JPH11506783A - 薬剤送達用連続的フッ素化合物微小分散剤 - Google Patents

薬剤送達用連続的フッ素化合物微小分散剤

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JPH11506783A JP9501487A JP50148797A JPH11506783A JP H11506783 A JPH11506783 A JP H11506783A JP 9501487 A JP9501487 A JP 9501487A JP 50148797 A JP50148797 A JP 50148797A JP H11506783 A JPH11506783 A JP H11506783A
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トレビノ,レオ,エー.
デラマリー,ルイス,エー.
タララ,トマス,イー.
ウィアーズ,ジェフリー,ジー.
ラネイ,ヘレン,エム.
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Abstract

(57)【要約】 フッ素化合物などの一種以上の親油性溶媒および好ましくは少なくとも一種の非フッ素化合物の補溶媒を含む生理学的に許容される液体キャリヤー中に配合されている少なくとも一種の薬剤を含む、熱力学的に安定な薬剤組成物を提供する工程、及び安定な薬剤組成物を、薬剤組成物の薬物微小分散剤が形成される薬剤組成物からの薬剤の相分離を開始させるのに充分な量の少なくとも一種の混和性の希釈剤とを混合する工程を含む、アベイラビリティーが向上した薬物微小分散剤の製造方法。また、微小分散剤の薬剤組成物及びそのような組成物を形成するためのキットが開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 薬剤送達用連続的フッ素化合物微小分散剤 発明の分野 本発明は概して、生理学的標的部位へ薬剤を投与するための製剤及び方法に関 する。より具体的には、本発明は、水性の生理学的環境において溶解度の低い親 油性化合物の生物学的利用率(バイオアベイラビリティー)及び有効性を上げる ために使用される、改良したフッ素化合物微小分散剤(fluorochemical microdi spersions)に関する。この微小分散剤は、投与を容易にし、送達の範囲を広げ 、かつ薬物の安定性を上げるように製剤されるものであり、従って特に親油性薬 剤の徐放及び放出制御型送達に適する。 発明の背景 多くの薬剤の有効性は、選択された標的部位へ到達し、有効濃度で所望の治療 または診断の目的を達成するのに充分な時間そこに留まる能力に基づいている。 投与される化合物の固有の物理学的特徴の他に、標的部位の位置及び環境によっ て、有効性を得るのがさらに難しくなることがある。例えば、身体の自然な生理 学的機能の一部として、排出または洗浄を繰り返し受けやすい経路による薬物送 達では、薬剤の有効な投与が著しく妨げられる。この点で、呼吸管または胃腸管 から化合物を投与する際には、しばしば送達及び保持の問題が起きる。このよう な経路を用いる場合、流される薬物量を補い、かつ有効な投与計画を維持するた めには、かなり多量の投与量を繰り返し投与することがしばしば必要となる。さ らには、薬剤化合物の分子的性質のために、用いる投与経路を通過する間に吸収 が損われ、それによって有効性が実質的に低下する可能性がある。あらゆる薬剤 で有効に送達されなくなる可能性があるが、このことは水性環境で溶解性のない 脂溶性化合物について特に当てはまる。例えば、不溶性の粒子は、食作用及び飲 細胞運動を受けやすいことが知られており、その結果、標的部位からの化合物の 除去が加速される。このような送達及び保持時間の低下によって、投与計画は複 雑になり、薬物資源を浪費し、かつ概して投与薬物の全体的な有効性が低下する 。 多くの親水性化合物と異なり、常法による親油性薬物の送達には問題が絶えな い。あいにく、現在開発中の多数の最も有望な治療薬及び診断薬は、比較的水に 解けにくい、かさの大きいポリサイクリック分子である。これらの化合物の実質 的な物理的サイズは、それらの分子構造の固有の親油性と相まって、実際の薬物 適用での使用を著しく制限している。例えば、従来の錠剤及びカプセル剤を用い た親油性薬剤の経口投与は、投与薬剤の吸収速度が変動するという不利な点があ り、食物の有無、消化液のpH及び胃が空になる速度などの要素に影響される。 さらに、大きな親油性の粒子が不溶性であることによって、薬剤が消化液にほと んど溶解せず、排泄される前に上皮のバリアを通過しないので、送達速度が低下 する傾向がある。最後に、不安定な薬物が消化液によって分解されること及び薬 物代謝酵素によって、治療が効果が現れないところまで薬物のバイオアベイラビ リティーが低下する可能性がある(Prescott,L.F.,"Novel Drug Delivery and tis Therapeutic Application",John Wiley & Sons,New York,1989,pp 3-4 )。 親油性化合物を従来の送達媒体を用いて投与する場合、他の送達経路でもほと んど変わらない。この水に不溶性の薬物を非経口的に投与するには、薬剤をo/ w型(水中油型)エマルジョンの形態に製剤するか、水混和性相に可溶化する必 要がある。この非経口投与には、この経路で送達され得る好適に安定な投与形態 の製剤に関係する欠点があるので、このような製剤にはしばしば、単独で毒性の ある副作用を引き起こす可能性のある界面活性剤系が含まれる。例えば、高親油 は、呼吸困難、気管支痙攣、じんま疹、及び血圧低下を含む過敏症反応に関連す る、ポリオキシエチレン化したひまし油の媒体を使用するものである(Rowinsky ,E.K.and Donehower,R.C.,New Eng.J.Med.,1995,332,1004)。加え て、全身性の高い毒性を示すタキソールなどの薬物を静脈内投与するには、治療 用量が厳しく制限される(Balasubramanian,S.V.and Straubinger,R.M.,B iochemistry,1994,33,8941)。このように、現在の送達システムによって好 ましい結果が得られている一方で、有効でないかまたは毒性のある送達システム のた めに、標的部位ではこれらの親油性化合物の固有のバイオアベイラビリティーが 低く、実質的にこれら化合物の有効性が低下する。 親油性薬物の送達に関連する難点にもかかわらず、その方法を開発した際の潜 在的な有利点は大きい。広範な研究が行われ、薬物の膜透過性、バイオアベイラ ビリティー及び有効性が、しばしば親油性の上昇に伴って増加することが示され た(Banker G.S.and Rhodes,C.T.in "Modern Pharmaceutics",Marcel Dek ker,Inc.,New York,1979,pp 31-49; Hughes,P.M.,and Mitra,A.K.,J. Ocul.Pharmac.,1993,9,299; Yokogawa,K.,Nakashima,E.,Ishizaki,J. ,Maeda,H.,Nagano,T.and Ichimura,F.,Pharm.Res.1990,7,691; Hage luken,A.,Grunbaum,L.,Nurnberg,B.,Harhammer,R.,Schunack,W.and S eifert,R.,Biochem.Pharmac.,1994,47,1789)。従って、これら化合物の 新しい送達系が開発されることによって、多種多様な徴候の治療について、治療 の有効性が著しく向上するであろう。 この点で、薬剤の投与に使用される場合に非常に有望である送達媒体の一種に 、フッ素化合物がある。近年、フッ素化合物は、治療薬及び診断薬としての医薬 分野において広範な適応が見つかっている。疾病状態を治療するためのフッ素化 合物の使用は、かなりの部分が、この物質の独特な物理的及び化学的性質に基づ いている。特に、フッ素化合物は反応性か比較的低いことから、配合する薬剤の 性質を変えずに、広範囲にわたる化合物と混合することができる。このように比 較的不活性であることから、かなりの量の酸素を運ぶ能力、いくつかの形態の放 射線に対する放射線不透過性及び低い表面エネルギーなどの他の有益な特徴と相 まって、フッ素化合物は、多くの治療及び診断に関する適用において非常に貴重 なものとなる。 例えば、様々なフッ素化合物のエマルジョンが医療処置の間、酸素キャリヤー として使用されている。従来のo/w型エマルジョンは、選択されたフッ素化合 物が連続的水相中に小滴の形態で分散されてなるものであり、血流中に直接注入 されることもありる。フッ素化合物は酸素輸送容量が大きいために、そのような エマルジョンは酸素を血管系に供給する血液の代替品として特に有用である。エ マルジョンを投与した後、分散されたフッ素化合物相に溶解した酸素は血液中に フッ素化合物を含有する正規に市販されているo/w型エマルジョンであり、経 皮経管的冠動脈形成術(PTCA)の間、心筋層に酸素を供給するガスキャリヤ ーとして使用されている(R.Naito,K.Yokoyama,Technical Information Ser ies No.5 and 7,1981)。フッ素化合物はまた、ロング(Long)による放射性 物質の造影(米国特許第3,975,512号)または核磁気共鳴画像法(米国 特許第5,114,703号)において、造影増強剤としても使用されている。 他に提案されている医療用の用途としては、心血管系及び脳血管経疾患の治療、 冠動脈形成術、器官の保存及びガンの治療、及び、診断的超音波造影及び家畜の 治療が含まれる(Riess J.G.,"Blood Compatible Materials and Devices": Pe rspective Towards the 21st Century,Technomics Publishing Co.,米国ペン シルバニア州、ランカスター、Ch.14,1991; Riess,J.G.,Vox.Sang.,61:22 5,1991)。従来の直接的なフッ素化合物エマルジョンは、例えば、EP−A− 0255443、FR−A−2665705、FR−A−2677360、FR −A−2694559、FR−A−2679150、PCT/W090/158 07、EP−A−311473及びUS3,975,512に記載されている。 上述したo/wエマルジョン系に加えて、連続的なフッ素化合物相を有するニ ート(neat)なフッ素化合物及びエマルジョンもまた、様々な医療用途に使用さ れている。例えば、ニートなフッ素化合物は、液体換気(liquid ventilation) 使用について評価されているところである。現在、製品の一つであるリキベント ンディエゴ)は、呼吸窮迫症候群(RDS)に対する使用について臨床試験が行 われている。このような組成物は、発育不全の肺を有する未熟児の治療にも使用 lliance Pharmaceutical Corp.,米国カリフォルニア州、サンディエゴ)は、ニ ートなフッ素化合物から構成される、米国FDAの認可を受けた診断薬であるが 、胃腸(GI)管の造影に特に有用である。フッ素化合物の液体もまた、後に転移 し た眼内の水晶体の整復などの眼科の外科的適用、及び眼球虚血の治療に利用され る可能性がある(Lewis,H.and Sanchez,G.,Ophthalmology,1993,100,105 5; Blair,N.P.,Baker,D.S.,Rhode J.P.,and Solomon,M.,Arch Ophtha lmol,1989,107,417)。 そのような適用が印象的であると同時に、有効量の薬剤を確実に送達するため にフッ素化合物が使用できることは、フッ素化合物が介在する療法と相まって、 または別々の投与計画において、非常に有益である。フッ素化合物の薬物送達媒 体は、水溶液に溶解せず、水性の生理学的環境において特別な問題の現れる親油 性の薬物について使用するのが特に好ましい。例えば、親油性医薬化合物と親水 性医薬化合物との両方を有効に肺に投与する場合に特に有利である。水溶液によ ってまたは連続相も水性であるフッ素化合物のエマルジョンによって、肺に化合 物を有効に直接導入することができないので、薬物の肺への投与には難しい問題 がある。しかし、上記の適用に見られるように、フッ素化合物は容易に肺に導入 され得る。肺の疾病部位で血液循環が低下することによって、静脈内投与による 薬物送達の有効性が低くなるので、そのような直接投与は肺疾患の治療において は非常に重要である。肺疾患の治療に加えて、肺に投与されるフッ素化合物の医 薬製剤は、RDS、肺循環障害、嚢胞性線維症及び肺ガンなどの疾患の治療及び /または診断においても有用であろう。肺経路の投与に加えて、フッ素化合物は 、局所投与、経口投与、腹腔内投与、または眼内投与などの他の投与経路による 化合物の投与にも有利に使用されるであろう。 この分野の研究において、生物学的製剤は、液体換気と連携して送達される場 合、即ち、酸素を多く含むフッ素化合物の連続相を有する製剤を使用する場合に 、肺胞表面を通る送達が容易になる可能性があることが示されている(Wolfson ,M.R.and Shaffer,T.H.,The FASEB J.,1990,4,A1105)。障害のある肺 に液体換気と連携して投与される化合物で有効性の上昇かみらるが、これは、あ るフッ素化合物は肺表面上での分散係数が高いこと、より効果的な肺の膨張によ る肺胞表面積の増加、及びフッ素化合物による酸素の送達を含む、いくつかの要 因によるものであろう。シャッファー(Shaffer)等も、静脈内投与と比較した 場合、 ある薬物の生物学的反応が肺投与によって上昇し得ることを示した(Shaffer,T .H.,Wolfson,M.R.,Greenspan,J.S.and Rubenstein,S.D.,Art.Cells ,Blood Sub.& Immob.Biotech.,1994,22,315)。 同様に、キルクランド(Kirkland)は、不溶性粒子のフッ素化合物液体混合物 が磁気共鳴画像法またはX線撮影の有用な造影剤として使用され得ることを示し た(WO92/18165)。キルクランドは、従来の製造技術を用いて形成し た発泡性の粉末成分を添加することによって、これらのフッ素化合物混合物を製 造し、放出された気体が得られる画像を改良することを発見した。 しかし、このような成功にもかかわらず、薬剤化合物、特に身体が吸収するよ うに設計された薬物の投与に問題がないわけでなはい。従来のフッ素化合物が介 する薬物送達に関連する重要な問題は、薬物(親油性及び親水性)の大多数がフ ッ素化合物相に不溶性であることである。このことは、安定性、粒子サイズ、投 与量の信頼性、分散安定性及び結局はバイオアベイラビリティーを含む、化合物 の投与に関係する多数の問題となって表れると思われる。例えば、肺投与の現在 の方法は、フッ素化合物の不溶性材料の粗製分散剤の製造、及び乱流による送達 を伴う(Shaffer,T.H.,Wolfson,M.R.and Clark,L.C.,Pediatric Pulmo nology,1992,14,102)。しかし、フッ素化合物の不溶性薬物を送達するため にこの技術を使用すると(Shaffer et al.,Art.Blood Subs.and Cells Immob .Biotech.,22:1994; Pediatr.Pulmonol.,14:102,1992)、粉末の薬剤がフ ッ素化合物相に有効に分散しないことから、薬物送達は不均質で、信頼性が無く 、再現性のないものであった。さらには、親水性化合物用には多くの場合、有効 性が同等の好適な送達媒体が複数存在する一方、親油性薬剤用の選択肢はかなり 少ない。 現在の技術の揮発性塩化フッ化炭素推進薬中の薬物懸濁液は、通常使用に先立 って再分散が必要な不均質系であることが多い。しかし、比較的均質な分布の薬 剤化合物を得ることは、”油性の”フッ素化合物においては必ずしも容易ではな い。加えて、これらの製剤は、エアロゾル送達の場合、粒子が凝集する傾向があ るという欠点があり、その結果推進薬系が凝固して薬物送達が不十分になる。オ ストワルト(Ostwald)熟成を経る懸濁液の結晶生長も、粒子サイズの不均質性 につながり、製剤の有効期間がかなり短縮され得る。エマルジョンまたは懸濁液 である従来の分散剤について、もう一つの主要な問題は、分子が粗くなることで ある。凝集(flocculation)、融解、分子の拡散、及び癒着などの、いくつかの メカニズムによって分子は粗くなる可能性がある。これらの過程によって、比較 的短時間で製剤は粗くなり、使用不可能になる。同等の問題は、消化管または眼 の環境を通るような、他の投与経路のために設計されたフッ素化合物懸濁液でも 起こり得る。 そのような従来の分散剤に対するさらなる制約は、粒子サイズの分布に関係す る。経口投与用には、作用部位への送達媒体に粒子を迅速に拡散するため、多く の場合表面積が大きく、10nmから100nmオーダーの、より小さな薬物粒 子または結晶が好ましい。あいにく、気流処理や粉砕などの従来の手段で最適な 特徴を有する粒子を製造することはおおむね実際的ではない。従って、現在の多 くの製剤には、数ミクロン以上のオーダーの平均粒子径を有する薬物粒子が配合 されている。 これらの問題を解決し、有効なフッ素化合物の送達媒体を提供するために、い くつかの試みが実施されている。例えば、エバンス(Evans)等(Pharm.Res., 1991,8,629;米国特許第5,292,499号;米国特許第5,230,88 4号)及びジンクス(Jinks)等(米国特許第4,814,161号)は、肺へ の薬物送達のため、脂質によって安定化した揮発性の推進薬の使用を開示してい る。それにもかかわらず、これらのエアロゾル製剤に使用する非揮発性のフッ素 化合物の液体連続媒体の使用についてはいずれにも示されておらず、これらの製 剤では高沸点の成分をかなりの比率で含有するのは望ましくないと述べられてい る。さらには、エバンスらは、疎水性化合物を包含する記載が無く、親水性の薬 物化合物の安定化に開示を限定している。 従って、本発明は、有効期間及び安定性が改良された治療及び診断用化合物を 含有する、バイオアベイラビリティーの高いフッ素化合物微小分散剤を提供する ことを目的とする。 さらに、本発明は、親油性薬剤を有効に送達することのできる薬物組成物を提 供することを目的とする。 さらにまた、本発明は、バイオアベイラビリティーが増強された薬物の微小分 散剤を形成する方法を提供することを目的とする。 発明の概要 一般的に述べると、本発明は、選択された標的部位に薬剤を送達するために使 用され得る新規なフッ素化合物微小分散剤を提供することによって、前述の目的 を達成するものである。好ましい態様では、薬剤は親油性である。さらに明確に は、本発明は、液体のフッ素化合物の連続相と薬剤を含有する不連続相とを有す る、バイオアベイラビリティーの高い薬物微小分散剤を提供する。従来の製剤と 明確に対照すると、本発明の好ましい典型的態様では、微小分散剤として投与さ れる、水に不溶性の親油性の医薬品及び診断用化合物が容易に配合される。この 微小分散剤によって、送達部位での親油性薬剤のバイオアベイラビリティーが有 利に向上し、薬剤がより有効に送達される。本発明は水に不溶性の化合物の送達 に特に有用であるが、少なくともある程度水溶性のある薬剤化合物を有利に送達 するために、種々の態様を使用し得ることを強調しなければならない。 ここで開示される薬物の微小分散剤は、懸濁液の形態であってもエマルジョン の形態であってもよく、親油性の程度が異なる薬剤を効果的に送達するように適 応させてもよい。本発明は、ゾルまたはエマルジョンを含む微小分散剤中に比較 的親油性の薬剤を配合するのに特に有用である。他の好ましい態様において、本 発明は、親油性の低い薬剤を用いた等方性の極微細なゾルを形成するために使用 してもよい。薬剤化合物の絶対親油性に関係なく、このような製剤を使用するこ とによって、有効薬剤のバイオアベイラビリティー及び有効性を上げることがで きる。加えて、本発明の薬物微小分散剤は、粗くならないように、また他の分解 力に抵抗するように製剤され得るので、安定性が向上し、有効期間が延長する。 従来の、フッ素化合物中の薬剤化合物の懸濁液とは異なり、本発明の新規な微 小分散剤は、相分離を誘発して形成することを強調しなければならない。さらに 詳細には、発明の態様の一つにおいて、親油性化合物を含む選択された薬剤また は試薬は先ず、フッ素化合物などの少なくとも一種の親油性材料及び任意に一種 以上の補溶媒(co-solvent)を含む熱力学的に安定な組成物中に配合される。こ の組成物は分子溶液(molecular solution)であってもよい。好ましい態様にお いて、補溶媒は短鎖アルコールまたはアルキルスルホキシドである。次に、該組 成物に、好ましくはフッ素化合物、即ち熱力学的に安定な該組成物と混和する、 希釈剤を混合する。重要なことは、希釈剤の親油性は、組成物の親油性よりも低 いことである。従って、十分量混合すると、希釈剤によって薬剤が不連続相に進 み、バイオアベイラビリティーが向上した薬物微小分散剤が形成される相分離が 始まる。本発明は、親水性及び親油性薬剤を含む熱力学的に安定な組成物中で安 定化されるあらゆる薬剤に適合する。 上に示したように、本発明の薬物分散剤は、予定された投与計画及び投与技術 の個々の必要性によって、エマルジョンまたは懸濁液として形成し得る。微小分 散剤の最終的な形態は、フッ素化合物の希釈剤と混合する前に、熱力学的に安定 な薬剤組成物中の非フッ素化合物の補溶媒の濃度を変えることによって選択され 得る。さらに明確には、補溶媒の最終濃度が混合した製剤中で溶解性の限界を越 えない場合には、補溶媒はフッ素化合物の連続相中に残り、一方薬剤は相分離を 受け、不連続的な懸濁液を形成する。即ち、親油性化合物を含む薬剤が、等方性 の高い極微小な懸濁液またはゾルの形態に分散される。反対に、非フッ素化合物 の補溶媒の濃度が混合された製剤中の溶解性の限界を越える場合には、過剰量が フッ素化合物の連続相から追い出される。この場合、非フッ素化合物の補溶媒は 親油性薬剤と連携して、エマルジョンになる液体の不連続相を形成する。 本発明のもう一つの態様は、上述した方法に従って製造したバイオアベイラビ リティーが向上した薬物製剤に関する。好ましい態様において、この製剤は、一 種または二種以上の生理学的に許容される親油性のフッ素化合物、少なくとも一 種の補溶媒及び少なくとも一種の希釈剤を含む液体連続相中、薬学的有効量の少 なくとも一種の薬剤の実質的に均質な微小分散剤を含む。親油性の低い生物活性 のある薬剤の場合、補溶媒として水を有利に使用してもよく、分散剤を形成する 前に熱力学的に安定な組成物が形成される。 先に説明したように、分散剤は懸濁液であっても逆エマルジョンの形態であっ てもよい。いずれの形態においても、不連続相は、好ましくは平均粒子径が3μ m以下のオーダーの微小粒子、より好ましくは1μmよりはるかに小さい微小粒 子を含む。特に好ましい態様では、懸濁される粒子の平均径は500nm未満で あり、さらに好ましくは200nm未満または100nm未満である。 本発明の実質的に均質な分散剤はコロイド性があって標的部位で迅速に溶解す ることから、バイオアベイラビリティーが向上する。さらには、本発明の微小分 散剤は、機械的な細分化よりむしろ沈降によって製造されるので、製剤の均質性 は従来の組成物よりはるかに良好である。即ち、本発明の分散剤は等方性が高い 。 本発明の微小分散剤はまた、不連続薬物相内、フッ素化合物の連続相内、これ ら両方の相内、またはこれらの相の間に、一種以上の添加物を含んでいてもよい 。添加物としては、例えば、鉱物塩、緩衝液、膨張(oncotic)及び浸透剤、香 料または矯味剤、栄養剤、または安定性、治療効果及び耐性を含む微小分散剤の 好ましい性質を増すことのできる他のあらゆる成分が含まれ得る。特に、該微小 分散剤には、製剤をさらに安定化し、粒子が粗くなることによって起こる分解を 遅くするために、フッ素化合物または非フッ素化合物の界面活性剤を配合しても よい。 本発明のまた別の態様は、親油性化合物を含む一種以上の薬剤を、生理学的な 標的部位に送達する方法に関する。この方法は、一種以上の親油性フッ素化合物 、少なくとも一種の非フッ素化合物の補溶媒及び少なくとも一種のフッ素化合物 希釈剤を含む液体連続相中に、少なくとも一種の薬剤の実質的に均質な微小分散 剤を含む薬物製剤を提供する工程、及び生理学的部位に薬学的有効量の該薬物製 剤を導入する工程を含む。 好ましい態様において、製剤はこれらに限定されないが、胃腸管、呼吸管、局 所、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、肺内、膣内、直腸内、経耳、経口または眼内を含 む多数の種々のなる経路を使用して投与され得る。上記で触れたように、熱力学 的に安定な組成物に配合され得るあらゆる親油性または親水性薬剤は、上記で概 説した方法を使用して有効に投与され得る。好ましくは、薬剤は、オクタノール /水の分配係数の対数が、少なくとも−3、より好ましくは少なくとも0.5、 さらに好ましくは少なくとも2であり、製剤中に20w/v%未満含まれる。 このように、本発明の態様の一つは、アベイラビリティーが向上した薬物微小 分散剤を製造する方法であり、この方法は、単連続相中に、親油性の第一の液体 と薬剤との第一の組成物を提供する工程、及び、前記の第一の組成物に、第一の 液体より親油性が低く、第一の液体中に混和できる第二の液体を十分量添加し、 前記の薬剤の相分離を起こして微小分散の不連続相を形成する工程を含む。 好ましい親油性フッ素化合物は、ハロゲン化フッ素化合物、フッ化炭素−炭化 水素ジブロック(diblock)またはトリブロック(triblock)化合物、ハロゲン 化エーテル、ポリエーテル、フッ化炭素−炭化水素エステル、フッ化炭素−炭化 水素チオエステル、フッ化炭素−炭化水素アミン及びフッ化炭素−炭化水素アミ ドである。別の定義では、好ましい親油性フッ素化合物は、Cn2n+1X、XCn 2nX(但し、n=3〜8、X=Br、ClまたはI)、Cn2n+1m2m+1、 Cn2n+1CH=CHCm2m+1(但し、n=2〜8、m=2〜6)、Cp2p+1 −Cn2n−Cm2m+1(但し、p=2〜6,m=2〜6、及びn=2〜8)、X Cn2nOCm2mX、XCF2OCn2nOCF2X(但し、n=1〜4、m=1 〜4、X=Br、ClまたはI)、Cn2n−O−Cm2m+1(但し、n=2〜8 、m=2〜6)、Cp2p+1−O−Cn2n−O−Cm2m+1(但し、p=2〜6 ,m=2〜6、及びn=2〜8)、1−ブロモ−F−オクタン(n−C817B r)、1−ブロモ−F−ヘプタン(n−C715Br)、1−ブロモ−F−ヘキ サン(n−C613Br)、塩化ペルフルオロオクチル(n−C715Cl)、1 ,6−ジクロロ−F−ヘキサン(n−ClC612Cl)、1,4−ジクロロ− F−ブタン(n−ClC48Cl)、1,4−ジブロモ−F−ブタン及び1,6 −ジブロモ−F−ヘキサンである。 この方法の態様一つとしては、比較的親油性の薬剤は、呼吸器系薬、抗生物質 、抗炎症剤、抗腫瘍剤、麻酔薬、眼科用薬、化学療法剤、心血管系薬、造影剤及 びこれらの混合物からなる群より選択される。好ましくは、親油性薬剤は、オク タ ノール/水の分配係数の対数(LogPo/w)が、約−3より大きい。 フッ素化合物の希釈剤は、好ましくは、ビス(F−アルキル)エテン、環状フ ッ化炭素、過フッ化アミン、臭化過フッ化炭素、ヨウ化過フッ化炭素、塩化過フ ッ化炭素、塩化ペルフルオロオクチル、水素化ペルフルオロオクチル、過フッ化 アルキル化エーテル、過フッ化アルキル化ポリエーテル、フッ化炭素−炭化水素 化合物及びこれらの混合物からなる群より選択される。希釈剤は、親油性フッ素 化合物よりも親油性が低い。補溶媒は、エーテル、アルコール、アルキルスルホ キシド、水、他の非フッ化生体適合性溶媒及びこれらの混合物より有利に選択さ れる。 この方法はまた、治療に有益な量の生理学的に許容される気体を薬物分散剤中 に導入する工程を含んでもよい。さらに、フッ化または非フッ素化合物の界面活 性剤を組成物に使用してもよい。好ましい態様では、親油性の薬剤は、濃度が約 20w/v%未満であり、親油性フッ素化合物の濃度は約50v/v%未満であ る。微小分散剤は、平均粒子径が約3μm未満のものが有利であり、さらに好ま しくは約1μm未満である。特に好ましい態様は、500nm、200nm、1 00nmのオーダーまたはそれ以下の粒子を含み、特に好ましい態様では10n mのオーダーである。 本発明はまた、前述の方法に従って製造された、バイオアベイラビリティーが 向上した薬物分散剤も包含する。また、液体連続相中に、薬学的有効量の少なく とも一種の相対的に親油性の薬剤の、実質的に均質な微小分散剤を含む、バイオ アベイラビリティーの高い薬物製剤も包含し、この液体連続相は、一種以上の生 理学的に許容される親油性フッ素化合物、少なくとも一種の補溶媒及び少なくと も一種のフッ素化合物の希釈剤を含む。上記の通り、微小分散剤は、懸濁液であ ってもエマルジョンであってもよい。製剤中、種々の材料が、上述のように、こ の方法と関連し得る。態様では、比較的親油性の薬剤の濃度は約20w/v%未 満であり、一種以上の親油性フッ素化合物の濃度は約50w/v%未満である。 好ましくは、微小分散剤は、平均粒子径が約3μmまたは1μm未満である。さ らに好ましくは、粒子の平均径は200nm未満であり、例えばナノメーターの 範囲で、1、2、3、4、5、7、8、または10nmであってもよい。 態様の一つとしては、治療に有益な量の生理学的に許容される気体が液体連続 相中に配合される。別の態様では、製剤はフッ化または非フッ素化合物の界面活 性剤を含む。 さらに本発明は、生理学的標的部位に、一種以上の比較的親油性の薬剤を送達 する方法を包含し、この方法は、液体連続相において少なくとも一種の相対的に 親油性の薬剤の実質的に均質な微小分散剤を含む、バイオアベイラビリティーの 高い薬物製剤を提供する工程であって、液体連続相は一種以上の親油性フッ素化 合物、少なくとも一種の非フッ素化合物の補溶媒及び少なくとも一種のフッ素化 合物の希釈剤を含む前記の工程、及び、薬学的有効量のバイオアベイラビリティ ーの高い薬物製剤を、生理学的標的部位に導入する工程を含む。製剤の種々の成 分は上記の通りであってもよい。生理学的標的部位への薬物製剤の導入は、局所 、皮下、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、肺内、膣内、直腸内、経耳、経口または眼内 を通して有利に達成され得る。 本発明の、さらに別の態様では、単連続相内に、薬剤と混合した親油性の第一 の液体の第一の組成物を提供する工程、及び、第一の組成物に、第一の液体より 親油性が低く、第一の液体中に混和できる第二の液体を十分量添加し、薬剤の相 分離を起こして微小分散の不連続相を形成する工程を含む、薬剤材料を製造する 方法が提供される。不連続相は、エマルジョンであっても懸濁液であってもよい 。好ましくは、第一の液体及び/または第二の液体は、フッ化炭素である。組成 物は任意に、薬剤と第一の液体との混合を容易にするために補溶媒を含むが、必 ずしも必要ではない。補溶媒は、好ましくは非フッ化炭素である。不連続相は、 補溶媒及び薬剤を含んでいてもよく、または薬剤のみを含んでいてもよい。 この方法の態様の一つでは、第一の組成物は、第二の液体と混合する前に、6 時間、12時間、または18時間貯蔵される。別の例では、添加工程に先立つ使 用の前に、2日、3日、5日、1週間、2週間、4週間、10週間、20週間、 6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月、または不定時間、貯蔵される。 最後に、本発明は、単連続相中に第一の親油性液体フッ化炭素及び薬剤を含む 第一の組成物をその中に有する第一の容器、及び、第一の液体と混和する第二の 液体をその中に有する第二の容器を含む、薬物製剤を製造するためのキットを包 含し、第二の液体は、第一の液体より親油性が低く、そのような第一の組成物と 第二の液体との混合によって、薬剤の相分離が起こり、薬剤の微小分散不連続相 が形成される。第一の組成物は、好ましくは、薬剤が溶解する、非フッ化炭素の 補溶媒をさらに含有する。一つの態様としては、混合状態で生じる不連続相は、 薬剤と補溶媒を含む。別の態様としては、不連続相は本質的に薬剤からなり、ま たは、薬剤の懸濁液を含む。 本発明の他の目的、特徴及び優位点は、下記の好ましい典型的態様の詳細な説 明を斟酌すれば、当業者には明らかである。 具体的態様の詳細な説明 概観すると、本発明の安定でバイオアベイラビリティーが高い薬物微小分散剤 は、連続な液体のフッ化炭素相と不連続な親油性の薬剤相との二相系を含む。不 連続相は、好ましくは、連続相中の薬剤の溶解度を越えた結果として、自然に形 成される。配合される補溶媒が不連続相中にあるかどうかによって、微小分散剤 の形態は、逆エマルジョン(補溶媒が不連続相中に存在する場合)または懸濁液 (補溶媒が不連続相に存在しない場合)であってもよい。従来のフッ素化合物の 送達媒体と異なり、本発明は、均質な微小分散剤中に比較的親油性の薬剤を配合 するので、水性の生理学的標的部位へ薬剤を有効に送達することができる。本発 明の他の態様は、開示した微小分散剤を形成する方法、及び、生理学的標的部位 に微小分散剤を投与する方法に関する。 さらに当業者は、フッ素化合物微小分散剤には静菌性、非炎症性の性質、及び 実際に、沈静し、滑らかにする(lubricating)性質があることから、本発明の 製剤が、薬剤投与を繰り返しまたは延長して実施する必要がある場合に使用する のに非常によく適していることを理解するであろう。 本発明の、独特で予期されなかった特徴を理解するために、安定で均質な微小 分散剤の形成が、分散剤の成分の絶対親和性よりむしろ、成分の相対的親和性に 関係することを強調しなければならない。即ち、ある成分の親油性が、本発明に 適合する他の成分の選択に影響する。従って、溶液化され次に溶液から分離され るあらゆる薬剤化合物は本発明に適合する。好ましい態様としては、親油性薬剤 または試薬を熱力学的に安定な組成物中に配合するために、少なくとも一種の補 溶媒と混合する場合には、液体キャリヤーに使用される親油性のフッ素化合物は 充分に疎水性でなければならない。 この熱力学的に安定な組成物は、分子溶液であってもよいが、そうである必要 はない。従って、選択される親油性のフッ素化合物は、配合される薬剤の親油性 によって影響される。同様に、所望の相分離を達成するために使用されるフッ素 化合物希釈剤の選択は、熱力学的に安定な組成物中に薬剤を配合するために使用 される親油性のキャリヤーの選択によって影響される。熱力学的に安定な組成物 から所望の微小分散剤を製造する能力のある、あらゆるフッ素化合物希釈剤が選 択され得る。換言すれば、親油性の高いフッ素化合物が薬剤(好ましくは親油性 の高い薬剤)を配合するために使用される場合、より親油性の高い希釈剤(しか し、熱力学的に安定な溶液中のフッ素化合物よりは親油性が低い希釈剤)が、相 分離を開始するために使用され得る。逆に、熱力学的に安定な組成物中で使用さ れるフッ素化合物が相対的に親油性が低い場合(比較的非親油性の生物活性のあ る薬剤に対して)、所望の微小分散剤を製造するのに必要なフッ素化合物希釈剤 は、一般に、より親油性が低い。本質的に、所望の微小分散剤を製造する親油性 フッ素化合物とフッ素化合物希釈剤とのあらゆる組合せは、本発明の一部を構成 すると考えられる。 本発明の範囲は、所望の微小分散剤の形成によって規定されるが、好ましい結 果を得るために共同して作用する成分の指標は、当業者によく知られた方法によ って測定して、親油性を比較することによって得られる可能性がある。化合物の 親油性は、n−ヘキサン中の臨界溶解温度(CSTH)、モル屈折(Rm)及び オクタノール/水の分配係数の対数(logPo/w)を含む種々のパラメーター と関連し得る。これらの方法はそれぞれ、種々の薬剤の親油性を測定するために 通常使用されているが、ある方法は別の類の化合物に好適である。例えば、典型 的には、薬物化合物の親油性は、オクタノール/水の分配係数の対数(logPo/w )を用いて測定及び報告される。逆に、液体のフッ素化合物の親油性は一般 に、n−ヘキサン中の臨界溶解温度(CSTH)に関連し、CSTH標準物質を 用いたモル屈折(Rm)法が二法のうちでより一般的である。本発明を記載する ためには、この慣習が続けられるであろう。従って、説明だけの目的では、薬剤 の典型的な親油性の値は、代表的には、オクタノール/水の分配係数を使用して 測定した値であり、一方液体のフッ化化合物の親油性はモル屈折及びCSTHを 使用して測定した値である。 当業者は、n−ヘキサン中の臨界溶解温度が、n−ヘキサンと測定される物質 との等容量混合物が一つの液体相から二つの混じり合わない液体相を形成すると きの温度と規定されることを理解するであろう。モル屈折は、次式によって計算 される。 式1. Rm=Vm(n2−1)/(n2+2) 式中、Vm及びnは、それぞれモル体積及び屈折率である。一般に、同じ炭素数 の化合物類については、得られる値が低いほど、化合物の親油性は高い。これを 適用するために、群貢献添加性(group contribution-additivity)に基づく計 算モデル及び実験的観察に基づく量子力学的挙動を使用して、Rm値を計算した 。従って、ここに含まれる値は、説明のためだけに与えられた親油性の評価値で あって、発明の範囲を制限するものではない。 最後に、オクタノール/水の分配係数(Po/w)は、等容量のオクタノールと 水の間に分配する物質の量の比率である。即ち、測定される親油性物質は、オク タノール/水の混合物に移され、次にそれぞれの相における物質の量が測定され る。文献に報告されているように、得られた値が高いほど、問題の物質の親油性 が高い。好ましい態様において、本発明では、オクタノール/水の分配係数が約 3を越える薬剤化合物とともに使用される。 高フッ化化合物は分極率が低いために、多くの親油性薬物を含む非フッ化物質 の、フッ素化合物中の溶解性は非常に低い。薬学的有効量の親油性薬剤をフッ素 化合物中に配合するために、使用されるフッ素化合物は、その性質が比較的親油 性でなければならない。フッ素化合物の親油性は、フッ素原子をより極性の高い 基で置換することによって、著しく上昇させることが可能である。特に有効な置 換基は、極性ハロゲン(例えば、臭素、塩素、ヨウ素)及び炭化水素鎖である。 さらに詳しくは、本発明の熱力学的に安定な組成物中への、選択された薬剤の 溶解及び配合を促進することのできる、親油性フッ素化合物または親油性フッ素 化合物の混合物が好ましい。本発明における使用に特に好適で、典型的な親油性 のフッ素化合物は、一つ以上のフッ素以外のハロゲン原子(例えば、臭素、塩素 、ヨウ素)、または炭化水素置換基(例えば、−C25)を含む。好ましい態様 では、フッ素化合物は8個以下の炭素を含む。特に好ましい態様では、フッ素化 合物は4〜6個の炭素を含む。熱力学的に安定な組成物を形成するために使用さ れるフッ素化合物の分子構造は、直鎖状であっても、分岐していても、または環 構造を含んでいてもよい。フッ素化合物は、飽和していても不飽和でもよく、ま たは芳香族基を含んでいてもよい。 上述したように、熱力学的に安定な組成物中に選択された薬剤を配合させるこ とができるあらゆる親油性のフッ素化合物は、ここでの内容に適合し、本発明の 範囲内である。即ち、本発明において使用され得る親油性のフッ素化合物は、選 択された親油性薬剤によって規定される。また、親油性のフッ素化合物が特に有 益であり得るという指摘のように、モル屈折値及びn−ヘキサン中の臨界溶解温 度(CSTH)が考慮され得る。好ましくは、選択された薬剤を配合するために 使用される比較的親油性のフッ素化合物は、モル屈折値が約45cm3未満であ るか、CSTH値が約10℃未満である。特に好ましい態様では、比較的親油性 のフッ素化合物は、モル屈折値が約40cm3未満であるか、CSTH値が約− 20℃未満である。本発明の典型的な態様の一つでは、親油性のフッ素化合物は 1,4−ジブロモ−F−ブタンであり、この化合物のモル屈折値は約36.68 cm3である。直ぐ下の表1に、この親油性のフッ素化合物及び他の本発明に適 合する化合物のモル屈折値を示す。 さらに詳しくは、本発明の熱力学的に安定な組成物の形成に使用することが予 測される典型的な親油性のフッ素化合物として、ハロゲン化フッ素化合物(例え ば、Cn2n+1X、XCn2nX、但し、n=3〜8、X=Br、ClまたはI) 、フッ化炭素−炭化水素ジブロック(diblock)またはトリブロック(triblock )化合物(例えば、Cn2n+1−Cm2m+1、Cn2n+1CH=CHCm2m+1、但 し、n=2〜8、m=2〜6、または、Cp2p+1−Cn2n−Cm2m+1、但し 、p=1〜6,m=1〜6、及びn=2〜6)、ハロゲン化エーテルまたはポリ エーテル(例えば、XCn2nOCm2mX、XCF2OCn2nOCF2X、但し 、n、m=1〜4、X=Br、ClまたはI)、及びフッ化炭素−炭化水素エー テルジブロック(diblock)またはトリブロック(triblock)化合物(例えば、 Cn2n−O−Cm2m+1、但し、n=2〜8、m=2〜6、または、Cp2p+1 −O−Cn2n−O−Cm2m+1、但し、p=2〜6,m=2〜6、及びn=2〜 8)が含まれる。 エステル、チオエステル、アミン及びアミドなどの他の結合基を含む、フッ化 炭素−炭化水素化合物及びハロゲン化フッ化炭素もまた、本発明の熱力学的に安 定な組成物の形成において好適に使用される。フッ素化合物の混合物もまた、使 用することが予測される。他の好適なフッ素化合物には、n−C49Br、1− ブロモ−F−ヘプタン(n−C715Br)、及び1−ブロモ−F−ヘキサン( n−C613Br)などの臭化過フッ化炭素が含まれ得る。また、塩化ペルフル オロオクチル(n−C715Cl)、1,6−ジクロロ−F−ヘキサン(n−C lC612Cl)、及び1,4−ジクロロ−F−ブタン(n−ClC48Cl) などの、非フッ素置換基を有するフッ素化合物も使用が予測される。特に好まし いのは、1,4−ジブロモ−F−ブタン及び1,6−ジブロモ−F−ヘキサンで ある。 好ましい態様では、比較的親油性のフッ素化合物は、開示した薬物微小分散剤 中に約50v/v%未満含まれる。さらには、好ましい親油性のフッ素化合物は 、保存または運搬中の蒸発によって起きるかなりの液体の損失を防ぐため、蒸気 圧が充分に低い。さらに明確には、常圧での沸点が約37℃より大きい親油性の フッ素化合物が好ましい。 上述したように、微小分散剤が必要な相分離を開始できる限り、その微小分散 剤には、あらゆる生理学的に許容されるフッ素化合物の希釈剤が使用され得る。 一般的には、このことは、フッ素化合物の希釈剤の親油性が、熱力学的に安定な 組成物を含むフッ素化合物の親油性よりも低いことを意味する。フッ素化合物は 平均の粒子サイズまたは連続相の粘度などの微小分散剤の特徴を適応させるため に生体適合性に基づいて選択され、または、コストまたは有用性などの非技術的 な制約に基づいて選択されるることから、種々のフッ素化合物が希釈剤として使 用できることは特に有利である。生体適合性のあるもの(好ましくはPFCのも の)には、F−デカリン、F−ペルヒドロフェナントロン、F−オクタン、F− トリプロピルアミン、F−トリブチルアミン、PFOB、F44Eが含まれる。 希釈剤のフッ素化合物について測定される親油性の幅は、熱力学的に安定な組 成物を含むフッ素化合物について測定される親油性の幅よりも一般的には低いが 、幾分重なっている可能性がある。例えば、親油性の高いフッ素化合物が安定な 組成物を形成するのに使用される場合、幾分親油性のフッ素化合物(しかし、前 記の親油性の高いフッ素化合物よりは低い)は、相分離を開始させ所望の微小分 散 剤を製造する希釈剤として使用され得る。別の製剤では、熱力学的に安定な組成 物を含むためにある程度親油性のフッ素化合物を使用し、微小分散剤を製造する ために極度の非親油性のフッ素化合物を使用することが可能である。同じフッ素 化合物がある場合で希釈剤として使用され、もう一方の場合では熱力学的に安定 な組成物を形成するために使用されるとしても、両方の微小分散剤は、本発明の 範囲内である。 にもかかわらず、上述した親油性のフッ素化合物を使用する場合、フッ素化合 物が本発明に適合すると思われることを示すために、モル屈折値及びn−ヘキサ ン中の臨界溶解温度(CSTH)が使用され得る。このことは、測定値を親油性 のフッ素化合物の測定値と比較する場合に特にあてはまる。好ましくは、所望の 相分離を開始するために使用されるフッ素化合物は、モル屈折値が約38cm3 より大きいか、CSTH値が約−40℃より大きい。特に好ましい態様では、希 釈剤のフッ素化合物は、モル屈折値が約45cm3より大きいか、CSTH値が 約20℃より大きい。直ぐ下の表2に、本発明において希釈剤として有用なフッ 素化合物のモル屈折値を示す。 本発明において希釈剤として有用なフッ素化合物としては、C49CH=CH C49(ときに”F−44E”と呼ぶ)、i−C39CH=CHC613(”F −i36E”)、及びC613CH=CHC613(”F−66E”)などのビス (F−アルキル)、C10F18(”F−デカリン”、”ペルフルオロデカリン ”または”FDC”)、F−アダマンチン(”FA”)、F−メチルアダマンタ ン(”FMA”)、F−1,3−ジメチルアダマンタン(”FDMA”)、F− ジ−またはF−トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナン(”ノナン”)などの 環状フッ素化合物、F−トリプロピルアミン(”FTPA”)及びF−トリブチ ルアミン(”FTBA”)、F−4−メチルオクタヒドロキノリジン(”FMO Q”)、F−N−メチル−デカヒドロイソキノリン(”FMIQ”)、F−N− メチルデカヒドロキノリン(”FHQ”)、F−N−シクロヘキシルプロリジン (”FCHP”)及びF−2−ブチルテトラヒドロフラン(”FC−75”また は”FC−77”)などの過フッ化アミンが含まれる。 希釈剤として使用され得る他のフッ素化合物としては、1−ブロモ−ヘプタデ カフルオロ−オクタン(C817Br、ときに臭化ペルフルオロオクチルまたは ”PFOB”と呼ぶ)、1−ブロモペンタ−デカフルオロヘプタン(C715B r)、及び1−ブロモトリデカフルオロヘキサン(C613Br、ときに臭化ペ ルフルオロヘキシルまたは”PFHB”として知られる)などの臭化フッ素化合 物が含まれる。他の臭素化フッ素化合物は、ロング(Long)の米国特許第3,9 75,512号に開示されている。また、塩化ペルフルオロオクチル、水素化ペ ルフルオロオクチルなどの、非フッ素置換基を有するフッ素化合物、及び炭素原 子数の種々の同様の化合物も使用されることが予測される。 本発明に従って使用されることが予測される他のフッ素化合物には、(CF3 2CFO(CF2CF22OCF(CF32、(CF32CFO−(CF2CF2 3OCF(CFRM10132、(CF32CFO(CF2CF2xF(但し、 x=1−6(CF32CFO(CF2CF22F、(C6132O)などのペル フルオロアルキル化エーテルまたはポリエーテルが含まれる。さらには、例えば 、 一般式Cn2n+1−Cn'2n'+1、Cn2n+1OCn'2n'+1、またはCn2n+1CH =CHCn'2n'+1(但し、n及びn’は同一でも異なってもよく、約1〜約1 0である(化合物が室温で液体である限り)などのフッ素化合物−炭化水素化合 物が含まれる。このような化合物には、例えば、C81725及びC613CH =CHC613が含まれる。エステル、チオエーテル、他の種々に修飾された混 合のフッ素化合物−炭化水素化合物及びフッ化炭素もまた、本発明での使用に好 適なフッ素化合物の広い定義内に包含されることが理解されるであろう。好まし い態様では、希釈剤は、開示された微小分散剤を約50v/v%より多く含む。 フッ素化合物の混合物もまた、使用されることが予測される。ここには列挙しな いが、微小分散剤の形成に加えられる、この開示において記載された性質を有す る他のフッ素化合物もまた、使用されることが予測される。 上述したように、あるフッ素化合物は蒸気圧が比較的高く、対応して沸点が低 いため、本発明での希釈剤として使用するには殆ど適当ではない。特に、このよ うに揮発性の化合物は、薬物の部分的液体を吸い込む、肺への投与には、殆ど有 用ではない。これらには、1−ブロモトリデカフルオロヘキサン(C613Br )及びF−2−ブチルテトラヒドロフラン(”FC−75”または”RM101 ”)が含まれる。さらに明確には、親油性フッ素化合物は、常圧での沸点が37 °より高いものが特に有利である。 薬物の肺への送達は本発明の重要な態様の一つであるので、希釈剤として選択 されるフッ素化合物(親油性フッ素化合物として選択されることはより少ない) は、好ましくは、肺の界面活性剤として、酸素送達のため、肺の内部からの物質 の除去において、または肺の傷害部分を膨らますため、一時的に使用するという 機能的な特徴を有するべきである。フッ素化合物は生体適合性があり、殆どは容 易に滅菌できる。例えば、フッ素化合物は熱滅菌(オートクレーブなど)または 放射線による滅菌を行うことが可能である。加えて、限外濾過による滅菌も使用 されることが予測される。 正常な生理学的系においては、界面活性剤は胞状組織の表面張力を低減するよ うに機能する。肺の界面活性成分は、肺胞を満たす水性の(water-continuous) 液体中に発見されている。典型的には、肺の界面活性成分がない場合、表面張力 は約70ダイン/cmであり、肺の界面活性成分の存在下では、0ダイン/cm 付近まで低下する。フッ素化合物は表面張力が小さく(典型的には20ダイン/ cmの範囲内)、酸素や二酸化炭素などの気体を極めて多量に溶解するという付 加的な利点がある。過フッ化化合物はこの用途に好適であり、臭素化フッ素化合 物は特に好ましい。さらには、本発明のフッ素化合物の連続相によって表面張力 が低くなることで、配合される薬剤のバイオアベイラビリティーが向上し、従っ て薬剤の有効性が高まる。 肺への送達媒体として、または部分的液体吸入に使用することについて、フッ 素化合物及び過フッ化化合物を判断する際には、表面張力の低下が重要なパラメ ーターの一つであるが、あるフッ素化合物の新規かつ明白でない特徴は、見かけ 上全体の呼吸器系の膜上に散布できることである。フッ素化合物には表面張力を 低下させる効果があるのと同様に、あるフッ素化合物には肺表面全体に均質かつ 効果的に散布する効果があり、それによってバイオアベイラビリティーがさらに 向上し、従って配合された薬剤の取り込みも向上する。 呼吸器膜の総表面積は非常に大きい(大人で約160平方メートル)。従って 、部分的液体の吸入及び同時の薬物送達に有用なフッ素化合物は、比較的少量で 肺表面を覆うことができるものであるべきである。 測定された表面積を覆うために与えられる物質の効果は、散布係数(spreadin g coefficient)によって示される。フッ素化合物のオイル−オン−ウオーター (oil-on-water)の散布係数は、次式で示される。 式2 S(o on w)=yw/a−(yw/o+yo/a) 但し、S(o on w)は散布係数を表し、yは界面張力(interfacial tens ion)、w/aは水/空気、w/oは水/油、及びo/aは油/空気を表す。 フッ素化合物の散布係数が正の場合は、続いて呼吸器膜の表面に外力によらず 散布される。臭化ペルフルオロオクチルなどの、散布係数が1以上のフッ素化合 物は、肺への薬物投与のために使用される微小分散剤の希釈剤として特に好まし い。勿論、散布係数のより低いフッ素化合物が、本発明による微小分散剤を製剤 化するため、及び、肺への投与を含む、薬物の有効な投与のために使用され得る ことを強調しなければならない。配合される薬剤のバイオアベイラビリティーを 向上させることに加えて、肺表面に充分適用することは酸素や二酸化炭素の移動 を回復し、肺表面を滑らかにしてさらなる肺の外傷を最低限にするのに有益であ る。この点では、希釈剤として有用なフッ素化合物は、一般にガス交換を促進す る能力がある。このことは、前記した親油性のフッ素化合物についても当てはま る。従って、好ましい態様では、本発明の微小分散剤は、生理学的に許容される 気体の導入によって質的に向上する。 本発明で使用されるフッ素化合物に加えて、熱力学的に安定な薬剤組成物中の 親油性薬剤の配合を容易にするため、微小分散剤は好ましくは少なくとも一種の 非フッ素化合物の補溶媒を含む。好ましくは、この補溶媒は、選択された親油性 のフッ素化合物と完全に混和し、熱力学的に安定な組成物中に約75v/v%以 下含まれる。当業者は、補溶媒の混和性がある程度濃度依存性であることを理解 するであろう。最も好ましい態様では、非フッ素化合物の補溶媒の濃度は、熱力 学的に安定な組成物中、約50v/v%以上である。 本発明の典型的な態様では、好ましくは、エーテル、アルコール、アルキルス ルホキシド、水及びそれらの混合物からなる群より選択される補溶媒が含まれる 。本発明で特に好適に使用される補溶媒は、短鎖アルコール(例えば、炭素鎖の 長さが炭素数4以下)、またはジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシ ドである。特に好ましい態様では、この補溶媒はエタノールである。適当な親油 性のフッ素化合物及び/または薬物化合物を配合する選択された態様では、水を 使用してもよい。 上述したように、非フッ素化合物の補溶媒の濃度は、微小分散剤が懸濁液(固 体の不連続相)として製造されるか、エマルジョン(もう一つの液体不連続相中 に分散される液体)のとして製造されるかを決定する重要な要因である。一般に 、懸濁液は、薬物微小分散剤中の補溶媒の濃度が同分散剤中の溶解度を上回らな い場合に形成される。この場合は、親油性の薬物化合物が希釈剤と混合されるう ちに追い出されるので、補溶媒がフッ素化合物の連続相中に残る。逆に、希釈剤 を 加えた後、補溶媒の濃度が薬物微小分散剤中の溶解度を上回る場合は、溶解しな い量が薬剤とともに不連続相中に追い出され、それによってエマルジョンが形成 される。所望の投与経路によって微小分散剤の形態を容易に変えられる本質的な 能力は、薬物送達の特徴及び投与計画の弱体化を認容する本発明の主要な優位点 である。 上記で触れたように、本発明の微小分散剤はまた、不連続薬物相内、フッ素化 合物の連続相内、これら両方の相内、またはこれらの相の間に、一種以上の添加 物を含んでいてもよい。他の添加物の中で、一種以上のフッ素化合物または非フ ッ素化合物の界面活性剤は、熱力学的に安定な組成物中に存在していてもよい。 界面活性剤は、親水性の「頭部(head group)」と親油性の「尾」の両方を含む 両親媒性の分子である。界面活性剤は、典型的には、液相−液相間及び液相−固 相間の界面に単分子相を形成し、界面張力を低下させる。この界面張力の低下に よって、微小分散剤の粗さが著しく低下し、有効期限が明らかに延長され得る。 界面活性剤の中で、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸及びホ ルファチジルコリンを含む、フッ化及び非フッ化リン脂質が本発明において使用 されると考えられる。本発明で好適に使用される他の乳化剤としては、フッ化及 び非フッ化グリセロ糖脂質、卵黄レシチン、脂肪酸塩、脂質及びジアシルリン酸 が結合したエーテルが含まれるが、これらに限定されない。 本発明の薬物微小分散剤は、熱力学的に安定な組成物中に配合され、フッ素化 合物の希釈剤を添加することで不連続相に移行し得る、あらゆる所望の薬剤を送 達することができる。ここで使用されるように、薬剤(pharmaceutical agent) という語句は、動物に投与され得る、あらゆる治療用または診断用の化合物また は組成物を意味すると定義される。好ましい薬剤としては、エタノールに溶解性 のある非イオン性の親水性薬物及び親油性薬物である。最も好ましくは、配合さ れる薬剤は親油性薬剤である。 好ましくは、本発明の薬物微小分散剤は、治療用または診断用薬剤を約10w /v%未満配合する。本発明の微小分散剤中に配合される薬剤の正確な量は、選 択される薬剤、必要な投与量、及び微小分散剤中に実際に配合される薬剤の形態 に依存する。当業者は、本発明の内容と組み合わせて、よく知られた技術を使用 してそのような定量を実施し得ることを理解するであろう。 好ましい薬剤には、呼吸器系薬、抗生物質、抗ウイルス剤、散瞳剤、抗緑内障 薬、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、抗腫瘍剤、麻酔薬、眼科用薬、心血管系薬、有 効成分、核酸、遺伝子材料、免疫賦活剤、造影剤、免疫抑制剤、胃腸薬及びこれ らの混合物が含まれる。本発明のさらに典型的な態様には、グルココルチコステ ロイド(例えば、コルチゾン、プレトニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン 、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド 、フルニソリド)などの抗炎症剤、キサンチン類(例えば、テオフィリン、カフ ェイン)、化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、ロムスチン、メトトレキ サート、シスプラチン、タキサン(taxane)誘導体)、抗生物質(例えば、アミ ノグリコシド、ペニシリン、セファロスポリン、マクロライド、キノロン、テト ラサイクリン、クロラムフェニコール)、β2−作動薬などの血管拡張剤(例え ば、アドレナリン、イロプレナリン、サルメテロール、アルブテロール、サルブ タモール、テルブタリン、ホルモテロール)及び界面活性剤が含まれる。また、 他の典型的な態様には、α/βアドレナリン作動性効果遮断薬(例えば、ノルモ ジン(NormodyneTM、トランデートTM)、アンジオテンシン転換酵素阻害剤(例 えば、バソテックTM)、抗不整脈薬、β−遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、 筋収縮剤、血管拡張剤、血管収縮剤、麻酔薬(例えば、モルフィン)及び眼科用 薬(例えば、ポリミキシンB、ネオマイシン、グラミシジン)が含まれる。 最も好ましい薬剤には、グルココルチコステロイド、タキサン誘導体(例えば 、タキソールTM、タキソテレ(Taxotere)TM)及び塩誘導体として典型的に投与 される塩基性の形態の薬物(例えば、ゲンタマイシン、シプロフロキサシン)が 含まれる。本発明に従って、当業者は、これらの化合物の種々の形態が薬学的に 活性な薬剤の治療指針を一部修正するために使用し得ることを理解するであろう 。 上述したフッ素化合物と同様に、薬剤の選択及び、特に親油性化合物は、本発 明に開示されているように、所望の微小分散剤中に配合する能力によってのみ制 限される。さらに、個々の薬剤の生体適合性に関するある指標が、親油性の測定 値から得られる可能性がある。本発明のフッ素化合物の成分とは異なり、慣例で は、オクタノール/水の分配係数の対数(LogPo/w)を用いて薬剤化合物の 親油性を測定及び報告している。この系では、親油性の増加は高LogPo/w値 に対応する。好ましくは、本発明で配合される薬剤は、LogPo/wが約−3よ り大きい。さらに好ましくは、薬剤のLogPo/wは、約0.5よりも大きく、 なお好ましくは、約2より大きい。当業者が理解するように、0.5を越える値 は、化合物が水性環境中で溶解度に限界があることを示す。本発明の内容に適合 するいくつかの典型的な親油性薬剤のオクタノール/水の分配係数を、下記の表 3に複製する。 本発明の微小分散剤は独特に、薬物または診断用化合物の眼内、経口、肺内、 直腸内、皮下、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、膣内または経耳投与などの種々の生理 学的適用に好適に使用されるので、種々の薬剤を分散剤中に配合し得る。従って 、前記の表中の薬剤は典型であるだけで、限定するものではない。 本発明の微小分散剤によって提供されるもう一つの独特な優位点は、配合され る薬剤を、効果が低い塩の形態よりむしろ、遊離塩基形態で使用できることであ る。即ち、多数の例において、親油性の形態の薬物は、例えば塩などのより親油 性の低い形態の薬物よりも効果が高いことが示されている。フッ素化合物微小分 散剤はその性質が非反応性であることから、選択された薬剤の特に有効な塩の形 態で配合することが可能になる。当業者が理解するように、これらのより有効な 薬物形態を使用することによって、配合される薬剤のバイオアベイラビリティー が向上し、投与しなければならない量が削減される。 また、当業者は、製剤に ついて、既にある情報に従って、過度の実験を行わずに、薬剤の適切な量及び投 与のタイミングを決定し得ることも理解するであろう。 フッ素化合物微小分散剤は、治療する徴候によって、種々の経路で投与され得 ることに注目して戴きたい。例えば、呼吸器系または全身性の疾患の治療には、 鼻腔内または肺内への投与(例えば、気管内チューブまたは肺カテーテル)、エ アゾール化または霧状化が考えられる。一例として、タキサン(taxane)誘導体 を使用した肺ガンまたは他の全身性ガンの治療を、薬剤を肺から投与することに よって行うことが挙げられる。水溶性が低いために、パクリタキセル(paclitax el)(例えばタキソール)は、静脈内投与をするために、ポリオキシエチレン化 したひまし油とエタノールの混合物中で製剤化する(BristolMyers Squibb)。 送達媒体自身に関連する過敏症の徴候(例えば、気管支痙攣及び低血圧)に加え て、心毒性及び神経毒性などのパクリタキセルに関連する他の全身性の毒性によ って、この薬物の潜在的有用性が制限される(Arabic,S.G.,Christian,M.C .,Fisherman,J.S.,Cazenave,L.A.,Sarosy,G.,Suffness,M.,Adams,J .,Canetta,R.,Cole,K.E.,and Friedman,M.A.,J.Natl.Canc.Inst.M onogr,1993,No.15,11)。パクリタキセルをフッ素化合物懸濁液の形態で肺 内 からの経路で投与することにより、生物学的に活性な送達媒体を使用しなくなり 、また、薬効を得るために必要な血液循環中の薬物濃度が低下して、薬物の安定 性が顕著に改善される。また、腹腔内、皮下及び眼内の投与も考えられる。また 、本発明のフッ素化合物微小分散剤は、経口経路からの投与によって治療用及び 診断用薬剤を胃腸管へ送達するためにも使用され得る。考えられる一つの例は、 ヘリコバクターピロリ感染症の治療において消化管の内容物への抗生物質の送達 である。ヘリコバクターピロリは、胃潰瘍及び胃ガンの原因に関係している。ヘ リコバクターピロリ感染症の治療に有効な抗生物質は、1ミクロン未満の大きさ のフッ素化合物懸濁液またはゾルの形態で投与されるであろう。 上述のように、本発明の微小分散剤は、少なくとも一種の親油性のフッ素化合 物と少なくとも一種の非フッ素化合物の補溶媒を含む熱力学的に安定な組成物中 に親油性の薬剤を配合することによって製造され得る。界面活性剤などの最適の 添加剤の存在次第で、熱力学的に安定な組成物は分子溶液であってもなくともよ い。いずれの場合でも、一度熱力学的に安定な組成物が形成されると、その組成 物はフッ素化合物の希釈剤と混合され得る。一般的には、希釈剤の容量は熱力学 的に安定な組成物よりも多い。混合物が平衡化するにつれて、系全体の親油性が 低くなって相分離が開始され、それによって親油性薬剤とおそらく補溶媒の一部 が不連続相に移行して、微小分散剤が形成される。 不連続相は逆エマルジョンまたは懸濁液の形態であってもよい。いずれの場合 でも、本発明の実質的に均質な微小分散剤は、平均粒子径が10nmのオーダー の極めて小さな粒子を含み得る。ここで使用されるように、「粒子」という語句 は、不連続相が液体であろうと固体であろうと、微小分散剤の不連続相を指す。 本発明では、そのような小さくて(好ましくは平均粒子径は500nm未満)、 一様に散布された粒子は、相対的に表面積が大きくなり、それに対応して溶解速 度が速くなることから、生理学的な標的部位において、配合された薬剤のバイオ アベイラビリティーが大いに向上する。逆に、微小分散剤、反応条件、または反 応を進行させる時間を変えることによって、配合された粒子は数ミクロンの大き さまで成長する可能性がある。当業者は、配合される粒子の大きさを制御できる ことで、薬物送達の特徴を減じたり伸ばしたりして投与計画を最適化することを 理解するであろう。好ましくは、平均粒子径は約3μm未満であり、より好まし くは約1μm未満である。多数の好ましい態様では、平均粒子径は数nmであっ てもよく、例えば、2、3、4、5、7、または10nmである。 上述のように、本発明の逆エマルジョンは、不連続な補溶媒/薬剤相とフッ素 化合物の連続相とを含む。懸濁液の場合と同様に、本発明の逆エマルジョンは、 安定性を高めるため、フッ素化合物または非フッ素化合物の界面活性剤を配合し 得る。使用される界面活性剤の量は、一般に、総容量の約10%(w/v)未満 である。エマルジョンは、当業者によく知られた方法を使用して、希釈剤と熱力 学的に安定な組成物とを混合した後に形成され得る。例えば、典型的には、本発 明の逆エマルジョンは、例えば、微流動化、超音波処理、または加圧下での均質 化などの、従来の均質化方法で製剤を乳化することによって製造される。 本発明の逆エマルジョン及び懸濁液は両者とも、例えば、照射または濾過によ って、滅菌してもよい。 本発明のバイオアベイラビリティーの高い薬物製剤は、滅菌包装された形態で 医師に有利に供給することができる。さらに詳しくは、製剤は、投与のために調 製された、安定で予め形成された微小分散剤として、または、混合準備された別 々の成分として供給することができる。典型的には、成分として供給される場合 には、フッ素化合物の希釈剤は、熱力学的に安定な薬剤組成物と別々に包装され る。次に、使用に先立ちいつでも、それぞれの容器の内容物を単に混合すること によって、微小分散剤を形成することができる。 好ましい態様では、本発明は、単連続相中に第一の親油性液体フッ素化合物と 薬剤を含む第一の組成物をその中に有する第一の容器、及び、前記の第一の液体 と混和する第二の液体をその中に有する第二の容器を含むキットとして提供され てもよく、前記の第二の液体は、前記の第一の液体よりも親油性が低く、前記の 第一の組成物と前記の第二の液体との混合に際して、前記の薬剤の相分離が起こ り、前記の薬剤の微小分散不連続相が形成される。 本発明の種々の典型的な製剤について、発明を限定しない下記の実施例によっ て、製剤の組成及び得られる特徴についての典型的な方法を説明する。下記の実 施例では明快にするため、本発明の熱力学的に安定な組成物を「組成物1」と称 する。 本発明の優位点を説明し、その幅広い適用性を示すために、いくつかの親油性 薬剤を使用し、上述したように薬物懸濁液を形成した。製造した微小分散剤はそ れぞれについて粒子サイズの分布を測定した。 実施例1 フッ素化合物中のプレドニゾン懸濁液の製造 3mlの下記のフッ素化合物の連続的懸濁液を製造した。 組成物1: 0.38w/v%のプレドニゾン(Sigma Chemical Co.)を1,4−ジブロモ− F−ブタン(50v/v%、Exfluor、米国テキサス州オースチン)及びNFグ レードのエチルアルコール(50v/v%、Spectrum Chemical Co.)から構成 される溶液中に溶解した。 フッ素化合物の希釈剤: 臭化ペルフルオロオクチル(Atochem、フランス) 12×100mmの試験管中、試料である臭化ペルフルオロオクチル(PFO B、3mL)に、組成物1の1アリコート(an aliquot)(60μL)を、シリ ンジを用いて注入した。試験管に栓をし、試験管を逆さにすることによって内容 物を穏やかに混合した。フッ化炭素の懸濁液中にオパール色に光る1ミクロン未 満の大きさの薬物が得られた。分散剤の粒子サイズの分布は、Nicomp27 0光子相関分光器(Pacific Scientific)を使用し、光子相関分光法(PCS) によって測定した。得られた薬物分散剤の平均粒子径は、60±42nmであっ た。 実施例2 フッ素化合物中のパクリタキセル懸濁液の製造 3mlの下記のフッ素化合物の連続的懸濁液を製造した。 組成物1: 0.40w/v%のパクリタキセル(Sigma Chemical Co.)を1,4−ジブロモ −F−ブタン(50v/v%、Exfluor、米国テキサス州オースチン)及びNF グレードのエチルアルコール(50v/v%、Spectrum Chemical Co.)から構 成される溶液中に溶解した。 フッ素化合物の希釈剤: 臭化ペルフルオロオクチル(Atochem、フランス) 12×100mmの試験管中、試料である臭化ペルフルオロオクチル(PFO B、3mL)に、組成物1の1アリコート(60μL)を、シリンジを用いて注 入した。試験管に栓をし、試験管を逆さにすることによって内容物を穏やかに混 合した。フッ化炭素の懸濁液中にオパール色に光る1ミクロン未満の大きさの薬 物が得られた。分散剤の粒子サイズの分布は、Nicomp270光子相関分光 器(Pacific Scientific)を使用し、光子相関分光法(PCS)によって測定し た。得られた薬物分散剤の平均粒子径は、50±32nmであった。 実施例3 フッ素化合物中のプレドニゾロン懸濁液の製造 3mlの下記のフッ素化合物の連続的懸濁液を製造した。 組成物1: 0.38w/v%のプレドニゾロン(Sigma Chemical Co.)を1,4−ジブロモ −F−ブタン(80v/v%、Exfluor、米国テキサス州オースチン)及びNF グレードのエチルアルコール(20v/v%、Spectrum Chemical Co.)から構 成される溶液中に溶解した。 フッ素化合物の希釈剤: 臭化ペルフルオロオクチル(Atochem、フランス) 12×100mmの試験管中、試料である臭化ペルフルオロオクチル(PFO B、3mL)に、組成物1の1アリコート(60μL)を、シリンジを用いて注 入した。試験管に栓をし、試験管を逆さにすることによって内容物を穏やかに混 合した。フッ化炭素の懸濁液中にオパール色に光る1ミクロン未満の大きさの薬 物が得られた。分散剤の粒子サイズの分布は、Nicomp270光子相関分光 器(Pacific Scientific)を使用し、光子相関分光法(PCS)によって測定し た。得られた薬物分散剤の平均粒子径は、57±32nmであった。 実施例4 フッ素化合物中のジアゼパム懸濁液の製造 3mlの下記のフッ素化合物の連続的懸濁液を製造した。 組成物1: 0.38w/v%のジアゼパム(Sigma Chemical Co.)を1,4−ジブロモ−F −ブタン(90v/v%、Exfluor、米国テキサス州オースチン)及びNFグレ ードのエチルアルコール(10v/v%、Spectrum Chemical Co.)から構成さ れる溶液中に溶解した。 フッ素化合物の希釈剤: 臭化ペルフルオロオクチル(Atochem、フランス) 12×100mmの試験管中、試料である臭化ペルフルオロオクチル(PFO B、3mL)に、組成物1の1アリコート(180μL)を、シリンジを用いて 注入した。試験管に栓をし、試験管を逆さにすることによって内容物を穏やかに 混合した。フッ化炭素の懸濁液中にオパール色に光る1ミクロン未満の大きさの 薬物が得られた。分散剤の粒子サイズの分布は、Nicomp270光子相関分 光器(Pacific Scientific)を使用し、光子相関分光法(PCS)によって測定 した。得られた薬物分散剤の平均粒子径は、65±28nmであった。 前述の実施例によって、種々の親油性薬剤に対する本発明の再現性と適用性が 示される。上述したそれぞれの実施例において、激しく混合したりまたは複雑な 処理装置を使用せずに実質的に均質または等方性の微小分散剤が形成されたこと は、注目すべきである。さらに、粒子分布サイズの均一性及び懸濁液の均質性は 、乾燥粉剤を連続相に添加する従来の方法で形成した懸濁液よりも優れている。 加えて、粒子サイズが極めて小さく、標的部位において水性環境に迅速に溶解す る。 粒子の大きさに対する補溶媒濃度の重要性を確認するために、さらに実験を行 った。 実施例5 粒子の大きさに対するエチルアルコール濃度の効果 一連のPFOB中のプレドニゾン懸濁液を調製し、粒子サイズの分布に対する エチルアルコール濃度の効果を評価した。試料の調製及び粒子サイズの分析につ いては、組成物1中の1,4−ジブロモ−F−ブタンとエタノールとの相対濃度 以外、実施例1で述べた通りである。溶液の組成及び粒子サイズ分布の結果を直 ぐ下の表4に示す。 組成物1中のエチルアルコール濃度が50v/v%以下ては、最終的な分散剤 においてプレドニゾンの粒子サイズの分布に有意な差がなかった。エチルアルコ ール濃度が70v/v%の薬物含有溶液で調製した懸濁液について、平均粒子サ イズの有意な増加が観察された。 操作についてのいかなる理論によっても発明が制限されることは望まないが、 観察された結果は以下のように説明できると考えられる。過飽和している溶液中 で一度核が形成されると、添加物によって核は成長し始め、溶解される溶質の濃 度は減少する。従って、核への凝集(nuleation)過程と結晶成長過程との間で 物質をめぐる競争(competition)が起き、核への凝集の方が速いためより小さ な粒子となる。より少量のエタノールを含有する溶液中の、プレドニゾンの濃度 は、親油性のフッ素化合物中の最大溶解度により近いので、組成物1をフッ素化 合物の希釈剤と混合する際に、薬物含有溶液は、過飽和に達するほどには拡散す る必要がない。その結果、エタノールを高濃度含有する溶液と比較する場合、核 への凝集速度はより速く、粒子サイズはより小さい。熱力学的に安定な組成物中 の親油性薬剤の濃度を溶解度の限界に近づけることによって、平均の粒子サイズ をさらに低下させ、バイオアベイラビリティーをさらに高めることが可能である と考えられる。あらゆる場合において、前記の実施例は、製造された粒子のサイ ズを制御し、配合された薬物の効果を最適化できることを示している。 本発明の内容の、種々の補溶媒の適合性を説明するために、以下の実験を行っ た。 実施例6 フッ素化合物中のプレドニゾン懸濁液の製造における ジメチルスルホキシドの補溶媒としての使用 3mlの下記のフッ素化合物の連続的懸濁液を製造した。 組成物1: 0.38w/v%のプレドニゾン(Sigma Chemical Co.)を1,4−ジブロモ− F−ブタン(75v/v%、Exfluor、米国テキサス州オースチン)及びNFグ レードのエチルアルコール(20v/v%、Spectrum Chemical Co.)及びジメ チルスルホキシド(5v/v%、Aldrich Chemical Co.)から構成される溶液中 に溶解した。 フッ素化合物の希釈剤: 臭化ペルフルオロオクチル(Atochem、フランス) 12×100mmの試験管中、試料である臭化ペルフルオロオクチル(PFO B、3mL)に、組成物1の1アリコート(60μL)を、シリンジを用いて注 入した。試験管に栓をし、試験管を逆さにすることによって内容物を穏やかに混 合した。フッ化炭素の懸濁液中にオパール色に光る1ミクロン未満の大きさの薬 物が得られた。分散剤の粒子サイズの分布は、Nicomp270光子相関分光 器(Pacific Scientific)を使用し、光子相関分光法(PCS)によって測定し た。得られた薬物分散剤の平均粒子径は、41±38nmであった。 この実験によって、1ミクロン未満の粒子の、バイオアベイラビリティーの高 い微小分散剤を製造するために、ここでの内容に従って、種々の補溶媒またはそ の混合物を使用してもよいことが示される。同様に、下記の実験によって、種々 のフッ素化合物の希釈剤が使用できることが示される。 実施例7 種々のフッ素化合物の希釈剤中のプレドニゾン微小分散剤の製造 12×100mmの試験管中、種々のフッ素化合物の希釈剤(3mL)に、実 施例1で調製した組成物1の一部(60μL)を、シリンジを用いて注入した。 試験管に栓をし、試験管を逆さにすることによって内容物を穏やかに混合した。 フッ化炭素の懸濁液中にオパール色に光る1ミクロン未満の大きさの薬物が得ら れた。分散剤の粒子サイズの分布は、Nicomp270光子相関分光器(Paci fic Scientific)を使用し、光子相関分光法(PCS)によって測定した。実験 したフッ素化合物の送達媒体全てで、1ミクロン未満の大きさのフッ素化合物の 連続的懸濁液が製造された。その結果を下表に要約する。 上記の表にみられるように、本発明の効果的な懸濁液は、様々なフッ化炭素の 希釈剤を使用して形成され得る。このような種々の希釈剤は、ガス輸送能力、粘 度及び価格などの、技術的及び非技術的な基準に基づいて選択され得る。このこ とによって、種々の状況に合わせて、製剤を容易に適応させることができる。 上述の実施例の懸濁液に加えて、下に示す実施例によって証明されるように、 微小分散剤はエマルジョンとして形成され得る。 実施例8a 界面活性剤を含まないプレドニゾン含有エマルジョンの製造 3mlの下記の1ミクロン未満の大きさのフッ素化合物の連 続的エマルジ ョンを製造した。 組成物1: 0.49w/v%のプレドニゾン(Sigma Chemical Co.)を1,4−ジブロモ− F−ブタン(70v/v%、Exfluor、米国テキサス州オースチン)及びNFグ レードのエチルアルコール(30v/v%、Spectrum Chemical Co.)から構成 される溶液中に溶解した。 12×100mmの試験管中、種々のフッ素化合物の希釈剤(3mL)に、組 成物1の一部(60μL)を、シリンジを用いて注入した。試験管に栓をし、ソ ニケーターバス(Branson Model 3200)に5秒間沈めて、フッ素化合物の連続的 媒質中の白濁した分散剤を得た。分散剤の粒子サイズの分布は、Nicomp2 70光子相関分光器(Pacific Scientific)を使用し、光子相関分光法(PCS )によって測定した。その結果を下記表6に要約する。 このデータから、ナノメーターのオーダーの液体粒子が、ここに開示した技術 を使用して容易に形成され得ることが示される。当業者は、このようなエマルジ ョンが配合された薬剤のバイオアベイラビリティーを有意に向上することを理解 するであろう。エマルジョンは界面活性剤を使用しないで形成されたが、同様の 結果が多数のフッ素化合物または非フッ素化合物の界面活性剤を含有して得られ たことに注目すべきである。 実施例8b 界面活性剤を含まない薬物含有エマルジョンの製造における ジメチルスルホキシドの使用 3mlの下記の1ミクロン未満の大きさのフッ素化合物の連 続的エマルジ ョンを製造した。 組成物1: 2.4w/v%のプレドニゾン(Sigma Chemical Co.)をジメチルスルホキシド (50v/v%、Aldrich Chemical Co.)及びNFグレードのエチルアルコール (50v/v%、Spectrum Chemical Co.)から構成される溶液中に溶解した。 12×100mmの試験管中、種々のフッ素化合物の送達媒体(3mL)に、 組成物1の一部(30μL)を、シリンジを用いて注入した。試験管に栓をし、 ソニケーターバス(Branson Model 3200)に5秒間沈めた。フッ素化合物の連続 的媒質中の白濁したエマルジョンが得られた。分散剤の粒子サイズの分布は、N icomp270光子相関分光器(Pacific Scientific)を使用し、光子相関分 光法(PCS)によって測定した。その結果を下記表7にまとめて表示する。 懸濁液の場合のように、実施例8a及び8bのデータから、本発明のエマルジ ョンを効果的に形成するために様々な成分の組合せが使用され得ることが示され る。フッ素化合物と薬物含有補溶媒相との間の界面張力が低いことから、界面活 性剤を使用せずに、比較的安定な液−液の分散剤(例えば、逆エマルジョン)を 形成することが可能である。 実施例9フッ素化合物中の1ミクロン未満の大きさのシプロフロキサシン懸濁液の製造 3mlの下記の1ミクロン未満の大きさのフッ素化合物の懸濁液を製造した。 組成物1: 0.35w/v%の塩酸シプロフロキサシン(Miles,Inc.)を、100mgの Na2CO3(NFグレード、Spectrum Chemical)の存在下、1,4−ジブロモ −F−ブタン(50v/v%、Exfluor、米国テキサス州オースチン)及びNF グレードのエチルアルコール(50v/v%、Spectrum Chemical Co.)から構 成される溶液中に溶解した。 フッ素化合物の希釈剤: 臭化ペルフルオロオクチル(Atochem、フランス) 12×100mmの試験管中、試料である臭化ペルフルオロオクチル(PFO B、3mL)に、組成物1の一部(90μL)を、シリンジを用いて注入した。 試験管に栓をし、試験管を逆さにして穏やかに混合した。フッ化炭素の懸濁液中 にオパール色に光る1ミクロン未満の大きさの薬物が得られた。分散剤の粒子サ イズの分布は、Nicomp270光子相関分光器(Pacific Scientific)を使 用し、光子相関分光法(PCS)によって測定した。得られた薬物分散剤の平均 粒子径は、55±47nmであった。 この実施例はさらに、本発明によって、種々の薬剤を配合するバイオアベイラ ビリティーの高い薬物微小分散剤を形成することができることを示す。 実施例10 1ミクロン未満の大きさの抗生物質(シプロフロキサシン)懸濁液の インビトロでの効果 実施例9で製造したシプロフロキサシン懸濁液の抗菌活性を、当業者にとって 標準的な技術を使用して評価した。模擬的な肺の細菌感染に対し、評価するそれ ぞれの試料について、大腸菌懸濁液の培養液を単層の健常人気管支/気管上皮細 胞とともにウェル内に保持した。実験方法は以下の通りである。 a). 単層の健常人肺上皮細胞を調製する。 b). 96穴プレートの肺上皮細胞を入れたウェルに、60μLの大腸菌培養 液を加える。 c). 37℃で1時間培養し、全部で1mLの培地が入っている各ウェルに、 シプロフロキサシン/PFOB懸濁液または対照溶液を100μL加える。37 ℃で一晩インキュベートする。 d). 培養混合物を吸引し、LB培地(1:2)で希釈する。 e). 希釈混合物を20μL取り、LBプレートにのせ、大腸菌の最初の滴定 を行う。大腸菌プレートは37℃で一晩インキュベートした。 f). 各混合物の最初の力価によって種々に希釈し、各ウェルの正確な力価を 定量した。それぞれの処理について重複実験を行った。 g). 各プレート上のコロニー数に各試験ウェルの希釈因子を掛けて、大腸菌 の力価を計算した。 h). 顕微鏡で細胞の形状、生存度及び密度を調べ、細胞毒性のレベルを評価 した。 結果を直ぐ下の表8にまとめて表示する。 当業者は、上記のデータが次のことを示すことを理解するであろう。 1). PFOB中のシプロフロキサシン懸濁液は全て、対応する陽性対照、例 えば生理食塩水または緩衝液中の抗生物質溶液と、抗菌力が同等であった。 2). 抗菌力の投与量反応性がみられた。 3). 陰性対照である、大腸菌懸濁液の培養液に対して生理食塩水及び媒体の みの処理または全く処理しない場合は、細菌の生長を阻害しなかった。 4). PFOB、1,4−ジブロモ−F−ブタン、及びPFOB中の1,4− ジブロモ−F−ブタンで処理する対照においては、細菌生長を増強しないかわず かに抑制した。 5). 被験製剤はいずれも、内皮細胞に対して有意な毒性を示さなかった。 従って、上記のデータから、本発明による実質的に均質な微小分散剤の製剤は 、配合される薬剤の効果に相反しないことが示される。さらに、実施例によって 、微小分散剤自身の安全性と有効性が明確に示される。当業者は、このような結 果から、これらの薬物微小分散剤が生体内でも同様の殺菌作用を示すことを理解 するであろう。 さらに、当業者は、本発明が、その趣旨及び主要な特質から外れない他の特定 の形態において具体化され得ることを理解するであろう。本発明の上記の説明は 、発明の典型的な態様のみを開示するものであることから、本発明の範囲内であ れば他の変更が考えられることが理解されるべきである。従って、本発明は、こ こに詳細に説明した特別な態様に限定されるものではない。むしろ、本発明の範 囲及び内容を示すものとしては、添付した請求の範囲について言及されるべきで ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 デラマリー,ルイス,エー. アメリカ合衆国,92069 カリフォルニア, サンマルコス,レッドバリー コート 838番地 (72)発明者 タララ,トマス,イー. アメリカ合衆国,92102 カリフォルニア, サンディエゴ,エー ストリート 3072番 地 (72)発明者 ウィアーズ,ジェフリー,ジー. アメリカ合衆国,92129 カリフォルニア, サンディエゴ,サリックス ウェイ 12191番地 (72)発明者 ラネイ,ヘレン,エム. アメリカ合衆国,92037 カリフォルニア, ラ ホラ,ラ ホラ メサ ドライブ 6229番地

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 一種以上の親油性フッ素化合物および少なくとも一種の非フッ素化合物の 補溶媒を含む生理学的に許容される液体キャリヤーに配合されている少なくとも 一種の薬剤を含む、熱力学的に安定な薬剤組成物を提供する工程、及び 前記の安定な薬剤組成物を、薬物微小分散剤が形成される熱力学的に安定な薬剤 組成物からの前記の少なくとも一種の薬剤の相分離を開始させるのに充分な量の 少なくとも一種のフッ素化合物の希釈剤と混合する工程 を含む、アベイラビリティーが向上した薬物微小分散剤の製造方法。 2. 前記薬物微小分散剤が懸濁液である、請求の範囲第1項に記載の方法。 3. 前記薬物微小分散剤がエマルジョンである、請求の範囲第1項に記載の方 法。 4. 前記の一種以上の親油性フッ素化合物が、ハロゲン化フッ素化合物、フッ 化炭素−炭化水素ジブロック(diblock)またはトリブロック(triblock)化合 物、ハロゲン化エーテル、ポリエーテル、フッ化炭素−炭化水素エステル、フッ 化炭素−炭化水素チオエステル、フッ化炭素−炭化水素アミン及びフッ化炭素− 炭化水素アミドからなる群より選択される、請求の範囲第1項に記載の方法。 5. 前記の一種以上の親油性フッ素化合物が、Cn2n+1X、XCn2nX(但 し、n=3〜8、X=Br、ClまたはI)、Cn2n+1−Cm2m+1、Cn2n+ 1 CH=CHCm2m+1(但し、n=2〜8、m=2〜6)、Cp2p+1−Cn2n −Cm2m+1(但し、p=2〜6、m=2〜6及びn=2〜8)、XCn2nOCm2mX、XCF2OCn2nOCF2X(但し、n=1〜4、m=1〜4、X=B r、ClまたはI)、Cn2n−O−Cm2m+1(但し、n=2〜8、m=2〜6 )、Cp2p+1−O−Cn2n−O−Cm2m+1(但し、p=2〜6、m=2〜6 及びn=2〜8)、1−ブロモ−F−オクタン(n−C817Br)、1−ブロ モ−F−ヘプタン(n−C715Br)、1−ブロモ−F−ヘキサン(n−C613 Br)、1−ブロモ−F−ブタン(n−C49Br)、塩化ペルフルオロオク チル(n−C715Cl)、1,6−ジクロロ−F−ヘキサン(n−ClC612 Cl)、 1,4−ジクロロ−F−ブタン(n−ClC48Cl)、1,4−ジブロモ−F −ブタン及び1,6−ジブロモ−F−ヘキサンからなる群より選択される、請求 の範囲第1項に記載の方法。 6. 前記の少なくとも一種の薬剤が、呼吸器系薬、抗生物質、抗炎症剤、抗腫 瘍剤、麻酔薬、眼科用薬、化学療法剤、心血管系薬、造影剤及びこれらの混合物 からなる群より選択される、請求の範囲第1項に記載の方法。 7. 前記の少なくとも一種の薬剤の、オクタノール/水の分配係数の対数(L og Po/w)が約−3より大きい、請求の範囲第1項に記載の方法。 8. 前記の少なくとも一種のフッ素化合物の希釈剤が、ビス(F−アルキル) エテン、環状フッ化炭素、過フッ化アミン、臭化過フッ化炭素、塩化ペルフルオ ロオクチル、水素化ペルフルオロオクチル、過フッ化アルキル化エーテル、過フ ッ化アルキル化ポリエーテル、フッ化炭素−炭化水素化合物及びこれらの混合物 からなる群より選択される、請求の範囲第1項に記載の方法。 9. 前記の少なくとも一種の非フッ素化合物の補溶媒が、エーテル、アルコー ル、アルキルスルホキシド、水及びこれらの混合物からなる群より選択される、 請求の範囲第1項に記載の方法。 10. さらに、前記の薬物微小分散剤中に、治療に有益な量の生理学的に許容 される気体を導入する工程を含む、請求の範囲第1項に記載の方法。 11. さらに、フッ素化合物または非フッ素化合物の界面活性剤を添加する工 程を含む、請求の範囲第1項に記載の方法。 12. 前記少なくとも一種の薬剤の濃度が約10w/v%未満であり、前記親 油性フッ素化合物の濃度が約50v/v%未満である、請求の範囲第1項に記載 の方法。 13. 前記微小分散剤の平均粒子径が約3μm未満である、請求の範囲第1項 に記載の方法。 14. 前記の微小分散剤の平均粒子径が約1μm未満である、請求の範囲第1 3項に記載の方法。 15. 請求の範囲第1項に記載の方法によって製造された、バイオアベイラビ リティーが向上した薬物微小分散剤。 16. 請求の範囲第2項に記載の方法によって製造された、バイオアベイラビ リティーが向上した薬物微小分散剤。 17. 請求の範囲第3項に記載の方法によって製造された、バイオアベイラビ リティーが向上した薬物微小分散剤。 18. 請求の範囲第14項に記載の方法によって製造された、バイオアベイラ ビリティーが向上した薬物微小分散剤。 19. 液体連続相における薬学的有効量の少なくとも一種の薬剤の実質的に均 質な微小分散剤、一種以上の生理学的に許容される親油性のフッ素化合物を含む 前記の液体連続相、少なくとも一種の補溶媒及び少なくとも一種のフッ素化合物 の希釈剤を有する、バイオアベイラビリティーの高い薬物製剤。 20. 前記実質的に均質な微小分散剤が懸濁液である、請求の範囲第19項に 記載のバイオアベイラビリティーの高い薬物製剤。 21. 前記実質的に均質な微小分散剤がエマルジョンである、請求の範囲第1 9項に記載のバイオアベイラビリティーの高い薬物製剤。 22. 前記一種以上の生理学的に許容される親油性フッ素化合物が、ハロゲン 化フッ素化合物、フッ化炭素−炭化水素ジブロックまたはトリブロック化合物、 ハロゲン化エーテル、ポリエーテル、フッ化炭素−炭化水素エステル、フッ化炭 素−炭化水素チオエステル、フッ化炭素−炭化水素アミン及びフッ化炭素−炭化 水素アミドからなる群より選択される、請求の範囲第19項に記載のバイオアベ イラビリティーの高い薬物製剤。 23. 前記少なくとも一種の薬剤が、呼吸器系薬、抗生物質、抗炎症剤、抗腫 瘍剤、麻酔薬、眼科用薬、心血管系薬、造影剤及びこれらの混合物からなる群よ り選択される、請求の範囲第19項に記載のバイオアベイラビリティーの高い薬 物製剤。 24. 前記少なくとも一種の薬剤の、オクタノール/水の分配係数の対数(L og Po/w)が約−3より大きい、請求の範囲第19項に記載のバイオアベイラ ビリティーの高い薬物製剤。 25. 前記少なくとも一種のフッ素化合物の希釈剤が、ビス(F−アルキル) エテン、環状フッ化炭素、過フッ化アミン、臭化過フッ化炭素、塩化ペルフルオ ロオクチル、水素化ペルフルオロオクチル、過フッ化アルキル化エーテル、過フ ッ化アルキル化ポリエーテル、フッ化炭素−炭化水素化合物及びこれらの混合物 からなる群より選択される、請求の範囲第19項に記載のバイオアベイラビリテ ィーの高い薬物製剤。 26. 前記の少なくとも一種の非フッ素化合物の補溶媒が、エーテル、アルコ ール、アルキルスルホキシド、水及びこれらの混合物からなる群より選択される 、請求の範囲第19項に記載のバイオアベイラビリティーの高い薬物製剤。 27. 前記の少なくとも一種の薬剤の濃度が約10w/v%未満であり、前記 の一種以上の親油性フッ素化合物の濃度が約50v/v%未満である、請求の範 囲第19項に記載のバイオアベイラビリティーの高い薬物製剤。 28. 前記の微小分散剤の平均粒子径が1μm未満である、請求の範囲第19 項に記載のバイオアベイラビリティーの高い薬物製剤。 29. 前記液体連続相中に、治療に有益な量の生理学的に許容される気体が配 合される、請求の範囲第19項に記載のバイオアベイラビリティーの高い薬物製 剤。 30. さらに、フッ素化合物または非フッ素化合物の界面活性剤を含む、請求 の範囲第19項に記載のバイオアベイラビリティーの高い薬物製剤。 31. 液体連続相における少なくとも一種の薬剤の実質的に均質な微小分散剤 、一種以上の親油性のフッ素化合物を含む前記液体連続相、少なくとも一種の非 フッ素化合物の補溶媒及び少なくとも一種のフッ素化合物の希釈剤を含む、バイ オアベイラビリティーの高い薬物製剤を提供する工程、及び 生理学的標的部位に、薬学的有効量の前記バイオアベイラビリティーの高い薬物 製剤を導入する工程。 を含む、生理学的標的部位に一種以上の親油性薬剤を送達する方法。 32. 前記薬物製剤が懸濁液である、請求の範囲第31項に記載の方法。 33. 前記薬物製剤がエマルジョンである、請求の範囲第31項に記載の方法 。 34. 前記一種以上の親油性フッ素化合物が、ハロゲン化フッ素化合物、フッ 化炭素−炭化水素ジブロックまたはトリブロック化合物、ハロゲン化エーテル、 ポリエーテル、フッ化炭素−炭化水素エステル、フッ化炭素−炭化水素チオエス テル、フッ化炭素−炭化水素アミン及びフッ化炭素−炭化水素アミドからなる群 より選択される、請求の範囲第31項に記載の方法。 35. 前記少なくとも一種の親油性薬剤が、呼吸器系薬、抗生物質、抗炎症剤 、抗腫瘍剤、麻酔薬、眼科用薬、心血管系薬、造影剤及びこれらの混合物からな る群より選択される、請求の範囲第31項に記載の方法。 36. 前記少なくとも一種の親油性薬剤の、オクタノール/水の分配係数の対 数(Log Po/w)が約3より大きい、請求の範囲第31項に記載の方法。 37. 前記少なくとも一種のフッ素化合物の希釈剤が、ビス(F−アルキル) エテン、環状フッ化炭素、過フッ化アミン、臭化過フッ化炭素、塩化ペルフルオ ロオクチル、水素化ペルフルオロオクチル、過フッ化アルキル化エーテル、過フ ッ化アルキル化ポリエーテル、フッ化炭素−炭化水素化合物及びこれらの混合物 からなる群より選択される、請求の範囲第31項に記載の方法。 38. 前記少なくとも一種の非フッ素化合物の補溶媒が、エーテル、アルコー ル、アルキルスルホキシド、水及びこれらの混合物からなる群より選択される、 請求の範囲第31項に記載の方法。 39. 前記少なくとも一種の親油性薬剤の濃度が約10w/v%未満であり、 前記の一種以上の親油性フッ素化合物の濃度が約50v/v%未満である、請求 の範囲第31項に記載の方法。 40. 前記バイオアベイラビリティーの高い薬物製剤の平均粒子径が1μm未 満である、請求の範囲第31項に記載の方法。 41. 前記バイオアベイラビリティーの高い薬物製剤中に、治療に有益な量の 生理学的に許容される気体を導入する工程をさらに含む、請求の範囲第31項に 記載の方法。 42. 生理学的標的部位への前記薬物製剤の導入が、局所、皮下、筋肉内、腹 腔内、鼻腔内、肺内、膣内、直腸内、経耳、経口または眼内から達成される、請 求の範囲第31項に記載の方法。 43. 単連続相中に親油性の第一の液体と薬剤との第一の組成物を提供する工 程、及び、 前記第一の組成物に、前記第一の液体より親油性が低く、前記第一の液体中に混 和できる十分量の第二の液体を添加し、前記の薬剤の相分離を起こして微小分散 の不連続相を形成する工程 を含む、薬剤材料を製造する方法。 44. 前記相分離によって逆エマルジョンを生じる、請求の範囲第43項に記 載の方法。 45. 前記相分離によって懸濁液を生じる、請求の範囲第43項に記載の方法 。 46. 前記第一の組成物が、前記薬剤が溶解する補溶媒をさらに含む、請求の 範囲第43項に記載の方法。 47. 前記補溶媒が非フッ化炭素である、請求の範囲第46項に記載の方法。 48. 前記不連続相が前記補溶媒及び前記の薬剤を含む、請求の範囲第47項 に記載の方法。 49. さらに前記第一の組成物を前記の添加工程の前に少なくとも1週間保存 する工程を含む、請求の範囲第43項に記載の方法。 50. 前記第一の液体がフッ化炭素である、請求の範囲第43項に記載の方法 。 51. 単連続相中に第一の親油性液体フッ素化合物および薬剤を含む第一の組 成物をその中に有する第一の容器、及び、 前記第一の液体と混和する第二の液体をその中に有する第二の容器であって、前 記第二の液体は前記の第一の液体よりも親油性が低く、前記第一の組成物と前記 第二の液体との混合に際して、前記薬剤の相分離が起こり、前記の薬剤の微小分 散不連続相が形成される、第二の容器 を含む、薬物製剤を製造するためのキット。 52. 前記第一の組成物が、前記薬剤が溶解する非フッ化炭素の補溶媒をさら に含む、請求の範囲第51項に記載のキット。 53. 前記不連続相が前記の薬剤及び前記の補溶媒を含む、請求の範囲第52 項に記載のキット。 54. 前記不連続相が前記の薬剤の懸濁液を含む、請求の範囲第52項に記載 のキット。
JP9501487A 1995-06-07 1996-06-05 薬剤送達用連続的フッ素化合物微小分散剤 Pending JPH11506783A (ja)

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