JPH11511984A - 細胞周期チェックポイント遺伝子 - Google Patents

細胞周期チェックポイント遺伝子

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JPH11511984A JP9510985A JP51098597A JPH11511984A JP H11511984 A JPH11511984 A JP H11511984A JP 9510985 A JP9510985 A JP 9510985A JP 51098597 A JP51098597 A JP 51098597A JP H11511984 A JPH11511984 A JP H11511984A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、真核細胞における細胞周期の進行を制御する、チェックポイント遺伝子のクラス及びそれらのポリペプチド産物に関する。特に、本発明は、Schjzosaccharomyces pombeのrad3遺伝子、そのヒト相同体(ATR)及びそれらによってコードされるタンパク質に関する。さらに本発明は、これらチェックポイント遺伝子のポリペプチド産物の活性をモジュレートする化合物を選択するためのアッセイ方法及び選択された化合物の抗ガン療法における使用に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 細胞周期チェックポイント遺伝子 本発明は、真核細胞における細胞周期の進行を制御するチェックポイント遺伝 子のクラスに関する。発明の背景 細胞周期の制御は、酵母から哺乳動物までの真核細胞の生長及び維持の基礎を なすものである。真核細胞は、細胞周期の各ステップが、次のステップが始まる 前に完遂することを保証する「チェックポイント」と称される制御経路を展開し ている。DNA損傷に呼応して、直接的なDNA修復機構及び細胞周期の進行の 遅延の双方により、細胞の生存率が高められる。照射時点における周期内での細 胞の位置付けに依存して、哺乳動物細胞のDNA損傷は、(a)G1からS期へ の移行、(b)S期での進行または(c)G2から有糸分裂への移行を妨げるこ とができる。かかるチェックポイントは、損傷を受けたDNAの複製や、有糸分 裂の際の断片化した染色体の分離などといった有害な事象を妨げると考えられる (Hartwell及びKastan、1994)。 Schjzosaccharomyces pombeのrad3遺伝子が、DNA損傷に呼応するチェック ポイント及び複製の阻止に必要である。Rad3は、ホスファチジルイノシトール-3 キナーゼ(PI-3キナーゼ)のp110サブユニットの脂質キナーゼドメインに配列相 同性を有する領域を有するキナーゼの、脂質キナーゼサブクラスのメンバーであ る。このサブクラスは毛細(血)管拡張性運動失調症の患者において欠損してい るATMタンパク質も含んでいる。毛細 (血)管拡張性運動失調症の患者からの細胞(AT細胞)は、照射後にS期が遅延 されなくなっており、放射線抵抗性のDNA合成を呈するといわれている(Pain ter及びYoung、1989)。S期において照射を受けたAT細胞は、おそらくは損傷 を受けたDNAを複製しようと試みた結果として、致死的な損傷を伴ってG2期 で蓄積する。G2期の際に照射を受けたAT細胞は、異なる表現型を呈し、すな わち、それらの細胞はDNA損傷後にも有糸分裂を抑止せず、損傷を受けたDN Aをもって有糸分裂が進行する(Beamish及びLavin、1994)。しかして、ATM 遺伝子がマッピングされているA−T座での変異によって、イオン化照射に対す る適切な応答のために必要な様々のチェックポイントの破壊が引き起こされる。 この脂質キナーゼのサブクラスの他のメンバーに包含されるのは、Tel1p(Green wellら、1985)、Saccharomyces cerevisiaeにおいて染色体の末端小粒(テロメ ア)の長さを適切に維持することに関連する遺伝子;Esr1p;Mec1p及びDrosophi a melanogaster mei-41チェックポイント遺伝子(Hariら、1995)である。発明の開示 本発明者らは、S.pombe rad3遺伝子を分析し、当該遺伝子が、Seatonらが199 2年に報告したように1070のアミノ酸でなく、全長2386アミノ酸のアミノ酸配列 を有していることを見出した。本発明者らは、これがS.cerevisiaeのEsr1pの直 接的な相同体であること、そしてそれがATM遺伝子と同様の全構造を保有して いることを確認している。rad3タンパク質のC−末端領域は、脂質キナーゼドメ インを含み、これがRad3の機能に必要である。Rad3は自己会合ができることも本 発明者らは明らかにした。また本発明者らは、Rad3に関連するタンパク質キナー ゼ 活性も同定した。 さらに、本発明者らはrad3に対するヒト相同体をも見出している。ATR(at axia and rad related(運動失調及びrad関連))と命名されたこの遺伝子は、rad 3がATM遺伝子との間に呈する相同性よりも有意に高い相同性を呈している。 ヒトATRのcDNA配列を、配列番号:1に示す。ヌクレオチド第80位から 8011位までのORFのアミノ酸配列を、配列番号:2に示す。 rad3の読み取り枠(ORF)のDNA配列を、配列番号:3に示す。遺伝子の 2386アミノ酸(配列番号:3のヌクレオチド第585位から7742位まで)の翻訳タ ンパク質を、配列番号:4に示す。 従って、第1の特徴において、本発明は配列番号:2のATRタンパク質及び その相同体、そのポリペプチド断片、さらにかかるATRタンパク質またはその ポリペプチド断片と結合することができる抗体を提供するものである。ATRタ ンパク質、その相同体及び断片は、以下、本発明のポリペプチドと称される。 他の特徴において、本発明は配列番号:1またはその相補体(すなわち、相補 鎖)に選択的にハイブリダイズすることができる、実質的に単離されたフォーム のポリヌクレオチドを提供する。かかるポリヌクレオチドは、本発明のポリヌク レオチドと称される。本発明のポリヌクレオチドには、配列番号:1のDNA及 びこの遺伝子と選択的にハイブリダイズすることができるその断片が包含される 。 さらなる特徴において、本発明は、発現ベクターを含んで、本発明のポリヌク レオチドを有する組換えベクター、及び好適な宿主細胞にて、本発明の配列によ ってコードされるタンパク 質もしくはポリペプチドの発現が起こるような条件下でかかるベクターを生育す る方法を提供するものである。 さらに別の特徴において、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチ ドまたは抗体を含むキット、ならびにATR及びその相同体、またはその変異体 (有害なATRの変異を含む)の有無の診断にかかるキットを使用する方法を提 供するものである。 本発明はさらに、ATR活性、またはチェックポイント活性が欠損したATR の変異型の活性を、阻害または活性化するための化合物としての使用を目的とす る候補物質のスクリーニングのためのアッセイ方法を提供する。本発明はさらに 、ATRそれ自体を含め、ATRと相互作用する他の化合物とATRとの間の相 互作用を阻害するための化合物としての使用を目的とする候補物質のスクリーニ ングのためのアッセイ方法も提供する。 関連する特徴として、本発明はさらに、実質的に単離されたフォームの、配列 番号:3のポリヌクレオチド配列、実質的に単離されたフォームの、配列番号: 4のタンパク質、ならびにそれらの新規な断片及び変異体を提供する。発明の詳細な説明 A.ポリヌクレオチド 本発明のポリヌクレオチドには、DNAまたはRNAが包含されうる。それら は、合成ヌクレオチドまたは修飾されたヌクレオチドをその中に含むポリヌクレ オチドであってよい。当該技術分野において、数多くのタイプのオリゴヌクレオ チドへの修飾が知られている。これらには、メチルホスフォネート及びホスフォ ロチオエート骨格、分子の3’及び/または5’端で のアクリジンまたはポリリジンの付加が含まれる。本発明の目的のために、本明 細書に記載されるポリヌクレオチドを当該技術分野にて利用できる種々の方法に より修飾してもよいことは理解されるべきである。かかる修飾は、本発明のポリ ヌクレオチドのin vivoの活性または寿命を増強するために行われてもよい。 配列番号:1のDNAに選択的にハイブリダイズすることができる本発明のポ リヌクレオチドは、少なくとも20、好ましくは少なくとも25または30、例 えば、少なくとも40、60または100以上の隣接するヌクレオチドの領域に わたって、配列番号:1の対応するDNAに、概して、少なくとも70%、好ま しくは少なくとも80または90%そしてより好ましくは少なくとも95%の相 同性を有するものであろう。 当業者であれば、本発明のポリペプチドが発現されるべき特定の宿主生物のコ ドンの使用頻度(codon usage)を反映するように、本発明のポリヌクレオチド によってコードされるポリペプチド配列に影響を及ぼさないヌクレオチド置換を 慣例的な技術を用いて施すことができることは理解されるべきである。 本発明のポリヌクレオチドを特定すべく、前記した相同性の程度及び最小サイ ズのいかなる組合せを使用してもよいが、さらに厳密な組合せ(すなわち、より 長鎖に及んでより高い相同性を有すること)が好ましい。しかして、例えば25 、好ましくは30のヌクレオチドにわたり、少なくとも80%の相同性を有する ポリヌクレオチド、さらには40のヌクレオチドにわたり少なくとも90%の相 同性を有するポリヌクレオチドが、本発明の特徴とするものである。 本発明のポリヌクレオチドは、例えば、PCRプライマー代替増幅反応用のプ ライマーなどのプライマー、例えば、放射性 または非放射性標識を用いて慣用手段により、明示する標識をもって標識付けさ れたプローブを生産するために使用することができ、あるいはポリヌクレオチド をベクターにクローニングしてもよい。かかるプライマー、プローブ及び他の断 片は、少なくとも15、好ましくは20、例えば、少なくとも25、30または 40の鎖長のヌクレオチドであり、そしてこれらも、本明細書にて使用するとこ ろのポリヌクレオチドなる語の範囲に含まれる。 本発明のDNAポリヌクレオチド及びプライマーなどのポリヌクレオチドは、 組換え法により、合成法により、あるいは当該技術分野において知られる種々の 手段によって生産することができる。これらは、標準技術によりクローニングさ れてもよい。 一般に、プライマーは一度に1つのヌクレオチドの所望の核酸配列を段階的に 製造することを含む、合成法によって生産されるであろう。自動化された技術を 使用してこれを完遂するための技術を、当該技術分野において容易に利用できる 。 さらに長いポリヌクレオチドは概して、例えば、PCR(ポリメラーゼ連鎖反 応)クローニング技術を使用して、組換え手段を用いて生産されよう。この手段 はクローニングが所望されるATR遺伝子の領域に対する1対のプライマー(例 えば、約15〜30ヌクレオチド)を作製し、ヒト細胞(例えば、末梢血白血球 などの分裂細胞)から得られたmRNAまたはcDNAにそのプライマーを接触 せしめ、所望の領域の増幅をもたらす条件下でポリメラーゼ連鎖反応を実施し、 増幅された断片を単離(例えば、アガロースゲルにて反応混液を精製することに よる)し、そして増幅されたDNAを回収する工程を含むとよい。増幅されたD NAが好適なクローニングベクターへとクロ ーニングされうるように、プライマーは好適な制限酵素認識部位を含むように設 計されるとよい。 かかる技術は、本明細書中で記載されるATR配列のすべてまたは一部分を得 るために使用されることができる。ATR遺伝子を含むゲノミッククローン及び そのイントロン及びプロモーター領域もまた、類似の方法で、ヒト細胞、例えば 、肝細胞由来のゲノミックDNAで着手して得ることができる。 一般に、本明細書中に記載される技術は当該技術分野においてよく知られてい るところであるが、特にSambrookら (Molecular Cloning: A Laboratory Manual、1989)を参照するとよい。 本発明の配列に100%の相同性を有するわけではないが本発明の範囲に含ま れるポリヌクレオチドは、数多くの方法で得ることができる。 本明細書中に記載されるATR配列の他のヒト対立変異体は、例えば、異なる 個体群由来の個体である、所定範囲の個体からつくられたゲノミックDNAライ ブラリーをプローブで探索することによって得られうる。 加うるに、他の動物、特に哺乳動物(例えば、マウス、ラットまたはウサギ) とりわけ霊長類でのATRの相同体を得ることができ、かかる相同体及びその断 片は概して、配列番号:1と選択的にハイブリダイズすることができるものであ ろう。かかる配列は、分裂細胞もしくは組織から作製されたcDNAライブラリ ー、または他の動物種由来のゲノミックDNAライブラリーをプローブで探索す ること、及び高いストリンジェンシーとした媒質の条件下で(例えば、約50℃ から約60℃にて、0.3M塩化ナトリウム及び0.03Mクエン酸ナトリウム)配列番 号:1のすべてまたは一部分を含むプローブを用いてかかる ライブラリーを探索することによって得ることができる。 対立変異体及び種相同体を、変異体または保存されたアミノ酸配列をコードす る相同体内の標的配列に対して設計されたプライマーを使用する縮重PCRを用 いて得ることもできる。保存された配列は、ATRアミノ酸配列とrad3のアミノ 酸とのアラインメントから予測することができる。プライマーは、1またはそれ 以上の縮重箇所を含んでいると考えられ、既知配列に対する単一配列のプライマ ーでの配列のクローニング用に使用されるよりも低いストリンジェンシーの条件 下でそれらプライマーを使用するとよい。 あるいは、かようなポリヌクレオチドは、ATR配列またはその対立変異体の 部位特異的突然変異によっても得られる。この方法は、例えば、ポリヌクレオチ ド配列が発現される特定の宿主細胞のためのコドン選択を至適化するために、配 列に対して沈黙コドンの変更を行う必要がある場合に有用であるかもしれない。 他の配列の変更は、制限酵素認識部位を導入するため、またはポリヌクレオチド によってコードされるポリペプチドの特性または機能を変化させるために所望さ れるかもしれない。さらなる変化は、チェックポイント機能を喪失した変異型A TR遺伝子を高める、ATRにおいて認められる特定のコード変更を呈するため に望ましいかもしれない。かような変更に基づくプローブは、かかるATR変異 体を検出するための診断プローブとして使用することができる。 本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド及びその相補体を含んでなる二本 鎖ポリヌクレオチドを提供する。 本発明のポリヌクレオチドまたはプライマーは、明示する標識を担持していて もよい。好適な標識には、32Pまたは35Sなどの放射性同位体、酵素標識、また はビオチンなどの他のタン パク質標識が包含される。かかる標識は、本発明のポリヌクレオチドまたはプラ イマーに加えられてよく、本質的に既知の技術を使用することによって検出され うる。 標識または非標識の、本発明のポリヌクレオチドもしくはプライマーまたはそ の断片は、ヒトまたは動物体におけるATRを検出または配列決定するための核 酸ベース試験(nucleicacid-based test)において当業者により使用されうる。 検出のためのかかる試験は一般に、ハイブリダイゼーション条件下で本発明の ポリヌクレオチドまたはプライマーを含むプローブに、DNAまたはRNAを含 有するヒトまたは動物体試料を接触せしめ、そして試料中の核酸とプローブとの 間に形成された二本鎖分子を検出する工程を含む。かかる検出は、PCRなどの 技術を使用して、またはプローブを固体支持体に固定化し、プローブにハイブリ ダイズしない試料中の核酸を除去し、次いでプローブにハイブリダイズしている 核酸を検出することによって行うとよい。あるいは、試料の核酸を固体支持体に 固定化し、かかる支持体に結合されるプローブの量を検出することもできる。こ の、その他の様式の好適なアッセイ方法は、例えば、WO89/0381号及びWO90/1366 7号などに開示されている。 ATR配列決定のための試験は、ハイブリダイゼーション条件下で本発明のポ リヌクレオチドまたはプライマーを含むプローブに、標的DNAまたはRNAを 含有するヒトまたは動物体試料を接触せしめ、そして例えば、サンガー・ジデオ キシ・チェインターミネーター法などによって配列を決定する工程を含む(Samb rookら、参照)。 かかる方法は一般に、好適な試薬の存在下に、標的DNAまたはRNAに相補 的な鎖のプライマーを合成によって伸長させ 、そしてA、C、GまたはT/U残基の1またはそれ以上にて伸長反応を選択的 に終止し、鎖の伸長及び終止反応を起こさせ、選択的な終止が生じるヌクレオチ ドの配列を決定するために伸長された産物をサイズに従って分離する工程を含む 。好適な試薬には、DNAポリメラーゼ酵素、デオキシヌクレオチドのdATP 、dCTP、dGTP及びdTTP、緩衝液ならびにATPが含まれる。ジデオ キシヌクレオチドは、選択的な終止のために使用される。 ヒトまたは動物体におけるATRを検出または配列決定するための試験は、例 えば白血病細胞ならびに乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、脳、筋肉及 び骨の腫瘍などの固形腫瘍を包含するガン細胞内で、変化したATR遺伝子配列 を有する、または有することが疑われる個体における細胞内のATR配列を決定 するために使用するとよい。 加うるに、ATRの発見によって、ATM遺伝子と類似の方法で、遺伝性疾患 におけるこの遺伝子の役割が調査されることが可能となるであろう。一般にこの 調査は、例えば、ガンへの家族性の疾病素質、染色体の破壊または不安定性表現 型または修復−損傷感受性表現型などといった、複製している細胞への損傷に関 わるかもしれない疾患を有する患者に由来する細胞内でのATRの状態を確立す ること(例えば、PCR配列分析を用いる)が含まれよう。 本発明のプローブは、好適な容器の中に、試験キットの形態にて適切に包装さ れるとよい。かかるキットにおいて、そのキットが設計されるアッセイ形式に結 合が必要とされる場合に、プローブは固体支持体に結合されるとよい。キットは 、プローブで探索されるべき試料を処理するため、試料中の核酸にプローブをハ イブリダイズさせるための好適な試薬、対照試薬、説 明書等を含むとよい。 本発明はさらに、下記の本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド を提供する。かかるポリヌクレオチドは本発明のポリペプチドの組換え生産のた めの配列として有用であると考えられるので、それらポリヌクレオチドが配列番 号:1の配列に選択的にハイブリダイズすることが必要というわけではないもの の、概して選択的にハイブリダイズすることが望ましい。他に、かかるポリヌク レオチドは、所望に応じて前記の通りに標識付け、使用、及び作製されるとよい 。本発明のポリペプチドは後述するとおりである。 特に好ましい本発明のポリヌクレオチドは、ATRの脂質キナーゼドメインに 由来するポリヌクレオチド、その対立変異体及び種相同体である。脂質キナーゼ ドメインは、配列番号:1のヌクレオチド第7054位から8011位に表される。この ドメインを含む本発明のポリヌクレオチドが、特に好ましい。「脂質キナーゼド メイン」なる語は、配列のアラインメントによって調べた場合に他の既知の脂質 キナーゼ、特にPI-3キナーゼのp110サブユニットに相同性を有するドメインを称 する。 本発明の、他の好ましいポリヌクレオチドは、ロイシンジッパー領域、タンパ ク質−タンパク質相互作用の推定部位と考えられる配列番号:2のアミノ酸第18 1位から第302位まで(配列番号:1のヌクレオチド第620位から985位まで)、及 びやはり保存されている、アミノ酸第1358位から1366位まで(ヌクレオチド第41 51位から第4177位まで)をコードするヌクレオチドを含むものである。 さらなる特徴において、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号:3のポリヌ クレオチド、及び以下の変更がなされたヌクレオチド第2482位から第6599位まで からなる断片以外の配列と 選択的にハイブリダイズすることができる断片が包含される。 上記変更とは、残基2499、2501、2507及び2509の欠失と、5918/5919間へのCの 挿入である。 特に好ましい断片には、残基第6826位から7334位まで(脂質キナーゼドメイン )ならびに第1476位から1625位まで及び第2310位から第2357位までのロイシンジ ッパー領域を含んでなる断片である。加えて、保存された領域第3891位から第39 17位までを含む断片が好ましい。かかるポリペプチド及び断片は、前記の通りに 作製及び使用されるとよい。B.ポリペプチド 本発明のポリペプチドには、配列番号:2で示される配列を含む、実質的に単 離されたフォームのポリペプチドが包含される。 ポリペプチドはさらに、前記ポリペプチドと実質的に相同な、天然に存在する 対立変異体及び合成変異体を包含する、かかる配列の変異体を包含する。ここで 、実質的な相同性は、脂質キナーゼドメイン及びC−末端部分(残基第2326位か ら2644位まで)を除く配列番号:2の配列と、30アミノ酸にわたって少なくと も70%、例えば、80%または90%のアミノ酸相同性(同一性)を有する配 列と考えられ、好ましくは、実質的な相同性は、50アミノ酸にわたって少なく とも80%の相同性、好ましくは90%の相同性(同一性)として認識される。 さらにポリペプチドは、哺乳動物(例えば、マウス、ラットまたはウサギ)、 とりわけ霊長類を包含する他の種に由来するATR相同体をコードする他のポリ ペプチド、そして前記したごときそれらの変異体も含むものである。 本発明のポリペプチドはまた、配列番号:2に示される配列 の断片を包含する、前記全長のポリペプチド及びその変異体の断片をも包含する 。 好ましい断片には、特にエピトープを含む断片が包含される。好適な断片は、 少なくとも約5、例えば、10、12、15または20アミノ酸のサイズであろ う。ATRタンパク質のポリペプチド断片ならびにその対立変異体及び種変異体 は、1またはそれ以上の(例えば、2、3、5または10)の保存的置換を包含 する、置換、欠失または挿入を含みうる。 保存的置換は、以下の表に従って作製するとよい。この表は保存的置換を示し 、第2カラムの同じブロックにあるアミノ酸、そして好ましくは第3カラムの同 じライン上にあるアミノ酸は互いに置換されうるものである。 本発明のポリペプチドの変異体はまた、(1)本発明のポリペプチドに特異的 なキナーゼ活性を喪失することなく、または(2)本発明のポリペプチドに特異 的なキナーゼ活性を無力化する、または(3)細胞周期チェックポイント経路の 調節因子のメンバーとの相互作用能を無力化する、1またはそれ以上の特定の( specified、すなわち、天然においてコードされている)アミノ酸が欠失または 置換された、あるいは1またはそれ以上の特定のものでないアミノ酸が付加され たポリペプチドを含んでもよい。 エピトープは、Geysenら、Mol.Immunol.23巻、709〜715頁 (1986)に記載されるごときペプチドスキャン技術などの技術のいずれかにより判 定しうる。 本発明のポリペプチドは、実質的に単離されたフォームであるとよい。ポリペ プチドは、かかるポリペプチドにより意図される目的を妨げることのない担体ま たは希釈剤と共に混合されるとよく、そのような混合体もやはり、実質的に単離 されたものと認識されることは理解されよう。本発明のポリペプチドはまた、実 質的に精製されたフォームであるとよく、この場合概して、調製物中のポリペプ チドの90%を越える量、例えば、95%、98%または99%が本発明のポリ ペプチドであるように、調製物中にポリペプチドを含むものであるとよい。本発 明のポリペプチドは例えば、それらの精製を補助するためのヒスチジン残基の付 加や、細胞からの分泌を促進するためのシグナル配列の付加によって修飾されて もよい。 本発明のポリペプチドは、明示する標識を用いて標識付けしてもよい。明示す る標識は、ポリペプチドが検出されることを許容する好適な標識のいかなるもの であってよい。好適な標識には、例えば125Iなどの放射性同位体、酵素、抗体 、ポリヌクレオチド及びビオチンなどのリンカーが包含される。本発明の標識付 けされたポリペプチドは、標準的なプロトコルを使用し、動物及びヒトにおいて 当該ポリペプチドに対する免疫反応を検出するための、血清学的または細胞を介 した免疫アッセイにおいて使用することもできる。 本発明のポリペプチドもしくは標識付けされたポリペプチドまたはその断片は 、固体相、例えば免疫アッセイウェルまたは計量棒(dipstick)の表面に固定さ れてもよい。 かかる標識付けされた及び/または固定化されたポリペプチドは、好適な試薬 、対照、説明書等と共に、好適な容器の中に 試験キットの形態にて適切に包装されるとよい。 かかるポリペプチド及びキットは、ATRタンパク質またはその対立もしくは 種変異体に対する抗体のイムノアッセイによる検出の方法において使用すること ができる。 イムノアッセイ法は当該技術分野においてよく知られており、概して以下の工 程を含む。 (a)前記タンパク質に対する抗体によって結合可能なエピトープを含むポリ ペプチドを準備し、 (b)抗体−抗原複合体の形成を許容する条件下で、前記ポリペプチドと共に 生物学的試料をインキュベートし、そして (c)前記ポリペプチドを含む抗体−抗原複合体が形成されたか否かを判定す る。 本発明のポリペプチドは、合成手段(例えば、Geysenらにより報告されるとお り)によって、または組換えによって、後述のように得られる。 本発明の特に好ましいポリペプチドには、脂質キナーゼドメイン(すなわち、 配列番号:2のアミノ酸第2326位から2644位まで)にわたるもの、もしくは当該 ドメイン内のもの、またはそれらに実質的に相同性を有する配列を有するものが 含まれる。この領域から前記のように特定される断片が、特に好ましい。ポリペ プチド及びその断片には、後述の実施例に記載されるrad3の置換位置に対応する 第2475位、2480位及び2494位の1またはそれ以上における置換を包含する、前記 のごときアミノ酸の変更が含まれてもよい。 本発明のポリペプチドは、チェックポイント遺伝子としてのATRの役割を研 究するために、in vitroまたはin vivoの細胞培養系にて使用することができる 。例えば、切欠または修飾された(例えば、脂質キナーゼドメインに修飾が施さ れた)AT Rを、細胞内に存在するチェックポイント機能を崩壊させるべく細胞内に導入し てもよい。 本発明のポリペプチドは、組換え発現ベクター(下記)からのポリペプチドの in situ発現によって細胞内に導入してもよい。発現ベクターは、ポリペプチド の発現を制御する誘導可能なプロモーターを任意に担持してもよい。 本発明の組換え発現産物に対して至適な生物学的活性を付与するのに必要であ りうるような転写後の修飾(例えば、ミリストレーション、グリコシレーション 、切欠、ラピデーション及び、チロシン、セリンまたはスレオニンのリン酸化な ど)を施すために、哺乳動物宿主細胞を使用することが考えられる。 本発明のポリペプチドが発現されるこのような細胞培養系は、細胞におけるチ ェックポイント機能を妨害または増強する候補物質を同定するためのアッセイシ ステムにおいて使用することができる(後述)。 さらなる特徴において、本発明のポリペプチドは、配列番号:4のタンパク質 及びアミノ酸第713位から1778位からなる断片を除く領域由来の前記タンパク質 の断片を包含する。特に好ましい断片には、残基第2082位から2386位まで(脂質 キナーゼドメイン)ならびにロイシンジッパー領域である第298位から第347位ま で及び第576位から591位までを含む断片が包含される。加うるに、保存された領 域である第1103位から第1111位までを含む断片が好ましい。かかるポリペプチド 及び断片は、前記のとおりに作製及び使用されるとよい。 本発明はまた、配列番号:4のタンパク質、及びその断片に実質的に相同性を 有するポリペプチドを提供するものである。ここで、実質的な相同性は、脂質キ ナーゼドメイン及びC−末端部分(残基第2082位から2386位まで)を除く配列番 号:4の 配列と、30アミノ酸にわたって少なくとも70%、例えば、80%または90 %のアミノ酸相同性(同一性)を有する配列と考えられ、好ましくは、実質的な 相同性は、50アミノ酸にわたって少なくとも80%、好ましくは少なくとも9 0%の相同性(同一性)として認識される。C.ベクター 本発明のポリヌクレオチドは、複製可能な組換えベクターに組み入れることが できる。ベクターは、適合しうる宿主細胞にて核酸を複製するために使用されう る。かくして、さらなる実施態様において、本発明は複製可能なベクターに本発 明のポリヌクレオチドを導入し、当該ベクターを適合可能な宿主細胞に導入し、 そしてベクターの複製をもたらす条件下で宿主細胞を生育することにより、本発 明のポリヌクレオチドを作製する方法を提供するものである。ベクターは宿主細 胞から回収されうる。好適な宿主細胞については、発現ベクターと共に以下に記 載する。D.発現ベクター 好ましくは、ベクター内の本発明のポリヌクレオチドは、宿主細胞によってコ ード配列の発現を行うことができるようにする制御配列に作動可能に連結されて いるものであって、すなわち、好ましいベクターは発現ベクターである。 「作動可能に連結される」なる語は、前記成分がそれらに対して意図されるよ うに機能することを許容する関係にある、並列を称する。コード配列に「作動可 能に連結される」対照の配列は、対照の配列と適合可能な条件下でコード配列の 発現が成し遂げられるように連結される。 このようなベクターは、本発明のポリペプチドの発現を行う べく前記のごとき好適な宿主細胞へと形質転換されうる。しかして、本発明のさ らなる特徴において、本発明のポリペプチドを調製するための方法が提供され、 かかる方法は、以下の工程すなわち、ポリペプチドをコードするコード配列のベ クターによる発現を行う条件下で、前記の発現ベクターで形質転換またはトラン スフェクトされた宿主細胞を培養し、そして発現されたポリペプチドを回収する 工程を含む。 ベクターは例えば、複製の起点、前記ポリヌクレオチドの発現用のプロモータ ー(任意)及びプロモーターの調節因子(任意)を有する、プラスミド、ウイル スまたはファージベクターであるとよい。ベクターは、1またはそれ以上の選択 可能なマーカー遺伝子、例えば細菌プラスミドの場合にはアンピシリン耐性遺伝 子、または哺乳動物用ベクターにはネオマイシン耐性遺伝子をを含むとよい。ベ クターは、例えばRNAの生産用にin vitroで使用したり、宿主細胞をトランス フェクトまたは形質転換するために使用したりできる。ベクターはさらに、例え ば遺伝子療法の方法において、in vivoにおける使用に適用されうる。 本発明のさらなる実施態様によれば、本発明のポリヌクレオチドの複製及び発 現のためのベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞が提供さ れる。細胞は、前記ベクターに適合性を有するものが選択され、それらは例えば 、細菌、酵母、昆虫または哺乳動物細胞であるとよい。 本発明のポリヌクレオチドは、アンチセンスRNAの生産を行うために、アン チセンス方向にて前記ベクターに挿入されてもよい。アンチセンスRNAまたは 他のアンチセンスポリヌクレオチドは、合成法によっても生産されうる。かかる アンチセンスポリヌクレオチドは、ATRまたはその変異体または種相 同体のレベルを制御する方法において使用してもよい。 プロモーター及び他の発現調節シグナルは、発現ベクターが設計される宿主細 胞と適合可能となるように選択されるとよい。例えば、酵母プロモーターには、 S.cerevisiae GAL4及びADHプロモーター、S.pombe nmt1及びadhプロモーター が包含される。哺乳動物プロモーターには、カドミウムなどの重金属に応答する ように含まれうるメタロチオネインプロモーターが包含される。SV40ラージT抗 原プロモーターまたはアデノウイルスプロモーターなどのウイルスプロモーター も、使用されうる。これらのプロモーターはすべて、当該分野で容易に入手しう るものである。E.抗体 本発明はまた、本発明のポリペプチドまたはその断片に対するモノクローナル またはポリクローナル抗体をも提供するものである。さらに本発明は、本発明の ポリペプチドに対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体の生産のための 方法を提供する。モノクローナル抗体は、免疫源として本発明のポリペプチドま たはそのペプチド断片を使用し、旧来のハイブリドーマ技術によって調製されう る。ポリクローナル抗体もまた、旧来の手段により調製されえ、これは宿主の動 物、例えばラットまたはウサギに本発明のポリペプチドまたはそのペプチド断片 を接種し、免疫血清を回収する工程を含む。 かかる抗体を作製するために、動物またはヒトにおいて免疫源として使用する ため、他のポリペプチドとハプテン化した、本発明のポリペプチドまたはその断 片も、さらに本発明によって提供される。 本発明の好ましい抗体は、rad3タンパク質の親和性よりも少 なくとも10倍、好ましくは少なくとも100倍の親和性をもってヒトATRタ ンパク質に選択的に結合することができるものであろう。このような抗体は、慣 用の実験によって得ることができ、例えば、rad3の対応する領域とは異なる配列 を有するATRタンパク質の領域を選択し、当該配列を含むペプチドを作製し、 そして免疫源として当該ペプチドを使用することによって得られる。抗体の生産 の後に、前記抗体の結合を判定するとよい。本発明の好ましい抗体には、ヒトA TRタンパク質の脂質キナーゼドメイン(前記にて規定したとおり)に選択的に 結合することができる抗体が包含される。加えて、同様の親和性をもってヒト及 び酵母(S.pombe)の脂質キナーゼドメインに結合することができ、ATMファ ミリーのタンパク質のドメインにはそのように結合しない抗体もまた、本発明の さらなる特徴をなすものである。かような抗体は、酵母及びヒト遺伝子において 同一であるか、または実質的に同一であることが認められる領域に対応する脂質 キナーゼドメイン由来のペプチドに対して生じせしめられうる。 本発明の目的において、「抗体」なる語は別段に特定しない限り、腫瘍標的抗 原に対するそれらの結合活性を保有する断片または抗体全体を包含する。かかる 断片には、Fv、F(ab')及びF(ab')2断片、そして単鎖抗体が包含される。さらに は、抗体及びその断片は、例えばEP-A-239400に記載されたヒト化抗体であって もよい。 抗体は、以下の工程すなわち、 (a)本発明の抗体を準備し、 (b)抗体−抗原複合体の形成を許容する条件下で、前記抗体と共に生物学的 試料をインキュベートし、そして (c)前記抗体を含む抗体−抗原複合体が形成されるか否か を判定する 工程を含む方法によって生物学的試料中に存在する本発明のポリペプチドを検出 する方法において使用することができる。 好適な試料には、白血病細胞または乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓 、脳、筋肉及び骨の腫瘍などの固形腫瘍を包含するガン細胞などといった分裂細 胞からの抽出物が包含される。 本発明の抗体は固体支持体に結合され、及び/または、好適な試薬、対照、説 明書等と共に、好適な容器の中にキットとして包装されるとよい。F.アッセイ 細胞周期チェックポイントを排除することは、それ自体で新規な処置として、 及び現行の化学療法剤の特異的な毒性を向上させる組合せ療法としての双方にお ける、抗ガン療法のための薬物を開発または設計するための潜在性を有するスト ラテジーである。例えば、ナイトロジェン・マスタードなどのアルキル化剤は、 速やかに分裂している細胞におけるDNAに損傷を与え、細胞死に至らしめる化 学療法剤として使用されている。かかる薬剤の毒性は、DNA修復及びチェック ポイント機構によって低減されるかもしれない。この機構を排除することは、し かして、DNAに損傷を与えるように設計された治療用化合物の有効性を高める であろう。ATRチェックポイントの排除は、腫瘍細胞が他のチェックポイント または損傷応答遺伝子を喪失している場合に特に有用であると考えられ、これは 、これらの他の遺伝子が、腫瘍細胞でない細胞のATR機能の喪失を補うことが できるかもしれず、化学療法剤の有効性のより一層の増強につながるためである 。 ATRの脂質キナーゼ活性は、抗ガン用化合物を開発する上での標的である。 これは、以下の実施例によって、キナーゼドメインがATR機能に必須であるこ とが示唆されることによる。かくして、本発明は、抗ガン療法のための候補物質 をスクリーニングするためのアッセイ方法であって、以下の工程すなわち、 (a)脂質キナーゼ活性を有する本発明のポリペプチド及び当該キナーゼのた めの基質を、かかるキナーゼ活性が基質に対して作用するような条件下に試薬と 共に準備し、 (b)候補物質に当該ポリペプチド及び基質を接触せしめ、 (c)ポリペプチドのキナーゼ活性の減少の程度を測定し、 そして (d)活性の減少をもたらす候補物質を選択する工程を含むアッセイ方法を提 供する。 アッセイはin vitroで、例えばミクロタイターディッシュのウェルにて行うと よい。このような方式は、容易に自動化に適用でき、数多くの候補物質をスクリ ーニングすることが可能となる。 基質は本発明のポリペプチドが作用するであろうタンパク質または脂質であっ て、天然に起源を有するものでも合成されたものでもよい。通常、本発明のポリ ペプチドは、基質をリン酸化するであろう。 アッセイのために好適な形式であればいずれも、スループットアッセイの技術 分野の当業者によって使用されうる。典型的には、脂質キナーゼ活性を保有する 本発明のポリペプチドは、活性のために通常必要とされる基質ならびに細胞成分 及び他の成分の存在下、固体支持体に結合されよう。標識付けされたホスフェー ト及び候補物質は、同時にまたはいずれかを先の順で 連続的に混合物に添加されよう。好適な反応時間(通常は数分であり、とにかく 候補物質が存在しない状態で基質のリン酸化が起こるに充分な時間)を経た後、 遊離のホスフェートの量を、例えばホスフェートの沈降によって調べる。キナー ゼ活性を阻害する候補物質は、基質への遊離のホスフェートの取り込みを阻害す ると考えられ、従って、遊離のホスフェートが認められれば、それは阻害の指標 となるのである。 他のアッセイ形式も、当業者によって使用されうる。 候補物質は反応当たり例えば10の化合物のバッチで、最初のスクリーニング に使用し、そして阻害を示すそれらのバッチの化合物は、個々に試験されるとよ い。 好適な候補物質には、ペプチド、特に約5から20アミノ酸のサイズの、キナ ーゼドメインの配列に基づくもの、または前記のように1またはそれ以上の残基 が置換されたかかるペプチドの変異体が包含される。ランダムな配列または、最 大限に多様なペプチドのパネルを提供するために一貫して変化させた配列を含む ペプチドのパネル由来のペプチドも使用されうる。さらなる候補物質には、シク ロスポリン様化合物及びスタウロスポリン様化合物などの小分子、または小分子 阻害剤のパネルにて市販されている他の化合物である、キナーゼ阻害剤が包含さ れる。 前記したようなin vitroスクリーニングにおいて活性を示す候補物質は、次い で、阻害剤に曝されてチェックポイント活性について試験される、酵母または哺 乳動物細胞などのin vivoの系で試験することができる。 本発明者らは、Rad3がタンパク質キナーゼ活性を保有していることを示してい る。Rad3タンパク質キナーゼ活性の標的基質は、キナーゼ活性のためのアッセイ において被験化合物を取り 込むことによって同定されうる。Rad3タンパク質は、キナーゼ緩衝液に再懸濁さ れ、そして被験化合物(例えば、カゼイン、ヒストンH1、または適切な基質ペプ チド)の存在下または非存在下のいずれかでインキュベートされる。ホスフェー トの被験化合物への移送が、被験化合物はキナーゼの基質であるということの指 標となる。 Rad3/ATR脂質キナーゼまたはRad3タンパク質キナーゼ活性をモジュレート する薬剤は、被験化合物とRad3/ATRを天然に発現している細胞から免疫的に 精製されたRad3/ATRを、酵素を発現している組換え原核細胞もしくは真核細 胞から得られたRad3/ATRと共に、または精製されたRad3/ATRと共にインキ ュベートし、次いでRad3/ATR活性に対する被験化合物の効果を判定すること によって同定できる。Rad3/ATR脂質キナーゼまたはRad3タンパク質キナーゼ ドメインの活性は、それ自体(自己リン酸化)かまたは脂質もしくはタンパク質 などの外来基質に、ガンマー32P−ATPからキナーゼによって移送された32P −ホスフェートのモル数を定量することによって測定することができる。基質に 取り込まれたホスフェートの量は、シンチレーション計数またはオートラジオグ ラフィーによって測定される。被験化合物の非存在下に基質に移送されたホスフ ェートのモル数に比較して、被験化合物の存在下に基質に移送されたホスフェー トのモル数が増加していれば、被験化合物が当該キナーゼ活性の活性化剤である ことが示される。逆に、被験化合物の非存在下に基質に移送されたホスフェート のモル数に比較して、被験化合物の存在下に基質に移送されたホスフェートのモ ル数が減少していれば、モジュレーターが当該キナーゼ活性の阻害剤であること が示される。 現在のところ好ましいアッセイにおいて、アガロースビーズ に結合されたRad3/ATR抗体が、Rad3/ATRを発現している宿主細胞から調製 された細胞溶解液とインキュベートされる。ビーズに非特異的に結合しているタ ンパク質を除去するためにビーズを洗浄し、次いでキナーゼ緩衝液(例えば、25 mM K-HEPES pH 7.7、50 mM塩化カリウム、10 mM塩化マグネシウム、0.1% Nonid et-P-40、20%グリセロール、1mM DTTなど)にビーズが再懸濁される。反応は 、100μMのガンマー32P−ATP(4 Ci/mM)及び脂質またはペプチドなどの外 来基質の添加によって開始され、そして30℃にて10分間、反応が行われる。 キナーゼの活性は、キナーゼ自体または添加された基質に移送された32P−ホス フェートのモル数を定量することによって測定される。好ましい実施態様におい て、宿主細胞は内在性のRad3/ATRキナーゼ活性を欠損している。Rad3/ATR の脂質キナーゼ活性をモジュレートする化合物の選択性は、Rad3/ATRに対す るその活性を例えば、他の既知のホスファチジルイノシトール-3(PI-3)関連キ ナーゼに対する活性と比較することによって評価することができる。独立した一 連のアッセイにおける、本発明の組換えRad3/ATR産物と他の組換えPI-3-関連 キナーゼタンパク質産物との組合せにより、Rad3/ATRキナーゼ活性の選択的 モジュレーターを開発するためのシステムが提供される。同様に、Rad3のタンパ ク質キナーゼ活性をモジュレートする化合物の選択性を、例えば、DNA依存性 タンパク質キナーゼまたはATMなどといった他のタンパク質キナーゼを参考に して判定することもできる。 加うるに、rad3変異体のrad.D2249E(実施例を参照のこと)が、優性の負の変 異体として作用することができることが立証され、1またはそれ以上のタンパク 質複合体の関与が示唆されるところとなり、そしてかかる複合体はそれ自体、治 療的介入 のための標的となりうる。本発明者らは、例えば、Rad3が自己会合及びATRと の会合の双方を行うことができることを示している。従って、Rad/ATRはマル チマー分子として機能するらしいと考えられる。変異型の酵母またはヒトATR 遺伝子、またはその断片で、やはりRad/ATR活性を欠くものを細胞内に導入し 、優性の負の変異体として作用させることができる。しかして、例えば腫瘍細胞 内の優性の負の変異体(例えば、ATR D2475A、N2480KまたはD2494E)によっ て放射線照射への感受性の増強が引き起こされれば、元来のATRはそれまで通 りに機能していることが示唆され、従ってこれが治療剤のための標的となりうる ことが示される。 Rad3またはATRを包含するマルチマーのタンパク質複合体の成分を含む相互 作用性タンパク質を、以下のアッセイによって同定することができる。 本発明により企図される第1のアッセイは、2−ハイブリッドスクリーニング である。2−ハイブリッド系は、酵母にて開発され(Chienら、(1991))、レポ ーター遺伝子を活性化する転写因子のin vivoでの機能的再構成に基づくもので ある。詳細には、 DNA結合ドメイン及び活性化ドメインを有する転写因子によって調節されるプ ロモーターの制御下にレポーター遺伝子を含むDNA構築体で適切な宿主細胞を 形質転換またはトランスフェクトし、 Rad3/ATRの一部またはすべてと、前記転写因子のDNA結合ドメインまたは 活性化ドメインのいずれかとの第1融合体をコードする第1ハイブリッドDNA 配列を宿主細胞にて発現させ、 Rad3/ATR結合タンパク質と推定されるタンパク質の一部また はすべてと、前記転写因子のDNA結合ドメインまたは活性化ドメインのいずれ かで前記第1融合体に組み込まれていないものとの第2融合体をコードする第2 ハイブリッドDNA配列のライブラリーを宿主細胞にて発現させ、 宿主細胞におけるレポーター遺伝子産物の生産を検出することにより特定の宿主 細胞でのRad3/ATRへのRad3/ATR相互作用性タンパク質の結合を検出し、そ して かかる特定の宿主細胞から、相互作用性タンパク質をコードする第2ハイブリッ ドDNA配列を単離することによって、Rad3/ATRと相互作用するタンパク質 をコードするポリヌクレオチドが単離される。かかるアッセイにて使用するため に現在のところ好ましいのは、レポーター遺伝子であるlacZレポーター遺伝子の 発現を駆動するためのlexAプロモーター、lexADNA結合ドメイン及びGAL4トラ ンス活性化ドメインを含む転写因子、ならびに酵母宿主細胞である。 Rad3またはATRと相互作用するタンパク質を同定するための他のアッセイに は、Rad3/ATRまたは被験タンパク質を固定化し、固定化されなかった方の結 合パートナーを検出可能に標識付けし、結合パートナーを一緒にインキュベート し、そして結合した標識の量を定量することが包含されうる。結合された標識に より、被験タンパク質がRad3/ATRと相互作用することが示唆される。 Rad3/ATRと他の細胞成分との間の相互作用をモジュレートする化合物は、 ガンの治療方法おいて使用されうる。例えば、特定の型のガンがp53遺伝子など のATR以外の遺伝子における変異に起因している場合、ATRの転写または酵 素活性、しかしてG2細胞周期チェックポイントを阻害する薬剤を使用して、ガ ンの細胞を化学療法または放射線療法に対してより高感受性 とすることができる。処置の結果として賦課されたDNA損傷を検知し修正する 、p53変異体ガン性細胞の能力を凌ぐためには、現行の放射線療法または化学療 法がほとんどの場合に無力であるという事実に基づき、このような薬剤の治療上 の価値が認められるものである。結果的に、ガン細胞は簡単にDNA損傷を修復 できるのである。本発明のモジュレーション剤は従って、化学療法または放射線 療法の補助的薬剤となりえ、あるいはそれ自体が化学療法剤として直接的に活性 を有するかもしれない。 他のタンパク質とRad3/ATRとの相互作用をモジュレートする化合物を同定 するためのアッセイには、 DNA結合ドメイン及び活性化ドメインを有する転写因子によって調節されるプ ロモーターの制御下にレポーター遺伝子を含むDNA構築体で適切な宿主細胞を 形質転換またはトランスフェクトし、 Rad3/ATRの一部またはすべてと、前記転写因子のDNA結合ドメインまたは 活性化ドメインのいずれかとの第1融合体をコードする第1ハイブリッドDNA 配列を宿主細胞にて発現させ、 Rad3/ATR結合タンパク質と相互作用するタンパク質の一部またはすべてと、 前記転写因子のDNA結合ドメインまたは活性化ドメインのいずれかで前記第1 融合体に組み込まれていないものとをコードする第2ハイブリッドDNA配列を 宿主細胞にて発現させ、 被験化合物の存在下または非存在下での、宿主細胞におけるレポーター遺伝子産 物の生産を測定することにより特定の宿主細胞でのRad3/ATRへの相互作用性 タンパク質の結合を検出することによって、Rad3/ATRと相互作用性タンパク 質との間の相 互作用に対する被験化合物の効果を評価し、そして モジュレーション化合物の非存在下におけるレポーター遺伝子産物の生産に比較 してレポーター遺伝子産物の生産を変化させる被験化合物としてモジュレーショ ン化合物を同定する工程が含まれる。かかるアッセイにて使用するために現在の ところ好ましいのは、レポーター遺伝子、lacZレポーター遺伝子の発現を駆動 するためのlexAプロモーター、lexADNA結合ドメイン及びGAL4トランス活性化 ドメインを含む転写因子、ならびに酵母宿主細胞である。 Rad3/ATRと相互作用性タンパク質との間の相互作用をモジュレートする化 合物を同定するための別のタイプのアッセイには、Rad3/ATRまたは天然のRad 3/ATR相互作用性タンパク質を固定化し、固定化されなかった方の結合パート ナーを検出可能に標識付けし、結合パートナーを一緒にインキュベートし、そし て結合される標識の量に対する被験化合物の効果を定量することが包含されえ、 このアッセイで被験化合物の非存在下に結合された標識の量に比較して、被験化 合物の存在下に結合される標識が減少していれば、被験薬剤がRad3/ATRとタ ンパク質との相互作用の阻害剤であることが示される。逆に、被験化合物の非存 在下に結合される標識の量に比較して、被験化合物の存在下での結合が増加して いれば、モジュレーターと推定される被験薬剤がRad3/ATRとタンパク質との 相互作用の活性化剤であることが示される。 Rad3/ATRと相互作用性タンパク質との間の結合をモジュレートする化合物 を同定するための、本発明によって企図されるさらに別の方法には、蛍光剤が被 覆(または含浸)された固体支持体上にRad3/ATRまたはその断片を固定化し 、蛍光剤を励起することができる化合物で相互作用性タンパク質を標識付け し、固定化されたRad3/ATRを標識付けされた相互作用性タンパク質に被験化 合物の存在下または非存在下に接触させ、蛍光剤による光の放射を検出し、そし て蛍光剤による光の放出を惹き起こす被験化合物として、モジュレートを行う化 合物を同定することが包含される。あるいは、アッセイにて、Rad3/ATR相互 作用性タンパク質を固定化し、そしてRad3/ATRが標識付けされてもよい。 本発明者らは、Rad3がATRと相互作用することを示している。従って、前記 のアッセイを、Rad3とATRとの間の相互作用をモジュレートする化合物を同定 するために使用することができ、この場合アッセイ法にて記載された相互作用性 タンパク質はRad3またはATRのいずれかである。 本発明者らはまた、Rad3がそれ自体に結合することができることも示しており 、ATRもまたそれ自体に結合できることを強く示すものである。従って、前記 したアッセイ法を、Rad3−Rad3の相互作用及びATR−ATRの相互作用をモジ ュレートする化合物を同定するために使用してもよい。 このような化合物は、ATR−ATRの相互作用を破壊し、そして化学療法及 び/または放射線療法に対するガン細胞の感受性を高めるために、治療のために 使用することができよう。しかして、本発明は抗ガン療法のための候補物質をス クリーニングするためのアッセイ方法を提供するものであり、その方法は、以下 の工程すなわち、 (a)(i)本発明のポリペプチドと、第1のポリペプチドと同じかまたは異 なりうる本発明の別のポリペプチドとを、第1のポリペプチドと第2のポリペプ チドとが結合して複合体を形成することを許容する条件下でインキュベートし、 (ii)しかして形成された複合体を候補物質と接触せしめるか、また は (a)本発明のポリペプチドと、第1のポリペプチドと同じかまたは異なりう る本発明の他のポリペプチドとを、候補物質の存在下に、第1のポリペプチドが 第2のポリペプチドと結合して複合体を形成することを許容する条件下でインキ ュベートし、 (b)第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの結合を候補物質が阻害す るか否かを判定し、そして (c)第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの結合を阻害する候補物質 を選択する工程を含む。 好ましくは、第1及び第2のポリペプチドは互いに相違するとよい。例えば、 第1のポリペプチドと第2のポリペプチドは双方ともATRであっても、もしく は双方ともRad3であっても、または1つがATRでも、1つがRad3もしくはAT RかRad3のいずれかの結合活性を保有する誘導体であってもよい。双方のポリペ プチドがATRまたはRad3である場合、好ましくは、これらのアッセイにおいて 2つの識別可能なフォームのATR/Rad3が使用される。それらは、例えばいず れかのポリペプチドを標識付けすることによって識別される。標識の例としては 、放射活性標識、エピトープタグまたはグルタチオン-S-トランスフェラーゼな どの他のポリペプチドのタグが挙げられる。例えば、Rad3の1つの型は1つの型 のエピトープタグを有し、いま1つの型は異なるエピトープタグを有するとよく 、そうすれば片方がもう一方に結合したことが定量的または定性的に確認されう るよう、免疫学的に識別されることが可能となる。好ましい方法において、第1 のポリペプチドが例えばアガロースビーズまた固体支持体に固定化され、そして 第2のポリペプチドが 遊離溶液中に存在するとよい。次いで前記の当業者によってよく知られた方法を 使用して結合が定量される。 本発明によってされに企図されるのは、Rad3タンパク質キナーゼドメインまた はRad3/ATR脂質キナーゼドメインに対して特異的な抗体産物(例えばモノク ローナル及びポリクローナル抗体、単鎖抗体、キメラ抗体、CDR−移植抗体等 )及び他の結合タンパク質(前記のアッセイにて同定されたタンパク質など)で ある。結合タンパク質は、単離された天然由来の酵素または組換え酵素を使用し て創出することができる。転じて、結合タンパク質は組換え及び天然に存在する 酵素を精製するため、及びかかる酵素を生産している細胞を同定するために有用 である。細胞内及び流体中のタンパク質の検出及び定量のためのアッセイには、 単一の抗体物質または「サンドイッチ」アッセイ様式における複数の抗体物質が 包含されうる。結合タンパク質は、酵素/基質または酵素/レギュレーターの相 互作用をモジュレートする(すなわち、阻止、阻害、または刺激する)うえでも 極めて有用である。 Rad3/ATRのモジュレーターは、そのキナーゼ活性、細胞内におけるその局 在性、及び/または細胞周期チェックポイント経路のメンバーとの相互作用に影 響を及ぼしうる。選択的なモジュレーターには、例えば、Rad3/ATRもしくはR ad3/ATR核酸に特異的に結合するポリペプチドもしくはペプチド、及び/また はRad3/ATRもしくはRad3/ATR核酸と特異的に反応する他の非ペプチド化合 物(例えば、単離されたまたは合成による有機分子)が包含されうる。野生型の Rad3/ATRの酵素活性または細胞内局在に影響を及ぼすRad3/ATRの変異型も また、本発明によって企図される。 さらに、組合せ(combinatorial)ライブラリー、ペプチド及 び疑似ペプチド、規定された化学物体、オリゴヌクレオチド、及び天然産物ライ ブラリーを、前記のごときアッセイにおいてRad3/ATRキナーゼ活性及びRad3/ ATR相互作用のモジュレーターとしての活性についてスクリーニングするとよ い。F.治療用途 Rad3/ATR活性のモジュレーターは、それらの脂質キナーゼ及びタンパク質 キナーゼ活性の阻害剤を含め、抗ガン療法にて使用されうる。特に、Rad3/AT Rの細胞周期調節機能を破壊するそれらの能力の効により化学療法及び/または 放射線療法に対するガン細胞の感受性を高めるために使用されうる。 しかして本発明は、ガンの治療方法において、前記のごときスクリーニングア ッセイにより同定された、Rad3/ATR活性をモジュレートする化合物の用途を 提供するものである。一つの実施態様において、前記化合物は、Rad3/ATR脂 質キナーゼ及び/またはRad3タンパク質キナーゼ活性を阻害することができる。 別の実施態様において、前記化合物はATRとそれ自体の間及び/または、AT Rと、例えば通常にはマルチマータンパク質複合体の一部を形成しうる他の相互 作用性タンパク質との間の相互作用を阻害することができる。 本明細書中の文脈において、「化合物」なる語は前記アッセイにおいて選択さ れる候補物質をも意味することは理解されるべきである。 典型的には、化合物は医薬上容認しうる担体または希釈剤にそれらを混合する ことにより臨床での投与用に製剤化される。例えば、それらは局所、非経口、静 脈内、筋肉内、皮下、眼内または経皮投与用に製剤化することができる。好まし くは、化合物は注射可能な形態にて使用される。患者の腫瘍に対する直 接の注射が、侵襲を受けた組織のレベルで治療効果を濃縮することを可能となら しめるので有利である。従って、注射可能な製剤用に、好ましくは、処置される べき部位に直接注射するために化合物を医薬上容認しうる賦形剤のいずれかのも のと混合されるとよい。医薬上容認しうる担体または希釈剤は、例えば無菌また は等張の溶液でありうる。 使用される化合物の用量は、様々なパラメータに従って、特に使用される化合 物、処置を受ける患者の年齢、体重及び状態、使用される投与方式、腫瘍の病理 ならびに必要とされる臨床的摂生に従って調整するとよい。指針として、注射に より投与される化合物の量は、好適には0.01 mg/kgから30 mg/kg、好ましくは、 0.1 mg/kgから10 mg/kgである。 投与されるべき化合物には、ポリペプチドまたは核酸が包含されうる。核酸は 、ポリペプチドをコードするとよく、あるいはそれらは細胞の遺伝子の発現を阻 害するアンチセンス構築体をコードするものでもよい。核酸は、例えばリポフェ クションによって、またはウイルスベクターによって投与されうる。例えば、核 酸は、アデノウイルスなどのウイルスベクターの一部を形成してもよい。ウイル スベクターが使用される場合、一般に投与される用量は、104から1014pfu/mlの 間、好ましくは、106から1010pfu/mlまでである。pfu(「プラーク形成単位」) なる語は、ウイルス溶液の感染性に対応するものであり、適切な培養細胞を感染 させ、感染された細胞のプラーク数を一般的には48時間後に測定することによ って決定される。ウイルス溶液のpfuタイターを決定するための技術は、文献に 詳報されている。 これらの方法によって様々なガンのタイプ、例えば白血病ならびに乳房、卵巣 、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、脳、筋肉及 び骨の腫瘍などの固形腫瘍が治療されうる。好ましくは、腫瘍は正常なATR機 能を有するものである。図面の説明 図1 ATR、rad3、mei-41、MEC1、TEL1及びATMの関連 A.ATR、Rad3、Mei-41、Mec1p、Tel1p及びATMの全構造。 解説:白抜きの四角形−Rad3ドメイン;斜線付ボックス−キナーゼドメイン B.DNAstarソフトウェアを使用し、クラスタル(Clustal)法(PAM250)に よって作成された配列アラインメントに基づいた系統樹。rad3/ESR1/mei-41/A TRは、ATM及びTEL1とよりもさらに密接に関連するものである。rad3及びA TMの配列は、EMBLデータベースより入手できる。 以下の実施例によって本発明をさらに示す。 実施例1 S.pombeのrad3遺伝子は、S.pombeにおけるDNA構造チェックポイントのた めに絶対的に必要な6つの遺伝子のうちの1つである(Al-Khodairy及びCarr.19 92;Al-Khodairyら、1994)。rad3遺伝子の一部を表す配列は、Seatonら(1992) によって報告された。この遺伝子のイントロン/エクソン構造を明らかにする試 みにおいて、本発明者らは5'及び3'端の双方に配列決定の異常(anomaly)を同 定した。本発明者らは、完全な遺伝子を配列決定し(実験法を参照されたい)、 そしてrad3が2386アミノ酸の産物をコードすることができることを見出した。C −末 端領域には、脂質キナーゼとして知られているキナーゼのサブクラスに典型的な コンセンサス配列が含まれており、それが見出されたもののメンバーはPI3キナ ーゼのp110触媒サブユニットである(Hilesら、1992)。 アミノ末端及びキナーゼ領域を欠く欠失型rad3クローンは、rad3のrad3::pR3H 1.0遺伝子破壊変異体を捕捉することが報告されている。この破壊変異体では、 タンパク質キナーゼドメインは除去されていない。このドメインの役割を明確化 するために、本発明者らは遺伝子置換によってヌル変異体を作製した。この変異 体は、ura4+によって置換されたキナーゼコンセンサスドメインを含む、rad3の アミノ酸第1477〜2271位を有している。この株、rad3.d.は、rad3.136変異体(N asim及びSmith、1975)及び元のrad3::pR3H1.0破壊変異体(Jimenezら、1992;S eatonら、1992)と同様のチェックポイント欠損及び放射/ヒドロキシウレア感 受性を有する(データは示さず)。本発明者らは、rad3のキナーゼドメインと推 定されるドメインに3つの別個の部位特異的変異を創出し、これらを特定のキナ ーゼヌル変異を有する株を構築するための遺伝子置換実験において使用した。3 つの遺伝子、rad3.D2230A、 rad3.N2235K及びrad3.D2249Eはすべて、rad3.dヌル 変異体と同様の表現型を有しており(データは示さず)、キナーゼ活性がRad3機 能に必須であることを示唆するものであった。本発明者らの発見に鑑み、Seaton ら(1992)及びJimenezら(1992)の結果の1つの解釈は、欠損を受けた遺伝子を 担持するプラスミドと、キナーゼ機能を保有するゲノムの部分的な欠失との遺伝 子間の相補を、一部のクローンが示すのかもしれないということである。 キナーゼヌル対立遺伝子のrad3.D2249Eが、修飾されたnmt1プロモーター(Mau ndrell、1990)の制御下に野生型細胞にて適度 に過剰発現されると、UVストリップテストによってアッセイした場合に顕著な 放射線感受性を生じさせ、そして優性の負の変異体として作用した(データは示 さず)。同様のキナーゼヌル構築体をさらに高レベルに発現させると、生育が阻 害された(データは示さず)。細胞を検査すると、分裂は極めてゆっくりと継続 しており、そしてより小さなサイズの細胞である野生型細胞及び空のベクターを 含む細胞はおよそ15ミクロンで分裂するが、一方rad3及びrad3.D2249Eを過剰発 現している細胞はおよそ11.2ミクロンで分裂する(データは示さず)ことが示さ れる。S.pombeにおいて、このことは通常、有糸分裂の進行を示唆するもので ある。 ヒトrad3相同体、ATR rad3のヒト型を同定するために、方法を組み合わせて適用した。これらの研究 によって、本発明者らはヒト遺伝子の全コード領域をクローニングし(材料及び 方法を参照されたい)それをATR(ataxia and rad related(運動失調及びr ad関連))と命名した。ATRは、ヒトATM及びS.cerevisiae Tel1タン パク質(Savitskyら、1995;Greenwellら、1995)よりもS.pombe rad3、S.cer evisiae ESR1(Kato及びOgawa、1994)ならびにD.melanogaster mei-41遺伝子 (Hariら、1995)とより密接に関連しており、そしてrad3の真の相同体であるら しい、2644アミノ酸のタンパク質をコードすることができる。ESR1は、rad3と同 様の表現型を有するmec1/sad3チェックポイント変異体(Allenら、1994;Weiner tら、1994)に対する対立形質である。ATRは、ヒトチェックポイント遺伝子 のATMに、より密接に関連しており、C−末端の脂質キナーゼドメインと推定 されるドメインを含み、同様の全構造を有している。配列の アラインメントによって、rad3/ESR1(MEC1/SAD3)mei-41/ATR遺伝子は、他の いずれかのもののATMまたはTEL1に対する関連性よりも密接に、相互に関連し ており、ATMのTEL1への相同性がより高いことが明らかに証明された(図1) 。 ATM遺伝子は、広く多様な組織にて発現されている(Savitskyら、1995)。 S.cerevisiaeでは、ESR1は有糸分裂細胞において低レベルの発現を示すが、減 数分裂Iに際しては速やかに誘導される(Kato及びOgawa、1994)。ノザンブロ ット分析を使用して、本発明者らは、ATRも多くの組織においてわずかに発現 しているが、精巣での発現はさらに高いことを立証している(データは示さず) 。ATR、Rad3及びEsr1pタンパク質がATMに対するよりも互いの関連性が高 いのであれば、精巣でのATR発現がより高いことは、減数分裂での組換えにお いてEsr1pが役割を果たすという観察(Kato及びOgawa、1994)に矛盾しないもの である。FISH及びPCR分析を使用して、本発明者らは染色体3q22〜3q25に ATRをマッピングしている(データは示さず)。この領域は、既知のガン傾向 症候群とは無関係である。 Rad3がマルチマーとして作用する可能性をさらに探索するために、本発明者ら はpREPに基づく誘導可能なベクターにて、2つ別々の、タグ付けがなされた全長 rad3の構築体を創出した。そのうちの1つでは、Rad3はN末端での2つのmycエ ピトープタグと共に翻訳され、いま1つのものでは、これらがトリプルHAエピ トープタグに置換されている。双方の構築体が野生型細胞にて一緒に発現される と、myc特異性抗体でHAタグ付けされたRad3を、そしてHA特異性抗体でmycタ グ付けされたRad3を共沈させることが可能となる(データは示さず)。このこと から、in vivoでRad3タンパク質は自己会合できることが立証され、 そしてこれはJimenezら(1992)の相補データに矛盾しないものである。 ATR遺伝子は、rad3変異体の表現型を補足することができなかったが、本発 明者らは同じ酵母細胞にてATRとmycタグ付けしたS.pombe Rad3を発現するこ とにより、ATRがS.pombe Rad3とタンパク質複合体を形成する能力を研究し た。抗ATR抗体(S.pombe Rad3を沈降させないもの。材料及び方法を参照の こと)を使用して、本発明者らは酵母タンパク質を共沈させることができた。本 発明者らはまた、S.pombe Rad3を認識するmyc−特異性抗体でATRタンパク質 を沈降させることもできた(データは示さず)。これらのデータから、ヒト及び 酵母タンパク質はヘテロマー複合体を形成することができることが示され、これ は、配列の相似性に基づき、これら相同体間の密接なる機能的関連性が含意され ることを示唆するものである。 Rad3タンパク質は、キナーゼ活性に関与している。 突然変異誘発実験によって、Rad3タンパク質のin vivoでのキナーゼ活性がそ れらの機能のために必須であるらしいことが示唆されるので、本発明者らはさら にこの活性について調べた。HAタグ付けされたS.pombe Rad3を発現している S.Pombe rad3::ura4細胞を使用して、本発明者らはRad3が誘導された場合のみ にHA−特異性抗体と共に沈降し、そして照射後に変化することのない、有意な タンパク質キナーゼ活性を検出することができた(データは示さず)。抗−HA 抗体を用いたウェスタン分析によって、リン酸化されている200kDを越える主要 バンドが検出できるので、Rad3または共沈するキナーゼに特異的なこの活性は、 Rad3それ自体のリン酸化を反映するものらしいと考えられる。ミエリン塩基性タ ンパク質、RP-A及びS.pombeの様 々な精製されたチェックポイントタンパク質などの至便なin vitro基質を同定す るための試みは、これまでには成功を修めていない。Rad3の「キナーゼ−ヌル」 D2249Eバージョンを過剰発現している細胞を用いて、IP in vitroキナーゼア ッセイを実施すると、HA−特異性抗体によって沈降せしめられる会合キナーゼ 活性は有意に減少する(データは示さず)。これに対する説明は、様々なものが 可能である。測定されたキナーゼ活性は、Rad3活性を直接的に反映できよう。こ の場合、キナーゼが死滅したRad3で認められる残存活性は、残存するin vitroで の生化学的活性を有する生物学的に不活性なタンパク質を作出するような、他の タンパク質キナーゼにおけるDからEへの同様の変異が知られていなくないという 事実を反映しうるものであろう。あるいは、Rad3をリン酸化するキナーゼ活性は 会合タンパク質に起因しているかもしれず、そしてこれらタンパク質はD2249E変 異体タンパク質と、より低い効率で相互作用するのかもしれない。 ディスカッション DNA損傷後の細胞周期の進行または、かかる周期を含む個々の事象における 干渉を制御しているチェックポイント経路は、遺伝的安定性を維持する上でかな り重要なものであり、そして腫瘍形成を抑制する経路であると考えることができ る。様々な腫瘍サプレッサー遺伝子が、チェックポイント経路のサブセットに密 に関与しており(Hartwell及びKastan、1994)、特にG1からS期への移行及び 細胞周期へのコミットメント(commitment)に影響を及ぼすものに関与している 。チェックポイントに対する2つの酵母モデル系の相近性(convergence)によ り、これらの経路に関わる遺伝子が保存されていることが 明瞭に示される。本発明者らの研究は、後生動物細胞へのかかる保存に及び、そ してrad3、ESR1(MEC1/SAD3)、mei-41及びATM遺伝子間の関係を明らかにする ものである。 本発明において、rad3遺伝子の正しい配列は、ATMに関連するタンパク質/ 脂質キナーゼのファミリーにその産物を配することが立証される。S.pombeにお けるキナーゼ欠損rad3変異体の過剰発現によって優性の負の表現型が現れ、これ によってRad3は、その完全性がチェックポイント機能に欠かせないタンパク質複 合体のメンバーとして作用することが示唆される。これは、rad1、rad9、rad17 、rad26及びhus1欠失変異体がすべてrad3.dと識別不可能な表現型を有している との観察(Sheldri-ck及びCarr、1933)に矛盾しないものである。予期せざるこ とに、残りのチェックポイントrad遺伝子とは異なり、野生型または変異型のrad 3対立遺伝子を高レベルに過剰発現させると、細胞の生長が阻害され、そして小 さな細胞サイズで有糸分裂が惹き起こされ、このことは未成熟で有糸分裂に突入 することを示唆している。この「半幼弱(semi wee)」表現型は、ヌル変異体で は観察されず、機能がRad3の機能と重複していて有糸分裂を阻害するように作用 する第2経路における干渉を示唆するものかもしれない。かかる経路に対する候 補として、ATM/TEL1経路が挙げられ、これはESR1(MEC1/SAD1)経路とある程度 重複する機能を有することが示されている(Morrowら、1995)。 ATMの構造は、テロメアの長さを維持することに関与するTel1pに最も密接 に関連している(Greenwellら、1995)。しかしながら、ATM機能はRad3/Esr1 p/mei-41産物の機能にも関連しているようである。ATM遺伝子及び、ATM遺 伝子とrad3/ESR1遺伝子との、そしてTEL1との配列の関連が最初に発見されてか ら、酵母で多くの場合にあるように、遺伝子が酵母にて二 分裂及び分岐したものか、または2つの酵母タンパク質が密接に関連する遺伝子 の保存されたサブファミリーで規定されるのか、明らかにはならなかった。本発 明による重要な要旨は、rad3/ESR1/mei-41と、より密接に関連するヒト遺伝子、 ATRの同定である。これは、真核生物の進化に際して保存されているタンパク 質/脂質キナーゼの、構造的に相違する2つのチェックポイント関連サブファミ リーを特定するものである。これら2つのサブファミリーのタンパク質はある程 度重複する機能を有するかもしれないが、おそらくこれらは相違するプロセスを 制御するのである。例えば、酵母におけるrad3サブファミリーは、uv及びイオ ン化照射の双方に応答したG1及びG2チェックポイントDNA損傷のすべて、な らびに複製の阻害に続く有糸分裂を妨げるS期チェックポイントを制御する(Al -Khodairy及びCarr、1992;Allenら、1994;Weinertら、1994)。これに対して 、A−T細胞はイオン化照射、ラジカル攻撃の結果DNAに鎖の破損を生み出す ブレオマイシン及びネオカルジノスタチンを包含する狭い範囲のDNA損傷性薬 剤に対して異常な応答を呈する。DNA合成の阻害に対すると同様、uv及びほ とんどの化学発ガン剤に対する応答は正常である。残存するDNA損傷チェック ポイント及びS期チェックポイントのいくらかまたはすべては、ATRによって 制御されている可能性がある。 実験法 株、プラスミド及び培地 標準的な遺伝子工学の技術、S.pombeのための生育条件及び培地は、Gutzら( 1974)に記載されている。S.pombe株sp011(ura4.D18,leu1.32 ade6.704 h)は 、既に報告されている (Murrayら、1992)。プラスミドpSUB41は、S.Subramaniから入手した(Seaton ら、1992)。 S.pombe rad3のクローニング pSUB41から4.0 kbのKpn1断片を切り出し、5’rad3配列を得るために、両方向 に配列決定した。3'クローンは、ゲノミックライブラリー(Barbetら、1992)よ り、公開されたrad3配列に由来する1kbの3'プローブを使用したコロニーハイブ リダイゼーションによって同定し、そして両方向に配列決定した。このようにし て、rad3遺伝子の全配列を組み立てた。 ヌル及び「キナーゼ死滅」rad3変異体 第1477位のアミノ酸と第2271位のアミノ酸との間(キナーゼドメインを含んで いる)の794アミノ酸がura4+遺伝子で置換されたrad3の構築体を、Barbetら(199 2)に記載された方法論を使用して創出した。これの直鎖断片を使用して、sp011 をウラシル原栄養体に形質転換し、そしてrad3座での単一コピーの統合を、サザ ンブロッティングによって確認した。部位特異的なキナーゼヌル変異を創出すべ く、キナーゼドメインにD2230A、N2235KまたはD2249E変異を導入するため、(A :GTTTTCGCCATGGCGCGCTCCCAAACCCAA、B:TTCATCAAACAATATCTTTTCGCCATGGCG、ま たはC:CAAAAAGACAGTTGAATTCGACATGGATAG)のいずれかで、rad3のC−末端3.01 kbの BamHI-SalI断片を変異させた。これまでに、S.cerevisiaeのPI3キナーゼ VPS34の分析にて似通った変更が使用されている(Schuら、1993)。これらの断 片を、次いでrad3.dヌル変異に形質転換するために使用し、FOAを含有する培 地での生長能力によって遺伝子の置換体を選択した(Grimmら、1988)。すべて の株を、サザンブロッティングによ って確認した。rad3.D2230Aの全長を発現する構築体は、標準的なサブクローニ ングを行い、その後、ATGにNdeI部位を導入し、そして3つの内部NdeI部位を欠 失させることによって、pREP1及びpREP41(Maundrell、1990)にて創出した。 REP1(高い)及びREP41(中程度)からの発現は、播種に先駆けて18時間チ アミンを非存在とすることによって誘導した。Stratagene Stratalinkerにセッ ティングし、プレート下で0から300 Jm-2までの勾配のuv量にて、プレートを 照射した。 ATRのクローニング及び発現 ヒトrad3相同体に対応するcDNAを同定するために適切なプローブを単離す べく、Rad3/Esr1pのアミノ酸LGLGDRH(5'オリゴ;oDH18)及びHVDF[D/N]C(3'オ リゴ;oDH-16)に対して縮重オリゴヌクレオチドを設計した。4倍の縮重の位置 にイノシンを組入れ、そしてクローニングを容易ならしめるためにプライマーは BamHI(oDH18)及びEcoRI(oDH16)で尾部修飾した。末梢血白血球cDNAの増 幅より得られた100 bpまでのPCR産物のDNA配列分析によって、MEC1/rad3 との有意な類似性が証明された。この配列を使用して、Rad3/Esr1pのアミノ酸配 列KFPP[I/V][L/F]Y[Q/E]WFに対して設計されたさらなる縮重プライマー(oDH17 )を用いたPCRのため、非縮重プライマー(oDH-23;GACGCAGAATTCACCAGTCAAA GAATCAAAGAG)を合成した。この反応の174 bpの産物を、マクロファージcDN Aライブラリーを直接スクリーニングするために使用した。4つの陽性クローン が単離された(最大のものはおよそ3kb)。 平行して、EMBLデータベースに由来する全長のS.pomberad3でデータベース検 索を実施し、233 bpの配列において単一のフレームシフトが許容されればrad3の 相同体の可能性を有す るものとして、ヒトcDNAクローン、HSAAADPDGを検索した。この233 bpの配 列は、連合王国、ケンブリッジ大学のHuman Molecular Genetics Research Grou p、Dr.N.Affaraより得られた1.6 kbのクローンに含まれている。クローン全体 (1.6 kb)を配列決定したが、これは縮重PCR及びライブラリースクリーニン グによって同定されたcDNAクローン内に位置するものであった。遺伝子全体 を同定すべく、Clontech Marathon Kitに提供されている説明内容を使用して、 胎盤及び胸腺mRNA由来のcDNAにつき、RACEPCR実験を実施した。 遺伝子特異的なプライマーは、そのcDNAクローンに由来するものであった。 これらの実験から、2644アミノ酸の内部ORF、79 bpの5'非コード領域、194 b pの3'非コード領域及びポリA+テイルをもって、8239 bpのcDNA配列を組み立 てた。エラーを回避するために、最低3回の別々のPCR反応からのクローンを 、両方向に配列決定した。 233 bpの配列は、第6942位での単一塩基の欠失を除き、配列番号:1のヌクレ オチド第6809位から7042位までの配列(合計234ではない(nt))に対応してい る。この配列は、配列番号:2のアミノ酸第2244位から2320位までをコードして いる。 「1.6 kb」インサートの配列は、配列番号:1のヌクレオチド第5725位から71 04位(1353ではない(nt))に対応しており、そして配列番号:2のアミノ酸第 1892位から2340位までをコードしている。 ノザンブロットハイブリダイゼーション: プライマー279-3(TGGATGATGACAGCTGTGTC)及び279-6(TGTAGTCGCTGCTCAATGTC )を使用して32P−dCTPの存在下に1.3 kbのPCR産物を増幅させた。様々 なヒト組織のソース 由来の、サイズ分画されたポリA+RNAを2μg含有するナイロン膜(Clontech Laboratories)にて、関連配列への交差ハイブリダイゼーションの可能性を最小 にするために最終洗浄を50℃でなく55℃にて行ったことを除いては製造業者によ り推奨されるとおりに、プローブでの探索を行った。 ATRのマッピング 蛍光in situハイブリダイゼーションとポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基 づくアッセイを組み合わせることにより、本発明者らはATR遺伝子を第3染色 体にマッピングした。cDNAクローンを使用したFISH分析によって、AT R遺伝子は第3染色体上、およそq22-23の位置に同定された。ATR遺伝子の25 7 bp断片を増幅する2つのプライマー(oATR23:GACGCAGAATTCACCAGTCAAAGAATCA AAGAG及びoATR26:TGGTTTCTGAGAACATTCCCTGA)を、NIGMS Human Genetic Mutant Cell Repository(Drwingaら、1993)より入手可能な、様々なヒト染色体パネ ルを含むヒト/齧歯類体細胞ハイブリッドに由来するDNAに対して使用した。 同じプライマーでのPCRを行って、第3染色体上の特定の領域にATRを下位 局在化特定(sub-localise)した。これらの増幅のための鋳型は、第3染色体に 欠損を有する患者由来のDNA試料からなっていた(Leachら、1994)。 Rad3を用いた免疫沈降(IP)及びキナーゼアッセイ S.pombe rad3及びヒトATR遺伝子を、相補性試験用にpREP41発現ベクター へとクローニングした。タンパク質をタグ付けするために、2つのmycまたは3 つのHAタグのいずれかのフレーム内N末端タグ配列を含むこれらのベクターの バージョ ンを使用した(Griffithsら、1995)。タグ付けされたタンパク質は、チアミン を含まない培地中で生育することにより発現された(Maundrell、1990)。ガラ スビーズを添加することにより溶解用緩衝液(25 mM Tris-Cl pH 7.5、60mM B- グリセロホスフェート、0.1 mM Na3VO4、1%Triton X-100、50 mM NaCl、2 mM E DTA、50 mM NaF、1 mMフッ化フェニルメチルスルホニル[PMSF]、5μg/mlロイペ プチン、5μg/mlアプロチニン、1 mMDTT)中で溶解された酵母細胞は次いで2分 間、膜破壊器(dismembrinator)にて処理した。IPのために、300μgの総タン パク質抽出物を、適切な抗体と共に氷上で30分間インキュベートし、4℃にて さらに30分間、プロテインGビーズと混合することによって免疫複合体を沈降 させた。キナーゼ活性のために、免疫複合体を溶解用緩衝液で4回洗浄し、キナ ーゼ緩衝液(25 mM Hepes pH 7.7、50 mM KCl、10 mM MgCl2、0.1%NP-40、2% グリセロール、1 mM DTT)で1回洗浄して、10μMATP[50 Ci/mmol]を含有 するキナーゼ緩衝液中で30℃にて15分間インキュベートした。6%ポリアクリ ルアミドゲルにて分離するに先駆けて、20ulの2X SDS試料用緩衝液を用いて反応 を停止した。ウェスタン分析で、Rad3タンパク質自体と同じ位置に移動するもの を含め、Rad3のIPは様々なリン酸化産物を含んでいた。 斜体は、Seatonらにより配列決定されたもの 強調字体は、Seatonらにて欠失していた塩基(2499、2501、2507、2509) 下線は、Seatonらにて、いずれか片方側に単一のCの挿入があった2つの塩基(5 918/5919)、(すなわち、正しくない塩基は示していないが、いずれか片方側の 1残基は存在する)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12Q 1/68 C12Q 1/68 A G01N 33/15 G01N 33/15 Z 33/53 33/53 D // C07K 14/39 C07K 14/39 C12N 1/19 C12N 1/19 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD, MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:1またはその相補配列と選択的にハイブリダイズすることがで きる、実質的に単離されたフォームのポリヌクレオチド。 2.配列番号:1で示されるポリヌクレオチドまたはその断片を含む、請求の 範囲第1項記載のポリヌクレオチド。 3.請求の範囲第1または2項記載のポリヌクレオチドの少なくとも15ヌク レオチドの断片を含むポリヌクレオチドプローブ。 4.配列番号:3またはその相補配列を含む、実質的に単離されたフォームの ポリヌクレオチド。 5.配列番号:2または4のポリペプチド、実質的にそれらと相同性を有する ポリペプチド、または配列番号:2のポリペプチドの断片のいずれかで示される 配列を含む、実質的に単離されたフォームのポリペプチド。 6.請求の範囲第5項記載のポリペプチドをコードする、実質的に単離された フォームのポリヌクレオチド。 7.請求の範囲第1、2または6項記載のポリヌクレオチドを有するベクター 。 8.配列番号:2またはその断片のポリペプチドに結合することができる抗体 。 9.ヒトまたは動物体試料中における請求の範囲第1項記載のポリヌクレオチ ドの有無を検出するための方法であって、以下の工程すなわち、 DNAまたはRNAを含有するヒトまたは動物体試料を、ハイビリダイゼーシ ョン条件下で請求の範囲第1項記載のポリヌクレオチドまたはプライマーを含む プローブに接触せしめ、そして プローブと試料中の核酸との間に形成される二本鎖分子を検出する工程を含む 方法。 10.生物学的試料中に存在する請求の範囲第6項記載のポリペプチドを検出す る方法であって、以下の工程すなわち、 (a)請求の範囲第7項記載の抗体を準備し、 (b)抗体−抗原複合体の形成を許容する条件下で、該抗体と共に生物学的試 料をインキュベートし、そして (c)該抗体を含む抗体−抗原複合体が形成されるか否かを判定する 工程を含む方法。 11.抗ガン療法のための候補物質をスクリーニングするためのアッセイ方法で あって、以下の工程すなわち、 (a)脂質キナーゼ活性を有する本発明のポリペプチド及び該キナーゼのため の基質を、かかるキナーゼ活性が基質に対して作用するような条件下に試薬と共 に準備し、 (b)候補物質に該ポリペプチド及び基質を接触せしめ、 (c)該ポリペプチドのキナーゼ活性の減少の程度を測定し、そして (d)活性の減少をもたらす候補物質を選択する 工程を含むアッセイ方法。 12.抗ガン療法のための候補物質をスクリーニングするためのアッセイ方法で あって、以下の工程すなわち、 (a)(i)本発明のポリペプチドと、第1のポリペプチドと同じかまたは異 なりうる本発明の別のポリペプチドとを、第1のポリペプチドと第2のポリペプ チドとが結合して複合体を形成することを許容する条件下でインキュベートし、 (ii)しかして形成された複合体を候補物質と接触せしめるか、または (a)本発明のポリペプチドと、第1のポリペプチドと同じかまたは異なりう る本発明の他のポリペプチドとを、候補物質の存在下に、第1のポリペプチドが 第2のポリペプチドと結合して複合体を形成することを許容する条件下でインキ ュベートし、 (b)第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの結合を候補物質が阻害 するか否かを判定し、そして (c)第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの結合を阻害する候補物 質を選択する 工程を含む方法。 13.前記第1のポリペプチドと前記第2のポリペプチドとが識別されうる請求 の範囲第12項記載の方法。 14.請求の範囲第11乃至13項のいずれかに記載の方法によって選択された 候補物質の治療上有効な量を患者に投与することを含む、患者におけるガンの治 療方法。 15.請求の範囲第11乃至13項のいずれかに記載の方法によって選択された 候補物質の治療上有効な量を患者に投与することを含む、患者における化学療法 及び/または放射線療法へのガン細胞の感受性を高める方法。 16.ガンの治療のための、請求の範囲第11乃至13項のいずれかに記載の方 法によって選択された候補物質の使用。 17.化学療法及び/または放射線療法へのガン細胞の感受性を高めるための、 請求の範囲第11乃至13項のいずれかに記載の方法によって選択された候補物 質の使用。
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