JPH11505408A - ヒトdnアーゼ変異体 - Google Patents

ヒトdnアーゼ変異体

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JPH11505408A
JPH11505408A JP8525640A JP52564096A JPH11505408A JP H11505408 A JPH11505408 A JP H11505408A JP 8525640 A JP8525640 A JP 8525640A JP 52564096 A JP52564096 A JP 52564096A JP H11505408 A JPH11505408 A JP H11505408A
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エー ラザラス,ロバート
シャク,スティーヴン
エス ウルマー,ジャナ
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ジェネンテック インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、低下したアクチンに対する結合親和性を有するヒトDNアーゼIのアミノ酸配列変異体に関する。本発明はかかるアクチン−耐性変異体をコードし、それにより臨床用途に十分な量のこれらの変異体の生産を可能とする核酸配列を提供する。また、本発明は、医薬組成物およびヒトDNアーゼIのアクチン−耐性変異体の治療的使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトDNアーゼ変異体 発明の分野 本発明は、ヒト・デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)、ポリデオキ シリボ核酸を加水分解できるホスホジエステラーゼに関する研究から得られた結 果に関する。本発明は、一般に、ヒトDNアーゼIの修飾された(変異体)形態 および組換えDNA法によるそれらの調製、それらの利用性がそれにより臨床的 に開発できる医薬組成物、およびこれらのDNアーゼI変異体およびその組成物 を用いる方法に関する。 発明の背景 DNアーゼIはポリデオキシリボ核酸を加水分解できるホスホジエステラーゼ である。DNアーゼIは多くの種から様々の程度に精製されてきた。 ウシDNアーゼIは生化学的に広範囲に研究されてきた。例えば、Moore,The Enzyme (Boyer,P.D.編),281-296頁,Academic Press,New York(1981)参照。 ウシDNアーゼIについての完全なアミノ酸配列は公知であり(Liaoら,J.Biol .Chem.,248:1489-1495(1973); Oefnerら,J.Mol.Biol.192:605-632(1986); Lahmら,J.Mol.Biol.Biol.221:645-667(1991)、ウシDNアーゼIをコード するDNAはクローン化され発現されている(Worrallら,J.Biol.Chem.265:2 1889-21895(1990))。ウシDNアーゼIの構造はX−線結晶学によって決定され ている。Suckら,EMBO J.3:2423-2430(1984); Suckら,Nature 321:670-625(19 86); Oefnerら,J.Mol.Biol.192:605-632(1986))。 ヒトDNアーゼIをコードするDNAは単離され、配列決定され、そのDNA は組換え宿主細胞で発現されており、それにより、商業的に有用な量にてのヒト DNアーゼIの生産を可能する。Shakら,Proc.Nat.Acad.Sci.87:9188-9192 (1990)。 DNアーゼIは多数の公知の用途を有し、治療目的で使用されてきた。その主 な治療用途は、肺炎および嚢胞性線維症(CF)のごとき病気において肺分泌 (粘液)の粘弾性を低下させ、それにより気道の清掃を助力することであった。 例えば、Lourencoら,Arch.Intern.,Med.142:2299-2308(1982); Shakら,Pro c.nat.Acad.Sci.87:9188-9192(1990); Hubbardら,New Engl.J.Med.32 6 :812-815(1992); Fuchsら,New Engl.J.Med.331: 637-642(1994); Brysonら ,Drugs 48:894-906(1994)。また、粘液は慢性気管支炎、喘息性気管支炎、気管 支拡張症、気腫、急性および慢性静脈洞炎、および通常の風邪の罹患率に寄与す る。 かかる病気を有する個人の肺分泌は複雑な物質であり、それは粘液糖蛋白質、 ムコ多糖、プロテアーゼ、アクチンおよびDNAを含む。肺物質における物質の いくつかは、微生物(例えば、シュードモナス(Pseudomonas)、ニューモコッ カス(Pneumocossus)、またはスタフィロコッカス(Staphylococcus)菌の株)また は他の刺激剤(例えば、タバコの喫煙、花粉)の存在に応答して肺組織に浸潤す る白血球(好中球)から放出される。かかる微生物また刺激剤と反応する間に、 白血球は変性し、それらの内容物を放出し、それは肺分泌の粘弾性に寄与する。 肺分泌の粘弾性を低下させるDNアーゼIの能力は、好中球によって放出され た大量のDNAのその酵素分解に帰せられてきた。Shakら,Proc.Nat.Acad.S ci.87:9188-9192(1990)); Aitkenら,J.Am.Med.Assoc.267:1947-1951(1992) )。 より最近では、アクチンの離解を含めたDNアーゼIの粘液溶解効果につき種 々のメカニズムが提案されている。Vasconcellosら,Science 263:969-971(1994 ))。アクチンは、真核細胞における最も豊富な蛋白質の1つであり(例えば、ア クチンは全白血球蛋白質の約10%よりなる)、広範に研究されてきた。Kabsch ら,Ann.Rev.Biophys.Biomol.Struct.21:49-76(1992); Sheterlineら,Proc .Profile 1:1-121(1994)。アクチンは2つの形態、モノマー形態(G−アクチ ン)、およびG−アクチンモノマーから組み立てられるフィラメント形態(F− アクチン)で存在する。アクチンのポリマーフィラメントは高度に粘弾性であっ て、肺分泌の粘度にかなり寄与する。Mornetら,Proc.Nat.Acad.Sci.81:368 0-3684(1984); Newmanら,Biochemistry 24:1538-1544(1985); Janmeyら,Bioch emistry 27:8218-8226(1988); Vasconcellosら,Science 263:969-971(1994)。 DNアーゼIはアクチンに結合し(Lazaridesら,Proc.Nat.Acad.Sci.71:4 742-4746(1974); Kabschら,Nature 347:37-44(1990))、アクチンフィラメント を脱重合させること(ならびにG−アクチンのフィラメントへの重合を阻害する こと)が知られている(Mannherzら,FEBS Lett.60:34-38(1975); Hitchcockら ,Cell 7:531-542(1976); Pinderら,Biochemistry 21:4886-4890(1982); Weber ら,Biochemistry 33:4780-4786(1994))ので、痰および他の肺分泌に対するDN アーゼIの粘液分解効果は、DNA加水分解よりもむしろアクチン離解(脱重合 )によることが提案されている。Vasconcellosら,Science 263:969-971(1994) 。この見解に合致して、アクチンの存在下では、DNアーゼIのDNA−加水分 解活性は阻害されることが知られている。Lazaridesら,Proc.Nat.Acad.Sci .71:4742-4746(1974); Mannherzら,Eur.J.Biochem.104:367-379(1980)。ま た、この見解と一致して、アクチン切断蛋白質(例えば、ゲルソリン)が嚢胞性 線維症痰の粘弾性を低下させるのに効果的であることが報告されている。Vascon cellosら,Science 263:969-971(1994); Stosselら,PCT出願公開WO 94/22465( 1994年10月13日公開)。 本発明は、部分的には、DNアーゼIの粘液分解活性の生化学的基礎を測定す る本発明者らによる研究に基づいている。この研究は、種々のヒトDNアーゼI 変異体の設計および合成、ならびにDNAを加水分解し、アクチンに結合し、 ン・ビトロ で痰の粘弾性を低下させるそれらの能力を評価するこれらの変異体の アッセイを含むものであった。本発明者らはヒトDNアーゼI変異体のいくつか のクラスを創製した。1のクラスの変異体(アクチン−耐性変異体)はアクチン に結合する能力が低下したが、依然として粘液分解活性を有し、ある場合には、 天然ヒトDNアーゼIと比較して低下した粘液分解活性を有した。これらのアク チン−耐性変異体は天然ヒトDNアーゼIとほぼ同一のDNA−加水分解活性を 有するが、かかる活性はアクチンによる阻害に対して感受性が低かった。第2の クラスの変異体は天然ヒトDNアーゼIで見い出されているものと同様の親和性 でもってアクチンに結合するが、天然ヒトDNアーゼIと比較して低下した粘液 分解活性および低下したDNA−加水分解活性を有した。 これらの結果は、肺分泌の粘弾性を低下させることにおけるヒトDNアーゼI の治療効果が、フィラメント状アクチンを脱重合させるその能力よりもむしろそ の接触DNA−加水分解活性によるものであることを示す。従って、天然ヒトD NアーゼIよりも低い親和性をもってアクチンに結合するが依然としてDNA− 加水分解活性を保有するヒトDNアーゼIの変異体は、特に、比較的大量のアク チンよりなる肺分泌を有する患者の治療において有用な治療剤であるはずである 。かかる変異体はアクチンに対して低下した親和性を有するので、それらのDN A加水分解活性はアクチンの存在下でより阻害されず、従って、これらの変異体 は天然ヒトDNアーゼIと比較して、アクチンの存在下でより大きい粘液分解活 性を有する。 従って、本発明の目的は、DNA−加水分解活性を保有するが天然ヒトDNア ーゼIよりも低い親和性でもってアクチンに結合するヒトDNアーゼI変異体を 提供することにある。 本発明のもう1つの目的は、ヒトDNアーゼIのかかるアクチン−耐性変異体 をコードする核酸、かかる核酸よりなる組換えベクター、それらの核酸またはベ クターで形質転換された組換え宿主細胞、および組換えDNA技術によってヒト DNA変異体を産生する方法を提供することにある。 また、本発明は、所望により医薬上許容される賦形剤と共に、ヒトDNアーゼ Iアクチン−耐性変異体よりなる医薬組成物に指向される。 また、本発明は、治療上有効量のDNアーゼIのアクチン−耐性変異体を患者 に投与することよりなる、患者においてDNA含有物質の粘弾性または粘性コン システンシーを低下させる方法に指向される。 本発明は、特に、治療上有効量のDNアーゼIのアクチン−耐性変異体を患者 に投与することよりなる、嚢胞性線維症、慢性気管支炎、肺炎、気管支拡張症、 気腫、喘息、または全身性エリテマトーデスのごとき病気を有する患者を治療す る方法に指向される。 また、本発明は、存在するアクチンの量を測定し、患者がアクチン−耐性DN アーゼI変異体での治療に適する候補であるか否かを決定するための、患者から の粘性物質(痰)のイン・ビトロ診断アッセイにおけるヒトDNアーゼIのアク チン−耐性変異体の使用に指向される。 本発明のこれらおよび他の目的は、明細書を全体として考慮すると、当業者に 明らかであろう。 図面の簡単な記載 図1は、ヒト成熟DNアーゼIのアミノ酸配列(SEQ ID NO:1)を 示す。数字は該配列内のアミノ酸残基の順次の位置を示す。 図2は、天然ヒトDnアーゼIおよび変異体の相対的比活性を示す。誤差棒は 標準偏差(n−重率)。PulmozymeRヒトDNアーゼI(Genentech,Inc .,South San Francisco,カリフォルニア州,米国)の相対的比活性は1.0と定 義される。天然ヒトDNアーゼIの相対的比活性は、DNA−加水分解活性を低 下されたヒトDNアーゼIの脱アミド化形態のPulmozymeRの発生によ るPulmozymeRのそれよりも大きい(Frenzら,1993年12月23日に公開さ れたPCT特許出願WO93/25670)。 図3は、光吸収増加アッセイで測定したごとく、アクチンの存在下におけるヒ トDNアーゼI活性のDNA−加水分解活性およびヒトDNアーゼIの単一残基 変異体を示す。「パーセント活性」は実施例3に記載したごとくに計算したDN アーゼI(天然または変異体)のパーセントDNA−加水分解活性であり;アク チンの不存在下におけるDNアーゼIのDNA−加水分解活性は100パーセン ト活性であると定義される。誤差棒は標準偏差を表す。 図4は、光吸収増加アッセイまたはメチルグリーンアッセイで測定した、アク チン存在下における天然ヒトDNアーゼIおよびヒトDNアーゼの複数残基変異 体のDNA−加水分解活性を示す。「パーセント活性」は実施例3に記載したご とくに計算したDNアーゼI(天然または変異体)のパーセントDNA−加水分 解活性であり;アクチンの不存在下におけるDNアーゼIのDNA−加水分解活 性は100パーセント活性と定義される。誤差棒は標準偏差を表す。 図5は、(実施例3に記載した)アクチン結合ELISAアッセイで測定した アクチンに対するヒトDNアーゼI変異体の相対的結合親和性を示す。EC50値 は該アッセイにおいて最大信号の半分を与えるのに必要なDNアーゼI(天然ま たは変異体)の濃度である。誤差棒は標準偏差を表す。PulmozymeRお よび天然ヒトDNアーゼIに対するEC50値は、各々、72±21pM(n=2 1) および85±14pM(n=14)である。図に示される相対的結合親和性は、 天然ヒトDNアーゼIにつき測定されたEC50値で除したヒトDNアーゼI変異 体につき測定されたEC50値である。アッセイで測定できたものよりもEC50値 がより大きい変異体は、>35、>350、>1750、>3500、または> 35000を有するものとして示される。 図6は、圧縮アッセイによって測定した、嚢胞性線維症患者からの痰試料にお ける天然ヒトDNアーゼIおよびヒトDNアーゼIの変異体の粘液溶解活性を示 す。誤差棒は平均値の標準偏差を表す。 図7は、実施例3に記載したアクチン結合ELISAアッセイの模式的表示を 示す。 詳細な説明 1.定義 本明細書で用いるごとく、「ヒトDNアーゼI」、「天然ヒトDNアーゼI」 、および「野生型DNアーゼI」なる用語は図1に記載したヒト成熟DNアーゼ Iのアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。 ヒトDNアーゼIの「変異体」または「アミノ酸配列変異体」は天然ヒトDN アーゼIのそれとは異なるアミノ酸配列よりなるポリペプチドである。一般に、 変異体は天然ヒトDNアーゼIと少なくとも80%の配列同一性(相同性)、好 ましくは少なくとも90%の配列同一性、より好ましくは少なくとも95%の配 列同一性、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を保有する。パーセン テージ配列同一性は、例えば、最大相同性が供されるように配列を並べた後に、 Fitchら,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 80:1382-1386(1983)によってNeedlemanら ,J.Mol.Biol.48:443-453(1970)によって記載されたアルゴリズムのバージョ ン)決定されている。 「ヒトDNアーゼI−耐性変異体」、「アクチン−耐性変異体」、および「ヒ トDNアーゼIのアクチン−耐性変異体」なる語は、(1)DNA−加水分解活 性および(2)アクチンに対する低下した結合親和性を有する天然ヒトDNアー ゼIの変異体をいう。 「DNA−加水分解活性」とは、基質DNAを加水分解(切断)して5’−リ ン酸化オリゴヌクレオチド末端生成物を生じるにおける天然ヒトDNアーゼIま たはヒトDNアーゼIの変異体の酵素活性をいう。DNA−加水分解活性は分析 用ポリアクリルアミドおよびアガロースゲル電気泳動、光吸収増加アッセイ(Kun itz,J.Gen.Physiol.,33:349-362(1950); Kunitz,J.Gen.Physiol.33:363- 377(1950))、またはメチルグリーンアッセイ(Kurnick,Arch.Biochem.29:41-5 3(1950); Sinicropiら,Anal.Biochem.222;351-358(1994))を含めた当該分野 で公知のいくつかの異なる方法にうちいずれかによって容易に測定される。 アクチンに対する天然ヒトDNアーゼIまたはヒトDNアーゼIのアクチン− 耐性変異体の「結合親和性」とは、アクチンに非共有結合により結合するDNア ーゼIの能力をいう。結合親和性は、例えば、Mannherzら,Eur.J.Biochem.1 04 :367-379(1980)に記載されているごとき、当該分野で公知の種々の方法うちい ずれかによって測定できる。別法として、異なるDNアーゼ(例えば、天然ヒト DNアーゼIおよびその変異体)の相対的結合親和性は、(実施例3に記載され た)ELISAアッセイにおいて固定化アクチンへのDNアーゼの結合を測定す ることによって、あるいは(やはり実施例3に記載した)アクチンの存在下また は不存在下におけるDNアーゼのDNA−加水分解活性を比較することによって 決定される。実施例に記載した方法は、特に、アクチンに対する低下した結合親 和性を有する変異体を迅速に同定するためにヒトDNアーゼIの変異体をスクリ ーニングするのに便宜である。 「アクチンに対する低下した結合親和性」を有するヒトDNアーゼIアクチン −耐性変異体は、匹敵する条件下で測定して、天然ヒトDNアーゼIがアクチン に結合する親和性よりも比較的低いアクチンに対する結合親和性を有するもので ある。もし実施例3に記載されたアクチン結合ELISAアッセイを用いてアク チンに対するヒトDNアーゼI(天然または変異体)の結合親和性を測定するな らば、「アクチンに対する低下した結合親和性」を有するアクチン−耐性変異体 は天然ヒトDNアーゼIのそれよりも大きいEC50値を有するものである。その アッセイにおいて、アクチン−耐性変異体は、典型的には、天然ヒトDNアーゼ のそれよりも5−倍ないし100−倍大きいEC50値を有する;しかし、特に、 天然ヒトDNアーゼIアミノ酸配列の複数アミノ酸残基を改変することによって (図5参照)、天然ヒトDNアーゼIのそれよりも500−倍を越えて大きいE C50値を有するアクチン−耐性変異体も容易に産生される。 「粘液溶解活性」とは、例えば、天然ヒトDNアーゼIまたはヒトDNアーゼ Iの変異体で物質を処理した際に観察される、痰または他の生物学的物質の粘弾 性(粘度)の低下をいう。粘液溶解活性は、痰圧縮アッセイ(1994年5月11日に公 開されたPCT特許出願WO94/10567)、トーション振子を用いるアッセイ(Janmey. J.Biochem.Biophys.Methods 22:41-53(1991)、または他のレオロジー的方法 を含めた当該分野で知られたいくつかの異なる方法のいずれかによって容易に測 定される。 「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」は、一般に、例えば、米国特許第 4,683,195号に記載されているごとき所望の配列のイン・ビトロでの増幅 方法をいう。一般に、PCR方法は、鋳型核酸に優先的にハイブリダイズできる オリゴヌクレオチドを用いるプライマー伸長合成の反復サイクルを含む。 「細胞」、「宿主細胞」、「細胞系」および「細胞培養」は本明細書では相互 交換的に使用され、かかる用語は細胞の増殖または培養から得られた子孫を含む と理解されるべきである。「形質転換」および「トランスフェクション」はDN Aを細胞に導入するプロセスをいい、相互交換的に使用される。 「作動可能に連結した」とは、配列の通常の機能を行うことができるような相 互の配置にて、酵素連結または他の方法によって2以上のDNA配列を共有結合 連結することをいう。例えば、プレ配列または分泌リーダー用のDNAは、もし それがポリペプチドの分泌に関与するプレ蛋白質として発現されればポリペプチ ドのDNAに作動可能に連結し;プロモーターまたはエンハンサーはもしそれが 配列の転写に影響するならば暗号配列に作動可能に連結し;あるいはリボソーム 結合部位はもしそれが転写を容易とするように位置しているならば暗号配列に作 動可能に連結している。一般に、「作動可能に連結した」とは、連結されるDN A配列が隣接しており、分泌リーダーの場合には、隣接しかつリーディング相に あることをいう。連結は、通常の制限部位における連結によって達成される。か かる部位が存在しない場合は、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカ ーを、標準的に組換えDNA法と組み合わせて用いる。 ここにアミノ酸は以下のごとく3文字または一文字表示によって確認される。 Asp D アスパラギン酸 Ile I イソロイシン Thr T トレオニン Leu L ロイシン Ser S セリン Tyr Y チロシン Glu E グルタミン酸 Phe F フェニルアラニン Pro P プロリン His H ヒスチジン Gly G グリシン Lys K リシン Ala A アラニン Arg R アルギニン Cys C システイン Trp W トリプトファン Val V バリン Gln Q グルタミン Met M メチオニン Asn N アスパラギン II.アクチン−耐性変異体の選択 本発明はヒトDNアーゼIのアミノ酸配列変異体の構造、アクチン結合特性、 DNA−加水分解活性、および粘液溶解活性の研究に基づいている。本発明のア クチン−耐性変異体はDNA−加水分解活性を有するが、天然ヒトDNアーゼI よりも低い親和性でもってアクチンに結合する。アクチン結合の低下は、好まし くは、例えば、天然ヒトDNアーゼIのGlu13、His44、Leu45、 Val48、Gly49、Leu52、Asp53、Asn56、Tyr65、 Val67、Glu69、およびAla114残基(3文字アミノ酸表示に続く 数字は、図1の配列内のアミノ酸残基の特異的位置を示す)を含めた、アクチン の結合に影響するらしい天然ヒトDNアーゼI内のアミノ酸残基においておよび /またはその周辺に突然変異を作成することによって達成される。 ヒトDNアーゼIのアクチン−耐性変異体を作成できる種々の方法がある。本 発明の1の具体例において、アクチン−耐性変異体は、アクチン結合に影響する 天然ヒトDNアーゼIのアミノ酸残基においてまたはそれに隣接して(すなわち 、その約5アミノ酸残基内に)単一または複数のアミノ酸置換、挿入、および/ または欠失を導入することによって調製される。かかる突然変異のいくつかの例 示 的例は以下のものである:D53R、D53K、D53Y、D53Y、D53A 、Y65A、Y65E、Y65R、V67E、V67K、E69R、D53R: Y65A、D53R:E69R、H44A:D53R:Y65A、H44A:Y 65A:E69R(図2−6参照)。 本発明のもう1つの具体例において、アクチン−耐性変異体は、アクチン結合 に影響する天然ヒトDNアーゼIのアミノ酸残基においてまたはそれに隣接して (すなわち、その約5アミノ酸残基内に)新しい糖鎖付加部位を生じさせる突然 変異を導入することによって調製される。例えば、部位特異的突然変異を用いて 、炭水化物部位のアスパラギン側鎖への酵素付着のための認識配列である、1つ のトリペプチド配列、アスパラギン−X−セリンまたはアスパラギン−X−トレ オニン(ここに、Xはプロリンを除くいずれかのアミノ酸)を導入する。Creght on,Proteins,76-78頁(W.H.Freeman,1984)。得られたN−グリコシル化変異 体DNアーゼIおよびアクチンの炭水化物部位の間に起こる立体障害は、天然ヒ トDNアーゼIと比較して、アクチン結合およびDNアーゼIDNA−加水分解 活性の結果としての阻害を低下させまたは妨げる。新しいグリコシル化部位を導 入するためのかかる突然変異のいくつかの例示的例は以下の通りである:H44 N、D58S、D58T、H64N:V66T、H64N:V66S、V67N :E69S、V67N:E69T。 所望により、新しいグリコシル化部位を生じさせるためのかかる突然変異と組 み合わせて、アクチン−耐性変異体で望まれるグリコシル化の程度に応じて、天 然ヒトDNアーゼIアミノ酸配列内の18および/または106位において天然 に起こるグリコシル化部位を欠失させることもできる。 本発明のさらなる具体例において、部位特異的突然変異誘発を用いて、生物学 的にまたは化学的に(後記参照)翻訳後修飾に適したアクチン結合に関与する天 然ヒトDNアーゼIのアミノ酸残基においてまたは隣接して(すなわち、その約 5アミノ酸残基内に)導入する。Meansら,「蛋白質の化学修飾(Holden-Day,19 71);Glazerら,「蛋白質の化学修飾:選択された方法および分析手法(Elsevier ,1975); Creighton,Proteins,70-87(W.H.Freeman,1984); Lundblad,「蛋 白質修飾のための化学試薬 」(CRC Press,1991)。かかる翻訳後修飾はDNアー ゼ Iに立体障害または改変された静電気的特性を導入することができ、これは天然 ヒトDNアーゼIと比較して、アクチン結合およびDNA−加水分解活性の結果 としての阻害を低下させまたは妨げる。例えば、システイン残基をアクチン結合 に関与する天然ヒトDNアーゼIの残基においてまたはそれに隣接して導入する ことができる。システイン残基の遊離チオールはもう1つのかかるDNアーゼI 変異体とで分子間ジスルフィド結合を形成してDNアーゼIダイマーを形成でき 、あるいは、例えばチオール−特異的アルキル化剤で修飾することができる。か かる突然変異のいくつかの例示的例は以下の通りである:H44C、L45C、 V48C、G49C、L52C、D53C、N56C、Y65C、V67C、E 69C、A114C。 便宜のために、天然ヒトDNアーゼIのアミノ酸配列における置換、挿入およ び/または欠失は、通常、例えば、部位特異的突然変異誘発によって、天然ヒト DNアーゼIをコードするDNAに対応するヌクレオチド配列に突然変異を導入 することによって作成される。次いで、突然変異DNAの発現の結果、所望の( 非天然)アミノ酸配列を有する変異体ヒトDNアーゼIが得られる。 Sambrookら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(1989))に開示されているごとき当該分野で 公知のいずれの技術を用いて部位特異的突然変異誘発を行うこともできるが、オ リゴヌクレオチド−特異的突然変異誘発が本発明のヒトDNアーゼI変異体を調 製するための好ましい方法である。当該分野でよく知られているこの方法(Zolle rら,Meth.Enz.100:4668-500(1983); Zollerら,Meth.Enz.154:329-350(198 7); Carter,Meth,Enz.154:382-403(1987); Kunkelら,Meth.Enzymol.154:3 67-382(1987); Horwitzら,Meth,Enz.185:599-611(1990))は置換変異体を作成 するのに特に適しているが、便宜に欠失および挿入変異体を調製するのに使用す ることもできる。 部位特異的突然変異誘発は、典型的には、一本鎖および二本鎖形態双方で存在 するファージベクターを使用する。部位特異的突然変異誘発で有用な典型的ベク ターは一本鎖ファージの複製起点を含有するM13ファージおよびプラスミドベ クターを含む(Messingら,Meth.Enzymol.101:20-78(1983); Veriaら,Meth. Enzymol.153:3-11(1987); Shortら,Nuc.Acids.Res.16:7583-7600(1988))。 適当な宿主細胞におけるこれらのベクターの複製の結果、部位特異的突然変異誘 発で使用できる一本鎖DNAが合成される。 略言すれば、天然ヒトDNアーゼI(またはその変異体)をコードするDNA の部位特異的突然変異誘発を行うにおいて、DNAの一本鎖に所望の突然変異を コードするオリゴヌクレオチドをまずハイブリダイズさせることによってDNA を改変する。ハイブリダイゼーションの後、DNAポリメラーゼを用いて、ハイ ブリダイズしたオリゴヌクレオチドをプライマーとして用い、およびDNAの一 本鎖を鋳型として用い、全第2鎖を合成する。かくして、所望の突然変異をコー ドするオリゴヌクレオチドが得られた二本鎖DNA中に取り込まれる。 ハイブリダイゼーションプローブまたはプライマーとして使用されるオリゴヌ クレオチドは、天然に生じるDNAの精製により、あるいはイン・ビトロ合成に よるなどしていずれかの適当な方法によって調製できる。例えば、オリゴヌクレ オチドは、Narangら,Meth,Enzymol.68:90-98(1979); Brownら,Meth.enzymo l.68:109-151(1979); Caruthersら,Meth.Enzymol.154:287-313(1985)によ って記載されているごとき、有機化学における種々の技術を用いて容易に合成さ れる。適当なハイブリダイゼーションプローブまたはプライマーに対する一般的 なアプローチはよく知られている。Kellerら,DNA Probes, 11-18頁(stockton P ress,1989)。典型的には、ハイブリダイゼーションプローブまたはプライマー は10−25またはそれ以上のヌクレオチドを含有し、所望の突然変異をコード する配列のいずれか側に少なくとも5のヌクレオチドを含んで、オリゴヌクレオ チドが一本鎖DNA鋳型分子に対して所望の位置に優先的にハイブリダイズする ことを確実とする。 勿論、部位特異的突然変異誘発を用いて多数の置換、挿入または欠失突然変異 を出発DNAに導入することができる。突然変異させるべき部位が相互に近くに 位置すれば、突然変異は所望の突然変異の全てをコードする単一のオリゴヌクレ オチドを用いて同時に導入することができる。しかしながら、もし突然変異され るべき部位が相互にいくらか距離があれば(約10ヌクレオチドを越えて離れて いれば)、所望の変化の全てをコードする単一のオリゴヌクレオチドを生じさせ るのはより困難である。代わりに、2つの別の方法のうち1つを使用することが できる。 第1の方法において、各所望の突然変異に対して別のオリゴヌクレオチドを生 成させる。次いで、オリゴヌクレオチドを同時に一本鎖鋳型DNAにアニールさ せ、鋳型から合成されたDNAの第2鎖は所望のアミノ酸置換の全てをコードす るであろう。 別の方法は、所望の変異体を生成させるために2以上のラウンドの突然変異誘 発を含む。第1のラウンドは単一の突然変異を導入するものとして記載される。 第2のラウンドの突然変異誘発は第1のラウンドで生成した突然変異DNAを鋳 型として利用する。かくして、この鋳型は1以上の突然変異を全てに含有する。 次いで、さらなる所望のアミノ酸置換をコードするオリゴヌクレオチドをこの鋳 型にアニールさせ、DNAの得られた鎖は今や第1および第2ラウンドの突然変 異誘発双方からの突然変異をコードする。この得られたDNAは第3ラウンドの 突然変異誘発で使用される。 また、PCR突然変異誘発(Higuchi,PCR Protocols,177-183頁(Academic Pr ess,1990);Valletteら,Nuc.Acids Res.17: 723-733(1989)はヒトDNアー ゼIの変異体を作成するのに適する。略言すれば、少量の鋳型DNAをPCRに おける出発物質として使用する場合、鋳型DNAにおける対応する領域から配列 がわずかに異なるプライマーを用いて、プライマーが鋳型と異なる位置のみにお ける鋳型配列とは異なる比較的大量の特異的DNA断片を得る。突然変異のプラ スミドDNAへの導入には、例えば、プライマーの1つの配列は所望の突然変異 を含み、突然変異の位置のプラスミドDNAの1の鎖にハイブリダイズするよう に設計され;他のプライマーの配列はプラスミドDNAの反対側鎖内のヌクレオ チド配列と同一でなければならないが、この配列はプラスミドDNAに沿ってど こに位置させることもできる。しかしながら、第2のプライマーの配列は、結局 はプライマーと境界を接するDNAの全増幅領域が容易に配列決定できるように 、第1のもののそれから200ヌクレオチド内に位置させるのが好ましい。丁度 記載したもののようなプライマー対を用いるPCR増幅の結果、プライマーによ って特定される突然変異の位置において異なるDNA断片の集団が得られ、恐ら く は他の位置において、鋳型のコピーイングは幾分エラーを生じやすい。Wagnerら ,PCR Topics,69-71頁(Springer-Verlag,1991)。 もし生成物増幅DNAに対する鋳型の比が極端に低ければ、生成物DNA断片 の大部分は所望の突然変異を取り込む。この生成物DNAを用いて、標準的な組 換えDNA法を用い、PCR鋳型として働くプラスミド中の対応する領域を置き 換える。別々の位置における突然変異は、突然変異体第2プライマーを用いるか 、あるいは異なる突然変異体プライマーで第2PCRを行い、2つの得られたP CR断片を同時に3(またはそれ以上)部分連結でプラスミド断片に連結するこ とによって同時に導入できる。 変異体、カセット突然変異誘発を調製するためのもう1つの方法は、Wellsら ,Gene 34:315-323(1985)によって記載されている技術に基づく。出発物質は突 然変異させるべきDNA配列よりなるプラスミド(または他のベクター)である 。突然変異させるべき出発DNAにおけるコドンを同定する。同定された突然変 異部位の各側に唯一の制限エンドヌクレアーゼ部位がなければならない。もしか かる制限部位が存在しなければ、前記したオリゴヌクレオチド−媒介突然変異誘 発法を用いてそれらをDNAの適当な位置に導入してそれらを生成させることが できる。プラスミドDNAをこれらの部位で切断してそれを線状化する。制限部 位の間のDNAの配列をコードするが所望の突然変異を含有する二本鎖オリゴヌ クレオチドを標準的な手法を用いて合成し、ここに、オリゴヌクレオチドの2つ の鎖は別々に合成し、次いで、標準的な技術を用いて一緒にハイブリダイズさせ る。この二本鎖オリゴヌクレオチドをカセットという。このカセットは、それを プラスミドに直接連結できるように線状化プラスミドの末端に適合する5’およ び3’末端を有するように設計する。得られたプラスミドは突然変異したDNA 配列を含有する。 DNAにおける突然変異の存在は、制限マッピングおよび/またはDNA配列 決定を含めた当該分野でよく知られた方法によって測定される。DNA配列決定 についての好ましい方法はSangerら,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 72:3918-3921 (1979)のジデオキシ鎖停止法である。 ヒトDNアーゼI変異体をコードするDNAを、さらなるクローニングまたは 発現のための複製可能なベクターに挿入する。「ベクター」とは宿主細胞内で複 製でき、それ自体適合する宿主細胞と組み合わせて2つの機能を行うのに有用で あるベクターおよびその他のDNAである(ベクター−宿主系)。1の機能はヒ トDNアーゼI変異体をコードする核酸のクローニングを容易とする、すなわち 、利用できる量の核酸を生成させるものである。他の機能はヒトDNアーゼI変 異体の発現を指示するものである。これらの機能の1つまたは双方は、クローニ ングまたは発現に用いる特定の宿主細胞においてベクターによってなされる。ベ クターはそれらが行う機能に応じて異なる要素を含有する ヒトDNアーゼI変異体を生成させるには、発現ベクターは、プロモーターに 作動可能に連結した前記した変異体をコードするDNAおよびリボソーム結合部 位よりなる。次いで、変異体を組換え細胞培養中で直接に、あるいは異種ペプチ ド、好ましくは異種ポリペプチドおよびヒトDNアーゼI変異体との間の連結に おいて特異的切断部位を有する単一配列または他のポリペプチドとの融合として 発現させる。 原核生物(例えば、イー・コリ(E.coli)および他の細菌)は本発明の最初の クローニング工程で好ましい宿主細胞である。それらは、大量のDNAの迅速な 産生、部位特異的突然変異誘発で用いる一本鎖DNA鋳型の産生、および生じた 変異体のDNA配列決定で特に有用である。また、原核生物宿主細胞をヒトDN アーゼI変異体をコードするDNAの発現で使用することもできる。原核生物細 胞で産生されるポリペプチドは典型的にはグリコシル化されていない。 加えて、本発明のヒトDNアーゼI変異体は、真核生物微生物(他えば、酵母 )または動物または他の多細胞生物に由来する細胞(チャイニーズハムスター卵 巣細胞、および他の哺乳動物細胞)を含めた真核生物宿主細胞で、あるいは生き た動物(例えば、ニワトリ、ヤギ、ヒツジ)で発現させることができる。 クローニングおよび発現方法は当該分野でよく知られている。本発明のヒトD NアーゼI変異体を産生するのに用いるので有用な原核生物および真核生物宿主 細胞、ならびに発現ベクターは、例えば、Shak,PCT特許出願WO90/07572(1990年 7月12日公開)に開示されているものである。 原核生物細胞または実質的な細胞壁構築を含有する細胞を宿主として用い、D NAでの細胞のトランスフェクションの好ましい方法はCohenら,Proc.Natl.A cad.Sci.69:2110-2114(1972)によって記載されているカルシウム処理法または Chungら,Nuc.Acids.Res.16:3580(1988)のポリエチレングリコール法である 。酵母を宿主として用いるのならば、トランスフェクションは一般にHinnen,Pr oc .Natl.Acad.Sci. USA,75:1929-1933(1978)によって教示されているごとく ポリエチレングリコールを用いて達成される。哺乳動物細胞を宿主細胞として用 いるならば、トランスフェクションは一般にリン酸カルシウム沈殿法によって行 う。Grahamら,Virology,52:546(1978),Gormanら,DNA and Protein Eng.tec h.2:3-10(1990)。核注入、エレクトロポレーション、またはプロトプラスト融 合のごとき、DNAを原核生物細胞および真核生物細胞にDNAを導入する他の 公知の方法も本発明で用いるのに適する。 本発明で特に有用なのは、ヒトDNアーゼI変異体をコードするDNAの哺乳 動物細胞において一過性発現を供する発現ベクターである。一般に、一過性発現 は、宿主細胞が多コピーの発現ベクターを蓄積し、発現ベクターによってコード される高レベルの所望のポリペプチドのを合成するように、宿主細胞で効果的に 複製できる発現ベクターの使用を含む。適当な発現ベクターおよび宿所細胞より なる一過性発現系は、クローン化DNAによってコードされるポリペプチドの便 宜な陽性同定、ならびに所望の生物学的または生理学的特性につきかかるポリペ プチドの迅速なスクリーニングを可能とする。Wongら,Science 228:810-815(19 85); Leeら,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 82:4360-4364(1985); Yangら,Cell 4 7 :3-10(1986)。かくして、一過性発現系は、天然ヒトDNアーゼIよりも低い親 和性をもってアクチンに結合する変異体を同定するためのアッセイならびにDN A−加水分解活性を持つ変異体を測定するためのアッセイと組み合わせて、天然 ヒトDNアーゼIのアミノ酸配列変異体をコードするDNAを発現させるのに便 利に使用される。 ヒトDNアーゼI変異体は、好ましくは、それが発現される宿主細胞から分泌 させ、その場合、変異体は宿主細胞が増殖する培養培地から回収される。その場 合、無血清培地で細胞を増殖させるのが望ましいであろう。というのは、血清蛋 白質および他の血清成分の培地中での不存在は、変異体の精製を容易とするから である。もしそれが分泌されないならば、ヒトDNアーゼI変異体は宿主細胞の 溶解物から回収する。変異体がヒト起源のもの以外の宿主細胞で発現される場合 、該変異体はヒト起源の蛋白質は完全に含まない。とにかく、ヒトDNアーゼI 変異体の実質的に均質な調製物を得るためには、組換え細胞蛋白質から変異体を 精製する必要がある。治療的使用では、精製された変異体は、好ましくは、99 %より大きい純度であろう(すなわち、いずれの他の蛋白質も精製された組成物 中、1%未満の全蛋白質よりなるであろう)。 一般に、ヒトDNアーゼI変異体の精製は、それが会合するかも知れない汚染 物と比較して、変異体の異なる物理化学的特性を利用することによって達成され る。例えば、第1工程として、培養培地または宿主細胞溶解物を遠心して、粒状 細胞夾雑物を除去する。しかる後、例えば、硫酸アンモニウムもしくはエタノー ル沈殿、ゲル濾過(分子排除クロマトグラフィー)、イオン交換クロマトグラフ ィー、疎水性クロマトグラフィー、免疫親和性クロマトグラフィー(例えば、Se pharoseにカップリングさせた抗−ヒトDNアーゼI抗体を使用)、テンタクル( tentacle)カチオン交換クロマトグラフィー(Frenzら,PCT特許出願WO93/25670、 1993年12月23日)、逆相HPLCおよび/またはゲル電気泳動によって、ヒトD NアーゼI変異体を汚染可溶性蛋白質およびポリペプチドから精製する。 勿論、当業者ならば、天然ヒトDNアーゼIで用いる精製法はヒトDNアーゼ I変異体を精製するのに有用であって、天然および変異体蛋白質の間の構造的お よび他の差異を説明するためにはいくからの修飾が必要である。例えば、いくつ かの宿主細胞(特に細菌宿主細胞)では、ヒトDNアーゼI変異体は最初に不溶 性で会合した形態(当該分野では「屈折体」または「封入体」という)で発現さ せることができ、この場合、この精製の間にヒトDNアーゼI変異体を可溶化さ せ、復元させる必要があろう。組換え蛋白質屈折体を可溶化させ復元する方法は 当該分野で公知である(例えば、Builderら,米国特許第4,511,502号参照)。 本発明のもう1つの具体例において、ヒトDNアーゼI変異体は直接天然また は変異体ヒトDNアーゼI蛋白質において共有結合修飾をなすことによって調製 される。かかる修飾を施してアクチン結合または蛋白質のもう1つの特性(例え ば、安定性、生物学的半減期、免疫原性)に影響を与え、これは前記したアミノ 酸配列置換、挿入および欠失の代わりにまたはそれに加えてなすことができる。 共有結合修飾は天然または変異体ヒトDNアーゼIの標的化アミノ酸残基を、 選択されたアミノ酸側鎖またはN−もしくはC−末端残基と反応できる有機誘導 体化剤と反応させることによって導入できる。適当な誘導体化剤および方法は当 該分野でよく知られている。 例えば、システイニル残基は最も普通にはクロロ酢酸またはクロロアセトアミ ドのごときα−ハロアセテート(および対応するアミン)と反応させてカルボキ シメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を得る。また、システイニル残基 は、ブロモトリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プロ ピオン酸、リン酸クロロアセチル、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2− ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルスルフィド、p−クロロメルクリベ ンゾエート、2−クロロメルクリ−4−ニトロフェノールまたはクロロ−7−ニ トロベンソ−2−オキサ−1,3−ジアゾールとの反応によって誘導体化する。 ヒスチジル残基はpH5.5−7.0でのジエチルピロカルボネートとの反応に よって誘導体化する。何故ならば、この剤はヒスチジル側鎖に比較的特異的だか らである。パラ−ブロモフェナシルブロミドも有用である;反応は好ましくはp H6.0にて0.1Mカコジル酸ナトリウム中で行う。 リシニルおよびアミノ末端残基はコハク酸または他のカルボン酸無水物と反応 させる。これらの剤での誘導体化はリシニル残基の電荷を逆にする効果を有する 。α−アミノ含有残基を誘導体化するための他の適当な試薬はメチルピコリンイ ミデート、ピリドキサールホスフェート、ピリドキサール、クロロボロヒドライ ド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O−メチルイソ尿素、2,4−ペンタンジ オン、およびトランスアミナーゼ−触媒のグリオキシレートとの反応のごときイ ミドエステルを含む。アルギニル残基は1または数種の通常の試薬、とりわけ、 フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオ ン、およびニンヒドリンとの反応によって修飾される。アルギニン残基の誘導体 化は、グアニジン官能基の高いpKaのため該反応をアルカリ性条件下で行う必 要がある。さらに、これらの試薬はリシンの基ならびにアルギニンのイプシロン アミノ基と反応させることもできる。 カルボキシル側鎖基(アスパルチルまたはグルタミル)は、1−シクロヘキシ ル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル− 3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルフェニル)カルボジイミドのごときカル ボジイミド(R’−N=C=N−R’)(式中、RおよびR’は異なるアルキル 基)との反応によって選択的に修飾される。さらに、アスパルチルおよびグルタ ミル残基はアンモニウムイオンとの反応によってアスパラギニルおよびグルタミ ニル残基に変換される。 グリコシドの蛋白質のアミノ残基への共有結合カップリングを用いて、特にア クチン結合に関与する残基においてまたはそれに隣接して、炭水化物置換基の数 またはプロフィールを修飾しまたは増加させることができる。使用するカップリ ング様式に応じて、糖を(a)アルギニンおよびヒスチジン、(b)遊離カルボ キシル基、(c)システインのそれらのごとき遊離スルフヒドリル基、(d)セ リン、トレオニン、またはヒドロキシプロリンのそれらのごとき遊離ヒドロキシ ル基、(e)フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンのそれらのご とき芳香族残基、または(f)グルタミンのアミド基に結合させることができる 。適当な方法は、例えば、PCT特許出願WO87/05330(1987年9 月11日公開)、およびAplinら,CRC Crit.Rev.Biochem.,259-306頁(1981) に記載されている。 ポリエチレングリコール(PEG)またはヒト血清アルブミンのごとき剤のヒ トDNアーゼI変異体への共有結合は、他の蛋白質で観察されているごとく、変 異体の免疫原性および/または毒性を減じ、および/またはその半減期を延長す る。Abuchowskiら,J.Biol.Chem.252:3582-3586(1977); Poznanskyら,FEBS Letters 239:18-22(1988); Goodsonら,Biotechnology 8:343-346(1990); Katre ,J.Immunol.144:209-213(1990);Harris,Polyethylene Glycol Chemistry(Pl enum Press,1992)。加えて、アクチン結合に影響するアミノ酸残基におけるま たはそれに隣接して(すなわち、その約5個のアミノ酸残基内においての)これ らの剤による天然ヒトDNアーゼIまたはその変異体の修飾の結果、アクチン− 耐性変異体を得ることができる。 さらなる具体例において、ヒトDNアーゼIアクチン−耐性変異体は、DNア ーゼI変異体の脱アミドを低下させまたは妨げるために、天然ヒトDNアーゼI アミノ酸配列の74位で起こるAsn残基における突然変異(例えば、N74D 、N74KまたはN74S突然変異)を含むことができる。Frenzら,PCT特許出 願WO93/25670(1993年12月23日公開)。もう1つの例として、ヒトDNアーゼIア クチン−耐性変異体は、痰および他の生物学的物質に存在し得るプロテアーゼ( 例えば、好中球エステラーゼ)による分解に対する変異体の感受性を低下させる アミノ酸配列突然変異または他の共有結合修飾を含むことができる。 前記したごときヒトDNアーゼI変異体のDNA−加水分解活性およびアクチ ン−結合親和性は、当該分野で公知であるおよび本明細書に記載したアッセイお よび方法を用いて容易に決定される。(前記定義の)DNA−加水分解活性およ び低下したアクチンに対する結合親和性を有するいずれのかかる変異体も本発明 の範囲内にあるアクチン−耐性変異体である。 本発明のヒトDNアーゼIアクチン−耐性変異体は痰、粘液、または他の分泌 のごときDNA−含有物質の粘弾性を低下させるために用いられる。かかる変異 体は、異常粘性または濃厚分泌を有する肺病ならびに感染性肺炎、気管支炎また は気管気管支炎、気管支拡張症、嚢胞性線維症、喘息、結核および真菌類感染を 含めた急性もしくは慢性の肺病を持つ患者の治療で特に有用である。かかる治療 では、アクチン−耐性変異体の溶液または微粉砕乾燥調製物を、例えば、エアロ ゾル処理によって患者の気道(例えば、気管支)または肺に常法により注入する 。 また、アクチン−耐性変異体は蓄膿症、髄膜炎、膿瘍、腹膜炎、静脈洞炎、耳 炎、歯周炎、心膜炎、膵臓炎、胆石症、心内膜炎および敗血症性関節炎のごとき 疾患における膿瘍または重症の狭域感染の付加的治療ならびに皮膚および/また は粘膜、外科的負傷、潰瘍性病巣および火傷の感染病巣のごとき種々の炎症およ び感染病巣の局所治療でも有用である。アクチン−耐性変異体はかかる感染の治 療の治療で用いられる抗体の効率を改良できる(例えば、ゲンタマイシン活性は 無傷DNAに対する可逆的結合によって顕著に低下する)。 また、天然ヒトDNアーゼIおよびそのアクチン−耐性変異体は全身性エリテ マトーデス(SLE)、種々の自己抗体の産生によって特徴付けられる生命を脅 かす自己免疫疾患の治療でも有用であり得る。DNAは免疫合併症の主要な抗原 成分である。この場合には、ヒトDNアーゼI(天然または変異体)は、例えば 、罹病患者への静脈内、皮下、鞘内、または筋肉内投与によって全身投与できる 。 また、天然ヒトDNアーゼIおよびそのアクタン−耐性変異体は、嚢胞性線維 症、慢性気管支炎、喘息、肺炎または他の肺病を有する患者、またはその呼吸が 通気器または他の機械的デバイスによって助力される患者、または呼吸器系感染 の発生の危険がある他の患者、例えば手術後患者で起こり得るごとき、呼吸器系 感染の新しい発生および/または悪化を防止するのにも有用であり得る。 アクチン−耐性変異体は公知の方法に従って処方して治療上有用な組成物を調 製することができる。好ましい治療組成物は緩衝化または非緩衝化水溶液中のア クチン−耐性変異体の溶液、好ましくはpH7の1.0mM塩化カルシウムを含 有する150mM塩化ナトリウムのごとき等張塩溶液である。これらの溶液は罹 患患者の気道または肺に直接投与するのに有用なジェット噴霧器および超音波噴 霧器を含めた商業的に入手可能な噴霧器で用いるのに特に適合する。 もう1つの具体例において、治療組成物は、実質的には同時係属米国特許出願 第08/206,020号(1994年3月4日出願)に記載されているアクチ ン−耐性変異体の溶液のスプレイ−乾燥によって好ましくは調製されたアクチン −耐性変異体の乾燥粉末よりなる。 さらなる具体例において、治療組成物はヒトDNアーゼIのアクチン−耐性変 異体を活性に産生する細胞よりなる。かかる細胞は患者の組織に直接導入するこ とができるか、あるいは多孔性膜内にカプセル化でき、次いで、これを患者に移 植することができ、いずれの場合においても、増大した濃度のDNA−加水分解 活性が必要な患者の体内の領域へのアクチン−耐性変異体の送達を提供する。例 えば、ヒトDNアーゼIのアクチン−耐性変異体をコードするDNAで患者自身 の細胞がイン・ビボまたはエクス・ビボにて形質転換され得、従って、患者内で 直接DNアーゼIを産生させるのに使用される。 治療上有効量のアクチン−耐性ヒトDNアーゼI変異体は、例えば、処理すべ き物質中のDNAおよびアクチンの量、治療対象、投与経路、および患者の状態 に依存するであろう。従って、治療者が用量を力価測定し、最適治療効果を得る のに必要な投与経路を修飾することが必要であろう。天然ヒトDNアーゼIに対 するアクチンの存在下におけるアクチンに対するその低下した結合親和性および その結果増大したDNA−加水分解活性に鑑みると、治療効果を達成するのに要 するアクチン−耐性変異体の量は、同一条件下で同一効果を達成するのに必要な 天然ヒトDNアーゼIの量よりも低いであろう。一般に、アクチン耐性変異体の 治療上有効量は、本明細書に記載した医薬組成物内にて投与される、患者の体重 1kg当たり約0.1μgないし約5mgの変異体の投与量であろう。 アクチン−耐性DNアーゼI変異体は、所望により、抗生物質、気管支拡張剤 、抗炎症剤、粘液溶解剤(例えば、n−アセチル−システイン)、アクチン結合 またはアクチン切断蛋白質(例えば、ゲルソリン;Matsudariaら,Cell 54:139- 140(1988); Stosselら,PCT特許出願WO94/22465(1994年10月13日公開)、プロテ アーゼ阻害剤、または遺伝子治療製品(例えば、嚢胞性線維症経膜コンダクタン ス調節剤(CFTR)遺伝子、Riordanら,Science 245:1066-1073(1989))のご とき、前記リストの疾患を治療するのに用いる1以上の他の薬理剤と組み合わせ るかまたはそれと共に投与することもできる。 以下の実施例は例示のためのみに供し、断じて本発明を限定する意図のもので はない。本明細書で引用した全ての特許および文献は明示的に本明細書の一部と みなす。 実施例1 ヒトDNアーゼIの突然変異誘発 Chungら(Nuc.Acids Res.16:3580(1988)の方法を用いて、イー・コリ(E.co li)株CJ236(BioRad Laboratories,リッチモンド,カリフォルニア州米国 )をプラスミドpRK.DNアーゼ3.で形質転換した。本発明を作成するのに 用いたプラスミドpRK.DNアーゼ3.は、ヒトDNアーゼIをコードする核 酸配列が図1に示したものである以外はPCT特許出願WO90/07572( 1990年7月12日公開)に記載された通りである。形質転換細胞を50μg /mlカルベニシリンを含有するLB寒天プレート上に置き、37℃で一晩増殖 させた。50μg/mlカルベニシリンおよび10μl VCSM13ヘルパー ファージ(Stratagene,La Jolla,カリフォルニア州米国)を含有する2YTブ ロス(5ml)を寒天プレートからの個々のコロニーで接種し、撹拌しつつ37 ℃で一晩 増殖させた。一本鎖DNAをこの培養から単離し、引き続いての突然変異誘発用 の鋳型として用いた。 部位特異的突然変異誘発はKunkelら(Meth.Enzymol.154:367-382(1987)の方 法に従って合成オリゴヌクレオチドを用いて達成された。突然変異原オリゴヌク レオチドは誤対合コドンの5’側の9または12の正確な塩基対合および誤対合 コドンの3’側の9つの正確な塩基対合を有する21−量体または24−量体で あった。突然変異誘発に続き、個々のクローンからの一本鎖DNAをジデオキシ 配列決定(Sangerら,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 74:5463-5467(1977))に付した 。次いで、変異体ヌクレオチド配列を有するDNAを前記したごとくにイー・コ リ株XL1BlueMRF’(Stratagene)に形質転換した。平板培養および前記 単一コロニー単離の後、個々のコロニーを用いて50μg/mlカルベニシリン を含有する0.5リットルLBブロスを接種した。撹拌しつつの37℃における 一晩の増殖に続き、細胞を遠心によって収穫し、Qiagenチップ−500カ ラム(Qiagen Inc.,Chatsworth,カリフォルニア州米国)を用いて変異体DNA (発現ベクター中)を精製した。 図2−6は作成された異なるヒトDNアーゼI変異体を示す。図においておよ び明細書を通じて、DNアーゼIに存在するアミノ酸置換突然変異の表示は最初 のアルファベット文字、数および第2のアルファベット文字により省略する。最 初のアルファベット文字は天然(野生型)ヒト成熟DNアーゼIにおけるアミノ 酸残基の1文字省略であり、数字は天然ヒト成熟DNアーゼIにおけるその残基 の位置を示し(図1に示すナンバリング)、および第2のアルファベット文字は 変異体DNアーゼIにおけるその位置におけるアミノ酸残基の1文字省略である 。例えば、D53R突然変異を有するDNアーゼI変異体において、天然ヒト成 熟DNアーゼIにおける53位のアスパラギン酸(D)残基はアスパラギン(R )残基によって置き換えられている。単一変異体における複数突然変異は同様に 表示され、変異体に存在する異なる突然変異の各々をコロン(:)で離す。例え ば、表示D53R:Y65Aは変異体がD53R突然変異およびY65A突然変 異を有することを示す。 実施例2 ヒトDNアーゼ変異体の発現 ヒト胚性腎臓293細胞(ATCCCRL 1573,American Type Culture Collection,Rockville,メリーランド州米国)を、150mmプラスチック製 ペトリ皿を含有する血清中で増殖させた。リン酸カルシウム法(Gormanら,DNA and Protein Eng.Tech.2:3-10(1990))を用い、対数相細胞を22.5μgの精 製変異体DNA(前記のごとく調製)および17μgアデノウイルスDNAで一 過的に共トランスフェクトした。トランスフェクション16時間後に、細胞を1 5mlのリン酸緩衝化生理食塩水で洗浄し、培地を無血清培地に変えた。1回目 は無血清培地変更から24時間または72時間後に、最後は96時間後に細胞培 養培地の2回の収穫を各プレートから採った。DNアーゼI変異体を含有する合 計ほぼ50mlの細胞培養上清をこのようにして得た。各プレートから収集した 培養上清のプールを、Centriprep10濃縮器で5ないし50倍濃縮し、濃縮物を アッセイして、DNアーゼI変異体の種々の生化学的および生物学的活性を測定 した。 293細胞をプラスミドpRK.DNアーゼ.3.で一過的にトランスフェクト した以外は前記したのと同一の手法によって、天然ヒトDNアーゼを含有する濃 縮物を調製した。 実施例3 ヒトDNアーゼI変異体の生化学的および生物学的活性 I.相対的特異的活性 DNアーゼI変異体の相対的特異的活性は2つの異なるアッセイにおいて変異 体の活性を天然ヒトDNアーゼIのそれと比較することによって評価した。特に 、変異体の相対的特異的活性はメチルグリーン活性で測定した変異体の濃度(μg /mlで表す)(Sinicropiら,Anal.Biochem.222:351--358(1994); Kurmick,Arch .Biochem.29:41-53(1950))をDNアーゼI ELISAアッセイ(後記)で測 定した変異体(μg/ml)の濃度で割ったものと定義される。メチルグリーン 活性アッセイおよびDNアーゼI ELISAアッセイ双方において、Pulm ozymeRヒトDNアーゼIを用いて標準曲線を決定した。天然ヒトDNアー ゼI および変異体の相対的特異的活性を図2に示す。 メチルグリーン活性アッセイ(Sinicropiら,Anal.Biochem.222:351-358(199 4); Kurnick,Arch.Biochem.29:41-53(1950))はメチルグリーン色素を利用し、 これはDNAにおいてほぼ10塩基毎にインターカレートし、その結果緑色の基 質が得られる。DNAがDNアーゼIによって切断されるので、メチルグリーン 色素は放出され、無色形態まで酸化される。かくして、緑色の喪失はアッセイ試 料に添加されたDNアーゼIの量に比例する。次いで、アッセイで存在するDN アーゼIの量は既知量のDNアーゼIをアッセイすることによって調製された標 準曲線との比較によって定量される。 DNアーゼI ELISAアッセイはマイクロタイタープレートをヤギ抗−D NアーゼIポリクローナル抗体で被覆し、アッセイすべき試料を添加し、ホース ラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)にコンジュゲートされたウサギ抗−D NアーゼIポリクローナル抗体とのいずれの得られた結合DNアーゼIも検出す ることを含む。HRP基質および色発色剤を添加すると、色発生は試料に存在す るDNアーゼIの量に比例する。次いで、既知量のDNアーゼIをアッセイする ことによって調製された標準曲線との比較によって、アッセイに存在するDNア ーゼIの量を定量する。 両アッセイにおいて、試料の複数希釈をアッセイし、標準曲線の中央範囲に入 る値を平均し、標準偏差を計算した。 また、DNアーゼI ELISAによって測定したDNアーゼI濃度を用いて 、DNアーゼI変異体を特徴付けた他のアッセイ(例えば、後記するアクチンに よる阻害のアッセイ)においてDNアーゼI濃度を標準化した。 II.DNアーゼI加水分解活性のアクチン阻害 G−アクチン(Kabshら,Ann.Rev.Biophys.Biomol.Struct.21:49-76(1992 ))は、商業的に入手可能なアクチン(Sigma,セントルイス,ミズリー州米国)の 1mg/ml溶液を4℃にて5mM HEPES,pH7.2、0.2mM Ca Cl2、0.5mM ATP、0.5mM β−メルカプトエタノールに対して一 晩透析することによって、使用する前の10日以内に調製した。13,000× gにおける5分間の遠心の後、290nmにおける吸光度を測定することによっ てG −アクチンの量を定量し;1mg/ml溶液は0.66ODの吸光度を有する。 完全ではないが実質的に(>50%阻害)に天然ヒトDNアーゼIのDNA−加 水分解活性を阻害するのに要するG−アクチン調製の量を各アッセイで用いた同 一条件下での予備実験で測定した。 アクチン阻害に対する感度は、2つの異なるアッセイ、前記したメチルグリー ンアッセイおよびDNAの変性および脱重合に際しての260nmにおける吸光 度の増加に基づく光吸収増加アッセイ(Kunitz,J.Gen.Physiol.33:349-362(1 950); Kunitz,J.Gen.Physiol.33:363-377(1950))いずれかににおいて、アク チンの存在下および不存在下で変異体のDNA−加水分解活性を測定することに よって評価した。これらのアッセイにおいて選択されたパーセント阻害を図3お よび4に示す。 光吸収増加アッセイにおいて、合計アッセイ容量1.0ml中の40μgDN Aを含有するキュベットに添加する前に、濃縮された培養上清(前記したように 調製、DNアーゼI変異体を含有)を、緩衝液A(25mM HEPES、pH 7.5 CaCl2、4mM MgCl2、4mM MgCl2、0.1%BSA) 中の2−ないし3−倍モル過剰のアクチンと共にまたはそれを添加せずに室温に て1時間インキュベートした。アッセイにおけるDNアーゼI変異体の最終濃度 はDNアーゼI ELISAによって測定して、ほぼ26nMであった。アクチ ンの存在下および不存在下におけるDNアーゼI変異体によるDNA加水分解の 速度を測定した。図3および4に示すパーセント活性は、アクチンの不存在下に おけるDNA−加水分解活性に対するアクチンの存在下におけるヒトDNアーゼ I(天然または変異体)のDNA加水分解活性の比を決定し、100を乗じるこ とによって計算した。 メチルグリーンアッセイにおいて、(前記したごとく調製し、DNアーゼI変 異体を含有する)濃縮された培養上清を緩衝液B(25mM HEPES、pH 7.5、4mM CaCl2、4mM MgCl2、0.1%BSA、0.01%チ メロソール、および0.05%Tween 20)中の1000−倍モル過剰のアクチンと 共にまたはそれを添加せずに37℃で16時間インキュベートした。各場合にお ける活性酵素の濃度は、PulmozymeRの標準曲線との比較によって評価した。変異 体 の「パーセント活性」残存とは、アクチンの不存在下における活性に対するアク チンの存在下における活性の比を100倍したものをいう。 図3および4に示されるように、天然ヒトDNアーゼのDNA−加水分解活性 はアクチンの存在下で実質的に低下する。比較することにより、天然ヒトDNア ーゼの種々の単一および複数残基変異体は、天然ヒトDNアーゼよりもアクチン の存在下におけるより高いDNA−加水分解活性を有することによって示される ごとく、アクチンの阻害に対して比較的耐性である。 III.アクチン結合ELISA マイクロタイターをベースとするアッセイを開発して、アクチンを固定化する 天然ヒトDNアーゼIおよびDNアーゼI変異体の結合を測定した。まず、Maxi Sorpプレート(Nunc.,Inc.,Naperville,イリノイ州,米国)のウエルを、25 mM HEPES、4mM MgCl2、4mM CaCl2、pH7.2中10μ g/mlの濃度にて、ヒトGCグロブリン(Calbiochem.,La Jolla,カリフォル ニア州,米国)、アクチン結合蛋白質(Goldschmidt-Clermontら,Biochem.J.22 8 :471-477(1985),McLeodら,J.Biol.Chem.264:1260-1267(1989)、Houmeida ら,Eur.J.Biochem.203:499-503(1992))ウェル当たり100μlで4℃にて 16−24時間被覆した。GCグロブリンを捨てた後、ウェル当たり200μl の緩衝液C(緩衝液Cは0.5mMアデノシン三リン酸を添加した前記緩衝液B に同じ;緩衝液Cは特に断りのない限りすべての引き続いての工程でアッセイ希 釈剤として使用した)を添加し、室温で1−2時間振盪器上でプレートをインキ ュベートすることによって過剰の反応性部位をブロックした。続いて行った各イ ンキュベーション工程はMini Orbital Shaker(Bello Biotechnology,Vineland ,ニュージャージー州,米国)上にて室温で1時間行い;各工程の間に、プレート を空にし、Microwasher II プレート洗浄器(Skatron A/S,Norway)にて、0.0 5%Tween 20を含有するリン酸緩衝液生理食塩水で6回洗浄した。次に、前記し たごとくに調製したG−アクチンを緩衝液C中、50μg/mlまで希釈し、1 00μlを各ウェルに添加した;プレートをインキュベートし、洗浄し、Pulmoz ymeRの種々の希釈および天然ヒトDNアーゼIまたはその変異体を含有する細胞 培養培地をウェルに添加し、プレートをインキュベートし、洗浄した。最後に、 抗− ヒトDNアーゼIウサギポリクローナル抗体−ホースラディッシュペルオキシダ ーゼコンジュゲート(オリジナルのストック濃度は465μg/mlであった) の1/25,000希釈の100μlを各ウェルに添加した。インキュベーショ ンおよび洗浄の後、ウェル当たり100μlの色発色試薬(Sigma Fast 製造業 者の推奨に従って可溶化させたo−フェニレンジアミンおよび尿素/H22錠剤 )の添加によって色発色を開始させ、ウェル当たり100μlの4.5N H2S O4の添加によって停止させた。492nmにおける吸光度を記録し、元来ウェ ルに添加したDNアーゼIの濃度に対してプロットした。天然ヒトDNアーゼI およびアクチンに結合した変異体につきS字状曲線が得られた;これらの曲線は 、非線形回帰分析(Marquardt,J.Soc.Indust.Appl.Math.11:431-441(1963 ))によって4つのパラメーターの方程式に適合し;アッセイにおいて半最大シ グナルを与えるのに必要な各DNアーゼI(天然または変異体)の濃度は曲線か ら計算し、これをEC50値という。天然ヒトDNアーゼIおよび変異体の分子量 は37,000ダルトンであると見積もられた。 各ヒトDNアーゼI変異体の相対的結合親和性は、変異体のEC50値をELI SAアッセイで測定した天然ヒトDNアーゼIのEC50値で割ることによって計 算し、結果を図5に示す。例として、もしヒトDNアーゼI変異体の相対的結合 アッセイは5であると計算されれば、この値は変異体についてのEC50値が天然 ヒトDNアーゼのEC50値よりも5倍大きい、あるいは換言すれば、変異体はこ のELISAアッセイにおいてアクチンに対して天然ヒトDNアーゼIの親和性 よりも5−倍小さいことを示す。 IV.痰圧縮アッセイ 痰圧縮アッセイ(PCT出願WO94/10567、1994年5月11日公開)を用いて 、天然ヒトDNアーゼIおよび異なるDNアーゼI変異体と共に行ったインキュ ベーションの前後に、嚢胞性線維症患者からの痰(「CF痰」)の相対的粘弾性 を測定した。CF痰をDNアーゼI試料と混合し、室温で20分間インキュベー した後、半固体溶液を毛細管に負荷し、次いで、これを12,000rpmで2 0分間遠心した。遠心に続き、ペレットの高さを測定し、溶液+ペレットの高さ と比較した。次いで、これらの測定を用いて痰のパーセント圧縮を計算し、これ は痰 の粘弾性と相関する。 天然ヒトDNアーゼIおよびヒトDNアーゼIアクチン−耐性変異体でのCF 痰の処理に際して測定されたパーセント圧縮を図6に示す。これらの結果はヒト DNアーゼIアクチン−耐性変異体が、圧縮アッセイによって測定して、CF痰 の粘弾性の低下において天然ヒトDNアーゼIよりも効果的であることを示す。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1997年4月28日 【補正内容】 請求の範囲 1.DNA加水分解活性、及び天然ヒトDNアーゼIのアクチンに対する結合 親和性より小さな結合親和性を有するヒトDNアーゼI変異体。 2.天然ヒトDNアーゼIの結合親和性よりも少なくとも5倍小さいアクチン に対する結合親和性を有する請求項1記載の変異体。 3.天然ヒトDNアーゼIの結合親和性よりも少なくとも100倍小さいアク チンに対する結合親和性を有する請求項1記載の変異体。 4.図1に示した天然ヒトDNアーゼIのアミノ酸配列と少なくとも90%の 相同性を有するアミノ酸配列よりなる請求項1記載の変異体。 5.図1に示した天然ヒトDNアーゼIのアミノ酸配列と少なくとも95%の 相同性を有するアミノ酸配列よりなる請求項1記載の変異体。 6.図1の配列内の単一位置のみにおいて一のアミノ酸が他のアミノ酸に置換 されることより図1に示したアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するDN A加水分解活性、及び天然ヒトDNアーゼIのアクチンに対する結合親和性より 小さな結合親和性を有するヒトDNアーゼI変異体。 7.アミノ酸置換が天然ヒトDNアーゼIに存在しないグリコシル化部位を変 異体内に生成する請求項6記載の変異体。 8.アミノ酸置換が図1に示したアミノ酸配列内で以下の位置:His44、 Leu45、Val48、Gly49、Leu52、Asp53、Asn56、 His64、Tyr65、Val66、Val67、Glu69またはAla1 14のうちの1つにおけるものである請求項6記載の変異体。 9.図1の配列内の2以上の位置において一のアミノ酸が他のアミノ酸に置換 されることにより図1に示したアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するD NA加水分解活性、及び天然ヒトDNアーゼIのアクチンに対する結合親和性よ り小さな結合親和性を有するヒトDNアーゼI変異体。 10.アミノ酸置換の少なくとも1つが図1に示したアミノ酸配列内で以下の 位置:His44、Leu45、Val48、Gly49、Leu52、Asp 53、Asn56、His64、Tyr65、Val66、Val67、Glu 69、またはAla114のうちの1つにおいてなされた請求項9記載の変異体 。 11.アミノ酸置換の少なくとも1つが天然ヒトDNアーゼIに存在しないグ リコシル化部位を変異体内に生成する請求項9記載の変異体。 12.DNA加水分解活性、及び天然ヒトDNアーゼIのアクチンに対する結 合親和性より小さな結合親和性を有するヒトDNアーゼI変異体をコードする単 離された核酸。 13.図1に示した天然ヒトDNアーゼのアミノ酸配列内に少なくとも90% の相同性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む請求項12 記載の核酸。 14.図1に示した天然ヒトDNアーゼのアミノ酸配列内に少なくとも95% の相同性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む請求項12 記載の核酸。 15.図1の配列内の単一位置のみにおいて一のアミノ酸が他のアミノ酸に置 換されることにより図1に示したアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列をコード するヌクレオチド配列を含む請求項12記載の核酸。 16.図1の配列内の少なくとも2つの位置において一のアミノ酸が他のアミ ノ酸に置換されることにより図1に示したアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列 をコードするヌクレオチド配列を含む請求項12記載の核酸。 17.治療上有効量の、DNA加水分解活性、及び天然ヒトDNアーゼIのア クチンに対する結合親和性より小さな結合親和性を有するヒトDNアーゼI変異 体を患者に投与することからなる肺の疾患または障害を有する患者を治療する方 法。 18.該疾患または障害が嚢胞性線維症である請求項17記載の方法。 19.該疾患または障害が慢性気管支炎である請求項17記載の方法。 20.DNA加水分解活性、及び天然ヒトDNアーゼIのアクチンに対する結 合親和性より小さな結合親和性を有するヒトDNアーゼI変異体、および任意に 医薬上許容される賦形剤を含んでなる医薬組成物。 21.該組成物が液状形態である請求項20記載の組成物。 22.該組成物が粉末形態である請求項21記載の組成物。 23.DNA加水分解活性、及び天然ヒトDNアーゼIのアクチンに対する結 合親和性より小さな結合親和性を有し、かつ、嚢胞性線維症患者の痰の粘弾性を 低減することのできるヒトDNアーゼI変異体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ウルマー,ジャナ エス アメリカ合衆国 カリフォルニア 94903 サンラファエル キーストーン コート 346

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトDNアーゼIアクチン−耐性変異体 2.天然ヒトDNアーゼIの結合親和性よりも少なくとも5倍小さいアクチン に対する結合親和性を有する請求項1記載の変異体。 3.天然ヒトDNアーゼIの結合親和性よりも少なくとも100倍小さいアク チンに対する結合親和性を有する請求項1記載の変異体。 4.図1に示した天然ヒトDNアーゼIのアミノ酸配列と少なくとも90%の 相同性を有するアミノ酸配列よりなる請求項1記載の変異体。 5.図1に示した天然ヒトDNアーゼIのアミノ酸配列と少なくとも95%の 相同性を有するアミノ酸配列よりなる請求項1記載の変異体。 6.図1の配列内の単一位置のみにおいて一のアミノ酸が他のアミノ酸に置換 されることより図1に示したアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するヒト DNアーゼIアクチン−耐性変異体。 7.アミノ酸置換が天然ヒトDNアーゼIに存在しないグリコシル化部位を変 異体内に生成する請求項6記載の変異体。 8.アミノ酸置換が図1に示したアミノ酸配列内で以下の位置:His44、 Leu45、Val48、Gly49、Leu52、Asp53、Asn56、 His64、Tyr65、Val66、Val67、Glu69またはAla1 14のうちの1つにおけるものである請求項6記載の変異体。 9.図1の配列内の2以上の位置において一のアミノ酸が他のアミノ酸に置換 されることにより図1に示したアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するヒ トDNアーゼIアクチン−耐性変異体。 10.アミノ酸置換の少なくとも1つが図1に示したアミノ酸配列内で以下の 位置:His44、Leu45、Val48、Gly49、Leu52、Asp 53、Asn56、His64、Tyr65、Val66、Val67、Glu 69、またはAla114のうちの1つにおいてなされた請求項9記載の変異体 。 11.アミノ酸置換の少なくとも1つが天然ヒトDNアーゼIに存在しないグ リコシル化部位を変異体内に生成する請求項9記載の変異体。 12.ヒトDNアーゼIアクチン−耐性変異体をコードする単離された核酸。 13.図1に示した天然ヒトDNアーゼのアミノ酸配列内に少なくとも90% の相同性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む請求項12 記載の核酸。 14.図1に示した天然ヒトDNアーゼのアミノ酸配列内に少なくとも95% の相同性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む請求項12 記載の核酸。 15.図1の配列内の単一位置のみにおいて一のアミノ酸が他のアミノ酸に置 換されることにより図1に示したアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列をコード するヌクレオチド配列を含む請求項12記載の核酸。 16.図1の配列内の少なくとも2つの位置において一のアミノ酸が他のアミ ノ酸に置換されることにより図1に示したアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列 をコードするヌクレオチド配列を含む請求項12記載の核酸。 17.治療上有効量のヒトDNアーゼIのアクチン−耐性変異体を患者に投与 することからなる肺の疾患または障害を有する患者を治療する方法。 18.該疾患または障害が嚢胞性線維症である請求項17記載の方法。 19.該疾患または障害が慢性気管支炎である請求項17記載の方法。 20.ヒトDNアーゼIのアクチン−耐性変異体および任意に医薬上許容され る賦形剤を含んでなる医薬組成物。 21.該組成物が液状形態である請求項20記載の組成物。 22.該組成物が粉末形態である請求項21記載の組成物。
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