストロースの代わりに他の 糖または多糖類を用いてもよい。 また、疎水性の医薬化合物のために他のデリバリーシステムを使用してもよい 。リポソームおよびエマルジョンは疎水性薬剤のデリバリービヒクルまたは担体 の公知例である。通常、より大きな毒性を犠牲にしてではあるが、ジメチルスル ホキシドのような有機溶剤も使用できる。さらに、治療薬剤を含有する固体の疎 水性ポリマーの半透性マトリックスのような、持続放出系を用いて化合物を送達 することもできる。さまざまな持続放出材料が開発されており、当業者には公知 である。持続放出カプセルは、その化学的性質に応じて、数週間から100 日以上 にわたり化合物を放出することができる。治療剤の化学的性質および生物学的安 定性に応じて、タンパク質安定化のための更なる戦略を採用してもよい。 医薬組成物はまた、適当な固相もしくはゲル相の担体または賦形剤を含むこと ができる。このような担体または賦形剤の例として、炭酸カルシウム、リン酸カ ルシウム、各種の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリマー (例:ポリエチレングリコール)があるが、これらに限らない。 RLF製剤は、ネブライザー用の鼻孔または肺吸入エアゾル剤として、または 吹入用の微細粉末として気道に、単独でまたはラクトースのような不活性担体も しくは他の製剤上許容される賦形剤と共に投与することもできる。このような場 合、製剤の粒子は有利には粒径が50ミクロン未満、好ましくは10ミクロン未 満でありうる。例えば、インスリンの投与方法を開示している米国特許第5,364, 838 号を参照のこと。この特許に記載される方法は本発明によるRLF(単独ま たはリラキシンとの組み合わせ)の投与に適応させることができる。 また、脱毛症のような症状を治療するために、RLFはシャンプー(例えば、 タンパク質成分を含めるのに必要とされる、当業者に知られた方法により適合さ れた、米国特許第4,938,953 号に記載されるもの)またはゲル(例えば、許可さ れた米国特許出願第08/050,745号に記載されるもの)などの頭皮への適用に適し た製剤(任意に、吸収を促進するために高濃度のリラキシンを添加してもよい) として局所的に投与することもできる。 経口投与のために、活性化合物を当技術分野で公知の製剤上許容される担体と 混合することにより、この化合物を簡単に製剤化することができる。このような 担体は、治療される患者により経口摂取される錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤 、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などに、本発明の化合物を製 剤化することを可能にする。経口用の医薬製剤は、固体の賦形剤と混合し、任意 に得られた混合物を粉砕し、所望により適当な補助剤を添加した後、顆粒混合物 を加工して錠剤または糖衣錠コアをつくることにより得られる。適当な賦形剤は 、特に、ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含めた糖 類;トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプ ン、ゼラチン、トラガントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはポリビニ ルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物のような充填剤である。所望に より、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(例 :アルギン酸ナトリウム)のような崩壊剤を添加してもよい。 糖衣錠コアには適当なコーティングを施すことができる。この目的のために、 濃厚な糖溶液が用いられ、この溶液は任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニル ピロリドン、カルボポールゲル(carbopol gel)、ポリエチレングリコール、二酸 化チタン、ラッカー溶液、および適当な有機溶媒または混合溶媒を含んでいても よい。識別のために、または活性化合物用量の異なる組合せを特色づけるために 、錠剤や糖衣錠コーティングに色素や顔料を加えてもよい。 経口的に用いられる医薬製剤には、ゼラチン製のプッシュ- フィット(push-fi t)カプセル、およびゼラチンと可塑剤(例:グリセロール、ソルビトール)から 作られた軟質の密閉カプセルが含まれる。プッシュ- フィットカプセルは充填剤 (例:ラクトース)、結合剤(例:デンプン)、および/または滑沢剤(例:タ ルク、ステアリン酸マグネシウム)、そして任意に安定剤と混合した活性成分を 含むことができる。軟質カプセルでは、活性化合物を脂肪油、液状パラフィンま たは液状ポリエチレングリコールのような適当な液体に溶解もしくは懸濁させる 。さらに、安定剤を加えてもよい。経口投与用の製剤はすべて、このような投与 に適した投与量にすべきである。 吸入による投与のために、本発明に従って用いられる化合物は加圧パックから のエアゾルスプレーの形で、または適当な噴射剤(例:ジクロロジフルオロメタ ン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、 または他の適当なガス)を用いるネブライザーの形で便利に送達される。加圧エ アゾルの場合は、投薬量単位が計測量を送りだすバルブを備えつけることにより 投薬量単位を決定できる。吸入器またはインサフレーターで使用するための、化 合物と適当な粉末基剤(例:ラクトース、デンプン)の混合粉末を含む、例えば ゼラチン製の、カプセルおよびカートリッジを製造することもできる。 5.6.4. 包装 本組成物は、所望により、活性成分を含有する単位剤形を1個以上含むパック またはディスペンサー器具で提供することができる。パックは例えばブリスター パックのような金属またはプラスチックフォイルより成る。投与のための説明書 をパックまたはディスペンサー器具に添付してもよい。また、適当な製剤上の担 体を用いて本発明の化合物を含有する組成物を調製し、適当な容器に入れ、表示 してある症状の治療についてのラベルを貼ってもよい。ラベルに表示される適当 な症状としては、うつ病、洞徐脈、脱毛、神経または神経変性疾患、強皮症、心 臓血管系の疾患もしくは障害、または制御不能なまたは異常なコラーゲンもしく はフィブロネクチンの形成に関連した疾病の治療が含まれる。 より具体的な投与量、製剤および投与方法は米国特許第5,166,191 号、米国特 許出願第07/902,637号(PCT US92/06927)および第08/050,745号(許可された) および本出願と同日付けで出願された「脱毛の治療法」および「うつ病の治療法 」と題する係属中の米国特許出願に含まれる情報から引き出すことができる。 6.実施例 当業者が本発明をより明確に理解しかつ実施できるように、以下に製造例およ び実施例を記載する。これらは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきで なく、単に本発明を例示しかつ代表するものである。 6.1. RLFの合成および合成タンパク質の確認 上述したように、RLFは天然源からこのタンパク質を単離するか、RLFの 推定アミノ酸配列に基づいてこのタンパク質を合成するか、または入手可能なc DNAデータに基づいてこのタンパク質を組換え的に生産することにより得るこ とができる。 一つのRLF合成法は次のとおりである。 材料: ペプチド合成用のL-アミノ酸誘導体は、Bachem Bioscience(Philad elphia,PA)またはBachem California(Torrance,CA)から購入した。ペプチド合 成およびクロマトグラフィー用の溶剤はガラス(Burdick and Jackson;Muscagon ,MI)中で蒸留し、Perkin Elmer Applied Biosystems(Foster City,CA)から ペプチド合成用の化学薬品を購入した。分析級の他の化学薬品はそれ以上精製せ ずに使用した。 方法: RLFを合成するために次の方法に従った。 ペプチド合成: システインを除く3種すべての官能性アミノ酸のための通 常のHF不安定性側鎖保護基を用いてt-ブチルオキシカルボニル1化学によりR LFタンパク質のB鎖を合成した。システインB10はアセトアミドメチル基で保 護し、B23はチオール保護/活性化基[S-(3- ニトロ-2- ピリジンスルフェニル )](Cys B23)で保護した。メチオニンはスルホキシド形成により保護し、ト リプトファンはN(in)ホルミル基で保護した。Applied Biosystemsペプチド合成 機モデル430Aを使って0.4 mmolのt-ブチルオキシカルボニル- アラニンを結合さ せた[4-(オキシメチルフェニルアセトアミドメチル]樹脂上で合成を行った。固 相支持体からの脱保護および除去は、5% m-クレゾールの存在下でHF処理によ り行った。20% 酢酸を用いて粗製タンパク質を抽出し、凍結乾燥した(収量:1.3 87 g)。Sephadex G50-sf(2.5 cm×50 cm)でIM酢酸によりB鎖を精製し(収量: 840 mg)、続いてSynchropak RP-P(2.1 cm×25 cm)で50〜70 mg に小分けして分 離用HPLCにかけた。移動相は0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液(溶媒 A)と0.1%トリフルオロ酢酸の80% アセトニトリル溶液(溶媒B)であった。カ ラムを20% Bで平衡化し、ペプチドを20% Bから50% Bまでの直線勾配で5ml/ 分の流速で1時間かけて溶出した(全収量: 233mg)。アミノ酸組 成:Thr 2.00(2); Ser 0.86(1); Glu 2.90(3); Gly 3.28(3); Ala 2.16(2); Cys 0.89(2); Val 3.19(3); Met 1.22(1); Leu 1.94(2); Phe 0.99(1); His 2.44(2 ); Lys 0.96(1); Arg 3.81(4)。 A鎖(0.25 mmol)は ABIペプチド合成機(モデル430A)を使ってp-ベンジルオ キシベンジル樹脂上でFast-moc化学により合成した。すべての側鎖をTFA不安 定性保護基で保護した。ただし、Cys(A11)はアセトアミドメチル基で保護し、C ys(A24)はHF不安定性p-メチルベンジル基で保護した。50 mgのペプチジル樹 脂/mlを用いて室温で90分間TFA/チオフェノール(10:1 v/v)によりA鎖を脱 保護した(5)。TFAを蒸発させ、ペプチドをエーテルで沈殿させた。沈殿物を 遠心により集め、上清を捨て、ペレットをエーテルで2回洗って空気乾燥した。 このペプチドを水中に懸濁し、アンモニアの添加により溶解し、Sephadex G25-m で50 mM NH4HCO3により脱塩した。鎖内ジスルフィド結合A10−A15の酸化を加 速するため、この溶出物(100 ml)に50 ml のMe2SO を加えた(6)。酸化の進行をE llman反応により観察した(7)。ジスルフィド結合形成の完了後、A鎖を水に対し て透析し、凍結乾燥した(収量: 372.3 mg)。20 mg のアリコートをさらにSync hropak RP-P(10 mm×250 mm)で、溶媒Aとして0.1%TFA水溶液を、溶媒Bと して0.1%TFAの80% アセトニトリル溶液を用いて、分離用HPLCで精製した 。カラムを30% Bで平衡化し、ペプチドを30% Bから50% Bまでの直線勾配で3 ml/分の流速で30分かけて溶出した(全収量: 166.5 mg)。アミノ酸組成:Asp 2 .20(2); Thr 3.00(3); Ser 0.99(1); Glu 1.92(2); Pro 2.20(2);Gly 1.06(1); Ala 4.18(4); Cys 1.62(4); Leu3.60(4); Tyr 1.82(2);Arg 0.98(1)。 鎖結合のため、33.4 mg(11.3 μmol)のA鎖(アセトアミドメチルA10,4-メ チルベンジルA24)をm-クレゾール 200μl の存在下に0℃で45分間、4mlのH Fで処理した。その後HFを窒素流で蒸発させ、ペプチドをエーテルで沈殿させ た。ペレットを集め、KOHで減圧下に30分乾燥した。pH 4.5の0.1 M 酢酸中の 8M グアニジニウムクロライド4ml中にモノチオールA鎖を溶解し、36.3 mg(9.6 μmol)のB鎖に加えた。ジスルフィド結合A24/B23を37℃で24時間かけて形成 させ、得られた生成物を最初にSephadex G50-sf(カラム 2.5 cm×50 cm)で1 M 酢酸により分離し(収量48.7 mg,78.3%)、続いてSynchropak RP-P(10 mm×25 0 mm)で、溶媒Aとして0.1%TFA水溶液を、溶媒Bとして0.1%TFAの80% ア セトニトリル溶液を用いて、分離用HPLCで精製した。カラムを30% Bで平衡 化し、ペプチドを30% Bから50% Bまでの直線勾配で3ml/分の流速で30分かけ て溶出した(収量34.1 mg,54.8%)。 得られたペプチドは、Cys A11とCys B10の位置にアセトアミドメチル基を、 Trp B27にN(in)ホルミル基を、そしてMet B5の側鎖にスルホキシドを含んで いた。第3のジスルフィド結合を形成させるために、ペプチド(9.3 mg)を水(3.5 ml)に溶解し、酢酸(3.5 ml)と6N HCl(19.1 μl)と酢酸中の50 mM ヨウ素(3ml )からなる攪拌溶液に加えた(8)。この反応を室温で10分行い、アスコルビン酸で 停止させ、この生成物をSephadex G25-sf で 1M 酢酸により脱塩し、凍結乾燥し た。分離用HPLC(前と同じ条件)による精製後(収量 3.42 mg,36.8%)、こ のタンパク質はTrp(B27)とMet(B5)に保護基を依然含んでいた。 完全な脱保護を行うため、最初に、ペプチド11.3 mgを水/ピペリジン 9:1(v/ v)2mlにより室温で2分間処理した。酢酸 0.4 ml を用いて塩基を中和し、ペプチ ドを分離用HPLCで精製し、乾燥し(収量 11.0mg,97.5%)、その後メチオニン スルホキシド含有ペプチド10 mgをTFA/0.5 M NH4I水溶液 9:1(v/v)1mlを用 いて0℃で15分間還元した。遊離のヨウ素を0.5 M アスコルビン酸水溶液で還元 し、水で希釈して反応を止めた。最終ペプチドを分離用HPLC(前と同じ条件 )で回収した(収量 7.57 mg,75.7%)。アミノ酸組成:Asp 2.02(2); Thr 4.79(5 ); Ser 1.77(2); Glu 4.86(5); Pro 5.17(5); Gly 4.15(4); Ala 6.09(6); Cys 3.51(6); Val 2.86(3); Met 0.70(1); Ile 0(0);Leu 5.74(6); Tyr 2.12(2); Ph e 0.98(1); His 2.00(2); Lys 1.26(1);Trp 1.00(1); Arg 5.02(5)。(全収率 1 4.9%)。 用いたすべてのHPLCシステムの移動相は、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液( 溶媒A)および0.1%トリフルオロ酢酸の80% アセトニトリル溶液(溶媒B)から 成る。 分離用HPLCのために、2つのポンプ(モデル 6000A)と勾配プログラマー (モデル 680)から成る Waters HPLCシステムを、Synchropak RP-P カラム (C18)(SynChrom,In)およびUvicord S UV(226 nm)モニター(LKB,Bromma,Swe den)と組み合わせて使用した。通常、上記のような直線勾配を用いて1〜20mg のペプチドが分離された。 分析用HPLC I は、Applied Biosystems HPLC モデル 130A を用いてAqua pore 300(C8; 2.1 mm×30 mm)で行った。23% Bから34% Bまでの直線勾配を用 いて流速 0.1 ml/分、60分で分離を達成した。230 nmでのUV吸収によりペプチ ドを検出した。 分析用HPLC II は、Waters HPLC システムを用いてSynchropak RP-P(C18 ,4.1 mm×250 mm)で行った。20% Bから50% Bまでの直線勾配を用いて流速1m l/分、30分で分離を達成した。220 nmでのUV吸収によりペプチドを検出した。 上記HPLCは、図3に示すように、RLFの純度を証明するためにも使用でき る。 上記手順に従って、または特定部位の逐次ジスルフィド結合形成(この形成を 表す模式図を図2に示す)と組み合わせた他の固相法に従って合成されるRLF の一次構造を図1に示してある。 タンパク質の確認および証明: 合成されたRLFの正体を公知の技法に従っ て確認し、証明した。 アミノ酸分析: タンパク質の合成および精製後に、このタンパク質の正体 を確認するためアミノ酸分析を行った。最初に、0.1%フェノールを含有する気相 6N HCl中150 ℃で1時間ペプチドを加水分解した。フェニルイソチオシアネ ートによるカラム前修飾とHPLC(Pico.Tag system,Waters Millipore)によ る分離後にアミノ酸を検出した。 配列解析: このタンパク質の正体を配列解析により証明した。具体的には 、このような解析はABI 477 A パルス液体タンパク質シークエンサーとインライ ンABI 120Aフェニルチオヒダントインアナライザー(ABI,Applied Biosystems ,Foster City,CA)で行った。リラキシン様因子約 10 μlを、溶媒A 30 μl で希釈した、3 M グアニジニウムクロライド,0.2 M Tris-HCl(pH 8.5)中の50 mM DTT 20 μl 中で還元し、次に Aquapore 300 で分離することにより鎖を調 製した(条件については分析用HPLCを参照)。 還元すると、2本の鎖が生成し、これらを分離して両鎖の配列解析を行ったと ころ、所望の構造を示した。 UV分光分析: 次に、合成タンパク質の構造をUV分光分析で確認した。 このような分光分析は、OLIS Cary 15スペクトロフォトメーター・コンバージョ ン(On-Line Instrument Systems Inc.,Bogart,GA)を使って行った。UV分光 分析を用いてRLFタンパク質のタンパク質濃度を測定した。UV吸光度と加水 分解およびアミノ酸分析後のアミノ酸の回収との直接比較により比吸光係数(ε2 76 =1.40 cm2/mg)を得た。 酸不安定性 Asn-Pro結合での部分加水分解は検出されなかった。 円二色性: 合成タンパク質の正体をさらにCD分光分析で確認した。この ような分光分析は0.02 cm の光路長のセルを使って Jasco J-710スペクトロポー ラリメーター(分光旋光計)で行った。タンパク質を25 mM Tris/HCl(pH 7.7) 中に溶解し、UV分光分析で濃度を測定した:ブタ・リラキシンについては0.67 mg/ml、リラキシン様因子については0.54 mg/ml、およびヒト・リラキシンにつ いては0.55 mg/ml。スペクトルは分解能0.2 nm、バンド幅2nmで測定し、5回の スペクトルの平均をとった。モル楕円率は Adlerら(9)に従って、リラキシン様 因子については110.4 の、ブタ・リラキシンについては113.6の、ヒト・リラキ シンについては112.5 の平均残重量を用いて計算した。 円二色性スペクトルの比較測定により、RLFとブタ・リラキシンの溶液構造 はほぼ同一であることが示唆された。図4を参照のこと。 質量分析: 最後に、このタンパク質の正体および適切な合成を証明するた めに、JEOL HX11O/HX110 4セクター・タンデム質量分析計(JEOL,Tokyo,Japan )を使って質量スペクトルを記録した。サンプルを0.1%トリフルオロ酢酸中に約 0.8 nmol/μl の濃度で溶解した。 質量分析は合成RLFの正確な質量イオンを示した(実測値:6294.6、理論値 :6293.2)。 6.2. 標識RLFの製造 側鎖を保護したトリプトファンとメチオニンを含む125I標識RLFを上記の 手順に従って製造することができる。その後、合成ペプチド(水5 μl 中に10μg )を200 μl エッペンドルフバイアルに入れ、5 μl のリン酸緩衝液(250 mM,p H 7.4)を加え、続いて2μl の125I(1 mCi)および5 μl のクロラミンT(リン 酸緩衝液 pH 7.4 中に2 mg/ml)を加える。この反応を氷上で1分行い、5 μl の チオ硫酸ナトリウム(5 H2O)(リン酸緩衝液 pH 7.4 中に50 mg/ml)および5 μlの NaI(リン酸緩衝液 pH 7.4 中に20 mg/ml)を添加して反応を止めた。トリプ トファンの側鎖保護基を5μlのピペリジンの添加により除去した。室温で2分 後、この反応を5μl の氷酢酸の添加により停止させ、反応混合物を10μl の水 で希釈し、分離のためにAquapore 300カラムにかけた。タンパク質をUV吸収に より検出し、ピークを1%ウシ血清アルブミン水溶液 100μl 中に手で集めた。 標識RLFはRLFトレーサーとして使用することができ、その後さまざまな RLF誘導体をHPLCで分離して担体フリーのトレーサーを得るために使用さ れる。図5を参照のこと。あるいはまた、このような標識RLFは結合アッセイ において、またはRLF受容体マッピングのためにも使用することができる。 6.3. 受容体結合アッセイ Linde ら,1986,J.Chromatogr.369:327-339に記載の方法に従ってトレーサ ーとして125I- ヨード-TyrA14ブタ・インスリンを用いて、HockおよびHollenbe rg,1980,J.Biol.Chem.255:10731-10736に記載されるような、満期胎盤の粗 膜調製物に対してインスリン受容体結合アッセイを実施した。 このアッセイはHMS緩衝液(25 mM HEPES,104 mM NaCl,5 mM MgCl2,0.2% ウシ血清アルブミン; pH 7.4)中で全容量 100μl にて行った。標識インスリン (50,000 cpm/アッセイ,150 pM)と可変量のインスリンを粗膜調製物とともに室 温で1時間インキュベートした。その後、緩衝液1mlを加え、微量遠心機で14,0 00 rpmで5分遠心して膜を集め、上清を捨て、エッペンドルフバイアルの先端部 を切り取り、γカウンター(Minigamma,LKB,Sweden)で計測した。非特異的結 合を測定するため、未標識インスリンを2μl/ml(0.33μM)の濃度で使用したと ころ、通常、非特異的結合は総結合の10% 以下であった。 従来の推測に反して、RLFはどのような有意な程度にもインスリン受容体と 結合しない。 6.4. リラキシン結合アッセイ リラキシン結合アッセイは、Yangら,1992,Endocrinology 130:179-185 およ びBullesbachら,1994,Endocrine,2:1115-1120に記載されるように、マウス組 織の粗膜調製物を用いて行った。2匹のマウスの脳を、スクロース(最終濃度0.2 5 M)を補充した冷却緩衝液(25 mM HEPES,0.14 M NaCl,5.7 mM KCl,0.2 mMフ ッ化フェニルメチルスルホニルおよび80 mg/mlダイズトリプシン阻害剤,pH 7.5 )15 ml 中に集めた。Polytronホモジナイザー(Brinlmann,Westbury,NY)を設 定5で用いて氷上で10秒間組織をホモジナイズした。このホモジネートを4℃、 700 rpm で10分遠心し、上清を10,000×g で1時間再遠心した。ペレットを、1% ウシ血清アルブミンを補充した氷冷結合緩衝液(25 mM HEPES,0.14 M NaCl,5. 7 mM KCl,0.2 mMフッ化フェニルメチルスルホニルおよび80 mg/mlダイズトリプ シン阻害剤,pH 7.5)15 ml 中に再懸濁し、10,000×g で1時間遠心した。粗膜 調製物を結合緩衝液1ml中に懸濁し、アッセイあたり40μl を使用した。アッセ イではトレーサー(約100,000 cpm のブタ・リラキシントレーサー=150 pM)40 μl と様々な濃度のリラキシン20μl を使用し、室温で1時間インキュベートし た。この懸濁液を洗浄緩衝液(25 mM HEPES,0.14 M NaCl,5.7 mM KCl,1%ウシ 血清アルブミン,0.01% NaN3)1mlで希釈し、エッペンドルフ遠心機で14,000rp mで10分遠心した。上清を捨て、バイアルの先端を切り取り、γカウンターで計 測した。2μl/mlの未標識競合物質(0.33μM)の存在下で非特異的結合を測定し た。典型的な実験では、特異的結合は総結合の25%〜40% であった。 脚の筋肉、腎臓、肝臓、脳および子宮(エストロゲン感作マウス由来)の粗膜 調製物を用いて、組織特異性を調べた。リラキシンについて記載したとおりに粗 膜調製物を調製した。結合はLowry により測定されるタンパク質濃度に基づいて いた。 上記のアッセイに従うと、100 倍過剰のヒトRLFはマウス脳リラキシン受容 体調製物からリラキシントレーサーの50% を置換する。親和性の差はまだ特異的 結合の範囲内であり、すなわち、この受容体へのインスリンまたはモルモット・ リラキシンの結合より数桁高く(一般的には、Bullesbachら,1994,Endocrine ,2:1115-1120を参照)、このことはRLFがリラキシン受容体を認識すること を示す。 上で述べたように、この結果は予想外のことであった。なんとなれば、RLF 中の重要な Arg XXX Arg配列が二重らせんのまさに一つのターンによってB鎖の C末端の方にずれているからである(図1参照)。 脳、子宮、骨格筋、腎臓および肝臓のような、トレーサーとして125I−RL Fを用いて試験した組織のうち、脳と子宮の膜調製物のみが特異的結合を示した (図6参照)。これらは競合的かつ飽和的な方法でリラキシンと結合する組織で ある。交差反応性を試験するため、トレーサーおよび交換される競合性の未標識 分子を用いてアッセイを行った。このようなアッセイから得られた結果を以下の 表1に示す。 pRLX=ブタ・リラキシン、hRLX=ヒト・リラキシン pRLF=ブタRLF、hRLF=ヒトRLF これらの結果から、このような組織にRLFそれ自体の受容体があり、リラキ シン受容体はRLFにより認識されるがリラキシンより著しく低い親和性をもつ ことが強く示唆される。さらに、これらのデータからは脳と子宮のリラキシン受 容体が交差反応性に関して異なることが支持される。特に、子宮のリラキシン受 容体はめったにRLFを認識しないのに対して、脳の受容体は中くらいの交差反 応性を示す。一般に、RLF受容体は、リラキシンに対するリラキシン受容体の 親和性よりも高い親和性でもってその基質と結合する。 6.5. 精子運動性アッセイ リラキシンとリラキシン様活性をもつタンパク質は精子運動性アッセイで同定 することができる。 材料および方法: 健康なボランティアからマスターベーションにより精液を 入手する。このサンプルを室温で液化させ、Hepes 緩衝液を加えた最少培地(M EM)と混合する。この培地を用いるのは、MUSCにおいてin vitroクリニックに より使用された洗浄培地と一致するからである。次に、遠心により精液とMEM から精子を分離する。その後、得られた精子ペレットを室温でMEMに再懸濁す る。シリコーン処理した遠心チューブにアリコートを入れ、数種の化合物のうち の1つを加える: 1)ヒト・リラキシン 10 ng/ml,2)ヒト・リラキシン 100n g/ml,3)リラキシン様因子 10 ng/ml,4)リラキシン様因子 100 ng/ml,5)ペン トキシフィリン(pentoxyfyline)で1:8に希釈したアカエイ由来のアルカリ腺 液の一画分。添加物を精子/培地混合物と十分に混合する。0、2、4、6およ び24時間間隔で次のパラメーターの自動測定のためにサンプルを採取する:1)運 動性、2)前進性、3)経路速度、4)前進速度、5)軌道スピード、6)伸長、7)外側置 換(lateral displacement)、8)クロスビート頻度、9)一直線性、10)直線性。簡 単に述べると、各サンプルをMaker加熱標本チャンバーに入れ、レーザー・ドッ プラー・オプチクス(IVOS,Beverly,MA)を装備した光学顕微鏡で観察する。約 3分で得られたサンプル読取り値と結果はハードコピーの形で表示される。 実験結果: 洗浄したヒト精子に添加されたヒト・リラキシンおよびRLFは 、未処理対照(運動性それゆえ受精能が時間経過につれて衰退する)と比べて運 動性を持ち続ける。リラキシンの高用量と低用量との間で運動性に対するその効 果に本質的な差はなかった。RLFはどちらの用量でも精子の運動性を維持する のにリラキシンと同程度の効力があった。両化合物の最もきわだった効果は4時 間目に生じ、その時の運動性はそれまでと同じか、または増加していた。 相加効果があるか否かを調べるため、リラキシンとリラキシン様因子を組み合 わせて使用した。そのような効果はまったく観察されなかった。 上記化合物の全部をHPLCからのアカエイ・アルカリ腺液(AGF)に対し て比較した。AGFは最初の2期間で精子の運動性を顕著に増加してその後維持 し、最後の3期間で約10%高かった。 6.6. ヒト肺繊維芽細胞によるコラーゲンおよび フィブロネクチンの発現のin vitro阻害 RLFがコラーゲンとフィブロネクチンの発現を阻害するかをヒト肺繊維芽細 胞に関して研究した。具体的には、無血清培地中のヒト肺繊維芽細胞にRLF( 1〜100 ng/ml)を加え、アスコルベートとβ- アミノプロピオニトリルの存在下 に3H- プロリンで生合成的に標識することによりコラーゲンの分泌についてア ッセイした。TGF−βで刺激した肺繊維芽細胞において試験するとき、いろい ろな用量レベルでコラーゲンの発現を阻害するRLFの能力を調べることができ る。ならし培地中の、もう一つの細胞外マトリックス分子であるフィブロネクチ ンの存在は、生合成標識化だけでなく、抗フィブロネクチンポリクローナル抗体 を用いるウエスタンイムノブロットでも評価した。 6.7. 滑膜繊維芽細胞によるコラーゲンおよび フィブロネクチンの発現のin vitro阻害 肩の外傷や大関節の外科的介入は、多くの場合滑膜または関節組織への過度の 繊維性応答のため、運動の制限を伴うことがしばしばある。滑膜繊維芽細胞のよ うな、細胞外マトリックス産生細胞は退化や修復の両極端に影響を及ぼす能力が ある。コラーゲン、フィブロネクチンや他の細胞外マトリックス分子の過剰生産 は、トランスフォーミング成長因子TGF−βのようなサイトカインの局所発現 が原因になることがある。リラキシンが用量依存的にTGF−β刺激コラーゲン 発現を100 ng/ml の用量で30% まで、そしてフィブロネクチン発現を30% まで低 減できることが検証された程度に、RLFもコラーゲンとフィブロネクチンの発 現の調節および制御に関与している。 このような仮説を試験するため(滑膜繊維芽細胞により発現されるコラーゲン とフィブロネクチンをダウンレギュレートするRLFの能力を調べるため)、リ ウマチ様滑膜の切片からの繊維芽細胞を培地に移植し、I型およびII型コラーゲ ンの発現を刺激するためにTGF−β(1ng/ml)で処理した。TGF−βは、3H - プロリン取り込みで生合成的に標識して測定したとき、前記タンパク質レベル でコラーゲン発現をアップレギュレートした。より具体的には、ヒト滑膜繊維芽 細胞におけるコラーゲン、フィブロネクチンおよびプロコラゲナーゼの発現を調 節するRLFの能力を調べるため、次の実験を行った。 6.7.1. コラーゲン発現の阻害を測定するアッセイ コラーゲン発現をin vitroで調節するRLFの能力を調べるため、Unemori お よびAmento,1990,J.Biol.Chem.265:10681-685に記載されるリラキシンの存 在下でのコラーゲンの生成を検出・測定する方法を次のように改良した。 材料および方法: 10%ウシ胎児血清を補充したダルベッコ改良イーグル培地( DMEM)を入れた組織培養皿に6.25×104個/cm2の密度でリウマチ様滑膜繊維芽細 胞(菌株番号 RSF64)をまいた。24時間後、細胞を洗い、リラキシン、RLFお よび/またはトランスフォーミング成長因子(TGF−β)を含有する0.2%ラク トアルブミン加水分解物を補充したDMEMで処理した。 同時に、アスコルベートとBAPNの存在下に3H- プロリン(25μCi/ml)を用いて 細胞を生合成的に標識した。24時間後、ならし培地を集め、還元性条件下で4〜 12% ポリアクリルアミドゲル(NOVEX)で電気泳動を行った。ゲルを増感し、乾燥 し、X線フィルムに1〜2週間露出した。コラーゲンバンドが95〜200 kDa の細 菌コラゲナーゼ感受性プロリン取り込みバンドとしてX線フィルム上に同定さ れた。バンドの密度を走査型デンシトメーターにより定量し、コラーゲン発現の 概算値として用いた。 実験結果: 上記のプロトコールを使って、RLFはコラーゲン発現を独立し て低減させることが判明した。具体的には、TGF−βでの繊維芽細胞処理は朱 処理の繊維芽細胞による発現量に対してコラーゲン発現を3.75倍増加させた。そ の後、TGF−β処理繊維芽細胞にRLF(100 ng/ml)を添加すると、TGF− β刺激したコラーゲン発現が17% 減少した。これに対して、リラキシン(100ng/m l)を添加すると、TGF−β刺激コラーゲン発現が9%減少した。 さらに、RLFとリラキシンは一緒になって相乗的にコラーゲン発現を低下さ せることがわかった。詳細には、TGF−β刺激細胞をRLF(100 ng/ml)とリ ラキシン(100 ng/ml)で処理すると、コラーゲン発現が39% 減少した。 6.7.2. フィブロネクチン発現の阻害を測定するアッセイ フィブロネクチンの発現をin vitroで調節するRLFの能力を調べるため、Un emori およびAmento,1990,J.Biol.Chem.265:10681-685に記載されるリラキ シンの存在下でのコラーゲンの生成を検出・測定する方法を次のように改良した 。 材料および方法: 具体的には、第6.7.1.節に記載した方法を用いて、フィブ ロネクチンのバンドをサイズ(220 kDa)、細菌コラゲナーゼ抵抗性、および市販 のポリクローナル抗フィブロネクチン抗体(Promega)を用いる陽性染色により同 定した。フィブロネクチンのバンドをデンシトメーターで走査し、発現レベルを 概算した。 実験結果: 上記のプロトコールを使って、RLFはフィブロネクチン発現を 独立して低減させることが判明した。具体的には、TGF−β処理繊維芽細胞に RLF(100 ng/ml)を添加すると、TGF−β刺激フィブロネクチン発現が17%減 少した。 6.8. 滑膜繊維芽細胞によるプロコラゲナーゼ発現のin vitro刺激 プロコラゲナーゼの生成を検出・測定する方法は、Unemori ら,1991,J. Biol.Chem.266:23477-482に記載されている。RLFの存在下でプロコラゲナ ーゼの発現を測定するために、この方法を次のように改良した。 材料および方法: 10% ウシ胎児血清を補充したDMEMを入れた組織培養皿に6. 25×104個/cm2の密度でリウマチ様滑膜繊維芽細胞(菌株番号 RSF112)をまいた 。24時間後、細胞を洗い、1、10および100 ng/ml のリラキシンを含有する0.2% ラクトアルブミン加水分解物を補充したDMEMで処理した。ならし培地を集め、ア リコートをゼラチンザイモグラフィーで分析した。プロコラゲナーゼは52/57kDa のゼラチン分解性ダブレットとして同定された。このダブレットの強度(すな わち、発現されたプロコラゲナーゼの量)を走査型デンシトメーターで定量した 。 実験結果: RLFは用量依存的にプロコラゲナーゼの発現を刺激し、リラキ シンにより誘導されたものに匹敵した。1、10および100 ng/ml のRLFはプロ コラゲナーゼの発現を0、2.0 および4.2 倍刺激した。リラキシンは等量でプロ コラゲナーゼの発現を0、1.6 および4.9 倍誘導した。 6.9. サイクリックAMP放出バイオアッセイ cAMPアッセイは Amersham Corporation から販売されている競合イムノア ッセイである。 材料および方法: RLFにより誘導されるcAMP放出を調べるため、DMEM /F12+10% ウシ新生児血清を加えた96ウェルプレートに正常ヒト子宮内膜細胞を 1.2 ×104個/ウェルで増殖させた。24時間後、DMEM/F12+0.2%ラクトアルブミ ン加水分解物から成る無血清培地で細胞を洗った。24時間後、イソブチルメチル キサンチンとホルスコリン(forskolin)の存在下にリラキシンおよび/またはR LFで細胞を処理した。細胞溶解物を0.1N HClにより収穫し、0.1N NaOH で中和 し、その後イムノアッセイ(Amersham Corp)でアッセイした。 実験結果: リラキシンを0.78 ng/mlでアッセイしたとき、子宮内膜細胞溶解 物中に86 pM のcAMPが測定された。RLF(2.5μg/ml)を同時に添加すると 、470 pMのcAMP、およそ5倍のcAMP生産の増加、が測定された。3.12ng /mlのリラキシン濃度をRLF(2.5μg/ml)の存在下または不在下で試験した ときには、リラキシン単独のときと比べてリラキシン+RLFの場合に2倍の増 加が測定された。 6.10. マウス恥骨結合アッセイ マウス恥骨間靭帯アッセイは本質的に Steinetz ら,1960,Endocrinology 67 :102-115に記載されるように行った。卵巣を摘出したバージンの雌マウスをゴマ 油 100μl 中のエストロゲン・シピオネート(cypionate)5 μg でプリントした 。5日後、マウスに0.1%ベンゾプルプリン4B 100μl 中のヒト・リラキシン、R LF、またはヒト・リラキシンとRLFの混合物を皮下注射した。具体的には、 1群5匹の動物に、図8に示すように、最適量以下のヒト・リラキシン、または 0.2 μg、0.4 μg および0.8 μgのヒト・リラキシンと5μg のRLFの混合物 を投与した。陰性対照として、0.1%ベンゾプルプリン4B水溶液 100μl を注射し た。16時間後、マウスをCO2の雰囲気下で殺し、フリーに解剖された恥骨結合、 および恥骨間の骨の距離を透視用光ファイバーを備えた解剖顕微鏡を使って測定 した。 RLFはマウスバイオアッセイにおいてヒト・リラキシンの活性を顕著に高め た。0.5 μg のヒト・リラキシンの存在下でRLF濃度を高めていくと、5μg のRLFが最適であることがわかった(図9)。再度RLFの効果が明らかに認 められた。次のアッセイでは、リラキシン単独、RLF単独、および両者の最大 量を比較した(図7)。RLF単独では効果がなかったが、最大量のリラキシン 効果はRLFによってさらに増加した。 本発明は、本発明の一態様を例示した具体例によりその範囲を制限されるもの ではない。機能的に均等な方法は本発明の範囲に含まれるものとする。実際、こ こに開示したもののほかに、本発明のさまざまな変更が上記の説明および添付の 図面から当業者には明らかになろう。このような変更は次の請求の範囲に含まれ るものである。 本明細書中に引用した文献はすべて、その全体を参考としてここに組み入れる 。さらに、下記の刊行物は本発明のさまざまな態様との関連において興味のもて るものであり、開示の一部としてここに組み入れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,BB ,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,EE,FI, GE,HU,IS,JP,KG,KP,KR,KZ,L K,LR,LS,LT,LV,MD,MG,MK,MN ,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,SI, SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 シュワベ,クリスチャン アメリカ合衆国 29401 サウスカロライ ナ州 チャールストン,バウファイン ス トリート 126 (72)発明者 ウネモリ,イライネ アメリカ合衆国 94610 カリフォルニア 州 オークランド,アドモア アベニュー 1059

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.A鎖とB鎖を含んでなるリラキシン様因子であって、 前記A鎖が次のアミノ酸配列: Gln-Leu-Tyr-Ser-Ala-Leu-Ala-Asn-Lys-Cys-Cys-His- Val-Gly-Cys-Thr-Lys-Arg-Ser-Leu-Ala-Arg-Phe-Cys またはそのN末端から最大約6個のアミノ酸がおよび/またはそのC末端から 最大6個のアミノ酸が切断されたアミノ酸配列を有し、 前記B鎖が次のアミノ酸配列: Asp-Ser-Trp-Met-Glu-Glu-Val-Ile-Lys-Leu-Cys-Gly- Arg-Glu-Leu-Val-Arg-Ala-Gln-Ile-Ala-Ile-Cys-Gly- Met-Ser-Thr-Trp-Ser またはそのN末端から最大5個のアミノ酸がおよび/またはそのC末端から最 大5個のアミノ酸が切断されたアミノ酸配列を有し、 A鎖とB鎖がA11とB11の間でジスルフィド結合により連結されており、リ ラキシンが結合している受容体から結合リラキシントレーサーを置換することが できる、リラキシン様因子。 2.A鎖の5'末端から0〜約6個のアミノ酸が欠失されており、かつA鎖の3'末 端から0〜約6個のアミノ酸が欠失されている、請求項1に記載のリラキシン様 因子。 3.B鎖の5'末端から0〜約5個のアミノ酸が欠失されており、かつB鎖の3'末 端から0〜約5個のアミノ酸が欠失されている、請求項1に記載のリラキシン様 因子。 4.リラキシンによる治療が可能な症状について哺乳動物を治療する方法であっ て、このような治療を必要としている哺乳動物、治療上有効な量の請求項1に記 載のリラキシン様因子を投与することを含んでなる方法。 5.疾病が心臓血管系の疾患、神経変性または神経疾患、洞徐脈、うつ病、脱毛 、または制御不能なまたは異常なコラーゲンもしくはフィブロネクチン形成に関 連した疾患よりなる群から選択される、請求項4に記載の方法。 6.制御不能なまたは異常なコラーゲン形成に関連した疾患が強皮症である、請 求項5に記載の方法。 7.請求項1に記載のリラキシン様因子および製剤上許容される賦形剤を含有す る医薬組成物。 8.リラキシンまたはリラキシン類似体をさらに含有する、請求項7に記載の医 薬組成物。 9.リラキシン様因子とリラキシンが相乗効果を示す量で存在する、請求項8に 記載の医薬組成物。 10.リラキシン様因子が放射性標識されている、請求項1に記載のリラキシン類 似体。 11.結合アッセイにおいて請求項1に記載のリラキシン様因子を使用する方法。 12.リラキシン受容体マッピングのために請求項10に記載の組成のリラキシン様 因子を使用する方法。 13.有効量が0.1〜500μg/kg(体重)/日である、請求項7に記載の医薬組成物。
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