JPH11511955A - 圧電ステップ・モータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、円筒形ボディ（１）、固定ユニットおよび可動部分（４）を有しており、これらの固定装置が、少なくとも２つの圧電ユニット（２、３）から成っている圧電ステップ・モータ関する。圧電ユニット（２）は、回転圧電要素（５）と、変移圧電要素（６）と、そして固定圧電要素（７）とともに、絶縁体（７）と、そして摩擦部材（９）とを有しており、一方、圧電ユニット（３）は、固定圧電要素（１０）と、絶縁体（８）と、そして摩擦部材（９）とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】 圧電ステップ・モータ 発明の分野 本発明は、電気モータの分野に関し、特に、これは圧電ステップ・モータに関 する。 発明の背景 ステータが、その内部にこのステータと摩擦によって相互作用をする円筒形ロ ータを持つ円筒形圧電中空円筒を有する圧電モータは業界において公知である（ ソビエト連邦（ＳＵ） 審査済登録特許（Ａ）第５７３８２８号）。 しかし、このモータは、円筒形ロータを線形変位させることは不可能である。 また、それに固着されている固定ユニットを持つハウジングと、作動部材を持 つ可動部分とを有する圧電リニア・ステップ・モータも業界において公知である （ソビエト連邦（ＳＵ） 審査済登録特許（Ａ）第７２０５７６号）。 しかし、この圧電モータは、設計が複雑で、その可動部分が線形変位しかせず 、この可動部分が回転することはできない。 発明の概要 本発明の基本的な目的は、その実施形態の構造によって設計および製造技術を 簡単化することと、そしてそれが回転、線形変位およびこの組み合わせ（回転と 線形変位を同時に行う）の運動をしているときに、モータの出力と位置決めの精 度を高めることができる圧電ステップ・モータを創り出すことである。 この目的は、その中に固着されている固定ユニットを持つハウジングと、可動 部分とを有する圧電ステップ・モータを提供することによって達成されるが、こ のモータにおいては、本発明に従えば、固定ユニットが、ハウジングの中で縦方 向の平面に並んで配設されている少なくとも２つの圧電ユニットを有しており、 第１の圧電ユニットが、回転する変移・固定圧電セルと、絶縁体と、摩擦要素と を有しており、また、第２の圧電ユニットが、固定圧電セルと、絶縁体と、可動 部分と相互作用をする摩擦要素とを有しているか、あるいは、固定装置が、１つ の横断方向の平面に並べて設けられていて、複数の扇形のセクタの形に作られて いる少なくとも２つの圧電ユニットを有している。 ハウジングは移動できるようにしてもよく、圧電ユニットを静止円筒形ロッド に固着することもできる。 圧電セルは、電極を交互に並列に接続した圧電リング、またはそれらの扇形の セクタを束にした形に作るのが好ましく、この場合は、連続するそれぞれの圧電 リング、あるいはセクタの分極方向は、その前のものの方向の反対にする。 圧電ユニット間の隙間は、弾性絶縁材料で埋めるのが好ましい。 特許請求しているこのモータは、このような実施形態の構造になっていること によって、設計と製造技術を簡単にすることと、そしてモータの力と、その可動 部分の位置決めの精度を高めることを可能にしている。 図面の簡単な説明 本発明を実施例と添付の下記図面を使って更に説明するが、 図１は、特許請求している圧電ステップ・モータ（第１実施形態）の正面図で あり、 図２は、図１に示しているモータの縦方向断面図であり、 図３は、第２実施形態のモータの正面図であり、 図４は、図３に示しているモータの縦方向断面図であり、 図５は、第３実施形態のモータの正面図であり、 図６は、図５に示しているモータの縦方向断面図であり、 図７は、第４実施形態のモータの正面図であり、 図８は、図７に示しているモータの縦方向断面図であり、 図９−１４は、可動部分が線形変位をする圧電ステップ・モータの動作期間段 階であって、縦方向断面図であり、 図１５は、このモータの可動部分が回転する間の２つの圧電ユニットの断面図 であり、 図１６−２０は、可動部分が回転する間の圧電ステップ・モータの別の動作期 間段階を示している。 本発明の最良の実施形態 本発明の第１の実施形態による圧電ステップ・モータは、円筒形ハウジング１ （図１）と、２つの圧電ユニット２（図２）および３の形になった固定装置と、 そして円筒形ロッドの形をした可動部分４とを有している。 圧電ユニット２は、回転圧電セル５、変移圧電セル６、固定圧電セル７、絶縁 体８および摩擦要素９を有している。圧電ユニット２および３を形成している総 ての圧電セルと、絶縁体と、そして摩擦要素とは一緒に接続されていて（例えば 、接着されていて）、そして円筒形ハウジング１に接続されている。回転圧電セ ル５は、可動部分４をその軸の回りに回転させ、その初期の分極ベクトルは、こ のモータの縦軸に対してある角度を持った方向を向いている。変移圧電セル６は 、その可動部分４をこのモータの軸に沿って線形変位させ、その初期の分極ベク トルがこのモータの縦軸に対してある角度を持っている。固定圧電セル７は可動 部分４を固定するのに使用され、その初期の分極ベクトルは、このモータの縦軸 に対して直角に（半径方向に）向いている。 圧電ユニット３は固定する機能を果たすもので、固定圧電セル１０と、絶縁体 ８と、そして摩擦要素９とを含んでいる。この固定圧電セル１０は、その分極ベ クトルがこのモータの縦軸に対して直角に（半径方向に）向いている。 摩擦要素９は分割リングの形に作ってあり、これによって、固定圧電セル７お よび１０が可動部分４をよりきつく締め付けるようにしている。 各圧電セルは電線に接続されている電極を持っている（図示していない）。 圧電ユニット２および３の間の隙間は、弾性絶縁材料１１で埋めてある。 本発明による圧電ステップ・モータは別の実施形態も取ることができる。 このモータの第２の実施形態においては、第１の実施形態とは逆に、圧電ユニ ット２（図３および４）および３は１つの横断方向平面に設けてあり、複数のセ クタの形にして作ってある。これによって、このモータの寸法と質量はかなり少 なくなる。 このモータの第３の実施形態は、円筒形ロッド１２（図５および６）が静止し ており、逆に、円筒形ハウジング１３が移動することができ、圧電ユニット２お よび３が円筒形ロッド１２に固着されているというところが第１の実施形態と異 なっている。 第４の実施形態においては、円筒形ロッド１２（図７および８）がこれまた静 止しており、逆に、円筒形ハウジング１３が回転しその軸に沿って移動ができ、 圧電ユニット２および３は、１つの横断方向平面に設けられていて円筒形ロッド １２に固着されている。 本発明によるモータは次のように動作する。 回転圧電セル５の電極に正の電圧が印加されると、逆圧電効果によって、リン グの内側部分が直径方向の線Ａ₁Ａ₂に対して反時計方向に角度αだけ回り（図１ ５−２０）、反対に、負の電圧が印加されると、その内側部分が直径方向の線Ａ₁ Ａ₂に対して時計方向に角度αだけ回る。変移圧電セル６の電極に正の電圧が印 加されると、逆圧電効果によって、そのリングの内側部分がリングの外側部分に 対して左方向に変位し、反対に、負の電圧が印加されると、その内側部分がその リングの外側部分に対して右方向に変位する。固定圧電セル７および８の電極に 正の電圧が印加されると、これらは可動部分４を挟みつけ、負の電圧が印加され ると、それらを可動部分４から離してしまう。 この圧電ステップ・モータは、可動部分の線形変位、回転運動、線形と回転を 組み合わせた運動、これらの運動のいろいろな組み合わせといった様々なタイプ の運動をすることができる。 動作サイクルは６つの期間段階から成っている。 可動部分４が線形変位をする条件の下でのモータの動作を図９−１４に示して いる。この場合、圧電ユニット２の変移圧電セル６および固定圧電セル７と、圧 電ユニット３の固定圧電セル１０とが動作する。 第１期間段階は、変移圧電セル６（図９）、７および１０に正の電圧が印加さ れているときのそれらの位置に対応している。回転圧電セル５は、この線形変位 には何ら参加せず、このモータの動作期間中、変化しない位置ならばどのような 位置にあってもよい。 第２期間段階において、固定圧電セル１０（図１０）に負の電圧が印加される と、これは可動部分４から離される。 第３期間段階において、変移圧電セル６（図１１）に負の電圧が印加されると 、このセルは右方向に移動し、固定圧電セル７の助けを借りて可動部分４を右方 向に１ステップだけ変位させる。 第４期間段階において、固定圧電セル１０（図１２）に正の電圧が印加される と、これは可動部分４から離される。 第５期間段階において、固定圧電セル７（図１３）に負の電圧が印加されると 、これは可動部分４から離される。 第６期間段階において、変移圧電セル６（図１４）に正の電圧が印加されると 、これは固定圧電セル７と一緒に左方向へ変位させられる。この動作サイクルが 繰り返されると、その可動部分は、線形にステップ状に右へ変位させられるので ある。 可動部分４の回転では、モータの動作は図１５−２０に示しているように行わ れる。 図１５に第１期間段階に対応した位置を示している。この段階においては、変 移圧電セル６以外の総ての圧電セルが動作するが、このセルは、この動作の期間 中に変化しない位置ならばどのような位置にあってもよい。他の総ての圧電セル には正の電圧が印加される。 第２期間段階において、負の電圧が固定圧電セル１０（図１６）に印加される と、このセルは可動部分４から離される。 第３期間段階において、負の電圧が回転圧電セル５（図１７）に印加されると 、このセルは、変移圧電セル６と、固定圧電セル７と、そして可動部分４とを時 計方向に角度αだけ回転させる。 第４期間段階において、固定圧電セル１０（図１８）に正の電圧が印加される と、これは可動部分４を締め付ける。 第５期間段階において、固定圧電セル７（図１９）に負の電圧が印加されると 、これは可動部分４から離される。 第６期間段階において、回転圧電セル５（図２０）に正の電圧が印加されると 、これは、変移圧電セル６と固定圧電セル７とを反時計方向に角度αだけ回す。 こ のサイクルが繰り返されると、可動部分４は時計方向に回転させられるのである 。 逆の運動は、固定圧電セルへの印加電圧の順序を変えることによって行える。 この圧電ステップ・モータの出力を上げるには、このモータの横断方向平面と 縦方向平面との両方に追加の圧電ユニットを設ければよい。 特許請求している圧電ステップ・モータは、設計および製造技術が簡単で、寸 法および質量が小さく、可動部分の力が大きく、トルクが高く、そして可動部分 が線形変位と回転との組み合わせで動くことができるようにしているのである。 本発明の実施形態の説明においては、よりよく理解されるように限定的な狭義 の用語を使用した。しかし、本発明は受け取られた用語に限定されるものではな く、これら総ての用語は、同様な方法で動作するユニットに対する、また同様の 技術課題を解決するのに使用される総ての同義語を含んでいるということに留意 されたい。 本発明を、その好適なタイプの実現物に関連付けて説明したが、本発明の着想 と範囲から外れなければ変更や修正をすることができるということは明らかで、 このことは当業者であれば容易に理解できよう。 これらの変更と修正は、本発明および添付特許請求項の要諦と範囲を越えない で考慮すべきである。 産業上の利用可能性 本発明は、電気工学、遠隔操作、無線工学、およびオートメーションにおける アクチュエータ装置として使用することが可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｌ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，Ｒ Ｕ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (71)出願人 ブロフ，セルゲイ・ビャチェスラボビッチ ロシア163061アレハンゲリスク、ウーリツ ァ・セベロドビンスカヤ、ドーム11、クバ ルティーラ21 (72)発明者 ブロフ，セルゲイ・ビャチェスラボビッチ ロシア163061アレハンゲリスク、ウーリツ ァ・セベロドビンスカヤ、ドーム11、クバ ルティーラ21 (72)発明者 オカトフ，ユーリ・ウラジミーロビッチ ロシア163002セベロドビンスク、アレハン ゲリスコイ・オブラースティ、ウーリツ ァ・ジェルジンスコーゴ、ドーム８、クバ ルティーラ７

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．固定ユニットがその中に固着されているハウジング（１）と、可動部分（４ ）とを有する圧電ステップ・モータであって、これらの固定ユニットが、このハ ウジング（１）の中で縦方向平面に並べて設けてある少なくとも２つの圧電ユニ ット（２、３）を有しており、第１の圧電ユニット（２）が、回転圧電セル（５ ）と、変移圧電セル（６）と、固定圧電セル（７）と、絶縁体（８）と、そして 摩擦要素（９）とを有しており、そして、第２の圧電ユニット（３）が、固定圧 電セル（１０）と、絶縁体（８）と、そして可動部分（４）と摩擦によって相互 作用する摩擦要素（９）とを有していることを特徴とする圧電ステップ・モータ 。 ２．固定ユニットがその中に固着されているハウジング（１）と、可動部分（４ ）とを有する圧電ステップ・モータであって、これらの固定ユニットが、横断方 向平面に設けてあって複数の扇形の形をしている少なくとも２つの圧電ユニット （２、３）を有しており、第１の圧電ユニット（２）が、回転圧電セル（５）と 、変移圧電セル（６）と、固定圧電セル（７）と、絶縁体（８）と、そして摩擦 要素（９）とを有しており、そして、第２の圧電ユニット（３）が、固定圧電セ ル（１０）と、絶縁体（８）と、そして可動部分４と摩擦によって相互作用する 摩擦要素（９）とを有していることを特徴とする圧電ステップ・モータ。 ３．請求項１または請求項２に記載の圧電ステップ・モータであって、ハウジン グ（１３）が動くことができるように作られており、圧電ユニット（２、３）が 静止円筒形ロッド（１２）に固着されていることを特徴とする圧電ステップ・モ ータ。 ４．請求項１、または請求項２、または請求項３に記載の圧電ステップ・モータ であって、圧電セル（５、６、７、１０）が、圧電リングあるいはそれらの扇形 のセクタを束にされ、その電極が交互に並列に接続された形になされ、連続する それぞれの圧電リング、あるいはセクタの分極方向がその前のものの方向の反対 になっていることを特徴とする圧電ステップ・モータ。 ５．圧電ユニット（２、３）の間の隙間が弾性絶縁材料（１１）で埋められてい ることを特徴とする請求項１、または請求項２、または請求項３、または請求項 ４に記載の圧電ステップ・モータ。