JP3181602B2 - 改良オーブン仕上げフレンチフライの調理方法 - Google Patents

改良オーブン仕上げフレンチフライの調理方法

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JP3181602B2 JP53895397A JP53895397A JP3181602B2 JP 3181602 B2 JP3181602 B2 JP 3181602B2 JP 53895397 A JP53895397 A JP 53895397A JP 53895397 A JP53895397 A JP 53895397A JP 3181602 B2 JP3181602 B2 JP 3181602B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、フレンチフライをオーブン仕上げする方法
に関する。
発明の背景 フレンチフライは、細長く切断した生のままのポテト
片または「半フライした(par−fried)」ポテト片をた
っぷりの熱い油で揚げて調理される。たっぷりの熱い油
で揚げることに関連する重大な欠点は、熱い揚げ油の扱
いにある。半フライズ(par−fries)をオーブンで焼く
ことになれば、このような熱い揚げ油の問題は回避され
る。しかし、オーブン仕上げフレンチフライの技術事情
に関連して、いくつか重大な問題がある。重大な問題の
一つは、たっぷりの熱い油で揚げたものと変わらぬ味を
有する商品質のフレンチフライを、オーブンで一貫して
同じように作りあげることが難しいことである。言いか
えるならば、たっぷりの熱い油で揚げたものと変わらぬ
高品質のオーブン仕上げフレンチフライの正確な製造方
法は、これまで知られていない。現在のオーブン仕上げ
フレンチフライは概して、ふにゃふにゃしてねっとりし
た感のつよいものか、またはひからびた感のつよい容易
にかみ切れないようなものとなっている。たっぷりの熱
い油で揚げた高品質のフレンチフライとは、その外表面
すなわち外皮はカリカリっとしていながら楽にかみ切る
ことができ、それにくるまれた内部はホクホクっとして
いるものである。
今、油の膜でくるんだプリベークフライをオーブンで
焼くことを含めた独特の方法によって、高品質のフレン
チフライが手早くしかも確実に調理できることが発見さ
れたことは驚嘆に値する。
本発明の1つの目的は、たっぷりの熱い油で揚げたも
のと変わらぬ高品質のフレンチフライを、オーブンで作
る方法を提供することにある。本発明の別の目的は、半
フライズの冷凍品をオーブンで手早く仕上げる即席料理
法を提供することにある。本発明のまた別の目的は、改
良された味わいをもち、たっぷりの熱い油で揚げたもの
と変わらぬ高品質の、オーブン仕上げフレンチフライを
提供することにある。本発明のその他の目的について
は、以下の説明を読めば明らかとなろう。
発明の概要 本発明は、たっぷりの熱い油で揚げたフレンチフライ
と事実上変わらぬ味および特徴をもつオーブン仕上げフ
レンチフライを提供するために、油でくるんだプリベー
クフライを手早くオーブン仕上げする(焼き上げる)方
法を提供するものである。本発明のオーブン仕上げシュ
ーストリングフレンチフライの特徴は、そのバルク水分
含量が約32%ないし約46%、総脂肪含量が約12%ないし
約25%、およびテクスチャーバリューが少なくとも約20
0であることにを特徴とする。このフライは、表面水分
活性(Aw)が約0.55未満でかつ内部水分含量が約55%な
いし約80%であることが好ましい。
発明の詳細な説明 特にことわりのない限り、本明細書中で表されるすべ
ての百分率、比および割合は重量に基づくものである。
本明細書で使用するように、「半フライ(par−fr
y)」または「半フライド(par−fried)」または「半
フライズ(par−fries)」とはすべて、例えばたっぷり
の熱い油で揚げるなどの油揚げ処理を少なくとも1回は
受けている、細長く切断したポテト片のことを言う。半
フライドポテトは、同様に切断した生のままのポテト片
に比べ水分含量小さく、油で揚げるプロセスを経るため
脂肪または油を多少含有している。
「プリベークフライ(prebake fries)」とは、その
表面が油でコーティングされており(くるまれてお
り)、本発明に従っていつでもオーブン仕上げできる状
態にある半フライドのことを言う。
「オーブン仕上げした」とは、すでに焼き上げプロセ
スを経ておりいつでも食べられる状態にある製品のこと
である。
「脂肪」または「油」はいずれも、一般的な意味で、
食用に適する脂肪性物質のことを言い、特にことわりの
ない限り、例えば100%天然の油脂類、または100%合成
の油脂類のことである。好ましい油は基本的に、例えば
大豆油と、とうもろこし油、綿実油、ひまわり油、パー
ム油、ココナッツ油、魚油、および獣脂などの食用動物
性油などのトリグリセリドから成っている。これらの油
は、部分的にまたは完全に水素添加したり、またはエス
テル交換によって改質する(modified)ことが可能であ
る。「脂肪」または「油」はまた、トリグリセリドに類
似の特性を有する非毒性脂肪性物質のことも言う。一般
に「脂肪」または「油」は、代用脂を含むが、それらの
物質は半ば非消化性であったりまたは完全に非消化性で
あったりする。
特にことわりのない限り、「脂肪」と「油」は互いに
交換可能に使用される。
「代用脂」とは、例えばolestraなどのポリオール脂
肪酸ポリエステルのように、半ばまたは完全に非消化性
の食用に適する脂肪性物質を言う。
「なれた油(conditioned oil)」とは、以前に揚げ
物に使われたことのある油であって、使われているうち
にその揚げ油としての風味を増した油のことを言う。
「くるんだもの」または「コーティングしたもの」と
は、表面が油または脂肪で実質的に均一にコーティング
されている製品を言う。油によるコーティングは、時に
不連続であったり(すなわち小球体または小滴)時に連
続であったりする。表面の少なくとも75%がコーティン
グされていることが好ましい。
本発明は、油でくるんだプリベークフライを華氏約32
5度(162℃)ないし華氏約800度(426℃)のオーブンで
約0.75分ないし約15分間焼くことによって、油でくるん
だプリベークフライを仕上げ調理する方法に関する。本
発明のオーブン仕上げフレンチフライは、あたかもたっ
ぷりの油で揚げたフレンチフライのような味を有する。
それらは、今までの技術によるオーブン仕上げフレンチ
フライに較べ品質が優っている。本発明の方法によって
作ったオーブン仕上げフレンチフライ(シューストリン
グカット)は、そのバルク水分含量が約32%ないし約46
%、総脂肪含量が約12%ないし約25%およびテクスチャ
ーバリューが少なくとも約200である。このフレンチフ
ライは、表面水分活性(Aw)が約0.55未満で、かつ内部
水分含量が約55%ないし約80%であることが好ましい。
フレンチフライポテトとしての幾つかの重要な特性
は、バルク水分含量、総脂肪含量、表面水分活性(A
w)、上皮のカリカリ感および内部のテクスチャーにあ
る。テクスチャーが申し分ないフレンチフライは、その
外表面がほどよくカリカリでかつ油がしつこくない。内
部は柔らかく、ホクホクしてねっとりしていない。本明
細書で明らかにするように、これらフレンチフライを特
徴づけるフレンチフライテクスチャーバリューの開発が
進められてきた。テクスチャーバリューが約200を上回
る場合、そのフレンチフライは内部に水分を含んでいな
がらカリカリに仕上がっているということになる。
一定のバルク水分含量および油レベルを有する、油で
くるんだプリベークフライを選択し、本明細書に記載の
方法によってオーブン仕上げすると、今までの技術によ
るオーブン仕上げフレンチフライを凌ぐフレンチフライ
が得られる。
プリベークフライ 本発明のプリベークフライによって、食事の支度は一
段と融通がきくようになり、貯蔵や在庫管理の簡易化も
可能となり、また、生のポテトから直接フレンチフライ
を作る場合に較べて品質が一層均一になる。
細長く切断された、生のポテト片または半フライした
ポテト片が、プリベークフライの出発材料である。生の
ポテト(例えば、Russet Burbanks)を洗浄し、剥皮
し、トリミングし、切断して、通常フレンチフライとし
て使用される所望の大きさおよび形の細長い片にする。
切断後、その細長い片を洗浄して表面のデンプンを落し
てもよい。
好ましいポテト片は、当業界で「シューストリング
(shoestring)」カットとして知られている。シュース
トリングポテト片は断面が約3/16(0.18)インチないし
約5/16(0.3)インチ(4.7mm〜8mm)四方であって、長
さが約2.5インチないし約5インチ(6.3cm〜12.7cm)で
ある。
当業界で「クリンクルカット(crinkle cut)」とし
て知られる別のポテト片の場合、断面が約0.3インチな
いし約0.5インチ(8mm〜13mm)四方、長さが約2インチ
ないし約4インチ(5cm〜10.2cm)のものが通常の平均
である。
まっすぐに切断した厚めのポテト片(レギュラーカッ
トとしても知られる)の場合、その断面は約0.3インチ
ないし約0.5インチ(8mm〜13mm)四方、長さは約2.5イ
ンチないし約5インチ(6.3cm〜12.7cm)である。「ス
テーキフライ」と呼ばれる種類の比較的大きいポテト片
は、約0.5インチないし約0.88インチ(13mm〜22mm)の
方形断面、長さ約2.5インチないし約5.5インチ(6.3cm
〜14cm)である。
細長く切断したポテト片は、当業界では周知の、従来
の方法に従ってブランチングされる。ブランチングによ
って酵素が不活性化され、細長く切断したポテト片の表
面の過剰な遊離糖が除去される。ブランチングは、細長
く切断したポテト片を、華氏約140度(60℃)ないし約2
00度(93℃)の熱湯に約3ないし約20分間浸漬して行わ
れる。別法としては、大気圧下、蒸気で約2分ないし約
10分間ブランチングする。
ブランチング工程に続いて、ポテト片は当業界では周
知の従来の方法に従って処理される。例えば、ポテト片
を再度水に浸漬して過剰な糖質を浸出させてもよいし、
ポテト片をその変色防止に使用するキレート化剤のピロ
リン酸ナトリウム(SAPP)で処理することもある。一連
の工程の間に所望のレベルにまで褐色化させるために、
デキストロース(コーンシュガー)をポテト片の表面に
塗布することもできる。当業界で周知のその他の処理法
を使用することもできる。
ブランチングおよび前述の必要に応じた処理を行った
後、ポテト片を水切りし、随意に脱水をおこなってその
水分含量を減らす。ポテト片を脱水している間に、典型
的な場合でそのポテト片の重量が初期重量の約10%ない
し約30%減となる程度まで、好ましくは約15%ないし約
20%減となる程度まで水分含量は減少する。例えばポテ
ト片を、華氏約150度(65℃)ないし華氏約350度(176
℃)の加熱空気に約5ないし約20分間さらすなど、半フ
ライしたポテト片の生産に使用する従来の乾燥法であれ
ばいずれの方法でも使用することができる。マイクロ波
乾燥法または高周波乾燥法などを用いてもよい。
一般にブランチングしたポテト片は、例えば華氏約27
0度(132℃)ないし華氏約385度(196℃)のたっぷりの
油で揚げられるまたは油に浸漬される。揚げる時間は個
別の油の温度、ポテト片の寸法、バッチサイズ、フライ
釜の容量およびポテト片の初期水分含量によって異な
る。この時間は、当業者ならば決定することができよ
う。ポテト片を高温油でくるむ加熱油スプレーまたは油
泡(oil foam)で揚げるなどのその他の技術を使用する
こともできる。ブランチングしたポテト片を、水分含量
が約38%ないし約58%の半フライしたポテト片を生産す
るのに十分な時間、食用油に浸漬する。(表1に、本発
明の方法で使用される好ましいシューストリングカット
の、水分含量および脂肪含量範囲を記載する。)シュー
ストリングカット種の半フライしたポテト片はバルク水
分含量を約40%ないし約56%有することが好ましい。こ
れらの半フライしたポテトは約42%ないし約54%の水分
を含有していることが好ましく、約44%ないし約50%の
水分を含有していればさらに好ましい。これらの半フラ
イしたポテトは、約6%ないし約25%の脂肪を含有して
おり、好ましくは約8%ないし約22%、さらに好ましく
は約10%ないし約20%、最も好ましくは約12%ないし約
18%の脂肪を含有しているとよい。
比較的厚く切断したポテト片(例えば、まっすぐなレ
ギュラーカットもしくはクリンクルカット、「ステー
キ」フライ)は、揚げても僅かにその水分含量が高くな
ろう。これらの比較的厚いポテト片については、表2お
よび表3を参照されたい。
半フライしたポテト片は、商業的には、複数の処理工
程(すなわち半フライする1工程と冷凍1工程、または
複数の半フライする工程と複数の冷凍工程)を経ること
で調理できる。好ましい半フライしたポテト片は一定レ
ベルの水分および脂肪を含有していなければならない。
半フライしたポテト片を直ちに油でくるんでしまうこ
ともできるし、または油でくるむ前に冷却し冷凍するこ
ともできる。半フライしたポテトの氷温冷蔵および冷凍
は、当業界で周知の方法によって達成することができ
る。例えば、半フライしたポテト片を、華氏約−20度
(−29℃)未満の冷風にさらしてもよいし、液体窒素な
どの液体冷却剤中に浸漬してもよい。従来の冷凍処理法
のいずれも使用可能である。半フライしたポテト片は急
速に、すなわち20分足らずのうちに冷凍することが好ま
しく、半フライすることを完了した後5分未満で冷凍す
れば好ましい。
本出願の方法によってオーブン仕上げすることを意図
した、油でくるんだプリベークフライの冷凍品を調理す
る好ましい方法は、生のポテトを剥皮し、トリミング
し、細長い片に切断する工程、ブランチングする工程、
および細長いポテト片の水分をオーブン乾燥または半フ
ライするいずれかによって少なくとも約60%まで低減す
る工程を含む。次いで、ポテト片を華氏約270度(132
℃)ないし華氏約335度(196℃)の油に浸漬し、その水
分がさらに減少して、最終的に水分含量が約38%ないし
約58%となるまでの間その浸漬を続ける。オーブン仕上
げしたフレンチフライの外皮を、確実に、たっぷりの油
で揚げたフレンチフライのものと変わらぬように仕上げ
るために、半フライしたポテト片の表面を食用脂肪でコ
ーティングして(くるんで)、油でくるんだプリベーク
フライにすることが必要である。表面コーティングは、
フライ鍋から半フライしたポテトを取出した直後に施し
てもよいし、または冷凍もしくは氷温冷蔵もしくは室温
の半フライしたポテト片に施してもよい。半フライした
ポテト片は、液状油に浸漬するか、または表面に油をス
プレーするか、または油とともにころがすかして表面を
油の(プリベークフライの2〜15重量%)被膜でくる
む。油でくるんだプリベークフライは、冷凍して華氏約
0度(−18℃)で貯蔵される。油でくるんだプリベーク
フライの冷凍品は、華氏約0度(−18℃)で少なくとも
3カ月は安定である。本発明の方法によってオーブン調
理すると、仕上がったフレンチフライは、従来のオーブ
ン調理フライを凌ぐ改良された風味を持つものとなる。
学説に縛られるものではないが、くるみこんでいる油
が、焼いている最中にポテト片の内部から急速に水分が
移動するのを防止するのに役立っており、その結果、上
皮域は乾燥してカリカリになるという学説が立てられて
いる。典型的な場合、くるみこんでいる/コーティング
している油の量は、重量で、半フライしたポテト片の約
2%ないし約15%であって、約3%ないし約12%であれ
ば好ましく、約4%ないし約10%量であればさらに好ま
しい。食用に適するものであればどの油でも使用するこ
とができる。
半フライしたポテト片をコーティングするまたはくる
むのに使用する脂肪組成物は、浸漬、液浸、スプレー、
吹き付け、注入、パンコーティング(例えば回転パ
ン)、タンブルコーティング、脂肪組成物の入った容器
内でローリングさせる、流下膜法(falling film metho
ds)、くるみ込み、カーテンコーティング等によってポ
テト片の表面に塗布することができる。半フライしたポ
テト片の表面に液化脂肪をスプレーするかまたは半フラ
イしたポテト片を液状脂肪に液浸して、実質的に均一に
コーティングされるように食用液化脂肪を塗布すること
が好ましい。均一に分布してさえいれば、コーティング
は連続していても不連続であってもよい。
具体的には、以下のような噴油技術を使用することが
できる。コーティングする油を華氏約70度(21℃)ない
し華氏約200度(93℃)、好ましくは華氏約100度(37
℃)ないし華氏約180度(82℃)、より好ましくは華氏
約120度(48℃)ないし華氏約160度(71℃)に保つ。噴
霧ノズルを、油が、半フライ全面に均一に塗布されるよ
うに配置する。スプレーしている間油を霧状にするこ
と、すなわち油を細い飛沫の状態でスプレーすることが
できる。この油をスプレーによって塗布する間、半フラ
イしたポテト片は単一の層の状態に配列しているか、ま
たはころがっている。
表面の油コーティングは、浸漬または液浸技術によっ
ても可能である。例えば、半フライしたポテト片を冷凍
し、華氏0度(−18℃)で平衡させる。その半フライし
たポテト片の冷凍品を、華氏約335度(168℃)の油に素
早く(例えば1〜3秒)浸漬し、次いで液体窒素に浸漬
して直ちに再凍結させる。この種のくるみ込み法では、
半フライしたポテト片の表面には、そのポテト片の重量
が約2%ないし約15%増加するのに十分の油コーティン
グがなされる。
本発明の方法においては、十分かつ均一なコーティン
グを施すことが可能となるように、脂肪を実質的に液状
に保つことが重要である。たっぷりの油で揚げられる従
来のフレンチフライがもつテクスチャを製品がもつよう
にするためには、オーブン仕上げ前に脂肪または油を塗
布することが非常に重要となる。
油でくるんだプリベークフライ(シューストリングカ
ット)は、典型的な場合、約34%ないし約54%の水分を
含んでいる。プリベークフライの水分含量は、約36%な
いし約52%であることが好ましいが、約38%ないし約50
%であればより好ましく、約40%ないし約48%であれば
なお好ましい。さらに、プリベークフライが約8%ない
し約30%の脂肪を含むことが好ましく、その場合表面脂
肪レベルはフライの重量の約2%ないし約15%である。
プリベークフライは約10%ないし約28%の脂肪を含むこ
とが好ましく、約12%ないし約26%含んでいればより好
ましく、約16%ないし約24%含んでいればさらに好まし
い。プリベークフライ表面の油の一部は、焼き上げ処理
中に失われる。比較的厚くカットされているプリベーク
フライの場合、その水分含量および脂肪含量は幾分異な
ってくる。プリベークフライの特性の概要については、
表1−3を参照されたい。
選択的冷凍工程 半フライの表面をコーティングした後、油でくるんだ
プリベークフライを必要に応じて冷凍し、包装し、後の
使用に備えて貯蔵しておくことができる。典型的な冷凍
貯蔵温度は、華氏約−20度(−29℃)ないし華氏約10度
(−12℃)の範囲にある。油でくるんだプリベークフラ
イの冷凍は、当業界で周知の方法によって達成される。
具体的には、プリベークフライ片を、華氏0度(−18
℃)未満の液体冷却剤と、好ましくは華氏−20度(−29
℃)未満の液体冷却剤と接触させてそのフライ片を冷凍
することができる。半フライ片の表面を冷凍することは
必須であるが、半フライ片全体を冷凍することも可能で
ある。好ましい液体冷却剤は、液体過フッ化炭化水素お
よび液体窒素である。油でくるんだプリベークフライを
冷却剤のプールに液浸すること、または得体冷却剤でス
プレーするもしくは気体冷却剤と接触させることが可能
である。所望の程度まで冷凍するのに要する時間は、冷
却剤の温度、ポテト片の大きさ、ポテト片の温度などの
要因によって異なる。冷凍するのは表面冷凍でも全体冷
凍でもよい。例えば、油でくるんだプリベークフライ
を、華氏0度(−18℃)未満の冷気流にさらすことがで
きる。簡便な方法は、フライが華氏約−20度(−29℃)
以下の噴射冷気にさらされるような、従来の噴射冷凍庫
(blast freezer)または高速気流を使用する方法であ
る。別法として、フライを華氏−10度(−23℃)の冷凍
庫内に置くこともできる。
食用油脂 フライを揚げたりくるんだりするために本明細書で使
用する脂肪は、トリグリセリド、非消化性脂肪もしくは
低カロリー脂肪、およびそれらの混合物から成る群より
選択される。好ましいトリグリセリドには、例えば部分
的にまたは完全に水素添加した、さもなければ改良を加
えた大豆油、とうもろこし油、綿実油、ひまわり油、パ
ーム油、やし油、キャノーラ油、魚油、獣脂、ピーナツ
油、ならびに中鎖トリグリセリド、短鎖もしくは中鎖脂
肪酸および長鎖脂肪酸(例えば、カプレニン様)の組み
合せを含有する構造化トリグリセリド等が含まれる。本
明細書で代用脂と呼ぶ、トリグリセリドに類似の特性を
有する非毒性脂肪性物質は時に半ばまたは完全に非消化
性のことがある。低カロリー脂肪、ならびに食用非消化
性脂肪、食用非消化性油もしくは食用非消化性代用脂肪
もまた使用することができる。
表面をコーティングするために、また、半フライした
ポテト片を揚げるために、種々の食用油脂を使用するこ
とができよう。使用に適した食用油脂には、これらに限
定するものではないが、先に記載の食用油脂が含まれ
る。所望であれば、油の調質(conditioned)または着
香も可能であろう。これについては、Flavored Vegetab
le Oils as a Substitute for Beef Tallow in Deep Fr
ying Applications,Food Technology,pp.90−94(198
9)および米国特許第5,104,678号(Yang他)を参照され
たい。
半フライしたポテト片を揚げたりくるんだりするため
に使用する食用油脂は、その遊離脂肪酸濃度が約0.8%
以下であることが好ましい。
半フライしたポテト片を揚げたりくるんだりするため
に使用する食用油は、100%天然油または100%合成油で
あったりする。油を部分的にまたは完全に水素添加、さ
もなければ改質をしてもよい。好ましい代用脂は、スク
ロースポリエステルなどのトリグリセリドに類似の特性
を有する脂肪性物質である。OLEAN(登録商標)は好ま
しい代用脂である。これはプロクターアンドギャンブル
社によって製造されている。低カロリー脂肪、ポリオー
ル脂肪酸ポリエステル、ならびに様々にエステル化した
ポリオールポリエステルもしくは通常の脂肪と代用脂の
組み合せも本発明で使用できる。これらの好ましい非消
化性脂肪または代用油の組成物については、例えば、19
92年2月4日発行Youngの米国特許第5,085,884号や1995
年6月6日発行Elsen他の米国特許第5,422,131号の文献
に記載されている。
有用であることが判明している1つの低カロリー脂肪
は、かなり高濃度(例えば、少なくとも約85%)のMML
とMLMの混合(combined)トリグリセリドを含む。ただ
しここで、Mは典型的な場合C8−C10飽和脂肪酸の混合
物であり、Lは主としてベヘン酸であるがC20−C24でも
よい。これら低カロリー脂肪の合成およびそのさらに詳
しい説明については、1989年12月9日発行Ehrman他の米
国特許第4,888,196号および1994年2月22日発行Seiden
の米国特許第5,288,512号を参照されたい。
「ポリオール」とは、少なくとも4個のヒドロキシル
基、好ましくは4個ないし11個のヒドロキシル基を有す
る多価アルコールのことである。ポリオールには、糖類
(すなわち、単糖類、二糖類および三糖類)、糖アルコ
ール類、その他の糖誘導体(すなわち、アルキルグルコ
シド類)、ジグリセロールやトリグリセロールなどのポ
リグリセロール類、ペンタエリトリトールおよびポリビ
ニルアルコール類が含まれる。好適な糖類、糖アルコー
ル類および糖誘導体の特有の例としては、キシロース、
アラビノース、リボース、キシリトール、エリトリトー
ル、グルコース、メチルグルコース、マンノース、ガラ
クトース、フラクトース、ソルビトール、マルトース、
ラクトース、スクロース、ラフィノースおよびマルトト
リオースが挙げられる。
「ポリオール脂肪酸ポリエステル」とは、少なくとも
4個の脂肪酸エステル基を含有するポリオールのことで
ある。一般に、含有する脂肪酸エステル基が3個以下の
ポリオール脂肪酸エステルは、通常のトリグリセリド油
脂と極めて同じように腸管で消化され、また、その消化
生成物は腸管から吸収される。一方、4個以上の脂肪酸
エステル基を含有するポリオール脂肪酸エステルは、実
質的に非消化性で、したがって人体には吸収されない。
ポリオールのヒドロキシル基をすべてエステル交換する
必要はないが、非消化性であるためには、二糖類の分子
がエステル交換していないヒドロキシル基を3個まで含
んでいることが好ましい。典型的な例では、ポリオール
のヒドロキシル基は実質的にすべて(例えば、少なくと
も85%)エステル化される。スクロースポリエステルの
場合、典型的な例では、ポリオールの約7ないし8個の
ヒドロキシル基がエステル化される。
典型的な例では、ポリオール脂肪酸エステルは、一般
に少なくとも4個、多くて26個までの炭素原子を有する
脂肪酸遊離基を含有している。これらの脂肪酸遊離基
は、天然に生じた脂肪酸または合成脂肪酸から誘導する
ことができる。脂肪酸遊離基は、位置異性体、または例
えばシス−もしくはトランス−異性体などの幾何異性体
を含め、飽和または不飽和であり、また、すべてのエス
テル基で同じであることもあり、または異なる脂肪酸の
混合物であることもある。
非消化性液状油の完全融点は約37℃未満であって、そ
れには液状ポリオール脂肪酸ポリエステル(1977年1月
25日発行、Jandacekの米国特許第4,005,195号参照のこ
と)、トリカルバリル酸の液状エステル(1985年4月2
日発行、Hammの米国特許第4,508,746号参照のこと)、
マロン酸やコハク酸の誘導体などのジカルボン酸の液状
ジエステル(1986年4月15日発行、Fulcherの米国特許
第4,582,927号参照のこと)、α−枝別れ鎖カルボン酸
の液状トリグリセリド(1971年5月18日発行、Whyteの
米国特許第3,579,548号参照のこと)、ネオペンチル部
分を含有する液状エーテルおよびエーテルエステル(19
60年11月29日発行、Minichの米国特許第2,962,419号参
照のこと)、ポリグリセロールの液状脂肪ポリエーテル
(1976年1月13日発行、Hunter他の米国特許第3,932,53
2号参照のこと)、液状アルキルグリコシド脂肪酸ポリ
エステル(1989年6月20日発行、Meyer他の米国特許第
4,840,815号参照のこと)、2個のエーテル結合を有す
るヒドロキシポリカルボン酸(例えば、クエン酸または
イソクエン酸)の液状ポリエステル(1988年12月19日発
行、Huhn他の米国特許第4,888,195号参照のこと)、エ
ポキシド延長ポリオールの液状エステル(1989年8月29
日発行、White他の米国特許第4,861,613号参照のこと)
が含まれる。それらのすべて、および液状ポリジメチル
シロキサン(例えば、ダウコーニング社から入手可能な
Fluid Silicones)を参照によって本明細書に組み込む
ものとする。
付加成分 風味を増しまたは風味を改質して所望の味を出すため
に、揚げ油および/またはくるみこむ油に塩、胡椒、バ
ター、タマネギ、ニンニクなどの着香剤を添加してもよ
い。前述した着香剤は、添加できる着香剤のすべてを網
羅したものではなく、本発明の実施に使用するのに好適
な添加物が多岐に渡ることを示唆しているにすぎないこ
とを、当業者ならば容易に理解できよう。
TBHQなどの酸化防止剤、クエン酸などのキレート化剤
およびジメチルポリシロキサンなどのあわ立て剤を含め
た当業界で周知のその他の成分も、半フライしたポテト
片の表面をコーティングするために、また、それらを揚
げるために使用される食用油脂に添加してもよい。
本発明の理解を容易にするために、特定の好ましい処
理工程について開示してきたが、本発明の精神または本
質的な性格から逸脱することなく、機能上等価な材料で
代用することも可能であり、または追加の成分を添加し
てもい。したがって、本明細書に開示の実施の形態は、
あらゆる点において例示的なものであって限定的なもの
ではないと見なされる。典型的な半フライ、プリベーク
フライおよびオーブン仕上げフレンチフライは、表1、
表2および表3に略記の特性を有している。
油でくるんだプリベークフライはオーブン仕上げされ
る。表4は、油でくるんだプリベークフライをオーブン
仕上げする、本発明の方法において使用される焼き上が
り時間および温度を記載したものである。
オーブン 好適なオーブンの一部例として、強制空気循環式コン
ベクションオーブン、赤外線放射コンベクション組合せ
型オーブン、放射加熱式オーブン、トースター、オーブ
ントースター、高速熱風衝突式オーブン、電子レンジ−
コンベクション組み合せ型オーブン、赤外線放射オーブ
ンが挙げられる。回転ドラム式コンベクションオーブ
ン、または赤外線コンベクション組み合せ型オーブンを
使用することもできる。焼き上がり時間は、オーブンの
種類と焼く温度によって幾分異なることになる。油でく
るんだプリベークフライを焼き上げるのにトースターを
使用する場合は、同じ焼き上げ工程を複数回くり返して
行う必要があろう。従来の電子レンジを使って冷凍され
たプリベークフライを温めてから、仕上げ用として好適
な別のオーブンに入れることもできるが、電子レンジで
は、サセプタまたは特別な容器を使用しない限り、表面
がカリカリになるほどの高温には表面を加熱しない。好
適なオーブンの一部について、その供給業者名および機
種名を以下に記す。
1.強制空気循環式コンベクションオーブン A.ネバダ州ヴェルディ、Wells Manufacturing Co.
社、機種名 M42003S(コンベクションオーブン) B.カリフォルニア州ガーデナ、U.S.Range社、機種名B
G−100(コンベクションオーブン) C.ヴァーモント州バーリントン、Blodgett Oven社、
機種名DFG−100コンベクションオーブン 2.熱風衝突式オーブン A.インディアナ州Fort Wayne、Lincoln Foodservice
Products社(Impinger Iオーブン) B.イリノイ州エルギン、Middleby Marshall社、機種
名PS200(二重衝突式double impingementオーブン) C.ヴァーモント州バーリントン、Blodgett Oven社、
機種名MT2136(Mastertherm Conveyor Oven) 3.赤外線オーブン カリフォルニア州フレモント、Quadlux,Inc.、機種名
Flashbake Oven FB5000 4.回転ドラム式コンベクションオーブン イリノイ州エルギン、Toastmaster社、機種名RoFry
RF200 5.電子レンジ−コンベクション組み合せ型 アイオワ州Amana、Amana Refrigeration,Inc.社、機
種名CMA2000、コンベクションエクスプレスオーブン 6.Toast−Rオーブン コネティカット州シェルトン、Black & Decker社、
機種名TRO200TY 一つの好ましい実施の形態においては、油でくるんだ
プリベークフライは、目の粗い網状の金属製オーブント
レーまたはバスケットに単一層にして焼き上げることが
好ましい。フライを基本的に単一の層にすることによっ
て、少なくとも、フライの大部分がオーブントレーに直
接接触することが可能となる。油でくるんだプリベーク
フライの冷凍品の場合は、先ず、金網オーブンラックま
たはトレー上で約0.5分ないし約2分間焼くことが好ま
しい。次いで、それらを一枚板の金属製オーブントレー
に移し、充分に焼き上げる。この2回目の焼き時間は約
1分ないし3分が好ましい。一般に、従来の技術の冷凍
ポテト片の焼き時間は、約10分ないし20分である。オー
ブン仕上がり時間が従来より速くなっている点は、本発
明の主要な利点の一つである。油でくるんだプリベーク
フライを焼き上げるのに、金属製コンベヤを用いて連続
的に焼く方法も本発明で使用することができる。
オーブン仕上げフレンチフライの調理に使用されるオ
ーブン処理の具体的条件は、焼き上げようとするプリベ
ークフライの量、それらの初期温度、オーブンの種類、
および油でくるんだプリベークフライの熱的性質によっ
て異なる。水分含量の低い上皮域の熱伝導率、水分含量
の高い内部のでんぷんマトリックス中心部の熱伝導率、
およびプリベークフライの表面熱伝達率が特に重要であ
る。一般に、熱伝導率が高ければ高いほど、また、表面
熱伝達率が高ければ高いほどオーブンからフライへの、
また、フライの中での熱移動は速くなり、したがって調
理時間も短縮される。本発明の一つの目的は、冷凍半フ
ライをオーブンで迅速に仕上げるための即席料理法を提
供することにあるがゆえに、これらの特性はとくに重要
となる。オーブン温度におけるプリベークフライの低水
分含量上皮域の望ましい熱伝導率は、約0.1ないし0.3ワ
ット/m−℃である。オーブン温度におけるプリベークフ
ライの高水分含量中心域の望ましい熱伝導率は、約0.4
ないし0.7ワット/m−℃である。上皮域の熱伝導率は、
その上皮域の水分および脂肪濃度を制御することによっ
て所望の範囲に調整できる。
プリベークフライの表面熱伝達率は、強制空気循環速
度、空気温度、およびフライ表面の油膜の性質の関数で
ある。表面熱伝達率が高ければ高いほど、一般には調理
時間が短縮されることになり、また、オーブン仕上げフ
レンチフライの場合には、低水分含量上皮域がよりはっ
きりとカリカリに形成されるので、表面熱伝達率は高い
ことが望ましい。オーブン内にあるプリベークフライの
オーブン温度における望ましい表面熱伝達率は、約50な
いし約400ワット/m2−℃である。表面熱伝達率は半フラ
イしたポテト片を食用油脂でくるむ結果上昇し、そのこ
とが周囲の空気からのフライ表面への熱伝導を増大させ
ることになる。プリベークフライの表面は、オーブンか
らの放射熱吸収の増進のために改変することもできよ
う。この改変達成の典型的な方法は、表面の色、孔げき
率、および/または反射率に変更を加えることであろ
う。フライ表面のオーブンの気流速度を高めると、表面
熱伝導率も高まる。オーブンの気流速度は十分な熱伝達
率が得られる程度に速くなくてはならないが、フライ表
面をくるんでいる油をはぎ取ってしまう程速くはない。
高品質のフレンチフライは黄金色をして、その上皮は
カリカリで内部はホクホクしている。本明細書に記載の
方法で作られる理想的なオーブン仕上げフレンチフライ
は、その色、テクスチャー、食感、味ともに、例えばマ
クドナルド(登録商標)のフライなどの、たっぷりの油
で揚げた高品質フレンチフライと変わるところがない。
高品質オーブン仕上げフレンチフライ 本発明の方法によって、優れたオーブン仕上げフレン
チフライが提供される。表5には、本発明の方法によっ
て作られた高品質オーブン仕上げシューストリングカッ
トフレンチフライの詳細が記載されている。これらの優
れたオーブン仕上げシューストリングカットフレンチフ
ライのバルク水分含量は、約32%ないし約46%、好まし
くは33%ないし44%、より好ましくは34%ないし40%で
ある。またその総脂肪含量は、約12%ないし約25%、好
ましくは13%ないし23%、より好ましくは14%ないし20
%である。好ましいオーブン仕上げシューストリングフ
レンチフライの内部水分含量は、約55%ないし約80%、
好ましくは60%ないし77%、より好ましくは63%ないし
75%である。その表面水分活性(表面Aw)は約0.55以
下、好ましくは約0.1ないし約0.52、より好ましくは約
0.15ないし約0.5、さらに好ましくは0.2ないし約0.45で
ある。フライおよび焼き上げ食品のテクスチャーが、そ
の製品の水分活性(Aw)にある程度関係していることは
知られている。一般に、カリカリッとしたテクスチャー
といえばAw値は約0.55未満であろうと考えられる。好ま
しいオーブン仕上げシューストリングフレンチフライの
テクスチャーバリューは約200以上、好ましくは約210な
いし1000、より好ましくは220ないし600、さらに好まし
くは240ないし500である。
フレンチフライテクスチャーバリューは圧縮試験によ
って測定されるが、それについては後述の分析試験法の
項で詳しく説明する。フレンチフライテクスチャーバリ
ュー試験では、フレンチフライのテクスチャーノ特性を
特徴づける2つの測定値、平均最大力(グラム)と平均
面積(グラム×秒)が得られる。これらのテクスチャー
測定値はどちらもフレンチフライのカリカリ感と関係が
あり、いずれもテクスチャーバリューと呼ぶことができ
よう。
上述のように、また、表5−表7に記載のように、高
品質オーブン仕上げフレンチフライの特徴はテクスチャ
ーバリューが約200以上であることであり、それはテク
スチャーを表す少なくとも1つのパラメータ(最大力ま
たは面積)の値が約200以上であるということである。
本明細書に記載の方法で調理された最も好ましいオーブ
ン仕上げフレンチフライはさらに、その最大力(グラ
ム)に対する面積(グラム×秒)の比が少なくとも1.
0、好ましくは1.04以上、より好ましくは1.08以上、さ
らに好ましくは1.12以上、最も好ましくは1.16以上であ
るような特徴を有する。本明細書に記載の方法で作られ
た高品質オーブン仕上げフレンチフライ、およびたっぷ
りの油で揚げたフレンチフライ(例えばマルドナルド
(登録商標)のフレンチフライ)の特徴は、テクスチャ
ーバリューが約200以上であることと、最大力に対する
面積の比が少なくとも1.0であることである。例示の目
的で、マクドナルド(登録商標)のたっぷりの油で揚げ
たフレンチフライの複数のバッチに関して得たテクスチ
ャーデータを以下に示す。
比較的厚切りのオーブン仕上げフレンチフライ(例え
ば、レギュラーカット、クリンクルカット(crinkle cu
t)、ステーキフライ)の水分含量および脂肪含量の範
囲は異なっている。概要については表6−表7を参照さ
れたい。
表6に、本発明の方法で作られた、高品質オーブン仕
上げレギュラーもしくはストレートカットフレンチフラ
イ、およびクリンクルカットフレンチフライの詳細を記
載する。
本明細書に記載の方法で作られたオーブン仕上げフレ
ンチフライは、そのフレンチフライ内部の水分分布およ
び脂肪分布を鮮明に描いた断面図が得られる、核磁気共
鳴(NMR)映像法によっても特徴づけられる。本明細書
に記載の方法で作られた高品質オーブン仕上げフレンチ
フライ、およびたっぷりの油で揚げたフレンチフライ
(例えば、マクドナルド(登録商標)のフライ)の特徴
は、高水分含量の内部中心部が脂肪を含有する低水分含
量の上皮域にくるまれていることがNMR映像法から明ら
かになっている。
分析試験法 半フライしたポテト片、油でくるんだプリベークフラ
イおよび本発明のオーブン仕上げフレンチフライの成分
を特徴づけるために、幾つかのパラメータが使用され
る。それらは独特の実験的分析方法によって定量され
る。この各方法について以下に詳細に説明する。
バルク水分含量試験 半フライしたポテト片、油でくるんだプリベークフラ
イおよび仕上がりフレンチフライの水分含量は、強制空
気循環オーブン法(a forced air oven method)によっ
て以下のように測定される。
1. ポテト片またはフレンチフライの代表試料を、ブレ
ンダーまたは従来のフードプロセッサーで均一にすりつ
ぶす。
2. 予め自重した金属鍋または金属皿にすりつぶした試
料約5グラム(重量「A」)を正確に測り取る。
3. 試料を入れた金属皿を105℃の強制空気循環コンベ
クションオーブン内に2時間置く。
4. 2時間後、乾燥試料の入った金属皿を取り出し、デ
シケーターの中で無水硫酸カルシウムなどの乾燥剤を通
して室温まで冷却する。
5. 乾燥試料の入った金属皿の重量を再度測り、皿の自
重を減じて乾燥試料の重量(重量「B」)を算出する。
6. 試料のパーセント水分含量を以下のように算出す
る。
%水分含量=[(A−B)/(A)]×100 フレンチフライテクスチャーバリュー試験 フライのカリカリ感に関係する、仕上がりフレンチフ
ライのテクスチャーバリューは、TA−XT2テクスチャー
アナライザー(ニューヨーク州Scarsdale、Texture Tec
hnologies Corp.社、25−1ロードセル付きの05.16版)
を用いて測定される。テクスチャーアナライザーを標準
的なパーソナルコンピュータ(例えば、IBM 433DX)に
接続し、XT.RA Dimension(ニューヨーク州Scarsdale、
Texture Technologies Corp.社、3.7H版)として知られ
るソフトウェアプログラムによってデータを記録する。
テクスチャーアナライザーは、主アームに垂直に固定
された長方形の先のとがっていないスチールプレートプ
ローブ(厚さ2.5〜3.0mm、幅70mm、長さ90mm)を有して
構成されている。単一のフレンチフライ片に対して「圧
縮試験」を実施して力(グラム)−時間(秒)の曲線を
生成し、そこからテクスチャーバリューを求める。
テクスチャーアナライザーの設定法および較正法 1.テクスチャーアナライザーを以下のように設定する。
モード:圧縮力測定 オプション:リターンツースタート 力の単位:グラム 時間の単位:秒 距離フォーマット:ひずみ プリテスト速度:2.0mm/sec プローブテスト速度:1.0mm/sec ポストテスト速度:10mm/sec ひずみ:85.0% トリガタイプ:オート10 2.テクスチャー法を以下のように設定する グラフタイプ:力対時間 自動スケーリング:オフ 最大力スケーリング:5000グラム 最小力スケーリング:0グラム ピーク確認:オン 力しきい値:20グラム ファイルタイプ:ロータス1−2−3 ディスプレイおよびエクスポート:プロットした点 取得速度:200pps 力の単位:グラム 接触面積:1.00mm2 接触力:5.0グラム 3.較正プラットフォームに5kgの重みを置いて力を較正
し、テクスチャーアナライザーのキーパッドの「較正」
ボタンを押す。
4.プローブが付いている底板からのプローブの距離を、
ショートストリングカットフライ用に底板からの開始距
離10mmに較正する(厚切りまたはステーキフライ用には
プローブ開始距離を15mmまで増大する)。プローブの底
面は必ず底板の表面と平行になるようにする。
試料測定法 1. テクスチャー分析を始める前に、仕上げ調理したフ
レンチフライをフライ鍋(たっぷりの油で揚げた場合)
またはオーブン(オーブンで焼き上げた場合)から取り
出した後直ちに、フライのバッチを加熱ランプの下に1
分間置いておく。加熱ランプ下の空気温度は、華氏約13
0度ないし華氏約180度(約54.3℃ないし約82.2℃)の範
囲である。
2. 1分間のホールド時間が過ぎたら、単一の平にされ
たフレンチフライをテクスチャーアナライザー(プロー
ブの幅に対して垂直に向けられている)の底板上に置
く。フレンチフライの端が底板からはね上がるのを手で
底板に押し付けるようにしながら、圧縮試験(プローブ
の速度1.0mm/秒)を開始する。
3. 最終的な力(グラム)対時間(秒)のデータを後の
分析のために取っておく。同じバッチから取ったさらに
9個のフライ試料についても、同一の方法で試験をす
る。各バッチから、10個のフライ試料が無作為に選ばれ
る。10個のフライ試料のテクスチャー分析は、3ないし
4分以内に完了しなければならない。(ステップ1終了
後3ないし4分)。
4. 新たなフレンチフライのバッチについても、ステッ
プ1からステップ3の工程を繰り返す。一般に、フレン
チフライは各種類ごとに5ないし10のバッチについて、
このような方法で評価される。
データ分析 1.各フレンチフライ試料の「力対時間」曲線を以下の点
について評価する。
・最初の1/3の試験時間内における最大力(グラ
ム)。
・最初の1/3の試験時間内におえる曲線下の面積(グ
ラム秒)。
(例えば、圧縮試験完了までに6秒かかった場合、最
大力と面積は0〜2秒の時間内の値から得られる) 2.所定のバッチから選択した10個のフレンチフライ試料
すべてについて「力対時間」データを分析した後、10個
の最大力について平均値を求め、また面積についても平
均値を求める。各フライ試料の力対時間データを分析す
る仕事、およびフライの各バッチの最大力値および面積
値を平均する仕事は、エクセルに書き込まれたコンピュ
ータプログラムによって自動化される。
3.各フレンチフライ種の残るバッチについても同様にし
て分析する(5〜10のバッチを試験し、各バッチにつき
10個のフライを分析する)。次いで、各バッチの最大力
値および面積値の平均を出すと、各フライ種の総体的平
均最大力(グラム)および平均面積(グラム秒)が得ら
れる。
4.本発明の目的のために、総体的平均最大力または平均
面積のいずれもフレンチフライテクスチャーバリューと
呼ぶことができよう。両テクスチャー測定値とも仕上が
りフレンチフライのカリカリ感に関係している。
フレンチフライの内部水分含量の測定 仕上がりフレンチフライの内部水分含量、すなわち内
部デンプンマトリックスの水分含量は以下のように測定
される。
1. 仕上げ調理したフレンチフライをフライ鍋(たっぷ
りの油で揚げた場合)またはオーブン(オーブンで焼き
上げた場合)から取り出した後直ちに、そのフレンチフ
ライを液体N2に20秒間浸漬し、製品を完全に冷凍して内
部水分分布を安定化させる。
2. 分析するまでの間、冷凍フレンチフライを華氏約−
112度(−80℃)で貯蔵する。
3. 冷凍庫から数個のフレンチフライを取り出し、ステ
ンレススチールトレー上に置く。フレンチフライを室温
になるまで数分間わずかに温め、上皮をはぎ取り易くす
る。
4. かみそりの刃を用いて、各冷凍フレンチフライの1
つの側面の上皮を注意深く切り取る。フレンチフライを
回転させてこの手順を繰り返し、4つの全側面から上皮
をはぎ取る。
5. 冷凍の内部デンプンマトリックス(白く固化した物
質)を収集し、直ちにふた付きのガラスバイアルの中に
置く。内部デンプンマトリックスだけを収集するように
気を付け、残っている上皮が含まれないようにする。
6. ステップ3からステップ5の工程を繰り返し、約5
グラムの冷凍の内部デンプンマトリックスを収集する。
これには約15個ないし20個フレンチフライが必要であろ
う。
7. 約5グラムの内部デンプンマトリックス(重量
「A」)を、予め自重した金属鍋または皿に正確に測り
取る。
8. 内部デンプンマトリックスを入れた金属皿を105℃
の強制空気循環コンベクションオーブン内に2時間置い
ておく。
9.2時間後、乾燥試料の入った金属皿を取り出し、デシ
ケーターの中で無水硫酸カルシウムなどの乾燥剤を通し
て室温まで冷却する。
10. 乾燥試料の入った金属皿の重量を再度測り、皿の
自重を減じて乾燥試料の重量(重量「B」)を算出す
る。
11. 内部デンプンマトリックスのパーセント水分含量
を以下のように算出する。
%内部水分含量=[(A−B)/(A)]×100 フレンチフライの表面水分活性(Aw)の測定 仕上がりフレンチフライの表面Awは以下のように測定
する。
1.仕上げ調理したフレンチフライをフライ鍋(たっぷり
の油で揚げた場合)またはオーブン(オーブンで焼き上
げた場合)から取り出した後直ちに、そのフレンチフラ
イを液体N2に20秒間浸漬し、製品を完全に冷凍して内部
水分分布を安定化させる。
2.分析するまでの間、冷凍フレンチフライを華氏約−11
2度(−80℃)で貯蔵する。
3.フレンチフライ1袋(〜0.5〜1ポンド)を華氏−112
度(−80℃)の冷凍庫からドライアイスをいれた冷却器
に移す。ここでは、フレンチフライが低温で冷凍状態に
保たれるように、袋は必ずドライアイスの中に完全に詰
めるようにする。
4.試料袋から1回に1個ずつフレンチフライを取り出
し、片刃のかみそりの刃を用いて、素早くフレンチフラ
イの表面をこすり落す。表面の削りくずをステンレスス
チールトレー上に集め、直ちにその削りくずをふた付き
ガラスバイアルに移す。
フレンチフライの外皮域から表面の削りくずだけを集
めるように注意し、外皮域を貫いて内部デンプンマトリ
ックスが露出するほど強くこすらないようにする。
5.表面の削りくずが約0.3ないし0.7グラム収集されるま
でステップ4を繰り返す。これには約10ないし20個の冷
凍フレンチフライをこすることが必要となろう。
6.相対湿度計Rotronic Hygroskop Model DT(ニューヨ
ーク州ハンティングトン、Rotronic Instrument Corp.
社)を用いて、以下のように表面の削りくずの水分活性
(Aw)を測定する。
a.表面の削りくずをプラスチックAw皿(Rotronic Ins
trument Corp.社)に移す。
b.表面の削りくずが入ったAw皿を、直ちにHygroskop
Model DT相対湿度計の湿度セルの1つに置き、セルのふ
たをぴったり閉める。
c.湿度計の示度を安定させてから(1時間以上待
つ)、その示度および温度を記録する。
d.下記のRH標準を用いて作成された、予め用意してお
いた較正用グラフ(湿度計の示度対%RH)を使用して、
安定した湿度計の示度を%相対湿度(RH)に換算する。
11%RH 塩化リチウム飽和溶液(Greenspan,L.,1997,
J.Res.Natl.Bur.Stand.,Section A,81A:89を参照された
い) 35%RH Rotronic Instrument Corp.社製標準溶液 50%RH Rotronic Instrument Corp.社製標準溶液 65%RH Rotronic Instrument Corp.社製標準溶液 e.表面の削りくずの%RHを、下記のように表面Awに換
算する。
表面Aw=[%RH/100] 総脂肪含量試験 半フライしたポテト片、油でくるんだプリベークフラ
イおよび仕上がりフレンチフライの総脂肪含量は、溶剤
抽出法によって下記のように測定される。
装置 1.Soxtec HT6抽出システム、ユニットには加熱ブロック
と冷却器が含まれる。
2.冷却器用循環式水浴 3.加熱ブロック用循環式油浴 4.抽出ビーカー 5.抽出円筒ろ紙、26mm(Fisher TC1522−0018) 6.窒素パージガス 7.真空乾燥オーブン 8.化学てんびん(4桁) 9.分注ピペット(50ml) 材料 1.塩化メチレン(Baker 9315−33) 2.沸騰石(Chemware PTFE Fisher 09−191−20) 3.シリコーン油(Fisher TC1000−2779) 4.ガラスウール(Fisher 11−390) 方法 1. ポテト片またはフレンチフライの代表試料を、ブレ
ンダーまたは従来のフードロセッサーで均一にすりつぶ
す。
2. ガラスウール(円筒ろ紙に試料片を収容するのに十
分なサイズ)1枚と抽出円筒ろ紙の重量を正確に測り
(4桁まで)、円筒ろ紙+ガラスウールの重量(重量
「A」)を記録する。
3. すりつぶした試料を円筒ろ紙に入れ、試料入り円筒
ろ紙に予め重量を測定しある1枚のガラスウールでふた
をする。
4. すりつぶした試料、円筒ろ紙+ガラスウールの重量
(重量「B」)を正確に測り(4桁まで)記録する。
5. 2個またはそれ以上の沸騰石を抽出ビーカーに置き
その重量を測定する(4桁まで)。抽出ビーカー+沸騰
石の重量(重量「C」)を記録する。
6. 試料入り円筒ろ紙を抽出ユニット上に置き、その円
筒ろ紙をすすぎ位置まで引き揚げる。
7. 予め重量を測定してある沸騰石入り抽出ビーカー
に、塩化メチレン50mlをピペットで移す。
8. 油加熱浴を110℃に、また、水冷却器を28.3℃に設
定し、温度が平衡に達するようにする。
9. 資料入り円筒ろ紙を溶剤入り抽出ビーカー中に引き
降ろし、冷却器のペットコックを開の位置にした状態
で、溶剤中で60分間沸騰させる。
10. 円筒ろ紙をすすぎ位置まで引き揚げ、60分間すす
ぐ。
11. 冷却器のペットコックを閉の位置に回し、溶剤を6
0分間蒸発させる。栓をひねって窒素パージガスを出
し、蒸発を促進する。
12. ビーカーを120℃に予熱した真空オーブンに移し、
十分に真空の状態(圧力約30mmHg以下)で30分間放置す
る。
13. ビーカーを室温まで冷却し、その重量を測定する
(4桁まで)。ビーカー+沸騰石+抽出油の重量(重量
「D」)を記録する。
14. パーセント総脂肪含量を下記のように算出する。
%脂肪含量=[(D−C)/(B−A)]×100 実施例 以下に本発明の非限定的な実施例を示す。
実施例1 市販の高品質冷凍シューストリングカット半フライ
(例えば、アイダホ州コールドウェル、J.R.Simplot C
o.社、Simplot Par Fries)は、出発製品として許容で
きる。この半フライポテトの水分含量は約64%である。
この半フライ約1lbを、Primex108植物油(部分的に水素
添加した大豆油ととうもろこし油のブレンド、プロクタ
ーアンドギャンブル社から入手可)を入れた45lb油容量
のフライ鍋で、華氏約290度(144℃)で約3分間揚げ
る。次いで、半フライを液体窒素に約20秒間浸漬して直
ちに冷凍する。得られた半フライの水分含量は約48%、
また、脂肪含量は約14%である。冷凍後直ちに、半フラ
イを華氏約335度(〜168℃)の液状植物油(調質(cond
itioned)Primex108)に約1ないし3秒間浸漬すること
によって、油でくるみ込む。こうして得られた、油でく
るまれたプリベークフライを、液体窒素に浸漬して再度
冷凍する。冷凍プリベークフライをしっかりと密閉シー
ルしたパケージで包装し、華氏約0度(−18℃)ないし
華氏約−20度(−29℃)の通常の冷凍温度で貯蔵する。
プリベークフライは、重量でフライの約10%の表面脂肪
を含有する。総脂肪含量は約22%、また、バルク水分含
量は約43%である。
前記冷凍プリベークフライ約128グラムを、目の粗い
金網オーブントレー上に単一の層にして置き、次いで強
制空気循環式(forced air)コンベクションオーブン
(Wells Manufacturing Co.社、機種名M42003S)に入れ
て華氏約400度(204℃)で約1分間焼く。次いで、フラ
イを、一枚板のステンレススチールオーブントレーに単
一の層にして移し、さらに1.5分間焼き上げる。こうし
て得られるフレンチフライは、バルク水分含量が約38
%、脂肪含量約18%、内部水分含量約67%、表面Aw約0.
3、フレンチフライテクスチャーバリューが約240(最大
力=205g、面積=243g×秒、力に対する面積の比=1.1
9)である。このオーブン仕上げしたフレンチフライ
は、その風味およびテクスチャーにおいて、例えばマク
ドナルド社製のたっぷりの油で揚げたフレンチフライと
事実上同じものである。
実施例2 市販の冷凍シューストリングカット半フライポテト片
(例えば、アイダホ州コールドウェル、J.R.Simplot C
o.社、Payette Farms Shoestring Frozen Potatoes)
を、追加処理する目的で得る。この半フライポテトのバ
ルク水分含量は約70%である。
前記半フライポテト片をさらに処理する。先ず、冷凍
ポテト片約1lbを、Primex108植物油(部分的に水素添加
した大豆油ととうもろこし油のブレンド、プロクターア
ンドギャンブル社から入手可)を入れた45lb容フライ鍋
で、華氏約335度(〜168℃)で約3分間揚げる。次い
で、半フライポテトを液体窒素に20秒間浸漬して直ちに
冷凍し、華氏約−20度(−29℃)で貯蔵する。この半フ
ライポテト片の水分含量は約44%、また、脂肪含量は約
14%である。冷凍半フライポテト片を、華氏約335度
(〜168℃)の液状植物油(調質Primex108)に約1ない
し3秒間浸漬することによって、油でくるみ込む。こう
して得られた、油でくるまれたプリベークフライを、液
体窒素に約20秒間浸漬して冷凍する。油でくるまれたプ
リベークフライの冷凍品の表面脂肪含量は約10%であ
る。油でくるまれたプリベークフライの水分含量は約40
%、脂肪含量は約23%である。
前記冷凍プリベークフライ約128グラムを、目の粗い
金網オーブントレー上に単一の層にして置き、次いで強
制空気循環式コンベクションオーブン(ネバダ州ヴェル
ディ、Wells Manufacturing Co.社、機種名M42003S)に
入れて華氏約400度(〜204℃)で約1分間焼く。次い
で、フライを、一枚板のステンレススチールオーブント
レーに単一の層にして移し、さらに1.25分間焼き上げ
る。こうして得られるフレンチフライは、バルク水分含
量が約38%、総脂肪含量約19%、内部水分含量約68%、
表面Aw約0.4、フレンチフライテクスチャーバリューが
約260(最大力=239g、面積=260g×秒、最大力に対す
る面積の比=1.09)である。このオーブン仕上げしたフ
レンチフライは、その風味およびテクスチャーにおい
て、たっぷりの油で揚げた高品質のフレンチフライと事
実上同じものである。
実施例3 バルク水分含量が約70%の、実施例2で使用した市販
の冷凍シューストリングカット半フライを、出発材料と
して使用する。
前記半フライポテト片をさらに処理する。先ず、冷凍
ポテト片約1lbを、Primex108植物油(部分的に水素添加
した大豆油ととうもろこし油のブレンド、プロクターア
ンドギャンブル社から入手可)に浸漬して、華氏約335
度(〜168℃)で約3分間揚げる。次いで、半フライポ
テト片を液体窒素に20秒間浸漬し、華氏0度(−18℃)
で貯蔵する。この冷凍半フライしたポテト片の水分含量
は約44%、また、脂肪含量は約14%である。温めた(〜
華氏150度)調質Primex 108油をその冷凍半フライした
ポテトの表面に噴霧して、冷凍半フライしたポテト片を
油でくるみ込む。噴霧によって油でくるむ方法によっ
て、約5%の半フライの表面に塗布される。こうして得
られた油でくるんだプリベークフライは水分約42%と脂
肪約18%を含んでおり、オーブン仕上げされるまで華氏
0度(−18℃)で冷凍貯蔵される。
油でくるんだプリベークフライの冷凍品は、従来の家
庭用オーブン(ジェネラルエレクトリック社)で仕上げ
られる。前記プリベークフライ約0.5ポンドを、一枚板
のステンレススチールオーブントレーに単一の層にして
置き、華氏425度(〜218℃)で6ないし7分間焼き上げ
る。仕上がったフレンチフライは上皮でカリカリで、内
部はホクホクとして、その味はたっぷりの油で揚げた良
質のフレンチフライとほとんど変わらぬものとなる。
実施例4 低カロリー脂肪組成物を使用して油でくるんだプリベ
ークフライを作る。この脂肪組成物は、非消化性脂肪成
分と「従来の」トリグリセリド成分を含有する組成物で
ある。非消化性脂肪成分には液体スクロースポリエステ
ル(SPE)と固体スクロースポリエステル(SPE)のブレ
ンドが含まれているが、このような例としては、プロク
ターアンドギャンブル社製のOLEAN(登録商標)があ
る。非消化性脂肪成分は、大豆油を精製し、脱色し、ま
た脱臭するために添加され、得られたブレンドを全固体
成分が溶解するまで加熱して、SPE75%および大豆油25
%を含有する脂肪組成物とする。
シューストリング型のフレンチフライポテトを作るた
めに、ポテト固体含量約20%のRusset Burbankポテトを
剥皮し、洗浄して、幅1/4インチ長さ3、1/2インチの細
長いポテト片に切断する。このポテト片を熱湯(華氏14
0度\60℃)中で約5分間ブランチングする。ブランチ
ングしたポテト片を周囲条件下で5分間平衡させ、その
後オーブン中で部分乾燥させる。
次いで、半ば乾燥したポテト片を、前述の脂肪組成物
中で華氏約375度(〜190℃)で90秒間揚げ、その後冷凍
して冷凍半フライを作る。この冷凍半フライしたポテト
片は水分を約55%、脂肪を約11%含んでいる。次いで、
冷凍半フライしたポテトを華氏約335度(〜168℃)の低
カロリー脂肪組成物に約1ないし3秒間浸漬して、冷凍
半フライしたポテト片をその脂肪組成物でくるむ。得ら
れるプリベークフライは再度冷凍する。油でくるんだプ
リベークフライの冷凍品は、その表面を約12%の油でコ
ーティングされており、そのバルク水分含量は約48%、
総脂肪含量は約22%である。
前記油でくるんだプリベークフライの冷凍品約128グ
ラムを、目の粗い金網オーブントレー上に単一の層にし
て置き、次いで強制空気循環式コンベクションオーブン
(ウェストヴァージニア州ヴェルディ、Wells Manufact
uring Co.社、機種名M42003S)に入れて華氏約425度(2
18℃)で約3分間焼く。所望であれば、フレンチフライ
に高速の熱風またはガスを短時間(すなわち、5ないし
30秒)吹き付けて、過剰な表面の脂肪を取除くこともで
き、また、仕上がりフレンチフライの脂っこさを制御す
ることもできよう。こうして得られる低カロリーフレン
チフライは、バルク水分含量が約40%、総脂肪含量約15
%、内部水分含量約65%、表面Aw約0.4、フレンチフラ
イテクスチャーバリューが約250である。
このオーブン仕上げしたフレンチフライは、たっぷり
の脂肪で揚げたフレンチフライと事実上区別できない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エルセン,ジョーゼフ,ジェイムズ. アメリカ合衆国 45211 オハイオ州 シンシナティー モンタナ アヴェニュ 2807 (72)発明者 コリガン,パトリック,ジョーゼフ. アメリカ合衆国 45211 オハイオ州 シンシナティー デクスター パーク ブールバード 33 (72)発明者 ビーダーマン,デイヴィッド,トーマ ス. アメリカ合衆国 45208 オハイオ州 シンシナティー スプリンガーアヴェニ ュ 3006 (72)発明者 パパ,アリス,ジョンソン. アメリカ合衆国 45215 オハイオ州 シンシナティー ブロックドルフ ドラ イブ 224 (56)参考文献 特開 平3−35772(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/217

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】華氏325度(162℃)ないし華氏800度(426
    ℃)の温度で0.75分ないし15分間にわたってオーブン内
    で、フレンチフライを調理する方法であって、 プリベーク半フライの重量に対し、水分を34%ないし58
    %と、2%ないし15%の油の表面コーティングを含む総
    脂肪を6%ないし30%とを有し、かつ上皮域の熱伝導率
    が0.1ないし0.3ワット/m℃、内部デンプンマトリックス
    中心部の熱伝導率が0.4ないし0.7ワット/m℃、および表
    面熱伝達率が50ないし400ワット/m2℃である、油でくる
    んだプリベーク半フライを焼く工程を具えており、バル
    ク水分含量が32%ないし53%、総脂肪含量が8%ないし
    25%、および平均最大力が少なくとも200グラムもしく
    は平均面積が少なくとも200グラム秒であるオーブン仕
    上げしたフレンチフライを形成することを特徴とするフ
    レンチフライの調理方法。
  2. 【請求項2】前記油でくるんだプリベーク半フライが、
    水分を42%ないし50%および脂肪を14%ないし20%有し
    ており、華氏350度(176℃)ないし華氏475度(246℃)
    で1分ないし5分間焼かれ、前記オーブン仕上げしたフ
    レンチフライがバルク水分含量40%ないし46%および総
    脂肪含量12%ないし18%であることを特徴とする請求項
    1に記載の調理方法。
  3. 【請求項3】前記油でくるんだプリベーク半フライが、
    水分を44%ないし52%および脂肪を10%ないし18%有し
    ており、華氏350度(176℃)ないし華氏475度(246℃)
    で1分ないし5分間焼かれ、前記オーブン仕上げしたフ
    レンチフライがバルク水分含量42%ないし48%および総
    脂肪含量10%ないし16%であることを特徴とする請求項
    1に記載の調理方法。
  4. 【請求項4】前記油でくるんだプリベーク半フライが、
    水分を40%ないし48%および脂肪を16%ないし24%有し
    ており、華氏375度(190℃)ないし華氏450度(232℃)
    で3分未満の間焼かれることを特徴とする請求項1に記
    載の調理方法。
  5. 【請求項5】前記油でくるんだプリベーク半フライが、
    華氏375度(190℃)ないし華氏450度(232℃)で3分未
    満の間焼かれることを特徴とする請求項1、2、3また
    は4に記載の調理方法。
  6. 【請求項6】前記オーブン仕上げしたフレンチフライ
    が、表面水分活性を0.1ないし0.45および内部水分含量
    を63%ないし75%有することを特徴とする請求項5に記
    載の調理方法。
  7. 【請求項7】前記総脂肪が、0.8未満の遊離脂肪酸レベ
    ルを有することを特徴とする請求項1、2、3または4
    に記載の調理方法。
  8. 【請求項8】前記総脂肪が、トリグリセリド、非消化性
    脂肪、半消化性脂肪、低カロリー脂肪およびそれらの混
    合物の中から選択される1種以上の脂肪であることを特
    徴とする請求項1、2、3または4に記載の調理方法。
  9. 【請求項9】前記総脂肪がポリオール脂肪酸ポリエステ
    ルを含むことを特徴とする請求項8に記載の調理方法。
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