JPH1150926A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

燃料噴射ポンプ

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JPH1150926A
JPH1150926A JP9218942A JP21894297A JPH1150926A JP H1150926 A JPH1150926 A JP H1150926A JP 9218942 A JP9218942 A JP 9218942A JP 21894297 A JP21894297 A JP 21894297A JP H1150926 A JPH1150926 A JP H1150926A
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JP
Japan
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pump
fuel
common supply
supply path
cam ring
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JP9218942A
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English (en)
Inventor
Kazuki Oishi
和貴 大石
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、インナカム式の燃料噴射ポンプ
において,ポンプ機構を併置することにより,エンジン
の気筒数が増加した場合でも,ポンプ機構のポンプ作動
を確実にし且つポンプ機構の寿命を長期化する。 【解決手段】 ポンプボディ2とシリンダブロック13
との間には,駆動軸3と一体のカムリング9が回転す
る。シリンダブロック13に軸方向に並んで設けられた
一対のポンプ機構7,8のポンプ室18には,共通供給
路24a〜24eから,分岐供給路26を通じて燃料が
供給される。一対のポンプ機構7,8は,カムリング9
が回転するときに,プランジャ15がシリンダ14内を
往復動することによるポンプ作動を交互に行う。気筒数
が増加した場合でも,各プランジャ15の作動回数が少
なく,耐久性が向上すると共にポンプ作動が確実とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,内周にカム面を
有するカムリングと径方向に往復運動をするプランジャ
を備えたプランジャブロックとの相対回転によって,燃
料を圧送する燃料噴射ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来,例えば,エンジンの燃料噴射制御
に関して,噴射圧力の高圧化を図り,且つ燃料の噴射タ
イミング及び噴射量等の噴射条件をエンジンの運転状態
に応じて最適に制御する方法として,燃料噴射システム
が知られている。燃料噴射システムは,ポンプによって
所定圧力に加圧された燃料噴射制御用の作動流体をコモ
ンレールに貯留し,コモンレールに貯留した燃料をイン
ジェクタから対応する燃焼室内に噴射する燃料噴射シス
テムである。加圧された燃料が各インジェクタにおいて
エンジンの運転状態に対して最適な噴射条件で噴射され
るように,コントローラが,エンジンの運転状態に応じ
て,コモンレール内の燃料圧と各インジェクタに設けら
れた制御弁の作動とを制御している。
【0003】従来のコモンレール燃料噴射システムを図
12に基づいて説明する。複数のインジェクタ81への
燃料供給は、コモンレール82から、燃料流路の一部を
構成する分岐管83を通じて供給される。燃料タンク8
4からフィルタ85を経てフィードポンプ86によって
吸い上げられて所定の吸入圧力に加圧された燃料は,燃
料管87を通じて燃料噴射ポンプ88に送られる。燃料
噴射ポンプ88は,例えばエンジンによって駆動されて
燃料を運転状態等に基づいて定められる高圧に昇圧して
燃料管89を通じてコモンレール82に供給する,所
謂,プランジャ式のサプライ用の燃料供給ポンプであ
る。供給された燃料は所定圧力に昇圧した状態でコモン
レール82に貯留され,コモンレール82から各インジ
ェクタ83に供給される。インジェクタ83は,エンジ
ンの型式(気筒数)に応じて通常,複数個設けられてお
り,コントローラ92の制御によって,コモンレール8
2から供給された燃料を,最適な噴射時期に最適な燃料
噴射量でもって対応する燃焼室内に噴射する。インジェ
クタ83から噴射される燃料の噴射圧はコモンレール8
2に貯留されている燃料の圧力に略等しいので,噴射圧
を制御するにはコモンレール82内の圧力が制御され
る。
【0004】燃料噴射ポンプ88からリリーフされた燃
料は、戻し管90を通じて燃料タンク84に戻される。
また、分岐管83からインジェクタ81に供給された燃
料のうち、燃焼室への噴射に費やされなかった燃料は、
戻し管91を通じて燃料タンク84に戻される。電子制
御ユニットであるコントローラ92には、エンジン回転
数を検出するためのエンジン気筒判別センサ及びクラン
ク角度センサ、アクセル踏込み量を検出するためのアク
セル踏込み量センサ、冷却水温度を検出するための水温
センサ、並びに吸気管内圧力を検出するための吸気管内
圧力センサ等のエンジンに関する運転状態を検出するた
めの各種センサからの信号が入力されている。コントロ
ーラ92は、これらの信号に基づいて、エンジン出力が
運転状態に即した最適出力になるように、インジェクタ
81による燃料の噴射条件、即ち、燃料の噴射タイミン
グ及び噴射量を制御する。また、コモンレール82には
圧力センサ93が設けられており、圧力センサ93によ
って検出されたコモンレール82内の燃料圧の検出信号
がコントローラ92に送られる。インジェクタ81から
燃料が噴射されることでコモンレール82内の燃料が消
費されても、コントローラ92は、コモンレール82内
の燃料圧が一定となるように燃料噴射ポンプ88の吐出
圧を制御する。
【0005】高圧の燃料をコモンレールに供給する燃料
噴射ポンプとして,気筒数と同じ数のプランジャを備え
た列型燃料噴射ポンプと,インナカム式燃料噴射ポンプ
とが知られている。インナカム式燃料供給ポンプは,列
型燃料噴射ポンプと比較して小型であり,例えば,エン
ジンルーム等のスペースに制約を受ける車両に搭載する
のに好都合である。インナカム式燃料供給ポンプの例と
して,特開平8−61179号公報に開示されたものが
ある。特開平8−61179号公報に開示された燃料噴
射ポンプは,エンジンにより同期して回転駆動される駆
動軸が,直径方向に形成された摺動孔に一対のプランジ
ャが液密状態で摺動可能に装填されているロータを回転
駆動する形式のポンプである。通常,プランジャは,ば
ねによって付勢されていないフリーな状態にある。各プ
ランジャの内側端面と摺動孔を形成する内壁によって燃
料加圧室としてのポンプ室が形成されている。ロータの
回転に伴って,インナカムリングのカム作用によってプ
ランジャが摺動孔内を往復動する。プランジャが摺動孔
内を半径方向外側に移動する行程で燃料がプランジャブ
ロックに形成された燃料供給通路を通じてポンプ室内に
吸入され,半径方向内側に移動する行程で,ポンプ室で
圧力を与えられた燃料がプランジャブロックに形成され
た燃料吐出通路を通じて燃料噴射装置に供給される。な
お,この燃料噴射ポンプでは,ロータは,各インジェク
タに直接に燃料を供給する分配ロータとして機能してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかるインナカム式燃
料噴射ポンプでは,1台の燃料噴射ポンプに対して4〜
6気筒までは対応できることが経験的に知られている。
しかしながら,エンジン気筒数が,例えば7気筒以上に
増加する場合,燃料噴射ポンプのプランジャを作動させ
るカムリングを単一のカムリングの周方向に隔置して形
成されるカム山を増加することで対応しようとすると,
それに応じて各プランジャが燃料噴射ポンプの駆動軸の
1回転当たりに行う圧送回数が増加するので,エンジン
回転数が高い状態では,充分且つ確実に燃料供給を行う
ことができなくなる。例えば,7気筒以上のエンジンで
は,カムリングとして周方向に隔置して製作すべきカム
山が増加し,エンジン回転数が上昇した場合には,各カ
ム山に対するプランジャの追従性(プランジャの応答の
観点からすると,カムに対するプランジャの応答性)を
維持するのが困難になる。したがって,燃料噴射ポンプ
の駆動軸の回転数,即ち,これと同期しているエンジン
の回転数に制約を受けることになる。また,プランジャ
がカムに追従しない現象,即ち,プランジャジャンプを
生じないようにプランジャのリフト(ストローク)量に
も限界が生じて,燃料の供給量も制限される。更に,各
プランジャがカムに押圧される回数が増加するので,カ
ムとプランジャの耐久性や作動の信頼性に問題を生じて
いた。
【0007】したがって,インジェクタからの燃料の噴
射毎に低下するコモンレールの圧力の回復のために燃料
噴射ポンプによって燃料をコモンレールに供給したり,
燃料噴射ポンプから各気筒に設けられたインジェクタに
直接的に燃料を供給するときのように,インジェクタか
らの燃料の噴射に対応するために燃料噴射ポンプから燃
料を供給する場合に,エンジンの気筒数が増加してエン
ジン回転数が高くなっても,カムに対するプランジャの
追従を確保して,インジェクタからの燃料の噴射毎に確
実に燃料を供給すると共に,エンジンの回転数や燃料供
給量に制約が及ぶことが無く,しかもエンジンの耐久性
を向上することができる燃料噴射ポンプが求められてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
課題を解決することであり,一対のポンプ機構をポンプ
作動位相をずらして配置することにより,各インジェク
タが燃料噴射をする毎に行う燃料の供給を各ポンプ機構
に選択的に振り分けて,ポンプ駆動軸の回転当たりの各
ポンプ機構のプランジャの作動回数を増加させることな
く,気筒数の増加に対応することが可能な燃料噴射ポン
プを提供することである。
【0009】この発明は,上記の目的を解決するため,
以下のように構成されている。即ち,この発明は,内周
面にカム山が設けられたカムリング,前記カムリング内
に前記カムリングと相対回転可能に配置されたシリンダ
ブロック,前記シリンダブロックに径方向に設けられた
シリンダ,前記シリンダ内に摺動可能に設けられたプラ
ンジャ,前記シリンダブロックに形成され且つ燃料が燃
料供給路を通じて供給されるポンプ室,及び前記プラン
ジャによって加圧された燃料を前記ポンプ室から吐出す
る燃料吐出路から構成される一対のポンプ機構を備え,
前記カムリングと前記シリンダブロックとのいずれか一
方が駆動軸によって回転駆動され,且つ前記一対のポン
プ機構のポンプ作動位相が互いにずれて設定されている
ことから成る燃料噴射ポンプに関する。
【0010】この発明は,上記のように構成されている
ので,駆動軸によってカムリングとシリンダブロックと
が相対回転すると,各ポンプ機構では,シリンダ内のプ
ランジャがカムリングのカム作用によって径方向に摺動
し,シリンダブロック内に形成されたポンプ室内に燃料
供給路を通じて供給される燃料が吸い込まれ,加圧され
た燃料が燃料吐出路を通じて吐出される。かかる一対の
ポンプ機構はポンプ作動位相が互いにずれて設定されて
いるので,加圧された燃料の吐出時期は各ポンプ機構に
振り分けるられる。したがって,エンジンの気筒数が増
加し,しかもエンジン出力が高速回転される場合でも,
多くのカム山を備えた単一のカムリングを有する単一の
ポンプ機構を有する燃料噴射ポンプと比較して,各ポン
プ機構のカムリングによって各プランジャがシリンダ内
を往復動する周期が長くなり,カムに対してプランジャ
が追従し易くなる。
【0011】また,この燃料噴射ポンプにおいて,前記
ポンプ作動位相は,カムリングとシリンダブロックとの
相対回転角度におけるポンプ機構が行う燃料の吸込みか
ら燃料の吐出までのポンプ作動サイクルの位相である。
即ち,カムリングとシリンダブロックとが相対回転する
ことによって,シリンダ内のプランジャがカムリングの
カム作用によって径方向に摺動し,シリンダブロック内
に形成されたポンプ室内に燃料供給路を通じて供給され
る燃料が吸い込まれ,加圧された燃料が燃料吐出路を通
じて吐出される。
【0012】また,この燃料噴射ポンプにおいて,前記
一対のポンプ機構の各ポンプ作動位相は,両ポンプ機構
間において,カム山とプランジャとのいずれか一方が周
方向に同位相に設けられ,他方が周方向に異なる位相に
設けられていることにより,互いにずらされている。即
ち,カム山の位相を各ポンプ機構について共通としても
よく,また,プランジャを設ける角度位置を各ポンプ機
構について共通としてもよい。いずれの場合も,他方
を,周方向に異なる位相に設けることにより,ポンプ作
動位相が異なることになる。
【0013】また,この燃料噴射ポンプにおいて,前記
燃料供給路は,一対のポンプ機構に共通な共通供給路と
共通供給路から分岐し各ポンプ機構のポンプ室に通じる
一対の分岐供給路とから成り,各分岐供給路には共通供
給路から各ポンプ室への燃料の流れのみを許容するチェ
ック弁が配設されている。このように,各分岐供給路に
チェック弁が配設すると,燃料は,ポンプ機構のプラン
ジャが吸込み行程にあるときにはチェック弁が開弁し
て,燃料は共通供給路から分岐供給路を通じてポンプ室
に吸い込まれ,プランジャが吐出行程にあるときにはチ
ェック弁が閉弁して,加圧された燃料は分岐供給路から
共通供給路へ逆流しない。各ポンプ機構はポンプ作動位
相がずれているので,各分岐供給路毎にチェック弁をも
うけて,各ポンプ機構からの燃料の逆流防止が図られ
る。
【0014】また,この燃料噴射ポンプにおいて,前記
共通供給路にはポンプ室への燃料流入量を制御する制御
弁が設けられている。制御弁の開閉時期を制御すること
により,燃料がポンプ室に吸い込まれる側で燃料の量を
制御することが可能である。燃料加圧室への燃料供給量
の制御は,プランジャが吸込み行程にあるときに制御弁
の開弁期間が制御されることにより行われる。プランジ
ャはばねによって強制復帰される形式のものではないの
で,燃料供給路に設けた制御弁の開弁時期を制御するこ
とにより,カムリングがプランジャを押圧しない期間に
おいて,例えば,燃料噴射ポンプに付設又は内蔵される
低圧ポンプによって供給される燃料が制御弁の開弁期間
にのみポンプ室に供給される。したがって,制御弁の開
弁期間を制御することにより,燃料吐出路を通じて吐出
される燃料供給量を制御することが可能となる。
【0015】また,この燃料噴射ポンプにおいて,前記
駆動軸は,カムリングと一体に形成されていることから
成る。ポンプ機構にポンプ作動を行わせるには,カムリ
ングとシリンダブロックとを相対回転させる必要がある
が,駆動軸をカムリングと一体に形成することにより,
カムリングが回転駆動される。また,ポンプ室が回転型
でなくなるため,燃料供給路や燃料吐出路の構造が簡単
になる。
【0016】また,この燃料噴射ポンプにおいて,前記
カムリングは,ポンプボディの内周面とシリンダブロッ
クの外周面との間の環状空間内に回転自在に収容されて
おり,前記共通供給路は,内周面に開口するようにポン
プボディに形成されると共にポンプボディに配置された
制御弁によって開閉制御される第1共通供給路,外周面
に開口するようにシリンダブロックに形成されると共に
分岐供給路に接続する第2共通供給路,及びカムリング
を径方向に貫通して形成され且つ第1共通供給路と第2
共通供給路とに連通可能な連通孔を有する第3共通供給
路から構成されている。燃料供給路に設ける制御弁をシ
リンダブロックに配置すると,燃料噴射ポンプの軸方向
長さが長くなる。これに対して,カムリングを回転自在
に収容するポンプボディに制御弁を配置すると,燃料噴
射ポンプの軸方向長さを短くすることが可能となる。燃
料噴射ポンプの軸方向長さを最も効率良く短縮化するに
は,燃料供給路の共通供給路を一対のポンプ機構の中間
に配置するのが好ましいが,この場合,共通供給路がカ
ムリングを貫通する配置となる。カムリングは,各ポン
プ機構について,単一の駆動軸からの駆動力で回転され
る必要があるから,カムリングに設けられる第3共通供
給路は,カムリングを貫通する連通孔で形成され,ポン
プボディに形成される第1共通供給路と,シリンダブロ
ックに形成される第2共通供給路とに連通可能とされ
る。
【0017】また,この燃料噴射ポンプにおいて,前記
第1共通供給路と前記連通孔とは,ポンプボディの内周
面とカムリングの外周面との少なくとも一方に形成され
た第1周溝を通じて連通されており,前記第2共通供給
路と前記連通孔とは,シリンダブロックの外周面とカム
リングの内周面との少なくとも一方に形成された第2周
溝を通じて連通されている。連通孔は,カムリングに周
方向に隔置して形成されているので,カムリングに貫通
して形成される連通孔を,ポンプボディに形成された第
1共通供給路とシリンダブロックに形成された第2共通
供給路とに対して常に連通するために,対向する内外周
面に周溝が設けられる。即ち,周溝は,ポンプボディの
内周面とカムリングの外周面との少なくとも一方と,シ
リンダブロックの外周面とカムリングの内周面との少な
くとも一方とに形成され,これら周溝と第3共通供給路
である貫通孔とを通じて第1共通供給路と第2共通供給
路とが連通する。
【0018】また,この燃料噴射ポンプにおいて,前記
共通供給路は制御弁がそれぞれ設けられた一対の共通供
給路から構成され,各第1共通供給路は各制御弁によっ
て開閉制御され,第2共通供給路はシリンダブロック内
で合流した後に分岐通路に分岐し,連通孔は,カムリン
グとシリンダブロックとの相対回転に伴って各ポンプ機
構のプランジャが吸込み行程にある状態で各共通供給路
の第1共通供給路と第2共通供給路とを実質的に連通す
る位置に設けられている。連通孔が各共通供給路の第1
共通供給路と第2共通供給路とを連通させるタイミング
や期間は,各前記ポンプ機構の前記プランジャが吸込み
行程にある状態に合致するように構成されている。制御
弁が一対の共通供給路にそれぞれ設けられるので,一つ
の共通供給路のみから共通供給路を構成する場合と比較
して制御弁の作動回数が半減し,制御弁の寿命を延ばす
ことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照しつつ,こ
の発明の実施例を説明する。図1はこの発明による燃料
噴射ポンプの一実施例を示す断面図であり,図2は図1
における矢視A−Aで見た断面図である。図1及び図2
に示した燃料噴射ポンプは,図示しない8気筒エンジン
に付設されている燃料噴射ポンプであり,8気筒の燃焼
室にそれぞれ燃料を噴射するインジェクタに燃料を供給
するため,コモンレール(図12に示すようなコモンレ
ール82)に高圧の燃料を吐出するものである。
【0020】図1及び図2において,燃料噴射ポンプ1
の入力軸であるポンプ軸3は,一端でエンジンの出力軸
に連結されている。駆動軸3は,ポンプボディ2の軸孔
6内において,軸受4,5を介して回転自在に支持され
ている。エンジンが4サイクルエンジンとすると,吸排
気弁の駆動の場合と同様にして,駆動軸3はエンジンの
出力回転数の1/2に減速されるように回転駆動され
る。
【0021】駆動軸3によって,一対のポンプ機構7,
8が駆動される。ポンプ機構7,8は,駆動軸3に一体
的に形成されたインナカムとも称されるカムリング9を
含んでいる。カムリング9は,図2に断面で示すよう
に,外周が円筒状の輪郭を有していて,ポンプボディ2
に形成された中空穴10に回転自在に収容されている。
カムリング9の内周面であるカム面11には,周方向に
隔置した状態で,複数のカム山12が形成されている。
カム山12は,図示の例では,周方向に同一のカムプロ
フィールが等間隔に形成されている。シリンダブロック
13が,ポンプボディ2に形成された中空穴10の開口
端から装填され,ポンプボディ2に密封状態に取り付け
られる。
【0022】シリンダブロック13には,断面図である
図2に示すように,径方向に延びる複数個のシリンダ1
4が周方向に隔置して(図示の例の場合4つのシリンダ
が90°毎の等間隔に)形成されており,シリンダ14
内には,プランジャ15が摺動可能に収容されている。
なお,この実施例では,プランジャ15をカム面11に
向かって付勢するばねは設けられていない。各プランジ
ャ15の径方向先端側にはローラ17を回転自在に支持
するシュー16が設けられている。シュー16に回転自
在に支持されたローラ17は,カム面11に転がり接触
する。すべてのプランジャ15の内端面とシリンダ14
の壁面とで,ポンプ室18が形成されている。駆動軸3
が回転することにより,駆動軸3と一体に形成されてい
るカムリング9が回転し,カム面11のカム山12がロ
ーラ15及びシュー16を介してプランジャ15を径方
向内方に押圧することにより,ポンプ室18に供給され
ていた燃料を加圧して,後述する燃料吐出路40に吐出
する。
【0023】ポンプ機構7,8は,ポンプ作動位相が互
いにずれているように構成されている。即ち,ポンプ機
構7とポンプ機構8との間において,カムリング9のカ
ム山12を同じ位相で設けるが、シリンダブロック13
にプランジャ15を設ける位相を異ならすことによっ
て,ポンプ機構7,8のポンプ作動位相がずれることに
なる。カム山12の加工の面からすると,プランジャ1
5を設ける角度位置をポンプ機構7,8の間において4
5°ずらすのが好ましい。逆に,ポンプ機構7,8の間
においてシリンダブロック13にプランジャ15を設け
る角度位置を,同じ角度位置とし,カムリング9のカム
山12の位相を互いに45°ずらして設けてもよい。
【0024】ポンプボディ2には,燃料をポンプ室18
に送るために,駆動軸3によって駆動される低圧のフィ
ードポンプ20が設けられている。フィードポンプ20
は,燃料タンク(図12の84を参照)内の燃料を燃料
取入れ口21からポンプボディ2に形成された取入れ通
路22を経て汲み出し,低圧吐出路,即ち,ポンプ機構
7,8への燃料供給路23に吐出する。フィードポンプ
20それ自体は,周知の構造のものであるので,詳細な
説明を省略する。
【0025】シリンダブロック13内には,ドリル加工
等により互いに交差して形成された複数の供給路24
a,24b,24c,24d及び24eが繋がってお
り,加工開口端や途中通路を栓25にて封鎖することで
共通供給路24(図示しないが,一連の供給路として2
4を付す)を構成している。燃料供給路23は,シリン
ダブロック13に形成された共通供給路24と,共通供
給路24から各ポンプ機構7,8に分岐する分岐供給路
26,26とから成る。共通供給路24は,各分岐供給
路26には,共通供給路24から分岐供給路25へ向か
う燃料の流れのみを許容するチェック弁27が設けられ
ている。
【0026】共通供給路24には,電磁弁で構成されて
いる制御弁30が設けられている。制御弁30は,制御
電流の供給を受けて励磁される電磁コイル31,電磁コ
イル31が励磁した状態で,戻しばね32に抗してシフ
トするアーマチュア33,アーマチュア33の先端に設
けられた弁部34から成る。アーマチュア33が電磁コ
イル31が励磁によってシフトすると,弁部34が開弁
して,共通供給路24の供給路24aが供給路24bと
連通し,燃料が分岐供給路26を通じてポンプ室18に
導入可能となる。
【0027】燃料噴射ポンプ1の各摺動部は,燃料で潤
滑される潤滑構成となっており,カムリング9の外周面
とポンプボディ2の内周面に連通する低圧リリーフ弁3
5がポンプボディ2に設けられている。共通供給路24
及び分岐供給路26から漏れ出た燃料は低圧リリーフ弁
35が規定する圧力に維持され,その規定以上の圧力と
なった漏洩燃料は,低圧リリーフ弁35から燃料タンク
に回収される。低圧リリーフ弁35自体の構造は,圧力
設定ばね36とそのばね力を受けて排出路を解放可能に
閉鎖しているボール37を備えた周知のものであり,こ
れ以上の詳細な説明を省略する。
【0028】ポンプ室18で加圧された燃料は,各ポン
プ機構7,8毎にシリンダブロック13に形成された燃
料吐出路40,40を通じて吐出される。各燃料吐出路
40には,チェック弁41を介してコモンレールに接続
している。チェック弁41は,ポンプ吐出圧が設定値以
上の圧力のみをコモンレールに吐出する。
【0029】この実施例の作動について,以下に説明す
る。駆動軸3が回転すると,フィードポンプ20が作動
して,燃料取入れ口21から燃料を吸い込んで,低圧圧
力で燃料を燃料供給路23に吐出する。同時に,駆動軸
3はカムリング9を駆動するので,カムリング9のカム
山12は,ローラ17を介してプランジャ15の径方向
の押圧とその押圧の解除を交互に行う。カム山12の配
置とプランジャ15の配置とは同期するように設定され
ている。ローラ17はシュー16内に回転自在に収容さ
れており,ローラ17はカム面11を転動するので,カ
ムリング9は低摩擦でをプランジャ15を駆動する。プ
ランジャ15がカム山12によって押圧されない状態,
即ち,プランジャ15が吸込み行程にあるときには,フ
ィードポンプ20が吐出した低圧の燃料は,共通供給路
26からチェック弁28を開弁させて分岐供給路27を
通じてポンプ室18に導入される。各カム山12がロー
ラ17及びシュー16を介して各プランジャ15を押圧
するときには,各プランジャ15はポンプ室18を同時
に加圧して高い燃料圧でもって燃料を,燃料吐出路40
を通じて吐出し,チェック弁41から規定値以上の燃料
圧力でコモンレールに燃料を供給する。4つのカム山と
4つのプランジャは,駆動軸3が1回回転すると,燃料
吐出路40に4回の高圧燃料を吐出する。
【0030】駆動軸3は,エンジンが4サイクルエンジ
ンであるとして,エンジンの出力回転数の半分の回転数
で駆動される。即ち,駆動軸3が1回転する間がエンジ
ンの1サイクルに相当している。駆動軸3が1回転する
と,各ポンプ機構7,8は,それぞれポンプ室18内の
燃料を4回加圧する。ポンプ機構7,8の吐出時期が互
いにずれているので,結局,駆動軸3が1回転する間に
8回の加圧燃料の供給を行なう。各気筒に設けたインジ
ェクタから8回の燃料噴射が行われて各噴射毎にコモン
レール圧が低下するのに対して,各低下毎に加圧燃料の
供給が行なわれるので,コモンレールに燃料噴射を継続
して行うのに充分の燃料圧力を回復させることが可能と
なる。各ポンプ機構7,8がポンプ作動を交互に分担す
るので,ポンプ機構を1つの機構とした場合と比較し
て,各ポンプ機構7,8についてはその作動回数が半減
し,カム面11とプランジャ15とのジャンプ現象も抑
えられるので,ポンプ機構7,8の耐久性が向上して長
寿命化が図られ,回転数に制約を与えたりプランジャ1
5のリフトにも制限を与えることがなく,燃料噴射ポン
プの信頼性を向上することができる。
【0031】図3はこの発明による燃料噴射ポンプの別
の実施例を示す断面図であり,図4は,図3において矢
視B−Bで見た断面図である。図3に示す燃料噴射ポン
プの実施例は,図1に示した実施例と比較して,制御弁
30をポンプボディ2の外周部に配置した点,及びそれ
に伴う燃料供給路の共通供給路24の構造に変更を施し
た点以外の構成に変更はないので,同様の構造と機能を
有する構成要素には同じ符号を付して再度の説明を省略
する。図1に示したこの発明による燃料噴射ポンプの実
施例では,駆動軸3の軸方向の延長線上に一対のポンプ
機構7,8と制御弁30を並べて配置したので,燃料噴
射ポンプ自体の軸方向長さが長くなる傾向がある。図3
及び図4に示す燃料噴射ポンプ50では,燃料供給路2
4の開閉を制御する制御弁30をポンプボディ2の外周
部に配置し,燃料噴射ポンプ50の軸方向の長さの短縮
化を図ったものである。
【0032】制御弁30を燃料噴射ポンプ50のポンプ
ボディ2の外周部に配置するのであっても,ポンプボデ
ィ2をシリンダブロック13の燃料吐出路40側に延長
したのでは燃料噴射ポンプの軸方向の短縮化を充分に期
待できない。したがって,一対のポンプ機構7,8の中
間を径方向に延びてカムリング51を貫通して共通供給
路54(図示しないが,後述する一連の供給路を総じて
付す)が配置される。カムリング51は,ポンプボディ
2の内周面52とシリンダブロック13の外周面53と
の間の環状空間内に回転自在に収容されている。共通供
給路54は,ポンプボディに形成されて内周面52に開
口する第1共通供給路54a,シリンダブロック13に
形成されると共に外周面53に開口する第2共通供給路
54b,及びカムリング51を径方向に貫通して形成さ
れて第1共通供給路54aと第2共通供給路54bとに
連通可能な連通孔55を有する第3共通供給路54cか
ら構成されている。第1共通供給路54aは,ポンプボ
ディ2の外周部に配置された制御弁30によって開閉制
御される。また,第2共通供給路54bは,分岐供給路
26に接続している。
【0033】図4に示すように,連通孔55は,カムリ
ング51の周方向に隔置した周方向長孔として形成され
ている。連通孔55は,プランジャ15の配置数と同数
である4つの周方向長孔を実質的に周方向に等間隔に且
つ周方向連通範囲と隣接する連通孔55間の周方向非連
通範囲とを実質的に等しく(即ち,各範囲とも45°の
範囲)して形成されている。カムリング51をこのよう
に構成すると,共通供給路54の第1共通供給路54a
と第2共通供給路54bとに連通する連通孔55は第3
共通供給路54cとなり,連通孔55の連通範囲外にあ
るときには,制御弁30の制御の如何にかかわらず自動
的に遮断される。
【0034】図5及び図6は,この発明による燃料噴射
ポンプの別の実施例を示す図であり,図5はカムリング
61の一部を示す概略図であり,図6は図5において矢
視C−Cで見たカムリング61の一部を示す断面図であ
る。図5及び図6に示す燃料噴射ポンプでは,燃料供給
路の共通供給路が変更されている。即ち,第1共通供給
路54aと連通孔65とを常時連通させるため,図5及
び図6に示すように,カムリング61の外周面63に連
通孔65をつなぐ溝として第1周溝63が形成されてい
る。同様に,第2共通供給路54bと連通孔65とを常
時連通させるため,カムリングの内周面66に連通孔6
5をつなぐ溝として第2周溝67が形成されている。連
通孔65は,第1周溝63と第2周溝67とによって第
1共通供給路54aと第2共通供給路54bとに常に連
通しているので,図4に示す周方向長孔としての連通孔
55と比較して,孔径の小さい連通孔でよい。なお,第
1周溝63を,ポンプボディ2の内周面52に連通孔6
5と常に通じるように形成してもよく,また,カムリン
グ61の外周面62とポンプボディ2の内周面52との
両方に常に繋がるように形成してもよい。
【0035】図7及び図8は,この発明による燃料噴射
ポンプの更に別の実施例を示す図であり,この実施例で
は燃料供給路の共通供給路が更に変更されている。即
ち,図7はシリンダブロック13の一部を示す概略図で
あり,図8は図7において矢視D−Dで見たシリンダブ
ロック13の一部を示す断面図である。この実施例で
は,第2周溝67の代わりにシリンダブロック13側
に,周溝が形成されている。図7及び図8に示すよう
に,シリンダブロック13の外周面53にカムリング6
1の連通孔65と常に通じる第2周溝68が形成されて
いる。また,カムリング61の内周面66に形成した第
2周溝67と組み合わせてもよい。
【0036】図9及び図10は,一対の制御弁を各共通
供給路に設けたこの発明による燃料噴射ポンプの更に別
の実施例を示す図であり,図9は制御弁を設けた位置に
おける燃料噴射ポンプの断面図,図10は図9に示すカ
ムリングの一部概略図である。図9に示すように,フィ
ードポンプ20からの低圧燃料が供給される共通供給路
は,並列な二つの系統,即ち,共通供給路73と共通供
給路74とから構成されている(73,74は図示しな
いが,後述する一連の供給路を総じて付す)。共通供給
路73は,制御弁72aによって開閉制御される第1共
通供給路73aと,シリンダブロック13内に形成され
た第2共通供給路73bと,カムリング71に貫通して
形成された周方向長孔75(図10も参照)が連通位置
にあるときの第3共通供給路73cとから構成されてい
る。同様に,共通供給路74は,制御弁72bによって
開閉制御される第1共通供給路74aと,シリンダブロ
ック13内に形成された第2共通供給路74bと,カム
リング71に貫通して形成された周方向長孔としての連
通孔75がカムリング71が図9の位置から回動して第
1共通供給路74aと第2共通供給路74bとに連通す
る連通位置にあるときの第3共通供給路74c(図示せ
ず)から構成されている。
【0037】第2共通供給路73bと第2共通供給路7
4bは,シリンダブロック13内で合流してから分岐供
給路26に接続している。連通孔75は,カムリング7
1とシリンダブロック13との相対回転に伴って,各ポ
ンプ機構7,8のプランジャ15が吸込み行程にある状
態で,共通供給路73の第1共通供給路73aと第2共
通供給路73bとを,そして共通供給路74の第1共通
供給路74aと第2共通供給路74bとを連通して,燃
料をポンプ室18に供給可能としている。したがって,
共通供給路73と共通供給路74とは実質的に交互に連
通することになる。第1共通供給路73a,74aと第
2共通供給路73b74bとが連通孔75によって連通
しない場合には,制御弁の作動状態如何に関わらず,燃
料のポンプ室18への供給が遮断される。図示の例で
は,制御弁72a,72bの角度間隔,及び周方向長孔
としての連通孔75の角度範囲は,共に45°とされて
いるが,これに限ることはなく,ある程度の範囲の広が
りは許容される。
【0038】図11は,図9及び図10に示すこの発明
による燃料噴射ポンプの制御態様を示す説明図である。
図11の(1)は電磁弁の駆動期間を示す図,(2)は
ポンプ機構7とポンプ機構8との作動状態を説明する
図,(3),(4)はそれぞれポンプ機構7,8のプラ
ンジャのストローク(ストロークは,ポンプ室18を狭
くする方向を増加する方向とする)の変化を示す図,
(5),(6)はそれぞれポンプ機構7,8の作動に合
わせてカムリング71の連通孔75を展開して示した図
である。(3)及び(4)に示すように,ポンプ機構
7,8の作動位相は互いに180°ずれている。即ち,
期間T1 では,(5)に示すようにカムリング71の周
方向長孔としての連通孔75は,第1共通供給路73a
と第2共通供給路73bとを連通する位置にあり,ポン
プ機構7のプランジャは共通供給路73を通じて燃料を
ポンプ室18に吸い込むことができる吸込み行程にあ
る。このとき,ポンプ機構8は吐出行程にある。期間T
1 の次の期間T2 では,ポンプ機構7のプランジャは吐
出行程にあり,ポンプ機構8のプランジャは吸込み行程
にある。(6)に示すように,連通孔75は,第1共通
供給路74aと第2共通供給路74bとを連通する位置
にあり,ポンプ機構8のプランジャは共通供給路74を
通じて燃料をポンプ室18に吸い込むことができる。
【0039】(1)に示すように,ポンプ機構7のプラ
ンジャが吸込み行程にある期間T1において,制御弁7
2aの励磁期間ΔT1 を制御することにより,それぞ
れ,ポンプ機構7の吸込み量,即ち,ポンプ吐出量を制
御することができる。同様に,ポンプ機構8のプランジ
ャが吸込み行程にある期間T2 において,制御弁72b
の励磁期間ΔT2 を制御することによってポンプ機構8
のポンプ吐出量を制御することができる。
【0040】上記の実施例では,この発明による燃料噴
射ポンプを,コモンレールに対して燃料を供給するサプ
ライ用の燃料噴射ポンプであるとして説明したが,これ
に限ることなく,インジェクタに高圧燃料を直接分配す
る分配型の燃料噴射ポンプとしても用いることができ
る。また,燃料噴射ポンプを,カムリングを駆動軸と一
体としたものとして説明したが,カムリングとシリンダ
ブロックとは相対回転をすればよいので,カムリングを
ポンプボディに固定し,駆動軸によってシリンダブロッ
クを回転するようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】この発明は,上記のように構成されてい
るので,次のような効果を奏する。即ち,この発明によ
る燃料噴射ポンプは,インナカム式の一対のポンプ機構
を駆動軸の軸方向に並列して配置し,且つ一対のポンプ
機構のポンプ作動位相を互いにずらして設定したので,
エンジンの気筒数が増加し,しかもエンジン回転数が高
くなった場合,各インジェクタからの燃料の噴射に対応
してインジェクタに直接に又はコモンレールに燃料を供
給する燃料噴射ポンプの作動間隔が非常に短いサイクル
で行う必要が生じても,燃料噴射ポンプの作動を各ポン
プ機構に振り分けることができるので,ポンプ駆動軸の
回転当たりの各ポンプ機構のプランジャの作動回数が半
減される。したがって,カムに対するプランジャの追従
が確保でき,インジェクタからの燃料の噴射毎に確実に
燃料が供給され,エンジンの回転数や燃料供給量が大き
く制約されることもなく,しかもエンジンの耐久性を向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による燃料噴射ポンプの一実施例を示
す断面図である。
【図2】図1における矢視A−Aで見た断面図である。
【図3】この発明による燃料噴射ポンプの別の実施例を
示す断面図である。
【図4】図3における矢視B−Bで見た断面図である。
【図5】この発明による燃料噴射ポンプの燃料供給路の
共通供給路を変更した別の実施例のカムリングの一部を
示す概略図である。
【図6】図5における矢視C−Cで見たカムリングの一
部を示す断面図である。
【図7】この発明による燃料噴射ポンプの燃料供給路の
共通供給路を更に変更した別の実施例のシリンダブロッ
クの一部を示す概略図である。
【図8】図7において矢視D−Dで見たシリンダブロッ
クの一部を示す断面図である。
【図9】この発明による燃料噴射ポンプの更に別の実施
例を示す概略図である。
【図10】図9に示すカムリングの一部を示す概略図で
ある。
【図11】図9及び図10に示すこの発明による燃料噴
射ポンプの制御態様を示す説明図である。
【図12】従来のコモンレール燃料噴射システムを示す
概略図である。
【符号の説明】
1,50 燃料噴射ポンプ 2 ポンプボディ 3 駆動軸 7,8 ポンプ機構 9,51,61,71 カムリング 11 カム面 12 カム山 13 シリンダブロック 14 シリンダ 15 プランジャ 18 ポンプ室 23 燃料供給路 24,54,73,74 共通供給路 24a〜24e 供給路 26 分岐供給路 27 チェック弁 30,72a,72b 制御弁 40 燃料吐出路 52 内周面 53 外周面 54a,74a,75a 第1共通供給路 54b,74b,75b 第2共通供給路 54c,74c,75c 第3共通供給路 55,65,75 貫通孔 63 第1周溝 67,68 第2周溝

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面にカム山が設けられたカムリン
    グ,前記カムリング内に前記カムリングと相対回転可能
    に配置されたシリンダブロック,前記シリンダブロック
    に径方向に設けられたシリンダ,前記シリンダ内に摺動
    可能に設けられたプランジャ,前記シリンダブロックに
    形成され且つ燃料が燃料供給路を通じて供給されるポン
    プ室,及び前記プランジャによって加圧された燃料を前
    記ポンプ室から吐出する燃料吐出路から構成される一対
    のポンプ機構を備え,前記カムリングと前記シリンダブ
    ロックとのいずれか一方が駆動軸によって回転駆動さ
    れ,且つ前記一対のポンプ機構のポンプ作動位相が互い
    にずれて設定されていることから成る燃料噴射ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記ポンプ作動位相は,前記カムリング
    と前記シリンダブロックとの相対回転角度における前記
    ポンプ機構が行う燃料の吸込みから加圧された燃料の吐
    出までのポンプ作動サイクルの位相であることから成る
    請求項1に記載の燃料噴射ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記一対のポンプ機構の各前記ポンプ作
    動位相は,両前記ポンプ機構間において,前記カム山と
    前記プランジャとのいずれか一方が周方向に同位相に設
    けられ,他方が周方向に異なる位相に設けられているこ
    とにより,互いにずらされていることから成る請求項1
    又は2に記載の燃料噴射ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記燃料供給路は,前記一対のポンプ機
    構に共通な共通供給路と前記共通供給路から分岐し各前
    記ポンプ機構の前記ポンプ室に通じる一対の分岐供給路
    とから成り,各前記分岐供給路には前記共通供給路から
    各前記ポンプ室への燃料の流れのみを許容するチェック
    弁が配設されていることから成る請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の燃料噴射ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記共通供給路には前記ポンプ室への燃
    料流入量を制御する制御弁が設けられており,前記燃料
    流入量の制御は前記プランジャが吸込み行程にあるとき
    の前記制御弁の開弁期間を制御することにより行われる
    ことから成る請求項4に記載の燃料噴射ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記駆動軸は,前記カムリングと一体に
    形成されていることから成る請求項1〜5のいずれか1
    項に記載の燃料噴射ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記カムリングは,ポンプボディの内周
    面と前記シリンダブロックの外周面との間の環状空間内
    に回転自在に収容されており,前記共通供給路は,前記
    内周面に開口するように前記ポンプボディに形成される
    と共に前記ポンプボディに配置された前記制御弁によっ
    て開閉制御される第1共通供給路,前記シリンダブロッ
    クに形成されると共に前記外周面に開口し且つ前記分岐
    供給路に接続する第2共通供給路,及び前記カムリング
    を径方向に貫通して形成され且つ前記第1共通供給路と
    前記第2共通供給路とに連通可能な連通孔を有する第3
    共通供給路から構成されていることから成る請求項6に
    記載の燃料噴射ポンプ。
  8. 【請求項8】 前記第1共通供給路と前記連通孔とは前
    記ポンプボディの前記内周面と前記カムリングの外周面
    との少なくとも一方に形成された第1周溝を通じて連通
    されており,前記第2共通供給路と前記連通孔とは前記
    シリンダブロックの前記外周面と前記カムリングの内周
    面との少なくとも一方に形成された第2周溝を通じて連
    通されていることから成る請求項7に記載の燃料噴射ポ
    ンプ。
  9. 【請求項9】 前記共通供給路は前記制御弁がそれぞれ
    設けられた一対の共通供給路から構成され,各前記第1
    共通供給路は各前記制御弁によって開閉制御され,各前
    記第2共通供給路は前記シリンダブロック内で合流した
    後に前記分岐通路に分岐し,前記連通孔は,前記カムリ
    ングと前記シリンダブロックとの相対回転に伴って各前
    記ポンプ機構の前記プランジャが吸込み行程にある状態
    で各前記共通供給路の前記第1共通供給路と前記第2共
    通供給路とを実質的に連通する位置に設けられているこ
    とから成る請求項7に記載の燃料噴射ポンプ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6192864B1 (en) 1999-06-15 2001-02-27 Isuzu Motors Limited Common-rail fuel-injection system
CN103644059A (zh) * 2013-12-05 2014-03-19 中国第一汽车股份有限公司无锡油泵油嘴研究所 一种采用分层式燃油分配器的蓄压式供油系统

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