JP2016515137A - アポリポタンパク質模倣体及びその使用 - Google Patents

アポリポタンパク質模倣体及びその使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、有効量のApoE模倣体によってアテローム性動脈硬化症を治療し、前記治療の中止の後でさえ持続する治療効果を提供するための投与計画及び方法を提供する。前記投与計画には治療サイクルとそれに続く休止期が関与し、対象は前記治療サイクルの間に有効量のApoE模倣体が投与され、前記休止期の間にはApoE模倣体は投与されない。前記治療サイクル及び前記休止期は変化することができる。【選択図】図1A、図1B、及び図1C

Description

[関連出願への相互参照]
本出願は、双方ともその全体が参照によって本明細書に組み入れられる2013年3月14日に出願されたUS61/782,956及び2013年6月14日に出願されたUS61/834,992の利益を主張する。
[連邦支援の研究に関する声明]
本発明は、国立衛生研究所によって授与されたR01HL090803のもとで政府の支援を受けた。政府は本発明に特定の権利を有する。
[配列表への参照]
2014年3月14日に創られ、206,473バイトのサイズを有する「21085_0184P1_Sequence_Listing.txt」と名付けられたテキストファイルとしての2014年3月14日に提出された配列表は、37C.F.R.§1.52(e)(5)に従って参照によって本明細書に組み入れられる。
開示される本発明は一般にアテローム性動脈硬化症の治療に関する。特に、治療は、治療サイクル、それに続く、治療を中止した後でさえ長い治療効果を提供する休止期を含む特定の投与計画に関する。
米国では、男性及び女性の双方にて心疾患は主な死亡の原因である。疾患に対する遺伝的素養、性別、喫煙や食事のような生活習慣因子、年齢、高血圧、及び高コレステロール血症含む高脂血症を含む幾つかの原因因子が循環器疾患の発症に関与する。これらの因子の幾つか、特に、高脂血症及び高コレステロール血症(高い血中コレステロール濃度)はアテローム性動脈硬化症に関連する有意なリスク因子を提供する。
アテローム性動脈硬化症は、血管における低密度リポタンパク質(LDL)分子の蓄積が原因で生じる炎症反応に関連する。それは何年間も無症候性である。アテローム性動脈硬化は血管の硬化及び狭窄の原因となる。たとえば、生活習慣の変更、投薬及び内科的治療のような、アテローム性動脈硬化症のために幾つかの治療がある。スタチン類はアテローム性動脈硬化症の周知の治療法である。スタチンは心臓のリスクを減らすことが判明しているが、スタチン療法の中止は保護効果を無効にする(Heeschenら Circulation.105:1446−1452,2002)。
アテローム性動脈硬化症を治療することに対する現在のアプローチは、早期の介入及び生涯にわたる治療を提供することである。このアプローチは、生涯過程の早期に無症状の患者を特定することを必要とし、リスクは年齢と共に増加するために生涯にわたって治療を維持することを必要とするので問題がある。さらに、最も有効な現在利用可能な治療法は、一次の介入であれまたは二次の介入であれ、患者のすべてにおいて主要な心臓事象を防ぐことはできない。従って、アテローム性動脈硬化症を減らすことにおいて迅速な利益を提供することができ、持続する投与を必要としない長期の効果を有する治療法に対するニーズがある。本明細書で開示される組成物及び方法は、治療を中止した後でさえ持続する治療効果を伴うアテローム性動脈硬化症の治療法を提供する。
少なくとも1回の治療サイクルとその後の休止期を含有する投与計画が提供される。提供されるのはまた、少なくとも1回の治療サイクルの間有効量のApoE模倣体を対象に投与することと、その後の休止期を含む、アテローム性動脈硬化症を治療する方法である。投与計画及び治療方法の治療サイクルと休止期は同じであることができる。
投与計画及び治療方法の双方において、治療サイクルは、有効量のApoE模倣体の投与を含有して、アテローム性動脈硬化の減少、動脈壁の硬化の減少、収縮期高血圧の低下、動脈炎症の低下、HDL画分の抗酸化能の増加、及び/または心筋機能の改善によって説明される即時の利益を引き起こし、且つApoE模倣体の中止後持続する治療効果を可能にする。治療サイクルは週1回で4週間のまたは週1回で3ヵ月間の有効量のApoE模倣体の投与を含むことができる。一部の例では、治療サイクルは2週ごとに1回12週間までの有効量のApoE模倣体の投与を含む。
休止期はApoE模倣体が投与されない期間である。休止期は少なくとも4週間であることができる。ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化症治療剤を休止期の間に投与することができる。ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化症治療剤は、たとえば、スタチンまたは胆汁酸金属イオン封鎖剤のような従来の脂質低下剤、及び/または、たとえば、PCSK9阻害剤、VLDL合成阻害剤、及び/またはCETP阻害剤のような治療剤であることができる。
投与計画及び治療方法は双方とも休止期の後に第2の治療サイクルをさらに含むことができる。第2の治療サイクルは、4週間の休止期の後、または最初の治療サイクルの終了から1年以上後に、投与することができる。
ApoE模倣体はhE18A(LRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAF、配列番号1)であることができる。
開示される方法及び組成物の追加の利益は、後に続く説明にて部分的に言及されるであろうし、説明から部分的に理解されるであろうし、または開示される方法及び組成物の実践によって学習されるであろう。開示される方法及び組成物の利点は添付のクレームにて特に指摘される要素及び組み合わせによって実現され、達成されるであろう。前述の一般的な記載及び以下の詳細な記載の双方が例示及び説明のみであり、請求されるような本発明の制約ではないことが理解されるべきである。
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、記載と一緒に開示される方法及び組成物の幾つかの実施形態を説明し、開示される方法及び組成物の原理を説明するのに役立つ。
図1A、図1B、及び図1Cは、mR18Lの設計を示す図である。A):18L、B):m18L及びC):mR18L。 図2は、ApoEヌルマウスで使用された実験プロトコールの模式図である。 図3A、及び図3Bは、血漿コレステロールの量(mg/dl)を示す図である。A)6週間の洋風餌の後2週間の普通餌の後と比べた6週間の洋風餌の後の血漿コレステロールの量(mg/dl)を示す棒グラフである。B)mA18L、hE18Aまたは対照による処理の30日間にわたる血漿コレステロールを示す折れ線グラフである。 図4は、種々の処理(生理食塩水、mR18L、またはhE18A)に対する血漿トリグリセリド(mg/dl)の棒グラフである。 図5A、及び図5Bは、それぞれ異なる処理に対する反応性酸素種(ROS)及びパラオキソナーゼ(PON)の棒グラフである。 図6A、及び図6Bは、異なる溶出における吸光度を示す折れ線グラフの組み合わせを示し、ポリアクリルアミドゲルはHDL分画(29〜32)にてPON−1活性を示すために染色された。A)対照処理した:B)Ac−he18A−NH2処理した。CliP法によって血漿コレステロールリポタンパク質分画を分析した。実線は、点線で示す種々のリポタンパク質分画におけるコレステロール含量を示す。 図7は、60日間にわたる血漿コレステロールレベル(mg/dl)を示す折れ線グラフである。ペプチドを最初の30日間投与した。最終時点は、生理食塩水、mR18LまたはhE18Aによる処理の終了の4週後である。すべての処理群でコレステロールレベルは試験の終了時にて同じだった。 図8A、及び図8Bは、それぞれ異なる処理に対するPON活性及び異なる処理に対するROSの棒グラフである。試料は処理後4週から得た。 図9A、及び図9Bは、hE18Aで処理したマウスにおける処理を4週間中止した後でさえ大動脈病変が減少したことを示す図である。A)異なる処理に対する病変領域のパーセントを示す棒グラフ。B)正面の病変領域を示す染色した組織試料。 図10は、大動脈洞における病変がhE18Aで処理したマウスにて処理を4週間中止した後でさえ減少したことを示す図である。mR18Lは試験終了時、大動脈洞病変に効果を有さなかった。 図11は、試験終了時の他の処理群に比べたhE18Aで処理したマウスの大動脈洞におけるマクロファージ被覆率の低下傾向を示す図である。 図12は、ApoE−/−マウスにて使用された試験設計の模式図である。 図13A、及び図13Bは、対照またはApoE模倣体による処理の後の血漿脂質レベルを示すグラフである。A)コレステロール;B)トリグリセリド。各グラフは、処理を4週間中止した後(対照及びhE18A)の脂質レベル及び処理の4週間直後(対照終了1及びhE18A終了1)の脂質レベルを示す。 図14は、肝臓のコレステリルエステル及び遊離のコレステロールを示す棒グラフである。 図15は、プラークまたは病変について分析された領域を示す大動脈の略図である。 図16は、異なる処理に対する大動脈におけるプラークの比率の棒グラフである。「終了1」は処理の最初の4週間後の結果を表す。「終了2」は処理が4週間中止された後の結果を表す。 図17は、5週目及び8週目での大動脈弓におけるプラーク領域を示す棒グラフである。 図18A、及び図18Bは、拡張領域(A)及び収縮領域(B)を示す図である。
開示される方法及び組成物は、以下の特定の実施形態の詳細な説明及びその中に含まれる実施例及び図面及びその前の及び以下の記載への参照によってさらに容易に理解され得る。
開示される方法及び組成物は、特に特定されない限り、特定の合成法、特定の分析法または特定の試薬に限定されず、そのようなものとして変化し得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される専門用語は特定の実施形態を記載することのみの目的であり、限定するようには意図されない。
A.定義
本明細書で使用される専門用語は特定の実施形態を記載することのみを目的とし、限定するようには意図されない。
本明細書及び添付のクレームで使用されるとき、単数形態「a」、「an」及び「the」は、文脈が特に明瞭に指示しない限り、複数の指示対象を含めることができる。従って、たとえば、「1つの化合物」に対する参照は、化合物の混合物を含み、「1つの医薬キャリア」に対する参照は、2以上のそのようなキャリアの混合物等を含む。
範囲は、「約」1つの特定の値から及び/または「約」別の特定の値までとして本明細書では表現され得る。用語「約」は、大まかにまたは周辺の範囲にて近似的に意味するように本明細書で使用される。用語「約」が数的範囲と併せて使用される場合、言及される数値の上下に境界を拡大することによってその範囲を改変する。一般に、用語「約」は20%の分散によって言及された値の上下に数値を改変するように本明細書で使用される。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態は1つの特定の値から及び/または他の特定の値まで含む。同様に、値が先行する「約」の使用によって近似値として表現される場合、特定の値は別の実施形態を形成することが理解されるであろう。範囲のそれぞれの端点は、他の端点に関して及び他の端点とは無関係にの双方で有意であることがさらに理解されるであろう。
本明細書で使用されるとき、用語「アミノ酸配列」はアミノ酸残基を表す略記、文字、符号または単語のリストを指す。本明細書で使用されるアミノ酸の略記はアミノ酸についての従来の1文字コードであり、以下のように表現される:A、アラニン;C、システイン;D、アスパラギン酸;E、グルタミン酸;F、フェニルアラニン;G、グリシン;H、ヒスチジン;I、イソロイシン;K、リジン;L、ロイシン;M、メチオニン;N、アスパラギン;P、プロリン;Q、グルタミン;R、アルギニン;S、セリン;T、スレオニン;V、バリン;W、トリプトファン;Y、チロシン。
本明細書で使用されるとき、用語「ApoE模倣体」はアポリポタンパク質Eを模倣するペプチドと相互交換可能である。ApoE模倣体はApoEに関連する、それの特徴である、またはそれを模倣するペプチドである。ApoE模倣体にはApoEペプチド(すなわち、完全長ApoEに由来するペプチド)が含まれる。
「投与計画」は本明細書で使用されるとき、少なくとも1回の休止期が後に続く少なくとも1回の治療サイクルを指す。投与計画は1回を超える治療サイクルと1回を超える休止期を含むことができる。たとえば、投与計画は、3ヵ月の治療サイクルとその後の1年の休止期であることができる。別の例は6ヵ月の治療サイクルとその後の6ヵ月の休止期、次いで3ヵ月の治療サイクルとその後の1年の休止期であることができる。
本明細書で使用されるとき、用語「治療サイクル」は確立された期間のApoE模倣体の投与を指す。治療サイクルには、広い範囲のApoE模倣体の投与量及び異なる長さの時間のApoE模倣体の投与が含まれる。たとえば、治療サイクルは、ApoE模倣体が週に2回、3ヵ月間投与される3ヵ月間であることができる。
「用量」または「投与量」は本明細書で使用されるとき、特定の時間に服用される、たとえば、ApoE模倣体のような治療剤の特定の量を指す。
本明細書で使用されるとき、「有効量」は所望の効果を提供するための組成物またはApoE模倣体の十分な量を意味することとする。たとえば、ApoE模倣体の有効量は、治療効果を提供し、且つ治療の中止後、持続する治療効果を提供する量であることができる。ApoE模倣体の有効量は、アテローム性動脈硬化の減少、動脈壁硬化の減少、収縮期高血圧の低下、動脈炎症の減少、HDL分画の抗酸化能の上昇及び/または心筋機能の改善によって説明される利益を生じることができる量であると共に、ApoE模倣体の中止の後、持続する治療効果を可能にする量である。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢及び全身状態、治療される疾患の(または根底にある遺伝的欠陥)の重症度、使用される特定の化合物、投与の方式等に応じて対象から対象で異なるであろう。従って、正確な「有効量」を特定するのは可能ではない。しかしながら、およその「有効量」はごく普通の実験のみを用いて当業者によって決定され得る。
本明細書で使用されるとき、「持続する治療効果」は治療が中止された後、持続する治療効果である。たとえば、持続する治療効果は急性のコレステロール低下効果がなくなった後でさえ維持される。
「休止期」は本明細書で使用されるとき、ApoE模倣体が投与されない時期を指す。
アテローム性動脈硬化症の負荷は本明細書で使用されるとき、患者の動脈におけるアテローム性動脈硬化の量である。これには、冠状動脈、頸動脈、末梢動脈及び他の動脈が含まれ得る。粉瘤は、線維性被膜、石灰化の領域、コレステロール結晶及びコレステロールを運ぶマクロファージ(泡沫細胞)を含有する平滑筋とコラーゲンを伴った複雑な病変、及び/または石灰化の少ない、薄い線維性被膜で泡沫細胞とコレステロールが多いあまり複雑ではないさらに不安定な病変(不安定病変)であり得る。不安定病変は動脈の内腔に侵入し、または動脈の内腔から拡張し得る。
「ペプチド」は本明細書で使用されるとき、任意のペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、遺伝子産物、発現産物またはタンパク質を指す。ペプチドは連続するアミノ酸で構成される。用語「ペプチド」は天然に存在する分子または合成の分子を包含する。
単語「または」は本明細書で使用されるとき、特定のリストの任意の1つのメンバーを意味し、そのリストのメンバーの任意の組み合わせも含む。
本明細書で使用されるとき、「逆方向付けされる」、「逆方向付け」、「逆類似体」または「逆配列」は逆に方向付けされないペプチドに比べて逆のアミノ酸配列を有する(すなわち、元々の配列が右から左に読まれる(または書かれる))ペプチドまたはペプチドの一部を指す。たとえば、1つのペプチドがアミノ酸配列ABCDEを有するとすると、逆配列を有する逆類似体または逆ペプチドは以下:EDCBAである。二重ドメインペプチド、たとえば、Ac−hE−18A−NH2では、hE配列が右から左に読まれる、または18A配列が右から左に読まれる。LRKLRKRLLR−DWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号1)の逆類似体は、RLLRKRLKRL−DWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号2)またはLRKLRKRLLR−FAEKLKEAVKDYFAKLWD(配列番号3)であることができる。
本明細書で使用されるとき、「二重ドメインペプチド」、「二重ドメイン合成ペプチド」または「二重ドメインApoE模倣ペプチド」は脂質関連のペプチド/ドメイン及び受容体結合のペプチド/ドメインを含むペプチドを意味することとする。
本明細書で使用されるとき、「単一ドメインペプチド」、「単一ドメイン合成ペプチド」または「単一ドメインApoE模倣ペプチド」は脂質関連のペプチド/ドメインまたは受容体結合のペプチド/ドメインを含むが、双方を含まないペプチドを意味することとする。
本明細書で使用されるとき、「ドメイン交換された」、「交換されたドメイン」または「交換された」ペプチドは、脂質関連ペプチドが合成のアポリポタンパク質E模倣ペプチドのN末端にあるように脂質関連ペプチドをアポリポタンパク質Eの受容体結合ドメインに共有結合させることを意味することとする。たとえば、ペプチド18A−hEはドメイン交換されたペプチドの例示である。
本明細書で使用されるとき、「スクランブルされた」、「スクランブルされた型」または「スクランブルされたペプチド」は、アミノ酸配列の組成はスクランブルされないペプチドと同じであるが、アミノ酸の配列が変えられるので、ペプチドがα−両親媒性の螺旋を形成できなくなるまたは脂質関連(またはHSPG関連)の特性を持たないことを意味することとする。しかしながら、場合によっては本発明で記載されるように、スクランブルされたペプチドは、たとえば、π螺旋のような異なる螺旋構造を形成できるままである。たとえば、ペプチドの1つがアミノ酸配列ABCDEを有するならば、ペプチドのスクランブルされた型はアミノ酸配列DEABCを有し得る。スクランブルされたペプチドはスクランブルされるペプチドの部分より前に「Sc」を有するとして示されることが多い。たとえば、Sc−hE−18AはペプチドのhE部分がスクランブルされることを意味する。
本明細書で使用されるとき、「試料」は、動物;動物に由来する組織または臓器;細胞(対象の中の、対象から直接採取された、または培養で維持された若しくは培養された細胞株に由来する細胞);細胞溶解物(または溶解分画);または細胞抽出物;または細胞若しくは細胞性物質(たとえば、ポリペプチドまたは核酸)に由来する1以上の分子を含有する溶液を意味することとし、それらは本明細書で記載されるようにアッセイされる。試料は、細胞または細胞成分を含有する任意の体液又排泄物(たとえば、血液、尿、糞便、唾液、涙液、胆汁、しかし、これらに限定されない)でもあり得る。
本明細書で使用されるとき、「対象」は投与の標的、たとえば、動物を指す。従って、開示される方法の対象は脊椎動物、たとえば、哺乳類であることができる。たとえば、対象はヒトであることができる。その用語は特定の年齢または性別を意味しない。対象は「個体」または「患者」と相互交換可能に使用することができる。
本明細書で使用されるとき、「調節する」は上昇させることまたは低下させることによって変化させることを意味することとする。
本明細書で使用されるとき、「脂質結合ドメインE」及び「脂質関連ペプチド」は相互交換可能に使用される。本明細書で使用されるとき、双方の用語はアポリポタンパク質Eの脂質結合ドメインを意味することができる。
本明細書で使用されるとき、「単離されたポリペプチド」または「精製されたポリペプチド」は、そのポリペプチドが天然で普通会合している物質を実質的に含まないポリペプチド(またはその断片)を意味することとする。本発明のポリペプチドまたはその断片は、たとえば、天然の供給源(たとえば、哺乳類細胞)からの抽出によって、ポリペプチドをコードする組換え核酸の発現(たとえば、細胞にてまたは無細胞変換系にて)によって、またはポリペプチドを化学的に合成することによって得ることができる。加えて、ポリペプチド断片はこれらの方法のいずれかによって、または完全長のタンパク質及び/またはポリペプチドを切断することによって得ることができる。
本明細書で使用されるとき、「治療する」は、疾患または状態の影響の悪化を防ぐ若しくは遅らせる、または疾患の影響を部分的にまたは完全に反転するために、アテローム性動脈硬化症を有する、たとえば、ヒトまたは他の哺乳類(たとえば、動物モデル)のような対象に開示される組成物の1つを投与することを意味することとする。
本明細書で使用されるとき、「防ぐ」は、アテローム性動脈硬化症を発症することに対して高い感受性を有する対象がアテローム性動脈硬化症を発症する機会を出来るだけ減らすことを意味することとする。
本明細書で使用されるとき、「リポタンパク質(単数)」または「リポタンパク質(複数)」はタンパク質と脂質を含有する生化学的集合体を意味することとする。脂質またはその誘導体がタンパク質に共有結合し得るまたは非共有結合し得る。多数の酵素、トランスポータ、構造タンパク質、抗原、付着因子及び毒素はリポタンパク質である。例には、血液の高密度及び低密度のリポタンパク質、ミトコンドリア及び葉緑体の膜貫通タンパク質、及び細菌のリポタンパク質が挙げられる。
本明細書で使用されるとき、「高密度リポタンパク質」(HDL)はコレステロールを輸送することができるそのサイズが幾分変化する(直径8〜11nm)リポタンパク質のクラスを意味することとする。HDLコレステロールはHDLに会合するコレステロールである。血中コレステロールの約1/4〜1/3が高密度リポタンパク質(HDL)によって運ばれる。HDLコレステロールは、高レベルのHDLが心臓発作に対して保護すると思われるので「善玉」コレステロールとして知られる。低レベルのHDL(男性で40mg/dL未満及び女性で50mg/dL未満)も心臓疾患のリスクを高める。医療専門家は、HDLは体から受け渡されるとコレステロールを動脈から肝臓に戻す傾向があると考えている。一部の専門家はHDLは動脈プラークから過剰なコレステロールを取り除くのでその集積を遅らせると考えている。
本明細書で使用されるとき、「超低密度リポタンパク質」(VLDL)はリポタンパク質のサブクラスを意味することとする。それは肝臓にてコレステロールとアポリポタンパク質から組み立てられる。それは血流で低密度リポタンパク質(LDL)に変換される。VLDL粒子は30〜80nmの直径を有する。VLDLは、カイロミクロンは外因性(食事性)の産物を輸送する場合、内在性の産物を輸送する。
本明細書で使用されるとき、「低密度リポタンパク質」または「LDL」は、サイズが変化し(約22nm)、それらが実際に質量分布とサイズ分布を有する変化する数のトリグリセリドとコレステリルエステルを含有することができるリポタンパク質を意味することとする。各ネイティブなLDL粒子は単一のアポリポタンパク質B−100分子(ApoB−100、4536アミノ酸アミノ酸残基のタンパク質)と、トリグリセリド及びコレステリルエステルを取り囲むリン脂質被膜とを含有し、水性環境でそれらを可溶性に保持する。LDLは一般に悪玉コレステロールと呼ばれる。LDLコレステロールはLDLに会合するコレステロールである。多すぎるLDLコレステロールが血中を循環すると、心臓や脳を養う動脈の内壁にそれはゆっくり集積することができる。ほかの物質と一緒に、それは、動脈を狭くし、柔軟性をなくす厚くて硬い沈着物であるプラークを形成することができる。この状態がアテローム性動脈硬化として知られる。血栓が生じ、狭い動脈を遮断すると、その時、心臓発作または卒中が生じ得る。
コレステロールは血液に溶解することはできない。それは、リポタンパク質と呼ばれるキャリアによって細胞まで及び細胞から輸送されなければならない。LDL及びHDLはトリグリセリドが豊富なリポタンパク質(VLDL)及びLp(a)コレステロールと共に総コレステロール量を構成し、それは血液検査によって測定することができる。
語句「核酸」は本明細書で使用されるとき、Watson/Crickの塩基対合によって相補性の核酸とハイブリッド形成することが可能であるDNAまたはRNAまたはDNA/RNAハイブリッド、一本鎖または二本鎖、センスまたはアンチセンスにかかわらず、天然に存在するまたは合成のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを指す。本発明の核酸には、ヌクレオチド類似体(たとえば、BrdU)、及び非ホスホジエステルヌクレオチド間結合(たとば、ペプチド核酸(PNA)またはチオジエステル結合)も含まれることができる。特に核酸には、限定しないでDNA、RNA、cDNA、gDNA、ssDNA、dsDNAまたはそれらのいずれかの組み合わせを挙げることができる。
特に定義されない限り、本明細書で使用される専門用語及び科学用語はすべて開示される方法及び組成物が属する技術の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で記載されるものに類似するまたはそれと同等である方法及び材料を本方法及び組成物の実践または試験にて使用することができるけれども、特に有用な方法、装置及び材料は記載されるようなものである。本明細書で引用される出版物及びそのためにそれらが引用される材料は参照によって本明細書に具体的に組み入れられる。以前の発明のために本発明がそのような開示に先行するように権利が与えられないという承認として解釈されるものは何もない。参照が従来技術を構成するという承認は為されない。参照の議論は、著者らが主張するものを述べ、出願者らは引用された文書の正確さ及び適切性に挑戦する権利を保有する。多数の出版物が本明細書で参照されるが、そのような参照はこれらの文書のいずれかが当該技術における共通する一般常識の一部を形成するという承認を構成しないことが明瞭に理解されるであろう。
B.投与計画
本明細書で開示されるのは、有効量のApoE模倣体の少なくとも1回の治療サイクルとそれに続く休止期を含む投与計画である。投与計画の休止期はApoE模倣体が投与されない期間である。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルとそれに続く休止期を含む投与計画であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止の後、持続する治療効果を可能にすることを含み、ApoE模倣体は休止期の間、投与されない。ApoE模倣体の有効量は持続する治療効果を生じるだけでなく、それは急性の有益な効果を引き起こすのに十分な量でもある。従って、ApoE模倣体の効果は、治療サイクルの間、治療サイクルの終了時、及び休止期の間に測定することができ、見ることができる。持続する治療効果は急性のコレステロール低下効果がなくなった後でさえ見られる治療効果である。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルとそれに続く休止期を含む投与計画であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止の後、持続する治療効果を可能にすることを含み、ApoE模倣体は休止期の間、投与されず、治療サイクルは週に1回で3ヵ月間の有効量のApoE模倣体の投与を含み、または治療サイクルは2週ごとに1回の12週間までの有効量のApoE模倣体の投与を含む。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルとそれに続く休止期を含む投与計画であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止の後、持続する治療効果を可能にすることを含み、ApoE模倣体は休止期の間、投与されず、投与計画はさらに休止期の後に第2の治療サイクルを含む。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルとそれに続く休止期を含む投与計画であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止の後、持続する治療効果を可能にすることを含み、ApoE模倣体はアミノ酸配列LRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号1)から成り、ApoE模倣体は休止期の間、投与されない。一部の例では、アミノ酸配列LRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号1)は、アミノ末端を保護するアセチル基及びカルボキシル末端を保護するアミド基で末端保護される。
投与計画はさらに休止期の後に第2の治療サイクルを含むことができる。第2の休止期は第2の治療サイクルの後に存在することができる。一部の例では、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の治療サイクルを投与することができ、各治療サイクルには休止期が続く。態様の1つでは、投与計画は無限の治療サイクルを含み、それぞれそれには休止期が続く。たとえば、対象は、生涯にわたって連続する治療サイクルとそれに続く休止期を含む投与計画を処方され得る。
態様の1つでは、第2の投与計画はアテローム性動脈硬化病変の再発または他のアテローム性動脈硬化因子に基づいて処方することができる。第2の投与計画は当初の投与計画が投与された1、2、3、4、5年後、または5年を上回った後に投与することができる。第2の投与計画は当初の投与計画と同じであることができ、または異なることができる。たとえば、当初の投与計画は3ヵ月の治療サイクルとそれに続く1年の休止期であることができる。1年の休止期の後、対象を検査することができ、アテローム性動脈硬化病変が再び集積しているのであれば、その時は、別の3ヵ月の治療サイクルとそれに続く休止期または6ヵ月の治療サイクルとそれに続く休止期から成る第2の投与計画を処方することができる。ApoE模倣体の用量は当初の投与計画とさらに処方される投与計画との間で変化することができる。
1.治療サイクル
治療サイクルは様々な投与量のApoE模倣体の投与と同様に様々な時点での投与を含むことができる。ApoE模倣体は6ヵ月までの種々の時間量で投与することができる。一部の例では、投与は1、2、3、4、5または6ヵ月までの間で存在することができる。たとえば、ApoE模倣体は週に1回、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、または24週間投与することができる。
各治療サイクルの時間の長さは、投薬当たり投与されるApoEの量に応じて変化することができる。治療サイクルは週に1回、2回または3回のApoE模倣体の投与を含むことができる。一部の態様では、ApoE模倣体を毎日投与することができる。一部の態様では、ApoE模倣体を2週ごとに1回または月に1回でさえ投与することができる。一部の態様では、ApoE模倣体を2週ごとに4、6、8、10、12、14、16、18、20、22または24週間投与することができる。たとえば、治療サイクルは週に1回で4週間または2週ごとに1回で6ヵ月までApoE模倣体を投与することを含むことができる。従って、各治療サイクルは投与について確立した長さの時間と同様にその時間枠の間、確立した投薬スケジュールを含む。
態様の1つでは、治療サイクルの間に1を超えるApoE模倣体を投与することができる。1を超えるApoE模倣体は一緒にまたは別々の組成物にて製剤化することができる。一部の例では、1以上のApoE模倣体が、たとえば、コレステロール低下薬のような1以上の他の治療剤と併用して投与される。
2.休止期
開示される治療サイクルは少なくとも1回の治療サイクルとそれに続く休止期を含む。休止期はApoE模倣体が投与されない時期であり、時期の長さは変化することができる。休止期の長さは治療サイクルの間に投与されたApoE模倣体の持続する治療効果がどれだけ長く続くかに依存する。一部の例では、休止期は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12ヵ月であることができる。一部の例では、休止期は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10年であることができる。たとえば、休止期は少なくとも4週間(1ヵ月)であることができる。
休止期がどれくらい長く続くべきかを決定する方法の1つは、対象を検査して対象の動脈にてアテローム性動脈硬化の負荷の進行を判定することである。アテローム性動脈硬化の負荷が循環器疾患のリスクを高めるレベルまで進行しているのであれば、その時は対象は第2の投与計画を処方され得る。アテローム性動脈硬化の負荷が安定しているのであれば、その時は休止期を延長することができる。対象を定期的に検査することができる。たとえば、3、6、9、12、18、24、30または36ヵ月ごとに対象を検査することができる。
態様の1つでは、休止期は、治療サイクルの間に投与されるApoE模倣体の量及び達成されるアテローム性動脈硬化の軽減に応じて減らすことができ、または延ばすことができる。たとえば、治療サイクルの間でApoE模倣体の用量が増し、アテローム性動脈硬化の負荷が実質的に軽減するのであれば、休止期を延ばすことができる。休止期の長さはまた治療サイクルの長さに基づいても変化することができる。たとえば、対象が特定の用量のApoE模倣体を週に1回3ヵ月間受け取っているのであれば、その時、休止期は同じ用量のApoE模倣体を週に1回6ヵ月受け取っている対象よりも短い可能性がある。
ApoE模倣体は休止期の間には投与されないが、ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化治療剤は休止期の間に投与することができる。ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化治療剤は、従来の脂質低下剤、たとえば、スタチン、胆汁酸金属イオン封鎖剤またはフィブラート、またはCETP阻害剤、VLDL合成阻害剤、PCSK9阻害剤のような新規のアテローム性動脈硬化治療剤、及び/または動脈炎症阻害剤であることができる。
一部の例では、ApoE模倣体の有益な効果は治療サイクルが完了した後でさえ対象にて依然として存在することができる。一例では、ApoE模倣体の半減期は1、2、3、4、5、10、15、20、25または30日未満である。一部の例では、ApoE模倣体は治療サイクルが完了した後の対象にてもはや検出可能ではない。従って、長期の治療効果は残留するApoE模倣体に由来するものではない。
3.用量
ApoE模倣体の用量または投与量は、たとえば、患者における年齢、状態、性別及び疾患の程度、投与の経路、治療サイクルの長さ、または他の薬剤が計画に含まれるどうかのような、しかし、これらに限定されない多数の因子に応じて変化することができ、当業者によって決定されることができる。
有効な投与量は経験的に決定することができ、そのような決定を行うことは当該技術の技量の範囲内である。組成物の投与のための投与量範囲は、疾患が治療される所望の効果を生じるのに十分大きなものである。たとえば、投与量は、治療効果を提供するのに有効な量、及び治療(すなわち、ApoE模倣体)が中止された後でさえ持続する治療効果を提供するまたは可能にするのに有効な量であることができる。治療効果は、アテローム性動脈硬化病変の軽減、動脈壁硬化の減少、収縮期高血圧の低下、血管応答性の上昇、心機能の改善、四肢への血流の増加、跛行の低下、足首上腕圧指標の上昇、四肢遠位部創傷の治癒の改善であることができるが、これらに限定されない。治療効果は、たとえば、C反応性タンパク質のような、しかし、これに限定されない動脈炎症のマーカーによって測定することができる。治療効果は、MRI、血管内超音波、超高速画像CTスキャン、Bモード超音波検査、仮想組織学、血管内超音波、光干渉性断層撮影、または他の既知の方法を含むアテローム性動脈硬化画像診断法によって測定することができる。
投与量は、たとえば、望ましくない交差反応、アナフィラキシー反応等のような有害な副作用を起こすほど大きくすべきではない。投与量は、対抗適応の事象にて個々の内科医によって調整され得る。投与量は変化することができ、毎日1以上の用量投与で1日または数日間投与することができる。医薬品の所与のクラスについて適当な投与量についての文献にて指針を見いだすことができる。
好適な投与量には、0.01mg/kg〜10mg/kgの間の量が挙げられるが、これらに限定されない。たとえば、本明細書で開示されるのは対象に開示されるApoE模倣体の1以上を投与することを含む方法であり、その際、ApoE模倣体は約0.15mg/kg〜約5mg/kgの量で投与される。
ApoE模倣体の用量をボーラス注射としてまたは1時間以上の点滴として投与することができる。
4.ApoE模倣体
開示されるのはアポリポタンパク質−Eを模倣するペプチドまたはApoE模倣体である。ApoE模倣体の非限定例が本明細書で提供される。ApoE模倣体は単一ドメインまたは二重ドメインのペプチドであることができる。ApoE模倣体を含有する組成物も開示される。
アポリポタンパク質E模倣体は、肝臓における受容体に代替リガンドを提供してアテローム形成性のアポリポタンパク質Bを含有するリポタンパク質(LDL、VDLD及びβ−VLDL)を一掃することによる直接的なコレステロール低下効果、及び動脈壁に対する直接的な有益効果の双方を有する。冠状アテローム性動脈硬化を画像化する新しいさらに効果的な方法は動脈壁に対する利益の直接的な測定を可能にする(Van Velzenら.Hellenic J Cardiol、50:245−263,2009)。ApoE模倣体は動脈壁からのコレステロールの除去を高め、HDLと併せて機能し、マクロファージからコレステロールを受け入れる脂質が乏しいプレβ−HDLの形成を高める。ApoE模倣体は、動脈壁における死細胞及び死んでいく細胞のマクロファージが介在するクリアランスを刺激し(貪食除去)、PON−1レベルを上昇させ、血漿脂質ヒドロペルオキシドのレベルを下げることによってHDLの質を改善し、アテローム性動脈硬化病変におけるマクロファージを減らしてさらに安定な病変を生じ、動脈壁における炎症を低下させることができる。その結果、ApoE模倣体はアテローム性動脈硬化病変のサイズをさらに迅速に且つスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害剤)よりもはるかに大きく減らす。図7及び11は、コレステロールのレベルが生理食塩水処理の動物と同じである場合でさえ、ApoE模倣体で処理した動物にてアテローム性動脈硬化病変の退行が持続することを示す。従って、効果はコレステロールの低下によって単純には説明することができない。
i.アポリポタンパク質E
アポリポタンパク質E(ApoE)は、たとえば、超低密度リポタンパク質(VLDL)及びカイロミクロンのようなトリグリセリドが豊富なリポタンパク質の代謝において重要な役割を担う。アポリポタンパク質Eは、低密度リポタンパク質(LDL)受容体(ApoB、E受容体)及び、LDL受容体関連タンパク質(LRP)、超低密度リポタンパク質(VLDLR)及びApoE2受容体(ApoE2R)を含む遺伝子ファミリーのメンバーへのApoE含有リポタンパク質の高親和性結合に介在する(Mahley,R.W.,(1988)Science、240,622−630)。アテローム性動脈硬化におけるApoEの推定上の複雑な役割は、幾つかの所見:(i)ヒトのApoEを過剰発現するマウスは低レベルの血漿総コレステロールを有する(Shimono,H.N.,ら,(1992)、Eur.J.Clin.Invest.90,2084−2991)、(ii)コレステロールを食べさせたウサギへのヒトApoEの静脈内注射はこれらの動物をアテローム性動脈硬化から保護する(Yamada,ら,(1989)、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.86,665−669)、及び(iii)マウスにおけるApoE遺伝子の喪失は自然発生のアテローム性動脈硬化を生じ(Zhang,S.H.ら,(1992)、Science、258,468−471)、それはApoE欠損マウスにてマクロファージ特異的なapoE発現が開始されると改善する(Spangenberg,J.ら,(1997)、Biochem.Biophys.Acta、1349,109−121)、という所見によって強調されている。
ApoEは脂質を結合し、2つの主なドメインを有するタンパク質である(Mahley,R.W.ら J.Lipid Res.1999,40:622−630)。22kDのアミノ末端ドメインはX線結晶学試験によって4−螺旋束であり(Wilson,C.ら Science、1991;252:1817−1822)、正に荷電した受容体結合ドメインを含有することが示されている。受容体への超低密度リポタンパク質(VLDL)の結合に介在するこの領域については、アポリポタンパク質はリポタンパク質表面に会合しなければならず、これはC末端の両親媒性の螺旋領域によって可能になる。正に荷電した受容体結合ドメインを含有する4−螺旋束がリポタンパク質表面で広がらなければ、その時、VLDLは受容体への結合で不完全である。従って、アテローム形成性のApoE含有リポタンパク質の取り込みを高めるには、ApoEの正に荷電したアルギニン(Arg)リッチクラスタードメインとC末端の両親媒性の螺旋ドメインの双方が必要とされる。
ApoEは、34,200の分子量を持つ299アミノ酸残基のタンパク質として分泌される。ApoEのC末端領域(192〜299)が高トリグリセリド血症のVLDLへのその結合に必須であり、N末端の22kDaの断片(1〜191)はLDL−Rに結合する(Bradley,W.A.ら,(1986)、J.Lipid Res.27,40−48)という事実を説明するのに、ApoEの2つの断片へのトロンビン切断に基づいて、2ドメイン仮説が当初提案された。タンパク質及びその変異体の追加の物理化学的な性状分析はこの概念を拡大し、領域192〜211はリン脂質に結合する一方で、アミノ末端ドメイン(1〜191)は4−螺旋束にてLDL受容体結合ドメインを含有する球状構造であることを示した(Wilson,C.ら,(1991)、Science、252,1817−1822)。合成ペプチド(Sparrowら Biochemistry、31(4):1065−8,1992)及びモノクローナル抗体による研究は、正に荷電したアミノ酸、Arg及びLysにて濃縮されるドメインである残基129〜169の間でapoEのLDL受容体結合ドメインを正確に示した(Rall,S.C.,Jr.ら,(1982)、PNAS USA、79,4696−4700;Lalazar,A.ら,(1988)、J.Biol.Chem.263,3542−2545;Dyer,C.A.ら,(1991)、J.Biol.Chem.296,22803−22806;及びDyer,C.A.ら,(1991)、J.Biol.Chem.266,15009−15015)。
最少限のアルギニンリッチApoE受容体結合ドメイン(141〜150)が、クラスAの両親媒性螺旋に共有結合した場合、低密度リポタンパク質(LDL)及び超低密度リポタンパク質(VLDL)の取り込み及びクリアランスを高めるのに十分だったという仮説を調べるために、ペプチドを合成し、ヒトApoEの受容体結合ドメインLRKLRKRLLR(配列番号4)(hApoE[141−150]、「hE」とも呼ばれる)を18A、よく特徴付けられた高親和性の脂質関連ペプチド(DWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号5)、「18A」とも呼ばれる)に連結し、hApoE[141−150]−18A(「hE−18A」とも呼ばれる)を作出した(特定のApoE模倣体及びその使用を教示するために、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる米国特許第6,506,880号を参照のこと)。合成したのはまた、Ac−hE18A−NH2と呼ばれるhE−18Aの末端保護された類似体だった。2つの類似体、LRRLRRRLLR−18A(配列番号6)(「hE(R)−18A」とも呼ばれる)及びLRKMRKRLMR−18A(配列番号7)(「mE18A」とも呼ばれる)を用いて、受容体結合ドメインにおけるリジン残基の重要性及び疎水性残基の役割も調べ、それによってヒトApoEの受容体結合ドメインを修飾し、143位及び146位にてアルギニン(R)残基をリジン(K)残基に置換し(LRRLRRRLLR、配列番号6)、且つそれによって、マウスApoEの受容体結合ドメイン(LRKMRKRLMR、配列番号7)をそれぞれ18Aに連結した。次いで細胞によるヒトLDL/VLDLの取り込み及び分解に対する二重特性ペプチドの効果を測定した。
誘導されたLDL受容体を伴ったMEF1細胞にて、LDLの内部移行を、それぞれAc−mE−18A−NH2、Ac−hE−18A−NH2及びAc−hE(R)−18A−NH2によって3回、5回及び7回、増強することを測定した。3つのペプチドはすべてLDLの分解を100パーセント高めた。Ac−hE−18A−NH2及び対照ペプチドAc−18A−NH2は双方ともVLDLと相互作用し、VLDLからのapoEの置換を引き起こした。しかしながら、Ac−hE−18A−NH2が会合したVLDLだけがapoEの非存在にもかかわらず、単独でのVLDLに比べてVLDLの取り込みを6倍及び分解を3倍高めた。しかしながら、これらのペプチドの存在下での線維芽細胞へのLDLの結合は調べたLDLの濃度範囲にわたって飽和できなかった。
さらに、LDL受容体関連タンパク質(LRP)またはLDL受容体または双方の存在に無関係なLDL内部移行の類似する増強が見られた。しかしながら、ヘパリナーゼ及びヘパリチナーゼによる細胞の事前処理は、細胞による増強されたペプチド介在性のLDLの取り込み及び分解をその80%を超えて無効にした。データは、二重ドメインペプチドが両親媒性の脂質結合ドメイン(18A)を介したLDLへの結合によってLDLの取り込み及び分解を高めることを示した。しかしながら、最少限の141〜150のArgリッチドメインはLDLレベルを低下させなかったが、18A脂質関連ドメインとの組み合わせでのみ低下させ、LDL受容体結合を付与しなかったが、線維芽細胞による取り込み及び分解のためのHSPG経路にLDL/ペプチド複合体を向けた。
ii.単一ドメインペプチド
開示されるのは単一ドメインの合成ApoE模倣体である。単一ドメインの合成ApoE模倣体はApoEの受容体結合ドメインまたは脂質関連ペプチドから成ることができる。
a.受容体結合ドメインペプチド
合成ApoE模倣体のための受容体結合ドメインペプチドはApoEのヒト受容体結合ドメインペプチドであることができる。たとえば、開示される合成ApoE模倣体の受容体結合ドメインペプチドはLRKLRKRLLR(配列番号4)、LRRLRRRLLR(配列番号6)、またはLRKLRKRFFR(配列番号7)のアミノ酸配列を含むことができる。そのような合成ApoE模倣体の受容体結合ドメインペプチドはまた、マウス、ウサギ、サル、ラット、ウシ、ブタ及びイヌから成る群から選択される種に由来することができる。
開示される合成ApoE模倣体にて使用することができる受容体結合ドメインペプチドの例は表1にて提供される。
表1におけるイタリック体の残基はヒトの配列からの変化を示すが、アミノ酸の特性は保存されている。表1における太字イタリック体の残基はその位置でのヒトの配列との差異を示す。
合成ApoE模倣体のための受容体結合ドメインペプチドはまた、アポリポタンパク質B(ApoB)のLDL受容体(LDLR)結合ドメインでもあることができる。ApoBのLDL受容体(LDLR)結合ドメインは配列RLTRKRGLK(配列番号13)を有することができる。ApoB−100はLDL受容体の結合ドメインとして役立つ9つのアミノ酸(3359〜3367)を持つ550,000Daの糖タンパク質である(Segrestら,J.Lipid.Res.42,pp.1346−1367(2001))。クラスリン被覆ピットにおけるLDLRへの結合の際、LDLはエンドサイトーシスを介して内部移行し、pHの低下が受容体をLDLから解離させるエンドソームに移動する。受容体は細胞の表面に戻って再利用される一方で、LDLは粒子が分解されるリソソームに移動する(Goldsteinら,Ann.Rev.Cell Biol.1,pp.1-39(1985))。ApoBのLDL受容体(LDLR)結合ドメインは開示されるペプチドと共に使用される場合、ApoEについて本出願全体を通して記載されるように変化させ、及び/または修飾することもできる。たとえば、ApoBのLDL受容体(LDLR)結合ドメインは開示される脂質関連ペプチドと共に使用することができ、その際、ApoBのLDL受容体(LDLR)結合ドメインは前記脂質関連ペプチドに共有結合される。加えて、ApoBのLDL受容体(LDLR)結合ドメインはスクランブルすることができ、逆方向性にすることができ、以下で記載されるようなドメイン交換ペプチドの一部であることができる。
b.脂質関連ペプチド
脂質関連ペプチドは単独で使用することができ、またはApoE模倣ペプチドと併用して使用することができる。これらの合成ApoE模倣体のための脂質関連ペプチドは、非極性の面にて芳香族または脂肪族の残基を有するApoA−IのクラスAの両親媒性の螺旋ペプチド、apoA−IのクラスAの両親媒性の螺旋ペプチド模倣体、ペンタペプチド、テトラペプチド、トリペプチド、ジペプチド及びアミノ酸の対を含む小さなペプチド、Apo−J(G*ペプチド)及び、たとえば、以下で記載されるようなペプチド模倣体であることができるが、これらに限定されない。
(A)クラスAの両親媒性の螺旋ペプチド
態様の1つでは、開示される方法での使用のための脂質関連ペプチドには、たとえば、米国特許第6,664,230号及びPCT公開WO02/15923及びWO2004/034977にて記載されたようなクラスAの両親媒性の螺旋ペプチドが挙げられる。クラスAの両親媒性の螺旋を含むペプチド(「クラスAのペプチド」)はアテローム性動脈硬化症の1以上の症状を緩和すると同様に他の障害を治療することが可能であることが発見された。
クラスAのペプチドは、極性と非極性の残基の分離を生じ、それによって極性の面と非極性の面を形成し、正に荷電する残基は極性/非極性の界面に存在し、負に荷電する残基は極性の面の中心に存在するα−螺旋の形成を特徴とする(たとえば、Anantharamaiah(1986)、Meth.Enzymol,128:626−668を参照)。apoA−Iの第4エクソンは3.667残基/ターンに折り畳まれるとクラスAの両親媒性の螺旋構造を生じることが言及される。
18Aと命名されたクラスAのペプチドの1つ(たとえば、Anantharamaiah(1986)、Meth.Enzymol,128:626−668を参照)は、本明細書で記載されるように修飾されて、経口で投与可能な且つ、アテローム性動脈硬化症の1以上の症状及び/または本明細書で記載されるような他の適応を抑制するまたは予防することに高度に有効であるペプチドを生じた。特定の理論に束縛されないで、開示されるペプチドはLDLの酸化を軽減する播種分子を取得することによって生体内で作用することができると考えられる。
18Aの疎水性面におけるPhe残基の数を増やすことは、Palgunachariら (1996)、Arteriosclerosis,Thrombosis,& Vascular Biol.16:328−338によって記載された計算により判定されたように脂質の親和性を高めることができる。理論的には、18Aの非極性面での残基のPheによる手順通りの置換は6ペプチドが得られ得る。追加の2、3及び4のPheを伴うペプチドはそれぞれ13、14及び15単位の理論的な脂質親和性(λ)値を有し得る。しかしながら、追加のPheが4から5に増すと、λ値は4単位急増した(19λ単位に)。6または7のPheに増やすことはあまり劇的な増加を生じなかった(それぞれ20及び21λ単位に)。
4F、D4F、5F及びD5F等と名付けられたペプチドを含めて多数のこれらクラスAのペプチドが作製された。種々のクラスAのペプチドはアテローム性動脈硬化感受性のマウスにて病変の発症を阻害した。加えて、ペプチドは、本明細書で記載される種々の病態の1以上の症状を緩和することにおいて様々な、しかし、有意な程度の有効性を示す。多数のそのようなペプチドを表2にて示す。
表2.クラスAのペプチド


*リンカーには下線を引く
NMAはN−メチルアントラニリル
特定の態様では、ペプチドは、残基はすべてL形態のアミノ酸であるL−4Fまたは1以上の残基がD形態のアミノ酸であるD−4Fとしても知られる4F(表2におけるD−W−F−K−A−F−Y−D−K−V−A−E−K−F−K−E−A−F(配列番号16))の変異を含む。本明細書で記載されるペプチドのいずれかでは、C末端及び/またはN末端及び/または内部の残基は本明細書で記載されるような1以上の保護基で保護することができる。
表2の種々のペプチドが、アミノ基を保護するアセチル基またはN−メチルアントラニリル基及びカルボキシル末端を保護するアミド基と共に説明される一方で、これらの保護基のいずれかは排除され得る及び/または本明細書で記載されるような別の保護基で置換され得る。ペプチドは本明細書で記載されるような1以上のD形態のアミノ酸を含むことができる。特定の態様では、表2のあらゆるアミノ酸(たとえば、あらゆるエナンチオマーアミノ酸)はD形態のアミノ酸である。
表2は完全に包括的であるわけではないことも言及される。本明細書で提供される教示を用いて、他の好適なクラスAの両親媒性の螺旋ペプチドを(たとえば、保存的または半保存的な置換(たとえば、Eによって置換されるD)、伸長、欠失等によって)ごく普通に作製することができる。従って、たとえば、一実施形態は本明細書で示されるペプチド(たとえば、表2における2F、3F、3F14、4F、5F、6F、または7Fとして同定されたペプチド)のいずれか1以上の切り詰めを利用する。従って、たとえば、A−F−Y−D−K−V−A−E−K−L−K−E−A−F(配列番号5のアミノ酸5〜18)は1以上のDアミノ酸を含む18AのC末端から14アミノ酸を含むペプチドを説明する一方で、他は他の切り詰めを説明する。さらに長いペプチドも好適である。そのような長いペプチドは全体でクラスAの両親媒性の螺旋を形成してもよく、またはクラスAの両親媒性の螺旋はペプチドの1以上のドメインを形成することができる。加えて、本発明はペプチドの多量体の型(たとえば、コンカテマー)を熟考する。従って、たとえば、本明細書で説明されるペプチドは(直接またはリンカー(たとえば、炭素リンカーまたは1以上のアミノ酸)を介して1以上の介在アミノ酸と)一緒にカップリングすることができる。説明に役立つポリマーペプチドには、18A−Pro−18A及び、特定の実施形態では、1以上のDアミノ酸を含む、さらに好ましくはアミノ酸ごとに本明細書で記載されるようなDアミノ酸を含む、及び/または一方若しくは双方の末端が保護されている以下の表におけるペプチドが挙げられる。
(B)非極性面にて芳香族または脂肪族の残基を有するapoA−IのクラスAの両親媒性の螺旋ペプチド模倣体
開示されるのはまた、修飾されたクラスAの両親媒性の螺旋ペプチドである。特定の好まれるペプチドは1以上の芳香族残基を非極性面、たとえば、3F(4Fに存在するように)の中心で組み入れ、または1以上の脂肪族残基を非極性面、たとえば、3Fの中心で組み入れる。たとえば、表3を参照。特定の理論に束縛されないで、ペプチド3Fの非極性面における中心の芳香族残基は非極性面の中心におけるπ電子の存在のために水分子がペプチド/脂質複合体の疎水性の脂質アルキル鎖の近傍に浸透するのを可能にすることができ、それは同様に、細胞表面からそれらを遮蔽する反応性酸素種(たとえば、脂質ヒドロペルオキシド)の侵入を可能にする。非極性面、たとえば、3Fの中心で脂肪族残基を伴うペプチドは同様に作用することができるが、3Fほど効果的ではない。
態様の1つでは、ペプチドは炎症誘発性のHDLを抗炎症性のHDLに変換することができ、抗炎症性のHDLをさらに抗炎症性にすることができ、及び/または動脈壁の細胞によって生成されるLDLが誘導する単球の走化性活性を表2で示すD4Fまたは他のペプチドと同等にまたはそれより大きく低下させることができる。
表3.修飾されたクラスAのペプチド
(C)他のクラスA及び一部のクラスYの両親媒性の螺旋ペプチド
上述のクラスAの両親媒性の螺旋ペプチドの1以上と同一のアミノ酸組成を有するクラスAの両親媒性の螺旋ペプチド。従って、たとえば、特定の実施形態では、本発明は4Fと同一のアミノ酸組成を有するペプチドを熟考する。従って、特定の実施形態では、本発明は18アミノ酸から成るペプチドを含む活性剤を含み、その際、18アミノ酸は3つのアラニン(A)、2つのアスパラギン酸(D)、2つのグルタミン酸(E)、4つのフェニルアラニン(F)、4つのリジン(K)、1つのバリン(V)、1つのトリプトファン(W)及び1つのチロシン(Y)から成り、ペプチドはクラスAの両親媒性の螺旋を形成し、酸化剤による酸化に対してリン脂質を保護する。種々の実施形態では、ペプチドは少なくとも1つの「D」アミノ酸残基を含み;特定の実施形態では、ペプチドはすべて「D」形態のアミノ酸残基を含む。そのような種々のペプチドを表4で説明する。これらのペプチドのリバース(レトロ)、インバース、レトロ−インバース及び環状に順を変えた形態も熟考される。
表4.アミノ酸組成:3つのアラニン(A)、2つのアスパラギン酸(D)、2つのグルタミン酸(E)、4つのフェニルアラニン(F)、4つのリジン(K)、1つのバリン(V)、1つのトリプトファン(W)及び1つのチロシン(Y)を持つ説明に役立つ18アミノ酸の長さのクラスAの両親媒性の螺旋ペプチド












生物学的に活性があり、有用なペプチドを容易に同定するのは可能である。従って、たとえば、以下のペプチド:3F1;3F2;4F、そのリバース(レトロ)形態及びそのレトロ−インバーソ形態は活性があるとして的確に同定されている。脂質関連ペプチドは、長さ18アミノ酸であり、クラスAの両親媒性の螺旋を形成するペプチドを含むことができ、その際、該ペプチドはアミノ酸組成:2つのアスパラギン酸、2つのグルタミン酸、4つのリジン、1つのトリプトファン、1つのチロシン、1以下のロイシン、1以下のバリン、1以上で3以下のアラニンを有し、且つ群:フェニルアラニン、α−ナフトアラニン、β−ナフトアラニン、ヒスチジンに由来する3〜6のアミノ酸を伴い、且つ、中性pHで正の電荷を持つ4アミノ酸を含むクラスAの両親媒性の螺旋の螺旋輪における極性面で9または10のアミノ酸を含有し、正に荷電する残基の2つは極性面と非極性面の界面に存在し、極性面における4つの正に荷電する残基の2つは隣接し、非極性面では群:フェニルアラニン、α−ナフトアラニン、β−ナフトアラニン、ヒスチジンに由来するアミノ酸残基の2つも隣接し、非極性面にてこの群に由来する4以上のアミノ酸があれば、この群に由来する隣接しない少なくとも2つの残基もある。
クラスAの両親媒性の螺旋ペプチドと同様に特定のクラスYが開示される。クラスYの両親媒性の螺旋ペプチドは当業者に既知である(たとえば、Segrestら (1992)、J.Lipid Res.33:141−166;Oram及びHeinecke(2005)、Physiol.Rev.85:1343−1372,等)。これらのペプチドには、クラスAの両親媒性の螺旋を形成する18アミノ酸のペプチド、または式I:DXXKYXXDKXYDKXKDYX(配列番号367)によって記載されるクラスYの両親媒性の螺旋が挙げられるが、これには限定されず、式中、Dは独立してAspまたはGluであり、Kは独立してLysまたはArgであり、Xは独立してLeu、norLeu、Val、Ile、Trp、Phe、Tyr、β−Nal、またはα−Nalであり、2つのK残基の間の極性面にあることができる1つを除いてX残基はすべて非極性面にあり(たとえば、螺旋ホイール図で見た場合);Yは独立して非極性面におけるAla、His、Ser、Gln、Asn、またはThrであり(たとえば、螺旋ホイール図で見た場合)、Yは独立して極性面におけるAla1つ、HIs1つ、Ser1つ、Gln1つ、Asn1つ、または極性面におけるThr1つであり(たとえば、螺旋ホイール図で見た場合)、2以下のKは隣接し(たとえば、螺旋ホイール図で見た場合)、3以下のDは隣接し(たとえば、螺旋ホイール図で見た場合)、4番目のDはYによって他のDから分離される。ヒスチジン及び/またはα−及びβ−ナフトアラニンを伴うペプチドを含むこの種の説明に役立つペプチドを表5にて示す。これらのリバース(レトロ)、インバース、レトロ−インバース及び環状に順を変えた形態も熟考される。




クラスAの4F及びβ−Nphを伴うRev4F類似体の例。同様に、α−Nph類似体を設計することができる。上記類似体と同様に、HisをHph類似体に組み入れることができる。D>E類似体、E>D類似体及びD−E交換類似体は上述の類似体と同様に追加の可能性である。
4Nph Ac-DWNphKANphYDKVAEKNphKEANph-NH2 (配列番号460)
[D-E交換] 4Nph Ac-EWNphKANphYEKVADKNphKDANph-NH2 (配列番号461)
[D>E]4Nph Ac-EWNphKANphYEKVAEKNphKEANph-NH2 (配列番号462)
[E>D]4Nph Ac-DWNphKANphYDKVADKNphKDANph-NH2 (配列番号463)
[D-1>E]4Nph Ac-EWNphKANphYDKVAEKNphKEANph-NH2 (配列番号464)
[D-8>E]4Nph Ac-DWNphKANphYEKVAEKNphKEANph-NH2 (配列番号465)
[E-12>D]4Nph Ac-DWNphKANphYDKVADKNphKEANph-NH2 (配列番号466)
[E-16>D]4Nph Ac-DWNphKANphYDKVAEKNphKDANph-NH2 (配列番号467)
4Nphについて上述したように、以下で提供される類似体のそれぞれについて最低7つの追加の類似体。
[F-3, 6,>Nph]4F Ac-DWNphKANphYDKVAEKFKEAF-NH2 (配列番号468)
[F-14, 18>Nph]4F Ac-DWFKAFYDKVAEKNphKEANph-NH2 (配列番号469)
[[F-3>Nph]4F Ac-DWNphKAFYDKVAEKFKEAF-NH2 (配列番号470)
[F-6>Nph]4F Ac-DWFKANphYDKVAEKFKEAF-NH2 (配列番号471)
[F-14>Nph]4F Ac-DWFKAFYDKVAEKNphKEAF-NH2 (配列番号472)
[F-18>Nph]4F Ac-DWFKAFYDKVAEKFKEANph-NH2 (配列番号473)
以下で記載される類似体のそれぞれについて、D−Eを交換すること、D>E及びE>D及び単一のDまたはEの類似体によって上述のように最低7の追加の類似体が可能である。
Rev-4Nph Ac-NphAEKNphKEAVKDYNphAKNphWD-NH2 (配列番号474)
[F-3, 6>Nph]Rev Ac-NphAEKNphKEAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号475)
4F [F-13, 16]Rev-4F Ac-FAEKFKEAVKDYNphAKNphWD-NH2 (配列番号476)
[F-3>Nph]Rev-4F Ac-NphAEKFKEAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号477)
[F-6>Nph]Rev-4F Ac-FAEKNphKEAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号478)
[F-13>Nph]Rev-4F Ac-FAEKFKEAVKDYNphAKFWD-NH2 (配列番号479)
[F-16>Nph]Rev-4F Ac-FAEKEKEAVKDYFAKNphWD-NH2 (配列番号480)
以下に記載される類似体について、Hisまたはα−Nph及びβ−Nphを組み入れることによって追加の類似体が可能である。
Rev-[D>E]-4F Ac-FAEKFKEAVKEYFAKFWE-NH2 (配列番号481)
Rev-[E>D]4F Ac-FADKFKDAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号482)
Rev-R4-4F Ac-FAERFREAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号483)
Rev-R6-4F Ac-FAEKFREAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号484)
Rev-R10-4F Ac-FAEKFKEAVRDYFAKFWD-NH2 (配列番号485)
Rev-R14-4F Ac-FAEKFKEAVKDYFARFWD-NH2 (配列番号486)
Rev-[D>E]-4F Ac-FAEKFKEAVKEYFAKFWE-NH2 (配列番号481)
Rev-[E>D]4F Ac-FADKFKDAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号482)
Rev-R4-4F Ac-FAERFREAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号483)
Rev-R6-4F Ac-FAEKFREAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号484)
Rev-R10-4F Ac-FAEKFKEAVRDYFAKFWD-NH2 (配列番号485)
Rev-R14-4F Ac-FAEKFKEAVKDYFARFWD-NH2 (配列番号486)
Rev-[D>E]-4F Ac-FAEKFKEAVKEYFAKFWE-NH2 (配列番号481)
Rev-[E>D]4F Ac-FADKFKDAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号482)
Rev-R4-4F Ac-FAERFREAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号483)
Rev-R6-4F Ac-FAEKFREAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号484)
Rev-R10-4F Ac-FAEKFKEAVRDYFAKFWD-NH2 (配列番号485)
Rev-R14-4F Ac-FAEKFKEAVKDYFARFWD-NH2 (配列番号486)
Rev-R4-4F Ac-FAERFREAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号483)
Rev-R6-4F Ac-FAEKFREAVKDYEAKFWD-NH2 (配列番号487)
Rev-R10-4F Ac-FAEKFKEAVRDYFAKFWD-NH2 (配列番号485)
Rev-R14-4F Ac-FAEKFKEAVKDYFARFWD-NH2 (配列番号486)
Rev-[D>E]-4F Ac-FAEKFKEAVKEYFAKFWE-NH2 (配列番号481)
Rev-[E>D]4F Ac-FADKFKDAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号482)
Rev-R4-4F Ac-FAERFREAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号483)
Rev-R6-4F Ac-FAEKFREAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号484)
Rev-R10-4F Ac-FAEKFKEAVRDYFAKFWD-NH2 (配列番号485)
Rev-R14-4F Ac-FAEKFKEAVKDYFARFWD-NH2 (配列番号486)
以下の類似体のそれぞれについて、上述の例を用いて追加のH類似体及びNph類似体が可能である。各類似体は上記の例で記載された変化を伴う7類似体を生じることができる。
Rev3F-2 Ac-LFEKFAEAFKDYVAKWKD-NH2 (配列番号488)
RevR4-3F-2 Ac-LFERFAEAFKDYVAKWKD-NH2 (配列番号489)
RevR10-3F2 Ac-LFEKFAEAFRDYVAKWKD-NH2 (配列番号490)
RevR15-3F-2 Ac-LFEKFAEAFKDYVARWKD-NH2 (配列番号491)
RevR17-3F-2 Ac-LFEKFAEAFKDYVAKWRD-NH2 (配列番号492)
Rev[D>E]3F2 Ac-LFEKFAEAFKEYVAKWKE-NH2 (配列番号493)
Rev[E>D]3F-2 Ac-LFDKFADAFKDYVAKWKD-NH2 (配列番号494)
Rev-[E3>D]-3F-2 Ac-LFDKFAEAFKDYVAKWKD-NH2 (配列番号495)
Rev-[E7>D]-3F-2 Ac-LFEKFADAFKDYVAKWKD-NH2 (配列番号496)
Rev[D11>E]3F-2 Ac-LFEKFAEAFKEYVAKWKD-NH2 (配列番号497)
Rev-[D18>E]3F-2 Ac-LFEKFAEAFKDYVAKWKE-NH2 (配列番号498)
Rev3F-1 Ac-FAEKAWEFVKDYFAKLKD-NH2 (配列番号499)
RevR4-3F-1 Ac-FAERAWEFVKDYFAKLKD-NH2 (配列番号500)
RevR10-3F-1 Ac-FAEKAWEFVKDYFAKLKD-NH2 (配列番号501)
RevR15-3F-1 Ac-FAEKAWEFVKDYFAKLKD-NH2 (配列番号502)
RevR17-3F-1 Ac-FAEKAWEFVKDYFAKLRD-NH2 (配列番号503)
Rev[D>E]3F-1 Ac-FAEKAWEFVKEYFAKLKE-NH2 (配列番号504)
Rev[E>D}3F-1 Ac-FADKAWDFVKDYFAKLKD-NH2 (配列番号505)
Rev[E3>D]-3F-1 Ac-FADKAWEFVKDYFAKLKD-NH2 (配列番号506)
Rev[E7>D]3F-1 Ac-FAEKAWDFVKDYFAKLKD-NH2 (配列番号507)
Rev-[D11>E]3F-1 Ac-FAEKAWEFVKEYFAKLKD-NH2 (配列番号508)
Rev-[D18>E]3F-1 Ac-FAEKAWEFVKDYFAKLKE-NH2 (配列番号509)
Rev-5F Ac-FFEKFKEFVKDYFAKLWD-NH2 (配列番号510)
Rev-[D>E]5F Ac-FFEKFKEFVKEYFAKLWE-NH2 (配列番号511)
Rev-[E>D]5F Ac-FFDKFKDFVKDYFAKLWD-NH2 (配列番号512)
Rev-R4-5F Ac-FFERFKEFVKDYFAKLWD-NH2 (配列番号513)
Rev-R6-5F Ac-FFEKFREFVKDYFAKLWD-NH2 (配列番号514)
Rev-R10-5F Ac-FFEKFKEFVRDYFAKLWD-NH2 (配列番号515)
Rev-R15-5F Ac-FFEKFKEFVKDYFARLWD-NH2 (配列番号516)
Rev-[E3>D]-5F Ac-FFDKFKEFVKDYFAKLWD-NH2 (配列番号517)
Rev-[E7>D]5F Ac-FFEKFKDFVKDYFAKLWD-NH2 (配列番号518)
Rev-[D11>E]-5F Ac-FFEKFKEFVKEYFAKLWD-NH2 (配列番号519)
Rev-[D18>E]-5F Ac-FFEKFKEFVKDYFAKLWE-NH2 (配列番号520)
Rev-5F-2 Ac-FLEKFKEFVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号521)
Rev-[D>E]-5F-2 Ac-FLEKFKEFVKEYFAKFWE-NH2 (配列番号522)
Rev-[E>D]-5F-2 Ac-FLDKFKEFVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号523)
Rev-[E3>D]-5F-2 Ac-FLDKFKEFVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号524)
Rev-[E7>D]-5F-2 Ac-FLEKFKDFVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号525)
Rev-[D11>E]-5F-2 Ac-FLEKFKEFVKEYFAKFWD-NH2 (配列番号526)
Rev-[D18>E]-5F-2 Ac-FLEKFKEFVKDYFAKFWE-NH2 (配列番号527)
Rev-R4-5F-2 Ac-FLERFKEFVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号528)
Rev-R6-5F-2 Ac-FLEKFREFVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号529)
RevR10-5F-2 Ac-FLEKFKEFVRDYFAKFWD-NH2 (配列番号530)
Rev-R16-5F-2 Ac-FLEKFKEFVKDYFARFWD-NH2 (配列番号531)
Rev-6F Ac-FFEKFKEFFKDYFAKLWD-NH2 (配列番号532)
Rev-[D>E]-6F Ac-FFEKFKEFFKEYFAKLWE-NH2 (配列番号533)
Rev-[E>D]-6F Ac-FFDKFKDFFKDYFAKLWD-NH2 (配列番号534)
Rev-R4-6F Ac-FFERFKEFFKDYFAKLWD-NH2 (配列番号535)
Rev-R6-6F Ac-FFEKFREFFKDYFAKLWD-NH2 (配列番号536)
Rev-R10-6F Ac-FFEKFKEFFRDYFAKLWD-NH2 (配列番号537)
Rev-R14-6F Ac-FFERFKEFFKDYFARLWD-NH2 (配列番号538)
Rev-[E3>D]-6F Ac-FFDKFKEFFKDYFAKLWD-NH2 (配列番号539)
Rev-[E7>D]-6F Ac-FFEKEKDFFKDYFAKLWD-NH2 (配列番号540)
Rev-[D11>E]-6F Ac-FFEKFKEFFKEYFAKLWD-NH2 (配列番号541)
Rev-[D18>E]-6F Ac-FFEKFKEFFKDYFAKLWE-NH2 (配列番号542)
Rev-4F Ac-FAEKFKEAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号543)
Rev-[D>E]-4F Ac-FAEKFKEAVKEYFAKFWE-NH2 (配列番号481)
Rev-[E>D]4F Ac-FADKFKDAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号482)
Rev-R4-4F Ac-FAERFREAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号483)
Rev-R6-4F Ac-FAEKFREAVKDYFAKFWD-NH2 (配列番号484)
Rev-R10-4F Ac-FAEKFKEAVRDYFAKFWD-NH2 (配列番号485)
Rev-R14-4F Ac-FAEKFKEAVKDYFARFWD-NH2 (配列番号486)
4F-2 Ac-DKWKAVYDKFAEAFKEFF-NH2 (配列番号544)
[D>E]-4F-2 Ac-EKWKAVYEKFAEAFKEFF-NH2 (配列番号545)
[E>D]-4F-2 Ac-DKWKAVYDKFADAFKDFF-NH2 (配列番号546)
R2-4F-2 Ac-DRWKAVYDKFAEAFKEFF-NH2 (配列番号547)
R4-4F-2 Ac-DKWRAVYDKFAEAFKEFF-NH2 (配列番号548)
R9-4F-2 Ac-DKWKAVYDRFAEAFKEFF-NH2 (配列番号549)
R14-4F-2 Ac-DKWKAVYDKFAEAFREFF-NH2 (配列番号550)
Rev4F-2 Ac-FFEKFAEAFKDYVAKWKD-NH2 (配列番号551)
Rev-[D>E]-4F-2 Ac-FFEKFAEAFKEYVAKWKE-NH2 (配列番号552)
Rev-[E>D]-3F-2 Ac-FFDKFADAFKDYVAKWKD-NH2 (配列番号553)
Rev-R4-4F-2 Ac-FFERFAEAFKDYVAKWKD-NH2 (配列番号554)
Rev-R10-4F-2 Ac-EFERFAEAFRDYVAKWKD-NH2 (配列番号555)
Rev-R15-4F-2 Ac-FFEKFAEAFKDYVARWKD-NH2 (配列番号556)
Rev-R17-4F-2 Ac-FFERFAEAFKDYVAKWRD-NH2 (配列番号557)
Rev-[E3>D]-4F-2 Ac-FFDKFAEAFKDYVAKWKD-NH2 (配列番号558)
Rev-[E7>D]-4F-2 Ac-FFEKFADAFKDYVAKWKD-NH2 (配列番号559)
Rev-[D11>E]-4F-2 Ac-FFERFAEAFKEYVAKWKD-NH2 (配列番号560)
Rev-[D18>E]-4F-2 Ac-FFERFAEAFKDYVAKWKE-NH2 (配列番号561)
Rev-7F Ac-FFEKFKEFFKDYFAKFWD-NH2 (配列番号562)
Rev-[E>D]-7F Ac-FFDKFKDFFKDYFAKFWD-NH2 (配列番号563)
Rev-[D>E]-7F Ac-FFEKFKEFFKEYFAKFWE-NH2 (配列番号564)
Rev-R4-7F Ac-FFERFKEFFKDYFAKFWD-NH2 (配列番号565)
Rev-R6-7F Ac-FFEKFREFFKDYFAKFWD-NH2 (配列番号566)
Rev-R10-7F Ac-FFEKFKEFFRDYFAKFWD-NH2 (配列番号567)
Rev-R14-7F Ac-FFEKFKEFFKDYFARFWD-NH2 (配列番号568)
Rev-[E3>D]-7F Ac-FFDKFKEFFKDYFAKFWD-NH2 (配列番号569)
Rev-[E7>D]7F Ac-FFEKFKDFFKDYFAKFWD-NH2 (配列番号570)
Rev-[D11>E]-7F Ac-FFEKFKEFFKEYFAKFWD-NH2 (配列番号571)
Rev-[D18>E]-7F Ac-FFEKFKEFFKDYFAKFWE-NH2 (配列番号572)
本明細書で記載されるペプチドのいずれかは、本明細書で同定される相当する天然のアミノ酸に加えてまたはその代わりに非天然のアミノ酸を含むことができることも言及される。そのような修飾には、アセチル化、アミド化、ホルミル化、メチル化、硫酸化等が挙げられるが、これらに限定されない。説明に役立つ非天然のアミノ酸には、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、N−メチルバリン、6−N−メチルリジン、N−メチルイソロイシン、N−メチルグリシン、サルコシン、イノシン、アロ−イソロイシン、イソデスモリジン、4−ヒドロキシプロリン、3−ヒドロキシプロリン、アロ−ヒドロキシリジン、ヒドロキシリジン、N−エチルアスパラギン、N−エチルグリシン、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノプロピオン酸、デスモシン、2,4−ジアミノ酪酸、2−アミノピメリン酸、3−アミノイソ酪酸、2−アミノイソ酪酸、2−アミノヘプタン酸、6−アミノカプロン酸、4−アミノ酪酸、2−アミノ酪酸、β−アラニン、3−アミノアジピン酸、2−アミノアジピン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本明細書で記載されるペプチドの「天然の」アミノ酸の1以上を相当する非天然のアミノ酸(たとえば、上述のような)で置換することができる。
特定の実施形態では、本発明は修飾されたリジンの使用を特に熟考する。そのような修飾には、イプシロンリジンのビオチン修飾及び/またはイプシロンリジンのメチル化が挙げられるが、これらに限定されない。イプシロンメチル化リジンを含む説明に役立つペプチドにはAc−D−W−F−K(eCH32−A−F−Y−D−K(eCH32−V−A−E−K(eCH3)−2−F−K(eCH32−E−A−F−NH(CH32(配列番号573)及び:Ac−DWFK(eCH32AFYDK(eCH32VAEK(eCH32FK(eCH32EAF−NH(CH3)(配列番号574)が挙げられるが、これらに限定されない。他の修飾されたアミノ酸にはオルニチン類似体及びホモアミノアラニン類似体(Lysのための(CH24−−NH2の代わりに、それはHaaのための−−(CH22−−NH2及びOrnのための−−(CH23−−NH2であることができる)等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの修飾は説明に役立つものであって限定を意図するものではないことが言及される。修飾されたアミノ酸を持つ説明に役立つ4F類似体を表6にて示す。
表6.修飾されたアミノ酸を含む説明に役立つ4F類似体





iii.二重ドメインペプチド
二重ドメインペプチドも開示される。二重ドメインペプチドは、アポリポタンパク質Eの開示される受容体結合ドメインと開示される脂質関連ペプチドの組み合わせから成る合成ApoE模倣体であることができ、前記受容体結合ドメインは前記脂質関連ペプチドに共有結合される。
開示されるのはまた、アポリポタンパク質Bの開示される受容体結合ドメインと開示される脂質関連ペプチドの組み合わせから成る合成ApoE模倣体であり、前記受容体結合ドメインは前記脂質関連ペプチドに共有結合される。開示される合成ApoE模倣体の非限定例は表7にて提供される。開示される合成ApoE模倣体はアセチル基及びアミノ基を用いてN末端保護することもできる。
本発明の態様の1つでは、合成ApoE模倣体は、LRKLRKRFFR(配列番号12)のアミノ酸配列を含むアポリポタンパク質Eの受容体結合ドメインと脂質関連ペプチドから成り、前記受容体結合ドメインは前記脂質関連ペプチドに共有結合される。そのようなものとして、受容体結合ドメインはLRKLRKRLLR(配列番号4)(hApoE[141−150],LRKLRKRLLR;配列番号4)の148位と149位で2つのロイシン(L)残基を2つのフェニルアラニン(F)残基で置き換えた。
本発明の別の態様では、合成ApoE模倣体は、E−W−L−K−A−F−Y−D−K−V−F−E−K−F−K−E−A−F(配列番号28)のアミノ酸配列を含むアポリポタンパク質Eの脂質結合ドメインと受容体結合ドメインペプチドを含み、前記脂質結合ドメインは前記受容体結合ドメインペプチドに共有結合される。そのようなものとして、脂質結合ドメインは、DWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号5)(18A)の2つのロイシン(L)残基を2つのフェニルアラニン(F)残基で置き換えて、配列DWFKAFYDKVAEKFKEAF(配列番号16)を生じて、修飾18Aまたはm18Aとも呼んだ。
a.ドメイン交換ペプチド
開示されるのはまた、アポリポタンパク質Eの開示される受容体結合ドメインと開示される脂質関連ペプチドの組み合わせから成る合成ApoE模倣体であり、前記受容体結合ドメインはドメインが交換される方向性にて前記脂質関連ペプチドに共有結合される。開示されるのはまた、アポリポタンパク質Bの開示される受容体結合ドメインと開示される脂質関連ペプチドの組み合わせから成る合成ApoE模倣体であり、前記受容体結合ドメインはドメインが交換される方向性にて前記脂質関連ペプチドに共有結合される。これらのペプチドは「ドメイン交換された」、「交換されたドメイン」または「交換された」ペプチドと呼ばれ得る。たとえば、開示されるのは、アポリポタンパク質Eの開示される受容体結合ドメインと開示される脂質関連ペプチドの組み合わせから成る合成ApoE模倣体であり、前記受容体結合ドメインは、上記で記載されたもの及び表7におけるものにドメイン交換される方向性にて前記脂質関連ペプチドに共有結合される。具体的には、脂質関連ペプチドは、脂質関連ペプチドが合成のアポリポタンパク質E模倣ペプチドのN末端であるようにアポリポタンパク質Eの受容体結合ドメインに共有結合される。開示される合成ApoE模倣体の非限定例は表8にて提供される。
開示されるドメイン交換された合成ApoE模倣体もアシル基及びアミノ基を用いて末端保護される。
b.逆方向性のペプチド
開示されるのはまた、アポリポタンパク質Eの開示される受容体結合ドメインと開示される脂質関連ペプチドの組み合わせから成る合成ApoE模倣体であり、前記受容体結合ドメインは逆方向性にて前記脂質関連ペプチドに共有結合される。たとえば、開示されるのは、アポリポタンパク質Eの開示される受容体結合ドメインと開示される脂質関連ペプチドの組み合わせから成る合成ApoE模倣体であり、受容体結合ドメインの配列または脂質関連ペプチドの配列のいずれかまたは双方の配列が逆方向性にある。開示されるのはまた、アポリポタンパク質Bの開示される受容体結合ドメインと開示される脂質関連ペプチドの組み合わせから成る合成ApoE模倣体であり、前記受容体結合ドメインは逆方向性にて前記脂質関連ペプチドに共有結合される。開示される合成ApoE模倣体の非限定例は表9にて提供される。
c.スクランブルされたペプチド
開示されるのはまた、アポリポタンパク質Eの開示される受容体結合ドメインと開示される脂質関連ペプチドから成る合成ApoE模倣体であり、前記受容体結合ドメインは前記脂質関連ペプチドに共有結合され、アポリポタンパク質Eの受容体結合ドメインはスクランブルされる。たとえば、開示されるのは、D−W−L−K−A−F−V−Y−D−K−V−F−K−L−K−E−F−F(配列番号69)のアミノ酸配列を含むアポリポタンパク質Eの受容体結合ドメインと脂質関連ペプチドから成る合成アポリポタンパク質E模倣ペプチドであり、前記受容体結合ドメインは前記脂質関連ペプチドに共有結合される。開示されるのはまた、アポリポタンパク質Bの受容体結合ドメインと脂質関連ペプチドから成る合成ApoE模倣体であり、前記受容体結合ドメインは前記脂質関連ペプチドに共有結合され、アポリポタンパク質Bの受容体結合ドメインはスクランブルされる。
開示されるのはまた、アポリポタンパク質Eの受容体結合ドメインと脂質関連ペプチドから成る合成ApoE模倣体であり、前記受容体結合ドメインは前記脂質関連ペプチドに共有結合され、脂質関連ペプチドはスクランブルされる。たとえば、本明細書で開示されるのは、E−W−L−K−A−F−V−Y−E−K−V−F−K−L−K−E−F−F(配列番号70)のアミノ酸配列を含むアポリポタンパク質Eの脂質結合ドメインと受容体結合ドメインペプチドを含む合成ApoE模倣体であり、前記脂質結合ドメインは前記受容体結合ドメインペプチドに共有結合される。
開示されるのはまた、アポリポタンパク質Eの受容体結合ドメインとアポリポタンパク質Eの脂質関連ペプチドから成る合成ApoE模倣体であり、受容体結合ドメインは前記脂質関連ペプチドに共有結合され、受容体結合ドメインと脂質関連ペプチドの双方がスクランブルされる。開示されるスクランブルされた合成ApoE模倣体の非限定例を表10にて提供する。
開示されるスクランブルされた合成ApoE模倣体もアセチル基及びアミド基を用いてN末端保護及びC末端保護することができる。開示されるスクランブルされた合成ApoE模倣体も上述のように逆方向付けすることができる。
d.連結
本発明に従って任意の好適なリンカーを使用することができる。ペプチド連結は、当該技術で既知の及び以下の参考文献:Spatola(1983)p.267 in Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides,and Proteins,B.Weinstein,eds.,Marcel Dekker,New York;Spatola(1983)Vega Data 1(3)Peptide Backbone Modifications.(一般的な見解);Morley(1980)Trends Pharm.Sci.pp.463−468(一般的な見解);Hudsonら.(1979)Int J PeptProt Res 14:177−185(−−CH2NH−−,CH2CH2−−);Spatolaら (1986)Life Sci 38:1243−1249(−−CH2−−S);Hann,(1982)J ChemSoc Perkin Trans I、307−314(−−CH−−CH−−,シス及びトランス);Almquistら (1980)J Med.Chem.23:1392−1398(−−COCH2−−);Jennings−Whiteら (1982)Tetrahedron Lett.23:2533(−−COCH2−−);Szelkeら,European Appln.EP45665(1982)CA:97:39405(1982)(−−CH(OH)CH2−−);Holladayら (1983)Tetrahedron Lett 24:4401−4404(−−C(OH)CH2−−);及びHruby(1982)Life Sci.,31:189−199(−−CH2−−S−−))にてさらに記載されている方法によって、−−CH2NH−−、−−CH2S−−、−−CH2−−CH2−−、−−CH=CH−−(シス及びトランス)、−−COCH2−−、−−CH(OH)CH2−−、−−CH2SO−−等から成る群から選択することができる。
特に好まれる非ペプチド結合の1つは−−CH2NH−−である。そのようなペプチド模倣体は、たとえば、さらに経済的な製造、高い化学的安定性、向上した医薬特性(半減期、吸収、効能、有効性等)、低下した抗原性及びその他を含むポリペプチドの実施形態にわたって有意な利点を有し得る。
態様の1つでは、リンカーは切断可能なリンカーである。少ない例ではあるが、切断可能なリンカーには、プロテアーゼ切断可能なペプチドリンカー、ヌクレアーゼ感受性の核酸リンカー、リパーゼ感受性の脂質リンカー、グリコシダーゼ感受性の炭水化物リンカー、pH感受性のリンカー、低酸素感受性のリンカー、光切断可能なリンカー、熱不安定性リンカー、酵素切断可能なリンカー(たとえば、エステラーゼ切断可能なリンカー)、超音波感受性のリンカー、X線切断可能なリンカー等が挙げられる。
iv.変異体
受容体結合ドメインまたは脂質関連ペプチドは上述のように修飾するまたは変化させることができる。たとえば、受容体結合ドメインまたは脂質関連ペプチドを変異させる、スクランブルする、及び/または逆方向性にすることができる。二重ドメインポリペプチドのために本明細書で開示される他の修飾または変化を単一ドメインペプチドにも使用することができる。
本明細書で開示されるペプチドの多数の他の変異体または誘導体も熟考される。たとえば、スクランブルされたペプチドを逆方向性にすることができ、または交換された方向性にすることができる。さらに、逆方向性のペプチドを交換された方向性にすることができる。開示されるペプチドの他の組み合わせすべても熟考される。ペプチドの非限定例は本明細書で記載されている(たとえば、表1〜5を参照)。本明細書で使用されるとき、用語「類似体」は「変異体」及び「誘導体」と相互交換可能に使用される。変異体及び誘導体は当業者によく理解されており、アミノ酸配列の修飾が関与し得る。そのようなアミノ酸配列の修飾は通常、3つのクラス:実質的な変異体、挿入変異体または欠失変異体の1以上に入る。挿入には、単一または複数のアミノ酸残基のアミノ末端及び/またはカルボキシル末端の融合と同様に配列内の挿入が挙げられる。挿入は普通、たとえば、1〜4の残基の幅で、アミノ末端またはカルボキシル末端の融合のものより小さな挿入である。これらの変異体は普通、タンパク質をコードするDNAにおけるヌクレオチドの部位特異的変異誘発を行い、それによって変異体をコードするDNAを作出し、その後組換え細胞の培養にてDNAを発現させることによって調製される。既知の配列を有するDNAにて所定の部位で置換変異を行う技法は周知であり、たとえば、M13プライマー変異誘発及びPCR変異誘発。アミノ酸置換は通常、単一の残基であるが、同時に多数の異なる位置で生じることができる。置換、欠失、挿入またはその任意の組み合わせを組み合わせて最終的な誘導体または類似体に到達し得る。置換変異体は、少なくとも1つの残基が取り除かれ、その場所に異なる残基が挿入されるものである。そのような置換は一般に表11及び12に従って行われ、保存的置換と呼ばれる。
機能のまたは免疫的な同一性における実質的な変化は、表11のものより保存性ではない置換を選択すること、すなわち、(a)置換の領域におけるポリペプチド主鎖の構造、たとえば、シートまたは螺旋の立体構造、(b)標的部位での分子の電荷または疎水性、または(c)側鎖の嵩高さを維持することに対するその効果においてさらに有意に異なる残基を選択することによって起こされる。一般にタンパク質の特性において最大の変化を生じると予想される置換は、(a)親水性残基、たとえば、セリルまたはスレオニルが疎水性残基、たとえば、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルまたはアラニル;トリプトファン、チロシニルで置換される、(b)システインまたはプロリンが他の残基で置換される、(c)電気的に正の側鎖を有する残基、たとえば、リシル、アルギニルまたはヒスチジルが電気的に負の残基、たとえば、グルタミルまたはアスパルチルで置換される;または(d)嵩高の側鎖を有する残基、たとえば、フェニルアラニンが側鎖を有さないもの、この場合、たとえば、グリシンで置換される、または(e)硫酸化及び/またはグリコシル化のための部位の数を増やすことによるものである。

本明細書で開示されるタンパク質の変異体及び誘導体を定義する方法の1つは特定の既知の配列に対する相同性/同一性という点でそれらを定義することである。具体的に開示されるのは、本明細書で具体的に引用される合成ApoE模倣体に対して少なくとも、70%または少なくとも75%または少なくとも80%または少なくとも85%または少なくとも90%または少なくとも95%の相同性を有する、本明細書で開示される合成ApoE模倣体または他のタンパク質またはペプチドの変異体である。当業者は2つのタンパク質の相同性をどのように決定するのかを容易に理解する。
ポリペプチドは、たとえば、翻訳後プロセッシングのような天然の過程によって、または当該技術で周知である化学修飾法によって修飾することができる。修飾は、ペプチド主鎖、アミノ酸の側鎖及びアミノ末端またはカルボキシル末端を含むポリペプチドのどこでも生じることができる。所与のポリペプチドにて同じ型の修飾が幾つかの部位で同じ程度にまたは様々な程度に存在することができる。また、所与のポリペプチドは多数の型の修飾を有することができる。修飾には限定しないで、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、共有結合架橋または環化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、システインまたはピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカーの形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、イリストイル化、酸化、ペグ化、タンパク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、及びアルギニル化のような転移RNAが介在するタンパク質へのアミノ酸の付加が挙げられる(Proteins−Structure and Molecular Properties 2nd Ed.,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York(1993);Posttranslational Covalent Modification of Proteins,B.C.Johnson,Ed.,Academic Press,New York,pp.1−12(1983)を参照)。
変異体はペプチド模倣体も含むことができる。本明細書で使用されるとき、「ペプチド模倣体」は正常なペプチド化合物の一部の変化を含むタンパク質の機能の模倣体を意味する。ペプチド模倣体は通常、生物特性にて特定のタンパク質の1以上の機能を模倣する短い配列のアミノ酸である。ペプチド類似体は、元々のペプチドの一部の特性を高め、たとえば、安定性を高め、有効性を高め、送達を向上させ、半減期等を延ばす。既知のポリペプチド配列に基づいてペプチド模倣体を作製する方法は、たとえば、米国特許第5,631,280号;第5,612,895号;及び第5,579,250号に記載されている。ペプチド模倣体の使用には、所与の位置での非アミド結合を伴う非アミノ酸残基の組み入れが関与することができる。本発明の一実施形態は、化合物が結合、好適な模倣体で置き換えられたペプチド主鎖またはアミノ酸成分を有するペプチド模倣体である。好適なアミノ酸模倣体であり得る非天然のアミノ酸の一部の非限定例には、β−アラニン、L−α−アミノ酪酸、L−γ−アミノ酪酸、L−α−アミノイソ酪酸、L−ε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、N−ε−Boc−N−α−CBZ−L−リジン、N−ε−Boc−N−α−Fmoc−L−リジン、L−メチオニンスルホン、L−ノルロイシン、L−ノルバリン、N−α−Boc−N−δCBZ−L−オルニチン、N−δ−Boc−N−α−CBZ−L−オルニチン、Boc−p−ニトロ−L−フェニルアラニン、Boc−ヒドロキシプロリン、及びBoc−L−チオプロリンが挙げられる。
v.核酸
本明細書が種々のペプチド配列を議論するので、それらのポリペプチド配列をコードすることができる核酸も開示されることが理解される。これには、特定のポリペプチド配列に関連する縮重した配列すべて、すなわち、特定のポリペプチド配列1つをコードする核酸すべてと同様にタンパク質配列の開示される変異体及び誘導体をコードする縮重した核酸を含む核酸すべてが含まれる。従って、各特定の核酸配列は本明細書で書き出されなくてもよいが、各配列及びあらゆる配列が実際開示され、開示されたポリペプチド配列を介して本明細書で記載されることが理解される。
vi.ブロッキング基/保護基及びD残基
本明細書で記載される種々の組成物は保護基なしで示され得るが、特定の実施形態(たとえば、特に経口投与用では)では、それらは1、2、3、4以上の保護基を持つことができる。保護基は、ペプチドのC末端及び/またはN末端及び/またはペプチドを構成する1以上の内部残基にカップリングすることができる(たとえば、構成アミノ酸上の1以上のR基をブロックすることができる)。従って、たとえば、特定の実施形態では、本明細書で記載されるペプチドのいずれかが、たとえば、アミノ末端を保護するアセチル基及び/またはカルボキシル末端を保護するアミド基を持つことができる。そのような「二重保護されたペプチド」の一例は、ブロッキング基を持つAc−LRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAF−NH2(配列番号1)であり、これらの保護基のいずれかまたは双方を排除することができ、及び/または本明細書で記載されるような別の保護基で置換することができる。特定の理論に束縛されないで、本発明の主題ペプチドの特にアミノ末端及び/またはカルボキシル末端の遮断は経口送達を改善することができ、血清半減期を増やすこともできることは本発明の発見だった。
多数の保護基がこの目的に好適である。そのような基には、アセチル基、アミド基及びアルキル基が挙げられるが、これらに限定されず、アセチル基及びアルキル基はN末端の保護に特に好まれ、アミド基はカルボキシル末端の保護に好まれる。たとえば、保護基には、脂肪酸におけるようなアルキル鎖、プロペオニル、ホルミル等を挙げることができるが、これらに限定されない。カルボキシル保護基にはアミド、エステルが挙げられ、エーテル形成保護基も使用することができる。たとえば、アセチル基を用いてアミノ末端を保護することができ、アミド基を用いてカルボキシル末端を保護することができる。これらのブロッキング基はペプチドの螺旋形成傾向を高める。追加のブロッキング基には、種々の長さのアルキル基、たとえば、式CH3(CH2nCOを有する基が挙げられ、式中、nは約1〜約20、好ましくは約1〜約16または18、さらに好ましくは約3〜約13、最も好ましくは約3〜約10である。
さらに保護基には、脂肪酸におけるようなアルキル鎖、プロペオニル、ホルミル等が挙げられるが、これらに限定されない。たとえば、カルボキシル保護基にはアミド、エステル、及びエーテル形成保護基を挙げることができる。これらのブロッキング基はペプチドの螺旋形成傾向を高めることができる。ブロッキング基には、種々の長さのアルキル基、たとえば、式CH3(CH2nCOを有する基を挙げることができ、式中、nは約3〜約20、好ましくは約3〜約16、さらに好ましくは約3〜約13、最も好ましくは約3〜約10である。
他の保護基には、Fmoc、t−ブトキシカルボニル(t−BOC)、9−フルオレンアセチル基、1−フルオレンカルボキシル基、9−フルオレンカルボキシル基、9−フルオレン−1−カルボキシル基、ベンジルオキシカルボニル、キサンチル(Xan)、トリチル(Trt)、4−メチルトリチル(Mtt)、4−メトキシトリチル(Mmt)、4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−ベンゼンスルホニル(Mtr)、メシチレン−2−スルホニル(Mts)、4,4−ジメトキシベンズヒドリル(Mbh)、トシル(Tos)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(Pmc)、4−メチルベンジル(MeBzl)、4−メトキシベンジル(MeOBzl)、ベンジルオキシ(BzlO)、ベンジル(Bzl)、ベンゾイル(Bz)、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル(Npys)、1−(4,4−ジメチル−2,6−ジアクソシクロヘキシリデン)エチル(Dde)、2,6−ジクロロベンジル(2,6−DiCl−Bzl)、2−クロロベンジルオキシカルボニル(2−Cl−Z)、2−ブロモベンジルオキシ−カルボニル(2−Br−Z)、ベンジルオキシメチル(Bom)、シクロヘキシルオキシ(cHxO)、t−ブトキシメチル(Bum)、t−ブトキシ(tBuO)、t−ブチル(tBu)、アセチル(Ac)、及びトリフルオロアセチル(TFA)が挙げられるが、これらに限定されない。
保護基/ブロッキング基は、本発明のペプチドを含む適当な残基にそのような基をカップリングする方法がそうであるように、当業者に周知である(たとえば、Greeneら(1991)、Protective Groups in Organic Synthesis,第2版,John Wiley & Sons,Inc.Somerset,N.J.を参照)。たとえば、アセチル化は、ペプチドが無水酢酸を用いた樹脂上にある場合、合成の間に達成することができる。アミド保護は合成のための適当な樹脂を選択することによって達成することができる。
本明細書で開示される組成物はまた本明細書で記載されるような1以上のD形態の(レボではなくデキストロ)アミノ酸を含むことができる。たとえば、少なくとも2つのエナンチオマーアミノ酸、少なくとも4つのエナンチオマーアミノ酸、または少なくとも8または10のエナンチオマーアミノ酸が「D」形態のアミノ酸であることができる。さらに、本明細書で記載されるペプチドの2つに1つまたはあらゆるアミノ酸(たとえば、あらゆるエナンチオマーアミノ酸)が「D」形態のアミノ酸である。
さらに、エナンチオマーアミノ酸の少なくとも50%が「D」形態のアミノ酸であることができ、エナンチオマーアミノ酸の少なくとも80%が「D」形態であることができ、エナンチオマーアミノ酸の少なくとも90%またはすべてさえが「D」形態のアミノ酸であることができる。
C.治療方法
少なくとも1回の治療サイクルの間有効量のApoE模倣体を投与し、その後休止期が続くことによってアテローム性動脈硬化症、末梢または中枢の血管疾患を治療する方法が提供される。従って、開示される方法には、開示される投与計画の1以上を用いてApoE模倣体を投与することが関与する。従って、開示される方法では、開示される治療サイクルまたは休止期のいずれかを使用することができる。本明細書で開示される方法は治療剤の非存在下でさえ延長された治療効果を可能にすることができる。開示される方法は有効量のApoE模倣体の投与を含むことができる。ApoE模倣体の有効量は、ApoE模倣体が中止された後、持続する治療効果を可能にする量であることができる。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含むアテローム性動脈硬化症を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されない。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含むアテローム性動脈硬化症を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、休止期は少なくとも4週間である。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含むアテローム性動脈硬化症を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、さらに休止期の後に第2の治療サイクルを含む。第2の治療サイクルは4週間の休止期の後、または当初の治療サイクルの開始から1年後に投与することができる。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含むアテローム性動脈硬化症を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化症治療剤は休止期の間に投与される。ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化症治療剤は従来の脂質低下療法であることができ、従来の脂質低下療法はスタチンであることができる。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含むアテローム性動脈硬化症を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、ApoE模倣体はアミノ酸配列LRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号1)から成り、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されない。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含むアテローム性動脈硬化症を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を週に1回3ヵ月間投与することを含む。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む末梢血管疾患を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されない。
末梢血管疾患(PVD)は末梢動脈疾患(PAD)、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)または末梢閉塞性動脈症も指すことができる。末梢血管疾患は、冠状動脈、大動脈弓血管系または脳の範囲ないではない大きな動脈の閉塞を指す。PVDは、アテローム性動脈硬化、狭窄、塞栓または血栓の形成をもたらす炎症過程から生じ得る。PVDは急性または慢性の虚血(血液供給の欠如)の原因となることができる。PVDは下肢に見いだされるアテローム性動脈硬化性の遮断も指すことができる。
末梢動脈閉塞性疾患は一般に、虚血について1954年にRene Fontaineによって導入されたFontaineステージにて分類される。Fontainステージは以下の表13にて以下に提供される。
表13
末梢動閉塞性疾患は、3つの等級と6つのカテゴリーから成るRutherfordによって考案された分類も指すことができる。Rutherfordのステージを以下の表14にて以下で提供する。
表14
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む末梢血管疾患を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、休止期は少なくとも4週間である。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む末梢血管疾患を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、さらに、休止期の後、第2の治療サイクルを含む。第2の治療サイクルは4週間の休止期の後、または当初の治療サイクルの開始から1年後に投与することができる。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む末梢血管疾患を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、ApoE模倣体以外の末梢血管疾患治療剤が休止期の間に投与される。ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化治療剤は従来の脂質低下療法であることができ、従来の脂質低下療法は、以下:スタチン、抗血小板薬、アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾール、またはペントキシフィリンの1以上であることができる。ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化治療法にはまた、外科的介入、禁煙、糖尿病の管理、高血圧の管理、コレステロールの管理、運動、血管形成術(PTAまたは経皮経管的血管形成)、プラーク切除、バイパス移植、交感神経切除、切断術または血栓溶解を挙げることもできる。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む末梢血管疾患を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、ApoE模倣体はアミノ酸配列LRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号1)から成り、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されない。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む末梢血管疾患を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を週1回3ヵ月間投与することを含む。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む重症四肢虚血を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されない。
重症四肢虚血(CLI)は、脚、足及び手への血流の顕著な低下を生じるアテローム性動脈硬化に関連する慢性の炎症性の過程が原因で起きる末梢動脈疾患(PAD)の最も重度な形態である。米国には推定1000万〜1200万人のPADの人々がいて、100万人を超える人々がCLIである。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む重症四肢虚血を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、休止期は少なくとも4週間である。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む重症四肢虚血を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、さらに、休止期の後に第2の治療サイクルを含む。第2の治療サイクルは4週間の休止期の後、または当初の治療サイクルの開始から1年後に投与することができる。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む重症四肢虚血を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、ApoE模倣体以外の末梢血管疾患治療剤が休止期の間に投与される。ApoE模倣体以外の重症四肢虚血治療剤は、従来の脂質低下療法であることができ、従来の脂質低下療法は、以下:スタチン、抗血小板薬、アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾール、またはペントキシフィリンの1以上であることができる。ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化治療法にはまた、外科的介入、禁煙、糖尿病の管理、高血圧の管理、コレステロールの管理、運動、血管形成術(PTAまたは経皮経管的血管形成)、プラーク切除、バイパス移植、交感神経切除、切断術または血栓溶解を挙げることもできる。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む重症四肢虚血を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、ApoE模倣体はアミノ酸配列LRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号1)から成り、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されない。
本明細書で開示されるのは、少なくとも1回の治療サイクルの間対象に有効量のApoE模倣体を投与することを含む重症四肢虚血を治療する方法であり、その際、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を投与してApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、治療サイクルには休止期が続き、休止期の間ApoE模倣体は投与されず、治療サイクルは有効量のApoE模倣体を週に1回3ヵ月間投与することを含む。
開示されるApoE模倣体のいずれもこれらの方法で使用することができる。たとえば、ApoE模倣体は、hE18A(LRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAF;配列番号1)であることができ、特にApoE模倣体はアミノ末端にアセチル基及びカルボキシル末端にアミド基を有するhE18Aペプチドであることができる。
開示される治療方法は対象に応じて様々な時間で存在することができる。特に、治療は循環器事象または脳血管事象のリスクが高いまたは高い残留リスクがあると見なされる対象にて存在することができる。一例では、治療は、急性冠状動脈事象に続いて対象が安定化された後、開始することができる。一例では、治療は急性冠状動脈事象の直後、または急性冠状動脈事象の3、6、9または12ヵ月後、開始することができる。治療は、たとえば、冠状動脈バイパス手術(CABG)、経皮冠動脈介入(血管形成、PCI)、または冠状動脈へのステントの埋め込みのような急性の介入心臓処置に続いて開始することができる。高リスクであると見なされる対象は、ホモ接合型家族性高コレステロール血症(FH)、重度難治性FH、糖尿病を有する個体、または急性冠症候群(ACS)後の個体であることができる。高リスクの対象では治療を延長することができる。
1.治療サイクル
治療サイクルは、投与計画に関して前に記載したように、時間の長さで変化することができる。治療サイクルは少なくとも4週間であることができるが、6ヵ月まで続くことができる。一例では、開示される方法は有効量のApoE模倣体の週1回で1ヵ月間(4週間)、3ヵ月間(12週間)または6ヵ月間(24週間)の投与が関与する治療サイクルを有する。治療サイクルには週1回、2回または3回のApoE模倣体の投与が含まれ得る。一部の態様では、ApoE模倣体は毎日投与することができる。一部の態様では、ApoE模倣体は2週ごとに1回またはさらに月に1回投与することができる。一部の例では、ApoE模倣体は2週間ごとに4、6、8、10、12、14、16、18、20、22または24週間投与することができる。各治療サイクルは投与についての確立された時間の長さと同様にその時間枠の間での確立された投薬スケジュールを含むことができる。
方法はさらに、休止期の後に第2の治療サイクルを含むことができる。態様の1つでは、第2の治療サイクルは4週間の休止期の後投与することができる。別の態様では、第2の治療サイクルは当初の治療サイクルの開始から少なくとも1年で投与することができる。
2.休止期
休止期は、投与計画に関して前に記載したように、少なくとも4週間であることができるが、数年続くことができる。休止期の間、ApoE模倣体は投与されない。
休止期の長さは、治療サイクルの間に投与されたApoE模倣体の持続する治療効果がどれくらい長く続くかに依存する。一部の例では、休止期は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12ヵ月であることができる。一部の例では、休止期は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10年であることができる。たとえば、休止期は少なくとも4週間(1ヵ月)であることができる。
態様の1つでは、休止期は、治療サイクルの間に投与されたApoE模倣体の用量に応じて減らすことができ、または延長することができる。たとえば、治療サイクルの間のApoE模倣体の用量が増やされるのであれば、休止期を延長することができる。休止期の長さは治療サイクルの長さに基づいても変化することができる。たとえば、対象が週に1回3ヵ月間特定の用量のApoE模倣体を受け取るのであれば、その時は、休止期は、週に1回6ヵ月間同じ用量のApoE模倣体を受け取る対象よりも短くてもよい。
ApoE模倣体は休止期の間は投与されないけれども、ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化治療剤は休止期の間に投与することができる。ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化治療剤は、たとえば、スタチンまたは胆汁酸金属イオン封鎖剤のような従来の脂質低下剤、及び/または、たとえば、PCSK9阻害剤、VLDL合成阻害剤、及び/またはCETP阻害剤のような治療剤であることができる。
3.アテローム性動脈硬化
血管壁におけるLDLの蓄積とLDLに対する炎症反応の組み合わせがアテローム性動脈硬化を惹起するのに関与する。血管壁内のLDLは酸化されるようになり、それは血管壁を損傷し、免疫応答を誘発する。マクロファージのような免疫細胞は酸化されたLDLを処理することができず、最終的には破裂して動脈壁におけるさらに多くの酸化されたコレステロールをもたらす。血管壁に対してますます損傷を引き起こすこのサイクルは連続する。コレステロールの増加は最終的に血管壁の硬化と狭窄を生じるプラークをもたらす。開示される方法はアテローム性動脈硬化を治療するのに有用である。
4.送達
本明細書で記載される方法では、ApoE模倣体の投与または送達は種々のメカニズムを介することができる。上記で定義されたように、本明細書で開示されるのは、アテローム性動脈硬化を治療するための投与計画及びそれらの投与計画を使用する方法である。投与計画及び方法は、たとえば、薬学上許容可能なキャリアのようなキャリアも含むことができる本明細書で記載されるポリペプチドまたは核酸のいずれか1以上を含有する組成物を含む。たとえば、開示されるのは、本明細書で開示されるApoE模倣体と薬学上許容可能なキャリアを含む医薬組成物である。
開示されるApoE模倣体は溶液または懸濁液(たとえば、微粒子、リポソームまたは細胞に組み込まれた)であることができる。これらの組成物は、抗体、受容体または受容体リガンドを介して特定の細胞型に対して標的とされることができる。当業者は、開示される組成物と共にそのような標的剤をどのように作製し、使用するかを知っている。標的剤は、たとえば、抗体が抱合されるリポソーム;細胞特異的なリガンドを介した受容体が介在するDNAの標的化;及び生体内での細胞の高度に特異的なレトロウイルス標的化のような媒介物であることができる。そのような媒介物は本明細書の組成物の一部であることができる。たとえば、ApoE模倣体を血管壁に向ける標的剤を組成物に含めることができる。
開示される組成物のために投与の好適な経路を使用することができる。投与の好適な経路には、たとえば、局所、腸内、局部、全身性または非経口の経路を挙げることができる。たとえば、投与は、経皮、吸入、浣腸、結膜、点眼剤、点耳剤、肺胞、鼻、鼻内、腸内、経口、口腔内、経口腔、腸管、直腸、直腸内、経直腸、注射、点滴、静脈内、動脈内、筋肉内、脳内、心室内、脳室内、心臓内、皮下、骨内、皮内、クモ膜下、腹腔内、膀胱内、空洞内、髄内、眼内、頭蓋内、経皮、経粘膜、経鼻、吸入、嚢内、硬膜外、硬膜外、硝子体内等であることができる。開示される組成物は他の治療法にて及び他の治療法と共に使用することができる。
本明細書で記載される組成物は薬学上許容可能なキャリアを含むことができる。「薬学上許容可能な」によって、当業者に周知であるように、有効成分の分解を出来るだけ抑えるように、且つ対象における有害な副作用を出来るだけ抑えるように選択される物質またはキャリアを意味する。キャリアの例には、ジミリストイルホスファチジル(DMPC)、リン酸緩衝化生理食塩水、または多小胞リポソームが挙げられる。たとえば、PG:PC:コレステロール:ペプチドまたはPC:ペプチドは本発明にてキャリアとして使用することができる。他の好適な薬学上許容可能なキャリア及びその製剤化はRemington:The Science and Practice of Pharmacy(第19版)編.A.R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,PA、1995にて記載されている。通常、適当な量の薬学上許容可能な塩を製剤で用いて製剤を等張にする。薬学上許容可能なキャリアの他の例には、生理食塩水、リンガー溶液及びデキストロース溶液が挙げられるが、これらに限定されない。溶液のpHは約5〜約8、または約7〜約7.5であることができる。さらなるキャリアには、組成物を含有する固形の疎水性ポリマーの半透過性マトリクスのような持続する放出製剤が挙げられ、そのマトリクスは成形された物品、たとえば、フィルム、ステント(血管形成処置の間に血管に埋め込まれる)、リポソームまたは微粒子の形態である。たとえば、投与の経路及び投与される組成物の濃度に応じて特定のキャリアがさらに好ましくてもよいことは当業者に明らかであろう。これらは最も典型的には、たとえば、無菌の水、生理食塩水、及び生理的pHで緩衝化された溶液のような溶液を含むヒトへの薬剤の投与のための標準のキャリアである。
医薬組成物にはまた、本発明のポリペプチド、ペプチド、核酸、ベクターの意図される活性が危うくされない限り、キャリア、増粘剤、希釈剤、緩衝液、保存剤等も含まれ得る。医薬組成物にはまた、1以上の有効成分(本発明の組成物に加えて)たとえば、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔薬等も含まれ得る。医薬組成物は局所治療または全身治療が所望かどうかに応じて及び治療される領域に応じて多数の方法で投与され得る。
非経口投与の製剤には無菌の水性または非水性の溶液、懸濁液及びエマルジョンが含まれる。非水性溶媒の例はプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、たとえば、オリーブ油のような植物油、及びたとえば、オレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルである。水性キャリアには、生理食塩水及び緩衝化媒体を含む、水、アルコール性/水性の溶液、エマルジョンまたは懸濁液が挙げられる。非経口のビヒクルには塩化ナトリウム溶液、リンガーのデキストロース、デキストロースと塩化ナトリウム、乳酸化リンガー溶液、または固定油が挙げられる。静脈内ビヒクルには流体及び栄養補給液、電解質補給液(たとえば、リンガーのデキストロースに基づくもの)等が挙げられる。保存剤及び他の添加剤、たとえば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤及び不活性気体等も存在してもよい。
経口投与のための組成物には、粉末または顆粒、水または非水性媒体における懸濁液または溶液、カプセル、サシェまたは錠剤が挙げられる。増粘剤、風味剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤、または結合剤が望ましくてもよい。組成物の一部は、たとえば、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸及びリン酸のような無機酸、及びたとえば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、及びフマル酸のような有機酸との反応によって形成される、または、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムのような無機塩基、及び、たとえば、モノ−、ジ−、トリ−アルキル及びアリールアミン及び置換されたエタノールアミンのような有機塩基との反応によって形成される薬学上許容可能な酸付加塩または塩基付加塩として投与される可能性があり得る。
典型的なペプチド製剤とは異なって、D−形態のアミノ酸を含む本発明のペプチドは胃酸等によるタンパク質分解に対して保護することなく経口でさえ投与することができる。にもかかわらず、特定の実施形態では、保護的賦形剤の使用によってペプチド送達を向上させることができる。このことは通常、ポリペプチドを組成物と複合体化し、それを酸性及び酵素的な加水分解に耐性にすることによって、または適宜耐性のキャリア、たとえば、リポソームにポリペプチドをパッキングすることによって達成される。経口送達のためにポリペプチドを保護する手段は当該技術で周知である(たとえば、治療剤の経口送達のための脂質組成物を記載している米国特許第5,391,377号を参照)。
高い血清半減期は、持続放出のタンパク質「パッキング」システムの使用によって維持することができる。そのような持続放出システムは当業者に周知である。好まれる一実施形態では、タンパク質及びペプチドのためのProLease生分解性マイクロスフェア送達システム(Tracy(1998)、Biotechnol.Prog.,14:108;Johnsonら(1996)、Nature Med.2:795;Herbertら(1998),Pharmaceut.Res.15,357)、他の剤と共にまたはそれを伴わずに乾燥製剤として配合することができるポリマーマトリクスにおける活性剤を含有する生分解性ポリマーマイクロスフェアで構成される乾燥粉末。
ProLeaseマイクロスフェア製作工程は、活性剤の完全性を維持しながら、高いカプセル化効率を達成するために具体的に考案された。工程は、(i)安定化賦形剤を伴う薬剤溶液をスプレー凍結乾燥することによるバルクからの凍結乾燥薬剤粒子の調製;(ii)薬剤/ポリマー懸濁液の調製に続く超音波処理または均質化を行って薬剤の粒度を低下させること、(iii)液体窒素への噴霧化による凍結された薬剤/ポリマーのマイクロスフェアの作出、(iv)エタノールによるポリマー溶媒の抽出、及び(v)最終的な乾燥粉末産物を作出するための濾過及び真空乾燥から成る。得られる粉末は固形形態の活性剤を含有し、それは多孔性ポリマー粒子の中で均質に且つ厳格に分散される。工程で最も一般的に使用されるポリマーであるポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLG)は生体適合性であり且つ生分解性である。
カプセル化は低温(たとえば、−40℃)で達成することができる。カプセル化の間、タンパク質は水の非存在下にて固体状態で維持されるので、タンパク質の水が誘導する立体構造的な移動を出来るだけ抑え、反応物質としての水を含むタンパク質の分解反応を防ぎ、タンパク質が変性を受け得る有機/水性の界面を回避する。好まれる工程はほとんどのタンパク質が不溶性であるので高いカプセル化効率(たとえば、95%を超える)が得られる溶媒を使用する。
別の実施形態では、溶液の1以上の成分を、希釈の準備ができている、たとえば、保存容器にて(たとえば、予め測定した容量にて)、またはある容量の水に添加する準備ができている可溶性カプセルにて「濃縮物」として提供することができる。
前述の製剤及び投与方法は説明に役立つことが意図されるのであって、限定することは意図されない。本明細書で提供される教示を用いて、他の好適な製剤及び投与の方式を容易に考案することができることが十分に理解されるであろう。
5.併用療法
開示される方法の態様の1つでは、ApoE模倣体は単独で、または1以上の追加の治療剤との併用で投与することができる。追加の治療剤は治療される疾患または症状に基づいて選択される。種々のクラスの好適な医薬剤及び薬剤の記載は、Goodman及びGilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics,(第11版,McGraw−Hill Publishing Co.)(2005)にて見いだされ得る。たとえば、ApoE模倣体を含有する医薬組成物はアテローム性動脈硬化を治療するための1以上の既知の治療剤と併用して投与することができる。アテローム性動脈硬化を治療するための治療剤には、コレステロール低下剤、血圧降下剤、血液菲薄剤(すなわち、血栓を防ぐ薬物)、抗炎症剤及び抗アテローム形成剤が挙げられるが、これらに限定されない。コレステロール低下剤の例には、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸金属イオン封鎖剤、フィブラート、PCSK9阻害剤、ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質阻害剤、アポリポタンパク質B合成阻害剤、またはCETP阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
開示される方法の態様の1つでは、ApoE模倣体は単独で、または末梢血管疾患の1以上の追加の治療剤との併用で投与することができる。たとえば、ApoE模倣体を含有する医薬組成物は末梢血管疾患を治療するための1以上の既知の治療剤と併用して投与することができる。末梢血管疾患を治療するための治療剤には、コレステロール低下剤、血圧降下剤、血液菲薄剤(すなわち、血栓を防ぐ薬物)、抗炎症剤及び抗アテローム形成剤が挙げられるが、これらに限定されない。コレステロール低下剤の例には、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸金属イオン封鎖剤、フィブラート、PCSK9阻害剤、ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質阻害剤、アポリポタンパク質B合成阻害剤、またはCETP阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
開示される方法の態様の1つでは、ApoE模倣体は単独で、または、たとえば、血管形成術、アテローム切除術または移植のような1以上の追加の介入療法との併用で投与することができる。
開示される方法の態様の1つでは、ApoE模倣体は単独で、または重症四肢虚血の1以上の追加の治療剤との併用で投与することができる。たとえば、ApoE模倣体を含有する医薬組成物は重症四肢虚血を治療するための1以上の既知の治療剤と併用して投与することができる。重症四肢虚血を治療するための治療剤には、コレステロール低下剤、血圧降下剤、血液菲薄剤(すなわち、血栓を防ぐ薬物)、抗炎症剤及び抗アテローム形成剤が挙げられるが、これらに限定されない。コレステロール低下剤の例には、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸金属イオン封鎖剤、フィブラート、PCSK9阻害剤、ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質阻害剤、アポリポタンパク質B合成阻害剤、またはCETP阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
ApoE模倣体以外の重症四肢虚血治療剤は従来の脂質低下療法であることができ、従来の脂質低下療法は、以下:スタチン、抗血小板薬、アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾール、またはペントキシフィリンの1以上であることができる。ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化治療法にはまた、外科的介入、禁煙、糖尿病の管理、高血圧の管理 コレステロールの管理、運動、血管形成術(PTAまたは経皮経管的血管形成)、プラーク切除、バイパス移植、交感神経切除、切断術または血栓溶解を挙げることもできる。
ApoE模倣体は開示される追加の治療剤のいずれかと併せてまたはそれが後に続いて投与することができる。治療は、LDLアフェレーシス療法と併せてまたはそれが後に続いて投与することができる。
併用療法は、投与計画の治療サイクルの間にApoE模倣体と追加の治療剤とを投与することを含むことができる。併用療法はまた、治療サイクルの間にApoE模倣体を、及び休止期の間に追加の治療剤を投与することを含むこともできる。
開示される方法及び組成物は、それらが変化し得るので、特定の記載される方法論、プロトコール及び試薬に限定されないことが理解される。本明細書で使用される専門用語は特定の実施形態のみを記載する目的のためのものであって、添付のクレームによってのみ限定される本発明の範囲を限定することは意図されないことも理解されるべきである。
当業者は、わずかなごく普通の実験を用いて、本明細書で記載される方法及び組成物の特定の実施形態に対する多数の同等物を認識するであろうし、突き止めることができるであろう。そのような同等物は以下のクレームによって包含されることが意図される。
A.実施例1:試験1−ApoE模倣体の延長された効果(hE18AのmR18L、単一ドメインのカチオン性ペプチドとの比較)
図1はmR18L(Tytlerら JBC,268:22112−22118,1993;Handattuら J.Lipid Res,51:3491−3499,2010)の設計を示す。図2に示すようにApoEヌルマウスにて実験プロトコールを実施した。マウスを6週間、洋風餌で飼養してコレステロールを高めた。次いで動物を2週間普通餌に切り替え、その後、マウスを4週間、生理食塩水またはペプチドで処理した。次いで動物を普通餌にしたまま処理を4週間中止した。4週間の処理後の段階の後、マウスを安楽死させ、組織切除と試料採取を行った。
26週目にて処理の4週後、血液を採取し、コレステロールについて分析した。処理の終了時、mR18L及び生理食塩水に比べてApoEヌルマウスにてhE18Aは血漿コレステロールのレベルの低下で良好だった(図3A及び3B)。ApoE模倣体ペプチドの処理は血漿トリグリセリドのレベルを変化させなかった(図4)。しかしながら、ApoE模倣体の処理は、たとえば、ROS及びPONの活性ような酸化的ストレスの血漿マーカーを改善した。図5Aは生理食塩水で処理したマウスに比べてhE18Aで処理したマウスにおける反応性酸素種(ROS)の有意な低下を示す。ROSはアテローム性動脈硬化の病態形成に関与しているとされているので、ApoE模倣体による処理によってROSが低下することは有益である。
図5Bは、生理食塩水及びmR18Lで処理したマウスに比べてhE18Aで処理したマウスにおけるパラオキソナーゼ(PON)活性の有意な上昇を示す。PON遺伝子ファミリーは、たとえば、LDLの酸化を防ぐことのような抗アテローム性動脈硬化の効果を有する。従って、hE18Aで処理したマウスにおけるPON活性の上昇はアテローム性動脈硬化の動物モデルにて有益である。図6A及び6Bはさらに、Ac−hE18A−NH2で処理したApoEヌルマウスのHDL分画におけるPON−1レベルの劇的な上昇を示す。
ApoE模倣体による処理の後4週間である30週目でマウスを安楽死させた。
図7及び8Bはコレステロールのレベル及びROSのレベルがそれぞれ処理期間の終了の4週間後、有意に異ならなかったことを示す。しかしながら、処理の4週間後、生理食塩水及びmR18Lで処理したマウスに対してhE18Aで処理したマウスにおいてPON−1活性は依然として上昇した(図8A)。重要なことに、生理食塩水及びmR18Lで処理したマウスに比べてhE18Aで処理したマウスでは、アテローム性動脈硬化の病変領域が有意に減少した(図9A及び9B)。大動脈洞におけるアテローム性動脈硬化の病変領域もhE18Aによって有意に減少したが(図10)、mR18Lによっては減少しなかった。hE18Aによる大動脈洞のマクロファージ被覆率での低下に向かう有意ではない傾向もあった(図11)。
B.実施例2:試験2−ApoE−/−マウスにおける後期介入試験
図12はApoE−/−マウスを処理するのに使用した試験設計を示す。マウスを豚脂餌で7週間飼養し、次いで普通餌に4週間切り替えた。マウスを週2回4週間処理し、次いで処理を4週間中止した。終了1はApoE模倣体処理の終了直後の時点を表す。終了2は4週間の処理中止の直後の時点を表す。血漿(コレステロール、トリグリセリド)及び肝臓(コレステロールエステル、非エステル化コレステロール、トリグリセリド)にて脂質を分析した。循環器の分析も行い、分析した大動脈の異なる領域を図15にて示す。
ApoE模倣体による処理は処理期間の間、脂質のレベルを低下させたが、持続効果を有するとは思われなかった(図13及び14)。しかしながら、循環器の分析は、大動脈におけるプラークの比率がApoE模倣体による処理を中止した4週間後でさえ有意に低下することを示した(図16及び17)。さらに、心臓の拡張終期と収縮終期の断面領域の双方がApoE模倣体による処理を中止した4週間後減少していた(図18A及び18B)。駆出分画は同じままだった。心室壁厚の心拍に上昇がなかったということは、心臓が大きな心臓予備力で作動して同じ量の血液を送達していたことを示している。
要約
双方の試験は類似の結果を示した。動物は処理中止の4週間後、約650mg/dlのコレステロールレベルを有したが、5mg/kgのAchE18ANH2で処理した動物は、処理終了時、胸部大動脈におけるアテローム性動脈硬化病変を約50%低下させ、大動脈弓における病変を約35%低下させた。
処理中止の4週間後、拡張終期と収縮終期の領域は処理された動物で減少した。駆出分画及び心拍は不変だった。その結果、低い心臓容積で心拍出量が維持されたということは、心臓の予備力及び有効性を示す。このことは低下した動脈壁の硬化及び血管緊張の低下を示す。
処理中止の4週間後、ApoE模倣体で処理した動物ではPON−1活性は高いままだった。PON−1はHDLの主要な抗アテローム性動脈硬化の成分であるので、HDLの機能を改善する。これらの持続した利益はすべて、Ac−hE18A−NH2による処理の経過が、アテローム性動脈硬化の負荷を軽減し、動脈壁の健康を改善し、動脈壁を若返らせ、慢性高コレステロール血症及び炎症が原因で生じたアテローム性動脈硬化を退行させることを示している。

Claims (17)

  1. 少なくとも1回の治療サイクルとそれに続く休止期を含む投与計画であって、前記治療サイクルが有効量のApoE模倣体を投与して前記ApoE模倣体の中止後に持続する治療効果を可能にすることを含み、休止期には前記ApoE模倣体は投与されない、前記投与計画。
  2. 治療サイクルが、週に1回3ヵ月間有効量のApoE模倣体を投与することを含む請求項1に記載の投与計画。
  3. 治療サイクルが、2週間ごとに1回12週間まで有効量のApoE模倣体を投与することを含む請求項1に記載の投与計画。
  4. 投与計画がさらに、休止期の後に第2の治療サイクルを含む請求項1に記載の投与計画。
  5. アテローム性動脈硬化症の治療方法であって、少なくとも1回の治療サイクルの間有効量のApoE模倣体を対象に投与することを含み、前記治療サイクルが有効量のApoE模倣体を投与して前記ApoE模倣体の中止後に持続する治療効果を可能にすることを含み、前記治療サイクルには休止期が続き、前記休止期にはApoE模倣体は投与されない、前記治療方法。
  6. 休止期が少なくとも4週間である請求項5に記載の方法。
  7. 休止期の後に第2の治療サイクルをさらに含む請求項5に記載の方法。
  8. 4週間の休止期の後に第2の治療サイクルが投与される請求項7に記載の方法。
  9. 当初の治療サイクルの開始から1年で第2の治療サイクルが投与される請求項7に記載の方法。
  10. 休止期の間にApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化治療剤が投与される請求項5に記載の方法。
  11. ApoE模倣体以外のアテローム性動脈硬化治療剤が従来の脂質低下療法である請求項10に記載の方法。
  12. 従来の脂質低下療法がスタチンである請求項11に記載の方法。
  13. ApoE模倣体がLRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAFである請求項5に記載の方法。
  14. 治療サイクルが、週に1回3ヵ月間、有効量のApoE模倣体を投与することを含む請求項5に記載の方法。
  15. 少なくとも1回の治療サイクルとそれに続く休止期を含む投与計画であって、前記治療サイクルが有効量のApoE模倣体を投与して前記ApoE模倣体の中止後、持続する治療効果を可能にすることを含み、前記ApoE模倣体がアミノ酸配列LRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号1)から成り、休止期の間に前記ApoE模倣体は投与されない、前記投与計画。
  16. アミノ酸配列LRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号1)が、アミノ末端を保護するアセチル基及びカルボキシル末端を保護するアミド基で末端保護される請求項15に記載の投与計画。
  17. アテローム性動脈硬化症の治療方法であって、少なくとも1回の治療サイクルの間有効量のApoE模倣体を対象に投与することを含み、前記治療サイクルが有効量のApoE模倣体を投与して前記ApoE模倣体の中止後に持続する治療効果を可能にすることを含み、前記ApoE模倣体がアミノ酸配列LRKLRKRLLRDWLKAFYDKVAEKLKEAF(配列番号1)から成り、前記治療サイクルには休止期が続き、前記休止期にはApoE模倣体は投与されない、前記治療方法。
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