JPH11506922A - 水溶性ベータ−カロテン含有脂肪代替物 - Google Patents
水溶性ベータ−カロテン含有脂肪代替物Info
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- JPH11506922A JPH11506922A JP9500481A JP50048197A JPH11506922A JP H11506922 A JPH11506922 A JP H11506922A JP 9500481 A JP9500481 A JP 9500481A JP 50048197 A JP50048197 A JP 50048197A JP H11506922 A JPH11506922 A JP H11506922A
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、水溶性カロテノイド/シクロデキストリン複合体で強化された、難吸収性で難消化性の脂肪組成物に関する。この組成物は、食料および医薬組成物において、脂肪代替物として有用である。このカロテノイドは、容易に生物学的利用能を高め、脂肪/脂肪類似物相に分配するのを阻む。
Description
【発明の詳細な説明】
水溶性ベータ−カロテン含有脂肪代替物
発明の属する技術分野
本発明は、難消化性の脂肪および水溶性ベータ−カロテンを含有する食用脂含
有食品に関する。特に、本発明は、難吸収性で難消化性の脂肪と、生物学的利用
能を増加する水溶性ベータ−カロテンを含有する組成物に関する。
発明の背景
高い血液コレステロール(高コレステロール血症)は、今日の主要な健康管理
問題を含む心臓血管病における危険要因であるとわかっている。疫学研究が、ほ
とんど例外なく、大量の飽和脂肪とコレステロールを消費している集団は、比較
的高濃度の血清コレステロール、および冠状心疾患による高死亡率を有すること
を明示している。高コレステロール血症を軽減、または防ぐ摂生は、カロリー減
量脂肪または脂肪代替物(fat substitute)(すなわち、難吸収性で難消化性の
脂肪)、特にポリオール脂肪酸ポリエステル、およびより特別な糖脂肪酸ポリエ
ステルを用いることによって、摂取する脂肪を減少することである。
糖脂肪酸ポリエステルは、高コレステロール血症を治療するために所望される
一方、脂溶性ビタミンの体への吸収を妨げており、このことは、例えば米国特許
第4,005,196号および米国特許第4,034,083号を参照されたい
。糖脂肪酸ポリエステルに溶解するいずれの油溶性ビタミンも、難消化性の脂肪
が、消化管を通過するときに、失われる。
これまで、糖脂肪酸ポリエステルを含む組成物は、ビタミン吸収不良を克服可
能にするために、脂溶性ビタミンのレベルを増加することによって強化されてい
る。しかし、より高いレベルのビタミン栄養強化は製品について味覚、臭気、お
よびカラーのマイナス性を与える。例えば、米国特許第5,248,504号は
、油溶性ビタミン、消化性脂肪、ならびに脂溶性ビタミンを含むA、Bの2つの
別の脂肪相を含有する非消化性ポリオール脂肪酸ポリエステルを含む生成物を
開示している。脂肪相(B)は、脂肪相(A)の濃度レベルの少なくとも2倍の
濃度レベルで油溶性ビタミンを含む。さらに、脂肪相(A)は、難消化性ポリオ
ール脂肪酸ポリエステルを含んでおり、これは油溶性ビタミンの吸収を妨げるこ
とがわかっている。また、例えば欧州特許第415,464A2を参照すると、
疎水性を減少する化合物を用いることを教示している。疎水性が減少することに
よって、油溶性ビタミンの損失を減少させるが、ビタミンは、まだ本質的に非水
溶性である。
重要な脂溶性ビタミンは、ビタミンAである。ベータ−カロテンはよく知られ
たビタミンAの先駆体であり、最も一般的に用いられる栄養補給のためのビタミ
ンA源である。ベータ−カロテンはまた、癌およびアテローム性動脈硬化を誘発
するフリーラジカルから細胞を保護すると報告されている。
本発明は、難吸収性で難消化性の脂肪と、水溶性ベータ−カロテンの組み合わ
せに関する。油溶性ビタミンの損失は、脂肪代替物またはこれらの脂肪代替物を
含む食物に、以後開示される種類のベータカロテンを加えることによって克服す
ることができる。本発明において、ベータ−カロテンは水溶性ベータ−カロテン
中に生じるシクロデキストリンと複合される。理論で縛られることは望まないが
、ベータ−カロテン複合体は、脂肪または脂肪類似物の相より体内の水相を好む
ということが確信される。さらに、それはより生物学的利用能を高め、つまり難
消化性で難吸収性の脂肪とともに体内を去らず、さらに体に利用される。水溶性
で生物学的利用可能な形状のベータ−カロテンと難消化性で難吸収性の脂肪を含
む製品の栄養強化は、より低使用量レベルのビタミン前駆体を必要とし、血清レ
ベルを低下する効果を補う、そして栄養強化のコストを減少させる。ベータ−カ
ロテンはカプセル化されているので、ビタミンの高使用量レベルに伴った色、味
覚、および安定性のマイナス面を最小にする。
発明の要旨
本発明は、水溶性カロテノイド/シクロデキストリン複合体で強化された難吸
収性で難消化性の脂肪組成物に関する。この組成物は、食料および医薬組成物内
で脂肪代替物として有用である。カロテノイドは容易に生物学的利用可能であり
、
脂肪相に分配するのを阻む。この利益は、ポリオール脂肪酸ポリエステルおよび
複合されたカロテノイド/シクロデキストリン粉体を含む組成物を配合すること
によって達成される。
発明の詳細な説明
本発明の組成物は、難消化性の脂肪、難消化性の脂肪の混合物、または難消化
性の脂肪および天然または合成トリグリセリドの組み合わせと、水溶性カロテノ
イド/シクロデキストリン複合体とからなる。
好ましい脂肪代替物は、ポリオール脂肪酸ポリエステルである。ポリオール脂肪酸ポリエステル
「ポリオール」とは、少なくとも4、好ましくは4〜12、最も好ましくは6
〜8の水酸基を含む多価アルコールを意味する。ポリオールとしては、単糖、二
糖、および三糖、糖アルコール、他の糖誘導体(アルキルグリコシドなど)、ポ
リグリセロール(ジグリセロールおよびトリグリセロール)、ペンテアリトリト
ール、およびポリビニルアルコールが挙げられる。好ましいポリオールとしては
、キシロース、アラビノース、リボース、キシリトール、エリスリトール、グル
コース、メチルグルコシド、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルビ
トール、マルトース、ラクトース、スクロース、ラフィノース、およびマルトト
リオースなどが挙げられる。
「ポリオールポリエステル」は、平均少なくとも4つのエステル基を有するポ
リオールを意味する。ポリオールの全ての水酸基をエステル化する必要はないが
、二糖ポリエステルは平均して3以下、より好ましくは2以下のエステル化され
ない水酸基を有する。典型的には、ポリオールの本質的に全て(例えば、少なく
とも約85%)の水酸基がエステル化されている。スクロースポリエステルの場
合、典型的に、ポリオールの約7〜8の水酸基がエステル化されている。
少なくとも2、かつ30までの炭素原子を有する脂肪酸および/または他の有
機ラジカルは、ポリオールをエステル化するのに用いられる。典型的に、これら
の脂肪酸および/または他の有機ラジカルは、8〜24の炭素原子、およびより
典型的には少なくとも12〜18の炭素原子を含む。酸ラジカルは、配置異性体
または幾何異性体、つまりシスまたはトランス異性体、直鎖または分枝鎖脂肪族
または芳香族を含んで、飽和または不飽和であり、全てのエステル基に対して同
じであってもよく、または異なる酸ラジカルの混合体であってもよい。カルボン
酸シクロヘキサンのような環状脂肪族、およびポリアクリル酸および二量体脂肪
酸などのポリマー性エステル形成ラジカルもまた、ポリオールをエステル化する
のに用いられる。
液状ポリオールポリエステルおよび難消化性の油は、約37℃より低い完全融
点を有する。ここでの使用に適した液状の難消化性の食用油としては、液状ポリ
オールポリエステル(Mattson & Volpenheinによる1971年8月17日に
発行された米国特許第3,600,186号、Jandacekによる1977年1月2
5日に発行された米国特許第4,005,195号を参照)、液状トリカルバリ
ル酸エステル(Hammによる1985年4月2日に発行された米国特許第4,5
08,746号を参照)、マロン酸およびコハク酸の誘導体のような液状ジカル
ボン酸ジエステル(Fulcherによる1986年4月15日に発行された米国特許
第4,582,927号を参照)、液状アルファ−分枝鎖カルボン酸のトリグリ
セリド(Whyteによる1971年5月18日に発行された米国特許第3,579
,548号を参照)、ネオペンチル部分を含む液状エーテルおよびエーテルエス
テル(Minichによる1960年11月9日に発行された米国特許第2,962
,419号を参照)、ポリグリセロールの液状脂肪ポリエーテル(Hunterらに
よる1976年1月13日に発行された米国特許第3,932,532号を参照
)、液状アルキルグリコシド脂肪酸ポリエステル(Meyerらによる1989年6
月20日に発行された米国特許第4,840,815号を参照)、2つのエーテ
ル結合されたヒドロキシポリカルボン酸(例えばクエン酸またはイソクエン酸)
の液状ポリエステル(Huhnらによる1988年12月19日に発行された米国
特許第4,888,195号を参照)、エポキシド拡張されたポリオールの液状
エステル(Whiteらによる1989年8月29日に発行された米国特許第4,8
61,613号を参照)、そして液状ポリジメチルシロキサン(Dow Corning
より入手可能な流体シリコーン)などが挙げられる。
好ましい液状の難消化性の油は、糖ポリエステル、糖アルコールポリエステル
、およびこれらの混合物であり、好ましくは、8〜26の炭素原子を含む脂肪酸
でエステル化されており、最も好ましくは8〜18の炭素原子を有する脂肪酸で
エステル化さてれいる。体温(つまり華氏98.6度、37℃)で最小限の固形
物を含むか固形物を含まないものは、通常、高い割合で、C12以下の脂肪酸ラジ
カルまたはその他に、高い割合でC18以上の不飽和脂肪酸ラジカルを有するエス
テル基を含む。かかる液状ポリオールポリエステル中の好ましい不飽和脂肪酸は
、オレイン酸、リノール酸、およびこれらの混合物である。
ここで用いるのに適した難消化性ポリオールポリエステルハードストック(ha
rdstock)または固形材料は、固形状糖ポリエステル、固形状糖アルコールポリ
エステル、およびこれらの混合物から選ばれ、本質的に、長鎖飽和脂肪酸ラジカ
ルよりなるエステル基、例えば一般に5〜8のエステル基を含む。適切な飽和脂
肪酸ラジカルは、少なくとも14、好ましくは14〜26、最も好ましくは16
〜22の炭素原子を含む。長鎖飽和脂肪酸ラジカルは、単一または互いに混合し
て用いられる。加えて、直鎖(つまりノルマル)脂肪酸ラジカルは、長鎖飽和脂
肪酸ラジカルの典型である。
ポリオール脂肪酸ポリエステルを溶融する特定の中間体は、物性を決定する特
定のレオロジー、すなわち融点、粘度、および剪断粘性などに依存し、結晶サイ
ズおよび形状も有用である。(Bernhardtによる、1987年9月9日と8月2
6日にそれぞれ発行された欧州特許出願第236,288号および第233,8
56号を参照。)ポリオールポリエステルを溶融するこれらの中間体は粘性であ
り、体温で高い液体/固体安定性を有する。ポリオールポリエステルを溶融する
該中間体の例は、完全に水素化された大豆油脂肪酸メチルエステルおよび部分的
に水素化された大豆油脂肪酸メチルエステルの55:45の混合物を用いてスク
ロースをほぼ完全にエステル化することによって得られるものである。これらの
ポリオールポリエステルは、安定性を提供するために高レベルの固形物が必要と
される製品、例えば、ショートニング、練り粉、チョコレート、クラッカーなど
に対して、最も好ましい。
完全固形物のポリオールポリエステルハードストック、好ましくは、C10〜C22
の飽和脂肪酸でエステル化されたもの(スクロースオクタステアリン酸など)
との液状ポリオールポリエステルの配合物は、室温で固形体か半固形体である。
(例えば、Jandacekによる1977年1月25日に発行された米国特許第4,
005,195号、およびJandacek/Mattsonによる1977年1月25日に発
行された米国特許第4,005,196号を参照。)
液状または固形状ポリオールポリエステルは、当業者に知られている種々の方
法で製造される。これらの方法は、種々の触媒を用いてメチル、エチル、または
所望の酸ラジカルを含むグリセロールエステルとポリオール(糖または糖アルコ
ール)のエステル交換、酸塩化物とポリオールのアシル化、酸無水物とポリオー
ルのアシル化、望ましい酸とポリオールのアシル化を本質的に含む。(例えば、
米国特許第2,831,854号、第3,600,186号、第3,963,6
99号、第4,517,360号、および第4,518,772号を参照し、こ
れら全てを参照することによって当該米国特許明細書の内容が本明細書の一部を
構成するものとする。これらの特許は全てポリオールポリエステルを製造するの
に適した方法を開示している。)
液状および固形状の難消化性および難吸収性材料の混合物を製造するとき、難
消化性粒子は、液状の難消化性の油中に分離して集合しないで存在するように分
散される。しかし、これらの難消化性の粒子は、液状の難消化性の油中に分散さ
れたさらに非常に大きな集合体を形成するように一緒に集合する。このことは、
難消化性粒子が小板類似形状であるときは特に事実である。小板類似形状の難消
化性粒子の集合は、典型的に多孔質の性質をもち、そして非常に多くの液状の難
消化性の油をとりこむことを可能にする。
固形状の難消化性の粒子は、単独で用いるか難消化性の液状油成分中に分散し
て用いてもよい。種々にエステル化されたポリオールポリエステル
「種々にエステル化されたポリオールポリエステル」には、二つの基本種類の
エステル基:(a)長鎖飽和脂肪酸ラジカルから形成される基、および(b)こ
れらの長鎖飽和脂肪酸ラジカルに「非類似の」酸ラジカルから形成される基、を
含む。
適切な長鎖飽和脂肪酸ラジカルは、20〜30、最も好ましくは22〜26の
炭素原子を含む。長鎖飽和脂肪酸ラジカルは、全体のバランスによって、単一で
、または互いに混合物で用いられてもよい。通常、直鎖(つまりノルマル)脂肪
酸ラジカルを用いる。
非類似のラジカルは、C12以上の不飽和脂肪酸ラジカル、C2〜C12の飽和脂
肪酸ラジカル、またはこれらの混合物を含んでいる。または、この非類似のラジ
カルは、脂肪酸−脂肪酸ラジカル、芳香族酸ラジカル、超長鎖脂肪酸、種々の分
枝された環の酸ラジカル、または置換された酸ラジカルであってもよい。
好ましい「非類似の」酸ラジカルは、少なくとも12、好ましくは12〜26
、より好ましくは18〜22の炭素原子を含む長鎖不飽和脂肪酸ラジカル、なら
びに2〜12、好ましくは6〜12の炭素原子を含む短鎖飽和脂肪酸ラジカル、
およびこれらの混合物を含む。
脂肪酸−脂肪酸ラジカルは、もう一方の脂肪酸または他の有機酸とエステル化
された少なくとも一つの水酸基を有する脂肪酸ラジカルである。リシノール酸は
、好ましいヒドロキシ−脂肪酸である。ヒドロキシ−脂肪酸源としては、水素化
されたひまし油、ストロファンツス属種油、カレンドュラ薬用種油(calendula
officinalis seed oils)、水素化されたストロファンツス属種油、水素化され
たカレンドュラ薬用種油、タネツケバナ属ホウセンカ種油、カマウ油、アカメガ
シワ変色油(mallotus discolor oils)、アカメガシワカラオキシロイド油(ma
llotus claoxyloides oils)をあげることができる。
ヒドロキシ脂肪酸は、過マンガン酸カリウム、四酸化オスミウムおよび過酢酸
のような過酸などの酸化剤を利用する不飽和脂肪酸の酸化的水酸化によって、合
成的に製造される。この方法を用いて、9,10−ジヒドロキシ−オクタデカン
酸はオレイン酸より製造され、9,10,12,13−テトラヒドロキシ−オク
タデカン酸はリノール酸より製造される。10−ヒドロキシ−12−シス−オク
タデカン酸および10−ヒドロキシ−12−シス,15−シス−オクタデカン酸
などのヒドロキシ脂肪酸を製造するもう一つの方法は、ノカルジア属コレステロ
リン(Cholesteroliim)のような微生物からのリノール酸およびリノレン酸な
どの脂肪酸の変換よる合成的によるものである。
ポリオールのエステル化に用いられるのと同じ脂肪酸源は、ヒドロキシ脂肪酸
ラジカルのヒドロキシ基のエステル化に用いることができる。これらには、安息
香酸またはトルイル酸などの芳香族酸;イソブチル酸、ネオクタン酸、またはメ
チルステアリン酸などの分枝鎖ラジカル;トリコサン酸またはトリコセン酸など
の超長鎖飽和または不飽和脂肪酸ラジカル;カルボン酸シクロヘキサンなどの環
状脂肪族;ポリアクリル酸および二量体脂肪酸などのポリマー性エステル形成ラ
ジカルが含まれる。
芳香族酸ラジカルは、非類似のエステル基として用いられてもよい。安息香酸
またはトルイル酸などの安息香酸化合物;アミノ安息香酸およびアミノメチル安
息香酸などのアミノ安息香酸化合物;ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、および
サリチル酸などのヒドロキシ安息香酸化合物;アニス酸などのメトキシ安息香酸
化合物;アセチルマンデル酸などのアセトキシフェニル酢酸化合物;クロロ安息
香酸、ジクロロ安息香酸、およびフルオロ安息香酸などのハロ安息香酸化合物;
アセチル安息香酸、クミン酸、フェニル安息香酸、ニコチン酸;およびカルボン
酸フルオレンを含む多環式芳香族ラジカルを含む広範囲の芳香族化合物は、全体
のバランスで、単一で、または互いに混合物で用いられる。
種々の他のエステル形成ラジカルは、ここで用いられる種々にエステル化され
たポリオールポリエステル粒子の非類似のエステル基を形成するラジカルとして
役立つ。かかる他のラジカルは、分枝されたアルキル鎖;超長鎖飽和または不飽
和ラジカル;カルボン酸シクロブタン、カルボン酸シクロペンタン、カルボン酸
シクロヘキサン、酢酸シクロヘキサン、およびアスコルビン酸のようなヒドロキ
シ環を含む環状脂肪族ラジカル;アビエチン酸などの多環式脂肪族ラジカル、ポ
リアクリル酸および二量体脂肪酸などのポリマー性エステル形成ラジカル;ハロ
ゲンアミノまたはアリール基を有するアルキル鎖ラジカルであってもよい。
種々にエステル化されたポリオールポリエステルは、記載されたポリオールポ
リエステルの製造方法によって必要な種類のエステル形成ラジカルとの望ましい
ポリオールをエステル化することによって製造される。非類似の酸ラジカルと長
鎖飽和脂肪酸ラジカルを混合させて、種々のエステル化された固形状ポリオール
ポリエステルを製造するのにメチルエステル経路を利用するとき、数種類の酸(
非類似の酸、または長鎖飽和脂肪酸など)のうちの一つのオクタエステルをまず
製造し、次に他の種類の酸のメチルエステルとこの初期反応生成物の部分的内部
エステル化(interesterification)をする。
これらのポリオールポリエステルは、より少ない蝋質のためより低い固形レベ
ルが望ましいところで、特に有用である。ポリオールポリエステルポリマー
他の固形状の難消化性ポリオールポリエステルは、ポリオールポリエステルポ
リマーを含む。ポリオールポリエステルポリマーは、ポリオールポリエステルモ
ノマーを重合することによって形成され、脂肪酸ラジカル間の共有結合によって
結合された少なくとも二つの別個のエステル化されたポリオール部分を有する分
子を提供する。例えば、二つのスクロースオクタベヘネートモノマー(sucrose
octabehenate monomer)は、脂肪酸間を架橋し、ポリマーを形成する。かかるポ
リオールポリエステルポリマーの繰り返し単位は同じでも異なっていてもよく、
よってこの明細書の内容の一般名「ポリマー」は特定名「コポリマー」を含む。
かかるポリオールポリエステルポリマーを作り上げる繰り返しモノマー(または
コモノマー)の数は、約2〜20、好ましくは約2〜12である。これらを製造
する方法によって、ポリオールポリエステルポリマーはしばしば、2〜4のモノ
マー単位を有するオリゴマー、つまり二量体、三量体、または四量体である。
最も好ましいポリオールポリエステルポリマーは、約4000〜約60,00
0、好ましくは約4000〜約36,000、より好ましくは約5000〜約1
2,000の数平均分子量を有するスクロースポリエステルポリマーである。
固形状ポリオールポリエステルポリマーを製造する一つの方法は、限定はされ
ないが、光化学反応および遷移金属イオン、加熱、またはジ−tert−ブチル過酸
化物のようなフリーラジカル開始剤による反応を含むよく知られている方法を用
いポリオールポリエステルの重合によるものである。
他に、ポリオールポリエステルポリマーは、多塩基重合された脂肪酸またはこ
れらの誘導体とのポリオール材料のエステル化および/または内部エステル化に
よって直接製造される。例えば、ポリオールポリエステルポリマーは、スクロー
スと望ましいポリマー酸の酸塩化物または酸無水物の反応、好ましくは逐次エス
テル化方法を用いて製造される。ポリオールポリエステルポリマーは、脂肪酸セ
ッケンと、炭酸カリウムのような塩基触媒との存在下で、スクロースとの望まし
いポリマー酸のメチルエステルを反応することによって製造される。
重合可能な酸の一般的な例は、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸
、パリナリン酸、エイコサジエン酸、エイコサテトラエン酸、アラキドン酸、5
,13−ドコサジエン酸、およびクルパノドン酸(clupanodonic acid)などの
2以上の二重結合(ポリ不飽和酸)を含む酸である。オレイン酸、エライジン酸
、およびエルカ酸などの単不飽和脂肪酸は、適切な長鎖脂肪酸二量体を製造する
のにも用いられ、そして固形状ポリオールポリエステルポリマーを形成するのに
も用いられる。ポリオールポリエステル含有ポリマーを製造するのに用いる好ま
しい多塩基重合された脂肪酸および脂肪酸誘導体は、大豆油または綿実油などの
多不飽和植物性油または獣脂などの動物性脂肪より誘導された脂肪酸、または脂
肪酸低級エステルの二量化によって製造される二塩基酸を含む。
多塩基重合された脂肪酸の前述の種類全ては、当業者に知られた種々の方法で
、製造される。(Luttonによる1967年11月21日に発行された米国特許
第3,353,967号、Goebelによる1949年9月27日に発行された米
国特許第2,482,761号、Harrisonらによる1956年1月17日に発
行された米国特許第2,731,481号、およびBarrettらによる1957年
5月21日に発行された米国特許第2,793,219号を参照し、これら全て
を参照することによって、これらの特許出願の明細書の内容が本明細書の一部を
構成するものとする。)ポリグリセロールエステル
第3の難消化性の固形物は、ポリグリセロールエステルである。ポリグリセロ
ールエステルは、少なくとも約2、好ましくは約3〜10、さらに最も好ましく
は約4〜8のグリセロール部分を含む。かかるポリグリセロールエステル混合物
中のグリセロール部分の数の分布は、狭くても広くてもよい。典型的に、ポリグ
リセロールの少なくとも約30%の水酸基が、脂肪酸とエステル化する。好まし
くは、少なくとも約50%の水酸基は、長鎖脂肪酸の約40%が飽和し、少なく
とも炭素数18である長鎖(C16〜C26)脂肪酸ラジカルでエステル化される。
好ましくは長鎖脂肪酸の少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも75%
が、飽和され、少なくとも炭素数18である。好ましくは、ポリグリセロールエ
ステルは、ロジン値(lodine Value)が50より少なく、好ましくは約20よ
り少なく、最も好ましくは約5より少ない。
固形状ポリグリセロールエステル材料は、ポリオールポリエステルを製造する
のに知られている方法と同様にして製造される。共結晶化されたハードストックおよび結晶改質剤の配合物
(1)ポリオールポリエステルハードストック、つまり固形状で通常飽和され
たポリオールポリエステルと、(2)結晶改質剤との共結晶化された配合物も用
いることができる。結晶改質剤に対するハードストックの粒子割合は、選択され
た特定のハードストックおよび/または結晶改質剤、および所望する特定固形特
性に依存する。好ましくは、結晶改質剤に対するハードストックの割合は、約9
5:5〜約25:75、さらに好ましくは約90:10〜約40:60、最も好
ましくは約80:20〜約60:40である。
共結晶化された配合物を形成するのに有用な固状ポリオール脂肪酸ポリエステ
ルハードストックは、約37℃以上、好ましくは約50℃以上、最も好ましくは
約60℃以上の温度で固形であるものである。結晶改質剤材料は、液状の難消化
性の油中で共結晶化された際に、より小さな粒子を形成するための固形状ポリオ
ールポリエステルハードストック材料を含むことの可能な如何なる材料も含むこ
とが可能である。
適切な種類の結晶改質剤の例としては、種々のエステル化されたポリオールポ
リエステル、ポリオールポリエステルポリマー、ポリグリセロールエステル、な
らびに脂肪酸モノグリセリド、長鎖アルキルまたはエステル基を有する天然に生
じる蝋、パラフィン族炭化水素の微小結晶蝋および長鎖アルコールなどの他の材
料があげられる。C18以上の飽和脂肪酸を含むモノグリセリドが好ましい。モノ
ベヘニン(Monobehenin)が特に好ましい。好ましい天然に生じる蝋材料は、蜜
蝋である。蜜蝋は、大部分をミリシルパルミテート、セロチン酸およびエステル
、およびいくらかを高級炭素パラフインからなる。
適切な結晶改質剤の種類のポリオールポリエステルの特別な例としては、スク
ローステスラベヘネートテトラカプリレート、スクロースペンタベヘネートトリ
ラウレート、スクロースヘキサベヘネートジカプリレート、スクロースヘキサベ
ヘネートジラウレートが挙げられる。他の例としては、モル比1:2のパルミト
レイン酸とアラキド脂肪酸ラジカルのソルビトールヘキサエステル、モル比1:
3のリノール酸とベヘン脂肪酸ラジカルのラフィノースオクタエステル、モル比
3:4のひまわり油の混合物とリグノセリン脂肪酸ラジカルのマルトースヘプタ
エステル、モル比2:6のオレイン酸とベヘン脂肪酸ラジカルのスクロースオク
タエステル、モル比1:3:4のラウリン酸、リノール酸、ベヘン脂肪酸ラジカ
ルのスクロースオクタエステル、および不飽和:ベヘン酸ラジカルのモル比が約
1:7〜3:5のC18単−および/または二不飽和脂肪酸ラジカルとベヘン脂肪
酸ラジカルのスクロースヘプタ−およびオクタエステルがある。慣用の脂肪
本発明の組成物は、追加的に、天然または合成脂肪または油を含んでもよい。
ここで用いる油またはトリグリセリドとしては、部分的にまたは全体に水素化さ
れたココナッツ油、パームナッツ油、ヤシ油、マリン油(marine oil)、ラード
、獣脂、バター脂肪、ココアバター脂肪、大豆油、ベニバナ油、綿実油、菜種油
、コーン油、ひまわり油、カノーラ油、およびこれらの混合物が挙げられる。こ
れらの用いられる天然または合成脂肪または油の総合量は、望ましい脂肪減少の
総量に多少依存する。ベータ−カロテン/シクロデキストリン複合体 ベータカロテン
ベータ−カロテンは、天然に生じるビタミンAの前駆体であり、橙/黄色顔料
としてしばしば用いられる。分子構造は、ビタミンAの分子構造と類似している
。ベータ−カロテンは、典型的に藻のような植物源から抽出することによって誘
導される。この抽出方法は、当業界でよく知られている。ベータ−カロテンは米
国特許第4,504,499号に開示されたような公知の化学方法を用いて合成
されてもよい。ベータ−カロテンは、空気、UV光、または高温にさらされると
容易に分解する。そのため、ベータ−カロテンは通常、安定した形状で販売され
ている。安定化したベータ−カロテンは、例えば、BASF会社およびHoffman
LaRoche、Nutley、NJなどの種々の市販元から容易に入手可能である。本
発明の実施においては、供給源で特別な調製を通してのみ入手可能な適切なベー
タ−カロテン結晶を用いること好ましい。
ベータ−カロテンは、有機溶剤に溶解される。ここで用いるのに適した有機溶
剤は、カロテノイドに対する溶剤として知られている。溶剤は、水の沸点より低
く沸騰するか、水と共蒸留しなければならない。かかる溶剤は、アセトン、アル
コール、エーテル、ヘキサンおよびメチルエチルケトンを含む。他の溶剤も用い
られるが、例えば炭化水素、ハロゲン化された脂肪族炭化水素、石油エーテル、
ならびにクロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレンなどのポリハロゲン化された
メタン、ベンゼン、および二硫化炭素などは、食料用途にはあまり好ましくない
。ここで用いられるのに好ましい溶剤はアセトンである。
粉体状である本発明の組成物は、約0.1〜約32重量%、好ましくは約1〜
約32重量%、およびより好ましくは約10〜約32重量%のベータ−カロテン
を含み、残りがシクロデキストリンである。シクロデキストリン
ここで用いるシクロデキストリンは、ベータ−カロテンおよび類似のカルテノ
イドと包接複合体を形成することのできるベータ−シクロデキストリンの水溶性
誘導体である。本発明で用いるベータ−シクロデキストリンは、例えば、ベータ
−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−ジ−O−メチル)−ベータ−シク
ロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン、2,
3−ジヒドロキシ・プロピル−ベータ−シクロデキストリン、ポリ−ベータ−シ
クロデキストリン、またはこれらの混合物を含む。ここで用いられるシクロデキ
ストリンは、分子量が少なくとも972グラム/モル、および25℃で少なくと
も1.8グラム/100ミリリットルの水溶性を有する。
シクロデキストリンは、約0.5〜約50%の濃度で水に溶解する。ベータ−カロテン/シクロデキストリン複合体の製造
本発明の粉体化した水溶性ベータ−カロテン組成物は、上の「シクロデキスト
リン」の章で記載したように、シクロデキストリンの水溶液を初めに形成するこ
とによって製造される。ベータ−カロテン溶液は、約45〜約95℃の温度に加
熱される。別々に、ベータ−カロテン、およびもし所望するなら酸化防止剤を有
機溶剤に溶解し、ベータ−カロテンの超飽和溶液(b)を形成する。
溶剤/ベータ−カロテン溶液(b)を、素早く撹拌しながらベータ−シクロデ
キストリンの温溶液(a)に、ゆっくりと加える。この温ベータ−シクロデキス
トリン溶液にベータ−カロテン溶液を加えることによって、蒸発すべき過剰な溶
剤を生じる。溶剤を含むベータ−カロテン溶液の追加を、反応瓶の中に溶剤が蓄
積するのを防ぐのに十分な速度でベータ−シクロデキストリンに加えるというこ
とは、本発明で重要である。全ての有機溶剤を蒸発した後、組み合わされた水溶
液(c)内の過剰なベータ−カロテンの存在は、当業界で知られるいずれかの分
離方法で取り除かれる(例えば、濾過、傾しゃ法、遠心分離など)。好ましい分
離方法は、濾過である。複合されたベータ−カロテンを含む残りの水溶液(d)
を蒸発して、乾燥した。得られる粉体は、当業界で知られる方法によって所望の
粒子サイズに縮小される。
ここで製造された水溶性ベータ−カロテン粉体は、約0.1〜約32%、好ま
しくは約1〜約32%のベータ−カロテンを含む。
一般に、水溶性ベータ−カロテン組成物は、約0.001〜約10%の量で本
発明の組成物中に含まれている。追加の構成要素 ビタミン
ビタミンを、本発明のポリオールポリエステルを強化するために用いてもよい
。ビタミンD、E、およびKを提供する適切なビタミンおよび/または適切なビ
タミン混合物の工業的製造が、ここでは用いられる。好ましくは、脂溶性ビタミ
ンは、水溶性を増加するカプセル化された形状である。ここで用いる脂溶性ビタ
ミンは、ビタミンD、ビタミンE、およびビタミンKを含む。
本発明の組成物を強化するのに用いられる個々の脂溶性ビタミンの量は、変化
させることができる。さらに用いられる脂溶性ビタミンの量は、ビタミンの水溶
性度に依存する。一般に、ポリエステルは、平均推奨食指許容量の約0.08%
〜約150%を提供するのに十分な脂溶性ビタミンで強化される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C07C 403/24 C07C 403/24
C08B 37/16 C08B 37/16
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.a)食用で、難吸収性で、難消化性の脂肪と、 b)水溶性ベータ−シクロデキストリンまたはベータ−シクロデキストリン 誘導体、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれ、分子量が少なくとも97 2グラム/モルであるシクロデキストリンと複合されているベータ−カロテンと 、 を含有することを特徴とする組成物。 2.a)食用で、難吸収性で、難消化性の脂肪と、 b)トリグリセリドと、 c)水溶性ベータ−シクロデキストリンまたはベータ−シクロデキストリン 誘導体、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれ、分子量が少なくとも97 2グラム/モルであるシクロデキストリンと複合されているベータ−カロテンと 、 を含有することを特徴とする組成物。 3.前記食用で、難吸収性で、難消化性の脂肪が、ポリオール脂肪酸ポリエステ ル、種々にエステル化されたポリオール、ポリオールポリエステルポリマー、ポ リグリセロールエステル、または共結晶化されたポリグリセロールハードストッ クと結晶改質剤の配合物、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれることを 特徴とする請求項1または2に記載の組成物。 4.前記シクロデキストリンが、2−ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキ ストリンであることを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
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