JPH11509030A - 同軸ケーブル用終端構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 同軸ケーブル用終端構造は、各同軸ケーブルの同軸導体（１６）上に整列保持される２つの支持体（３２，３４）からなる保持部材と、シールド（４７）の露出部分（４６）の各末端部（５０）を囲む、ケーブルの被覆（４５）の短い部分（４８）とを具備している。被覆（４５）の短い部分（４８）は保持部材に支持されている。中心導体（５４）の露出部分は、被覆（４５）の短い部分（４８）から延びると共に、保持部材を貫通する第２開口（７６）にわたって延びて中心導体（５４）の露出部分の半田の加熱を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】 同軸ケーブル用終端構造 本発明は、複数の同軸ケーブルのための終端構造、特に、近接した終端パッド の対応する配列に接続する準備のために、小さな同軸導体対を近接した配列に保 持するための終端構造に関する。 ケーブルが接続されるべき回路における１列の終端部に対する接続のために要 求された順番及びピッチで配列された複数導体ケーブルのうちの数本の導体を保 持する１つの方法は、米国特許第5,347,711号に開示されている。同軸対の中心 導体は、各導体を移送フレームの一部分である各コンタクトに半田接続すること により、米国特許第5,347,711号に開示された移送フレームに個々に電気的に接 続される。かかる移送フレームのケーブルへの取付けは、ケーブルの製造及び処 理の時間を浪費する工程である。 移送フレームに接続するために多くの時間を費やさないで、もし必要ならば繰 り返して多くの導体又は複数導体ケーブルの多くの導体対を分離したり、再接続 することが望まれている。又、かかる１列の導体又は導体対を１列の終端パッド に一括リフロー半田技法又は半田接続でない技法によって接続したり、分離した りすることが望まれている。 米国特許第5,347,711号における移送フレームの使用においては、外側導体又 は同軸対のシールド導体を切断することにより、シールド導体を構成する数本の 小さな電線の端部が誘電体層から広がることになる。これにより、ケーブルが接 続されるべき回路へシールド導体が同時に一括リフロー半田終端によってシール ドを接続することにおける困難性が生じる。これは、半田接続が要求されていな い場合、重大な問題である。なぜなら、シールド導体を分離するために半田を溶 融することは、電線が予めすずめっきされていたとしても電線が広がることにな るからである。 本発明によれば、同軸ケーブルのシールド導体として知られたシールドが、ケ ーブルの被覆の短い部分で保持される。これにより、例えば、露出されたシール ド上の半田を加熱する目的のためにシールドが露出された際に、シールドの電線 が外側に広がるのが防止される。本発明の利点は、シールド上の半田の加熱等に よってすべてのシールドを同時に接続又は分離するための半田加熱を実用化する ことである。 本発明の一実施形態によれば、複数の同軸ケーブルが整列保持された保持部材 が各ケーブルにおける被覆の対応する短い部分を支持すると共に、各ケーブルに おける露出されたシールドが保持部材の開口にわたって延び、露出されたシール ドにおける半田の加熱を促進する。 本発明の他の実施形態によれば、保持部材はケーブルの中心導体の露出された 部分を支持し、本発明のもう一つ他の実施形態によれば、中心導体の露出された 部分が保持部材の第２開口を交差して延び、露出された中心導体における半田の 加熱を促進する。 本発明の実施形態を図面を参照して説明する。 図１は、多くの個別同軸導体対を有する複数導体電気ケーブルの一部分の平面 図であり、３つのモジュラーアレイが配置されると共に、２つのモジュラーアレ イが回路基板上の各終端パッドアレイに接続されている。 図２は、図１に示すモジュラー同軸コネクタアレイのうちの１つモジュラー同 軸コネクタアレイの部分断面平面図である。 図３は、図２の３−３線に沿った、図２に示す同軸導体対のモジュラーアレイ の断面図である。 図４乃至図７は同軸導体対の連続する準備工程を示し、図４は、管状外側被覆 の短い終端部分及び外側又はシールド導体が切断された同軸導体対を示す。 図５は、被覆及びシールドの終端部分が短い距離だけ移動した後の図４に示す 同軸導体対を示している。 図６は、誘電体層が切断され、管状被覆、シールド導体及び誘電体層の分離さ れた部分が中心導体に沿って軸方向に移動した後の図５に示す同軸導体対を示し ている。 図７は、管状被覆の短長部分がシールド導体の一部分を露出するために移動し た状態の同軸導体対を示している。 これらの図を参照すると、図１に示すように、複数導体ケーブル１０は、多数 の同軸導体対を囲む管状カバー１２を含んでいる。同軸導体対は、カバー１２の 端部から３束１４の形態で延びている。各束１４は、数本の同軸導体対１６を含 んでいると共に、もし望むならば、各束１４の数本の導体対１６を便利に一まと めにするために所定間隔離れて縛り付けられても良い。 各束１４の導体対１６は、各モジュラーアレイ保持部材１８において互いに終 端している。各モジュラーアレイ保持部材１８においては、図３に示す各導体対 １６の終端部分２０が特定のモジュラーアレイ１８における各他の終端部分２０ に対して所望の位置に整列及び保持される。このように、各モジュラーアレイ１ ８において、各終端部分２０は、終端アレイ２８における図２に示すシールド導 体終端パッド２６及び図２に示す１列の信号導体終端パッド２４のうちの対応す る１つに接続するために正確な位置に保持される。終端アレイ２８は、回路基板 ３０上に配置されると共にケーブル１０が電気的に接続される回路の一部分を形 成する。 又、図２及び図３を参照すると、モジュラーアレイ１８が強力な柔軟性を有す る誘電シート材料の支持体対を具備する保持部材を含んでいることが理解できる 。強力な柔軟性を有する誘電シート材料としては、例えば、アライドシグナル社 （Ａllied Ｓignal Ｃorporation）製のポリイミドシート材料の如き である。 上部支持体３２は下部支持体３４よりも厚いシート材料でよく、下部支持体３４ は、後述するように、導体対１６の個々の導体を終端パッド２４及び２６に半田 接続することを促進するためにより薄いことが好ましい。例えば、同軸導体対１ ６の１列において、上部支持体３２は５ミル（約０．１２７ｍｍ）の厚さ３３を 有するポリイミドでよく、その一方で下部支持体３４は１．５ミル（約０．０３ ８ｍｍ）の厚さ３５を有すればよい。各同軸導体対は、０．５１ｍｍの直径を有 し、０．６４ｍｍのピッチ７８で離間している。上部及び下部支持体３２，３４ は、類似形状をしていると共に、互いに整列して合わされる。図２に示すように 、それら上部及び下部支持体３２，３４は回路基板３０に形成された位置決め孔 ３８の如き対応位置決めデバイスと整列するために上部及び下部支持体３２，３ ４の双方 を貫通する１対の位置決め孔３６を形成している。このため、位置決め孔３６は 、モジュラーアレイ１８を終端アレイ２８に取り付ける間、図示しない位置決め ピンを一時的に受容する。 接着層４０が上部支持体３２の下側に設けられ、類似の接着層４２が下部支持 体３４の上面に設けられている。これら接着層４０，４２は、上部及び下部支持 体３２，３４を互いに取り付けると共に上部及び下部支持体３２，３４をモジュ ラーアレイ１８の一部分である同軸導体対１６の各々に取り付ける。接着層４０ 及び４２の接着剤は、半田接続及び非半田接続時の温度を超える温度に耐えうる 感圧重合シリコーン接着剤が好ましい。例えば、満足のいくシリコーン接着剤は 、アライドシグナル社製の前述したポリイミドシート材料に薄い層で予め適用さ れうる。 モジュラーアレイ１８の同軸導体対１６の各々は、各束１４の一部分としての アレイ１８からケーブル１０の本体に至るまでを導く主部分を含んでいる。この ように、管状材料の外側絶縁被覆４５の主被覆部分４４が存在し、各導体対１６ の終端部分２０は主被覆部分４４から末端に離れて延びている。終端部分２０は 、図３に示すように、被覆４５の主被覆部分４４から延びている、外側又はシー ルド導体４７の露出した短い部分４６を含んでいる。管状被覆材料の短い部分４ ８は、図３に示すように、シールド導体４７の露出した短い部分４６の末端部５ ０を囲んでいる。更に、誘電体層５２は、被覆の主体部分４４からシールド導体 ４７の短い部分４６の末端部５０を超えて延び、管状被覆材料の短い部分４８内 に入り込んでいる。中心導体５４の露出部分は、誘電体層５２の末端部５６を超 えて延びている。環状空隙５８は、管状被覆材料の短長部分４８とシールド導体 ４６の末端部５０を超えて延びる誘電体層５２の一部分との間に残っている。こ のように、シールド導体４６は、中心導体５４を有する電気コンタクトから離間 すると共に絶縁される。 シールド導体４７は、処理された、すなわち誘電体層５２上に並んで螺旋状に 包まれた数本の小さな電線６０の層であるので、シールド４７の末端部５０を囲 む被覆材料の短い部分４８が電線６０を互いに接近させると共に誘電体層５２の 周囲にしっかりと配置させる。これにより、それら電線が広がって離れるのが防 止される。 各同軸導体対１６は、終端パッド２４の間隔に対応するように整列されると共 に所望のピッチ７８で互いに平行に保持される。上部及び下部支持体３２及び３ ４は、接着層４０及び４２によってすべての導体対１６に取り付けられ、図３に 示すように、モジュラーアレイ１８の頂側７２及び底側７４を画定する。 上部及び下部支持体３２及び３４の各々は、横方向に延びるストリップ６２の 形状の第１即ち後部支持部材と、横方向に延びるストリップ６４の形状の第２つ 即ち前部支持部材と、横方向に延びるストリップ６６の形状の第３即ち中央支持 部材とを含んでいる。横方向に延びるストリップ６２，６４及び６６は、すべて 互いに所望の間隔で保持されると共に、位置決め孔３６を画定する側部６８の形 状の１対のスペーサ部材によって互いに相互接続されている。横開口７０は、後 部横支持ストリップ６２と中央横支持ストリップ６６との間に画定され、モジュ ラーアレイ１８の頂側７２及び底側７４双方のシールド導体の各短い部分４６の 各終端部分７１を露出する。同様に、前部横支持ストリップ６４と中央横支持ス トリップ６６との間に画定された横開口７６は、モジュラーアレイ１８の頂側７ ２及び底側７４双方における各中心導体５４の終端部分７９を露出する。 上部及び下部支持体３２及び３４の前部横支持ストリップ６４上の接着層４０ ，４２の部分は、各中心導体５４に係合すると共に、中心導体５４間で互いに接 着し、中心導体５４を所望のピッチ７８で正確に互いに離して維持する。同様に 、後部横支持ストリップ６２の接着層４０，４２は、導体対１６の絶縁被覆の主 体部分４４を同一のピッチ７８で密接に離して保持する。又、中央横支持ストリ ップ６６は、管状被覆材料の短長部分４８に接着されると共に、同様に短長部分 ４８の位置が同一ピッチ７８で維持される。このように、上部及び下部支持体３ ２及び３４は、すべての導体対１６の終端部分２０を互いに整列させると共に所 望のピッチ７８で互いに離す。 ケーブル１０を回路基板３０に接続する際に、支持体３２及び３４における位 置決め孔３６及び各終端アレイ２８における位置決め孔３８の使用によって各モ ジュラーアレイ１８は各終端アレイ２８に対して正確に整列される。これにより 、各中心導体５４が適正な終端パッド２４に対して整列されると共に、各シール ド導体４７の短い部分４６の露出部分が共通終端パッド２６又は個々のシールド 終端パッド（図示せず）を有する終端アレイの適正な個々のシールド終端パッド に対して整列される。このように、正確に整列された接続部品を伴って、適正な ヒータバー及び半田プリフォームが、すべての中心導体の終端部分７９を符号７ ５で同時に半田接続するため及びシールド導体４７のすべての露出終端部分７１ を符号７７で同時に半田接続してすべての所望の電気相互接続を達成するために 使用されうる。下部支持体３４の厚さは薄いので、下部支持体３４は一括リフロ ー半田接続方法を使用してモジュラーアレイ１８の導体対１６を接続するために 大して邪魔にならない。 もし、モジュラーアレイ１８を終端アレイ２８から分離する必要があれば、各 中心導体５４及びシールド導体４７を各終端パッド２４又は２６から取り外すた めにすべての接続部分は同時に同様の方法で加熱されることができる。又、モジ ュラーアレイ１８の上部及び下部支持体３２及び３４は、モジュラーアレイ１８ のすべての導体対１６の間の整列及びピッチを維持し続ける。このように、ケー ブル１０は、不完全な回路から分離されうると共に、ケーブル１０を回路に接続 する仕事の一部分としての多くの同軸導体対１６の配置及び間隔を確認又は再確 立することなしに代わりの回路に接続されうる。 導体対１６の終端アレイ２８への半田接続を促進するために、各中心導体５４ の露出部分及びモジュラーアレイ１８のシールド導体４７の短い部分４６の露出 部分にすずめっきすることが望まれる。このすずめっきは、支持体３２及び３４ を含むモジュラーアレイ１８を適正な組成の溶融半田内に少し浸すことによって 簡単に達成されうる。モジュラーアレイ１８の露出導体部分をすずめっきするこ とは、シールド導体４７の短い部分４６の露出部分に付着された半田が各シール ド導体４７の末端部５０を囲む管状被覆材料の短い部分４８の作用を強化しやす いという付加的な利点を有する。即ち、付着されたすずめっき半田は、シールド 導体４７の個々の電線６０間のあらゆる小さな隙間を架橋する。これは、モジュ ラーアレイ１８の終端アレイ２８への半田接続工程の際に熱をヒータバーから終 端パッド２６へ伝導すると共に誘電体層５２から遠ざけるためのシールド導体４ ７の露出部分の能力を高める。又、付着されたすずめっき半田は、誘電体層５２ を損傷から保護するのを助ける。 モジュラーアレイ１８に含まれる各導体対１６を処理するために、図４に示す ように、先ず第１段階として端部８２に十分近い破断線８０で示された位置で管 状被覆４５及びシールド導体４７を切断する。この結果、被覆４５及びシールド ４７の分離部分が誘電体層５２に沿って図５に示す位置に摺動することが可能と なる。 このように、被覆４５及びシールド４７が図５に示す矢印８４で示された軸方 向に移動した後、誘電体層５２は切断（cut−back）されたシールド導体４６の 末端部５０から距離８６で切断される。即ち、誘電体層５２は、被覆４５及びシ ールド４７の移動した部分に近接した、破断線８８によって示された位置で切断 されうる。それから、被覆４５、シールド４７及び誘電体層５２の分離部分は、 すべて中心導体５４に沿った同一の軸方向に更なる距離移動される。これにより 、支持体３２，３４に画定された開口７６に最終的にまたがる中心導体５４の終 端部分７９を露出する。 その後、管状被覆４５は、図６において横断破断線９０によって示された位置 で切断される。この際に、前記位置においてシールド導体４７は切断されない。 そして、切断によって自由となった管状被覆材料の短い部分４８は、矢印９１の 軸方向に距離９４だけ移動する。距離９４は、例えば、管状被覆材料の短い部分 ４８の長さ９６よりも短く、その結果、管状被覆材料の短い部分４８の一部分は 、前述したように、シールド導体４６の末端部５０を囲むことを続行する。 未だに中心導体５４を囲む被覆４５、シールド４７及び誘電体層５２の移動し た部分は、もし望むならば、導体対１６の終端部分２０を各所望の位置に保持す るためにその後適当な治具（図示せず）に配置されうる。その一方で、上部支持 体３２は同軸導体対に取り付けられると共に、その後、下部支持体３４はモジュ ラーアレイ１８を完成するために上部支持体３２に合わされる。最後に、中心導 体５４は、前部横支持部材６４の外縁９８に近接して切り落とされうる。これに より、モジュラーアレイ１８の処理が終了する。 本発明は、半田接続の際に複数の同軸ケーブルを保持することを効果的に許容 し、各ケーブル上の被覆の短い部分が前方に移動してケーブルのシールドを保持 し、シールドの広がりやほぐれを防止する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．複数の同軸ケーブル上に整列保持される保持部材を具備し、前記ケーブルの 中心導体の露出部分が前記ケーブルの誘電体層から延び、導電シールドが前記ケ ーブルの前記誘電体を囲み、前記シールドの露出部分が前記ケーブルの被覆から 延び、前記シールドの前記露出部分が前記保持部材を貫通する開口にわたって延 びて前記シールドの前記露出部分上の半田の加熱を促進する同軸ケーブル用終端 構造において、 前記被覆（４５）の短い部分（４８）が前記被覆（４５）の残余部分から分 離され、前記被覆（４５）の前記短い部分（４８）が前記シールド（４７）の前 記露出部分（４６）の各末端部（５０）を囲み、前記被覆（４５）の前記短い部 分（４８）が前記保持部材に支持されることを特徴とする同軸ケーブル用終端構 造。 ２．前記中心導体（５４）の前記露出部分が、前記被覆（４５）の前記短い部分 （４８）から延びると共に、前記保持部材を貫通する第２開口（７６）にわたっ て延びて前記中心導体（５４）の前記露出部分の半田の加熱を促進することをこ とを特徴とする請求の範囲第１項記載の同軸ケーブル用終端構造。 ３．前記誘電体層（５２）の一部分が、前記誘電体層（５２）の残余部分から分 離していると共に、前記中心導体（５４）の前記露出部分の各末端部上を延びる ことを特徴とする請求の範囲第１項記載の同軸ケーブル用終端構造。 ４．前記中心導体（５４）の前記露出部分が、前記被覆（４５）の前記短い部分 （４８）から延びると共に、前記保持部材によって保持されることを特徴とする 請求の範囲第１項乃至第３項のうちのいずれか１項記載の同軸ケーブル用終端構 造。 ５．前記保持部材が１対の支持体（３２，３４）を具備し、該１対の支持体（３ ２，３４）がそれらの間に前記ケーブルと前記被覆（４５）の前記短い部分（４ ８）とを保持することを特徴とする請求の範囲第１項乃至第３項のうちのいずれ か１項記載の同軸ケーブル用終端構造。