JPH11507706A - たとえばミスファイア検出のための回転数捕捉方法 - Google Patents

たとえばミスファイア検出のための回転数捕捉方法

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JPH11507706A JP9502477A JP50247797A JPH11507706A JP H11507706 A JPH11507706 A JP H11507706A JP 9502477 A JP9502477 A JP 9502477A JP 50247797 A JP50247797 A JP 50247797A JP H11507706 A JPH11507706 A JP H11507706A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、多シリンダ式内燃機関におけるミスファイア検出方法に関する。この場合、内燃機関の走行不安定特性に対する尺度を各シリンダごとに形成して所定の基準値と比較する。その際、走行不安定特性に対する尺度を、内燃機関のクランクシャフトが所定の角度範囲を通過する時間に基づいて形成し、閾値を越えたときにはそれをミスファイアとして評価する。そしてこの方法によれば、ミスファイアのない動作中、各シリンダ固有の走行不安定特性値から各シリンダごとの補正値を、それらの補正値と結合された各シリンダ固有の走行不安定特性値が互いに等しくなるよう形成する。

Description

【発明の詳細な説明】 たとえばミスファイア検出のための回転数捕捉方法 従来の技術 本発明は、内燃機関のクランクシャフトが所定の角度範囲を通過する時間に基 づいて、多シリンダ式内燃機関における回転数を高分解能で捕捉する方法に関す る。 精確なすなわち高分解能による回転数情報は、たとえばミスファイアを検出す るのに役立つ。 ミスファイアにより、内燃機関の動作中に放出される有害物質が高まり、しか もエンジンの排気ガス管中の触媒装置が損傷してしまうおそれがある。排気ガス 関連機能のための車載監視部に対し法律上規定されている要求を満たすためには 、すべての回転数領域ならびに負荷領域におけるミスファイアの検出が必要であ る。この関連で知られているのは、ミスファイアのない正常な動作とは異なり、 ミスファイアを伴う動作時には内燃機関のエンジン回転数経過特性において特徴 的な変化が生じることである。このような回転数経過特性を比較することで、ミ スファイアのない正常な動作とミスファイアを伴う動作とを区別できる。 この方式に基づき動作する方法は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4138 765号公報からすでに公 知である。 この公知の方法によれば、各シリンダのピストン運動の所定の領域に対しセグ メントと称するクランクシャフト角度領域が対応づけられている。セグメントは たとえば、クランクシャフトと結合された発信器ホイール上にマーキングするこ とで実現される。クランクシャフトが上述の角度領域を通過しているセグメント 時間はとりわけ、燃焼サイクルにおいて変換されるエネルギーに依存している。 そしてミスファイアによって、点火と同期して捕捉されるセグメント時間の増加 が生じる。この公知の方法によれば、セグメント時間の差からエンジンの走行不 安定特性に対する尺度が算出され、その際、たとえば車両加速時のエンジン回転 数の上昇のようなゆっくりとしたダイナミックな事象が計算により付加的に補償 される。このように各点火ごとに算出される走行不安定特性値はやはり点火に同 期して、まえもって定められた閾値と比較される。場合によって負荷や回転数の ような動作パラメータに依存するこのような閾値を上述の特性値が上回れば、ミ スファイアとして評価される。 この方法の信頼性はセグメント時間の検出に決定的に依存しており、つまりは 製造時に発信器ホイール上にマーキングを形成する精度に依存している。このよ うな機械的な不正確さは計算によって排除できる。この目的でドイツ連邦共和国 特許出願第4133679 号明細書から、エンジンブレーキ動作中、クランクシャフトの回転ごとにたとえ ば3つのセグメント時間を形成することが知られている。これら3つのセグメン ト時間のうちの1つは基準セグメントとみなされる。この場合、残りの2つのセ グメントのセグメント時間と基準セグメントのセグメント時間との偏差が求めら れる。そしてこれらの偏差から補正値が次のようにして形成される。すなわち、 エンジンブレーキ動作中に求め補正値と結合した各セグメント時間が互いに等し くなるように形成される。 したがって、エンジンブレーキ動作以外の通常動作時に求められ補正値と結合 された各セグメント時間の偏差は、発信器ホイールの製造時の不正確さとは無関 係であり、別の原因があることを示唆するものである。 別の原因の1つは、クランクシャフトの回転運動に重畳されているねじれ振動 である。これは主として燃焼動作中の高回転数時に生じ、これによって個々のシ リンダのセグメント時間がシステマティックに長くなったりあるいは短くなった りすることになり、その結果、ミスファイア検出が困難になる。この理由で、さ らには磨耗または製造時の不精確さによるエンジン固有の差異により、発信器ホ イールを適合調整した後でもセグメント時間の分散幅の形で、ミスファイアには 由来しない可能性のある基本的なノイズが含まれたま まになる。この基本的なノイズによって、個々のミスファイアがクランクシャフ トの回転数に僅かにしか作用を及ぼさなくなればなるほと、本当のミスファイア の判別がいっそう困難になる。したがって内燃機関のシリンダ数が多くなるにつ れて、および回転数が増加するにつれて、ならびに負荷が小さくなるにつれて、 ミスファイア検出の信頼性が低下する。 したがって本発明の課題は、シリンダ数の多い内燃機関において回転数が高く ても負荷が小さくてもミスファイア検出の確実性をいっそう改善することにある 。 本発明によればこの課題は、請求項1に記載の特徴により解決される。 この解決手法の重要な要素は、燃焼動作時つまりエンジンブレーキ動作以外の 通常動作時に補正値を求めることである。 高分解能による回転数の捕捉検出を必要とする場合、ミスファイア検出とは切 り離してもこの方法を常に有利に用いることができる。 精確なすなわち高分解能による回転数捕捉のために、内燃機関の走行不安定特 性に対する尺度を各シリンダごとに形成し、その際、走行不安定特性に対する尺 度を、内燃機関のクランクシャフトが所定の角度範囲を通過する時間に基づいて 形成する。そしてこの場合、ミスファイアのない動作中、各シリンダ固有の走行 不安定特性値から各シリンダごとの補正値を、それらの補正値と結合された各シ リンダ固有の走行不安定特性値が互いに等しくなるよう形成する。 1つの実施例によれば、特定のエンジン形式のための補正値がいくつかのテス トエンジンの特性から経験的に求められ、それらの補正値が当該形式のすべての エンジンに対して転用される。 本発明の1つの有利な実施例によれば、これらの補正値は各エンジンごとに求 められる。本発明による方法の基本は正常な動作状態にあることであり、つまり ミスファイアのない動作状態にあることである。そうではなくてミスファイア動 作状態にあると、ミスファイアが補正値の算出に影響を及ぼすおそれがある。そ の結果、後に生じるミスファイアの作用が計算的には抑圧されてしまい、このた め場合によってはミスファイアがもはや検出されなくなってしまう。 本発明の1つの実施例によれば、制御装置により噴射ミスファイアを誘発させ て、生じた各走行不安定特性値を比較することができる。このことにより、ミス ファイア動作と正常動作とを区別することができる。ミスファイア動作であれば 、補正値はもはや更新されない。 次に、図面を参照して本発明の実施例について説明する。 図1は、本発明の技術分野を示す図である。 図2は、本発明による方法の実行に適したコンピュータを示す図である。 図3は、回転数測定に基づく走行不安定特性に対する尺度の基礎としてセグメ ント時間の形成を行う公知の基本原理を示す図である。 図4は、走行不安定特性値の算出に対するねじれ振動の影響を示す図である。 図5は、本発明による方法の1つの実施例を示すフローチャートである。 図6は、別の実施例によるミスファイア検出のフローチャートである。 図7は、本発明による方法の補足としてのフローチャートである。 図1には、マーク3を有する角度発信器ホイール2、角度センサ4および制御 装置5を備えた内燃機関が示されている。内燃機関のクランクシャフトと結合さ れている角度発信器ホイール2の回転運動は、誘導センサとして実現される角度 センサ4により電気信号に変換され、この電気信号の周期性は角度センサ4の前 をマーク3が周期的に通過する様子を表している。したがって信号レベルの上昇 と低下の間の持続時間は、クランクシャフトがマーキングのサイズに応じた角度 範囲にわたり回転していった時間に対応している。この持続時間はコンピュータ として実現される制御装置5において処理され、内燃機関の走行不安定特性に対 する尺度Lutが形成される。Lutの算出の実例についてはあとで説明する。 このために用いられるコンピュータはたとえば、図2に示されているようにして 構成できる。これによれば計算ユニット2.1は、メモリ2.4に格納されてい るプログラムとデータを用いて入力ブロック2.2と出力ブロック2.3の調停 を行う。図1にはさらに、排気ガスセンサ6、制御装置5および燃料調量手段7 を備えた周知の空燃比調整回路も示されている。 図3のa)には角度発信器ホイールを4つのセグメントに区分した様子が示さ れており、その際、各セグメントは所定数のマークを有している。マークOTk は、この実例では8シリンダ式内燃機関のk番目のシリンダのピストン運動の上 死点に対応づけられており、これはそのシリンダの燃焼サイクル中に位置してい る。この点を中心に回転角度範囲φkが定義されており、この範囲はこの実例で は角度発信器ホイールのマークのうちの4分の1に及んでいる。同様にその他の シリンダの燃焼サイクルにもそれぞれ角度範囲φ1〜φ8が対応づけられている 。ここでは4サイクル方式であるものとしており、この場合、1つの動作サイク ル全体に対しクランクシャフトは2回、回転する。したがってたとえば1番目の シリンダの範囲φ1は5番目のシリンダの範囲φ5と一致する、という具合にな る。クランクシャフトの回転に対応づけられている各 角度範囲を互いに分離されたものとすることもできるし、順次連続して続けるこ ともできるし、あるいはオーバラップさせることもできる。第1の事例の場合に は角度範囲に対応づけられていないマークが設けられており、第2の事例の場合 には各マークに正確に1つの角度範囲が対応づけられており、さらに第3の事例 では同じマークをそれぞれ異なる角度範囲に対応づけておくことができる。した がって角度範囲の任意の長さおよび位置が可能である。 図3のb)には、クランクシャフトの回転運動により各角度範囲を通過する時 間が示されている。この場合、ミスファイアはシリンダkに生じているものとす る。ミスファイアに伴う回転トルクの不足の結果、このシリンダに属する時間t sが上昇することになる。このように時間tsはすでに走行不安定特性の尺度を 成しており、これは基本的にはミスファイアの検出に適している。時間tsの適 切な処理により、たとえば隣り合う時間との差の形成、ならびにこの差を添字i を有する1つの点火サイクルの期間tsiの3乗に合わせて正規化することで、 走行不安定特性値は加速度の次元をとり、経験的に判明しているように、改善さ れたS/N比を有する。 図3のc)には、持続時間tsの捕捉検出に対し回転数変化が影響を及ぼす様 子が示されている。ここに示されているのは、典型的には車両のエンジンブレー キ動作時に現れるような回転数低下の事例である。捕捉検出された時間tsが比 較的一様に長くなることで表されるこの影響を補償するために公知であるのはた とえば、ダイナミックな補償のために補正項Dを形成し、このように長くなる影 響が補償されるよう走行不安定特性値の算出に際してこの値を考慮することであ る。 8シリンダエンジンの点火サイクルiに対しこの形式で補正される走行不安定 特性値は、たとえば以下の規則に従って算出できる: Lut(i)=基本項B−ダイナミック補償用の補正項K z個のシリンダとして一般化すれば次式のような相応の規則となる: ここで、(z)=内燃機関のシリンダ数である。 図4には、たとえば上述の規則に従って算出できる 走行不安定特性値が示されており、これは4シリンダエンジンの種々の点火サイ クルi=1〜10に関するものである。この場合、番号3のシリンダにおいてシ ステマティックにセグメント時間の増加が発生しており、この図示の事例ではす でに走行不安定特性閾値Lurのかなり近くまで達している。このような増加は 、たとえばねじれ振動により引き起こされる可能性がある。ねじれ振動は主とし て高い回転数において発生し、これにより個々のセグメント時間がシステマティ ックに長くなるかまたは短くなり、このためミスファイアの検出が困難になる。 個々のシリンダへのこの作用の配分は、特定のエンジン形式に対し経験的に所定 の負荷/回転数範囲に関して求めることができ、したがって負荷/回転数特性曲 線領域部すなわち特性データメモリに格納されていてセグメント時間の評価に作 用を及ぼす補正値によって、所定の負荷/回転数範囲に対し逆に作用させること ができるようになる。 図5には、このような補正値を求めるための構成が本発明による方法の有利な 実施例として示されている。 この目的でステップS5.1において点火と同期のとられたセグメント時間が 捕捉検出され、ステップS5.2で処理されて走行不安定特性値が形成される。 ステップS5.3において、ねじれ振動ならびに類似の影響を補償するための補 正値が負荷/回転数特性デ ータメモリK(L,n)から読み込まれる。この場合、最初のプロセス実行では 妥当なまたは中立的な値だけを扱っており、その後、この値はこのプロセスが繰 り返し実行されることで、種々のシリンダの補正された各走行不安定特性値が互 いに等しくなる特性を有する値を連続的にとることになる。このため走行不安定 特性値LutはステップS5.4において補正値と結合される。ステップS5. 5は、特性データメモリLur(n,L)から閾値Lurを読み込むために用い られる。 閾値Lurは、学習の進展に依存してオフセットを有することができる。この オフセットは最初は比較的大きいものとすることができ、このためオフセットと 結合された閾値もやはり大きく、このことで比較的反応の鈍いミスファイア検出 となる。その後、プロセスが実行されていくにつれてこのオフセットは小さくな り、このことでミスファイア検出の感度が高まる。このため、たとえば電源異常 において適合値の消失後に不安定なエンジン経過特性がミスファイア動作として 誤って評価されてしまうのが回避され、このことでステップS5.6の後に適合 が持続的に阻止されることになる。 補正された走行不安定特性値が閾値を超えたとステップS5.6において判定 されれば、このことはステップS5.7において内燃機関のミスファイアとして 評価され、たとえばシリンダ固有のエラーカウンタレベルが高められる。そして エラーレベルがまえもって定められている値を超えると、このことによりステッ プS5.8においてエラー信号が送出され、たとえば運転者の視界の中にあるエ ラーランプMILがスイッチ・オンされる。補正された走行不安定特性値が閾値 を超えていないことがステップS5.6において判定されると、このことはミス ファイアのない動作に対する指標として評価され、補正されたその走行不安定特 形成に関与することになる。 換言すれば、補正値の形成はミスファイアが生じているときには抑えられ、つ まりミスファイアが生じているかぎり、補正値の形成は行われない。 補正値の形成は、ミスファイアが生じているときだけでなく、急速な加速や制 動が行われているときのように、大きい回転数変化が生じているときにも抑える ようにするのがよい。 このため、ステップS5.6とS5.9の間に別の質問ステップを設けること ができる。この質問ステップにおいてたとえば、まずはじめに1つの動作サイク ル(カムシャフトの1回転)の間隔で1つのシリンダのセグメント時間における 差ts(n)−ts(n−シリンダ数)が計算される。この差の絶対値は、回転 数変化が大きいときには比較的大きく、回転数変化が 小さいときには比較的小さい。 したがって、上記の差の絶対値がまえもって定めた閾値を超えたとき、補正値 の形成を抑えることができる。差の絶対値を、対象とした動作サイクルにおける 1つのセグメント時間の3乗で除算することにより、回転数に関する一種の正規 化が行われる。このため商lunw(n)=絶対値(ts(n)-ts(n-シリンダ数))/(ts(n))^ 3を、負荷/回転数領域全体における補正値形成を抑えるために閾値と比較でき る。この場合、閾値を超えたときに抑圧が行われる。 したがって、上述のように代案としてステップS5.1〜S5.6とは別のア ルゴリズムに基づき、ミスファイアが生じていないという情報を得ることもでき 、たとえば補正されていないセグメント時間の評価に基づき得ることもできるの である。 有利には、ミスファイアのない動作であるか否かの監視は、補正値自体には依 存しないプロセスにより行われる。 この監視のためにはたとえば、周知の空燃比調整回路において調整量として用 いられているような排気ガスセンサの信号の評価が適している。この種の排気ガ スセンサはミスファイアのない動作状態ではたとえば、希薄(酸素過剰)から濃 厚(酸素不足)への燃料混合比の変化を指示する。しかしミスファイアが生じる と、シリンダにおける燃焼がなくなることから酸素が 排気ガスに入る。ミスファイアに起因するこのような酸素過剰状態により、濃厚 化の結果として予期される酸素不足がいわばマスクされる。その結果、排気ガス センサの信号は混合気濃厚化には反応しない。したがって、混合気濃厚化に対し 排気ガスセンサがこのように反応しなくなることを、ミスファイアが生じたか否 かに対する第1の判定基準として利用できる。 次にステップS5.10は、目下の値KLutと平 テップS5.11において、この偏差dKを以前の補正値K(alt)に加算す ることで新たな補正値K(neu)が形成され、この値K(neu)はステップ S5.12により、走行不安定特性値を求めたシリンダの特性データメモリK( n,L)に書き込まれる。S5.1〜S5.6ならびにS5.9〜S5.12の 各ステップを繰り返し実行することで最終的に、ミスファイアのない正常な動作 において種々異なるシリンダの補正された各走行不安定特性値間における偏差が もはや生じないように、種々異なるシリンダの動作点に属する特性曲線領域値K が得られる。 有利な実施例の枠内で、既述の方法はエンジン制御装置に格納されているメイ ンプログラムの一部分である。したがって、まえもって定めることのできる任意 の機会にこれを呼び出せる。有利には、製造後に車両を最初に始動させる際にこ の方法を呼び出すことで補 正値の形成が行われ、その後ではたとえばあとで実施されるアフターサービスに 関連して行われる。このようにして補正値は各エンジンごとに固有に形成される 。 しかしながら本発明による方法によれば、特定の形式の個々のエンジンにおけ るテストによっても補正値を求めることができ、その場合には補正値をたとえば 特性データメモリの形で当該形式のすべてのエンジンに対し転用できる。 そしてミスファイアの検出はエンジン動作中、図6に示されているプロセスに 従って実行可能であり、その際、ステップS6.1〜S6.8は図5のステップ S5.1〜S5.8に対応するものである。 本発明による方法の基本は正常動作の行われている状態であり、つまりミスフ ァイアのない動作状態である。この状態ではなくミスファイア動作状態であるな らば、ミスファイアが補正値の算出に影響を及ぼすおそれがある。その結果、後 続のミスファイアの作用が計算的に抑えられてしまう可能性があり、このため場 合によってはミスファイアがもはや検出されなくなる。図7には、補正値を算出 する前にミスファイアのない正常な動作状態であるか否かを判定できる実施例が 示されている。 この目的で、ステップS7.1においてセグメント時間が捕捉検出され、ステ ップS7.2においてそれ らが処理されて正常動作走行不安定特性値NB−Lutが形成される。次にステ ップS7.3において、たとえば燃料噴射装置を備えたエンジンであれば個々の 燃料噴射パルスを除くことで、制御装置によりミスファイアが誘発される。この 状況のもとでステップS7.4において捕捉検出されたセグメント時間がステッ プS7.5において処理され、ミスファイア動作走行不安定特性値AS−Lut が形成される。ステップS7.6において形成された差dLut=NB−Lut − AS−Lutの絶対値が閾値SWよりも大きければ(このことはステップS 7.7により判定される)、走行不安定特性値の形成はミスファイアの誘発に対 して応答したものである。このことから、ミスファイアを誘発させる前にはミス ファイのない正常な動作状態にあったことを確実に推定できる。この場合には次 に、ステップS7.8により図5による補正値の算出が行われる。したがって、 ミスファイアが補正値形成に作用を及ぼすおそれはない。これに対し、走行不安 定特性値の形成がミスファイアの誘発に対して応答しなければこのことですでに 、誘発されたミスファイアは生じていなかったことが明らかである。この場合に は、誘発されたものではないミスファイアによって補正値の算出に作用の及ぼさ れる可能性がある。このことを回避するため、ステップS7.7で否定の判定が なされた後にステップS7.9およびS7.10によ る禁止処理が行われ、必要に応じてステップS7.11により図6によるミスフ ァイアの検出が続き、つまり補正値が変更されることなくミスファイアの検出が 行われる。 換言すれば、ミスファイアのない動作に比して走行不安定特性を増大させる結 果の生じる処置がとられ、次にこの処置をとったときの走行不安定特性とこの処 置をとらなかったときの走行不安定特性が求められ、この処置をとらなかったと きの動作は、その走行不安定特性値がこの処置の作用下で求められた走行不安定 特性値から所定の範囲内で隔たっていれば、ミスファイアがないものとみなされ る。 ミスファイアの誘導による走行不安定特性の増大を、閾値設定のためにも利用 できる。この場合、誘導されたミスファイアは、ミスファイアのない動作に比べ 結果として走行不安定特性を増大させた措置の1つの実例を成すものである。閾 値を設定するために、そのような措置を伴うおよび伴わない走行不安定特性値を 求め、求められた各走行不安定値の間に位置する閾値を設定する。走行不安定特 性を増大させる措置を伴わない動作中にこの閾値を超えれば、それはミスファイ アとして評価される。 このような閾値を、上記のような措置を伴うおよび伴わない走行不安定特性値 の統計的分布に基づき求めることができる。たとえば上記のような措置を伴うお よび伴わない各走行不安定特性値のそれぞれ1つの平均値を求め、各平均値の算 術平均として閾値を設定できる。 この閾値を各シリンダごとに、内燃機関の負荷および回転数に依存して求めて 記憶させることができる。 有利には、低い触媒温度の動作領域で学習された閾値を別の動作領域へ拡げる ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ライナー フランク ドイツ連邦共和国 74343 ザクセンハイ ム アン デア シュタイゲ 36 (72)発明者 クリスティアン ケーラー ドイツ連邦共和国 74391 エルリッヒハ イム リングシュトラーセ 8

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.内燃機関の走行不安定特性に対する尺度を各シリンダごとに形成して所定 の基準値と比較し、走行不安定特性に対する前記の尺度を、内燃機関のクランク シャフトが所定の角度範囲を通過する時間に基づいて形成する、 多シリンダ式内燃機関におけるミスファイア検出方法において、 ミスファイアのない動作中、各シリンダ固有の走行不安定特性値から各シリン ダごとの補正値を、該補正値と結合された各シリンダ固有の走行不安定特性値が 互いに等しくなるよう形成することを特徴とする、 多シリンダ式内燃機関におけるミスファイア検出方法。 2.クランクシャフトが所定の角度範囲を通過する時間を点火と同期して捕捉 し処理して走行不安定特性値を形成し、各走行不安定特性値に対しそれぞれ補正 値を求め、各補正値をそれぞれ1つの走行不安定特性値と結合して補正された走 行不安定特性値を形成し、該補正された走行不安定特性値を閾値と比較し、該補 正された走行不安定特性値が閾値を超えたことをミスファイアとして評価する、 請求項1記載の方法。 3.前記の補正された走行不安定特性値の平均値を形成し、該平均値と補正さ れた個々の走行不安定特性 値との偏差を形成し、該偏差と以前の補正値との加算結合により新たな補正値を 形成する、請求項2記載の方法。 4.1つの特定の内燃機関形式に対する補正値を、代表として当該形式の少な くとも1つの内燃機関の特性から求め、このようにして求めた補正値を当該形式 のその他の内燃機関に対し転用する、請求項3記載の方法。 5.前記補正値をミスファイアのない正常な動作中に内燃機関ごとに求める、 請求項3記載の方法。 6.補正された走行不安定特性値が閾値を超えていなければ、内燃機関の動作 をミスファイアのない正常な動作として評価する、請求項5記載の方法。 7.ミスファイアのない動作に比して走行不安定特性が増大されることになる 処置をとり、該処置のとられた走行不安定特性と該処置のとられていない走行不 安定特性を求め、該処置のとられていない動作を、その走行不安定特性値が該処 置の作用下で求められた走行不安定特性値から所定の範囲内で隔たっていれば、 ミスファイアがないものとみなす、請求項5記載の方法。 8.クランクシャフトが所定の角度範囲を通過する時間の長さを走行不安定特 性に対する尺度として用いる、請求項1記載の方法。 9.クランクシャフトが所定の角度範囲を通過する 各時間の差を、所定の点火サイクルに対応づけられている期間の累乗に合わせて 正規化して走行不安定特性に対する尺度として用いる、請求項1記載の方法。 10.走行不安定特性値の形成に際して、ダイナミックな補償すなわち内燃機関 回転数の変化による影響の補償を行う、請求項8または9記載の方法。 11.回転数評価に基づかない検出方法によりミスファイアが検出された場合、 内燃機関の動作をミスファイアのない正常動作としては評価しない、請求項1記 載の方法。 12.排気ガスセンサの信号がまずはじめに希薄混合気であることを示し、それ 以降の混合気濃厚化に応答しなければ、内燃機関の動作をミスファイアのない正 常動作としては評価しない、請求項1記載の方法。 13.ミスファイアのない動作に比べ結果として走行不安定特性を増大させる措 置を介入させ、上記の措置を伴うおよび伴わない走行不安定特性値を求め、求め られた各走行不安定特性値の間に位置する閾値を定め、走行不安定特性を増大さ せる措置を伴わない動作中に前記閾値を越えれば、ミスファイアとして評価する 、請求項1記載の方法。 14.前記の措置を伴うおよび伴わない走行不安定特性値の統計的分布に基づき 閾値を求める、請求項13記載の方法。 15.求められた走行不安定特性値を各シリンダごと に負荷および回転数に依存して記憶させる、請求項14記載の方法。 16.低い触媒温度の動作領域で学習された閾値を別の動作領域へ拡げる、請求 項15記載の方法。 17.内燃機関の走行不安定特性に対する尺度を各シリンダごとに形成し、該走 行不安定特性に対する尺度を、内燃機関のクランクシャフトが所定の角度範囲を 通過する時間に基づいて形成する、 多シリンダ式内燃機関における回転数の捕捉方法において、 ミスファイアのない動作中、各シリンダ固有の走行不安定特性値から各シリン ダごとの補正値を、該補正値と結合された各シリンダ固有の走行不安定特性値が 互いに等しくなるよう形成することを特徴とする、 多シリンダ式内燃機関における回転数の捕捉方法。 18.急速な加速や制動時に生じるような大きい回転数変化時には前記補正値の 形成を抑圧する、請求項1または17記載の方法。
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