JP3260373B2 - 受動的オイルロスコントロールのために比較的小さな非消化性固体粒子を含有した非消化性脂肪組成物 - Google Patents

受動的オイルロスコントロールのために比較的小さな非消化性固体粒子を含有した非消化性脂肪組成物

Info

Publication number
JP3260373B2
JP3260373B2 JP51118294A JP51118294A JP3260373B2 JP 3260373 B2 JP3260373 B2 JP 3260373B2 JP 51118294 A JP51118294 A JP 51118294A JP 51118294 A JP51118294 A JP 51118294A JP 3260373 B2 JP3260373 B2 JP 3260373B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
digestible
oil
fatty acid
polyol
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP51118294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08502658A (ja
Inventor
ジェイムズ エルセン,ジョセフ
ジョン ケスター,ジェフリー
ヤウ ターク リン,ピーター
ジョセフ ウェーマイヤー,トーマス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Procter and Gamble Co
Original Assignee
Procter and Gamble Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Procter and Gamble Co filed Critical Procter and Gamble Co
Publication of JPH08502658A publication Critical patent/JPH08502658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3260373B2 publication Critical patent/JP3260373B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23DEDIBLE OILS OR FATS, e.g. MARGARINES, SHORTENINGS, COOKING OILS
    • A23D9/00Other edible oils or fats, e.g. shortenings, cooking oils
    • A23D9/007Other edible oils or fats, e.g. shortenings, cooking oils characterised by ingredients other than fatty acid triglycerides
    • A23D9/013Other fatty acid esters, e.g. phosphatides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/20Reducing nutritive value; Dietetic products with reduced nutritive value
    • A23L33/21Addition of substantially indigestible substances, e.g. dietary fibres
    • A23L33/25Synthetic polymers, e.g. vinylic or acrylic polymers
    • A23L33/26Polyol polyesters, e.g. sucrose polyesters; Synthetic sugar polymers, e.g. polydextrose
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S426/00Food or edible material: processes, compositions, and products
    • Y10S426/804Low calorie, low sodium or hypoallergic

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、食品でトリグリセルド油脂の全又は一部代
替物として有用である非消化性脂肪組成物に関する。更
に詳しくは、本発明は過度なロウ状の味覚なしに受動的
オイルロス(passive oil loss)コントロールを示すこ
のような非消化性脂肪組成物を提供する。
発明の背景 あるポリオール脂肪酸ポリエステルは、食品で用いら
れるトリグリセリド油脂の低カロリー代替物として示唆
された。例えば、少くとも4つの脂肪酸エステル基を有
して、各脂肪酸が8〜22の炭素原子を有する、非吸収性
非消化性糖脂肪酸エステル又は糖アルコール脂肪酸エス
テルは、低カロリー食品組成物で部分又は全脂肪代替物
として用いられてきた(Mattson & Volpenhein、米国
特許第3,600,186号、1971年8月17日付発行参照)。こ
れらのポリオールポリエステルがトリグリセリド油脂の
一部又は完全代替物として特に有用である食品には、フ
ライ揚げで使用に適した製品がある。残念ながら、完全
液体形のこれらポリオールポリエステルの中〜高レベル
の日常的摂取は望ましくない受動的オイルロス、即ち肛
門括約筋からのポリエステルの漏出を生じることがあ
る。対照的に、完全固体形のこれらポリエステルは口内
温度(例えば、92゜F、33.3℃)で十分に高い固体含有
分を有するため、それらは摂取時に口内でロウ状味覚又
は印象を示す。
これらの完全液体又は完全固体非消化性/非吸収性ポ
リオールポリエステルの代わりに、受動的オイルロスコ
ントロールと同時に口内で低いロウ性を示すある中間融
点ポリオール脂肪酸ポリエステルが開発された(Bernha
rdt、欧州特許出願第236,288号及び第233,856号、各々1
987年9月9日及び8月26日付公開参照)。これらの中
間融点ポリオールポリエステルは、残留液体部分と結合
する最少レベルの固体分(例えば、約12%以下)を含ん
だマトリックスをそれらが有するために、体温で独特な
レオロジーを示す。結果として、これらの中間融点ポリ
オールポリエステルは受動的オイルロスコントロールを
示す上で体温で十分に粘稠であり、しかも十分に高い液
体/固体安定性を有している。このような中間融点ポリ
オールポリエステルの例は、完全に水素付加された(ハ
ードストック)及び部分的に水素付加された大豆油脂肪
酸メチルエステルの55:45混合物でスクロースを実質上
完全にエステル化することにより得られるエステルであ
る(上記欧州特許出願の例1及び2参照)。
これらの中間融点ポリオールポリエステルは、調理及
びフライ油を含めた様々な食品で、他の油脂の全又は一
部代替物として使用できる。しかしながら、実質レベ
ル、特に約40%を超えるレベルでこれら非消化性中間融
点ポリオールポリエステルを含有したフライ脂肪で揚げ
られたポテトチップのようなある食品は、非消化性ポリ
オールポリエステルが一部置き代わった消化性トリグリ
セリド油脂で揚げられたポテトチップと比較して、有意
に高いロウ性印象を示すことがわかった(物理的性質に
関して、“ロウ性”とは脂肪組成物が口内でどのように
感じられるかに関し、特に比較的高レベルの固体分を有
した製品の感覚に一部関する)。実際に、これらの中間
融点ポリオールポリエステルに関するこの高ロウ性印象
は前記欧州特許出願第233,856号で認識されており、そ
の出願では中間融点ポリオールポリエステルの溶媒とし
て作用するトリグリセリドと置換モノ及びジグリセリド
のような消化性食品物質を含有した脂肪組成物について
開示している。しかしながら、低いロウ性を付与するよ
うにトリグリセリドの割合が中間融点ポリオールポリエ
ステルに対して増加されると、フライ脂肪のカロリー分
もそれに応じて増加してゆく。加えて、約40%以上のこ
れら中間融点ポリオールポリエステルを含有したフライ
脂肪は得られるフライド食品、特にポテトチップのフレ
ーバー発現に悪影響を与えることがある。
上記欧州′288及び′856出願の場合のような中間融点
ポリオールポリエステルで示されるロウ性印象は、特に
典型液室温(即ち、70゜F、21.1℃)〜体温(即ち、98.
6゜F、37℃)で固体脂肪含有率(SFC)に関するそれら
の変化に少くとも一部起因していると考えられる。例え
ば、欧州特許出願第233,856号及び第236,128号明細書の
例2の中間融点スクロースポリエステルは室温〜体温で
約−1.3のSFC分布勾配(後で定義される)を有する。換
言すれば、これら中間融点ポリオールポリエステルのSF
C分布勾配は比較的急である。この比較的急なSFC分布勾
配のために、これら中間融点ポリオールポリエステルの
固体含有分の変化は十分大きく、その結果このような室
温物質が最初に口内に置かれたとき高レベルの固体分が
感じられ、それにより高いロウ性感覚を出している。
好ましくはC10−C22飽和脂肪酸でエステル化された完
全に固体のポリオールポリエステルハードストック(例
えば、スクロースオクタステアレート)と完全に液体の
ポリオールポリエステルとのブレンドも、受動的オイル
ロスコントロールを示すために提案された(例えばJand
acek、米国特許第4,005,195号;Jandacek/Mattson、米国
特許第4,005,196号;双方とも1977年1月25日付発行参
照)。これら液体ポリオールポリエステル及び固体ポリ
オールポリエステルハードストックのブレンドは、典型
的室温〜体温で比較的平坦なSFC分布勾配、即ち0〜約
−0.3、更に典型的には0〜約−0.1の勾配を有してい
る。換言すれば、室温〜体温でこれらブレンの固体含有
分にほとんど又は全く変化がない。
少なくとも一時的な受動的オイルロスコントロールを
示すが、上記米国′195及び′196特許による液体ポリオ
ールポリエステル及び固体ポリオールポリエステルハー
ドストックのブレンドは必ずしも長期間にわたり受動的
オイルロスコントロールを示さない。これらの固体ポリ
オールポリエステルハードストックは液体ポリオールポ
リエステル中で大きな球晶粒子(典型的には約3〜約32
μmの大きさ)を通常形成しがちであることがわかっ
た。これらの大きな球晶粒子は、このようなブレンド貯
蔵中に液体ポリオールポリエステルから相分離する傾向
がある。結果的に、2相系がその液体部分で生じて、最
少でしか又は全く受動的オイルロスコントロールを示さ
ない。
加えて、上記米国特許第4,005,195号及び第4,005,196
号による液体ポリオールポリエステル及び固体ポリオー
ルポリエステルハードストックのブレンドは必ずしも低
ロウ状味覚製品にならない。これらの特許明細書で示さ
れるように、比較的高レベルの固体ポリオールポリエス
テルハードストックが受動的オイルロスコントロールを
示す上で要求される。例えば、ハードストックは液体ポ
リオールポリエステルの約20〜約50重量%の量で用いら
れることが好ましい(米国特許第4,005,195号明細書の
第9欄、65〜68行目参照)。体温で受動的オイルロスコ
ントロールのために用いられるこのようなレベルの固体
ポリオールポリエステルハードストックは、口内温度で
も存在する比較的高レベルの固体分のせいで、ロウ状味
覚製品になることがある。
上記からみて、液体ポリオールポリエステル及び固体
ポリオールポリエステルハードストック粒子のブレンド
を含んで、このようなブレンドが液体ポリオールポリエ
ステルからのハードストック粒子の相分離をほとんど又
は全く示さない非消化性脂肪組成物を提供することが望
まれる。加えて、低ロウ状味覚製品を提供するために、
有効な受動的オイルロスコントロールに要求される固体
ポリオールポリエステルハードストックのレベルを減少
できることが望まれる。
発明の要旨 本発明は食品でトリグリセリド油脂の代替物として有
用な非消化性脂肪組成物に関する。このような組成物は
室温(70゜F、21℃)〜体温(98.6゜F、37℃)で0〜約
−0.75%固体分/゜Fの固体脂肪含有率(SFC)分布勾配
を有している。このような組成物は更に、非消化性脂肪
組成物の摂取時に受動的オイルロスをコントロールする
ために十分な量で非消化性固体ポリオールポリエステル
粒子を分散させた液体非消化性油成分を含んでいる。
本組成物の液体非消化性油成分は、約37℃以下の完全
融点を有するものである。本組成物でオイルロスコント
ロール剤として用いられる非消化性固体粒子を形成する
ために使用できるポリオールポリエステルは、約37℃以
上だが約500℃以下の完全融点を有するものである。し
かも上記固体粒子は、ポリオール成分が少くとも4つの
ヒドロキシル基を有して、そのうち少くとも4つがエス
テル化されており、ポリオールポリエステルのエステル
基が約1:15〜約2:1の短鎖対長鎖モル比である“短鎖”
脂肪酸基及びある“長鎖”脂肪酸基の組合せから構成さ
れるが、但し少くとも15重量%の最小長鎖含有率であ
る、ポリオールポリエステルのみからなることはない。
この但し書きの目的から、“短鎖”脂肪酸基はa)C12
以上不飽和脂肪酸基、b)C2−C12飽和脂肪酸基、又は
c)このような不飽和及び飽和基の混合として定義され
る。更に、“長鎖”脂肪酸基は、この但し書きの目的か
ら、C20以上飽和脂肪酸基として定義される。
本組成物の液体非消化性油成分中に分散された非消化
性固体粒子は、約1μm以下の厚さ(即ち、最小寸法)
を有するものとして更に特徴付けできる。一方、本脂肪
組成物で用いられる非消化性固体粒子は、約16g以下の
油分離値(後で定義される)を脂肪組成物に付与するも
の、又は少くとも約10kPa/secのチキソトロピー面積値
(後で定義される)を脂肪組成物に付与するものとして
特徴付けできる。
本発明の非消化性脂肪組成物は、公知の中間融点ポリ
オールポリエステルよりも、また、液体ポリオールポリ
エステルと固体ポリオールポリエステルハードストック
との従来のブレンドよりも大きな利点を示す。比較的小
さな非消化性粒子は、特に効率的な受動的オイルロスコ
ントロールを示す。結果的に、受動的オイルロスコント
ロールに要求される体温での固体分レベルは比較的低レ
ベル(例えば、非消化性脂肪の約20%以下、更に好まし
くは約15%以下)まで減少させることができる。加え
て、本発明の非消化性脂肪は比較的平坦なSFC分布勾配
を有し、このため典型的室温〜体温で固体含有分の変化
率を最少にするか又は消失させる。受動的オイルロスコ
ントロールに要求される比較的低い固体分レベルと、室
温〜体温で最少/無固体含有分変化率とのこの組合せ
で、これらの非消化性脂肪を含有した低ロウ状味覚製品
を得ることができる。
図面の簡単な説明 図1a〜1cは、スクロースオクタエステルモノマー、ダ
イマー及びトリマーの略図を各々表している。
図2は、ポテトチップの冷却プロフィルを表すテンプ
レート(template)である。
図3は、後の分析方法セクションで記載された油分離
方法で用いられるローラー装置の略図である。
図4は、非類似エステル基としてトルイル酸を含む多
様エステル化固体スクロースポリエステルの粒子につい
て表す顕微鏡写真(倍率1000×)であって、上記固体ス
クロースポリエステルは液体スクロースポリエステル中
に分散されている。
図5は、液体スクロースポリエステル中に分散された
固体スクロースポリエステルポリマー/モノマーブレン
ド粒子について表す顕微鏡写真(倍率1000×)である。
図6は、液体スクロースポリエステル中に分散された
固体ポリグリセロールエステルの粒子について表す顕微
鏡写真(倍率1000×)である。
図7a〜7dは、各々1%、3%、6%及び9%の全固体
レベルで液体スクロースポリエステル中に分散された固
体スクロースポリエステルハードストックの粒子につい
て表す顕微鏡写真(倍率1000×)である。
図8は、固体スクロースポリエステルハードストック
と、ヒマワリ及びベヘン脂肪酸の混合を含む固体スクロ
ースポリエステル結晶調節剤とのブレンドについて表す
顕微鏡写真(倍率1000×)であって、そのブレンドは3
%の全固体レベルで液体スクロースポリエステル中に分
散されており、ハードストック対結晶調節剤の比率は6:
4である。
図9は、固体スクロースポリエステルハードストック
と、2:6のモル比でラウリン及びベヘン脂肪酸の混合を
含む固体スクロースポリエステル結晶調節剤とのブレン
ドについて表す顕微鏡写真(倍率1000×)であって、そ
のブレンドは3%の全固体レベルで液体スクロースポリ
エステル中に分散されており、ハードストック対結晶調
節剤の比率は6:4である。
図10は、固体スクロースポリエステルハードストック
と、1:7のモル比でラウリン及びベヘン脂肪酸の混合を
含む固体スクロースポリエステル結晶調節剤とのブレン
ドについて表す顕微鏡写真(倍率1000×)であって、そ
のブレンドは3%の全固体レベルで液体スクロースポリ
エステル中に分散されており、ハードストック対結晶調
節剤の比率は6:4である。
発明の具体的な説明 I.定義 “非消化性”とは、こうして特徴付けられた物質の約
70%以下だけが体で消化できることを意味する。好まし
くは、このような物質の約20%以下だけ、更に好ましく
は約1%以下だけが消化できる。一方、“非消化性”と
は物質の約70%以下だけ、好ましくは約20%以下だけ、
更に好ましくは約1%以下だけが後の分析方法セクショ
ンで記載されたリパーゼ試験で酵素によりトリグリセリ
ドについて加水分解されうることも意味することができ
る。
本明細書で用いられる粒子の“厚さ”という用語は、
所定粒子の三寸法(長さ、幅、高さ)のうち最少の慣用
的意味で用いられる。
本明細書で用いられる“球晶”という用語は、実質上
球形又は丸形で本質的に三次元の粒子に関する。
本明細書で用いられる“小板様”という用語は、厚さ
よりも寸法が実質上大きい非折りたたみ平面的立体配置
で長さ及び幅を有した、実質上平坦で本質的に二次元タ
イプの粒子に関する。
本明細書で用いられる“フィラメント様”及び“棒
様”という用語は、細長い本質的に一次元の粒子に関す
る。
本明細書で用いられる“完全融点”という用語は、全
固体成分が溶融する温度に関する。本明細書で言及され
るすべての融点は、後記のような示差走査熱量測定(DS
C)で測定される。
本明細書で用いられる“結晶化温度”という用語は、
固体結晶粒子が液相から形成し始める温度に関する。
本明細書で用いられる“共結晶性ブレンド”及び“共
結晶性粒子”という用語は、ポリオールポリエステルハ
ードストック及び結晶調節剤が液相から同時に結晶化す
るブレンド又は粒子に関し、即ちブレンド又は粒子の成
分が類似した結晶化温度を有するか、あるいは結晶化温
度はハードストック及び結晶調節剤が同時に結晶化する
ような温度である。
本明細書で用いられる“含む”という用語は、様々な
成分又はステップが本発明の非消化性脂肪組成物及びプ
ロセスで一緒に使用できることを意味する。したがっ
て、“含む”という用語は更に制限的な用語“から本質
的になる”、“からなる”及び“から唯一なる”を包含
している。
本明細書で用いられる“のみからなることはない”と
いう用語は、100%未満からなること、好ましくは80%
未満からなること、更に好ましくは60%未満からなるこ
とを意味する。
“ポリオール”とは、少くとも4つ、好ましくは4〜
12、更に好ましくは4〜8、最も好ましくは6〜8のヒ
ドロキシル基を有する多価アルコールを意味する。この
ため、ポリオールには糖(即ち、単糖、二糖及び三
糖)、糖アルコール(即ち、アルデヒド又はケトン基が
アルコールに還元された糖の還元産物)、他の糖誘導体
(例えば、アルキルグリコシド)、ポリグリセロール、
例えばジグリセロール及びトリグリセロール、ペンタエ
リトリトールとポリビニルアルコールがある。適切な
糖、糖アルコール及び糖誘導体の具体例にはキシロー
ス、アラビノース、リボース、キシリトール、エリトリ
トール、グルコース、メチルグルコシド、マンノース、
ガラクトース、フルクトース、ソルビトール、マルトー
ス、ラクトース、スクロース、ラフィノース及びマルト
トリオースがある。好ましいポリオールにはエリトリト
ール、キシリトール、ソルビトール及びグリコースがあ
り、スクロースが特に好ましいポリオールである。
“ポリオールポリエステル”とは、少くとも4つのエ
ステル基を有する前記のようなポリオールを意味し、即
ち少くとも4つのヒドロキシル基が脂肪酸又は他の有機
酸でエステル化されている。3以下のエステル基を有す
るポリオールエステルは常用オリグリセリド油脂と同様
に通常腸管でかなり消化される(消化産物はそこから吸
収される)が、一方4以上のエステル基を有するポリオ
ールエステルは通常人体にとり実質上非消化性であり、
そのため非吸収性である。ポリオールのすべてのヒドロ
キシル基がエステル化されることは不要であるが、二糖
分子は、それらが非消化性とされるためには、3以下の
非エステル化ヒドロキシル基を有することが好ましく、
2以下の非エステル化ヒドロキシル基を有することが更
に好ましい。典型的には、ポリオールの実質上すべて
(例えば、少くとも約85%)のヒドロキシル基がエステ
ル化される。液体ポリオールポリエステルの場合には、
好ましくはポリオールのヒドロキシル基のうち少くとも
約95%がエステル化される。スクロースポリエステルの
場合には、典型的には、ポリオールのヒドロキシル基の
うち約7〜8がエステル化される。
“エステル基”とはヒドロキシル基と有機酸又は酸誘
導体との反応から形成される部分を意味し、その部分は
少くとも2つの炭素原子、典型的には少くとも8つの炭
素原子、更に典型的には少くとも12の炭素原子、最も典
型的には少くとも16の炭素原子を有する脂肪酸及び/又
は他の有機酸基を含んでいる。このような脂肪酸及び他
の有機酸基の代表例には酢酸、プロピオン酸、酪酸、カ
プリル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミ
リストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノール酸
(エステル化されていない、あるいは脂肪酸又は他の有
機酸でエステル化されたヒドロキシル基)、リノール
酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、
アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、エルカ酸及
びセロチン脂肪酸基と、他の有機酸基として安息香酸又
はトルイル酸のような芳香族エステル形成基;イソ酪
酸、ネオオクタン酸又はメチルステアリン酸のような分
岐鎖基;トリコサン酸又はトリコセン酸のような超長鎖
飽和又は不飽和脂肪酸基;シクロヘキサンカルボン酸の
ような環状脂肪族基;ポリアクリル酸及びダイマー脂肪
酸のようなポリマー酸エステル形成基がある。脂肪酸又
は他の有機酸基は天然又は合成酸から誘導することがで
きる。酸基は飽和でも又は不飽和でもよく、位置又は幾
何異性体、例えばシス又はトランス異性体を含み、直鎖
又は分岐鎖脂肪族又は芳香族であり、すべてのエステル
基について同一でも、又は異なる酸基の混合物であって
もよい。
本明細書で用いられるすべてのパーセンテージ、比率
及び割合は、他で指摘されないかぎり重量による。
B.液体非消化性油 本発明の非消化性脂肪組成物の主要成分は、約37℃以
下の完全融点を有した液体非消化性油である。本発明で
使用に適した液体非消化性食用油には、液体ポリオール
ポリエステル(Jandacek、米国特許第4,005,195号、197
7年1月25日発行参照);トリカルバリル酸の液体エス
テル(Hamm、米国特許第4,508,746号、1985年4月2日
付発行参照);マロン及びコハク酸の誘導体のようなジ
カルボン酸の液体ジエステル(Fulcher、米国特許第4,5
82,927号、1986年4月15日付発行参照);α−分岐鎖カ
ルボン酸の液体トリグリセリド(Whyte、米国特許第3,5
79,548号、1971年5月18日付発行参照);ネオペンチル
部分を有する液体エーテル及びエーテルエステル(Mini
ch、米国特許第2,962,419号、1960年11月29日付発行参
照);ポリグリセロールの液体脂肪ポリエーテル(Hunt
erら、米国特許第3,932,532号、1976年1月13日付発行
参照);液体アルキルグリコシド脂肪酸ポリエステル
(Meyerら、米国特許第4,840,815号、1989年6月20日付
発行参照);2つのエーテル結合ヒドロキシポリカルボン
酸(例えば、クエン又はイソクエン酸)の液体ポリエス
テル(Huhnら、米国特許第4,888,195号、1988年12月19
日付発行参照);エポキシド伸長ポリオールの液体エス
テル(Whiteら、米国特許第4,861,613号、1989年8月29
日付発行参照);液体ポリジメチルシロキサン(例え
ば、ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手できる
液体シリコーン)がある。液体非消化性油成分について
言及する上記特許すべてが参考のため本明細書に組み込
まれる。
好ましい液体非消化性油は、液体糖ポリエステル、液
体糖アルコールポリエステル及びそれらの混合物を含め
た液体ポリオールポリエステルである。これらの液体ポ
リオールポリエステルを製造する上で好ましい糖及び糖
アルコールにはエリトリトール、キシリトール、ソルビ
トール及びグルコースがあり、スクロースが特に好まし
い。これらの液体ポリオールポリエステル用の糖又は糖
アルコール出発物質は、好ましくは8〜22の炭素原子、
最も好ましくは8〜18の炭素原子を有する脂肪酸でエス
テル化される。このような脂肪酸の適切な天然源にはコ
ーン油脂肪酸、綿実油脂肪酸、ピーナツ油脂肪酸、大豆
油脂肪酸、カノーラ油脂肪酸(即ち、低エルカ酸菜種油
に由来する脂肪酸)、ヒマワリ種子油脂肪酸、ゴマ種子
油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、分別パーム油脂肪酸、
パーム核油脂肪酸、ココナツ油脂肪酸、獣脂肪酸及びラ
ード脂肪酸がある。
液体である非消化性ポリオールポリエステルとは、体
温(即ち、98.6゜F、37℃)で最少又は無固体分を有し
たものである。これらの液体ポリオールポリエステル
は、典型的には高割合でC12以下の脂肪酸基又は高割合
でC18以上の不飽和脂肪酸基を有するエステル基を含
む。高割合で不飽和C18以上脂肪酸基を有する液体ポリ
オールポリエステルのケースにおいて、ポリエステル分
子中に組み込まれた脂肪酸の少くとも約半分は典型的に
は不飽和である。このような液体ポリオールポリエステ
ルで好ましい不飽和脂肪酸はオレイン酸、リノール酸及
びそれらの混合物である。
以下は本発明で使用に適した具体的な液体ポリオール
ポリエステルの非制限例である:スクローステトラオレ
エート、スクロースペンタオレエート、スクロースヘキ
サオレエート、スクロースヘプタオレエート、スクロー
スオクタオレエート、不飽和大豆油脂肪酸、カノーラ油
脂肪酸、綿実油脂肪酸、コーン油脂肪酸、ピーナツ油脂
肪酸、パーム核油脂肪酸又はココナツ油脂肪酸のスクロ
ースヘプタ及びオクタエステル、グルコーステトラオレ
エート、ココナツ油又は不飽和大豆油脂肪酸のグルコー
ステトラエステル、混合大豆油脂肪酸のマンノーステト
ラエステル、オレイン酸のガラクトーステトラエステ
ル、リノール酸のアラビノーステトラエステル、キシロ
ーステトラリノレエート、ガラクトースペンタオレエー
ト、ソルビトールテトラオレエート、不飽和大豆油脂肪
酸のソルビトールヘキサエステル、キシリトールペンタ
オレエートとそれらの混合物。
本組成物で使用に適した液体ポリオールポリエステル
当業者に知られる様々な方法により製造できる。これら
の方法には:様々な触媒を用いる、望ましい酸基を有し
たメチル、エチル又はグリセロールエステルによるポリ
オール(即ち、糖又は糖アルコール)のエステル交換;
酸クロリドによるポリオールのアシル化;酸無水物によ
るポリオールのアシル化;及び望ましい酸自体によるポ
リオールのアシル化がある(例えば、米国特許第2,831,
854号、第3,600,186号、第3,963,699号、第4,517,360号
及び4,518,772号明細書参照;それらすべてが参考のた
めに組込まれる。これら特許すべてがポリオールポリエ
ステルを製造する適切な方法について開示している。) C.固体非消化性オイルロスコントロール粒子 本発明の非消化性脂肪組成物の第二主要成分は、受動
的オイルロスをコントロール又は防止するために、液体
非消化性油に分散されたあるポリオールポリエステル物
質の比較的小さな非消化性固体粒子を含んでいる。これ
らの粒子は球晶、小板様、フィラメント様、棒様又はこ
れら様々な形状の組合せを含めて様々な形態及び形状を
とるが、典型的には球晶又は小板様である。これら粒子
の厚さは典型的には約1μm以下である。しかしなが
ら、薄い粒子の方が、本組成物の液体非消化性油成分の
より効率的な受動的オイルロスコントロールを示す観点
からは好ましい。したがって、これらの粒子は好ましく
は0.1μm以下、更に好ましくは0.05μm以下の厚さを
有している。これらの粒子は約37℃以上だが約500℃以
下、好ましくは約50℃以上だが約200℃以下、更に好ま
しくは約60℃以上だが約100℃以下の完全融点を更に有
している。
これらの非消化性粒子を形成するポリオールポリエス
テル物質は、後の分析方法セクションで記載された示差
走査熱量測定(DSC)で測定されるような完全融点を有
しているべきであり、これはこのような粒子が液体非消
化性油中に分散されたときに非消化性粒子自体が前記特
定の融点特徴を有するほど十分に高い。例えば、37℃ち
ょうどの完全融点を有するポリオールポリエステル物質
は、このような粒子が液体非消化性油中に分散されたと
きに、約37℃以上の完全融点を有する固体粒子を形成し
ないことがある。このため、一部のケースでは、ニート
なポリオールポリエステル物質の完全融点は、このよう
な粒子が液体非消化性油と混合されたときに37℃の完全
融点を有する固体粒子を形成する上で、37℃よりやや高
い、例えば約40℃以上でなければならない。
これらの非消化性粒子は液体非消性化油中で個別の非
凝集物として通常分散することができる。しかしなが
ら、これらの非消化性粒子は液体非消化性油中に分散さ
れたかなり大きな凝集物を形成するように一緒に集合す
ることもできる。これは形態が小板様である非消化性粒
子のときに特に該当する。小板様非消化性粒子の凝集物
は典型的には特性上多孔質である球晶形状をとり、この
ため有意量の液体非消化性油を捕捉することができる。
多量の液体非消化性油を捕捉するこの多孔質構造とその
付随能力が、これらの凝集小板様粒子が非凝集形態の粒
子ほど効率的でないが非常に有効で効率的な受動的オイ
ルロスコントロールを示す理由であると考えられる。
受動的オイルロスコントロールを示すために非消化性
液体油成分中に分散された固体非消化性粒子は、様々な
有機及び無機双方の物質から形成することができる。本
発明の非消化性脂肪組成物で用いうる固体非消化性粒子
を形成するために使用できる好ましい物質に関する記載
は、以下のように示される: 1)多様エステル化ポリオールポリエステル 本発明で使用上好ましい1つのタイプの固体非消化性
粒子には、ポリオール主鎖が単一タイプのエステル基だ
けを含まないようにそれらのエステル基形成脂肪酸基を
選択した、あるポリオールポリエステルを含む。通常、
これらのポリオールポリエステルは2つの基本的タイプ
のエステル基を有する。これらは、(a)ある長鎖飽和
脂肪酸基から形成される基、及び(b)長鎖飽和脂肪酸
基に“非類似”である酸基から形成される基である。こ
れらの“非類似”脂肪酸及び/又が有機酸基が長鎖飽和
脂肪酸基を有するポリオール上でエステル化されると
き、それらは得られるポリオールポリエステル分子中に
多様なエステル化を導入し、それによりこれらの分子パ
ックとして一緒に結晶構造を変える。この多様なエステ
ル化は、エステル形成酸基の長さ(例えば、単鎖vs.長
鎖)又は他の立体的ファクター、例えば分岐鎖vs.直
鎖、不飽和鎖vs.飽和鎖、芳香族鎖vs.脂肪族鎖等の違い
に起因する。これらの“長鎖”及び“非類似”エステル
基を含むポリオールポリエステルは“多様エステル化ポ
リオールポリエステル”と呼ばれる。
a)多様エステル化ポリオールポリエステルオイル ロストコントール粒子の長鎖飽和脂肪酸成分 多様エステル化非消化性ポリオールポリエステル粒子
のエステル基には、ある長鎖飽和脂肪酸基から形成され
るものを含んでいなければならない。適切な長鎖飽和脂
肪酸基には20〜26、最も好ましくは22の炭素原子を含ん
だものがある。長鎖飽和脂肪酸基は全割合で単独で又は
互いに混合して用いることができる。加えて、直鎖(ノ
ルマル)脂肪酸基が、多様エステル化ポリオールポリエ
ステルのエステル基を形成する長鎖飽和脂肪酸基として
典型的に用いられる。適切な長鎖飽和脂肪酸基の例には
エイコサノエート(アラキデート)、ドコサノエート
(ベヘネート)、テトラコサノエート(リグノセレー
ト)及びヘキサコサノエート(セロテート)がある。
b)多様エステル化ポリオールポリエステルオイル ロスコントロール粒子の非類似エステル基形成成分 多様エステル化非消化性ポリオールポリエステル粒子
のエステル基には、前記のようなある非類似酸基から形
成されるものも含んでいなければならない。このような
非類似基はC12以上不飽和脂肪酸基、C2−C12飽和脂肪酸
基又はそれらの混合であっても、あるいは脂肪−脂肪酸
タイプ、芳香族エステル形成タイプ又は他のタイプ、例
えば超長鎖、様々な分岐環状又は置換酸基であってもよ
い。どんなタイプの非類似酸基が本発明の多様エステル
化ポリオールポリエステルオイルロスコントロール粒子
を形成するために利用されても、このような粒子は非類
似エステル形成酸基がC12以上不飽和脂肪酸基、C2−C12
飽和脂肪酸基又はそれらの混合を含んだ多様エステル化
固化ポリオールポリエステルから唯一なるべきではな
い。本発明の組成物で用いられる非消化性粒子は、非類
似酸基置換基としてこれら特定の長鎖不飽和及び/又は
短鎖飽和脂肪酸基を有するこのような多様エステル化固
体ポリオールポリエステルを、好ましくは約80%以下、
典型的には60%以下で含むべきである。
i)長鎖不飽和基 “非類似”酸基の好ましいクラスには長鎖不飽和脂肪
酸基がある。適切な長鎖不飽和脂肪酸基は少くとも12、
好ましくは12〜26、更に好ましくは18〜22、最も好まし
くは18の炭素原子を有する。
多様エステル化ポリオールポリエステルを形成する上
で使用に適した長鎖不飽和脂肪酸基の例には、ラウロレ
エート、ミリストレエート、パルミトレエート、オレエ
ート、エライデート及びエルケートのような一不飽和脂
肪酸基と、リノレエート、アラキドネート、リノレネー
ト、エイコサペンタエノエート及びドコサヘキサエノエ
ートのような多不飽和基がある。酸化安定性の点では、
一不飽和及び二不飽和脂肪酸基が好ましい。
ii)短鎖飽和基 “非類似”酸基のもう1つの好ましいクラスには短鎖
飽和脂肪酸基がある。適切な短鎖飽和脂肪酸基は2〜1
2、好ましくは6〜12、最も好ましくは8〜12の炭素原
子を有する。適切な短鎖飽和脂肪酸基の例はアセテー
ト、ブチレート、ヘキサノエート(カプロエート)、オ
クタノエート(カプリレート)、デカノエート(カプレ
ート)及びドデカノエート(ラウレート)である。
iii)脂肪−脂肪酸非類似エステル形成基 もう1つの適切なクラスの非類似エステル形成基に
は、本明細書で脂肪−脂肪酸基として表されるもので形
成されるものも含む。本明細書で用いられる“脂肪−脂
肪酸基”という用語は、別の脂肪酸又は他の有機酸でエ
ステル化された少くとも1つのヒドロキシル基を有する
脂肪酸基に関する。
別の脂肪酸でエステル化しうるヒドロキシル基を有し
た脂肪酸の例には、12−ヒドロキシ−9−オクタデセン
酸(リシノール酸)、12−ヒドロキシオクタデカン酸、
9−ヒドロキシオクタデカン酸、9−ヒドロキシ−10,1
2−オクタデカジエン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデ
カン酸、12,12−ジヒドロキシエイコサン酸及び18−ヒ
ドロキシ−9,11,13−オクタデカトリエン酸(カモレン
酸(kamolenic acid))がある。リシノール酸が好まし
いヒドロキシ脂肪酸である。ヒマシ油がリシノール酸の
好都合な供給源である。ヒドロキシ脂肪酸の他の供給源
には水素付加ヒマシ油、ストロファンツス種子油、カレ
ンデュラ・オフィシナリス(Calendula officinalis)
種子油、水素付加ストロファンツス種子油、水素付加カ
レンデュラ・オフィシナリス種子油、カルダミン・イン
パチエンス(cardamine impatiens)種子油、カマラ
油、マロタス・ディスカラー(mallotus discolor)油
及びマロスタ・クラオキシロイデス(mallotus claoxyl
oides)油がある。
ヒドロキシ脂肪酸は、過マンガン酸カリウム、四酸化
オスミウムのような酸化剤及び過酢酸のような過酸を用
いて、不飽和脂肪酸の酸化ヒドロキシル化により合成す
ることもできる。この方法を用いて、9,10−ジヒドロキ
シオクタデカン酸がオレイン酸から、9,10,12,13−テト
ラヒドロキシオクタデカン酸がリノール酸から作ること
ができる。10−ヒドロキシ−12−シス−オクタデセン酸
及び10−ヒドロキシ−12−シス,15−シス−オクタデカ
クテン酸のようなヒドロキシ脂肪酸を合成する他の方法
は、ノカルジア・コレステロリシム(Nocardia cholest
eroliciim)のような微生物によるリノール酸及びリノ
レン酸のような脂肪酸の変換による。
ヒドロキシ脂肪酸基のヒドロキシル基上でエステル化
に適した酸は合成又は天然、飽和又は不飽和脂肪酸及び
他の有機酸から誘導でき、位置及び幾何異性体を含む。
脂肪−脂肪酸基の製造に適した好ましい飽和脂肪酸に
は、例えば酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、イソミリスチン
酸、イソマルガリン酸及びヒドロキシステアリン酸があ
る。脂肪−脂肪酸基の製造に適した好ましい不飽和脂肪
酸には、例えばミリストレイン酸、パルミトレイン酸、
リシノール酸、リノレン酸、オレイン酸、エライジン
酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキドン酸、
エルカ酸及びエリトロゲン酸がある。
大豆油、パーム油、綿実油、サフラワー油、菜種油
(高エルカ酸)、カノーラ油(低エルカ酸)及びコーン
油に由来する脂肪酸の混合物は、本脂肪−脂肪酸基の製
造上特に好ましい。脂肪酸は“そのまま”でも及び/又
は水素付加及び/又は異性化及び/又は精製後でも用い
ることができる。例えば、菜種はC22脂肪酸の良好な供
給源を提供する。C16−C18脂肪酸は獣脂、大豆油又は綿
実油から供給できる。それより短鎖の脂肪酸はココナ
ツ、パーム核又はババスー油から供給できる。コーン
油、ラード、オリーブ油、パーム油、ピーナツ油、ヒマ
シ油、サフラワー種子油、ゴマ種子油及びヒマワリ種子
油は、ヒドロキシ脂肪酸基のヒドロキシル基上でエステ
ル化されるこれら脂肪酸の供給源として使える他の天然
油の例である。
ヒドロキシル基を含む脂肪酸基上でエステル化し、そ
れにより脂肪−脂肪酸基を形成するために適した他の有
機酸基には、安息香酸又はトルイル酸のような芳香族エ
ステル形成基;イソ酪酸、ネオオクタン酸又はメチルス
テアリン酸のような分岐鎖基;トリコンサン酸又はトリ
コンセン酸のような超長鎖飽和又は不飽和脂肪酸基;シ
クロヘキサンカルボン酸のような環状脂肪族基;ポリア
クリル酸及びダイマー脂肪酸のようなポリマー酸エステ
ル形成基がある。
脂肪−脂肪酸基は、ポリオール上でエステル化前に、
ヒドロキシル基を各脂肪酸又は脂肪酸エステルとエステ
ル交換することにより製造できる。例えば、リシノール
鎖の脂肪−脂肪酸基はリシノール酸メチルエステルをベ
ヘン酸メチルエステルでエステル化することにより製造
できる。好ましくはリシノール酸12−ヒドロキシル基の
大部分がベヘン鎖でエステル化されるように、過剰のベ
ヘン酸メチルエステルが用いられる。
脂肪−脂肪酸基を製造する更に便利な方法は、ポリオ
ールのエステル化前、又は好ましくはその最中に、それ
らをその場で製造することである。例えば、スクロース
1当量、ヒマシ油メチルエステル1当量と水素付加され
た蒸留高エルカ酸菜種メチルエステルからのメチルエス
テル7当量が、機能量の乳化剤及び塩素性触媒と共に一
緒に反応させることができる。これらの成分が真空下で
加熱されるとき、ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル(主
にリシノール酸メチルエステル)のエステル化はスクロ
ースによる脂肪酸メチルエステルのエステル化とほぼ同
時に起きる。脂肪酸メチルエステルの大部分がこの例に
おいてベヘン酸メチルエステルであるため、リシノール
酸メチルエステル上における12−ヒドロキシル基のほと
んどはベヘン酸メチルエステルとエステル化する。
iV)芳香族非類似エステル形成基 非類似エステル基のもう1つの適切なクラスには、芳
香族基から形成されるものがある。芳香族基は、安息香
酸又はトルイル酸のような安息香酸化合物;アミノ安息
香酸及びアミノメチル安息香酸のようなアミノ安息香酸
化合物;ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸及びサリチル
酸のようなヒドロキシ安息香酸化合物;アニス酸のよう
なメトキシ安息香酸化合物;アセチルマンデル酸のよう
なアセトキシフェニル酢酸化合物;クロロ安息香酸、ジ
クロロ安息香酸及びフルオロ安息香酸のようなハロ安息
香酸化合物を含めた様々な芳香族化合物に由来すること
ができる。アセチル安息香酸、クミン酸、フェニル安息
香酸及びニコチン酸と、フルオレンカルボン酸及びイン
ドールカルボン酸を含めた多環式芳香族基のような他の
芳香族エステル形成基も用いてよい。これらの芳香族タ
イプ非類似酸基は全割合で単独で又は互いに混合して用
いることができる。
v)他の非類似エステル形成基 様々な他のエステル形成基も、本発明で用いられる多
様エステル化ポリオールポリエステル粒子の非類似エス
テル基を形成するものとして使える。このような他の基
には分岐鎖アルキル、例えばメチルステアリン酸、イソ
酪酸及びイソ吉草酸のようなメチルアルキル基;トリコ
タン酸及びトリコンテン酸を含めた超長鎖飽和又は不飽
和基;シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボ
ン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサン酢酸
及びアスコルビン酸のようなヒドロキシ環式酸を含めた
環式脂肪族基;アビエチン酸のような多環式脂肪族基;
ポリアクリル酸及びダイマー脂肪酸のようなポリマーエ
ステル形成基;クロロステアリン酸、クロロカプリル
酸、クロロ酢酸、ブロモステアリン酸、ブロモカプリル
酸及びブロモ酢酸のようなハロアルキル基を含めた“官
能性”基を結合させたアルキル鎖基;アミノカプリル酸
及びアミノステアリン酸のようなアミノアルキル基;ベ
ンゾイル酪酸のようなフェノキシアルキル基;フェニル
酢酸のようなフェニルアルキル基がある。これら“他
の”非類似基も全割合で単独で又は互いに混合して用い
ることができる。
c)多様エステル化ポリオールポリエステルの製造 前記タイプの多様エステル化ポリオールポリエステル
は、望ましいポリオールを必須タイプのエステル形成基
でエステル化することにより製造できる。実質量の望ま
しい長鎖飽和及び/又は非類似脂肪酸を含んだ混合脂肪
酸基は、本発明で用いられる固体ポリオールポリエステ
ルを製造する上で脂肪酸基源として使用できる。このよ
うな油からの混合脂肪酸は、好ましくは少くとも約30%
(好ましくは少くとも約50%、最も好ましくは少くとも
約80%)の望ましい非類似及び/又は長鎖飽和脂肪酸を
含有しているべきである。例えば、パーム核油脂肪酸は
8〜12の炭素原子を有する各純粋飽和脂肪酸の混合物の
代わりに使用できる。同様に、菜種油脂肪酸又は大豆油
脂肪酸は12〜26の炭素原子を有する各純粋一不飽和及び
多不飽和脂肪酸の混合物の代わりに使用でき、硬化(即
ち、水素付加)高エルカ酸菜種油脂肪酸は20〜26の炭素
原子を有する各純粋長鎖飽和脂肪酸の混合物の代わりに
使用できる。好ましくは、C20以上の酸(又はそれらの
誘導体、例えばメチルエステル)は例えば蒸留により濃
縮される。
本発明で用いられ、前記のような様々な酸基源から製
造される、多様エステル化固体非消化性ポリオールポリ
エステル粒子は、通常少くとも約15%、好ましくは少く
とも約30%、更に好ましくは少くとも約50%、最も好ま
しくは少くとも約80%の長鎖飽和脂肪酸基を、少くとも
一部の非類似酸基と一緒に含んでいる。本発明で用いら
れる多様エステル化ポリオールポリエステル物質におい
て、非類似基対長鎖飽和脂肪酸基のモル比は約1:15〜約
2:1の範囲である。好ましくは、このモル比は約1:7〜約
5:3、最も好ましくは約1:7〜約3:5の範囲である。
本発明で有用な多様エステル化固体ポリオールポリエ
ステルは、ポリオールポリエステルを製造するために、
従来公知の方法に従い製造できる。スクロースポリエス
テルが本発明で使用上好ましい固体ポリオールポリエス
テルであるため、このような製造はこれらの物質で主に
例示される。1つのこのような製造法では、好ましくは
連続エステル化プロセスを用いて、望ましいエステル形
成酸の酸塩化物又は酸無水物あるいは酸自体をスクロー
スと反応させる。この連続エステル化プロセスにおい
て、スクロースは最初に非類似酸クロリドで部分的にエ
ステル化され、その後この初期反応生成物について長鎖
飽和脂肪酸クロリドで完全に又は実質上完全にエステル
化されるが、その順序どおりでも又は逆の順序でもよい
(Letton、欧州特許第311,154号、1989年4月12日付公
開参照;参考のため本明細書に組み込まれる)。
これらの固体多様エステル化ポリオールポリエステル
を製造するもう1つの方法は、脂肪酸石鹸及び炭酸カリ
ウムのような延基性触媒の存在下で、望ましいエステル
形成酸のメチルエステルをスクロースと反応させるプロ
セスによる(例えば、Rizziら、米国特許第3,963,699
号、1976年6月15日付発行;Volpenhein、米国特許第4,5
18,772、1985年5月21日付発行;Volpenhein、米国特許
第4,517,360号、1985年5月14日付発行;それらすべて
の特許が参考のために組み込まれる)。混合非類似酸基
及び長鎖飽和脂肪酸基を有するこれらの多様エステル化
固体ポリオールポリエステルを製造するためにメチルエ
ステルルートを用いるとき、1つのタイプの酸(例え
ば、非類似酸又は長鎖飽和脂肪酸)のオクタエステルが
最初に製造され、その後この初期反応生成物を他のタイ
プの酸のメチルエステルと部分的にエステル交換するこ
とができる。このメチルエステルプロセスを行う好まし
い方法において、長鎖飽和脂肪酸のメチルエステルはス
クロースの部分エステルを得るために第一段階において
約135℃でスクロースと反応させられる。次いで非類似
酸のメチルエステルが反応液に加えられ、温度は望まし
いエステル化度に達成させるため必要に応じて(必要で
あれば還流しながら)90〜120℃に下げられる。
混合非類似酸及び長鎖飽和脂肪酸基を有するこれらの
多様エステル化固体ポリオールポリエステルを製造する
ためにメチルエステルルートを用いるとき、非類似及び
長鎖飽和メチルエステルは望ましい比率でブレンドさ
れ、混合非類似/長鎖飽和脂肪酸のスクロースエステル
を得るためにエステル交換でスクロースと反応させられ
る。
2)ポリオールポリエステルポリマー 本組成物で使用上好ましいもう1つのタイプの固体非
消化性粒子は、重合ポリエステル、即ちポリオールポリ
エステルポリマーの形で少くとも一部の物質を含有した
あるポリオールポリエステルである。本発明の目的に合
うポリオールポリエステルポリマーは、少くとも2つの
別々のエステル化ポリオール部分をこれら異なるポリオ
ール部分のエステル基間で共有結合により結合させた分
子を与えるように、ポリオールポリエステルモノマーを
重合させて形成されたポリオールポリエステル物質であ
る。例えば、2つのスクロースオクタベヘネートモノマ
ーは、ポリマーを形成させるために、脂肪酸間で架橋さ
せることができた。このようなポリオールポリエステル
ポリマーの反復単位は同一でも又は異なっていてもよ
く、この関係から一般的用語“ポリマー”にはより具体
的な用語“コポリマー”を含む。このようなポリオール
ポリエステルポリマーを構成する反復モノマー(又はコ
モノマー)単位の数は2〜20、好ましくは2〜12の範囲
である。それらを製造する方法によるが、ポリオールポ
リエステルポリマーは通常2〜4のモノマー単位を含ん
だオリゴマー、即ちダイマー、トリマー又はテトラマー
である。本発明で使用上最も典型的なタイプのポリオー
ルポリエステルポリマーはダイマーである。
本組成物の液体非消化性油成分の場合のように、ポリ
オールポリエステルポリマー成分を形成する上で最も好
ましいポリオールにはスクロースがある。スクロースが
用いられるときには、更にそれは脂肪酸又は他のエステ
ル基形成酸基で完全にエステル化されることが好まし
い。ポリオールとしてスクロースを用いて、完全にエス
テル化されたスクロースポリエステルモノマー、ダイマ
ー及びトリマーは、各々図1a、1b及び1cで略記されてい
る。スクロースがポリオールであって、脂肪酸エステル
形成基がより詳細に後記された中から選択されるとき、
本発明の非消化性脂肪組成物で用いられるスクロースポ
リエステルポリマーは、有利には約4000〜約60000、好
ましくは約4000〜約36000、更に好ましくは約5000、約1
2000の数平均分子量を有することができる。
ポリオールポリエステルポリマー物質を形成するエス
テル形成基の性質も、本発明の脂肪組成物で使用上この
ようなポリオールポリエステルポリマー物質の適合性を
決定するために重要である。本発明の目的から、ポリオ
ールポリエステルポリマー物質のヒドロキシル基の少く
とも約15%、好ましくは少くとも約45%、更に好ましく
は少くとも約75%、最も好ましくは少くとも約90%が長
鎖(C20以上)飽和脂肪酸基でエステル化されているべ
きである。
本脂肪組成物で有用な固体粒子を形成するポリマー含
有ポリオールポリエステル物質は、未重合ポリオールポ
リエステルモノマー物質も含んでいてよい。このような
モノマーは分子当たり1つだけのポリオール部分を含む
ものであって、その場合にポリオールは4〜8つのヒド
ロキシル基を含み、そのうち少くとも4つはエステル化
されている。このようなポリオールポリエステルモノマ
ー上のエステル形成酸基も、ポリマー物質上のエステル
基のように、ポリマー物質について前記で特定された量
で長鎖(C20以上)飽和脂肪酸基から形成されることが
好ましい。更に、ポリオールポリエステルモノマー物質
のエステル基の一部は、単一のポリオール部分を重合
(例えば、ダイマー化)脂肪酸基でエステル化すること
により形成してもよい。
本発明で用いられるポリオールポリエステルポリマー
及びモノマーを製造する上で使用に適した長鎖飽和脂肪
酸基には、多様エステル化ポリオールポリエステルを製
造するために前記されたものがある。多様エステル化ポ
リオールポリエステルの場合のように、実質量(即ち、
少くとも約30%、好ましくは少くとも約50%、更に好ま
しくは少くとも約80%)の望ましい長鎖脂肪酸を含有し
た供給源油からの混合脂肪酸基は、これらのポリオール
ポリエステルポリマー物質を製造する上で、酸基源とし
て使用できる。
本発明の脂肪組成物で用いられる固体非消化性粒子を
形成する適切なポリオールポリエステル物質は、通常約
1〜約100%のポリオールポリエステルポリマー成分と
0〜約99%の未重合ポリオールポリエステルモノマー成
分を含む。好ましくは、この固体ポリオールポリエステ
ル物質は約10〜約100%のポリオールポリエステルポリ
マー成分と約0〜約90%のモノマー成分を含む。更に好
ましくは、このような物質は約30〜100%のポリマー成
分と0〜約70%のモノマー成分を含む。最も好ましく
は、このような物質は約50〜100%のポリマー成分と0
〜約50%のモノマー成分を含む。
本発明で用いられる固体粒子を形成する上で適した固
体ポリオールポリエステル物質は、少くとも何らかのポ
リオールポリエステルポリマーを含んでいなければなら
ない。この物質を製造する1つの方法は、公知のポリオ
ールエステル化および/またはエステル交換法に従いモ
ノマーポリオールポリエステルを合成し、その後これら
のモノマーを重合させることである。重合ステップは、
限定されないが、光化学反応と遷移金属イオン、熱又は
ジ−tert−ブチルペルオキシドのようなラジカル開始剤
との反応を含めた、いくつかの周知方法のいずれかによ
り開始及び促進させることができる。
一方、ポリオールポリエスエルポリマーは、ポリオー
ル物質を多塩基性重合脂肪酸又はそれらの誘導体でエス
テル化及び/又はエステル交換することにより、直接製
造できる。例えば、ポリオールポリエステルポリマー
は、好ましくは多様エステル化ポリオールポリエステル
の製造に関して前記されたように連続エステル化プロセ
スを用いて、望ましいエステル化ポリマー酸の酸塩化物
又は酸無水物をスクロースと反応させることにより製造
できる。ポリオールポリエステルポリマーは、多様エス
テル化ポリオールポリエステルの製造に関して前記され
たように、脂肪酸石鹸及び炭酸カリウムのような塩基性
触媒の存在下で、望ましいポリマー酸のメチルエステル
をスクロースと反応させることでも製造できる。
未重合及び重合脂肪酸基双方を有したスクロースポリ
エステル物質を製造するために前記方法を用いるとき、
得られるスクロース物質中における未重合対重合脂肪酸
のモル比は約2:6〜約4:4の範囲である。
ポリオールを既に重合された脂肪酸でエステル化する
ために前記の酸クロリド又はメチルエステル操作を用い
るときには、様々な前重合脂肪酸物質が使用できる。適
切な重合脂肪酸の1つのこのようなクラスには、分子中
に約28〜約44の炭素原子を有する長鎖脂肪族二塩基酸が
ある。これらは重合されうる約14〜約22の炭素原子を有
した不飽和脂肪酸から通常形成される。例えば、リノー
ル酸は下記のようにリノール酸ダイマーを形成するため
に加熱することで重合させることができる: このタイプの重合性酸の一般例は、2つの二重結合を
有するオクタデカジエン酸、例えば上記リノール酸と、
3つの二重結合を有するオクタデカトリエン酸、例えば
リノレン酸及びエレオステアリン酸のような、2以上の
二重結合を有するもの(多不飽和酸)である。ポリオー
ルをエステル化して、本発明のポリオールポリエステル
ポリマーを形成するために使用できる、約14〜約22の炭
素を有した他の一般的重合性多不飽和酸は、他のオクタ
デカトリエン酸(例えば、リカン酸)、オクタデカテト
ラエン酸(例えば、パリナリン酸)、エイコサジエン
酸、エイコサテトラエン酸(例えば、アラキドン酸)、
5,13−ドコサジエン酸及びイワシ酸である。オレイン、
エライジン及びエルカ酸のような一不飽和脂肪酸も、本
発明で用いられる固体ポリオールポリエステルポリマー
粒子を形成するために用いられる適切な長鎖脂肪酸ダイ
マーを製造する上で使用できる。
実質量の望ましい重合性多不飽和又は一不飽和脂肪酸
を含有した供給源油からの混合脂肪酸基は、本発明で用
いられる固体粒子を形成するために用いられるポリオー
ルポリエステルポリマー物質を製造する上で酸基の供給
源として使用できる。このような供給源油からの混合脂
肪酸は、好ましくは少くとも約30%(更に好ましくは少
くとも約50%、最も好ましくは少くとも約80%)の望ま
しい重合性多不飽和又は一不飽和脂肪酸を含有している
べきである。
リノール酸に富んだ天然源の例には大豆油、綿実油、
ピーナツ油、コーン油、ゴマ種子油、ヒマワリ種子油、
サフラワー油、亜麻仁油及びエノ油である。オイチシカ
油は特に良好なリカン酸源であり、キリ油は高濃度のエ
レオステアリン酸を含有している。ニシン、メンヘーデ
ン、マイワシ、サケ及びサーディン油のような魚油も重
合性酸、特にアラキドン酸及びイワシ酸のような高級脂
肪酸の適切な供給源である。タル油、脱水ヒマシ油、オ
リーブ油及び菜種油のような他の油も適切な不飽和酸を
かなりの割合で含有している。例えば、オリーブ油はオ
レイン酸に富み、菜種油はエルカ酸に富む。
ポリマー含有ポリオールポリエステルを製造する上で
使用上好ましい多塩基性重合脂肪酸及び脂肪酸誘導体に
は、大豆油もしくは綿実油のような多不飽和植物油又は
獣脂のような動物脂肪に由来する脂肪酸又は脂肪酸低級
エステルのダイマー化により製造される二塩基酸があ
る。
下記タイプすべての多塩基性重合脂肪酸はそれら自体
が当業者に公知の様々な方法により製造される(Lutto
n、米国特許第3,353,967号、1967年11月21日付発行;Goe
bel、米国特許第2,482,761号、1949年9月27日付発行;H
arrisonら、米国特許第2,731,481号、1956年1月17日付
発行;Barrettら、米国特許第2,793,219号、1957年5月2
1日付発行参照;それらすべてが参考のため本明細書に
組み込まれる)。
前記のように、重合及び未重合双方のポリオールポリ
エステル物質の混合物は、ポリオールを重合及び未重合
双方のエステル化脂肪酸又は脂肪酸誘導体と反応させる
ことにより製造できる。スクロースポリエステルポリマ
ーを含む特に望ましい固体スクロースポリエステル物質
を製造するために好ましい方法では、分別又は未分別高
エルカ酸菜種(HEAR)メチルエステルが部分的に重合、
硬化され、その後スクロースと反応させられる。これら
の特に望ましい固体スクロースポリエステルを製造する
もう1つの方法は、慣用的プロセスにより高エルカ酸菜
種油の脂肪酸基でエステル化された液体スクロースポリ
エステル物質を製造し、その後得られた液体スクロース
ポリエステル物質を部分重合させ、その後得られた重合
物質を硬化させることである。
3.ポリグリセロールエステル 本組成物で有用な第三タイプの固体非消化性粒子に
は、あるポリグリセロールエステルがある。本発明の脂
肪組成物を形成するために用いられるポリグリセロール
エステルは、少くとも約2つのグリセロール部分、更に
好ましくは約3〜約10のグリセロール部分、更に一層好
ましくは約4〜約8のグリセロール部分、最も好ましく
は約4〜約6のグリセロール部分を含んだものである。
典型的には、後の分析方法セクションで記載されるよう
な、約2〜10、更に好ましくは約3〜8、更に好ましく
は約3〜6の平均グリセリン重合度(n−bar)を有す
るポリグリセロールエステルの混合物が用いられる。こ
のようなポリグリセロールエステル混合物中におけるグ
リセロール部分の数の分布は狭くても又は広くてもよ
い。典型的には、本発明で有用なポリグリセロールエス
テルのヒドロキシル基のうち少くとも約30%は脂肪酸で
エステル化されている。好ましくは、ヒドロキシル基の
少くとも約50%がエステル化されている。本発明で用い
られるポリグリセロールエステル物質のエステル化率
は、後の分析方法セクションで記載されたようにして決
定できる。
本発明の固体ポリグリセロールエステル成分を形成す
るエステル基は長鎖(C16−C26)脂肪酸基を含み、これ
ら長鎖脂肪酸のうち少くとも40%は飽和して、少くとも
18の炭素原子を有している。好ましくは長鎖脂肪酸のう
ち少くとも約50%は飽和して少くとも18の炭素原子を有
し、更に好ましくは長鎖脂肪酸のうち少くとも約75%は
飽和して少くとも18の炭素原子を有し、最も好ましくは
長鎖脂肪酸のうち少くとも約85%は飽和して少くとも18
の炭素原子を有している。
本発明のポリグリセロールエステル上でエステル基を
形成する脂肪酸基は飽和でも又は不飽和であってもよ
い。ポルグリセロールエステルは、エステル基を形成す
る脂肪酸の不飽和度の尺度であるヨウ素価を特定するこ
とで、実際上更に特徴付けできる。これらのポリグリセ
ロールエステルは、50以下、好ましくは約20以下、更に
好ましくは約10以下、最も好ましくは約5以下のヨウ素
価を有することが好ましい。
望ましい脂肪酸を含有する供給源油(例えば、大豆
油、綿実油、サフラワー、菜種油、カノーラ、コーン
油、ヒマワリ油及び獣脂)からの混合脂肪酸が、本発明
で用いられるポリグリセロールエステル物質のエステル
基の脂肪酸基を形成するために使用できる。例えば、硬
化(即ち、水素付加)高エルカ酸菜種油脂肪酸が純粋ベ
ヘン脂肪酸の代わりに使用できる。脂肪酸は“そのま
ま”でも及び/又は水素付加及び/又は異性化及び/又
は精製後でも用いることができる。好ましくは、ベヘン
酸(又はその誘導体、例えばメチルエステル)は例えば
蒸留により濃縮される。
固体ポリグリセロールエステル物質は、多様エステル
化ポリオールポリエステル及びポリオールポリエステル
ポリマーの製造に関して前記されたポリオールポリエス
テルの製造と同様の公知方法に従い得ることができる。
4)ハードストック及び結晶調節剤の共結晶化ブレンド これらの分散非消化性粒子は、(1)非消化性固体ポ
リオールポリエステルハードストック及び(2)結晶調
節剤の共結晶化ブレンドから本質的になる。この共結晶
化ブレンド中におけるハードストック対結晶調節剤の具
体的比率は、選択される具体的ハードストック及び/又
は結晶調節剤、油中に分散される固体非消化性粒子の具
体的大きさと、望まれる具体的な受動的オイルロスコン
トロール性質に依存する。約95:5〜約20:80のハードス
トック対結晶調節剤の比率が、十分な受動的オイルロス
コントロール性を有する共結晶化粒子を形成する上でし
ばしば適する。好ましくは、ハードストック対結晶調節
剤の比率は約95:5〜約25:75、更に好ましくは約90:10〜
約40:60、最も好ましくは約80:20〜約60:40である。
A)粒子形成ブレンドのハードストック成分 本発明で用いられる共結晶化ブレンドを形成する上で
有用な非消化性固体ポリオール脂肪酸ポリエステルハー
ドストックは、約37℃以上、好ましくは約50℃以上の温
度、最も好ましくは約60℃以上の温度で固体であるもの
である。後で記載される結晶調節剤の非存在下におい
て、これらの非消化性ポリオールポリエステルハードス
トックは、結晶調節剤の非存在下において液体非消化性
油中で結晶化されたときに、存在するハードストックの
レベルに応じて、液体非消化性油中で約3μm以上の径
を有する、典型的には約3〜約32μmの範囲の球晶粒子
を通常形成する傾向がある物質である。
本発明で使用に適した好ましい非消化性ポリオールポ
リエステルハードストック物質は固体糖ポリエステル、
固体糖アルコールポリエステル及びそれらの混合物から
選択でき、長鎖飽和脂肪酸基から本質的になるエステル
基、例えば通常5〜8つのエステル基を有することがで
きる。適切な飽和脂肪酸基は少くとも14、好ましくは14
〜26、最も好ましくは16〜22の炭素原子を含む。長鎖飽
和脂肪酸基は単独で又は互いに混合して用いることがで
きる。加えて、直鎖(即ち、ノルマル)脂肪酸基が長鎖
飽和脂肪酸基で典型的である。
適切な長鎖飽和脂肪酸基の例にはテトラデカノエート
(ミリステート)、ヘキサデカノエート(パルミテー
ト)、オクタデカノエート(ステアレート)、エイコサ
ノエート(アラキデート)、ドコサノエート(ベヘネー
ト)、テトラコサネート(リグノセレート)及びヘキサ
コサノエート(セロテート)がある。実質量の望ましい
長鎖飽和脂肪酸を含有した完全に又は実質上完全に水素
付加された植物油からの混合脂肪酸基は、本発明で有用
な固体ポリオールポリエステルを製造する上で、脂肪酸
基源として使用できる。このような油からの混合脂肪酸
は、好ましくは少くとも約30%(更に好ましくは少くと
も約50%、最も好ましくは少くとも約80%)の望ましい
長鎖飽和脂肪酸を含有するべきである。適切な供給源油
には、完全に又は実質上完全に水素付加された大豆油、
綿実油、パーム油、ピーナツ油、コーン油、サフラワー
油、ヒマワリ油、ゴマ油、低エルカ酸菜種油(即ち、カ
ノーラ油)及び高エルカ酸菜種油がある。これらの油は
典型的には約12以下のヨウ素価、好ましくは約8以下の
ヨウ素価まで水素付加される。
本発明の脂肪組成物でハードストックとして有用な固
体ポリオールポリエステルの例には、スクロースオクタ
ベヘネート、スクロースオクタステアレート、スクロー
スオクタパルミテート、スクロースヘプタステアレー
ト、キシリトールペンタステアレート、ガラクトースペ
ンタパルミテート、約8以下のヨウ素価まで水素付加さ
れた高エルカ酸菜油脂肪酸と大豆油のスクロースヘプタ
及びオクタエステルがある。
本発明でハードストックとして有用な固体ポリオール
ポリエステルは、ポリオールポリエステルを製造する上
で従来公知の方法に従い製造できる。スクロースポリエ
ステルが本発明でハードストックとして使用上好ましい
固体ポリオールポリエステルであるため、このような製
造はこれらの物質で主に例示される。1つのこのような
製造法では、各脂肪酸の酸塩化物又は酸無水物をスクロ
ースと反応させる。これらの固体ポリオールポリエステ
ルを製造するもう1つの方法は、脂肪酸石鹸及び炭酸カ
リウムのような塩基性触媒の存在下で、各脂肪酸のメチ
ルエステルをスクロースと反応させるプロセスによる。
例えば、Rizziら、米国特許第3,963,699号、1976年6月
15日付発行;Volpenhein、米国特許第4,518,772号、1985
年5月21日付発行;Volpenhein、米国特許第4,517,360
号、1985年5月14日付発行参照;それらすべてが参考の
ために組み込まれる。
B)粒子形成ブレンドの結晶調節剤成分 本非消化性脂肪組成物で固体非消化性粒子を形成する
ために用いられる共結晶化ブレンドの第二必須成分は結
晶調節剤である。この結晶調節剤物質は、後記のように
液体非消化性油中で適切に共結晶化されたときに、既に
特定された厚さを有する小さな粒子を形成するように、
前記のような固体ポリオールポリエステルハードストッ
ク物質を誘導することができるいずれかの物質である。
本発明で使用に適したタイプの結晶調節剤の例には多
様エステル化ポリオールポリエステル、ポリオールポリ
エステルポリマー、前記のポリグリセロールエステル及
び他の物質、例えば脂肪酸モノグリセリド、長鎖アルキ
ル又はエステル基のある天然ロウ、パラフィン系炭化水
素微結晶ロウ及び長鎖アルコールがある。モノグリセリ
ドとは、1つだけの酸基がグリセロール部分に結合され
た脂肪酸のグリセロールエステルである。C18以上飽和
脂肪酸のモノグリセリドが本発明で使用上好ましい。モ
ノベヘニンが特に好ましい。好ましい天然ロウ物質は蜜
ロウである。蜜ロウはミツバチの巣からのロウである。
蜜ロウは大部分がパルミチン酸ミリシル、セロチン酸及
びエステルと一部の高炭素パラフィン類からなる。
本発明で有用である適切な結晶調節剤タイプポリオー
ルポリエステルの具体例には、スクローステトラベヘネ
ートテトラカプリレート、スクロースペンタベヘネート
トリラウレート、スクロースヘキサベヘネートジカプリ
レート、スクロースヘキサベヘネートジラウレートがあ
る。他の例には、1:2モル比でパルミトレイン及びアラ
キジン脂肪酸基のソルビトールヘキサエステル、1:3モ
ル比でリノール及びベヘン脂肪酸基のラフィノースオク
タエステル、3:4モル比でヒマワリ油及びリグノセリン
脂肪酸基の混合物のマルトースヘプタエステル、2:6モ
ル比でオレイン及びベヘン脂肪酸基のスクロースオクタ
エステル、1:3:4モル比でラウリン、リノール及びベヘ
ン脂肪酸基のスクロースオクタエステル、約1:7〜3:5の
不飽和ベヘン酸基のモル比でC18一及び/又は二不飽和
脂肪酸基及びベヘン脂肪酸基のスクロースヘプタ及びオ
クタエステルがある。
5)ロウ 本組成物でもう1つのタイプの固体非消化性粒子に
は、モノベヘニン、長鎖アルキル又はエステル基のある
天然ロウ、パラフィン系炭化水素微結晶ロウと長鎖アル
コールのような非吸収性物質の部分的消化源がある。好
ましい天然ロウ物質は蜜ロウである。蜜ロウはミツバチ
の巣からのロウである。蜜ロウは大部分がパルミチン酸
ミリシル、セロチン酸及びエステルと一部の高炭素パラ
フィン類からなる。
d.最少受動的オイルロスを示す非消化性脂肪組成物の製
造 最少受動的オイルロスを示す本発明の非消化性脂肪組
成物を製造するために、液体非消化性油は適切な固体ポ
リオールポリエステル、又は前記のポリオールポリエス
テルハードストック及び結晶調節剤の共結晶性ブレンド
の粒子と組み合わされる。ポリオールポリエステル又は
共結晶性ブレンドの粒子は、受動的オイルロスをコント
ロール又は防止するために十分な量で用いられる。所定
脂肪組成物について“受動的オイルロスをコントロール
又は防止するために十分な量”を構成するものは、本発
明で利用される具体的な固体ポリオールポリエステル又
は共結晶性ブレンド、望まれる具体的な受動的オイルロ
スコントロール効果と、処方される非消化性脂肪組成物
の具体的最終製品使用にとり許容されうるロウ性口内印
象のレベルに依存している。典型的には、こうして形成
される非消化性脂肪組成物は約60〜約99%の液体非消化
性油と約1〜約40%の固体ポリオールポリエステル又は
共結晶性ブレンドの粒子を含む。好ましくは、この混合
物は約80〜約99%の液体非消化性油と約1〜約20%の固
体ポリオールポリエステル又は共結晶性ブレンドの粒
子、更に好ましくは約85〜約99%の液体非消化性油と約
1〜約15%の固体ポリオールポリエステル又は共結晶性
ブレンドの粒子、更に一層好ましくは約90〜約99%の液
体非消化性油と約1〜約10%の固体ポリオールポリエス
テル又は共結晶性ブレンドの粒子、最も好ましくは約95
〜約99%の液体非消化性油と約1〜約5%の固体ポリオ
ールポリエステル又は共結晶性ブレンドの粒子を含む。
より高レベルの液体非消化性油(即ち、より低レベルの
固体ポリオールポリエステル又は共結晶性ブレンドの粒
子)の使用が、本非消化性脂肪組成物の固体成分により
残るロウ性印象を減少させる観点から望ましい。しかし
ながら、より高レベルの固体ポリオールポリエステル又
は共結晶性ブレンドの粒子(即ち、より低レベルの液体
非消化性油)は、このような液体非消化性油を含有した
組成物の摂取に伴う受動的オイルロスをコントロール又
は防止する観点から望ましい。
液体非消化性油と固体ポリオールポリエステル又は共
結晶性ブレンドのこの組合せは、混合物中に存在するす
べての固体成分を完全に溶融する上で十分な温度まで加
熱される。この温度は固体ポリオールポリエステル又は
共結晶性ブレンド中に存在する具体的な成分に存在す
る。典型的には、この溶融混合物は最高溶融点成分の融
点より少くとも約20℃高い温度までそれを加熱すること
により得ることができる。溶融したら、この混合物は典
型的には組成物のその均一性を保証するために攪拌され
る。
次いでこうして形成された溶融混合物は、固体ポリオ
ールポリエステル又は共結晶性ブレンドが前記の厚さ及
び完全融点特徴を有する分散された非消化性粒子を液体
非消化性油中で形成するように結晶化させることができ
る。これらの分散非消化性粒子を形成するようにこの溶
融混合物を結晶化させる具体的な条件は、用いられる液
体非消化性油、用いられる具体的な固体ポリオールポリ
エステル又は共結晶性ブレンドと、共結晶性ブレンドの
場合にはポリオールポリエステルハードストック又は結
晶調節剤がより高い融点を有しているかどうかに依存し
ている。結晶調節剤がポリオールポリエステルハードス
トックの場合より高い融点を有している。典型的なケー
スでは、溶融混合物はポリオールポリエステルハードス
トックの結晶化温度より低い温度まで冷却できる。例え
ば、結晶調節剤が約70℃の融点を有し、ポリオールポリ
エステルハードストックが約60℃の融点を有するなら
ば、溶融混合物を約40℃以下、好ましくは約25℃以下、
更に好ましくは約10℃以下、最も好ましくは約0℃以下
の温度に冷却することが適切である。
ポリオールポリエステルハードストックの融点が結晶
調節剤の場合より高い典型的ではない状況下では、溶融
混合物は結晶調節剤がハードストックと共結晶化するよ
うに冷却されるべきである。結晶調節剤がポリオールポ
リエステルハードストックの場合より有意に低い温度で
溶融するならば、溶融混合物は共結晶化が起きるように
比較的低い温度で冷却される必要がある。例えば結晶調
節剤の融点が約10℃で、ポリオールポリエステルハード
ストックの場合が約60℃であるならば、溶融混合物は典
型的には適切な共結晶化を起こすように約0℃以下まで
冷却されるべきである。
本発明の脂肪組成物で形成されるポリオールポリエス
テル粒子の具体的大きさは、油及び溶解固体の加熱混合
物が冷却される速度に依存する。本明細書で用いられる
冷却速度とは、(a)加熱された油/溶解固体組合せと
(b)冷却された結晶液体/固体粒子組合せとの温度差
を、この温度差を作る上で要した時間で割ったものとし
て定義される。通常、本発明の脂肪組成物を形成する上
で用いられる冷却速度が大きくなるほど、このような組
成物中に分散される固体ポリオールポリエステル物質又
は共結晶化ブレンドの粒子は小さくなる。本発明の脂肪
組成物を形成する上で使用上望ましい冷却速度は、典型
的には0.6℃/min(1゜F/min)以上、好ましくは2.8℃/
min(5゜F/min)以上、更に好ましくは5.6℃/min(10
゜F/min)以上、最も好ましくは27.8℃/min(50゜F/mi
n)以上である。本発明の非消化性脂肪組成物がその場
で、例えばそれらが一部を形成している食品内で形成さ
れるとき、脂肪組成物成分のタイプ及び濃度は、食品に
よる冷却プロフィルが食品内で固体ポリオールポリエス
テル又は共結晶化ブレンドの粒子の望ましい量及び大き
さを形成できるように選択されるべきである。
共結晶化ブレンドの場合において比較的小さな非消化
性粒子の形成は意外であり、その理由はポリオールポリ
エステルハードストックが液体非消化性油中で通常かな
り大きな球晶粒子を形成する傾向があるからである。こ
の通常の傾向はポリオールポリエステルハードストック
分子の対称性質のためであると考えられる。これら分子
の対称性質はそれらを密に一緒に凝集させて、未制限三
次元式に大きな球晶粒子として成長させる。
対照的に、本発明による適切な結晶調節剤は“不斉”
又は不規則分子構造を有する傾向がある。これら結晶調
節剤分子の不斉構造が液体非消化性油中で共結晶化時に
対称ポリオールポリエステルハードストック分子の通常
の凝集傾向を妨げていると考えられる。この干渉は対称
ハードストック分子の通常の未制限三次元成長を阻止し
て、制限された三次元成長を誘導するか、又はほぼ二次
元の成長、例えば比較的薄い小板様粒子の形成を誘導す
る。
本発明のプロセスによる薄い非消化性粒子の形成は、
得られた脂肪組成物で特に効率的な受動的オイルロスコ
ントロールを示す。このような効率化のおかげで、非消
化性脂肪の固体含有分を比較的低いレベル(例えば、約
1〜約15%)で減少させることができる。典型的室温〜
体温における非消化性粒子の固体の最少/無変化と一緒
に、受動的オイルロスコントロールに要求される固体レ
ベルのこの減少のおかげで、低ロウ状味覚印象を有する
非消化性脂肪を得ることができる。
液体非消化性油及び固体非消化性ポリオールポリエス
テル成分双方とそれらの各濃度は、ある一連の物理的特
徴を有する非消化性脂肪組成物を提供するために選択さ
れる。特に、本発明の非消化性脂肪は、典型的室温〜体
温、即ち70゜F(21℃)〜98.6゜F(37℃)の温度範囲に
わたり、比較的平坦な固体脂肪含有率(SFC)分布勾配
を示すべきである。これら2つの温度間のSFC分布勾配
は0〜約−0.75%固体分/゜F、好ましくは0〜−0.5%
%固体分/゜F、更に好ましくは0〜約−0.3%固体分/
゜F、最も好ましくは0〜約−0.1%固体分/゜Fである
べきである。
本発明の非消化性脂肪組成物は特定のチキソトロピー
面積値も示すべきである。これらのチキソトロピー面積
値は、脂肪組成物が所定最終使用食品で用いられたとき
に出会う冷却プロフィルに従い冷却して非消化性脂肪が
結晶化されるときにおけるその見掛け粘度及びチキソト
ロピーを反映する操作により決定される。例えば、本発
明の非消化性脂肪の場合に、これはポテトチップの冷却
プロフィルに類似させることができ、このような冷却プ
ロフィルは他のディープフライド塩味スナック製品に典
型的である。本発明の非消化性脂肪組成物は、典型的に
は約10キロパスカル/秒(kPa/sec)以上、好ましくは
約25kPa/sec以上、更に好ましくは約45kPa/sec以上、更
に一層好ましくは約65kPa/sec以上、最も好ましくは約8
0〜kPa/sec以上のチキソトロピー面積値を示すべきであ
る。チキソトロピー面積値は後の分析方法セクションで
記載された方法により決定される。
本発明の非消化性脂肪は最少の油分離も示すべきであ
る。本明細書で用いられる“油分離”とは、残留糞物質
から分離して下部胃に貯留する非消化性脂肪の液体部分
の能力に関する。有意量のこの分離油が大腸に貯留する
ときには、油は肛門括約筋を通過できるため、受動的オ
イルロスを起こす。本発明の非消化性脂肪は、典型的に
は約16g以下、好ましくは約12g以下、更に好ましくは約
8g以下、更に一層好ましくは約4g以下、最も好ましくは
0g(即ち、分離せず)の油分離値を有する。この油分離
値は、横行結腸からの糞物質の移動及び部分的脱水をシ
ミュレートして、その後糞物質のこのような処理中に起
きるバルク油分離の程度を調べるインビトロ方法(後の
分析方法セクションで記載されている)により測定され
る。
E.非消化性脂肪組成物含有の食品 本発明の非消化性脂肪組成物は、単独で又は消化性油
のような他の物質と組合せて、食品、飲料及び医薬品を
含めた様々な食品脂肪含有製品で使用できる。特に、本
発明の非消化性脂肪は、場合により消化性トリグリセリ
ド油脂と共に処方することができる。通常、これらの処
方物は約10〜1000%の非消化性脂肪と0〜約90%の消化
性トリグリセリド油脂を含む。好ましくは、これらの処
方物は35〜100%、更に好ましくは約50〜約100%、最も
好ましくは約75〜約100%の非消化性脂肪と0〜約65
%、更に好ましくは0〜約50%、最も好ましくは0〜約
25%の消化性トリグリセリド油脂を含む。これらトリグ
リセリド油脂で生じうるカロリーインパクトのために、
それらが本発明の非消化性脂肪と組み合わされるレベル
を最少にすることが望ましい。
本明細書で用いられる“トリグリセリド油”という用
語は室温、即ち25℃で流体又は液体であるオリグリセリ
ド組成物に関する。必要性はないが、本発明で有用なト
リグリセリド油には25℃以下で流体又は液体であるもの
も含む。これらのトリグリセリド油はトリグリセリド物
質から主になるが、モノ及びジグリセリドのような他の
成分も残留レベルで含むことができる。25℃以下の温度
で流体又は液体性を留めるために、トリグリセリド油は
そのトリグリセリド油が冷却されたときに固体分増加を
制限するように約25℃より高い融点を有するグリセリド
を最少量で含有する。トリグリセリド油は化学的に安定
でかつ耐酸化性であることが望ましい。
適切なトリグリセリド油は綿実油、大豆油、サフラワ
ー油、コーン油、オリーブ油、ココナツ油、パーム核
油、ピーナツ油、菜種油、カノーラ油(即ち、エルカ酸
が少ない菜種油)、ゴマ種子油、ヒマワリ種子油及びそ
れらの混合物のような天然液体植物油から誘導すること
ができる。例えば粒状化又は直接エステル交換、しかる
後油の分離によりパーム油、ラード及び獣脂から得られ
る液体油分画も適切である。不飽和酸のグリセリドで主
要な油はフレーバーを維持するために一部又はわずかな
水素付加を要するが、25℃以上で溶融するグリセリドの
量をあまり増加させない注意が払われるべきである。望
みよりも多量に融点25〜40℃の固体分を有する油が選択
されるときには、固体分を分離することが必要になるこ
とがある。例えば、精製してやや水素添加された大豆油
と、精製された綿実油が適切である。
本発明で用いられる“トリグリセリド脂肪”という用
語は室温で固体又は可塑性であるトリグリセリド組成物
に関する。これらの固体又は可塑性脂肪は植物又は動物
に由来しても、あるいは食用合成油脂であってもよい。
例えば、室温で固体であるラード、獣脂、オレオ油、オ
レオストック、オレオステアリン等のような動物脂肪が
利用できる。トリグリセリド油、例えば不飽和植物油
も、液体油の易流動性を妨げる堅くからみ合った結晶構
造を形成するために、油の脂肪酸成分の不飽和二重結合
の部分的水素付加、その後慣用的冷却及び結晶化技術に
よるか、又は室温で固体である十分なオリグリセリドと
の適正な混合により、可塑性脂肪に変換できる。固体又
は可塑性脂肪の追加例に関して、Purvesら、米国特許第
3,355,302号、1967年11月28日付発行;Darraghら、米国
特許第3,867,556号、1975年2月18日付発行(双方とも
参考のため本明細書に組み込まれる)明細素参照。固体
又は可塑性脂肪はかなりなレベルの固体分を加えるた
め、それらの含有は本発明の食用組成物の官能的性質、
特にロウ性に悪影響を与えることがある。
本発明の非消化性脂肪組成物で有用なトリグリセリド
油脂には、グリセロール分子の1、2又は3つのOH基が
アセチル、プロピオニル、ブチリル、カプロイル、カプ
リリル又はカプリル基で置換され、グリセロール分子の
残りのOH基(もしあれば)が12〜24の炭素原子を有する
飽和又は不飽和脂肪酸のアシル基で置換されたあるトリ
グリセリドがある。
本発明の非消化性脂肪組成物は、Ehrmanら、米国特許
第4,888,196号、1989年12月19日付発行及びSeiden、欧
州特許第322,027号、1989年6月28日付公開(双方とも
参考のため本明細書に組み込まれる)明細書で開示され
るような、低カロリー中鎖及び混合中/長鎖トリグリセ
リドと組合せて用いてもよい。
本発明による非消化性脂肪組成物はショートニング及
び油製品中で又はとして使用できる。ショートニング及
び油製品はフレンチフライドポテト、ポテトスライス又
は加工ポテトピースからのポテトチップ、ポテトスティ
ック、コーンチップ、トルチラチップ、ドーナツ、チキ
ン、フィッシュ及びフライドパイ(例えば、ターンオー
バー)の製造のようなフライ適用に用いることができ
る。これらのショートニング及び油製品はミックス、貯
蔵安定性ベークド品及び冷凍ベークド品のようないずれ
かの形態でベークド品を製造する上でも使用でき、これ
にはケーキ、グラノーラバー、ブラウニー、マフィン、
バークッキー、ウェハース、ビスケット、ペストリー、
パイ、パイ皮と、サンドイッチクッキー及びチョコレー
トチップクッキーを含めたクッキー、特にHongら、米国
特許第4,455,333号、1984年6月19日付発行明細書で開
示されたような貯蔵安定性二重質感クッキーがあるが、
それらに制限されない。これらのベークド品はフルー
ツ、クリーム又は他のフィリングを含有することができ
る。他のベークド品にはロールパン、クラッカー、プレ
ッツェル、パンケーキ、ワッフル、アイスクリームコー
ン及びカップ、酵母ふくらませベークド品、ピザ及びピ
ザ皮、ベークド澱粉質スナック食品と他のベークド塩味
スナックがある。
本発明の非消化性脂肪組成物を含有した他の食用脂肪
含有製品にはアイスクリーム、冷凍デザート、チーズ、
チーズスプレッド、肉、模造肉、チョコレート菓子、サ
ラダドレッシング、マヨネーズ、マーガリン、スプレッ
ド、サワークリーム、ヨーグルト、コーヒークリーマ
ー、ピーナツバター、コーンカールのような押出スナッ
ク、コーンパフ、ペレットスナック、半製品、コーン又
は小麦、米等のような他の穀物に基づく他の押出スナッ
ク、ローストナッツと、ミルクシェークのような飲料が
ある。
本発明の非消化性脂肪を含有した食用脂肪含有製品
は、単独で又は増量剤と組合せて無カロリー又は低カロ
リー甘味料も含有する。これらの無カロリー又は低カロ
リー甘味料にはアスパルテーム、サッカリン、アリテー
ム、タウマチン、ジヒドロカルコン類、アセスルフェー
ム及びシクラメート類があるが、それらに制限されな
い。
本脂肪組成物を含む食用脂肪含有製品でも有用な増量
又は増粘剤には、部分的又は全体的非消化性炭水化物、
例えばポリデキストロース及びセルロース又はセルロー
ス誘導体、例えばD,L−糖、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース及び微結晶セルロースがある。他の適切
な増量剤にはガム類(親水コロイド)、デンプン、デキ
ストリン、醗酵乳清、豆腐、マルトデキストリン、糖ア
ルコールを含めたポリオール、例えばソルビトール及び
マンニトールと、炭水化物、例えばラクトースがある。
本発明の非消化性脂肪組成物を含有した食用脂肪含有
製品は食物遷移も含有できる。“食物繊維”とは、植物
細胞壁及び海草でみられる炭水化物のような哺乳動物酵
素による消化に抵抗性の複合炭水化物と、微生物醗酵に
より生産されるものを意味する。これら複合炭水化物の
例はフマス、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、
ガム類及び粘滑物、海草抽出物と生合成ガム類である。
セルロース繊維源には植物、果実、種子、穀物及び人造
繊維(例えば、細菌合成による)がある。精製植物セル
ロース又はセルロース粉のような市販繊維も使用でき
る。オオバコのような天然繊維と全シトラス果皮、シト
ラスアルベド、テンサイ、シトラス果肉及び小胞固形
分、リンゴ、アプリコット及びスイカ外皮からの繊維も
使用できる。
これらの食物繊維は粗製又は精製形である。用いられ
る食物繊維は、単一タイプ(例えば、セルロース)、複
合食物繊維(例えば、セルロース及びペクチンを含有し
たシトラスアルベド繊維)又は繊維のある組合せ(例え
ば、セルロース及びガム)である。繊維は当業界で知ら
れる方法により加工処理できる。
本発明の非消化性脂肪組成物はビタミン及びミネラ
ル、特に脂溶性ビタミンで強化することができる。脂溶
性ビタミンにはビタミンA、ビタミンD及びビタミンE
とそれらの前駆物質がある(ポリオール脂肪酸ポリエス
テルを強化する上で有用な脂溶性ビタミンについて開示
するMattson、米国特許第4,034,083号、1977年7月5日
付発行明細書参照;参考のため本明細書に組込まれ
る)。
脂肪製品中に典型的に存在する様々な他の成分も本発
明の非消化性脂肪組成物中に含有させることができる。
これら他の成分には高温で酸化劣化から保護する安定剤
がある。シリコーン油、特にメチル及びエチルシリコー
ン油が、この目的にとり有用である。メチルシリコーン
はフライ時の油重合速度を減少させる上で有効であるこ
ともわかった。少量の任意香味剤、乳化剤、抗飛散剤、
抗粘着剤、酸化防止剤等のような脂肪製品中で典型的に
含有される他の添加剤も存在できる。
F.分析方法 本発明の要素を特徴付けるために用いられるいくつか
のパラメーターが特定の実験分析操作で定量される。こ
れら操作の各々は以下のように詳細に記載される: 1.ポリオールポリエステルの脂肪酸組成 ポリオールポリエステルの脂肪酸組成(FAC)は、炎
イオン化検出器及びヒューレット・パッカード(Hewlet
t−Packard)モデル7671A自動サンプラーを装備したヒ
ューレット・パッカードモデルS712Aガスクロマトグラ
フを用いて、ガスクロマトグラフィーで調べることがで
きる。用いられるクロマトグラフィー方法はOfficial M
ethods and Recommended Practices of The American O
il Chemists Society,4th Ed.,1989,Procedure 1−Ce62
で記載されている。
2.スクロースポリエステルのエステル分布 スクロースポリエステルの個々のオクタ、ヘプタ、ヘ
キサ及びペンタエステルと包括的なテトラ〜モノエステ
ルの相対的分布は、標準相高性能液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)を用いて調べることができる。シリカゲル充
填カラムがポリエステルサンプルを上記各エステル群に
分けるためにこの方法で用いられる。ヘキサン及びメチ
ルt−ブチルエーテルを移動相溶媒として用いる。各エ
ステル群は質量検出器(即ち、蒸発光散乱検出器)を用
いて定量する。検出器応答を測定し、その後100%に対
して換算する。各エステル群は相対率として表示する。
3.゜Fで測定された非消化性脂肪の固体脂肪含有率(SF
C)分布の勾配 SFC値を決定する前に、非消化性脂肪のサンプルは少
くとも30分間又はサンプルが完全に溶融されるまで140
゜F(60℃)以上の温度に加熱される。次いで融合サン
プルは下記のようにテンパリングされる:80゜F(26.7
℃)で15分間、32゜F(0℃)で15分間、80゜F(26.7
℃)で30分間、32゜F(0℃)で15分間。テンパリング
後、50゜F(10℃)、70゜F(21.1℃)、80゜F(26.7
℃)、92゜F(33.3℃)及び98.6゜F(37℃)の温度にお
けるサンプルのSFC値は、各温度で30分間の平衡後にパ
ルス核磁気共鳴(PNMR)で調べる。SFC分布の勾配%固
体分/゜Fは、98.6゜F(37℃)のSFC値から70゜F(21.1
℃)のSFC値を差し引き、その後28.6で割ることにより
計算される。PNMRでSFC値を決定する方法はJ.Amer.Oil
Chem.Soc.,Vol.55(1978),pp.328−31(参考のため本
明細書に組み込まれる)及びA.O.C.S.Official Method
Cd.16−81,Official Methods and Recommended Practic
es of The American Oil Chemists Society,4th Ed.,19
89(参考のため本明細書に組み込まれる)で記載されて
いる。
4.示差走査熱量測定(DSC)によるポリオールポリエス
テルの完全融点 本発明で用いられるポリオールポリエステル物質又は
ポリオールポリエステル含有粒子の完全融点は下記のよ
うにDSCで決定できる: 装置: コネチカット州,ノーウォークのパーキン−エルマー
(Perkin−Elmer)により製造されたパーキン−エルマ
ー7シリーズ熱分析システム、モデルDSC7 操作: 1.ポリオールポリエステル物質又はポリオールポリエス
テル含有ブレンドのサンプルをすべての目に見える固体
分が溶融する温度より少くとも10℃高くまで加熱し、十
分にミックスする。
2.サンプル10±2mgを坪量してサンプルパンにいれる。
3.走査はすべての目に見える固体分が溶融する温度より
約10℃上から−60℃まで5℃/minで行う。
4.サンプルの温度を−60℃で3分間維持し、−60℃から
原出発温度(即ち、すべての目に見える固体分が溶融す
る温度より約10℃上)まで5℃/minで走査する。
5.完全溶融とはベースライン(即ち、特定のヒートライ
ン)と最終(例えば、最高温度)吸熱ピーコの後縁に正
接するラインとが交わる温度である。
5.チキソトロピー面積値 本発明の非消化性脂肪組成物は、このような組成物が
示す受動的オイルロスコントロールの程度と相関してい
るあるレオロジー特徴(即ち、見掛け粘度及びチキソト
ロピー)を示す。本明細書で記載された方法は、固体成
分が最終使用製品の冷却プロフィルで結晶化して三次元
固体様構造を形成した脂肪組成物のチキソトロピー面積
を決定するために用いられる。
チキソトロピー面積は剪断されるサンプルの単位容量
当たりのエネルギーの大きさについて表示でき、これは
物質の三次元固体様構造を破壊するためにエネルギーが
要求される指標である(Schram,G.Introduction to Pra
ctical Viscometry,pp.17−19,Gebruder Haake,West Ge
rmany(1981)参照)。このため、チキソトロピー面積
は剪断前に存在する脂肪組成物の三次元固体様網状構造
の相対的尺度として考えられる。この方法において、剪
断応力はコーン及びプレートレオメーターを用いて0〜
800s-1の剪断速度の関数として測定される。剪断速度は
37.8℃で最初に7.5分間増加させ、その後7.5分間減少さ
せる。イキソトロピー面積は上昇及び下降流動曲線間の
ヒステリシスの面積である。少くとも約10kPa/secのチ
キソトロピー面積値を有する非消化性脂肪組成物は、摂
取されたときに受動的オイルロスコントロールを示す。
a)レコーダーの設定 冷却プロフィルテンプレート(図2参照)を時間がX
軸になるようにX−Yレコーダ〔ヒューストン・インス
トルメンツ(Houston Instruments)モデル200〕にお
く。用いられる冷却プロフィルは最終使用製品の場合と
類似しているべきである。このケースにおいて、用いら
れる冷却プロフィルはポテトチップの冷却プロフィルの
類似であり、すべてのディープ脂肪フライド塩味スナッ
ク製品に典型的である。レコーダースイッチをテンプレ
ートに書き込まれたパラメーターにセットし、その後下
記のように設定する: 1.カリブレーターを50mVにセットする。
2.ゼロ電位差計をペンがレコーダーで50゜Fを示すまで
調整する。
3.カリブレーターを190mVにセットする。
4.スパン電位差計をペンがレコーダーで190゜Fを示すま
で調整する。
上記ステップ1〜4はペンが調整せずに適正な温度を示
すまで繰返す。次いでストップチャートレコーダーを熱
電対リーダー〔オメガ(Omega)#199A〕のアナログア
ウトプットに接続する。
b)サンプル調製 非消化性脂肪サンプルをすべての目にみえる固体分が
溶解する温度以上に完全溶融するまで加熱し、その後十
分にミックスする。次いでサンプル8gをアルミニウム秤
量パン〔VWRサイエンティフィック(Scientific)#254
33−008〕にいれて秤量する。熱電対(オメガ#5TC−T
−36−36 0.005インチタイプT)をパンのほぼ中央で
サンプルに浸漬し、熱電対チップがパンの底に触らない
ように注意を払う。次いでパンをホットプレート上にお
き、約240゜Fに加熱する(240゜Fはフライヤーから取り
出された後におけるポテトチップの推定表面温度であ
る。この温度は試験される脂肪組成物が最終的に取り込
まれる具体的最終使用製品の冷却プロフィルと類似する
ように調整されねばならない)。大体の温度に達した
ら、レコーダーを始動させ、パンをホットプレートから
除き、ラボベンチ(lab bench)の上におく。サンプル
の温度はテンプレートで示される冷却曲線を大体たどる
(±5゜)ようにコントロールする。これは、パンを静
かに振動させて冷却を促進し、ラボベンチ上からパンを
除いて冷却速度を遅くすることにより行う。この冷却プ
ロセスは終了まで約3分間要し、その後熱電対を除く。
次いで非消化性脂肪サンプルを、チキソトロピー面積の
測定前に、非消化性脂肪サンプルが最終的に取り込まれ
る最終使用製品で出会う貯蔵温度に典型的な温度(例え
ば、ポテトチップ場合70゜F)で少くとも30分間テンパ
リングする。
c)レオメーター調整 レオメーター〔2、5及び7cmコーン装備のコントレ
ーブス・レオマット(Contraves Rheomat)115A;2゜角
度〕をコンピューターに接続し、下記条件下で調整す
る: プログラム設定 感度 1.0 第一最少剪断速度(s-1) 0.000 最小剪断速度の時間(s) 120.0 サンプル温度を平衡化 させる保持時間 上昇傾斜時間(s) 450.0 7.5分間走査0〜800s-1 最大剪断速度(s-1) 800.000 保持時間(s) 1.0 第二最少剪断速度(s-1) 0.000 下降傾斜時間(s) 450.0 7.5分間走査800〜0s-1 データ出力条件 測定ポイント1〜15のプリントアウト チキソトロピー面積計算 プリントアウト結果 (d)コーン選択 CP−8(2cm)コーンを用いて、この方法に従いサン
プルのチキソトロピー面積を測定する。チキソトロピー
面積値が200kPa/sより大きければ、最大精度に達した。
チキソトロピー面積値が50〜200kPa/sであれば、その方
法はCP−6(5cm)コーンを用いて新たなサンプルで繰
返すべきである。チキソトロピー面積値が0〜50kPa/s
であれば、その方法はCP−10(7cm)コーンを用いて繰
返すべきである。
e)トルク設定 レオメーターは、測定ヘッドをプレートから持上げ、
その後調節ノブの左にあるトルクメーターが“+000"に
なって“+”フラッシングするまで、レオメーターのコ
ントロールパネルにあるトルク設定ノブを調節すること
により、トルクについて設定する。
f)温度設定 分析中におけるサンプルの温度は37.8±0.1℃で維持
するべきである。約37.8℃に達するように再循環浴を調
整した後、少量の油をプレートに塗り、コーンをプレー
ト上におき、熱電対プローブをコーン及びプレート間の
ギャップに挿入し、その後その温度で数分間平衡化させ
ることにより、プレート温度をチェックする。次いで温
度をプレート温度が37.8±0.1℃になるまで浴温を調節
しながら読取る。
g)サンプル分析 テンパリング非消化性脂肪サンプル約4gをレオメータ
ープレートに適用する。次いでコーンアセンブリーをサ
ンプル上にゆっくりと下降させ、プレート上にしっかり
と設置する。この時点で、流動曲線プログラムを開始す
る。ランの終了後に、レポートは流動曲線及び計算チキ
ソトロピー面積について最初の15データポイントをリス
ト化してプリントアウトする。チキソトロピー面積は上
昇及び下降流動曲線間のヒステリシス面積であり、チキ
ソトロピー面積値(kPa/sec)として報告する。
6.油分離値 非消化性脂肪サンプルの油分離は、横行結腸を通過す
るときのように、脂肪サンプル含有偽似糞マトリックス
の移動及び部分的脱水をシミュレートするインビトロ方
法により測定される。このような方法で、サンプル含有
糞マトリックスに関するバルク油分離の程度が測定され
る。非消化性脂肪サンプルの油分離は下記方法により調
べるが、その場合において脂肪サンプルは偽似糞物質を
加える前に最終使用製品の冷却プロフィルにより冷却さ
れる。
a)偽似糞混合物の調製 本明細書で記載されたように調べられる適量のフェク
ロン(Feclone)固体物〔PA、バレーフォージのシリコ
ン・スチュージオス(Silicon Studios)製FPS−2〕を
ステンレススチールビーカー中にいれて秤量する。秤量
されるフェクロン固体物の具体量は、下記表で示される
ように、分析されるサンプルの番号に依存する。サンプル# フェクロン(g) 2%DL(g) 水(g) 全量(g) 1 28.1 1.1 270.8 300 2 56.3 2.3 541.5 600.1 3 84.4 3.4 812.4 900.2 4 112.5 4.5 1083.0 1200 過剰の水を加熱沸騰させ、その後フェクロン固体物を
含有したビーカー中にいれて表示量を秤量する。この混
合液を塊状化しないように水の添加中に攪拌する。表示
量のドーン(DAWN)皿洗い液(DL)〔プロクター&ギャ
ンブル社(Procter & Gamble Company)市販〕の2%
溶液をビーカーに加え、全混合液をよくブレンドされる
まで約3分間にわたり攪拌する。次いでこの混合液を15
〜20分間カバーして放置させ、100゜Fに冷却し、その後
使用するまで100゜F環境で貯蔵する。この時点における
偽似糞混合物の水分(即ち、水及び皿洗い液)は混合液
の90.6%であるべきである。これは結腸に入る物質の大
体の水分含有率に相当する。
b)結腸運動性及び糞脱水のシミュレーション いくつかの透析バッグを、透析チューブ〔フィッシャ
ー(Fisher)#08−670E〕のロールから長さ16インチ
(約41cm)でそれらを裁断することにより作る。チュー
ブの一端を開けたままにし、他端をその端部から約1−
1/2インチ(約3.8cm)について一緒にきつくねじり合わ
せて、バッグを形成する。このねじり合わせた端部は、
図3で記載されたローラー装置にバッグを固定するため
に使える余分な長さのある、長さ約12インチ(約30cm)
のワイヤねじり合わせタイで留める。
100゜F環境で、偽似糞混合物276.7g及び非消化性脂肪
サンプル26gをモデル400ストマッチャー(Stomacher)
ミキサーバッグ(フィッシャー#14−550−5C)中に秤
量して入れ、その後ストマッチャーミキサー(フィッシ
ャー#14−550−2)で30秒間ミックスする。次いでこ
の混合液を風袋を計った透析バッグ中に注ぎ、バッグ中
における混合液の実際の重量を記録する。次いで透析バ
ッグの他端を余分な空気のしぼり出し後一緒にねじり合
わせ、他のワイヤねじり合わせタイで留める。液体非消
化性油(例えば、液体スクロースポリエステル)内部コ
ントロールは、各一連の測定でサンプルの1つに、非消
化性脂肪組成物として通常含まれている。
次いで充填された透析バッグを図3で記載されたロー
ラー装置のベースプレート(12)上におく。各充填透析
バッグ(2)のワイヤねじり合わせタイ(1)をローラ
ー装置の各端に位置するアンカーバー(3)上に取り付
けて、バッグを所定位置に保つ。ローラー装置とベース
プレートとのクリアランスは約3/16インチ(約0.5cm)
に調整する。ローラー装置はギア駆動アーム(5)に接
続されたステンレススチールローラー(4)からなる。
アームはギアを介して可変速度モーター〔デイトンDCギ
アモーター(Dayton DC Gearmotor)、モデル4Z137B、
ギア比30:1、8HP、1.0SF、F/Lトルク74in/lb、90VDCで6
0rpm〕(6)に接続されているため、ローラーは設定速
度で透析バッグの一端から他端までガイドバー(7)に
沿い動くことができる。ガイドバー上に位置するローラ
ー(8)は、ローラーが透析バッグの端部までずっと到
達するような長さまでギア駆動アームが伸びるように調
節される。ローラーがバッグのこの端部に到達すると、
リミットスイッチ(オムロン、モデルD616−01)(9)
が作動して、ローラーの方向を転換される。ローラーが
透析バッグの端部の他端に到達すると、もう1つのリミ
ットスイッチ(10)が作動して、ローラーの方向を再び
転換させる。こうして、ローラーはバッグの一端から他
端まで連続的に往復する。ほとんど正確に結腸運動性を
シミュレートするために、モーターはローラーが約3イ
ンチ/minで動くようにコントローラー〔ボストン・ラジ
オトロールDCドライブ(Boston Radiotrol DC Driv
e)、モデルRB3R〕(11)で調節するべきである。
偽似糞混合物及び非消化性脂肪サンプルを含有した透
析バッグがあるローラー装置を100゜F(37.8℃)定温室
におく。偽似糞混合物の部分的脱水は、水分が透析チュ
ーブから蒸発すると起きる。脱水及びローリング作用
は、充填透析バッグの内容物の重量が約75%水分含有率
(130±6g)になるまで続ける。この目標重量に達する
には通常約18〜24時間かかる。糞混合物の目標水分含有
率に達したかどうかを調べるために、透析バッグをロー
ラー装置から取出し、秤量する。バッグの内容物の正味
重量が既に計算された目標重量より多いならば、水分含
有率は高すぎ、脱水及びローリングは続けねばならな
い。バッグの内容物の正味重量が目標重量より少ないな
らば、糞混合物の水分含有率は低すぎ、過剰の100゜F水
が加えられて、その後目標重量に達するまでローリング
及び脱水が続けられるべきである。
c)油分離のg(油分離値)の決定 次いで充填透析バッグを切り開き、内容物をゴム製料
理ヘラ及び漏斗の助けで風袋を計った150ml遠心ボトル
に移す。ボトル中にある物質の重量を記録し、その後ボ
トルにきつく蓋をする。次いで各蓋付きボトルを遠心機
〔例えば、デーモン(Damon)/IECモデルUV又は相当
物〕にいれ、800rpm、100゜Fで30分間回転させる。遠心
は管の内容物を固体層、水層及び油層に分離する。油層
の底から油層の上までの距離(cm)を測定する。分離し
た油のg(油分離値)は下記式を用いて計算できる: 油g=πr2(ρ)h 上記式中h=油層の厚さ(cm) ρ=油層の密度(g/cm3) r=ボトルの内半径(cm) 代表的液体スクロースポリエステルがコントロールサン
プルで脂肪組成物として用いられる場合には、油分離値
は典型的には19.1±1.2gである。
7.固体ポリオールポリエステル粒子の厚さ (光学顕微鏡検査) 本発明の非消化製脂肪組成物で形成される固体ポリオ
ールポリエステル粒子の厚さは、下記方法に従い、ホフ
マン・モジュレーション・コントラスト(Hoffman Modu
lation Contrast)(HMC)光学機器を用いて、ニコン・
マイクロフォト(Nikon Microphot)ビデオ画質向上光
学顕微鏡(VELM)により室温で評価される: 1.少量(即ち、1〜10mg)の非消化性脂肪サンプルをそ
の中に分散された固体ポリオールポリエステル粒子と共
に顕微鏡スライド上にのせ、カバーする。スライドを顕
微鏡下におく。
2.サンプルは10X接眼レンズと組合せて標準レンズとし
てHMC100Xオイル対物レンズを用いて検査する。
3.顕微鏡取付けビデオカメラ及び関連コントローラー
を、サンプルとバックグラウンドとの差異を明確にする
上で、ビデオ画質向上のために用いる。
4.固体ポリオールポリエステル粒子の厚さをμmで測定
する。
この方法により、VELMの解像度(約0.2〜0.5μm)内
の厚さを有する粒子を識別できる。小さな寸法を有する
粒子の粒子厚さは、後記のフリーズフラクチャー法によ
り決定できる。
(注意:特別なサンプル製造は、代表的サンプルを得る
こと以外、不要である。サンプルは環境中で溶融及び冷
却させるべきである。) 参照:Robert Hoffman,″The Modulation Contrast Micr
oscope:Principle and Performances″(モジュレーシ
ョン・コントラスト顕微鏡:原理及び性能),Journal o
f Microscopy,Vol.110,Pt 3,August 1977,pp.205−222 8.固体ポリオールポリエステル粒子の厚さ (フリーズフラクチャー透過型電子顕微鏡検査) ポリオールポリエステルの粒子の三次元トポグラフィ
ー及びそれらの大きさは、フリーズフラクチャー透過型
電子顕微鏡検査(ff−tem)法により決定できる。
このフリーズフラクチャー法は下記のように実施され
る: 1.凍結容器の外腔を液体窒素で満たし、凍結容器の内部
デェワーを液体エタン(−172℃の標準融点)で満た
す。エタンを凍結させる。
2.少量(1〜2μ)の非消化性脂肪サンプルをその中
に分散された固体ポリオールポリエステル粒子と共に金
メッキバルザーズ(Balzers)試料ホルダーのウェルに
いれる(注意:全く液体のサンプルの場合、1〜2μ
のサンプルを金プランチェット(planchet)(バルザー
ズ)上におき、もう1つのプランチェットを最小のもの
の上においてサンドイッチを形成する)。
3.デュワー中ほとんどの凍結エタンは金属ヒートシンク
をデュワー中に挿入することで溶融させる。
4.エタンの溶融直後に、非消化性脂肪サンプル含有の試
料ホルダーをピンセットで摘み上げ、直ちに液体エタン
中に投入する。
5.数秒後、試料ホルダーをエタンから取出し、ラクダ毛
ブラシの先端に素早く触れさせて過剰のエタンを除去
し、直ちに液体窒素に浸漬してサンプルを冷却させてお
く。
6.サンプルを液体窒素下でJEOL JFD−9000Cサンプルホ
ルダーに移し、その後JEOL JFD−9000Cフリーズフラク
チャーユニットの室内に移す。そのユニットの温度は約
−175℃であるべきである。真空度は少くとも8×10-7t
orrであるべきである。
7.ナイフを約−615℃の温度に冷却する。
8.サンプルは前冷却ナイフを用いてJEOL室内で分割す
る。
9.白金−炭素を分割サンプル上に角度45゜で4.5秒間付
着させ、その後炭素を角度90゜で25秒間付着させて、分
割サンプルのレプリカを形成する。高電圧は2500V、電
流は70mAである。
10.サンプルをフリーズフラクチャーユニットから取出
し、3回のクロロホルム洗浄で洗い落とす。
11.レプリカを300メッシュ銅EMグリッド上に摘み上げ、
透過型電子顕微鏡で調べる。
12.画像はネガフィルムに記録し、ポジプリントをネガ
から作る。
13.ポリオールポリエステル粒子の厚さをnmで測定す
る。
参考文献: Rash,J.E.及びHudson,C.S.,Freeze−Fracture:Method
s,Artifacts and Interpretations(フリーズフラクチ
ャー:方法、技術及び解釈),New Haven Press,New Yor
k,1979 Stolinski及びBreathnach,Freeze Fracture Replicat
ion of Biological Tissues(生物組織のフリーズフラ
クチャー複製),Academic Press,London,1975 Steinbrect及びZierold,Cryotechniques in Biologic
al Electron Microscopy(生物学的電子顕微鏡検査にお
ける低温技術),Springer−Verlag,Berlin,1987 9.ケン化価 固体ポリオールポリエステルサンプルは、Official M
ethods and Recommended Practices of The American O
il Chemists Society,4th Ed.,1989,Procedure Cd 3−2
5で記載された操作に従い、還流アルコール性KOHでケン
化することができる。得られた脂肪酸石鹸を標準化HCl
でフェノールフタレイン終点まで滴定する。ブランク
(添加サンプルなし)も操作でランし、滴定する。
次いでケン化価が下記式に従い計算される: SV=((B−S)×N×56.1)/W 上記式中B=ブランク滴定に要するHCl容量(ml) S=サンプル滴定に要するHCl容量(ml) N=HClの規定度 W=サンプル重量g 10.酸価 固体ポリオールポリエステルサンプルは標準化KOHで
フェノールフタレイン終点まで滴定することができる。
操作はOfficial Methods and Recommended Practices o
f The American Oil Chemists Society,4th Ed.,1989,P
rocedure Cd 3a−63で記載されている。ブランク(添加
サンプルなし)も滴定する。
次いで酸価が下記式に従い計算できる: AV=((A−B)×N×56.1/W 上記式中A=サンプル滴定に要するKOH容量ml B=ブランク滴定に要するKOH容量ml K=KOHの規定度 W=サンプル重量g 11.ヒドロキシル価 サンプルの遊離ヒドロキシル基はピリジン中無水酢酸
で定量的にアセチル化することができる。アセチル化
後、残留無水酢酸を過剰の水で加水分解し、残留酢酸を
標準化エタノール性KOHでフェノールフタレイン終点ま
で滴定する。ブランク(添加サンプルなし)も操作でラ
ンし、滴定する。操作はOfficial Methods and Recomme
nded Practices of The American Oil Chemists Societ
y,4th Ed.,1989,Procedure Cd 13−63で記載されてい
る。
次いでヒドロキシル価が下記式に従い計算される: HV=(((B−S)×N×56.1)/W)はAV 上記式中B=ブランク滴定に要するKOH容量ml S=サンプル滴定に要するKOH容量ml N=KOHの規定度 AV=サンプルの酸価(前記) 12.ポリマー含有固体ポリオールポリエステル物質のポ
リマー含有率 固体ポリオールポリエステル粒子物質中におけるモノ
マー及び全ポリマー物質(例えば、スクロースポリエス
テルダイマー、トリマー、テトラマー以上)の相対量
は、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて決定するこ
とができる。この方法ではポリマーラボラトリーズ(Po
lymer Laboratories)60cm×7.5mm、500A孔径5umカラム
と組み合わせてヒューレット・パッカードHP−1090液体
クロマトグラフィーシステム(LC)を用いる。LCは下記
条件下でランするように調整する: 注入容量 20μ/min 流速 1.0μ/min 移動相 濾過&テトラヒドロフラン(THF) 検出器希釈倍率 32× 検出器温度 40℃ チャート速度 5.0mm/min 固体ポリオールポリエステルサンプル(0.75g)をTHF
25ccに溶解し、その後この溶液20μをLCシステム中に
注入する。カラムはサンプルをモノマー及びポリマーに
分離する。各分画は屈折率検出器〔エルマ・オプティカ
ル・ワークス(Erma Optical Works)ERC−7512〕によ
り分析する。次いで検出器応答を積分器により測定す
る。ポリオールポリエステルモノマーより早く溶出する
相対ピーク面積は、ポリマー%を報告するために、人為
的に合計する。
様々な分画(例えば、モノマー、ダイマー、トリマー
及びテトラマー以上)をストリップチャート上で個別ピ
ークに分割する。モノマーピークは既にランしたモノマ
ー標準と比較して同定する。溶出順序(時間経過順で)
はテトラマー以上、トリマー、ダイマー及びモノマーで
ある。装置は各ピーク下の面積を計算する。個別ポリマ
ー種の重量%は、すべてのピーク下にある面積の合計で
割った、各種ピーク下にある面積である。
13.ポリグリセロールエステル分析 A)平均グリセロール重合度 “平均グリセロール重合度”(n−bar)とは、ポリ
グリセロールエステル混合物を含んだポリグリセロール
エステル種におけるグリセロール部分の平均数を表すモ
ル量である。平均グリセロール重合度は、ポリグリセロ
ールエステルの所定混合物を構成する個別ポリグリセロ
ールエステル種の重量%の実験決定分布から計算され
る。
ポリグリセロールエステルサンプル中におけるポリグ
リセロールエステル種の分布は下記のように決定でき
る:ポリグリセロールエステルサンプルを還流メタノー
ル中ナトリウムメトキシドでエステル交換する。ナトリ
ウムメトキシドを得られた溶液から陰イオン交換樹脂処
理により除去する。ポリグリセロール及び得られたメチ
ルエステルのメタノール溶液をヘキサンで抽出して、メ
チルエステルを除去する。最後に、メタノールを蒸発さ
せて、未エステル化ポリグリセロールの混合物を得る。
こうして得られたポリグリセロールをピリジン中でトリ
メチルシリルイミダゾール及びビス(トリメチルシリ
ル)トリフルオロアセトアミドの5/1(容量)混合物で
誘導して、トリメチルシリルエーテルを形成させる。サ
ンプルは短い〔18インチ×1/8インチ(約46cm×0.3cm)
ID〕充填カラム(100/120メッシュガスクロム(Gas Chr
om)Qで3%JXR)を用いてカラム注入及び炎イオン化
検出するGCにより分析する。GC法はJAOCS,58,(1981)p
ages 215−227で記載されたモノ、ジ及びトリグリセリ
ドの完全混合物の分離に用いられる方法と本質的に同様
である。
平均グリセロール重合度(n−bar)は下記式に従い
サンプルでポリグリセロール種の測定分布から計算する
ことができる: B)ポリグリセロールエステル混合物のエステル化% ポリグリセロールエステルサンプルのエステル化%と
は、モル%ベースで表示される平均ポリグリセロールエ
ステル化度である。エステル化%はポリグリセロールエ
ステルサンプルのケン化価、酸価及び平均グリセロール
重合度から間接的に計算される。ポリグリセロールエス
テルサンプルのケン化価及び酸価を決定する分析方法
は、一般的にポリオールポリエステル物質に関するそれ
らの価の決定について前記されたとおりである。
次いでケン化価及び酸価から、ポリグリセロールエス
テルサンプルの“エステル価”(EV)が計算できる。所
定ポリグリセロールエステルサンプルのエステル価はサ
ンプルのケン化価(SV)と酸価(AV)との差異である。
次いでエステル価から、補正エステル価が計算でき
る。所定ポリグリセロールエステルサンプルの“補正エ
ステル価”(EVcor)とは、ポリグリセロールエステル
のみを含有した(即ち、遊離脂肪酸を含有しない)純粋
サンプルの計算エステル価である。補正エステル価は下
記式に従い計算される: 次いで平均エステル化度(i−bar)が補正エステル
価及びポリグリセロールの平均分子量(MWGn-bar)から
計算される。平均エステル化度(i−bar)とは脂肪酸
でエステル化されたポリグリセロールエステルのヒドロ
キシル基の平均数を表すモル量である。したがって、 avg.MWfa=下記式に従い前記GCFAC法で測定されるよ
うに、様々な種の脂肪酸重量%から計算されたポリグリ
セロールエステルサンプル中に存在する脂肪酸エステル
基(fa)の平均分子量: 最後に、エステル化%が下記式に従い計算される: C)脂肪組成物の消化率(リパーゼ試験) 非消化性脂肪組成物約0.5gを溶融し、125mlエルレン
マイヤーフラスコ中のトリス緩衝液25ml(脱イオン水で
1に希釈され、濃HClでpH8.0に調整されたNaCl(1.0
M)58.4g、CaCl2×2H2O(36mM)5.3g、トリズマ(Trizm
a)(0.5M)67.7g)に加える。この混合液に1.0%タウ
ロコール酸ナトリウム溶液(シグマケミカル)1.0ml及
び45.0%CaCl2×2H2O溶液0.5mlを加える。約5個のガラ
スビーズを加え、フラスコに栓を取付け、リストアクシ
ョン(wrist action)シェーカーを装備した37℃制御水
浴にいれる。サンプルを1時間振盪し、その後リパーゼ
溶液1ml〔上記トリス緩衝液で50mlに希釈されたリパー
ゼ(シグマケミカルタイプII、プタ膵臓からの粗製物)
750mg〕を加える。混合液を37℃で1時間振盪する。
反応を濃HCl10ml、脱イオン水25ml及びエタノール10m
lの添加により終結させる。放出された遊離脂肪酸を100
mlずつのジエチルエーテル/石油エーテル(1:1容量)
で3回抽出する。合わせた抽出液を100mlずつの脱イオ
ンで3回洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、ワットマン#41濾紙で濾過する。エーテル溶媒を55
℃でロータリー蒸発により除去する。
残渣を30mlずつの加温イソプロピルアルコール/水
(85/15v/v)で2回150mlビーカー中に洗い流す。混合
液を標準化0.1N NaOH溶液でフェノールフタレイン終点
まで滴定する。ブランク(添加試験物質なし)も全操作
でランし、滴定する。“リパーゼエステル価”(LEV)
は下記式から計算される: LEV=(((S−B)×N×56.1)/W)−AV 上記式中S=サンプル滴定に要するNaOH容量ml B=ブランク滴定に要するNaOH容量ml N=NaOHの規定度 W=サンプル重量g AV=サンプルの酸価(前記) 加水分解率は下記式から計算される: 加水分解%=(LEV)×100(EV) 上記式中LEV=リパーゼエステル価(前記) EV=エステル価(前記) これらの条件及びこの酵素品を用いて、一級ヒドロキ
シル基のエステルのみを加水分解する。例えば、純粋ト
リオリアン(3つのオレイン酸エステルを有するトリグ
リセリド)のLEVは126.9、SVは190.4、加水分解%は66.
7%である。しかしながら、トリオリアンは一級ヒドロ
キシル基以外のヒドロキシル基も有しており、これはこ
れら他のヒドロキシル基がこの方法の条件下でたとえ加
水分解されないとしてもトリオリアンの消化率を決める
上で考慮されねばならない。したがって、常用トリグリ
セリドのトリオリアンは100%消化されるとすれば、こ
の方法に従いトリオリアンサンプルに関して得られた6
6.7%加水分解の値が100%に換算される。定義セクショ
ンで前記された非消化性の定義によれば、サンプルの約
70%のみがこのリパーゼ試験で酵素によりトリグリセリ
ドについて加水分解できる。したがって、非消化性と考
えられる脂肪組成物の場合に、この方法に従いサンプル
について得られる加水分解値%は46.7%以下、好ましく
は13.3%以下、更に好ましくは6.7%以下であるべきで
ある。
G.具体例 本発明の非消化性脂肪組成物の製造が下記例で示され
ている。例I〜IVはオイルロスコントロール剤としてい
くつか異なるタイプの固体ポリエステル物質を用いた非
消化性脂肪組成物の製造について示している。
例I 固体スクロースポリエステル(SPE)製造−脂肪−脂肪
酸保有SPE この例で固体スクロースポリエステルを製造するため
に用いられる反応装置は、定速攪拌機、温度計、マック
ロード(McLeod)ゲージ及び減圧器を装備した1ガラ
ス反応フラスコである。加熱マントルが反応器を取り囲
み、反応器の温度はサーモウォッチ(Thermowatch)に
より維持される。真空ポンプにより反応器を真空にし、
ドライアイストラップを反応器減圧器と真空ポンプとの
間におき、反応器を凝縮させて、メタノール副産物を集
める。
ヒマシ油メチルエステル約61.8gを水素付加された蒸
留菜種油メチルエステル約304.4gと混合する。ヒマシ油
メチルエステル対水素付加された蒸留菜種油メチルエス
テルのモル比は約1.5/6.5である。このメチルエステル
混合物約142.5gを粉末スクロース約34.4g、粉末ステア
リン酸カリウム約24g及び粉末炭酸カリウム約1.4gと一
緒に1球形ガラス反応器に加える。混合液を約15mmHg
真空度において約135℃で約1.5時間加熱攪拌する。約1.
5時間後に真空を窒素で解除して、残り223.7g(大体)
のメチルエステル混合物を炭酸カリウム約1.4gと一緒に
反応混合液に加える。この混合液を約0.5〜5.8mmHg真空
度下において約135℃で約5時間反応させる。混合液を
約75℃に冷却し、水約30gを混合液に加える。混合液を
ジョーに移し、約2500rpmで約2分間〔フィッシャー・
サイエンティフィック・モデル・マラソン(Fisher Sci
entific Model Marathon)10K遠心機〕遠心する。次い
でジャー中の液体をジャーの底にある石鹸層からデカン
トする。シリカ約5gをデカントした液体に加え、混合液
を約75℃で約30分間攪拌する。次いで混合液をブフナー
漏斗を用いて濾紙で濾過する。次いで濾液をポープ(Po
pe)2インチ径ワイプド(wiped)フィルムエバポレー
ターに約30g/hrで供給し、未反応メチルエステルを蒸留
する。エバポレーターは約0.05〜0.08mmHg下において約
235℃で操作する。次いで生成物をエバポレーターから
集め、環境温度まで冷却する。
スクロースに結合したヒマシ油中に含有されるリシノ
ール酸の12−ヒドロキシ基は、それ自体が反応中に脂肪
酸でエステル化されている。これは偏向移動により特定
される非感受性核(INAPT)と称される多核NMR実験の使
用により確認できる。操作はJohnson,L.Relaxation Tim
es,7(1):4(1990)で記載されている。実験では広範
囲ヘテロ核カップリング3JCHを検出する。最終固体ポリ
オースポリエステルは58.1%のオクタエステル含有率を
有している。
脂肪組成物製造 この固体スクロースポリエステル4gと、スクロースが
綿実油の脂肪酸群で実質上完全にエステル化された液体
スクロースポリエステル96gを混合し、すべての固体物
が溶解するまで加熱する。次いで混合液を室温まで33.3
゜F/minの速度で逆冷却する。その冷却は、液体非消化
性油中に分散された小さな小板様粒子の形で固体スクロ
ースポリエステル物質の結晶化を起こす。この組成物は
41.6kPa/secのチキソトロピー面積値及び16gの平均油分
離値を有している。このため、組成物は液体スクロース
ポリエステルのみが食品脂肪として用いられたときに生
じる受動的オイルロスを起こさない。この組成物は−0.
1%固体分/゜Fの固体脂肪含有率分布勾配を有してい
る。この比較的平坦なSFC分布勾配と、脂肪組成物を製
造するための用いられた低い固体レベルとの結果とし
て、この脂肪組成物から作られる製品はロウ状味覚では
ない。
上記液体スクロースポリエステルは後の例IIで詳細に
記載されたものと同様である。
例II 固体スクロースポリエステル(SPE)製造−C22/トルイ
ル酸SPE ベヘン酸メチルエステル製造 ベヘン酸メチルエステルは水素付加高エルカ酸菜種油
から製造する。水素付加高エルカ酸菜種油約870g、メタ
ノール約174及びナトリウムメトキシド溶液約12.2g(メ
タノール中25%)を球形3ガラス反応器に加える。反
応器は加熱マントル、温度計、温度コントローラー、還
流コンデンサー、可変速度攪拌器、減圧器(vacuum tak
e−off)及び底出口を有している。混合液を約65℃で約
1.5時間反応させ、その間メタノールを還流する。攪拌
を止め、菜種油のグリセリン副産物を約30分間かけて沈
降させる。グリセリンは反応器の底に沈み、底出口から
除去する。メタノール約30g及びナトリウムメトキシド
溶液約5.2g(メタノール中25%)をガラス反応器に追加
し、混合液を約65℃で約30分間反応させる。攪拌を止
め、グリセリンを約30分間かけて沈降させ、底出口から
除去する。水約100gを混合液に加え、攪拌し、沈降さ
せ、底出口から除去する。水洗操作を更に2回繰返す。
還流コンデンサーを取外し、真空を解除し、分別カラム
を反応器に取り付ける。反応器を約0.3〜1.0mmHgの真空
度で約170〜200℃に加熱する。カラムから蒸発する第一
物質の約50%を集めて、捨てる。カラムから蒸発する次
の40%(大体)の物質は生成物として集める。この生成
物はベヘン酸メチル約92重量%であり、後で表Iに示さ
れる特徴を有している。
スクロースエステル化 o−トルイル酸メチル〔アルドリッチ・ケミカル社
(Aldrich Chemical Company)〕約21.2gをベヘン酸メ
チルエステル約366.2gと混合する。トルイル酸対ベヘン
酸のモル比は約1:7である。このメチルエステル混合物
約152.6gを粉末スクロース約34.4g、粉末ステアリン酸
カリウム約24g及び粉末炭酸カリウム約1.4gと一緒に1
ガラス反応器中で混合する。反応器は加熱マントル、
温度計、温度コントローラー、可変速度攪拌器、減圧器
及び底出口を有している。混合物を約15mmHg真空度にお
いて約135℃で約1.5時間加熱攪拌する。真空を窒素で解
除し、残り234.8g(大体)のメチルエステル混合物を炭
酸カリウム約1.4gと一緒に反応混合液に加える。この混
合液を約0.5〜5.8mmHg下において約135℃で約5時間反
応させる。混合液を約75℃に冷却し、水約30gを混合液
に加える。混合液をジャーに移し、約2500rpmで約2分
間(フィッシャー・サイエンティフィック・モデル・マ
ラソン10K遠心機)遠心する。次いでジャー中の液体を
ジャーの底にある石鹸層からデカントする。シリカ約5g
をデカントした液体に加え、混合液を約75℃で約30分間
攪拌する。次いで混合液をブフナー漏斗を用いて濾紙で
濾過する。次いで濾液をポープ2インチ径ワイプドフィ
ルムエバポレーターに約30g/hrで供給し、未反応メチル
エステルを蒸留する。エバポレーターは約0.05〜0.08mm
Hg下において約235で操作する。次いで生成物をエバポ
レーターから集め、環境温度まで冷却する。
この固体スクロースポリエステル生成物は(前の分析
方法セクションで記載されたDSCにより測定したとこ
ろ)70.5℃の完全融点を有し、99.0%エステル化されて
いる。
脂肪組成物製造 この固体スクロースポリエステル生成物6gと、スクロ
ースが綿実油の脂肪酸群で実質上完全にエステル化され
た液体スクロースポリエステル94gを混合し、すべての
固体物が溶解するまで加熱する。次いで混合液を室温ま
で33.3゜F/minの速度で逆冷却する。その冷却は、液体
非消化性油中に分散された小さな小板様粒子の形で固体
スクロースポリエステル物質の結晶化を起こす。図4は
固体ポリオールポリエステル粒子の二次元小板様構造に
ついて表す顕微鏡写真である。これらの小板様粒子は、
分析方法セクションで前記されたフリーズフラクチャー
透過型電子顕微鏡検査により測定したところ、約100nm
以下の厚さを有していた。
液体スクロースポリエステル中に分散されたスクロー
スポリエステルの固体粒子を含有した脂肪組成物は、−
0.1%固体分/゜FのSFC分布勾配及び10gの平均油分離値
を有している。組成物は食品脂肪として使用に適し、液
体スクロースポリエステルのみが食品脂肪として用いら
れたときに生じる受動的オイルロスを起こさない。しか
もこれらの脂肪組成物中の固体レベルはそのように低い
ため、これらの脂肪組成物を含有した食品はロウ状味覚
ではない。
上記固体スクロースポリエステル及び液体スクロース
ポリエステルは表Iで示された特徴を有する。
例III 固体スクロースポリエステル(SPE)製造−ダイマー脂
肪酸SPE 非消化性脂肪組成物で有用な固体スクロースポリエス
テルは、スクロースをベヘン酸及びダイマー化蒸留獣脂
脂肪酸双方のメチルエステルと反応させることにより製
造する。
ベヘン酸メチルエステルは例IIの記載に従い製造す
る。分別蒸留獣脂脂肪酸から製造されたダイマー脂肪酸
〔ヘンケル(Henkel)1008ダイマー脂肪酸〕約100gをス
ペルコ(Supelco)BF3(三フッ素ホウ素)/メタノール
溶液約300mlと一緒に1ガラス反応器に加える。反応
器はパドルスターラーで攪拌され、温度コントローラー
装置の加熱マントル、温度計、滴下漏斗及び水冷還流コ
ンデンサーを有している。反応器の温度を約65〜70℃に
上げ、それで約2時間保つ。約2時間後、更に100mlのB
F3/メタノールを約1時間かけて滴下漏斗から混合液に
滴下する。混合液を大きな分液漏斗に移し、各相を分離
する。メタノール層を除去し、その後ヘキサン約50gを
分液漏斗で混合液に加え、十分に混合する。この混合液
を蒸留水約50gで洗浄し、水層を分離し、その後除去す
る。水洗操作を更に2回繰返す。分液漏斗中の混合液を
ロータリーエバポレーターに移し、ヘキサンをメチルエ
ステルから蒸発させる。乾燥メチルエステルの塩基滴定
を行い、遊離脂肪酸レベルが約5%以下であることを保
証する。次いでメチルエステルをシリカカラムでランさ
せて、残留遊離脂肪酸を除去する。ダイマー脂肪酸とそ
の後にダイマーメチルエステルが製造された分別蒸留獣
脂脂肪酸は、典型的には後の表IIで示された組成を有し
ている。
スクロースエステル化 この例でスクロースポリエステルを製造するために用
いられた反応器は前記例IIの場合と同様である。ダイマ
ーメチルエステル約72.8gをベヘン酸メチルエステル約3
06.3gと混合する。ダイマー脂肪酸:C22のモル比は約1:7
である。このメチルエステル混合物約189.5gを粉末スク
ロース約34.4g、粉末ステアリン酸カリウム約24g及び粉
末炭酸カリウム約1.4gと一緒に反応器に加える。混合物
を約15mmHg真空度において約135℃で約1.5時間加熱攪拌
する。次いで真空を窒素で解除し、残り189.6g(大体)
のメチルエステル混合物を炭酸カリウム約1.4gと一緒に
反応混合液に加える。この混合液を約0.5〜5.1mmHg真空
度下において約135℃で約5時間反応させる。混合液を
約75℃に冷却し、水約30gを混合液に加える。混合液を
ジャーに移し、約10000rpmで約2分間〔フィッシャー・
サイエンティフィック・モデル・マラソン10K遠心機〕
遠心する。次いでジャー中の液体を底にある石鹸層から
デカントする。シリカ約5gをデカントした液体に加え、
混合液を約75℃で約30分間攪拌する。次いで混合液をブ
フナー漏斗を用いて濾紙で濾過する。次いで濾液をポー
プ2インチ径ワイプドフィルムエバポレーターに約30g/
hrで供給し、未反応メチルエステルを蒸留する。エバポ
レーターは約0.04〜0.05mmHg下において約235℃で操作
する。次いで生成物をエバポレーターから集め、環境温
度まで冷却する。
得られた固体ポリオールポリエステル生成物はポリマ
ー約53.0%及びモノマー約47%である。ポリマー物質は
ダイマー約19.8%、トリマー約11.8%及びテトラマー以
上約21.4%を含んでいる。生成物の16.8%のオクタエス
テルである。
脂肪組成物製造 この固体ポリオールポリエステル生成物4gと、スクロ
ースが綿実油の脂肪酸群で実質上完全にエステル化され
た液体スクロースポリエステル96gを混合し、すべての
固体物が溶解するまで加熱する。次いで混合液を室温ま
で33.3゜F/minの速度で逆冷却する。その冷却は、液体
非消化性油中に分散された小さな小板様粒子の形で固体
スクロースポリエステル物質の結晶化を起こす。図5は
液体スクロースポリエステル物質中に分散された固体ス
クロースポリエステル粒子の二次元小板様構造について
表す顕微鏡写真である。その粒子は、分析方法セクショ
ンで前記されたフリーズフラクチャーTEMにより測定し
たところ、25nm以下の厚さを有していた。
液体スクロースポリエステル中に分散されたスクロー
スポリエステルの固体粒子を含有したこの例IIIの非消
化性脂肪組成物は、分析方法セクションで前記された方
法によりすべて調べたところ、−0.1のSFC分布勾配、52
kPa/secのチキソトロピー面積値及び10.5gの平均油分離
値を有していた。この例III組成物は食品脂肪として使
用に適し、液体スクロースポリエステルのみが食品脂肪
として用いられたときに生じる受動的オイルロス問題を
起こさない。しかも例III脂肪組成物を製造するために
用いられる低い固体レベルの結果として、この脂肪組成
物から製造される食品は許容されないロウ状味覚ではな
い。
液体スクロースポリエステル、固体ポリオールポリエ
ステル及び固体スクロースポリエステルの出発物質は表
IIで示された組成を有する。
例IV 固体ポリグリセロールエステル(PGE)製造 市販の狭い分布(n−bar 3.19)PGE〔トリオダン(T
riodan)55、ロット#00202、グリンステッド・デンマ
ーク(Grinsted Denmark)〕を分別してほとんどのモノ
エステルと一部のジエステルを除去したところ、ほとん
どのジ、トリ及びテトラエステルと少量のペタン〜ヘプ
タエステルを残した。出発ポリグリセロールは1.30のi
−barを有し、25%エステル化されている。
得られた固体ポリグリセロールエステルは下記特徴を
有する: ケン化価: 159.4 酸価: 0.6 補正エステル価: 159.3 n−bar: 3.54 n−bar: 2.83 融点: 56.2 ℃ エステル化度: 51.1 % MWFA: 271.2 LEV 1.8 脂肪酸組成: % C12 0.1 C14 1.2 C15 0.1 C16:0 41.2 C16:1 0.2 C17 0.3 C18:0 55.6 C18:1 0.2 C18:2 0.2 C20 0.7 脂肪組成物製造 この固体ポリグリセロールエステル生成物6gと、例II
Iで記載された液体スクロースポリエステル94gを混合
し、すべての固体物が溶解するまで加熱する。次いで混
合液を室温まで33.3゜F/minの速度で逆冷却する。その
冷却は、液体非消化性油中に分散された小さな二次元粒
子の形で固体ポリグリセロールエステル物質の結晶化を
起こす。図6は固体ポリグリセロールエステル粒子の二
次元構造を表した顕微鏡写真である。これらの粒子は、
分析方法セクションで前記されたフリーズフラクチャー
透過型電子顕微鏡検査により測定したところ、約100nm
以下の厚さを有していた。
液体スクロースポリエステル中に分散されたポリグリ
セロールエステルの固体粒子を含んだ脂肪組成物は38.0
kPa/aのチキソトロピー面積値及び15gの平均油分離値を
有し、このため液体スクロースポリエステルのみが食品
脂肪として用いられたときに生じる受動的オイルロスを
示さない。しかも、脂肪組成物のSFC分布勾配は−0.1で
ある。この比較的平坦なSFC分布勾配と低固体レベルの
結果として、この脂肪組成物を含有した食品はロウ状味
覚ではない。
例V〜Xはスクロースポリエステルハードストック及
び結晶調節剤の共結晶化ブレンドを用いた非消化性脂肪
組成物の製造について示しており、そのブレンドはオイ
ルロスコントロール剤として作用する。例Vはこのよう
な組成物の液体非消化性油及び固体ハードストック成分
の製造について示している。例VI〜IXはこのような脂肪
組成物を形成する上で有用ないくつかの異なるタイプの
結晶調節剤物質の製造について示している。例Xは例V
液体及びハードストックと例VI〜IX結晶調節剤との組合
せにより製造された実際の非消化性脂肪組成物について
示している。
例V 液体非消化性油及びハードストック成分の製造 非消化性脂肪組成物の液体非消化性油及びハードスト
ック成分双方は、天然供給源からの脂肪酸でスクロース
を本質的に完全にエステル化することにより製造する。
液体非消化性油成分の場合には、綿実油を用いる。スク
ロースポリエステルハードストックの場合には、約8以
下のヨウ素価まで水素付加された大豆油を用いる。
液体及びハードストック双方は、供給源油からの脂肪
酸をそれらのメチルエステルに変換し、その後炭酸カリ
ウム触媒及び用いられる供給源油のカリウム石鹸の存在
下においてこれらのメチルエステルをスクロースと約13
5℃で反応させることにより製造する。用いられる操作V
olpenhein、米国特許第4,517,360号、1985年5月14日付
発行明細書の例1で記載された場合と実質上同様であ
る。
得られたスクロースポリエステルは表IIIで示された
ような脂肪酸組成及びエステル分布を有している。
図7a、7b、7c及び7dは、各々1%、3%、6%及び9
%のレベルで、この例で記載されたタイプの液体非消化
性油中で結晶化されたこのタイプの典型的スクロースポ
リエステルハードストックについて示す顕微鏡写真であ
る。
例VI 多様エステル化スクロースポリエステル(ヒマワリ/
C22)結晶調節剤の製造 この例は、前記参考の米国特許第4,518,772号及び第
4,517,360号明細書で記載されたプロセスの修正法によ
る、本発明の多様エステル化スクロースポリエステル結
晶調節剤の製造について記載している。
高エルカ酸菜種油(HEAR)を低エルカ酸菜種油(LEA
R)と38%エルカ酸の組成までブレンドする。菜種油ブ
レンドを3〜6%精製漂白綿実油と混合して、約35%の
C22酸(即ち、ベヘン及びエルカ酸)を有する油組成物
を得る。次いでこの菜種/綿実ストックを4以下のヨウ
素価まで水素付加する。水素付加は、0〜100psig(約7
kg/cm2)圧力及び約375゜F(約190℃)の温度を用い
て、どの植物油に用いられる場合にも典型的なニッケル
触媒レベルで用いられる。物質を375〜495゜F(約190〜
257℃)の温度で脱臭する。硬化脱臭菜種油は下記特徴
を有する:脂肪酸組成:3〜7%C16:0、45〜55%
18:0、0〜2%C18:1、0〜1%C18:2、4〜8%C
20:0、33〜37%C22:0、0〜1%C22:1及び0〜2%C
24:0。遊離脂肪酸含有率は0.01〜0.1%、ロビボンド赤
色は約1.0である。菜種/綿実油は、油をメタノールと
混合して、ナトリウムメトキシド触媒を加え、反応をす
べてのトリグリセリドがメチルエステルに変換されるま
で続けるエステル化プロセスにより、メチルエステルに
変換する。副産物グリセリンを反応終了後に重力沈降さ
せる。次いでエステルを熱水で水洗して、極微量レベル
のグリセリン及び石鹸を除去する。水相を各洗浄後に重
力沈降させる。エステルは、未ケン化物質を除去して、
更に濃縮されたC22物質を得るために、バッチ式でフラ
ッシュ蒸留する。蒸留は0.5〜2mmHgの真空度下300〜410
゜F(約150〜210℃)の温度で行う。蒸留されたエステ
ルの最後の10〜15%を望ましいスクロースポリエステル
を作るために使用上清潔な容器中に集める。他の85〜90
%は捨てる。集められた最後の10〜15%のエステル組成
は4%C18:0、6%C20:0、87%C22.0、3%C24:0
ある。これらはエステル“A"である。
精製漂白ヒマワリ油を真空下375〜495゜Fの温度で脱
臭する。脱臭ヒマワリ油は下記特徴を有する:ヨウ素価
125〜140;脂肪酸組成:5〜10%C16:0、2〜6%
18:0、19〜26%C18:1、63〜74%C18:2、0〜2%C
18:3、0〜1%C20:0、0〜1%C22:0。遊離脂肪酸含
有率は0.01〜0.1%、ロビボンド赤色は約1.3である。ヒ
マワリ油は、上記と同様のエステル化プロセスにより、
メチルエステルに変換する。エステルは、主に未ケトン
化物質を除去するために、バッチ式でフラッシュ蒸留す
る。蒸留は0.5〜2.0mmHgの真空度下300〜410゜Fの温度
で行う。これらはエステル“B"である。
約2のIVまで硬化された精製大豆油脂肪酸のメチルエ
ステル約70.5kgをステンレススチールバッチ反応器中で
メタノール209kg及び水酸化カリウム15.4kgと混合す
る。混合液を大気圧下で1〜3時間攪拌しながら約145
゜F(63℃)に加熱する。この間に、残留量以外すべて
のメチルエステルがケン化されて石鹸を作る。エステル
“A"約1193.6kgをエステル“B"241.4kgとブレンドし
て、エステルブレンド“C"を作る。ブレンド“C"のエス
テル組成は大体1.2%C16:0、3.8%C18:0、3〜8%C
18:1、10.7%C18:2、4.7%C20:0、71.9%C22:0、3
%C24:0である。エステル“C"約545.5kgを既製の石鹸
混合液に加える。次いで粒状スクロース約104.5kgを加
えて、メチルエステル対スクロースの5:1モル比にす
る。次いで炭酸カリウムを混合液に加えて(反応ミック
スの約0.5重量%)、エステル交換を触媒させる。この
混合液を攪拌し、温度が約275゜F(135℃)に達するま
で大気圧下でゆっくり加熱する。これはメタノールを除
去するためである。
次いで真空にし、混合液を8時間以内で攪拌して、モ
ノ、ジ及びトリスクロースエステルを形成する。少量の
テトラ及びペンタエステルもこの段階で形成される。27
5゜F(135℃)に前加熱されたメチルエステル“C"(890
kg)を追加して、エステル対スクロースのモル比を14〜
15:1にして維持する。次いで炭酸カリウムを混合液に2
回追加する(各添加は初期反応ミックスの約0.5重量%
である)。反応条件が275゜F(135℃で安定したとき、
窒素スパージを用いて、攪拌を改善させ、メタノール除
去を促進させる。この第二反応段階は約4〜13時間続け
る。
次いで反応混合液を窒素下で149〜185゜F(65〜85
℃)に冷却する。粗製反応混合液を水約91kgと共に攪拌
する。水和粗製反応混合液を遠心機に通して、重及び軽
相を分離する。石鹸、過剰の糖及び炭酸カリウムを含有
した重相は捨てる。次いで軽相を更に水264kgで洗浄す
る。次いでメチルエステル及びスクロースポリエステル
を含有した軽相を170〜190゜F(76〜88℃)において70m
mHg以下の真空度で30〜60分間かけて水分を除去して乾
燥させる。フィルトロール105(1.0重量%)を加え、ミ
ックスを167〜190゜F(75〜88℃)で攪拌する。スラリ
ーは0.1重量%以下の微細物になるまで濾過又は他の手
段により分離する。次いで液体を1ミクロンフィルター
に通す。
次いで精製漂白された反応ミックスをステンレススチ
ールワイプドフィルムエバポレーター又は他の適切な装
置に通して、大部分のメチルエステルを留去する。蒸留
は約0.5mmHg下真空度において392〜455゜F(200〜235
℃)で行う。次いでスクロースポリエステルは約<25mm
Hg真空度下において392〜450゜F(200〜232℃)でステ
ンレススチール充填カラム脱臭器又は他の適切な装置に
下方に向けて通すことにより脱臭する。スチームをカラ
ムの底に導入して、スクロースポリエステルに向流的に
通す。供給速度及び温度はスクロースポリエステルのメ
チルエステル含有率が1000ppm以下になるまで調整す
る。次いで混合液を149〜185゜F(65〜85℃)に冷却し
て、1ミクロンフィルターに通す。上記操作に従い得ら
れたスクロースポリエステルは表IVで示されたような大
体の組成及び性質を有している。
例VII 多様エステル化スクロースポリエステル(2−C12、6
−C22)結晶調節剤の製造 この例は酸クロリド合成ルートによるもう1つのタイ
プの多様エステル化スクロースポリエステルの製造につ
いて記載している。
スクロース〔コロニアル・ベーカーズ・スペシャル
(Colonial Baker′s Special)〕約16g(0.047M)を50
℃で1時間かけてピリジン340ml及びDMF110mlに溶解す
る。この溶液を酸クロリドの添加前に室温まで逆冷却さ
せる。
n−ヘプタン55ml中C12酸クロリド20.4g(0.09M)の
ブレンドを調製し、滴下漏斗にいれる。この溶液を攪拌
スクロース溶液にゆっくり加える。添加終了後、反応器
の全内容物を65℃に加熱して、〜6時間保つ。その後に
加熱を止めて、反応ミックスの攪拌を室温で一夜続け
る。
次いでn−ヘプタン100ml中C22酸クロリド102.0g(0.
28M)のブレンドを調製し、滴下漏斗から反応ミックス
にゆっくり加える。添加終了後、反応器を再び65℃に加
熱して、〜5時間保つ。その後に加熱を止めて、攪拌を
室温で一夜続ける。
次いで反応ミックスを再び65℃に2時間加熱し、その
後室温で冷却させる。n−ヘプタン50ml中C12酸クロリ
ド2.0g(0.009M)及びC22酸クロリド10.0g(0.028M)の
ブレンドを調製し、反応ミックスにそれが室温に達した
ときゆっくり加える。これは室温で一夜行う。
その後少量のサンプル(〜3ml)を反応器から取出
し、薄層クロマトグラフィーによりチェックして、反応
終了を確認する。終了したら、浄化プロセスを開始す
る。
浄化 反応器の全内容物をロートバップ(rotovap)に移
し、そこで溶媒を除去して粗製反応ミックスを得る。塩
化メチレン500mlを蒸発粗製物に加え、大きな分液漏斗
に移す。
次いでこれを洗浄する: −加温飽和NaCl/H2O容器1000mlで3回 −10%v/v加温HCl/H2O溶液で1回 −加温飽和NaCl/H2O溶液1000mlで2回 −pH13を有する加温Ca(OH)2/H2O溶液1000mlで1回。
水相及び溶媒相双方を真空下でセライト層に通す。
−回収された溶媒相を加温飽和NaCl/H2O溶液1000mlで2
回洗浄する。
次いで溶媒相を磁気攪拌装備の清潔なエルレンマイヤ
ーフラスコに移す。攪拌しながら、硫酸マグネシウム及
びフロリシル(florisil)を加えて、〜4時間かけて物
質を化学的に乾燥及び脱臭させる。
硫酸マグネシウム/フロリシルを濾過により溶媒相か
ら分離する。次いで溶媒相を熱MeOH500mlで2回抽出す
る。最終極微量のMeOHをロートバップで溶媒/生成物相
から蒸発させる。
得られた生成物の半分(50.5g)を酢酸エチル100mlに
溶解する。同時に、MeOH1000mlを磁気攪拌棒装備の大き
なエルレンマイヤーフラスコにいれる。酢酸エチル/生
成物溶液を攪拌MeOH中にゆっくり注ぐ。結晶が直ちに形
成され、全溶液を2時間攪拌する。
生成物結晶はブフナー漏斗装備の吸引器を用いて母液
から濾取する。このステップ中に結晶をMeOHで洗浄す
る。
結晶をガラス乾燥皿に移し、一夜風乾させる(MeOHを
除去する)。
この生成物について得られた分析結果は表Vで示され
ている。
例IX 多様エステル化スクロースポリエステル(1−C16、7
−C22)結晶調節剤の製造 この例は酸クロリド合成ルートによるもう1つのタイ
プの多様エステル化スクロースポリエステルの製造につ
いて示している。
原料物質: スクロース コロニアル・ベーカーズ・スペシャル C12酸クロリド 純粋C12脂肪酸から製造 C22酸クロリド ベヘン酸から製造 ヘプタン フィッシャー(Fisher)ブランド 製造操作 1.スクロース30gをピリジン100ml及びDMF120mlの混合液
中に溶解する。溶液を反応フラスコ中に移す。
2.次いでC12酸クロリド21.0gをヘプタン50ml中に希釈す
る。
3.装置を加熱マントル、オーバーヘッドスターラー、水
銀温度計、冷水コンデンサー(CaSO4チューブ)、N2
口及び滴下漏斗で組み立てる。
4.C12酸クロリド溶液を滴下漏斗中に移し、その後スク
ロース溶液にゆっくり加える。反応を〜1時間進行させ
る。
5.次いで22酸クロリド241.7gをヘプタン200ml中に希釈
する。この溶液を滴下漏斗中に移し、反応フラスコにゆ
っくり加える。
6.次いでフラスコの内容物を〜90℃に加熱し、反応を〜
3時間続ける。(一夜かけて室温に冷却する)。
7.反応を70℃で〜10時間続ける。
8.次いで粗製反応混合液を例VIIIで前記された場合と実
質上類似した浄化操作に付す。回収された結晶を分析
し、分析結果を表VIで示した。
例X いくつかの非消化性脂肪組成物を、例Vで記載された
液体非消化性油及びスクロースポリエステルハードスト
ック例VI〜例IXで記載されたいくつかの結晶調節剤種と
組み合わせることにより製造する。例I〜IVで記載され
た固体スクロースポリエステルは結晶調節剤として用い
てもよい。このような組成物を製造するために、液体ス
クロースポリエステル、スクロースポリエステルハード
ストック及び結晶調節剤物質を混合し、混合物中のすべ
ての固体物が溶解するまで加熱する。次いで混合液を室
温まで37.3゜F/minの速度で逆冷却する。このような冷
却は、液体非消化性油中に分散された小さな小板様粒子
の形で固体スクロースポリエステル物質の結晶化を起こ
す。表VIIはこのような各組成物の特徴について更に詳
細に記載している。表VIIはこのような各組成物につい
て表す一連の顕微鏡写真の図面番号も示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リン,ピーター ヤウ ターク アメリカ合衆国オハイオ州、ミドルタウ ン、ネザーランド、ドライブ、6753 (72)発明者 ウェーマイヤー,トーマス ジョセフ アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナ チ、グレンヘブン、ロード、4179 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/308 A23D 9/007

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食品でトリグリセリド油脂の代替物として
    有用な非消化性樹脂組成物であって、21.1〜37℃で0〜
    −1.26%固体分/℃の固体脂肪含有率分布勾配を有し、 A.37℃以下の完全融点を有する液体非消化性油、および B.前記組成物の摂取による受動的オイルロスをコントロ
    ールするために十分な量で前記油中に分散され、37℃以
    上だが500℃以下の完全融点を有する非消化性固体粒子
    (この消化性粒子は、ポリオールポリエステルのポリオ
    ール部分が少なくとも4つのヒドロキシル基を有して、
    そのヒドロキシル基のうち少なくとも4つがエステル化
    されており、前記ポリオールポリエステル中のエステル
    基が、 (i)C12以上不飽和脂肪酸基、C2〜C12飽和脂肪酸基又
    はそれらの混合物、及び (ii)C20以上飽和脂肪酸基 の組み合せからなり、前記組み合わせ中(i)対(ii)
    基のモル比は1:15〜2:1の範囲であり、前記組み合わせ
    を形成する脂肪酸基の少なくとも15重量%は、C20以上
    飽和脂肪酸基である、ポリオールポリエステルのみから
    なることはない) を含み、前記液体非消化性油および非消化性固体粒子
    は、非消化性固体粒子が液体非消化性油中に、1μm以
    下の厚さを有して分散された小板様粒子を形成するよう
    に、共結晶化されていることを特徴とする、非消化性脂
    肪組成物。
  2. 【請求項2】10kPa/sec以上のチキソトロピー面積値及
    び16g以下の油分離値を有する、請求項1に記載の非消
    化性脂肪組成物。
  3. 【請求項3】食品でトリグリセリド油脂の代替物として
    有用な非消化性脂肪組成物であって、21.1〜37℃で0〜
    −1.26%固体分/℃の固体脂肪含有率分布勾配を有し、 A.37℃以下の完全融点を有する液体非消化性油、および B.前記組成物の摂取による受動的オイルロスをコントロ
    ールするために十分な量で前記油中に分散され、37℃以
    上だが500℃以下の完全融点を有する非消化性固体粒子
    (この非消化性固体粒子は更に前記組成物に16g以下の
    油分離値を付与するように働き、前記非消化性固体粒子
    は更に、ポリオールポリエステルのポリオール成分が少
    なくとも4つのヒドロキシル基を有して、そのヒドロキ
    シル基のうち少なくとも4つがエステル化しており、前
    記ポリオールポリエステル中のエステル基が、 (i)C12以上不飽和脂肪酸基、C2〜C12飽和脂肪酸基又
    はそれらの混合物、及び (ii)C20以上飽和脂肪酸基 の組み合わせからなり、前記組み合わせ中(i)対(i
    i)基のモル比は1:15〜2:1の範囲であり、前記組み合わ
    せを形成する脂肪酸基の少なくとも15重量%はC20以上
    飽和脂肪酸基である、ポリオールポリエステルのみから
    なることはない) を含み、前記液体非消化性油および非消化性固体粒子
    は、非消化性固体粒子が液体非消化性油中に、1μm未
    満の厚さを有して分散された小板様粒子を形成するよう
    に、共結晶化していることを特徴とする非消化性脂肪組
    成物。
  4. 【請求項4】12g以下の油分離値及び10kPa/sec以上のチ
    キソトロピー面積値を有する、請求項3に記載の非消化
    性脂肪組成物。
  5. 【請求項5】食品でトリグリセリド油脂の代替物として
    有用な非消化性脂肪組成物であって、21.1〜37℃で0〜
    約−1.26%固体分/℃の固体脂肪含有率分布勾配を有
    し、 A.37℃以下の完全融点を有する液体非消化性油、及び B.前記組成物の摂取による受動的オイルロスをコントロ
    ールするために十分な量で前記油中に分散され、37℃以
    上だが500℃以下の完全融点を有する非消化性固体粒子
    (前記粒子は更に前記組成物に少なくとも10kPa/secの
    チキソトロピー面積値を付与するように働き、前記粒子
    は更に、ポリオールポリエステルのポリオール部分が少
    なくとも4つのヒドロキシル基を有して、そのヒドロキ
    シ基の少なくとも4つがエステル化されており、前記ポ
    リオールポリエステル中のエステル基が; (i)C12以上不飽和脂肪酸基、C2〜C12飽和脂肪酸基又
    はそれらの混合物、及び (ii)C20以上飽和脂肪酸基 の組み合わせからなり、前記組み合わせ中(i)対(i
    i)基のモル比は約1:15〜2:1の範囲であり、前記組み合
    わせを形成する脂肪酸基の少なくとも15重量%はC20
    上の飽和脂肪酸基である、ポリオールポリエステルのみ
    からなることはない) を含み、前記液体非消化性油および非消化性固体粒子
    は、非消化性固体粒子が液体非消化性油中に、1μm以
    下の厚さを有して分散された小板様粒子を形成するよう
    に、共結晶化されていることを特徴とする非消化性脂肪
    組成物。
  6. 【請求項6】液体非消化性油を約60〜約99重量%と、そ
    の油中に分散された非消化性固体粒子を約1〜約40重量
    %を含んだ、請求項1、3、又は5に記載の非消化性脂
    肪組成物。
  7. 【請求項7】前記液体非消化性油は、液体スクロール脂
    肪酸エステルであることを特徴とする請求項6に記載の
    非消化性脂肪組成物。
  8. 【請求項8】非消化性固体粒子が、 A)エステル基の少なくとも15%がC20〜C26飽和脂肪酸
    基から形成されている多様エステル化ポリオールポリエ
    ステル; B)ポリオールポリエステル物質のヒドロキシル基の少
    なくとも15%がC20〜C26飽和脂肪酸基でエステル化され
    ているポリオールポリエステルポリマー成分1〜100%
    を含んだポリオールポリエステル物質; C)少なくとも2つのグリセロール部分を含み、そのグ
    リセロール部分のヒドロキシ基の少なくとも30%をC18
    以上脂肪酸基でエステル化させたポリグリセロールエス
    テル;及び D)(i)37℃以上の完全融点を有し、液体スクロース
    脂肪酸ポリエステル中で結晶化されたときに3μm以上
    の径を有する球晶粒子を通常形成する非消化性固体ポリ
    オール脂肪酸ポリエステルハードストック;及び (ii)液体スクロース脂肪酸ポリエステル中でハードス
    トックと共結晶化されたときに1μm以下の厚さを有す
    る非消化性粒子を形成するように前記ハードストックを
    誘導できる結晶調節剤; の共結晶化ブレンド(共結晶化ブレンド中における前記
    ハードストック対前記結晶調節剤の比率は95:5〜20:80
    の範囲である) から選択される、請求項6または7に記載の非消化性脂
    肪組成物。
  9. 【請求項9】結晶調節剤が A)エステル基の少なくとも15%がC20〜C26飽和脂肪酸
    基から形成されている多様エステル化ポリオールポリエ
    ステル; B)ポリオールポリエステル物質のヒドロキシル基の少
    なくとも15%がC20〜C26飽和脂肪酸基でエステル化され
    ているポリオールポリエステルポリマー1〜100%を含
    んだポリオールポリエステル物質; C)少なくとも2つのグリセロール部分を含み、そのグ
    リセロール部分のヒドロキシル基の少なくとも30%をC
    18以上脂肪酸基でエステル化させたポリグリセロールエ
    ステル; D)天然ロウ及びパラフィン系炭化水素微結晶ロウ; E)C18以上脂肪酸基から誘導される1つのエステル基
    を含んだモノグリセリド;及び F)長鎖アルコール から選択される、請求項8に記載の非消化性脂肪組成
    物。
  10. 【請求項10】25kPa/sec以上のチキソトロピー面積値
    を有する、請求項9に記載の非消化性組成物。
JP51118294A 1992-10-30 1993-10-21 受動的オイルロスコントロールのために比較的小さな非消化性固体粒子を含有した非消化性脂肪組成物 Expired - Fee Related JP3260373B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/969,670 US5422131A (en) 1992-10-30 1992-10-30 Nondigestible fat compositions containing relatively small nondigestible solid particles for passive oil loss control
US969,670 1992-10-30
US07/969,670 1992-10-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08502658A JPH08502658A (ja) 1996-03-26
JP3260373B2 true JP3260373B2 (ja) 2002-02-25

Family

ID=25515834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51118294A Expired - Fee Related JP3260373B2 (ja) 1992-10-30 1993-10-21 受動的オイルロスコントロールのために比較的小さな非消化性固体粒子を含有した非消化性脂肪組成物

Country Status (21)

Country Link
US (1) US5422131A (ja)
EP (1) EP0666711B1 (ja)
JP (1) JP3260373B2 (ja)
CN (1) CN1039376C (ja)
AT (1) ATE151952T1 (ja)
AU (1) AU682477B2 (ja)
CA (1) CA2145993C (ja)
DE (1) DE69310196T2 (ja)
DK (1) DK0666711T3 (ja)
ES (1) ES2100579T3 (ja)
FI (1) FI952048A (ja)
GR (1) GR3023272T3 (ja)
HK (1) HK1006508A1 (ja)
MX (1) MX9306858A (ja)
MY (1) MY108883A (ja)
NO (1) NO951605L (ja)
NZ (1) NZ257733A (ja)
PH (1) PH30161A (ja)
SG (1) SG79902A1 (ja)
TW (1) TW327127B (ja)
WO (1) WO1994009641A1 (ja)

Families Citing this family (46)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE156972T1 (de) * 1992-10-30 1997-09-15 Procter & Gamble Unverdauliche, feste polyol polyesterpolymere enthaltende fettzusammensetzungen mit passiver ölverlustkontrolle
AU681098B2 (en) * 1992-10-30 1997-08-21 Procter & Gamble Company, The Nondigestible fat compositions containing solid polyglycerol ester particles for passive oil loss control
US5585132A (en) * 1995-04-19 1996-12-17 Kraft Foods, Inc. Methods and compositions for fat free process cheese
US5904947A (en) * 1995-06-07 1999-05-18 The Procter & Gamble Company Fat-free corn chips
US5928701A (en) * 1995-06-07 1999-07-27 The Procter & Gamble Company Process for making fat-free corn chips
JP3181602B2 (ja) * 1996-04-29 2001-07-03 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 改良オーブン仕上げフレンチフライの調理方法
EP0912108A1 (en) * 1996-04-29 1999-05-06 The Procter & Gamble Company Forced air convection oven process for finishing french fries
US5928700A (en) * 1996-05-10 1999-07-27 The Procter & Gamble Company Fried snack pieces and process for preparing
US5925396A (en) * 1996-05-10 1999-07-20 The Procter & Gamble Company Fried snack pieces and process for preparing
EP1570750B1 (en) * 1996-07-01 2007-10-10 The Procter & Gamble Company Dehydrated potato flakes
US6310227B1 (en) 1997-01-31 2001-10-30 The Procter & Gamble Co. Reduced calorie cooking and frying oils having improved hydrolytic stability, and process for preparing
US6465642B1 (en) 1997-02-07 2002-10-15 The Procter & Gamble Company Lower alkyl ester recycling in polyol fatty acid polyester synthesis
US7276485B1 (en) * 1997-04-21 2007-10-02 The Procter + Gamble Co. Flowable nondigestible oil and process for making
CA2290411A1 (en) * 1997-05-20 1998-11-26 David Alan Volker A flowable composition and a process for making the flowable composition
US6965043B1 (en) 1997-11-10 2005-11-15 Procter + Gamble Co. Process for making high purity fatty acid lower alkyl esters
AU2688899A (en) * 1998-02-20 1999-09-06 Recot, Inc Interconvertible solid and liquid states of olestra
DE69934304T2 (de) * 1998-03-23 2007-06-28 The Procter & Gamble Company, Cincinnati Verbessertes verfahren für die synthese und reinigung von unverdaulichen fetten
US6562394B1 (en) 1998-05-20 2003-05-13 The Procter & Gamble Co. Flowable nondigestible oil and process for making
CA2388296A1 (en) 1999-10-15 2001-04-26 Danisco Cultor America, Inc. Method for the direct esterification of sorbitol with fatty acids
AU2001234549A1 (en) 2000-01-28 2001-08-07 The Procter And Gamble Company Palatable arginine compounds and uses thereof for cardiovascular health
US6743458B2 (en) 2000-10-23 2004-06-01 The Procter + Gamble Co. Reduced fat lipid-based fillings
US6720021B2 (en) * 2000-10-23 2004-04-13 The Procter + Gamble Co. Process for making a low-fat nut spread composition
US6793956B2 (en) 2000-10-23 2004-09-21 The Procter & Gamble Co. Low-moisture, reduced fat, lipid-based fillings
US20020098267A1 (en) * 2000-10-23 2002-07-25 The Procter & Gamble Co. Filled snacks
US20030045473A1 (en) * 2002-07-19 2003-03-06 Sarama Robert Joseph Compositions, kits, and methods for cardiovascular health
US20040097427A1 (en) * 2002-08-13 2004-05-20 The Iams Company Method for controlling hairballs
US7358343B2 (en) * 2002-09-17 2008-04-15 Virginia Tech Intellectual Properties, Inc. Endohedral metallofullerene derivatives
US20040086621A1 (en) * 2002-11-06 2004-05-06 Kraft Foods Holdings, Inc. Reduced calorie fat
EP1419698B1 (en) * 2002-11-18 2014-08-06 Unilever N.V. Particulate creamer comprising fat and method of preparing compositions comprising said creamer
US20040167479A1 (en) 2003-02-20 2004-08-26 The Procter & Gamble Company Hemorrhoid treatment pad
BRPI0413310B1 (pt) * 2003-08-06 2015-12-01 Pringles S A R L farinha de arroz, composição de massa para a fabricação de um petisco industrializado e petisco industrializado
US20050250733A1 (en) * 2004-05-07 2005-11-10 The Procter & Gamble Company Purified, moderately esterified polyol polyester fatty acid compositions
US20050250731A1 (en) * 2004-05-07 2005-11-10 The Procter & Gamble Company Synthesis of purified, moderately esterified polyol polyester fatty acid compositions
US20050250732A1 (en) * 2004-05-07 2005-11-10 The Procter & Gamble Company Purified, moderately esterified polyol polyester fatty acid compositions
US20050250941A1 (en) * 2004-05-07 2005-11-10 The Procter & Gamble Company Synthesis of purified, moderately esterified polyol polyester fatty acid compositions
CN102696973B (zh) * 2005-06-07 2014-08-13 普林格斯有限公司 含有米粉和米淀粉的组合物
US7879384B2 (en) * 2007-11-08 2011-02-01 Kraft Foods Global Brands Llc Structured glycerol esters useful as edible moisture barriers
US8486478B2 (en) * 2007-11-08 2013-07-16 International Great Brands LLC Structured lipid compositions
US8206772B2 (en) * 2007-11-08 2012-06-26 Kraft Foods Global Brands Llc Structured lipid compositions and methods of formulation thereof
CA2671597A1 (en) * 2008-07-21 2010-01-21 Kraft Foods Global Brands Llc Functional no-trans oils with modulated omega-6 to omega-3 ratio
US20100247718A1 (en) * 2009-03-27 2010-09-30 Scott Donald Whalen Food Products
WO2010111486A2 (en) 2009-03-27 2010-09-30 The Procter & Gamble Company Food products
CA2767548C (en) 2009-07-24 2015-04-07 The Procter & Gamble Company Rice flour compositions
EP3174510B1 (en) 2014-07-31 2019-05-01 Johnson & Johnson Consumer Inc. Article and method for maintaining menstrual fluid within the vagina
US9688943B2 (en) 2015-05-29 2017-06-27 beauty Avenues LLC Candle containing non-ionic emulsifer
MX2021010651A (es) * 2019-03-06 2021-09-28 Greentech Global Pte Ltd Dispersiones líquidas para haluros de acilo.

Family Cites Families (76)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE227137C (ja) *
DE207070C (ja) *
US2097720A (en) * 1936-01-18 1937-11-02 Crosse & Blackwell Ltd Treatment of olive oil to prevent stearin coming down at low temperatures
US2266591A (en) * 1938-10-14 1941-12-16 Procter & Gamble Process of improving salad oils
US2962419A (en) * 1957-05-20 1960-11-29 Heyden Newport Chemical Corp Dietetic compositions
US3093481A (en) * 1961-04-18 1963-06-11 Procter & Gamble Plastic glyceride fat and process for preparing it
US3059009A (en) * 1961-09-21 1962-10-16 Proeter & Gamble Company Fat crystallization process
US3059010A (en) * 1961-09-21 1962-10-16 Procter & Gamble Fat crystallization process
US3158490A (en) * 1962-03-27 1964-11-24 Procter & Gamble Salad oils and method of making them
US3353967A (en) * 1964-03-27 1967-11-21 Procter & Gamble Salad oils and method of making them
US3360376A (en) * 1964-03-27 1967-12-26 Procter & Gamble Thixotropic shortening
US3353966A (en) * 1964-03-27 1967-11-21 Procter & Gamble Salad oils and method of making them
US3367782A (en) * 1964-07-31 1968-02-06 Procter & Gamble Stabilization of salad oils
DE1492943A1 (de) * 1964-11-02 1969-09-04 Procter & Gamble Verfahren zur Herstellung eines Gels auf OElbasis
US3443966A (en) * 1966-02-23 1969-05-13 Hunt Foods & Ind Inc Pan and grill fry shortening
US3600186A (en) * 1968-04-23 1971-08-17 Procter & Gamble Low calorie fat-containing food compositions
US3649647A (en) * 1968-09-21 1972-03-14 Okamura Oil Mill Ltd Mixed sugar alcohol esters of higher and lower saturated fatty acids
US3495010A (en) * 1968-10-14 1970-02-10 Unimed Inc Method of effecting fecal softening
US3495011A (en) * 1968-10-28 1970-02-10 Unimed Inc Reduction of blood level cholesterol
US3637774A (en) * 1969-11-03 1972-01-25 Vigen K Babayan Process for preparation and purification of polyglycerols and esters thereof
JPS4926220A (ja) * 1972-07-08 1974-03-08
JPS5227694A (en) * 1975-07-30 1977-03-02 Shimadzu Corp Sample surface analyzing apparatus
US4005195A (en) * 1976-02-12 1977-01-25 The Procter & Gamble Company Compositions for treating hypercholesterolemia
US4005196A (en) * 1976-02-12 1977-01-25 The Procter & Gamble Company Vitaminized compositions for treating hypercholesterolemia
US4363763A (en) * 1980-02-25 1982-12-14 The Procter & Gamble Company Polyol esters of alpha-hydroxy carboxylic acids
JPS5794246A (en) * 1980-12-01 1982-06-11 Taiyo Kagaku Kk Foaming fat and oil composition for cake
US4469635A (en) * 1980-12-24 1984-09-04 The Procter & Gamble Company Polyol esters of alpha-hydroxy carboxylic acids
US4368213A (en) * 1981-06-23 1983-01-11 The Procter & Gamble Company Emulsion concentrate for palatable polyester beverage
JPS5878531A (ja) * 1981-11-06 1983-05-12 花王株式会社 パイ、ペストリー用折り込み油脂組成物
JPS5942843A (ja) * 1982-09-02 1984-03-09 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 流動状油脂の製造法
JPS5962511A (ja) * 1982-09-30 1984-04-10 Nisshin Oil Mills Ltd:The 化粧料
JPS59143550A (ja) * 1983-02-07 1984-08-17 Kao Corp 油脂組成物
JPS59156242A (ja) * 1983-02-28 1984-09-05 Kao Corp 油脂組成物
US4582715A (en) * 1984-12-04 1986-04-15 The Procter & Gamble Company Acylated glycerides useful in low calorie fat-containing food compositions
EP0236288B1 (en) * 1986-02-20 1993-12-15 The Procter & Gamble Company Low calorie fat materials that eliminate laxative side effect
EP0233856B1 (en) * 1986-02-20 1994-01-05 The Procter & Gamble Company Better tasting low calorie fat materials
US5158796A (en) * 1986-02-20 1992-10-27 The Procter & Gamble Company Polyol fatty acid polyester compositions with improved taste
US5017398A (en) * 1987-04-10 1991-05-21 The Procter & Gamble Company Improved margarine compositions/containing solid sucrose polyesters
US4797300A (en) * 1987-04-10 1989-01-10 The Procter & Gamble Company Compositions containing novel solid, nondigestible, fat-like compounds
DE3887247T2 (de) * 1987-04-10 1994-06-09 Procter & Gamble Feste unverdauliche fettähnliche Verbindungen.
US4960602A (en) * 1987-05-06 1990-10-02 The Procter & Gamble Company Food or beverage compositions with altered flavored display
US4962092A (en) * 1987-05-06 1990-10-09 The Procter & Gamble Company Compositions for treating duodenal ulcers
US4830787A (en) * 1987-08-13 1989-05-16 Nabisco Brands, Inc. Low calorie fat mimetics comprising carboxy/carboxylate esters
US4963386A (en) * 1988-01-19 1990-10-16 Nabisco Brands, Inc. Complex linked ester low calorie fat mimetics
US4959465A (en) * 1988-02-26 1990-09-25 Nabisco Brands, Inc. Low calorie fat mimetics
ZA89103B (en) * 1988-01-19 1989-10-25 Nabisco Brands Inc Low calorie fat mimetics
DE68901223D1 (de) * 1988-06-27 1992-05-21 Unilever Nv Essbare zusammensetzung.
JPH0720420B2 (ja) * 1988-07-06 1995-03-08 第一工業製薬株式会社 高水分含有油中水型乳化剤
US5102683A (en) * 1988-12-22 1992-04-07 The Procter & Gamble Company Fatty compositions with high solids content
CA2004723C (en) * 1988-12-22 1997-03-04 James Anthony Letton Fatty compositions with high solids content
US4919964A (en) * 1988-12-22 1990-04-24 The Procter & Gamble Company Shelf stable, highly aerated reduced calorie food products
JP2909746B2 (ja) * 1988-12-26 1999-06-23 三菱化学株式会社 縮合リシノール酸及び縮合リシノール酸含有混合脂肪酸の蔗糖エステルの製造方法
EP0384508B1 (en) * 1989-02-24 1994-05-04 Unilever N.V. Use of a fat composition in frying
CA2012381C (en) * 1989-03-28 1997-07-01 Paul Seiden Reduced calorie fat compositions containing polyol polyesters and reduced calorie triglycerides
CA2012707A1 (en) * 1989-04-11 1990-10-11 Lawrence P. Klemann Partially digestible sucrose esters as low calorie fat mimetics
GB8921997D0 (en) * 1989-09-29 1989-11-15 Unilever Plc Spread
CA2027418C (en) * 1989-10-16 1997-12-09 Robert Houston Polyol polyester synthesis
US4980191A (en) * 1989-11-30 1990-12-25 The Dow Chemical Company Method of making digestively hydrolyzable low calorie edible oil substitutes
ATE143664T1 (de) * 1989-12-21 1996-10-15 Unilever Nv Verfahren zur raffinierung von seife enthaltendem rohprodukt aus einem polyol-fettsäure- veresterungsgemisch
ATE120755T1 (de) * 1989-12-21 1995-04-15 Unilever Nv Verfahren zum raffinieren organischer lösungsmittel enthaltende rohe produkte aus einem polyol-fettsäure-veresterungsgemisch.
EP0434119B1 (en) * 1989-12-21 1995-04-05 Unilever N.V. Process for refining soap-containing crude polyol fatty-acid polyester reaction products
CA2073868A1 (en) * 1990-01-16 1991-07-17 Kevin S. Dobson Low caloric fat substitutes, precursors of such substitutes and methods of making same
FR2657356B1 (fr) * 1990-01-23 1994-05-13 Luzzatto Figlio France Lubrifiants pour compositions thermoplastiques, compositions en comportant, procede de preparation et procede de fabrication de bouteilles.
CA2079889C (en) * 1990-04-26 1998-08-04 James C. Letton Solid, nondigestible, fat-like compounds and food compositions
ATE119746T1 (de) * 1990-04-26 1995-04-15 Procter & Gamble Polyol-fettsäure-polyester enthaltende backfettzusammensetzungen.
US5085884A (en) * 1990-04-26 1992-02-04 The Procter & Gamble Company Reduced calorie potato chips and other low moisture fat-containing foods having less waxiness and improved flavor display
CA2079873C (en) * 1990-04-26 1996-12-03 James Carey Letton Reduced calorie pourable shortenings, cooking oils, salad oils or like combinations
CA2077767C (en) * 1990-04-26 1997-10-28 Stephen Paul Zimmerman Low moisture fat-containing foods such as potato chips having less waxiness and improved flavor display
US5137743A (en) * 1990-09-07 1992-08-11 Opta Food Ingredients, Inc. Foods having an oil phase thickened with an oil soluble polyester
CA2089170C (en) * 1990-09-11 2000-12-05 Donald B. Appleby Polyol polyester synthesis
US5130151A (en) * 1990-12-26 1992-07-14 Megafoods, Inc. Natural and synthetic edible moisture barrier
JPH04237458A (ja) * 1991-01-21 1992-08-25 Nisshin Oil Mills Ltd:The 低カロリー油脂
US5219604A (en) * 1991-02-13 1993-06-15 Nabisco, Inc. Use of ester-bridged side chains to suppress caloric availability of fat compounds
US5230913A (en) * 1991-03-01 1993-07-27 Nabisco, Inc. Fat mimetic having mineral core with fatty coating
US5294451A (en) * 1991-03-29 1994-03-15 Curtice-Burns, Inc. Fat substitute compositions having reduced laxative effects
US5194270A (en) * 1991-12-20 1993-03-16 Kraft General Foods, Inc. Calcium citrate-vegetable oil compositions

Also Published As

Publication number Publication date
AU5447294A (en) 1994-05-24
SG79902A1 (en) 2001-04-17
CA2145993A1 (en) 1994-05-11
FI952048A0 (fi) 1995-04-28
NZ257733A (en) 1997-04-24
TW327127B (en) 1998-02-21
WO1994009641A1 (en) 1994-05-11
JPH08502658A (ja) 1996-03-26
DE69310196D1 (de) 1997-05-28
MY108883A (en) 1996-11-30
ATE151952T1 (de) 1997-05-15
MX9306858A (es) 1994-07-29
CN1087787A (zh) 1994-06-15
GR3023272T3 (en) 1997-07-30
CA2145993C (en) 1999-01-26
EP0666711B1 (en) 1997-04-23
NO951605D0 (no) 1995-04-27
US5422131A (en) 1995-06-06
ES2100579T3 (es) 1997-06-16
PH30161A (en) 1997-01-21
AU682477B2 (en) 1997-10-09
HK1006508A1 (en) 1999-03-05
NO951605L (no) 1995-06-30
FI952048A (fi) 1995-04-28
CN1039376C (zh) 1998-08-05
EP0666711A1 (en) 1995-08-16
DE69310196T2 (de) 1997-11-27
DK0666711T3 (da) 1997-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3260373B2 (ja) 受動的オイルロスコントロールのために比較的小さな非消化性固体粒子を含有した非消化性脂肪組成物
JP3124033B2 (ja) 受動的オイルロスコントロールのために多様エステル化ポリオールポリエステルを含有した非消化性脂肪組成物
US5451416A (en) Nondigestible fat compositions containing cocrystallized blend of polyol polyester hardstock and crystal modifier as a passive oil loss control agent
KR0168684B1 (ko) 보다 적은 왁스성 및 개선된 풍미를 갖는 열량이 감소된 감자 칩 및 기타 저수분 지방-함유 식품
AU668007B2 (en) Solid nondigestible polyol polyesters containing esterified hydroxy fatty acids such as esterified ricinoleic acid
AU735923B2 (en) A flowable composition and a process for making the flowable composition
EP0666709B1 (en) Nondigestible fat compositions containing solid polyglycerol ester particles for passive oil loss control
US5534284A (en) Nondigestible fat compositions containing solid polyol polyester polymer for passive oil loss control

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees