JPH11503796A - 軽量引裂抵抗布 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 強化糸の引張強度がバックグラウンド布の糸の引張強度の約２倍でありそして強化糸の伸びがバックグラウンド布の糸の少なくとも２倍であるように選ばれた、バックグラウンド布と強化糸を有する軽量引裂抵抗布が記載されている。得られる強化された布は、エルメンドルフ試験により測定して、バックグラウンド布よりも少なくとも５０％大きい引裂抵抗を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 軽量引裂抵抗布発明の背景 軽量の引裂抵抗性、耐水性布は、テント、防水シート（ｔａｒｐｓ）、日除け （ａｗｎｉｎｇｓ）及び船舶カバー（ｍａｒｉｎｅ ｃｏｖｅｒｉｎｇｓ）を包 含する多くの最終用途に望まれる。しかしこのような布はこれらの用途に限定は されない。水分バリヤーを達成するために、布は従来は非常に目のつんだ状態に 織られるか（ｔｉｇｈｔｌｙ ｗｏｖｅｎ）又は耐水性樹脂でコーティングされ ていた。いずれの場合も、布の構造及び個々の糸は固定され、そして引裂強度は 減少し、特定の用途に望まれる布よりも重いものを使用することを必要とする。 コーティングされそして目のつんだ状態に織られた布は、重くて、使用及び保存 するのが難しいのみならず、特に布を折りたたんだしわに沿って引裂きが起こる 。 耐水性に加えて、布の他の性質は重要であり、そして布を織る繊維の適正な選 択及び追加の処理により達成することができる。例えば、或る種のテント、防水 シート、日除けなどに使用される布を、主として綿である混合物（ｂｌｅｎｄ） から製造することは望ましい。何故ならば、綿布は熱にさらされると、黒焦げに なり、溶融しないからである。難燃性添加剤をこれらの布に処理としてしばしば 添加して、それらの安全性を高める。 テント、防水シート、日除け及び船舶カバーのような用途に使用される布では 、引裂に対する抵抗は重要な性質である。このような布の引裂強度を高めようと する従来の試みでは、ｐ−アラミドのような高い強度 の強化繊維（ｒｅｉｎｆｏｒｃｉｎｇ ｆｉｂｅｒｓ）、特にポリ（ｐ−フェニ レンテレフタルアミド）、ＰＰＤ−Ｔの繊維からの糸を、布の構造に組込んで、 例えば特公昭６２−２６９００公報に記載のように引裂強度を改良した。この特 公昭６２−２６９００公報は、少なくとも７０％がｐ−アラミドでありそして少 なくとも１５ｇｐｄの引張強度又は強化されるべき布の糸の引張強度の２倍より 大きい引張強度を有する芳香族ポリアミド糸１〜４０％の使用を開示している。 ＰＰＤ−Ｔの糸のような高い強度の糸を使用してすら、十分な引裂抵抗を達成す るには２〜５本の隣接した糸が必要であることを特公昭６２−２６９００公報は 開示している。 繊維の強度を改良する別の方法は、ｐ−アラミド短繊維と、綿のような天然短 繊維又は、例えば、米国特許第４，９４１，８８４号又は第４，９００，６１３ 号に開示されているようなナイロン又はポリエステルのような合成短繊維とのよ く混じった混合物（ｉｎｔｉｍａｔｅ ｂｌｅｎｄ）を製造することであった。 これらの文献は、引裂強度の最善の増加は、ｐ−アラミド糸のような低い破断点 伸びを有する最大の強度の強化糸（ｒｅｉｎｆｏｒｃｉｎｇ ｙａｒｎ）を使用 することにより得られるはずであるということを仮定している。 布の引裂抵抗を強化する別の方法は、英国特許第２，０２５，７８９号に開示 されており、この英国特許第２，０２５，７８９号では、コーティングされた布 の織りのバックグラウンド糸の強度よりも高い強度及びバックグラウンド布の伸 びより低い伸びを有する単一の糸又は糸の群として糸（ｅｎｄｓ）を組み込むこ とにより、コーティングされた布の引裂強度及び引裂抵抗が改良される。英国と して第２，０２５，７８９ 号は、強化糸のより低い伸びは、バックグラウンド布の糸に応力が作用する前に 、より強い強化糸が応力を取り除く（ｔａｋｅ ｕｐ）ことを可能とすることに より、引裂抵抗改良を達成するための要件であると主張している。 発明の要約 本発明は、バックグラウンド布と、匹敵するデニールのメタ−アラミド強化連 続フイラメント糸（ｍｅｔａ−ａｒａｍｉｄ ｒｅｉｎｆｏｒｃｉｎｇ ｃｏｎ ｔｉｎｕｏｕｓ ｆｉｌａｍｅｎｔ ｙａｒｎ）を含んで成る軽量引裂抵抗布（ ｌｉｇｈｔ ｗｅｉｇｈｔ ｔｅａｒ ｒｅｓｉｓｔａｎｔ ｆａｂｒｉｃ）を 提供する。メタ−アラミド強化糸は、バックグラウンド布の糸の伸びの２倍より 大きい、好ましくは３倍より大きい伸びを有し、そしてバックグラウンド布の糸 の引張強度の約２倍であるが少なくとも１．５倍の引張強度を有する。強化糸は 、バックグラウンド布のインチ（２．５４ｃｍ）当たり少ない百分率の本数の糸 を強化糸で置き換えることにより、織られた又は編まれたバックグラウンド布に 導入されうる。 インチ（２．５４ｃ）当たりの強化糸の本数が、バックグラウンド布のインチ （２．５４ｃ）当たりの糸の本数の３〜５％であるような、バックグラウンド布 のたて糸及びよこ糸に取って替わる強化糸を有する強化された布（ｒｅｉｎｆｏ ｒｃｅｄ ｆａｂｒｉｃ）を織るのが好ましい。バックグラウンド布の糸は、た て糸方向及びよこ糸方向の各々において強化糸により取り替えられる。得られる 強化された布は、エルメンドルフ引裂強度（ＡＳＴＭ Ｄ１４２４）により測定 して、バックグラウンド布よりも少なくとも５０％強い。強化された布は、防炎 性及び耐水性 にするとともに、強化していないバックグラウンド布の引裂強度に勝るこの引裂 強度の利点を保持するように、当業者によって処理されうる。 図面の簡単な説明 第１図は、バックグラウンド布の織りパターンを示す。 第２図は、本発明の強化された布を示す。強化糸は、たて糸方向（ｗａｒｐ ｄｉｒｅｃｔｉｏｎ）及びよこ糸方向（ｆｉｌｌ ｄｉｒｅｃｔｉｏｎ）におい て、バックグラウンド布に織り込まれて、バックグラウンド布の糸に取って替わ る。 本発明の詳細な説明 図面を参照して本発明の詳細な性質を最善に説明する。第１図は、典型的なバ ックグラウンド布を示す。水平の長点線を含むブロックはたて糸を表す。垂直な 実線を含むブロックはよこ糸を表す。この場合に、それは５ハーネス朱子（ｆｉ ｖｅ ｈａｒｎｅｓｓ ｓａｔｉｎ）として知られた織り方であるが、バックグ ラウンド布は、編布及び織布を含めて、目的とする用途に適切且つ実際的ないか なる構造であってもよい。 第１図に示されたような５ハーネス朱子（ｆｉｖｅ ｈａｒｎｅｓｓ ｓａｔ ｉｎ）が好ましい。何故ならば、それは、既に良好な強度を有しておりそして軽 量の高度に役立つことができる布を与えるように強化されうる織り方であるから である。このような織り方は、耐水性及び防炎性とするために効果的に処理する ことができる。 本発明の強化された布を第２図に示す。水平の長点線を含むブロックは、バッ クグラウンド布のたて糸を表す。斜線を含むブロックは、強化糸の位置を示す。 垂直な実線を含むブロックは、バックグラウンド布のよこ糸を表す。これは、こ の場合には、バックグラウンド布の１０番目 毎のたて糸及びよこ糸が１本（ｓｉｎｇｌｅ ｅｎｄ）の強化糸により取り替え られていることを除いては、第１図のバックグラウンド布と同じ５ハーネス朱子 織（ｆｉｖｅ ｈａｒｎｅｓｓ ｓａｔｉｎ ｗｅａｖｅ）である。 取り替えは、他の糸を１つの糸で置き換えることを普通は意味する。本発明の 強化糸の場合には、取り替えは、バックグラウンド布の織りパターン又は編みパ ターンに強化糸を加えることができるという意味も包含する。 この簡単な取り替えは、エルメンドルフ引裂強度試験により測定して、バック グラウンド布の引裂強度より少なくとも５０％大きい引裂強度を、強化された布 に与える。強化された布の引裂強度の得られる増加は、先行技術に教示されたよ うにｐ−アラミド糸を使用することにより達成されるのと同じ大きさであるが、 本発明の強化糸は、ポリ（ｍ−フェニレンイソフタルアミド）ＭＰＤ−Ｉのよう なｍ−アラミドであり、その引張強度は、強化されるバックグラウンド糸の引張 強度の約２倍に過ぎず、そして先行技術の強化糸に必要な最小強度として教示さ れている１５ｇｐｄの１／３にすぎない。 本発明に従ってバックグラウンド布を強化する際に、強化糸の伸びは強化糸の いくらかの限定された運動を許容し、その結果強化糸は最も高い応力の点で一団 に成り（ｂｕｎｃｈ ｕｐ）そして引裂に対する抵抗を与えると思われる。布の 強化のためには、強化糸は、バックグラウンド布のインチ（２．５４ｃｍ）当た りの糸の総数の少なくとも３％の頻度でバックグラウンド中に配置されなければ ならない。強化糸によるバックグラウンド布糸本数（ｂａｃｋｇｒｏｕｎｄ ｆ ａｂｒｉｃ ｙａｒ ｎ ｅｎｄｓ）の１５％より多くの取り替え比で、バックグラウンド布はその別 々の性質から解放され始めそして混合布（ｂｌｅｎｄｅｄ ｆａｂｒｉｃ）とし て挙動し始める。 下記の実施例により本発明を説明するが、本発明を限定することを意図するも のではない。 実施例１ バックグラウンド織りパターンの１０番目毎のたて糸及びよこ糸（ｅｖｅｒｙ ｔｅｎｔｈ ｅｎｄ ａｎｄ ｐｉｃｋ）に取って替わるＭＰＤ−Ｉ、２００ デニール連続フイラメント糸（イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド ・カンパニー製のノメックス（Ｎｏｍｅｘ）Ｔ４３２ アラミド繊維として入手 可能である）を有する４０／２綿番手糸（ｃｏｔｔｏｎ ｃｏｕｎｔ ｙａｒｎ ）を使用して、梳綿（ｃｏｍｂｅｄ ｃｏｔｔｏｎ）からＭＩＬＣ−１２０９５ Ｇに従って、強化されたテント布を織った。（５ハーネス朱子）（ｆｉｖｅ ｈ ａｒｎｅｓｓ ｓａｔｉｎ）第２図に示された得られる布は、本発明の布であり 、そして１０番目毎のたて糸及びよこ糸でバックグラウンド布の糸に取って替わ る７．７重量％ＭＰＤ−Ｉ強化糸を含む。この布の重量は、７．０ｏｚ／ｙｄ² （２３７ｇ／ｍ²）であった。 １００％４０／２梳綿の対照布をＭＩＬ−Ｃ−１２０９５Ｇに従って織った。 これは第１図に示されたバックグラウンド布の代表的なものであった。この布の 重量は、６．５ｏｚ／ｙｄ²（２２０ｇ／ｍ²）であった。 煮沸後の二つの布の性質の比較を表Ｉに示す。引張強度は、ＡＳＴＭ Ｄ５０ ３４に従って測定され、そして引裂抵抗は、ＡＳＴＭ Ｄ１４ ２４、エルメンドルフ引裂試験により測定された。 強化された布を、次いでＭＩＬ−Ｃ−１２０９５Ｇに従ってコーティングし、 そして得られる引裂強度及び破断強度はコーティングされていない強化された布 の引裂強度及び破断強度に匹敵するものであった。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９６年１１月１８日 【補正内容】 請求の範囲 １．糸とメタ−アラミド強化糸から織られたバックグラウンド布を含んで成る 軽量引裂抵抗布であって、該メタ−アラミド強化糸は、前記バックグラウンド布 の糸の引張強度の少なくとも１．５倍の引張強度と、前記バックグラウンド布の 糸の伸びの少なくとも２倍の伸びを有し、そして前記バックグラウンド布の糸の デニールに匹敵するデニールであり、インチ（２．５４ｃｍ）当たりの強化糸の 本数は、バックグラウンド布のインチ（２．５４ｃｍ）当たりの糸の本数の１５ ％より少なく、そして得られる強化された布は、エルメンドルフ引裂強度試験に より測定して、バックグラウンド布の引裂抵抗より少なくとも５０％大きい引裂 抵抗を有することを特徴とする軽量引裂抵抗布。 ２．メタ−アラミド強化糸が連続マルチフイラメントポリ（ｍ−フェニレンイ ソフタルアミド）であり、そしてバックグラウンド布が綿朱子（ｃｏｔｔｏｎ ｓａｔｅｅｎ）である、請求の範囲１の布。 ３．インチ（２．５４ｃｍ）当たりの強化糸の本数が、バックグラウンド布の インチ当たりの糸の本数の少なくとも３％であるが、１５％より多くない、請求 の範囲１の布。 ４．たて糸方向の１０本目毎の糸及びよこ糸方向の１０本目毎の糸が強化糸で ある、請求の範囲１の布。 ５．布を防炎性及び耐水性となるように処理する、請求の範囲１の布。 ６．バックグラウンド布のたて糸方向及びよこ糸方向にたて糸とよこ糸を有す るバックグラウンド布とメタ−アラミド強化糸を含んで成り、該メタ−アラミド 強化糸は、前記たて糸及びよこ糸の引張強度の約２倍の引張強度と、前記たて糸 及びよこ糸の伸びより少なくとも２倍大きい 伸びを有し、そして該強化糸は、前記たて糸及びよこ糸のデニールに匹敵するデ ニールを有しており、該強化糸は、インチ（２．５４ｃｍ）当たりの強化糸の本 数が、たて糸方向及びよこ糸方向の各々においてバックグラウンド布のインチ（ ２．５４ｃｍ）当たりの糸の本数の少なくとも３％であるが１５％より少ないよ うにバックグラウンド布のたて糸及びよこ糸に取って替わっていることを特徴と する、軽量引裂抵抗布。 ７．強化糸の伸びが、バックグラウンド布の糸の伸びの３倍であり、そして該 強化糸の引張強度が、バックグラウンド布の糸の引張強度の少なくとも１．５倍 である、請求の範囲６の布。 ８．メタ−アラミド強化糸が連続マルチフイラメントポリ（ｍ−フェニレンイ ソフタルアミド）であり、そしてバックグラウンド布が綿朱子（ｃｏｔｔｏｎ ｓａｔｅｅｎ）である、請求の範囲６の布。 ９．たて糸方向の１０本目毎の糸及びよこ糸方向の１０本目毎の糸が強化糸で ある、請求の範囲６の布。 １０．布を防炎性及び耐水性となるように処理する、請求の範囲６の布。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．糸とメタ−アラミド強化糸から織られたバックグラウンド布を含んで成る 軽量引裂抵抗布であって、該メタ−アラミド強化糸は、バックグラウンド布の糸 のデニールに匹敵するデニールを有し、インチ（２．５４ｃｍ）当たりの強化糸 の本数は、バックグラウンド布のインチ（２．５４ｃｍ）当たりの糸の本数の１ ５％より少なく、そして得られる強化された布は、エルメンドルフ引裂強度試験 により測定して、バックグラウンド布の引裂抵抗より少なくとも５０％大きい引 裂抵抗を有することを特徴とする軽量引裂抵抗布。 ２．メタ−アラミド強化糸が、連続マルチフイラメントポリ（ｍ−フェニレン イソフタルアミド）であり、そしてバックグラウンド布が綿朱子（ｃｏｔｔｏｎ ｓａｔｅｅｎ）である、請求の範囲１の布。 ３．インチ（２．５４ｃｍ）当たりの強化糸の本数が、バックグラウンド布の インチ当たりの糸の本数の少なくとも３％であるが、１５％より多くない、請求 の範囲１の布。 ４．たて糸方向の１０本目毎の糸及びよこ糸方向の１０本目毎の糸が強化糸で ある、請求の範囲１の布。 ５．布を防炎性及び耐水性となるように処理する、請求の範囲１の布。 ６．バックグラウンド布のたて糸方向及びよこ糸方向にたて糸とよこ糸を有す るバックグラウンド布と、メタ−アラミド強化糸を含んで成り、該メタ−アラミ ド強化糸は、前記たて糸及びよこ糸の引張強度の約２倍の引張強度と、前記たて 糸及びよこ糸の伸びより少なくとも２倍大きい伸びを有し、そして該強化糸は、 前記たて糸及びよこ糸のデニールに匹敵するデニールを有しており、該強化糸は 、インチ（２．５４ｃｍ）当 たりの強化糸の本数が、たて糸方向及びよこ糸方向の各々においてバックグラウ ンド布のインチ（２．５４ｃｍ）当たりの糸の本数の少なくとも３％であるが１ ５％より少ないように、バックグラウンド布のたて糸及びよこ糸に取って替わっ ていることを特徴とする、軽量引裂抵抗布。 ７．強化糸の伸びが、バックグラウンド布の糸の伸びの３倍であり、そして該 強化糸の引張強度が、バックグラウンド布の糸の引張強度の少なくとも１．５倍 である、請求の範囲６の布。 ８．メタ−アラミド強化糸が連続マルチフイラメントポリ（ｍ−フェニレンイ ソフタルアミド）であり、そしてバックグラウンド布が綿朱子（ｃｏｔｔｏｎ ｓａｔｅｅｎ）である、請求の範囲６の布。 ９．たて糸方向の１０本目毎の糸及びよこ糸方向の１０本目毎の糸が強化糸で ある、請求の範囲６の布。 １０．布を防炎性及び耐水性となるように処理する、請求の範囲６の布。