JPH11510701A - ポリマーを改質するための方法及び化学化合物 - Google Patents

ポリマーを改質するための方法及び化学化合物

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JPH11510701A JP9509064A JP50906497A JPH11510701A JP H11510701 A JPH11510701 A JP H11510701A JP 9509064 A JP9509064 A JP 9509064A JP 50906497 A JP50906497 A JP 50906497A JP H11510701 A JPH11510701 A JP H11510701A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、エフェクター部分をタンパク質を介してポリマーに結合することによる、ポリマーの流体、電気的及び強度特性を改善するための方法及び組成物に関する。本発明は特に、紙の特性を、紙に、紙内のセルロースに結合する能力のあるセルラーゼのようなタンパク質を介して、改善された湿潤紙力、乾燥紙力またはサイジングのような特性を与えることのできる部分を結合することによって改善することに関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリマーを改質するための方法及び化学化合物 1.技術的分野 本発明はポリマーの物理的特性を改質するための方法及び化学化合物に関する 。特に、本発明はポリマーに化学化合物を結合することによってポリマーの物理 的特性を調節するための方法及び化学化合物(以降、ポリマーに改善された流体 、電気的または強度特性を付与する「エフェクター部分」と呼ぶ)に関する。 2.背景 ポリマー及びポリマーを含む物質は毎日の生活のいたるところにある。天然に 産するポリマーは例えばタンパク質(羊毛の主成分であるケラチンを含む)、澱 粉、ペクチン、グアー、キチン、リグニン、寒天、アルギネート、並びにセルロ ール及びヘミ−セルロースのような多糖類(キシラン、マンノース及びアラビノ ースを含む)を含む。セルロースは、例えば羊毛繊維及び一年生作物(例えば麻 、わら、米、亜麻、ジュート)を基材とする製品、例えば紙及び綿(これらは繊 維、ヤーン、糸または種々の織成、若しくは不織の繊維製品または布帛製品の形 態であることができる。キシラノースはキシランの主成分であり、これは牧草、 穀草、わら、穀類の外皮及び木材としても知られている。澱粉は種、果実、葉、 球根等の中にある。 ポリマー及びポリマーを含む物質の物理的特性は、種々の化学的及び物理的処 理によって調節し得る。そのような化学的及び物理的処理はポリマー構造自体の 調節またはポリマーを含む物質のバルク(bulk)特性の調節を目指し得る。 ポリマーを含む物質のバルク特性は、例えば湿潤紙力増強剤及び乾燥紙力増強 剤のような薬剤または該物質の物理的特性を改質する他の化学物質を該物質と混 合することによって調節され得る。そのような化学化合物の該物質への混合は典 型的にはそれらの化合物をポリマーに強く結合せず、従って化学化合物の浪費及 び該物質からこし取られる化合物による問題が経験され、物質の特性におけるば らつきを生じる。化学化合物のこし取りは電荷のバランスをとるプロトコールに よって減じることができ、ここでは化学化合物のイオン電荷がポリマー含有物質 のそれに等しいかまたは反対である。しかし、実際の系において、両成分上の電 荷は変化し、注意深い頻繁な制御方法を要求する。化学化合物の調節効果はまた 、調節効果を適切に達成するためにポリマーへの共有結合に依存し得る。さらに 、物質へのある種の化学物質の結合を容易にするために促進剤が要求され得る。 代わりに、化学化合物が、例えば浸漬または印刷によって物質の表面に塗布さ れる。しかし、もう一度、該化学化合物は典型的には物質の表面には結合せず、 適用の意図される部分から離れる物質の拡散の問題に出くわす。 種々の非共有結合相互作用、例えば抗体と抗原との間の結合相互作用及びビオ チンとアビジンまたはストレプタビジンとの間の結合相互作用が既知である。酵 素基質を修飾できる酵素も典型的に、機能するために酵素基質との非共有結合相 互作用に頼っている。 一つのそのようなクラスの酵素は、ポリマー、例えばプロテイナーゼ類、ケラ チナーゼ類、キチナーゼ類、リグニナーゼ類、アガラーゼ類、アルギナーゼ類、 キシラナーゼ類、マンナーゼ類、アミラーゼ類、セルラーゼ類及びヘミセルラー ゼ類を分解する酵素から成る。例えば、セルラーゼ類及びヘミセルラーゼ類は、 それぞれセルロース及びヘミセルロースからサッカライドまたは多糖類分子を分 裂させ、そしてアミラーゼは澱粉からグルコースを分裂させる。 セルロースとセルラーゼタンパク質類、特に触媒活性に必要なものとしてセル ロース繊維に結合したものが記述され、そして再調査されてきた(セルラーゼ: Beguin,Annu.Rev.Microbiol.,44,219−24 8,1990; cellulases and xylanases; Gi lbert and Hazelwood, Journal of Gene ral Microbiology,139,187−194,1993)。こ の群の酵素はセルラーゼ類及びヘミセルラーゼ類を含み、これらは機能的に区別 されたタンパク質ドメインを含む。特に、触媒活性を起こす領域は構造的にセル ロース結合ドメインから区別される。これらの領域は全てのそのようなタンパク 質において非常に類似した進化的に保存されたシーケンスである(Gilkes et al.,Microbiological Reviews,303− 315,June 1991)。 そのようなタンパク質の結合ドメインがプロテオリシスによって活性−部位ド メインから分離される。この単離された結合ドメインは結合能力を保持すると証 明されている(Van Tilbeurgh,et al.,FEBS Let ters,204(2),223−227,August 1986)。セルラ ーゼのセルロース結合ドメインの使用はセルロース系支持体の表面のテキステュ アを粗くする手段として提案されてきたが、セルラーゼ活性部位ドメインの使用 はそのような表面のテキステュアを滑らかにする手段として提案されてきた(国 際特許出願WO93/05226)。 多くの結合ドメインが遺伝子レベルで特徴づけられており(Ohmiya e t al.,Microbial Utilisation of Renew al Resources,,162−181,1993)、そして新しい融 合タンパク質をつくるためにサブクローン化されている(kilburnらの公 開された国際特許出願番号WO90/00609;Ong et al.,En zyme Microb.Technol.,13,59−65,Januar y1991);Shoseyovらの公開された国際特許出願WO94/241 58)。これらの融合タンパク質のいくつかは特定の用途のためのアンカータン パク質として使用されている。そのようなタンパク質は、タンパク質精製計画に おいて使用されるセルロース支持物質への融合タンパク質の接着を通してのタン パク質精製に助剤として使用されてきた(Kilburnら、米国特許5137 819;Greenwood et al.,Biotechnology a nd Bioengineering,44,1295−1305,1994) 。融合タンパク質をセルロース支持体上に固定する能力は酵素バイオリアクター のための固定の手段として(Ong et.al.Bio/Technolog y.,,604−607,June1989;Le et al.Enzym e Microb.Technol.,16,496−500,June 19 94)、並びにセルロース物質へ化学的タグを取り付ける手段として(国際特許 出願WO93/21331)提案されてきた。 3 発明の概要 本発明に従い、流体、電気的及び強度特性から選択される少なくとも1種の特 性における改善を達成するための、ポリマーを処理する方法であって、前記改善 を達成する目的のためにエフェクター部分を前記ポリマーにタンパク質結合(l inkage)を介して結合することを含み、前記エフェクター部分は前記タン パク質結合とは異なり、そして前記タンパク質結合は前記ポリマーと異なり、そ して前記エフェクター部分及び前記タンパク質結合は前記改善を達成するのに十 分な量存在する、前記の方法が提供される。 ポリマーはポリマー分子またはポリマー分子を含むポリマー物質から成り得る ことが認識される。さらに、エフェクター部分及びタンパク質結合への言及はそ れぞれ少なくとも1種のエフェクター部分及び少なくとも1種のタンパク質結合 を示す。従って、本発明は、流体、電気的及び強度特性から選択される少なくと も1種の特性における改善を達成するための、ポリマーを処理する方法であって 、前記改善を達成する目的のために少なくとも1つのエフェクター部分を少なく とも1つのポリマーに少なくとも1つのタンパク質結合を介して結合することを 含み、前記少なくとも1つのエフェクター部分は前記少なくとも1つのタンパク 質結合とは異なり、そして前記少なくとも1つのタンパク質結合は前記少なくと も1つのポリマーと異なり、そして前記少なくとも1つのエフェクター部分及び 前記少なくとも1つのタンパク質結合は前記改善を達成するのに十分な量存在す る、前記の方法を含む。 本発明のさらなる面に従い、流体、電気的及び強度特性から選択される少なく とも1種の特性における改善を達成するための、ポリマーを処理する方法であっ て、前記改善を達成する目的のために前記ポリマーをエフェクター部分及びタン パク質と接触させることを含み、前記エフェクター部分は前記タンパク質とは異 なると共に前記ポリマーとも異なり、そして前記タンパク質は前記ポリマーと異 なり、そして前記エフェクター部分及び前記タンパク質は前記改善を達成するの に十分な量存在する、前記の方法が提供される。本発明は流体、電気的及び強度 特性から選択される少なくとも1種の特性における改善を達成するための、ポリ マーを処理する方法であって、前記改善を達成する目的のために少なくとも1種 のポリマーを少なくとも1つのエフェクター部分及び少なくとも1つのタンパク 質と接触させることを含み、前記少なくとも1つのエフェクター部分は前記少な くとも1つのタンパク質とは異なると共に前記少なくとも1つのポリマーとも異 なり、そして前記少なくとも1つのタンパク質は前記少なくとも1つのポリマー と異なり、そして前記少なくとも1つのエフェクター部分及び前記少なくとも1 つのタンパク質は前記改善を達成するのに十分な量存在する、前記の方法を含む 。 本発明のさらなる面に従い、 a)エフェクター部分;及び b)前記エフェクター部分をポリマーに結合する能力のあるタンパク質 を含む化学組成物であって、 前記エフェクター部分は前記タンパク質と異なり、そして前記組成物は前記ポ リマーの流体、電気的及び強度特性から選択される少なくとも1種の特性におけ る改善を達成する能力がある、 前記の化学組成物が提供される。 本発明はさらに、タンパク質結合を介してエフェクター部分が結合したポリマ ーを含む組成物であって、前記エフェクター部分は前記タンパク質結合と異なり 、前記エフェクター部分及び前記タンパク質結合は前記ポリマーの流体、電気的 及び強度特性から選択される少なくとも1種の特性における改善を達成するため に十分な量存在する、前記の組成物を提供する。 本発明のさらなる面に従い、流体、電気的及び強度特性から選択される少なく とも1種の特性における改善を達成するために紙または紙の構成繊維を処理する 方法であって、前記改善を達成する目的のために少なくとも1つのエフェクター 部分を前記紙または紙の構成繊維に少なくとも1つのタンパク質結合を介して結 合することを含み、前記少なくとも1つのエフェクター部分は前記少なくとも1 つのタンパク質結合とは異なり、そして前記少なくとも1つのタンパク質結合は 前記紙または紙の構成繊維と異なり、そして前記少なくとも1つのエフェクター 部分及び前記少なくとも1つのタンパク質結合は前記改善を達成するのに十分な 量存在する、前記の方法が提供される。 4 発明の詳細な説明 本発明は、ポリマーまたはポリマーを含む物質の流体、電気的及び/または強 度特性を、望まれる特性を与える能力のあるエフェクター部分を該ポリマーに結 合することによって調節するための方法及び調節する化学化合物を提供する。 用語「ポリマー」は、ポリマーを含む物質への言及を含む。ポリマー含有物質 は排他的にポリマーから成ることができ、また他の成分との組み合わせられてい るポリマーから成ることもできる。 ポリマーはいかなる数のモノマー単位のいかなるポリマーをも含み得る。好ま しくは、ポリマーは天然に産するポリマーまたは化学的に改質されたそれらの誘 導体を含む。天然に産するポリマーは例えばケラチンのようなタンパク質、また は澱粉、ペクチン、グアー、キチン、リグニン、寒天、アルギネートのような多 糖類を含むことができる。好ましくはポリマーは多糖類を含む。多糖類は、例え ばマンノース、キシラノース、セルロールまたはヘミ−セルロースのような多糖 類を含むことができ、好ましくはセルロースである。セルロースを含む物質は木 材繊維または一年生作物(例えば麻、わら、米、亜麻、ジュート)を基材とする 製品、例えば紙を含むことができる。代りに物質は繊維、糸、または織成若しく は不織繊維製品または布帛の形態の綿、または綿基材の紙を含むことができる。 好ましくは物質は紙を含む。 本発明は、ポリマーのいずれかの流体、電気的または強度特性を調節するため に使用し得る。調節され得るポリマーの特性は湿潤紙力及び乾燥紙力、サイジン グ、疎水性、染料抵抗、よごれ抵抗、流体透過、油及び水をはじく性質、導電性 及び電気抵抗性、電気キャパシタンス、pH並びにバイオメタリック特性を含む 。 本発明において使用されるタンパク質はポリマーと結合する能力のある全ての タンパク質を含む。好ましくは、該タンパク質は1×10-3M未満の解離定数( Kd)を有すポリマーを結合することができる。ここで使用するとき、用語「タ ンパク質」はペプチド、オリゴペプチド及びポリペプチド、並びにタンパク質残 基、タンパク質含有種、アミノ酸の鎖及びペプチド結合を含む分子を含む。文脈 が要求する場合は(例えばタンパク質が他の分子に結合しているとき)タンパク 質への言及はタンパク質残基を意味する。用語「タンパク質結合」はタンパク質 またはタンパク質残基をいい、これを介してエフェクター分子がポリマーに結合 する。このタンパク質は天然に産するタンパク質若しくはそのフラグメントまた は、化学変性または合成によってあるいはタンパク質のための遺伝子的に修飾さ れた遺伝子コード化の表現によって得られる改質タンパク質を含む。ここで 使用するときは、用語「改質タンパク質」はポリマーに結合できるタンパク質の 化学的アナログを含む。ポリマーを結合できるタンパク質の例は周知であり、そ して、セルラーゼ類、ヘミ−セルラーゼ類、マンナーゼ類、キシラナーゼ類、プ ロテイナーゼ類、ケラチナーゼ類、キチナーゼ類、リグニナーゼ類、アガラーゼ 類、アルギナーゼ類及びアミラーゼ類を含む群から選択される酵素を含む。例え ば、セルロースへの結合に依存する種々のセルラーゼがその活性について既知で ある。そのようなセルラーゼの例は、シグマケミカルシグマ−アルドリッチ社、 Novo NordiskA/S, BHD社、またはICNバイオメディカル ス社から商業的な製剤として入手できる、Cellulomonas fimi のようなバクテリア有機体及びTrichoderma viride、Asp ergillus niger、Penicillium funiculos um、Trichoderma reesei及びHumicula inso lensのような菌類有機体から分離されるものである。かわりに、タンパク質 は例えば国際特許出願WO94/24158に開示されるリコンビナントDNA 技術によって製造し得る。セルラーゼは一般にセルロース結合ドメインとセルラ ーゼ活性の原因であるドメインを含む。本発明はセルラーゼを全体として、また はセルロースに結合する能力のあるそのフラグメントとして使用し得る。セルロ ース結合ドメインはパパインのようなプロテアーゼでの処理によって全セルラー ゼから得ることができる。本発明はエクソ−セルラーゼまたはエンド−セルラー ゼを使用し得る。 好ましくは、タンパク質はポリマーに結合できる能力のある天然に産する酵素 を含む。さらに好ましくは、紙に関して、触媒活性は不活性化される。酵素の触 媒活性は、例えば酵素のエフェクター部分の付加または架橋によって不活性化さ れる。酵素の架橋は、グルタルアルデヒドのようなジアルデヒドのようないかな る適切なタンパク質架橋剤によっても達成し得る。好ましくはタンパク質は不活 性化された天然産のセルラーゼを含む。 エフェクター部分は、いかなる便利な手段によってもポリマーに結合する能力 のあるタンパク質に結合させることができる。例えばエフェクター部分はエフェ クター部分及びタンパク質内の適切な反応性官能基を介してタンパク質に直接共 有結合し得る。適切な反応性官能基及び(もし必要であるなら)共有結合を促進 するためのその化学的修飾の認識は本技術における当業者の能力の範囲内である 。共有結合形成の例はカルボキシル基とアミン基との間の、カルボキシル基のカ ルボジイミドまたはジメチルホルムアミド活性によるアミド結合の形成を含む。 エフェクター部分は、ポリマー結合タンパク質のいかなる適切な部分にも付加 させ得る。エフェクター部分はタンパク質のN−末端において、例えばタンパク 質N−末端アミノ基を介してポリマー結合タンパク質に付加させ得る。代りに、 タンパク質のC−末端において、例えばC−末端カルボキシル基を介して付加さ せ得る。代りに、エフェクター部分は、例えばタンパク質のアミノ酸鎖内または その側鎖内に存在する官能基か、またはエフェクター部分への付加の目的のため にタンパク質内へ導入された代替の官能基を介してタンパク質に付加させ得る。 エフェクター部分は、例えばシステイン内に存在するチオール基、セリンまたは スレオニン内に存在するヒドロキシル基、リジンまたはアルギニン内に存在する アミノ基、アスパラギンまたはグルタミン内に存在するアミド基、アスパラギン 酸またはグルタミン酸内に存在するカルボキシル基、あるいはフェニルアラニン 、チロシン、トリプトファンまたはヒスチジン内に存在するヘテロアミノ基、あ るいはこれらの誘導体を介して付加され得る。 エフェクター部分はリンカー(linker)を介してタンパク質に付加させ 得る。このリンカーは、タンパク質とエフェクター部分とを結合するように、例 えばタンパク質の反応性部位及びエフェクター部分の反応性部位と反応する能力 のある2官能価分子を含み得る。そのようなリンカーをタンパク質とエフェクタ ー分子との間のスペーサーとして含むことが有利であり得、それによって2つの 種は立体的に各々の他の活性を妨害しないように十分に離る。リンカーは、エフ ェクター部分とタンパク質とを結合する適切な官能基を与えることにおいても有 利であり得る。 代りに、またはリンカーの一部として、エフェクター部分は非共有結合の一対 の分子を介してタンパク質に付加され得る。そのような非共有結合の一対の分子 の例はビオチンとアビジン、ストレプタビジンまたはニュートラライトを含む。 従って、一つの可能性はエフェクター部分が共有結合でトレプタビジンに付加 し、同時にポリマー結合タンパク質はビオチンに共有結合で付加する。これらの 成分の結合は、各成分のストレプタビジン及びビオチン部分の結合を容易にし、 従ってエフェクター部分のポリマー結合タンパク質への付加を容易にする。エフ ェクター−ストラプタビジン成分は、タンパク質成分がポリマーに結合される前 または後に、タンパク質−ビオチン成分と混合され得ることが認識される。代り に、エフェクター部分はビオチンに共有結合で付加されることができ、一方タン パク質はアビジン、ストレプタビジンまたはニュートラライトに共有結合で付加 されることが認識されるべきである。 1種以上のタイプのエフェクター部分がポリマーに付加され得ることが認識さ れる。2種以上のタイプのエフェクター部分がそれぞれの他の効果を強化するた めに使用され得、または同時に2以上の効果を与えるための使用され得ることが 認識される。 一般に、エフェクター部分は、ポリマー結合タンパク質がポリマーに結合する 前または結合した後にポリマー結合タンパク質に付加させ得ることが認識される 。本発明の方法はエフェクター部分とタンパク質とのコンジュゲートをポリマー と接触させることを含むことができ、またはエフェクター部分をタンパク質とポ リマーのコンジュゲートと接触させることを含むことができる。代りに、エフェ クター部分のタンパク質への付加及びタンパク質のポリマーへの付加は一工程法 においてその場で達成させ得る。 本発明は、エフェクター部分がタンパク質結合に結合し、タンパク質結合がポ リマーに結合するという方法の正確な特質に関して限定されない。結合は共有結 合のような化学的結合または非共有結合的な物理的相互関係、結束、会合、引力 、または親和力によるものでもよい。 エフェクター部分は望まれる物理的特性を与えることができるいかなる部分を も含む。エフェクター部分は、望まれる物理的特性を与えることができる、原子 、分子若しくは化学化合物またはそれらの残基を含み得る。一態様において、エ フェクター部分は望まれる物理的特性を与えることができる化学化合物から成る 。例えば、該薬剤はグルタルアルデヒドのようなジアルデヒドのようなアルデヒ ド、澱粉またはそのカチオン性誘導体、ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミドコ ポリ マーグリオキサール、グリオキシル化ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン 、ポリアミンエピクロロヒドリンポリマー、ポリアミドアミンエピクロロヒドリ ンポリマー、尿素ホルムアルデヒド及びメラミンホルムアルデヒドポリマー、合 成ラテックス、ホルムアルデヒド変性タンパク質または紙に湿潤紙力を与える目 的のために使用される他のポリマーのような湿潤紙力増強剤;澱粉、アニオン若 しくはカチオン性澱粉、ポリアクリルアミド、両性,カチオン性若しくはアニオ ン性のポリアクリルアミドコポリマー、アニオン若しくはカチオン性グアー、イ ナゴ豆ガム、またはこれらのアニオン性若しくはカチオン性改質物、ポリビニル アルコール、カルボキシメチルセルロースのような乾燥紙力増強剤;アビエチン 酸を含むロジン、鹸化フマル酸ガムロジン付加物を含むアダクト化ロジン、タル 油を含むロジン誘導体、ミリスチン酸,パルミチン酸またはステアリン酸を含む 脂肪酸、アルケニル無水コハク酸(ASA)またはアルキルケテンダイマーまた はマルチマー(AKD)またはASA若しくはAKDの誘導体を含む2−オキセ タノン(oxetanone)化合物を含む他の疎水性基、ガム、アダクト化ガ ム、ウッド若しくはタル油ロジン、線状若しくは分岐鎖の約4〜30炭素原子の 鎖長さの飽和若しくは不飽和カルボン酸、そのようなカルボン酸からつくられる アルキルケテンダイマー、約4炭素原子〜約30炭素原子の鎖長さのアルキル無 水コハク酸、全部若しくは部分的に弗化したカルボン酸若しくはこれらから誘導 されるアルキルケテンダイマー、全部または部分的に弗化された無水アルキルコ ハク酸;染料抵抗剤または汚れ抵抗剤;弗化脂肪酸またはASA若しくはAKD の弗化誘導体を含むフルオロケミカルのような撥油若しくは撥水剤;界面活性剤 、洗剤、脂肪酸アミドまたはエクスパンシン(expansin)(McQue en−Mason et al.,Proc.NatI.Acad.Sci.U SA.91,6574−6578(July 1995))のような酵素剤を含 むセルロースの水素結合を分裂させる能力のある薬剤のような、柔軟性を与える 能力のある薬剤;金属のような導電性を与える能力のある薬剤;剛性を与える能 力のある薬剤;吸収性を与える能力のある薬剤;親水性を与える能力のある薬剤 ;密度を調節する能力のある薬剤;金属化剤;緩衝剤のようなpHを調節する能 力のある薬剤(例えば、酸分解に抵抗性を与えるため)を含む。 他の態様において、エフェクター部分は架橋若しくはマトリックス形成剤また はそれらの残基であって、これらはポリマーの物理的特性を調節するためにそれ 自体役立ち得るか、またはタンパク質の特性を調節するのでポリマーの物理的特 性を調節するために役立ち得るか、またはポリマーの物理的特性を調節すること ができるさらなる薬剤を取り込むために役立り得る。架橋マトリックス形成剤の 好ましい例はグルタルアルデヒドのようなジアルデヒドを含む。グルタルアルデ ヒドのようなジアルデヒドは例えばセルラーゼ誘導タンパク質とマトリックスを 形成できる。セルラーゼ/グルタルアルデヒドのマトリックスは紙の改善された 湿潤紙力及び乾燥紙力を与え、紙をサイズ処理し、そして/またはTiO2若し くはCaCO3のようなさらなる薬剤を取り込み得る。 製紙に有用な化合物の広範囲にわたる論評はロバートら(Paper Che mistry, Chapman Hall New York, 1991) によって与えられ、その全体の内容が参照によって本明細書中に組み込まれる。 この文献は特に保留助剤、湿潤紙力増強用添加剤、乾燥紙力増強用添加剤、サイ ズ剤及び充填剤を再検討している。 ここで使用するとき、用語「紙」は、密着したシートまたはウエブの形態にあ る全ての物質をいい、植物原料から誘導された繊維とこれと所望により種々の比 率で混合される植物、鉱物、動物または合成の原料からの繊維、またこれと所望 により種々の比率で混合される金属元素の酸化物、炭化物及び硫黄化物のような 無機物質の微細な粒子とを含む。用語「紙」は紙シートまたはウエブの重量が2 00g/m2より大きいときは紙を示す板紙を含む。 セルロースの植物原料は、木材、藁、バガス、エスパルト、竹、カナフ(Ka naf)、草(Grass)、ジュート、ラミー、アサ、綿、亜麻を含む。粗製 の植物由来セルロースが加工されてパルプ(これから紙が機械的、化学的または 両方でつくられる物質)が形成される。セルロースを含むパルプは、パルプ調製 及び精製法に従って、機械的、化学機械的及び化学熱機械的、準化学的、高収量 化学的、全化学(James P.Cassayによって編集された「Pulp and Paper,Chemistry and Chemical Te chnology」第3版、第1巻、164、165頁を参照されたい。ISB N0−471−03175−5(v.1))として記述され得る。 エフェクター部分は、ポリマーまたはポリマー含有物質の製造及び加工のいず れの適切な工程においても、ポリマーに結合させ得る。 エフェクター部分が紙に適用されるべきであるなら、パルプ段階において、ま たはウエットパルプマトリックスの形成中若しくは紙を形成するためのマトリッ クスのプレス及びローリングの間のいずれかの段階においてそれを結合させるこ とができる。代りに、エフェクター部分をを結合させるための薬剤を含む浴の中 に紙を漬けることによって、またはいずれかの適切な噴霧、塗布、はけ塗、被覆 または印刷法によって、形成された紙製品に付加させ得る。 もしエフェクター部分を綿に付加させるべきであるなら、再度言うが綿繊維の 処理のいかなる段階においてもそれを付加させることができる。それが綿繊維、 糸、ヤーンまたは織成若しくは不織綿ファブリックまたは繊維製品に結合され得 る。エフェクター部分はエフェクター部分を結合させるための薬剤を含む浴の中 に物質を漬けることによって、またはいずれかの適切な噴霧、塗布、はけ塗、被 覆または印刷法によって、結合させ得る。 ポリマーまたはポリマー含有物質の製造においてエフェクター部分を結合され るポイントを選択することによって、ポリマー物質全体にエフェクター部分が分 布するかまたは実質的に物質の表面レベルに限定されるかについて制御を働かす ことができる。 エフェクター部分が物質のバルク特性を調節することに向けられている場合は 、物質全体に均質なエフェクター部分の均一な分布を確実にすることが有利であ り得る。従って、エフェクター部分は製造の早期の段階において結合されるべき である。例えば、エフェクター部分が紙のバルク特性を調節することに向けられ ている製造においては、エフェクター部分はパルプ段階で適用されるべきである 。 エフェクター部分が物質の表面特性を調節することに向けられている場合は、 エフェクター部分を物質の表面レベルに限定することが、必要なエフェクター部 分の量の減少における追加の利点を有して、満足であり得る。従って、エフェク ター部分はこのマイクは製造の遅い段階で供給されるべきである。例えば、紙の 製造において、エフェクター部分が紙の表面特性を調節することに向けられてい る場合にはエフェクター部分は紙表面に適用されるべきである。 用途に依存して、エフェクター部分は紙の平面な表面の一方または両方に適用 することが望ましい。紙の両面を、例えば湿潤紙力増強剤を含むエフェクター部 分で処理し、一方、端の一つ以上を未処理のままにすることは、乏しい湿潤紙力 特性を有するが良好な液体吸収性を有する紙の層が良好な湿潤紙力特性を有する 紙の層の間に挟まれているサンドイッチ構造の調製を容易にする。そのような構 造は、毛細管活動によってその中間層を通して液体を輸送する能力があり、そし てディップ−スティックタイプの診断分析の製造に特に有用である。 本発明の特別の特徴は、可逆的な方法で、ポリマーまたはポリマー含有物質の 物理的特性を調節する能力に関する。特別な物理的特性を付与するための従来の ポリマー処理はしばしば非可逆的である。さらに、従来の処理はポリマーをリサ イクルのために不適切にする。リサイクル紙に関して、もし従来の湿潤紙力増強 剤で処理すると、紙の再パルプ化がさらに困難になり、そして不可能であるかも しれない。本発明は、エフェクター部分の開放を許容する手段にそれ自体を与え て該物質のリサイクルを許容する。エフェクター部分は、例えばポリマーにエフ ェクター部分を結合するタンパク質を開裂させるタンパク質で処理することによ ってポリマー含有物質から開放され得る。代わりに、エフェクター部分は選択的 に開裂され得るリンカーによってタンパク質に結合され得る。アルデヒド−置換 された澱粉のような架橋剤はアミラーゼによって開裂され得る。 本発明のさらなる利点は、望まれる物理的特性が本質的にただちに該物質に付 与されるという事実である。湿潤紙力を紙に付与するための従来の処理において は、数週間にわたる熱処理及び硬化が要求され得る。 本発明は以下の図面及び実施例を参照して説明される。図面において、 図1はグルタルアルデヒド架橋セルラーゼ付与湿潤紙力へのセルラーゼ濃度の 影響を示す。 図2はグルタルアルデヒド架橋セルラーゼ付与湿潤紙力へのグルタルアルデヒ ド濃度の影響を示す。 図3はグルタルアルデヒド架橋セルラーゼ付与湿潤紙力へのpHの影響を示す 。 図4はグルタルアルデヒド架橋セルラーゼ付与湿潤紙力への温度の影響を示す 。 図5はグルタルアルデヒド架橋セルラーゼ付与湿潤紙力へのインキュベーショ ンの影響を示す。 図6はグルタルアルデヒド架橋セルラーゼ付与湿潤紙力へのプレインキュベー ションの影響を示す。 図7は異なる木材パルプから製造した紙の湿潤紙力へのグルタルアルデヒド架 橋セルラーゼの影響を示す。 以下の記述は例示のみの目的である、そして詳細の修正は本発明の範囲内でな され得る。 試験 エフェクター部分の結合の原則及び適用 以下に定義するプロトコールは、エフェクター部分のセルロースへの結合のた めのバイオ橋架け(biobridging)剤としてのセルラーゼの使用を特 徴づけるために使用される技術を示す。初期素材調製のために 、3分の1強度ホスフェート緩衝塩水(1/3PBS)を 使用した。1/3PBSのための配合は次の通りであった。 200リットルの脱イオンまたは脱ミネラル水(DEMI水) 197gの無水燐酸二水素ナトリウム(NaH2PO4) 767gの無水燐酸−水素ジナトリウム(Na2HPO4) 389gの塩化ナトリウム(NaCl) 無水の物質は本質的ではないが、水和塩中の全ての「結晶化の水」を考慮にい れるために上述の重量は再計算される。 使用されたセルラーゼは菌類の原料から誘導されており、そして水溶液または 凍結乾燥された粉末のいずれかとして入手できる。Penicillium funiculosum Penicillium funiculosumから誘導されたセルラーゼ (英国、ドルセット(Dorset)、ポーレ(Polle)のシグマアルドリ ッチ社)は黄褐色粉末として入手でき、そして0℃未満で貯蔵されるべきである 。 ハンドシートのための添加剤として使用されるとき、セルラーゼは最初に1/ 3PBS中の20%全固形分溶液として製造された。大きな浅いビーカー内に2 00gの乾燥酵素製剤を置いた。次にこれにゆっくりと800gの1/3PBS を加えた。混合物をガラス棒で穏やかに攪拌した。溶液の激しい攪拌は、酵素の 変性を起こし得るので粉末を分散させるために使用されるべきでない。酵素製剤 のいかなる集合もガラス棒で穏やかに粉砕され得る。セルラーゼ溶液が使用以前 の日に製造されるのであればそれは4℃で貯蔵されなければならない。Trichoderma Reesei Trichoderma Reesei から誘導されたセルラーゼは英国、 ドルセット、ポールのシグマアルドリッチ社から凍結乾燥粉末として、またはデ ンマークのBagsvaerdのNovo Nordisk A/Sからの水溶 液として入手できる。粉末を使用するときは、Penicillium fun iculosumを使用した水溶液の調製のための手順及び取り扱いプラクティ スを同様にここで適用した。 セルラーゼ溶液を酵素溶液の全タンパク質含量を基準として素材に加えた(例 えば乾燥繊維100部あたり乾燥タンパク質10部)。調製されたセルラーゼ溶 液の全タンパク質含量は、コーマシ・ブリリアントブルー(Coomassie Brilliant Blue)G250染料(Sedmak and Gr assberg(Analytical Biochemistry,79,5 44−522(1977))によって染色されたタンパク質のUV吸収(=62 0nm)によって測定した。 1.セルラーゼのセルロースへの結合のための分析 試料(典型的に25〜500mg及び通常100mg)のセルロース、例えば 微結晶セルロース(Avicel SigmaCell)またはウオーターリー フ(water−leaf)紙パルプを一連のチューブ/フラスコ内に量りとっ た。 セルラーゼ溶液(典型的には3mL緩衝液中に200〜600mgのタンパク 質mL-1を含む)を各チューブに加えた。最初に加えたタンパク質の正確な含量 は、Sedmak及びGrassberg(Analytical Bioch emistry,79,544−552(1977))によって開発された分析 法を使用して結合分析の始めに試験的に決定した。 望まれる温度(典型的に4℃〜30℃であるが通常は室温)において、一定時 間(典型的には1〜90分、通常は5〜15分)チューブを振動させた。試料( 0.5〜1mL)を次に分析のためにとった。 試料を1mLのエッペンドルフチューブ中でベンチトップマイクロフージを使 用して5分間遠心分離し、そして上澄み内に残っているタンパク質濃度の決定の ために(未結合セルラーゼ)上澄みを保持した。 上澄み液タンパク質濃度を初期タンパク質濃度から減じ、それによってセルロ ースペレットと会合しているセルラーゼの量を決定した。 牛血清アルブミン(BSA)をコントロールとして分析中に使用した。 結果を、添加したタンパク質の百分率としてのセルロースへ結合したタンパク 質の量としてか、またはタンパク質/セルロース(%重量/重量)の百分率とし てのセルロースに結合したタンパク質の量のいずれかで表した。 2.化学ルミネセンスを使用したエフェクター部分結合の視覚化ELC検出系のためのセルラーゼの調製 1.セルラーゼのビオチン化(Biotinylation) N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中のビオチンアミドN−ヒドロサク シンイミドエステル(BcapNHS)の溶液を調製した(1mg/mL)。蒸留 水中のセルラーゼの溶液(77mg/mL)を調製した。 1mLのセルラーゼ溶液を1mLのBcapNHS溶液に加え、そして混合物を 室温において振動させながら2.5時間インキュベートした。次に反応を500 mLの1/3PBS緩衝剤(PBS、pH7.5;Na2HPO4,11.5g; NaH2PO4,2.96g;NaCl,5.84g 蒸留水で1リットルに希釈 )に対して1時間徹底的に透析した。 2.紙シートへのビオチン化セルラーゼの結合[セルラーゼの紙シートの表面へ の適用] ウオータリーフ紙シート、通常2cm2を、1/3PBS(10mL)中0. 05〜100μg/mLの間の濃度範囲において、45分〜2時間4℃において 振動している浅いペトリ皿内でビオチン化セルロースと共にインキュベートした 。Tween20を含むPBS(0.1%体積/体積)を使用した試験も行った 。 3.紙パルプへのビオチン化セルロースの結合及びそれに続く紙シートの製造 [セルラーゼの紙マトリックスへの適用] 紙パルプをTween20を含む1/3PBS(0.1%体積/体積)中で4 5分間室温において振動させながらビオチン化セルラーゼと共にインキュベート した。紙の円盤を、製紙用フィルターを使用して紙パルプ−ビオチン化セルラー ゼから形成した。紙の円盤をフィルターから除き、丸め及び一晩乾燥させた。 4.HRP−ラベルされたストレプタビジンのビオチン化セルラーゼへの結合 製造者(英国、アマシャムのアマシャム社;Whitehead,T.P.e t al.,Clin.Chem.26,1531〜1546、1979)の推 奨に従って、HRP−ラベルされたストレプタビジンの結合及びビオチン化セル ラーゼのECL検出を連続して行った。 この紙をPBS中で4℃または室温において振動させながら45分間ミルク粉 末(4%重量/体積)と共にインキュベートして、HRP−ストレプタビジンコ ンジュゲートの非特異的結合をブロックした。紙を次に、Tween20(0. 1%体積/体積)を含む1/3PBS中の0.5%(重量/体積)ミルク粉末を 使用して3×3分洗った。溶液を捨て、そして各洗浄後に置換した。 西洋わさびペルオキシド(HRP)−ストレプタビジンコンジュゲートを、T ween 20(0.1%体積/体積)を含む1/3PBS内で調合した、ミル ク粉末を使用した1:1000部溶液(0.5%重量/体積)として調製した。 紙を覆うのに適切な体積(2〜10mL)を紙シートに加えて、それを次に室温 で振動させながら45分間インキュベートした。 次に紙を3×5分、ミルク粉末(0.5%重量/体積)及びTween 20 (0.1%体積/体積)を含む1/3PBS内で洗浄した。洗浄溶液を捨て、そ して各洗浄の後で置換した。その紙を次に1/3PBSで3×5分間洗浄し、そ して再び洗浄溶液を捨て、各洗浄後に置換した。 セルロース結合セルラーゼ−ビオチン−HRP−ストレプタビジンコンジュゲ ートを次にECL法によって視覚化またはOPD方法論を使用を使用して定量化 した。 3.強化化学ルミネセンス(ECL)法 写真用暗室内でこの方法を実施することが必要である。 アマシャムECL検出試薬1+2を等量で一緒に混合した(ほぼ0.13mL cm2の紙を必要とした)。過剰の緩衝剤を次に紙から排水し、そして検出試 薬を紙の表面を完全に覆うために加えた。 紙を正確に1分間室温で攪拌せずにインキュベートした。検出試薬を排水し、 そして紙を2枚のティシューペパー間で吸い取って過剰の試薬を除去した。吸い 取った紙を次に1枚のクリングフィルムに移しそして全ての空気ポケットを除去 するために確実に包んだ。 紙を、紙のインキュベートとそれをハイパーフィルムに暴露することとの間の 遅れを最小化するフィルムカセット内に置いた。フィルムを注意して紙の頂部に おき、そしてフィルムを、フィルムが暴露の間に動かないことを確実にして15 秒間暴露した。このフィルムの第1シートを次に取り除き、そしてただちに第2 フィルムで置換して、次にこれを1分間暴露した。 このフィルムを次に直ちに現像して結果を視覚化した。必要な場合には、さら にフィルムのシートを1〜60分の暴露で暴露させることができる。 4.セルロースに結合したエフェクター部分の定量のための(OPD)法 基質緩衝剤を150mLの0.06Mリン酸塩−クエン酸塩緩衝剤(0.2M NaH2PO4、121.5mL;0.1Mクエン酸121.5mL、500m Lの蒸留水へ調合し、そして5.0のpHに調整)内に1個のOPD錠剤を溶解 することによって製造し、0.4mg/mLの最終OPD濃度を得た。この試薬 は光感受性であることに注意しなければならない。基質緩衝剤25mLあたり新 たな30%H2210μリットルを使用直前に加えた。 ビオチン化セルラーゼを含む紙試料を50mLのファルコンチューブ内に置い た。完全な基質緩衝溶液25mLをチューブに加え、そして室温で30秒〜20 分間(通常5〜15分)室温で振動させ、次に反応を1mLの3MのH2SO4を 加えることによって停止した。次に492nmにおいて吸収を測定し、そして紙 上または紙中に存在するビオチン化セルラーゼの濃度を計算するために、OD49 2 の標準曲線対ビオチン化セルラーゼ濃度の参照を行った。 5.紙のエフェクター部分の酵素ペプチドへのカルボジイミドを使用したカップ リング カルボジイミドはカルボキシレート基と反応して活性化されたカルボキシルを 形成する。アミノ基は次にこれらの活性化されたカルボキシルを攻撃して共有ペ プチド結合を形成する。この化学物質は遊離のカルボキシル基を含む紙のエフェ クター化学物質をペプチド類のアミノ基に結合させるために使用できる。 紙のエフェクト化学物質のセルラーゼへの結合において使用されるカルボジイ ミド化学物質は従来の方法論(Hoare et al.J.Biol.Che m.242(10)2447−2453,1967)を基礎とする。 以下に説明する方法において、アビエチン酸をセルラーゼにカップリングさせ た。 セルラーゼを蒸留水に溶解し(21mg/mL)、そしてアビエチン酸(10 0mg)を25mLの10%(体積/体積)のメタノールに溶解した。0.5m Lの1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド−HCl (WS−CDI;63mg/mL)を1.0mLのアビエチン酸溶液に加え、そ してpHをHCl(0.1N)を使用してpH4.5±0.5に調節した。次に 混合物を室温で攪拌した(5分)。2mLのセルラーゼ溶液を次に加え、そして 混合物を攪拌しながら室温で放置した(16時間)。 次に反応を酢酸ナトリウム(0.1M;pH5.0)の添加によって停止させ 、そして過剰のアビエチン酸及びWS−CDIを燐酸塩緩衝液内で徹底的なダイ アリシスによって除去した。 カップリングしたセルラーゼを次に、上述したようにセルロース上にアビエチ ン酸を橋架けするために使用した。 6.グルタルアルデヒド架橋セルラーゼを使用した湿潤引張強度特性の論証 グルタルアルデヒド架橋セルラーゼをウオータリーフ紙パルプへ適用し、そし て紙シートへ湿潤紙力特性を付与することを論証した。 ウオーター・リーフ紙パルプを次の方法で製造した。10gウオーター・リー フ紙を1cm2に切り、100mLの蒸留水を使用して国産ハーブミル(CH1 00,英国のケンウッド社)内で3分間細断した。 0.2gのセルロースを含む2.15gのウオータリーフ紙パルプスラリー (10%重量/体積)をとり、そして次のように添加した。 1.マイナス対照としての、pH7.0の10mLの1/3強度燐酸塩緩衝塩 水(PBS) 2.T.reeseiセルラーゼ(2mg/mL)を含む1/3PBS10m L 3.グルタルアルテヒド(25μL/mL)を含む1/3PBS10mL 4a.パルプへの添加前に室温で1時間一緒にインキュベートした、T.re esei(2mg/mL)及びグルタルアルデヒド(25μL/mL)を含む1 /3PBS10mL 4b.パルプに直接添加した、T.reeseiセルラーゼ(2mg/mL) 及びグルタルアルデヒド(25μL/mL)を含む1/3PBS10mL 次に、紙シートの製造の前に、オービタルシェーカー上で室温において1時間 全ての試料をインキュベートした。 紙シートを製造するために、蒸留水で体積を100mLに増し、以下の方法で 操作する実験室用に設計された製紙装置を使用して紙シート(6cm2)を製造 した。紙パルプ(0.2%重量/体積)のサスペンションを、微細なナイロンフ ィルタメッシュを収容したプラスティックフィルターホルダー内に注いだ。2、 3秒間真空を適用することによって、パルプをメッシュによって支持された紙シ ートへと形成した。フィルターのメッシュを装置から除き、そして紙のシートを 第2ナイロンメッシュの間にはさみ、そして吸収材紙タオルの間で吸い取った。 紙シートを注意して製紙メッシュから取り除き、そしてローリング間で平坦化し て一晩乾燥させた。 湿潤紙力を次の方法で測定した。 A 水中の紙安定性 各試験紙シートからの試料(1.5cm2)をユニバーサル瓶内に起きそして 25mLの蒸留水を各々に加えた。チューブを振動し、そして定期的に紙試料の 団結性の損失のしるしについて試験した。 結果を表1に示す。 表1において「−」は適用されないことを意味する。 B 紙の強度 各試験紙シート(4cm×1cm)からの試料をとり、そして25μLの蒸留 水を、均一な分布を確実にしながら紙の中央を横切ってピペットで加えた。この 紙を2つのブル−ドッグクリップ間につけそして容器を底部クリップに固定した 。水を容器に加え、そして紙が裂けるのに必要な水の重量を測定した。 結果を表2中に与え、そしてグルタルアルデヒド架橋セルラーゼを使用して製 造した試料がもっとも大きい引張強度を示すことを示す。 BSA対照を含めて橋架けタンパク質の活動の特異性を評価するため、紙試料 の湿潤紙力を再試験した。紙試料を次のように調製した。 1.pH7.0の10mLの1/3強度燐酸塩緩衝塩水(PBS) 2.T.reeseiセルラーゼ(2mg/mL)を含む1/3PBS10m L 3.グルタルアルデヒド(25μL/mL)を含む1/3PBS10mL 4.BSA(2mg/mL)を含む1/3PBS10mL 5.T.reeseiセルラーゼ(2mg/mL)及びグルタルアルデヒド( 25μL/mL)を含む1/3PBS10mLをパルプに加え、そして紙シート の製造前に、オービタルシェーカーで室温において1時間インキュベートした。 6.BSA(2mg/mL)及びグルタルアルデヒド(25μL/mL)を含 む1/3PBS10mLをパルプに添加し、そして紙シートの製造前に、オービ タルシェーカーで室温において1時間インキュベートした。 紙の試料を25mLの水と共に50mLのユニバーサル瓶内に置き、そして紙 試料の完全な崩壊が起こるまで実験室用ミキサーで渦を起こした。結果を表3に 示す。 架橋BSAを使用して製造した試料(試料6)は対照と比較して増加された湿 潤紙力を示したが、グルタルアルデヒド架橋セルラーゼのものよりも100倍小 さかった。 湿潤紙力を改善するための紙のグルタルアルデヒド/セルラーゼ処理のための 最適の条件を決定するために、次のパラメーターを順に変えた。この試験の目的 のために、制御パラメータは次のようにセットされた。セルラーゼ(2mg/m L);パルプに別々に加えられたグルタルアルデヒド(0.6%体積/体積); 25℃で緩衝液(pH7.0)内に懸濁されたパルプ。紙シートの形成前に混合 物を60分間インキューベートした。各パラメーター順次、次のように変えた: セルラーゼ(0.5〜8mg/mL);グルタルアルデヒド(0.1〜2.5体 積/体積);pH(5.0〜10.0);温度25℃、37℃及び45℃;イン キュベーション時間(5〜120分);並びにセルラーゼ及びグルタルアルデヒ ドのフルインキュベーション時間(15〜60分)。 全ての紙シートを、湿潤引張強度試験の前に周囲温度で一晩乾燥させた。結果 を図1から6に示す。 7.異なるタイプのパルプを使用したグルタルアルデヒド架橋セルラーゼ(GC C)−湿潤引張強度特性の論証 GCC湿潤紙力増強用組成物を異なるタイプのパルプから製造した紙に適用し た。粉砕木材パルプ(GWP)、ケモサーモメカニカルパルプ(CTMP)、硬 木パルプ(HWP)、軟木パルプ(SWP)及びウオーター・リーフパルプ(W −LP;70%HW:30%SW)。パルプを通常の方法で製造したが、GWP 及びCTMPパルプは繊維の分散を容易にするためにブレンドの前に一晩水中に 浸した。 パルプをPBS緩衝液(10mL);PBS緩衝液(10mL)+セルラーゼ (20mg)+グルタルアルデヒド(0.6%体積/体積)のいずれかで処理し た。湿潤引張強度試験の前に上に記述したようにパルプ試料から紙シート(6c m2)を製造した。結果を表4に示し、図7に図示する。 この結果は、試験した全てのパルプの湿潤引張強度における改善があったこと を示す。GWPまたはCTMPのいずれかを使用して製造した紙シートの最終強 度はHWP、SWP及びW−LPのものよりも大きかった。しかし、GCC組成 物はHWP及びSWP試料において引張強度のより大きな百分率増加を引き起こ した。 1 崩壊が完了するのに要する時間 8.グルタルアルデヒド架橋セルラーゼによって付与された湿潤紙力の可逆性の 論証 グルタルアルデヒド架橋セルラーゼによって付与された湿潤紙力の可逆性を測 定するために、ファンシーロード(Fancy Road),ポーレ,ドルセッ ト,BH17 7NHのシグマケミカルシグマ−アルドリッチ社によって供給さ れている商業的なプロテアーゼ製剤を使用して次のプロテアーゼ溶液を製造した 。フィシン(pH6.5のPBS緩衝液内の4μL/mL溶液)、パパイン(p H6.5のPBS緩衝液内の5μL/mL溶液)、プロテアーゼK(pH8.0 のPBS緩衝液内の2.8mg/mL溶液)、α−キモトリパイン(pH8.0 のPBS緩衝液内の1.0mg/mL溶液)。 グルタルアルデヒド架橋セルラーゼによって強化されたウオーター・リーフパ ルプから製造した正方形の紙(1.5×1.5cm)をとり、表5に概説した次 の処理を使用してインキュベートした。 試験5 湿潤紙力可逆性処理 試料番号 処理 1 フィシン(10mL)+PBS緩衝液(pH6.5) 2 パパイン(10mL)+10mLのPBS緩衝液(pH6.5) 3 プロテアーゼK(1mL)+19mLのPBS緩衝液(pH8.0) 4 α-キモトリプシン(1mL)+19mLのPBS緩衝液(pH8.0) 5 フィシン(10mL)+パパイン(10mL) 6 プロテアーゼK(1mL)+α-キモトリプシン(1mL)+ 18mLのPBS緩衝液(pH8.0) 7 フィシン(10mL)+パパイン(10mL)+ プロテアーゼK(1mL)+α-キモトリプシン(1mL) 8 0.2M燐酸塩緩衝液 pH6.5(20mL) 9 0.2M燐酸塩緩衝液 pH8.0(20mL) 試料を30℃においてオービタルシェーカー上で70rpmでインキュベート した。試料を4時間及び20時間後に試験し、そしてもし紙がまだそのままであ れば20時間後に10秒間渦混合した。測定を二重反復で行いそして結果を表6 に示す。 定性的観察への鍵は0〜XXXX(0は紙のいかなる視覚的崩壊も示さず、X XXXは全ての紙の崩壊を表し、−−−は紙の団結性の以前の損失を示す)の任 意尺度として与えられる。 9.グルタルアルデヒド架橋セルラーゼにより湿潤強化された紙のリサイクル性 へのプロテアーゼ処理の効果を測定するため グルタルアルデヒド架橋セルラーゼで湿潤強化されたウオーター・リーフ紙パ ルプ(0.2g)から、または湿潤紙力増強剤を使用せずに製造したパルプ(0 .2g)のいずれかで製造した紙シートをとり、そして一連の処理に付した。 処理1 グルタルアルデヒド架橋セルラーゼで湿潤強化したパルプから製造し た紙シート(0.2g)を1cm×1cm平方に切りわけ、これをプロテアーゼ K(14mg)を含む0.2M燐酸塩緩衝液(pH8.0)20mLと共にペト リ皿内に置いた。試料を37℃で2時間振動させながら(60rpm)インキュ ーベートした。この四角片を次に取り出し、そして燐酸塩緩衝液(pH8.0) 中に漬け、そして20mLの新たな燐酸塩緩衝液(pH8.0)を含むユニバー サル瓶内に置いた。試料を次に渦巻き混合して紙を柔らかくした。オリジナルの インキュベーションの後にペトリ皿内に残った全ての繊維を、6000rpmに おける遠心分離によって入手し、燐酸塩緩衝液(pH8.0)で洗浄し、そして ユニバーサル瓶内の試料を柔らかくするために加えた。2mLのT.reese i セルラーゼ(10mg/mL)及び0.5mLのグルタルアルデヒド溶液( 25%)を加え、そして試料を25℃で60分間インキュベートした。試料を次 に新しいシートの紙を形成するために使用した。 処理2 いかなる湿潤紙力増強剤も使用せずにPBSで製造したパルプらから つくったウオータ・リーフ紙シート(0.2g)を、14mLの1/3強度PB Sと共にユニバーサル瓶内に置いた。試料を渦巻き混合して紙を柔らかくし、そ してパルプを新たな一片の紙に製造した。 処理3 グルタルアルデヒド架橋セルラーゼ(0.4g)で湿潤強化したパル プから製造した紙の四角片を、30mLの1/3強度PBSと共にブレンダー中 で柔らかくした。得られたパルプを取り出し、新たな四角の紙へと製造した。 処理4 グルタルアルデヒド架橋セルラーゼ強化紙シート(0.2g)を1c m2の片へ切りわけ、そして30mLの1/3強度PBSと共にブレンダー中で 柔らかくした。20mgのT.reesei セルラーゼ(10mg/mL)及 び0.5mLのグルタルアルデヒド溶液(25%体積/体積)を加えた。試料を オービタルシェーカー上で60分間室温でインキュベートした。このパルプを使 用して新しい紙のシートを製造した。 各紙シートを周囲温度で一晩乾燥させ、その後渦巻きミキサーを使用して水中 で崩壊への1cm2試料の団結性を試験した。紙の測定結果を表7に示す。 これらの結果は、GCC含有パルプが、新しい紙シートへとつくられたときに 、いくらかの湿潤引張強度特性を保持すること、プロテアーゼ処理によって製造 されたパルプが物理的崩壊に反してリサイクルされたときにより強い紙を生じる こと、並びにGCCのさらなる添加がリサイクルされた紙に最良の湿潤引張強度 特性を付与することを示す。 10.グルタルアルデヒド及びセルラーゼでの処理に続く、紙の湿潤紙力、乾燥 紙力及びサイジングの論証 セルラーゼ(プロテインリガンド)及びグルタルアルデヒド(エフェクター部 分)の、紙の湿潤紙力、乾燥紙力及びサイジングへの影響を決定するための試験 を行った。本試験において、次の物質及び一般的なプロトコールを使用した。セルラーゼ 水性Trichoderma reeseiセルラーゼ製剤を使用した(No vo Nordisk Bioindustry S.A.,92017 Na nterre Cedex.Francによって供給される「Cellulas t 1.5L」)。グルタルアルデヒド 次の実施例のいて使用するグルタルアルデヒドはメルク社(英国、ポーレ、ド ルセット)から商業的に入手できる25%水溶液であった。素材配合物 他に示さない限り、使用した紙料はECF漂白硬木及び軟木パルプのブレンド (硬木/軟木が70:30の比)であった。素材は1/3PBS内で調製し、そ して充填剤は加えなかった。手順は次の通りである。 280gの漂白硬木及び120gの漂白軟木を18リットルの1/PBSに加 えた。繊維を激しい攪拌によって分散させた。この配合物を次にホランダー(H ollander)に移し、そして25oSRのろ水度が達成されるまでこう解 させた(かかった時間は通常30〜35分であった)。この素材を必要に応じて 1/3PBSで2%の最終コンシステンシーに調節した。添加剤の添加/インキュベーション セルラーゼ溶液及びグルタルアルデヒド溶液の両方を濃厚(2%コンシステン シー)素材に加えた。2リットルの濃厚素材(40gの繊維を含む)を金属製ジ ャグ内に入れ、そして可能な限り遅い速度で攪拌して配合物の遅い移動を達成し た。激しい攪拌は避けるべきであり、さもないと酵素の変性がインキュベーショ ン中に起こる。素材は周囲温度(20〜25℃)であった。セルラーゼ溶液を最 初に素材に加えた(溶液がはねることまたははねかかりを避ける)。酵素の添加 から1分が経過したとき、水性グルタルアルデヒドを加えた。 添加剤のインキュベーション時間は酵素添加の終了から始めて15分間であっ た。このインキュベーション時間の間、素材の移動はより容易でより早くなった ようにみえるかもしれない。このことが明らかになれば、次にできるだけ攪拌機 速度を減じる。 15分間のインキュベーション時間が経過した後、濃厚素材を次にプロポーシ ョナーに加えた。プロポーショナー プロポーショナー内の濃厚配合物を次にDEMI水のみを使用して0.25% のコンシステンシーに希釈した。プロポーショナー内の通常の攪拌速度を素材を 混合するために使用した。ハンドシートの形成 白水ボックスをハンドシートの形成のためにDEMI水で満たした。モールド アセンブリー内の決まった場所のハンドシート形成ワイヤを使用して、プロポー ショナーからの1リットルの素材をデックルボックスに、白水ボックスからの水 と共に加えた。デックルボックスの内容物を孔あき攪拌機で攪拌した(5分間上 下に運動)。5工程目の後、水の表面で攪拌機を止め、デックルボックス内での 水の動きを静めるのを助けた。水を次に白水ボックス内に送り戻し、そして初期 湿潤マットを形成した。 攪拌がどのくらい激しかったかによってデックルボックス内にいくらかの泡形 成が起こるかもしれない。この泡は初期湿潤マットが形成された後も存続し得、 そしてかなりの量である場合がある。この泡のいくらかは、もし水が除去された 後にポンプが2〜3秒維持されると、分散でき、そして空気がマット中に引き入 れられる。ハンドシートのプレス及び乾燥 湿潤マット及びハンドシートワイヤをモールドから取り出しプレスへ移した。 プレスしたシートの水含量は70%であるべきである。プレスしたシートを次に 電気加熱ドラム乾燥機で乾燥した。乾燥機の表面温度は60℃〜105℃であり そして乾燥機の速度はプレスしたシートが熱表面と35〜180秒接触するよう な速度である。シートの最終水分含量は4〜7%(典型的には5%)であるべき である。 プレス処理の後のシートの水分含量は70%未満であると、上記の条件が使用 されるときシートがドラム乾燥機の表面に固着し得る。このことはシートの幅を 横切って適用される不均一なプレス圧力によって起こり得る。このことを裂ける ために工程が採用されるべきである。 ドラム乾燥機の表面温度は105℃未満で70℃以上であるときは、ハンドシ ートが5%の最終水分を有するために、より長い接触時間が要求される。 もし、ドラム乾燥機の表面温度が70℃未満であれば、さらに接触時間が延長 されることまたは湿潤マットの初期プレス処理を増してさらに水を除去するかま たは両方を行うことが必要である。フルスシートの湿分含量を60%未満に減じ ることが可能である。試験 紙の状態調節及び試験は、米国アトランタ、ジョージア州30348、私書箱 105113、テクノロジーパークアトランタのTAPPIによって出版された 、「TAPPI試験法」(ISBN 0−89852−200−5(第1及び2 巻)に展開されている手順に従って行った。紙及び板紙の湿潤引張破壊強度はT 456om−87法によって測定され、紙及び板紙の引張破壊特性はT494o m−81であり、HST(ハーキュリーズサイジング試験)はインキ抵抗T53 0pm−83によってサイズ試験として決定され、そしてコブ(Cobb)試験 はT441om−90によって測定された。 一連の試験を行い、ここでセルラーゼ濃度、グルタルアルデヒド濃度、乾燥時 間及び温度、エージング時間及び温度は各々変えた。結果を次の表に示し、ここ で、 「自然にエージングさせた」とはT402om−83に規定されるように、相対 湿度50.0±2%において23℃±1℃で特定時間貯蔵することをいう。 「オーブンキュアリングした」とは80℃での30分間の処理をいう。 「標準乾燥条件」とは105℃での35秒間の乾燥をいう。 湿潤及び乾燥引張強度はそれぞれT456om−87及びT494om−81 法によって決定され、そして湿潤引張強度 対 乾燥引張強度の比は百分率で示 した。これらは表に示したデータであり、ここでは値が高い程、湿潤紙力が良好 である。サイジングの効果はHST(ハーキュリーズサイズ試験)(TAPPI 法T530pm−83)によって測定され、そしてデータを秒単位で記録した。 値が高い程、サイジングが良好である。好ましくはHST値は20gよりも大き く、さらに好ましくは120gよりも大きく、さらに好ましくは200gより大 きい。サイズ効果はまたコブ試験(TAPPI法T441om−90)によって 測定され、そしてデータをg/m2で記録した。「完全に飽和された」とは、紙 が全くサイジングを示さないことを意味する。コブ値が低い程、サイジングが良 好である。好ましくは、コブ値は30g/m2未満であり、さらに好ましくは2 1g/m2未満である。標準条件下で乾燥したハンドシートにおけるセルラーゼ/グルタルアルデヒド系 の湿潤紙力及びサイジング性能24時間の自然エージング後の%湿潤紙力 対照:−0.25% Kymene SLX=4.57% 「2週間の自然エージング後の%湿潤紙力 対照:−0.25% Kymene SLX=9.01% 「24時間の自然エージング後のHST(秒) 対照:−0.25% Kymene SLX=1s 「2週間の自然エージング後のHST(秒) 対照:−0.25% Kymene SLX=1s 「オーブンキュアリング後のHST(秒)」 対照:−0.25% Kymene SLX=1s 「24時間の自然エージング後のコブ(g) 対照:−0.25% Kymene SLX=完全飽和 「2週間の自然エージング後のコブ(g) 対照:− Kymene SLX=完全飽和 「オーブンキュアリング後のコブ(g) 対照:−0.25% Kymene SLX=完全飽和代替の条件下で乾燥したハンドシートにおけるセルラーゼ/グルタルアルデヒド 系の湿潤紙力及びサイジング性能24時間の自然エージング後の%湿潤紙力 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=6.03% 「オーブンキュアリング後の%湿潤紙力 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=11.38% 「24時間の自然エージング後のHST(秒) 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=1s 「2週間の自然エージング後のHST(秒) 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=1s 「オーブンキュアリング後のHST(秒) 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=1s 「24時間の自然エージング後のコブ(g) 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=完全飽和 「2週間の自然エージング後のコブ(g) 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=完全飽和 「オーブンキュアリング後のコブ(g) 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=完全飽和2段階条件下で乾燥したセルラーゼ/グルタルアルデヒドの湿潤/乾燥紙力及び サイジング性能 「48時間自然エージング後の%湿潤紙力」 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=8.48% 「オーブンキュアリング後の%湿潤紙力」 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=12.53% 「48時間自然エージング後の乾燥紙力」 対照:−ブランク(105℃/35秒)=4.28kNm-1;0.25% Ky mene SLX(105℃/35秒)=4.41kNm-1 「オーブンキュアリング後の乾燥紙力」 対照:−ブランク(105℃/35秒)=3.93kNm-1;0.25% Ky mene SLX(105℃/35秒)=4.64kNm-1 「48時間自然エージング後のHST」 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=1s 「2週間自然エージング後のHST」 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=1s 「オーブンキュアリング後のHST」 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=1s 「48時間自然エージング後のコブ」 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=完全飽和 「2週間自然エージング後のコブ」 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=完全飽和 「オーブンキュアリング後のコブ」 対照:−0.25% Kymene SLX(105℃/35秒)=完全飽和セルラーゼ/グルタルアルテヒド系の湿潤紙力及びサイジング性能への異なる乾 燥レジメの比較 %湿潤紙力への異なる乾燥レジメの効果(オーブンキュアリングのデータ) HSTへの異なる乾燥レジメの効果(オーブンキュアリングのデータ) コブへの異なる乾燥レジメの効果(オーブンキュアリングのデータ) 結果として、上記のデータは、紙のセルラーゼ/グルタルアルデヒド処理が、 紙の湿潤紙力、乾燥紙力及びサイジングの改善につながることを示す。 11.紙のバイオ−金属化の論証 ウオーターリーフ紙のバイオ−金属化が論証された。この技術はビオチンにつ いてのストレプタビジンの親和力に基づいている。 ビオチンのラベルはセルラーゼに結合し、それは次に金粒子でラベルされたス トレプタビジンに結合していた。 ビオチン化セルラーゼを、Tween20(0.1%体積/体積)を含む1/ 3PBS緩衝液(pH7.4)中で室温において振動させながら紙パルプと共に 45分間インキュベートした。4角の紙(6cm2)を形成し、巻き、そして周 囲温度で一晩乾燥させた。 ビオチン化セルラーゼを含む紙の試料(1.5cm2)及びビオチン化セルラ ーゼを欠く対照試料をpH7.4の10mM PBS内で5%(重量/体積)B SAと共に、30分間、周囲温度で振動させながらインキュベートした。 Auroprobe BLplusストレプタビジンコンジュゲート及びエン ハンサー(英国アマシャムのアマシャム社)を製造者の推奨に従って使用して、 金の粒子を添加して視覚化した(Fostel et al.,Chromos oma,90,254(1984);Hutchinson et al.,J .Cell Biol.,95.609(1982))。エンハンサー溶液は金 粒子を銀で被覆して、金属の存在を示すオレンジ/茶色をつくる。ビオチン化セ ルラーゼを含まない対照シートはオレンジ/茶色を発現せず、従って金属で被覆 されなかった。 12.バイオ金属化紙のキャパシタンスの測定 バイオ金属紙シートのキャパシタンスを対照シートと比較して、金でラベルし たセルラーゼの存在が紙のキャパシタンス特性を変えるかどうかを測定した。 紙のシートを、セルラーゼ、金でラベルしたセルラーゼ、エンハンスされた金 ラベルセルラーゼ及びセルラーゼの無い対照のいずれかを含むW−LPから製造 した。このシートをキャパシタンス計に結合された2つの金属プレートの間に保 持した。金属プレートをジグ内の所定の位置に保持し、一定で再現性のある距離 をプレート間に保持した。 キャパシタンスは次の式を使用して計算した。 C=εоεгA/d (式中、d=2つのプレート間の距離 A=面積 εо=定数 εг=相対透過性である。) 得られた測定値は金ラベルされたセルラーゼの存在下で紙シートのキャパシタ ンスの増加を示した。測定の結果を表7に示す。 13.アミラーゼ酵素の澱粉への結合の論証 2種のアミラーゼ酵素をHPLCを使用して特徴づけた:Aspergill us oryzaeからのα−アミラーゼ(タイプX−A粗製剤)及びA.ni gerからのアミログルコシダーゼ(シグマアルドリッチ社(英国、ポーレ、ド ルセット)。各製剤の主たる触媒ピークを澱粉グルコースー放出検定を使用して 測定した。各タンパク質の結合効率を、評価に含まれるBSA対照で澱粉の範囲 に対して測定した。 α−アミラーゼの32mg/mL(乾燥重量)の溶液を0.1M PBS(p H7.0)中で作成した。この溶液100μLを、1mL/分で0.1M燐酸塩 緩衝液を流しているBio−Sil SECゲル透過カラムを使用したHPLC 上に装填した。画分(1mL)を集め、そして標準ミクロ滴定検定(グルコース 用)を使用して澱粉サスペンションから放出される還元糖について試験した。次 の定性検定は試験試料内のグルコース及びセロビオースを検出するために使用し た。検定はミクロ滴定皿内で室温において実施した。 試薬成分: 10μLのフェノール試薬(pH7.0の0.1M燐酸緩衝液中の0.128 Mフェノール) 10μLのアミノピリン試薬(pH7.0の0.1M燐酸緩衝液中の19.7 mMの4−アミノフェナゾン) pH7.0の0.1M燐酸緩衝液中の10μLのペルオキシダーゼ(800E u/mLを与える) pH7.0の0.1M燐酸緩衝液中の10μLのグルコースオキシダーゼ(2 50Eu/mLを与える) 60μLの、pH7.0の0.1M燐酸緩衝液 これらの試薬成分を混合し、そしてミクロ滴定皿のウエルに加えた。試験試料 100μL、次に過剰の基質(澱粉)を加えた。赤色の外観はアミラーゼの存在 を示す。 同じ方法をアミログルコシダーゼのためのHPLC分布を製造するために使用 した。アミログルコシダーゼはコーマシ・ブルー(Coomassie Blu e)技術によって測定したほぼ262mg/mLのタンパク質を含む液体製剤で あった。100μLの、0.1MのPBS(pH7.0)内の0.007希釈液 をHPLC上に装填し、そして230nm 0.1 AUSにおいてモニターし た。1mLの画分を集め、そして澱粉サスペンションから放出された還元糖につ いて試験した。 α−アミラーゼ及びアミログルコシダーゼのサスペンション中の普通の澱粉に 結合する能力を検定した。澱粉(0.2g;Roquette)を9mLの0. 1MのPBS(pH7.0)に加え、そして1mLのα−アミラーゼ溶液(コー マシ・ブルー検定による9.5mg/mL)を加えた。これをシェーカー上で2 0分間インキュベートした。 試料を13000rpmで5分間遠心分離し、そして100μLの試料をHP LCカラムに装填した。20分の結合α−アミラーゼのピーク分布をT=0の試 料と比較した。このデータから酵素の百分率結合を計算した。アミログルコシダ ーゼの結合もカチオン性澱粉に対して試験した。BSAを同じ方法で対照として 使用した。使用したBSAの最終濃度は0.1M PBS中の0.2%(重量/ 体積)であった。 結合試験の結果を次の表内に示した。 澱粉結合分布 これらの結果は、澱粉及びカチオン性澱粉にα−アミラーゼ及びアミログルコ シダーゼ両方が特異的に結合すること、従ってエフェクター部分の澱粉への結合 のためのタンパク質結合として使用するために適切であることを示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG, MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM ,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 グリーナウェイ,スティーヴン・デイヴィ ッド イギリス国ミッド・グラモーガン シーエ フ37 4エイチアール,ポンティプリッ ド,シルシーニド,クメルデグ・コテッジ (番地なし) (72)発明者 ハードマン,デイヴィッド・ジョン イギリス国ケント シーティー6 7ティ ーズィー,ハーン・ベイ,ハーン,カーテ ィスウッド・パーク・ロード 50 (72)発明者 ハクスレイ,マーガレット イギリス国ケント シーティー6 7キュ ーワイ,ハーン・ベイ,グリーンヒル,グ ランヴィル・ドライブ 6 (72)発明者 スレイター,ジェイムズ・ハワード イギリス国カーディフ シーエフ4 5エ スアール,リズヴェイン,ヘル−ワイ−デ ライン 38

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.流体、電気的及び強度特性から選択される少なくとも1種の特性における 改善を達成するための、ポリマーを処理する方法であって、前記改善を達成する 目的のためにエフェクター部分を前記ポリマーにタンパク質結合を介して結合す ることを含み、前記エフェクター部分は前記タンパク質結合とは異なり、そして 前記タンパク質結合は前記ポリマーと異なり、そして前記エフェクター部分及び 前記タンパク質結合は前記改善を達成するのに十分な量存在する、前記の方法。 2.前記ポリマーの流体透過特性における改善を達成するための、請求項1に 記載のポリマーを処理する方法。 3.前記ポリマーのサイジング特性における改善を達成するための、請求項1 に記載のポリマーを処理する方法。 4.前記ポリマーの導電特性における改善を達成するための、請求項1に記載 のポリマーを処理する方法。 5.前記ポリマーの金属特性における改善を達成するための、請求項1に記載 のポリマーを処理する方法。 6.前記ポリマーの湿潤紙力特性における改善を達成するための、請求項1に 記載のポリマーを処理する方法。 7.前記ポリマーの乾燥紙力特性における改善を達成するための、請求項1に 記載のポリマーを処理する方法。 8.前記ポリマーが多糖類である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。 9.前記ポリマーがセルロースである、請求項8に記載の方法。 10.前記ポリマーが紙または紙上の成分繊維である、請求項1〜9のいずれ かに記載の方法。 11.前記タンパク質結合が天然産の酵素またはそれらのフラグメントを含ん で成る、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。 12.前記タンパク質結合が、セルラーゼ類、ヘミセルラーゼ類、マンナーゼ 類、キシラナーゼ類、プロテイナーゼ類、ケラチナーゼ類、キチナーゼ類、リグ ニナーゼ類、アガラーゼ類及びアミラーゼ類またはこれらのフラグメントを含む 、 請求項1に記載の方法。 13.前記タンパク質結合が多糖類またはそれらのフラグメントを含む、請求 項1〜12のいずれかに記載の方法。 14.前記タンパク質結合がセルラーゼ類またはそれらのフラグメントを含む 、請求項13に記載の方法。 15.前記タンパク質結合がセルラーゼのセルロース結合ドメインを含む、請 求項14に記載の方法。 16.前記エフェクター部分がリンカーを介して前記タンパク質に結合される 、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。 17.前記リンカーが非共有結合対を含む、請求項16に記載の方法。 18.前記エフェクター部分が前記タンパク質結合に共有結合している、請求 項1〜16のいれかに記載の方法。 19.前記エフェクター部分が前記ポリマーから選択的に分裂する、請求項1 〜18のいずれかに記載の方法。 20.a)エフェクター部分;及び b)前記エフェクター部分をポリマーに結合する能力のあるタンパク質 を含む化学組成物であって、 前記エフェクター部分は前記タンパク質と異なり、そして前記組成物は前記ポ リマーの流体、電気的及び強度特性から選択される少なくとも1種の特性におけ る改善を達成する能力がある、 前記の化学組成物。 21.タンパク質結合を介してエフェクター部分が結合したポリマーを含む組 成物であって、前記エフェクター部分は前記タンパク質結合と異なり、前記エフ ェクター部分及び前記タンパク質結合は前記ポリマーの流体、電気的及び強度特 性から選択される少なくとも1種の特性における改善を達成するために十分な量 存在する、前記の組成物。 22.流体、電気的及び強度特性から選択される少なくとも1種の特性におけ る改善を達成するための、ポリマーを処理する方法であって、前記改善を達成す る目的のために前記ポリマーをエフェクター部分及びタンパク質と接触させるこ とを含み、前記エフェクター部分は前記タンパク質とは異なると共に前記ポリマ ーとも異なり、そして前記タンパク質は前記ポリマーと異なり、そして前記エフ ェクター部分及び前記タンパク質は前記改善を達成するのに十分な量存在する、 前記の方法。 23.前記エフェクター部分と前記タンパク質とのコンジュゲートを前記ポリ マーと接触させる工程を含む請求項22に記載の方法。 24.前記エフェクター部分を前記タンパク質と前記ポリマーとのコンジュゲ ートと接触させる、請求項22に記載の方法。 25.流体、電気的及び強度特性から選択される少なくとも1種の特性におけ る改善を達成するための、ポリマーを処理する方法であって、前記改善を達成す る目的のために少なくとも1つのエフェクター部分を少なくとも1つのポリマー に少なくとも1つのタンパク質結合を介して結合することを含み、前記少なくと も1つのエフェクター部分は前記少なくとも1つのタンパク質結合とは異なり、 そして前記少なくとも1つのタンパク質結合は前記少なくとも1つのポリマーと 異なり、そして前記少なくとも1つのエフェクター部分及び前記少なくとも1つ のタンパク質結合は前記改善を達成するのに十分な量存在する、前記の方法。 26.流体、電気的及び強度特性から選択される特性における改善を達成する ための、少なくとも1つのポリマーを処理する方法であって、前記改善を達成す る目的のために前記少なくとも1つのポリマーを少なくとも1つのエフェクター 部分及び少なくとも1つのタンパク質と接触させることを含み、前記少なくとも 1つのエフェクター部分は前記少なくとも1つのタンパク質とは異なると共に前 記少なくとも1つのポリマーとも異なり、そして前記少なくとも1つのタンパク 質は前記少なくとも1つのポリマーと異なり、そして前記少なくとも1つのエフ ェクター部分及び前記少なくとも1つのタンパク質は前記改善を達成するのに十 分な量存在する、前記の方法。 27.流体、電気的及び強度特性から選択される少なくとも1種の特性におけ る改善を達成するために紙または紙の構成繊維を処理する方法であって、前記改 善を達成する目的のために少なくとも1つのエフェクター部分を前記紙または紙 の構成繊維に少なくとも1つのタンパク質結合を介して結合することを含み、前 記少なくとも1つのエフェクター部分は前記少なくとも1つのタンパク質結合と は異なり、そして前記少なくとも1つのタンパク質結合は前記紙または紙の構成 繊維と異なり、そして前記少なくとも1つのエフェクター部分及び前記少なくと も1つのタンパク質結合は前記改善を達成するのに十分な量存在する、前記の方 法。 28.流体、電気的及び強度特性から選択される少なくとも1種の特性におけ る改善を達成するために紙または紙の構成繊維を処理する方法であって、前記改 善を達成する目的のためにエフェクター部分を前記紙または紙の構成繊維にタン パク質結合を介して結合することを含み、前記エフェクター部分は前記タンパク 質結合とは異なり、そして前記タンパク質結合は前記紙または紙の構成繊維と異 なり、そして前記エフェクター部分及び前記タンパク質結合は前記改善を達成す るのに十分な量存在する、前記の方法。 29.前記エフェクター部分が前記紙に改善された湿潤紙力を与える能力があ る、請求項28に記載の方法。 30.前記エフェクター部分が前記紙に改善された乾燥紙力を与える能力があ る、請求項28に記載の方法。 31.前記エフェクター部分が前記紙に改善されたサイジングを与える能力が ある、請求項28に記載の方法。 32.前記エフェクター部分は架橋剤である、請求項28に記載の方法。 33.前記エフェクター部分がジアルデヒド架橋剤である、請求項32に記載 の方法。 34.前記エフェクター部分がグルタルアルデヒドである、請求項33に記載 の方法。 35.前記タンパク質結合がセルラーゼである、請求項28〜34のいずれか に記載の方法。 36.ポリマーの流体、電気的及び強度特性から選択される少なくとも1種の 持性における改善を達成するためにポリマーを処理する方法における、エフェク ター部分及びタンパク質の使用.
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